【氏名又は名称】ヘルムホルツ ツェントゥルム ミュンヘン ドイチェス フォルシュングスツェントゥルム フューア ゲズントハイト ウント ウムヴェルト (ゲーエムベーハー)
【文献】
RN 950455−15−9 REGISTRY,DATABASE REGISTRY[ONLINE] Retrieved from STN,2007年10月12日,検索日:04 APR. 2018
【文献】
RN 1172068−37−9 REGISTRY,DATABASE REGISTRY[ONLINE] Retrieved from STN,2009年8月3日,検索日:04 APR. 2018
【文献】
RN 1172351−24−4 REGISTRY,DATABASE REGISTRY[ONLINE] Retrieved from STN,2009年8月4日,検索日:04 APR. 2018
【文献】
RN 951458−44−9 REGISTRY,DATABASE REGISTRY[ONLINE] Retrieved from STN,2007年10月26日,検索日:04 APR. 2018
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Gが、非置換フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−メチルフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル及び3,5−ジメチルフェニルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本明細書において開示される化合物によるアポトーシス性細胞死の非阻害 96ウェルプレート中、表1−Nの化合物N−1、N−2、N−10(
図1(a))、表1−O/Sの化合物O/S−6若しくはO/S−3(
図1(b))又は表1−Cの化合物C−12、C−91若しくはC−205(
図1(c))(いずれも1μM)と共に、SH−SY5Y細胞を増殖させて播種し(propagated and seeded)、アポトーシスを誘発させるためTNF−alpha(最終濃度:10ng/mL)を加えた。比較のため、アポトーシス及び汎カスパーゼ阻害剤であるz−vad(最終濃度:50μM)及びネクロトーシス阻害剤であるネクロスタチン−1(Nec−1;最終濃度:5μM)を用いた。対照ウェルは、媒体(DMSO)のみ、並びにアポトーシスを誘発するためのTNF−alphaによる処理あり及びなしで確立した。細胞をインキュベーションし、細胞生存を検出及び定量した。TNF−alpha誘発アポトーシス後のパーセント細胞生存を示す(エラーバーは標準偏差(SD)を示す)。
【
図2】肝IRIの動物モデルにおける本発明の化合物の有効性 IRI肝損傷に続く、表1−Nの化合物N−2(「Cmpd」)によるマウスの処理時の、肝細胞損傷の血清マーカーであるGPT(a)及びGOT(b)の有意な減少を、媒体対照と比較して示す。「Sham」のバーは、無傷クリッピング(atraumatic clipping)をしないこと以外は同じプロトコールで処置された対照動物からのデータを表す。示されている誤差はSEMである。Sham+媒体と比較したIRI+媒体の間と同様に、IRI+Cmpdと比較したIRI+媒体の間には有意な差が見られる。IRI+CmpdとSham+媒体の間には有意な差が見られない。
図2(c)は、この研究からの、媒体及び化合物で処理したマウスの肝臓の間の視覚的比較を表す写真を示す。
【
図3】腎IRIの動物モデルにおける本発明の化合物の有効性 1及び10mg/kgの両用量での、表1−Nの化合物N−2(「Cmpd」)での処理後の、腎虚血−再灌流障害(IRI)をかかえるマウスの向上した生存が、媒体対照と比較して観測された。
【
図4】外傷性脳損傷の動物モデルにおける本発明の化合物の有効性 化合物N−2(「Cmpd」)での処理の(有意ではないが)正の効果の傾向は、媒体対照と比較して、外傷性脳損傷(TBI)に続く、マウスの脳における挫傷体積を減少させる。
【0025】
発明の詳細な説明
以降、本発明を更に詳細に記載するが、この発明は、本明細書において記載されている特定の方法論、プロトコール及び試薬に限定されるものではなく、これらが変わってもよいと理解されるものとする。また、本明細書において用いられる用語は、特定の実施態様を記載することのみを目的とするものであり、 本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、そして本発明の範囲は、添付する特許請求の範囲及び本明細書における他の開示によってのみ限定されると理解されるものとする。本明細書において用いられる全ての技術用語及び科学用語は、別途定義されない限り、当技術分野において通常の技術を有するものにより共通して理解される通りの意味を有する。
【0026】
以降において、本発明の構成要素(elements)をより詳細に記載する。これらの構成要素は、特定の実施態様に関して記載されている(listed)が、それらを任意の様式及び任意の数で組み合わせて、更なる実施態様を創造してもよいと理解すべきである。種々に記載されている実施例及び好ましい実施態様は、本発明を、明記された実施態様のみに限定するものと解釈すべきではない。この記載は、明記された実施態様を、任意の数の開示されている及び/又は好ましい構成要素と組み合わせる実施態様を支持し、かつ包含するものと理解すべきである。更に、本願における全ての記載された構成要素の任意の順序変更(permutations)及び組み合わせは、文脈がそうではないと示していない限り、本願の記載により開示されていると見なすべきである。例えば、ある1つの実施態様において、本発明の化合物のR
8がハロゲン(例えば、Cl)であり、本発明の化合物の別の実施態様において、環Aが4−ピペリジニレンであれば、好ましい実施態様では、本発明の化合物のR
8がハロゲン(例えば、Cl)であり、かつ環Aが4−ピペリジニレンである。
【0027】
好ましくは、本明細書において用いられる用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)、 H.G.W. Leuenberger, B. Nagel, and H. Kolbl, Eds., Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland, (1995)」に記載される通りに定義される。
【0028】
本発明の実施は、特に断りのない限り、当該分野の文献(例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2
nd Edition, J. Sambrook et al. eds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor 1989を参照)中で説明されている、化学、生化学及び組み替えDNA技術の従来の方法を使用するであろう。
【0029】
本明細書及びこれに続く特許請求の範囲を通じて、文脈がそうではないことを要求しない限り、単語「comprise」並びに「comprises」及び「comprising」等の変形体は、明記された部材(member)、整数若しくは工程、又は部材、整数若しくは工程の群を包含するが、それ以外の任意の部材、整数若しくは工程、又は部材、整数若しくは工程の群を除外しない、との意を含むと理解されよう。本発明を記載する文脈(特に、特許請求の範囲の文脈)中において用いられる用語「a」及び「an」及び「the」並びに類似の参照は、本明細書において特に断りのない限り又は文脈上明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形の両者を含むと解釈される。本明細書における数値範囲の列挙は単に、範囲に含まれる各々の別個の数値を個別に参照するための簡略法として役立つことを意図するものである。本明細書において特に断りのない限り、各々の個別の数値は、あたかも本明細書において個別に列挙されているかのように、明細書に組み入れられる。本明細書において特に断りのない限り又は文脈上明らかに矛盾しない限り、本明細書に記載された方法はいずれも任意の適切な順序で実施することができる。本明細書において提供される、任意の及び全ての例、又は例示の言葉(例えば、「such as」)は、単に本発明をよりよく説明することを意図するものであって、クレームされたものとは異なる(otherwise claimed)本発明の範囲の限定という問題を引き起こすものではない。本明細書中の言葉はいずれも、本発明の実施に必須のクレームされていない構成要素を示していると解釈されるべきではない。
【0030】
本明細書本文全体にわたり、いくつかの文書が引用されている。前後いずれでも、本明細書において引用されている文書(特許、特許出願、科学系出版物、製造業者の仕様書、説明書等の全てを含む)は各々、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本明細書中のいかなるものも、本発明が、先発明として、そのような開示に対して先行しているとされる資格がないことの自白と解釈されることはない。
【0031】
用語「アルキル」は、飽和直鎖状又は分岐鎖状炭化水素の1価基を指す。好ましくは、アルキル基は、1〜12個(例えば、1〜10個)の炭素原子、即ち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子)、より好ましくは、1〜8個の炭素原子、例えば、1〜6又は1〜4個の炭素原子を含む。例示的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、sec−ペンチル、neo−ペンチル、1,2−ジメチル-プロピル、イソ−アミル、n−ヘキシル、イソ−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソ−ヘプチル、n−オクチル、2−エチル−ヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等が含まれる。
【0032】
用語「アルキレン」は、飽和直鎖状又は分岐鎖状炭化水素の2価基を指す。好ましくは、アルキレンは、1〜10個の炭素原子、即ち1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子、より好ましくは、1〜8個の炭素原子、例えば、1〜6又は1〜4個の炭素原子を含む。例示的なアルキレン基には、メチレン、エチレン(即ち、1,1−エチレン、1,2−エチレン)、プロピレン(即ち、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン(−CH(CH
3)CH
2−)、2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−)及び1,3−プロピレン)、ブチレン異性体(例えば、1,1−ブチレン、1,2−ブチレン、2,2−ブチレン、1,3−ブチレン、2,3−ブチレン(cis若しくはtrans、又はそれらの混合物)、1,4−ブチレン、1,1−イソ−ブチレン、1,2−イソ−ブチレン及び1,3−イソ−ブチレン)、ペンチレン異性体(例えば、1,1−ペンチレン、1,2−ペンチレン、1,3−ペンチレン、1,4−ペンチレン、1,5−ペンチレン、1,1−イソ−ペンチレン、1,1−sec−ペンチル、1,1−neo−ペンチル)、ヘキシレン異性体(例えば、1,1−ヘキシレン、1,2−ヘキシレン、1,3−ヘキシレン、1,4−ヘキシレン、1,5−ヘキシレン、1,6−ヘキシレン及び1,1−イソ−ヘキシレン)等が含まれる。
【0033】
用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する不飽和直鎖状又は分岐鎖状炭化水素の1価基を指す。一般に、アルケニル基中の炭素−炭素二重結合の最大数は、アルケニル基中の炭素原子の数を2で割ること、そしてもしアルケニル基中の炭素原子の数が奇数であれば、次いでその除算の結果を1つ下の整数に丸めることにより算出される整数と等しいものであることができる。例えば、9個の炭素原子を有するアルケニル基については、炭素−炭素二重結合の最大数は4である。好ましくは、アルケニル基は1〜4個、即ち1、2、3又は4個の炭素−炭素二重結合を有する。好ましくは、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子、即ち2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子、より好ましくは、2〜8個の炭素原子、例えば、2〜6個の炭素原子又は2〜4個の炭素原子を含む。よって、好ましい実施態様では、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子及び1、2、3、4又は5個の炭素−炭素二重結合、より好ましくは、2〜8個の炭素原子及び1、2、3又は4個の炭素−炭素二重結合、例えば、2〜6個の炭素原子及び1、2若しくは3個の炭素−炭素二重結合、又は2〜4個の炭素原子及び1若しくは2個の炭素−炭素二重結合を含む。炭素−炭素二重結合は、cis(Z)配座であっても、trans(E)配座であってもよい。例示的なアルケニル基には、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(即ちアリル)、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、5−ヘプテニル、6−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、3−オクテニル、4−オクテニル、5−オクテニル、6−オクテニル、7−オクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、3−ノネニル、4−ノネニル、5−ノネニル、6−ノネニル、7−ノネニル、8−ノネニル、1−デセニル、2−デセニル、3−デセニル、4−デセニル、5−デセニル、6−デセニル、7−デセニル、8−デセニル、9−デセニル等が含まれる。アルケニル基が窒素原子と結合している場合、二重結合が窒素原子についてのアルファ位であることはできない。
【0034】
用語「アルケニレン」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する不飽和直鎖状又は分岐鎖状炭化水素の2価基を指す。一般に、アルケニレン基中の炭素−炭素二重結合の最大数は、アルケニレン基中の炭素原子の数を2で割ること、そしてもしアルケニレン基中の炭素原子の数が奇数であれば、次いでその除算の結果を1つ下の整数に丸めることにより算出される整数と等しいものであることができる。例えば、9個の炭素原子を有するアルケニレン基については、炭素−炭素二重結合の最大数は4である。好ましくは、アルケニレン基は1〜4個、即ち1、2、3又は4個の炭素−炭素二重結合を有する。好ましくは、アルケニレン基は、2〜10個の炭素原子、即ち2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子、より好ましくは、2〜8個の炭素原子、例えば、2〜6個の炭素原子又は2〜4個の炭素原子を含む。よって、好ましい実施態様では、アルケニレン基は、2〜10個の炭素原子及び1、2、3、4又は5個の炭素−炭素二重結合、より好ましくは、2〜8個の炭素原子及び1、2、3又は4個の炭素−炭素二重結合、例えば、2〜6個の炭素原子及び1、2若しくは3個の炭素−炭素二重結合、又は2〜4個の炭素原子及び1若しくは2個の炭素−炭素二重結合を含む。炭素−炭素二重結合は、cis(Z)配座であっても、trans(E)配座であってもよい。例示的なアルケニレン基には、エテン−1,2−ジイル、ビニリデン、1−プロペン−1,2−ジイル、1−プロペン−1,3−ジイル、1−プロペン−2,3−ジイル、アリリデン、1−ブテン−1,2−ジイル、1−ブテン−1,3−ジイル、1−ブテン−1,4−ジイル、1−ブテン−2,3−ジイル、1−ブテン−2,4−ジイル、1−ブテン−3,4−ジイル、2−ブテン−1,2−ジイル、2−ブテン−1,3−ジイル、2−ブテン−1,4−ジイル、2−ブテン−2,3−ジイル、2−ブテン−2,4−ジイル、2−ブテン−3,4−ジイル等が含まれる。アルケニレン基が窒素原子と結合している場合、二重結合が窒素原子についてのアルファ位であることはできない。
【0035】
用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する不飽和直鎖状又は分岐鎖状炭化水素の1価基を指す。一般に、アルキニル基中の炭素−炭素三重結合の最大数は、アルキニル基中の炭素原子の数を2で割ること、そしてもしアルキニル基中の炭素原子の数が奇数であれば、次いでその除算の結果を1つ下の整数に丸めることにより算出される整数と等しいものであることができる。例えば、9個の炭素原子を有するアルキニル基については、炭素−炭素三重結合の最大数は4である。好ましくは、アルキニル基は1〜4個、即ち1、2、3又は4個、より好ましくは、1又は2個の炭素−炭素三重結合を有する。好ましくは、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子、即ち2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子、より好ましくは、2〜8個の炭素原子、例えば、2〜6個の炭素原子又は2〜4個の炭素原子を含む。よって、好ましい実施態様では、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子及び1、2、3、4又は5個(好ましくは1、2又は3個)の炭素−炭素三重結合、より好ましくは、2〜8個の炭素原子及び1、2、3又は4個(好ましくは1又は2個)の炭素−炭素三重結合、例えば、2〜6個の炭素原子及び1、2若しくは3個の炭素−炭素三重結合、又は2〜4個の炭素原子及び1若しくは2個の炭素−炭素三重結合を含む。例示的なアルキニル基には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、2−ヘプチニル、3−ヘプチニル、4−ヘプチニル、5−ヘプチニル、6−ヘプチニル、1−オクチニル、2−オクチニル、3−オクチニル、4−オクチニル、5−オクチニル、6−オクチニル、7−オクチニル、1−ノニニル、2−ノニニル、3−ノニニル、4−ノニニル、5−ノニニル、6−ノニニル、7−ノニニル、8−ノニニル、1−デシニル、2−デシニル、3−デシニル、4−デシニル、5−デシニル、6−デシニル、7−デシニル、8−デシニル、9−デシニル等が含まれる。アルキニル基が窒素原子と結合している場合、三重結合が窒素原子についてのアルファ位であることはできない。
【0036】
用語「アルキニレン」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する不飽和直鎖状又は分岐鎖状炭化水素の2価基を指す。一般に、アルキニレン基中の炭素−炭素三重結合の最大数は、アルキニレン基中の炭素原子の数を2で割ること、そしてもしアルキニレン基中の炭素原子の数が奇数であれば、次いでその除算の結果を1つ下の整数に丸めることにより算出される整数と等しいものであることができる。例えば、9個の炭素原子を有するアルキニレン基については、炭素−炭素三重結合の最大数は4である。好ましくは、アルキニレン基は1〜4個、即ち1、2、3又は4個、より好ましくは、1又は2個の炭素−炭素三重結合を有する。好ましくは、アルキニレン基は、2〜10個の炭素原子、即ち2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子、より好ましくは、2〜8個の炭素原子、例えば、2〜6個の炭素原子又は2〜4個の炭素原子を含む。よって、好ましい実施態様では、アルキニレン基は、2〜10個の炭素原子及び1、2、3、4又は5個(好ましくは1、2又は3個)の炭素−炭素三重結合、より好ましくは、2〜8個の炭素原子及び1、2、3又は4個(好ましくは1又は2個)の炭素−炭素三重結合、例えば、2〜6個の炭素原子及び1、2若しくは3個の炭素−炭素三重結合、又は2〜4個の炭素原子及び1若しくは2個の炭素−炭素三重結合を含む。例示的なアルキニレン基には、エチン−1,2−ジイル、1−プロピン−1,3−ジイル、1−プロピン−3,3−ジイル、1−ブチン−1,3−ジイル、1−ブチン−1,4−ジイル、1−ブチン−3,4−ジイル、2−ブチン−1,4−ジイル等が含まれる。アルキニレン基が窒素原子と結合している場合、三重結合が窒素原子についてのアルファ位であることはできない。
【0037】
用語「アリール」又は「芳香族環」は、芳香族環状炭化水素の1価基を指す。好ましくは、アリール基は、3〜14個(例えば、5〜10個(5、6又は10個等))の、1つの環(例えば、フェニル)又は2つ以上の縮合環(例えば、ナフチル)内に配列し得る炭素原子を含有する。例示的なアリール基には、シクロプロペニリウム、シクロペンタジエニル、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、アントリル及びフェナントリルが含まれる。好ましくは、「アリール」は、6個の炭素原子を含有する単環式環又は10個の炭素原子を含有する芳香族二環式環系を指す。好ましい例は、フェニル及びナフチルである。
【0038】
用語「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族環」は、上記と同義のアリール基で、そのアリール基内の1個以上の炭素原子が、ヘテロ原子O、S又はNで置換されているものを意味する。好ましくは、ヘテロアリールは、1個、2個又は3個の炭素原子が、同一又は異なるヘテロ原子O、N又はSで置換されている5又は6員芳香族単環式環を指す。或いは、それは、1、2、3、4又は5個の炭素原子が、同一又は異なるヘテロ原子O、N又はSで置換されている芳香族二環式又は三環式環系を意味する。好ましくは、ヘテロアリール基の各環において、O原子の最大数は1であり、S原子の最大数は1であり、O及びS原子の最大合計数は2である。例示的なヘテロアリール基には、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,5−及び1,2,3−)、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,3−及び1,2,4−)、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(1,2,3−及び1,2,5−)、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル(1,2,3−、1,2,4−、及び1,3,5−)、ベンゾフラニル(1−及び2−)、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル(1−及び2−)、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、インドキサジニル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾトリアジニル(1,2,3−及び1,2,4−ベンゾトリアジニル)、ピリダジニル、フェノキサジニル、チアゾロピリジニル、ピロロチアゾリル、フェノチアジニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、ピロリジニル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル(1,5−、1,6−、1,7−、1,8−及び2,6−)、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル(1,7−、1,8−、1,10−、3,8−及び4,7−)、フェナジニル、オキサゾロピリジニル、イソキサゾロピリジニル、ピロロオキサゾリル及びピロロピロリルが含まれる。例示的な5又は6員ヘテロアリール基には、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,5−及び1,2,3−)、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,3−及び1,2,4−)、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(1,2,3−及び1,2,5−)、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル(1,2,3−、1,2,4−及び1,3,5−)及びピリダジニルが含まれる。
【0039】
用語「シクロアルキル」又は「脂環式」は、好ましくは3〜14個の炭素原子(例えば、3〜10個の炭素原子、即ち3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子)、より好ましくは3〜7個の炭素原子を有する「アルキル」及び「アルケニル」の環状非芳香族版を表す。例示的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロノニル、シクロノネニル、シクロデシル、シクロデセニル及びアダマンチルが含まれる。用語「シクロアルキル」はまた、それらの二環式及び三環式版を含むことが意図される。二環式環が形成される場合、それぞれの環が、隣接する2個の炭素原子において互いに連結されることが好ましいが、代わりに、2個の環は、同一の炭素原子を介して連結される、即ち、それらはスピロ環系を形成するか、又は、それらは「架橋」環系を形成する。シクロアルキルの好ましい例には、C
3−C
8−シクロアルキル、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、スピロ[3,3]ヘプチル、スピロ[3,4]オクチル、スピロ[4,3]オクチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル及びビシクロ[4.2.0]オクチルが含まれる。
【0040】
用語「シクロプロピレン」は、1個の水素原子が除去されて2価基となった、上記と同義のシクロプロピル基を意味する。シクロプロピレンは、2個の原子又は部分と、同一の炭素原子を介して(1,1−シクロプロピレン、即ちジェミナル2価基)結合してもよく、又は、2個の炭素原子を介して(1,2−シクロプロピレン)結合してもよい。
【0041】
用語「ヘテロシクリル」又は「複素環」は、上記と同義のシクロアルキル基で、そのシクロアルキル基内の1、2、3又は4個の炭素原子が、ヘテロ原子O、S又はNで置換されているものを意味する。好ましくは、ヘテロシクリル基の各環において、O原子の最大数は1であり、S原子の最大数は1であり、O及びS原子の最大合計数は2である。用語「ヘテロシクリル」はまた、上記ヘテロアリール基の部分的又は完全に水素化した形態(例えば、ジヒドロ、テトラヒドロ又はペルヒドロ体)を含むことが意図される。例示的なヘテロシクリル基には、モルホリノ、イソクロマニル、クロマニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、ジ及びテトラヒドロフラニル、ジ及びテトラヒドロチエニル、ジ及びテトラヒドロオキサゾリル、ジ及びテトラヒドロイソキサゾリル、ジ及びテトラヒドロオキサジアゾリル(1,2,5−及び1,2,3−)、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、ジ及びテトラヒドロトリアゾリル(1,2,3−及び1,2,4−)、ジ及びテトラヒドロチアゾリル、ジ及びテトラヒドロチアゾリル、ジ及びテトラヒドロチアジアゾリル(1,2,3−及び1,2,5−)、ジ及びテトラヒドロピリジル、ジ及びテトラヒドロピリミジニル、ジ及びテトラヒドロピラジニル、ジ及びテトラヒドロトリアジニル(1,2,3−、1,2,4−、及び1,3,5−)、ジ及びテトラヒドロベンゾフラニル(1−及び2−)、ジ及びテトラヒドロインドリル、ジ及びテトラヒドロイソインドリル、ジ及びテトラヒドロベンゾチエニル(1−及び2)、ジ及びテトラヒドロ−1H−インダゾリル、ジ及びテトラヒドロベンゾイミダゾリル、ジ及びテトラヒドロベンゾオキサゾリル、ジ及びテトラヒドロインドキサジニル、ジ及びテトラヒドロベンゾイソキサゾリル、ジ及びテトラヒドロベンゾチアゾリル、ジ及びテトラヒドロベンゾイソチアゾリル、ジ及びテトラヒドロベンゾトリアゾリル、ジ及びテトラヒドロキノリニル、ジ及びテトラヒドロイソキノリニル、ジ及びテトラヒドロベンゾジアジニル、ジ及びテトラヒドロキノキサリニル、ジ及びテトラヒドロキナゾリニル、ジ及びテトラヒドロベンゾトリアジニル(1,2,3及び1,2,4−)、ジ及びテトラヒドロピリダジニル、ジ及びテトラヒドロフェノキサジニル、ジ及びテトラヒドロチアゾロピリジニル(例えば、4,5,6−7−テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジニル又は4,5,6−7−テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−c]ピリジニル、例えば、4,5,6−7−テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル又は4,5,6−7−テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)、ジ及びテトラヒドロピロロチアゾリル(例えば、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアゾリル)、ジ及びテトラヒドロフェノチアジニル、ジ及びテトラヒドロイソベンゾフラニル、ジ及びテトラヒドロクロメニル、ジ及びテトラヒドロキサンテニル、ジ及びテトラヒドロフェノキサチイニル、ジ及びテトラヒドロピロリジニル、ジ及びテトラヒドロインドリジニル、ジ及びテトラヒドロインダゾリル、ジ及びテトラヒドロプリニル、ジ及びテトラヒドロキノリジニル、ジ及びテトラヒドロフタラジニル、ジ及びテトラヒドロナフチリジニル(1,5−、1,6−、1,7−、1,8−及び2,6−)、ジ及びテトラヒドロシンノリニル、ジ及びテトラヒドロプテリジニル、ジ及びテトラヒドロカルバゾリル、ジ及びテトラヒドロフェナントリジニル、ジ及びテトラヒドロアクリジニル、ジ及びテトラヒドロペリミジニル、ジ及びテトラヒドロフェナントロリニル(1,7−、1,8−、1,10−、3,8−、及び4,7−)、ジ及びテトラヒドロフェナジニル、ジ及びテトラヒドロオキサゾロピリジニル、ジ及びテトラヒドロイソキサゾロピリジニル、ジ及びテトラヒドロピロロオキサゾリル並びにジ及びテトラヒドロピロロピロリルが含まれる。例示的な5又は6員ヘテロシクリル基には、モルホリノ、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジ及びテトラヒドロフラニル、ジ及びテトラヒドロチエニル、ジ及びテトラヒドロオキサゾリル、ジ及びテトラヒドロイソキサゾリル、ジ及びテトラヒドロオキサジアゾリル(1,2,5−及び1,2,3−)、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、ジ及びテトラヒドロトリアゾリル(1,2,3−及び1,2,4−)、ジ及びテトラヒドロチアゾリル、ジ及びテトラヒドロイソチアゾリル、ジ及びテトラヒドロチアジアゾリル(1,2,3−及び1,2,5−)、ジ及びテトラヒドロピリジル、ジ及びテトラヒドロピリミジニル、ジ及びテトラヒドロピラジニル、ジ及びテトラヒドロトリアジニル(1,2,3−、1,2,4−、及び1,3,5−)並びにジ及びテトラヒドロピリダジニルが含まれる。
【0042】
本明細書で使用する用語「N−ヘテロシクロアルキレン」は、上記と同義のヘテロシクリル基で、少なくとも1個の環窒素原子を含有し、かつ1個の水素原子が同一の炭素原子から除去されてジェミナル2価基となっているものを意味する。N−ヘテロシクロアルキレンは、上記少なくとも1個の環窒素原子に加え、O、S又はNからなる群より選択される、1個、2個又は3個の更なる環ヘテロ原子を含有していてよい。好ましくは、N−ヘテロシクロアルキレン基の各環において、O原子の最大数は1であり、S原子の最大数は1であり、O及びS原子の最大合計数は2である。好ましくは、N−ヘテロシクロアルキレンは、単環式であり、1個、2個又は3個の環窒素原子を含有し、かつ、場合により、O又はS環原子を含有しない。用語「N−ヘテロシクロアルキレン」はまた、少なくとも1個の環窒素原子を含有し、かつ1個の水素原子が同一の炭素原子から除去されてジェミナル2価基となっている上記ヘテロアリール基の部分的又は完全に水素化した形態(例えば、ジヒドロ、テトラヒドロ又はペルヒドロ体)(好ましくは、上記単環式ヘテロアリール基の部分的又は完全に水素化した形態)を含むことが意図される。よって、本発明によれば、N−ヘテロシクロアルキレンは飽和でも不飽和でもよい(即ち、環内に1個以上の二重結合を含有していてよい)が、芳香族であることはできない。例示的なN−ヘテロシクロアルキレン基には、アゼチジニレン(Nは2価基炭素原子に対して2又は3位)、ピロリジニレン(Nは2又は3位)、ピラゾリジニレン(Nは、2及び3位又は3及び4位)、イミダゾリジニレン(Nは、2及び4位又は2及び5位)、トリアゾリジニレン(Nは、2、3及び4位又は2、3及び5位)、ピペリジニレン(Nは、2、3又は4位)、ピペラジニレン(Nは、2及び5位)、ジ、テトラ及びヘキサヒドロピリダジニレン(Nは、2及び3位又は3及び4位)、ジ、テトラ及びヘキサヒドロピリミジニレン(Nは、2及び4位又は3及び5位)、ジ及びテトラヒドロトリアジニレン、アゼパニレン(Nは、2、3又は4位)、ジアゼパニレン(Nは、2及び3位;2及び4位;2及び5位;2及び6位;2及び7位;3及び4位;3及び5位;3及び6位又は4及び5位)、トリアゼパニレン(Nは、2、3及び4位;2、3及び5位;2、3及び6位;2、3及び7位;2、4及び5位;2、4及び6位;2、4及び7位;2、5及び6位;2、5及び7位;3、4及び5位又は3、4及び6位)、アゾカニレン(Nは、2、3、4又は5位)、ジアゾカニレン(Nは、2及び3位;2及び4位;2及び5位;2及び6位;2及び7位;2及び8位;3及び4位;3及び5位;3及び6位;3及び7位;4及び5位又は4及び6位)、トリアゾカニレン(Nは、2、3及び4位;2、3及び5位;2、3及び6位;2、3及び7位;2、3及び8位;2、4及び5位;2、4及び6位;2、4及び7位;2、4及び8位;2、5及び6位;2、5及び7位;2、5及び8位;2、6及び7位;3、4及び5位;3、4及び6位;3、4及び7位;3、5及び6位;3、5及び7位又は4、5及び6位)及びモルホリニレンが含まれる。
【0043】
本明細書で使用する用語「単環式4〜10員N−ヘテロシクロアルキレン」は、N−ヘテロシクロアルキレンの4〜10個のメンバーが、単一の環(例えば、ピペリジニレン)を形成するような様式で連結されていることを意味する。よって、環Aのスピロ炭素原子(環A及びキノキサリン部の両方に属する)を除き、環Aの残りの3〜9個の環原子は、環Aのみに属する、即ち、環Aのそれらの環原子は、それ以上の環には属さない。したがって、本発明によれば、用語「単環式4〜10員N−ヘテロシクロアルキレン」は、少なくとも2個の環原子が1超の環に属する、多環式(例えば、二又は三環式)構造(例えば、インドリニレン)を包含しない。
【0044】
本明細書で使用する用語「O/S−ヘテロシクロアルキレン」は、上記と同義のヘテロシクリル基で、酸素及び硫黄より選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含有し、かつ1個の水素原子が同一の炭素原子から除去されてジェミナル2価基となっているものを意味する。好ましくは、O/S−ヘテロシクロアルキレンの環原子は各々、炭素、酸素及び硫黄からなる群より選択される(即ち、好ましくは、O/S−ヘテロシクロアルキレンは、酸素又は硫黄以外のヘテロ原子を含有しない)。好ましくは、O/S−ヘテロシクロアルキレン基の各環において、O原子の最大数は2又は1であり、S原子の最大数は2又は1であり、O及びS原子の最大合計数は2である。好ましくは、O/S−ヘテロシクロアルキレンは、単環式であり、酸素及び硫黄より選択される1個又は2個の環ヘテロ原子を含有し、かつ、場合により、酸素又は硫黄以外の環ヘテロ原子を含有しない。用語「O/S−ヘテロシクロアルキレン」はまた、酸素及び硫黄より選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含有し、かつ1個の水素原子が同一の炭素原子から除去されてジェミナル2価基となっている上記ヘテロアリール基の部分的又は完全に水素化した形態(例えば、ジヒドロ、テトラヒドロ又はペルヒドロ体)(好ましくは、上記単環式ヘテロアリール基の部分的又は完全に水素化した形態)を含むことが意図される。よって、本発明によれば、O/S−ヘテロシクロアルキレンは飽和でも不飽和でもよい(即ち、環内に1個以上の二重結合を含有していてよい)が、芳香族であることはできない。例示的なO/S−ヘテロシクロアルキレン基には、オキセタニレン(Oは2又は3位)、チエタニレン(Sは2又は3位)、ジ及びテトラヒドロフラニレン(Oは2又は3位)、ジ及びテトラヒドロチエニレン(Sは2又は3位)、ジ及びテトラヒドロピラニレン(Oは2、3又は4位)、ジ及びテトラヒドロチオピラニレン(Sは2、3又は4位)、オキセパニレン(Oは2、3又は4位)、チエパニレン(Sは2、3又は4位)、オキソカニレン(Oは2、3、4又は5位)、チオカニレン(Sは2、3、4又は5位)、ジオキソラニレン(Oは、2及び4位又は2及び5位)、ジチオラニレン(Sは、2及び3位;2及び4位;2及び5位又は3及び4位)、オキサチオラニレン(Oは2位かつSは3若しくは4位;Oは4位かつSは2位;又はOは2位かつSは5位)、ジオキサニレン(Oは2及び4位;2及び5位;2及び6位又は3及び5位)、ジチアニレン(Sは2及び3位;2及び4位;2及び5位;2及び6位;3及び4位又は3及び5位)、オキサチアニレン(Oは2位かつSは4、5若しくは6位;Oは3位かつSは5若しくは6位;又はSは2位かつOは4位)、ジオキセパニレン(Oは2及び4位;2及び5位;2及び6位;2及び7位;3及び5位又は3及び6位)、ジチエパニレン(Sは2及び3位;2及び4位;2及び5位;2及び6位;2及び7位;3及び4位;3及び5位;3及び6位又は4及び5位)、オキサチエパニレン(Oは2位かつSは4、5、6若しくは7位;Oは3位かつSは5、6若しくは7位;Oは4位かつSは6若しくは7位;又はSは2位かつOは4位)、ジオキソカニレン(Oは2及び4位;2及び5位;2及び6位;2及び7位;2及び8位;3及び5位;3及び6位;3及び7位又は4及び6位)、ジチオカニレン(Sは2及び3位;2及び4位;2及び5位;2及び6位;2及び7位;2及び8位;3及び4位;3及び5位;3及び6位;3及び7位;4及び5位又は4及び6位)及びオキサチオカニレン(Oは2位かつSは2、3、4、5、6若しくは7位;Oは3位かつSは5、6、7若しくは8位;Oは4位かつSは6、7若しくは8位;Sは2位かつOは4若しくは5位;Sは3位かつOは5位)が含まれる。
【0045】
本明細書で使用する用語「単環式4〜10員O/S−ヘテロシクロアルキレン」は、O/S−ヘテロシクロアルキレンの4〜10個のメンバーが、単一の環(例えば、テトラヒドロピラニレン)を形成するような様式で連結されていることを意味する。よって、環Aのスピロ炭素原子(環A及びキノキサリン部の両方に属する)を除き、環Aの残りの3〜9個の環原子は、環Aのみに属する、即ち、環Aのそれらの環原子は、それ以上の環には属さない。したがって、本発明によれば、用語「単環式4〜10員O/S−ヘテロシクロアルキレン」は、少なくとも2個の環原子が1超の環に属する、多環式(例えば、二又は三環式)構造(例えば、3,4−ジヒドロ−2H−クロメニレン)を包含しない。
【0046】
本明細書で使用する用語「シクロアルキレン」は、上記と同義のシクロアルキル基で、1個の水素原子が同一の炭素原子から除去されてジェミナル2価基となっているものを意味する。好ましくは、シクロアルキレンは、単環式である。用語「シクロアルキレン」はまた、1個の水素原子が同一の炭素原子から除去されてジェミナル2価基となっている上記アリール基の部分的又は完全に水素化した形態(例えば、ジヒドロ、テトラヒドロ又はペルヒドロ体)(好ましくは、上記単環式アリール基の部分的又は完全に水素化した形態)を含むことが意図される。よって、本発明によれば、シクロアルキレンは飽和でも不飽和でもよい(即ち、環内に1個以上の二重結合を含有していてよい)が、芳香族であることはできない。例示的なシクロアルキレン基には、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロオクチレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレン、シクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン及びシクロオクテニレンが含まれる。
【0047】
本明細書で使用する用語「単環式3〜10員シクロアルキレン」は、シクロアルキレンの3〜10個の環炭素原子が、単一の環(例えば、シクロヘキシレン)を形成するような様式で連結されていることを意味する。よって、環Aのスピロ炭素原子(環A及びキノキサリン部の両方に属する)を除き、環Aの残りの2〜9個の環炭素原子は、環Aのみに属する、即ち、環Aのそれらの環炭素原子は、それ以上の環には属さない。したがって、本発明によれば、用語「単環式3〜10員シクロアルキレン」は、少なくとも2個の環原子が1超の環に属する、多環式(例えば、二又は三環式)構造(例えば、インダニレン)を包含しない。
【0048】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
【0049】
用語「アジド」は、N
3を意味する。
【0050】
本明細書で使用する用語「環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよい」は、2個の1価基(即ちR
9)が、環Aのただ1つの環炭素原子と結合している合計2個の水素原子を置換している場合、2価基=Xを形成することができることを意味する。例えば、本発明によれば、下記式:
【化5】
である環Aは、(1)両方のR
9基が、本明細書において特定される特定の部分(例えば、メチル、−Cl、−OH又は−C(O)CH
3))より独立に選択される1価基である可能性のみならず、(2)2個のR
9基が一緒になって2価基=Xを形成し、下記式:
【化6】
[式中、Xは、O、S又はN(R
14)である]を有する環Aをもたらす可能性をも包含する。「シクロアルキル又はヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
30は、一緒になって=X
1を形成していてもよい」等の、本明細書で使用する類似の用語は、同様に解釈される。
【0051】
用語「場合により、置換されている」は、1個以上(例えば、1〜ある基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の水素原子が、アルキル(好ましくはC
1−6アルキル)、アルケニル(好ましくはC
2−6アルケニル)、アルキニル(好ましくはC
2−6アルキニル)、アリール(好ましくは3〜14員アリール)、ヘテロアリール(好ましくは3〜14員ヘテロアリール)、シクロアルキル(好ましくは3〜14員シクロアルキル)、ヘテロシクリル(好ましくは3〜14員ヘテロシクリル)、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
71、−N(R
72)(R
73)、−ON(R
72)(R
73)、−N
+(−O
−)(R
72)(R
73)、−S(O)
0−2R
71、−S(O)
0−2OR
71、−OS(O)
0−2R
71、−OS(O)
0−2OR
71、−S(O)
0−2N(R
72)(R
73)、−OS(O)
0−2N(R
72)(R
73)、−N(R
71)S(O)
0−2R
71、−NR
71S(O)
0−2OR
71、−NR
71S(O)
0−2N(R
72)(R
73)、−C(=X
1)R
71、−C(=X
1)X
1R
71、−X
1C(=X
1)R
71及び−X
1C(=X
1)X
1R
71等の、水素とは異なる基(即ち、第1レベル置換基)で置換されていてもよく、及び/又は、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第1レベル置換基は、一緒になって=X
1を形成していてもよく、ここで、第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、それら自体が、1個、2個若しくは3個の置換基(即ち、第2レベル置換基)で置換されていてもよく、該第2レベル置換基は、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OR
