特許第6851681号(P6851681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851681
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】電子式電力量計
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20210322BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20210322BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20210322BHJP
   H01R 12/58 20110101ALI20210322BHJP
【FI】
   H05K7/12 D
   H05K1/14 E
   H05K1/02 H
   H01R12/58
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-143812(P2016-143812)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-14438(P2018-14438A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000205661
【氏名又は名称】大崎電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【弁理士】
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】西川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】須藤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 亘
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−109330(JP,A)
【文献】 特開2011−210962(JP,A)
【文献】 特開2016−012721(JP,A)
【文献】 実開昭50−085113(JP,U)
【文献】 特開2009−176905(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3037649(JP,U)
【文献】 特開平06−275925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/14
H05K 1/18
H05K 7/12
H01R 12/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子ねじおよびナット間に端子金具を介して外部電線を挟んで外部電線を接続する複数の端子部と、カバーとベースとで構成される筐体内に収納されて各前記端子部に電気的に接続される電子回路基板とを備えて構成される電子式電力量計において、
前記電子回路基板とは別個に形成され、前記電子回路基板にリード線を介して電気的に接続される第1パッドが基板面に形成された子基板を備え、
前記電子回路基板および前記子基板は、前記電子回路基板および前記子基板の組が複数形成された1枚の組基板から分割されて得られ、
前記電子回路基板は、その周囲に張り出して形成された突起が前記ベースに突出して形成された支持柱に嵌合することで所定の高さで前記ベースに支持され、第1の前記端子部における前記ナット上まで延出する延出部が外周囲の一部に形成され、前記延出部は、第1の前記端子部において、前記電子回路基板の基板面に形成された第2パッドに前記端子金具を接触させて前記端子ねじおよびナット間に前記端子金具と共に挟まれ
前記子基板は、前記組基板における前記電子回路基板の形成領域内の一部が切り取られて形成され、前記電子回路基板と異なる高さで前記ベースに支持され、第2の前記端子部において、前記第1パッドに前記端子金具を接触させて前記端子ねじおよびナット間に前記端子金具と共に挟まれ、前記リード線は前記子基板が切り取られて前記電子回路基板の形成領域内に形成された切欠部に通される
ことを特徴とする電子式電力量計
