特許第6851809号(P6851809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851809
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/00 20060101AFI20210322BHJP
   C08J 7/04 20200101ALI20210322BHJP
【FI】
   C09K3/00 R
   C08J7/04 ZCEQ
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-248662(P2016-248662)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-100387(P2018-100387A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2019年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000188951
【氏名又は名称】松本油脂製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】杉本 元
(72)【発明者】
【氏名】武市 賢治
【審査官】 河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−124292(JP,A)
【文献】 特開2013−001720(JP,A)
【文献】 特開2011−144221(JP,A)
【文献】 特開昭52−078945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J7/00−7/02
7/12−7/18
C09K3/00
3/20−3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水膨潤性無機粉末、界面活性剤(脂肪酸石鹸及び金属石鹸を除く)、脂肪酸石鹸及び金属石鹸を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物であって、
前記水膨潤性無機粉末がベントナイトであり、
前記脂肪酸石鹸がラウリン酸ナトリウム及び/又はステアリン酸ナトリウムを含み、
前記金属石鹸がステアリン酸亜鉛であり、
前記組成物に対して、前記ベントナイトの重量割合が25〜75重量%、前記界面活性剤の重量割合が5〜30重量%、前記脂肪酸石鹸の重量割合が1〜40重量%、前記ステアリン酸亜鉛の重量割合が1〜40重量%であり、
前記界面活性剤が陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を必須に含み、
前記組成物に対して、前記陰イオン界面活性剤が1重量%以上、前記非イオン界面活性剤が1重量%以上であり、
前記組成物の20℃における5重量%水分散液のTI値(チキソトロピーインデックス)が1.3〜10である、未加硫ゴム用防着剤組成物。
【請求項2】
前記陰イオン界面活性剤がジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含み、前記非イオン界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含み、前記組成物に対して、前記ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及び/又は前記ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの重量割合が1重量%以上、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが1重量%以上である、請求項1に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物を、成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む、防着処理された未加硫ゴムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品の生産加工工程において、未加硫ゴムを次の成型や加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵することがあり、この場合にゴムの密着を防止する目的で密着防止剤(防着剤)が使用されている。
防着剤としては、無機粉末と界面活性剤を主成分とする防着剤が広く用いられており、一般に、これらは水分散液の形態でゴム表面に塗布し乾燥させることが行われている。無機粉末としては、ベントナイトなどの水膨潤性無機粉末が一般的に使用される。水膨潤性無機粉末は水中で膨潤し微粒子になることから、ゴムへの付着性に優れる。しかし、微粒子となるために乾燥時の粒子間の凝集力が強く、乾燥固化物の硬さは著しく増大する。
この対策として、乾燥固化物の崩壊性を向上させた防着剤が開発されているが、上記問題を解決し、防着剤に要求される各特性を十分に満たす防着剤はこれまでにない。
【0003】
特許文献1では、造膜性を有する水溶性高分子と陰イオン活性剤または非イオン活性剤とからなる防着用組成物が開示されている。この防着用組成物は無機粉体を使用しないことを特徴としており、乾燥固化物の形成を抑制できる。しかし、
