特許第6851899号(P6851899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アール・ビー・コントロールズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6851899-LED照明装置 図000002
  • 特許6851899-LED照明装置 図000003
  • 特許6851899-LED照明装置 図000004
  • 特許6851899-LED照明装置 図000005
  • 特許6851899-LED照明装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6851899
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/10 20200101AFI20210322BHJP
【FI】
   H05B45/10
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-98721(P2017-98721)
(22)【出願日】2017年5月18日
(65)【公開番号】特開2018-195470(P2018-195470A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋嗣
(72)【発明者】
【氏名】酒井 英喜
【審査官】 大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−8616(JP,A)
【文献】 特開2013−218854(JP,A)
【文献】 特開2015−228377(JP,A)
【文献】 特開2013−235655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の商用電源から点消灯スイッチを介して電力が供給され、天井に設置されたLED発光部とその発光部に電力を供給して通常の照明状態で発光させる駆動回路部とを備えたLED照明装置において、上記外部の商用電源から供給される電力を蓄電する蓄電部と、この商用電源からの電力の供給が停止する停電状態の発生を検知する停電検知部とを備えたバックアップ回路部を、上記LED発光部と駆動回路部との間に着脱自在に設けるとともに、上記外部電源に停電状態が発生していない状態では上記駆動回路部が出力する電力をLED発光部に供給すると共に、停電状態が発生すると上記蓄電部に蓄電された電力でLED発光部を発光させる停電時切替手段を上記バックアップ回路部に設けたことを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
上記バックアップ回路部は、上記駆動回路部によってLED発光部が発光されている状態で停電状態が発生した場合にLED発光部を発光させることを特徴とする請求項1に記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室や浴室に隣接する脱衣場などの天井に取り付けられるLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マンションなどの集合住宅では、間取りの制限から浴室や脱衣場に窓を設けることができない場合が生じる。このような構造の住宅では、昼間であっても外部からの光が浴室や脱衣場内に取り込むことができない。そのため、浴室や脱衣場の天井にはLEDなどの発光体を用いた照明装置が取り付けられている。このような照明装置では、例えば、LED発光部と、このLED発光部に電力を供給する駆動回路部とを別体に構成したものがある。
【0003】
入浴中に停電が生じると、上記の照明装置は消灯するため、浴室や脱衣場内が暗くなり、入浴者が居間などに移動するのに不都合が生じる場合が生じる。そのため、外部からの電力の供給を受けている状態でLEDを発光させると共に、駆動回路部内に電気二重層コンデンサなどの蓄電手段を設け、その蓄電手段に電力を蓄電しておき、停電が発生した場合にはその蓄電した電力でLEDの発光を継続させる機能を備えた照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−62942号公報(段落[0019])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
全てのLED照明装置に上記停電時にLEDの発光を継続するバックアップ機能を備える必要はない。すなわち、複数のLED照明装置を設置する場合、停電時に発光を継続する照明装置はそれら複数の照明装置の一部で十分である。また、このようなバックアップ機能を全く備えていない照明装置が既に設置されている状態でバックアップ機能付きの照明装置を希望する場合には、バックアップ機能を備えた新たな照明器具に交換する必要があるが、照明器具全体もしくは駆動回路部を交換するのでは費用が高くなるという不具合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、低価格でバックアップ機能を追加することのできるLED照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明によるLED照明装置は、外部の商用電源から点消灯スイッチを介して電力が供給され、天井に設置されたLED発光部とその発光部に電力を供給して通常の照明状態で発光させる駆動回路部とを備えたLED照明装置において、上記外部の商用電源から供給される電力を蓄電する蓄電部と、この商用電源からの電力の供給が停止する停電状態の発生を検知する停電検知部とを備えたバックアップ回路部を、上記LED発光部と駆動回路部との間に着脱自在に設けるとともに、上記外部電源に停電状態が発生していない状態では上記駆動回路部が出力する電力をLED発光部に供給すると共に、停電状態が発生すると上記蓄電部に蓄電された電力でLED発光部を発光させる停電時切替手段を上記バックアップ回路部に設けたことを特徴とする。