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子部と電子回路基板との電気的接続構造に特徴を有する電子式電力量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気的接続構造としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この種の電気的接続構造では、図1に示されるように、電力量計における端子金具1と電子回路基板2とが電気的に接続される。端子金具1は、電力量計のベース3に形成された端子ブロック部3aに整列して配置され、端子ねじ7が締結されることで、図示しない外部電線と接続される。電子回路基板2には、圧着端子4が設けられたリード線5の端部がフロー方式でハンダ付けされている。端子金具1と電子回路基板2とは、圧着端子4がねじ6によって端子金具1に締結されることで、電気的に接続される。この電気接続により、リード線5を介して端子金具1から電子回路基板2に動作電圧が入力され、また、電気信号が入出力される。
【0003】
また、従来、この種の電気的接続構造として、図2に示される電力量計における端子金具8と電子回路基板2との電気的接続構造もある。端子金具8は、電力量計のベース9に整列して配置される。図示しない外部電線は、端子ねじ10およびナット11間に端子金具8を介して挟んで接続され、端子金具8と共締めされる。また、電子回路基板2には、圧着端子4が設けられたリード線5の端部がフロー方式でハンダ付けされている。端子金具8と電子回路基板2とは、圧着端子4が端子ねじ10およびナット11間で端子金具8と共締めされることで、電気的に接続される。この電気接続により、リード線5を介して端子金具8から電子回路基板2に動作電圧が入力され、また、電気信号が入出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3762883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図1に示す上記従来の端子金具1と電子回路基板2との電気的接続構造においては、圧着端子4をリード線5の先端にかしめる作業や、ねじ6を端子金具1に締め付ける作業等が必要になる。また、ねじ6を螺合させるタップを端子金具1に形成する工賃等も必要になる。さらに、圧着端子4の部品代も要する。このため、図1に示す上記従来の電気的接続構造を用いると、電気機器の製品コストは高くなる。
【0006】
また、図2に示す上記従来の端子金具8と電子回路基板2との電気的接続構造においては、図1に示す電気的接続構造における、ねじ6を端子金具1に締め付けるような作業は必要とされないが、圧着端子4を付けたリード線5を使うため、同様に、圧着端子4をリード線5の先端にかしめる作業が必要となる。また、圧着端子4の部品代も要する。このため、図2に示す上記従来の電気的接続構造を用いても、電気機器の製品コストは低減しきれない。
【0007】
また、図1および図2に示す上記従来の電気的接続構造は、共に、圧着端子4を付けたリード線5を使うため、次のような問題が生じる。つまり、組基板の状態で各電子回路基板2に電圧を同時に印加し、基板の不具合の有無等を試験するとき、圧着端子4が固定されていなくて遊動すると、電子回路基板2における他の電子部品等に圧着端子4が接触してショートする可能性がある。ここで、電子回路基板2は、複数の電子回路基板2を1つの基板に形成した組基板から、ルーターカット等によって個々の電子回路基板2に分割することで、得られる。したがって、試験中には圧着端子4を基板上で固定する必要があり、また、試験終了後には圧着端子4の固定を解く必要が生じる。このため、圧着端子4の脱着作業が基板試験とは別途に必要になり、基板試験時に手間が掛かる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
端子ねじおよびナット間に端子金具を介して外部電線を挟んで外部電線を接続する複数の端子部と、カバーとベースとで構成される筐体内に収納されて各端子部に電気的に接続される電子回路基板とを備えて構成される電子式電力量計において、
電子回路基板とは別個に形成され、電子回路基板にリード線を介して電気的に接続される第1パッドが基板面に形成された子基板を備え、
電子回路基板および子基板は、電子回路基板および子基板の組が複数形成された1枚の組基板から分割されて得られ、
電子回路基板は、その周囲に張り出して形成された突起がベースに突出して形成された支持柱に嵌合することで所定の高さでベースに支持され、第1の端子部におけるナット上まで延出する延出部が外周囲の一部に形成され、延出部が、第1の端子部において、電子回路基板の基板面に形成された第2パッドに端子金具を接触させて端子ねじおよびナット間に端子金具と共に挟まれ
子基板は、組基板における電子回路基板の形成領域内の一部が切り取られて形成され、電子回路基板と異なる高さでベースに支持され、第2の端子部において、第1パッドに端子金具を接触させて端子ねじおよびナット間に端子金具と共に挟まれ、リード線が、子基板が切り取られて電子回路基板の形成領域内に形成された切欠部に通される
ことを特徴とする。
