特許第6851826号(P6851826)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6851826がんの治療のためのPIMキナーゼ阻害剤と組み合わせたペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851826
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】がんの治療のためのPIMキナーゼ阻害剤と組み合わせたペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20210322BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/5025 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 38/04 20060101ALI20210322BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210322BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210322BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210322BHJP
   C07D 213/81 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 277/34 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 417/10 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 417/12 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 417/14 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 487/04 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 498/04 20060101ALN20210322BHJP
【FI】
   A61K45/00
   A61K31/426
   A61K31/427
   A61K31/437
   A61K31/454
   A61K31/4545
   A61K31/5025
   A61K31/506
   A61K31/5377
   A61K38/04
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P43/00 121
   !C07D213/81
   !C07D277/34
   !C07D417/10
   !C07D417/12
   !C07D417/14
   !C07D487/04 144
   !C07D498/04 105
【請求項の数】9
【全頁数】70
(21)【出願番号】特願2016-527087(P2016-527087)
(86)(22)【出願日】2014年7月17日
(65)【公表番号】特表2016-525118(P2016-525118A)
(43)【公表日】2016年8月22日
(86)【国際出願番号】US2014046950
(87)【国際公開番号】WO2015009888
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2017年7月10日
【審判番号】不服2019-7827(P2019-7827/J1)
【審判請求日】2019年6月12日
(31)【優先権主張番号】61/856,636
(32)【優先日】2013年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/863,760
(32)【優先日】2013年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/863,768
(32)【優先日】2013年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/856,626
(32)【優先日】2013年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510094115
【氏名又は名称】オニキス セラピューティクス, インク.
【氏名又は名称原語表記】ONYX THERAPEUTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】カプール, シーリン
(72)【発明者】
【氏名】ラーナー, アラナ
(72)【発明者】
【氏名】カーク, クリストファー, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロウ, エリック
【合議体】
【審判長】 原田 隆興
【審判官】 岡崎 美穂
【審判官】 齋藤 恵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−506445(JP,A)
【文献】 特表2013−510867(JP,A)
【文献】 特表2013−503837(JP,A)
【文献】 特表2010−509242(JP,A)
【文献】 特表2011−515481(JP,A)
【文献】 特表2012−512157(JP,A)
【文献】 特表2011−513363(JP,A)
【文献】 Inflammation and Regeneration,2004年,Vol.24,No.2,p.113−117
【文献】 Biochemical Pharmacology,2013年,Vol.85,p629−643
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K38/00-38/21
A61K41/00-45/08
A61K48/00,50/00
A61K51/00-51/12
A61K31/00-33/44
A61P35/00
CAplus/MEDLINE/REGISTRY/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTplus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)以下の構造式で表される化合物またはその薬学的に許容される塩であるプロテアソーム阻害剤:
、及び
(b)PIM−2キナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む、患者の多発性骨髄腫の治療のための医薬組成物。
【請求項2】
前記PIM−2キナーゼ阻害剤が経口で生物学的に利用可能である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記PIM−2キナーゼ阻害剤が、7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記患者が、PIM−2キナーゼが過剰発現している患者である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記プロテアソーム阻害剤及び前記PIM−2キナーゼ阻害剤が同時に投与される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記プロテアソーム阻害剤及び前記PIM−2キナーゼ阻害剤が順次に投与される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記プロテアソーム阻害剤が、前記PIM−2キナーゼ阻害剤の前に投与される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記プロテアソーム阻害剤が、前記PIM−2キナーゼ阻害剤の後に投与される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
患者の多発性骨髄腫の治療のための医薬の製造におけるプロテアソーム阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用であって、前記プロテアソーム阻害剤は以下の構造、
またはその薬学的に許容される塩を有し、前記プロテアソーム阻害剤は、PIM−2キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩と共に投与される、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
米国特許仮出願第61/856,636号(2013年7月19日に提出)、第61/863,768号(2013年8月8日に提出)、第61/856,626号(2013年7月19日提出)及び第61/863,760(2013年8月8日に提出)のそれぞれの利益を主張し、これらの開示はそれぞれ参照によりその全体が援用される。
【0002】
本開示は、PIMキナーゼ阻害剤と組み合わせたペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤を投与することによるがん患者の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
プロテアソームは、米国食品医薬品局が承認するボロン酸プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブによって示されるように、多発性骨髄腫を含む様々ながん適応症の治療のための治療標的として確認されている。しかし、毒性副作用がより少ない他のより高度なプロテアソーム特異的阻害剤が最近記述されている。これらの化合物として、U.S.6,831,099に記述されるエポキソミシン等のペプチドエポキシケトン(参照により本明細書に援用される)、ならびにU.S.7,687,456、7,737,112、7,232,818、7,417,042、7,687,456、8,207,125、8,207,126、8,207,297、8,324,174及び8,367,617に記載されるそれらのペプチドエポキシケトンプロテアソーム化合物、組成物及び多形体(それぞれの内容はその全体が参照により本明細書に援用される)が挙げられる。例えば、ペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤であるカーフィルゾミブは、2012年に再発及び難治性の多発性骨髄腫の治療のために米国食品医薬品局によって承認された。
【発明の概要】
【0004】
本明細書においてがん患者を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に治療有効量の式(I)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、ここでXはO、NH、またはN−アルキルであり、YはNH、N−アルキル、O、またはC(Rであり、ZはOまたはC(Rであり、R、R、R及びRは全て水素であり、各R、R、R、R及びRは独立して水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、それらのそれぞれはアルキル、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で任意に置換され、R10及びR11は独立して水素及びC1−6アルキルから選択され、またはR10及びR11は一緒に3〜6員の炭素環式または複素環式環を形成し、R12及びR13は独立して水素、金属カチオン、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択され、またはR12及びR13は一緒にC1−6アルキルを表わし、それによって環を形成し、mは0〜2の整数であり、nは0〜2の整数、好ましくは0または1であり、ならびに治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、XはOである。いくつかの実施形態では、R、R、R及びRは独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択され、Rは水素である。いくつかの実施形態では、R及びRは独立してC1−6アラルキルであり、R及びRは独立してC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、YはN−アルキル、O及びCHから選択される。いくつかの実施形態では、ZはCHであり、mとnは両方とも0である。いくつかの実施形態では、ZはCHであり、mは0であり、nは2である。いくつかの実施形態では、ZはOであり、mは1であり、nは2である。
【0005】
また、本明細書は式(II)の構造を有する式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用する方法を提供し、
ここで、Xは、O、NH及びN−アルキルから選択され、R、R、R及びRは全て水素であり、R、R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、これらはそれぞれ、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で任意に置換される。いくつかの実施形態では、R、R、R及びRは、独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRは独立してC1−6アラルキルであり、R及びRは独立してC1−6アルキルである。
【0006】
また、本明細書は式(III)の構造を有する式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用する方法を提供し、
ここで、Xは、O、NH及びN−アルキルであり、R、R、R及びRは全て水素であり、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、これらはそれぞれ、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、R及びRは、独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRは独立してC1−6アルキルである。例えば、R及びRは両方ともイソブチルとすることができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を使用する方法は、以下の構造を有する。
【0008】
また、本明細書はがん患者を治療する方法を提供し、当該方法は患者に治療有効量の式(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
ここでLはC=O、C=S及びSOから選択され、XはO、S、NH及びN−C1−6アルキルから選択され、Zは存在しない、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり、R、R及びRはそれぞれ、独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール、C1−6アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1−6ヘテロシクロアルキル、C1−6ヘテロアラルキル、カルボシクリル及びC1−6カルボシクロラルキルから選択され、Rは、水素、C1−6アラルキル、C1−6アルキルから選択され、Rはヘテロアリールであり、R及びRは独立して水素、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択され、ならびに治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、Zは存在しない。いくつかの実施形態では、R、R及びRは独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態では、LはC=Oである。いくつかの実施形態では、LはSOである。いくつかの実施形態では、R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アラルキル、C1−6ヘテロシクロアルキル、C1−6ヘテロアラルキル及びC1−6カルボシクロラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル及びイソブチルから選択される。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してプロパルギルである。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してC1−6ヒドロキシアルキルである。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルから選択される。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してC1−6アルコキシアルキルである。いくつかの場合では、R、R及びRのいずれも独立してメトキシメチル及びメトキシエチルから選択される。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してC1−6ヘテロアラルキルである。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してイミダゾリルメチル、ピラゾリルメチル及びチアゾリルメチル及びピリジルメチルから選択される。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してシクロヘキシルメチルである。いくつかの実施形態では、R、R及びRはすべて異なる。いくつかの実施形態では、R及びRは独立して、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アルコキシアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRの少なくとも一つはC1−6アルコキシアルキルである。いくつかの実施形態では、R及びRの少なくとも一つはメトキシメチル及びメトキシエチルから選択される。いくつかの実施形態では、RはC1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、RはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rはメチル、エチル、イソプロピル、sec−ブチル及びイソブチルから選択される。例えば、Rはイソブチルにすることができる。いくつかの実施形態では、RはC1−6アラルキルである。例えば、Rはフェニルメチルにすることができる。いくつかの実施形態では、Rは5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rはイソオキサゾール、イソチアゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、またはイミダゾールから選択される。いくつかの実施形態では、Rはイソオキサゾール、フランまたはチオフェンから選択される。いくつかの実施形態では、Rはフランまたはチオフェンである。いくつかの実施形態では、Rは非置換フラン−3−イルまたはチエン−2−イルである。いくつかの実施形態では、Rはイソオキサゾール−3−イルまたはイソオキサゾール−5−イルである。いくつかの実施形態では、Rは、5位に置換基を有するイソオキサゾール−3−イルである。いくつかの実施形態では、Rは3位に置換基を有するイソオキサゾール−5−イルである。いくつかの実施形態では、置換基は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシアルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、カルボン酸、アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルアミノカルボン酸塩、(C1−6アルキル)アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルカルボン酸塩、C1−6ヘテロアラルキル、C1−6アラルキル、C1−6ヘテロシクロアルキル及びC1−6カルボシクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、置換基は、メチル、エチル、イソプロピル及びシクロプロピルから選択される。いくつかの実施形態では、置換基は、C1−6ヘテロアラルキル及びC1−6ヘテロシクロアルキルから選択される。例えば、置換基は1,2,4−トリアゾール−5−イルメチルにすることができる。ある特定の実施形態では、置換基は、アゼチジン−1−イルメチルである。いくつかの実施形態では、置換基は
