特許第6851769号(P6851769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851769
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】雨吹き飛ばし装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/28 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   E04G21/28 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-207187(P2016-207187)
(22)【出願日】2016年10月21日
(65)【公開番号】特開2018-66240(P2018-66240A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2019年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】鰐渕 憲昭
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−309145(JP,A)
【文献】 特開平07−217219(JP,A)
【文献】 特開2017−210727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨を落下させたくない領域の上方位置に、送風方向が上向きになるように設置された複数の送風機を備えた雨吹き飛ばし装置であって、
雨を落下させたくない領域が、真上から見て四角形の4角に位置するように配置された4本の柱配筋で囲まれた領域の下方であるコンクリート打設予定領域であり、
互いに隣り合う2本の柱配筋の上端部間に跨って四角形の一辺を形成するように複数の送風機が設置されたことを特徴とする雨吹き飛ばし装置。
【請求項2】
雨を落下させたくない領域の上方位置に、送風方向が上向きになるように設置された複数の送風機を備えた雨吹き飛ばし装置であって、
柱配筋が建物の一方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されるとともに柱配筋が建物の他方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されることにより柱配筋が行列状に設けられたコンクリート打設予定領域において、
一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋の上部に跨るように他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の1列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機と、
一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋の上部に跨るように他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の4列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機と、
一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋と一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋との間の中間位置の上方において他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の1列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機と、
一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋と一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋との間の中間位置の上方において他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の4列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機とを備えたことを特徴とする雨吹き飛ばし装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨が所定の領域に落下することを抑制するために雨を所定の領域外に吹き飛ばす雨吹き飛ばし装置に関する。
【背景技術】
【0002】
雨が所定の領域に落下することを抑制するために雨を所定の領域外に飛ばす雨吹き飛ばし装置として、例えば雨天時においてもコンクリート打設作業を行えるようにエアで雨を吹き飛ばすようにしたエア式屋根機構を備えた工事現場用屋根装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−217219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した雨吹き飛ばし装置としての工事現場用屋根装置では、送風方向が水平となるように送風機を設置しているため、例えば、雨量が多かったり、雨粒が大きかったり、雨の落下速度が速い場合等、効果的に雨を吹き飛ばすためには、高い圧力のエア(圧縮空気)を生成するための高出力の高価なコンプレッサーが必要となり、経済的ではないという課題があった。