【0009】
本構成によれば、電子回路基板が所定の高さに設置される第1の端子部において、電子回路基板の延出部が端子ねじおよびナット間に端子金具と共に挟まれることで、第1の端子部と電子回路基板とが電気的に接続される。このため、従来のように、リード線も圧着端子も使用することなく、また、圧着端子固定用のねじも使用することなく、第1の端子部と電子回路基板との電気的接続が行える。したがって、圧着端子をリード線の先端にかしめる作業や、圧着端子固定用のねじを端子金具に締め付けるような作業等が不要になり、さらに、このねじを螺合させるタップを端子金具に形成する工賃等も不要になる。このため、本構成の電気的接続構造を使った電子式電力量計の製品コストは、大幅に低減される。また、遊動する圧着端子は使わないので、組基板の状態で電子回路基板の試験を行う際、従来のように圧着端子の脱着作業を基板試験とは別途に行う必要はなくなり、基板試験時の手間が軽減する。
【0011】
本構成によれば、電子回路基板と異なる高さの第2の端子部においても、子基板が端子ねじおよびナット間に端子金具と共に挟まれることで、第2の端子部と電子回路基板とが電気的に接続される。このため、圧着端子を使用することなく、安価なリード線だけを使用して、第2の端子部と電子回路基板との電気的接続が行える。したがって、第2の端子部においても、圧着端子をリード線の先端にかしめる作業や、ねじを端子金具に締め付けるような作業等が不要になり、さらに、ねじを螺合させるタップを端子金具に形成する工賃等も不要になる。このため、本構成の電気的接続構造を使った電子式電力量計の製品コストは、より低減される。
【0013】
本構成によれば、リード線が切欠部に通されてその動きが規制されるので、筐体への電子回路基板の取り付け時や、電子回路基板を取り付けた筐体に蓋をするとき、リード線が挟み込むのが防止される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電気的接続構造によれば、電子式電力量計の製品コストを低減させることが可能となる。また、組基板の状態で電子回路基板の試験を行う際に必要とされる手間が軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の従来の電気的接続構造を示す平面図である。
図2】第2の従来の電気的接続構造を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態による電気的接続構造が用いられた電子式電力量計のカバーを外した状態の分解斜視図である。
図4】(a)は、図3に示す電子回路基板および子基板が1枚の基板に組み込まれた組基板の平面図、(b)は(a)に示す延出部と子基板との部分を一部拡大して示す一部拡大平面図である。
図5】(a)は端子ねじを図3に示す電子回路基板および子基板に組み込む前における電子回路基板および子基板の斜視図、(b)は(a)に示す延出部および子基板の部分の一部拡大斜視図、(c)は端子ねじを図3に示す電子回路基板および子基板に組み込んだ後における電子回路基板および子基板の斜視図、(d)は(c)に示す延出部および子基板の部分の一部拡大斜視図である。
図6図3に示す端子部を構成する端子ねじ、六角ナットおよび端子金具、並びに電子回路基板がベースに収容された状態の斜視図である。
図7】(a)は、図3に示す電子回路基板および子基板が1枚の基板に組み込まれた別の組基板の平面図、(b)は(a)に示す延出部と子基板との部分を一部拡大して示す一部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明による電気機器における端子部と電子回路基板との電気的接続構造を電子式電力量計に適用した、本発明を実施するための形態について説明する。
【0017】
図3は、本発明の一実施の形態による、端子部と電子回路基板との電気的接続構造が用いられた電子式電力量計のカバーを外した状態の分解斜視図である。
【0018】
電気機器の一種である電子式電力量計は、カバー20(図6参照)とベース21とで構成される筐体内に電子回路基板22を収納して構成される。信号入出力用の図示しない外部電線は、端子ねじ23および六角ナット24間に端子金具25を介して挟まれることで、端子金具25に接続される。この際、一般的に外部電線の先端には圧着端子が設けられ、この圧着端子が端子ねじ23と端子金具25との間に挟まれる。端子ねじ23、六角ナット24および端子金具25はベース21に収容され、電子式電力量計の信号入出力用の端子部を構成する。
【0019】
また、ベース21には、電源端子および負荷端子間を接続する導体26、および導体26を流れる電流を検出するCT27が設けられている。また、電子回路基板22には電子部品28等が実装されている。電子回路基板22は、水平方向に張り出して形成された突起22aが、ベース21に突出して形成された支持柱21aに嵌合することで、所定の高さでベース21に支持される。