81、−N(R
82)(R
83)、−ON(R
82)(R
83)、−N
+(−O
−)(R
82)(R
83)、−S(O)
0−2R
81、−S(O)
0−2OR
81、−OS(O)
0−2R
81、−OS(O)
0−2OR
81、−S(O)
0−2N(R
82)(R
83)、−OS(O)
0−2N(R
82)(R
83)、−N(R
81)S(O)
0−2R
81、−NR
81S(O)
0−2OR
81、−NR
81S(O)
0−2N(R
82)(R
83)、−C(=X
2)R
81、−C(=X
2)X
2R
81、−X
2C(=X
2)R
81及び−X
2C(=X
2)X
2R
81からなる群より選択され、及び/又は、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第2レベル置換基は、一緒になって=X
2を形成していてもよく、ここで、第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の置換基(即ち、第3レベル置換基)で置換されており、該第3レベル置換基は、独立に、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
zからなる群より選択され、ここで、zは、0、1若しくは2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピルであり、及び/又は、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第3レベル置換基は、一緒になって=O、=S、=NH若しくは=N(C
1−3アルキル)を形成していてもよく;
R
71、R
72及びR
73は、独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
又は、R
72及びR
73は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されている5又は6員環を形成していてもよく;
R
81、R
82及びR
83は、独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
又は、R
82及びR
83は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されている5又は6員環を形成していてもよく;
X
1及びX
2は、独立に、O、S及びNR
84(R
84は、−H又はC
1−3アルキルである)より選択されることを示す。
【0052】
典型的な第1レベル置換基は、好ましくは、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員(例えば、5又は6員)アリール、3〜14員(例えば、5又は6員)ヘテロアリール、3〜14員(例えば、3〜7員)シクロアルキル、3〜14員(例えば、3〜7員)ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
71、−N(R
72)(R
73)、−S(O)
0−2R
71、−S(O)
0−2OR
71、−OS(O)
0−2R
71、−OS(O)
0−2OR
71、−S(O)
0−2N(R
72)(R
73)、−OS(O)
0−2N(R
72)(R
73)、−N(R
71)S(O)
0−2R
71、−NR
71S(O)
0−2OR
71、−C(=X
1)R
71、−C(=X
1)X
1R
71、−X
1C(=X
1)R
71及び−X
1C(=X
1)X
1R
71(例えば、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである))からなる群より選択され;X
1は、独立に、O、S、NH及びN(CH
3)より選択され;R
71、R
72及びR
73は、上記と同義であるか、又は、好ましくは、独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、5又は6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び5又は6員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;又は、R
72及びR
73は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されている5又は6員環を形成していてもよい。
【0053】
典型的な第2レベル置換基は、好ましくは、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、5又は6員シクロアルキル、5又は6員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。特に好ましい第2レベル置換基には、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル(即ちアゼパニル、特に4−アゼパニル)、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル(即ちジアゼパニル、特に2,4−ジアゼパニル)、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル、−CH
2CH
2OCH
3、−OCH
2CH
2OCH
3、−CH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−OCH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−CF
3及び−OCF
3が含まれる。
【0054】
典型的な第3レベル置換基は、好ましくは、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、前記の基を部分的及び完全に水素化した形態、モルホリノ、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH並びに−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より選択される。
【0055】
炭化水素の文脈で使用される用語「芳香族」は、分子全体が芳香族であらねばならないことを意味する。例えば、単環式アリールを(部分的にでも完全にでも)水素化した場合、得られた水素化環式構造は、本発明の目的のためにはシクロアルキルに分類される。同様に、二環式又は多環式アリール(例えば、ナフチル)を水素化した場合、得られた水素化二環式又は多環式構造(例えば、1,2−ジヒドロナフチル)は、本発明の目的のためにはシクロアルキルに分類される(1,2−ジヒドロナフチルのように、1つの環が芳香族のままであっても)。本願においては、ヘテロアリールとヘテロシクリルの間でも同様の区別がなされる。例えば、インドリニル、即ちインドリルのジヒドロ変異体は、二環式構造の1つの環のみが芳香族であり、環原子の1つがヘテロ原子であるため、本発明の目的のためにはヘテロシクリルに分類される。
【0056】
本明細書で使用する、不飽和化合物又は基の「部分的に水素化された形態」という句は、形式上、当初は不飽和だった化合物又は基に水素を付加することにより、全ての不飽和部分を除去することなく、一部の不飽和が除去されたことを意味する。本明細書において、不飽和化合物又は基の「完全に水素化された形態」という句は、用語「ペルヒドロ」と互換的に用いられ、形式上、当初は不飽和だった化合物又は基に水素を付加することにより、全ての不飽和が除去されたことを意味する。例えば、5員ヘテロアリール基(フランのように、環内に2個の二重結合を含む)の部分的に水素化された形態には、該5員ヘテロアリール基のジヒドロ体(例えば、2,3−ジヒドロフラン又は2,5−ジヒドロフラン)が含まれるが、該5員ヘテロアリール基のテトラヒドロ体(例えば、テトラヒドロフラン、即ちTHF)は、該5員ヘテロアリール基の完全に水素化された形態(又はペルヒドロ体)である。同様に、環内に3個の二重結合を有する6員ヘテロアリール基(例えば、ピリジル)については、部分的に水素化された形態には、ジ及びテトラヒドロ体(例えば、ジ及びテトラヒドロピリジル)が含まれるが、ヘキサヒドロ体(例えば、ヘテロアリールのピリジルの場合、ピペリジニル)は、該6員ヘテロアリール基の完全水素化(又はペルヒドロ)誘導体である。それゆえ、本発明によれば、アリール又はヘテロアリールが環原子間の二重及び三重結合からなる不飽和部分を少なくとも4個含有している場合には、そのアリール又はヘテロアリールのヘキサヒドロ体は、部分的に水素化された形態とのみ見なされることが可能である。
【0057】
本明細書で使用する用語「場合による」又は「場合により」は、後に記載された事象、状況又は条件が発生することもしないこともあり得、そしてその記載が、該事象、状況又は条件が発生する場合と、該事象、状況又は条件が発生しない場合を含むことを意味する。
【0058】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、構造が異なる(構造異性体)、又は、官能基及び/若しくは原子の幾何学的位置が異なる(立体異性体)化合物である。「エナンチオマー」は、重ね合わすことのできない互いの鏡像である一対の立体異性体である。「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」は、一対のエナンチオマーを等量で含有し、接頭辞(±)で示される。「ジアステレオマー」は、重ね合わすことのできない互いの鏡像である立体異性体である。「互変異性体」は、純粋であっても、自然に互いに相互変換する、同一の化学物質の構造異性体である。
【0059】
本願に示される構造式が1超の異性体を包含すると解釈できる場合、該構造式は、特に明白に断りのない限り、全ての可能な異性体、したがってそのような個々の異性体を各々包含する。例えば、環Aが下記式:
【化7】
である式(I)の化合物は、両方の異性体、即ち、下記式(B1)を有する異性体及び下記式(B2)を有する異性体:
【化8】
を包含する。
【0060】
本明細書において言及される「多形」は、固体物質(例えば、化合物)が、1超の形態又は結晶構造で存在し得ること、即ち、「同質異像」又は「多形相」を意味する。本発明においては、用語「同質異像」、「多形相」及び「多形体」は互換的に用いられる。本発明によれば、これらの「同質異像」には、結晶形態、非晶質形態、溶媒和物及び水和物が含まれる。主として、異なる多形相の存在の理由は、以下のような、結晶化プロセスの間の異なる条件の使用にある:
・溶媒効果(極性溶媒中と非極性溶媒中では、結晶の充填が異なり得る);
・成長パターンを阻害し準安定多形体の成長に有利な何らかの不純物;
・物質を結晶化した際の過飽和の程度(概して、溶解度を超えて濃度が高いほど、準安定な形態の可能性が高まる);
・結晶化を行った温度;
・共有結合の幾何学(差異が立体構造の多形をもたらす);
・攪拌条件の変化。
【0061】
多形相は、異なる化学的、物理的及び/又は薬理学的特性を有する場合があり、これらには融点、X線結晶及び回折パターン、化学反応性、溶解性、溶解速度、蒸気圧、密度、吸湿性、流動性、安定性、コンパクタビリティ(compactability)及び生物学的利用率が含まれるが、これらに限定されない。多形相は、特定の温度において準安定型(不安定型)から安定型に自然に変化する場合がある。オストワルド則によれば、一般に、最初に結晶化するのは、最も安定な多形体ではなく、最も安定度の低い多形体である。よって、本発明の化合物のように、化合物の品質、有効性、安全性、プロセス可能性及び/又は製造は、多形により影響を受ける可能性がある。しばしば、別の多形体への変化の最小の可能性という理由により、ある化合物の最も安定な多形体(本発明の化合物のように)が選択される。しかし、安定性以外の理由、例えば溶解性、溶解性、溶解速度及び/又は生物学的利用率により、最も安定な多形相ではない多形相が選択される場合がある。
【0062】
本明細書で使用する用語、物質の「結晶形態」は、該物質の最小の要素(即ち、原子、分子又はイオン)が結晶構造を形成することを意味する。本明細書において言及される「結晶構造」は、結晶性液体又は固体中の原子又は分子の固有の三次元的配列を意味し、パターン、特定の様式で配列された一組の原子及び長距離の(long-range)秩序(order)及び対称性を示す格子によって特徴づけられる。格子は、三次元で周期的に繰り返す点の配列であり、パターンは格子の点上に位置する。格子のサブユニットが単位格子である。格子のパラメータは、単位格子の辺(edges)の長さと、それらの間の角度である。結晶の対称性は、その空間群において具現化される。結晶構造を記述するためには、以下のパラメータ:化学式、格子パラメータ、空間群、原子の座標及び点位置の占有数が必要である。
【0063】
本明細書で使用する用語、物質の「非晶質形態」は、該物質の最小の要素(即ち、原子、分子又はイオン)が格子に配列されておらず、不規則に配列されていることを意味する。よって、短距離の(short-range)秩序(次の隣接する原子との一定の距離)及び長距離の秩序(基本格子の周期的繰り返し)が存在する結晶とは異なり、非晶質形態では短距離の秩序のみが存在する。
【0064】
本明細書で使用する用語「化合物の錯体」は、化合物の1種以上の他の分子との会合により生じる高次の化合物を指す。例示的なある化合物の錯体には、該化合物の溶媒和物、クラスター及びキレートが含まれるが、それらに限定されない。
【0065】
本明細書で使用する用語「溶媒和物」は、溶媒(例えば、有機溶媒(例えば、脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等)、アセトン、アセトニトリル、エーテル等)、水又は2種以上のこれら液体の混合物)に溶解した物質の付加錯体であって、該付加錯体が結晶又は混晶の形態で存在するものを指す。付加錯体に含まれる溶媒の量は、化学量論的であっても、非化学量論的であってもよい。「水和物」は、溶媒が水である溶媒和物である。
【0066】
同位体標識された化合物においては、1個以上の原子が、同数の陽子を有するが、中性子の数が異なる対応する原子で置換されている。例えば、水素原子は、重水素原子で置換されていてもよい。本発明の化合物において使用することができる例示的な同位体には、重水素、
11C、
13C、
14C、
15N、
18F、
32S、
36Cl及び
125Iが含まれる。
【0067】
用語「半減期」は、活性、量又は分子数の半分を除去するのに必要とされる期間に関する。本発明の文脈においては、式(I)の化合物の半減期は、該化合物の安定性を表している。
【0068】
用語「患者」、「個体」又は「動物」は、脊椎動物等の多細胞動物に関する。例えば、本発明の文脈においては、脊椎動物は、哺乳類、鳥類(例えば家禽)、爬虫類、両生類、硬骨魚類及び軟骨魚類であり、特に、前記の任意の飼い慣らされた動物、並びに、動物園の動物(特に脊椎動物)のような飼育下の(in captivity)動物(特に脊椎動物)である。本発明の文脈において、哺乳類には、ヒト、ヒト以外の霊長類、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、ウマ等のような飼い慣らされた哺乳類、マウス、ラット、ウサギ、モルモット等のような実験用哺乳類、並びに、動物園の哺乳類のような飼育下の哺乳類が含まれるが、それらに限定されない。本明細書で使用する用語「動物」には、ヒトも含まれる。鳥類の非限定的な特定例には、飼い慣らされた家禽が含まれ、またニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ホロホロチョウ、ハト、キジ等のような鳥類が含まれる一方、硬骨又は軟骨魚類の非限定的な特定例には、水産養殖による養殖(cultivation by aquiculture)に適するものが含まれ、サケ、マス、パーチ(perch)、コイ、ナマズ等のような硬骨魚類が含まれる。
【0069】
化合物
1つの態様において、本発明は、下記一般式(I):
【化9】
[式中、
Eは、−N(R
6)−であり;
Lは、C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1と6の間の整数であり、nは、0と3の間の整数であり、oは、1と3の間の整数であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7)−より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−又は−(CH
2)
n−基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
Gは、場合により、1個、2個、3個、4個又は5個の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルであり;
環Aは、単環式4〜10員N−ヘテロシクロアルキレン、単環式4〜10員O/S−ヘテロシクロアルキレン、又は単環式3〜10員シクロアルキレンであり、ここで、該N−ヘテロシクロアルキレン、O/S−ヘテロシクロアルキレン及びシクロアルキレン基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されており;
R
1は、Hであり;
R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されているか、又は;
R
2及びR
3は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく、及び/又は、R
4及びR
5は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;
R
6は、Hであり;
R
7は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
8は、いずれの場合も、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
9は、環炭素原子と結合する水素原子を置換している場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/若しくは、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよく;又は、R
9は、環窒素原子と結合する水素原子を置換している場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
1−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−N(R
14)C(=X)R
11及び−N(R
14)C(=X)XR
11からなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、又は、R
9は、環Aの環硫黄原子と結合している場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−OR
11及び=Oからなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上の独立に選択されたR
30で置換されており;
Xは、O、S及びN(R
14)より独立に選択され;
R
11は、いずれの場合も、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
12及びR
13は、いずれの場合も、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、又は、R
12及びR
13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、基−N=CR
15R
16を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
14は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−OR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
15及びR
16は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−NH
yR
202−yからなる群より選択され、又は、R
15及びR
16は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
yは、0〜2の整数であり;
R
20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
30は、第1レベル置換基であって、いずれの場合も、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
71、−N(R
72)(R
73)、−S(O)
0−2R
71、−S(O)
1−2OR
71、−OS(O)
1−2R
71、−OS(O)
1−2OR
71、−S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−OS(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−N(R
71)S(O)
1−2R
71、−NR
71S(O)
1−2OR
71、−NR
71S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−C(=X
1)R
71、−C(=X
1)X
1R
71、−X
1C(=X
1)R
71及び−X
1C(=X
1)X
1R
71からなる群より選択され、及び/又は、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
30は、一緒になって=X
1を形成していてもよく、ここで、第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第2レベル置換基で置換されており、該第2レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OR
81、−N(R
82)(R
83)、−S(O)
0−2R
81、−S(O)
1−2OR
81、−OS(O)
1−2R
81、−OS(O)
1−2OR
81、−S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−OS(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−N(R
81)S(O)
1−2R
81、−NR
81S(O)
1−2OR
81、−NR
81S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−C(=X
2)R
81、−C(=X
2)X
2R
81、−X
2C(=X
2)R
81及び−X
2C(=X
2)X
2R
81からなる群より選択され、及び/又は、第1レベル置換基であるシクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第2レベル置換基は、一緒になって=X
2を形成していてもよく、ここで、第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル及び3〜14員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル又は3〜14員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第3レベル置換基で置換されており、該第3レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
zからなる群より選択され、ここで、zは、0、1若しくは2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピルであり、及び/又は、第2レベル置換基である3〜14員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第3レベル置換基は、一緒になって=O、=S、=NH若しくは=N(C
1−3アルキル)を形成していてもよく;
R
71、R
72及びR
73は、独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
R
81、R
82及びR
83は、独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
X
1及びX
2は、独立に、O、S及びN(R
84)(R
84は、−H又はC
1−3アルキルである)より選択される]
を有するスピロキノキサリン誘導体、並びにその溶媒和物、塩、錯体、多形体、結晶形態、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、同位体標識形態、プロドラッグ及びそれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を提供する。
【0070】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(II):
【化10】
[式中、
R
1〜R
5、E、L及びGは上記又は下記と同義であり、環Aは、
(i)N−ヘテロシクロアルキレンであって、ここで、N−ヘテロシクロアルキレンは、1個の環窒素原子を含み、かつ4〜8員(好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員)であるか、又は2若しくは3個の環窒素原子を含み、かつ5〜8員、好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員であるか;
(ii)O/S−ヘテロシクロアルキレンであって、ここで、O/S−ヘテロシクロアルキレンは、1個の環酸素若しくは硫黄原子を含み、かつ4〜8員(好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員)であるか、又は酸素及び硫黄より選択される2個の環ヘテロ原子を含み、かつ5〜8員、好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員であるか;又は
(iii)シクロアルキレンであって、ここで、シクロアルキレンは、3〜8員、好ましくは4、5、6又は7員、より好ましくは6又は7員である]
を有する。式(II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aそれ自体は、不飽和である(即ち、環Aのメンバーは、1個、2個又は3個(好ましくは1個又は2個、最も好ましくは1個)の二重結合を環内に構成する)が、芳香族ではない。式(II)のスピロキノキサリン誘導体の別の実施態様において、環Aは飽和である(即ち、環Aそれ自体は、環内に不飽和がない);ただし、環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)のR
9で置換されている場合、R
9は不飽和であってもよい(即ち、二重及び/若しくは三重結合並びに/又は1個以上(例えば、1個、2個又は3個)の芳香族環を含んでいてもよい)。式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aの環窒素、酸素及び/又は硫黄原子(好ましくは、環Aの全ての環ヘテロ原子)は、スピロ炭素原子に対してアルファの位置に存在しない(即ち、この実施態様において、好ましくは、環Aのスピロ炭素原子に対してアルファの位置にある2個の原子は、炭素原子である)。式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、ピペリジニレン、アゼパニレン(例えば、ホモピペリジニレン)、アゼチジニレン、ピロリジニレン、アゾカニレン、ピラゾリジニレン、ヘキサヒドロピリダジニレン、ヘキサヒドロピリミジニレン、ジアゼパニレン(例えば、ホモピペラジニレン)、ジアゾカニレン、トリアゼパニレン、トリアゾカニレン、ジ及びテトラヒドロピラニレン、ジ及びテトラヒドロチオピラニレン、オキセパニレン、チエパニレン、オキセタニレン、チエタニレン、ジ及びテトラヒドロフラニレン、ジ及びテトラヒドロチエニレン、オキソカニレン、チオカニレン、ジチオラニレン、オキサチオラニレン、ジオキサニレン、ジチアニレン、オキサチアニレン、ジオキセパニレン、ジチエパニレン、オキサチエパニレン、ジオキソカニレン、ジチオカニレン、オキサチオカニレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロオクチレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレン、シクロペンテニレン、シクロオクテニレン及びそれらの位置異性体からなる群より選択されてもよい。式(II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、3−及び4−ピペリジニレン(Nはスピロ炭素原子に対し3又は4位);3−及び4−アゼパニレン、3−アゼチジニレン、3−ピロリジニレン、3−、4−及び5−アゾカニレン、3,4−ピラゾリジニレン、3,4−ヘキサヒドロピリダジニレン、3,5−ヘキサヒドロピリミジニレン、3,4−、3,5−、3,6−及び4,5−ジアゼパニレン、3,4−、3,5−、3,6−、3,7−、4,5−、4,6−ジアゾカニレン、3−及び4−テトラヒドロピラニレン(Oはスピロ炭素原子に対し3又は4位);3−及び4−テトラヒドロチオピラニレン;3−及び4−オキセパニレン;3−及び4−チエパニレン;3−オキセタニレン;3−チエタニレン;3−テトラヒドロフラニレン;3−テトラヒドロチエニレン;3−、4−及び5−オキソカニレン;3−、4−及び5−チオカニレン;3,4−ジチオラニレン;3,4−オキサチオラニレン;3,5−ジオキサニレン;3,4−及び3,5−ジチアニレン;3,4−、3,5−及び4,3−オキサチアニレン;3,5−及び3,6−ジオキセパニレン;3,4−、3,5−、3,6−及び4,5−ジチエパニレン;3,4−、3,5−、3,6−、4,5−、4,3−及び4,2−オキサチエパニレン;3,5−、3,6−、3,7−及び4,6−ジオキソカニレン;3,3−、3,4−、3,5−、3,6、3,7−、4,5−及び4,6−ジチオカニレン;並びに3,4−、3,5−、3,6−、3,7−、4,5−、4,6−、4,7−、4,3−、5,4−及び5,3−オキサチオカニレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン並びにシクロオクチレンからなる群より選択される。式(II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、4−ピペリジニレン、3−ピペリジニレン、3−アゼチジニレン、3−ピロリジニレン、4−アゼパニレン、3−アゼパニレン、5−アゾカニレン、4−アゾカニレン、3−アゾカニレン、3,6−ジアゼパニレン(例えば、4−ピペリジニレン、3−ピペリジニレン、4−アゼパニレン及び3−アゼパニレン)、4−テトラヒドロピラニレン、4−テトラヒドロチオピラニレン、3−テトラヒドロピラニレン、3−テトラヒドロチオピラニレン、4−オキセパニレン、4−チエパニレン、3−オキセパニレン、3−チエパニレン、3−オキセタニレン、3−チエタニレン、3−テトラヒドロフラニレン、3−テトラヒドロチエニレン、5−オキソカニレン、5−チオカニレン、4−オキソカニレン、4−チオカニレン(例えば、−テトラヒドロピラニレン、4−テトラヒドロチオピラニレン、3−テトラヒドロピラニレン、3−テトラヒドロチオピラニレン、4−オキセパニレン、4−チエパニレン、3−オキセパニレン及び3−チエパニレン)、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロペンチレン及びシクロオクチレンからなる群より選択される。
【0071】
式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは非置換であってもよい。
【0072】
環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、(i)環Aの1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環ヘテロ原子(窒素、酸素及び硫黄より選択され、ここで、環A内の酸素及び硫黄原子の最大数は、好ましくは2である)のみが、独立に選択されたR
9で置換されているか;(ii)環Aの1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環炭素原子のみが、独立に選択されたR
9で置換されているか;(iii)環Aの1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環ヘテロ原子(窒素、酸素及び硫黄より選択され、ここで、環A内の酸素及び硫黄原子の最大数は、好ましくは2である)及び1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環炭素原子(例えば、1個又は2個の環ヘテロ原子及び1個又は2個の環炭素原子)が、独立に選択されたR
9で置換されているか、のいずれかである。例えば、環Aが1個の環ヘテロ原子(窒素、酸素及び硫黄より選択される)を含む場合、環Aは、(i)該環ヘテロ原子(好ましくは、該環ヘテロ原子は、環Aが4又は5員の場合には3位にあり、環Aが6又は7員の場合には3又は4位(好ましくは4位)にあり、環Aが8員の場合には3、4又は5位(好ましくは4又は5位)にある)においてのみR
9で;(ii)環Aの1個又は2個の環炭素原子においてのみ、それぞれ1個又は2個の独立に選択されたR
9で;又は(iii)該環ヘテロ原子(好ましくは、該環ヘテロ原子は、環Aが4又は5員の場合には3位にあり、環Aが6又は7員の場合には3又は4位(好ましくは4位)にあり、環Aが8員の場合には3、4又は5位(好ましくは4又は5位)にある)においてR
9で、かつ環Aの1個又は2個の環炭素原子において、それぞれ1個又は2個の独立に選択されたR
9で、置換されていてもよい。
【0073】
R
9が、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換している、式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよい。R
9が、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換している、式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=O又は=Sを形成していてもよい。
一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)、−NH
2−z(CH
3)
z、モルホリニル(例えば、4−モルホリニル)、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)及びN−メチルピペラジニル(例えば、4−メチルピペラジン−1−イル)からなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);シクロプロピル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;=O;−O(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−O(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−(CH
2)
d−(4−モルホリニル);−(CH
2)
d−(1−ピペラジニル);−(CH
2)
d−(4−メチルピペラジン−1−イル);4−モルホリニル;4−ピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。
一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環炭素原子と結合する水素原子を置換しているR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル(特にメチル)、−N(R
12)(R
13)(特にNH
2)及び−N(R
14)C(=O)R
11(特にNHC(O)CH
3)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環Aの1個の環炭素原子が、NH
2若しくはCH
3である1個のR
9、又はCH
3である2個のR
9で置換されている。
【0074】
R
9が、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換している、式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル又はC
1−6アルキル)、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
1−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−N(R
14)C(=X)R
11及び−N(R
14)C(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル又はC
1−6アルキル)、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル又はC
1−6アルキル)、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。R
9が、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換している、式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル)、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
1−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル)、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル);−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル);−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;シクロプロピル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;−OH;−O(C
1−3アルキル);−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;n−オクチル;n−ドデシル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環窒素原子は非置換であるか、又は、環窒素原子と結合する水素原子を置換しているR
9は、各々独立に、C
1−12アルキル(特にメチル、n−オクチル又はn−ドデシル)及び−C(=O)R
11(特に−C(=O)CH
3又は−C(=O)(CH
2)
6CH
3)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環窒素原子は非置換であるか、又は、メチルである1個のR
9で置換されている。
【0075】
R
9が、環Aの環硫黄原子と結合する、式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11及び=Oからなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。R
9が、環Aの環硫黄原子と結合する、式(II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−OR
11及び=Oからなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環硫黄原子と結合しているとき、各々独立に、メチル、エチル、C
3アルキル、C
4アルキル、−OR
11’及び=O(R
11’は、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール(例えば、フェニル)、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリルからなる群より選択される)からなる群より選択され、ここで、該メチル、エチル、C
3アルキル、C
4アルキル、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30’で置換されている(R
30’は、先に特定されている第1、第2又は第3レベル置換基(特に、先に特定されている典型的な第1、第2又は第3レベル置換基の1つ)であり、いずれの場合も、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、前記の基の部分的及び完全に水素化した形態、モルホリノ、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは0、1又は2)からなる群より選択されるものであってよい)。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環硫黄原子と結合しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;ベンジル;−OH;=O;及び−O(C
1−3アルキル)(C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環硫黄原子は非置換であるか、又は、2個の=O基で置換されている。一つの実施態様において、環Aの環硫黄原子は非置換であるか、又は、環Aが、2個の=O基で置換されている硫黄原子を1個含有している(即ち、環Aは基−S(=O)
2−を含有している)。
【0076】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(III):
【化11】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、
Lは、C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)−(R
7’は、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択される)より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている]
を有する。式(III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0、1及び2より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)−(R
7’は、−H、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−O(C
1−3アルキル)及び−NHR
20からなる群より選択される)より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−3アルキレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0及び1より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1又は2であり、nは、0、1又は2であり、oは、1又は2であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、Oである)からなる群より選択され、ここで、該C
1−3アルキレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン(場合により、2位において1個のR
30(例えば、フェニル)で置換されている);トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);2,4−ブタンジイル;−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、Lは、各々場合により、1個のR
30で置換されている、C
1アルキレン、C
2アルキレン(特に1,2−エチレン又は1,1−エチレン)、C
3アルキレン(特にトリメチレン)及びC
