(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851709
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】非周期的チャンネル状態情報に対する多重プロセスの報告
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20210322BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20210322BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20210322BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20210322BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W28/06 110
H04W28/16
H04W72/04 111
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-554668(P2014-554668)
(86)(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公表番号】特表2015-510720(P2015-510720A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】KR2013000674
(87)【国際公開番号】WO2013112024
(87)【国際公開日】20130801
【審査請求日】2016年1月27日
【審判番号】不服2018-14643(P2018-14643/J1)
【審判請求日】2018年11月2日
(31)【優先権主張番号】61/591,546
(32)【優先日】2012年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】アリス・パパサックエラーリオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−ヨン・チョ
【合議体】
【審判長】
中木 努
【審判官】
廣川 浩
【審判官】
本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/127092(WO,A1)
【文献】
特開2012−5073(JP,A)
【文献】
Fujitsu,Email discussion [69−11]: FFS aspects of aperiodic CSI feedback for CoMP[online], 3GPP TSG−RAN WG1#70b R1−124125,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1−124125.zip>,2012年10月8日(掲載日:2012年9月29日)
【文献】
LG Electronics,Details of CSI Reporting in Time−domain eICIC[online],3GPP TSG−RAN WG1#64 R1−110891,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_64/Docs/R1−110891.zip>,2011年 2月21日
【文献】
Huawei, HiSilicon,CSI feedback modes for CoMP[online],3GPP TSG−RAN WG1#69 R1−121946,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1−121946.zip>,2012年 5月21日
【文献】
Fujitsu,Email discussion [69−11]: FFS aspects of aperiodic CSI feedback for CoMP[online], 3GPP TSG−RAN WG1#70b R1−124125,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1−124125.zip>,2012年10月 8日
【文献】
NTT DOCOMO,Details of Aperiodic CSI Feedback for Rel−11 CoMP[online],3GPP TSG−RAN WG1#70b R1−124250,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1−124250.zip>,2012年10月 8日
【文献】
Pantech,CSI request filed of aperiodic feedback for DL CoMP[online],3GPP TSG−RAN WG1#70b R1−124305,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1−124305.zip>,2012年10月 8日
【文献】
Alcatel−Lucent,Alcatel−Lucent Shanghai Bell,DCI−based triggering for aperiodic CSI feedback for CoMP[online],3GPP TSG−RAN WG1#70b R1−124410,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1−124410.zip>,2012年10月 8日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける通信方法であって、
ユーザ端末(UE)により、複数のチャンネル状態情報(CSI)報告モードのための構成情報を受信するステップと、
前記UEにより、CSI報告に対する指示子を含むダウンリンク制御情報(DCI)を受信するステップと、
前記UEにより、前記指示子と前記構成情報に基づいてCSIを生成するステップと、
前記UEにより、物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)で前記生成されたCSIを送信するステップと、を含み、
前記複数のCSI報告モードは、第1のCSI報告モードセットと第2のCSI報告モードセットを含み、前記第1のCSI報告モードセットは、サービングセルから受信された第1の基準信号に基づいて測定された第1のCSIに関連付けられ、前記第2のCSI報告モードセットは、前記サービングセルから受信された第2の基準信号に基づいて測定された第2のCSIに関連付けられ、
統合多重ポイント(CoMP)をサポートするために前記サービングセルにより使用される前記第1のCSI報告モードセットまたは前記第2のCSI報告モードセットに対して生成されたCSIを報告し、
前記指示子は2ビットの値を有し、
