(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の画素を有し、当該複数の画素のそれぞれが複数のサブ画素の並びで構成される表示パネルが、前記複数のサブ画素のうちの一部が点灯した測定用画像を表示するように前記表示パネルを制御する点灯制御部と、
前記複数のサブ画素の並び方向における前記画素の画素ピッチで定まるパネル空間周波数をfdとしたときに、前記表示パネルに表示された前記測定用画像を撮像装置が撮像して得られる第一の画像から、少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去する第一の電気フィルタと、
前記撮像装置の空間サンプリング周波数を前記撮像装置の画素ピッチで定まる第一の空間サンプリング周波数に制御する撮像制御部と、を備え、
前記撮像制御部は、前記パネル空間周波数fdに対する前記第一の空間サンプリング周波数の倍率をα1としたときに、当該倍率α1が1より小さな値となるように前記第一の空間サンプリング周波数を制御し、
前記第一の電気フィルタは、さらに、前記第一の空間サンプリング周波数をfs1としたときに、ABS(fs1/α1−n1×fs1)、ABS(2fs1/α1−n1×fs1)、および、ABS(3fs1/α1−n1×fs1)のうち最も大きい値以上の空間周波数成分を、前記第一の画像から除去し、
ABS(fs1/α1−n1×fs1)における係数n1は、ABS(fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2を満たす整数であり、
ABS(2fs1/α1−n1×fs1)における係数n1は、ABS(2fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2を満たす整数であり、
ABS(3fs1/α1−n1×fs1)における係数n1は、ABS(3fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2を満たす整数である
画質調整装置。
前記第一の電気フィルタは、前記係数n1をABS(fs1/α1−n1×fs1)が最も小さくなる値としたときに、ABS(fs1/α1−n1×fs1)以上の空間周波数成分を除去する
請求項1に記載の画質調整装置。
前記第一の電気フィルタは、前記倍率α1及び前記倍率α2が1より大きい場合に、前記第一の画像、及び、前記第二の画像のそれぞれから前記少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去する
請求項6に記載の画質調整装置。
前記第一の電気フィルタは、前記倍率α1及び前記倍率α2が1より大きい場合に、前記第一のモアレ成分が除去された前記第一の画像、及び、前記第二のモアレ成分が除去された前記第二の画像を合成した合成画像から前記少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去する
請求項6に記載の画質調整装置。
前記少なくともfd/2以上の空間周波数成分が除去された前記第一の画像を用いて、前記表示パネルの輝度を補正するための補正テーブルを生成する補正テーブル生成部を備える
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画質調整装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態にについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、構成要素の接続形態、ステップ、及び、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0016】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る画質調整システムについて、
図1〜
図5Cを参照しながら説明する。
【0017】
[1−1.画質調整システムの構成]
まず、実施の形態1に係る画質調整システムの構成について、
図1〜
図3Bを参照しながら説明する。
【0018】
図1は、実施の形態1に係る画質調整システム10の概略構成を示す図である。
図2は、実施の形態1に係る画質調整システム10の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1及び
図2に示すように、実施の形態1に係る画質調整システム10は、表示パネル20と、撮像装置30と、画質調整装置40とを備える。画質調整装置40は、表示パネル20及び撮像装置30と通信可能に接続されている。
【0020】
表示パネル20は、所定の画像などを表示する表示モジュールであり、表示部21と、制御部22と、記憶部23とを有する。
【0021】
表示部21は、制御部22からの画像信号に基づいて画像を表示する液晶パネル又は有機ELパネルであり、複数の画素が格子状に規則的に配置されている。なお、表示パネル20は、液晶パネルを備える場合、さらに当該液晶パネルに光を出射するバックライト(光源)を備えていてもよい。表示部21は、例えば、液晶パネルとバックライトとを有していてもよい。
【0022】
表示部21を構成する複数の画素のそれぞれは、複数のサブ画素を有する。例えば、複数のサブ画素はそれぞれ、異なる色の光を出射する。本実施の形態では、画素は3つのサブ画素から形成されている。具体的には、複数の画素のそれぞれは、赤色、緑色、及び、青色を出射するサブ画素(RBGサブピクセル)を有する。
【0023】
制御部22は、画質調整装置40の点灯制御部42から取得した表示データを表示部21に表示させる。また、制御部22は、表示パネル20の表示ムラを補正するための補正テーブルを用いて画像を表示するための表示データを補正して、補正後の表示データを表示部21に出力する。具体的には、制御部22は、入力される画像信号のRGBレベルを、記憶部23から読み出した補正テーブルに基づいて補正する。なお、画質調整装置40の点灯制御部42から取得した表示データにより表示される画像は、表示ムラを測定するための測定用画像の一例である。また、以降の説明において、表示パネル20の表示ムラは、輝度ムラである例について説明する。
【0024】
記憶部23は、表示パネルの輝度ムラを補正するための補正テーブルを記憶する。例えば、記憶部23は、画質調整装置40の補正テーブル生成部45が生成した補正テーブルを記憶する。なお、記憶部23は、画質調整システム10における処理が行われる前は、補正テーブルを記録していない。
【0025】
制御部22及び記憶部23は、表示パネル20の表示ムラを補正するために当該表示パネルに組み込まれる。例えば、制御部22は、タイミングコントローラにて構成され、記憶部23は、揮発性または不揮発性メモリにて構成される。
【0026】
撮像装置30は、表示部21が表示する画像を撮影する。撮像装置30は、例えば、CCD等の規則的な格子パターンで配列された受光素子(画素)により撮像画像を取得するカメラなどにより実現される。撮像装置30は、例えば、モノクロ画像を撮像するモノクロ撮像素子を有するカメラ(モノクロカメラ)である。モノクロ撮像素子は、例えば、1つの受光素子により、1つの画素が形成される素子である。
【0027】
格子状の画素からなる表示部21を格子状に配置された受光素子を有する撮像装置30で撮像すると、撮像画像にはモアレが発生することがある。本実施の形態では、撮像装置30が表示部21を撮像するときに表示部21に表示させる測定用画像、及び、フィルタなどにより、当該モアレの影響を抑制する。
【0028】
撮像装置30は、例えば、製造ラインに組み込まれ、表示パネル20ごとに当該表示パネル20が表示する測定用画像を撮像し、撮像して得られた撮像画像を画質調整装置40に出力する。
【0029】
画質調整装置40は、撮像装置30から取得した撮像画像を用いて、当該表示部21の輝度ムラを抑制するための補正テーブルを生成する。また、画質調整装置40は、生成した補正テーブルを、表示パネル20の記憶部23に記憶させる。画質調整装置40は、例えば、表示パネル20ごとに取得した撮像画像に基づいて、当該表示パネル20に対応した補正テーブルを生成する。画質調整装置40は、撮像制御部41と、点灯制御部42と、モアレ抑制部43と、補正テーブル生成部45とを有する。
【0030】
撮像制御部41は、表示パネル20を撮像するための、撮像装置30の空間サンプリング周波数を制御する。撮像制御部41は、例えば、撮像装置30が備えるレンズの倍率を変更することで、撮像装置30の空間サンプリング周波数を変更してもよい。撮像制御部41は、レンズの倍率を小さくすることで、撮像装置30の空間サンプリング周波数を小さくすることができる。また、撮像制御部41は、撮像装置30の撮像の開始及び停止などの制御を行ってもよい。
【0031】