十分な防着性能を発揮させるためには、高濃度で使用することが必要であり、その場合、水溶性高分子の保水性が著しく高くなり、防着剤組成物を塗布した後の乾燥工程に時間がかかり、生産性を悪化させる。
特許文献2では、ベンナイト以外の特定の無機粉体を主体とし、乾燥固化物の崩壊性を向上させたゴム用密着防止剤が開示されている。しかし、水膨潤性無機粉末を主体としない防着剤では付着性に劣るため、十分な防着性を得るには高濃度で使用する必要がある。高濃度となると、乾燥固化物の崩壊性が向上したとしても、ゴムへの異物となる防着剤塊の形成リスクが増大してしまう。また、高濃度となると、防着剤液の乾燥性悪化の恐れがある。
以上のように、崩壊性を向上させた防着剤が特許文献1、2に示されているが、同時に、十分な防着性や乾燥性を満たすものはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−32127号公報
【特許文献2】特開平14−363532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、防着性、乾燥性及び崩壊性が同時に優れる未加硫ゴム用防着剤組成物と、その未加硫ゴム用防着剤組成物を使用して行われる防着処理された未加硫ゴムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水膨潤性無機粉末と界面活性剤と金属石鹸と脂肪酸石鹸を必須に含み、特定の範囲のチキソトロピーインデックスを示す防着剤によって、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水膨潤性無機粉末、界面活性剤(脂肪酸石鹸及び金属石鹸を除く)、脂肪酸石鹸及び金属石鹸を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物であって、前記水膨潤性無機粉末がベントナイトであり、前記脂肪酸石鹸がラウリン酸ナトリウム及び/又はステアリン酸ナトリウムを含み、前記金属石鹸がステアリン酸亜鉛であり、前記組成物に対して、前記ベントナイトの重量割合が25〜75重量%、前記界面活性剤の重量割合が5〜30重量%、前記脂肪酸石鹸の重量割合が1〜40重量%、前記ステアリン酸亜鉛の重量割合が1〜40重量%であり、前記界面活性剤が陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を必須に含み、前記組成物に対して、前記陰イオン界面活性剤が1重量%以上、前記非イオン界面活性剤が1重量%以上であり、前記組成物の20℃における5重量%水分散液のTI値(チキソトロピーインデックス)が1.3〜10である、未加硫ゴム用防着剤組成物。
【0007】
前記陰イオン界面活性剤がジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含み、前記非イオン界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含み、前記組成物に対して、前記ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及び/又は前記ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの重量割合が1重量%以上、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが1重量%以上であると好ましい。
【0008】
本発明の未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を、成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、防着性、乾燥性及び崩壊性に優れる。
また、本発明の未加硫ゴムの製造方法では、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物を用いるために、良好な防着性と乾燥性により作業性が向上し、高い崩壊性によりゴム製品の不良が低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔未加硫ゴム用防着剤組成物〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水膨潤性無機粉末と界面活性剤と金属石鹸と脂肪酸石鹸を含む防着剤である。また、20℃における5%未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液のチキソトロピーインデックスが1.3〜10である。
ここで、チキソトロピーインデックスとは、B型粘度計を用いて測定温度20℃で5%未加硫ゴム用防着剤の水分散体の粘度を測定した際に、測定時の回転数6rpm時の粘度Bとし、測定時の回転数60rpm時の粘度B60としたときに、(チキソトロピーインデックス)=B/B60で定義する。
【0011】
以下、下記成分を詳しく説明する。
〔水膨潤性無機粉末〕
水膨潤性無機粉末は、本発明に必須の成分であり、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液にチキソトロピー性を付与しゴムへの付着性を向上させ、防着性を発揮する。
防着剤組成物の水分散液はゴムへの処理時は短時間で表面へ広がることが求められ、処理後は液ダレせずに表面へ保持されることが望まれる。そのため、防着剤の水分散液には適度なチキソトロピー性が要求される。