前記指示子により指示される解析は:値‘00’により指示される、非周期的CSI報告しない;値‘01’により指示される、PDCCHに関連するセルに対する非周期的CSI報告;値‘10’により指示される、上位階層により設定された前記第1のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告;及び値‘11’により指示される、
上位階層により設定された前記第2のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告を含み、
第1の上位階層シグナリングにより前記DCIに含まれた指示子の値‘10’に対応する前記第1のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、第2の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘11’に対応する前記第2のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、
前記DCIに含まれた指示子の値に基づいて、上位階層シグナリングによって構成された2つのモードのうちの一つが選択されることを特徴とする通信方法。
【請求項2】
複数のチャンネル状態情報(CSI)報告モードのための構成情報を受信し、CSI報告に対する指示子を含むダウンリンク制御情報(DCI)を受信する受信器と、
前記指示子と前記構成情報に基づいてCSIを生成し、物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)で前記生成されたCSIを送信する送信器と、を含み、
前記複数のCSI報告モードは、第1のCSI報告モードセットと第2のCSI報告モードセットを含み、前記第1のCSI報告モードセットは、サービングセルから受信された第1の基準信号に基づいて測定された第1のCSIに関連付けられ、前記第2のCSI報告モードセットは、前記サービングセルから受信された第2の基準信号に基づいて測定された第2のCSIに関連づけられ、
統合多重ポイント(CoMP)をサポートするために前記サービングセルにより使用される前記第1のCSI報告モードセットまたは前記第2のCSI報告モードセットに対して前記生成されたCSIが報告され、
指示子は2ビットの値を有し、
前記指示子により指示される解析は:値‘00’により指示される、非周期的CSI報告しない;値‘01’により指示される、PDCCHに関連するセルに対する非周期的CSI報告;値‘10’により指示される、上位階層により設定された前記第1のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告;及び値‘11’により指示される、
上位階層により設定された前記第2のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告を含み、
第1の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘10’に対応する前記第1のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、第2の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘11’に対応する前記第2のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、
前記DCIに含まれた指示子の値に基づいて、上位階層シグナリングによって構成された2つのモードのうちの一つが選択されることを特徴とするユーザ端末(UE)装置。
【請求項3】
通信システムにおいて、ユーザ端末(UE)により、非周期的チャンネル状態情報(CSI)を報告する方法であって、
CSI要求フィールドを含むダウンリンク制御情報(DCI)を受信するステップと、
複数のCSI報告モードのうち選択された一つのCSI報告モードを前記CSI要求フィールドの指示子によりトリガーするステップと、
前記トリガーされたCSI報告モードに対応する送信モードに基づいて非周期的CSIを送信するステップと、を有し、
前記複数のCSI報告モードは、第1のCSI報告モードセットと第2のCSI報告モードセットを含み、前記第1のCSI報告モードセットは、サービングセルから受信された第1の基準信号に基づいて測定された第1のCSIに関連付けられ、前記第2のCSI報告モードセットは、前記サービングセルから受信された第2の基準信号に基づいて測定された第2のCSIに関連づけられ、
統合多重ポイント(CoMP)をサポートするために前記サービングセルにより使用される前記第1のCSI報告モードセットまたは前記第2のCSI報告モードセットに対して前記非周期的CSIが報告され、
前記指示子は2ビットの値を有し、
前記指示子により指示される解析は:値‘00’により指示される、非周期的CSI報告しない;値‘01’により指示される、PDCCHに関連するセルに対する非周期的CSI報告;値‘10’により指示される、上位階層により設定された前記第1のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告;及び値‘11’により指示される、
上位階層により設定された前記第2のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告を含み、
第1の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘10’に対応する前記第1のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、第2の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘11’に対応する前記第2のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、
前記DCIに含まれた指示子の値に基づいて、上位階層シグナリングによって構成された2つのモードのうちの一つが選択されることを特徴とする報告方法。
【請求項4】
非周期的チャンネル状態情報(CSI)を報告するユーザ端末(UE)装置であって、
CSI要求フィールドを含むダウンリンク制御情報(DCI)を受信する受信部と、
複数のCSI報告モードのうち選択された一つのCSI報告モードを前記CSI要求フィールドの指示子によりトリガーするトリガーと、
前記トリガーされたCSI報告モードに対応する送信モードに基づいて非周期的CSIを送信する送信部と、を含み、
前記複数のCSI報告モードは、第1のCSI報告モードセットと第2のCSI報告モードセットを含み、前記第1のCSI報告モードセットは、サービングセルから受信された第1の基準信号に基づいて測定された第1のCSIに関連付けられ、前記第2のCSI報告モードセットは、前記サービングセルから受信された第2の基準信号に基づいて測定された第2のCSIに関連づけられ、
前記CSIは、統合多重ポイント(CoMP)をサポートするために前記サービングセルにより使用される、前記第1のCSI報告モードセットまたは前記第2のCSI報告モードセットに対して前記非周期的CSIが報告され、