本発明は、雨が所定の領域に落下することを抑制するために雨を所定の領域外に効果的に吹き飛ばすことが可能で経済的な雨吹き飛ばし装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明に係る雨吹き飛ばし装置は、雨を落下させたくない領域の上方位置に、送風方向が上向きになるように設置された複数の送風機を備えた雨吹き飛ばし装置であって、雨を落下させたくない領域が、真上から見て四角形の4角に位置するように配置された4本の柱配筋で囲まれた領域の下方であるコンクリート打設予定領域であり、互いに隣り合う2本の柱配筋の上端部間に跨って四角形の一辺を形成するように複数の送風機が設置された構成としたので、コンクリート打設予定領域においてコンクリートに雨が混入することを防止できて、コンクリートの性能を劣化させることなく、コンクリート打設作業を行うことが可能となる。
また、雨を落下させたくない領域の上方位置に、送風方向が上向きになるように設置された複数の送風機を備えた雨吹き飛ばし装置であって、柱配筋が建物の一方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されるとともに柱配筋が建物の他方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されることにより柱配筋が行列状に設けられたコンクリート打設予定領域において、一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋の上部に跨るように他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の1列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機と、一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋の上部に跨るように他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の4列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機と、一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋と一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋との間の中間位置の上方において他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の1列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機と、一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋と一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋との間の中間位置の上方において他方方向に沿って設けられて送風方向が一方方向の4列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機とを備えた構成としたので、柱配筋が建物の一方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されるとともに柱配筋が建物の他方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されることにより柱配筋が行列状に設けられたコンクリート打設予定領域に、雨を落下させないようにでき、雨天時において当該コンクリート打設予定領域にコンクリート打設作業を行うことが可能となる。即ち、コンクリートに雨が混入することを防止できて、コンクリートの性能を劣化させることなく、コンクリート打設作業を行うことが可能となる。また、雨天時において、柱配筋の下部側にコンクリートを打設する作業を広い範囲で行うことが可能となり、雨天による施工期間の遅れを抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】雨吹き飛ばし方法の原理を示す図(実施形態1)。
図2】雨吹き飛ばし装置を上から見た図(実施形態1)。
図3】雨吹き飛ばし装置を上から見た図(実施形態2)。
図4】雨吹き飛ばし装置を示す斜視図(実施形態3)。
図5】雨吹き飛ばし装置を側方から見た図(実施形態3)。
図6】雨吹き飛ばし装置を側方から見た図(実施形態4)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
実施形態1に係る雨吹き飛ばし方法は、図1に示すように、雨を落下させたくない領域Xの上方位置に、送風方向が同方向かつ上向きになるように複数の送風機1,1…を設置して、当該複数の送風機1,1…からの風を雨粒に衝突させて雨粒を落下させたくない領域X外に飛ばす方法である。
即ち、雨を落下させたくない領域Xの上方位置における同一水平面1H上において複数の送風機1,1…が1列(図1における紙面と直交する方向、図2における上下方向)に並ぶように配置され、かつ、複数の送風機1,1…の送風方向1F,1F…が同方向かつ上向きになるように設定される。
