(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1判定部は、前記取得部により取得された情報に、前記第1情報および前記第2情報が存在する場合に、前記第1情報の内容に基づいて、前記媒体が不正利用されたか否かを判定する、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の自動改札機。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の自動改札機およびプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における自動改札機100を含む交通システム1の構成の一例を示す図である。本実施形態の交通システム1は、例えば、鉄道の駅における入出場を管理するために用いられる。以下、これを前提として説明する。交通システム1は、例えば、複数の自動改札機100を備える。なお、交通システム1は、上述した例の他、例えば、バスやフェリーといった乗り物の乗車(乗船)や降車(降船)を管理するものに適用されてもよいし、飛行機等の搭乗や降機を管理するものに適用されてもよい。
【0009】
自動改札機100は、例えば、駅の改札口に設けられる。自動改札機100は、図示しない券売機等により発行された乗車券TIXから情報を読み取ることによって、利用者の通過を許可または禁止する。乗車券TIXは、例えば、紙などの媒体に表示オブジェクトOBが印刷された紙券である。表示オブジェクトOBは、例えば、QRコード等の二次元コードである。また、表示オブジェクトOBは、所定の暗号鍵を用いて暗号化された効力情報が、機械によって光学的に読み取り可能な形状・模様・色彩等のコードに変換されたものであってよい。効力情報は、例えば、有効期間、乗車駅(出発駅)、乗車区間、乗車券のそれぞれを識別する乗車券識別情報、乗車時刻、駅構内からの出場、或いは駅構内への入場を示す入出場情報等を含む情報である。なお、表示オブジェクトOBは、
図1に示すように、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置10に表示されてもよい。また、表示オブジェクトOBは、機械によって内容が認識可能であると共に、人が視認することによって内容が認識できないものであれば如何なる態様であってもよい。乗車券TIXおよび端末装置10は、「媒体」の一例である。
【0010】
また、上述した乗車券TIXは、券の表面あるいは裏面に磁気記録面を有する磁気券であってもよいし、電子マネー等の情報を記憶することができる交通系ICカードであってもよい。本実施形態では、一例として、乗車券TIXを、表示オブジェクトOBが印刷された紙券であるものとして説明する。
【0011】
図2は、表示オブジェクトOBの一例を示す図である。図示のように、例えば、表示オブジェクトOBは、四角形状の複数のファインダパターンFPと、メインパターンMPと、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bとを含む。ファインダパターンFPは、表示オブジェクトOBにおいてメインパターンMPの位置を検出するための位置検出パターンである。メインパターンMPは、効力情報や誤り訂正符号などが二次元コード状にエンコード(符号化)されたパターンである。固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bは、例えば、各表示オブジェクトOBを識別するための識別情報がエンコードされたコードであって、メインパターンMPを形成する一つまたは複数のコードである。例えば、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bは、ファインダパターンFPの外形に沿う領域に形成される。より具体的には、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bは、メインパターンMPの領域において、ファインダパターンFPの外形に沿う端部に形成される。また、メインパターンMPには、更に、歪みによる位置ずれを補正するためのアライメントパターンが含まれてよい。ファインダパターンFPは、「基準パターン」の一例である。
【0012】
なお、
図2に例示した表示オブジェクトOBでは、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれるものとして説明したがこれに限られず、例えば、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bは省略されてもよい。本実施形態では、交通システム1において、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bを含む表示オブジェクトOB(以下、第1表示オブジェクトOBと称する)と、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bを含まない表示オブジェクトOB(以下、第2表示オブジェクトOBと称する)との双方が使用される例について説明する。
【0013】
[自動改札機の外観およびその動作]
以下、本実施形態における自動改札機100の外観とその動作について説明する。
図3は、第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図である。自動改札機100は、例えば、通路を挟んで対向配置される主機110と従機130とを含んでよい。主機110は、例えば、光学読取部111と、上面表示部112と、正面表示部113と、扉部114および115と、改札機側制御部150とを備える。また、従機130は、例えば、光学読取部131と、上面表示部132と、正面表示部133と、扉部134および135とを備える。改札機側制御部150は、「制御装置」の一例である。
