(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明においては、上記した通り、エアゾール容器等の各種の吐出容器の吐出器の吐出口及びその周辺部に付着して固化し或いはペースト状化した内容物を簡単に除去できるものの創案をその課題としている。
しかも、これらエアゾール容器等の吐出容器を使用する通常の手順において、特別な動作を必要とすることなく、これを行うことのできるようなものを創案することもその課題としている。
【0005】
そこで、本願発明者は、吐出容器のキャップや肩カバー等に着目し、その形状等を改良し、更にはこのキャップ等と噴射ボタン等の吐出器との関係にも考慮を及ばせ、両者の関係において本発明を完成させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1のものは、容器本体と、当該容器本体の内容物を吐出口から吐出する吐出器とを備える吐出容器であって、前記吐出器の近傍に除去部を設け、前記除去部が前記吐出器に対して相対的に動く際に、前記除去部が前記吐出口に付着した内容物を刮ぐように当該吐出口に擦れ、さらに、前記吐出口を覆うキャップを備え、当該キャップは、底面が開口し、上面の天部が封鎖された略筒体形状のものから成り、天部の直径方向の所定幅に切欠部を設け、この直径方向の切欠部の両端から下方に向って
前記キャップの側壁面にも切欠部が延長するように設けられ、
前記キャップの天部の直径方向及び側壁面に設けた前記切欠部に嵌り込むように、前記キャップの外形と合致するように吐出器押下部を設け、この吐出器押下部は、前記吐出器の上端部又は前記切欠部の縁部
を軸支支点としてシーソー状に揺動可能に取り付けられており、且つこの吐出器を下方に押し下げることができ、前記吐出器は、その下端部でエアゾール容器の上端部に配置されているバルブステムと連結し、内部には容器の内容物が流通する上向き通路が形成され、この上向き通路は、略水平方向に折曲して、その出口が前記吐出口となり、前記吐出器押下部の前記吐出口に対応する下向き側面の内側には前記除去部が設けられており、この除去部は、
前記吐出器押下部の作動前の状態で前記吐出口の下方位置に位置し、これによって、前記キャップの天部に位置する吐出器押下部の
前記除去部が設けられている側と反対側の端部を指で押し下げることにより、
前記吐出器の吐出口に前記除去部が前記軸支支点を中心として下方から上方に向かって揺動して接触し、前記吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことができ、他方、
上記吐出器押下部の揺動及び押し下げ動作を終了した後、前記吐出器が上方位置に復帰し、前記吐出器押下部が
前記作動前の状態の位置に復帰する際にも、前記除去部が前記吐出口に
前記軸支支点を中心として上方から下方に向かって揺動して接触し、この吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことができることを特徴とする吐出容器である。
ここで、「前記除去部が前記吐出器に対して相対的に動く」というのは、吐出器が固定されて除去部が動く場合、及び、除去部が固定されて吐出器が動く場合の両方の意味を含むものである(以下「相対的に動く」というのは同様の意味である。)。
【0009】
本発明の第
2のものは、上記第1の発明において、前記除去部が、複数の突起からなる櫛状に形成されていることを特徴とする吐出容器である。
【0010】
本発明の第
3のものは、上記第1の発明において、前記除去部が、複数のブラシ毛からなるブラシ状に形成されていることを特徴とする吐出容器である。
【0011】
本発明の第
4のものは、上記第1の発明において、前記除去部が、柔軟で可撓性を有する薄板からなるブレード状に形成されていることを特徴とする吐出容器である。
【0012】
本発明の第
5のものは、上記第
1の発明において、前記キャップが樹脂製であることを特徴とする吐出容器である。
【0013】
本発明の第
6のものは、上記第1乃至第
5の何れかの発明において、前記除去部がエラストマー製であることを特徴とする吐出容器である。
【0026】
本発明の第
7のものは、上記第1乃至第
6の何れかの発明において、前記吐出容器がエアゾール式吐出容器であることを特徴とする吐出容器である。
【0027】
本発明の第
8のものは、上記第1乃至第
6の何れかの発明において、前記吐出容器がポンプ式吐出容器であることを特徴とする吐出容器である。
【0028】
本発明の第9のものは、
容器本体と、当該容器本体の内容物を吐出口から吐出する吐出器とを備える吐出容器のキャップであって、前記吐出器の近傍に除去部を設け、前記除去部が前記吐出器に対して相対的に動く際に、前記除去部が前記吐出口に付着した内容物を刮ぐように当該吐出口に擦れ、さらに、前記吐出口を覆うキャップを備え、当該キャップは、底面が開口し、上面の天部が封鎖された略筒体形状のものから成り、天部の直径方向の所定幅に切欠部を設け、この直径方向の切欠部の両端から下方に向って前記キャップの側壁面にも切欠部が延長するように設けられ、前記キャップの天部の直径方向及び側壁面に設けた前記切欠部に嵌り込むように、前記キャップの外形と合致するように吐出器押下部を設け、この吐出器押下部は、前記吐出器の上端部又は前記切欠部の縁部を軸支支点としてシーソー状に揺動可能に取り付けられており、且つこの吐出器を下方に押し下げることができ、前記吐出器は、その下端部でエアゾール容器の上端部に配置されているバルブステムと連結し、内部には容器の内容物が流通する上向き通路が形成され、この上向き通路は、略水平方向に折曲して、その出口が前記吐出口となり、前記吐出器押下部の前記吐出口に対応する下向き側面の内側には前記除去部が設けられており、この除去部は、前記吐出器押下部の作動前の状態で前記吐出口の下方位置に位置し、これによって、前記キャップの天部に位置する吐出器押下部の前記除去部が設けられている側と反対側の端部を指で押し下げることにより、前記吐出器の吐出口に前記除去部が前記軸支支点を中心として下方から上方に向かって揺動して接触し、前記吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことができ、他方、上記吐出器押下部の揺動及び押し下げ動作を終了した後、前記吐出器が上方位置に復帰し、前記吐出器押下部が前記作動前の状態の位置に復帰する際にも、前記除去部が前記吐出口に前記軸支支点を中心として上方から下方に向かって揺動して接触し、この吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことができることを特徴とする吐出容器のキャップである。
