(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記避難者確認システムは、所定の領域内における在場者の避難場所への避難確認に用いられるものであって、さらに、前記在場者の入退場情報を格納する入退場情報データベースを備え、
前記避難者情報集計サーバは、前記入退場情報データベースに照らして、前記避難者確認情報が得られていない前記在場者の前記入退場情報を確認して出力可能であることを特徴とする請求項1に記載の避難者確認システム。
前記避難者情報集計サーバは、通信ネットワークを介して前記端末装置に、前記避難者確認情報が得られない前記在場者の前記入退場情報を送信可能であることを特徴とする請求項2に記載の避難者確認システム。
前記カラーバーコードは、前記避難者の被服、帽子及び/又はヘルメットに印刷及び/又は貼付されて、前記避難者の身体に外部から看取可能な状態で配されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の避難者確認システム。
前記端末装置はバッテリーを有し、前記通信ネットワークを構成する機器及び前記避難者情報集計サーバはバッテリー及び/又は発電機に接続されて、商用電源の停電時においても使用可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1に記載の避難者確認システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この場合、特許文献1では、出口画像から取得した顔情報との照合により、安否不明者を抽出するため、大規模災害時のような緊迫した状況下では、急ぎ出口から退出する必要のある避難者の顔画像を正確に撮影することは困難であり、他の避難者の陰に隠れて撮影できないような状況も想定される。
【0010】
また、特許文献2では、ハンディターミナルにより、従業員のICカードを個別に読み込む必要があり、非常に時間がかかり、迅速な安否確認の妨げとなってしまう。特に、多数の従業員を抱える会社等では、不明者等の特定に長時間を要し、次の体制構築がその分遅れてしまい、被害が拡大してしまう恐れがある。
【0011】
そこで、本発明は、多数の従業員やゲストを抱える会社のような多数の入退場者を抱える場所等において、災害時に避難した在場者の安否確認及び安否情報の集計を簡易な構成で、正確、容易かつ迅速に行うことが可能な避難者確認システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的達成のため、本発明は、災害時に複数の避難者を特定する避難者確認システムであって、前記避難者の身体に外部から看取可能な状態で配され、当該避難者を特定する避難者特定情報が複数色の2次元の配列で表されたカラーバーコードと、前記カラーバーコードが前記身体に表示された複数の前記避難者を同時に撮影可能である撮影部、当該撮影部により撮影された複数の前記カラーバーコードから前記避難者特定情報を複数認識する認識部、当該認識部により認識された前記避難者特定情報である避難者確認情報を、通信ネットワークを介して出力する通信部とを備える端末装置と、当該端末装置から前記通信ネットワークを介して出力された複数の前記避難者確認情報を集計する避難者情報集計サーバとから
なり、前記撮影部が、複数の前記避難者を同時に撮影する場合、前記認識部が認識した前記避難者確認情報の数を随時、前記端末装置の表示部に表示可能であることを特徴とする。
【0014】
本発明の前記避難者確認システムは、所定の領域内における在場者の避難場所への避難確認に用いられるものであって、さらに、前記在場者の入退場情報を格納する入退場情報データベースを備え、前記避難者情報集計サーバは、前記入退場情報データベースに照らして、前記避難者確認情報が得られていない前記在場者の前記入退場情報を確認して出力可能であることを特徴とする。
【0015】
本発明の前記避難者情報集計サーバは、通信ネットワークを介して前記端末装置に、前記避難者確認情報が得られない前記在場者の前記入退場情報を送信可能であることを特徴とする。
【0016】
本発明の前記端末装置は、前記避難者確認情報について、前記避難者の状態を示す避難者状態情報を追加可能であることを特徴とする。
【0017】
本発明の前記カラーバーコードは、前記避難者の被服、帽子及び/又はヘルメットに印刷及び/又は貼付されて、前記避難者の身体に外部から看取可能な状態で配されることを特徴とする。
【0018】
本発明の前記カラーバーコードは、前記避難者の入場許可証に表示されて、前記避難者の身体に外部から看取可能な状態で配されることを特徴とする。
【0019】
本発明の前記端末装置は携帯端末装置であることを特徴とする。
【0020】
本発明の前記端末装置は、前記カラーバーコードを照らすことが可能な照明部を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の前記端末装置はバッテリーを有し、前記通信ネットワークを構成する機器及び前記避難者情報集計サーバはバッテリー及び/又は発電機に接続されて、商用電源の停電時においても使用可能であることを特徴とする。
【0022】
本発明の前記避難者確認システムは、さらに、前記避難者の個人情報である避難者情報を格納する避難者情報データベースを備え、
前記避難者特定情報は、前記避難者個人情報に一意に対応する避難者を特定するための数字及び/又は文字からなる文字列であることを特徴とする。
【0023】
本発明の前記端末装置は、前記避難者を撮影した箇所に関する避難者撮影箇所情報についても、通信ネットワークを介して前記避難者情報集計サーバに出力可能であり、前記避難者確認システムは、前記避難者ごとに避難するべき場所に関する避難場所情報を格納した避難場所情報データベースをさらに備え、前記避難者情報集計サーバは、前記避難場所情報データベースに照らして、前記避難者の前記避難者撮影箇所情報が、前記避難場所情報に一致するかを確認可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の避難者確認システムによれば、多数の従業員やゲストを抱える会社のような多数の入退場者を抱える場所等において、災害時に避難した在場者の安否確認及び安否情報の集計を簡易な構成で、正確、容易かつ迅速に行うことが可能である。