【0014】
主機110の光学読取部111は、
図3に示すa方向に通過しようとする利用者によって翳された乗車券TIXに印刷された表示オブジェクトOBや端末装置10に表示された表示オブジェクトOBから情報を読み取る。そして、光学読取部111は、表示オブジェクトOBから読み取った情報をデコードし、このデコードした情報(以下、オブジェクトデータと称する)を改札機側制御部150に送信する。オブジェクトデータは、例えば、2値のバイナリデータである。上面表示部112は、光学読取部111に表示オブジェクトOBを表示する媒体が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果に基づく画像を表示する。正面表示部113は、
図3に示すa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部113の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
【0015】
一方、従機130の光学読取部131は、
図3に示すb方向に通過しようとする利用者によって翳された乗車券TIXに印刷された表示オブジェクトOBや端末装置10に表示された表示オブジェクトOBから情報を読み取る。そして、光学読取部131は、表示オブジェクトから読み取った情報(オブジェクトデータ)を改札機側制御部150に送信する。上面表示部132は、光学読取部131に表示オブジェクトOBを表示する媒体が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果に基づく画像を表示する。正面表示部133は、
図3に示すb方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部133の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
【0016】
改札機側制御部150は、
図3に示すa方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部115および135を開放状態に維持すると共に、扉部114および134を開放状態または閉止状態に制御することで、a方向の利用者の通過を許可または禁止する。また、改札機側制御部150は、
図3に示すb方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部114および134を開放状態に維持すると共に、扉部115および135を開放状態または閉止状態に制御することで、b方向の利用者の通過を許可または禁止する。
【0017】
また、自動改札機100の動作モードには、
図3に示すa方向の通過とb方向の通過との双方を許可する動作モードが含まれていてもよい。この場合、改札機側制御部150は、例えば、利用者が通過中でなければ正面表示部113と正面表示部133の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。また、改札機側制御部150は、例えば、利用者がa方向およびb方向のいずれかの側から進入し、光学読取部111と光学読取部131とのいずれか一方に表示オブジェクトOBを表示する媒体が翳されると、他方の光学読取部を無効化すると共に、利用者が進入してきていない側の表示部(正面表示部113または正面表示部133)に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
【0018】
なお、
図3では、自動改札機100は、乗車券TIXや端末装置10などの表示オブジェクトを表示する媒体を処理する専用機として説明したがこれに限られず、例えば、磁気券や交通系ICカードを処理可能な装置であってもよい。また、自動改札機100は、利用者が双方向に通過可能なものに限らず、主機と補機(従機)により構成される、利用者が一方向にのみ通過可能なものであってもよい。
【0019】
図4は、第1の実施形態における自動改札機100の光学読取部111を上方から見た図である。光学読取部111は、例えば、保護パネルPNと、カメラ111aと、ライトLTとを備える。保護パネルPNは、可視光を透過可能な透明(または半透明)型のパネルであり、これを透過した表示オブジェクトOBの撮像を可能とする。カメラ111aは、保護パネルPN越しに翳された媒体(乗車券TIXまたは端末装置10)を撮像する。カメラ111aは、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有する。ライトLTは、カメラ111aが媒体を撮像する際に、媒体に向けて光を照射する。なお、
図4に示す光学読取部111の構成は、従機130の光学読取部131にも同様に適用してもよい。すなわち、従機130の光学読取部131は、保護パネルPNと、カメラ131aと、ライトLTとを備える構成であってもよい。
【0020】
図5は、第1の実施形態の自動改札機100の主機110を通路側から見た図である。主機110は、上述した光学読取部111、扉部114および115等に加え、透過型光電センサStと、反射型光電センサSrとを更に備える。透過型光電センサStは、例えば、主機110の筐体面のうち、通路側の筐体面に等間隔に複数個(
図4の例の場合は26個)設けられる。本実施形態では、投光器として機能する透過型光電センサStと、受光器として機能する透過型光電センサStとを一対として用いる。
【0021】
例えば、主機110に設けられる透過型光電センサStが投光器である場合、従機130側に設けられる透過型光電センサStは、受光器として機能する。後述する改札機側制御部150は、この複数の透過型光電センサStの検出信号と、透過型光電センサStの配置位置とに基づいて、利用者が通路内のどの位置にいるのかを特定する。また、反射型光電センサSrは、透過型光電センサStと同様に、例えば、主機110の筐体から上方に突出する仕切部の通路側の面に、等間隔に複数個(
