(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1(a)】本発明の第1の実施形態に係る食パン移載システムを模式的に示す正面図である。
【
図1(b)】本発明の第1の実施形態に係る食パン移載システムを模式的に示す平面図である。
【
図2】(a)は、
図1(a)、(b)に示される食パン移載システムのシャッター部が、開いている状態を示す側面図であり、(b)は、
図1(a)、(b)に示されるパン移載システムのシャッター部が、閉じている状態を示す側面図である。
【
図3】(a)は、
図2(a)に示されるシャッター部の平面図であり、(b)は、
図2(b)に示されるシャッター部の平面図である。
【
図4】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る運搬容器の平面図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る運搬容器の正面図である。
【
図5】(a)〜(f)は、本発明の第1の実施形態に係る食パン移載システムにより、食パンが運搬容器内に収納される工程を模式的に示す正面図である。
【
図6】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る食パン移載システムを模式的に示す正面図であり、(b)は、上流側可動ガイドを搬送方向の上流側から見た図である。
【
図7】(a)〜(f)は、本発明の第2の実施形態に係る食パン移載システムにより、食パンが運搬容器C内に収納される工程を模式的に示す正面図である。
【0022】
以下に、本発明のパン移載システムを食パン移載システムに適用した実施形態について図面を参照しつつ説明する。尚、図面において同一部分は同一符号で示してある。以下説明する実施形態は例示として説明するものであり、本発明を限定するものではないことは言うまでもない。
【0023】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る食パン移載システム1を模式的に示す正面図であり、
図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係る食パン移載システム1を模式的に示す平面図であり、
図2(a)は、
図1(a)、(b)に示される食パン移載システム1の昇降シャッター部15が、開いている状態を示す側面図であり、
図2(b)は、
図1(a)、(b)に示されるパン移載システム1の昇降シャッター部15が、閉じている状態を示す側面図である。
図3(a)は、
図2(a)に示される昇降シャッター部15の平面図であり、
図3(b)は、
図2(b)に示される昇降シャッター部15の平面図であり、
図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係る運搬容器Cの平面図であり、
図4(b)は、本発明の第1の実施形態に係る運搬容器Cの正面図である。
【0024】
なお、
図2(b)は、
図2(a)と異なり、図面の明瞭性を確保するため、昇降シャッター部15の主要な構成要素のみが図示されている。また、本実施形態で移載される被移載対象物は、搬送方向に関し4つの袋詰めされた食パンbが配置され、搬送方向に直交する方向に3つの袋詰めされた食パンbが配置され、4行3列の配列形態を有する食パン群Bである。また、本実施形態の食パンbは、いわゆる3枚切りの食パンであり、運搬容器Cには、2つの食パンbが、その切断面が鉛直方向に面するように積み重ねられた状態で収納される。また、1つの食パンは、ほぼ立方体形状を呈し、3枚切りの食パンbとは、1つの食パンbを半分に切断したものを意味する。
【0025】
食パン群Bを搬送方向Dに沿って搬送するための食パン移載システム1は、主として、食パンbを搬送するための搬送手段であるベルトコンベア5と、被移載対象物である食パン群Bを係止するための係止手段であるプッシャー機構9と、昇降開閉手段である昇降シャッター部
15と、食パン移載システム1の各構成要素を制御するための制御手段である制御部7と、を備える。
【0026】
制御部7は、食パン移載システム1の各構成要素である、ベルトコンベア5、プッシャー機構9、昇降シャッター部