【0025】
即ち、本発明によれば、避難者の身体に外部から看取可能な状態で配されたカラーバーコードを用いて複数の避難者を一括して瞬時に特定可能であることから、カラーバーコードを撮影した端末装置からの情報を集計することにより、多数の従業員やゲスト等を抱える会社においても、迅速かつ正確に避難者を効率よく特定することが可能であり、そのため、不明者の特定をも迅速かつ正確に行うことが可能となり、迅速に次の体制に移行することが可能である。
【0026】
特に、避難者の身体に外部から看取可能な状態で配されたカラーバーコードを用いることから、多数の避難者を一括して瞬時に特定可能であり、個別に避難者を撮影して特定する必要がなく、かつ、カラーバーコードは、撮影する携帯端末から離れた状態でも撮影可能であり、さらには、カラーバーコードの認識は端末装置を持った撮影者及び撮影される避難者の何れもが動いている状であっても可能であることから、災害直後の混乱した状態でも撮影が容易であり、災害時の避難者確認が非常に容易である。
【0027】
また、カラーバーコードは避難者の身体に外部から看取可能な状態で予め配され、避難者は予めカラーバーコードが身体に外部から看取可能な状態で勤務等しているため、災害発生時のような緊急時において、着の身着のまま屋外等の避難場所へ退避した場合でも、必ず、カラーバーコードを身に着けているものであり、ICカードのように意図的に携行していないと使用できないものではなく、カラーバーコードを通じて避難者の特定が正確に行うことが可能となる。
【0028】
特に、異物混入の防止等のため、落下の可能性がある物を持ち込むことが出来ない精密機械や飲食料品等の製造ラインのような環境で勤務するような場合においては、作業着等の最低限身に着ける衣服にカラーバーコードを直接印刷や、貼り付けすれば落下等を防止することが可能であり、ICカードのように落下や、携行していないといった状況を回避することが可能である。
【0029】
また、端末装置は、複数の避難者の撮影時に、認識したカラーバーコードのパターン数を随時表示可能であり、そのため、撮影者は、その数を撮影した避難者数に一致させることにより、カラーバーコードの撮影漏れを防止可能であり、正確な避難者の把握が可能である。
【0030】
また、本発明の避難者確認システムは、そのシステムを構成する各装置が既存の汎用装置を組み合わせれば実現可能であり、特別な装置を用意することなく構成可能であり、実現が非常に容易である。
【0031】
また、本発明の避難者確認システムは、従業員及びゲスト等といった所定の領域内における在場者の入退場情報データベースを備え、避難が確認されていない在場者の入退場情報を確認して出力可能であることから、出張、早退、外出などにより所定の領域内にいない従業員及びゲスト等を不明者から排除することが可能であり、より正確に不明者を特定することが可能である。
【0032】
また、端末装置は、撮影された避難者が負傷している場合、避難者の状態を示す避難者状態情報として負傷している点を追加可能であり、負傷者をも容易に特定して集計が可能である。
【0033】
また、端末装置は携帯端末装置であるため、取り回しが容易であり、混乱する災害時においても、機動的に多数の避難者を容易に撮影可能であり、カラーバーコードを用いることとも相まって、多数の避難者を一括して瞬時に特定可能であり、かつ、カラーバーコードは、撮影する携帯端末から離れた状態でも撮影可能であり、さらには、カラーバーコードの認識は携帯装置を持った撮影者及び撮影される避難者の何れもが動いている状況であっても可能であることから、災害直後の混乱した状態でも撮影が容易であり、災害時の避難者確認が非常に容易である。
【0034】
端末装置は、カラーバーコードを照らすことが可能な照明部を備えるため、避難者の特定を、停電時等においても屋内又は屋外、さらには昼夜を問わず行うことが可能である。
【0035】
端末装置はバッテリーを有し、通信ネットワークを構成する機器及び避難者情報集計サーバはバッテリーや発電機に接続されて、商用電源の停電時においても使用可能であるため、災害時の停電に対しても避難者確認システムを運用可能である。
【0036】
また、避難者確認システムは、さらに、避難者の個人情報である避難者情報を格納する避難者情報データベースを備え、避難者特定情報は、避難者個人情報に一意に対応する避難者を特定するための数字及び/又は文字からなる文字列であるため、避難者の個人情報等がカラーバーコードから把握されるものではなく、平時を含め個人情報の流出を防止することも可能である。
【0037】
また、端末装置は、避難者を撮影した箇所に関する避難者撮影箇所情報についても、通信ネットワークを介して避難者情報集計サーバに出力可能であり、避難者確認システムは、避難者ごとに避難するべき場所に関する避難場所情報を格納した避難場所情報データベースをさらに備え、
避難者情報集計サーバは、避難場所情報データベースに照らして、避難者の避難者撮影箇所情報が、避難場所情報に一致するかを確認して、一致しない場合は、その点を携帯端末から確認可能であるため、その避難者は、不明者と把握されることがなく、正確に不明者を特定することができるとともに、避難するべき場所に対応した携帯端末にその情報を出力することにより、その避難者が見当たらずに現場が混乱することを防止可能である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明による避難者確認システムを実施するための形態について説明する。
【0040】
本発明の避難者確認システムは、避難者の身体に外部から看取可能な状態で配されたカラーバーコードを用いて複数の避難者を一括して瞬時に特定し、カラーバーコードを撮影した端末装置からの情報を集計することにより、多数の従業員及びゲスト等を抱える会社においても、迅速かつ正確に避難者を効率よく特定することを可能として、迅速に次の体制に移行することを可能とするものである。
【0041】
[避難者確認システムの概要]
図1及び
図2を参照して本発明の実施形態に係る避難者確認システムの概要を説明する。
図1は、本発明の避難者確認システムの実施形態に係る構成を示す機能ブロック図である。
図2は、カラーバーコードの一例を示す図である。