図5の例の場合は3個)設けられる。反射型光電センサSrは、所定の方向に光を投射する。反射型光電センサSrは、光を投射した後、投射した方向から入射する光を受光する。反射型光電センサSrは、受光した光の強度に基づいて、通路に光を反射する利用者の身体が存在しているか否かを示す検出信号を生成する。反射型光電センサSrは、主に、通路に存在している利用者の身長を特定するために用いられる。なお、上述した反射型光電センサSrは、主機110に設けられるものとして説明したがこれに限られず、従機130に設けられてもよいし、主機110および従機130の双方に設けられてもよい。
【0022】
[自動改札機の機能構成]
図6は、第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図である。自動改札機100は、
図3に示す構成の他、改札機側制御部150の指示に従って、音声を出力するスピーカ140と、種々の情報を格納する改札機側記憶部170とを更に備える。
【0023】
主機110側の光学読取部111は、カメラ111aと画像処理部111bとを備える。また、同様に、従機130側の光学読取部131は、カメラ131aと画像処理部131bとを備える。例えば、画像処理部111b、131bは、対応するそれぞれのカメラにより撮像された画像からファインダパターンFPを抽出し、複数のファインダパターンFPの位置関係に基づいて、画像上でメインパターンMPの位置を特定する。画像処理部111b、131bは、位置を特定したメインパターンMPをデコードして、ビット列などで表されるコンピュータが認識可能なオブジェクトデータに変換する。上述したように、メインパターンMPには、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bの画像領域が含まれるため、メインパターンMPから変換されるオブジェクトデータには、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれることになる。そして、画像処理部111b、131bは、変換したオブジェクトデータを改札機側制御部150に出力する。
【0024】
改札機側制御部150は、取得部152と、第1判定部154と、第2判定部156と、通過制御部158とを備える。これらの構成要素の一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが改札機側記憶部170に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0025】
改札機側記憶部170は、例えば、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等によって実現されてよい。改札機側記憶部170は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、運賃テーブル172等を格納する。
【0026】
取得部152は、画像処理部111bまたは画像処理部131bからオブジェクトデータを取得する。
【0027】
図7は、オブジェクトデータの一例を示す図である。図中(a)は、第1表示オブジェクトOBから変換されたオブジェクトデータのデータ構造の一例を表している。例えば、第1表示オブジェクトOBには、ファインダパターンFPと、メインパターンMPと、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bとが含まれているため、第1表示オブジェクトOBから変換されたオブジェクトデータは、画像であるメインパターンMPがデータに変換された二次元コードデータと、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bとを含む。二次元コードデータは、例えば、効力情報を含む。第1表示オブジェクトOBから変換されたオブジェクトデータは、例えば、データの先頭に付されるSTX(Start of TeXt)やデータの末尾に付されるETX(End of TeXt)などの各種制御コードを含んでよい。二次元コードデータは、「第1情報」および「第2情報」のいずれか一方の情報の一例であり、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bは、「第1情報」および「第2情報」のいずれか他方の情報の一例である。また、メインパターンMPは、「所定領域」の一例である。
【0028】
また、図中(b)は、第2表示オブジェクトOBから変換されたオブジェクトデータのデータ構造の一例を表している。上述したように、第2表示オブジェクトOBには、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれないため、第2表示オブジェクトOBから変換されたオブジェクトデータは、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bを除く、二次元コードデータやSTXやETXなどの各種制御コードを含む。
【0029】
第1判定部154は、取得部152により取得されたオブジェクトデータに含まれる二次元コードデータおよび固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bのそれぞれの有無に基づいて、自動改札機100に翳された媒体が不正利用されたか否かを判定する。
【0030】
図8は、各条件に応じた第1判定部154による判定結果の一例を示す図である。例えば、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在し、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在する場合、媒体が正当利用されたと判定する(図中No.1のレコード参照)。