【0029】
本発明の第
10のものは、上記第1乃至第
8の何れかの発明において記載された吐出容器内に前記吐出器から吐出される内容物が収容されてなる吐出製品である。
【発明の効果】
【0030】
本発明の第1の吐出容器においては、容器本体と吐出器とから成り、前記吐出器の近傍に除去部を設けたことにより、前記除去部が前記吐出器に対して相対的に動く際に、即ち相互に縦、横、斜めの何れかの方向に相対的に動く際に、前記除去部が前記吐出器の吐出口に付着した内容物を刮ぐように、つまり、削り落すように当該吐出口を擦るような動作を行うことができ、吐出口部分の詰り等を防止することができる。
ここで、先に述べた通り、上記除去部と吐出器は、相互に相対的に動くものであり、何れか一方が固定されて他方が動き、またその反対の場合をも含むものであり、以下同じである。
【0031】
本発明においては、前記容器本体に吐出口を覆うキャップを更に設け、このキャップに前記除去部を設けたものである。
当該キャップは、底面が開口し、上面の天部が封鎖された略筒体形状のものから成り、天部の直径方向の所定幅に切欠部を設け、この直径方向の切欠部の両端から下方に向って
前記キャップの側壁面にも切欠部が延長するように設けられ、
前記キャップの天部の直径方向及び側壁面に設けた前記切欠部に嵌り込むように、前記キャップの外形と合致するように吐出器押下部を設け、この吐出器押下部は、前記吐出器の上端部又は前記切欠部の縁部
を軸支支点としてシーソー状に揺動可能に取り付けられており、且つこの吐出器を下方に押し下げることができ、前記吐出器は、その下端部でエアゾール容器の上端部に配置されているバルブステムと連結し、内部には容器の内容物が流通する上向き通路が形成され、この上向き通路は、略水平方向に折曲して、その出口が前記吐出口となり、前記吐出器押下部の前記吐出口に対応する下向き側面の内側には前記除去部が設けられており、この除去部は、
前記吐出器押下部の作動前の状態で前記吐出口の下方位置に位置し、これによって、前記キャップの天部に位置する吐出器押下部の
前記除去部が設けられている側と反対側の端部を指で押し下げることにより、
前記吐出器の吐出口に前記除去部が前記軸支支点を中心として下方から上方に向かって揺動して接触し、前記吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことができ、他方、
上記吐出器押下部の揺動及び押し下げ動作を終了した後、前記吐出器が上方位置に復帰し、前記吐出器押下部が
前記作動前の状態の位置に復帰する際にも、前記除去部が前記吐出口に
前記軸支支点を中心として上方から下方に向かって揺動して接触し、この吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことができる。
【0033】
本発明の第
2のものは、前記除去部の構成を限定したものであって、即ち、当該除去部を複数の突起からなる櫛状に形成したものである。
これにより、この第
2の発明の効果も上記各発明と同様に、吐出口部分の詰り等を防止することができる。
【0034】
本発明の第
3のものは、前記第
2の発明と同様に、除去部の構成を限定したものであり、即ち、当該除去部を複数のブラシ毛からなるブラシ状に形成したものであり、その効果も上記発明と同じである。
【0035】
本発明の第
4のものは、前記第
2又は第
3の発明と同様に、除去部の構成を限定したものであり、即ち、前記除去部が、柔軟で可撓性を有する薄板からなるブレード状に形成したものであり、その効果も上記発明と同じである。
【0036】
本発明の第
5のものは、前記キャップの材質を限定したものである。
これにより、キャップ
側の除去部は適切に吐出口部分の詰り等を防止することができる。
【0037】
本発明の第
6のものは、前記除去部の材質を限定したものである。
これにより、キャップ
側の除去部は適切に吐出口部分の詰り等を防止することができる。
【0050】
本発明の第
7のものは、上記第1乃至第
6の発明において、前記吐出容器がエアゾール式吐出容器であることを特定したものである。
【0051】
本発明の第
8のものは、上記第1乃至第
6の発明において、前記吐出容器がポンプ式吐出容器であることを特定したものである。
【0052】
本発明の第
9のものは、上記第1の発明において特定した
吐出容器において用いられたキャップに係るものであり、上記
第1の発明と同様の効果を発揮することのできるキャップを特定している。
【0053】
本発明の第
10のものは、上記第1乃至第
8の発明の何れかの吐出容器内に、吐出される内容物を充填した吐出製品に係るものであり、上記の発明と同じ効果を有する吐出製品を特定したものである。
以上の通り、上記いずれの発明においても、その効果は、前記キャップ
側に設けられた除去部が吐出器の吐出口を擦るような動きを行い、吐出口に付着した内容物を刮ぐことができ、吐出口部分の詰り等を防止することができることとなるのである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