【0042】
図1に示すように、避難者確認システム1は、災害時にも使用可能な無線等の通信ネットワーク12を介して、避難者の身体に配されたカラーバーコード17を撮影して避難者を特定するための端末装置である携帯端末装置3及び設置型端末装置5が、端末装置から送信された避難者の情報を集計する避難者情報集計サーバ6と互いに通信可能に接続されている。
【0043】
また、避難者情報集計サーバ6は、LAN等の通信ネットワーク13を介して、従業員及びゲスト等の個人情報や、避難するべき場所の情報を格納する避難者情報管理装置7及び従業員及びゲスト等の入退場情報を格納する入退場情報管理装置8と互いに通信可能に接続されている。
【0044】
また、避難者情報集計サーバ6、避難者情報管理装置7及び入退場情報管理装置8は、災害による商用電源16の停電時においても継続使用を可能とするべく、給電ライン15を介して予備電源9と電気的に接続されている。
【0045】
また、予備電源は、設置型端末装置5、通信ネットワーク12及び通信ネットワーク13に用いられる通信機器についても給電可能に構成することができる。
【0046】
[カラーバーコード]
まずカラーバーコードについて、
図2及び
図4を用いて説明する。
図4は、端末装置での撮影画面を示す図である。
【0047】
カラーバーコードはシアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等の色のセルの配列で情報を表示する2次元コードの一種であり、各々のセルが色情報を持っているため、高速、かつ、高精度、さらには撮影者及びカラーコードが移動している場合であっても、カラーコードの認識が可能であり、この点が例えば、白黒のバーコードやQRコードと異なる。
【0048】
即ち、例えば、QRコードは複雑な図形を読み取るべく、正確に焦点を合わせて撮影を行うか、カメラ画面の大部分の面積を占めるように撮影して複雑な図形を特定する必要があり、そのためには静止した状態でのコードの撮影も必要となる。しかしながら、カラーバーコードであれば、形状ではなく、各々のセルの色情報さえ把握できれば、認識が可能であるため、例えば、画面の約1%以下であっても認識でき、撮影者と被写体が移動している場合や、離れた箇所からであっても撮影が可能であると同時に、複数のカラーバーコードを一括して認識することも可能である。
【0049】
また、色の違いを判別できればよいため、曲面に貼り付けるなどコードが多少ゆがんでいても読み取ることができる。さらに、カラーバーコードの作成にあたっても、カラーバーコード作成のためのプログラムを入手すれば、あとは既存のプリンタ、印刷機等で印刷するのみで作成可能であり、専用機等を要しない。
【0050】
本発明の避難者確認システム1において、
図2及び
図4に示すように、カラーバーコード17は、会社等の従業員33の身体、即ち、衣服、帽子、ヘルメット等に外部から看取可能な状態で配され、避難してきた従業員である避難者を特定する避難者特定情報が複数色の2次元の配列で表されている。
【0051】
尚、カラーバーコード17は、社員証やゲストカードのような入場許可証に印刷、貼り付け、又は入場許可証のネックストラップ内に収納等されて入場許可証に表示され、避難者の身体に外部から看取可能な状態で配されて使用されることも想定される。
【0052】
また、会社等へ来訪したゲストについても、従業員と同様に会社等の所定の領域内の在場者として災害時に避難者となるものであり、身体に外部から看取可能な状態でカラーバーコードが配されることとなる。
【0053】
このカラーバーコード17は、
図2に示すように、例えば、黒色で塗られた横長矩形状の下地17aに4つの色の四角いセルが9行3列で配されている二次元のバーコードである。このセルの4色は例えば、第1色セル17bがシアン、第2色セル17cがマゼンダ、第3色セル17dがイエロー、第4色セル17eがブラック(下地と同色)であり、これらの色の何れかに各セルが着色されてカラーバーコードが構成される。
【0054】
例えば、
図2のように、セルは4色に着色され、9行3列に構成される場合、1行で4色の9乗で262144パターンになる。すると、3行の場合、262144の3乗で1800兆パターンとなる。さらにおパターン数を増やしたい場合は、行列や、色彩を増やせば無限大にパターンを増やすことができる。
【0055】
このような構成からなる、複数色が2次元に配列されているカラーバーコードは、読み取りを、従来から一般的に使用されているスマートフォンやタブレットPC等に搭載されたカメラや、ネットワークカメラ等の撮像手段(撮影部)と、パーソナルコンピュータとを組み合わせて行うことが可能である。
【0056】
また、この従来から使用されている撮像手段の撮影範囲内に複数のカラーバーコードが含まれていても、従来から使用されている撮像手段とパーソナルコンピュータとで複数のカラーバーコードを一括して認識し、しかも、1秒間程度の極めて短時間のうちに精密に認識することが可能である。
【0057】
さらに、従来から使用されている撮像手段の焦点が各セルの色を特定さえできればよいため、2〜30m程度はなれているところに配置されているカラーバーコードを撮像手段とパーソナルコンピュータとで認識することができ、かつ、撮像手段やカラーバーコードが移動している場合でもカラーバーコードの認識が可能である。
【0058】
このカラーバーコードにおける複数色の2次元の配列によって、避難者を特定する避難者特定情報が構成され、カラーバーコードが配された避難者が特定される。例えば、従業員番号を示す場合や、従業員番号に一意に対応するカラーバーコード番号とすることも可能である。
【0059】
[端末装置]
端末装置について、
図1及び
図3を用いて説明する。
図3は、端末装置の説明図であり、(a)は
図1の携帯端末装置を示し、(b)は、
図1の設置型端末装置を示す図ある。端末装置は、避難者の身体に配されたカラーバーコード17を撮影して避難者を特定するものであり、携帯端末装置3及び設置型端末装置5が該当する。端末装置は、多数の避難者を迅速に特定するべく、避難所や避難集合場所のような避難場所毎等のように、複数台用意すると、より迅速な避難者の特定が可能である。
【0060】
[携帯端末装置]