前記指示子は2ビットの値を有し、
前記指示子により指示される解析は:値‘00’により指示される、非周期的CSI報告しない;値‘01’により指示される、PDCCHに関連するセルに対する非周期的CSI報告;値‘10’により指示される、上位階層により設定された前記第1のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告;及び値‘11’により指示される、
上位階層により設定された前記第2のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告を含み、
第1の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘10’に対応する前記第1のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、第2の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘11’に対応する前記第2のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、
前記DCIに含まれた指示子の値に基づいて、上位階層シグナリングによって構成された2つのモードのうちの一つが選択されることを特徴とするUE装置。
【請求項5】
無線通信システムにおける通信方法であって、
複数のチャンネル状態情報(CSI)報告モードのための構成情報を送信するステップと、
CSI報告のための指示子を含むダウンリンク制御情報(DCI)を送信するステップと、
物理的UL共有チャンネル(Physical UL Shared CHannel;PUSCH)で前記指示子と前記構成情報に基づいて生成されたCSIをユーザ端末から受信するステップと、を含み、
前記複数のCSI報告モードは、第1のCSI報告モードセットと第2のCSI報告モードセットを含み、前記第1のCSI報告モードセットは、サービングセルから受信された第1の基準信号に基づいて測定された第1のCSIに関連付けられ、前記第2のCSI報告モードセットは、前記サービングセルから受信された第2の基準信号に基づいて測定された第2のCSIに関連付けられ、
前記CSIは、統合多重ポイント(CoMP)をサポートするために前記サービングセルにより使用される、前記第1のCSI報告モードセットまたは前記第2のCSI報告モードセットに対して前記生成されたCSIが受信され、
前記指示子は2ビットの値を有し、
前記指示子により指示される解析は:値‘00’により指示される、非周期的CSI報告しない;値‘01’により指示される、PDCCHに関連するセルに対する非周期的CSI報告;値‘10’により指示される、上位階層により設定された前記第1のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告;及び値‘11’により指示される、
上位階層により設定された前記第2のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告を含み、
第1の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘10’に対応する前記第1のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、第2の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘11’に対応する前記第2のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、
前記DCIに含まれた指示子の値に基づいて、上位階層シグナリングによって構成された2つのモードのうちの一つが選択されることを特徴とする通信方法。
【請求項6】
基地局であって、
複数のチャンネル状態情報(CSI)報告モードのための構成情報を送信し、CSI報告のための指示子を含むダウンリンク制御情報(DCI)を送信する送信器と、
物理的UL共有チャンネル(Physical UL Shared CHannel;PUSCH)で前記指示子と前記構成情報に基づいて生成されたCSIをユーザ端末から受信する受信器と、を含み、
前記複数のCSI報告モードは、第1のCSI報告モードセットと第2のCSI報告モードセットを含み、前記第1のCSI報告モードセットは、サービングセルから受信された第1の基準信号に基づいて測定された第1のCSIに関連付けられ、前記第2のCSI報告モードセットは、前記サービングセルから受信された第2の基準信号に基づいて測定された第2のCSIに関連付けられ、
前記CSIは、統合多重ポイント(CoMP)をサポートするために前記サービングセルにより使用される、前記第1のCSI報告モードセットまたは前記第2のCSI報告モードセットに対して前記生成されたCSIが受信され、
前記指示子は2ビットの値を有し、
前記指示子により指示される解析は:値‘00’により指示される、非周期的CSI報告しない;値‘01’により指示される、PDCCHに関連するセルに対する非周期的CSI報告;値‘10’により指示される、上位階層により設定された前記第1のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告;及び値‘11’により指示される、
上位階層により設定された前記第2のCSI報告モードセットに対する複数の非周期的CSI報告を含み、
第1の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘10’に対応する前記第1のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、第2の上位階層シグナリングにより、前記DCIに含まれた指示子の値‘11’に対応する前記第2のCSI報告モードセットのうち一つの報告モードが構成され、
前記DCIに含まれた指示子の値に基づいて、上位階層シグナリングによって構成された2つのモードのうちの一つが選択されることを特徴とする基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関し、より詳しくは、無線通信システムにおけるチャンネル状態情報フィードバックの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、基地局(BS)、例えばNodeBからユーザ端末(UE)に送信される信号であるダウンリンク(DL)信号、及びUEからNodeBに送信される信号であるアップリンク(UL)信号を送信及び/又は受信することを含むことができる。端末、移動局、個人用コンピュータ(PC)、または任意の他の類似及び/又は適切な電子デバイスでありうるUEは、固定型、移動型または無線デバイスでありうる。NodeBは固定局(fixed station)であることがあり、またUEからUL信号を受信するデバイスを説明するためのBTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント、または任意の他の類似な及び/又は適切なデバイス名と指称できる。
