(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851649
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】機能材料を基板上に堆積させるための方法
(51)【国際特許分類】
B44C 1/17 20060101AFI20210322BHJP
B41M 3/12 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
B44C1/17 G
B41M3/12
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-506104(P2019-506104)
(86)(22)【出願日】2016年12月21日
(65)【公表番号】特表2020-514094(P2020-514094A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】US2016068100
(87)【国際公開番号】WO2018118052
(87)【国際公開日】20180628
【審査請求日】2019年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】511009710
【氏名又は名称】エヌシーシー ナノ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクス, ロブ ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】アベル, ポール
(72)【発明者】
【氏名】クーネン, エリカ
【審査官】
川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−528751(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/139448(WO,A1)
【文献】
特開2004−304097(JP,A)
【文献】
特開2013−128078(JP,A)
【文献】
特開2012−094500(JP,A)
【文献】
特開2014−196284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44C 1/16−1/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能材料を基板上に堆積させるための方法であって、前記方法は、
第1の表面および第2の表面を有するプレートを提供することであって、前記第1の表面は、光散乱層でコーティングされており、前記第2の表面は、吸光材料でコーティングされた複数のウェルを含んでいる、ことと、
前記複数のウェルを機能材料で充填することと、
ガスを前記吸光材料と前記機能材料との間の界面において発生させ、前記機能材料を前記複数のウェルから受容基板上に放出するために、前記プレートをパルス光で照射し、前記吸光材料を加熱することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記プレートは、光学的に透明である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のウェルの深度は、10nm〜1,000μmに及ぶ、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記吸光材料は、タングステンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パルス光源は、フラッシュランプである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
パルス光源は、レーザである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パルス光の強度は、10KW/cm2を上回る、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法はさらに、前記第1の表面を粗面化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の表面は、非平面である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記受容基板は、非平面である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願)
本願は、2016年3月16日に出願された同時係属中の米国出願第15/072,180号に関連している。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、印刷プロセスに関し、特に、機能材料を基板上に選択的に堆積させるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