まず、携帯端末装置の構成及び機能について説明するに、スマートフォン、タブレットPC等からなる携帯可能な端末装置であり、汎用のスマートフォン、タブレットPC等をそのまま適用可能であり、
図3(a)にスマートフォンを携帯端末装置3とした例を示す。携帯端末装置3は、防災担当者に予め配布される場合や、避難場所に応じて予め配置される。
【0061】
携帯端末装置3は、
図1に示すように、撮影部3a、認識部3b、通信部3c、バッテリー3dを備え、さらに照明部3eを備えることができる。
【0062】
撮影部3aは、カラーバーコード17を撮影するものであり、スマートフォンやタブレットPCに備え付けられたカメラ等が該当し、USBコネクタを経由して外付け可能なカメラのような構成も想定される。
【0063】
また、撮影部3aは、避難者を特定する避難者特定情報が複数色の2次元の配列で表されたカラーバーコードが身体に配された複数の避難者を同時に一括して撮影して、避難者特定情報を効率よく取得するため、所定の解像度を備えている。
【0064】
認識部3bは、撮影部3aにより撮影された画像にカラーバーコード17が含まれている場合に、避難者特定情報を認識する処理を行うものであり、携帯端末装置3内のコンピュータのCPUがROM、RAMや、ハードディスク等に格納されている所定のデータを利用し、所定のコンピュータプログラムに基づいてかかる処理動作を行なうものである。具体的な例示としては、避難者確認システム1を導入するにあたって、汎用の携帯端末装置3に格納されるアプリケーションソフトウェアが該当する。
【0065】
通信部3cは、携帯端末装置3の通信の送受信を担うものであって、認識部3bにより認識された避難者特定情報について、避難者の存在確認が取れたとして、避難者特定情報を避難者確認情報として、通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバ6に送信するものであり、また、それに加えて、避難者が負傷している場合等について、追加情報として避難者状態情報をも送信可能である。
【0066】
また、通信部3cは、個々の従業員及びゲスト等の詳細な情報(氏名、従業員番号、顔写真、性別、年齢、所属、住所、勤務歴、連絡先等の避難者個人情報や、避難場所情報)や、避難者情報集計サーバ6の集計した在場者の安否確認及び安否情報集計結果等を避難者情報集計サーバ6から通信ネットワーク12を介して受信することも可能である。
【0067】
バッテリー3dは、スマートフォンやタブレットPCに備え付けの蓄電池であって、災害時等の商用電源停止時でも携帯端末装置3の使用を可能とするものであり、USBコネクタや電源コネクタを介した外付けバッテリーであってもよい。
【0068】
また、前述の如く、携帯端末装置3は照明部3eをさらに備えることも可能である。即ち、本発明がカラーバーコード17を使用して避難者を特定することから、撮影部3a及び認識部3bにおいては、商用電源が停電した状態では、屋内や屋外の照明設備は機能しておらず、屋内である場合や、屋外でも夜間の場合においては、カラーバーコードの読み取りが困難となる場合があり、LEDライト等のカラーバーコードを照らす手段たる照明部3eにより、カラーバーコード17の読み取りを担保するものである。
【0069】
この場合、照明部3eは、スマートフォンやタブレットPCに予め備えられた撮影用ライトである場合や、USBコネクタ等を介して外付けのLEDライト等を付加してカラーバーコードを照らして撮影を行うことが想定される。
【0070】
また、携帯端末装置3は測位部3fをさらに備えることも可能である。この測位部3fはGPS信号及び/又はWi−Fi(登録商標)ルータとの交信から自己の位置を検知する測位センサ等によって構成される。
【0071】
即ち、携帯端末装置3は、避難者を撮影した箇所に関する避難者撮影箇所情報についても、通信部3c及び通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバに出力可能であり、この避難者撮影箇所情報は、測位部3fの測位センサによって検出された位置情報から避難所や避難集合場所を割り出す場合の他、携帯端末装置3の操作者が自ら撮影箇所等を選択等して入力する場合が挙げられる。
【0072】
[設置型端末装置]
次に、設置型端末装置の構成及び機能について説明するに、設置型端末装置5は、避難集合場所の近傍に設けられた電信柱や避難所の天井部分に平時より設置される場合や、災害時に屋外や、避難所内に適宜設置可能であり、各部を構成する個々の構成要素も既存の装置を組み合わせて実現可能である。
図3(b)に避難所内や避難集合場所に緊急的に設置する設置型端末装置を一例として示す。
【0073】
設置型端末装置5は、災害時に備え、避難所内に予め設置されたり、災害発生に応じて保管場所から避難集合場所等に即時設置され、通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバ6側から避難者情報集計サーバ6の運用者や、設置型端末装置5の操作者である防災担当者等によって遠隔操作される。
【0074】
設置型端末装置5は、携帯端末装置3と同様に、
図1に示すように、撮影部5a、認識部5b、通信部5c、バッテリー5dを備え、さらに照明部5eや、音声入出力部5fを備えることができる。
【0075】
撮影部5aは、カラーバーコード17を撮影するものであり、ネットワークカメラを利用することが可能であり、撮影タイミングや、撮影方向、撮影倍率等を遠隔操作可能なカメラが備えられており、このカメラが避難者情報集計サーバ6側から現場状況を確認して設置型端末装置5を操作する目となるものである。
【0076】
また、撮影部5aは、避難者を特定する避難者特定情報が複数色の2次元の配列で表されたカラーバーコードが身体に配された複数の避難者を同時に一括して撮影して、避難者特定情報を効率よく取得するため、所定の解像度を備えている。また、設置型端末装置5は、遠隔操作されることから、撮影部5aが現場状況を確認して設置型端末装置5を操作する目となるものであり、それに必要な所定の解像度を備えている。
【0077】