本発明で使用する水膨潤性無機粉末は、水を吸収し体積が増大する性質を持つ無機粉末をいう。前記水膨潤性無機粉末としては例えば、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライト、パイデライト、ノントロナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸が挙げられ、これらは天然物でも良いし合成物でも良い。前記水膨潤性無機粉末は、1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、前記水膨潤性無機粉末は、防着剤の防着性の観点から、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライトが特に好ましい。
また、水膨潤性無機粉末は、不純物として結晶性シリカを含有することがあるが、
結晶性シリカは親水性が低く分散性が悪いため、その含有量は、なるべく少ないことが好ましい。結晶性シリカとしては、石英、クリストバライト、トリジマイト、コーサイト、ステイショバライト等が挙げられる。結晶性シリカ含有量は水膨潤性無機粉末を100重量%としたときに、好ましくは20重量%未満、特に好ましくは10重量%未満、最も好ましくは5重量%未満である。20重量%以上であると、水膨潤性無機粉末の分散性が悪化し、ゴム表面への付着が不均一となるので粉塵飛散が多くなる。
また、水膨潤性無機粉末の平均粒子径については、特に限定はないが、未加硫ゴムへの付着性等を考慮すると、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜40μm、最も好ましくは0.1〜30μmである。
未加硫ゴム用防着剤組成物の合計重量に対する水膨潤性無機粉末の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは10〜75重量%である。さらに好ましくは12.5〜72.5重量%、特に好ましくは15〜70重量%、最も好ましくは、17.5〜67.5重量%である。水膨潤性無機粉体の重量割合が少ないと付着性が悪化し、多過ぎると乾燥性と崩壊性が悪化する。
【0012】
〔界面活性剤〕
界面活性剤は、本発明に必須の成分であり、防着剤組成物の分散を補助する成分であり、未加硫ゴムに対して「濡れ」を補助する成分である。界面活性剤が本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれていることによって、未加硫ゴムへの濡れ性が向上することで、より均一に未加硫ゴム表面に被膜化できる。
【0013】
本発明で用いられる界面活性剤は、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤を必須に含む。陰イオン界面活性剤は防着剤組成物の分散性を向上させ、非イオン界面活性剤は防着剤組成物のゴムへの付着を向上させる。したがって、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の両方が必須となる。
陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤については特に限定は無く、1種又は2種以上を含んでいてもよい。
【0014】
陰イオン界面活性剤としては、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na等の長鎖スルホコハク酸塩;オレオイルザルコシンNa、ラウロイルザルコシンNa等のN‐アシルサルコシン塩;ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩等が挙げられる。
【0015】
非イオン界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルアミン;脂肪酸アルカノールアミド;ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド;ポリオキシアルキレン硬化ひまし油;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグリセリンエーテル;ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル;アルキルポリグルコシド;ショ糖脂肪酸エステル;オキシエチレンーオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0016】
未加硫ゴム用防着剤組成物の合計重量に対する界面活性剤の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは1〜30重量%である。さらに好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは1〜20重量%、最も好ましくは、1〜15重量%である。界面活性剤の重量割合が1重量%未満では分散性や濡れ性が悪化することがあり、30重量%超では水分散液の泡立ちが大きくなる。
【0017】
〔金属石鹸〕
金属石鹸は、本発明に必須の成分であり、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に粘性を付与し水膨潤性無機粉末によるチキソトロピー性を補足する。金属石鹸は水への溶解度が低く、疎水性が非常に高い。そのため、水中では粒子同士に疎水性相互作用が働き、粘性を付与する。また、ゴム表面に未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液が処理される際には、疎水性が強いために分散液の保水性を抑制し乾燥を促す作用がある。