以下の実施形態においては、吐出容器としてエアゾール式吐出容器(「エアゾール容器」とも称する)をその一例として説明するが、この吐出容器としては、これ以外にポンプ式吐出容器であってもよいし、その他の各種の内容物を吐出できる吐出容器に本発明を適用することができるものである。
【0056】
図1は、本発明の第1実施形態に係るキャップを示し、その(A)が一部切欠斜視図、その(B)が平面図である。
本発明に係るキャップ10は、その全体が略筒体形状を有する樹脂製のものからなり、多少下端部分の外径がその上方部分よりも大きく形成されている。
その天部11の中央部分は、略円柱形状の窪み12が形成され、この略円柱形状の窪み12の底面に貫通孔13が穿設されている。
【0057】
この貫通孔13の周縁部には櫛歯状の突起14が櫛状に多数設けられている。
この櫛歯状の突起14が、本発明に係る除去部となるのである。
更に、このキャップ10の下端周縁部の内側には、エアゾール容器の容器本体の上端外周縁部に係合できる突条部15が形成されている。
【0058】
次の
図2により説明するが、上記突起14が、このキャップ10をエアゾール容器の容器本体に取り付ける際に及びエアゾール容器の容器本体から取り外す際に、吐出器である噴射ボタンの吐出口部分に接触し、固化等した内容物を除去することができることとなるのである。
【0059】
図2は、本発明の一実施形態に係る上記キャップをエアゾール容器の容器本体に取り付ける状態を図示した中央縦断面説明図で、その(A)がキャップを開放した状態を、その(B)がキャップを閉じた状態を図示している。
【0060】
図2(A)の状態は、キャップ10をエアゾール容器の容器本体Cの上端外周縁部Tに係合させる直前を図示しており、矢印Dの下方向に移行させることにより、キャップ10の下端周縁部の内側周方向に設けられた突条部15が容器本体Cの上端外周縁部Tに係合できる。
【0061】
他方、噴射ボタンからなる吐出器20には、容器本体C内に収容された内容物の流通路21が設けられ、この流通路21は、吐出器20の底面の略中心部から上方に向かって延長し、その後前方方向に向かって折れ曲がり、その出口部が吐出口24を成し、その入口部が容器本体Cの上端に設けられているバルブステムSに連結している。
【0062】
この吐出器20は、その本体部分が略円柱形状を有しており、その吐出口24がその側部に形成されたヘッド部を有しており、そのヘッド部の基端部は筒体形状を有し、この基端部は、容器本体Cの上端のバルブステムSの周囲で上下に移動可能に形成され、前記ヘッド部の底面略中央部にはバルブステムSと接続する流通路21の入口部が設けられている。
【0063】
そして、キャップ10が容器本体Cに取り付けられた状態において、前記キャップ10の天部11に設けられた円柱形状の窪み12の底面に設けた貫通孔13の周縁部に設けた櫛歯状の突起14の高さ位置は、前記吐出器20の吐出口24の高さ位置よりも低い位置にある(
図2(B)参照)。
【0064】
従って、上記キャップの開閉動作において、キャップ10が下方に移行する際に、或いは、キャップ10を開放する上方へ移行する際に、キャップ10の窪み12の底面に設けられた貫通孔13の周縁部に設けられた櫛歯状の多数の突起14が吐出器20の吐出口24及びその周辺部に接触し、その部分を引っ掻くように、擦るように動作するのである。
【0065】
このような動作により、吐出口24及びその周辺部分に固化した或いはペースト状化した使用後の内容物が刮がれ、除去されることとなるのである。
更に、本発明の実施形態においては、噴射ボタンからなる吐出器20の吐出口24及びその周辺部分(以下、「吐出口24部分」という。)を噴射方向である前方に膨出する形状としている。
【0066】
吐出口24部分をこのような形状とすることにより、前記多数の突起14が極めて良好に吐出口24部分に接触し、吐出口24部分に付着した使用後の内容物を良好に刮ぐ、又は、削り落すことができるのである。
【0067】
勿論、この吐出口24部分の形状は、前方に膨出していなくとも本発明に係るキャップ10は、有効に吐出口24部分の使用後の内容物を除去することができることは当然のことである。
【0068】
図3は、本発明に係る第2実施形態を図示しており、その(A)が容器本体からキャップを外した状態の正面概念図を示し、その(B)がキャップを装着した状態の拡大横断面概念図を示している。
【0069】
容器本体Cの上端には、キャップ30と相互に螺合できる雄ネジ部5が形成されている。
キャップ30は、底面が開口し、上面の天部31が封鎖された筒体形状のものからなり、その下端部分の内側には雌ネジ部が刻設されている。
【0070】
これにより、キャップ30は、容器本体Cの上端の雄ネジ部5に上方から螺合させて、容器本体Cの上端部に螺着させ、吐出器20をその内部に封止することができる。
そして、キャップ30の内壁面33には、この内壁面33からその中心部に向ってブラシ部34、34を形成している。このブラシ部34が、本発明の除去部となる。
このブラシ部34は、この実施形態では2箇所に設けているが、その数は自由に設定することができ、内壁面33の一部又は全範囲に設けることもできる。
【0071】
以上の構成により、上記キャップ30を容器本体Cの雄ネジ部5に螺合させて行く際に、キャップ30の内壁面33に設けた除去部としてのブラシ部34の先端が吐出器20の吐出口24に接触し、吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができることとなるのである。
【0072】
他方、上記キャップ30を容器本体Cから取り外す際にも、キャップ30は逆方向に回転され、上記と逆の動作を行い、吐出口24に除去部としてのブラシ部34が接触して、吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができる。
【0073】