【0020】
電子回路基板22は、端子部における六角ナット24上まで延出する延出部22bが、外周囲の一部に半島状に延びて形成されている。この延出部22bには、端子ねじ23が貫通する大きさの穴22cが形成されている。また、電子回路基板22には、リード線29を介して子基板30が接続されている。子基板30は電子回路基板22とは別個に形成され、子基板30にも、端子ねじ23が貫通する大きさの穴30aが形成されている。
【0021】
図4(a)は、電子回路基板22および子基板30が1枚の基板に組み込まれた組基板31の平面図、図4(b)は図4(a)に示す延出部22bと子基板30との部分を一部拡大して示す一部拡大平面図である。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。また、同図では紙面の関係上、電子回路基板22および子基板30の組が1組しか記載されていないが、実際には複数の組が1枚の組基板31に形成される。電子回路基板22および子基板30は、組基板31の所定箇所が切断されることで、1枚の組基板31から分割されて、得られる。
【0022】
親基板である電子回路基板22の延出部22bには、穴22cをスルホールとして基板面の両面にパッド32が形成されている。また、子基板30には、穴30aをスルホールとして基板面の両面にパッド33が形成されている。子基板30および電子回路基板22間にはフロー方式のハンダ付けによってリード線29が実装されており、パッド33は電子回路基板22にリード線29を介して電気的に接続される。
【0023】
図5(a)は端子ねじ23を電子回路基板22および子基板30に組み込む前における電子回路基板22および子基板30の斜視図、図5(b)は図5(a)に示す延出部22bおよび子基板30の部分の一部拡大斜視図である。また、図5(c)は端子ねじ23を電子回路基板22および子基板30に組み込んだ後における電子回路基板22および子基板30の斜視図、図5(d)は図5(c)に示す延出部22bおよび子基板30の部分の一部拡大斜視図である。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0024】
端子金具25は、端子ねじ23を電子回路基板22および子基板30に組み込む前に、図5(a)および(b)に示すように、延出部22bに形成された基板表側のパッド32上、および子基板30に形成された基板表側のパッド33上に載せられる。その後、端子ねじ23が、図5(c)および(d)に示すように、端子金具25を介して穴22cおよび穴30aに挿入されて、六角ナット24に螺合させられる。したがって、延出部22bは、その基板面に形成されたパッド32に端子金具25を接触させて、端子ねじ23および六角ナット24間に端子金具25と共に挟まれる。また、子基板30は、パッド33に端子金具25を接触させて、端子ねじ23および六角ナット24間に端子金具25と共に挟まれる。
【0025】
図6は、電子式電力量計の端子部を構成する上記の端子ねじ23、六角ナット24および端子金具25、並びに電子回路基板22が、ベース21に収容された状態の斜視図である。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0026】
子基板30は、図4に示したように、組基板31における電子回路基板22の形成領域内の一部が切り取られて形成されるが、リード線29は、子基板30が切り取られて形成された切欠部22dに子基板30と共に通される。
【0027】
本実施形態の端子部と電子回路基板22との電気的接続構造によれば、電子回路基板22と端子部における六角ナット24とが同じ高さに設置される箇所では、電子回路基板22の延出部22bが端子ねじ23および六角ナット24間に端子金具25と共に挟まれることで、端子部と電子回路基板22とが電気的に接続される。このため、図1および図2に示す従来の電気的接続構造のように、リード線5も圧着端子4も使用することなく、また、圧着端子固定用のねじ6も使用することなく、端子部と電子回路基板22との電気的接続が行える。したがって、圧着端子4をリード線5の先端にかしめる作業や、ねじ6を端子金具1に締め付けるような作業等が不要になり、さらに、ねじ6を螺合させるタップを端子金具1に形成する工賃等も不要になる。このため、本実施形態の電気的接続構造を使った電子式電力量計の製品コストは、大幅に低減される。また、遊動する圧着端子4は使わないので、組基板31の状態で電子回路基板22の試験を行う際、従来のように圧着端子4の脱着作業を基板試験とは別途に行う必要はなくなり、基板試験時の手間が軽減する。