であり、ここでWはO、NR、またはCHであり、RはHまたはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、WはOである。いくつかの実施形態では、置換基は、C1−6アルコキシ及びC1−6アルコキシアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、置換基は、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル及びメトキシエチルから選択される。いくつかの実施形態では、置換基は、カルボン酸、アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルアミノカルボン酸塩、(C1−6アルキル)アミノカルボン酸塩またはC1−6アルキルカルボン酸塩から選択される。例えば、置換基は、カルボン酸メチルにすることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物を使用する方法は、以下の構造を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、経口的に生物学的に利用可能である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、PIM−1、PIM−2及びPIM−3から成る群から選択される一つ以上のキナーゼに選択的である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤はPIM−2に選択的である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は以下から成る群、7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬剤的に許容される塩から選択される。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は二重のPIM−1/PIM−2阻害剤である。様々な場合では、PIMキナーゼ阻害剤は、汎PIM阻害剤(例えば、PIM−1、PIM−2及びPIM−3のそれぞれの活性阻害剤)である。企図される汎PIM阻害剤の一例は、5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン(またAZD1208としても知られる)である。
【0011】
いくつかの実施形態では、がんは難治性である。いくつかの実施形態では、がんは耐性である。いくつかの実施形態では、がんは骨がん、婦人科がん、乳がん、血液悪性腫瘍、皮膚がん、肝臓がん、腎臓がん、膵臓がん、脳がん、肺がん及び前立腺がんから成る群から選択される。例えば、がんは、血液悪性腫瘍であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、以下から成る群から選択され、以下、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は以下から成る群から選択され、以下、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、B細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から成る群から選択される。例えば、血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、患者はPIM−2キナーゼが過剰発現している。
【0014】
いくつかの実施形態では、式(I)または式(IV)の化合物及びPIMキナーゼ阻害剤の投与は、同時に行われる。いくつかの実施形態では、式(I)または式(IV)の化合物及びPIMキナーゼ阻害剤の投与は順次に行われる。いくつかの実施形態では、式(I)または式(IV)の化合物の投与は、PIMキナーゼ阻害剤の投与前に行われる。いくつかの実施形態では、式(I)または式(IV)の化合物の投与は、PIMキナーゼ阻害剤の投与後に行われる。
【0015】
また、本明細書では患者の血液悪性腫瘍を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0016】
さらに、本明細書では患者の血液悪性腫瘍を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療的有効量PIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0017】
また、本明細書では患者の血液悪性腫瘍を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0018】
さらに、本明細書では患者の血液悪性腫瘍を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2キナーゼ選択的阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0019】
また、本明細書では患者の血液悪性腫瘍の治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び以下から成る群選択される治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、以下、7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0020】
また、本明細書では患者の血液悪性腫瘍を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び以下から選択される治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、以下、7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0021】
また、本明細書では患者の多発性骨髄腫を治療する方法を提供し、当該方法は、患者、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0022】
また、本明細書では患者の多発性骨髄腫を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の式(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩、及び治療的有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0023】
また、本明細書では患者の多発性骨髄腫を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0024】
また、本明細書では患者の多発性骨髄腫を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0025】
さらに、本明細書では患者の多発性骨髄腫を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0026】
さらに、本明細書では患者の多発性骨髄腫を治療する方法を提供し、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0027】
治療方法として記述される本発明の態様は、本発明の最初または後の「医療用」態様または同疾患または病態の治療のための医薬の製造のための組成物の「スイス型の使用」を含むことを理解されるべきである。
【0028】
複数の実施形態は本明細書に記載の組み合わせ発明を企図している。例えば、本発明のいくつかの態様は、二種以上の化合物または薬剤を、別々に投与するか(順次にまたは同時に)または併用して(同時処方または混合)組み合わせる治療(または医療用)の方法として記述される。このように記述される各態様について、本発明は、さらに、同時に処方または互いに混合される2つ以上の化合物または薬剤を含む組成物を含み、本発明はさらに、2つ以上の化合物/薬剤を含むが混合されないキットまたは単位用量を含む。任意に、当該組成物、キットまたは用量は、対象に投与する前に製剤化するために、一方または両方の薬剤と混合する、または同梱される一つ以上の担体をさらに含む。逆もまた真であり、本発明のいくつかの態様は治療に有用であり、2つ以上の治療薬を含む組成物として、本明細書に記載される。同等の方法及び使用を具体的に企図する。
【0029】
特に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を表す。本開示に使用される方法及び材料は本明細書に記述され、当該技術分野に周知の適正な方法及び材料を使用することもできる。材料、方法及び実施例は例示にすぎず、限定を意図するものではない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、配列、データベースのエントリ及び他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。矛盾する場合、定義を含めて本明細書が優先される。
【0030】
本開示の他の特長及び利点は、以下の詳細な説明及び図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】2つの細胞株に対するカーフィルゾミブ処理と組み合わせたPIM−2ノックダウンの効果を示すグラフである。
図2】2つの細胞株に対するカーフィルゾミブと二重PIM−1/PIM−2阻害剤(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン(またSMI−16aとしても知られている)の効果を示す一連のグラフである。図2Aは、NIH−H929細胞に対する、100μMの(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン及び1.98nMのカーフィルゾミブの効果を、単独(それぞれ左及び中央のバー)または併用(右のバー)で示すグラフである。図2Bは、NIH−H929細胞に対する、100μM(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン及び4.44nMのカーフィルゾミブの効果を、単独(それぞれ左及び中央のバー)及び併用(右のバー)で示すグラフである。図2Cは、U266細胞に対する100μMの(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン及び2.96nMのカーフィルゾミブの組み合わせの効果を、単独(それぞれ左及び中央のバー)及び併用(右のバー)で示すグラフである。図2Dは、U266細胞に対する100μMの(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン及び6.66nMのカーフィルゾミブの効果を、単独(それぞれ左及び中央のバー)及び併用(右のバー)で示すグラフである。
図3】(a)10μMで単独のPIM−1/PIM−2阻害剤(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン(SMI−16aとしても周知)(左のバー)、(b)2〜4.5nMで単独のカーフィルゾミブ(中央のバー)、または(c)両方(右のバー)で処理してから72時間後の3つのがん細胞株、NIH−H929、KMS12−BM及び8226の細胞生存率を示す一連のグラフである。
図4】CalcuSynソフトウェア(Biosoft)を用いて計算した細胞株NIH−H929、KMS12−BM及び8226に対するカーフィルゾミブ及びSMI−16aのためのデータの相乗効果行列の併用係数(CI)を示し、CI<0.90は相乗的、0.9<CI<1.1は相加的、CI>1.1は拮抗的である。各細胞株に対して、カーフィルゾミブと二重PIM−1/PIM−2阻害剤SMI−16aは相乗的であった。
図5】(a)3〜10μMで単独の汎PIM阻害剤5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン(AZD−1208としても周知)(左のバー)、(b)2〜4.5nMで単独のカーフィルゾミブ(中央のバー)、または(c)両方(右のバー)で処置してから72時間後の3つのがん細胞株、NIH−H929、KMS12−BM及び8226の細胞生存率を示す一連のグラフを示す。
図6】CalcuSynソフトウェア(Biosoft)を用いて計算した細胞株NIH−H929、KMS12−BM及び8226に対するカーフィルゾミブ及びAZD−1208のためのデータの相乗効果行列の併用係数(CI)を示し、CI<0.90は相乗的、0.9<CI<1.1は相加的、CI>1.1は拮抗的である。各細胞株に対して、カーフィルゾミブと汎PIM阻害剤AZD−1208の組み合わせは相乗的であった。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示は、一般に、PIMキナーゼ阻害剤と組み合わせてペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤を用いて患者のがんを治療する方法を提供する。
【0033】
定義
「例えば」及び「等」という用語及びその文法的に同等な語について、「限定しないで」という表現が、特に記載がない限りその後に続くものと理解される。本明細書で使用する場合、「約」という用語は、実験誤差による変動を考慮することを意味する。本明細書で報告される全ての測定値は、特に明記しない限り、その用語が明示的に使用されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されると理解される。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は文脈が特に明確に指示しない限り、複数の対象を含む。
【0034】
本明細書で使用されるとき、破線または太字の結合(すなわち
)とともに示される一つ以上の立体中心を含む化学構造は、化学構造に存在する立体中心の絶対立体化学を示すことを意図する。本明細書中で使用される場合、単線で表される結合は立体優先を示すものではない。逆に別様に示されない限り、絶対または相対立体化学を示すことなく示される、一つ以上の立体中心を含む、本明細書に示される化学構造は、化合物のあらゆる可能な立体異性体形態(例えば、ジアステレオマー、鏡像異性体)及びその混合物を包含する。単一太字または破線及び少なくとも一つの付加的な単線を有する構造は、あらゆる可能なジアステレオマーの単一の鏡像異性体の系列を包含する。
【0035】
化合物のラセミ混合物の分割は、当技術分野に周知の多数の方法のいずれかによって行うことができる。例示的な方法として、光学活性な、塩形成有機酸であるキラル分割酸を用いる分別再結晶化が挙げられる。分別再結晶法に適した分割剤は、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、またはカンファースルホン酸等の様々な光学活性のカンファースルホン酸のD及びL形態等の光学活性酸である。分別結晶化法に好適なその他の分割剤として、立体異性体的に純粋な形態のメチルベンジルアミン(例えば、S及びR形態またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2−フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N−メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
【0036】