上記ブラシ部34は、勿論、柔軟な樹脂製の複数の突起等から形成することもでき、吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことのできる除去部であればその他の形態のものを採用することができる。
【0074】
図4は、本発明に係る第3の実施形態を図示しており、その(A)がキャップの斜視概念図、その(B)が不使用状態を示す縦断面概念図、その(C)が使用状態を示す縦断面概念図である。
【0075】
この第4実施形態に係るキャップ40は、底面が開口し、上面の天部41が封鎖された略筒体形状のものから成り、天部41の直径方向の所定幅に切欠部46を設け、この直径方向の切欠部46の両端から下方に向ってその側壁面にも切欠部46が延長するように設けられている。
【0076】
この切欠部46に吐出器20の上端で、シーソー状に揺動し且つ吐出器20を押下することができる吐出器押下部42が適合する。
この吐出器押下部42は、上記吐出器20の上端部に揺動可能に取り付けられており、且つこの吐出器20を下方に押し下げることができる。
【0077】
この第3実施形態における吐出器20は、その下端部20kで、図示はしていないが、エアゾール容器の上端部に配置されているバルブステムと連結し、内部には容器の内容物が流通する上向き通路が形成され、この上向き通路は、略水平方向に折曲して、その出口が吐出口24となる。
【0078】
従って、この第3実施形態では、上記吐出器20は、バルブステムに連結する下端部20kから上方に延長し、その上端部で側面視略直角方向に折れ曲がった形態を有しており、その吐出口24は、キャップ40の内壁側面の近傍に位置することとなる。
【0079】
上記吐出器押下部42の吐出口24に対応する下向き側面42sの内側には、本発明の特徴部分である除去部としてのブラシ部44が設けられている。このブラシ部44は、不使用状態で、吐出口24の近傍下方位置に位置している。
これによって、この第3実施形態では、キャップ40の天部41に位置する吐出器押下部42の一方端部42tを指で押し下げることにより、吐出器20の吐出口24に上記ブラシ部44が接触し、吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができることとなるのである。
【0080】
他方、上記吐出器押下部42の動作を終了した後、吐出器20が上方位置に復帰し、上記吐出器押下部42が元の位置に復帰する際にも、上記ブラシ部44が吐出口24に接触し、吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができることとなる。
【0081】
このように、上記第3実施形態に係るキャップ40は、常時容器本体に取り付けたままで内容物の噴射動作を行うことができるタイプのものであり、キャップ40の開閉動作とは無関係に、吐出器20を押し下げることのできる吐出器押下部42の操作を行う度毎に、またその操作を終了する度毎に、上記除去部であるブラシ部44が吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができることとなる。
【0082】
尚、この第3実施形態では、上記吐出器押下部42の一方端部42tを押し下げて且つ吐出器20をも押下できるようにするために、この吐出器押下部42の揺動ストロークを規制する規制手段が必要となる。
【0083】
この規制手段としては、例えば吐出器押下部42の一方端部42tの側にこの一方端部42tがそれ以上下方に回動しないようなストッパーを設けておけばよく、他方、この一方端部42tと反対側の端部に位置する下向き側面42sの側では、この下向き側面42sの下端部が、キャップ40の切欠部の端縁部に当接することによって吐出器押下部42の揺動ストロークは規制されることとなる。
或いは、軸支支点45の図中右側の適宜位置にストッパーを設けることにより、右回りの揺動(回動)ストロークを規制することもできる。
【0084】
更に、この実施形態では、上記吐出器押下部42をキャップ40の側に取り付けることも可能である。
即ち、上記吐出器押下部42の軸支支点45をキャップ40の切欠部46の縁部に取り付け、この軸支支点45がこのキャップ40の切欠部46の縁部から垂直下方に移動できる構成とすればよい。
【0085】
例えば、キャップ40の天部で直径方向に設けられた上記切欠部46の両側縁の略中央部分に鉛直下方に向う一対の溝条ガイド部を適宜長さ設けることにより、吐出器押下部42は、その軸支支点45で揺動しつつ下方に移動でき、それにより吐出器20をも下方に押し下げることができることとなるからである。
【0086】
以上のように、この第4実施形態においては、吐出器押下部42は、吐出器20の上端部に設けることもできるし、キャップ40の切欠部46の両側縁部に取り付けることもでき、要するにこの吐出器押下部42は、軸支支点45でシーソー状に揺動でき且つ下方に押し下げられることができる構成であればよいのである。
【0087】
図5は、本発明の第4実施形態を示し、その(A)が吐出口側から見た前方斜視図、その(B)は、その反対側から見た後方斜視図を示している。
図6は、上記第4実施形態を示し、その(A)が正面図、その(B)が側面図、その(C)が平面図、その(D)が中央縦断面図である。
【0088】
この実施形態においては、キャップ50が容器本体Cの上端部でその周方向に往復回動することができるものである。
このキャップ50が周方向に往復回動することにより、キャップ50の周側面に設けた開口部51も周方向に往復移動する。
これにより、この開口部51は、吐出器20の吐出口24と合致する位置と、吐出口24と合致しない位置との間で往復回動移動することになる。
【0089】
この開口部51が吐出口24と合致するときが、噴射可能(オープン)位置となり、吐出口24と合致しない位置が、噴射不能(ロック)位置となり、後者の状態がロック状態となる。