【0008】
バックアップ回路部は着脱自在のオプションとし、バックアップ回路部を用いない場合には駆動回路部からLED発光部に直接電力を供給してLEDを発光させるようにした。
【0009】
なお、上記バックアップ回路部は、上記駆動回路部によってLED発光部が発光されている状態で停電状態が発生した場合にLED発光部を発光させるように構成することによって、例えば無人でLED発光部が発光していない状態で停電が発生した場合に、不必要にLEDを発光させないようにすることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明は、バックアップ機能のみを後から追加することができ、バックアップ機能を有さない照明器具をバックアップ機能を付加させた状態で使用し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるLED照明器具の取り付け状態を示す図
図2】LED照明器具本体と着脱自在のバックアップ回路部とを示す斜視図
図3】LED照明器具本体の構造を示す分解斜視図
図4】外部の商用電源からLED発光部までの配線状態を示すブロック図
図5】バックアップ回路部内部の構造を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、1は本発明によるLED照明器具を構成する発光部である灯具の一例である。この灯具1はダウンライトと呼ばれるものであって、天井CLに形成された丸穴に嵌め込まれることにより取り付けられている。そして、この灯具1にはLED発光部2が設けられており、灯具1を天井CLに取り付けた状態でLED発光部2が室内に臨むように構成されている。
【0013】
図2及び図3を参照して、この灯具1の筒状のケース11内にはLED発光部2が収納されている。そして、ケース11の上方の開口を閉塞する端子台12には外部の駆動回路部3からの電力を給電する給電線13が接続されており、この給電線13を介して給電される直流電力はLED発光部2に供給され、LED発光部2に実装されているLEDを発光させる。駆動回路部3は複数の灯具1を接続できるように複数の接続ポート31が設けられおり、本実施に携帯で示すと迂愚1はその複数個のポート31のいずれかに接続されている。なお、5は外部の商用電源であり、点消灯スイッチ51を介して駆動回路部3に接続されている。
【0014】
図4を参照して、停電が発生した場合に灯具1を継続して発光させるバックアップ機能を必要とする場合には、バックアップ回路部4を着脱自在に追加する。灯具1にバックアップ回路部4が取り付けられていない状態では、駆動回路部3からの電力は図において破線で示した経路Aを経て直接灯具1のLED発光部2に供給される。
【0015】
灯具1にバックアップ回路部4を取り付けると、二点鎖線で囲んだ範囲Xの変更を行う。まず、上記給電線13から分岐した配線a,cと、上記点消灯スイッチ51と商用電源5との間から分岐した配線bとをバックアップ回路部4に配線する。更に、上記経路Aを廃止して、駆動回路部3の出力を経路Bを介してバックアップ回路部4に供給すると共に、バックアップ回路部4からの出力電力を経路Cを介して灯具1に供給するように配線を変更する。
【0016】
図5を参照して、バックアップ回路部4内にはマイコン41が内蔵されており、このマイコン41によって制御される切替器42が設けられている。この切替器42は通常は経路Bと経路Cとを直結する状態になっており、上記駆動回路部3から出力される電力は経路Bから切替器42を経て経路Cを通って灯具1に流れる。すなわち、上記経路Aと同じ電力供給経路を形成することになり、その状態ではバックアップ回路部4は取り付けられていない状態と変わらない。なお、マイコン41は配線a,cから交流電力が供給されている状態では、電気二重層コンデンサから構成される蓄電部43に電力を蓄電している。
【0017】
給電線13からの給電が停止する状態になる場合は、点消灯スイッチ51がオフにされた場合か、商用電源5が停電した場合が考えられる。点消灯スイッチ51がオフになった場合には、配線a−c間の電位差はなくなるが、配線b−c間の電位差は残るので、停電ではなく点消灯スイッチ51がオフになったことをマイコン41は判断することができる。
【0018】
これに対して商用電源5が停電した場合には、配線b−c間の電位差がなくなるため、マイコン41は停電発生を検知することができる。マイコン41が停電の発生を検知すると、切替器42を切り替えて、経路Bと経路Cとを遮断すると共に、蓄電部43に蓄電されている電荷を元にLED発光部2を必要最小限の輝度で発光させる電力をマイコン41から切替器42を介して経路Cに出力する。
【0019】
このように作用することにより、停電が発生してもLED発光部2の発光を継続させることができる。ただし、停電発生時において点消灯スイッチ51がオフになっていた場合には、照明を継続させる必要が無い状態であると考えられるので、たとえ停電が発生してもLED発光部2をバックアップ機能により発光させないようにすることが望ましい。
【0020】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0021】
1 灯具
2 LED発光部
3 駆動回路部
4 バックアップ回路部
5 商用電源
11 ケース
13 給電線
41 マイコン
42 切替器
43 蓄電部
51 点消灯スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5