本発明で使用する金属石鹸は、炭素数10〜18の有機酸の非アルカリ金属塩であればよく、1種又は2種以上を含んでも良い。
【0018】
金属石鹸を構成する有機酸については、特に限定はないが、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びアラキン酸から選ばれる1種であればよく、2種以上を含んでも良い。
金属石鹸の非アルカリ金属塩については、特に限定はないが、Al、Ag、Ba、Ca、Ce、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Hg、Mg、Mn、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、Znから選ばれる1種であればよく、2種以上を含んでも良い。
【0019】
また、金属石鹸の平均粒径については、特に限定はないが、未加硫ゴムへの付着性等を考慮すると、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは0.5〜100μm、さらに好ましくは1.0〜50μm、特に好ましくは1.5〜40μm、最も好ましくは2.0〜30μmである。
未加硫ゴム用防着剤組成物の合計重量に対する金属石鹸の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは1〜40重量%である。さらに好ましくは1〜35重量%、特に好ましくは1〜30重量%、最も好ましくは、1〜25重量%である。金属石鹸の重量割合が1重量%未満ではチキソトロピー性が低くなったり乾燥性が悪化したりし、40重量%超では金属石鹸の疎水性が強すぎて分散性が悪化する。
【0020】
〔脂肪酸石鹸〕
脂肪酸石鹸は、本発明に必須の成分であり、ゴム表面に付着して防着性を示すとともに、未加硫ゴム用防着剤組成物の乾燥固化物の崩壊性を向上させる成分である。
脂肪酸石鹸は界面活性剤としての性質を持つためゴム表面へ付着しやすい。付着した脂肪酸石鹸はゴム表面に潤滑性を付与し、未加硫ゴム同士の密着を防ぐ効果がある。また、脂肪酸石鹸の融点はゴム練時の温度よりも低いため、ゴム練時に凝集乾燥物に含まれる脂肪酸石鹸が溶融し、凝集乾燥物の硬度を下げて崩壊しやすくする効果もある。
【0021】
本発明で使用する脂肪酸石鹸は、炭素数6〜22の脂肪酸からなり、脂肪酸としては、直鎖もしくは分岐の飽和又は不飽和脂肪酸を使用することができ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の単一脂肪酸のほか、パーム核脂肪酸、パームステアリン脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の天然脂肪酸を使用することができる。これらは1種類もしくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
脂肪酸石鹸塩についてはカリウム、ナトリウム、リチウム、ルビニウム、セシウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩などから選ばれる1つであると好ましく、1種のみでも良いし、2種以上含んでも良い。
【0023】
未加硫ゴム用防着剤組成物の合計重量に対する脂肪酸石鹸の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは1〜40重量%である。さらに好ましくは1〜35重量%、特に好ましくは1〜30重量%、最も好ましくは、1〜25重量%である。脂肪酸石鹸の重量割合が1重量%未満では崩壊性が悪化し、40重量%超では分散液の泡立ちが大きくなり作業性が悪化する。
【0024】
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、上記で説明した成分以外に、下記成分をさらに含有していてもよい。
〔その他の無機粉体〕
その他の無機粉体は、未加硫ゴム表面に付着し、未加硫ゴム間の密着を防止したり、未加硫ゴム間の摩擦を軽減したりする成分である。
その他の無機粉体としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;カオリン、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、セリサイト等のケイ酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;非晶質シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の金属水酸化物;ベンガラ;カーボンブラック;グラファイト等が挙げられる
前記その他の無機粉体は、水膨潤性無機粉体の膨潤を促進し防着性をより向上させるために、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムが好ましい。
【0025】
〔水溶性高分子〕
水溶性高分子は未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に粘性を付与し、未加硫ゴム表面への付着性を向上させる成分である。