ラセミ混合物の分割は、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムでの溶出により行うこともできる。好適な溶出溶媒の組成物は当業者によって決定することができる。
【0037】
本明細書で提供される化合物はまた、中間体または最終化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことができる。同位体は同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体として水素、トリチウム及び重水素が挙げられる。
【0038】
本明細書で使用する「化合物」という用語は、記載の構造の全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体及び同位体を含むことを意図する。特定の互変異性型としての名前または構造によって特定される本明細書の化合物は、特に断りのない限り、他の互変異性型を含むことを意図する。
【0039】
全ての化合物及びその薬学的に許容される塩は、水及び溶媒等(例えば、水和物及び溶媒和物)等の他の物質と一緒に見出すことができる。
【0040】
用語「Cx−yアルキル」は、置換または非置換の飽和炭化水素基を指し、鎖の中にx〜y個の炭素を含む直鎖アルキル及び分岐鎖アルキル基、例えばトリフルオロメチル及び2,2,2−トリフルオロエチル等のハロアルキル基が挙げられる。「C2−yアルケニル」及び「C2−yアルキニル」という用語は、上記のアルキルと長さ及び可能な置換において類似する置換もしくは非置換の不飽和脂肪族基を指すが、それぞれ、少なくとも一つの二重結合または三重結合を含む。いくつかの実施形態では、アルキル、アルケニル及び/またはアルキニル基は、フッ素等のハロゲン原子で置換することができる。
【0041】
「アルコキシ」という用語は、それに結合した酸素を有するアルキル基を指す。代表的なアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。 「エーテル」は、酸素によって共有結合した2つの炭化水素である。したがって、アルキルをエーテルにする、そのアルキルの置換基は、アルコキシ、またはアルコキシに似たものである。
【0042】
「C1−6アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されたC1−6アルキル基を指し、それによってエーテルを形成するものである。
【0043】
「C1−6アラルキル」という用語は、本明細書で使用されるとき、アリール基で置換されたC1−6アルキル基を指す。
【0044】
「C1−6ヒドロキシアルキル」という用語は、ヒドロキシ基で置換されたC1−6アルキル基を指す。
【0045】
「アミン」及び「アミノ」という用語は、当該技術分野で認識されており、非置換及び置換アミンの両方とその塩を指し、例えば以下の一般式によって表すことができる部分であり、
ここで、R、R10及びR10’はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−Rを表し、またはR及びR10はそれらが結合されるN原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有するヘテロ環を完成し、Rはアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはポリシクリルを表し、mは0または1〜8の整数である。いくつかの実施形態では、RまたはR10のうちの一つだけがカルボニルであり、例えば、R、R10及び窒素は一緒にイミドを形成しない。いくつかの実施形態では、R及びR10(及び任意でR10’)は、それぞれ独立して水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−Rを表す。ある特定の実施形態では、アミノ基は塩基であり、そのプロトン化形態は7.00より高いpKaを有することを意味している。
【0046】
「アミド(amide)」と「アミド(amido)」という用語は、アミノ置換カルボニルとして当該分野で認識され、一般式:
で表すことができる部分を含み、ここで、R及びR10は上で定義した通りである。いくつかの実施形態では、アミドはイミドを含まず、不安定であり得る。
【0047】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、環の各原子が炭素である5員、6員及び7員の置換または非置換の単環芳香族基を含む。「アリール」という用語は、2つ以上の炭素が、2つの隣り合った環(環の少なくとも一つが芳香族である)に共通する2つ以上の環を有する多環式環系も含み、例えば、他方の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/またはヘテロシクリルであることができる。アリール基として、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリン等が挙げられる。いくつかの実施形態では、アリール環はフッ素等のハロゲンで置換することができる。
【0048】
本明細書中で使用される「炭素環」、「カルボシクリル」及び「シクロアルキル」という用語は、環の各原子が炭素である3〜7員の非芳香族置換または非置換の環を指す。「炭素環」、「カルボシクリル」及び「シクロアルキル」という用語は、2つ以上の炭素が、2つの隣り合った環(環の少なくとも一つが炭素環である)に共通する2つ以上の環を有する多環式環系も含み、例えば、他方の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/またはヘテロシクリルであることができる。カルボシクリルとして、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、4−メチルシクロヘキシルが挙げられる。多環式カルボシクリルの例として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ノルボルニル及びアダマンチルが挙げられる。
【0049】
「カルボニル」という用語は当該技術分野で認識されており、以下の一般式で表されるような部分が含まれ、
ここで、Xは結合であるか、または酸素若しくは硫黄を表し、R11は水素、アルキル、アルケニル、−(CH−Rまたは薬学的に許容される塩を表し、R11’は水素、アルキル、アルケニルまたは−(CH−Rを表し、m及びRは上で定義した通りである。Xが酸素であり、R11またはR11’は水素でない場合、式は「エステル」を表す。Xが酸素であり、R11が水素である場合、式は「カルボン酸」を表す。
【0050】
「C1−6ヘテロアラルキル」という用語は、本明細書で使用するとき、ヘテロアリール基で置換されたC1−6アルキル基を指す。
【0051】
「ヘテロアリール」という用語は、置換または非置換の芳香族5〜7員の環構造、例えば、環構造が1〜4個のヘテロ原子を含む5〜6員の環を含む。「ヘテロアリール」という用語は、2つ以上の炭素が、2つの隣り合った環(環の少なくとも一つがヘテロ芳香族である)に共通する2つ以上の環を有する多環式環系も含み、例えば、他方の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/またはヘテロシクリルである。ヘテロアリール基として、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジン等が挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール環はフッ素等のハロゲンで置換することができる。
【0052】
本明細書で使用する「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。例えば、ヘテロ原子は窒素、酸素、リン及び硫黄を含む。
【0053】
「ヘテロシクリル」または「複素環基」という用語は、置換または非置換の非芳香族3〜10員の環構造、例えば、環構造が1〜4個のヘテロ原子を含む3〜7員環を指す。「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクリル基」という用語は、2つ以上の炭素が、2つの隣り合った環(環の少なくとも一つがヘテロ複素環である)に共通する2つ以上の環を有する多環式環系も含み、例えば、他方の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/またはヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基として、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム等が挙げられる。
【0054】
「チオエーテル」という用語は、それに結合された硫黄部分を有する、上で定義されたアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、「チオエーテル」は−S−アルキルで表される。代表的なチオエーテル基として、メチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。
【0055】
「置換された」という用語は、分子の一つ以上の非水素原子上の水素を置換する置換基を有する部分を指す。「置換」または「〜で置換された」は、当該置換が置換された原子及び置換基の許容される原子価に従い、置換によって例えば、転位、環化、脱離等によって自発的に変換されない安定した化合物になる条件を含意している。「置換された」いう用語は、本明細書で使用するとき、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことが企図される。より広い態様では、許容される置換基として、非環式及び環式、分岐及び非分岐の、炭素環及び複素環式、芳香族及び非芳香族の有機化合物の置換基が挙げられる。許容される置換基は、一つ以上であることができ、適切な有機化合物について同一または異なっていてもよい。本開示の目的のために、窒素等のヘテロ原子は、水素置換基及び/またはヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載の有機化合物の任意の許容される置換基を有していてもよい。置換基として、例えば、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル等)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメート等)、アルコキシル、ホスホリル、リン酸塩、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が挙げられる。適宜、炭化水素鎖上で置換された部分そのものが置換され得ることは、当業者によって理解される。いくつかの実施形態では、置換基はフッ素等のハロゲンである。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物またはその塩は、実質的に単離されたまたは精製される。「実質的に単離された」とは、その化合物が形成または検出された環境から少なくとも部分的または実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離は、例えば、本明細書で提供される化合物中に濃縮された組成物を含むことができる。実質的な分離は、化合物またはその塩の重量の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%を含有する組成物を含むことができる。化合物及びその塩を単離する方法は、当該技術分野において通例である。
【0057】
本明細書で使用する「プロテアソーム」という用語は、免疫及び構成プロテアソームを含むことを意味する。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、好ましくは免疫プロテアソームを阻害する化合物を使用する。
【0058】
本明細書で使用するとき、「阻害剤という用語は、酵素または酵素系、受容体、または他の薬理標的の活性をブロックし、または減じる化合物を記述することを意味する(例えば、suc−LLVY−AMC(N−スクシニル−Leu−Leu−Val−Tyr−(7−アミノ−4−メチルクマリン)等の標準的な蛍光発生ペプチド基質のタンパク質分解切断の阻害)、Boc−LLR−AMC(tert−ブチルオキシカルボニル−Leu−Leu−Arg−(7−アミノ−4−メチルクマリン))及びZ−LLE−AMC(ベンジルオキシカルボニル−Leu−Leu−Glu−(7−アミノ−4−メチルクマリン))、20Sプロテアソームの様々な触媒活性の阻害)。阻害剤は、競合性の、競合性のない、または非競合的阻害を有して作用することができる。阻害剤は、可逆的または不可逆的に結合することができ、したがってこの用語は、酵素の自殺基質である化合物を含む。阻害剤は、酵素の活性部位またはその近くの一つ以上の部位を改変することができ、または酵素のその他の場所で配座変化を引き起こすことができる。阻害剤という用語は、アゴニスト、アンタゴニスト、刺激剤、補因子等の薬理学的または治療的に有用な薬剤の他のクラスを包含するように、科学文献よりも広義に本明細書で使用される。
【0059】
対象の治療方法に関する化合物の「治療有効量」は、所望の投与計画の一部として(患者、例えばヒトに)投与するときに、治療される障害または病態の臨床的位許容される標準または美容目的に従って、例えば、任意の医療に適用可能な妥当な利益/リスク比で、症状を緩和し、病態を改善し、または疾患の発症を遅らせる調製における化合物の量を指す。
【0060】
本明細書で使用するとき、「治療すること」または「治療」という用語は、患者の病態を改善または安定にする方法で、一つ以上の症状、臨床徴候及び病態の根底にある病理を逆行させる、減少させる、または阻止することを含む。
【0061】
使用方法
併用薬物療法は、別々にまたは単回投与製剤で投与される2つ以上の薬剤の使用である。組み合わせの使用は、患者のがんを治療するために使用することができる。例えば、がんは、血液悪性腫瘍であり得る。いくつかの態様では、組み合わせは、個々の成分の有効性を高め、特定の薬剤に対する耐性を克服し、または難治性疾患の治療に用いることができる。
【0062】
本明細書は患者のがんを治療する方法を提供し、前記方法は患者に、治療有効量の本明細書で提供されるペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤(例えば、式(I)の化合物または式(IV)の化合物)及び治療的有効量のPIMキナーゼ阻害剤を投与することを含む。
【0063】
「がん」という用語は本明細書で使用するとき、血液由来及び固形腫瘍を含むがこれらに限定されない。がんは、血液、骨、臓器、皮膚組織及び血管系の疾患を指し、限定されないが、膀胱、血液、骨、脳、乳房、頸部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、口、首、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎臓、皮膚、胃、精巣、咽喉及び子宮のがんを含む。特定のがんとして、限定されないが、白血病(急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、有毛細胞白血病)、成熟B細胞腫瘍(小リンパ球性リンパ腫、B細胞前駆白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫(ヴァルデンストレームマクログロブリン血症等)、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、モノクローナル免疫グロブリン沈着病、重鎖病、辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、リンパ節辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞のリンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病)、成熟T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞腫瘍(T細胞前駆白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、侵襲性NK細胞白血病腫瘍、成人T細胞白血病/リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、転化NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫(セザリー症候群)、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球型T細胞リンパ腫、不特定の末梢T細胞リンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫(結節性硬化症、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球枯渇性または非枯渇性、結節性リンパ球優位型)、骨髄腫(多発性骨髄腫、無痛性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫)、慢性骨髄増多症、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、免疫不全関連性リンパ増殖性疾患、組織球及び樹状細胞腫瘍、肥満細胞症、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維肉腫、悪性巨細胞腫瘍、骨髄腫骨疾患、骨肉腫、乳がん(ホルモン依存性、ホルモン非依存性)、婦人科系がん(子宮頸部、子宮内膜、卵管、妊娠性絨毛疾患、卵巣、腹膜、子宮、膣及び外陰部)、基底細胞がん(BCC)、扁平上皮がん(SCC)、悪性黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞がん、カポジ肉腫、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、乏突起神経膠腫、上衣腫、多形膠芽細胞腫、混合膠腫、乏突起星細胞腫、髄芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、胚細胞腫、奇形腫、悪性中皮腫(腹膜中皮腫、心膜中皮腫、胸膜中皮腫)、胃腸管膵神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド、膵内分泌腫瘍(PET)、膵臓腺がん、結腸直腸腺がん、結腸直腸がん、侵襲性神経内分泌腫瘍、平滑筋肉腫粘液性腺がん、印環細胞腺がん、原発性肝細胞がん、胆管がん、肝芽細胞腫、血管腫、肝腺腫、肝限局性結節性過形成(結節性再生性過形成、過誤腫)、非小細胞肺がん(NSCLC)(肺扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん)、小細胞肺がん、肺がん、甲状腺がん、前立腺がん(ホルモン抵抗性、アンドロゲン非依存性、アンドロゲン依存性、ホルモン不応性)及び軟部肉腫(繊維肉腫、悪性線維性組織球腫、皮膚線維肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、血管肉腫、滑膜肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍/神経線維肉腫、骨外性骨肉腫)が挙げられる。