4アルキレン(特にテトラメチレン又は2,4−ブタンジイル)からなる群より選択される。式(III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、2,4−ブタンジイル及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。式(III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(I)及び(II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。
【0077】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(IV):
【化12】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(I)、(II)及び(III)についての)又は下記と同義であり、
Gは、非置換であるか、又は、1個、2個、3個、4個若しくは5個(例えば、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルである]
を有する。Gが置換されている、上記いずれかの実施態様(式(I)〜(III)のそれらを含む)においては、R
8は、いずれの場合も、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。式(IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(I)、(II)及び(III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。
式(IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(I)、(II)及び(III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル);4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル)、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。
一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(I)、(II)及び(III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、1個、2個若しくは3個のR
8で置換されており、ここで、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル(特にメチル又はtert−ブチル);ハロゲン(特にF又はCl);−OR
11(特に−OCH
3);及び1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されているC
1−4アルキル(特に−CF
3)からなる群より選択される。式(IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(I)、(II)及び(III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、メチル、F、Cl、−OCH
3及び−CF
3からなる群より各々独立に選択された1個若しくは2個のR
8で置換されている。式(IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(I)、(II)及び(III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、フルオロフェニル(特に3−フルオロフェニル)、クロロフェニル(特に2−、3−又は4−クロロフェニル)、メチルフェニル(特に2−又は3−メチルフェニル)、tert−ブチルフェニル(特に4−tert−ブチルフェニル)、メトキシフェニル(特に3−メトキシフェニル)、(トリフルオロメチル)フェニル(特に3−又は4−(トリフルオロメチル)フェニル)、ジフルオロフェニル(特に2,4−又は2,6−ジフルオロフェニル)、ジクロロフェニル(特に2,4−又は3,4−ジクロロフェニル)、クロロフルオロフェニル(特に4−クロロ−2−フルオロフェニル)及びジメチルフェニル(特に3,5−ジメチルフェニル)からなる群より選択される。式(IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(I)、(II)及び(III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−メチルフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル及び3,5−ジメチルフェニルからなる群より選択される。
【0078】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(V):
【化13】
[式中、
R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、
R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hである]
を有する。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは、Hとは異なる。例えば、一つの実施態様において、R
2はHとは異なり、R
3、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
3はHとは異なり、R
2、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
4はHとは異なり、R
2、R
3及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
5はHとは異なり、R
2、R
3及びR
4は、各々Hであるか;又は、R
2及びR
3の両者はHとは異なり、R
4及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
4の両者はHとは異なり、R
3及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
5の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
2とR
5が同一である)、R
3及びR
4の両者はHであるか;又は、R
3及びR
4の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
3とR
4が同一である)、R
2及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
4は、各々Hとは異なり、R
5はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
5は、各々Hとは異なり、R
4はHであるか;又は、R
2、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
3はHであるか;又は、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
2はHであるか;又は、R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なる。上記いずれかの実施態様においては、R
2とR
5が同一である、及び/又は、R
3とR
4が同一であることが好ましい。
【0079】
上記いずれかの実施態様(特に、式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)についての)において、R
2〜R
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル基は、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択される(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され、そしてR
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択される。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5は、各々−Hであるか;又は、(ii)R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3とR
4の両者は、F、Cl又はメチルである。
【0080】
(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により環が形成されている、上記いずれかの実施態様において、該環は、好ましくは、場合により1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている3〜7員環(例えば、5又は6個のメンバーを有する環)である。該環は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環(該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びN(R
40)(R
40は、R
11、−OR
11、−NH
yR
202−y及び−S(O)
1−2R
11(R
11、R
20及びyは、上記と同義である)からなる群より選択される)からなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有する)のいずれであってもよい。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、5又は6員芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環であり、該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びNからなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有し、少なくとも1個のヘテロ原子はNである。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンタジエン、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ジオキソール(例えば、1,3−ジオキソール)、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ジオキシン(例えば、1,4−ジオキシン)、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン及び前記のもの各々のジ又はテトラヒドロ体からなる群より選択される。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンタジエン、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン及び前記のもの各々のジ又はテトラヒドロ体からなる群より選択される。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンテン(例えば、2,3−ジヒドロシクロペンタジエン)、ジオキソール(例えば、場合により、2位において1個又は2個のハロゲン原子(例えば、F)で置換されている、1,3−ジオキソール)又はジオキシン(例えば、2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)である。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数は、0又は1である。よって、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数が1である実施態様においては、隣接する置換基2個のみ(即ち、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4又は(iii)R
4及びR
5のいずれか)が、それらが結合している原子と一緒になって環を形成し、ここで、該環は、上記いずれかの実施態様において定義された通りであり、R
2〜R
5の残りは、それらが一緒になって環を形成しない状況に関して先に特定された、特定の部分の群より選択される。例えば、一緒になって環を形成しないR
2〜R
5の残りは、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。別の実施態様において、R
2〜R
5は、一緒になって環を形成しない。
【0081】
上記いずれかの実施態様において、R
2とR
5は同一であってよく、及び/又は、R
3とR
4は同一であってよい。
【0082】
式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキルは、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)か、又は、R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくは2個の独立に選択されたR
30で置換されている5若しくは6員環を形成していてもよい。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択され(特に、R
2及びR
5は、各々−Hである)、又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくは2個の独立に選択されたハロゲン(特にF)で置換されているジオキソール若しくはジオキシン環を形成していてもよい。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり;R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;R
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、ジオキソール(特に1,3−ジオキソール)若しくはジオキシン(特に2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)環を形成していてもよく、該ジオキソール環は、場合により、2個のFで置換されている。式(V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(I)、(II)、(III)及び(IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5が、各々−Hであるか;(ii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4の両者が、F、Cl若しくはメチルであるか;又は(iii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、2,2−ジフルオロ−1,3−ジオキソール環若しくは2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン環を形成している。
【0083】
上記いずれかの実施態様(特に、式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)についての)において、R
30は、いずれの場合も、先に特定された典型的な第1、第2又は第3レベル置換基であってよく、独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、5又は6員シクロアルキル、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択されるもの(例えば、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル(即ち、アゼパニル、特に4−アゼパニル)、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル(即ち、ジアゼパニル、特に2,4−ジアゼパニル)、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル、−CH
2CH
2OCH
3、−OCH
2CH
2OCH
3、−CH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−OCH
2CH
2NH
2−z(CH3)
z、−CF
3、−OCF
3)であってよい。或いは、R
30は、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、前記の基の部分的及び完全に水素化した形態、モルホリノ、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OH、−OCH
3、−OCF
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは0、1又は2)からなる群より選択されるものであってよい。
【0084】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(N−I):
【化14】
[式中、
Eは、−N(R
6)−であり;
Lは、C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1と6の間の整数であり、nは、0と3の間の整数であり、oは、1と3の間の整数であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7)−より選択される)からなる群より選択され、該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−又は−(CH
2)
n基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
Gは、場合により、1個、2個、3個、4個又は5個の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルであり;
環Aは、場合により、1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている単環式4〜10員N−ヘテロシクロアルキレンであり;
R
1は、Hであり;
R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されているか、又は;
R
2及びR
3は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;及び/又は、R
4及びR
5は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;
R
6は、Hであり;
R
7は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
8は、いずれの場合も、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
9は、環炭素原子と結合する水素原子を置換している場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/若しくは、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよく;又は、R
9は、環窒素原子と結合する水素原子を置換している場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
1−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−N(R
14)C(=X)R
11及び−N(R
14)C(=X)XR
11からなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
Xは、O、S及びN(R
14)より独立に選択され;
R
11は、いずれの場合も、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
12及びR
13は、いずれの場合も、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、又は、R
12及びR
13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、基−N=CR
15R
16を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
14は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−OR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
15及びR
16は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−NH
yR
202−yからなる群より選択され、又は、R
15及びR
16は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
yは、0〜2の整数であり;
R
20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
30は、第1レベル置換基であって、いずれの場合も、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
71、−N(R
72)(R
73)、−S(O)
0−2R
71、−S(O)
1−2OR
71、−OS(O)
1−2R
71、−OS(O)
1−2OR
71、−S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−OS(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−N(R
71)S(O)
1−2R
71、−NR
71S(O)
1−2OR
71、−NR
71S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−C(=X
1)R
71、−C(=X
1)X
1R
71、−X
1C(=X
1)R
71及び−X
1C(=X
1)X
1R
71からなる群より選択され、及び/又は、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
30は、一緒になって=X
1を形成していてもよく、ここで、第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第2レベル置換基で置換されており、該第2レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OR
81、−N(R
82)(R
83)、−S(O)
0−2R
81、−S(O)
1−2OR
81、−OS(O)
1−2R
81、−OS(O)
1−2OR
81、−S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−OS(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−N(R
81)S(O)
1−2R
81、−NR
81S(O)
1−2OR
81、−NR
81S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−C(=X
2)R
81、−C(=X
2)X
2R
81、−X
2C(=X
2)R
81及び−X
2C(=X
2)X
2R
81からなる群より選択され、及び/又は、第1レベル置換基であるシクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第2レベル置換基は、一緒になって=X
2を形成していてもよく、ここで、第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル及び3〜14員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル又は3〜14員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第3レベル置換基で置換されており、該第3レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
zからなる群より選択され、ここで、zは、0、1若しくは2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピルであり、及び/又は、第2レベル置換基である3〜14員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第3レベル置換基は、一緒になって=O、=S、=NH若しくは=N(C
1−3アルキル)を形成していてもよく;
R
71、R
72及びR
73は、独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
R
81、R
82及びR
83は、独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
X
1及びX
2は、独立に、O、S及びN(R
84)(R
84は、−H又はC
1−3アルキルである)より選択される]
並びにその溶媒和物、塩、錯体、多形体、結晶形態、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、同位体標識形態、プロドラッグ及びそれらの組み合わせを有する。
【0085】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(N−II):
【化15】
[式中、R
1〜R
5、E、L及びGは上記又は下記と同義であり、場合により置換されている単環式4〜10員N−ヘテロシクロアルキレン環Aは、1個の環窒素原子を含み、かつ4〜8員(好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員)であるか、又は、該環Aは、2若しくは3個の環窒素原子を含み、かつ5〜8員、好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員である]を有する。式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aそれ自体は、不飽和である(即ち、4〜10個の環Aのメンバーは、1個、2個又は3個(好ましくは1個又は2個、最も好ましくは1個)の二重結合を環内に構成する)が、芳香族ではない。式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の別の実施態様において、環Aは飽和である(即ち、環Aそれ自体は、環内に不飽和がない);ただし、環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)のR
9で置換されている場合、R
9は不飽和であってもよい(即ち、二重及び/若しくは三重結合並びに/又は1個以上(例えば、1個、2個又は3個)の芳香族環を含んでいてもよい)。式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aの環窒素原子(好ましくは、環Aの全ての環ヘテロ原子)は、スピロ炭素原子に対してアルファの位置に存在しない(即ち、この実施態様において、好ましくは、環Aのスピロ炭素原子に対してアルファの位置にある2個の原子は、炭素原子である)。式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、ピペリジニレン、アゼパニレン(例えば、ホモピペリジニレン)、アゼチジニレン、ピロリジニレン、アゾカニレン、ピラゾリジニレン、ヘキサヒドロピリダジニレン、ヘキサヒドロピリミジニレン、ジアゼパニレン(例えば、ホモピペラジニレン)、ジアゾカニレン、トリアゼパニレン、トリアゾカニレン及びそれらの位置異性体からなる群より選択されるものであってよい。式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、3−及び4−ピペリジニレン(Nはスピロ炭素原子に対し3又は4位);3−及び4−アゼパニレン、3−アゼチジニレン、3−ピロリジニレン、3−、4−及び5−アゾカニレン、3,4−ピラゾリジニレン、3,4−ヘキサヒドロピリダジニレン、3,5−ヘキサヒドロピリミジニレン、3,4−、3,5−、3,6−及び4,5−ジアゼパニレン、3,4−、3,5−、3,6−、3,7−、4,5−及び4,6−ジアゾカニレンからなる群より選択される。式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、4−ピペリジニレン、3−ピペリジニレン、3−アゼチジニレン、3−ピロリジニレン、4−アゼパニレン、3−アゼパニレン、5−アゾカニレン、4−アゾカニレン、3−アゾカニレン及び3,6−ジアゼパニレン(例えば、4−ピペリジニレン、3−ピペリジニレン、4−アゼパニレン及び3−アゼパニレン)からなる群より選択される。
【0086】
式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは非置換であってもよい。
【0087】
環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、(i)環Aの1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環窒素原子のみが、独立に選択されたR
9で置換されているか;(ii)環Aの1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環炭素原子のみが、独立に選択されたR
9で置換されているか;(iii)環Aの1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環窒素原子及び1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環炭素原子(例えば、1個又は2個の環窒素原子及び1個又は2個の環炭素原子)が、独立に選択されたR
9で置換されているか、のいずれかである。例えば、環Aが1個の環窒素原子を含む場合、環Aは、(i)該環窒素原子(好ましくは、該環窒素原子は、環Aが4又は5員の場合には3位にあり、環Aが6又は7員の場合には3又は4位(好ましくは4位)にあり、環Aが8員の場合には3、4又は5位(好ましくは4又は5位)にある)においてのみR
9で;(ii)環Aの1個又は2個の環炭素原子においてのみ、それぞれ1個又は2個の独立に選択されたR
9で;又は(iii)該環窒素原子(好ましくは、該環窒素原子は、環Aが4又は5員の場合には3位にあり、環Aが6又は7員の場合には3又は4位(好ましくは4位)にあり、環Aが8員の場合には3、4又は5位(好ましくは4又は5位)にある)においてR
9で、かつ環Aの1個又は2個の環炭素原子において、それぞれ1個又は2個の独立に選択されたR
9で、置換されていてもよい。
【0088】
R
9が、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換している、式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよい。R
9が、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換している、式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=O若しくは=Sを形成していてもよい。
一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)、−NH
2−z(CH
3)
z、モルホリニル(例えば、4−モルホリニル)、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)及びN−メチルピペラジニル(例えば、4−メチルピペラジン−1−イル)からなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);シクロプロピル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;=O;−O(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2−NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−O(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−(CH
2)
d−(4−モルホリニル);−(CH
2)
d−(1−ピペラジニル);−(CH
2)
d−(4−メチルピペラジン−1−イル);4−モルホリニル;4−ピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。
一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環炭素原子と結合する水素原子を置換しているR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル(特にメチル)、−N(R
12)(R
13)(特にNH
2)及び−N(R
14)C(=O)R
11(特にNHC(O)CH
3)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環Aの1個の環炭素原子が、NH
2若しくはCH
3である1個のR
9、又はCH
3である2個のR
9で置換されている。
【0089】
R
9が、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換している、式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル又はC
1−6アルキル)、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
1−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−N(R
14)C(=X)R
11及び−N(R
14)C(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル又はC
1−6アルキル)、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル又はC
1−6アルキル)、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。R
9が、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換している、式(N−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル)、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
1−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル)、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、C
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル);−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−12アルキル(例えば、C
1−8アルキル、C
1−6アルキル又はC
1−4アルキル);−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;シクロプロピル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;−OH;−O(C
1−3アルキル);−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;n−オクチル;n−ドデシル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環窒素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環窒素原子は非置換であるか、又は、環窒素原子と結合する水素原子を置換しているR
9は、各々独立に、C
1−12アルキル(特にメチル、n−オクチル又はn−ドデシル)及び−C(=O)R
11(特に−C(=O)CH
3又は−C(=O)(CH
2)
6CH
3)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環窒素原子は非置換であるか、又は、メチルである1個のR
9で置換されている。
【0090】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(N−III):
【化16】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、
Lは、C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)−(R
7’は、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択される)より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている]
を有する。式(N−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0、1及び2より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)−(R
7’は、−H、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−O(C
1−3アルキル)及び−NHR
20からなる群より選択される)より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(N−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−3アルキレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0及び1より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1又は2であり、nは、0、1又は2であり、oは、1又は2であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、Oである)からなる群より選択され、ここで、該C
1−3アルキレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(N−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン(場合により、2位において1個のR
30(例えば、フェニル)で置換されている);トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);2,4−ブタンジイル;−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(N−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(N−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、各々場合により、1個のR
30で置換されている、C
1アルキレン、C
2アルキレン(特に1,2−エチレン又は1,1−エチレン)、C
3アルキレン(特にトリメチレン)及びC
4アルキレン(特にテトラメチレン又は2,4−ブタンジイル)からなる群より選択される。式(N−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、2,4−ブタンジイル及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。式(N−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(N−I)及び(N−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。
【0091】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(N−IV):
【化17】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(N−I)、(N−II)及び(N−III)についての)又は下記と同義であり、
Gは、非置換であるか、又は、1個、2個、3個、4個若しくは5個(例えば、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルである]
を有する。Gが置換されている、上記いずれかの実施態様(式(N−I)〜(N−III)のそれらを含む)においては、R
8は、いずれの場合も、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。式(N−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(N−I)、(N−II)及び(N−III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。
式(N−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(N−I)、(N−II)及び(N−III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル);4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル)、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。
一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(N−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(N−I)、(N−II)及び(N−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、1個、2個若しくは3個のR
8で置換されており、ここで、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル(特にメチル又はtert−ブチル);ハロゲン(特にF又はCl);−OR
11(特に−OCH
3);及び1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されているC
1−4アルキル(特に−CF
3)からなる群より選択される。式(N−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(N−I)、(N−II)及び(N−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、メチル、F、Cl、−OCH
3及び−CF
3からなる群より各々独立に選択された1個若しくは2個のR
8で置換されている。式(N−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(N−I)、(N−II)及び(N−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、フルオロフェニル(特に3−フルオロフェニル)、クロロフェニル(特に2−、3−又は4−クロロフェニル)、メチルフェニル(特に2−又は3−メチルフェニル)、tert−ブチルフェニル(特に4−tert−ブチルフェニル)、メトキシフェニル(特に3−メトキシフェニル)、(トリフルオロメチル)フェニル(特に3−又は4−(トリフルオロメチル)フェニル)、ジフルオロフェニル(特に2,4−又は2,6−ジフルオロフェニル)、ジクロロフェニル(特に2,4−又は3,4−ジクロロフェニル)、クロロフルオロフェニル(特に4−クロロ−2−フルオロフェニル)及びジメチルフェニル(特に3,5−ジメチルフェニル)からなる群より選択される。式(N−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(N−I)、(N−II)及び(N−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−メチルフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル及び3,5−ジメチルフェニルからなる群より選択される。