機能材料を基板上に選択的に堆積させるための一般的方法は、印刷を介したものである。機能材料は、機能材料が基板上に印刷され得る前に、他の材料と調合される必要がある。調合は、典型的には、機能材料を溶媒または液体中に分散させることによって形成されるため、調合物は、概して、湿潤である。調合物は、多くの場合、粘度に応じて、インクまたはペーストと称される。
【0004】
インクであるかまたはペーストであるかにかかわらず、調合物は、典型的には、印刷プロセスをより容易かつ信頼性のあるものにすることを意図される、ある添加剤を含むが、それらの添加剤はまた、機能材料の性質に干渉し得る。調合物内の添加剤が、堆積されるべき機能材料の意図される機能に実質的に干渉しない場合、添加剤は、留まることができる。そうでなければ、添加剤は、除去されなければならない。添加剤の除去は、不可能ではないにしても、幾分不便である。
【0005】
本開示は、機能材料を基板上に印刷するための改良された方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によると、第1の表面および第2の表面を有する、プレートが、提供される。光散乱材料の層が、プレートの第1の表面上に適用され、反射材料の層が、プレートの第2の表面上に適用される。ウェル群が、プレートの第2の表面上に形成された後、吸光材料の層が、ウェルの表面上に適用される。次に、ウェルは、機能材料で充填される。プレートは、次いで、ガスを吸光材料と機能材料との間の界面において発生させ、機能材料をウェルから受容基板上に放出するために、光のパルスで照射され、吸光材料を加熱する。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
機能材料を基板上に堆積させるための方法であって、前記方法は、
第1の表面および第2の表面を有するプレートを提供することであって、前記第1の表面は、光散乱層でコーティングされており、前記第2の表面は、吸光材料でコーティングされた複数のウェルを含んでいる、ことと、
前記複数のウェルを機能材料で充填することと、
ガスを前記吸光材料と前記機能材料との間の界面において発生させ、前記機能材料を前記複数のウェルから受容基板上に放出するために、前記プレートをパルス光で照射し、前記吸光材料を加熱することと
を含む、方法。
(項目2)
前記プレートは、光学的に透明である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記複数のウェルの深度は、10nm〜1,000μmに及ぶ、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記吸光材料は、タングステンである、項目1に記載の方法。
(項目5)
パルス光源は、フラッシュランプである、項目1に記載の方法。
(項目6)
パルス光源は、レーザである、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記パルス光の強度は、10KW/cm2を上回る、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記方法はさらに、前記第1の表面を粗面化することを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記第2の表面は、非平面である、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記受容基板は、非平面である、項目1に記載の方法。
(項目11)
機能材料を基板上に堆積させるための方法であって、前記方法は、
第1の表面および第2の表面を有するプレートを提供することであって、前記第2の表面は、吸光材料でコーティングされた複数のウェルを含んでおり、前記第2の表面の非ウェル部分は、光反射材料でコーティングされている、ことと、
前記複数のウェルを機能材料で充填することと、
ガスを前記吸光材料と前記機能材料との間の界面において発生させ、前記機能材料を前記複数のウェルから受容基板上に放出するために、前記プレートをパルス光で照射し、前記吸光材料を加熱することと
を含む、方法。
(項目12)
前記プレートは、光学的に透明である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記複数のウェルの深度は、10nm〜1,000μmに及ぶ、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記吸光材料は、タングステンである、項目11に記載の方法。
(項目15)
パルス光源は、フラッシュランプである、項目11に記載の方法。
(項目16)
パルス光源は、レーザである、項目11に記載の方法。
(項目17)
前記パルス光の強度は、10KW/cm2を上回る、項目11に記載の方法。
(項目18)
前記第2の表面は、非平面である、項目11に記載の方法。
(項目19)
前記受容基板は、非平面である、項目11に記載の方法。
【0007】
本発明の全ての特徴および利点は、以下の詳細な説明から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明そのものだけではなく、その好ましい使用形態、さらなる目的、および利点は、添付の図面と併せて熟読されることによって、例証的実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解されるであろう。