【0031】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在し、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在しない場合、二次元コードデータに含まれる効力情報の内容に基づいて、自動改札機100に翳された媒体が不正利用されたか否かを判定する。
【0032】
例えば、第1判定部154は、効力情報の内容が“出改札に関する内容”でない場合、正当利用されたと判定し(図中No.2のレコード参照)、効力情報の内容が“出改札に関する内容”である場合、不正利用されたと判定する(図中No.3のレコード参照)。例えば、効力情報に、有効期間、乗車駅、乗車区間、乗車券識別情報、乗車時刻、および入出場情報のうち一部または全部が含まれる場合、第1判定部154は、“出改札に関する内容”であると判定する。効力情報の内容が“出改札に関する内容”でない場合とは、例えば、媒体が施設入場券として利用された場合である。出改札に関する内容は、「所定の内容」の一例である。
【0033】
例えば、駅中の店舗を利用するために、この店舗のウェブサイトなどにおいてメールアドレスを登録することにより、メールなどを介して一時的に駅構内に入場可能な表示オブジェクトOBが発行される場合がある。この場合、利用者は、端末装置10の画面に、発行された表示オブジェクトOBを表示させることで、駅構内に入場する。この入場専用の表示オブジェクトOBは、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bを含まない第2表示オブジェクトOBとして発行される。また、入場専用の表示オブジェクトOBには、入場駅の指定するような効力情報が含まれ、“出改札に関する内容”と判定されるための効力情報が省略される。これにより、第1判定部154は、入場専用の表示オブジェクトOBが単に翳された場合については、これを正当利用であると判定し、入場専用の表示オブジェクトOBでもなく、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在しない表示オブジェクトOBが翳された場合については、これを不正利用であると判定する。
【0034】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在せず、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在する場合、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定する(図中No.4のレコード参照)。
【0035】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在せず、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在しない場合、表示オブジェクトOBの読み取り時に何らの異常が生じていると判定したり、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定したりする(図中No.5のレコード参照)。
【0036】
第2判定部156は、第1判定部154による判定結果に基づいて、光学読取部111、131に媒体を翳した利用者の通過の可否を判定する。第2判定部156は、第1判定部154により、媒体が正当利用されたと判定された場合、二次元コードデータに含まれる効力情報に基づいて、通過の可否を判定する。
【0037】
例えば、第2判定部156は、効力情報の有効期間、乗車駅(発駅)、乗車区間等の情報と運賃テーブル172とを照合することにより、自装置である自動改札機100が設置された駅と乗車駅とが一致するか否か、自動改札機100が設置された駅が乗車区間内か否か、出場駅においては利用者の乗車区間が乗車券時の購入金額に見合うか否か、媒体が光学読取部111、131に翳された時刻が有効期間内であるか否か等といった条件のうち一部または全部について判定し、全ての判定条件を満たす場合に利用者の通過を許可し、いずれか1つ以上の判定条件を満たさない場合に利用者の通過を禁止する。
【0038】
また、第2判定部156は、第1判定部154により、媒体が不正利用されたと判定された場合、利用者の通過を禁止する。また、第2判定部156は、第1判定部154により、再翳し案内が必要であると判定された場合、利用者の通過を禁止する。また、第2判定部156は、第1判定部154により、読取時に異常が生じていると判定された場合、利用者の通過を禁止する。
【0039】
通過制御部158は、第2判定部156による通過の可否の判定結果に応じて、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、またはこれらを組み合わせたものを制御することで、利用者の通過を制御する。
【0040】
[自動改札機の処理フロー]
以下、第1の実施形態における改札機側制御部150による一連の処理の流れについて説明する。
図9は、第1の実施形態における改札機側制御部150による一連の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定周期で繰り返し行われる。
【0041】
まず、第1判定部154は、取得部152により光学読取部111、131からオブジェクトデータが取得されたか否かを判定する(ステップS100)。取得部152により光学読取部111、131からオブジェクトデータが取得されていないと判定された場合、第2判定部156は、透過型光電センサStおよび反射型光電センサSrにより出力される検出信号に基づいて、利用者が通路内の所定位置に到達したか否かを判定する(ステップS102)。所定位置とは、例えば、利用者の進行方向から見た通路の中間付近である。すなわち、第2判定部156は、光学読取部111、131によって表示オブジェクトOBが読み取られない状態で、利用者が通路内に侵入したか否かを判定する。