なお、撮像装置30の空間サンプリング周波数を制御する方法は、上記に限定されない。撮像装置30が表示パネル20との距離を変更可能な可動台に設置されており、撮像制御部41は、当該可動台を制御して、撮像装置30と表示パネル20との距離を変更することで空間サンプリング周波数を変更してもよい。撮像制御部41は、撮像装置30と表示パネル20との距離を大きくすることで、空間サンプリング周波数を小さくすることができる。なお、撮像装置30の空間サンプリング周波数は、撮像装置30の撮像素子(例えばCCDイメージセンサ)が有する複数の画素の、表示パネル20の複数のサブ画素21a〜21cの並び方向における画素ピッチにも依存する。すなわち、撮像装置30の空間サンプリング周波数は、撮像素子の画素ピッチ、及び、撮像装置30のレンズの倍率または撮像装置30と表示パネル20との距離で決定することができる。例えば、撮像素子の画素ピッチが撮影対象となる表示パネル20の並び方向における画素ピッチと等しく、レンズの倍率または撮像装置30と表示パネル20との距離が撮像素子の画素と表示パネル20の画素とが1対1で対応するように調整すれば、撮像装置30の空間サンプリング周波数は表示パネル20の空間周波数と一致する。また、以降において、撮像装置30の空間サンプリング周波数を、単にサンプリング周波数とも記載する。
【0032】
ここで、撮像制御部41が制御する撮像装置30の空間サンプリング周波数について、
図3Aを参照しながら説明する。
【0033】
図3Aは、実施の形態1に係る撮像装置30の空間サンプリング周波数を説明するための図である。なお、
図3Aでは、一次元状に並んで配列された画素のみを示している。
【0034】
図3Aに示すように、表示パネル20は、3つのサブ画素21a〜21cで形成される画素21d(1画素)を複数有する。例えば、サブ画素21aは赤色を発し、サブ画素21bは緑色を発し、サブ画素21cは青色を発する。なお、隣り合うサブ画素の間の領域(ギャップ)には、ブラックマスクが形成されている。
【0035】
図3Aでは、「Dot by dot サンプリング」、及び、「1.5倍オーバサンプリング」の2つのサンプリング周波数を示している。「Dot by dot サンプリング」は、表示パネル20の1画素を、撮像装置30の1画素で撮像する場合を示している。表示パネル20の画素ピッチpと、撮像装置30が表示パネル20をサンプリングするピッチ(
図3Aに示す矢印参照)とを等しくした場合を示している。すなわち、撮像装置30のサンプリング周波数を、表示パネル20の画素ピッチpに対応するパネル空間周波数と一致させた場合を示している。
【0036】
なお、表示パネル20のパネル空間周波数と撮像装置30のサンプリング周波数とが完全に一致している場合モアレは生じないが、表示パネル20の撓み、及び、撮像装置30のレンズの収差などにより、完全に一致させることが難しい。そのため、本実施の形態では、撮像装置30のサンプリング周波数を変更し、モアレ成分の一部を高周波側にシフトさせることで、表示ムラの空間周波数領域に含まれるモアレ成分を低減する。
【0037】
「1.5倍オーバサンプリング」は、撮像装置30のサンプリング周波数を、表示パネル20のパネル空間周波数の1.5倍にした場合を示している。つまり、撮像装置30は、表示パネル20の画素ピッチpより、細かいピッチで表示パネル20のサンプリングを行う。本実施の形態では、撮像制御部41は、撮像装置30のサンプリング周波数を表示パネル20のパネル空間周波数の1.5倍に制御する例について説明するが、撮像装置30のサンプリング周波数を表示パネル20のパネル空間周波数以上となるように制御してもよい。なお、表示パネル20の画素ピッチp及びパネル空間周波数は、固定の値である。また、撮像装置30のサンプリング周波数は、撮像制御部41の制御に応じて変化する値である。本実施の形態による撮像装置30のサンプリング周波数は、例えば、撮像装置30の画素ピッチと、撮像装置30のレンズ倍率とにより定まる。
【0038】
図2を再び参照して、点灯制御部42は、撮像装置30が表示パネル20を撮像するときの表示パネル20の表示状態を制御する。本実施の形態では、点灯制御部42が表示パネル20に表示させる画像(測定用画像)に特徴を有する。
【0039】
ここで、点灯制御部42が表示パネル20に表示させる測定用画像について、
図3Bを参照しながら説明する。
【0040】
図3Bは、実施の形態1に係る表示パネル20の点灯状態を説明するための図である。
図3Bでは、点灯しているサブ画素(例えば、サブ画素21b)を白色背景で示しており、消灯しているサブ画素(例えば、サブ画素21a及び21c)をドットハッチングで示している。なお、ここでの消灯とは、サブ画素の輝度の最大値の数%程度の輝度で点灯していることを含む。つまり、消灯とは、サブ画素の輝度が当該サブ画素の輝度の最低値であることに限定されない。
【0041】
図3Bに示すように、点灯制御部42は、複数の画素それぞれにおいて、当該画素が有する複数のサブ画素21a〜21cの一部のサブ画素を点灯させる。つまり、点灯制御部42は、複数のサブ画素21a〜21cを間引き点灯させる。点灯制御部42は、例えば、サブ画素21a〜21cのうち1つのサブ画素のみを点灯させる。本実施の形態では、点灯制御部42は、サブ画素21b(つまり緑色)のみを点灯させる(
図3Bに示す「緑ラスタ表示」)。具体的には、点灯制御部42は、複数のサブ画素21bのそれぞれが同じ階調値を含む画像信号を制御部22に出力する。そのため、サブ画素21bに対応する位置の明るさが明るくなる。点灯制御部42が上記のような制御を行うことで、表示パネル20は測定用画像として、全面が緑色の画像を表示する。撮像装置30は、緑色に対する感度が高いので、S/Nが向上した受光信号から撮像画像を生成することができる。
【0042】
なお、点灯制御部42は、表示パネル20に出力する画像信号に含まれる階調値(画素信号のビット幅が10bitである場合、0〜1023)を、順次変更してもよい。点灯制御部42は、例えば、撮像装置30が測定用画像を表示する表示パネル20を撮像するたびに、当該測定用画像を表示するための階調値を順次変更してもよい。つまり、画質調整装置40は、1台の表示パネル20に対して、階調値が異なる複数の撮像画像を取得してもよい。
【0043】
図2を再び参照して、モアレ抑制部43は、測定用画像を表示した表示パネル20を撮像した撮像画像を撮像装置30から取得すると、当該撮像画像に含まれるモアレを除去する処理を行う。モアレ抑制部43は、フィルタ44を有する。
【0044】
フィルタ44は、撮像装置30から取得した撮像画像からモアレを除去するモアレ除去用の電気フィルタ(例えば、ローパスフィルタ)である。フィルタ44は、デジタルフィルタ又はFFTフィルタなどにより実現される。フィルタ44は、第一の電気フィルタの一例である。
【0045】
モアレが除去された撮像画像は、補正テーブル生成部45に出力される。なお、フィルタ44は、少なくともパネル空間周波数の1/2以上の空間周波数成分を除去する。言い換えると、フィルタ44は、表示ムラが存在する領域の空間周波数成分を通過させるよう設定されている。
【0046】
補正テーブル生成部45は、モアレが除去された撮像画像を取得すると、ムラ測定を実行し、当該ムラ測定の結果から補正テーブル(例えば、ルックアップテーブル)を生成し、制御部22に出力する。ムラ測定とは、点灯制御部42が表示パネル20に出力した画像信号に含まれる階調値と、当該階調値における撮像画像から取得される輝度とを対応付けることを含む。また、補正テーブルとは、表示パネル20の表示ムラを補正するためのテーブルであり、階調値と輝度との対応関係から当該階調値における輝度を目標特性(例えば、ガンマ値2.2のガンマ特性)に近づけるための補正値(もしくは補正係数)などを含むテーブルである。なお、補正テーブルは、表示パネル20の画素ごとに補正値を有していてもよいし、複数の画素(画素ブロック)ごとに補正値を有していてもよい。
【0047】
上記のような画質調整装置40は、例えば、パーソナルコンピュータにより実現される。
【0048】
[1−2.画質調整システムの処理]
次に、上記の画質調整システム10の処理について、
図4〜
図5Cを参照しながら説明する。
【0049】
図4は、実施の形態1に係る画質調整装置40の処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
図4に示すように、まず、画質調整装置40は、表示パネル20の表示を、一部のサブ画素(例えば、サブ画素21b)が点灯した測定用画像に制御する(S10)。具体的には、点灯制御部42は、表示パネル20の複数のサブ画素21a〜21cのうちサブ画素21bのみが点灯した測定用画像を表示パネルに表示させる。これにより、表示パネル20は、例えば、全面が緑色の画像を表示する。なお、点灯制御部42は、複数のサブ画素21bそれぞれに対する階調値が同じである画像信号を表示パネル20に出力する。
【0051】
次に、画質調整装置40は、撮像装置30のサンプリング周波数を制御する(S11)。具体的には、撮像制御部41は、撮像装置30のサンプリング周波数が表示パネル20のパネル空間周波数の1.5倍となるように、撮像装置30が備えるレンズの倍率を制御する。そして、撮像装置30は、測定用画像を表示した表示パネル20を撮像する。なお、パネル空間周波数の1.5倍となるサンプリング周波数は、第一の空間サンプリング周波数の一例である。
【0052】
次に、画質調整装置40は、撮像装置30が表示パネル20を撮像した撮像画像(第一の画像の一例)の空間周波数分布を生成する(S12)。具体的には、モアレ抑制部43は、撮像装置30から取得した撮像画像から当該撮像画像の空間周波数分布を生成する。