水溶性高分子としては、特に限定はないが、たとえば、酸化でんぷん、酢酸でんぷん、燐酸でんぷん、カルボキシメチルスターチ、カルボキシエチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、陽性でんぷん、シアノエチル化でんぷん、ジアルデヒドでんぷん等のでんぷん類;マンナン;アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類;タラカントガム、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ブリティッシュガム、グルコマンナン、ジェランガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラギーナン等の天然ガム類;ポリアクリル酸ソーダ;ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;水溶性アクリル樹脂;水溶性ウレタン樹脂;水溶性メラミン樹脂;水溶性エポキシ樹脂;水溶性ブタジエン樹脂;水溶性フェノール樹脂等が挙げられる。
【0026】
〔多価アルコール〕
多価アルコールは未加硫ゴム表面に付着し、未加硫ゴム間に潤滑性を付与し、未加硫ゴム間の摩擦を軽減する成分である。
多価アルコールとしては特に限定はないが、たとえば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリオース、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース等が挙げられ、1種又は2種以上を併用してもよい。
【0027】
〔消泡剤〕
消泡剤としては、たとえば、ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコー等のシリコーン系消泡剤;ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等の油脂系消泡剤;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、コハク酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコールジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系消泡剤;ジ−t−アミルフェノキシエタノール3−ヘプチルセロソルブノニルセロソルブ3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系消泡剤;トリブチルオスフェート、トリス(ブトキシエチル)フオスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミン等のアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミン等のアミド系消泡剤;ラウリル硫酸エステルナトリウム等の硫酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレン系消泡剤;鉱物油等が挙げられる。
【0028】
〔防腐剤〕
防腐剤としては、たとえば、チアゾール、2−メルカプトチアゾール等のチアゾール類;メチレンビスチオシアネート、アンモニウムチオシアネート等のチオシアネート類;o−ベンゾイックスルフィミド、フェニルマーキュリック−o−ベンゾイックスルフィミド等のスルフィミド類;メチルジメチルチオカルバメート、エチルジエチルジチオカルバメート等のアルキルジアルキルチオカルバメート類;テトラメチルチラウムスルフィド、テトラエチルチラウムスルフィド等のチラウムスルフィド類;テトラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウムジスルフィド等のチラウムジスルフィド類;フェリックジエチルジチオカルバメート、リードジメチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;o−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルフォンアニリド等のスルファミド類;1−アミノナフチル−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸等のアミノスルホン酸類;ペンタクロロフェノール、o−フェニルフェノール等のフェノール類及びこれらのアルカリ金属塩類;;テトラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン等の塩化キノン類;ジニトロカプリルフェニルクロトネート、ジニトロ−o−クレゾール等のニトロ基含有化合物類;1,3,5−トリヒドロキシエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン等のトリアジン類;フェニルマーキュリックフタレート、o−ヒドロキシフェニルマーキュリッククロライド等の有機水銀化合物;p−アミノアゾベンゼン、ジフェニルアミン等のアミン類;シンナムアニリド等のアミド類;1,3−ジヨード−2−プロパノール等のヨウ素含有化合物等が挙げられる。
【0029】
〔水〕
水は、水道水、イオン交換水、蒸留水等のいずれでもよく、特に限定はないが、イオン交換水や蒸留水等が好ましい。また、水の硬度の観点からは、水が軟水であると、品質管理の観点から好ましい。
【0030】