15、後述する往復コンベア40等の各構成要素に電気的に連結され、各構成要素の制御を司る。制御部7は、既知のCPU(Central Processing Unit)、所定のプログラムを格納するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種設定値を格納するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等を備えるともに、CPUがROM等に記憶されている制御プログラムを実行することで後述する食パン群Bの搬送、移載といった種々の動作を実行する。
【0027】
食パン移載システム1の搬送方向Dの下流側であって、昇降シャッター部15の鉛直方向下方には、
図4(a)、(b)に示される運搬容器Cを移載するための排出コンベア13が配置されている。この排出コンベア13は、食パン群Bが収納された運搬容器Cを搬送方向Dの下流側へ搬送し、運搬容器Cを次工程へと搬送する。本実施形態では、この排出コンベア13にも、制御部7が電気的に連結され、その作動は制御部7により制御可能である。
【0028】
以下に、パン移載システム1を構成するベルトコンベア5について説明する。本実施形態のベルトコンベア5は、搬送方向Dにおいて食パン群Bが載置される載置面50aを有する無端ベルト50と、無端ベルト50が巻回される複数の転動体と、当該転動体を駆動するための駆動モータ51とを備える。本実施形態の当該複数の転動体は、レシプロプーリー52、移動プーリー53、テンションプーリー54、駆動プーリー55から構成され、各プーリー52、53、54、55は、回転可能に支持されている。なお、図面の明瞭化のため筐体100は、模式的に示している。なお、転動体の数は適宜変更可能である。
【0029】
さらに、ベルトコンベア5に関し、
図1(a)、(b)、
図5(a)〜(f)を参照しつつ説明する。移動プーリー53とレシプロプーリー52は、搬送方向D及び搬送方向Dに対向する反搬送方向dに往復移動可能に構成されている。すなわち、移動プーリー53及びレシプロプーリー52の各々は、レシプロ連結部材49に回転可能に支持されている。また、レシプロ連結部材49の、搬送方向Dに交差する幅方向の両端部の近傍には、リニアガイド43が搬送方向Dに延在する。リニアガイド43には、スライダ44が摺動可能に装着され、スライダ44には前述のレシプロ連結部材49が固定されている。さらに、スライダ44には、往復コンベア48が連結され、往復コンベア48は、往復駆動モータ41の回転力により往復運動する。上記構成において、往復コンベア48が往復運動すると、移動プーリー53とレシプロプーリー52とが往復運動する。
【0030】
一方、転動部材を構成するその他のテンションプーリー54、駆動プーリー55は、それぞれ回転可能に支持軸(不図示)に支持され、当該支持軸が固定的に筐体100に装着されている。したがって、移動プーリー53及びレシプロプーリー52は、テンションプーリー54及び駆動プーリー55に対し、搬送方向Dに関し、離れたり近づいたりするように移動可能である。
【0031】
次に、昇降シャッター部(すなわち、昇降開閉手段)15について
図2(a)、(b)を参照しつつ説明する。本実施形態の昇降シャッター部15は、搬送方向Dにおいてベルトコンベア5の下流側に配置され、ベルトコンベア5により搬送される食パン群Bを運搬容器Cに移載する。
【0032】
昇降シャッター部15は、搬送方向Dに直交する方向(
図2(a)、(b)の左右方向)に開閉するシャッター部90と、シャッター部90を開閉するためのシャッター開閉駆動手段91とを備える。シャッター部90は、左右対称の形状である一対の板状部材92から構成され、一対の板状部材92のそれぞれは、シャッター開閉駆動手段91に連結され、開閉駆動手段は、例えば、エアーシリンダにより構成されている。また、シャッター開閉駆動手段91は、制御部7に連結されており、食パン移載システム1を構成するその他の構成要素と同期して制御することができる。また、板状部材92、食パン群Bが載置される上面92aは、水平方向に延在する。
【0033】
さらに、昇降シャッター部15は、
図1(a)、