【0009】
【
図1A】
図1A−1Bは、レーザ誘発順方向転写プロセスを描写する。
【
図1B】
図1A−1Bは、レーザ誘発順方向転写プロセスを描写する。
【
図2】
図2は、機能材料を基板上に堆積させるための方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
理想的には、基板上の機能材料の印刷の代わりに、純粋な機能材料を基板上に選択的に堆積させることが、最も好ましいが、これは、ほぼ全く行われない。ある程度まで、高固形物量を伴うペースト等の略純粋な機能材料を印刷することは、レーザ誘発順方向転写(LIFT)プロセスを使用することによって実施されることができる。
【0011】
ここで、図面、特に、
図1A−1Bを参照して、LIFTプロセスを描写する。最初に、機能材料11が、少なくとも部分的に光学的に透明なドナー基板10の片側に設置される。レーザビーム12が、次いで、
図1Aに示されるように、ドナー基板10の他側(機能材料11が設置される側と反対)に設置され、レーザビーム12が、機能材料11とドナー基板10との間の界面15の近傍の点に集束される。ガス16が、その後、界面15において発生され、ガス16は、
図1Bに示されるように、少量の機能材料11を受容基板17上に推進させる。
【0012】
LIFTプロセスには、いくつかの不利点が存在する。第1に、堆積物が厚くなるほど、最終印刷物の分解能は、低くなる。第2に、機能材料の単一スポットのみが、一度に転写され得るため、LIFTプロセスは、連続様式においてのみ実施されることができる。第3に、ドナー基板上の比較的に少量の機能材料のみが利用されるため、LIFTプロセスには、大量の無駄が存在する。最後に、そしておそらく、LIFTプロセスの最大の不利点は、印刷されるべき機能材料の動的特性に関して、特定の要件が存在することである。言い換えると、LIFTプロセスは、あらゆるタイプの機能材料に好適であるわけではなく、印刷パラメータは、機能材料のタイプ毎に微調整される必要がある。調整の許容誤差は、層厚の均質性および粘度が、ドナー基板全体を横断して変動するであろうため、比較的に小さい。
【0013】
ここで
図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態による、機能材料を基板上に堆積させるための方法が、例証される。ブロック20から開始して、ブロック21に示されるように、光学的に透明なプレートが、提供される。光学的に透明なプレートは、好ましくは、石英から作製される。
図3Aにおいてプレート31として描写される、光学的に透明なプレートは、第1の表面32と、第2の表面33とを含む。第1の表面32は、好ましくは、平坦であるだけではなく、また、湾曲され得る。第2の表面33は、好ましくは、複数のウェル35a、35b、および35cでディンプルが付けられる。ウェル35a−35cのそれぞれの深度は、好ましくは、10nm〜1,000μmであって、ウェルの正確な深度は、特定の用途に依存する。ウェル35a−35cは、好ましくは、レーザによるフェムト秒レーザ穿孔によって形成されるが、また、エッチングによっても形成されることができる。3つのウェル35a−35cのみが、
図3Aに示されるが、第2の表面33は、3つを上回るウェルを有してもよいことが、当業者によって理解される。
【0014】
光散乱材料層37が、ブロック22において、そして
図3Bにおいて描写されているように、プレート31の第2の表面32に適用される。光散乱材料層37はまた、本方法の後の段階においても適用されることができる。プレート31は、1を上回る屈折率を有し、プレート31に衝突する入射光は、プレート31の平面から引かれた法線角度に向かって曲がる傾向を有する。プレート31による入射放射の曲げは、吸収層の照射をあまり均一ではないものにし、光散乱層37をプレート31の第1の表面32上に適用することによって、そのような影響は、軽減されることができる。別の光散乱材料層もまた、反射層が堆積される前に、プレート31の第2の表面32上に設置されてもよい。そのような層は、加えて、吸収層上に衝突する光の均一性を増加させる。光散乱材料層は、多孔性材料、マイクロレンズアレイ、パターン化された構造、およびメタ材料等の種々の材料から作製されてもよい。これはまた、入射表面32を粗面化することによって発生されてもよい。
【0015】
ブロック23に示されるように、反射材料層38をプレート31の第2の表面33上に適用後、反射材料層38が、
図3Bに示されるように、選択的にエッチング除去されることができる。反射材料層38と吸光材料層との間で高コントラスト比を有するとき、プレート31の第2の表面33上ではなくウェル35a−35c内の機能材料中の溶媒の相変化温度に到達することのみが可能である。ウェル35a−35cの充填は、100%清浄プロセスではない場合があるため、反射材料層38は、プレート31の第2の表面33上の任意の機能材料が機能材料中の溶媒の相変化温度に到達することを防ぐ。反射材料層38のための可能性として考えられる材料は、アルミニウムである。