認識部5bは、撮影部5aにより撮影された画像にカラーバーコード17が含まれている場合に、避難者特定情報を認識する処理を行うものであり、設置型端末装置5内のコンピュータのCPUがROM、RAMやハードディスク等に格納されている所定のデータを利用し、所定のコンピュータプログラムに基づいてかかる処理動作を行なうものである。具体的な例示としては、避難者確認システム1を導入するにあたって、ハードウェアとしての設置型端末装置5に格納されるアプリケーションソフトウェアが該当する。
【0078】
但し、撮影部5aからの画像をそのまま通信部5cを介して避難者情報集計サーバ6に送り、避難者情報集計サーバ6に認識部5aの機能を付与して、避難者特定情報を避難者情報集計サーバ6側で認識することも可能である
【0079】
通信部5cは、設置型末装置5の通信の送受信を担うものであって、認識部5bにより認識された避難者特定情報について、避難者の存在確認が取れたとして、避難者特定情報を避難者確認情報として、通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバ6に送信するものである。又は、避難者情報集計サーバ6側に認識部5bを配する場合は撮影部5aで撮影された画像をについて通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバ6に送信するものである。
【0080】
また、通信部5cは、避難者情報集計サーバ6の入出力部6aから入力された音声を受信することも可能である。
【0081】
バッテリー5dは、蓄電池により災害時等の商用電源停止時でも設置型端末装置5の使用を可能とするものでり、設置型端末装置5の各部に給電を行い災害時の継続使用を担保する。さらに、バッテリー5dに対しては、
図3(b)に示すようなソーラーパネル等の発電部5gをDC−DCコンバータ(図示せず)を介して電気的に接続してバッテリー5dへの充電を災害時においても行うことも可能である。
【0082】
また、発電部5gは、ソーラーパネルに替えて、又は追加してプロペラ型ロータと発電機からなる風力発電機等を組み合わせることも想定される。
【0083】
また、設置型端末装置5は照明部5eをさらに備えることも可能である。即ち、本発明がカラーバーコード17を使用して避難者を特定することから、撮影部5a及び認識部5bにおいては、商用電源が停電した状態では、屋内や屋外の照明設備は機能しておらず、屋内である場合や、屋外でも夜間の場合においては、カラーバーコードの読み取りが困難となる場合があり、LEDライト等のカラーバーコードを照らす手段たる照明部5eにより、カラーバーコード17の読み取りを担保するものである。
【0084】
この場合、照明部5eは、避難者33のカラーバーコード17を照らし、かつ、消費電力の少ないLEDライト等を設置型端末装置5に配して、カラーバーコードを照らして撮影を行うことが想定される。
【0085】
また、設置型端末装置5は、音声入出力部5fを備えている。音声入出力部5fは、集音マイク及びスピーカーから構成され、通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバ6の音声入出力部6bとの音声通話を可能とするものであり、避難者情報集計サーバ6の運用者や、設置型端末装置5の操作者である防災担当者等からの指示、避難者の整列のための協力要請や、負傷者の確認を可能とするものである。
【0086】
また、設置型端末装置5は測位部5hをさらに備えることも可能である。この測位部5hはGPS信号及び/又はWi−Fi(登録商標)ルータとの交信から自己の位置を検知する測位センサ等によって構成される。
【0087】
即ち、設置型端末装置5は、避難者を撮影した箇所に関する避難者撮影箇所情報についても、通信部5c及び通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバ6に出力可能であり、この避難者撮影箇所情報は、測位部5hの測位センサによって検出された位置情報から避難所や避難集合場所を割り出す場合の他、設置型端末装置5の操作者が自ら撮影箇所等を選択等して遠隔操作時に避難者情報集計サーバ6の入出力部6aを介して入力する場合が挙げられる。
【0088】
[避難者情報集計サーバ]
避難者情報集計サーバの構成及び機能について説明する。避難者情報集計サーバ6は、避難者確認システム1の中枢を担うものであり、コンピュータから構成され、災害時に想定される商用電源16の停電時においても、通信ネットワーク12及び通信ネットワーク13を介して他の装置と通信可能となっており、避難者情報管理装置7及び入退場情報管理装置8に格納された情報を随時更新して、在場者の安否確認及び安否情報の集計等を行うとともに、集計結果の出力を行うものである。
【0089】
図1に示すように、避難者情報集計サーバ6は、入出力部6a及び音声入出力部6bを備えている。入出力部6aは、避難者情報集計サーバ6に接続されたキーボード、ディスプレイ、プリンタ等の入出力機器から構成され、避難者確認システム1の設定、避難者情報集計サーバ6への指令、避難者の安否情報等の集計結果を表示及び印刷等することも可能である。また、入出力部6aを介して避難者情報管理装置7及び入退場情報管理装置8に格納された情報の出力、更新、修正等も可能である。
【0090】
また、音声入出力部6bは、設置型端末装置5の音声入出力部5fと対をなすものであり、マイク及びスピーカーから構成され、通信ネットワーク12を介して設置型端末装置5の音声入出力部5fとの音声通話を可能とするものであり、避難者情報集計サーバ6の運用者である防災担当者等が避難者に対して次の対応の指示や、避難者の整列の協力要請、負傷者確認を可能とするものである。
【0091】
また、入出力部6a及び音声入力部6bは、通信ネットワーク12を介して接続される操作用兼集計結果閲覧用のスマートフォンやタブレットPCとすることも可能である。
【0092】
図1に示すように、避難者情報集計サーバ6は、災害時にも使用可能な無線等の通信ネットワーク12を介して、端末装置である携帯端末装置3及び設置型端末装置5と互いに通信可能に接続されている。
【0093】
避難者情報集計サーバ6は、携帯端末装置3の通信部3cと通信を行い、携帯端末装置3の認識部3bにより認識された避難者特定情報について、避難者の存在確認が取れたとして、避難者特定情報を避難者確認情報として、通信ネットワーク12を介して受信するものであり、また、それに加えて、避難者が負傷している場合等について、追加情報として避難者状態情報をも受信可能であり、多数の避難者確認情報及び避難者状態情報を集計し、携帯端末装置3に集計結果を携帯端末装置3の求めに応じて、随時送信する。