【0064】
造血及びリンパ組織の多くの腫瘍は、細胞増殖または特定の種類の細胞の増加を特徴とする。慢性骨髄増殖性疾患(CMPD)は、骨髄系列の一つ以上の骨髄の増殖を特徴とするクローン性造血幹細胞障害であり、末梢血中の顆粒球、赤血球数及び/または血小板数が増加する。CMPDは、慢性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、真正赤血球増加、慢性特発性骨髄線維症、本態性血小板血症及び分類できない慢性骨髄増殖性疾患を含むことができる。
【0065】
慢性骨髄単球性白血病、非定型慢性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病及び分類できない骨髄異形成/骨髄増殖性疾患等の骨髄異形成/骨髄増殖性疾患は、骨髄系列の一つ以上の増殖に起因する骨髄の過形成を特徴とする。
【0066】
骨髄異形成症候群(MDS)は、主要な骨髄細胞株の一つ以上において異形成及び無効な血液生成を特徴とする造血幹細胞疾患の群を指す。MDSとして、不応性貧血、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、多系列の形成異常を伴う不応性血球減少症、過剰芽球を伴う不応性貧血、分類できない骨髄異形成症候群及び単離されたdel(5q)染色体異常を伴う骨髄異形成症候群が挙げられる。
【0067】
肥満細胞症は、肥満細胞の増殖、及びそれに続く一つ以上の器官系における蓄積である。肥満細胞症として、これらに限定されないが、皮膚肥満細胞症、無痛性全身性肥満細胞症(ISM)、関連するクローン性血液学的非肥満細胞系列の疾患を伴う全身性肥満細胞症(SM−AHNMD)、侵襲性全身性肥満細胞症(ASM)、肥満細胞白血病(MCL)、マスト細胞肉腫(MCS)及び真皮外肥満細胞腫が挙げられる。
【0068】
組織球及び樹状細胞腫瘍は、食細胞及びアクセサリー細胞に由来し、リンパ球への抗原のプロセシング及び提示を主な役割としている。樹状細胞におけるプロテアソーム含有量を枯渇させることは、抗原誘導応答を変化させることが示されている(ChapatteらCancer Res.(2006)66:5461−5468)。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、組織球または樹状細胞の腫瘍を有する患者に投与することができる。組織球及び樹状細胞腫瘍として、組織球性肉腫、ランゲルハンス細胞組織球症、ランゲルハンス細胞肉腫、指状嵌入樹状細胞肉腫/腫瘍、濾胞樹状細胞肉腫/腫瘍及び非特定の樹状細胞肉腫が挙げられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、がんは骨がん、婦人科がん、乳がん、血液悪性腫瘍、皮膚がん、肝臓がん、腎臓がん、膵臓がん、脳がん、肺がん及び前立腺がんから成る群から選択される。例えば、がんは、血液悪性腫瘍であり得る。
【0070】
本明細書は血液悪性腫瘍の患者のがんを治療する方法を提供し、前記方法は患者に、治療有効量の本明細書で提供されるペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤(例えば、式(I)の化合物または式(IV)の化合物)及び治療的有効量のPIMキナーゼ阻害剤を投与することを含む。
【0071】
「血液悪性腫瘍」という用語は、本明細書で使用するとき、血液、骨髄及びリンパ節のうちの一つ以上に影響するがんを含むことを意味し、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍が挙げられる。 いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍から成る群から選択される。例えば、血液悪性腫瘍は、B細胞リンパ腫または多発性骨髄腫であり得る。いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である。例えば、多発性骨髄腫は、難治性及び/または難治性多発性骨髄腫を含むことができる。
【0072】
本明細書で使用する「難治性」という用語は、治療に奏効しないがんを指すことが意図される。例えば、関係する治療は、化学療法または放射線治療であってもよい。がんは、治療の開始時に難治性であり得、または治療中に難治性となり得る。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、難治性のがんの治療に関する。いくつかの実施形態では、がんは血液悪性腫瘍であり得る。
【0073】
本明細書で使用する「耐性である」という用語は、薬物治療に奏効しないがんを指す。がんは、治療の開始時に耐性であり得、治療中に耐性となり得る。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、耐性のがんの治療に関する。いくつかの実施形態では、がんは血液悪性腫瘍であり得る。
【0074】
本明細書で使用される「患者」は哺乳動物を指す。例えば、哺乳動物は、マウス、ラット、モルモット、イヌ、カニクイザル等のサルまたはチンパンジーであってもよい。哺乳動物の他の例はヒトである。
【0075】
いくつかの実施形態では、患者はPIM−2キナーゼが過剰発現している。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に記述される方法は式(I)のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤:
またはその薬学的に許容される塩を使用し、
ここでXはO、NHまたはN−アルキルであり、YはNH、N−アルキル、OまたはC(Rであり、ZはOまたはC(Rであり、R、R、R及びRは全て水素であり、各R、R、R、R及びRは独立して水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、それらのそれぞれはアルキル、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよく、R10及びR11は独立して水素及びC1−6アルキルから選択され、またはR10及びR11は一緒に3〜6員の炭素環式または複素環式環を形成し、R12及びR13は独立して水素、金属カチオン、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択され、またはR12及びR13は一緒にC1−6アルキルを表わし、それによって環を形成し、mは0〜2の整数であり、nは0〜2、好ましくは0または1の整数である。いくつかの実施形態では、R、R、R及びRは、独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してイソブチル等のC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してC1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してC1−6アラルキルである。いくつかの実施形態では、Rはフェネチル等の(C1−6アルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、Rはフェニルメチル等の(C1−6アルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、R及びRは独立してC1−6アラルキルであり、R及びRは独立してC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、RはCH等のC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、R、R、R及びRは独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択され、Rは水素である。いくつかの実施形態では、nは0である。いくつかの実施形態では、nは1である。いくつかの実施形態では、mは0である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、mは2である。いくつかの実施形態では、ZはOである。いくつかの実施形態では、ZはC(Rである。いくつかの実施形態では、ZはCHであり、mとnは両方とも0である。いくつかの実施形態では、ZはCHであり、mは0であり、nは2である。いくつかの実施形態では、ZはOであり、mは1であり、nは2である。いくつかの実施形態では、XはOである。いくつかの実施形態では、YはN−CH、OまたはCHである。いくつかの実施形態では、YはOである。
【0077】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)の化合物であってもよく、
ここで、XはO、NH及びN−アルキルから選択され、R、R、R及びRは全て水素であり、R、R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、これらの各々はアミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してイソブチル等のC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してC1−6アルキル、C1−6アルコキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してC1−6アラルキルである。いくつかの実施形態では、Rはフェネチル等の(C1−6アルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、Rはフェニルメチル等の(C1−6アルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、XはOである。
【0078】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III)の化合物であってもよく、
ここで、XはO、NHまたはN−アルキルから選択され、R、R、R及びRは全て水素であり、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、これらのそれぞれはアミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してイソブチル等のC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、XはOである。
【0079】
式(I)、(II)及び/または(III)の化合物の非限定的な例として、
が挙げられる。
【0080】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法は、以下の構造を有するペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤
またはその薬学的に許容される塩の形態を使用する。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は式(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用し、
ここで、LはC=O、C=S及びSOから選択され、XはO、S、NH及びN−C1−6アルキルから選択され、Zは存在しない、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり、R、R及びRはそれぞれ独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール、C1−6アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1−6ヘテロシクロアルキル、C1−6ヘテロアラルキル、カルボシクリル及びC1−6カルボシクロラルキルから選択され、Rは、水素、C1−6アラルキル、C1−6アルキルから選択され、Rはヘテロアリールであり、R及びRは独立して水素、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、Zは存在しない。いくつかの実施形態では、R、R及びRは独立して水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態では、LはC=Oである。いくつかの実施形態では、LはSOである。いくつかの実施形態では、R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アラルキル、C1−6ヘテロシクロアルキル、C1−6ヘテロアラルキル及びC1−6カルボシクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R、R及びRはすべて異なる。いくつかの実施形態では、R、R及びRは独立してC1−6アルキルである。例えば、R、R及びRは独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル及びイソブチルから選択することができる。ある特定の実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してプロパルギルである。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してC1−6ヒドロキシアルキルである。例えば、R、R及びRのいずれも独立して、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルから選択することができる。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してC1−6アルコキシアルキルである。例えば、R、R及びRは独立して、メトキシメチル及びメトキシエチルから選択することができる。いくつかの実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してC1−6ヘテロアラルキルである。例えば、R、R及びRのいずれも独立してイミダゾリルメチル、ピラゾリルメチル、チアゾリルメチル及びピリジルメチルから選択される。ある特定の実施形態では、R、R及びRのいずれも独立してシクロヘキシルメチルである。いくつかの実施形態では、R及びRの少なくとも一つはC1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アルコキシアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R及びRの少なくとも一つはC1−6アルコキシアルキルである。例えば、R及びRの少なくとも一つはメトキシメチル及びメトキシエチルから選択することができる。いくつかの実施形態では、R及びRはメトキシメチルである。いくつかの実施形態では、RはC1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、RはC1−6アルキルである。例えば、Rはメチル、エチル、イソプロピル、sec−ブチル及びイソブチルから選択することができる。ある特定の実施形態では、Rはイソブチルである。いくつかの実施形態では、RはC1−6アラルキルである。例えば、Rはフェニルメチルにすることができる。いくつかの実施形態では、Rは(4−メトキシ)フェニルメチルである。いくつかの実施形態では、R及びRはメトキシメチルであり、Rは(4−メトキシ)フェニルメチルである。いくつかの実施形態では、Rは5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rはイソオキサゾール、イソチアゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾールまたはイミダゾールから選択される。いくつかの実施形態では、Rはイソオキサゾール、フラン、またはチオフェンから選択される。いくつかの実施形態では、Rはフランまたはチオフェンである。いくつかの実施形態では、Rは非置換フラン−3−イルまたはチエン−2−イルである。いくつかの実施形態では、Rはイソオキサゾール−3−イルまたはイソオキサゾール−5−イルである。いくつかの実施形態では、Rは、5位に置換基を有するイソオキサゾール−3−イルである。いくつかの実施形態では、Rは3位に置換基を有するイソオキサゾール−5−イルである。いくつかの実施形態では、3位または5位の置換基は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシアルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、カルボン酸、アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルアミノカルボン酸塩、(C1−6アルキル)アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルカルボン酸塩、C1−6ヘテロアラルキル、C1−6アラルキル、C1−6ヘテロシクロアルキル及びC1−6カルボシクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、3位または5位の置換基は、メチル、エチル、イソプロピル及びシクロプロピルメチルから選択される。いくつかの実施形態では、3位または5位の置換基は、C1−6ヘテロアラルキル及びC1−6ヘテロシクロアルキルから選択される。ある特定の実施形態では、3位または5位の置換基は、1,2,4−トリアゾール−5−イルメチルである。ある特定の実施形態では、3位または5位の置換基は、アゼチジン−1−イルメチルである。いくつかの実施形態では、3位または5位の置換基は