【0016】
次に、吸光材料層34が、ブロック24において、そして
図3Bにおいて描写されているように、プレート31の第2の表面33に適用される。吸光材料層34は、熱的に安定する必要がある(すなわち、熱衝撃抵抗)。好ましくは、吸光材料層34は、タングステンから作製される。
【0017】
プレート31のウェル35a−35cが、次いで、ブロック25において、そして
図3Cに示されているように、機能材料36で充填される。機能材料36は、インクまたはペーストの形態であることができる。スクイージまたはドクターブレードが、ウェル35a−35cを機能材料36で充填するために利用されることができる。ウェル35a−35cが、機能材料36で充填された後、プレート31は、ブロック26において、そして
図3Dに描写されているように、好ましくは、第1の表面32上において、パルス光によって照射される。好ましくは、パルス光は、フラッシュランプ37によって発生される。
【0018】
パルス光が、プレート31に衝打すると、光子の一部が、吸光材料層34を実質的に加熱する、フォノンに変換される。吸光材料層34が、加熱されている間、ウェル35a−35c内の機能材料36は、熱拡散(主に、伝導)を通して加熱されるであろう。吸光材料層34と機能材料36との間の界面において、機能材料36の1つまたは複数の成分の沸騰または昇華相変化温度に到達すると、ガスが、吸光材料層34と機能材料36との間の界面において発生される。ガスは、次いで、
図3Eに示されるように、機能材料36をプレート31から受容基板38に排出する。機能材料36の転写はまた、重力によって補助され得る。
【0019】
前述のステップは、機能材料をプレート31のウェル35a−35cに再適用し、その後、フラッシュランプ37からのパルス光の別の暴露が続き、機能材料をウェル35a−35cから受容基板37上に排出することによって、反復されてもよい。
【0020】
ウェル深度に加え、ウェル35a−35cの形状も、機能材料36の排出の制御を支援し、機能材料36の充填を改良するように調節されることができる。
【0021】
ウェル35a−35c内の機能材料36が、同時に、プレート31への接着力を喪失するように、機能材料36が一貫した様式で加熱されることを確実にするために、吸光材料層34上に熱の均一な印加を供給することが、重要である。そうではない場合、機能材料36は、種々の方向に吐出されるであろう。さらに、機能材料36が、非一貫して加熱される場合、機能材料36は、排出後、非一貫した性質を有し得る。ウェル35a−35cからの機能材料36の吐出は、剪断応力をほぼ受けないべきである。
【0022】
吸光材料層34上への熱の均一な印加は、好ましくは、空間的に均一なビームプロファイルを伴う、非コリメート光源を使用して達成される。ウェル35a−35cはそれぞれ、湾曲表面を有するため、ウェル35a−35cの表面における放射パワーは、それらに衝突する光の入射角度のコサインに比例する。したがって、コリメートされた光のビームは、ビームの空間的強度が、ウェル35a−35cのそれぞれにわたって光の入射角度の1/コサインとして変動しない限り、均一な加熱プロファイルを生産しないであろう。本問題は、パルス光がコリメートされないとき、存在しない。
【0023】
空間的に均一なビーム強度を有し得る、非コリメート光源の実施例は、前述のフラッシュランプ37である。非コリメート光源の別の実施例は、導波管に結合されたレーザである。レーザ単独は、コヒーレント源であるが、導波管を通過後、レーザからのレーザビームは、そのコヒーレンスを喪失し、したがって、非コリメートとなる。レーザビームの強度が、空間的に均一であるとき、吸光材料層34の均一加熱が、達成されることができる。
【0024】
フラッシュランプ37等のフラッシュランプを光源として使用するために、フラッシュランプは、好ましくは、5%未満、より好ましくは、2%未満のビーム均一性を有し、強度は、好ましくは、5KW/cm
2を上回り、より好ましくは、10KW/cm
2を上回る。加えて、光のパルスは、好ましくは、1ms未満、より好ましくは、0.2ms未満である。プレート30および吸光材料層34の熱拡散性が高いほど、強度が高くなり、パルス長が短くなることが要求される。ビームの強度の均一性は、好ましくは、5%未満であって、より好ましくは、2%未満である。
【0025】
パワー不足のフラッシュランプが使用される場合、機能材料36は、ウェル35a−35cから適切に放出されないであろう。より具体的には、強度が低すぎる光のパルスが、使用される場合、より長い時間の持続時間が、機能材料36をプレート31から吐出するために要求される温度に到達するために要求される。これは、熱拡散に起因して、より多くの機能材料36が、最終的に吐出される前に加熱されるであろうことを意味する。これは、多くのタイプの機能材料にとって望ましくない。したがって、より小さいウェルのために、より多量の機能材料36が、影響されるであろう。
【0026】
光源が、コリメートされないため、本発明を利用し、機能材料を非平面基板、例えば、3次元構造上に印刷することが可能である。この場合、ウェルを有する表面は、受容基板の表面に合致するように断続または湾曲されてもよい。これは、凹面もしくは凸面のいずれかの湾曲表面上またはさらに断続表面にわたって、アンテナを印刷する等の有用な用途を有し得る。