【0094】
また、避難者情報集計サーバ6は、設置型端末装置5の撮影部5aが画像をそのまま通信部5cを介して避難者情報集計サーバ6に送信する場合には、避難者情報集計サーバ6が認識部5aとして、避難者特定情報を認識して避難者確認情報として集計を行い、集計結果を携帯端末装置3の求めに応じて、随時送信する。
【0095】
また、避難者情報集計サーバ6は、災害時にも使用可能なLAN等の通信ネットワーク13を介して、避難者情報管理装置7及び入退場情報管理装置8と互いに通信可能に接続されている。
【0096】
避難者情報集計サーバ6は、携帯端末装置3から避難者確認情報が送信された場合は、避難者情報管理装置7に格納された避難者情報を更新する。また、同様に避難者状態情報として負傷等の情報が追加された場合はその情報を追加する更新を行う。
【0097】
また、避難者情報集計サーバ6は、避難者確認情報を受信していない従業員及びゲスト等の在場者については、避難が確認されていない在場者であるとして、行方不明の可能性があるため、入退場情報管理装置8に照らして、会社等の所定の領域内に現在入場していない又は既に退場しているため、会社等の所定の領域内におらず、そのために避難者確認情報を受信できないのかを確認可能であり、この確認結果を避難者情報管理装置7にフィードバックして従業員及びゲスト等の安否情報を更新可能であり、さらに、携帯端末装置3に送信することも可能である。
【0098】
また、避難者情報集計サーバ6は、避難者情報管理装置7に格納された避難者の個人情報や、在場者の安否確認及び安否情報の集計等を携帯端末装置3からの要請に基づいて、避難者情報管理装置7から読み出して携帯端末装置3に送信することも可能である。入退場情報管理装置8に格納された情報についても同様に携帯端末装置3からの要請に基づいて、入退場情報管理装置8から読み出して携帯端末装置3に送信することも可能である。
【0099】
また、避難者情報集計サーバ6は、避難者情報管理装置7に格納されて管理されている各在場者が避難するべき場所に関する情報(避難場所情報)に照らして、避難者の避難者撮影箇所情報が、避難場所情報に一致するかを確認可能であり、その確認結果を避難者情報管理装置7に送信して、その情報を追加する更新を行い、携帯端末装置3からの要請に基づいて、避難者情報管理装置7から読み出して携帯端末装置3に送信することも可能である。
【0100】
[避難者情報管理装置]
避難者情報管理装置7の構成及び機能について説明する。避難者情報管理装置7は、避難者情報データベース7a(避難者情報DB)を備える。避難者情報データベース7aは、避難者特定情報である避難者となる従業員の氏名、従業員番号、顔写真、性別、年齢、所属、住所、勤務歴、連絡先といった個人情報や、各従業者に一意に対応するカラーバーコードの番号(数字及び/又は文字からなる文字列を含む)が格納されて管理される。さらには、災害発生時に各従業員が避難するべき避難所や避難集合場所に関する避難場所情報が格納されている。
【0101】
また、在場者がゲストの場合は、氏名、所属会社、連絡先等の必要な情報が受付登録時等に避難者情報管理装置7にそれら情報が送信、格納され、管理されることとなる。また、受付時等に災害発生時の避難集合場所をゲストに指示する場合は、その避難集合場所も避難者情報管理装置7に格納されて管理されることとなる。
【0102】
このように、避難者情報データベース7a(避難者情報DB)は、避難者ごとに避難するべき場所に関する避難場所情報をも格納することから、避難場所情報データベース(避難場所情報DB)は、
図1にも示すように避難者情報データベース7aの一部を構成する。
【0103】
また、避難者情報データベース7aは、災害発生時においては、端末装置から送信される避難者確認情報及び避難者状態情報を格納して、従業員及びゲストなどの各在場者の安否情報を随時格納される。また、避難した場所と推定される避難者のカラーバーコード17が撮影された場所や、実際に避難した場所等についても格納可能である。
【0104】
また、避難者情報管理装置7は、避難者情報集計サーバ6の指令により、適宜、格納情報の読み出し、さらには更新及び修正を行う。
【0105】
[入退場情報管理装置]
入退場情報管理装置8の構成及び機能について説明する。入退場情報管理装置8は、入退場情報データベース8a(入退場情報DB)を備える。入退場情報データベース8aは、避難者となる従業員及びゲスト等の在場者の入退場の状況を管理するデータベースであり、平時から在場者の入退場管理に使用されるものが想定される。会社等の所定の領域からの在場者の入退場情報が随時更新されて、各従業員及びゲストが会社等の所定の領域内に存在するのか否かの情報が格納されている。
【0106】
尚、従業員について、この入退場情報には、出退勤情報を利用することも可能であり、出張予定、休暇、遅刻、早退等の出退勤情報を用いて各従業員が会社内に存在するのか否かを確認することも想定される。そのため、本明細書においては、従業員については出退勤情報が入退場情報であると定義することも可能であるが、出社しているものの、一時外出というケースを考慮し、より好ましくは厳密に入退場情報に照らし合わせた方が、従業員の存否の確認精度がより向上する。
【0107】
また、入退場情報管理装置8は、避難者情報集計サーバ6の指令により、適宜、格納情報の読み出し、さらには更新及び修正を行うことも可能である。
【0108】
[予備電源]
予備電源9の構成及び機能について説明する。避難者情報集計サーバ6、避難者情報管理装置7及び入退場情報管理装置8は、災害による商用電源16の停電時においても継続使用を可能とするべく、給電ライン15を介して予備電源9と電気的に接続されている。
【0109】
予備電源9は、
図1に示すように、バッテリー9aや、発電機9bを備えている。バッテリー9aは、予め逐電されているため、災害時の停電発生時から即時に給電を開始可能であり、無停電電源装置等を利用することも可能である。また、発電機9bはエンジン発電機等により構成されて、起動までの時間をバッテリー9aによって補うことが想定される。