図2(a)、(b)の上下方向に昇降できるように、シャッター昇降駆動部93に連結されている。シャッター昇降駆動部93は、既知の構成であり、例えばエアーシリンダ等を利用できる。また、シャッター昇降駆動部93も、制御部7に連結されており、食パン移載システム1を構成するその他の構成要素とともに同期して制御することが可能である。
【0034】
上記構成において、一対の板状部材92は、制御部7からの駆動信号により、
図1(b)、
図2(a)、(b)の上下方向にシャッター昇降駆動部93により昇降するとともに、シャッター開閉駆動手段91により
図2(a)、(b)の左右方向に、開閉運動することができる。
【0035】
プッシャー機構9は、
図1(a)に示されるように、食パン群Bの下流端側を付勢するための押圧板すなわち押圧可動ガイド31と、押圧可動ガイド31と不図示の押圧駆動部とを連結する押圧連結部32とを備える。押圧可動ガイド31は、
図1(a)に示される通り、二点鎖線で示される待機位置S1と、実線で示される押圧位置S2との間で移動可能である。食パン群Bが、無端ベルト50が伸び(
図1(a)の実線で示す)、無端ベルト50の最下流位置L2に到達すると、押圧可動ガイド31が
図5(b)中の下方に降下し、搬送方向Dに沿って下流側に移動し押圧位置S2に到達する。この状態における製品固定ガイド(下流側ガイド)61と押圧可動ガイド(押圧手段)31との搬送方向Dの長さ寸法は、運搬容器Cの搬送方向Dの内寸法より若干短く寸法付けされている。
【0036】
なお、食パン群Bは、上流側で無端ベルト50の載置面50aに載置された時点で、所定の配列形態に整列されている。しかしながら、搬送方向Dに関する食パン群Bの長さ寸法は、運搬容器Cの搬送方向Dの長さ寸法に一致していない場合が考えられる。そこで、押圧可動ガイド31により、食パン群Bが押圧されることにより、所定の配列形態の搬送方向Dに関する長さ寸法を運搬容器Cの、搬送方向Dに関する内寸法より若干小さくなるように寸法付けすることができる。また、無端ベルト50が最下流位置L2に延びた状態において、製品固定ガイド61と押圧可動ガイド31との間の載置面50aの領域は水平に延在し、製品固定ガイド61と押圧可動ガイド31とは鉛直方向に延在している。なお、製品固定ガイド61は、筐体200に装着されている。
【0037】
さらに、無端ベルト50の搬送方向Dに直交する幅方向に対向配置される一対の幅方向可動ガイド65、67が筐体200に装着されている。幅方向可動ガイド65、67は、互いに離れる方向及び近づく方向に移動可能に不図示の駆動手段(例えば、エアーシリンダ)に連結されている。無端ベルト50により搬送される食パン群Bは、上述の幅方向可動ガイドにより、食パン群Bの幅方向(搬送方向Dに直交する方向)の幅方向寸法が、運搬容器Cの内寸法より若干小さく寸法となるように調整される。また、幅方向可動ガイド65、67の食パン群Bに当接する領域は、鉛直方向に延在する。
【0038】
また、本実施形態では、前述の通り、無端ベルト50上に載置された状態では、食パン群Bが所定の配列形態を呈するものの、運搬容器Cの内寸法に適合するようには寸法付けされてない。従って、食パン群Bは、押圧可動ガイド31及び製品固定ガイド61により、搬送方向Dに関する寸法付けがなされ、一対の幅方向可動ガイド65、67により幅方向に関する寸法付けがなされる。
【0039】
上述した昇降シャッター部15の一対の板状部材92は、最上位置H1、中間位置H2、最下位置H3に位置付けられる構成である。一対の板状部材92が最上位置H1に配置されているときに、第1段目を構成する食パン群Bが載置され、中間位置H2に配置されているときに、第2段目を構成する食パン群Bが載置され、最下位置H3に配置されているときに、排出コンベア13に食パン群Bが移載される。一対の板状部材92が最下位置H3に降下された状態では、一対の板状部材92は、後述する排出コンベア13に配置される運搬容器Cの直上に位置決めされる。
【0040】
さらに、昇降シャッター部15の下方(
図1(a)における上下方向における下方)には、食パン群Bが収納される運搬容器Cを搬送するための排出コンベア13が配置されている。排出コンベア13は、昇降シャッター部15により、食パン群Bが移載された運搬容器Cを次工程に搬送する手段である。