【0092】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(N−V):
【化18】
[式中、
R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、
R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hである]
を有する。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは、Hとは異なる。例えば、一つの実施態様において、R
2はHとは異なり、R
3、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
3はHとは異なり、R
2、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
4はHとは異なり、R
2、R
3及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
5はHとは異なり、R
2、R
3及びR
4は、各々Hであるか;又は、R
2及びR
3の両者はHとは異なり、R
4及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
4の両者はHとは異なり、R
3及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
5の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
2とR
5が同一である)、R
3及びR
4の両者はHであるか;又は、R
3及びR
4の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
3とR
4が同一である)、R
2及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
4は、各々Hとは異なり、R
5はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
5は、各々Hとは異なり、R
4はHであるか;又は、R
2、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
3はHであるか;又は、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
2はHであるか;又は、R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なる。上記いずれかの実施態様においては、R
2とR
5が同一である、及び/又は、R
3とR
4が同一であることが好ましい。
【0093】
上記いずれかの実施態様(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)、(N−IV)及び(N−V)についての)において、R
2〜R
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキルは、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択される(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され、そしてR
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択される。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5は、各々Hであるか;又は、(ii)R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3とR
4の両者は、F、Cl又はメチルである。
【0094】
(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により環が形成されている、上記いずれかの実施態様において、該環は、好ましくは、場合により1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている3〜7員環(例えば、5又は6個のメンバーを有する環)である。該環は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環(該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びN(R
40)(R
40は、R
11、−OR
11、−NH
yR
202−y及び−S(O)
1−2R
11(R
11、R
20及びyは、上記と同義である)からなる群より選択される)からなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有する)のいずれであってもよい。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、5又は6員芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環であり、該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びNからなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有し、少なくとも1個のヘテロ原子はNである。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンタジエン、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ジオキソール(例えば、1,3−ジオキソール)、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ジオキシン(例えば、1,4−ジオキシン)、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン及び前記のもの各々のジ又はテトラヒドロ体からなる群より選択される。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンテン(例えば、2,3−ジヒドロシクロペンタジエン)、ジオキソール(例えば、場合により、2位において1個又は2個のハロゲン原子(例えば、F)で置換されている、1,3−ジオキソール)又はジオキシン(例えば、2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)である。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数は、0又は1である。よって、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数が1である実施態様においては、隣接する置換基2個のみ(即ち、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4又は(iii)R
4及びR
5のいずれか)が、それらが結合している原子と一緒になって環を形成し、ここで、該環は、上記いずれかの実施態様において定義された通りであり、R
2〜R
5の残りは、それらが一緒になって環を形成しない状況に関して先に特定された、特定の部分の群より選択される。例えば、一緒になって環を形成しないR
2〜R
5の残りは、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。別の実施態様において、R
2〜R
5は、一緒になって環を形成しない。
【0095】
上記いずれかの実施態様において、R
2とR
5は同一であってよく、及び/又は、R
3とR
4は同一であってよい。
【0096】
式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキルは、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)か、又は、R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくは2個の独立に選択されたR
30で置換されている5若しくは6員環を形成していてもよい。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択され(特に、R
2及びR
5は、各々−Hである)、又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくは2個の独立に選択されたハロゲン(特にF)で置換されているジオキソール若しくはジオキシン環を形成していてもよい。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり;R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;R
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、ジオキソール(特に1,3−ジオキソール)若しくはジオキシン(特に2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)環を形成していてもよく、該ジオキソール環は、場合により、2個のFで置換されている。式(N−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)及び(N−IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5が、各々−Hであるか;(ii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4の両者が、F、Cl若しくはメチルであるか;又は(iii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、2,2−ジフルオロ−1,3−ジオキソール環若しくは2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン環を形成している。
【0097】
上記いずれかの実施態様(特に、式(N−I)、(N−II)、(N−III)、(N−IV)及び(N−V)についての)において、R
30は、いずれの場合も、先に特定された典型的な第1、第2又は第3レベル置換基であってよく、独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、5又は6員シクロアルキル、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択されるもの(例えば、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル(即ち、アゼパニル、特に4−アゼパニル)、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル(即ち、ジアゼパニル、特に2,4−ジアゼパニル)、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル、−CH
2CH
2OCH
3、−OCH
2CH
2OCH
3、−CH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−OCH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−CF
3、−OCF
3)であってよい。或いは、R
30は、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、前記の基の部分的及び完全に水素化した形態、モルホリノ、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OH、−OCH
3、−OCF
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは0、1又は2)からなる群より選択されるものであってよい。
【0098】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(O/S−I):
【化19】
[式中、
Eは、−N(R
6)−であり;
Lは、C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1と6の間の整数であり、nは、0と3の間の整数であり、oは、1と3の間の整数であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7)−より選択される)からなる群より選択され;該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−又は−(CH
2)
n−基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
Gは、場合により、1個、2個、3個、4個又は5個の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルであり;
環Aは、場合により、1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている単環式4〜10員O/S−ヘテロシクロアルキレンであり;
R
1は、Hであり;
R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されているか、又は;
R
2及びR
3は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;及び/又は、R
4及びR
5は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;
R
6は、Hであり;
R
7は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
8は、いずれの場合も、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
9は、環炭素原子と結合する水素原子を置換している場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/若しくは、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよく;又は、R
9は、環Aの環硫黄原子と結合している場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−OR
11及び=Oからなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
Xは、O、S及びN(R
14)より独立に選択され;
R
11は、いずれの場合も、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
12及びR
13は、いずれの場合も、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、又は、R
12及びR
13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、基−N=CR
15R
16を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
14は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−OR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
15及びR
16は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−NH
yR
202−yからなる群より選択され、又は、R
15及びR
16は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
yは、0〜2の整数であり;
R
20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
30は、第1レベル置換基であって、いずれの場合も、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
71、−N(R
72)(R
73)、−S(O)
0−2R
71、−S(O)
1−2OR
71、−OS(O)
1−2R
71、−OS(O)
1−2OR
71、−S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−OS(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−N(R
71)S(O)
1−2R
71、−NR
71S(O)
1−2OR
71、−NR
71S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−C(=X
1)R
71、−C(=X
1)X
1R
71、−X
1C(=X
1)R
71及び−X
1C(=X
1)X
1R
71からなる群より選択され、及び/又は、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
30は、一緒になって=X
1を形成していてもよく、ここで、第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第2レベル置換基で置換されており、該第2レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OR
81、−N(R
82)(R
83)、−S(O)
0−2R
81、−S(O)
1−2OR
81、−OS(O)
1−2R
81、−OS(O)
1−2OR
81、−S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−OS(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−N(R
81)S(O)
1−2R
81、−NR
81S(O)
1−2OR
81、−NR
81S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−C(=X
2)R
81、−C(=X
2)X
2R
81、−X
2C(=X
2)R
81及び−X
2C(=X
2)X
2R
81からなる群より選択され、及び/又は、第1レベル置換基であるシクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第2レベル置換基は、一緒になって=X
2を形成していてもよく、ここで、第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル及び3〜14員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル又は3〜14員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第3レベル置換基で置換されており、該第3レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
zからなる群より選択され、ここで、zは、0、1若しくは2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピルであり、及び/又は、第2レベル置換基である3〜14員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第3レベル置換基は、一緒になって=O、=S、=NH若しくは=N(C
1−3アルキル)を形成していてもよく;
R
71、R
72及びR
73は、独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
R
81、R
82及びR
83は、独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
X
1及びX
2は、独立に、O、S及びN(R
84)(R
84は、−H又はC
1−3アルキルである)より選択される]
並びにその溶媒和物、塩、錯体、多形体、結晶形態、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、同位体標識形態、プロドラッグ及びそれらの組み合わせを有する。
【0099】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(O/S−II):
【化20】
[式中、R
1〜R
5、E、L及びGは上記又は下記と同義であり、場合により置換されている単環式4〜10員O/S−ヘテロシクロアルキレン環Aは、1個の環酸素若しくは硫黄原子を含み、かつ4〜8員(好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員)であるか、又は、該環Aは、酸素及び硫黄より選択される2個の環ヘテロ原子を含み、かつ5〜8員、好ましくは5、6又は7員、より好ましくは6又は7員である]
を有する。式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aそれ自体は、不飽和である(即ち、4〜10個の環Aのメンバーは、1個、2個又は3個(好ましくは1個又は2個、最も好ましくは1個)の二重結合を環内に構成する)が、芳香族ではない。式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の別の実施態様において、環Aは飽和である(即ち、環Aそれ自体は、環内に不飽和がない);ただし、環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)のR
9で置換されている場合、R
9は不飽和であってもよい(即ち、二重及び/若しくは三重結合並びに/又は1個以上(例えば、1個、2個又は3個)の芳香族環を含んでいてもよい)。式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aの環酸素又は硫黄原子(好ましくは、環Aの全ての環ヘテロ原子)は、スピロ炭素原子に対してアルファの位置に存在しない(即ち、この実施態様において、好ましくは、環Aのスピロ炭素原子に対してアルファの位置にある2個の原子は、炭素原子である)。式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、ジ及びテトラヒドロピラニレン、ジ及びテトラヒドロチオピラニレン、オキセパニレン、チエパニレン、オキセタニレン、チエタニレン、ジ及びテトラヒドロフラニレン、ジ及びテトラヒドロチエニレン、オキソカニレン、チオカニレン、ジチオラニレン、オキサチオラニレン、ジオキサニレン、ジチアニレン、オキサチアニレン、ジオキセパニレン、ジチエパニレン、オキサチエパニレン、ジオキソカニレン、ジチオカニレン、オキサチオカニレン並びにそれらの位置異性体からなる群より選択されるものであってよい。式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、3−及び4−テトラヒドロピラニレン(Oはスピロ炭素原子に対し3又は4位);3−及び4−テトラヒドロチオピラニレン;3−及び4−オキセパニレン;3−及び4−チエパニレン;3−オキセタニレン;3−チエタニレン;3−テトラヒドロフラニレン;3−テトラヒドロチエニレン;3−、4−及び5−オキソカニレン;3−、4−及び5−チオカニレン;3,4−ジチオラニレン;3,4−オキサチオラニレン;3,5−ジオキサニレン;3,4−及び3,5−ジチアニレン;3,4−、3,5−及び4,3−オキサチアニレン;3,5−及び3,6−ジオキセパニレン;3,4−、3,5−、3,6−及び4,5−ジチエパニレン;3,4−、3,5−、3,6−、4,5−、4,3−及び4,2−オキサチエパニレン;3,5−、3,6−、3,7−及び4,6−ジオキソカニレン;3,3−、3,4−、3,5−、3,6−、3,7−、4,5−及び4,6−ジチオカニレン;並びに3,4−、3,5−、3,6−、3,7−、4,5−、4,6−、4,7−、4,3−、5,4−及び5,3−オキサチオカニレンからなる群より選択される。式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、4−テトラヒドロピラニレン、4−テトラヒドロチオピラニレン、3−テトラヒドロピラニレン、3−テトラヒドロチオピラニレン、4−オキセパニレン、4−チエパニレン、3−オキセパニレン、3−チエパニレン、3−オキセタニレン、3−チエタニレン、3−テトラヒドロフラニレン、3−テトラヒドロチエニレン、5−オキソカニレン、5−チオカニレン、4−オキソカニレン及び4−チオカニレン(例えば、−テトラヒドロピラニレン、4−テトラヒドロチオピラニレン、3−テトラヒドロピラニレン、3−テトラヒドロチオピラニレン、4−オキセパニレン、4−チエパニレン、3−オキセパニレン及び3−チエパニレン)からなる群より選択される。
【0100】
式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは非置換であってもよい。
【0101】
環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、(i)環Aの1個以上(好ましくは1個又は2個)の環硫黄原子のみが、独立に選択されたR
9で置換されているか;(ii)環Aの1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環炭素原子のみが、独立に選択されたR
9で置換されているか;(iii)環Aの1個以上(好ましくは1個又は2個)の環硫黄原子及び1個以上(好ましくは1個、2個又は3個)の環炭素原子(例えば、1個又は2個の環ヘテロ原子及び1個又は2個の環炭素原子)が、独立に選択されたR
9で置換されているか、のいずれかである。例えば、環Aが1個の環硫黄原子を含む場合、環Aは、(i)該環硫黄原子(好ましくは、該環硫黄原子は、環Aが4又は5員の場合には3位にあり、環Aが6又は7員の場合には3又は4位(好ましくは4位)にあり、環Aが8員の場合には3、4又は5位(好ましくは4又は5位)にある)においてのみR
9で;(ii)環Aの1個又は2個の環炭素原子においてのみ、それぞれ1個又は2個の独立に選択されたR
9で;又は(iii)該環硫黄原子(好ましくは、該環硫黄原子は、環Aが4又は5員の場合には3位にあり、環Aが6又は7員の場合には3又は4位(好ましくは4位)にあり、環Aが8員の場合には3、4又は5位(好ましくは4又は5位)にある)においてR
9で、かつ環Aの1個又は2個の環炭素原子において、それぞれ1個又は2個の独立に選択されたR
9で、置換されていてもよい。
【0102】
R
9が、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換している、式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよい。R
9が、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換している、式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=O若しくは=Sを形成していてもよい。
一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)、−NH
2−z(CH
3)
z、モルホリニル(例えば、4−モルホリニル)、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)及びN−メチルピペラジニル(例えば、4−メチルピペラジン−1−イル)からなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);シクロプロピル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;=O;−O(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−O(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−(CH
2)
d−(4−モルホリニル);−(CH
2)
d−(1−ピペラジニル);−(CH
2)
d−(4−メチルピペラジン−1−イル);4−モルホリニル;4−ピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。
一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環炭素原子と結合する水素原子を置換しているR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル(特にメチル)、−N(R
12)(R
13)(特にNH
2)及び−N(R
14)C(=O)R
11(特にNHC(O)CH
3)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環Aの1個の環炭素原子が、NH
2若しくはCH
3である1個のR
9、又はCH
3である2個のR
9で置換されている。
【0103】
R
9が、環Aの環硫黄原子と結合する、式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11及び=Oからなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。R
9が、環Aの環硫黄原子と結合する、式(O/S−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−OR
11及び=Oからなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環硫黄原子と結合しているとき、各々独立に、メチル、エチル、C
3アルキル、C
4アルキル、−OR
11’及び=O(R
11’は、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール(例えば、フェニル)、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリルからなる群より選択される)からなる群より選択され、ここで、該メチル、エチル、C
3アルキル、C
4アルキル、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30’で置換されている(R
30’は、先に特定されている第1、第2又は第3レベル置換基(特に、先に特定されている典型的な第1、第2又は第3レベル置換基の1つ)であり、いずれの場合も、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、前記の基の部分的及び完全に水素化した形態、モルホリノ、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは0、1又は2)からなる群より選択されるものであってよい)。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環硫黄原子と結合しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;ベンジル;−OH;=O;及び−O(C
1−3アルキル)(C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環硫黄原子は非置換であるか、又は、2個の=O基で置換されている。一つの実施態様において、環Aの環硫黄原子は非置換であるか、又は、環Aが、2個の=O基で置換されている硫黄原子を1個含有している(即ち、環Aは基−S(=O)
2−を含有している)。
【0104】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(O/S−III):
【化21】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、
Lは、C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)−(R
7’は、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択される)より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている]
を有する。式(O/S−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0、1及び2より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)(R
7’は、−H、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−O(C
1−3アルキル)及び−NHR
20からなる群より選択される)より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(O/S−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−3アルキレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0及び1より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1又は2であり、nは、0、1又は2であり、oは、1又は2であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、Oである)からなる群より選択され、ここで、該C
1−3アルキレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(O/S−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン(場合により、2位において1個のR
30(例えば、フェニル)で置換されている);トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);2,4−ブタンジイル;−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(O/S−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(O/S−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、各々場合により、1個のR
30で置換されている、C
1アルキレン、C
2アルキレン(特に1,2−エチレン又は1,1−エチレン)、C
3アルキレン(特にトリメチレン)及びC
4アルキレン(特にテトラメチレン又は2,4−ブタンジイル)からなる群より選択される。式(O/S−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、2,4−ブタンジイル及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。式(O/S−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(O/S−I)及び(O/S−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。
【0105】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(O/S−IV):
【化22】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)及び(O/S−III)についての)又は下記と同義であり、
Gは、非置換であるか、又は、1個、2個、3個、4個若しくは5個(例えば、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルである]
を有する。Gが置換されている、上記いずれかの実施態様(式(O/S−I)〜(O/S−III)のそれらを含む)においては、R
8は、いずれの場合も、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。式(O/S−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)及び(O/S−III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。
式(O/S−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)及び(O/S−III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル);4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル)、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。
一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(O/S−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)及び(O/S−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、1個、2個若しくは3個のR
8で置換されており、ここで、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル(特にメチル又はtert−ブチル);ハロゲン(特にF又はCl);−OR
11(特に−OCH
3);及び1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されているC
1−4アルキル(特に−CF
3)からなる群より選択される。式(O/S−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)及び(O/S−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、メチル、F、Cl、−OCH
3及び−CF
3からなる群より各々独立に選択された1個若しくは2個のR
8で置換されている。式(O/S−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)及び(O/S−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、フルオロフェニル(特に3−フルオロフェニル)、クロロフェニル(特に2−、3−又は4−クロロフェニル)、メチルフェニル(特に2−又は3−メチルフェニル)、tert−ブチルフェニル(特に4−tert−ブチルフェニル)、メトキシフェニル(特に3−メトキシフェニル)、(トリフルオロメチル)フェニル(特に3−又は4−(トリフルオロメチル)フェニル)、ジフルオロフェニル(特に2,4−又は2,6−ジフルオロフェニル)、ジクロロフェニル(特に2,4−又は3,4−ジクロロフェニル)、クロロフルオロフェニル(特に4−クロロ−2−フルオロフェニル)及びジメチルフェニル(特に3,5−ジメチルフェニル)からなる群より選択される。式(O/S−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)及び(O/S−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−メチルフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル及び3,5−ジメチルフェニルからなる群より選択される。
【0106】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(O/S−V):
【化23】
[式中、
R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、
R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hである]
を有する。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは、Hとは異なる。例えば、一つの実施態様において、R
2はHとは異なり、R
3、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
3はHとは異なり、R
2、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
4はHとは異なり、R
2、R
3及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
5はHとは異なり、R
2、R
3及びR
4は、各々Hであるか;又は、R
2及びR
3の両者はHとは異なり、R
4及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
4の両者はHとは異なり、R
3及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
5の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
2とR
5が同一である)、R
3及びR
4の両者はHであるか;又は、R
3及びR
4の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
3とR
4が同一である)、R
2及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
4は、各々Hとは異なり、R
5はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
5は、各々Hとは異なり、R
4はHであるか;又は、R
2、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
3はHであるか;又は、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
2はHであるか;又は、R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なる。上記いずれかの実施態様においては、R
2とR
5が同一である、及び/又は、R
3とR
4が同一であることが好ましい。
【0107】
上記いずれかの実施態様(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)、(O/S−IV)及び(O/S−V)についての)において、R
2〜R
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル基は、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択される(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され、そしてR
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択される。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5は、各々Hであるか;又は、(ii)R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3とR
4の両者は、F、Cl又はメチルである。
【0108】
(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により環が形成されている、上記いずれかの実施態様において、該環は、好ましくは、場合により1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている3〜7員環(例えば、5又は6個のメンバーを有する環)である。該環は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環(該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びN(R
40)(R
40は、R
11、−OR
11、−NH
yR