【0053】
ここで、モアレ抑制部43が生成する空間周波数分布について、
図5A〜
図5Cを参照しながら説明する。
【0054】
図5Aは、実施の形態1に係る1.5倍オーバサンプリング時におけるモアレ成分の除去を説明するための図である。
図5Aの縦軸は、振幅(強度)を示しており、横軸は空間周波数を示す。fsは、撮像装置30のサンプリング周波数を示しており、当該サンプリング周波数fsは、パネル空間周波数fdの1.5倍である。なお、
図5Aに示す「ムラ領域」は、製造ばらつきに起因した表示パネル20の輝度ムラの分布を示しており、当該ムラ領域は、表示パネル20のパネル空間周波数fdの1/2以下の空間周波数領域に生じる。
【0055】
図5Aに示す縦軸と平行な方向に延びる3本の破線矢印(基本波成分(基本波)、2倍高調波成分(2倍高調波)、及び、3倍高調波成分(3倍高調波))は、表示パネル20の表示ムラを除く明るさの濃淡(例えば、ブラックマスクに起因する濃淡)により生じる成分である。つまり、
図5Aに示す基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波は、表示パネル20の構造に起因して生じる成分である。
図5Aに示す縦軸と平行な方向に延びる2本の実線矢印(モアレ1及びモアレ2)は、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波がナイキスト周波数(折り返し周波数)で折り返された成分を示す。本実施の形態では、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返された空間周波数成分をモアレ成分(モアレ1及びモアレ2)として記載する。なお、
図5Aでは、基本波、2倍高調波、3倍高調波、モアレ1、及び、モアレ2を簡易的に矢印で示しているが、所定の空間周波数幅を有する成分である。また、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波は、表示パネル20の構造に起因して生じる空間周波数成分の一例として図示している。
【0056】
基本波は、空間周波数が2/3fs(=fd)に生じる周波数成分であり、表示パネル20が緑ラスタ表示を行っていることで生じる成分である。2倍高調波は基本波の2倍の空間周波数(4/3fs)に生じる高調波成分であり、3倍高調波は基本波の3倍の空間周波数(2fs)に生じる高調波成分である。2倍高調波及び3倍高調波は、基本波の高調波成分であり、減衰している。つまり、2倍高調波及び3倍高調波の振幅は、基本波の振幅より小さくなる。
【0057】
なお、4倍高調波などの高調波成分も生じるが、
図5Aの「光学系の空間周波数特性」に示すように高周波成分はフィルタリングされるので、図示を省略する。撮像装置30の光学系(例えば、レンズ)は、例えば、ローパスフィルタに似た特性を有する。なお、
図5Aに示す「光学系の空間周波数特性」は、撮像装置30の光学系の空間周波数特性の傾向を示すためのイメージ図である。「光学系の空間周波数特性」は、光学系の空間周波数特性の最大値を基準とした比を図示している。また、以降の図においては、「光学系の空間周波数特性」の図示を省略する。
【0058】
空間周波数1/3fs(1/2fd)に生じるモアレ1は、基本波及び2倍高調波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる(
図5Aの横方向の破線矢印を参照)。モアレ1の振幅は、基本波及び2倍高調波の振幅により定まる。また、空間周波数ゼロに生じるモアレ2は、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる(
図5Aの横方向の破線矢印を参照)。モアレ2の振幅は、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波のうち、最も振幅が小さい3倍高調波の振幅により定まる。つまり、ムラ領域内に存在するモアレ2の振幅は、モアレ1の振幅より小さい。
【0059】
ここで、比較例として、表示パネル20のサブ画素21a〜21cの全てが点灯している状態で撮像装置30が表示パネル20を撮像したときの画像の空間周波数分布について、
図5B及び
図5Cを参照しながら説明する。
【0060】
図5Bは、比較例に係る表示パネル20の点灯状態を説明するための図である。
図5Cは、比較例に係る1.5倍オーバサンプリング時におけるモアレ成分を示す図である。
【0061】
図5Bに示すように、比較例に係る表示パネル20は、サブ画素21a〜21cの全てが点灯した白ラスタ表示を行う。そのため、サブ画素21a〜21cのそれぞれに対応する位置の明るさが明るくなる。なお、白ラスタ表示は、測定用画像には含まれない。
【0062】
図5Cに示すように、
図5Aと同様、空間周波数2/3fsに基本波、空間周波数4/3fsに2倍高調波、及び、空間周波数2fsに3倍高調波が生じる。基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波はそれぞれ、表示パネル20の表示ムラを除く明るさの濃淡(例えば、ブラックマスクに起因する濃淡)による周波数成分が生じている。3倍高調波の振幅は、
図5Aに示す3倍高調波の振幅より大きい。これにより、当該周波数成分の折り返しにより生じるモアレ成分(モアレ4)の振幅は、
図5Aのモアレ2の振幅より大きくなる。これは、表示パネル20のサブ画素21a〜21cのそれぞれが点灯していることにより、表示パネル20の構造に起因する空間周波数成分が、空間周波数2/3fs、4/3fs、及び、2fsのそれぞれに生じるためである。これにより、3倍高周波がナイキスト周波数で折り返された周波数成分であるモアレ4の振幅が大きくなる。つまり、ムラ領域内に存在するモアレ成分が大きくなる。
【0063】
上記のように、複数のサブ画素21a〜21cのうち、一部のサブ画素(例えば、サブ画素21b)のみを点灯した表示パネル20を撮像装置30が撮像して得られる画像は、空間周波数2fsに生じる空間周波数成分が低減された画像である。つまり、当該空間周波数成分が折り返すことで生成されるモアレ成分を低減することができる。本実施の形態では、空間周波数ゼロに生じるモアレ2を低減することができる。
【0064】
図4を再び参照して、次に、撮像画像からfd/2以上の空間周波数成分を除去する(S13)。具体的には、フィルタ44により、撮像画像からfd/2以上の空間周波数成分が除去される。
【0065】
図5Aのフィルタ44の空間周波数特性に示すように、fs/3(fd/2)以上の空間周波数成分が、撮像画像から除去される。これにより、モアレ1、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波の成分は除去されるので、撮像画像にはモアレ2の成分が残る。
【0066】
図4を再び参照して、ステップS13でfd/2以上の空間周波数成分が除去された撮像画像を用いて、表示ムラを補正する補正テーブルが生成される(S14)。具体的には、補正テーブル生成部45は、モアレ抑制部43から撮像画像を取得すると、ムラ測定を実行し、当該ムラ測定の結果から補正テーブルを生成する。モアレ抑制部43から取得した撮像画像にはモアレ2の成分が含まれるが、当該モアレ2は振幅が小さく影響が少ないので精度のよい補正テーブルを生成することができる。
【0067】
補正テーブル生成部45は、サブ画素21bのみが点灯した状態で撮像された撮像画像から、当該サブ画素21bを有する画素21dの補正値を算出する。つまり、1画素に1つの補正値が対応付けられる。言い換えると、サブ画素21a〜21cは、同一の補正値を有する。これにより、表示パネル20の輝度ムラを抑制することができる。
【0068】
なお、
図5Aに示すように、フィルタ44により撮像画像からfd/2以上の空間周波数成分は除去されるが、ムラ領域の空間周波数成分は除去されていない。つまり、補正テーブル生成部45は、表示パネル20に生じる低周波域の輝度ムラから高周波域の輝度ムラまでを補正することができる補正テーブルを生成することができる。
【0069】
次に、補正テーブル生成部45は、生成した補正テーブルを表示パネルに書き込む(S15)。具体的には、補正テーブル生成部45は、表示パネル20の記憶部23に生成した補正テーブルを記憶する。
【0070】
表示パネル20は、記憶部23に記憶されている補正テーブルに基づいて、入力される画像信号のRGBレベルを補正することで、輝度ムラが低減された表示を行うことができる。
【0071】
[1−3.効果など]
以上説明したように、画質調整装置40は、複数の画素21dを有し、当該複数の画素21dのそれぞれが複数のサブ画素21a〜21cの並びで構成される表示パネル20が、複数のサブ画素21a〜21cのうちの一部が点灯した測定用画像を表示するように表示パネル20を制御する点灯制御部42と、複数のサブ画素21a〜21cの並び方における画素21dの画素ピッチpで定まるパネル空間周波数をfdとしたときに、表示パネル20に表示された測定用画像を撮像装置30が撮像して得られる撮像画像(第一の画像の一例)から、少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去するフィルタ44(第一の電気フィルタの一例)と、を備える。