各送風機1,1…から送風される風の送風方向1F,1F…は、水平面1Hに対する傾斜角度が所定角度θをなして上向きに傾斜するように設定される。即ち、各送風機1,1…は回転翼(ファン)の回転中心軸が水平面1Hに対して所定角度θだけ傾くように所定の取付部に取付けられることで、各送風機1,1から送風される風の送風方向1F,1Fが、水平面1Hに対して所定角度θをなして上向きに傾斜するように設定される。
所定角度θは、例えば15°〜60°程度の範囲、好ましくは30°〜45°程度の範囲に設定することが好ましい。
【0008】
上述した雨吹き飛ばし方法を適用した雨吹き飛ばし装置は、雨を落下させたくない領域Xの上方において、送風方向1Fが同方向かつ上向きになるように設置された複数の送風機1,1…を備えた構成である。
複数の送風機1,1…は例えば設置部1Cに設置されて構成される。設置部1Cとしては、例えば、複数の送風機1,1…を横一列に並べて設置できるように構成された設置フレームを用いればよい。
例えば、図2に示すように、雨を落下させたくない領域Xが立方体又は直方体の領域である場合、当該領域Xにおける隣り合う一対の角部にそれぞれ柱3,3を設けて、これら柱3,3の上端面3t,3t間に跨るように、複数の送風機1,1…が設置部1Cに設置されて構成された送風機群1Aを設置し、当該複数の送風機1,1…からの風を雨粒に衝突させて雨粒を雨を落下させたくない領域X外に飛ばす構成とすればよい。
【0009】
送風機1は、例えばモータにより回転する回転翼の直径が400mm〜500mm程度の市販されている比較的安価である一般的な送風機1を用いればよい。
【0010】
実施形態1に係る雨吹き飛ばし方法及び雨吹き飛ばし装置によれば、複数の送風機1,1…から斜め上方向に風を吹き出して空気を舞い上がらせることで、上方で雨粒を小さく粉砕しながら、雨を落下させたくない領域X外に吹き飛ばすことができるようになり、雨を落下させたくない領域Xに雨が落下するのを効果的に抑制することができるようになる。
特に、複数の送風機1,1…の送風方向1Fを上向きに設定することにより、送風方向が水平となるように送風機を設置する従来の装置と比べた場合、高出力の高価なコンプレッサーを備えた送風機ではなく、市販されている比較的安価である一般的な送風機1を用いて、雨を落下させたくない領域X外に吹き飛ばすことができるようになり、経済的である。
また、複数の送風機1,1…を一列に並ぶように設置するだけでよいので、経済的である。
つまり、実施形態1に係る雨吹き飛ばし方法及び雨吹き飛ばし装置によれば、雨が所定の領域に落下することを抑制するために雨を所定の領域外に効果的に吹き飛ばすことが可能で経済的な雨吹き飛ばし方法及び雨吹き飛ばし装置を実現できる。
【0011】
尚、各送風機1,1…は、例えば、雨を落下させたくない領域Xの上方における同一水平面1H上に配置されることが好ましいが、高低差があるように配置されていても構わない。
また、各送風機1,1…は、送風方向1Fが同方向ではなく、異なる方向、例えば、隣り合う送風機1,1の送風方向1F,1Fが互いに交差する方向となるように設置されていても構わない。
また、各送風機1,1…は、それぞれ、所定角度θが異なるように設置されていても構わない。
【0012】
実施形態2
次に、雨天時においてコンクリート打設現場でのコンクリート打設作業を可能とするために上述した雨吹き飛ばし方法を適用した雨吹き飛ばし装置について説明する。
即ち、建設途中の建物の一定領域での雨天時においてのコンクリート打設作業を可能とするために、建設途中の建物の柱配筋30の上部に上述した雨吹き飛ばし装置を構築する。
尚、図示を省略するが、地上面又は下層床面より立設される建設途中の建物の柱配筋30は、複数の主筋が完成した場合に四角柱となる柱の4辺に沿って所定の間隔を隔てて並ぶように設けられ、かつ、これら主筋を取り囲む帯筋が主筋の延長方向に沿って所定の間隔を隔てて複数設けられた構成である。
【0013】
実施形態2の雨吹き飛ばし装置としては、例えば、図3に示すように、雨を落下させたくない領域Xが、真上から見て四角形の4角に位置するように配置された4本の柱配筋30で囲まれた領域の下方であるコンクリート打設予定領域である場合において、互いに隣り合う2本の柱配筋30,30の上端部30t,30t間に跨って四角形の一辺を形成するように上述した送風機群1Aを設置した構成とする。
実施形態2による雨吹き飛ばし装置によれば、4本の柱配筋30,30…で囲まれた領域の下方であるコンクリート打設予定領域に、雨を落下させないようにでき、雨天時において当該コンクリート打設予定領域にコンクリート打設作業を行うことが可能となる。即ち、コンクリートに雨が混入することを防止できて、コンクリートの性能を劣化させることなく、コンクリート打設作業を行うことが可能となる。
【0014】
実施形態3
建設途中の建物の柱配筋30の上部に構築されるより具体的な雨吹き飛ばし装置として、例えば、図4図5に示すように、地上面A又は下層床面より立設される複数の柱配筋30,30…で囲まれた梁間方向3スパン桁行方向2スパン分の床領域に雨天時においてコンクリート打設作業を行う場合の雨吹き飛ばし装置について説明する。
尚、スパンとは、互いに隣り合う各柱配筋30,30の柱芯間の間隔のことである。梁間方向3スパン桁行方向2スパンの場合、真上から見て、建物の桁行方向D(建物の長辺方向)に沿って柱配筋30が等間隔に3本並ぶように設けられた柱配筋列が、建物の梁間方向E(建物の短辺方向)に沿って等間隔に4列設けられた構成である。以下、柱配筋30の位置を特定する場合、図4に示す柱配筋30Aを基準として、桁行方向○列目梁間方向○列目と示して特定する。