図1(a)に示されるように、ほぼ水平方向に延在する載置面を有する排出無端ベルト74と、排出無端ベルト74が巻回される既知の駆動プーリー(不図示)及び従動プーリー75と、駆動プーリーを回動させる既知の駆動手段である電動モータ98とを備える。上記構成の排出コンベア13は、運搬容器Cに食パン群Bが移載されると、電動モータ98が駆動されることにより、排出無端ベルト74が搬送方向Dに沿って下流方向に運搬容器Cを搬送する。
【0041】
次に、食パン移載システム1を用いて、食パン群Bが運搬容器Cに移載される工程について
図5(a)〜(f)を参照しつつ説明する。上述の通り、
図5(a)〜(f)は、袋詰めされた食パンbを4行3列に配列されることで形成される食パン群Bが移載される工程を模式的に示す正面図である。
【0042】
図5(a)は、運搬容器Cに収納される第1段目の食パン群Bが、無端ベルト50の最下流位置L2の近傍に位置し、第2段目の食パン群Bが、無端ベルト50の上流側に位置している状態を示している。このとき、昇降シャッター部15の板状部材92は、
図5(a)の上下方向に関する最上位置(
図1(a)の符号H1参照。)に位置する。板状部材92の上面92aは、無端ベルト50のリターン面(反搬送方向dに進む無端ベルト50の領域における鉛直方向下方を向く面)50bの近傍に位置する。さらに、食パン群Bの最下流側端部は、製品固定ガイド61に支持されている。従って、無端ベルト50は、搬送方向Dに回動しているため、食パン群Bに下流側への付勢力が掛かるが、製品固定ガイド61により係止される。
【0043】
また、押圧可動ガイド31が製品固定ガイド61へ近づく方向に移動し、食パン群Bの最上流側端部を押圧し、搬送方向Dに関する食パン群Bの長さ方向寸法が、運搬容器Cの搬送方向Dの長さ寸法より若干小さくするように寸法付けが行われる。さらに、幅方向可動ガイド65、67(
図1(a)、
図2参照。)が互いに離れた位置(
図1(b)の二点鎖線)から互いに近づく位置(
図1(b)の実線で示す)へ搬送方向Dに直交する方向に移動し(
図2(a)、(b)に示す状態)、製品パン群Bの幅方向の寸法が、運搬容器Cの搬送方向Dに直交する方向(幅方向)寸法より若干短く調整される。
【0044】
なお、本実施形態では、第一段目を構成する食パン群Bと第2段目を構成する食パン群Bとが、搬送方向Dにおいて所定の距離離間し示されているが、被移載対象物の長さ寸法や、無端ベルト50の搬送速度等により、配置される被移載対象物の数や間隔は適宜変更されることは言うまでもない。
【0045】
次に、
図5(b)に示すように、無端ベルト50の下流端部を支持する移動プーリー53及びレシプロプーリー52が、反搬送方向dに移動することにより、無端ベルト50が最上流位置L1に移動する。このとき、押圧可動ガイド31の位置は、
図5(a)の押圧位置に維持されるので、食パン群Bは、製品固定ガイド61、押圧可動ガイド31、幅方向可動ガイド65、67も
図1(a)により寸法付けされた状態で、食パン群Bが、板状部材92の上面92a上に載置される(落下する)。すなわち、食パン群Bは、所定の配列形態を維持された状態で板状部材92に移載される。
【0046】
さらに、
図5(c)に示されるように、昇降シャッター部15の板状部材92が、最上位置H1から中間位置H2へ降下する。このとき、板状部材92に載置されている第1段目の食パン群Bは、押圧可動ガイド31の代わりに上流側固定ガイド(上流側ガイド)63と、製品固定ガイド61と、幅方向可動ガイド65、67とにより支持されている。このように、食パン群Bを構成する各食パンbに対して、食パンbが傾く方向への力が作用することを防止することができるので、食パン群Bの配列形態が乱されることなく無端ベルト50から昇降シャッター部15へ移載される。
【0047】
図5(d)に示される工程では、移動プーリー53及びレシプロプーリー52が、上流側へ移動し、無端ベルト50が最上流位置L1へ到達する。このように、移動プーリー53及びレシプロプーリー52が反搬送方向dに退行することにより、第2段目を構成する食パン群Bが第1段目の食パン群B上に落下する。
【0048】