【0072】
これにより、撮像装置30が撮像して得られる撮像画像に含まれる、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波のうち2倍高調波及び3倍高調波の成分を、複数のサブ画素21a〜21cの全てが点灯していたときに比べ低減することができる。また、撮像装置30の光学系(例えば、レンズ)の空間周波数特性が、ローパスフィルタに似た特性を有する場合、3倍高調波はさらに低減される。つまり、3倍高調波が折り返すことで生じる、ムラ領域内に存在するモアレ2を低減することができる。よって、表示パネル20と撮像装置30とを所定の相対角度に合わせることなく、表示パネル20の点灯状態を変更するといった簡易な方法で、撮像画像に含まれるモアレを低減することができる。また、撮像装置30が撮像して得られた画像に含まれるfd/2以上の空間周波数成分は、フィルタ44により除去される。これらにより、本実施の形態に係る画質調整装置40は、簡易に撮像画像に含まれるモアレをより低減することができる。画質調整装置40は、簡易に撮像画像に含まれる表示パネル20の表示ムラの空間周波数成分を高精度で得ることができる。
【0073】
また、撮像装置30の空間サンプリング周波数を撮像装置30の画素ピッチに基づくサンプリング周波数fs(第一の空間サンプリング周波数の一例)に制御する撮像制御部41をさらに備える。撮像制御部41は、パネル空間周波数fdに対するサンプリング周波数fsの倍率をα1としたときに、当該倍率α1が1よりも大きな値となるように、サンプリング周波数fsを制御する。撮像制御部41は、例えば、倍率α1が1.5≦α1≦2となるようにサンプリング周波数fsを制御する。
【0074】
これにより、倍率α1が1.5である場合、基本波及び2倍高調波の折り返し成分(
図5Aに示すモアレ1)を表示ムラの空間周波数(fd/2以下)の帯域外にずらすことができる。折り返し部分は、フィルタ44により除去することがでる。また、3倍高調波の折り返し成分(
図5Aに示すモアレ2)は、複数のサブ画素21a〜21cのうちの一部のみを点灯させていること、及び、撮像装置30の光学系により高周波が低減されることにより、表示ムラの測定結果に対する影響を無視できるレベルまで抑圧することができる。よって、撮像画像に含まれるモアレをさらに低減することができる。また、撮像装置30に要求される画素数を、倍率α1が1.5より大きい場合に比べ抑えることができる。
【0075】
より一般化すれば、α1>1の場合、最も影響の大きい基本波の折り返し成分(
図5Aに示すモアレ1)は、
ABS(fs/α1−fs) ・・・(式1)
と表せる。最も影響の大きい基本波の折り返し成分を表示ムラの空間周波数(fd/2)の帯域外にずらすためには、
(fd/2)≦ABS(fs/α1−fs) ・・・(式2)
を満たせばよく、上記の仮定よりα1=fs/fdを用いて、α1について解くと、
1.5≦α1 ・・・(式3)
が得られる。一方、α1>2の場合には、高解像度の撮像素子が必要となるため、コストの観点で劣る。したがって、例えば、倍率α1は、1.5≦α1≦2となるように決定されてもよい。
【0076】
また、少なくともfd/2以上の空間周波数成分が除去された第一の画像を用いて、表示パネル20の輝度を補正するための補正テーブルを生成する補正テーブル生成部45を備える。
【0077】
これにより、表示パネル20の輝度ムラを抑制することができる。
【0078】
また、以上説明したように、画質調整方法は、複数の画素21dを有し、当該複数の画素21dのそれぞれが複数のサブ画素21a〜21cの並びで構成される表示パネル20が、複数のサブ画素21a〜21cのうちの一部が点灯した測定用画像を表示するように表示パネル20を制御するステップ(S10)と、複数のサブ画素21a〜21cの並び方における画素21dの画素ピッチpで定まるパネル空間周波数をfdとしたときに、表示パネル20に表示された測定用画像を撮像装置30が撮像して得られる画像から、少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去するステップ(S13)と、を含む。
【0079】
これにより、画質調整装置40と同様の効果を奏する。
【0080】
(実施の形態1の変形例)
以下、実施の形態1の変形例に係る画質調整システムについて、
図6を参照しながら説明する。なお、本変形例では、実施の形態1と異なる点について説明し、実施の形態1と同様の構成については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0081】
図6は、実施の形態1の変形例に係る画質調整システム10aの構成を示すブロック図である。
【0082】
図6に示すように、本変形例では、撮像装置30aの構成が実施の形態1と異なる。具体的には、撮像装置30aが光学フィルタ31を備える点が異なる。
【0083】
光学フィルタ31は、例えば、撮像装置30aのサンプリング周波数fsの1/2以上の空間周波数成分を除去するローパスフィルタである。光学フィルタ31は、複屈折率板を用いた光学ローパスフィルタ、又は、回折格子板を用いた光学ローパスフィルタなどにより実現される。複屈折率板を用いた光学ローパスフィルタは、例えば、撮像装置30aのレンズと受光素子との間に配置される。また、回折格子を用いた光学ローパスフィルタは、例えば、レンズの表示パネル20側(レンズの前方)に配置される。
【0084】
以上説明したように、画質調整システム10aは、画質調整装置40と、表示パネル20を撮像して得られた画像を画質調整装置40に出力する撮像装置30aとを備える。撮像装置30aは、当該撮像装置30aのサンプリング周波数fsの1/2以上の空間周波数成分を除去する光学フィルタ31を有する。
【0085】
これにより、撮像装置30aのサンプリング周波数fsの1/2(すなわち、ナイキスト周波数)以上の空間周波数成分を低減することができるので、撮像装置30aが生成する撮像画像に含まれるモアレをさらに低減することができる。
【0086】
(実施の形態2)
[2−1.画質調整システムの構成]
以下、実施の形態2に係る画質調整システムについて、
図7及び
図8を参照しながら説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1と異なる点について説明し、実施の形態1と同様の構成については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0087】
実施の形態2は、実施の形態1と撮像装置30のサンプリング周波数が異なる。具体的には、撮像制御部41が撮像装置30のサンプリング周波数fsを表示パネル20のパネル空間周波数fdより小さな値に制御する。
【0088】
図7は、実施の形態2に係る撮像装置30の空間サンプリング周波数を説明するための図である。なお、
図7に示す「Dot by dot サンプリング」は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0089】
図7に示すように、「0.75倍アンダサンプリング」は、撮像装置30のサンプリング周波数fsを、表示パネル20のパネル空間周波数fdの0.75倍にした場合を示している。つまり、撮像装置30は、表示パネル20の画素ピッチpより、粗いピッチで表示パネル20のサンプリングを行う。本実施の形態では、撮像制御部41は、撮像装置30のサンプリング周波数fsをパネル空間周波数fdの0.75倍に制御する例について説明するが、撮像装置30のサンプリング周波数fsを表示パネル20のパネル空間周波数fdより小さくなるように別の制御をしてもよい。撮像制御部41は、例えば、撮像装置30のサンプリング周波数fsをパネル空間周波数fdの0.8倍に制御してもよい。
【0090】
次に、撮像装置30のサンプリング周波数fsがパネル空間周波数fdの0.75倍である場合に当該撮像装置30が表示パネル20を撮像して得られた画像に含まれるモアレについて、
図8を参照しながら説明する。
【0091】
図8は、実施の形態2に係る0.75倍アンダサンプリング時におけるモアレ成分を示す図である。
【0092】
図8に示すように、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波は、表示パネル20の構造に起因して生じる成分である。また、モアレ5及び6はそれぞれ、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返された空間周波数成分を示す。
【0093】
基本波は、空間周波数が4/3fs(=fd)に生じる空間周波数成分であり、表示パネル20が緑ラスタ表示を行っていることで生じる成分である。2倍高調波は基本波の2倍の空間周波数(8/3fs)に生じる高調波成分であり、3倍高調波は基本波の3倍の空間周波数(4fs)に生じる高調波成分である。2倍高調波及び3倍高調波は、基本波の高調波成分であり、減衰している。つまり、2倍高調波及び3倍高調波の振幅は、基本波の振幅より小さくなる。
【0094】