であり、ここでWはO、NR、またはCHであり、RはHまたはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、WはOである。いくつかの実施形態では、置換基は、C1−6アルコキシ及びC1−6アルコキシアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、3位または5位の置換基は、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル及びメトキシエチルから選択される。いくつかの実施形態では、3位または5位の置換基は、カルボン酸、アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルアミノカルボン酸塩、(C1−6アルキル)アミノカルボン酸塩またはC1−6アルキルカルボン酸塩から選択される。ある特定の実施形態では、3位または5位の置換基は、カルボン酸メチルである。いくつかの実施形態では、Rは置換または非置換チアゾールである。例えば、Rは2−メチルチアゾール等の置換チアゾールにすることができる。
【0082】
式(IV)の化合物の非限定的な例として:
またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩を使用する。
【0084】
本明細書で提供されるプロウイルス組み込みモロニー(PIM)(PIM)キナーゼ阻害剤は、PIMキナーゼの作用を阻害する任意の化合物であることができる。例えば、化合物は、PIM遺伝子またはがん原遺伝子によりコードされるセリン/スレオニンキナーゼの一つ以上を阻害することができる。いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンキナーゼは、PIM−1、PIM−2及びPIM−3の3つのアイソフォームの一つである。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、PIMキナーゼ阻害剤を用いたがんの治療に関する。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、PIM−1、PIM−2及びPIM−3から成る群から選択される一つ以上のキナーゼに選択的である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、汎PIM阻害剤であり、PIM−1、PIM−2及びPIM−3の各々を阻害する。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤はPIM−1に選択的である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤はPIM−2に選択的である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤はPIM−3に選択的である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は二重のPIM−1/PIM−2阻害剤である。PIMキナーゼ阻害剤の例は、WO2009/064486及びWO2012/145617に見出すことができる。さらに企図されるPIMキナーゼ阻害剤は、US20140031360、WO2012/129338、WO2012/148775、WO2013/130660及びWO2014/022752に見られるものを含み、これらの開示はそれぞれ、参照によりその全体が援用される。
【0085】
「選択的」という用語は、本明細書で使用するとき、比較可能な測定値であるもう一方を上回る測定値の大きな効果を示す。例えば、PIM−1キナーゼを上回るPIM−2の阻害に選択的であるPIMキナーゼ阻害剤は、化合物が規定量のPIM−2キナーゼ阻害に、同一の規定量のPIM−1キナーゼ阻害に効果を示すために使用される用量と同一またはそれより低い用量で効果を及ぼすことを意味する。PIM−2選択的キナーゼ阻害剤は、他のアイソフォームPIM−1及びPIM−3より、PIM−2の阻害に選択的である。
【0086】
PIMキナーゼ阻害剤の非限定的な例として、
7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、
2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、
(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、
(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、
N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、
N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、
5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、
(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、
(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及び
N−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。別の企図されるPIMキナーゼ阻害剤は、
5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。
【0087】
したがって、上述のように、本開示は、がん患者を治療する方法を提供し、当該方法は治療有効量の式(I)、(II)、(III)及び/または(IV)またはその薬学的に許容される塩、ならびに治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、本開示は血液悪性腫瘍の患者を治療する方法を提供し、前記方法は治療有効量の式(I)、(II)、(III)及び/または(IV)またはその薬学的に許容される塩、ならびに治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、治療方法は、血液悪性腫瘍の患者における、治療有効量の以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0090】
いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は以下の化合物から選択される:7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、二重のPIM−1/PIM−2阻害剤、例えば、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、汎PIM阻害剤であり、例えば、5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。
【0091】
いくつかの実施形態では、治療方法は、血液悪性腫瘍の患者における、治療有効量の以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0092】
いくつかの実施形態では、血液悪性腫瘍の患者を治療する方法を提供し、当該方法は治療有効量の式(I)、(II)、(III)及び/または(IV)またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、治療方法は、血液悪性腫瘍の患者における、治療有効量の以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0094】
いくつかの実施形態では、治療方法は、血液悪性腫瘍の患者における、治療有効量の以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療法は、治療有効量の式(I)、(II)、(III)及び/または(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに以下の化合物から選択される治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤:
7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、二重のPIM−1/PIM−2阻害剤、例えば、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、汎PIM阻害剤であり、例えば、5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。
【0096】
いくつかの実施形態では、治療方法は血液悪性腫瘍の患者に、治療有効量の以下の構造の化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤を投与することを記述し、PIMキナーゼ阻害剤は以下の化合物の一つから選択されてもよい:
7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、二重のPIM−1/PIM−2阻害剤、例えば、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、汎PIM阻害剤、例えば、5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0097】
いくつかの実施形態では、治療方法は血液悪性腫瘍の患者に、治療有効量の以下の構造の化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM キナーゼ阻害剤を投与することを記述し、PIMキナーゼ阻害剤は以下の化合物の一つから選択されてもよい:
7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、二重のPIM−1/PIM−2阻害剤、例えば、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PIMキナーゼ阻害剤は、汎PIM阻害剤、例えば、5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、またはその薬学的に許容される塩である。
【0098】
本明細書は多発性骨髄腫の患者を治療する方法を提供し、ここで前記方法は治療有効量の式(I)、(II)、(III)及び/または(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、治療方法は多発性骨髄腫の患者に治療有効量の以下の化合物:
またはその薬学的に許容される塩、ならびに治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0100】
いくつかの実施形態では、治療方法は、多発性骨髄腫の患者における、治療有効量の以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0101】
いくつかの実施形態では、治療方法は、多発性骨髄腫の患者における、治療有効量の以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0102】
いくつかの実施形態では、治療方法は、多発性骨髄腫の患者における、治療有効量の以下の構造を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の投与を記述する。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書は多発性骨髄腫の患者を治療する方法を提供し、前記方法は治療有効量の式(I)、(II)、(III)及び/または(IV)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0104】
投与
本明細書に記載されるように調製された組成物は、患者の治療対象の障害及び年齢、病態及び体重に応じて、当技術分野でよく知られているように、種々の形態で投与することができる。例えば、組成物は、経口投与される場合、それらは錠剤、カプセル、顆粒、粉末、またはシロップ剤として製剤化することができる。または非経口投与については、注射(静脈内、筋肉内または皮下)、点滴注入製剤、または坐薬として製剤化することができる。別の例は、投与前に再構成することができる凍結乾燥製剤である。眼粘膜経路による適用のために、点眼薬または眼軟膏として製剤化することができる。これらの製剤は、本明細書に記載される方法と共に、従来の手段によって調製することができ、所望の場合、活性成分は、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、可溶化剤、懸濁助剤、乳化剤、またはシクロデキストリンとバッファの他にコーティング剤等の任意の従来の添加剤または賦形剤と混合することができる。
【0105】
投薬量は、患者の症状、年齢及び体重、治療対象の障害の性質及び重症度、薬剤の投与経路及び剤形に応じて変化するが、一般的には、成人ヒト患者については化合物の0.01〜2000mgの一日用量が推奨され、単回用量または分割用量で投与されてもよい。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、一般に、治療効果が生じる化合物の量である。一般的に、非経口使用を意図する組成物(例えば、静脈内、皮下注射)は置換されたシクロデキストリンを含む。他の経路、特に経口経路を介して投与される組成物は、置換または非置換のシクロデキストリンを含む。
【0106】
「薬学的に許容される」という表現は、安全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症のないヒト及び動物の組織と接触させて使用することに適し、妥当なベネフィット/リスク比に釣り合ったリガンド、材料、組成物及び/または剤形を意味するために本明細書で使用される。
【0107】
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という表現は、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料等の、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤のその他の成分と適合性があり、患者に有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。製薬上許容される担体として役立つことのできる材料のいくつかの例として、(1)乳糖、ブドウ糖及びショ糖等の糖、(2)コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、置換若しくは無置換β−シクロデキストリン等のでん粉、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体、(4)粉末トラガント、(5)モルト、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)ココアバター及び坐剤ワックス等の賦形剤、(9)ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ごま油、オリーブ油、コーン油、ダイズ油等の油、(10)プロピレングリコール等のグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール等のポリオール、(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェン不含有水、(17)等張生理食塩水、(18)リンガー液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液及び(21)医薬製剤に使用されるその他の非毒性の互換性のある物質が挙げられる。ある特定の実施形態では、本明細書が提供する医薬組成物は、非発熱性であり、すなわち患者に投与した場合に顕著な温度上昇を誘導しない。
【0108】
「薬学的に許容される塩」という用語は、阻害剤の比較的、非毒性、無機及び有機酸付加塩を意味する。これらの塩は、阻害剤の最終的な単離及び精製の間に、または遊離塩基中の精製されたペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤を、有機または無機酸と別々に反応させ、このように形成された塩を単離することによってin situで調製することができる。代表的な塩として、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩及びアミノ酸塩等が挙げられる。(例えば、Bergeら(1977)“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66:1−19.を参照のこと)。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、一つ以上の酸性官能基を含んでもよく、そのため薬学的に許容される塩基で薬学的に許容される塩を形成することができる。これらの例における「薬学的に許容される塩」という用語、阻害剤の比較的非毒性の無機及び有機塩基付加塩を指す。これらの塩は、同様に、阻害剤の最終的な単離及び精製中、または遊離酸形態中に精製された阻害剤を、適切な塩基(薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、もしくは重炭酸塩等)、アンモニア、または薬学的に許容可能な有機第一、第二、または第三アミンと別々に反応させることによってin situで調製することができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩として、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩等が挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとして、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等が挙げられる(例えば、Bergeら、前出を参照のこと)。