【0110】
また、設置型端末装置5、通信ネットワーク12及び通信ネットワーク13に用いられるWi−Fi(登録商標)等の無線LANルータ、無線LAN中継器、スイッチングハブ等の通信機器についても、内蔵バッテリーや、予備電源に接続されて、商用電源の停電時においても使用可能となっている。
【0111】
[避難者確認システムにおける処理の流れ]
次に、本発明の避難者確認システム1の実施形態における処理の流れを、携帯端末装置3を利用した場合を例として、
図1乃至
図3に加え、
図4乃至
図9を用いて説明する。
図4は、端末装置での撮影画面を示す図である。
図5は、
図1の携帯端末装置の撮影直後の画面を示す図である。
図6は、
図5の携帯端末装置の画面において避難者の状態を入力した後の画面を示す図である。
図7は、
図6の携帯端末装置の画面において避難者情報集計サーバに避難者確認情報を送信して同期させた後の画面であり、〇〇工場第1避難集合場所に避難するべき従業員についての集計結果を示す図である。
図8は、本発明の避難者確認システムの処理を示すフローチャートである。
図9は、在場者の安否確認及び安否情報の集計結果をマップ上に重畳させて表示した状態の画面例を示す図である。
【0112】
災害発生後、予め定められた避難所及び避難集合場所(「避難所等」とも言う)に避難してきた多数の従業員やゲスト等を避難者33としてカラーバーコード17が外部から看取可能な状態で携帯端末装置3の撮影部3aにより撮影する(ステップ1:S1)。
【0113】
図4に示すように、携帯端末装置3の撮影部3aで撮影されている画像が携帯端末装置3のタッチパネル式のディスプレイ31に映し出されている。
図4では10人の避難者が撮影されてディスプレイ31に映し出されている。
【0114】
10人の避難者33は、カラーバーコード17が衣服、帽子又はヘルメットといった身体に外部から看取可能な状態で配されており、撮影者は、カラーバーコード17が撮影可能なように避難者を整列させて撮影を行う。撮影部3aによって撮影された画像内にカラーバーコード17が含まれていると、画像内にカラーバーコード17が含まれたタイミングで、認識部3bが各避難者33の避難者特定情報を認識する処理を行う。
図4の状態では、10人分の避難者の避難者特定情報が認識部3bにより認識される。
【0115】
そのため、
図4の画面右上の認識した避難者数38が10人と表示されている。即ち、認識された避難者数38は、認識部3bがカラーバーコード17から認識した避難者特定情報のパターン数に一致する。この認識した避難者数38は、認識部3bがカラーバーコード17から認識した避難者特定情報のパターン数に応じて随時加算更新されて表示される。
【0116】
撮影にあたり、撮影者たる防災担当者等は、予め撮影する避難者33人数を所定の数に決めておくと、カラーバーコード17の認識漏れを防止できる。即ち、毎回撮影する避難者数を一定に決めておくと、
図4の画面右上の認識した避難者数38の表示が、その撮影対象の避難者数に達しない場合はカラーバーコード17の認識エラーとして再度撮影をやり直すことにより、避難者特定の正確性を担保可能である。
【0117】
そのため、認識した避難者数38を分子のように表示し、撮影したい避難者の目標設定数(撮影者目標設定数39である10人)を分母の如く表示して、その数の一致を確認して撮影すると、カラーバーコード17の認識漏れや、エラーを防止可能である。
【0118】
撮影者は、撮影した避難者33の数と、認識された避難者特定情報のパターン数(特定された避難者数)が一致するか否かを確認し(S2)、一致する場合は、撮影漏れや、認識エラーがないと判断して、画面下方の撮影完了ボタン37を押して(S3)、次のステップに移行する。一致しない場合は再度ステップ1の撮影をやり直すこととなる。
【0119】
撮影完了ボタン37が押されると、携帯端末装置3の通信部3cが、認識部3bにより認識された避難者特定情報について、避難者の存在確認が取れたとして、避難者特定情報を避難者確認情報として、通信ネットワーク12を介して避難者情報集計サーバ6に送信する(S4)。例えば、カラーバーコード17から認識される避難者特定情報が各従業者に一意に対応するカラーバーコードの番号である場合は、このカラーバーコードの番号が避難者情報集計サーバ6に送信される。
【0120】
避難者確認情報を受信した避難者情報集計サーバ6は、避難者情報データベース7aから、避難者状態情報を携帯端末装置3において入力可能とするための情報を読み出す指令を避難者情報管理装置7に送信し、それに従い必要な情報を避難者情報管理装置7から受信し、携帯端末装置3に送信する(S5)。
【0121】
尚、この段階で、避難者が負傷等しているかの避難者状態情報は不明であるものの、避難者確認情報のみを避難者情報データベース7aに書き込んで更新することも可能である。
【0122】
例えば、上記同様にカラーバーコード17から認識される避難者特定情報が各従業者に一意に対応するカラーバーコードの番号である場合は、どの避難者33が負傷等しているのかを特定するのに必要な従業員の氏名や、所属情報等を、避難者情報データベース7aから読み出す指令を避難者情報管理装置7に避難者情報集計サーバ6から送信し、それに従いそれら情報を避難者情報管理装置7から受信し、携帯端末装置3に送信する。
【0123】
その結果、携帯端末装置3が避難者状態情報を入力可能な画面を表示させる処理が可能となり、
図5の画面の状態となる(S6)。
【0124】
図5の画面が表示されると、避難者特定情報が取得された避難者について、負傷しているのか等の避難者状態情報を追加可能となる。
【0125】
図5の表の右側の状態欄に示すように、例えば、初期設定として「無事」となっている状態情報入力ボタン52を押すことにより、図示しない負傷や、他に軽傷、重症等の状態を選択可能な画面を表示させ、各避難者に対応した状態情報を追加可能である。例えば、負傷についてのコメントや、負傷箇所の写真を添付することが等も可能である。
【0126】
また、
図5の表の左右中央欄においては、「従業員名・所属」の表示は、詳細情報確認ボタン51として機能し、これを押すことにより、各避難者の個人情報を含む避難者情報の詳細情報を確認可能であり(図示せず)、怪我や心理的な状態により口がきけないような状態の避難者については、顔写真等を確認することにより、避難者を特定して負傷等の避難者状態情報を追加することが可能である。