空間周波数がfs/3に生じるモアレ5は、基本波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる成分及び2倍高調波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる成分により生じる。モアレ5は、表示パネル20の輝度ムラの空間周波数の領域(
図8に示すムラ領域)内に存在する。モアレ5の振幅は、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波のうち、最も振幅が大きい基本波を含む振幅により定まる。つまり、モアレ5の振幅は、モアレ6より大きい。
【0095】
空間周波数ゼロに生じるモアレ6は、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる成分である。モアレ6は、表示パネル20の輝度ムラの空間周波数の領域内に存在する。モアレ6の振幅は、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波のうち、最も振幅が小さい3倍高調波の振幅により定まる。つまり、モアレ6の振幅は、モアレ5より小さい。
【0096】
なお、撮像装置30のサンプリング周波数の設定値によって、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波が生じる空間周波数は異なる。つまり、モアレが生じる空間周波数が異なる。
【0097】
基本波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、パネル空間周波数fdに対するサンプリング周波数fsの倍率をα1、係数をn1、サンプリング周波数をfs1とすると、
ABS(fs1/α1−n1×fs1) ・・・(式4)
により定まる。なお、ABSは、絶対値を求める関数であることを示す。ただし、式4における係数n1は、
ABS(fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2 ・・・(式5)
を満たす整数である。本実施の形態では、fs1/α1は、4/3fsである。また、式5を満たす係数n1は、1となり、式4は1/3fsとなる。つまり、
図8に示すモアレ5は、基本波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分を含む。
【0098】
2倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、
ABS(2fs1/α1−n1×fs1) ・・・(式6)
により定まる。ただし、式6における係数n1は、
ABS(2fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2 ・・・(式7)
を満たす整数である。本実施の形態では、2fs1/α1は、8/3fsである。また、式7を満たす係数n1は、3となり、式6は1/3fsとなる。つまり、
図8に示すモアレ5は、2倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分を含む。
【0099】
3倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、
ABS(3fs1/α1−n1×fs1) ・・・(式8)
により定まる。ただし、式8における係数n1は、
ABS(3fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2 ・・・(式9)
を満たす整数である。本実施の形態では、3fs1/α1は、4fsである。また、式9を満たす係数n1は、4となり、式8はゼロとなる。つまり、
図8に示すように、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、モアレ6となる。
【0100】
上記のように、式4、式6、及び、式8に含まれる係数n1は、互いに独立しており、例えば、少なくとも一部が異なる値であってもよい。なお、上記式4〜式9は一例であり、他の式によりモアレの空間周波数が算出されてもよい。
【0101】
式4、式6、及び、式8より、倍率α1が1より小さい場合、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波のモアレ成分は、1/2fsより小さな空間周波数に生じる。そのため、当該モアレ成分を除去することで、撮像画像に生じるモアレを低減することができる。例えば、式4、式6、及び、式8のうち最も大きい値以上の空間周波数成分が、撮像画像から除去されてもよい。具体的には、フィルタ44は、式4、式6、及び、式8のうち最も大きい値以上の空間周波数成分を、撮像画像から除去するフィルタであってもよい。本実施の形態では、フィルタ44は、1/3fs以上の空間周波数成分を除去するローパスフィルタである。
【0102】
フィルタ44は、基本波がナイキスト周波数で折り返したモアレの空間周波数以上の空間周波数領域を除去するフィルタであってもよい。具体的には、フィルタ44は、式4で算出される値が最も小さくなるとき、つまり式4が1/2fsを満たす係数n1であるとき、当該値以上の空間周波数成分を除去する。
【0103】
なお、
図8に示すように、ナイキスト周波数より大きな空間周波数領域(具体的には、1/2fs以上、1/2fd以下の周波数領域)に生じる表示ムラ成分も、ナイキスト周波数で折り返される。
【0104】
[2−2.効果]
以上説明したように、画質調整装置40は、撮像装置30の空間サンプリング周波数を当該撮像装置30の画素ピッチで定まるサンプリング周波数fs(第一の空間サンプリング周波数の一例)に制御する撮像制御部41をさらに備える。撮像制御部41は、パネル空間周波数fdに対するサンプリング周波数fs1(fs)の倍率をα1としたときに、当該倍率α1が1より小さな値となるようにサンプリング周波数fs1を制御する。また、フィルタ44(第一の電気フィルタの一例)は、さらに、サンプリング周波数をfs1としたときに、ABS(fs1/α1−n1×fs1)、ABS(2fs1/α1−n1×fs1)、および、ABS(3fs1/α1−n1×fs1)のうち最も大きい値以上の空間周波数成分を、撮像画像から除去する。ただし、ABS(fs1/α1−n1×fs1)における係数n1は、ABS(fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2を満たす整数であり、ABS(2fs1/α1−n1×fs1)における係数n1は、ABS(2fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2を満たす整数であり、ABS(3fs1/α1−n1×fs1)における係数n1は、ABS(3fs1/α1−n1×fs1)<fs1/2を満たす整数である。
【0105】
これにより、アンダサンプリング時において表示パネル20の表示ムラの空間周波数領域(
図8における「ムラ領域」)に存在するモアレ成分を、表示ムラへの影響を抑制しつつ除去することができる。また、3倍高調波のモアレ成分がムラ領域に存在していた場合、当該モアレ成分による影響は小さい。よって、画質調整装置40は、撮像画像に生じるモアレをより低減することができる。また、撮像装置30に必要な画素数を減らすことができるので、より安価な画質調整システム10を実現することができる。
【0106】
また、フィルタ44(第一の電気フィルタの一例)は、係数n1をABS(fs1/α1−n1×fs1)が最も小さくなる値としたときに、ABS(fs1/α1−n1×fs1)以上の空間周波数成分を除去する。
【0107】
これにより、アンダサンプリング時においてモアレへの影響が大きな基本波の折り返しによるモアレ成分を除去することができる。よって、画質調整装置40は、撮像画像に生じるモアレをさらに低減することができる。
【0108】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3に係る画質調整システムについて、
図9〜
図13Cを参照しながら説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態1と異なる点について説明し、実施の形態1と同様の構成については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0109】
実施の形態3は、実施の形態1と撮像装置30のサンプリング周波数が異なる。撮像装置30は、複数種類のサンプリング周波数で表示パネル20に表示された測定用画像を撮像する。具体的には、撮像制御部41が撮像装置30のサンプリング周波数fsを複数の値に制御する。撮像装置30は、測定用画像を表示する表示パネル20を、異なる複数のサンプリング周波数で撮像する。なお、以下では、一例として、撮像装置30は、2種類のサンプリング周波数で表示パネル20に表示された測定用画像を撮像する例について説明する。
【0110】
[3−1.画質調整システムの構成]
まず、実施の形態3に係る画質調整システム100の構成について、
図9を参照しながら説明する。
【0111】
図9は、実施の形態3に係る画質調整システム100の構成を示すブロック図である。
【0112】