【0003】
NodeBは、物理的DL共有チャンネル(Physical DL Shared CHannel;PDSCH)を使用してUEにデータ情報を送信し、物理的DL制御チャンネル(Physical DL Control CHannel;PDCCH)を使用してUEにDL制御情報(DL Control Information;DCI)を送信する。UEは、物理的UL共有チャンネル(Physical UL Shared CHannel;PUSCH)を使用してNodeBにデータ情報を送信し、物理的UL制御チャンネル(Physical UL Control CHannel;PUCCH)を使用してNodeBにUL制御情報(UL Control Information;UCI)を送信する。UEが同一の送信時間間隔(Transmission Time Interval;TTI)でデータ情報及びUCIを送信する場合、UEはPUSCHでデータ情報と一緒にUCIをマルチプレキシングすることによってPUCCHでUCIを送信しないようにすることができる。
【0004】
UCIはチャンネル状態情報(Channel State Information;CSI)を含むことができ、これはチャンネル品質指示子(Channel Quality Indicator;CQI)情報及びプリコーディングマトリックス指示子(Precoding Matrix Indicator;PMI)情報を含むことができる。CSIは、UEが経験するDLチャンネル状態をNodeBに通知し、これによって、NodeBはUEにPDSCHまたはPDCCH送信のために適切なパラメータ、例えば送信電力、MCS(Modulation and Coding Scheme)、及び任意の他の類似な及び/又は適切なパラメータを選択することができ、各々のデータ情報またはDCIを送信するために所望のブロック誤り率(Block Error Rate;BLER)を保証することもできる。CQIは、サブ−帯域または全利用DL帯域幅(BW)を通じて信号対干渉及び雑音比率(SINR)の測定値を提供し、CQIはUEに送信されるデータ転送ブロックサイズ(Transport Block Size;TBS)に対するBLERターゲット(target)が達成できる最も高いMCSを表す情報として提供できる。PMIは、多重−入力 多重−出力(Multiple-Input Multiple-Output;MIMO)方式によって、複数のNodeBアンテナからUEに送信される信号を結合する方式をNodeBに通知する。
【0005】
UEは、NodeBから送信されるDL基準信号(Reference Signal;RS)に基づいてCSIを測定する。相異するCSIプロセスは、相異するRSまたはDL BWの相異する部分で同一なRSから各々獲得できる相異するCSI測定と関連付けることができる。CSIは、PUCCHまたはPUSCHで送信できる。PUCCHでのCSI送信は周期的に発生するようにNodeBにより準−静的に設定されることができ、即ちPUCCHでのCSI送信は周期的なCSIであり、過度なオーバーヘッドを防止するために、小さいCSIペイロード(payload)、例えば約10個の情報ビットまでを有するCSIペイロードのみをサポートすることができる。PUSCHでCSIはNodeBにより動的にトリガーされることができ、即ちPUSCHでのCSI送信はPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHにより伝達されるDCIフォーマットの“CSI要請”フィールドを通じての非周期的CSIであり、それはPDSCHスケジューリングに対する詳細情報をNodeBに提供するようにするための大きいCSIペイロードをサポートすることができる。
【0006】
図1は、従来技術によるUL TTIでのPUSCH送信構造を図示する。
【0007】
図1を参照すると、UL TTI 100は、2つのスロット120を含む1つのサブフレーム110を含むことができる。各スロット120は、UL RS送信140、データ情報、UCI、及び任意の他の類似な及び/又は適切なデータまたは情報を送信するためのシンボル130の数、
【0008】
【数1】
【0009】
を含む。
図1に示すように、各スロット120は7個のシンボル130を含むことによって、
【0010】
【数2】
【0011】
となる。UL RS送信140はチャンネル推定を提供し、データ情報またはUCIのコヒーレント復調(coherent demodulation)を可能にする。UL RSは、循環シフト(Cyclic Shift;CS)が割り当てられるZC(Zadoff-Zhu)シーケンスを使用して送信されることができ、サブフレーム内の2つのUL RSは{11}または{1−1}の値を有する直交カバーリングコード(Orthogonal Covering Code;OCC)によりさらに変調されることもできる。PUSCH送信BWはリソースブロック(Resource Blocks;RBs)と指称される周波数リソースユニットを含む。各々のRBは、
【0012】
【数3】
【0013】
サブ−キャリア、またはリソース要素(Resource Elements;REs)を含み、UEにはPUSCH送信のための
【0014】
【数4】
【0015】
RB150が割り当てられることによって、総REは
【0016】
【数5】
【0017】
となる。
【0018】
図2は、従来技術によるPUSCHに対するUE送信機ブロック図を図示する。
【0019】
図2を参照すると、UE送信機200において、コーディングされたCSIビット205及びコーディングされたデータビット210がマルチプレクサ220によりマルチプレキシングされる。次に、組合せ型データビット及びCSIビットの離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform;DFT)がDFTユニット230により獲得される。次に、REがサブ−キャリアマッピングユニット240に提供されることによって、割り当てられた送信BWに対応するREが送信BW250に対する制御器により選択されるようにし、その後に逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform;IFFT)がIFFTユニット260により遂行される。次に、CP(Cyclic Prefix)挿入ユニットによりCPが挿入され、タイムウィンドーイングユニット280によりフィルタリングが遂行されることによって送信信号290を生成する。簡略化のために、データビットまたはCSIビットに対するエンコーディングプロセス及び全ての送信ビットに対する変調プロセスは省略する。
【0020】
図3は、従来技術によるPUSCHに対するNodeB受信機ブロック図を図示する。
【0021】