【0127】
携帯端末装置3は、詳細情報確認ボタン51が押された場合、避難者情報の詳細情報を未だ受信していない部分について避難者情報集計サーバ6に送信を要請し、避難者情報集計サーバ6は避難者情報管理装置7に避難者情報データベース7aからの読み出しを指示して携帯端末装置3への送信を行う。
【0128】
図5の画面表示において、避難者状態情報が追加されると、
図6の画面の状態となる。
図6においては、カラーバーコード番号0002の社員Bと、0012の社員Lが負傷している。これは
図4において左上の避難者2名が足や手を負傷して流血していることから(負傷箇所33aを参照)、携帯端末装置3を操作する防災担当者により入力されたものである。
【0129】
避難者状態情報の入力(S7)が完了した後、携帯端末装置3の操作者は、
図6の画面の右上の送信・同期ボタン53を押して(S8)、避難者確認情報及び避難者状態情報の両者を避難者情報集計サーバ6に送信する(S9)。
【0130】
避難者情報集計サーバ6は、避難者情報データベース7aを更新し、それとともに、避難者情報集計サーバ6が他の端末装置から送信された従業員の安否情報を含む避難者情報データベース7aや、入退場情報データベース8aへの照らし合わせを行って安否情報の集計を行う(S10)。
【0131】
その後、避難者情報集計サーバ6は、集計結果の携帯端末装置3への送信、集計結果の避難者情報データベース7aへフィードバックしての更新を行う(S11)。
【0132】
その集計結果の一例を
図7に示す。
図7においては、本来、〇〇工場第1避難集合場所に避難するべき従業員についての集計結果を表示しており、
図5及び
図6では携帯端末装置3の画面に表示されていなかったカラーバーコード番号0004の社員D、0006の社員F、0007の社員G,0009の社員I及び0014の社員Nの計5名が追加されて表示されている。
【0133】
即ち、0006の社員F及び0009の社員Iは、他の端末装置によって、無事(0006の社員F)と負傷(0009の社員I)が確認されており、本来避難するべき〇〇工場第1避難集合場所ではなく、何らかの事情により間違った避難所である〇〇工場第3避難集合場所(0006の社員F)及び〇〇工場第2避難集合場所(0009の社員I)で無事と負傷が確認されている。
【0134】
これは、避難者情報集計サーバ6が集計にあたり、避難者情報データベース7aから最新の情報を読み出したところ、本来、〇〇工場第1避難集合場所に避難するべき0006の社員F及び0009の社員Iが他の避難所に避難していることが既に避難者情報データベース7aに反映されていることから、本来避難するべき避難場所情報が〇〇工場第1避難集合場所であることをキーとして、避難者確認情報及び避難者状態情報のピックアップを行ったものである。
【0135】
また、
図7において、0007の社員G及び0014の社員Nについては、会社等の所定の領域内にはそもそもいないことを示す「社外」が表示されている。
【0136】
これは、避難者情報データベース7aに照らして、本来避難するべき避難場所情報が〇〇工場第1避難所であることをキーとして、避難者確認情報及び避難者状態情報の何れもピックアップできない従業員について、入退場情報データベース8aに照らして、その従業員が会社に現在いるはずなのかどうかを照合したところ、0007の社員G及び0014の社員Nについては社外におり、社内で行方不明となっているものではなく、社外での安否確認を要することが判明したものである。
【0137】
さらに、
図7において、0004の社員Dについては行方不明を示す「不明」の表示がなされている。これは、避難者情報データベース7aに照らして、本来避難するべき避難場所情報が〇〇工場第1避難所であることをキーとして、避難者確認情報及び避難者状態情報の何れもピックアップできない従業員について、入退場情報データベース8aに照らして、その従業員が会社に現在いるはずなのかどうかを照合したところ、やはり社内に存在するはずであり、他の避難場所も含め存在が確認されておらず、捜索を行う必要があることがわかる。
【0138】
また、従業員及びゲスト等の安否確認及び安否情報等の集計結果は、会社全体、工場等の単位、所属部署単位、避難するべき場所の単位、実際に避難してしまった場所の単位、従業員個人等、自在にその情報を出力可能であることはいうまでもない。
【0139】
また、例えば、
図9に示すように、避難者情報集計サーバ6の集計結果を、工場内地図等に重畳させて表示することも可能であり、各避難所等における集計結果をマップに重畳させることにより、視覚的に避難状況等を確認することも可能である。
【0140】
避難者情報集計サーバ6による集計結果の携帯端末装置3への送信、集計結果の避難者情報データベース7aへフィードバックしての更新(S11)の後、このステップ1からステップ11を行った携帯端末装置3が撮影するべき避難者が未だにいるのであれば(S12)、撮影するべき避難者がいなくなるまでステップ1からステップ12のフローを繰り返すこととなる。
【0141】
設置型端末装置5を使用した場合であっても、避難者情報集計サーバ6の入出力部6aを用いて遠隔操作して、かつ、設置型端末装置5の音声入出力部5fと避難者情報集計サーバ6の音声入出力部6bを介して避難者と音声通話を行う点、集計結果の出力は音声通話を利用しての伝達による点、避難者情報集計サーバ6側で
図5乃至
図7、
図9の画面表示がなされる点以外はその処理フローも同様である。
【0142】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【0143】
また、
図1の機能ブロック図に示した機能ブロックは、本発明の避難者確認システムの機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態を制限しない。即ち、図中の機能ブロックに対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、さらには、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。