【0042】
利用者が通路内の所定位置に到達したと判定した場合、第2判定部156は、利用者の通過を禁止する。これを受けて、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、媒体から情報を読み取れないことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS104)。
【0043】
一方、取得部152により光学読取部111、131からオブジェクトデータが取得されたと判定した場合、第1判定部154は、オブジェクトデータに二次元コードデータが含まれているか否かを判定する(ステップS106)。オブジェクトデータに二次元コードデータが含まれている場合、第1判定部154は、更に、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれているか否かを判定する(ステップS108)。
【0044】
オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれていない場合、第1判定部154は、二次元コードデータに含まれる効力情報の内容が“出改札に関する内容”であるか否かを判定する(ステップS110)。効力情報の内容が“出改札に関する内容”である場合、第1判定部154は、翳された媒体が不正利用されたと判定する(ステップS112)。そして、通過制御部158は、S104の処理として、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、翳された媒体が使用できないことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する。この結果、本来有るべき情報が読み取れない場合、表示オブジェクトOB、または表示オブジェクトOBが印刷された乗車券TIXそのものが偽造された疑いがあることから、この媒体を利用する利用者の通過を制限することができる。
【0045】
図10は、不正利用されたと判定された場合に上面表示部112、132に表示させる画面の一例を示す図である。図示のように、例えば、上面表示部112、132の画面には、翳された乗車券TIXが使用できないことが文字などで表示される。
【0046】
一方、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれている場合、または二次元コードデータに含まれる効力情報の内容が“出改札に関する内容”でない場合、第1判定部154は、翳された媒体が正当利用されたと判定する(ステップS114)。これを受けて、第2判定部156は、二次元コードデータに含まれる効力情報に基づいて、通過の可否を判定する。本フローチャートでは、一例として、第2判定部156により利用者の通過が許可されるものとする。この場合、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、媒体から情報を読み取れたことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を開放状態に制御して利用者の通過を許可する(ステップS116)。
【0047】
一方、オブジェクトデータに二次元コードデータが含まれない場合、第1判定部154は、S108の処理と同様に、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれているか否かを判定する(ステップS118)。
【0048】
オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれている場合、第1判定部154は、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定する(ステップS120)。これを受けて、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、再度媒体を翳すように促す情報を出力させる(ステップS122)。このとき、通過制御部158は、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御してもよいし、開放状態に制御してもよい。
【0049】
図11は、不正利用されたと判定された場合に上面表示部112、132に表示させる画面の他の例を示す図である。図示のように、例えば、上面表示部112、132の画面には、翳された乗車券TIXから情報が読み取れないことが文字などで表示される。
【0050】
一方、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが含まれていない場合、第1判定部154は、読取時に異常が生じていると判定する(ステップS124)。これを受けて、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、自動改札機100が使用できないことを示す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS126)。なお、通過制御部158は、第1判定部154により読取時に異常が生じていると判定された場合、再翳し案内が必要であると判定された場合と同様に、S122の処理を行ってもよい。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0051】