【0110】
離剤、甘味料、香味料及び香料、保存剤及び抗酸化剤も組成物中に存在することができる。
【0111】
薬学的に許容される抗酸化剤として、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性抗酸化剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール等の油溶性抗酸化剤及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤が挙げられる。
【0112】
経口投与に適した製剤は、それぞれ有効成分として規定量の阻害剤を含んで、カプセル、カシェ剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(通常、スクロース及びアカシアまたはトラガカントといったフレーバーベースを使用する)、粉末、顆粒の剤形、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシルもしくはシロップとして、またはトローチ(ゼラチン及びグリセリン、またはスクロース及びアカシア等の不活性マトリックスを使用して)及び/またはうがい薬等であってもよい。組成物はまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与してもよい。
【0113】
経口投与のための固形製剤(カプセル、錠剤、丸薬、ドラジェ、粉末、顆粒のような)では、有効成分は、クエン酸ナトリウム及びリン酸カルシウム及び/または以下のいずれか等の一つ以上の薬学的に許容可能な担体と混合される:(1)でん粉、シクロデキストリン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール及び/またはケイ酸等の充填剤及び延長剤、(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及び/またはアカシア等の結合剤、(3)グリセロール等の湿潤剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカ澱粉、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(5)パラフィン等の溶解遅延剤、(6)第四級アンモニウム等の吸収促進剤、(7)例えば、アセチルアルコール及びグリセロールモノステアラート等の湿潤剤、(8)カオリン及びベントナイト粘土等の吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物等の滑沢剤、(10)着色剤。同様のタイプの固体組成物が、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量のポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤としても使用することができる。
【0114】
錠剤は、任意に1つ以上の補助成分と共に、圧縮または成形によって作製することができる。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性もしくは分散剤を用いて調製することができる。成形錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末阻害剤の混合物を成形することによって作製することができる。
【0115】
糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤等の錠剤及び他の固体剤形は、切れ目を入れる、または医薬製剤分野で周知の腸溶コーティング及び他のコーティング等のコーティング及びシェルを用いて調製することができる。錠剤及びその他の固体剤系はまた、例えば、種々の割合でヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、有効成分の徐放または制御を行い、所望の放出特性、その他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/またはミクロスフェアを提供するために、製剤化することができる。これらは、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過、または滅菌水に溶解することができる滅菌固体組成物の形態、または使用直前にいくつかの他の滅菌注射用媒体中に、滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。これらの組成物はまた、必要に応じて不透明化剤を含んでいてもよく、胃腸管の特定の部分に、必要に応じて、遅延様式で、有効成分だけをまたは優先的に放出する組成物であってもよい。使用することができる埋封組成物の例として、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。適切な場合、活性成分はまた、一種類以上の上記の賦形剤と共に、マイクロカプセル化形態であってもよい。
【0116】
経口投与用の液体剤形として、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤が挙げられる。有効成分の他に、液体剤形は、当該技術分野で多く使用される不活性希釈剤を含んでいてもよく、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤及びエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ、トウモロコシ、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及び脂肪酸エステルソルビタン等の乳化剤、ならびにその混合物が挙げられる。
【0117】
懸濁液は、活性阻害剤の他に、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、ならびにそれらの混合物等の懸濁剤を含んでもよい。
【0118】
直腸または膣投与のための製剤は、坐剤として提供することができ、一つ以上の適切な非刺激性賦形剤または担体と一つ以上の阻害剤を混合することによって調製することができ、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックスまたはサリチル酸塩を含み、室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔内で融解し、活性剤を放出する。
【0119】
膣内投与に適した製剤としてまた、適切であると当該技術分野で知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤が挙げられる。
【0120】
阻害剤の局所または経皮投与用の剤形として、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤が挙げられる。有効成分は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合することができる。
【0121】
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、阻害剤の他に、動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、またはそれらの混合物等の賦形剤を含んでいてもよい。
【0122】
粉末及びスプレーは、阻害剤の他に、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム及びポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物等の賦形剤を含有することができる。スプレーは、さらにクロロフルオロ炭素水素等の通常の噴射剤ならびにブタン及びプロパン等の揮発性非置換炭化水素を含むことができる。
【0123】
ペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、エアロゾルによって投与することができる。これは、水性エアロゾル、リポソーム製剤、または組成物を含む固体粒子を調製することによって達成される。非水性(例えば、フルオロカーボン噴射剤)懸濁液を使用することができる。いくつかの実施形態では、音波噴霧器は、化合物の分解をもたらし得る剪断機に薬剤を晒すことを最小限にするため、好ましい。
【0124】
通常、水性エアロゾルは、水溶液または懸濁液を、従来の薬学的に許容される担体及び安定剤と共に製剤化することによって作製される。担体及び安定剤は特定の組成物の要件に応じて変化するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tween、プルロニック、ソルビタンエステル、レシチン、Cremophor)、ポリエチレングリコール等の薬学的に許容される共溶媒、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシン、緩衝剤、塩、塩または糖アルコール等のアミノ酸が挙げられる。エアロゾルは、一般的に等張溶液から調製される。
【0125】
経皮パッチは、身体への阻害剤の送達を制御するという追加の利点を有する。当該剤形は、適切な媒体に剤を溶解または分散することによって作製することができる。吸収促進剤もまた、皮膚を横断する阻害剤の流動を増加させるために使用することができる。このような流動速度は、速度制御膜を提供するか、ポリマーマトリックスまたはゲル中に阻害剤を分散させるかのいずれかによって制御することができる。
【0126】
非経口投与に適した医薬組成物は、一つ以上の薬学的に許容される無菌の水性または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、または滅菌粉末を組み合わせた一つ以上のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤を含み、滅菌粉末は使用前に滅菌注射溶液または分散液に再構成することができ、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を、目的の受容者の血液と等張にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含有することができる。
【0127】
本明細書で提供される医薬組成物に使用できる適切な水性及び非水性担体の例として、注射用の水(例えば、注射用の滅菌水)、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、緩衝剤(クエン酸緩衝液等)。及びそれらの適切な混合物、オリーブ油等の植物油及びオレイン酸エチル等の注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材料の使用によって、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持によって及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0128】
微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含めることによって達成することができる。また、組成物に糖等の張度調整剤を含むことが望ましい。加えて、注射可能な剤形の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅らせる薬剤を含めることによってもたらすことができる。
【0129】
いくつかの場合では、薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。例えば、非経口的に投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。
【0130】
注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中で阻害剤のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤は、身体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を閉じ込めることによっても調製される。
【0131】
「「非経口投与」及び「非経口的に投与される」という用語は、本明細書で使用するとき、経腸及び局所投与以外の投与様式を意味し、通常は注射によるものであり、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内及び胸骨内注射及び注入が挙げられる。
【0132】
「全身投与」、「全身的に投与される」、「末梢投与」及び「末梢的に投与される」という用語は本明細書で使用するとき、それが患者の系に入るように、直接中枢神経系に投与する以外の、リガンド、薬物、または他の物質の投与を意味し、したがって、例えば、代謝及び皮下投与のようなプロセスの他の対象になる。
【0133】
所定の患者において治療の有効性の点で最も有効な結果をもたらす投与及び/または組成物の量の正確な時間は、特定の化合物の作用、薬物動態及びバイオアベイラビリティ及び患者の生理学的状態(年齢、性別、疾患の種類及びステージ、一般的身体の状態、特定の投与量に対する応答性及び薬物の種類)、投与経路等に依存する。しかしながら、上記のガイドラインは、治療の微調整、例えば、最適な投与時間及び/または投与量を決定することを基礎として使用することができ、患者をモニタリングし、投与量及び/またはタイミングから成る日常的な実験しか必要とされない。
【0134】
ペプチドエポキシケトンプロテアソーム化合物の製剤方法は、WO13/169282及びWO13/169897に記載されるものを含み、それぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0135】
薬学的に許容される混合物中の開示される化合物の濃度は、投与される化合物の投与量、化合物の薬物動態学的特性及び投与経路を含むいくつかの要因に依存して変化する。一般に、本明細書で提供される組成物は、非経口投与のために、他の物質の中で、本明細書に開示される化合物の約0.1〜10%w/vを含有する水溶液中に提供されてもよい。典型的な用量範囲は、1〜4回の分割用量の場合に1日あたり体重の約0.01〜約50mg/kgである。それぞれ分割された用量に含まれる化合物は、同じであっても異なっていてもよい。投薬量は、患者の全体的な健康状態、ならびに処方及び選択された化合物の投与経路を含むいくつかの要因に依存して有効な量である。
【0136】
また、本明細書は一つ以上の他の治療薬を、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤または本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤を含む医薬組成物と共に投与する併用療法を提供する。このような併用治療は、治療薬の個別の成分を同時に、順次に、または別々に投与することによって達成することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、一つ以上の他のプロテアソーム阻害剤と共に投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、一つ以上のPIMキナーゼ阻害剤と共に投与される。
【0137】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、同時に、一つ以上のPIMキナーゼ阻害剤と共に投与される。
【0138】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、順次に、一つ以上のPIMキナーゼ阻害剤と共に投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、一つ以上のPIMキナーゼ阻害剤を投与する前に投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、一つ以上のPIMキナーゼ阻害剤の投与後に投与される。
【0139】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤は、PIM−2に選択的な一つ以上のPIMキナーゼ阻害剤と共に投与される。例えば、PIMキナーゼ阻害剤は、他のPIMアイソフォームよりもPIM−2に対して選択的であることができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、投与されるペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤のPIMキナーゼ阻害剤に対する比率は、約3:1〜約1:3である(例えば3:1、2.8:1、2.6:1、2.5:1、2.4:1、2.2:1、2:1、1.8:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.2:1、1:1.2、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.8、1:2、1:2.2、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.8、または1:3)。いくつかの実施形態では、投与されるペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤のPIMキナーゼ阻害剤に対する比率は1:1である。