【0015】
即ち、実施形態3の雨吹き飛ばし装置は、図4に示すように、柱配筋30が建物の梁間方向Eに所定の間隔を隔てて4本設置されるとともに、柱配筋30が建物の桁行方向Dに所定の間隔を隔てて3本設置されて構成されたコンクリート打設予定領域において、梁間方向Eの2列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された3本の柱配筋30(即ち、桁行方向D1列目梁間方向E2列目に位置する柱配筋30B、桁行方向D2列目梁間方向E2列目に位置する柱配筋30D、桁行方向D3列目梁間方向E2列目に位置する柱配筋30F)の上部に跨るように桁行方向Dに沿って設けられて送風方向1Fが梁間方向Eの一端側(梁間方向Eの1列目側)に向けて上向きとなるように設置された送風機群1A1(1A)と、梁間方向Eの3列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された3本の柱配筋30(即ち、桁行方向D1列目梁間方向E3列目に位置する柱配筋30G、桁行方向D2列目梁間方向E3列目に位置する柱配筋30I、桁行方向D3列目梁間方向E3列目に位置する柱配筋30K)の上部に跨るように桁行方向Dに沿って設けられて送風方向1Fが梁間方向Eの他端側(梁間方向Eの4列目側)に向けて上向きとなるように設置された送風機群1A2(1A)と、梁間方向Eの2列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された3本の柱配筋30と梁間方向Eの3列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された3本の柱配筋との間の中間位置の上方において桁行方向Dに沿って設けられて送風方向1Fが梁間方向Eの一端側(梁間方向Eの1列目側)に向けて上向きとなるように設置された送風機群1A3(1A)と、梁間方向Eの2列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された3本の柱配筋30と梁間方向Eの3列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された3本の柱配筋30との間の中間位置の上方において桁行方向Dに沿って設けられて送風方向1Fが梁間方向Eの他端側(梁間方向Eの4列目側)に向けて上向きとなるように設置された送風機群1A4(1A)とを備えた構成とする。
尚、送風機群1A1の設置部1Cの上面と送風機群1A2の設置部1Cの上面とに跨る支持板31を、桁行方向Dに沿って所定の間隔を隔てて複数設置し、これら複数の支持板31,31…の中間位置の上面において桁行方向Dに沿って延長するように送風機群1A3及び送風機群1A4が設置される。
実施形態3による雨吹き飛ばし装置によれば、図5に示すように、送風機群1A1,1A3から吹き出された風により雨を梁間方向Eの一端側(梁間方向Eの1列目側)に吹き飛ばすことができるとともに、送風機群1A2,1A4から吹き出された風により雨を梁間方向Eの他端側(梁間方向Eの4列目側)に吹き飛ばすことができるようになるので、柱配筋30が建物の梁間方向Eに所定の間隔を隔てて4本設置されて、柱配筋30が建物の桁行方向Dに所定の間隔を隔てて3本設置されて構成されたコンクリート打設予定領域に、雨を落下させないようにでき、雨天時において当該コンクリート打設予定領域にコンクリート打設作業を行うことが可能となる。即ち、コンクリートに雨が混入することを防止できて、コンクリートの性能を劣化させることなく、コンクリート打設作業を行うことが可能となる。また、雨天時において、柱配筋30の下部側にコンクリートを打設する作業を広い範囲で行うことが可能となり、雨天による施工期間の遅れを抑制できるようになる。
【0016】
尚、上記では、一例として、梁間方向3スパン桁行方向2スパン分の床領域に雨天時においてコンクリート打設作業を行う場合の雨吹き飛ばし装置について説明したが、実施形態3の雨吹き飛ばし装置は、柱配筋30が建物の梁間方向Eに所定の間隔を隔てて2本以上設置されるとともに柱配筋30が建物の桁行方向Dに所定の間隔を隔てて2本以上設置されることにより柱配筋30が行列状に設けられたコンクリート打設予定領域に対応可能である。
即ち、実施形態3の雨吹き飛ばし装置は、柱配筋30が建物の一方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されるとともに柱配筋30が建物の他方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されることにより柱配筋30が行列状に設けられたコンクリート打設予定領域において、一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋の上部に跨るように他方方向に沿って設けられて送風方向1Fが一方方向の1列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機1,1…と、一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋の上部に跨るように他方方向に沿って設けられて送風方向1Fが一方方向の