〔チキソトロピーインデックス〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液のチキソトロピーインデックスは適正な範囲である必要がある。防着剤の水分散液はゴムへの処理時は短時間で表面へ広がることが求められ、処理後は液ダレせずに表面へ保持されることが望まれる。そのため、防着剤の水分散液には適度なチキソトロピー性が要求される。
チキソトロピーインデックスが低すぎると、処理後に液ダレが生じて防着剤被膜が斑になり、被膜の薄い箇所で密着が生じる。一方でチキソトロピーインデックスが高過ぎると、ゴム表面への濡れに要する時間が長くなって均一に付着しないし、液が部分的に溜まって乾燥しないといった作業性低下を引き起こす場合がある。
チキソトロピーインデックスの適正範囲について、未加硫ゴム用防着剤の20℃における5重量%水分散液のチキソトロピーインデックスは、1.3〜10であり、1.4〜9.0が好ましく、1.5〜8.5がより好ましく、1.6〜8.0が特に好ましい。
【0031】
〔未加硫ゴム用防着剤の製造方法〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤の製造方法については、水膨潤性無機粉末、界面活性剤、金属石鹸、脂肪酸石鹸、さらにその他の成分等を混合する工程を含むものであれば、混合順序や使用する混合設備等について特に限定はない。未加硫ゴム用防着剤は、たとえば、リボン型混合機等の粉体混合機に各成分を順次添加し、混合することで製造することができる。
【0032】
〔防着処理された未加硫ゴムの製造方法〕
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を、未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。ここで、未加硫ゴムは、成形加工されたものであるとよい。
処理工程では、ウェット法、すなわち、未加硫ゴム用防着剤組成物として水が配合された水分散液を用いる方法が好ましい。
【0033】
ウェット法で処理工程を行う場合、未加硫ゴム用防着剤組成物(水分散液)をスプレーする方法や、細流にてゴムに吹き付ける方法や分散液中に浸漬する方法等が挙げられる。水分散液中に浸漬する方法では、均一に未加硫ゴム用防着剤組成物を付着させることができるため好ましい。本発明の製造方法で用いる未加硫ゴムは、通常、100〜180℃に加熱された状態にあり、水分散液中に浸漬する方法で未加硫ゴムを冷却することができる。水分散液の温度は特に限定はないが、0〜60℃であると好ましい。次いで、水分散液を付着後に未加硫ゴムを乾燥する工程を実施してもよい。乾燥の方法としては、特に限定はないが熱風機やブローヒーターにより熱風を送ることで強制的に乾燥させる方法であると、コストが安くてよい。
【0034】
当該水分散液の濃度は、良好な防着性と乾燥性を発揮しやすい観点から、0.01〜10%が好ましく、0.05〜7.5%がより好ましく、0.1〜5.0%がさらに好ましい。0.01%未満では、防着性が悪化する可能性があり、10%超では、乾燥性が悪化する可能性がある。
処理工程では、ドライ法、すなわち、水が配合されていない未加硫ゴム用防着剤組成物を用いる方法を行ってもよい。
このようにして製造された、防着処理された未加硫ゴムでは、次の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合に、未加硫ゴム同士の密着を防止することができる。
【実施例】
【0035】
以下に、本発明を実施例及び比較例を示して具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例における各物性の評価は、以下のようにして行った。
【0036】
[防着性]
未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に対して、100℃に加熱したNR/BR試験片(天然ゴム/ブタジエンゴム;厚み0.5cm×縦5cm×横3cm)を浸漬して直ちに引き上げる。浸漬させたゴム試験片を2枚作製し、風乾したら重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置する。恒温槽から取出した試験片を室温まで空冷し、引張り試験機を用いて100mm/minの速度下で剥離抗力(N/cm)を測定した。剥離抗力が小さいほど剥がしやすく、防着性が高い。評価基準は次の通りであり、剥離抗力が2N/cm未満の場合を合格とした。
剥離抗力が1N/cm以下:防着性は非常に良好(容易に未加硫ゴム同士を剥がすことができる、指標は◎)
剥離抗力が1N/cm超2N/cm未満:防着性は良好(負荷なく未加硫ゴム同士を剥がすことができる、指標は○)
剥離抗力が2N/cm以上3N/cm以下:防着性は不良(未加硫ゴム同士を剥がす時の負荷が大きく、防着性が低い、指標は△)
剥離抗力が3N/cm超:防着性が非常に不良(ゴム同士が密着して剥離が困難である。防着性が非常に低い、指標は×)
【0037】
[崩壊性]
未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を濃縮乾固し、10mm角の乾燥固化物を作製した。各乾燥固化物についてデュロメーターで硬さを測定し、数値が70未満の場合を合格とした。
数値が60未満:崩壊性は非常に良好(乾燥固化物は容易に崩壊する、指標は◎)
数値が60以上70未満:崩壊性は良好(乾燥固化物は崩壊する、指標は○)
数値が70以上80未満:崩壊性は不良(乾燥固化物はやや崩壊し難い、指標は△)