即ち、後者のロック状態の位置では、図には表れていないが、キャップ50に設けた係合突起が、同様に図には表れていないが、吐出器20の下端部に設けられた係合受部と相互に係合して、この吐出器20は下方に押下できない状態となるのである。
【0090】
そして、本発明の特徴部分である除去部としてのブレード部54が上記の回動するキャップ50の内壁面の適宜位置(吐出口の近傍)に設けられている。
このブレード部54は、柔軟で可撓性を有する薄板状の合成樹脂製のものから形成されている。
特にこの第4実施形態の場合においては、キャップ50が周方向に回動するため、この薄板からなるブレード状のブレード部54の板面を鉛直方向に、つまり、表裏の板面が回動方向と直角となるように配置することが好ましい。
【0091】
このブレード部54は、キャップ50がオープン位置にあるとき(
図5及び
図6の位置)には、吐出口24から少しずれた近傍位置に位置しているが、キャップ50を回動してロック位置にする際に、このブレード部54の先端部が吐出口24に接触して、吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができる。
【0092】
他方、上記ロック位置からオープン位置にする際にも、同様に上記除去部としてのブレード部54の先端部は、吐出口24に接触して吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができることとなるのである。
このように、第4実施形態では、除去部としてのブレード部54は、上記キャップ50のロック位置とオープン位置の中間位置に設けられていればよいこととなる。
【0093】
尚、この第4実施形態に係るキャップ50は、上記第3実施形態と同様に、使用に際して、これを取り外す必要のないタイプのものである。
つまり、このキャップ50の天部には切欠部が設けられ、この切欠部から吐出器20の上端部を押下することができる形態である。
【0094】
そして、その不使用時には、キャップ50をロック位置にしておけば、その吐出器20の吐出口24は、キャップ50によって封止されている状態となる。
このように、本発明においては、キャップとして指称するものは、吐出器20の全体を被覆出来るものでなくともよく、少なくとも吐出器20の吐出口24を被覆できるものであればよいのである。
【0095】
この第4実施形態においても、その除去部としてのブレード部54は、このようなブレード形態のものでなく、柔軟な合成樹脂製の櫛刃状のものであってもよいし、ブラシ状のものであってもよく、同様の機能、即ち吐出口に付着した内容物を刮そぎ落すことのできるその他の形態に設計変更することができる。
【0096】
図7は、本発明の噴射可能(オープン)状態の第5実施形態を示しており、その(A)が平面図、その(B)が側面図、その(C)が(B)図のC−C線断面図である。
図8は、噴射不能(ロック)状態の上記第5実施形態を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が(A)図のB視側面図、その(C)が側面図、その(D)が(C)図のD−D線断面図である。
【0097】
この第5実施形態においては、その特徴部分である除去部であるブレード部64は除去部支持部63に設けられ、この除去部支持部63は、容器本体Cの上端部に装着固定されている肩カバー60に設けられている。
【0098】
この肩カバー60は、上記の通り、容器本体Cの上端部に固定されているのであるが、その中央部にはバルブステムと連結する吐出器20が貫通する開口部が形成され、当該吐出器20の外側部分を被覆するように容器本体Cの上端部に取り付けられている。これにより吐出器20を押下することにより、容器本体C内の内容物が吐出口24から矢印F(
図7参照)の方向に噴射される。
【0099】
そして、この実施形態においては、上記の各実施形態と異なり、吐出器20の側がその周方向に回動するのである。
この第5実施形態における吐出器20は、その根元部は平面視円形形状を有しているが、その上方部分は、
図7(A)及び
図8(A)から解る通り、平面視で両側が切り欠かれた扁平形状を有している。
【0100】
この吐出器20の両側の扁平部分を親指と人差し指で摘まんで、容易に回動させることができるのである。
このように吐出器20は、上記第4実施形態の如き円柱形状でなく、それ以外の各種の平面視形状を有する略柱形状を有しているものであってよく、この略柱形状の側面に吐出口24が設けられていればよいものである。
そして、この吐出器20の吐出口24の近傍には、上記した除去部としてのブレード部64が配置されているのである。
【0101】
即ち、このブレード部64は、柔軟な可撓性を有する合成樹脂製(例えば、エラストマー製)の薄板からなるブレード状のものからなり、上記容器本体Cの上端部に設けられた肩カバー60から上方に起立して設けられた除去部支持部63の内側面に略水平方向に延長するように設けられ、上記吐出器20が周方向に回動する際に、上記ブレード部64の先端縁部が吐出口24に接触し、吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができるのである。
【0102】
換言すると、上記除去部としてのブレード部64が上記回動する吐出器20の吐出口24の近傍に設けられていて、このブレード部64が、この第5実施形態の場合においては、吐出器20の側が周方向に回動するため、この合成樹脂製の薄板からなるブレード状のブレード部64の板面を鉛直方向に、つまり、表裏の板面が吐出器20の回動方向と直角となるように配置されているのである。
【0103】
このように、この第5実施形態においては、吐出器20が回動するのであるが、
図7の状態ではオープン位置となり、吐出器20を押下することができる状態にあり、
図8の状態では、ロック位置となり、吐出器20は押下することが出来ない状態となっているのである。
【0104】