図9に示すように、実施の形態3では、画質調整装置140のモアレ抑制部143の構成が実施の形態1に係る画質調整装置40と異なる。具体的には、モアレ抑制部143は、フィルタ44に加え、フィルタ144a、及び、フィルタ144bを有する。フィルタ144a及びフィルタ144bは、例えば、除去する空間周波数帯域の少なくとも一部が異なる電気フィルタである。
【0113】
フィルタ144aは、異なるサンプリング周波数のうちの一方のサンプリング周波数で撮像された画像(例えば、第一の画像)から、表示パネル20の表示ムラの空間周波数領域に存在するモアレ成分を除去するための電気フィルタである。また、フィルタ144bは、異なるサンプリング周波数のうちの他方のサンプリング周波数で撮像された画像(例えば、第二の画像)から、表示パネル20の表示ムラの空間周波数領域に存在するモアレ成分を除去するための電気フィルタである。フィルタ144a及び144bは、例えば、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーションフィルタ、ローパスフィルタ、又は、ハイパスフィルタなどで構成される。
【0114】
次に、撮像装置30の空間サンプリング周波数について、
図10を参照しながら説明する。
【0115】
図10は、実施の形態3に係る撮像装置30の空間サンプリング周波数fsを説明するための図である。なお、
図10に示す「Dot by dot サンプリング」は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0116】
図10に示すように、実施の形態3では、撮像装置30は、「2.0倍オーバサンプリング」、及び、「1.75倍オーバサンプリング」の2つのサンプリング周波数fsで、表示パネル20の撮像を行う。「2.0倍オーバサンプリング」は、撮像装置30のサンプリング周波数fsを、表示パネル20のパネル空間周波数fdの2.0倍にした場合を示している。つまり、撮像装置30は、表示パネル20の画素ピッチpより、狭いピッチで表示パネル20のサンプリングを行う。なお、パネル空間周波数の2.0倍となるサンプリング周波数は、第一の空間サンプリング周波数の一例である。また、本実施の形態では、パネル空間周波数fdに対する第一の空間サンプリング周波数の倍率をα1としたときに、当該倍率α1は、整数となる。具体的には、倍率α1は2となる。
【0117】
「1.75倍オーバサンプリング」は、撮像装置30のサンプリング周波数fsを、表示パネル20のパネル空間周波数fdの1.75倍にした場合を示している。つまり、撮像装置30は、表示パネル20の画素ピッチpより、狭いピッチで表示パネル20のサンプリングを行う。なお、パネル空間周波数fdの1.75倍となるサンプリング周波数fsは、第二の空間サンプリング周波数の一例である。また、本実施の形態では、パネル空間周波数fdに対する第二の空間サンプリング周波数の倍率をα2としたときに、当該倍率α2は、非整数となる。具体的には、倍率α1は1.75となる。
【0118】
なお、第一及び第二の空間サンプリング周波数は、上記に限定されない。第一及び第二の空間サンプリング周波数ともオーバサンプリングとなる空間サンプリング周波数である例について説明したが、これに限定されない。第一及び第二の空間サンプリング周波数のうち、少なくとも1つはアンダサンプリングとなる空間サンプリング周波数であってもよいし、パネル空間周波数fdと同じであってもよい。また、倍率α1が整数であり、倍率α2は非整数であることに限定されない。倍率α1及び倍率α2の少なくとも1つが非整数であればよい。なお、アンダサンプリング時においては、倍率の整数及び非整数は、1/α1により決まる。
【0119】
次に、撮像装置30のサンプリング周波数fsがパネル空間周波数fdの2.0倍及び1.75倍である場合に当該撮像装置30が表示パネル20を撮像して得られた画像に含まれるモアレについて、
図11A及び
図11Bを参照しながら説明する。
【0120】
図11Aは、実施の形態3に係る2.0倍オーバサンプリングにおけるモアレ成分を示す図である。具体的には、撮像装置30が2.0倍オーバサンプリングを行ったときに撮像して得られた第一の画像における、空間周波数分布を示す図である。
【0121】
図11Aに示すように、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波は、表示パネル20の構造に起因して生じる成分である。また、モアレ7及び8はそれぞれ、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返された空間周波数成分を示す。
【0122】
基本波は、空間周波数が1/2fs(=fd)に生じる空間周波数成分であり、表示パネル20が緑ラスタ表示を行っていることで生じる成分である。2倍高調波は基本波の2倍の空間周波数(fs)に生じる高調波成分であり、3倍高調波は基本波の3倍の空間周波数(3/2fs)に生じる高調波成分である。2倍高調波及び3倍高調波は、基本波の高調波成分であり、減衰している。つまり、2倍高調波及び3倍高調波の振幅は、基本波の振幅より小さくなる。
【0123】
空間周波数1/2fsに生じるモアレ7は、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる成分である。モアレ7は、表示パネル20の輝度ムラの空間周波数の領域(
図11Aに示すムラ領域)外に存在する。モアレ7の振幅は、3倍高調波の振幅により定まる。つまり、モアレ7の振幅は、モアレ8より小さい。なお、空間周波数1/2fsには基本波も存在するので、基本波とモアレ7とにより、1/2fsに生じる空間周波数成分の振幅が定まる。
【0124】
空間周波数ゼロに生じるモアレ8は、2倍高調波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる成分である。モアレ8は、表示パネル20のムラ領域内に存在する。モアレ8の振幅は、2倍高調波の振幅により定まる。なお、モアレ8は、第一のモアレ成分の一例である。
【0125】
フィルタ144aは、第一の画像からムラ領域内に生じるモアレ8を除去するための電気フィルタである。
図11Aに示すように、フィルタ144aは、空間周波数ゼロを含む空間周波数成分を除去する。フィルタ144aは、例えば、空間周波数ゼロ付近から1/4fsまでを通過帯域とするバンドパスフィルタである。言い換えると、フィルタ144aは、空間周波数ゼロ付及び1/4fs(1/2fd)以上の空間周波数成分を除去する。つまり、フィルタ144aは、少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去する第一の電気フィルタ、及び、第一の空間サンプリング周波数で撮像された第一の画像に含まれるモアレの空間周波数成分であり、表示パネル20の表示ムラの空間周波数の領域内に存在するモアレ8を除去する第二の電気フィルタの機能を有する電気フィルタである。なお、フィルタ144aは、空間周波数ゼロ付近をカットオフ周波数とするハイパスフィルタであってもよい。この場合、フィルタ144aは、モアレ8を除去する第二の電気フィルタの一例である。
【0126】
ここで、第一の電気フィルタ及び第二の電気フィルタとしてのフィルタ144aにより所定の空間周波数成分が除去された第一の画像の空間周波数分布について、
図12Aを参照しながら説明する。
【0127】
図12Aは、実施の形態3に係る2.0倍オーバサンプリングにおけるモアレ除去後の第一の画像の空間周波数特性を示す図である。
【0128】
図12Aに示すように、第一の画像から空間周波数ゼロ付近及び高周波成分(例えば、1/2fd以上)が除去される。なお、
図12Aに示す空間周波数分布では、空間周波数ゼロ付近のデータがないので、表示パネル20の正確な表示ムラデータが得られない。そこで、撮像装置30は、第一の空間サンプリング周波数とは異なる第二の空間サンプリング周波数で、再度撮像を行う。
【0129】
なお、第二の空間サンプリング周波数は、当該第二の空間サンプリング周波数におけるムラ領域に生じるモアレの空間周波数が第一の空間サンプリング周波数におけるムラ領域に生じるモアレの空間周波数とは異なる空間周波数に生じるように設定される。また、上記のように、倍率α1(アンダサンプリング時は1/α1)が整数である場合、モアレ成分は主に空間周波数ゼロ付近に生じる。倍率α2(アンダサンプリング時は、1/α2)が非整数である場合、モアレ成分は主に空間周波数ゼロ以外に生じる。例えば、倍率α2が非整数である場合、倍率α2が整数であるときに比べて、空間周波数がゼロ付近に生じるモアレ成分の振幅は小さくなる。よって、倍率α1が整数である場合、倍率α2が非整数となるように、第二の空間サンプリング周波数が設定されるとよい。本実施の形態では、第二のサンプリング周波数は、パネル空間周波数の1.75倍である。
【0130】
図11Bは、実施の形態3に係る1.75倍オーバサンプリング時におけるモアレ成分を示す図である。具体的には、撮像装置30が1.75倍オーバサンプリングを行ったときに撮像して得られた第二の画像における、空間周波数分布を示す図である。
【0131】