上述の通り、無端ベルト50のリターン面50bと板状部材92上に載置されている食パン群Bの上面が、接触しない程度に互いに近づく位置関係とすることにより、
図5(d)に示す状態に至る際の、食パン群Bの落下距離を最低限に抑えている。
【0049】
なお、第2段目の食パン群Bは、幅方向に関し幅方向可動ガイド65、67により、搬送方向Dに関し製品固定ガイド61、押圧可動ガイド31により支持されている。また、
図5(b)に示す状態と同様に、押圧可動ガイド31、製品固定ガイド61、幅方向可動ガイド65、67とに当接する食パン群Bが所定の寸法となるように調整される。すなわち、板状部材92の上面92aに載置されている食パン群Bと同じ状態に整列される。
【0050】
さらに、
図5(e)に示すように、板状部材92は、最下位置H3に降下する。このとき2段重ねの食パン群Bは、幅方向に関し幅方向可動ガイド65、67により、搬送方向Dに関し製品固定ガイド61、上流側固定ガイド63により支持され、所定の配列形態に整列される。なお、押圧可動ガイド31は、待機位置S1に戻る。
【0051】
最後は、
図5(f)に示されるように、運搬容器Cの直上である最下位置H3において、板状部材92が開放され(
図2(
b)参照。)、第1段目及び第2段目の食パン群Bが一緒に、所定の配列形態を維持し落下する。なお、製品固定ガイド61、上流側固定ガイド63、幅方向可動ガイド65、67により、水平方向に関する移動が規制されている。従って、2段に積み重ねられた食パン群Bは、その配列形態を維持した状態で落下する。よって、食パン群Bの各食パンbが運搬容器Cの壁部Wに妨げられることなく、2段に積み重ねられた食パン群Bが運搬容器C内に収納される。このように、食パン移載システム1による食パンbの移載工程が行われ、別の運搬容器Cへ食パンbを収納する工程は、前述した
図5(a)〜(f)の工程を繰り返すことにより行われる。
【0052】
なお、
図5(f)に示すように、運搬容器Cに所定数の食パンが収納されると、排出コンベア13により、運搬容器Cは次工程へ搬送される。
【0053】
本実施形態の一対の板状部材92は、幅方向に移動し開閉する構成であるが、搬送方向Dに移動し、開閉する構成とすることも可能である。また、本実施形態では、幅方向に関し、閉じた状態で一対の板状部材92の間には所定の隙間を設けているが、この隙間の寸法や有無については、被移載対象物に応じて適宜変更できる。また、一対の板状部材92は、閉じた状態において、その互いに隣り合う先端部は、搬送方向Dに平行に延在する形態であるが、搬送方向Dに対し所定の角度を有し延在する形状の先端部とすることも可能である。
【0054】
(第2の実施形態)
以下に本発明のパン移載システムを食パン移載システムに適用した第2の実施形態について
図6(a)、(b)、
図7(a)〜(f)を参照しつつ説明する。なお、第2の実施形態に係る食パン移載システム301は、プッシャー機構9を備えずに、上流側ガイドすなわち上流側可動ガイド160が揺動可能である点で第1の実施形態と異なるので、異なる部分を主として説明する。特に説明の無い構成要素は、第1の実施形態の対応する構成要素と同じであり、その作用効果も同じである。
【0055】
図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係る食パン移載システム301を模式的に示す正面図であり、
図6(b)は、上流側可動ガイド160を搬送方向Dの上流側から見た図であり、
図7(a)〜(f)は、本発明の第2の実施形態に係る食パン移載システム301により、食パンbが運搬容器C内に収納される工程を模式的に示す正面図である。
【0056】
第2の実施形態に係る食パン移載システム301の係合手段である上流側可動ガイド160は、板形状のガイド板163と、ガイド板163に連結される一端部を有するレバー部172と、レバー部172の他端部が揺動可能に連結される揺動軸174と、レバー部172の長手方向に関しほぼ中間に連結される揺動駆動部であるエアーシリンダ173と、を備える。レバー部172は、その他端部に固定されている揺動軸174を中心として、エアーシリンダ173により、
図6(a)の左右方向に揺動する。なお、揺動軸174は、