【実施例】
【0141】
実施例1−カーフィルゾミブ治療後のプロテアソーム基質としてのPIM−2の確認
多発性骨髄腫細胞を使用して、分解に関連する特定部位でのユビキチン化の増加をモニタリングすることによって、カーフィルゾミブ曝露時に安定化する生存促進性タンパク質を特定した。2つの多発性骨髄腫細胞株であるU266及びNCI−H929を、125nMの濃度のカーフィルゾミブ及びボルテゾミブで1〜4時間処理した。DMSO処理細胞を対照として使用した。使用された活性剤の濃度は、キモトリプシン活性阻害のIC80及び48時間の細胞毒性で設定した。in vitroでのこれらの濃度について得られたサブユニットの阻害特性は、27mg/mの用量で治療される患者におけるカーフィルゾミブについてのサブユニットの阻害特性を模倣した。洗浄した細胞ペレットを、特定のジグリシン抗体(PTMScan(登録商標)ユビキチンレムナントモチーフ(K−ε−GG)キット#5562)を使用して、ユビキチン修飾タンパク質のために処理し、プロファイルした。ジグリシン抗体はユビキチンリガーゼの基質上の全てのリジンのユビキチン結合を認識する。ユビキチンで修飾されたタンパク質上の全てのリジンは、このアプローチによって特定することができ、リン酸化部位から遠位のリジンは、その後分解に関連付けることができる。PIM−2は、両方の薬剤の両方の細胞株で(表1)、PIM−2の両方のリン酸化部位から遠位のリジン61でのユビキチン化の有意な増加を実証する一つのタンパク質として特定された。ユビキチンの増加は、NCI−H929(表1)では時間依存的でもあった。
CFZ=カーフィルゾミブ、BTZ=ボルテゾミブ
【0142】
実施例2−PIM−2のノックダウンは、プロテアソーム阻害と相乗作用する
ペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤とのPIM−2阻害の相乗効果を、2つの多発性骨髄腫細胞株(U266及びNCI−H929)の4つのDharmacon社のsiRNAのSMARTプールを用いて生成されたPIM−2ノックダウンで調査した。
【0143】
細胞を、トランスフェクション後24時間、カーフィルゾミブで処理し、細胞生存率を、曝露後48時間、Cell Titer Glo(Promega社)により測定した。U266で80%のノックダウン効率が達成され、定量PCRを使用して、NCI−H929で60%の効率が確認された。対照(CTL)は、トランスフェクション傷害によって細胞に与えるストレスについての対照として用いられる、スクランブルされたsiRNAであり、ノックダウンの特異性の対照としてGAPDHを使用した。生存率を低下させる正の結果が、テストsiRNAの結果のほうが、単一剤及び併用したCTLとGAPDHの両方より生存率が低いときに確認される(各セットについて:左の白色バー、siRNA/DMSO、中央の影付きのバー、siRNA/IC20 CFZ、右の黒一色のバー、siRNA/IC30CFZ)。
【0144】
図1を参照すると、両方の骨髄腫細胞株で、PIM−2ノックダウンは、単一剤として生存率を著しく減少させ、その効果はNCI−H929よりもU266でより顕著であった。ノックダウン条件とGAPDHの条件を比較するために、Graphpadを用いた独立列T検定を行った。水平マーカーの両端は、比較された2つのデータ列を示す。図1に示されたデータの統計的有意性について、一つのアスタリスクはp<0.1を表し、2つのアスタリスクはp<0.01を表し、3つのアスタリスクはP<0.001を表す。U266データは重複試験の平均値であり、NCI−H929データは、3回の試験の平均である。
【0145】
NCI−H929における減少したノックダウン効率の他に、U266細胞がNCI−H929細胞よりも約2倍以上のPIM−2細胞を発現し、このことはU266がPIM−2中毒性がん細胞型であり得、そのため、PIM−2の機能的破壊に特に感受性があることを示唆している(Lu、J.らBlood、印刷版より先に2013年7月1日にオンライン発行された、blood−2013−01−481457)。カーフィルゾミブとの組み合わせでは、PIM−2ノックダウンは、GAPDH及びCTL相乗効果のデータと比較して、NCI−H929とU266骨髄腫細胞株の両方で有効であった。さらに、観察された相乗効果は用量依存性であり、30%の死を誘発したカーフィルゾミブの濃度(IC30)対20%の死を誘発した濃度(IC20)で大きな相乗効果が観察された。
【0146】
実施例3−(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオンと組み合わせたカーフィルゾミブの効果
NIH−H929及びU266細胞株で、PIM−1/PIM−2キナーゼ阻害剤SMI−16a((Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオン)と組み合わせたプロテアソーム阻害剤カーフィルゾミブの効果を調査した。
【0147】
細胞を、一晩、丸底96ウェルプレート中の50μLの培地に、10,000細胞/ウェルの密度で播種した。用量反応のために、それぞれ、20nm及び100μMのストック溶液からDMSO中に連続的に1:1.5の比で、カーフィルゾミブとPIM−1/PIM−2キナーゼ阻害剤、SMI−16aを希釈した。1μLの各希釈液を1mLの培地に添加し、混合した。培地中に希釈された各用量のウェル当たり50μLを、播種した細胞に添加し、培養プレートを24時間インキュベートした。増殖をCelltiter−Glo(Promega社製)で測定し、ルミネセンスをTecan Infinity M1000 Proで測定した。
【0148】
図2を参照すると、NIH−H929とU266細胞株の両方とも、カーフィルゾミブ及び(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオンの存在下で、(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオンまたはカーフィルゾミブ単独のいずれよりも、24時間後の生存率が有意に低かった。
【0149】
図2Aを参照すると、グラフは、100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオン単独(左バー)の存在下、1.98nmのカーフィルゾミブ(CFZ)単独(中央バー)の存在下及び1.98nmのカーフィルゾミブと100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオンの併用(右バー)でのNIH−H929細胞の生存率(%)を示す。
【0150】
図2Bを参照すると、グラフは、100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオン単独(左バー)、4.44nMのカーフィルゾミブ(CFZ)単独の存在下(中央バー)及び4.44nMのカーフィルゾミブと100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオンの併用(右バー)でのNIH−H929細胞の生存率(%)を示す。
【0151】
図2Cを参照すると、グラフは、100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオン単独(左バー)、2.96nMのカーフィルゾミブ(CFZ)単独の存在下(中央バー)及び2.96nMのカーフィルゾミブと100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオンの併用(右バー)でのU266細胞の生存率(%)を示す。
【0152】
図2Dを参照すると、グラフは、100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオン単独(左バー)の存在下、6.66nMのカーフィルゾミブ(CFZ)単独(中央バー)の存在下及び6.66nMのカーフィルゾミブと100μMの(Z)−5−(4−プロプキシベンジリデン)タゾリジン−2,4−ジオンの併用(右バー)で、U266細胞の生存率(%)を示す。
【0153】
図3及び図4は、NIH−H929、KMS12−BM及び8226の3つの異なるがん細胞株との、カーフィルゾミブとSMI−16a単独のそれぞれ、またはそれぞれの組み合わせの効果を示す。これらの図からわかるように、2つの治療薬の組み合わせが相乗的な組み合わせをもたらした(図4に示されるように、0.9未満のCI)。
【0154】
実施例4−汎PIM阻害剤であるAZD−1208との併用におけるカーフィルゾミブの効果
NIH−H929、KMS12−BM及び8226細胞株における、汎PIMキナーゼ阻害剤AZD−1208(5−[[2−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]ビフェニル−3−イル]メチリデン]−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン)と併用したプロテアソーム阻害剤カーフィルゾミブの効果を調査した。
【0155】
カーフィルゾミブと汎PIMキナーゼ阻害剤AZD−1208を細胞に添加し、72時間インキュベートした。増殖をCelltiter−Glo(Promega社製)で測定した。3つの細胞株それぞれについて、3〜10μMのAZD−1208及び2〜4.5nmのカーフィルゾミブで処理した細胞の結果を図5に示す。相乗効果マトリックスについての組み合わせ指数(CI)を図6に示し、CI<0.9は相乗的であり、0.9<CI<1.1は相加的であり、CI>1.1が拮抗している。
【0156】
本開示は、その詳細な説明と併せて読まれるが、上記の説明は例示であり、本開示の範囲を限定するものではなく、当該範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。他の態様、利点及び修正は、以下の実施形態及び特許請求の範囲内にある。
【0157】
特定の実施形態:
1.患者のがんを治療する方法であって、当該方法は患者に、治療有効量の式(I)の化合物、
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
ここでXは、O、NHまたはN−アルキルであり、Yは、NH、N−アルキルOまたはC(Rであり、ZはOまたはC(Rであり、R、R、R及びRは全て水素であり、R、R、R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルであり、それぞれ、アルキル、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよく、R10及びR11は独立して、水素及びC1−6アルキルから選択され、またはR10及びR11は一緒に3〜6員の炭素環または複素環を形成し、R12及びR13は独立して水素、金属カチオン、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択され、R12及びR13は一緒にC1−6アルキルを示し、それによって環を形成し、mは0〜2の整数であり、nは0〜2、好ましくは0または1の整数であり、ならびに治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩である。
2.XがOである、実施形態1に記載の方法。
3.R、R、R及びRは独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択され、Rは水素である、実施形態2の方法。
4.R及びRは独立してC1−6アラルキルであり、R及びRは独立してC1−6アルキルである、実施形態3の方法。
5.YはN−アルキル、O及びCHから選択される、実施形態4の方法。
6.ZがCHであり、mとnは両方とも0である、実施形態5に記載の方法。
7.ZがCHであり、mは0であり、nは2である、実施形態5に記載の方法。
8.ZはOであり、mは1であり、nは2である、実施形態5に記載の方法。
9.化合物は、式(II)の構造またはその薬学的に許容される塩である実施形態1に記載の方法であり、
ここで、Xは、O、NH及びN−アルキルから選択され、R、R、R及びRは全て水素であり、
、R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、これらはそれぞれ、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよい。
10.XがOである、実施形態9に記載の方法。
11.R、R、R及びRは独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択さる、実施形態10に記載の方法。
12.R及びRは独立してC1−6アラルキルであり、R及びRは独立してC1−6アルキルである、実施形態11に記載の方法。
13.化合物は、式(III)の構造またはその薬学的に許容される塩である実施形態1に記載の方法であり、
ここで、Xは、O、NH及びN−アルキルから選択され、R、R、R及びRは全て水素であり、
及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、これらはそれぞれ、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよい、実施形態1に記載の方法。
14.XがOである、実施形態13に記載の方法。
15.R及びRは独立して、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アラルキルから選択される、実施形態14に記載の方法。
16.R及びRは独立してC1−6アルキルである実施形態15に記載の方法。
17.R及びRは両方ともイソブチルである実施形態16に記載の方法。
18.式(I)の化合物
またはその薬学的に許容される塩である、実施形態1の方法。
19.患者におけるがんの治療方法であって、治療有効量の式(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
ここで、LはC=O、C=S及びSOから選択され、Xは、O、S、NH及びN−C1−6アルキルから選択され、Zは存在しない、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール、C1−6アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1−6ヘテロシクロアルキル、C1−6ヘテロアラルキル、カルボシクリル及びC1−6カルボシクロラルキルから選択され、Rは、水素、C1−6アラルキル及びC1−6アルキルから選択され、Rはヘテロアリールであり、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択され、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩である、前記方法。
20.Zは存在しない実施形態19に記載の方法。
21.R、R及びRは独立して、水素及びメチルから選択される実施形態19の方法。
22.LがC=Oである実施形態19に記載の方法。
23.LがSOである実施形態19に記載の方法。
24.R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アラルキル、C1−6ヘテロシクロアルキル、C1−6ヘテロアラルキル及びC1−6カルボシクロアルキルである実施形態19に記載の方法。
25.R、R及びRのいずれも 独立してC1−6アルキルである実施例24に記載の方法。
26.R、R及びRのいずれも独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル及びイソブチルから選択される、実施例25に記載の方法。
27.R、R及びRのいずれも独立してプロパルギルである実施例24に記載の方法。
28.R、R及びRのいずれも独立してC1−6ヒドロキシアルキルである実施例24に記載の方法。
29.R、R及びRのいずれも独立してヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルから選択される、実施形態28に記載の方法。
30.R、R及びRのいずれも独立してC1−6アルコキシアルキルである実施例24に記載の方法。
31.R、R及びRは独立してメトキシメチル及びメトキシエチルから選択される、実施例30に記載の方法。
32.R、R及びRのいずれも独立してC1−6ヘテロアラルキルである実施例24に記載の方法。
33.R、R及びRのいずれも独立してイミダゾリルメチル、ピラゾリルメチル及びチアゾリルメチル及びピリジルメチルから選択される、実施形態32に記載の方法。
34.R、R及びRのいずれも独立してシクロヘキシルメチルである、実施形態24に記載の方法。
35.R、R及びRはすべて異なっている、実施形態19に記載の方法。
36.R及びRの少なくとも1つはC1−6ヒドロキシアルキル及びC1−6アルコキシアルキルから選択される、実施形態19に記載の方法。
37.R及びRの少なくとも1つはC1−6アルコキシアルキルである、実施形態36に記載の方法。
38.R及びRの少なくとも一つはメトキシメチル及びメトキシエチルから選択される、実施形態37に記載の方法。
39.RはC1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択される、実施形態35に記載の方法。
40.RはC1−6アルキルである、実施形態39に記載の方法。
41.Rはメチル、エチル、イソプロピル、sec−ブチル及びイソブチルから選択される実施例40に記載の方法。
42.Rはイソブチルである実施形態41に記載の方法。
43.RはC1−6アラルキルである実施形態39に記載の方法。
44.Rはフェニルメチルである実施形態43に記載の方法。
45.Rは5員または6員のヘテロアリールである実施形態19に記載の方法。
46.Rは、イソオキサゾール、イソチアゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール又はイミダゾールから選択される、実施形態45に記載の方法。
47.Rはイソオキサゾール、フランまたはチオフェンから選択される実施形態46に記載の方法。
48.Rはフランまたはチオフェンである実施形態47に記載の方法。