以上説明した第1の実施形態によれば、乗車券TIXや端末装置10などの媒体に表示された表示オブジェクトOBから光学的に情報を読み取る光学読取部111、131から、オブジェクトデータを取得する取得部152と、取得部152により取得されたオブジェクトデータにおける二次元コードデータと、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bとのそれぞれの有無に基づいて、媒体が不正利用されたか否かを判定する第1判定部154と、第1判定部154による判定結果に基づいて、媒体を翳した利用者の通過の可否を判定する第2判定部156とを備えることにより、不正利用であると判定された場合、利用者の通過が禁止される。この結果、不正通過を防止することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、固有コードFP‐ID
Aおよび固有コードFP‐ID
Bのいずれか一方が他方を暗号鍵として暗号化(エンクリプト)されている点と、自動改札機100Aがオブジェクトデータに含まれる固有コードFP‐ID
Aおよび固有コードFP‐ID
Bのうちいずれか一方のコードを他方のコードで復号(デクリプト)し、その復号したコードの値に基づいて、媒体が不正利用されたか否かを判定する点で、第1の実施形態と相違する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
【0053】
図12は、第2の実施形態における自動改札機100Aの機能構成の一例を示す図である。第2の実施形態における自動改札機100Aの改札機側制御部150Aは、上述した取得部152、第1判定部154、第2判定部156、および通過制御部158に加えて、更に復号処理部160を備える。
【0054】
復号処理部160は、取得部152により取得されたオブジェクトデータに固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在する場合、一方のコードを用いて、他方のコードを復号する。本実施形態では、一例として、固有コードFP‐ID
Aを暗号鍵として固有コードFP‐ID
Bが暗号化されているものとする。従って、復号処理部160は、固有コードFP‐ID
Aを用いて、固有コードFP‐ID
Bを復号する。例えば、復号処理部160は、固有コードFP‐ID
Bを暗号化する際に用いたれ暗号方式(例えばストリーム暗号等の共通鍵暗号方式やRSA暗号等の公開鍵暗号方式)に対応した復号方式を用いて、固有コードFP‐ID
Bを復号してよい。なお、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bのいずれか一方のコードの他に、二次元コードデータも合わせて暗号化されていてもよい。この場合、復号処理部160は、他方の固有コードを暗号鍵として用いて二次元コードデータを復号してよい。
【0055】
第2の実施形態における第1判定部154は、オブジェクトデータに含まれる固有コードFP‐ID
Aと固有コードFP‐ID
Bのそれぞれの有無と、そのコードの値とに基づいて、媒体が不正利用されたか否かを判定する。
【0056】
図13は、各条件に応じた第1判定部154による判定結果の他の例を示す図である。例えば、第1判定部154は、オブジェクトデータに二次元コードデータと固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在し、且つ固有コードFP‐ID
Aを用いて復号された固有コードFP‐ID
Bの値が所定値である場合、自動改札機100に翳された媒体が正当利用されたと判定する(図中No.1のレコード参照)。
【0057】
また、第1判定部154は、固有コードFP‐ID
Aを用いて復号された固有コードFP‐ID
Bの値が所定値でない場合、媒体が不正利用されたと判定する(図中No.2のレコード参照)。
【0058】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに二次元コードデータが存在し、且つ固有コードFP‐ID
Aが存在せず、固有コードFP‐ID
Bが復号できない場合、二次元コードデータに含まれる効力情報の内容に基づいて、自動改札機100に翳された媒体が不正利用されたか否かを判定する。
【0059】
例えば、第1判定部154は、効力情報の内容が“出改札に関する内容”でない場合、正当利用されたと判定し(図中No.3のレコード参照)、効力情報の内容が“出改札に関する内容”である場合、不正利用されたと判定する(図中No.4のレコード参照)。
【0060】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在せず、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在する場合に、固有コードFP‐ID
Aを用いて固有コードFP‐ID
Bが復号されない場合、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定する(図中No.5のレコード参照)。
【0061】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在せず、且つ固有コードFP‐ID
Aが存在しない場合、表示オブジェクトOBの読み取り時に何らの異常が生じていると判定したり、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定したりする(図中No.6のレコード参照)。
【0062】
以下、第2の実施形態における改札機側制御部150Aによる一連の処理の流れについて説明する。
図14は、第2の実施形態における改札機側制御部150Aによる一連の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定周期で繰り返し行われる。
【0063】