202−y及び−S(O)
1−2R
11(R
11、R
20及びyは、上記と同義である)からなる群より選択される)からなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有する)のいずれであってもよい。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、5又は6員芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環であり、該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びNからなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有し、少なくとも1個のヘテロ原子はNである。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンタジエン、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ジオキソール(例えば、1,3−ジオキソール)、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ジオキシン(例えば、1,4−ジオキシン)、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン及び前記のもの各々のジ又はテトラヒドロ体からなる群より選択される。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンテン(例えば、2,3−ジヒドロシクロペンタジエン)、ジオキソール(例えば、場合により、2位において1個又は2個のハロゲン原子(例えば、F)で置換されている、1,3−ジオキソール)又はジオキシン(例えば、2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)である。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数は、0又は1である。よって、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数が1である実施態様においては、隣接する置換基2個のみ(即ち、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4又は(iii)R
4及びR
5のいずれか)が、それらが結合している原子と一緒になって環を形成し、ここで、該環は、上記いずれかの実施態様において定義された通りであり、R
2〜R
5の残りは、それらが一緒になって環を形成しない状況に関して先に特定された、特定の部分の群より選択される。例えば、一緒になって環を形成しないR
2〜R
5の残りは、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。別の実施態様において、R
2〜R
5は、一緒になって環を形成しない。
【0109】
上記いずれかの実施態様において、R
2とR
5は同一であってよく、及び/又は、R
3とR
4は同一であってよい。
【0110】
式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキルは、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)か、又は、R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくは2個の独立に選択されたR
30で置換されている5若しくは6員環を形成していてもよい。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択され(特に、R
2及びR
5は、各々−Hである)、又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくはは2個の独立に選択されたハロゲン(特にF)で置換されているジオキソール若しくはジオキシン環を形成していてもよい。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり;R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;R
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、ジオキソール(特に1,3−ジオキソール)若しくはジオキシン(特に2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)環を形成していてもよく、該ジオキソール環は、場合により、2個のFで置換されている。式(O/S−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)及び(O/S−IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5が、各々−Hであるか;(ii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4の両者が、F、Cl若しくはメチルであるか;又は(iii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、2,2−ジフルオロ−1,3−ジオキソール環若しくは2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン環を形成している。
【0111】
上記いずれかの実施態様(特に、式(O/S−I)、(O/S−II)、(O/S−III)、(O/S−IV)及び(O/S−V)についての)において、R
30は、いずれの場合も、先に特定された典型的な第1、第2又は第3レベル置換基であってよく、独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、5又は6員シクロアルキル、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択されるもの(例えば、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル(即ち、アゼパニル、特に4−アゼパニル)、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル(即ち、ジアゼパニル、特に2,4−ジアゼパニル)、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル、−CH
2CH
2OCH
3、−OCH
2CH
2OCH
3、−CH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−OCH
2CH
2NH
2−z(CH3)
z、−CF
3、−OCF
3)であってよい。或いは、R
30は、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、前記の基の部分的及び完全に水素化した形態、モルホリノ、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OH、−OCH
3、−OCF
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは0、1又は2)からなる群より選択されるものであってよい。
【0112】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(C−I):
【化24】
[式中、
Eは、−N(R
6)−であり;
Lは、C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1と6の間の整数であり、nは、0と3の間の整数であり、oは、1と3の間の整数であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7)−より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−10アルキレン、C
2−10アルケニレン、C
2−10アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−又は−(CH
2)
n−基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
Gは、場合により、1個、2個、3個、4個又は5個の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルであり;
環Aは、場合により、1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている単環式3〜10員シクロアルキレンであり;
R
1は、Hであり;
R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されているか、又は;
R
2及びR
3は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく、及び/又は、R
4及びR
5は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく;
R
6は、Hであり;
R
7は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
8は、いずれの場合も、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−N(R
11)(OR
11)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2OR
11、−OS(O)
1−2R
11、−OS(O)
1−2OR
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−OS(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2OR
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より独立に選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよく;
Xは、O、S及びN(R
14)より独立に選択され;
R
11は、いずれの場合も、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
12及びR
13は、いずれの場合も、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、又は、R
12及びR
13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、基−N=CR
15R
16を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
14は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−OR
11からなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
15及びR
16は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び−NH
yR
202−yからなる群より選択され、又は、R
15及びR
16は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている環を形成していてもよく、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
yは、0〜2の整数であり;
R
20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており;
R
30は、第1レベル置換基であって、いずれの場合も、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、アジド、−NO
2、−OR
71、−N(R
72)(R
73)、−S(O)
0−2R
71、−S(O)
1−2OR
71、−OS(O)
1−2R
71、−OS(O)
1−2OR
71、−S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−OS(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−N(R
71)S(O)
1−2R
71、−NR
71S(O)
1−2OR
71、−NR
71S(O)
1−2N(R
72)(R
73)、−C(=X
1)R
71、−C(=X
1)X
1R
71、−X
1C(=X
1)R
71及び−X
1C(=X
1)X
1R
71からなる群より選択され、及び/又は、シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
30は、一緒になって=X
1を形成していてもよく、ここで、第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第1レベル置換基である該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第2レベル置換基で置換されており、該第2レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OR
81、−N(R
82)(R
83)、−S(O)
0−2R
81、−S(O)
1−2OR
81、−OS(O)
1−2R
81、−OS(O)
1−2OR
81、−S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−OS(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−N(R
81)S(O)
1−2R
81、−NR
81S(O)
1−2OR
81、−NR
81S(O)
1−2N(R
82)(R
83)、−C(=X
2)R
81、−C(=X
2)X
2R
81、−X
2C(=X
2)R
81及び−X
2C(=X
2)X
2R
81からなる群より選択され、及び/又は、第1レベル置換基であるシクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第2レベル置換基は、一緒になって=X
2を形成していてもよく、ここで、第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル及び3〜14員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜第2レベル置換基である該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜14員アリール、3〜14員ヘテロアリール、3〜14員シクロアルキル又は3〜14員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の第3レベル置換基で置換されており、該第3レベル置換基は、いずれの場合も、独立に、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
zからなる群より選択され、ここで、zは、0、1若しくは2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピルであり、及び/又は、第2レベル置換基である3〜14員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同一の炭素原子と結合している任意の2個の第3レベル置換基は、一緒になって=O、=S、=NH若しくは=N(C
1−3アルキル)を形成していてもよく;
R
71、R
72及びR
73は、独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
R
81、R
82及びR
83は、独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、3〜6員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜6員ヘテロシクリル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−OCF
3、=O、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)(C
1−3アルキル)、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されており;
X
1及びX
2は、独立に、O、S及びN(R
84)(R
84は、−H又はC
1−3アルキルである)より選択される]
並びにその溶媒和物、塩、錯体、多形体、結晶形態、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、同位体標識形態、プロドラッグ及びそれらの組み合わせを有する。
【0113】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(C−II):
【化25】
[式中、
R
1〜R
5、E、L及びGは上記又は下記と同義であり、場合により置換されている単環式環Aは、3〜8員、好ましくは4、5、6又は7員、より好ましくは6又は7員である]
を有する。式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aそれ自体は、不飽和である(即ち、3〜10個の環Aのメンバーは、1個、2個又は3個(好ましくは1個又は2個、最も好ましくは1個)の二重結合を環内に構成する)が、芳香族ではない。式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の別の実施態様において、環Aは飽和である(即ち、環Aそれ自体は、環内に不飽和がない);ただし、環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)のR
9で置換されている場合、R
9は不飽和であってもよい(即ち、二重及び/若しくは三重結合並びに/又は1個以上(例えば、1個、2個又は3個)の芳香族環を含んでいてもよい)。式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロオクチレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレン、シクロペンテニレン、シクロオクテニレン及びそれらの位置異性体からなる群より選択されるものであってよい。式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン及びシクロオクチレンからなる群より選択される。式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、環Aは、各々場合により1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロペンチレン及びシクロオクチレンからなる群より選択される。
【0114】
式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様において、環Aは非置換であってもよい。
【0115】
環Aが1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、そのようなR
9は、各々独立に、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=Xを形成していてもよい。式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、R
9は、各々独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されており、及び/又は、環Aの同一の炭素原子と結合している任意の2個のR
9は、一緒になって=O若しくは=Sを形成していてもよい。一つの実施態様において、R
9は、各々独立に、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)、−NH
2−z(CH
3)
z、モルホリニル(例えば、4−モルホリニル)、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)及びN−メチルピペラジニル(例えば、4−メチルピペラジン−1−イル)からなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);シクロプロピル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;=O;−O(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−O(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−(CH
2)
d−(4−モルホリニル);−(CH
2)
d−(1−ピペラジニル);−(CH
2)
d−(4−メチルピペラジン−1−イル);4−モルホリニル;4−ピペラジニル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−NHC(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−NHC(=O)NH
2−z(CH
3)
z;−NHS(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
9は、環Aの環炭素原子と結合する水素原子を置換しているとき、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環炭素原子と結合する水素原子を置換しているR
9は、各々独立に、C
1−4アルキル(特にメチル)、−N(R
12)(R
13)(特にNH
2)及び−N(R
14)C(
=O)R
11(特にNHC(O)CH
3)からなる群より選択される。一つの実施態様において、環Aの環炭素原子は非置換であるか、又は、環Aの1個の環炭素原子が、NH
2若しくはCH
3である1個のR
9、又はCH
3である2個のR
9で置換されている。
【0116】
環Aが、1個以上(例えば、1〜環Aと結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
9で置換されている、式(C−II)のスピロキノキサリン誘導体の上記いずれかの実施態様においては、好ましくは、R
9は、環Aが4員の場合には3位、環Aが5員の場合には3又は4位、環Aが6員の場合には3、4又は5位、環Aが7員の場合には3、4、5又は6位、又は環Aが8員の場合には3、4、5、6又は7位において、環Aと結合する。一つの実施態様において、特に環Aが1個又は2個の独立に選択されたR
9で置換されている場合、R
9は、環Aが4又は5員の場合には3位、環Aが6又は7員の場合には3又は4位(好ましくは4位)、環Aが8員の場合には3、4又は5位において、環Aと結合する。
【0117】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(C−III):
【化26】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、
Lは、C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、−(CH
2)
a−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0と3の間の整数より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)−(R
7’は、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員ヘテロシクリル、−OR
11及び−NHR
20からなる群より選択される)−より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキレン、C
2−6アルケニレン、C
2−6アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、3〜7員シクロアルキル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている]
を有する。式(C−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0、1及び2より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、oは、1、2又は3であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、独立にO、S及び−N(R
7’)−(R
7’は、−H、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、−O(C
1−3アルキル)及び−NHR
20からなる群より選択される)より選択される)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキレン、C
2−4アルケニレン、C
2−4アルキニレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−、−(CH
2)
n−、C
1−3アルキル、3、5、6又は7員シクロアルキル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(C−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、C
1−3アルキレン、−(CH
2)
a−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)
b−(式中、a及びbは、各々独立に、0及び1より選択される)及び−(CH
2)
m−[Y−(CH
2)
n]
o−(式中、mは、1又は2であり、nは、0、1又は2であり、oは、1又は2であり、nが0であるとき、oは1であり、Yは、Oである)からなる群より選択され、ここで、該C
1−3アルキレン、1,1−シクロプロピレン、−(CH
2)
m−及び−(CH
2)
n−基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(C−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン(場合により、2位において1個のR
30(例えば、フェニル)で置換されている);トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);2,4−ブタンジイル;−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(C−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);−1,1−シクロプロピレン−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン;−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−(CH
2)−1,1−シクロプロピレン−(CH
2)−;−CH
2O−;−(CH
2)
2O−;及び−(CH
2)
3O−(例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,2−エチレン;トリメチレン(−(CH
2)
3−);2,2−プロピレン(−C(CH
3)
2−);1,1−シクロプロピレン;及び−(CH
2)
2O−、特にメチレン)からなる群より選択される。式(C−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、各々場合により、1個のR
30で置換されている、C
1アルキレン、C
2アルキレン(特に1,2−エチレン又は1,1−エチレン)、C
3アルキレン(特にトリメチレン)及びC
4アルキレン(特にテトラメチレン又は2,4−ブタンジイル)からなる群より選択される。式(C−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、2,4−ブタンジイル及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。式(C−III)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びGは上記(特に、式(C−I)及び(C−II)についての)又は下記と同義であり、Lは、メチレン及び2−フェニル−1,2−エチレン(−CH
2−CH(C
6H
5)−)からなる群より選択される。
【0118】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(C−IV):
【化27】
[式中、
R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(C−I)、(C−II)及び(C−III)についての)又は下記と同義であり、
Gは、非置換であるか、又は、1個、2個、3個、4個若しくは5個(例えば、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
8で置換されているフェニルである]
を有する。Gが置換されている、上記いずれかの実施態様(式(C−I)〜(C−III)のそれらを含む)においては、R
8は、いずれの場合も、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。式(C−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(C−I)、(C−II)及び(C−III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。
式(C−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(C−I)、(C−II)及び(C−III)についての)又は下記と同義であり、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル);4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル)、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。
一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;tert−ブチル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。一つの実施態様において、R
8は、各々独立に、メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;ピロリジニル(例えば、4−ピロリジニル);−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−O−フェニル;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH;及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり、dは、1、2又は3であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(C−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(C−I)、(C−II)及び(C−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、1個、2個若しくは3個のR
8で置換されており、ここで、R
8は、いずれの場合も、C
1−4アルキル(特にメチル又はtert−ブチル);ハロゲン(特にF又はCl);−OR
11(特に−OCH
3);及び1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されているC
1−4アルキル(特に−CF
3)からなる群より選択される。式(C−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(C−I)、(C−II)及び(C−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換であるか、又は、メチル、F、Cl、−OCH
3及び−CF
3からなる群より各々独立に選択された1個若しくは2個のR
8で置換されている。式(C−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(C−I)、(C−II)及び(C−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、フルオロフェニル(特に3−フルオロフェニル)、クロロフェニル(特に2−、3−又は4−クロロフェニル)、メチルフェニル(特に2−又は3−メチルフェニル)、tert−ブチルフェニル(特に4−tert−ブチルフェニル)、メトキシフェニル(特に3−メトキシフェニル)、(トリフルオロメチル)フェニル(特に3−又は4−(トリフルオロメチル)フェニル)、ジフルオロフェニル(特に2,4−又は2,6−ジフルオロフェニル)、ジクロロフェニル(特に2,4−又は3,4−ジクロロフェニル)、クロロフルオロフェニル(特に4−クロロ−2−フルオロフェニル)及びジメチルフェニル(特に3,5−ジメチルフェニル)からなる群より選択される。式(C−IV)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1〜R
5、環A、E及びLは上記(特に、式(C−I)、(C−II)及び(C−III)についての)又は下記と同義であり、Gは、非置換フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−メチルフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル及び3,5−ジメチルフェニルからなる群より選択される。
【0119】
一つの実施態様において、該スピロキノキサリン誘導体は、下記一般式(C−V):
【化28】
[式中、
R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、
R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hである]
を有する。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは、Hとは異なる。例えば、一つの実施態様において、R
2はHとは異なり、R
3、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
3はHとは異なり、R
2、R
4及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
4はHとは異なり、R
2、R
3及びR
5は、各々Hであるか;又は、R
5はHとは異なり、R
2、R
3及びR
4は、各々Hであるか;又は、R
2及びR
3の両者はHとは異なり、R
4及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
4の両者はHとは異なり、R
3及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2及びR
5の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
2とR
5が同一である)、R
3及びR
4の両者はHであるか;又は、R
3及びR
4の両者はHとは異なり(好ましくは、この実施態様では、R
3とR
4が同一である)、R
2及びR
5の両者はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
4は、各々Hとは異なり、R
5はHであるか;又は、R
2、R
3及びR
5は、各々Hとは異なり、R
4はHであるか;又は、R
2、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
3はHであるか;又は、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なり、R
2はHであるか;又は、R
2、R
3、R
4及びR
5は、各々Hとは異なる。上記いずれかの実施態様においては、R
2とR
5が同一である、及び/又は、R
3とR
4が同一であることが好ましい。
【0120】
上記いずれかの実施態様(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)、(C−IV)及び(C−V)についての)において、R
2〜R
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11からなる群より選択され、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、−H、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル、3、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=O)R
11、−C(=O)OR
11、−C(=O)SR
11、−C(=O)N(R
14)(R
11)、−C(=S)OR
11、−N(R
14)C(=O)R
11、−OC(=O)R
11、−OC(=S)R
11、−N(R
14)C(=O)N(R
14)(R
11)及び−N(R
14)C(=N(R
14))N(R
14)(R
11)からなる群より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3、5、6又は7員シクロアルキル及び3、5、6又は7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;C
1−4アルキル;−OH、−O(C
1−3アルキル)及び−NH
2−z(CH
3)
zからなる群より選択される1個の置換基で置換されているC
1−4アルキル;−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CHF
2又は−CH
2CH
2Fのような、1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル;フェニル;シクロプロピル;5員ヘテロシクリル;4−モルホリニル;ホモモルホリニル;4−ピペリジニル;ホモピペリジニル;4−ピペラジニル;ホモピペラジニル;N−メチル−ピペラジン−4−イル;N−メチル−ホモピペラジニル;ハロゲン;−CN;−OH;−O(C
1−3アルキル);−OCF
3、−OCH
2CF
3、−OCH
2CHF
2又は−OCH
2CH
2Fのような、−O(1個、2個又は3個のハロゲン(好ましくはF)で置換されているC
1−4アルキル);−O−フェニル;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−S(C
1−3アルキル);−S(O)
2(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHS(O)
2(C
1−3アルキル);−C(=O)(場合により−NH
2−z(CH
3)
zで置換されているC
1−3アルキル);−C(=O)OH;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z;及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択され、該フェニル、シクロプロピル、5員ヘテロシクリル、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル及び−O−フェニル基は各々、場合により、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−OH、−OCH
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは、0、1又は2である)からなる群より独立に選択された1個、2個又は3個の置換基で置換されている。一つの実施態様において、R
2、R
3、R
4及びR
5は、他の1つのR
2〜R
5と一緒になって環を形成しない場合、各々独立に、H;メチル;エチル;イソプロピル;フェニル;シクロプロピル;−(CH
2)
d−NH
2−z(CH
3)
z;−(CH
2)
d−O(CH
3);−CF
3;−OCF
3;−CH
2CF
3;−CH
2CHF
2;−CH
2CH
2F;ハロゲン(特に、−F、−Cl、−Br);−CN;−NH
2;−NH(C
1−3アルキル);−N(C
1−3アルキル)
2;−C(=O)CH
3;−C(=O)CH
2NH
2−z(CH
3)
z;−C(=O)O(C
1−3アルキル);−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z;−NHC(=O)(C
1−3アルキル);−S(O)
2(C
1−3アルキル);−S(O)
2(CH
2)
dNH
2−z(CH
3)
z;−OH及び−O(C
1−3アルキル)(zは、0、1又は2であり;dは、1、2又は3であり;C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択される。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキルは、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択される(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され、そしてR
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択される。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5は、各々Hであるか;又は、(ii)R
2及びR
5は、各々−Hであり、R
3とR
4の両者は、F、Cl又はメチルである。
【0121】
(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により環が形成されている、上記いずれかの実施態様において、該環は、好ましくは、場合により1個以上(例えば、1〜該環と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている3〜7員環(例えば、5又は6個のメンバーを有する環)である。該環は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環(該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びN(R
40)(R
40は、R
11、−OR
11、−NH
yR
202−y及び−S(O)
1−2R
11(R
11、R
20及びyは、上記と同義である)からなる群より選択される)からなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有する)のいずれであってもよい。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、5又は6員芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族又は複素環であり、該ヘテロ芳香族/複素環は、O、S及びNからなる群より選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有し、少なくとも1個のヘテロ原子はNである。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンタジエン、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ジオキソール(例えば、1,3−ジオキソール)、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ジオキシン(例えば、1,4−ジオキシン)、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン及び前記のもの各々のジ又はテトラヒドロ体からなる群より選択される。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環は、シクロペンテン(例えば、2,3−ジヒドロシクロペンタジエン)、ジオキソール(例えば、場合により、2位において1個又は2個のハロゲン原子(例えば、F)で置換されている、1,3−ジオキソール)又はジオキシン(例えば、2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)である。一つの実施態様において、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数は、0又は1である。よって、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4、並びに/又は(iii)R