数値が80以上または測定不可:崩壊性は非常に不良(乾燥固化物は崩壊しにくい、指標は×)
【0038】
[乾燥性]
未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に対して、100℃に加熱したNR/BR試験片(天然ゴム/ブタジエンゴム;厚み0.5cm×縦5cm×横3cm)を浸漬して直ちに引き上げる。そして、未加硫ゴム表面が乾くまでに要した時間を目視にて測定する。下部に液だまりができるが、これは全ての試験片に出来るので無視し、この状態に至るまでの乾燥時間を測定する。乾燥時間が短いほど乾燥性が高い。評価基準は次の通りであり、乾燥時間40秒未満の場合を合格とした。
乾燥時間が35秒以下であれば、次の工程に移行するまでの待ち時間が少なく、乾燥性が良い。
乾燥時間が30秒未満:乾燥性は非常に良好(指標は◎)
乾燥時間が30秒以上40秒未満:乾燥性は良好(指標は○)
乾燥時間が40秒以上50秒未満:乾燥性はやや不良(指標は△)
乾燥時間が50秒以上:乾燥性は不良(指標は×)
【0039】
(実施例1)
ベントナイト75g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4g、POE(3)トリデシルエーテル1g、ステアリン酸亜鉛10g、ラウリン酸ナトリウム10gを均一に混合して、未加硫ゴム用防着剤を得た。
次いで、水道水98gに上記防着剤組成物を2g加え、水中に均一分散させて、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得た。得られた水分散液を用いて、防着性、乾燥性、崩壊性を評価した。評価の結果は表1に示すとおりで、防着性、乾燥性及び崩壊性に優れた。
【0040】
(実施例1、3、5、7、9、11、13、15、17
実施例3、5、7、9、11、13、15、17及び参考例2、4、6、8、10、12、14、16及び18では、表1に示すように組成を変更した以外は、実施例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得て、評価した。評価の結果は表1及び2に示す。
【0041】
(比較例1)
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム49g、POE(3)トリデシルエーテル1g、ステアリン酸亜鉛30g、ラウリン酸ナトリウム20gを均一に混合して、未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。
次いで、水道水98gに上記防着剤組成物を2g加え、水中に均一分散させて、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得た。得られた水分散液を用いて、防着性、乾燥性、崩壊性を評価した。
【0042】
(比較例2〜14)
比較例2〜14では、表3に示すように組成を変更した以外は、比較例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得て評価した。その結果を表3にそれぞれ示す。
上記実施例および比較例において、POE(n)とはポリオキシエチレン(オキシエチレンの繰返し単位数:n)、POP(n)とはポリオキシプロピレン(オキシプロピレンの繰り返し単位数:n)を意味する。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
表1〜3から分かるように、実施例の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水膨潤性無機粉末、界面活性剤(脂肪酸石鹸及び金属石鹸を除く)、脂肪酸石鹸及び金属石鹸を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物であって、前記水膨潤性無機粉末がベントナイトであり、前記脂肪酸石鹸がラウリン酸ナトリウム及び/又はステアリン酸ナトリウムを含み、前記金属石鹸がステアリン酸亜鉛であり、前記組成物に対して、前記ベントナイトの重量割合が25〜75重量%、前記界面活性剤の重量割合が5〜30重量%、前記脂肪酸石鹸の重量割合が1〜40重量%、前記ステアリン酸亜鉛の重量割合が1〜40重量%であり、前記界面活性剤が陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を必須に含み、前記組成物に対して、前記陰イオン界面活性剤が1重量%以上、前記非イオン界面活性剤が1重量%以上であり、前記組成物の20℃における5重量%水分散液のTI値(チキソトロピーインデックス)が1.3〜10であるために、防着性、乾燥性及び崩壊性に優れる。
一方、水膨潤性無機粉末がない場合(比較例1〜3)、界面活性剤がない場合(比較例4〜6)、金属石鹸がない場合(比較例7〜9)、脂肪酸石鹸がない場合(比較例10〜12)、TIが1.3〜10の範囲内にない場合(比較例13及び14)には、防着性、乾燥性及び崩壊性のうち少なくともいずれか一つを充足しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、未加硫ゴム製品の生産加工工程に用いられ、未加硫ゴムを次の成型や加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合にゴムの密着を防止することができる。その際、防着剤の乾燥固化物の崩壊性が良好であり、ゴム製品の不良の低減が可能となる。