まず、第1判定部154は、取得部152により光学読取部111、131からオブジェクトデータが取得されたか否かを判定する(ステップS200)。取得部152により光学読取部111、131からオブジェクトデータが取得されていないと判定された場合、第2判定部156は、透過型光電センサStおよび反射型光電センサSrにより出力される検出信号に基づいて、利用者が通路内の所定位置に到達したか否かを判定する(ステップS202)。
【0064】
利用者が通路内の所定位置に到達したと判定した場合、第2判定部156は、利用者の通過を禁止する。これを受けて、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、媒体から情報を読み取れないことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS204)。
【0065】
一方、取得部152により光学読取部111、131からオブジェクトデータが取得されたと判定した場合、第1判定部154は、オブジェクトデータに二次元コードデータが含まれているか否かを判定する(ステップS206)。オブジェクトデータに二次元コードデータが含まれている場合、第1判定部154は、更に、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
Aが含まれているか否かを判定する(ステップS208)。
【0066】
オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
Aが含まれていない場合、第1判定部154は、二次元コードデータに含まれる効力情報の内容が“出改札に関する内容”であるか否かを判定する(ステップS210)。効力情報の内容が“出改札に関する内容”である場合、第1判定部154は、翳された媒体が不正利用されたと判定する(ステップS212)。そして、通過制御部158は、S204の処理として、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、翳された媒体が使用できないことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する。
【0067】
一方、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
Aが含まれている場合、第1判定部154は、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
Bが含まれ、且つ復号処理部160により復号された固有コードFP‐ID
Bの値が所定値であるか否かを判定する(ステップS214)。
【0068】
復号処理部160により復号された固有コードFP‐ID
Bの値が所定値でない場合、第1判定部154は、S212の処理に移行し、翳された媒体が不正利用されたと判定する。
【0069】
一方、復号処理部160により復号された固有コードFP‐ID
Bの値が所定値である場合、または二次元コードデータに含まれる効力情報の内容が“出改札に関する内容”でない場合、第1判定部154は、翳された媒体が正当利用されたと判定する(ステップS216)。これを受けて、第2判定部156は、二次元コードデータに含まれる効力情報に基づいて、通過の可否を判定する。本フローチャートでは、一例として、第2判定部156により利用者の通過が許可されるものとする。この場合、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、媒体から情報を読み取れたことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を開放状態に制御して利用者の通過を許可する(ステップS218)。
【0070】
一方、オブジェクトデータに二次元コードデータが含まれない場合、第1判定部154は、S208の処理と同様に、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
Aが含まれているか否かを判定する(ステップS220)。
【0071】
オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
Aが含まれている場合、第1判定部154は、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定する(ステップS222)。これを受けて、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、再度媒体を翳すように促す情報を出力させる(ステップS224)。このとき、通過制御部158は、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御してもよいし、開放状態に制御してもよい。
【0072】
一方、オブジェクトデータに固有コードFP‐ID
Aが含まれていない場合、第1判定部154は、読取時に異常が生じていると判定する(ステップS226)。これを受けて、通過制御部158は、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、自動改札機100が使用できないことを示す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS228)。なお、通過制御部158は、第1判定部154により読取時に異常が生じていると判定された場合、再翳し案内が必要であると判定された場合と同様に、S224の処理を行ってもよい。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0073】
以上説明した第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様に、不正通過を防止することができる。
【0074】