即ち、吐出器20の下端外周部には外向き略対称位置に突起20tが2個設けられ、これに対応する肩カバー60のオープン位置には切欠が設けられ、吐出器20は押下可能(オープン)状態となり(
図7参照)、他方、吐出器20が回動され、
図8の状態となると、上記突起20tは、肩カバー60の開口縁部に当接して下方に押下出来ないロック状態となるのである。
【0105】
第5実施形態においては、吐出器20は、吐出可能なオープン位置と吐出不能なロック位置との間で周方向に往復回動することができ、オープン位置の吐出口24の位置とロック位置の吐出口24の位置との間にブレード部64が位置している。
このようにオープン位置とロック位置との間で吐出器20が回動することにより、上記除去部としてのブレード部64の先端部が吐出口24に接触し、吐出口24に付着した内容物を刮そぎ落すことができることとなるのである。
尚、この第5実施形態においては、有底筒体形状を有するキャップは別体に設けられ、その底面開口部の周縁部を上記肩カバー60の上端周縁部に嵌合させて装着することによって、吐出器20及び除去部支持部63の全体を被覆できる通常の形態からなるキャップを使用している。
【0106】
以上、5つの実施形態について説明したが、本発明に係る除去部は、上記第1実施形態においては、天部が開口したキャップの内部壁面に設けられ、上記第2実施形態においては、天部が閉鎖されたキャップの内壁面に設けられ、上記第3実施形態においては、キャップの天部又は吐出器の上端部に設けられた吐出器押下部に設けられ、上記第4実施形態においては、着脱しないキャップであって周方向に回動するキャップの内壁面に設けられ、上記第5の実施形態においては、キャップではなく、容器本体の肩カバーに設けられ、キャップの開閉、キャップの回動、又は、吐出器の回動等により、吐出口に付着した内容物を刮そぎ落せるように構成したものである。
【0107】
このように、本発明においては、吐出器の吐出口の近傍に除去部を設け、除去部又は吐出器が相互に相対的に動くことにより、前記除去部が吐出口に接触して擦ることによって、吐出口に付着した容器本体の内容物を擦り落し、又は、刮そぎ落すことができることとなるのである。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通りその形態を種々設計変更することができる。
すでに述べたが、吐出容器としては、上記エアゾール容器以外に、ポンプ式噴霧器であってもよく、その他、容器内の内容物を外界に吐出することができるあらゆる吐出容器に本発明を適用することができる。
【0109】
キャップの形態は自由に設計変更することができる。
即ち、上記実施形態とは異なり、全体に天部を有する筒体形状のものであってもよいし、天部を全く有していない筒体形状のものであってもよい。
更には、当該キャップが容器本体に着脱できる形態であって、上記筒体形状の一部分が切り欠かれた形態のものであってもよい。
要するに、このキャップは、少なくとも吐出器の吐出口の部分を覆う部分を有していればよい。この部分に除去部を設けることができるからである。
【0110】
更に、このキャップは、上記実施形態のように、上下方向に着脱する形式以外のものであってもよく、つまり、横方向にスライドさせて開閉できる形式のキャップであってもよく、また、第2実施形態のように、スクリュー形式に螺旋状に回転させて開閉できるタイプのキャップであってもよいのである。
【0111】
キャップに設けられる除去部は、吐出器の吐出口に対して、縦、横、斜め方向の何れの方向に相対的に動くものであってもよく、上下方向に擦れるもの、横方向に擦れるもの、更には斜め方向に擦れるものであってもよい。
即ち、キャップとしては、上記した通り、上下方向に着脱するものもあれば、横方向にスライドさせて開閉させるものもあり、更には、スクリュー式に回転させつつ開閉させるタイプのもの、或いは単に往復回動するタイプ(上記実施第4実施形態)の各種のものがあるからである。
【0112】
キャップのサイズや形状は、適宜エアゾール容器の容器本体の上端部分の吐出器の形状に合致させる等して種々設計変更することができる。
例えば、このキャップは、下端部が容器本体の上端部に嵌合する大径筒と、吐出器を囲む小径筒とからなるものであってもよい。
【0113】
キャップに設ける除去部は、上記第1実施形態では櫛歯状の多数の突起から櫛状に形成したが、これらの突起を設けずに、この櫛歯状の多数の突起に代えて、単なる柔軟な柔軟部として実施することも可能である。
即ち、この除去部としての柔軟部は、構造上その先端縁部に向かうに従って徐々に薄板状に形成したいわば柔軟なブレードの如き形状として実施することもできるのである。
【0114】
要するに、この除去部は、上記のような柔軟部或いは突起の如き形態として実施することができ、これらの除去部が吐出器の吐出口部分に良好に接触して、その部分に付着し、固化した又はペースト状化した内容物を除去できる形態のものであればどのような形態のものであってもよいのである。
この場合に、この除去部の材質としては、エラストマー製のものが好適である。
【0115】
更に、除去部としては、複数のブラシ毛からなるブラシ状に形成されたブラシ部として実施することも可能である。
即ち、歯ブラシに設けられているような合成樹脂製の多数のブリッスルから成るブラシ部をキャップの前記貫通孔の周縁部に設けることによって、吐出口部分に付着し固化され又はペースト状化された内容物を除去することができることとなる。
勿論、このブラシ部に設けるブリッスルは、歯ブラシのような多数列のものでなくともよく、1列又は2列程度のものでよい。
【0116】
上記第1実施形態では、これら除去部を天部11の窪み12内の貫通孔13の周縁部に設けていたが、この天部11を特に設けずに、周壁面のみからなる単なる筒体形状のキャップとしてその周壁内面から筒径方向内側に延長するように形成することもできる。