【0028】
また、本実施形態の端子部と電子回路基板22との電気的接続構造によれば、電子回路基板22と端子部における六角ナット24とが異なる高さに設置される箇所では、子基板30が端子ねじ23および六角ナット24間に端子金具25と共に挟まれることで、端子部と電子回路基板22とが電気的に接続される。このため、従来の圧着端子4を使用することなく、安価なリード線29だけを使用して、端子部と電子回路基板22との電気的接続が行える。したがって、この箇所では、圧着端子4をリード線5の先端にかしめる作業や、ねじ6を端子金具1に締め付けるような作業等が不要になり、さらに、ねじ6を螺合させるタップを端子金具1に形成する工賃等も不要になる。このため、この箇所に構成される電気的接続構造によっても、電子式電力量計の製品コストを従来より低減することが出来る。
【0029】
また、本実施形態の端子部と電子回路基板22との電気的接続構造によれば、組基板31の状態で電子回路基板22の試験を行う際、電子回路基板22にリード線29を介して電気的に接続される子基板30は、図4に示すように組基板31に一体化している。このため、子基板30を使った電気的接続構造であっても、従来のような圧着端子4の脱着作業を基板試験とは別途に行う必要はなくなり、基板試験時の手間が軽減する。
【0030】
また、本実施形態の端子部と電子回路基板22との電気的接続構造によれば、図6に示すように、リード線29が切欠部22dに通されて、基板形状自体がリード線29のガイドとなり、リード線29の動きが規制される。このため、ベース21への電子回路基板22の取り付け時や、電子回路基板22を取り付けたベース21にカバー20を被せるときに、ベース21と電子回路基板22との間や、ベース21とカバー20との間に、リード線29が挟み込むのが防止される。
【0031】
なお、上記の実施形態においては、子基板30が、図4に示したように、組基板31における電子回路基板22の形成領域内の一部が切り取られて形成される場合について、説明した。しかし、子基板30は、図7に示すように、組基板31における電子回路基板22の形成領域の外部が切り取られて形成されるようにしてもよい。
【0032】
図7(a)は、電子回路基板22および子基板30が1枚の基板に組み込まれた組基板41の平面図、図7(b)は図7(a)に示す延出部22bと子基板30との部分を一部拡大して示す一部拡大平面図である。なお、同図において図4と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。また、同図でも紙面の関係上、電子回路基板22および子基板30の組が1組しか記載されていないが、実際には複数の組が1枚の組基板41に形成される。電子回路基板22および子基板30は、組基板41の所定箇所が切断されることで、1枚の組基板41から分割されて、得られる。
【0033】
図4に示す組基板31によれば、子基板30が電子回路基板22の形成領域内の一部が切り取られて形成されるため、組基板31の面積を最小限に抑えることが出来る。図7に示す組基板41では、子基板30が電子回路基板22の形成領域の外部が切り取られて形成されるため、組基板41の面積は組基板31のように抑えることは出来ない。しかし、組基板41から得られる電子回路基板22および子基板30によって構成される端子部と電子回路基板22との電気的接続構造によっても、電子式電力量計の製品コストを低減することが可能となり、上記の実施形態と同様な作用効果が奏される。
【産業上の利用可能性】
【0034】
上記の実施形態では、本発明による電気的接続構造を電子式電力量計に適用し、電力量計における端子部の端子金具25から電子回路基板22への電気信号の入出力に、本発明による電気的接続構造を用いた場合について、説明した。しかし、本発明による電気的接続構造は、端子部の導体26から電子回路基板22への電圧入力にも、同様に適用することができ、同様な作用効果が得られる。また、本発明は、電力量計への適用に限定されるものではなく、端子部と電子回路基板を備える、タイムスイッチ等の他の配電機器や、一般の電気機器にも同様に適用することができ、同様な作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0035】
20…カバー(筐体)
21…ベース(筐体)
21a…支持柱
22…電子回路基板
22a…突起
22b…延出部
22c…穴
22d…切欠部
23…端子ねじ
24…六角ナット
25…端子金具
26…導体
27…CT
28…電子部品
29…リード線
30…子基板
30a…穴
31,41…組基板
32,33…パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7