また、上述した第2の実施形態によれば、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bの一方のコードを用いて暗号化された他方コードを復号することにより、より精度良く不正通過を防止することができる。
【0075】
(第2の実施形態の変形例)
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の変形例では、表示オブジェクトOBに認証用コードがパターンとして埋め込まれる。認証用コードは、例えば、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bとは別に、メインパターンMPを形成する一つまたは複数のコードとして設けられる。認証用コードは、「第3情報」の一例である。
【0076】
図15は、オブジェクトデータの他の例を示す図である。図中に示すオブジェクトデータは、認証用コードを含む第1表示オブジェクトOBから変換されたデータである。図示のように、認証用コードを含む第1表示オブジェクトOBから変換される場合、オブジェクトデータには、認証用コードが含まれる。この認証用コードは、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bのいずれか一方のコードを暗号鍵として用いて暗号化されていてよい。本実施形態では、一例として、固有コードFP‐ID
Aと固有コードFP‐ID
Bが同じコードであるものとし、固有コードFP‐ID
Aおよび固有コードFP‐ID
Bのいずれのコードでも認証用コードを復号できるものとして説明する。
【0077】
第2の実施形態の変形例における復号処理部160は、取得部152により取得されたオブジェクトデータに二次元コードデータと固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bとが存在する場合、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bのうち、少なくともいずれか一方のコードを用いて、二次元コードデータに含まれる認証用コードを復号する。
【0078】
第2の実施形態の変形例における第1判定部154は、復号処理部160により認証用コードが復号されると、復号された認証用コードの値に基づいて、翳された媒体が正当利用されたか否かを判定する。例えば、第1判定部154は、復号された認証用コードの値が所定値である場合、翳された媒体が正当利用されたと判定し、復号された認証用コードの値が所定値でない場合、翳された媒体が不正利用されたと判定する。
【0079】
図16は、各条件に応じた第1判定部154による判定結果の他の例を示す図である。例えば、第2の実施形態の変形例における第1判定部154は、オブジェクトデータに二次元コードデータと固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在し、且つ固有コードのいずれか一方を用いて復号された認証用コードの値が所定値である場合、翳された媒体が正当利用されたと判定する(図中No.1のレコード参照)。
【0080】
また、第1判定部154は、固有コードのいずれか一方を用いて復号された認証用コードの値が所定値でない場合、媒体が不正利用されたと判定する(図中No.2のレコード参照)。
【0081】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに二次元コードデータが存在し、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在せず、認証用コードが復号できない場合、二次元コードデータに含まれる効力情報の内容に基づいて、翳された媒体が不正利用されたか否かを判定する。
【0082】
例えば、第1判定部154は、効力情報の内容が“出改札に関する内容”でない場合、正当利用されたと判定し(図中No.3のレコード参照)、効力情報の内容が“出改札に関する内容”である場合、不正利用されたと判定する(図中No.4のレコード参照)。
【0083】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在せず、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在する場合に、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定する(図中No.5のレコード参照)。
【0084】
また、第1判定部154は、オブジェクトデータに、二次元コードデータが存在せず、且つ固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bが存在しない場合、表示オブジェクトOBの読み取り時に何らの異常が生じていると判定したり、再度媒体を翳すように案内をする必要があると判定したりする(図中No.6のレコード参照)。
【0085】
これによって、上述した第2の実施形態と同様に、より精度良く不正通過を防止することができる。
【0086】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、乗車券TIXや端末装置10などの媒体に表示された表示オブジェクトOBから光学的に情報を読み取る光学読取部111、131から、オブジェクトデータを取得する取得部152と、取得部152により取得されたオブジェクトデータにおける二次元コードデータと、固有コードFP‐ID
AおよびFP‐ID
Bとのそれぞれの有無に基づいて、媒体が不正利用されたか否かを判定する第1判定部154と、第1判定部154による判定結果に基づいて、媒体を翳した利用者の通過の可否を判定する第2判定部156とを備えることにより、不正利用であると判定された場合、利用者の通過が禁止される。この結果、不正通過を防止することができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。