図11Bに示すように、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波は、表示パネル20の構造に起因して生じる成分である。また、モアレ9及び10はそれぞれ、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返された成分を示す。
【0132】
基本波は、空間周波数が1/1.75fs(=fd)に生じる周波数成分であり、表示パネル20が緑ラスタ表示を行っていることで生じる成分である。2倍高調波は基本波の2倍の空間周波数(2/1.75fs)に生じる高調波成分であり、3倍高調波は基本波の3倍の空間周波数(3/1.75fs)に生じる高調波成分である。2倍高調波及び3倍高調波は、基本波の高調波成分であり、減衰している。つまり、2倍高調波及び3倍高調波の振幅は、基本波の振幅より小さくなる。
【0133】
空間周波数3/7fsに生じるモアレ9は、基本波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる成分である。モアレ9は、表示パネル20の輝度ムラの空間周波数の領域(
図11Bに示すムラ領域)外に存在する。モアレ9の振幅は、基本波の振幅により定まる。つまり、モアレ9の振幅は、モアレ10より大きい。
【0134】
空間周波数1/7fsに生じるモアレ10は、2倍高調波がナイキスト周波数で折り返すことで生じる成分である。モアレ10は、表示パネル20のムラ領域内に存在する。モアレ10の振幅は、2倍高調波の振幅により定まる。なお、モアレ10は、第二のモアレ成分の一例である。
【0135】
なお、3倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、表示ムラへの影響が実質的に無視できるレベルであり、図示を省略している。
【0136】
フィルタ144bは、第二の画像からムラ領域内に生じるモアレ10を除去するための電気フィルタである。
図11Bに示すように、フィルタ144bは、空間周波数1/7fsを含む空間周波数成分を除去する。フィルタ144bは、例えば、空間周波数1/7fsを減衰帯域の中心周波数とするバンドエリミネーションフィルタである。なお、第二の空間サンプリング周波数で撮像された第二の画像に含まれるモアレの空間周波数成分であり、輝度ムラの空間周波数の領域内に存在するモアレ10を除去する第三の電気フィルタの一例である。また、フィルタ144bは、フィルタ144aと除去する空間周波数帯域が異なる。
【0137】
なお、倍率α2が非整数である場合、撮像装置30のサンプリング周波数の設定値によって、基本波、2倍高調波、及び、3倍高調波が生じる空間周波数は異なる。つまり、モアレが生じる空間周波数が異なる。
【0138】
基本波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、パネル空間周波数fdに対するサンプリング周波数fs2の倍率をα2、係数をn2とすると、
ABS(fs2/α2−n2×fs2) ・・・(式10)
により定まる。ただし、式10における係数n2は、
ABS(fs2/α2−n2×fs2)<fs2/2 ・・・(式11)
を満たす整数である。本実施の形態では、fs2/α2は、1/1.75fsである。また、式11を満たす係数n2は、1となり、式10は3/7fsとなる。つまり、
図11Bに示すように、基本波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、モアレ9となる。
【0139】
2倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、
ABS(2fs2/α2−n2×fs2) ・・・(式12)
により定まる。ただし、式9における係数n2は、
ABS(2fs2/α2−n2×fs2)<fs2/2 ・・・(式13)
を満たす整数である。本実施の形態では、2fs2/α2は、2/1.75fsである。また、式13を満たす係数n2は、1となり、式9は1/7fsとなる。つまり、
図11Bに示すように、2倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、モアレ10となる。
【0140】
3倍高調波がナイキスト周波数で折り返したモアレ成分は、
ABS(3fs3/α3−n3×fs3) ・・・(式14)
により定まる。ただし、式14における係数n2は、
ABS(3fs2/α2−n2×fs2)<fs2/2 ・・・(式15)
を満たす整数である。本実施の形態では、3fs2/α2は、3/1.75fsである。また、式15を満たす係数n2は、2となり、式14は2/7fsとなる。
【0141】
なお、上記のように、式10、式12、及び、式15に含まれる係数n2は、互いに独立しており、例えば、少なくとも一部が異なる値であってもよい。また、上記式10〜式15は一例であり、他の式によりモアレの空間周波数が算出されてもよい。
【0142】
ここで、フィルタ44及びフィルタ144bにより所定の空間周波数成分が除去された第二の画像の空間周波数分布について、
図12Bを参照しながら説明する。
【0143】
図12Bは、実施の形態3に係る1.75倍オーバサンプリング時におけるモアレ除去後の第二の画像の空間周波数特性を示す図である。
【0144】
図12Bに示すように、第二の画像から空間周波数1/4fd(
図11Bに示す空間周波数1/7fs)付近及び高周波成分(例えば、1/2fd以上の成分)が除去される。具体的には、フィルタ44により1/2fd(
図11Bに示す空間周波数1/3.5fs)以上の空間周波数成分が第二の画像から除去される。フィルタ44は、第一のフィルタの一例である。また、フィルタ144bにより空間周波数1/4fd(
図11Bに示す空間周波数1/7fs)付近の空間周波数成分が第二の画像から除去される。
【0145】
そして、補正テーブル生成部45は、フィルタ44、144a及び144bによりモアレが除去された第一の画像と第二の画像とを合成した合成画像を生成し、当該合成画像から補正テーブルを算出する。合成画像の空間周波数分布について、
図12Cを参照しながら説明する。
【0146】
図12Cは、実施の形態3に係る合成後の空間周波数特性を示す図である。
【0147】
図12Cに示すように、合成後の空間周波数分布は、ムラ領域内におけるモアレ成分が除去された空間周波数分布が得られる。これにより、よりモアレが低減された撮像画像(ムラ撮像画像)を生成することができる。
【0148】
[3−2.画質調整システムの処理]
次に、上記の画質調整システム100の処理について、
図13を参照しながら説明する。
【0149】
図13は、実施の形態3に係る画質調整装置140の処理の一例を示すフローチャートである。
【0150】
図13に示すように、まず、画質調整装置140は、表示パネル20の表示を、一部のサブ画素(例えば、サブ画素21b)点灯した測定用画像に制御する(S20)。具体的には、点灯制御部42は、表示パネル20の複数のサブ画素21a〜21cのうちサブ画素21bのみが点灯した測定用画像を表示パネルに表示させる。これにより、表示パネル20は、例えば、全面が緑色の画像を表示する。なお、点灯制御部42は、複数のサブ画素21bそれぞれに対する階調値が同じである画像信号を表示パネル20に出力する。
【0151】
次に、画質調整装置140は、撮像装置30のサンプリング周波数を第一の空間サンプリング周波数に制御する(S21)。本実施の形態では、撮像制御部41は、撮像装置30のサンプリング周波数が表示パネル20のパネル空間周波数の2.0倍となるように、撮像装置30が備えるレンズの倍率を制御する。そして、撮像装置30は、測定用画像を表示した表示パネル20を撮像する。
【0152】
次に、画質調整装置140は、撮像装置30が第一のサンプリング周波数で表示パネル20を撮像した撮像画像(第一の画像の一例)の第一の空間周波数分布を生成する(S22)。具体的には、モアレ抑制部143は、撮像装置30から取得した撮像画像から当該撮像画像の空間周波数分布を生成する(
図11Aを参照)。そして、画質調整装置140は、第一の画像からモアレ成分を除去する(S23)。具体的には、モアレ抑制部143は、第一の画像から表示パネル20の表示ムラにより生成されるムラ領域に存在するモアレ成分を少なくとも除去する。例えば、フィルタ144aにより、第一の画像から空間周波数ゼロ付近及びfd/2以上の空間周波数成分が除去される。
【0153】
次に、画質調整装置140は、撮像装置30のサンプリング周波数を第二の空間サンプリング周波数に制御する(S24)。つまり、撮像装置30のサンプリング周波数は、第一の空間サンプリング周波数から第二のサンプリング周波数に変更される。具体的には、撮像制御部41は、撮像装置30のサンプリング周波数が表示パネル20のパネル空間周波数の1.75倍となるように、撮像装置30が備えるレンズの倍率を制御する。そして、撮像装置30は、測定用画像を表示した表示パネル20を撮像する。なお、このとき点灯制御部42は、表示パネル20の表示を変更しない。つまり、撮像装置30は、第一の空間サンプリング周波数で表示パネル20を撮像するとき、及び、第二の空間サンプリング周波数で表示パネル20を撮像するときで、同一の測定用画像を撮像する。
【0154】