図3を参照すると、NodeB受信機300は、信号310を受信し、タイムウィンドーイングユニット320を使用して受信信号310をフィルタリングする。次に、CP除去ユニット330はCPを除去し、次に高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;FFT)ユニット340はFFTを適用してサブ−キャリアデマッピングユニット350にREを提供し、受信帯域幅用制御器360は送信機により使われたREを選択する。次に、IDFT(Inverse DFT)ユニット370がIDFTを適用し、デマルチプレクサ380がIDFTユニット370から受信された信号をデマルチプレキシングすることによって、データビット390及びCSIビット395を生成する。
【0022】
非周期的CSI報告での情報は、上位階層シグナリングを通じてNodeBにより設定されたUEの各々の非周期的CSIモードにより決定できる。例えば、非周期的CSIモードは、複数のサブ−帯域に対するCQI及びPMIを伝達するための測定に基づくことができ、このようなモードはモード2−2と指称されることができ、または複数のサブ−帯域に対するCQI及びPMI無しを伝達するための測定に基づくことができ、これはモード3−1と指称できる。非周期的CSIモードは、上位階層シグナリングを通じてNodeBにより設定されたUEのPDSCH送信モード(Transmission Mode;TM)と関連付けることができる。例えば、送信ダイバーシティー(diversity)のPDSCH TMにおいて、モード3−1が使われることができ、空間マルチプレキシングのPDSCH TMにおいて、モード2−2が使われることができる。これと類似するように、周期的CSI報告での情報は上位階層シグナリングにより設定されたUEの各々の周期的CSIモードにより決定されることができ、またPDSCH TMとも関連する。例えば、送信ダイバーシティーを使用するPDSCH TMにおいて、周期的CSI報告は広帯域CQIを伝達するための測定に基づくことができ、これはモード1−0と指称されることができ、またはサブ−帯域CQI及びPMI無しを伝達するための測定に基づくことができ、これはモード2−0と指称できる。また、空間マルチプレキシングを使用するPDSCH TMにおいて、周期的CSI報告は広帯域CQIを伝達することができ、これはモード1−1と指称されることができ、またはサブ−帯域CQI及び単一PMIを伝達することができ、これはモード2−1と指称できる。
【0023】
UEに対する送信データ速度を増加させるために、複数のDLセルが集成されることができ、複数のPDSCHがUEに各々送信されることができ、このようなプロセスはDLキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation;CA)と指称できる。各DLセルのPDSCH送信パラメータは各々のスペクトル効率(spectral efficiency)を極大化するために独立的でありうる。サブフレームでUEにPDSCHを伝達することができるDLセルは、アクティブDLセルと指称できる。各アクティブDLセルに対する独立的リンク適応を可能にするために、UEは各々のCSIを提供しなければならない。類似した原理がUEに対するDL CoMP(Coordinated Multiple Point)送信に適用され、ここで複数の送信ポイント(Transmission Point;TP)NodeBはUEに同一なデータ情報を送信する。
【0024】
UEがUL CA能力を有することができない、またはより適切であるULセルでの例えば経路損失(path-loss)のようなチャンネル状態、、またはシステム設計の単純化のため、UEが単一のULセルのみを使用してPUCCHを送信するケースにおいて、各々の複数DLセルに対する複数の周期的CSI報告の送信は、単一DLセルに対する周期的CSIを信頼的に伝達することに充分なペイロード容量のみを有することができるPUCCHに依存するような場合には問題になることがある。
【0025】
上記の制限は、UEが単一セルに対する周期的CSI報告を伝達するPUCCHフォーマットを使用して相異するサブフレームで各アクティブDLセルに対する周期的CSI報告を送信することにより回避できる。しかしながら、このような周期的CSI報告の時分割マルチプレキシング(Time Division Multiplexing;TDM)は過大な報告周期を必要とすることがあり、これはUEにより使われるDLチャンネルが連続する周期的CSI報告の間で変更される時に、各々のPDSCH送信のスペクトル効率の低下をもたらすことがある。例えば、TDDシステムで、計10個以上のサブフレームのULサブフレームの数は、特に高いDLデータ速度をサポートするが、小さいことがある。
【0026】
これとは異なり、上記の制限を回避するために、非周期的CSIに依存することがある。例えば、UEがデータパケットの受信に対する応答としてPUSCHで伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol;TCP)ACK(Acknowledgement)を伝達しなければならない時に、NodeBはUEに該当PUSCHで非周期的CSIをマルチプレキシングすることを指示することもある。これは、PUSCHをスケジューリングするためのDCIフォーマットの2−ビットCSI要請フィールドを含むことによって行なわれることができる。2−ビットCSI要請の一例を<表1>に示す。“00”値はPUSCHで非周期的CSIマルチプレキシングを行なわないことを表し、“01”値はUEがサービングDLセルのPUSCH送信のULセルにリンク及びペアリングされたDLセルに対してのみ非周期的CSIをマルチプレキシングしなければならないことを表す。また、“10”または“11”の値は、UEがRRC(Radio Resource Control)シグナリングのような上位階層シグナリングにより第1セットまたは第2セットのセルに設定されるDLアクティブセルのうち、各々の第1セットまたは第2セットに対する非周期的CSIをマルチプレキシングしなければならないことを表す。
【0027】
【表1】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
非周期的CSIを使用する処理方式は、複数のDLセルに対する非周期的CSI報告をサポートすることはできるが、適時に周期的CSI報告を提供するための理想的な解決策ではない。一般的に、非周期的CSI報告は予め決定されたCSI測定プロセスと固有に関連するので、複数のCSI測定プロセスから選択されるCSI測定プロセスに対する非周期的CSI報告をサポートすることが不可能なこともある。例えば、従来の非周期的CSI測定と従来の周期的CSI測定との間で、または第1のDL RSからの測定と第2のDL RSからの測定との間で選択される非周期的CSI報告を表すようにするCSI要請フィールドに対する能力は現在存在しない。
【0029】