また、このキャップは通常の天部が設けられた筒体形状のものであってもよく、このキャップの周壁面内側に、その周方向の一部又は全部に除去部が形成されたものであってもよいものである。
要するに上記した通り、キャップの形態は少なくとも吐出器の吐出口を覆う部分を有していればよいのである。
【0117】
更に、この除去部は、上記した通り、櫛状のものであっても、ブラシ状のものであっても、或いはブレード状のものであってもよく、またキャップの周壁面内側の周方向の一部に設けたものであっても、又はその全周に亘り設けたものであってもよい。
この除去部は、吐出口と相対的な動きにより当該吐出口と擦れるように動くため、これにより除去部と吐出口との位置関係は、キャップが装着された状態で、前記除去部は前記吐出口よりも装着方向の奥側に位置していればよい。
【0118】
他方、吐出器としては、上記実施形態では単なる噴射用押し下げボタンとして実施化したが、その吐出器の構成も、自由に設計変更することができ、所定の定量噴射機構を吐出器内に備えるものであってもよい。
【0119】
要するに、少なくとも吐出容器の適宜位置に設けられ、吐出口を有する吐出器であって、容器の内容物を吐出できる吐出器であれば、どのような形態のものであっても、本発明に適用することができる。
【0120】
また、吐出器の吐出口部分の構成も、上記した通り、吐出口部分を吐出方向の前方方向に膨出した形態のものとして実施することもできるし、吐出器の他の外側壁面部と同一面で構成されたものとして実施することもできる。
【0121】
更に、本発明に係る除去部は、上記第1実施形態乃至第4実施形態に例示したようなキャップに設けたもの以外に、上記第5実施形態のように肩カバーに設けたものであってもよく、また上記第4実施形態において吐出器の上端部に吐出器押下部を設け、この吐出器押下部に除去部を設けて実施することもできる。
【0122】
即ち、本発明に係る除去部は、吐出器の吐出口の近傍に設けられていて、除去部又は吐出器の何れか一方が他方に対して相対的に動き、除去部が吐出口に接触し、吐出口に付着した内容物を擦り落し又は刮そぎ落すことができればよいものなのである。
【0123】
以下、吐出製品等に関して具体的に説明する。
[吐出製品]
本発明に係る吐出製品は、前記吐出容器内に、前記吐出器から吐出される内容物が収容されている。
前記吐出製品としては、特に限定されないが、内容物を吐出器から霧状に吐出する吐出製品や、内容物を吐出器から泡状に吐出する吐出製品などが挙げられる。
前記吐出製品としては、特に限定されないが、例えば、ヘアスタイリングスプレー、ヘアスタイリングフォーム等の整髪用エアゾール製品;ヘアスタイリングミスト等の整髪用ディスペンサー製品;デオドラントスプレー、日焼け止めスプレー、シェービングフォーム等の身体・顔用エアゾール製品;デオドラントミスト、洗顔フォーム等の身体・顔用ディスペンサー製品;デオドラントスプレー等の衣類用エアゾール製品;デオドラントミスト等の衣類用ディスペンサー製品;ラッカースプレー等のエアゾール塗料製品などが挙げられる。
中でも、本発明を用いない場合に、内容物が吐出口部分に付着し、固化又はペースト状化しやすく、本発明を用いる効果が特に顕著に発揮される観点から、整髪用エアゾール製品が好ましく、より好ましくは、ヘアスタイリングスプレー、ヘアスタイリングフォームである。
【0124】
[内容物]
上記内容物としては、本発明に係る吐出製品の用途によっても異なり、特に限定されないが、例えば、
水;
エタノール;
アクリル樹脂アルカノールアミン液((アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP)、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体液等のセット樹脂;
1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール;
軽質イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素油;
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル等のエステル油;
メチルフェニルシリコーン、シクロペンタシロキサン、ハイドロゲンジメチコン、カプリリルメチコン、ジメチコン等のシリコーン油;
セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル(3E.O.)等の界面活性剤;
噴射剤;
香料;
フェノキシエタノール、オクトキシグリセリン、メチルパラベン等の防腐剤;
カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等の増粘性高分子;
クエン酸、クエン酸ナトリウム等のpH調整剤;
エデト酸塩、リン酸、ポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤;
酸化亜鉛、酸化チタン等の紫外線散乱剤;
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等の紫外線吸収剤;
メントール、メンチルグリセリルエーテル、メンチルラクテート、メントール配糖体、カンファー、ハッカ油、ペパーミント油、ユーカリプタスオイル等の冷感剤;
グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;
シャクヤク、ボタンピ、ビワ、アロエ等の植物抽出エキス;
トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;
アルブチン、アスコルビン酸等の美白剤;
シリカ、タルク、ナイロンパウダー等の粉体;
塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛等の制汗剤;
塩化ベンザルコニウム、ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化リゾチーム等の殺菌剤;