次に、画質調整装置140は、撮像装置30が第二のサンプリング周波数で表示パネル20を撮像した撮像画像(第二の画像の一例)の第二の空間周波数分布を生成する(S25)。具体的には、モアレ抑制部143は、撮像装置30から取得した撮像画像から当該撮像画像の空間周波数分布を生成する(
図11Bを参照)。そして、画質調整装置140は、第二の画像からモアレ成分を除去する(S26)。具体的には、モアレ抑制部143は、第二の画像から表示パネル20の表示ムラにより生成されるムラ領域に存在するモアレ成分を少なくとも除去する。例えば、フィルタ44及びフィルタ144bにより、第二の画像から空間周波数ゼロ付近及びfd/2以上の空間周波数成分が除去される。
【0155】
次に、画質調整装置140は、モアレを除去した第一及び第二の画像を合成し、ムラ画像を生成する(S27)。以降、ステップS28及びS29は、
図4のステップS14及びS15と同様であり、説明を省略する。
【0156】
なお、上記ではステップS23及びS26でfd/2以上の高周波成分を除去している例を示したが、これに限定されない。ステップS23及びS26のそれぞれでは、表示パネル20の表示ムラにより生成されるムラ領域内に存在するモアレ成分(例えば、
図11Aのモアレ8及び
図11Bのモアレ10)が少なくとも除去されればよい。fd/2以上の高周波成分は、例えば、フィルタ44によりムラ画像生成後に当該ムラ画像から除去されてもよい。
【0157】
[3−3.効果など]
以上説明したように、撮像制御部41は、さらに、撮像装置30の空間サンプリング周波数を第一の空間サンプリング周波数とは異なる第二の空間サンプリング周波数に制御する。画質調整装置140は、さらに、第一の空間サンプリング周波数で撮像された第一の画像に含まれるモアレの空間周波数成分である第一のモアレ成分であって、表示パネル20の表示ムラの空間周波数の領域内に存在する第一のモアレ成分を除去するフィルタ144a(第二の電気フィルタの一例)と、第二の空間サンプリング周波数で撮像された第二の画像に含まれるモアレの空間周波数成分である第二のモアレ成分であって、表示ムラの空間周波数の領域内に存在する第二のモアレ成分を除去するフィルタ144b(第三の電気フィルタの一例)と、を備える。フィルタ144aが除去する周波数帯域とフィルタ144bが除去する周波数帯域とは、異なる。
【0158】
これにより、表示パネル20の表示ムラにより生成されるムラ領域に無視できないレベルのモアレが存在する場合であっても、当該モアレが除去された少なくとも2つの撮像画像(例えば、第一の画像及び第二の画像)を合成することにより、モアレが除去されたムラ撮像画像を生成することができるので、モアレをより抑制することができる。また、撮像装置30が設定できる空間サンプリング周波数の自由度が増す。例えば、表示パネル20と撮像装置30との組み合わせで、所望の空間サンプリング周波数に設定できない場合などに有効である。
【0159】
また、倍率α1は整数であり、パネル空間周波数fdに対する第二の空間サンプリング周波数の倍率をα2としたときに、当該倍率α2は非整数である。
【0160】
これにより、倍率α1及びα2(アンダサンプリングの場合は、1/α1)が整数の場合、空間周波数ゼロ(DC成分)付近に折り返し成分(モアレ成分)が集中して生じ、倍率α1及びα2(アンダサンプリングの場合は、1/α1)が非整数の場合、空間周波数ゼロ(DC成分)付近のモアレは小さくなる。よって、倍率α1が整数のときに撮像された第一の画像と、倍率α2が非整数のときに撮像された第二の画像とを合成することで、より高精度にモアレが除去されたムラ画像を生成することができる。
【0161】
また、フィルタ144aは、空間周波数ゼロを含む空間周波数成分を除去し、フィルタ144bは、第二の空間サンプリング周波数をfs2としたときに、ABS(fs2/α2−n2×fs2)、ABS(2fs2/α2−n2×fs2)、および、ABS(3fs2/α2−n2×fs2)のうちの少なくとも1つを除去する。ただし、ABS(fs2/α2−n2×fs2)における係数n2は、ABS(fs2/α2−n2×fs2)<fs2/2を満たす整数であり、ABS(2fs2/α2−n2×fs2)における係数n2は、ABS(2fs2/α2−n2×fs2)<fs2/2を満たす整数であり、ABS(3fs2/α2−n2×fs2)における係数n2は、ABS(3fs2/α2−n2×fs2)<fs2/2を満たす整数である。
【0162】
これにより、倍率α1が整数の場合、空間周波数ゼロ(DC成分)付近に集中して生じる折り返し成分(モアレ成分)を効果的に除去することができる。また、倍率α2が非整数の場合、倍率α2の値によりモアレが生じる空間周波数は異なるが、当該モアレを当該空間周波数に応じて効果的に除去することができる。
【0163】
また、フィルタ44は、さらに、第二の画像から、少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去する。
【0164】
これにより、第二の画像においても、fd/2以上の空間周波数成分を除去することができるので、よりモアレが抑制された第二の画像を生成することができる。
【0165】
また、フィルタ44は、倍率α1及び倍率α2が1より大きい場合に、前記第一の画像、及び、前記第二の画像のそれぞれから前記少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去する。
【0166】
これにより、第一の画像及び第二の画像を合成後に所定の空間周波数成分を除去する処理が不要となる。
【0167】
また、フィルタ44は、倍率α1及び倍率α2が1より大きい場合に、第一のモアレ成分が除去された第一の画像、及び、第二のモアレ成分が除去された第二の画像を合成した合成画像から少なくともfd/2以上の空間周波数成分を除去する。
【0168】
これにより、fd/2以上の空間周波数成分を除去する処理を1回の処理で行うことができる。
【0169】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る画質調整装置、画質調整システム、及び、画質調整方法について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0170】
例えば、上記実施の形態では、画質調整装置などは、表示ムラとして輝度ムラを補正する補正テーブルを生成したが、これに限定されない。画質調整装置などは、輝度ムラ及び色ムラの少なくとも一方を補正する補正テーブルを生成してもよい。画質調整装置は、例えば、3つのサブ画素のそれぞれに対して当該サブ画素に対応した補正テーブルを生成することで、輝度ムラ及び色ムラを補正してもよい。例えば、点灯制御部が表示パネルのサブ画素のうち赤色を発するサブ画素のみを点灯させ、撮像装置は赤色の画像(測定用画像の一例)を表示する表示パネルを撮像する。画質調整装置は、撮像装置が撮像した画像から、赤色を発するサブ画素に対応した補正テーブルを生成する。また、緑色を発するサブ画素及び青色を発するサブ画素においても、同様処理が行われ、緑色を発するサブ画素に対応した補正テーブル、及び、青色を発するサブ画素に対応した補正テーブルが生成される。これにより、3つのサブ画素のそれぞれに対応した補正テーブルが生成される。
【0171】
また、上記実施の形態では、撮像装置は、モノクロ撮像素子を有する例について説明したが、これに限定されない。撮像装置は、例えば、カラー撮像素子を有していてもよい。撮像装置がカラー撮像素子を有している場合、1回の測定で、輝度ムラ及び色ムラを補正する補正テーブルを生成することができる。
【0172】
また、上記実施の形態では、表示パネルは、1画素が3つのサブ画素で形成される例について説明したが、これに限定されない。表示パネルは、1画素が4つ以上のサブ画素で形成されていてもよい。また、サブ画素は3原色(赤色、緑色、及び、青色)のうちの1色を発する例について説明したが、これに限定されない。画素を形成する複数のサブ画素の少なくとも1つは、3原色以外の色を発してもよい。
【0173】
また、点灯制御部は、実施の形態3のように、撮像装置が複数種類のサンプリング周波数で表示パネルの撮像を行う場合、表示パネルの点灯状態を複数のサブ画素の一部を点灯させる制御を行わなくてもよい。点灯制御部は、撮像装置が複数種類のサンプリング周波数で表示パネルの撮像を行う場合、例えば、複数のサブ画素を全て点灯させる(例えば、白ラスタ表示させる)制御を行ってもよい。
【0174】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、プロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、一つのチップに集積されていてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよし、複数の装置に備えられていてもよい。
【0175】
また、上記実施の形態において説明された複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は、変更されてもよいし、複数の処理は、並行して実行されてもよい。
【0176】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。