したがって、複数のCSIプロセスのうちから選択されたCSIプロセスに対する非周期的CSI報告を可能にすることが必要である。また、非周期的CSI報告のために、UEに複数のCSIプロセスのうちからCSIプロセスを示す必要がある。また、非周期的CSI報告のために、複数のCSIプロセスのうちから1つ以上のCSIプロセスを示すようにするDCIフォーマット能力を向上させる必要がある。
【0030】
以上の情報は単に本発明の理解を助けるための背景情報として提供される。上記のうちのどれが本発明に対する従来技術として適用できるか否かに関しては、何ら特定する意図はないし、如何なる主張もなされない。
【課題を解決するための手段】
【0031】
したがって、本発明の態様は少なくとも前述した従来の制限及び問題点を解決するように構成されたものであり、本発明はユーザ端末(UE)により送信される物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)で、複数のCSIプロセスのセットから1つ以上のCSIプロセスのセットに対するチャンネル状態情報(CSI)をマルチプレキシングする方法及び装置を提供する。基地局によりUEに対して設定される複数のCSIプロセスのセットから1つ以上のCSIプロセスのセットを示すためのダウンリンク制御情報(DCI)フォーマット内のCSI要請フィールドのマッピングが提供される。また、CSI報告に対するCSIプロセスのセットを表示するに当たって、柔軟性を提供するために、CSI要請フィールドに対するビットの個数を増加させるようにする既存のDCIフォーマットに対する変形が提供される。
【0032】
本発明の一態様によれば、通信システムにおけるチャンネル状態情報(CSI)を送信する方法であって、上記CSIは報告モードを具備し、ULセルで物理的アップリンク(UL)共有チャンネル(PUSCH)送信を通じてユーザ端末(UE)から送信され、上記ULセルはダウンリンク(DL)セルと関連し、上記PUSCH送信は上記UEによるCSI送信を表示するCSI要請フィールドを含むダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットの受信に対する応答であり、上記CSIは各々の基準信号の測定と各々関連したCSIプロセスセットのうちの1つに対応する上記通信システムにおけるチャンネル状態情報(CSI)を送信する方法が提供される。上記方法は、上記CSI要請フィールドからCSI送信に対するCSIプロセスセットの表示を獲得するステップと、上記CSI要請フィールドにより表示されたCSIプロセスセットに対するCSIを送信するステップを含み、上記CSI要請フィールドは第1解釈のセットを有する2ビットの第1のCSIプロセスセットを含み、上記2ビットの第1のCSIプロセスセットにおいて、上記第1解釈のセットは‘00’の2ビット値はCSI送信が無いことを示し、‘01’の2ビット値はDLセルに対応するCSIプロセスセットに対するCSI送信を示し、‘10’の2ビット値は第1のCSIプロセスセットに対するCSI送信を示し、‘11’の2ビット値は第2のCSIプロセスセットに対するCSI送信を示す。
【0033】
本発明の他の態様によれば、通信システムにおけるチャンネル状態情報(CSI)を送信する方法であって、上記CSIは報告モードを具備し、物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)送信を通じてユーザ端末(UE)から送信され、上記PUSCH送信は上記UEによるCSI送信を表示するCSI要請フィールドを含むダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットの受信に対する応答である、上記通信システムにおけるチャンネル状態情報(CSI)を送信する方法が提供される。上記方法は、上記CSIが基準信号の測定と関連した単一のCSIプロセスに関するものである場合、第1ビットで上記CSI要請フィールドを表すステップと、上記CSIが複数のCSIプロセスセットのうちから選択された少なくとも1つのCSIプロセスセットに関するものである場合、第2ビットで上記CSI要請フィールドを表すステップを含み、上記各々のCSIプロセスセットは各々の基準信号の測定と関連し、また上記少なくとも1つのCSIプロセスセットの選択は上記CSI要請フィールド値に基づき、上記第2ビットは上記第1ビットより大きい。
【0034】
本発明の他の態様によれば、チャンネル状態情報(CSI)を送信するユーザ端末(UE)装置であって、上記CSIはULセルでの物理的アップリンク(UL)共有チャンネル(PUSCH)を介しての報告モードを具備し、上記ULセルは各々の基準信号の測定と関連したCSIプロセスセットに対応する上記チャンネル状態情報(CSI)を送信するユーザ端末(UE)装置が提供されている。上記装置は、上記PUSCH送信をスケジューリングするためにダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットを受信する受信機であって、上記DCIフォーマットはCSIプロセスセットに対するCSI送信を表示するCSI要請フィールドを含む上記受信機と、上記CSI要請フィールドにより表示された上記CSIプロセスセットに対するCSI送信を送信する送信機であって、上記CSI要請フィールドは第1解釈のセットを有する2ビットを含む上記送信機を含み、上記2ビットの第1解釈のセットは、‘00’の値がCSI送信が無いことを示し、‘01’の値はDLセルに対応するCSIプロセスセットに対するCSI送信を示し、‘10’の値は第1のCSIプロセスセットに対するCSI送信を示し、‘11’の値は第2のCSIプロセスセットに対するCSI送信を示す。
【0035】
本発明の他の態様によれば、チャンネル状態情報(CSI)を送信するユーザ端末(UE)装置であって、上記CSIは報告モードを有し、物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)を介して送信されるユーザ端末(UE)装置が提供される。上記装置は、上記PUSCH送信をスケジューリングするためにダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットを受信する受信機であって、上記DCIフォーマットはCSIプロセスセットに対するCSI送信を表示するCSI要請フィールドを含む上記受信機と、上記PUSCHで上記CSI送信を送信する送信機を含み、上記CSI要請フィールドは、上記CSIが基準信号の測定と関連した単一のCSIプロセスに関するものである場合、第1ビットで表され、また上記CSI要請フィールドは上記CSIが複数のCSIプロセスセットのうちから選択された少なくとも1つのCSIプロセスセットに関するものである場合、第2ビットで表され、上記各々のCSIプロセスセットは各々の基準信号の測定と関連し、また上記少なくとも1つのCSIプロセスセットの選択は上記CSI要請フィールド値に基づき、上記第2ビットは上記第1ビットより大きい。
【0036】
本発明の他の態様、長所、及び顕著な特徴は、添付した図面と共に、本発明の例示的な実施形態を開示した次の詳細な説明から当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の上記及び他の態様、特徴、及び利点は添付図面と共に取られた次の詳細な説明から明らかになる。