図6(a)の奥行方向に延在する。また、エアーシリンダ173は、制御部7に電気的に連結され、後述する通り、食パン移載システム301の他の構成要素と同様に制御部7により制御される。
【0057】
上記構成において、ガイド板163とレバー部172とは、鉛直方向に延在する、2点鎖線で示される直立位置と、鉛直方向に対して上流側に傾斜する、実線で示される開放位置との間で揺動可能である。直立位置のガイド板163と、製品固定ガイド61は、その搬送方向Dに関する長さ寸法が、搬送方向Dに関する運搬容器Cの内法寸法より若干小さくなるように配置されている。また、ガイド板163の短手方向の長さ寸法(
図6(b)の上下方向寸法。)は、本実施形態では、2段積みされている食パン群Bの高さ(鉛直方向の長さ)寸法より若干大きく寸法付けされており、ガイド板163が、2段の食パンBの最上流側端部に当接できる構成である。従って、レバー部172を開放状態から直立状態へ揺動すると、2段積みされている食パン群Bにガイド板163が係合し、食パン群Bの配列形態を整えることができる。
【0058】
以下に、第2の実施形態に係る食パン移載システム301を用いて、食パン群Bが運搬容器Cに移載される工程について
図7(a)〜(f)を参照しつつ説明する。上述の通り、
図7(a)〜(f)は、袋詰めされた食パンbを4行3列に配列されることで形成される食パン群Bが移載される工程を模式的に示す正面図である。
【0059】
図7(a)は、運搬容器Cに収納される第1段目の食パン群Bが、無端ベルト50の最下流位置L2の近傍に位置し、第2段目の食パン群Bが、無端ベルト50の上流側に位置している状態を示している。このとき、上流側ガイド162は、開放位置(
図6(a)の実線で示す位置。)にある。板状部材92の上面92aは、無端ベルト50のリターン面(無端ベルト50が反搬送方向dに進む際に鉛直方向下方を向く面)50bの近傍に位置する。さらに、食パン群Bの最下流側端部は、製品固定ガイド61に支持されている。無端ベルト50が搬送方向Dに回動しているため、食パン群Bには下流側への付勢力が掛かるが、食パン群Bは製品固定ガイド61により係止される。
【0060】
また、本実施形態の食パン移載システム301は、第1の実施形態と異なり押圧可動ガイド(
図1(a)の参照符号31参照。)を備えないので、この段階では食パン群Bの配列形態の調整は行われない。一方、幅方向可動ガイド65、67(
図1(a)、
図2参照。)が互いに離れた位置(
図1(b)の二点鎖線)から互いに近づく位置(
図1(b)の実線で示す)へ搬送方向Dに直交する方向に移動し(
図2(a)、(b)に示す状態)、製品パン群Bの幅方向の寸法が、運搬容器Cの搬送方向Dに直交する方向(幅方向)寸法より若干短く調整される。
【0061】
次に、
図7(b)に示すように、無端ベルト50の下流端部を支持する移動プーリー53及びレシプロプーリー52が、反搬送方向dに移動することにより、無端ベルト50が最上流位置L1に移動する。このとき、無端ベルト50は、食パン群Bに対して製品固定ガイド61側に付勢力を付与するように回動しているので、無端ベルト50自体が反搬送方向dに移動することによる食パン群Bに対する反搬送方向dへの付勢力を相殺され、食パン群Bが、板状部材92の上面92a上に載置される(落下する)。
【0062】
さらに、
図7(c)に示されるように、昇降シャッター部15の板状部材92が、最上位置H1から中間位置H2へ降下する。このとき、板状部材92に載置されている第1段目の食パン群Bは、幅方向可動ガイド65、67に支持されている。第1実施形態と同様に、食パン群Bの幅方向において配列形態が乱れることを防止できる。しかしながら、当該食パン群Bの搬送方向Dに関する配列形態は、上流側可動ガイド160が開放されているので、所定の寸法に寸法付けされているとは限らない。
【0063】
図7(d)に示される工程では、移動プーリー53及びレシプロプーリー52が、上流側へ移動し、無端ベルト50が最上流位置L1へ到達する。このように、移動プーリー53及びレシプロプーリー52が反搬送方向dに退行することにより、
図7(b)において第1段目を構成する食パン群Bに関して説明したように、第2段目を構成する食パン群Bが落下し、第1段目の食パン群B上に載置される。
【0064】