4列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機1,1…と、一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋と一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋との間の中間位置の上方において他方方向に沿って設けられて送風方向1Fが一方方向の1列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機1,1…と、一方方向の2列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋と一方方向の3列目に位置される他方方向に沿って位置された複数の柱配筋との間の中間位置の上方において他方方向に沿って設けられて送風方向1Fが一方方向の4列目に向けて上向きとなるように設置された複数の送風機1,1…とを備えて構成される。
尚、上述した一方方向を建物の梁間方向E(建物の短辺方向)とした場合、上述した他方方向は建物の桁行方向D(建物の長辺方向)である。逆に、上述した一方方向を建物の桁行方向D(建物の長辺方向)とした場合、上述した他方方向は建物の梁間方向E(建物の短辺方向)である。
即ち、実施形態3による雨吹き飛ばし装置は、柱配筋30が建物の一方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されるとともに柱配筋30が建物の他方方向に所定の間隔を隔てて2本以上設置されることにより柱配筋30が行列状に設けられたコンクリート打設予定領域に対応して、当該コンクリート打設予定領域に雨を落下させないようにでき、雨天時において当該コンクリート打設予定領域にコンクリート打設作業を行うことが可能となる。
つまり、実施形態3の雨吹き飛ばし装置において、一方方向を建物の梁間方向Eとし、上述した他方方向は建物の桁行方向Dとした場合においては、桁行方向Dの送風機1の数を増減することで、梁間方向3スパン桁行方向1スパン以上のコンクリート打設予定領域に雨を落下させないようにできる。また、実施形態3の雨吹き飛ばし装置において、一方方向を建物の桁行方向Dとし、上述した他方方向は建物の梁間方向Eとした場合においては、梁間方向Eの送風機1の数を増減することで、桁行方向3スパン梁間方向1スパン以上のコンクリート打設予定領域に雨を落下させないようにできる。
【0017】
また、梁間方向Eの一端側に位置する柱配筋30A,30C,30Eの外側面、及び、梁間方向Eの他端側に位置する柱配筋30H,30J,30Lの外側面に、シート40を張って、梁間方向Eの両端側に吹き飛ばされる雨粒がコンクリート打設現場の周囲に飛び散らないようにすることが好ましい。この場合、シート40としては、吸水性能の優れたシートを用いることが好ましい。尚、実施形態3で説明した雨吹き飛ばし装置において、一方方向を建物の桁行方向Dとし、上述した他方方向は建物の梁間方向Eとした場合においては、桁行方向Dの一端側に位置する柱配筋30の外側面、及び、桁行方向Dの他端側に位置する柱配筋30の外側面に、シート40を張って、桁行方向の両端側に吹き飛ばされる雨粒がコンクリート打設現場の周囲に飛び散らないようにしてもよい。
【0018】
実施形態4
図6に示すように、実施形態3による雨吹き飛ばし装置の構成に加えて、梁間方向Eの2列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された複数の柱配筋30と梁間方向Eの3列目に位置される桁行方向Dに沿って位置された複数の柱配筋30との間の中間位置の上方において桁行方向Dに沿って設けられて送風方向1Fが真上を向くように設置された送風機群1A5(1A)を備えた構成とする。当該送風機群1A5は、送風機群1A3の設置部1C及び送風機群1A4の設置部1Cの上面に設置すればよい。
実施形態4による雨吹き飛ばし装置によれば、送風方向1Fが真上を向くように設置された送風機群1A5の複数の送風機1,1…から吹き出す風によって当該複数の送風機1,1…の上方に降る雨粒が小さく粉砕されて梁間方向Eの両端側に振り分けられるようになるので、コンクリート打設予定領域に雨を落下させないようにできる効果がより向上する。
尚、実施形態3で説明した雨吹き飛ばし装置において、一方方向を建物の桁行方向Dとし、上述した他方方向は建物の梁間方向Eとした場合においては、桁行方向Dの2列目に位置される梁間方向Eに沿って位置された複数の柱配筋30と桁行方向Dの3列目に位置される梁間方向Eに沿って位置された複数の柱配筋30との間の中間位置の上方において梁間方向に沿って設けられて送風方向1Fが真上を向くように設置された送風機群を備えた構成とすればよい。
【0019】
尚、実施形態では、雨吹き飛ばし方法を適用した雨吹き飛ばし装置を雨天時のコンクリート打設作業時に使用する例を示したが、本発明の雨吹き飛ばし方法を適用した雨吹き飛ばし装置は、屋外に設けられたエスカレータ、通路、その他の様々な場所に設置して雨を吹き飛ばすような場合に使用したり、夏季における熱中症対策にも使用可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 送風機、1F 送風方向、30 柱配筋、X 雨を落下させたくない領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6