【0038】
【
図1】従来技術に従うアップリンク(UL)送信時間間隔(TTI)の物理的UL共有チャンネル(PUSCH)送信構造を示すダイヤグラムである。
【
図2】従来技術に従うPUSCH用ユーザ端末(UE)送信機を示すブロック図である。
【
図3】従来技術に従うPUSCH用NodeB受信機のブロック図を示す図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態に従う各々のCSIプロセスに対する2つの非周期的チャンネル状態情報(CSI)報告モードの上位階層シグナリングによる構成を示すダイヤグラムである。
【
図5】本発明の例示的な実施形態に従うCSI要請フィールドの従来解釈のためのCSIプロセスセット1に対する非周期的CSI報告、及びCSIプロセスセット2に対する非周期的CSI報告を示すダイヤグラムである。
【
図6】本発明の例示的な実施形態に従う循環シフト(CS)及び直交カバーリングコード(Orthogonal Covering Code;OCC)フィールドからビットを用いたCSI要請フィールドの内在的拡張を示すダイヤグラムである。
【0039】
図面の全般に亘って類似な参照符号は、同一または類似な要素、特徴、及び構造を図示することに使われる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面を参照して本発明をより完全に説明するようにする。しかしながら、本発明は多数の相異する形態で具現されることもでき、ここに記述された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。むしろ、これら実施形態が提供されることによって、本発明が徹底し、かつ完全になるものであり、当業者に本発明の範疇を完全に伝達するようになる。
【0041】
以下に記述される例示的な実施形態によれば、NodeB及びユーザ端末(UE)は相異する測定と関連した複数の非周期的な状態情報(Channel State Information;CSI)プロセスをサポートする。UEが各々のアクティブULダウンリンク(DL)セルに対する単一非周期的CSI報告プロセスに設定される従来技術の動作とは異なり、以下に記述される例示的な実施形態は、各々のアクティブDLセルに対する複数の非周期的CSI報告プロセスに設定されるUEを立証する。前述したように、第1非周期的CSIプロセスは従来の非周期的CSI報告と関連付けられている測定と関連付けることができ、第2非周期的CSIプロセスは従来技術の周期的CSI報告と関連付けられている測定と関連付けることができる。これとは異なり、第1非周期的CSIプロセスは第1のDL基準信号(Reference Signal;RS)と関連した測定と関連することができ、第2非周期的CSIプロセスは第2のDL RSと関連した測定と関連付けることができる。複数の非周期的CSIプロセスは、DLキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation;CA)またはDL統合多重ポイント(Coordinated Multiple Point;CoMP)をサポートするためにNodeBにより使用される場合がある。
【0042】
図4は、本発明の例示的な実施形態に従ってNodeBからUEへの各々のCSIプロセスに対する2つの非周期的CSI報告モードの上位階層シグナリングによる設定を図示する。
【0043】
図4を参照すると、通信システムのスペック(specification)から
UEは、CSIプロセスセット1(410)
のうちいずれか一つの非周期的CSI報告モードで第1非周期的CSIが報告されることができ、CSIプロセスセット2(420)
のうちいずれか一つの非周期的CSI報告モードで第2非周期的CSIが報告されることが
できることが分かる。各々のアクティブDLセルにおいて、UEはCSIプロセスセット1に対して第1非周期的CSI報告モードを設定する第1上位階層シグナリングを受信する(430)。また、UEはCSIプロセスセット2に対して第2非周期的CSI報告モードを設定する第2上位階層シグナリングを受信する(440)。本例示的な実施形態に従って、CSIプロセスセット2に対する第2非周期的CSI報告モードの明示的な上位階層シグナリングを有する代わりに、このモードは予め決定された方式によりCSIプロセスセット1に対する第1非周期的CSI報告モードにリンクできる。この場合、単一の上位階層シグナリングのみがCSIプロセスセット1に対する第1非周期的CSI報告モードを設定するために、UEに提供できる。例えば、CSIプロセスセット1に対する第1非周期的CSI報告モードが空間マルチプレキシングを使用する物理的DL共有チャンネル(Physical DL Shared CHannel;PDSCH)送信に対応する場合、CSIプロセスにセット2に対する各々の第1非周期的CSIモードは同一なPDSCH送信モード(Transmission Mode;TM)に対応するように内在的に選択されることができ、追加の上位階層シグナリングを必要としない。
【0044】
他の例示的な実施形態によると、NodeBはそれが物理的アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared CHannel;PUSCH)を使用して、アクティブDLセルに対する非周期的CSIをCSIプロセスセット1に対する報告モードで報告するか、またはCSIプロセスセット2に対する報告モードで報告するか否かをUEに動的に示すことができる。
【0045】
例えば、UEがCSIプロセスセット1に対する報告モードまたはCSIプロセスセット2に対する報告モードのうち、いずれか1つに非周期的CSIを報告するように設定された第1ケースでは、<表1>のCSI要請フィールドの値が<表2>に表したようになるように再解釈される。
【0047】
<表2>の最初の3個のエントリーは<表1>のものと同一でありえるが、最後のエントリー‘11’に対するものは、CSIプロセスセット2に対する非周期的CSI報告モードをサポートするように修正されている。CSIプロセスセット2に対する非周期的CSI報告モードが報告されるDLアクティブセルは、CSIプロセスセット1に対するモードを有するDLアクティブセルと相異することがある。例えば、UEからの物理的UL制御チャンネル(PUCCH)送信のULセルにリンクされたDLアクティブセルは、CSIプロセスセット2に対する非周期的CSIを有する第2セルのセットに含まれないこともある。これは、該当セルに対する周期的CSI報告が任意の他のアクティブセルからの周期的CSI報告よりUEにより優先順位になることと仮定され、一般的に各々の周期的CSI報告はPUCCHを介して獲得できるためである。
【0048】