上述の通り、無端ベルト50のリターン面50bと板状部材92上に載置されている食パン群Bの上面が、接触しない程度に互いに近づく位置関係とすることにより、
図7(d)に示す状態に至る際の、食パン群Bの落下距離を最低限に抑えている。
【0065】
なお、第2段目の食パン群Bは、幅方向に関し幅方向可動ガイド65、67により支持されている。このように、第2段目の食パン群Bは、板状部材92の上面92aに載置されている第1段目の食パン群Bと同じ状態に整列される。
【0066】
さらに、
図7(e)に示すように、板状部材92は、最下位置H3に降下する。そして、ガイド板163が開放位置から直立位置へ揺動する。このとき2段重ねの食パン群Bは、幅方向に関し幅方向可動ガイド65、67により、搬送方向Dに関し製品固定ガイド61、ガイド板163により支持され、所定の配列形態に整列される。このように、第2の実施形態の食パン移載システム301では、2段積みされる食パン群Bの両方が板状部材92に載置された状態において、搬送方向Dにおける配列形態の長さ寸法の調整が行われる。第2の実施形態では、第1の実施形態の食パン移載システム1が備える押圧可動ガイド31及び上流側固定ガイド63の代わりに、上流側可動ガイド160を備える。従って、第1の実施形態の構成に比べ、第2の実施形態の構成を簡素化できる。
【0067】
最後は、
図7(f)に示されるように、運搬容器Cの直上である最下位置H3に位置する板状部材92が開放され(
図2(d)参照。)、第1段目及び第2段目の食パン群Bが一緒に、所定の配列形態を維持し落下する。なお、製品固定ガイド61、ガイド板163、幅方向可動ガイド65、67により、水平方向に関する移動が規制されている。従って、2段に積み重ねられた食パン群Bは、その配列形態を維持した状態で落下する。食パン群Bの各食パンbが運搬容器Cの壁部Wに妨げられることなく、2段に積み重ねられた食パン群Bが運搬容器C内に収納される。このように、食パン移載システム301による食パンbの移載工程が行われ、別の運搬容器Cへ食パンbを収納する工程は、前述した
図7(a)〜(f)の工程を繰り返すことにより行われる。
【0068】
上記第1及び第2の実施形態では、無端ベルト50は一定速度で回動する構成であるが、無端ベルトを間欠的又は変則的に回動する構成とすることも可能である。さらに、第2の実施形態では、製品固定ガイド61により食パン群Bが係止された状態で、食パン群Bが板状部材92の上面92a上に落下する構成であるが、食パン群Bが製品固定ガイド61に接する前に、無端ベルト50が反搬送方向dに動き、食パンが落下する構成としても良い。
【0069】
上記第1及び第2の実施形態の一対の板状部材92は、幅方向に移動し開閉する構成であるが、搬送方向D又は搬送方向Dに交差する方向に移動し、開閉する構成とすることも可能である。また、本実施形態では、幅方向に関し、閉じた状態で一対の板状部材92の間には所定の隙間を設けているが、この隙間の寸法や有無については、被移載対象物に応じて適宜変更できる。また、一対の板状部材92は、閉じた状態において、その互いに隣り合う先端部は、搬送方向Dに平行に延在する形態であるが、搬送方向Dに対し所定の角度を有し延在する形状の先端部とすることも可能である。
【0070】
なお、上記実施形態では、鉛直方向に2段積みされた食パン群Bを運搬容器Cに収納するためのパン移載システムであるが、本発明はこの構成に限定されず、1段の食パン群Bや、3段以上の食パン群Bを運搬容器に収納するためのパン移載システムとすること可能である。また、上記実施形態の1段の食パン群Bは、4行3列の配列形態であるが、本発明のパン移載システムで移載される食パン群Bは、複数の食パンbに限らず、単一の食パンを移載する構成とすることも可能である。
【0071】
さらに、上記実施形態は、袋詰めされた食パンbを搬送及び移載する構成であるが、袋詰めされる前の食パン若しくはその食パン群を搬送及び移載する構成とすることも可能である。さらに、上記実施形態のパン移載システムの被移載対象物は、食パンであるが、本発明は、食パンに限定されず、種々の形状の菓子パン等、様々な食品に利用できる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。