4及びR
5により形成されている環の総数が1である実施態様においては、隣接する置換基2個のみ(即ち、(i)R
2及びR
3、(ii)R
3及びR
4又は(iii)R
4及びR
5のいずれか)が、それらが結合している原子と一緒になって環を形成し、ここで、該環は、上記いずれかの実施態様において定義された通りであり、R
2〜R
5の残りは、それらが一緒になって環を形成しない状況に関して先に特定された、特定の部分の群より選択される。例えば、一緒になって環を形成しないR
2〜R
5の残りは、−H、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CN、−OR
11、−N(R
12)(R
13)、−S(O)
0−2R
11、−S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−N(R
11)S(O)
1−2R
11、−NR
11S(O)
1−2N(R
12)(R
13)、−C(=X)R
11、−C(=X)XR
11、−XC(=X)R
11及び−XC(=X)XR
11より選択されるものであってよく、ここで、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル及び3〜7員ヘテロシクリル基は各々、場合により、1個以上(例えば、1〜該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、5若しくは6員アリール、5若しくは6員ヘテロアリール、3〜7員シクロアルキル又は3〜7員ヘテロシクリル基と結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10まで、例えば、1〜5、1〜4若しくは1〜3の間、又は1若しくは2)の独立に選択されたR
30で置換されている。別の実施態様において、R
2〜R
5は、一緒になって環を形成しない。
【0122】
上記いずれかの実施態様において、R
2とR
5は同一であってよく、及び/又は、R
3とR
4は同一であってよい。
【0123】
式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、C
1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択され、ここで、該C
1−4アルキルは、場合により、1個、2個又は3個の独立に選択されたR
30で置換されている(特に、R
2及びR
5が各々−Hである)か、又は、R
3及びR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくは2個の独立に選択されたR
30で置換されている5若しくは6員環を形成していてもよい。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に、−H、メチル、F、Cl及びCF
3からなる群より選択され(特に、R
2及びR
5は、各々−Hである)、又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、場合により、1個若しくは2個の独立に選択されたハロゲン(特にF)で置換されているジオキソール若しくはジオキシン環を形成していてもよい。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、R
2及びR
5は、各々−Hであり;R
3は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;R
4は、−H、メチル、F及びClからなる群より選択され;又は、R
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、ジオキソール(特に1,3−ジオキソール)若しくはジオキシン(特に2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン)環を形成していてもよく、該ジオキソール環は、場合により、2個のFで置換されている。式(C−V)のスピロキノキサリン誘導体の一つの実施態様において、R
1、環A、E、L及びGは上記(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)及び(C−IV)についての)又は下記と同義であり、(i)R
2〜R
5が、各々−Hであるか;(ii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4の両者が、F、Cl若しくはメチルであるか;又は(iii)R
2及びR
5が、各々−Hであり、かつR
3及びR
4が、それらが結合している原子と一緒になって、2,2−ジフルオロ−1,3−ジオキソール環若しくは2,3−ジヒドロ−[1,4]−ジオキシン環を形成している。
【0124】
上記いずれかの実施態様(特に、式(C−I)、(C−II)、(C−III)、(C−IV)及び(C−V)についての)において、R
30は、いずれの場合も、先に特定された典型的な第1、第2又は第3レベル置換基であってよく、独立に、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
2−4アルキニル、5又は6員アリール、5又は6員ヘテロアリール、5又は6員シクロアルキル、5、6又は7員ヘテロシクリル、ハロゲン、−CF
3、−CN、アジド、−NO
2、−OH、−O(C
1−3アルキル)、−S(C
1−3アルキル)、−NH
2、−NH(C
1−3アルキル)、−N(C
1−3アルキル)
2、−NHS(O)
2(C
1−3アルキル)、−S(O)
2NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−C(=O)OH、−C(=O)O(C
1−3アルキル)、−C(=O)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z、−NHC(=O)(C
1−3アルキル)、−NHC(=NH)NH
z−2(C
1−3アルキル)
z及び−N(C
1−3アルキル)C(=NH)NH
2−z(C
1−3アルキル)
z(zは、0、1又は2であり、C
1−3アルキルは、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)からなる群より選択されるもの(例えば、4−モルホリニル、ホモモルホリニル、4−ピペリジニル、ホモピペリジニル(即ち、アゼパニル、特に4−アゼパニル)、4−ピペラジニル、ホモピペラジニル(即ち、ジアゼパニル、特に2,4−ジアゼパニル)、N−メチル−ピペラジン−4−イル、N−メチル−ホモピペラジニル、−CH
2CH
2OCH
3、−OCH
2CH
2OCH
3、−CH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−OCH
2CH
2NH
2−z(CH
3)
z、−CF
3、−OCF
3)であってよい。或いは、R
30は、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、前記の基の部分的及び完全に水素化した形態、モルホリノ、C
1−3アルキル、ハロゲン、−CF
3、−OH、−OCH
3、−OCF
3、−SCH
3、−NH
2−z(CH
3)
z、−C(=O)OH及び−C(=O)OCH
3(zは0、1又は2)からなる群より選択されるものであってよい。
【0125】
一つの実施態様において、本発明の化合物は、表1−N、1−O/S及び1−Cに示される化合物より選択される。
【0126】
本発明の化合物(特に、下記の表1−N、1−O/S及び1−Cに示されるもののような、式(I)、(N−I)、(O/S−I)、(C−I)、(II)、(N−II)、(O/S−II)、(C−II)、(III)、(N−III)、(O/S−III)、(C−III)、(IV)、(N−IV)、(O/S−IV)、(C−IV)、(V)、(N−V)、(O/S−V)及び(C−V)のいずれかの化合物)は、示されている通りの化合物のみならず、その溶媒和物(例えば水和物)、塩(特に、薬学的に許容し得る塩)、錯体、多形体、結晶形態、非結晶形態、非晶質形態、ラセミ混合物、非ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、非標識形態、同位体標識形態、プロドラッグ及びそれらの組み合わせをも包含することが意図されている。
【0127】
本発明の範囲内の、又は本発明の方法における使用のための化合物の選択を、下記の表1−N、1−O/S及び1−Cに列挙する。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】
一つの実施態様において、本発明の化合物は、式(I)の化合物であって、下記(1)、(2)及び/又は(3)を満たすものを包含しない。
(1)R
2〜R
5が各々Hであり、Lが−CH
2−であり、かつ、
(i)Gが非置換フェニルであり、環Aが、下記式:
【化29】
[式中、R
9は、−S(O)
2N(CH
3)
2、(シクロプロピル)スルホニル若しくは(3−ピリジニル)スルホニルであるか、又は、R
9は、−C(O)Zである(ここで、Zは、メチル、tert−ブチル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、−CH
2NHC(O)CH
3、2−メトキシエチルアミノ、モルホリン−4−イルメチル、2−フラニルメチルアミノ、(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル、2−フラニル、3−フラニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピラジン−2−イル、1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル又は1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルである)]
であるか;
(ii)Gが非置換フェニルであり、環Aが、下記式:
【化30】
[式中、R
9は、(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルホニル又は−C(O)Zである(ここで、Zは、2−メトキシエチルアミノ、メトキシカルボニルメチルアミノ、(2−トリフルオロメチルフェニル)アミノ、5−クロロ−1H−インドール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−3−イル又は3−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−5−イルである)]
であるか;
(iii)Gが、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3−メトキシフェニル又は4−メトキシフェニルであり、環Aが、下記式:
【化31】
であるか;
(iv)Gが3−メトキシフェニルであり、環Aが、下記式:
【化32】
[式中、R
9は、(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルホニルである]
であるか;
(v)Gが4−フルオロフェニルであり、環Aが、下記式:
【化33】
[式中、R
9は−C(O)Zである(ここで、Zは、6−メトキシ−1H−インドール−2−イル又は3,4−ジメトキシフェニルである)]
であるか;又は
(vi)Gが4−クロロフェニルであり、環Aが、下記式:
【化34】
[式中、R
9は−C(O)Zである(ここで、Zは、1−メチル−2−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)エチルである)]
である;
(2)環Aが、下記式:
【化35】
であり、R
2及びR
5の両者がHであり、Lが−CH
2−であり、かつ
(i)R
3及びR
4の両者がHであり、Gが、3−メチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−クロロフェニル又は4−フルオロフェニルであるか;又は
(ii)R
3及びR
4の両者がメチルであり、Gが4−フルオロフェニルである;
(3)R
2及びR
5の両者がHであり、Lが−CH
2−であり、かつ、
(i)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化36】
であり、Gが、非置換フェニル、4−メチルフェニル、3−メトキシフェニル又は4−メトキシフェニルであるか;
(ii)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化37】
であり、Gが、4−メチルフェニル、4−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル又は3−メトキシフェニルであるか;
(iii)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化38】
であり、Gが、非置換フェニル、3−メチルフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル又は4−トリフルオロメチルフェニルであるか;
(iv)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化39】
であり、Gが3−メトキシフェニルであるか;
(v)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化40】
であり、Gが、非置換フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル又は4−トリフルオロメチルフェニルであるか;
(vi)R
3及びR
4の両者がメチルであり、環Aが、下記式:
【化41】
であり、Gが、3−フルオロフェニル又は3,5−ジフルオロフェニルであるか;
(vii)R
3及びR
4の両者がメチルであり、環Aが、下記式:
【化42】
であり、Gが、3−フルオロフェニル又は3−メトキシフェニルであるか;又は
(viii)R
3及びR
4の両者がメチルであり、環Aが、下記式:
【化43】
であり、Gが、非置換フェニル、2−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル又は3−メトキシフェニルである。
【0132】
一つの実施態様において、本発明の化合物は、一般式(N−I)(例えば、(N−II)、(N−III)、(N−IV)又は(N−V))を有するが、式(N−I)の化合物であって、R
2〜R
5が各々Hであり、Lが−CH
2−であり、かつ、
(i)Gが非置換フェニルであり、環Aが、下記式:
【化44】
[式中、R
9は、−S(O)
2N(CH
3)
2、(シクロプロピル)スルホニル若しくは(3−ピリジニル)スルホニルであるか、又は、R
9は、−C(O)Zである(ここで、Zは、メチル、tert−ブチル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、−CH
2NHC(O)CH
3、2−メトキシエチルアミノ、モルホリン−4−イルメチル、2−フラニルメチルアミノ、(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル、2−フラニル、3−フラニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピラジン−2−イル、1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル又は1−エチル−1H−ピラゾール−5−イルである)]
であるか;
(ii)Gが非置換フェニルであり、環Aが、下記式:
【化45】
[式中、R
9は、(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルホニル又は−C(O)Zである(ここで、Zは、2−メトキシエチルアミノ、メトキシカルボニルメチルアミノ、(2−トリフルオロメチルフェニル)アミノ、5−クロロ−1H−インドール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−3−イル又は3−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−5−イルである)]
であるか;
(iii)Gが、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3−メトキシフェニル又は4−メトキシフェニルであり、環Aが、下記式:
【化46】
であるか;
(iv)Gが3−メトキシフェニルであり、環Aが、下記式:
【化47】
[式中、R
9は、(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルホニルである]
であるか;
(v)Gが4−フルオロフェニルであり、環Aが、下記式:
【化48】
[式中、R
9は−C(O)Zである(ここで、Zは、6−メトキシ−1H−インドール−2−イル又は3,4−ジメトキシフェニルである)]
であるか;又は
(vi)Gが4−クロロフェニルであり、環Aが、下記式:
【化49】
[式中、R
9は−C(O)Zである(ここで、Zは、1−メチル−2−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)エチルである)]
である
ものは包含しない。
【0133】
一つの実施態様において、本発明の化合物は、一般式(O/S−I)(例えば、(O/S−II)、(O/S−III)、(O/S−IV)又は(O/S−V))を有するが、式(O/S−I)の化合物であって、環Aが、下記式:
【化50】
であり、R
2及びR
5の両者がHであり、Lが−CH
2−であり、かつ、
(i)R
3及びR
4の両者がHであり、そしてGが、3−メチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−クロロフェニル又は4−フルオロフェニルであるか;又は、
(ii)R
3及びR
4の両者がメチルであり、Gが、4−フルオロフェニルである
ものは包含しない。
【0134】
一つの実施態様において、本発明の化合物は、一般式(C−I)(例えば、(C−II)、(C−III)、(C−IV)又は(C−V))を有するが、式(C−I)の化合物であって、R
2及びR
5の両者がHであり、Lが−CH
2−であり、かつ、
(i)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化51】
であり、Gが、非置換フェニル、4−メチルフェニル、3−メトキシフェニル又は4−メトキシフェニルであるか;
(ii)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化52】
であり、Gが、4−メチルフェニル、4−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル又は3−メトキシフェニルであるか;
(iii)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化53】
であり、Gが、非置換フェニル、3−メチルフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル又は4−トリフルオロメチルフェニルであるか;
(iv)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化54】
であり、Gが3−メトキシフェニルであるか;
(v)R
3及びR
4の両者がHであり、環Aが、下記式:
【化55】
であり、Gが、非置換フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル又は4−トリフルオロメチルフェニルであるか;
(vi)R
3及びR
4の両者がメチルであり、環Aが、下記式:
【化56】
であり、Gが、3−フルオロフェニル又は3,5−ジフルオロフェニルであるか;
(vii)R
3及びR
4の両者がメチルであり、環Aが、下記式:
【化57】
であり、Gが、3−フルオロフェニル又は3−メトキシフェニルであるか;又は
(viii)R
3及びR
4の両者がメチルであり、環Aが、下記式:
【化58】
であり、Gが、非置換フェニル、2−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル又は3−メトキシフェニルである
ものは包含しない。
【0135】
本発明の化合物で、塩基の官能性を含むものは、種々の無機又は有機酸と塩を形成し得る。下記「医薬組成物」のセクション内の「薬学的に許容し得る塩」の定義には、例示的な無機及び有機酸/塩基、並びに、本発明の化合物の例示的な酸/塩基付加塩が示されている。本発明の化合物で、酸の官能性を含むものは、種々の無機又は有機塩基と塩を形成し得る。本発明の化合物で、塩基及び酸の両方の官能性を含むものは、塩基又は酸付加塩のいずれにも変換し得る。従来の手法により、該塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を単離することにより、本発明の化合物の中性の形態を再生し得る。
【0136】
本発明の化合物は、プロドラッグの形態であってもよい。本発明の化合物のプロドラッグは、個体に投与されると、生理的条件下において化学変換を起こし、本発明の化合物をもたらすような化合物である。加えて、エクスビボ環境において、化学的又は生化学的な方法により、プロドラッグを本発明の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、例えば経皮パッチ容器(transdermal patch reservoir)内に適切な酵素又は化学試薬と共に置かれると、緩やかに本発明の化合物に変換され得る。例示的なプロドラッグは、インビボで加水分解性であるエステル又はアミドである。
【0137】
更なる態様において、本発明は、医薬としての使用のための、本発明の化合物(特に、式(I)、(N−I)、(O/S−I)、(C−I)、(II)、(N−II)、(O/S−II)、(C−II)、(III)、(N−III)、(O/S−III)、(C−III)、(IV)、(N−IV)、(O/S−IV)、(C−IV)、(V)、(N−V)、(O/S−V)及び(C−V)のいずれかに関して先に特定されたもの)を提供する。
【0138】
実施例より明らかなように、本発明者らは、本発明の化合物が、非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害する、及び/又は、酸化的ストレスを減少させるが、アポトーシス性細胞死を阻害しないことを見出した。一つの実施態様において、本発明の化合物は、非アポトーシス性の制御された細胞死及び/又は酸化的ストレスの選択的阻害剤である、即ち、それらは、非アポトーシス性の制御された細胞死及び/又は酸化的ストレスを阻害するが、アポトーシス性細胞死を阻害しない。一つの実施態様において、本発明の化合物は、少なくとも1つの側面においてネクロスタチン−1及び/又はフェロスタチンが示す薬理学的特性よりも優れた薬理学的特性(生物学的利用率、毒性、副作用、用量決定(dosing)、患者コンプライアンス、配合適性(compatibility)、安定性、半減期等)を示す。
【0139】
医薬組成物
更なる態様において、本発明は、先に「化合物」の見出しの元に特定された化合物及び1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0140】
該医薬組成物は、個体に対し、経腸的(enterally)又は非経腸的(parenterally)といった、任意の経路で投与され得る。
【0141】
本発明による組成物は、一般的には、「薬学的に許容し得る量」で、「薬学的に許容し得る製剤」として適用される。そのような組成物は、塩、緩衝剤、保存剤、担体及び任意に他の治療薬を含んでいてよい。「薬学的に許容し得る塩」は、例えば、酸付加塩を含み、これは、例えば、化合物の溶液を、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸といった、薬学的に許容し得る酸の溶液と混合することにより形成し得る。更に、該化合物が酸性部分を有している場合、薬学的に許容し得る適切なその塩には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩);アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム又はマグネシウム塩);及び適切な有機配位子(例えば、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシラート、サルフェート、ホスファート、ニトラート、アルキルスルホナート及びアリールスルホナートといった対アニオンを用いて形成されるアンモニウム、4級アンモニウム及びアミンカチオン)で形成される塩が含まれ得る。薬学的に許容し得る塩の説明的な例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、エデト酸カルシウム、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、カンシル酸塩(camsylate)、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、二塩酸塩、ドデシル硫酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩(edisylate)、エストラート(estolate)、エシル酸塩(esylate)、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクト酸塩(galactate)、ガラクツロン酸塩、グルセプト酸塩(gluceptate)、グルコヘプトン酸塩(glucoheptonate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycolylarsanilate)、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、イソチオネート(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ペクチニン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、フタル酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれるが、これらに限定されない(例えば、S. M. Berge et al., "Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci., 66, pp. 1-19 (1977)を参照)。
【0142】
本明細書で使用する用語「賦形剤」は、例えば、担体、結合剤、滑沢剤、増粘剤、界面活性剤、保存剤、乳化剤、緩衝剤、香味剤、着色剤又は酸化防止剤といった、医薬組成物中の有効成分でない(例えば、使用した量/濃度では何ら治療効果を示さない、治療上無効な成分である)全ての物質を示すことを意図するものである。
【0143】
本発明による組成物は、薬学的に許容し得る担体を含んでいてもよい。本明細書で使用する「薬学的に許容し得る担体」には、生理的に適合性のある任意かつ全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張化及び吸収遅延剤等が含まれる。「薬学的に許容し得る担体」は、固体、半固体、液体又はそれらの組み合わせのいずれの形態であってもよい。好ましくは、担体は、経腸(例えば、経口)又は非経腸(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、脊髄又は表皮投与(例えば、注射又は点滴))投与に適する。投与経路に依存して、活性化合物、即ち本発明の化合物は、該化合物を不活性化し得る酸及びその他の自然条件の作用から該化合物を保護するための物質内にコーティングされていてもよい。
【0144】
本発明の組成物は、当技術分野において公知の種々の方法により投与することができる。当業者にはわかることであろうが、投与の経路及び/又は様式は、所望の結果に応じて変動するであろう。活性化合物は、埋込剤、経皮パッチ及びマイクロカプセル化送達システムを含む放出制御製剤といった、該化合物を急速な放出から保護する担体を用いて調製することができる。エチレン−酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸といった、生分解性の、生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製方法は、一般に当業者にとって公知である。例えば、「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978」を参照されたい。
【0145】
本発明の化合物をある投与経路で投与するために、該化合物の不活性化を防止する物質で該化合物をコーティングする、又は、その物質を該化合物と共投与する(co-administer)ことが必要になる可能性がある。例えば、該化合物を適切な担体、例えばリポソーム又は希釈剤に入れて個体に投与してもよい。薬学的に許容し得る希釈剤には、食塩水及び水性緩衝溶液が含まれる。リポソームには、水中油中水型CGF乳剤(water-in-oil-in-water CGF emulsions)並びに、従来のリポソームが含まれる(Strejan et al., J. Neuroimmunol. 7: 27 (1984))。
【0146】
薬学的に許容し得る担体には、滅菌水溶液又は分散液及び注射用滅菌溶液又は分散液即時調製(extemporaneous preparation)用の滅菌粉末が含まれる。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野において公知である。従来の媒体又は薬剤がいずれも活性化合物と適合しないという範囲を除き、本発明の医薬組成物におけるその使用は熟慮される(contemplated)。補助的な活性化合物も、該組成物に組み入れることができる。
【0147】
医薬組成物は、典型的には、製造及び保存の条件下において無菌かつ安定であらねばならない。該組成物は、溶液、マイクロエマルション、リポソーム又はその他の高薬物濃度に適する指示された構造体として製剤化することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)及びそれらの適切な混合物を含有する溶媒又は分散媒であることができる。例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用、必要な粒子径の維持(分散液の場合)及び界面活性剤の使用により、適切な流動性を維持することができる。多くの場合、組成物に等張化剤、例えば糖、多価アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール)又は塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸塩及びゼラチンを組成物に含めることにより、注射用組成物の延長された吸収をもたらすことができる。
【0148】
必要量の活性化合物を、先に列挙した成分又はその組み合わせと共に、適切な溶媒に組み入れ、次いで滅菌精密濾過を行うことにより、注射用滅菌溶液を調製することができる。
【0149】
一般に、分散液は、基本の分散媒及び先に列挙したものからの必要なその他の成分を含む滅菌媒体に、活性化合物を組み入れることにより調製される。注射用滅菌溶液調製用の滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、有効成分及び任意の更なる望ましい成分の粉末を、事前に滅菌ろ過されたそれらの溶液からもたらす、真空乾燥及びフリーズドライ(凍結乾燥)である。
【0150】
投薬計画は、最適な所望の反応(例えば治療的反応)を提供するように調整される。例えば、単回のボーラス投与を行ってもよいし、数回の分割された用量を徐々に投与してもよいし、又は、治療状況の要求(exigencies of the therapeutic situation)により示されるように、用量を比例的に減少又は増加させてもよい。投与の容易さと投与量の均一さを目的として、非経腸組成物を単位剤形で製剤化することは特に有利である。本明細書で使用する単位剤形は、単位投与量として処置すべき個体に適合させた物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果をもたらすよう計算された、所定の量の活性化合物を含有する。本発明の単位剤形についての仕様は、(a)活性化合物の固有の性質及び達成されるべき特定の治療効果、並びに(b)個体における感受性の処置のための、そのような活性化合物を配合する技術分野において固有の制限によって決まり、かつそれらに直接的に依存する。
【0151】
薬学的に許容し得る酸化防止剤の例には、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等のような、水溶性酸化防止剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール等のような、油溶性酸化防止剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等のような、金属キレート化剤が含まれる。
【0152】
治療/医薬製剤のためには、本発明の組成物には、経腸投与(例えば、経口又は直腸)又は非経腸投与(例えば、経鼻、局所(経膣、頬側及び舌下を含む))に適するそれらが含まれる。該組成物は、簡便に単位剤形でもたらされてもよく、薬学の技術分野において公知の任意の方法により調製されてもよい。医薬組成物(例えば、単回剤形)を製造するために担体材料と合わせることができる有効成分の量(特に、本発明の化合物の量)は、処置される個体及び特定の投与様式に依存して変動するであろう。単回剤形を製造するために担体材料と合わせることができる有効成分の量は、一般的には、治療効果をもたらす組成物の量であろう。
【0153】
一般的に、100%(医薬製剤/医薬組成物について)のうち、有効成分の量(特に、(場合により、医薬製剤/医薬組成物中に存在していれば、他の治療的に活性な薬剤と合わせた)本発明の化合物の量)は、約0.01%〜約99%、好ましくは約0.1%〜約70%、最も好ましくは約1%〜約30%の範囲であろうし、ここで、好ましくは、残りは1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤からなる。
【0154】
単位剤形中の、及び/又は個体に投与され若しくは治療に用いられる際における有効成分、例えば本発明の化合物の量は、単位あたり、1回の投与あたり又は1回の治療あたり、約0.1mg〜約1000mg(例えば、約1mg〜約500mg、例えば、約10mg〜約200mg)の範囲であってよい。特定の実施態様において、そのような有効成分の適切な量は、個体の質量又は体表面積を用いて計算し得て、これには約1mg/Kgと10mg/Kgの間(例えば、約2mg/Kgと5mg/Kgの間)、 又は約1mg/m
2と約400mg/m
2の間(例えば、約3mg/m
2と約350mg/m
2の間、又は約10mg/m
2と約200mg/m
2の間)の量が含まれる。
【0155】
経膣投与に適する本発明の組成物にはまた、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤(当技術分野において、適切であることが知られているような担体を含む)が含まれる。本発明の組成物の局所又は経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤が含まれる。活性化合物は、薬学的に許容し得る担体、及び必要な場合のある任意の保存剤、緩衝剤又は噴射剤と、無菌条件下で混合してもよい。
【0156】
本明細書で使用する表現「経腸投与」及び「経腸的に投与される」は、投与された薬物が胃及び/又は腸によって吸収されることを意味する。経腸投与の例には、経口及び直腸投与が含まれる。本明細書で使用する表現「非経腸投与」及び「非経腸的に投与される」は、通常は注射又は局所適用による、経腸投与以外の投与様式を意味し、これには、非限定的に、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内(intrathecal)、嚢内(intracapsular)、骨内、眼窩内、心臓内(intracardiac)、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下(subcapsular)、脳内、脳室内、くも膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内投与(例えば、注射及び/又は点滴による)、並びに、局所投与(例えば、経皮、吸入又は経粘膜(例えば、頬側、舌下又は経膣))が含まれる。
【0157】
本発明の医薬組成物において使用され得る、適切な水性及び非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)及びそれらの適切な混合物、オリーブ油のような植物油及びオレイン酸エチルのような注射用有機エステルが含まれる。例えば、コーティング材(例えば、レシチン)の使用、必要な粒子径の維持(分散液の場合)及び界面活性剤の使用により、適切な流動性を維持することができる。
【0158】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤及び分散剤といった補助剤をも含んでいてよい。滅菌処置並びに種々の抗菌及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の含有により、微生物の存在の防止を確実にすることができる。組成物に糖、塩化ナトリウム等の等張化剤を含めることが好ましい場合もある。加えて、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンのような、吸収を遅延させる薬剤の含有により、注射用の医薬品形態の延長された吸収をもたらすことができる。
【0159】
選択された投与経路によらず、適切な水和形態で使用し得る本発明の化合物及び/又は本発明の医薬組成物は、当業者にとって公知の従来の方法により、薬学的に許容し得る剤形に製剤化される(例えば、Remington, "The Science and Practice of Pharmacy" edited by Allen, Loyd V., Jr., 22nd edition, Pharmaceutical Sciences, September 2012; Ansel et al., "Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems", 7th edition, Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 1999を参照)。
【0160】
本発明の医薬組成物における有効成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物及び投与様式について、その患者にとって有毒となることなく、所望の治療反応を達成するのに有効な有効成分の量を得るように変動し得る。選択された投与量レベルは、使用される特定の本発明の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排出速度、処置の継続期間、使用される特定の組成物と組み合わせて用いられた他の薬物、化合物及び/又は材料、処置される患者の年齢、性別、体重、容態、一般的健康状態及び以前の病歴を含む種々の薬物動態因子、並びに医療技術分野においてよく知られる類似の因子に依存するであろう。
【0161】
当技術分野における通常の技術を有する内科医又は獣医は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、その内科医又は獣医は、医薬組成物において使用された本発明の化合物の、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルの用量で始め、所望の治療効果を達成するまで徐々に投与量を増加させることもできる。一般に、本発明の組成物の毎日の適切な用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低の用量であるような化合物の量であろう。そのような有効用量は一般に、上記のような因子に依存するであろう。投与は経口、静脈内、筋肉内、腹腔内又は皮下であることが好ましく、標的部位の近傍に投与されることが好ましい。所望であれば、毎日の有効用量の医薬組成物を、1日を通じて適切な間隔をおいて別々に投与される、2、3、4、5、6又はそれ以上の下位の用量(sub-doses)として、場合により単位剤形で投与してもよい。本発明の化合物は、単独で投与することもできるが、該化合物を医薬製剤/医薬組成物として投与することが好ましい。
【0162】
一つの実施態様において、有毒な副作用を低減するため、本発明の化合物又は組成物を点滴、好ましくは、24時間超といった長時間をかけた低速連続点滴で投与してもよい。投与はまた、2〜24時間の期間(例えば、2〜12時間)にわたる連続点滴により行ってもよい。そのような投薬計画を、必要に応じて1回以上、例えば6ヶ月又は12ヶ月後に繰り返してもよい。
【0163】
更に別の実施態様において、本発明の化合物又は組成物は、維持療法により、例えば、6ヶ月以上の期間にわたり週1回というようにして投与される。
【0164】
経口投与のために、本発明の医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、α化(pregelatinised)トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、乳糖、微晶質セルロース、リン酸水素カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ)、崩壊剤(例えば、バレイショデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム)又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)といった、薬学的に許容し得る賦形剤を用いて、従来の手段により調製した錠剤又はカプセルの形態をとることができる。経口投与用液体製剤は、例えば、溶液、シロップ又は懸濁液の形態であることができ、また使用前に水又はその他の適切な媒体を用いる構成のための乾燥品として提供することができる。そのような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトール、シロップ、セルロース誘導体、水素化食用油脂)、乳化剤(例えば、レシチン、アラビアゴム)、非水性媒体(例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコール、分別植物油(fractionated vegetable oils))、保存剤(例えば、メチル又はプロピル−p−ヒドロキシカルボナート、ソルビン酸)といった、薬学的に許容し得る添加剤を用いて、従来の手段により調製することができる。該製剤はまた、適切とみなされる緩衝塩、香味剤、着色剤及び甘味料を含有することができる。経口投与用製剤は、本発明の医薬組成物の制御された放出を与えるために、適切に製剤化することができる。
【0165】
医薬組成物は、伝統的な結合剤及びトリグリセリドのような担体を用いて、坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、医薬品グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等といった、標準的な担体を含有することができる。