酸化亜鉛、アルキルジエタノールアミド、ヒドロキシアパタイト、茶抽出物等の消臭剤;
パントテニルアルコール
などが挙げられる。
【0125】
特に吐出容器がエアゾール式吐出容器である場合(即ち、吐出製品がエアゾール製品である場合)、上記内容物は、噴射剤を含み、原液と噴射剤とから構成される。
なお、上記原液とは、噴射剤以外の内容物を意味し、即ち、内容物は、原液と噴射剤のみから構成される。上記原液と上記噴射剤とは、原液中に噴射剤の一部が溶け込み完全に相溶して均一になった状態で存在していてもよいし、噴射剤が原液に溶け込まず両者が不均一な状態で存在していてもよい。
一般的には、エアゾール式吐出容器内において、内容物は、液相と気相に分離して存在している。気相は噴射剤の気体成分から構成され、液相は、原液のみから構成されているか、又は、噴射剤の液体成分と原液とから構成されている。
【0126】
上記噴射剤としては、特に限定されないが、空気、窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素等のガス(特に、圧縮ガスが好ましい);液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)、ジメチルエーテル(DME:Dimethyl ether)、イソペンタン、フロロカーボン等の液化ガスなどが挙げられる。
上記噴射剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、例えば、液化ガスのみ、圧縮ガスのみを用いてもよいし、液化ガスと圧縮ガスを併用してもよい。
【0127】
上記液化ガスとしては、中でも、噴射力、環境保全や生産性の観点から、LPG、DMEが好ましく、特にLPGはプロパンやブタンの比率により噴射能等を制御できるためより好ましい。
上記LPGとしては、特に限定されないが、プロパンを0.1〜50質量%(より好ましくは1〜20質量%)、及びブタンを50〜99.9質量%(より好ましくは80〜99質量%)含むLPGが好ましい。
【0128】
特に吐出容器がエアゾール式吐出容器である場合(即ち、吐出製品がエアゾール製品である場合)、上記内容物中の原液の含有量は、特に限定されないが、内容物100質量%に対して、5〜99.5質量%が好ましく、より好ましくは30〜99質量%である。
また、上記内容物中の噴射剤の含有量は、内容物100質量%に対して、0.5〜95質量%が好ましく、より好ましくは1〜70質量%である。なお、内容物中の原液の含有量と噴射剤の含有量の合計量は100質量%である。
【0129】
以下に、ヘアスタイリングスプレー、ヘアスタイリングフォームの各用途における内容物の好ましい具体例を示す。ただし、これに限定されるものではない。
【0130】
(ヘアスタイリングスプレー)
内容物は、原液と噴射剤とから構成される。
原液に含まれる特に好ましい成分としては、セット樹脂、エタノールが挙げられる。
また、上記以外の原液に含まれる好ましい成分(添加成分)としては、多価アルコール、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、パントテニルアルコール、香料などが挙げられる。添加成分は含まれなくてもよい。
原液100質量%中のセット樹脂の含有量(固形分の含有量)は、1〜15質量%が好ましい。原液100質量%中のエタノールの含有量は、55〜99質量%が好ましい。原液100質量%中の添加成分の含有量は、0〜30質量%が好ましい。
噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)100質量%が好ましい。
原液と噴射剤との質量比(原液/噴射剤)は、30/70〜70/30が好ましい。
【0131】
(ヘアスタイリングフォーム)
内容物は、原液と噴射剤とから構成される。
原液に含まれる特に好ましい成分としては、セット樹脂、水が挙げられる。
また、上記以外の原液に含まれる好ましい成分(添加成分)としては、多価アルコール、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、界面活性剤、パントテニルアルコール、香料などが挙げられる。添加成分は含まれなくてもよい。
原液100質量%中のセット樹脂の含有量(固形分の含有量)は、1〜10質量%が好ましい。原液100質量%中の水の含有量は、60〜99質量%が好ましい。原液100質量%中の添加成分の含有量は、0〜30質量%が好ましい。
噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)100質量%が好ましい。
原液と噴射剤との質量比(原液/噴射剤)は、70/30〜99/1が好ましい。
【0132】
以下に、本発明に係る吐出製品(特にエアゾール製品)の内容物の処方例を示す。
【0133】
処方例1(ヘアスタイリングスプレー)
(原液)
アクリル樹脂アルカノールアミン液 5質量%
グリセリン 1質量%
エタノール 残部
合計 100質量%
(噴射剤)
LPG 100質量%
原液/噴射剤(質量比)=50/50
【0134】
処方例2(ヘアスタイリングフォーム)
(原液)
アクリル樹脂アルカノールアミン液 3質量%
グリセリン 5質量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(15E.О.) 1質量%
精製水 残部
合計 100質量%
(噴射剤)
LPG 100質量%
原液/噴射剤(質量比)=90/10
【0135】
以上、本発明においては、これまで全く存在していない形態のキャップの構造を採用することにより、エアゾール容器等の使用後に吐出口部分に付着した固化した或いはペースト化した内容物を容易に、例えばキャップの開閉動作と共に除去することのできる吐出容器とそのキャップ及び吐出製品を提供することができたものである。