【0027】
以下は、本発明の方法がさらによりフレキシブルに、そしてより有利になることを可能にする、付加的タイプの層である。
【0028】
(熱緩衝層)
熱緩衝層が、プレート31の第2の表面33上への吸光材料層34の適用の前に、プレート31の第2の表面33上に適応されることができる。熱緩衝層は、低熱伝導性を呈する。熱緩衝層が、プレート31より低い熱伝導性を有するとき、吸光材料層34からプレート31の平坦の部分上への熱パルスを遅延させる。
【0029】
熱緩衝層の実施例は、ポリイミド等のポリマーである。ポリイミドは、熱伝導性約0.5W/m−Kを有し、これは、石英より約2.5倍低い。熱緩衝層の厚さは、好ましくは、10ミクロン未満である。
【0030】
(放出層)
機能材料36の適用前に、比較的に低沸点を有する材料の薄層が、プレート31からの機能材料36の放出を促進するために適用されてもよい。適用は、ロールコーティング、蒸着、噴霧等のいくつかの堆積技術によって実施されることができる。好ましくは、放出層は、機能材料36中の溶媒または成分のいずれかと等しいまたはそれより低い相変化温度を有する。放出層のための可能性として考えられる材料は、ポリ(プロピレンカーボネート)である。
【0031】
放出層はまた、吸光性であってもよい。この場合、同様に、吸収層としての役割を果たすことができる。これは、印刷ステップ毎に再適用されなければならない。
【0032】
(多孔性放出層)
機能材料36の放出機構は、薄いマイクロ構造層またはナノ構造層を機能材料36と吸光材料層34との間のウェル35a−35c内に適用することによって改良されることができる。放出構造は、溶媒を含有可能である必要があり、したがって、細孔を有する必要がある。機能材料36の粒子サイズに応じて、細孔サイズは、マイクロメートル範囲またはナノメートル範囲のいずれかであることができる。放出構造内の細孔は、機能材料36の適用の前に、低沸点溶媒で充填される。典型的には、低沸点溶媒はまた、低相変化温度を有し、機能材料36がより低いエネルギー光パルスで印刷されることができることを意味する。代替として、機能材料36からの溶媒は、適用されるとき、優先的に、細孔の中に進入することができる。両場合において、放出構造内のガス発生は、機能材料36の性質に殆ど依存しない。これは、より均質なプロセスにつながるはずである。また、機能材料36への熱損傷もさらに、直接様式において加熱されないため、防止されることができる。
【0033】
これは、熱的に脆弱である生物学的材料を印刷するときに重要であり得る。放出層を伴わなくても、これは、多くの熱を伝達する時間が殆どないため、「冷間」印刷プロセスである。機能材料36は、常時、相変化温度に到達するまで、加熱されるであろう。しかしながら、典型的には、有意に加熱されるのは、1μm未満の材料である。しかしながら、放出層を伴うと、機能材料36によって被られるピーク温度は、さらに低減される。
【0034】
機能材料の吐出を支援する目的のための多孔性放出層構造の代替は、機能材料36の放出を向上させ、かつ印刷後およびより多くの機能材料36の後続適用前の表面の清掃性を向上させるための吸光材料層34と機能材料36との間の低表面張力層の適用である。低表面張力層はまた、ウェル35a−35cの所望の部分上への機能材料36の堆積を促すように、ウェル内に選択的に適用されてもよい。
【0035】
吸光材料層34は、機能材料36に対して低表面張力層で選択的にコーティングされ、機能材料36のウェル35a−35cからの放出を補助してもよい。
【0036】
説明されたように、本発明は、機能層を基板上に堆積させるための方法を提供する。LIFTプロセスと異なり、本発明の方法は、走査を要求しない。LIFTプロセスと異なり、機能材料の約100%が、本発明の方法によって利用される。LIFTプロセスと異なり、本発明の方法を用いることで、未使用ペーストまたは転写テープ等の副産物または廃棄物がない。
【0037】
本発明のさらなる利点は、ウェルの形状およびプロファイルが、種々の効果を達成するために変動されることができることである。より興味深いことに、ウェルの深度も同様に、プレートを横断して変動されることができる。ウェルの深度は、分注されている材料の量に関連するため、本発明は、異なる厚さの材料の同時堆積を可能にする。これは、いくつかの非常に実用的な意義を有する。例えば、回路基板では、電気トレースは、薄く、接触パッドは、厚いことが、一般的である。通常、これは、2つの別個の印刷を要求し、それらの印刷の第2のものは、第1のものと位置合わせされる必要がある。本発明を用いることで、薄いおよび厚いトレースの堆積が、単一ステップにおいて実施され、位置合わせが必要とされないため、時間を節約し、印刷の品質を増加させることができる。
【0038】
本発明は、特に、好ましい実施形態を参照して図示および説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更が本明細書に成され得ることが、当業者によって理解されるであろう。