【0166】
吸入による投与のためには、簡便には、本発明の医薬組成物を、加圧パック又は噴霧器から、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、窒素又はその他の適切なガス)を用いてエアゾールスプレー提供(presentation)の形態で送達する。加圧エアゾールの場合、投与単位は、計量された量を送達するためのバルブを設けることにより決定することができる。吸入具又は吸入器(inhaler or insufflator)に用いる、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、本発明の医薬組成物と、乳糖又はデンプンといった適切な粉末基材の粉末混合物を含有させて製剤化することができる。
【0167】
本発明の医薬組成物は、注射、例えばボーラス注射又は連続点滴による非経腸投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、保存剤を添加した単位剤形(例えば、バイアル中、多回投与容器中)で提供することができる。本発明の医薬組成物は油性又は水性媒体中の懸濁液、溶液又は乳液といった形態をとることができ、また懸濁化剤、安定剤又は分散剤といった製剤化剤を含有することができる。或いは、該薬剤は、使用前に適切な媒体(例えば、滅菌発熱性物質除去水)を用いる構成のため、粉末形態であることができる。典型的には、静脈内投与用組成物は、滅菌等張化水性緩衝液中の溶液である。必要な場合には、該組成物はまた、可溶化剤及び注射部位の疼痛を和らげるためのリグノカインのような局所麻酔剤を含有することができる。一般に、成分は別個に、又は単位剤形において、例えば、アンプルのような密封容器又は活性な薬剤の量を示した薬袋(sachette)中の、凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として、共に混合されて、供給される。組成物が点滴で投与される場合、滅菌された医薬品グレードの水又は食塩水を含む点滴ボトルを用いて、組成物を調剤することができる。組成物が注射で投与される場合、投与に先立って成分を混合できるよう、滅菌された注射用水又は食塩水のアンプルを提供することができる。
【0168】
治療/医薬組成物は、当技術分野において公知の医療装置を用いて投与することができる。例えば、好ましい実施態様では、本発明の治療/医薬組成物は、米国特許第5399163号;米国特許第5383851号;米国特許第5312335号;米国特許第5064413号;米国特許第4941880号;米国特許第4790824号;又は米国特許第4596556号に開示される装置のような、無針皮下注射装置を用いて投与することができる。本発明において有用な、よく知られた埋込剤及びモジュールの例には、制御された速度で薬剤を投薬するための埋め込み可能なマイクロ点滴ポンプを開示する米国特許第4487603号;皮膚を通じて薬剤を投与する治療装置を開示する米国特許第4486194号;正確な点滴速度で薬剤を送達するための薬剤点滴ポンプを開示する米国特許第4447233号;連続的薬物送達のための埋め込み可能な可変流量点滴装置を開示する米国特許第4447224号;多チャンバーコンパートメントを有する浸透圧薬物送達システムを開示する米国特許第4439196号;及び浸透圧薬物送達システムを開示する米国特許第4475196号に記載されたものが含まれる。
【0169】
他の多くのそのような埋込剤、送達システム及びモジュールが、当業者にとって公知である。特定の実施態様において、本発明の化合物は、インビボの適正な分布を確実にするよう製剤化することができる。例えば、血液脳関門(BBB)は、多くの高度に親水性な化合物を排除する。本発明の化合物がBBBを横断することを確実にするためには(所望であれば)、それらを例えばリポソームに製剤化することができる。リポソームを製造する方法については、例えば、米国特許第4522811号;米国特許第5374548号;及び米国特許第5399331号を参照されたい。リポソームは、特定の細胞又は臓器に選択的に輸送される1つ以上の部分を含み、よって標的薬物送達を促進するものであってよい(例えば、V.V. Ranade (1989) J. Clin. Pharmacol. 29: 685を参照)。例示的な標的部分には、葉酸又はビオチン(例えば、Low et al.に対する米国特許第5416016号を参照);マンノシド(Umezawa et al., (1988) Biochem. Biophys. Res. Commun. 153: 1038);抗体(P.G. Bloeman et al. (1995) FEBS Lett. 357: 140; M. Owais et al. (1995) Antimicrob. Agents Chemother. 39: 180);及びサーファクタントタンパク質A受容体(Briscoe et al. (1995) Am. J. Physiol. 1233: 134)が含まれる。
【0170】
本発明の一つの実施態様において、本発明の化合物は、リポソームに製剤化される。より好ましい実施態様において、リポソームは標的部分を含む。最も好ましい実施態様において、リポソーム中の化合物は、ボーラス注射により所望の領域近傍の部位に送達される。そのようなリポソーム系組成物は、容易な注射針通過性(syringability)が存在する程度に流動的であるべきであり、製造及び保存の条件下において安定であるべきであり、また細菌及び真菌といった微生物の混入作用に抗して保存されるべきである。
【0171】
治療/処置についての「治療有効量」は、完全又は部分的でありうる客観的奏功により測定することができる。完全奏功(CR)は、状態、障害又は疾患の臨床的、放射線学的又はその他の証拠がないことと定義される。部分奏功(PR)は、50%超の疾患の低減に起因する。平均無増悪期間(median time to progression)は、客観的奏功の持続性を特徴づける量である。
【0172】
治療/処置についての「治療有効量」はまた、状態、障害又は疾患の進行を安定化させる能力により測定することができる。ある化合物の、非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害、低減若しくは改善する、及び/又は酸化的ストレスを低減する能力は、後述するものの1つ以上のような、適切な動物モデル系それ自体において評価することができる。或いは、本発明の化合物のこれらの特性は、後述するものの1つ以上のような、技能ある実践者にとって公知のインビトロアッセイを用いて化合物の能力を試験することにより評価することができる。治療有効量の本発明の化合物は、個体における状態、障害若しくは疾患、又はその状態、障害若しくは疾患の症状、又はその状態、障害若しくは疾患に向かう素因(predisposition)を治療し(cure)、癒し(heal)、緩和し(alleviate)、軽減し(relieve)、変化させ(alter)、救済し(remedy)、向上し(ameliorate)、改善し又は影響を与えることができる。当業者は、個体の体格、個体の症状の重症度及び選択された特定の組成物又はその投与経路といった因子に基づいて、そのような量を決定することもできよう。
【0173】
注射用組成物は無菌で、かつ注射器での組成物の送達が可能な程度に流動的であるべきである。担体は、水に加え、等張緩衝化食塩水溶液、エタノール、ポリオール(例えばグリセリン、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)及びそれらの適切な混合物であることができる。
【0174】
本発明の医薬組成物はまた、所望により、該薬剤を含む1つ以上の単位剤形を含有し得るパック又はディスペンサー装置内に提供することができる。パックは例えば、ブリスターパックのような、金属又はプラスチック箔からなることができる。パック又はディスペンサー装置は、投与のための使用説明書を伴うものとすることができる。
【0175】
本発明の医薬組成物は、唯一の活性な薬剤として投与することができ、又は、他の治療上及び/若しくは美容上活性な薬剤と組み合わせて投与することができる。
【0176】
治療及びその他の適用
更なる態様において、本願は、先に「化合物」の見出しの元に特定された化合物又は先に「医薬組成物」の見出しの元に特定された、治療における使用のための医薬組成物を提供する。
【0177】
先に「化合物」の見出しの元に特定された化合物は、例えば、単離された細胞、単離された細胞培養物、又は個体から単離された試料、組織若しくは臓器における、インビトロでの非アポトーシス性の制御された細胞死の阻害、低減若しくは改善及び/又は酸化的ストレスの低減に用い得ると考えられる。特定の実施態様において、そのような細胞、細胞培養物、試料、組織又は臓器を研究に用いる一方、他の実施態様においては、同一(又は別の)個体への再導入(例えば、組織又は臓器移植における)に先立って、それをエクスビボで該化合物に暴露し、エクスビボで、そのような細胞、細胞培養物、試料、組織又は臓器の制御された壊死の阻害、低減又は改善が起こる。
【0178】
本発明の化合物及び/又は医薬組成物は、
●非アポトーシス性の制御された細胞死(制御された壊死、ネクロトーシス又はフェロトーシスを含む)によって特徴付けられるか、又は、非アポトーシス性の制御された細胞死が、本質的な役割を果たしている可能性が高いか若しくは果たしている;
●酸化的ストレス(活性酸素種(ROS)の増加したレベルを含む)によって特徴付けられるか、又は、酸化的ストレスが、本質的な役割を果たしている可能性が高いか若しくは果たしている;及び/又は
●次の三者:
○RIP1及び/又はRIP3といった、ネクロソームの1つ以上の要素;
○TNFR1、TNFR2、Fas/CD95及び/又はTRAIL−Rといったデスドメイン受容体;及び/又は
○TLR3及び/又はTLR4といったToll様受容体
の活性化によって特徴付けられるか、又は、前記要素及び/若しくはレセプターのうちのいずれか1つの活性化が、本質的な役割を果たしている可能性が高いか若しくは果たしている
状態、障害又は疾患の処置(予防的処置を含む)に使用し得る。
【0179】
本発明の化合物及び/又は医薬組成物は、
・何らかの形態の神経変性により引き起こされる、中枢若しくは末梢神経系の神経変性疾患、状態又は障害;
・筋肉の消耗又は筋ジストロフィー;臓器虚血(例えば、卒中、心筋梗塞及び心臓、腸間膜、網膜、肝臓又は脳虚血障害)、虚血−再灌流障害(例えば、手術、特に固形臓器移植に関連する)、臓器保管の間の虚血障害、四肢(limb)又は臓器虚血障害(例えば、手術、止血帯の使用又は外傷に関連する);
・筋区画症候群、壊疽、褥瘡、敗血症(例えば、無菌壊死)、変性性関節炎;
・網膜壊死(例えば、視神経剥離により引き起こされるか、又はそれに関連する急性網膜壊死(ARN));
・卒中、冠動脈心疾患、心筋ミオパチーを含む心血管(心臓)疾患;
・肝臓、胃腸又は膵疾患(例えば、急性壊死性膵炎);
・虚血壊死(例えば、骨虚血壊死)、糖尿病、鎌状赤血球病、血管の変化(例えば、血管ジストロフィー又は脳血管疾患);
・癌化学/放射線治療で誘発される細胞死(例えば、粘膜炎又は化学治療誘発性脱毛(CIA));及び
・細胞、組織、臓器又は生体の中毒 (例えば、腎臓毒性)(例えば、薬物処置(例えば、ステロイド処置の合併症、シスプラチンからの腎毒性、ドキソルビシンからの心臓毒性又はゲンタマイシンからの難聴)、薬物の過剰投与(例えば、パラセタモールからの肝毒性)、急性中毒(例えば、アルコール、パラコート又は環境有害物質からのもの)又は造影剤誘発毒性の結果であるか、それに起因するか、又はそれに関連する);及び
・持続勃起症
からなる群より選択される状態、障害若しくは疾患、又は前記のいずれかの結果であるか、それに起因するか、若しくはそれに関連する状態、障害若しくは疾患の処置(予防的処置を含む)に使用し得る。
【0180】
本発明の化合物及び/又は医薬組成物は、以下からなる群より選択される状況の結果であるか、それに起因するか、又はそれに関連する状態、障害又は疾患の処置(予防的処置を含む)に使用し得る:
・ウィルス、細菌、真菌又はその他の微生物の感染の形態(例えば、敗血症性ショック、結核);
・細胞増殖、細胞分化における変化又は細胞内シグナル伝達の減少;
・免疫障害のような、望ましくない炎症;
・網膜神経細胞の細胞死、心筋細胞の細胞死、免疫系の細胞の細胞死、腎不全に関連する細胞死;
・新生児呼吸窮迫、呼吸停止、嵌頓ヘルニア、胎盤梗塞、鉄負荷合併症、子宮内膜症、先天性疾患(先天性ミトコンドリア病(例えば、チロシン血症、フェニルケトン尿症、アンダーソン病)を含む);
・頭部外傷/外傷性脳損傷、肝損傷;
・環境放射線からの損傷(例えば、UV暴露及び日焼け);
・やけど;
・凍傷(例えば、異常高熱)、機械的損傷(例えば、脳及び脊髄損傷);及び
・減圧症;
・ヘビ、サソリ又はクモの咬傷;及び
・医薬の副作用。
【0181】
そのような実施態様のうちのあるものにおいて、該状態、障害又は疾患は、癌ではなく、及び/又は、癌の結果であるか、それに起因するか、若しくはそれに関連するものでもない。
【0182】
理論に束縛されるものではないが、アポトーシス(例えば、実施例B.3のアッセイのような)は、通常の生理的条件下で若しくはそのような条件の結果として起こる、又は、通常の組織の恒常性及び細胞代謝回転の一部として、高度にプログラム化された様式の事象の下で、若しくはそのような事象の結果として起こる、と信じられているのに対し、非アポトーシス性の制御された細胞死は逆に、外部損傷刺激及び/又は酸化的ストレスといった、異常な生理的条件又は事象によって引き起こされると考えられている。非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害するが、アポトーシス性細胞死を阻害しないように見える化合物は、個体の(そのような)本来の細胞死機構及び制御を阻害しないが、外部損傷刺激及び/又は酸化的ストレスといった異常な生理的条件若しくは事象、及び/又は免疫系の刺激事象(triggering events)によって引き起こされたものだけを優先的に阻害する可能性があるので、本発明の方法及び適用において好ましい実用性を有する可能性がある。
【0183】
特定の実施態様では、状態、障害又は疾患は、神経変性疾患(中枢又は末梢神経系のいずれか又は両方のものを含む)であるか、神経変性により引き起こされるか、神経変性の形態である状態若しくは障害であるか、又は、そのような状態、障害若しくは疾患の結果であるか、それに起因するか、若しくはそれに関連する状態若しくは症状である。
【0184】
例示的な神経変性性のそのような状態又は疾患には、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、HIV関連認知症、脳虚血、多発性硬化症、レヴィー小体病、メンケス病、ウィルソン病、クロイツフェルト−ヤコブ病、ファール病、前頭側頭型認知症、アミロイドーシス、テイ−サックス病及び脳室周囲白質軟化症が含まれるが、これらに限定されない。
【0185】
そのような実施態様のあるものにおいて、状態、障害又は疾患は、筋肉の消耗(例えば、集中治療の癌、AIDS、鬱血性心不全、慢性閉塞性疾患及び壊死性ミオパチーに関連するもの)である。特定の実施態様では、状態、障害又は疾患は、筋ジストロフィー若しくは関連疾患(例えば、ベッカー型筋ジストロフィー、デュシュンヌ型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、ランドゥジー・デジュリン筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(シュタイネルト病)、先天性ミオトニー、トムゼン病及びポンペ病)、又は、そのような状態、障害若しくは疾患の結果であるか、それに起因するか、若しくはそれに関連する状態若しくは症状である。
【0186】
他の実施態様においては、状態、障害又は疾患は、細胞、組織、臓器又は生体の中毒(例えば、薬物処置、薬物の過剰投与又は急性中毒の結果であるか、それに起因するか、又はそれに関連するもの)である。そのような中毒の例示的な状況には、アルコール中毒並びに不正薬物(例えば、コカイン、ヘロイン、クラック)、医薬品(例えば、抗癌剤、パラセタモール、抗生物質、アドリアマイシン、NSAID、シクロスポリン)、化学毒物(例えば、四塩化炭素、シアン化物、メタノール、エチレングリコール及びマスタードガス、農薬(例えば、有機リン剤及びパラコート)及び軍用有機リン剤)若しくは重金属(例えば、鉛、水銀)の投与及び/若しくは自己投与、及び/又はこれらへの暴露が含まれる。
【0187】
他の特定の実施態様においては、状態、障害又は疾患は、ウィルス(例えば、急性、潜在性及び/又は持続性の)、細菌、真菌若しくはその他の微生物の感染の1つ以上の形態の結果であるか、それに起因するか、若しくはそれに関連するものであるか、又は細胞増殖、細胞分化における変化若しくは細胞内シグナル伝達の減少が原因因子であるものであり、例えば、ウィルス(例えば急性、潜在性及び/又は持続性の)、細菌、真菌又はその他の微生物の感染及びマイコプラズマ病が含まれる。
【0188】
例示的なウィルスには、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)、エプスタイン−バールウィルス(EBV)、サイトメガロウィルス(CMV)(例えば、CMV5)、ヒトヘルペスウィルス(HHV)(例えば、HHV6、7又は8)、単純ヘルペスウィルス(HSV)、ウシヘルペスウィルス(BHV)(例えば、BHV4)、ウマヘルペスウィルス(EHV)(例えば、EHV2)、ヒトT細胞白血病ウィルス(HTLV5)、水痘帯状疱疹ウィルス(VZV)、麻疹ウィルス、パポーバウィルス(JC及びBK)、肝炎ウィルス(例えば、HBV又はHCV)、粘液腫ウィルス、アデノウィルス、パルボウィルス、ポリオーマウィルス、インフルエンザウィルス、パピローマウィルス及びポックスウィルス(例えば、ワクシニアウィルス及び伝染性軟属腫ウィルス(MCV))及びリッサウィルスが含まれるが、これらに限定されない。そのようなウィルスは、アポトーシス阻害剤を発現することもしないこともある。ウィルス感染により引き起こされる例示的な疾患には、水疱瘡、サイトメガロウィルス感染、性器ヘルペス、B型及びC型肝炎、インフルエンザ、帯状疱疹及び狂犬病が含まれるが、これらに限定されない。
【0189】
例示的な細菌には、カンピロバクター ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、エンテロバクター種、エンテロコッカス フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)、大腸菌(Escherichia coli)(例えば、F. coli O157:H7)、A群レンサ球菌、インフルエンザ(Haemophilus influenzae)、ヘリコバクター ピロリ(Helicobacter pylori)、リステリア、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎レンサ球菌(S. pneumoniae)、サルモネラ(Salmonella)、赤痢菌(Shigella)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、ボレリア(Borrelia)及びリケッチア(Rickettsia)が含まれるが、これらに限定されない。細菌感染により引き起こされる例示的な疾患には、炭疽病、コレラ、ジフテリア、食中毒、ハンセン病、髄膜炎、消化性潰瘍疾患、肺炎、敗血症、敗血症性ショック、梅毒、破傷風、結核、腸チフス、尿路感染症、ライム病及びロッキー山紅班熱が含まれるが、これらに限定されない。
【0190】
更に特定の実施態様においては、状態、障害又は疾患は、免疫障害のような、望ましくない炎症の結果であるか、それに起因するか、又はそれに関連するものである。
【0191】
例示的な免疫障害には、自己免疫疾患 (例えば、糖尿病、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節症及び乾癬性(psoriatic)関節炎を含む)、多発性硬化症、脳脊髄炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎及び湿疹様皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、アフター性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー性喘息、敗血症及び敗血症性ショック、炎症性腸障害、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、ハンセン病リバーサル反応、癩性結節性紅斑、自己免疫性ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳症、特発性両側性進行性感音難聴、再生不良性貧血、純赤血球性貧血、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブンス−ジョンソン症候群、糸球体腎炎、特発性スプルー、扁平苔癬、グレーブス病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ブドウ膜炎及び間質性肺線維症)、移植片対宿主病、移植の症例及びアレルギー(例えば、アトピー性アレルギー)が含まれるが、これらに限定されない。
【0192】
本発明の化合物及び方法は更に、免疫が損なわれる(immunocompromising)状態を処置される患者が有していようといまいと、免疫系を促進するのに用いることができる。例えば、本明細書に記載の化合物は、例えば、アジュバントとして機能する、又はアジュバントと組み合わされることにより、免疫付与の間に免疫系を強化する方法に用いることができる。
【0193】
虚血−再灌流障害(IRI)は、依然として移植手術の主要な合併症であり、大半の肝臓移植失敗における主たる原因となっており、非アポトーシス性の制御された細胞死が、IRIに対する主要原因であると考えられている。細胞死が影響を受けた細胞に限られているアポトーシスに対し、制御された壊死のような非アポトーシス性の制御された細胞死は、周囲の組織を損傷する炎症性の状態をもたらす可能性がある。肝臓におけるIRI損傷を低減する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつ移植時の臓器外傷、及び、虚血−再灌流により引き起こされるその他の疾患又は状態を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Abe et al. (Free Radic. Biol. Med. 46: 1-7 (2009))に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0194】
虚血−再灌流障害は、依然として移植手術の主要な合併症であり、大半の腎臓移植失敗、急性腎尿細管壊死及び遅延移植片機能における主たる原因となっている。腎臓におけるIRI損傷を低減する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつ移植時の臓器外傷、及び、虚血−再灌流により引き起こされるその他の疾患又は状態を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Wu et al. (J. Clin. Invest. 117:2847-59 (2007))及びLinkermann et al.(Kidney Int. 81: 751-761 (2012))に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0195】
APAPの過剰投与は、米国、英国及び世界のその他の地域における、ヒトの薬物誘発による肝臓損傷、罹患率及び死亡率の最も一般的な原因である。APAPの反応性求電子試薬N−アセチル−p−ベンゾキノンイミン(NAPQI)への代謝生体活性化が、広範かつ急速なグルタチオン(GSH)の枯渇、そして最終的には肝臓毒性を引き起こす。N−アセチルシステイン(NAC)は、APAP過剰投与の中毒の直後に投与されると、損傷を受けた肝臓を保護するだけではあるが、現在このものが、アセトアミノフェン過剰投与のために選択される解毒剤である。非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつAPA中毒の影響を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Patterson et al. (Chem. Res. Toxicol. 26:1088-96 (2013))に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0196】
シスプラチンは、広範囲の主に固形の悪性腫瘍を処置するための、広く用いられ、強力な化学療法剤である。細胞内に入ると、シスプラチン中の塩素原子がH
2Oに置き換わる。加水分解生成物は反応性分子であって、DNAと反応するが、GSHとも反応する。これらのシスプラチン−DNAストランド内架橋は、腫瘍細胞に対する細胞毒性をもたらすが、GSHとの副反応が、腎臓毒性といった有毒な作用を仲介し、これが用量を制限する副作用である。GSHの枯渇と、付随する細胞死が、主として腎臓内で近位尿細管のS3セグメントを損傷し、これが腎不全(尿細管機能障害)をもたらす。非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつシスプラチン中毒の影響を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Tristao et al. (Ren. Fail. 34:373-7 (2012))に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0197】
非アポトーシス性の制御された細胞死は、外傷性脳損傷(TBI)の発病において主要な役割を果たしており、そして本発明の化合物の、そのような状態/障害/疾患のための医薬品としての有用性は、例えば、You et al. (J. Cereb. Blood Flow Metab. 28:1564-73 (2008))又はRauen et al. (J. Neurotrauma 30:1442-8 (2013)) に記載されているような、インビボマウスモデルを用いて調査することができる。
【0198】
TNF−α過剰産生及び上昇したROSレベルは、RAの主たる要因である。コラーゲン誘発関節炎(CIA)マウスモデルは、例えば、Brand et al. (Nat. Protoc. 2:1269-75 (2007))に記載されているように、最も一般的に研究されている関節リウマチの自己免疫モデルであり、これを用いて、本発明の化合物の、RAを処置するための有用性を研究することができる。
【0199】
酸化的ストレスは、多発性硬化症(MS)の発病において主要な役割を果たしている。活性酸素種(ROS)は、MS及びその動物モデル、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の両者における、脱髄及び軸索損傷の仲介者であるとされている。実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、例えば、Racke (Curr. Protoc. Neurosci. 9:unit 9.7 (2001))に記載されているように、最も一般的に用いられているヒト炎症性脱髄疾患、多発性硬化症(MS)の実験モデルであり、これを用いて、本発明の化合物の、MSを処置するための有用性を研究することができる。
【0200】
敗血症性ショックは、GSH枯渇及び多臓器不全と結びついている。小児、免疫不全の個体及び高齢者が最も影響を受けている。敗血症性ショック患者は集中治療室で看護され、死亡率は25〜50%と衝撃的である。この疾患は、エンドトキシン(細菌細胞壁リポ多糖としても知られる)を産生するグラム陰性細菌により引き起こされる。LPSは、酸化的ストレスを引き起こす能力でよく知られており、CD14/TLR4/MD2受容体複合体を誘導することにより先天性免疫応答を活性化する。このことが今度は、多くのタイプの細胞、特にB細胞及びマクロファージにおいて、炎症促進性のサイトカインの分泌をもたらす。非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつLPS誘発エンドトキシンショックの影響を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてこの有用性は、例えば、Duprez et al. (Immunity 35:908-18 (2011)) に記載されているような、インビボマウスモデルを用いて調査することができる。
【0201】
本発明の化合物は、単独で、又は、1つ以上の他の治療的に活性な薬剤と共に、例えば、アポトーシス阻害剤と組み合わせて、処置のために用いてもよい。
【0202】
本発明の化合物を含む処置は、自宅(home)、医師の事務所(doctor's office)、診療所(clinic)、病院の外来部門(outpatient department)又は病院で提供してもよい。医療関係者が治療の効果を綿密に観察し、必要な調節を行うことができるよう、処置は一般に、医学的管理下で始まる。処置の継続期間は、患者の年齢及び状態、並びに、処置に対する患者の応答に依存する。
【0203】
状態、障害又は疾患の発症のより大きなリスクを有する者は、その状態、障害又は疾患の症状を阻害し又は遅延させるために、予防的処置を受けてもよい。
【0204】
用語「処置」は当業者にとって公知であり、薬剤(例えば、該薬剤を含有する医薬組成物)の適用若しくは投与;又は、患者に対する、薬剤(例えば、該薬物を含有する医薬組成物)の適用若しくは投与の手順;又は、状態、障害若しくはは疾患、又はその状態、障害若しくは疾患の症状、又はその状態、障害若しくは疾患に向かう素因を有する患者から、該状態、障害若しくは疾患、又はその状態、障害若しくは疾患の症状、又はその状態、障害若しくは疾患に向かう素因を治療し、癒し、緩和し、軽減し、変化させ、救済し、向上し、改善し、影響を与え又は防止することを目的として単離された、細胞、細胞培養物、細胞株、試料、組織又は臓器に対する手順を含む。よって、用語「処置」は、状態、障害若しくは疾患、又はその状態、障害若しくは疾患の症状の予防的処置を含むことができる。処置に用いる場合、薬剤は、本明細書に記載の化合物を含み、また、低分子、ペプチド、ペプチド模倣物、ポリペプチド/タンパク質、抗体、ヌクレオチド(例えば、DNA又はRNA)、細胞、ウィルス、リボザイム、siRNA及びアンチセンスオリゴヌクレオチドであってよい他の治療的に活性な薬剤を含むが、これらに限定されない。
【0205】
別の態様において、本発明の化合物を、その薬理学的特性につき、疾患の動物モデルにおいて評価してもよい。非アポトーシス性の制御された細胞死を低減すると同定された化合物を、構造的に修飾し、次いで非アポトーシス性の制御された細胞死を低減するのに用いるか、又は、本明細書に記載の状態、障害若しくは疾患の処置(予防的処置を含む)に用いてもよい。非アポトーシス性の制御された細胞死を低減させる低分子の構造的誘導体を作り出すのに用いる方法は、有機及び医薬品化学の分野における当業者に既に知られている。
【0206】
別の態様において、本発明の化合物をまた、皮膚におけるUV損傷、皮膚における老化及び/又は脱毛に関連する美的特徴の美容処置(予防的及び美容処置を含む)に用いてもよい。
【0207】
更に別の態様において、本発明はまた、本発明の化合物を含む、臓器の輸送及び/又は移植のための保存溶液に関する。
【0208】
本発明者らは、本発明の化合物を、非アポトーシス性の制御された細胞死を有効かつ選択的に阻害する、及び/又は酸化的ストレスを低減するが、アポトーシス性細胞死を阻害しない低分子のクラスと同定した。
【0209】
よって本発明は、
(i)下記(a)、(b)及び/又は(c):
(a)非アポトーシス性の制御された細胞死によって特徴付けられるか、又は、非アポトーシス性の制御された細胞死が本質的な役割を果たしている可能性が高いか若しくは果たしている状態、障害又は疾患
(b)酸化的ストレスによって特徴付けられるか、又は、酸化的ストレスが本質的な役割を果たしている可能性が高いか若しくは果たしている状態、障害又は疾患
(c)(1)ネクロソームの1つ以上の要素;(2)デスドメイン受容体;及び/若しくは(3)Toll様受容体;及び/若しくは(4)フェロトーシス性/フェロトーシスシグナル伝達におけるプレイヤーの活性化によって特徴付けられるか、又は、(1)〜(3)のいずれか及び/若しくは(4)の活性化が、本質的な役割を果たしている可能性が高いか若しくは果たしている状態、障害又は疾患
を処置する方法における使用のための、本発明の化合物(又は、そのような化合物を、場合により薬学的に許容し得る賦形剤と共に含む医薬組成物);及び
(ii)処置を必要とする個体を処置する方法であって、薬学的に有効な量の本発明の化合物、特に、式(I)、(N−I)、(O/S−I)、(C−I)、(II)、(N−II)、(O/S−II)、(C−II)、(III)、(N−III)、(O/S−III)、(C−III)、(IV)、(N−IV)、(O/S−IV)、(C−IV)、(V)、(N−V)、(O/S−V)及び(C−V)のいずれかについて先に特定されたもの(又は、そのような化合物を、場合により薬学的に許容し得る賦形剤と共に含む医薬組成物)を個体に投与することを含む方法
を提供する。一つの実施態様において、個体は、本明細書において開示される状態、障害又は疾患の1つ以上を抱えているか、その影響を受けやすいか、又は危険性がある。該状態、障害又は疾患は、中枢又は末梢神経系の神経変性疾患、筋肉の消耗、筋ジストロフィー、虚血、筋区画症候群、壊疽、褥瘡、敗血症、変性性関節炎、網膜壊死、心臓疾患、肝臓、胃腸又は膵疾患、虚血壊死、糖尿病、鎌状赤血球病、血管の変化、癌化学/放射線治療で誘発される細胞死及び中毒からなる群より選択されるものであってよく、又は、前記のいずれかの結果である、前記のいずれかに起因する、若しくは前記のいずれかに関連するものである。更なる実施態様において、該状態、障害又は疾患は、ウィルス、細菌、真菌又はその他の微生物の感染の形態;細胞増殖、細胞分化における変化又は細胞内シグナル伝達の減少;望ましくない炎症;網膜神経細胞、心筋細胞又は免疫系の細胞の細胞死;腎不全に関連する細胞死;新生児呼吸窮迫、呼吸停止、嵌頓ヘルニア、胎盤梗塞、鉄負荷合併症、子宮内膜症、先天性疾患;頭部外傷/外傷性脳損傷、肝損傷;環境放射線からの損傷;やけど;凍傷;機械的損傷及び減圧症からなる群より選択される状況の結果であるか、それに起因するか、又はそれに関連するものである。更に、個体は好ましくは哺乳類であり、より好ましくはヒトである。
【0210】
本発明の化合物は、以下の特定の実施態様:
・後遺症及び関連する病態生理学的反応によって特徴付けられる状態、障害又は疾患の処置(予防的処置を含む)(免疫学的損傷関連分子パターン分子(DAMPs)が含まれるが、これに限定されない);
・細胞及び組織の再生を改善すること(治療又はエクスビボ適用が含まれる);
・GPx4のようなフェロトーシス性/フェロトーシスシグナル伝達におけるプレイヤー、若しくはxc−アミノ酸輸送系のxCT(SLC7A11)の関与によって特徴付けられる、又は前記のものの寄与が本質的な役割を果たしている可能性が高いか若しくは果たしている状態、障害又は疾患の処置(予防的処置を含む);
・心血管(心臓)疾患、造影剤誘発毒性、持続勃起症、ライム病、ロッキー山紅班熱及び狂犬病からなる群より選択される状態、障害又は疾患の処置(予防的処置を含む);
・医薬の副作用、又はヘビ、サソリ若しくはクモの咬傷の結果であるか、それに起因するか、又はそれに関連する状態、障害又は疾患の処置(予防的処置を含む);
・非アポトーシス性細胞死を低減及び/又は遅延すること(治療又はエクスビボ適用が含まれる);及び/又は
・細胞死刺激に対する細胞抵抗性を増加すること(治療又はエクスビボ適用が含まれる)
について先に記載したような治療的又は他の適用において使用してよい。
【0211】
本発明の化合物(又は、そのような化合物を含む医薬組成物)は、個体に対し、任意の経路、好ましくは、本発明の医薬組成物の投与について「医薬組成物」のセクションに先に記載された任意の経路により投与してよい。
【0212】
合成及び中間体
本発明の化合物は、後述するようにして、又はそれと類似の方法により調製することができるが、これらは有機合成の当業者にとっては容易にわかり、かつ利用できるものである。
【0213】
本明細書において開示される化合物は、下記スキーム1に示す一般合成シークエンスにより調製され得る。
【化59】
【0214】
例えば、化合物
4(即ち、本発明の化合物)は、ジアミン
1、ケトン
2及びイソシアニド
3の適切な誘導体から1段階反応で合成され得る。合成は以下のようにして行うことができる。メタノール 0.5mL中ジアミン
1 0.5mmol及びケトン
2 0.5mmolの混合物を、窒素雰囲気下、40〜45℃で3時間撹拌する。この混合物に、アセトニトリル 0.5mL中TMSCl 0.5mmolの溶液及びメタノール 0.5mL中イソシアニド
3 0.5mmolの溶液を添加し、得られた混合物を50〜60℃で4時間、次いで40〜50℃で1日撹拌すると、出発物質の完全転化に至る(LC−MSを用いて監視を行うことができる)。反応混合物を減圧下で蒸発させ、乾燥酢酸エチルで処理し、沈殿物形成が完結するまで超音波槽内に保持する。次いで、反応混合物を遠心分離し、沈殿物を酢酸エチル、アセトニトリル及びエーテルで2回洗浄して毎回遠心分離し、最後に減圧下で乾燥させる。化合物
4は、典型的には純粋な形態の一塩酸塩として、収率50〜90%で得られる。
【0215】
スキーム1に示す反応を阻害する可能性のある官能基を有する化合物
4は、その官能基において適切に保護された対応する出発物質(このことにより、対応する保護された出発物質はもはや、スキーム1に示す反応を阻害しない)(例えば、ジアミン
1、ケトン
2及び/若しくはイソシアニド
3、又は前記のもののいずれかの適切なシントン)を用いて、スキーム1に従い、次いでこれに続く保護された前駆体版の
4の脱保護工程により調製することができる。例えば、環Aの環窒素原子において非置換である(即ち、N−R
9がN−Hである;例えば、表1−Nの化合物N−1〜N−89、N−111〜N−190及びN−199〜N−203を参照)化合物
4は、スキーム1に従い、一般的には上記の方法に従い、環Aの環窒素原子において適切に保護されたケトン
2を用いて、次いでこれに続く保護された前駆体版の
4の脱保護工程により調製することができる。当業者は、「遊離」の官能基(例えば、−NH−のような、窒素原子に結合する少なくとも1個の水素を有するアミノ基)を対応する保護された官能基(例えば、−N(PG)−(PGは保護基である))に変換するための、適切な保護基(例えば、BOC保護基のようなN−保護基)、 試薬及び反応条件、並びに、その保護基を除去するための試薬及び反応条件を承知している(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis (Theosora W. Greene & Peter G.M. Wuts; John Wiley & Sons Inc., 1999を参照)。BOC保護基の場合、脱保護工程は以下のようにして行うことができる。塩化メチレン 2mL及びTFA 1mL中化合物
4(−N(R
9)−が−N(C(O)O−tBu)−である−適切な−CO−O−tBuを含むケトン
2を用いて調製)0.5mmolの混合物を室温で一晩撹拌し、反応混合物を減圧下で蒸発乾固させる。残渣をTHFに溶解し、過剰のジオキサン中HCl(8M)、次にアセトニトリルで処理する。遠心分離により沈殿物を回収し、アセトニトリル、次に酢酸エチルで洗浄し、次いで毎回遠心分離し、その後減圧下で乾燥させて、脱保護された化合物
4を、典型的には純粋な形態で、収率85〜90%で得る。或いは、例えば、スキーム1に従い化合物
4を調製するために利用する反応条件では出発物質そのもの(例えば、特定のジアミン
1、ケトン
2及び/又はイソシアニド
3)を扱うことができない場合、その特定のジアミン
1、ケトン
2及び/又はイソシアニド
3の適切なシントンを代わりに用いてもよい。例えば、当業者は、環状ケトンのシントンが対応するヘミアセタールであること、例えば、シクロプロパノンのシントンが、シクロプロパノンに比して遥かに容易かつ安全に扱え、またアミンと容易に反応する、シクロプロパノンエチルヘミアセタール(例えば、1−エトキシ−1−(トリメチルシリルオキシ)シクロプロパン)であることを承知している(例えば、Organic Syntheses, Coll. Vol. 7, p.131 (1990); Vol. 63, p.147 (1985)を参照)。
【0216】
前駆体
1、
2及び
3(R
2、R
3、R
4、R
5、環A、L及びGは、本発明の化合物についての上記と同義である)は、商業的供給源より得られるか、又は標準的手順により合成される。特に、イソシアニド
3の誘導体は、Hoefle and Lange (Organic Syntheses (1983) 61:14)により記載された手順を用いて得ることができる。
【0217】
よって、更なる態様において、本発明は、本発明の化合物の調製において有用な中間体
1、
2及び/又は
3、並びに、式
1のジアミン、式
2のケトン及び式
3のイソシアニドを反応させる工程を含む、本発明の化合物を調製する方法に関する。好ましくは、そのような調製又は方法は、スキーム1に示されるものである。
【0218】
化合物
4の位置異性体(例えば、表1−Nの化合物N−135〜N−182、表1−O/Sの化合物O/S−114〜O/S−161及びO/S−282〜O/S−329、並びに表1−Cの化合物C−155〜C−202)は、当業者が認識し実施し得るような、クロマトグラフィー分離、例えば、HPLC分離により単離することができる。化合物
4のラセミ混合物におけるエナンチオマー(例えば、表1−Nの化合物N−82及びN−83、表1−O/Sの化合物O/S−82、O/S−83、O/S−248及びO/S−249、並びに表1−Cの化合物C−82及びC−83)は、商業的サービス及び/又は市販商品、例えば、Chiral Technologies Europe SAS (www.chiral.fr)からのものを用いる分離により単離することができる。
【0219】
当業者は、他の合成又は分離経路を使用してもよいことを理解するであろう。特に、他の合成経路は実際、本明細書において開示されるある実施態様の化合物に適用し得る。当業者は、March's Advanced Organic Chemistry (Michael B. Smith & Jerry March, Wiley-Interscience, 2000), The Practice of Medicinal Chemistry (Camile G. Wermuth, Academia Press, 2003)及びProtective Groups in Organic Synthesis (Theosora W. Greene & Peter G.M. Wuts; John Wiley & Sons Inc, 1999)といった一般的な教科書を参照する。
【0220】
実施例
本発明の範囲内の、又は本発明の方法における使用のための化合物の選択を、表1−N、1−O/S及び1−Cに列挙する。表1−N、1−O/S及び1−Cの化合物は、実施例Aに従って合成され、そのような化合物の、実施例B.1〜B.3、B.4及びB.5に従って測定された、非アポトーシス性の制御された細胞死の細胞アッセイにおける驚くべき細胞死阻害活性は、各々表2、表3並びに
図1(a)、(b)及び(c)、
図2(a)、(b)及び(C)並びに
図3並びに4に示される。そのような化合物の、ある医学的状態、障害及び疾患の動物モデルにおける使用は、実施例C.1〜C.8に記載され、1つ以上のそのような化合物を薬物として更に選択及び/又は開発するための手順は、実施例Dに記載される。
【0221】
実施例A:スピロキノキサリン誘導体の合成
使用した分析装置
分析用LC/ESI−MS:Waters 2700 Autosampler。Waters 1525 Multisolvent Delivery System。5μL サンプルループ。カラム、Phenomenex Onyx Monolythic C18 50x2mm、ステンレス鋼2μm プレフィルター使用。溶離液A、H
2O + 0.1% HCOOH;溶離液B、アセトニトリル。勾配、3.80分で5%B〜100%B、次に0.20分アイソクラティック、次に0.07分で5%Bに戻し、次に0.23分アイソクラティック;流量、0.6mL/分及び1.2mL/分。