49.Rは非置換フラン−3−イルまたはチエン−2−イルである実施形態48に記載の方法。
50.Rはイソオキサゾール−3−イルまたはイソオキサゾール−5−イルである実施形態47に記載の方法。
51.Rは5位に置換基を有するイソオキサゾール−3−イルである、実施形態50に記載の方法。
52.Rは3位に置換基を有するイソオキサゾール−5−イルである、実施形態50に記載の方法。
53.置換基は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシアルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、カルボン酸、アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルアミノカルボン酸塩、(C1−6アルキル)アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルカルボン酸塩、C1−6ヘテロアラルキル、C1−6アラルキル、C1−6ヘテロシクロアルキル及びC1−6カルボシクロアルキルから選択される、実施形態51または52に記載の方法。
54.置換基は、メチル、エチル、イソプロピル及びシクロプロピルメチルから選択される、実施形態53に記載の方法。
55.置換基は、C1−6ヘテロアラルキル及びC1−6ヘテロシクロアルキルから選択される、実施形態53に記載の方法。
56.置換基は1,2,4−トリアゾール−5−イルメチルである、実施形態55に記載の方法。
57.置換基はアゼチジン−1−イルメチルである、実施形態55に記載の方法。
58.置換基は
であり、ここでWはO、NRまたはCHであり、RはHまたはC1−6アルキルである、実施形態55に記載の方法。
59.WはOである実施形態58に記載の方法。
60.置換基は、C1−6アルコキシ及びC1−6アルコキシアルキルから選択される、実施形態55に記載の方法。
61.置換基は、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル及びメトキシエチルから選択される、実施形態60に記載の方法。
62.置換基は、カルボン酸、アミノカルボン酸塩、C1−6アルキルアミノカルボン酸塩、(C1−6アルキル)アミノカルボン酸塩、またはC1−6アルキルカルボン酸塩から選択される、実施形態55に記載の方法。
63.置換基はカルボン酸メチルである実施形態62に記載の方法。
64.化合物は以下の構造を有する実施形態19に記載の方法。
65.PIMキナーゼ阻害剤は経口で生物学的に利用可能である、実施形態1または19に記載の方法。
66.PIMキナーゼ阻害剤は、PIM−1、PIM−2及びPIM−3から成る群から選択される一つ以上のキナーゼに選択的である、実施形態1または19に記載の方法。
67.PIMキナーゼ阻害剤はPIM−2に選択的である、実施形態66に記載の方法。
68.PIMキナーゼ阻害剤は以下から成る群から選択される、実施形態1または19に記載の方法:
7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。
69.がんは難治性である実施形態1または19に記載の方法。
70.がんは耐性である実施形態1または19に記載の方法。
71.がんは骨がん、婦人科がん、乳がん、血液悪性腫瘍、皮膚がん、肝臓がん、腎臓がん、膵臓がん、脳がん、肺がん及び前立腺がんから成る群から選択される、実施形態1または19に記載の方法。
72.がんは血液悪性腫瘍である、実施形態71に記載の方法。
73.血液悪性腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍から成る群から選択される、実施形態72に記載の方法。
74.血液悪性腫瘍は、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍から成る群から選択される実施形態73に記載の方法。
75.血液悪性腫瘍はB細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から成る群から選択される、実施形態74に記載の方法。
76.血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である、実施形態75に記載の方法。
77.患者は、PIM−2キナーゼが過剰発現している患者である、実施形態1または19に記載の方法。
78.式(I)または式(IV)の化合物及びPIMキナーゼ阻害剤を同時に投与する、実施形態1または19に記載の方法。
79.式(I)または式(IV)の化合物及びPIMキナーゼ阻害剤を順次に投与する、実施形態1または19に記載の方法。
80.PIMキナーゼ阻害剤の投与前に式(I)または式(IV)の化合物を投与する、実施形態77に記載の方法。
81.PIMキナーゼ阻害剤の投与後に式(I)または式(IV)の化合物を投与する、実施形態77に記載の方法。
82.患者の血液悪性腫瘍を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
83.PIMキナーゼ阻害剤は以下から成る群から選択される実施形態82に記載の方法:7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。
84.血液悪性腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍から成る群から選択される、実施形態82に記載の方法。
85.血液悪性腫瘍は、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍から成る群から選択される、実施形態84に記載の方法。
86.血液悪性腫瘍はB細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から選択される、実施形態85に記載の方法。
87.血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である、実施形態84に記載の方法。
88.患者の血液悪性腫瘍を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む前記方法。
89.PIMキナーゼ阻害剤は以下から成る群から選択される実施形態88に記載の方法:7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。
90.血液悪性腫瘍は、以下から成る群から選択される、実施形態88に記載の方法:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍。
91.血液悪性腫瘍は以下から成る群から選択される実施形態90に記載の方法:AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍。
92.血液悪性腫瘍はB細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から選択される、実施形態91に記載の方法。
93.血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である、実施形態92に記載の方法。
94.患者の血液悪性腫瘍を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2キナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む前記方法。
95.血液悪性腫瘍は、以下から成る群から選択される、実施形態94に記載の方法:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍。
96.血液悪性腫瘍は以下から成る群から選択される実施形態95に記載の方法:AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍。
97.血液悪性腫瘍はB細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から成る群から選択される、実施形態96に記載の方法。
98.血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である、実施形態97に記載の方法。
99.患者の血液悪性腫瘍を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む前記方法。
100.血液悪性腫瘍は、以下から成る群から選択される、実施形態99に記載の方法:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍。
101.血液悪性腫瘍は以下から成る群から選択される実施形態100に記載の方法:AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍。
102.血液悪性腫瘍はB細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から選択される、実施形態101に記載の方法。
103.血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である、実施形態102に記載の方法。
104.患者の血液悪性腫瘍を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物:
またはその薬学的に許容される塩、及び以下から成る群から選択される治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤を投与することを含む前記方法:7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。
105.血液悪性腫瘍は、以下から成る群から選択される、実施形態104に記載の方法:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍。
106.血液悪性腫瘍は以下から成る群から選択される実施形態105に記載の方法:AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍。
107.血液悪性腫瘍はB細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から選択される、実施形態106に記載の方法。
108.血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である、実施形態107に記載の方法。
109.患者の血液悪性腫瘍を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物:
またはその薬学的に許容される塩、及び以下から成る群から選択される治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤を投与することを含む前記方法:7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。
110.血液悪性腫瘍は、以下から成る群から選択される、実施形態109に記載の方法:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫、形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍及び骨髄増殖性腫瘍。
111.血液悪性腫瘍は以下から成る群から選択される実施形態110に記載の方法:AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性骨髄増殖性疾患、ランゲルハンス細胞組織球症、多発性骨髄腫及び形質細胞腫瘍。
112.血液悪性腫瘍はB細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫から選択される、実施形態111に記載の方法。
113.血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫である、実施形態112に記載の方法。
114.患者の多発性骨髄腫を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の式(I)の化合物、
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、ここでXは、O、NH、またはN−アルキルであり、Yは、NH、N−アルキル、OまたはC(Rであり、ZはOまたはC(Rであり、R、R、R及びRはすべて水素であり、R、R、R、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール及びC1−6アラルキルから選択され、それぞれ、アルキル、アミド、アミン、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、カルボキシルエステル、チオール及びチオエーテルから選択される基で置換されてもよく、R10及びR11は独立して、水素及びC1−6アルキルから選択され、またはR10及びR11は一緒になって3〜6員の炭素環式もしくは複素環式環を形成し、R12及びR13は独立して、水素、金属カチオン、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択され、またはR12及びR13は一緒になってC1−6アルキルを表し、それによって環を形成し、mは0〜2の整数であり、nは、0〜2の整数、好ましくは0または1であり、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩である、前記方法。
115.患者の多発性骨髄腫を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の式(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
ここで、LはC=O、C=S及びSOから選択され、Xは、O、S、NH及びN−C1−6アルキルから選択され、Zは存在しない、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシアルキル、アリール、C1−6アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1−6ヘテロシクロアルキル、C1− 6ヘテロアラルキル、カルボシクリル及びC1−6カルボシクロラルキルから選択され、Rは、水素、C1−6アラルキル及びC1−6アルキルから選択され、Rはヘテロアリールであり、R及びRは独立して、水素、C1−6アルキル及びC1−6アラルキルから選択され、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩であるから選択される、前記方法。
116.患者の多発性骨髄腫を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
117.PIMキナーゼ阻害剤は、以下から成る群から選択される実施形態116に記載の方法:7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。
118.患者の多発性骨髄腫を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
119.患者の多発性骨髄腫を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIMキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
120.PIMキナーゼ阻害剤は以下から成る群から選択される実施形態119に記載の方法:7−クロロ−9−エチル−6−ヒドロキシイソオキサゾロ[3,4−b]キノリン−3,4(1H,9H)−ジオン、2−[[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ]ブタン−1−オール、(Z)−5−(4−プロポキシベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(Z)−5−(3−トリフルオロメチルベンジリデン)チアゾリジン−2,4−ジオン、N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン、N’−(1−(4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)イソニコチノヒドラジド、5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−(メチルアミノ)ブトキシ)イソチアゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(5−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルオキシ)イソチアゾール−4−イル)−5−(メチルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド、(Z)−5−((2−(4−(((6−(フラン−2−イル)ピリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−4−イル)メチレン)チアゾリジン−2,4−ジオン、(S)−5−アミノ−N−(4−(3−アミノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド及びN−(4−((3S,5R)−3−アミノ−5−メチルピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−2−(2,6−ジフルオロフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩。
121.患者の多発性骨髄腫を治療する方法であって、当該方法は、患者に、治療有効量の以下の式を有する化合物
またはその薬学的に許容される塩、及び治療有効量のPIM−2選択的キナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6