これとは異なり、第1ケースの変形として、CSI要請フィールドの解釈は<表1>のように維持されることによって、CSIプロセスセット1に対する非周期的CSI報告に対応するようにし、かつUEはCSI要請フィールドにより表示されたセルのセットに含まれていないアクティブセルのCSIプロセスセット2に対する非周期的CSI報告を含むこともできる。しかしながら、CSI要請フィールドの値が‘01’であり、CSIプロセスセット1に対する非周期的CSIがサービングDLセルのみのために要請されるケースでは例外がありうる。例えば、3個のDLアクティブセルを有し、またCSIプロセスセット2に対する非周期的CSIを報告するように設定されたUEにおいて、CSI要請フィールドがCSIプロセスセット1に対するUEは関連PUSCHでの第1及び第3のDLアクティブセルに対する非周期的CSI報告を含まなければならないことを表す場合、UEは第2のDLアクティブセルのCSIプロセスセット2に対する非周期的CSI報告をまた含む。
【0049】
図5は、本発明の例示的な実施形態に従って、CSI要請フィールドの従来技術解釈のためのCSIプロセスセット1に対する非周期的CSI報告及びCSIプロセスセット2に対する非周期的CSI報告を図示する。
【0050】
図5を参照すると、ステップ510で、UEは物理的DL制御チャンネル(Physical DL Control Channel;PDCCH)により伝達されるDL制御情報(DL Control Information;DCI)フォーマットに含まれたCSI要請フィールドを受信し、UEはPUSCH送信をスケジューリングする。次に、ステップ520で、DCIフォーマット内のCSI要請フィールドの値は、UEがサービングセルのセットのCSIプロセスセット1からの非周期的CSI報告を含むことと表しているか否かが決定される。ステップ520に決定されたように、CSIプロセスセット1からの非周期的CSI報告が含まれている場合、ステップ530で、UEはアクティブセルのセットに含まれているが、CSI要請フィールドの値で表示されていない、アクティブセルのセットのCSIプロセスセット2からの非周期的CSI報告をまた含む。
【0051】
第1ケースの長所は、DCIフォーマット内のCSI要請フィールドに割り当てられるビットの数を増加させないので、PDCCHで各々のオーバーヘッドを増加させないということである。しかしながら、第1ケースでは、非周期的CSI報告を表す柔軟性が制限されることがあり、これによって、このような報告の機能を制限する。また、<表1>の従来技術の機能と比較して、<表2>のCSI要請フィールドに対する機能的な柔軟性は、CSIプロセスセット1またはCSIプロセスセット2のうち、いずれか1つからの各非周期的CSI報告のためにアクティブセルを選択することに対し、約2の因数(factor)だけ減少できる。
【0052】
UEがPUSCHを使用してCSIプロセスセット1に対する報告モードまたはCSIプロセスセット2に対する報告モードのうちの1つで非周期的CSIを報告するように設定された第2のケースでは、CSI要請フィールドが従来技術のCSI要請フィールド(<表1>参照)と比較して追加的なビットを含むことができ、追加的なビットを含むCSI要請フィールドは<表3>に表すような構造を有することができる。
【0054】
<表1>及び<表2>でのCSI要請フィールドのサイズである2ビットから<表3>に表すような3ビットのサイズにCSI要請フィールドのサイズを増加させることは、CSIプロセスセット1からのモードを用いた非周期的CSI報告、またはCSIプロセスセット2からのモードを用いた非周期的CSI報告がPUSCHで報告されるDLアクティブセルを表す柔軟性を増加させることができる。また、セット1からの非周期的CSI報告を有するDLアクティブセルとセット2からの非周期的CSI報告を有するDLアクティブセルの組合せが、‘110’及び‘111’のCSI要請フィールド値を有する<表3>の例のようにサポートできる。
【0055】
非周期的CSI報告に対する柔軟性の増加はCSI要請フィールドのサイズ増加と関連がある。しかしながら、CSI要請フィールドサイズの明示的な増加は、CSI要請フィールドがこのようなマルチプレキシングを表す場合に非周期的CSIがマルチプレキシングされるPUSCHをスケジューリングするPDCCHにより伝達される、DCIフォーマット内の他のフィールドからビットを使用して、内在的にそのサイズを増加させることによって防止できる。例えば、DCIフォーマットはPUSCHでのUL RSに対するCS及びOCCを表す3−ビットフィールドをまた含むこともできる。UEがPUSCHで非周期的CSIをマルチプレキシングしなければならないことを表した2−ビットCSI要請フィールドを有するケースでは、CS及びOCCフィールドのうちの1ビットがCSI要請フィールドを補充することに使われることができ、これによって3−ビットを使用してCSI要請フィールドを伝達することができ、ここで、‘000’及び‘001’状態は2−ビットCSI要請フィールドのケースでの‘00’状態であり、残りの状態は<表3>で表すようになることができる。
【0056】
図6は、本発明の例示的な実施形態に従うCS及びOCCフィールドからのビットを使用するCSI要請フィールドの内在的拡張を図示する。
【0057】
図6を参照すると、ステップ610で、UEはDCIフォーマット内に従来技術のCSI要請フィールドを受信する。そして、ステップ620で、従来技術のCSI要請フィールドが関連したPUSCHでのCSIマルチプレキシングを表すか否か、即ちCSI要請の値が‘00’か否かが決定される。CSI要請の値が‘00’でない場合、UEはCSI要請フィールドの一部になるCS及びOCCフィールドからの1ビットを考慮し、これによってステップ630でCS及びOCCフィールドから1ビットを含めることによりCSI要請フィールドを拡張する。そうでない場合、UEはCSI要請フィールドに対する従来技術の解釈を適用し、ステップ640で従来技術のCS及びOCCフィールドを使用する。‘001’状態が拡張されたCSI要請フィールドに追加ビットが最後に配置されるケースでは適用できないことの他には、UEは従来技術のCSI要請フィールドからのビット及びCSとOCCフィールドからの追加ビットを考慮して、<表3>に表すようにその状態が解釈できる拡張されたCSI要請フィールドを形成することができる。
【0058】
特定の好ましい実施形態を参照して本発明を図示及び説明したが、添付した特許請求範囲により規定される本発明の思想及び範疇から逸脱しない範囲内で形態及び細部事項に対する多様な変更が可能であることを当業者は理解することができる。
【符号の説明】
【0059】
200 送信機
220 マルチプレクサ
230 ユニット
240 サブ−キャリアマッピングユニット
260 ユニット
280 タイムウィンドーイングユニット
300 受信機
320 タイムウィンドーイングユニット
330 除去ユニット
340 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;FFT)ユニット
350 サブ−キャリアデマッピングユニット
360 受信帯域幅用制御器
370 (Inverse DFT)ユニット
370 ユニット