Waters Micromass ZQ 4000 single quadrupol mass spectrometer(エレクトロスプレー源使用)。MSの方法、MS4_15minPM-80-800-35V;陽/陰イオンモード走査、0.5sでm/z 80-800;キャピラリー電圧、3.50kV;コーン電圧、50V;マルチプライヤー電圧、650V;ソースブロック及びデソルベーションガスの温度、各々120℃及び300℃。Waters 2487 Dual λ Absorbance Detector(254nmにセット)。ソフトウェア、Waters Masslynx V 4.0。
Waters Micromass LCZ Platform 4000 single quadrupol mass spectrometer(エレクトロスプレー源使用)。MSの方法、MS4_15minPM-80-800-35V;陽/陰イオンモード走査、1sでm/z 80-800;キャピラリー電圧、4.0kV;コーン電圧、30V;マルチプライヤー電圧、900V;ソースブロック及びデソルベーションガスの温度、各々120℃及び300℃。Waters 996 Photodiode Array Detector(200〜400nmにセット)。ソフトウェア、Waters Masslynx V4.0。
表3に示した[M+H]
+の数値は、各々の化合物について、対応するLC/MSクロマトグラムで見出されるものである。これらの数値はいずれも、プロトン化時の化合物の計算された正確な質量に比して、+/−0.3単位の許容限界(tolerable margins)内であることが見出された。
分取薄層クロマトグラフィー (分取TLC):Merck PLC plates、シリカゲル 60 F
254、0.5mm、1.0mm又は2.0mm。シリカゲル上の分取TLC又はカラムクロマトグラフィー(CC)用溶離液は、(1)溶離液N1:CH
2Cl
2/メタノール;溶離液N2:CH
2Cl
2/メタノール/NEt
3(環AとしてN−ヘテロシクロアルキレンを有するスピロキノキサリン誘導体用);(2)溶離液O1:CH
2Cl
2/酢酸エチル/メタノール;溶離液O2:CH
2Cl
2/メタノール;溶離液O3:石油エーテル/酢酸エチル(環AとしてO/S−ヘテロシクロアルキレンを有するスピロキノキサリン誘導体用);又は(3)溶離液C1:CH
2Cl
2/酢酸エチル/メタノール;溶離液C2:CH
2Cl
2/メタノール;溶離液C3:石油エーテル/酢酸エチル;溶離液C4:CH
2Cl
2/メタノール/NEt
3(環Aとしてシクロアルキレンを有するスピロキノキサリン誘導体用)であった。各々の溶離液に関し、前記の溶媒は、個々の化合物に依存して種々の比率で用いた。
分取HPLC−MS:Waters 2767 Autosampler、Waters 600 Multisolvent Delivery System(分析用ポンプヘッド(100μL)使用);Waters 600 Controller;Waters 2525 Binary Gradient Modul(分取用ポンプヘッド(500μL)使用)。At-Column-Dilution;溶媒1、アセトニトリル:H
2O 70:30(v/v)、溶媒2、アセトニトリル:メタノール:ジメチルホルムアミド 80:15:5(v/v/v);流量、5mL/分。Autosampler 2767 (10mLシリンジ及び10mLサンプルループ使用)。カラム:6方バルブ Flom 401(Waters X-Terra RP18, 5 μm, 19x150 mm(X-Terra RP18 guard cartridge 5 μm, 19x10 mm使用)、流量20mL/minで使用;Waters SunFire Prep OBD 5 μm, 30x50 mm(SunFire RP18 guard cartridge 5 μm, 19x10 mm使用)、流量25mL/minで使用;Waters Atlantis Prep T3 OBD 5 μm, 30x50 mm(Atlantis guard cartridge使用)、流量50mL/minで使用;Waters X-Bridge Prep OBD 5 μm, 19x150 mm(X-Bridge RP18 guard cartridge 5 μm, 19x10mm使用)、流量20mL/minで使用;Waters Atlantis Prep T3 OBD 5 μm, 19x50 mm(Atlantis guard cartridge使用)、流量25mL/minで使用;及びYMC-Actus Hydrosphere C18 5 μm, 20x50 mm(Actus guard cartridge使用)、流量20mL/minで使用)。溶離液A、0.1%(v/v)HCO
2H含有H
2O又は0.1%(v/v)NEt
3含有H
2O;溶離液B、アセトニトリル。個々の試料に合わせた種々の線形勾配。注入量、試料によるが9mL。メイクアップ溶媒、メタノール−アセトニトリル−H
2O−HCO
2H 80:15:4.95:0.05(v/v/v/v)。メイクアップポンプ、Waters Reagent Manager、流量0.5mL/分。Waters ZQ single quadrupole mass spectrometer(エレクトロスプレー源使用)。陽又は陰イオンモード走査、1sでm/z 105-950;キャピラリー、3.6kV;コーン電圧、45V;マルチプライヤー電圧、700V;プローブ及びデソルベーションガスの温度、各々120℃及び250℃。Waters Fraction Collector 2767(質量又はUVトリガーフラクション回収を行う)。Waters 2487 Dual λ Absorbance Detector(254nmにセット)。ソフトウェア、Waters Masslynx V 4.0 SP4。
1H−NMRスペクトルは、Bruker Supraleitendes Fourier NMR Spektrometer, Avance(商標)300 MHzにて室温で記録した。化学シフトδは、ppm単位で記録した。あるシグナルの多重度(シングレット、ダブレット、トリプレット、カルテット、マルチプレット)は、それぞれの略号(それぞれs、d、t、q、m)で記録し、「sbr」は幅広いシングレット、「mC」は中心のあるマルチプレットを示す。溶媒の残留シグナルを内部標準として用いた:δ(CDCl
3)=7.26、δ(d6−DMSO)=2.50、δ(CD
3OD)=3.31、δ(d6−アセトン)=2.05。
【0222】
合成及び後処理の一般的方法
本明細書において開示される化合物は、上記のスキーム1(上記「合成及び中間体」の章を参照)に従う合成シークエンスにより調製し得る。
【0223】
(I)例えば、化合物
4は、ジアミン
1、ケトン
2及びイソシアニド
3の適切な誘導体から以下のようにして1段階反応で形成され得る。メタノール 0.5mL中ジアミン
1 0.5mmol及びケトン
2 0.5mmolの混合物を、窒素雰囲気下、40〜45℃で3時間撹拌する。この混合物に、アセトニトリル 0.5mL中TMSCl 0.5mmolの溶液及びメタノール 0.5mL中イソシアニド
3 0.5mmolの溶液を添加し、得られた混合物を50〜60℃で4時間、次いで40〜50℃で1日撹拌すると、出発物質の完全転化に至る(LC−MSを用いて監視を行うことができる)。反応混合物を減圧下で蒸発させ、乾燥酢酸エチルで処理し、沈殿物形成が完結するまで超音波槽内に保持する。次いで、反応混合物を遠心分離し、沈殿物を酢酸エチル、アセトニトリル及びエーテルで2回洗浄して毎回遠心分離し、最後に減圧下で乾燥させる。化合物
4は、典型的には純粋な形態の一塩酸塩として、収率50〜90%で得られる。
【0224】
(I.1)環AがN−ヘテロシクロアルキレンであり、環窒素原子と結合するR
9がHではない化合物
4の一般的合成方法は以下の通りである。メタノール 2.0mL中ジアミン
1 0.46mmol及びケトン
2 0.46mmolの混合物を、50℃で4時間撹拌した。この混合物に、アセトニトリル 0.50mL中TMSCl 0.46mmolの溶液及びメタノール 0.50mL中イソシアニド
3 0.46mmolの溶液を添加し、得られた混合物を50〜60℃で4時間、次いでr.t.(室温、即ち通常約25℃)で一晩撹拌すると、出発物質の完全消費に至った(LC−MS)。後処理及び精製は、下記手順PN1a及びPN1bのうちの一方で行った。手順PN1a:反応混合物を1N HCl及び水で希釈し、次いで酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層(F1)は、生成物を全く又は少量しか含んでいなかった(LC−MS)ので廃棄した。次に、水層を1N NaOHで塩基性にしてCH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層(F2)をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/又は分取TLCで精製した。手順PN1b:反応混合物を水で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で中和し、CH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/若しくは分取TLCで精製するか、並びに/又は、ジエチルエーテル及び/若しくはCH
2Cl
2に溶解して、ジオキサン中の4N HClを添加し、次いで得られた沈殿物を濾別することにより、対応するHCl塩に転移させた。
【0225】
(I.2)環AがN−ヘテロシクロアルキレンであり、環窒素原子と結合するR
9がHである化合物
4の一般的合成方法は以下の通りである。メタノール 2.0mL中ジアミン
1 0.46mmol及びBoc−保護ケトン
2 0.46mmolの混合物を、50℃で4時間撹拌した。この混合物に、アセトニトリル 0.50mL中TMSCl 0.46mmolの溶液及びメタノール 0.50mL中イソシアニド
3 0.46mmolの溶液を添加し、得られた混合物を50〜60℃で4時間、次いでr.t.で一晩撹拌すると、出発物質の完全消費に至った(LC−MS)。後処理及び精製は、下記手順PN2a〜PN2cのうちの一つ、次いで下記の一般的後処理PWで行った。手順PN2a:反応混合物を酢酸エチル 2.0mL及び/又はCH
2Cl
2 2.0mLで希釈し、ジオキサン中の4M HCl 1.0mLを添加し、混合物をr.t.で1〜3日間撹拌した。手順PN2b:反応混合物を水で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で中和し、CH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取TLCで精製し、次いで酢酸エチル 2.0mLに溶解した。ジオキサン中の4.0M HCl 1.0mLを添加し、混合物をr.t.で1〜3日間撹拌した。手順PN2c:反応混合物を水で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で中和し、CH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル 2.0mL及び/又はCH
2Cl
2 2.0mL及び/又はメタノール 2.0mLに溶解した。ジオキサン中の4.0M HCl 1.0mLを添加し、混合物をr.t.で1〜3日間撹拌した。後処理PW:反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層(F1)は、生成物を全く又は少量しか含んでいなかった(LC−MS)ので廃棄した。次に、水層を1N NaOHで塩基性にしてCH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層(F2)をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/又は分取TLCで精製した。
【0226】
(I.3)環AがO/S−ヘテロシクロアルキレンである化合物
4の一般的合成方法は以下の通りである。メタノール 2.0mL中ジアミン
1 0.46mmol及びケトン
2 0.46mmolの混合物を、50℃で4時間撹拌した。この混合物に、アセトニトリル 0.50mL中TMSCl 0.46mmolの溶液及びメタノール 0.50mL中イソシアニド
3 0.46mmolの溶液を添加し、得られた混合物を50〜60℃で4時間、次いでr.t.で一晩撹拌すると、出発物質の完全消費に至った(LC−MS)。後処理及び精製は、下記手順POa〜POdのうちの一つで行った。手順POa:反応混合物を1N HCl及び水で希釈した。得られた沈殿物を濾別し水で洗浄した。濾液は生成物を全く含んでいなかった(LC−MS)ので廃棄した。粗生成物をCH
2Cl
2中に取り込み(taken up)、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して真空下で濃縮した。残渣を分取TLCで精製した。手順POb:反応混合物を1N HCl及び水で希釈し、次いで酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層(F1)は、生成物を全く又は少量しか含んでいなかった(LC−MS)ので廃棄した。次に、水層を1N NaOHで塩基性にしてCH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層(F2)をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/若しくは分取TLC及び/若しくはエタノールからの再結晶で精製するか、並びに/又は、ジエチルエーテル及び/若しくはCH
2Cl
2に溶解して、ジオキサン中の4N HClを添加し、次いで得られた沈殿物を濾別することにより、対応するHCl塩に転移させた。手順POc:反応混合物を水(40mL)で希釈し、CH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/若しくは分取TLC及び/若しくはエタノールからの再結晶で精製するか、並びに/又は、ジエチルエーテル及び/若しくはCH
2Cl
2に溶解して、ジオキサン中の4N HClを添加し、次いで得られた沈殿物を濾別することにより、対応するHCl塩に転移させた。手順POd:反応混合物を水(40mL)で希釈し、飽和NaHCO
3で中和し、CH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/若しくは分取TLC及び/若しくはエタノールからの再結晶で精製するか、並びに/又は、ジエチルエーテル及び/若しくはCH
2Cl
2に溶解して、ジオキサン中の4N HClを添加し、次いで得られた沈殿物を濾別することにより、対応するHCl塩に転移させた。
【0227】
(I.4)環AがC−ヘテロシクロアルキレンである化合物
4の一般的合成方法は以下の通りである。メタノール 2.0mL中ジアミン
1 0.46mmol及びケトン
2 0.46mmolの混合物を、50℃で4時間撹拌した。この混合物に、アセトニトリル 0.50mL中TMSCl 0.46mmolの溶液及びメタノール 0.50mL中イソシアニド
3 0.46mmolの溶液を添加し、得られた混合物を50〜60℃で4時間、次いでr.t.で一晩撹拌すると、出発物質の完全消費に至った(LC−MS)。後処理及び精製は、手順PCa〜PCcのうちの一つで行った。手順PCa:反応混合物を蒸発させた。残渣を超音波下に酢酸エチルで処理し、形成された沈殿物を濾別した。固体をアセトンで洗浄し、次いで飽和NaHCO
3水溶液とCH
2Cl
2の間で分配し、有機相を水で数回洗浄し、合わせた水相をCH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残渣を、分取TLC及び/又はエタノールからの再結晶で精製した。手順PCb:反応混合物を1N HCl及び水で希釈し、次いで酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層(F1)は、生成物を全く又は少量しか含んでいなかった(LC−MS)ので廃棄した。次に、水層を1N NaOHで塩基性にしてCH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層(F2)をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/若しくは分取TLC及び/若しくはエタノールからの再結晶で精製するか、並びに/又は、ジエチルエーテル及び/若しくはCH
2Cl
2に溶解して、ジオキサン中の4N HClを添加し、次いで得られた沈殿物を濾別することにより、対応するHCl塩に転移させた。手順PCc:反応混合物を水(40mL)で希釈し、CH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC及び/若しくは分取TLC及び/若しくはエタノールからの再結晶で精製するか、並びに/又は、ジエチルエーテル及び/若しくはCH
2Cl
2に溶解して、ジオキサン中の4N HClを添加し、次いで得られた沈殿物を濾別することにより、対応するHCl塩に転移させた。
【0228】
(I.5)Boc−保護化合物
4の脱保護による、遊離NH
2基を有する化合物
4の一般的合成方法は以下の通りである。メタノール 2.0mL中ジアミン
1 0.46mmol及びBoc−保護ケトン
2 0.46mmolの混合物を、50℃で4時間撹拌した。この混合物に、アセトニトリル 0.50mL中TMSCl 0.46mmolの溶液及びメタノール 0.50mL中イソシアニド
3 0.46mmolの溶液を添加し、得られた混合物を50〜60℃で4時間、次いでr.t.で一晩撹拌すると、出発物質の完全消費に至った(LC−MS)。反応混合物を1N HCl(5.0mL)及び水で希釈し、次いでCH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取TLCで精製し、次いで酢酸エチル 2.0mLに溶解した。ジオキサン中の4.0M HCl 1.0mLを添加し、混合物を室温で1日間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層(F1)は、生成物を全く含んでいなかったので廃棄した。水層を1N NaOHで塩基性にしてCH
2Cl
2で数回抽出した。合わせた有機層(F2)をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取TLCで精製した。
【0229】
実施例B:細胞活性アッセイ
本明細書において開示される化合物のインビトロ細胞活性が、以下により詳細に記載するものを含む1つ以上のアッセイにより示された。
【0230】
実施例B.1
BSO誘発非アポトーシス性細胞死の、本明細書において開示される化合物による阻害
表2に示すように、本発明者らは、本明細書において開示される化合物が、細胞膜を透過することができ(ると考えられ)、かつインビトロ増殖させたヒト神経芽腫細胞株SH−SY5Yの細胞において誘発させた非アポトーシス性細胞死の阻害剤としての活性を示すという驚くべき知見を観測した。
【0231】
L−ブチオニン−スルホキシミン(BSO)は、GSH生合成における律速段階を触媒する酵素であるγ−グルタミルシステインシンテターゼを阻害する、よく知られたグルタチオン(GSH)枯渇剤(depletory)である。ヒト神経芽腫細胞株SH−SY5Yは、高レベルの活性酸素種(ROS)をもたらし、また虚血後の細胞の状態を模倣する細胞ストレスをもたらす、BSO誘発細胞内グルタチオン枯渇(例えば、Yamada et al., Neurochem. Int. 59:1003-9 (2011)を参照)に対して感受性がある。
【0232】
細胞培養培地への致死量のBSO投与時における、細胞生存を促進する能力について、本明細書において開示される化合物を評価した。簡潔に述べると、10%FBS/1%ペニシリン−ストレプトマイシンを加えたDMEM中でSH−SY5Y細胞(ATCC(登録商標)CRL-2266(商標))を増殖させ、次いで培地100μL中750細胞/ウェルの濃度で96ウェルプレートに播種し、これにBSO(Sigma Aldrich製)(最終濃度50μMとなるように)を、増加してゆく濃度の試験化合物と共に加え、プレートを37℃/5%CO
2で72時間インキュベーションした。化合物の希釈溶液(0.5pM〜100μM)は、DMSOに溶解した10mMのストックから調製し、培地で希釈した。BSOのみで処理した細胞を陰性対照として用い、アルファ−トコフェロール(Sigma Aldrich製)を陽性対照として用いた。化合物濃度は3回試験した。インキュベーション後、生/死細胞アッセイAquaBluer(商標)(MultiTarget Pharmaceuticals製)を用いて細胞生存を検出し、蛍光プレートリーダー(励起フィルター:530〜560nm/発光フィルター:590nm)(SpectraMax M4;Molecular Devices製)を用いて数値化した。そのようにして得られた蛍光データを、GraphPad Prism(GraphPad Software, Inc製)ソフトウェアパッケージを用いて標準化し、生存細胞の百分率及び計算されたIC
50値とした。本明細書において開示されるある種の化合物について得られたそのようなIC
50値を、表2及び表3に示す。
【0233】
【表4】
【0234】
【表5】
MW:分子量(理論値/HPLC/MSを用い、[M+H]
+として測定された値)、詳細は実施例Aを参照;SY5Y/BSO:詳細は実施例B.1を参照;Ht22/GLU:詳細は実施例B.2を参照;Pfa1/TAM:詳細は実施例B.4を参照;TC
50及び治療域:詳細は実施例B.5を参照;NT:試験せず
【0235】
実施例B.2
グルタミン酸塩誘発非アポトーシス性細胞死の、本発明の化合物による阻害
同じく表2に示すように、本発明者らは、本明細書において開示される化合物が、インビトロ増殖させたマウス海馬細胞株(Ht22)の細胞において誘発させた別のモデルの非アポトーシス性細胞死の阻害剤としての活性を示すという驚くべき知見を観測した。
【0236】
マウス海馬細胞株(Ht22)からの細胞に対し、システイン取り込み障害及びそれに続くGSH枯渇をもたらす、システイン/グルタミン酸塩アンチポーターSystem xc−の阻害により、グルタミン酸塩毒性がもたらされる。このモデルは、卒中、脳外傷その他の神経変性疾患における酸化的ストレス後のグルタチオン枯渇及び虚血後の細胞の状態を模倣するのにしばしば用いられる(例えば: van Leyen et al, J. Neurochem. 92:824-30 (2005))。
【0237】
細胞培養培地への致死量のグルタミン酸塩(GLU)投与時における、細胞生存を促進する能力について、本明細書において開示される化合物を評価した。
【0238】
簡潔に述べると、10%FBS/1%ペニシリン−ストレプトマイシンを加えたDMEM中でHt22細胞(ATCC)を増殖させ、次いで、グルタミン酸塩(Sigma Aldrich製)(最終濃度5mMとなるように)と同時に、増加してゆく濃度の試験化合物(0.5pM〜100μM)と共に、培地100μL中2000細胞/ウェルの濃度で96ウェルプレートに播種し、プレートを37℃/5%CO
2で72時間インキュベーションした。化合物の希釈溶液は、DMSOに溶解した10mMのストックから調製し、培地で希釈した。グルタミン酸塩のみで処理した細胞を陰性対照として用い、アルファ−トコフェロール(Sigma Aldrich製)を陽性対照として用いた。化合物濃度は3回試験した。インキュベーション後、実施例B.1に記載したのと同様にして、細胞生存を検出及び数値化した。本明細書において開示されるある種の化合物について、そのようなアッセイで得られたIC
50値を、表2及び表3に示す。
【0239】
実施例B.3
本発明の化合物による、非アポトーシス性細胞死の阻害の特異性
図1に示すように、本発明者らは、非アポトーシス性細胞死の阻害剤としての活性を示す(上記の通り)本明細書において開示される化合物が、古典的アポトーシスについてのアッセイ(例えば: Alikhani et al., J. Cell Physiol. 201:341-8 (2004))においては、細胞死を阻害しないように見えるという驚くべき知見を観測した。
【0240】
理論に束縛されるものではないが、アポトーシス(例えば、実施例B.3のアッセイのような)は、通常の生理的条件下で、若しくはそのような条件の結果として起こる、又は、通常の組織の恒常性及び細胞代謝回転の一部として、高度にプログラム化された様式の事象の下で、若しくはそのような事象の結果として起こる、と信じられているのに対し、非アポトーシス性の制御された細胞死は逆に、外部損傷刺激及び/又は酸化的ストレスといった、異常な生理的条件又は事象によって引き起こされると考えられている。非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害するが、アポトーシス性細胞死を阻害しないように見える化合物は、個体の本来の細胞死機構及び制御を阻害しないが、外部損傷刺激及び/又は酸化的ストレスといった異常な生理的条件又は事象によって引き起こされたものだけを優先的に阻害する可能性があるので、本発明の方法及び適用において好ましい実用性を有する可能性がある。
【0241】
簡潔に述べると、細胞を1000細胞/ウェルで播種したこと、及びアポトーシスを誘発するため、BSOに代えてTNF−アルファ(Invitrogen製)を最終濃度10ng/mLで加えたことを除き、一般的には実施例B.1に記載したのと同様にして、SH−SY5Y細胞を増殖させ、試験化合物(1μM)と共に96ウェルプレートに播種した。比較のため、アポトーシス及び汎カスパーゼ阻害剤Z-VAD-fmk(Enzo Life Science製;最終濃度50μM)及びネクロトーシス阻害剤ネクロスタチン−1(Nec-1;Enzo Life Science製;最終濃度5μM)を用いた。対照ウェルは、媒体のみ(DMSO)、アポトーシスを誘発するためのTNF−アルファによる処理あり及びなしにより確立した。実施例B.1に記載したのと同様にして、細胞をインキュベーションし、細胞生存を検出及び数値化した。本明細書において開示されるある種の化合物について、TNF−アルファ誘発アポトーシス後の百分率細胞生存を
図1に示す。驚くべきことに、試験した化合物は、既知の活性濃度では、Nec-1を上回る特異性を示しているように見受けられる。
【0242】
実施例B.4
組み換え細胞株を用いる非アポトーシス性細胞死の、本明細書において開示される化合物による阻害
高い細胞内ROSレベルに対抗するため、哺乳類細胞は、細胞内にROS捕捉の複雑なネットワークを発達させたが、そこではチオレドキシン及びグルタチオン(GSH)依存系が優勢である。GSH系では、グルタチオンペルオキシダーゼ4(GPx4)が最も中心的なプレイヤーであり、これはマウスにおけるGPx4遺伝子の標的ノックアウトにより示されている。GPx4ノックアウトは、内因性GSH合成を欠損したマウスと同ステージにおける初期胚死亡をもたらすが、これはGPx4が、鍵となるROS制御酵素であることを示している。酸化的ストレスが、過酸化脂質生成及びアポトーシス誘発因子介在細胞死を引き起こす特定のシグナル伝達経路により、細胞死を引き起こすことを示すために、変性疾患を模倣するための内因性ROSのレベルの実験的操作を可能にする条件付きGPx4ノックアウトマウス(Seiler, A., et al, 2008; Cell Metab 8:237)が用いられた(Mannes et al, 2011; FASEB doi: 10.1096/fj.10-177147)。ニューロンにおけるGPx4のノックアウトは、皮質、小脳及び海馬ニューロンにおける重度の神経変性を引き起こすが、このことは、脳内のROS誘発細胞死シグナル伝達の高い関連性を強調している。簡潔に述べると、これらのマウスからの不死化繊維芽細胞に、両コピーのGPx4の機能的除去を触媒する、タモキシフェン誘導性であるCreERT2を含有させ、このことが、GPx4の完全ノックアウト、重度のROSバースト及び細胞培養物における細胞死をもたらす。これらの細胞(Pfa1細胞)を用いて、本発明の化合物の特徴づけを行い、このことにより、0日目(day 0)にタモキシフェン(TAM)が試験下の化合物と共に与えられ、72時間後に、AlamarBlueを用いて細胞生存が評価された。化合物の濃度範囲0.5pM〜100μM及びGraphPad Prismを用いて、各試験化合物のIC
50を推定した。本明細書において開示されるある種の化合物について得られたそのようなIC
50値を、表3に示す。
【0243】
実施例B.5
本発明の化合物の細胞毒性
実施例B.4に記載したのと同様(ただし、TAMの添加なし)のアッセイを用いて、本発明の化合物についての毒性の推定値を得た。化合物は、濃度範囲100nM〜100μMにわたって試験され、得られたTC
50値は、GraphPad Prismを用いて推定された。本明細書において開示されるある種の化合物について得られたそのようなTC
50値を、およその治療域(各TC
50値を、実施例B.4から決定された対応するIC
50値で除することにより推定される)と共に表3に示す。
【0244】
実施例C:状態、障害及び疾患の動物モデルにおける活性
本明細書において開示される化合物のインビボ活性が、以下に詳述するものを含む1つ以上の動物モデルにより示される。
【0245】
実施例C.1
本明細書において開示される化合物の、肝虚血−再灌流障害の処置についての有用性
本明細書において開示される化合物は、肝臓の虚血−再灌流障害(IRI)の処置において驚くべき有用性を有することが、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて見出される。
【0246】
肝臓におけるIRI損傷を低減する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつ移植時の臓器外傷、及び、虚血−再灌流により引き起こされるその他の疾患又は状態を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Abe et al. (Free Radic. Biol. Med. 46: 1-7 (2009))に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0247】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、6〜8週齢C57BL/6マウス(Charles River製)の肝臓に、正中線開腹(これにより、90分間の無傷クリッピングにより肝臓の左葉及び中葉への血液供給を遮断し、次いで24時間の再灌流を行う)により虚血を誘発する。再灌流の後であるが、最終的な閉腹の前に、単回i.p.投与の試験化合物(10mg/Kg)又は陰性対照としての媒体(DMSO)により動物を処置する。肝臓のIRIを調査するためのマーカーには、血清からの肝臓パラメーター(ALT/GPT、AST/GOT、ビリルビン、尿素)、炎症性及び非アポトーシス性細胞死マーカー(例えば、TNF−アルファ及びINF−ガンマ)の病理組織学的解析及びrtPCRが含まれる。
図2(a)及び(b)は各々、IRI肝損傷に続く、本発明の化合物(N−2)によるマウス処置時の、肝細胞損傷についての血清マーカー、GPT及びGOTの有意な減少(媒体対照に比しての)を示す。「Sham」のバーは、無傷クリッピングをしないこと以外は同じプロトコールで処置された対照動物からのデータを表す。
図2(c)は、本研究からの、媒体及び化合物で処置されたマウスの肝臓の間の視覚による比較を表す写真を示す。
【0248】
実施例C.2
本明細書において開示される化合物の、腎虚血−再灌流障害の処置についての有用性
本明細書において開示される化合物を、腎臓の虚血−再灌流障害(IRI)の処置におけるその有用性について、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて調査する。
【0249】
腎臓におけるIRI損傷を低減する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつ移植時の臓器外傷、及び、虚血−再灌流により引き起こされるその他の疾患又は状態を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Wu et al. (J. Clin. Invest. 117:2847-59 (2007))及びLinkermann et al. (Kidney Int. 81: 751-761 (2012))に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0250】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、6〜8週齢C57BL/6マウスの腎臓に、30分間の腎動脈の可逆クリッピングによる腎臓への血液供給の遮断と、これに次ぐ24時間の再灌流により虚血を誘発する。一般的には実施例C.1に記載したのと同様にして、閉腹の1時間前及び4時間後、そして14日間にわたり1日1回、マウスを化合物(又は媒体対照)で処置する。腎臓のIRIを調査するためのマーカーには、血清クレアチニンレベルの低下と共に病理組織学的解析が含まれる。
図3は、用量1及び10mg/kgの両者における、本発明の化合物(N−2)による処置後の、腎虚血−再灌流障害を抱えるマウスの生存の改善(媒体対照に比しての)を示す。
【0251】
実施例C.3
本明細書において開示される化合物の、パラセタモール(APAP)中毒の処置についての有用性
本明細書において開示される化合物を、APAP中毒の処置におけるその有用性について、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて調査する。
【0252】
非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつAPA中毒の影響を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Patterson et al. (Chem. Res. Toxicol. 2013, "Article ASAP Web publication", date 22-May-2013)に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0253】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、6〜8週齢C57BL/6雄性マウスの複数の群(groups)に、食塩水中APAP(400mg/kg)のi.p.注射を施し、それと同時、又は所定の時間の後、試験化合物(1mg/Kg又は10mg/Kg)又は対照としての媒体(DMSO)をi.p.注射で投与する。APAP投与の6時間後、CO
2窒息によりマウスを死亡させ(sacrificed)、次いで肝損傷を評価するため、肝臓を摘出してリン酸緩衝食塩水中で洗浄し、肝臓組織片(portions of liver tissue)を10%緩衝ホルマリンで固定、又は−80℃で急速冷凍する。非アポトーシス性細胞死の程度を、ヘマトキシリン及びエオシン染色により採点する。APAP誘発肝損傷の程度を、血清中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)触媒活性を測定することにより決定する。肝臓及び肝臓ミトコンドリア抽出物における還元型GSHレベルは、グルタチオンアッセイキットを用いて測定する。
【0254】
実施例C.4
本明細書において開示される化合物の、シスプラチン中毒の処置についての有用性
本明細書において開示される化合物を、シスプラチン中毒の処置におけるその有用性について、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて調査する。
【0255】
非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつシスプラチン中毒の影響を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてそのような有用性は、例えば、Tristao et al. (Ren. Fail. 34:373-7 (2012))に記載されているような、インビボモデルにおいて試験することができる。
【0256】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、単回シスプラチン処置(25mg/Kg、i.p.、40%PEGに溶解)の1日前に、対照としての媒体(DMSO)又は試験化合物(1mg/Kg又は10mg/Kg)を、6〜8週齢C57BL/6雄性マウスに投与する(例えば、i.p.注射)。観測期間である4〜5日の間、化合物(又は媒体対照)処置を毎日続ける。シスプラチン処置の3日後、病理組織学的解析のために、肝臓、脾臓及び腎臓の試料を解剖する。血液試料を回収して、血中尿素窒素及び血漿クレアチニンレベルを測定する。
【0257】
実施例C.5
本明細書において開示される化合物の、外傷性脳損傷の処置についての有用性
本明細書において開示される化合物を、外傷性脳損傷の処置におけるその有用性について、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて調査する。
【0258】
外傷性脳損傷(TBI)の発症において、非アポトーシス性の制御された細胞死は重要な役割を果たしており、そのような状態/障害/疾患のための医薬品としての本発明の化合物の有用性は、例えば、You et al. (J. Cereb. Blood Flow Metab. 28:1564-73 (2008))又はRauen et al. (J. Neurotrauma 30:1442-8 (2013))に記載されているような、インビボマウスモデルを用いて調査することができる。
【0259】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、外傷の誘発前に、C57BL/6雄性マウスを麻酔する。直腸プローブに接続されたフィードバック制御付き加温パッドを用いて、中核体温を37℃に維持する。外傷を誘発するため、右頭頂葉皮質上に開頭術を準備する(craniotomy is prepared)。制御式皮質衝撃(CCI)を、特注マウス用CCI適用器を用いて、脳表面に対して垂直に、下記のパラメータを用いて与える:速度8m/s、直径3mm、脳変位(brain displacement)1mm及び持続時間150ms。CCIに続き、獣医グレード組織接着剤(Vetbond, 3M, St. Paul, MN)を用いて除去した骨弁を貼り付けることにより、頭蓋骨を閉じる。TBI誘発の15分後、化合物(40%PEGに溶解)を1mg/Kg又は10mg/Kgで投与し、媒体対照として40%PEGを含める。33℃に加温したインキュベーター内で、動物を麻酔から回復させる。CCIの24時間後、動物を死亡させ、脳を摘出して直ちに砕いたドライアイスで冷凍させ、−80℃で保存する。低温維持装置(CryoStar HM 560; Microm, Walldorf, Germany)を用いて、吻側から尾側への冠状切片(厚さ10μm)を切り出し、50切片毎に1切片を更なる解析用に調製する。挫傷を受けた脳の面積を数値化するため、切片をクレシルバイオレットで染色して、挫傷体積を計算し、そのようなデータの解析に続いて、試験した化合物の効果を観測する。
図4は、TBIに続く、マウスの脳における挫傷体積の減少という、本発明の化合物(N−2)での処置の(有意ではないが)正の効果の傾向を示す。
【0260】
実施例C.6
本明細書において開示される化合物の、関節リウマチ(RA)の処置についての有用性
本明細書において開示される化合物を、RAの処置におけるその有用性について、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて調査する。
【0261】
コラーゲン誘発関節炎(CIA)マウスモデルは、例えば、Brand et al. (Nat. Protoc. 2:1269-75 (2007))に記載されているように、最も一般的に研究された関節リウマチの自己免疫モデルであり、RAを処置するための本発明の化合物の有用性を研究するのに用いることができる。
【0262】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、Brand et al. (2007)に記載されているようにして、完全フロイントアジュバントのエマルション及びII型コラーゲンを用いる免疫付与により、このモデルにRAを誘発する。1日目に開始されるi.p.注射により、化合物を毎日投与する。40%PEGを媒体対照として用いる。マウスを毎日監視し、採点システムを用いて疾患の進行を評価する。
【0263】
実施例C.7
本明細書において開示される化合物の、多発性硬化症(MS)の処置についての有用性
本明細書において開示される化合物を、MSの処置におけるその有用性について、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて調査する。
【0264】
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、例えば、Racke (Curr. Protoc. Neurosci. 9:unit 9.7 (2001))に記載されているように、ヒト炎症性脱髄疾患である多発性硬化症(MS)についての最も一般的に用いられる実験モデルであり、MSを処置するための本発明の化合物の有用性を研究するのに用いることができる。
【0265】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、Racke (2001)に記載されているようにして、EAEを誘発する。1日目に開始されるi.p.注射により、化合物を毎日投与する。40%PEGを媒体対照として用いる。マウスを毎日監視し、採点システムを用いて疾患の進行を評価する。
【0266】
実施例C.8
本明細書において開示される化合物の、リポ多糖(LPS)誘発エンドトキシンショックの処置についての有用性
本明細書において開示される化合物を、LPS誘発エンドトキシンショックの処置におけるその有用性について、そのような状態/障害/疾患のインビボマウスモデルを用いて調査する。
【0267】
非アポトーシス性の制御された細胞死を阻害する本発明の化合物は、医薬品候補として提案し得るものであり、かつLPS誘発エンドトキシンショックの影響を制限するための医薬品としての有用性を有するものであり、そしてこの有用性は、例えば、Duprez et al. (Immunity 35:908-18 (2011)) に記載されているような、インビボマウスモデルを用いて調査することができる。
【0268】
簡潔に述べると、本明細書において開示される化合物のそのような有用性を試験するため、6〜8週齢C57BL/6雄性マウスに、用量20mg/体重KgでのLPSのi.p.注射により、エンドトキシンショックを誘発する。これに続く4日間の観測期間の間、試験化合物(1mg/Kg又は10mg/Kg)又は対照としての媒体(DMSO)を、i.p.注射により毎日投与する。5日間、毎日2回の検査により、マウスの生存を監視する。
【0269】
実施例D:医薬品候補の選択及び開発
更なる実験に入り、1つ以上の状態、障害及び/又は疾患の処置のための治療/医薬組成物に用いるためのその適切さを評価するのに最も適切な化合物を選択するためには、更なるデータを集める。そのようなデータには、IC
50で、又はその状態、障害及び/若しくは疾患の適切なインビボ動物モデルから測定される、インビトロでの非アポトーシス性細胞死の阻害、特にネクロトーシス又はフェロトーシスの阻害が含まれ得る。更に、そのような実験には、問題となる化合物の標的若しくは作用機序、又は問題となる化合物の標的プロファイル、並びに、その化合物の標的への結合親和性又は標的上の化合物の結合部位、及び薬理動態特性といった、問題となる化合物の他の特性の解明及び/又は決定が含まれ得る。そのような実験にはまた、薬物−標的相互作用の分子モデリング及び投与後に形成される代謝産物の同定が含まれ得る。
【0270】
非アポトーシス性細胞死の阻害についてのIC
50、及び/又はインビボ動物モデルデータ、及び/又は吸収、分布、代謝及び排出(ADME)、薬物動態及び薬力学特性を含むその他の特徴に関して最も適切な結果を示す化合物を、更なる実験に入るために選択してもよい。そのような実験には、例えば、動物における治療的プロファイリング及び毒性学、ヒトにおける第1相臨床試験並びにその他の臨床試験が含まれ得る。