(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに屈曲するよう、可撓性である、請求項2に記載のアプリケータ器具。
前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記関節運動シャフトが直線形状であるときに実質的に直線状であり、前記関節運動シャフトが前記関節運動した形状であるときに湾曲している、請求項3に記載のアプリケータ器具。
前記発射ロッドと前記第1枢軸旋回接続部との間に位置する発射ロッド支持体を更に備え、前記発射ロッド支持体は、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに、前記発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する、請求項4に記載のアプリケータ器具。
前記関節運動シャフト内に配置された複数の外科用締結具を更に含み、各前記発射サイクル中に、前記外科用締結具の先頭の1つが分与される、請求項1に記載のアプリケータ器具。
前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに屈曲するよう、可撓性である、請求項12に記載のアプリケータ器具。
前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記関節運動シャフトが直線形状であるときに実質的に直線状であり、前記関節運動シャフトが前記関節運動した形状であるときに湾曲している、請求項13に記載のアプリケータ器具。
前記発射ロッドと前記第1枢軸旋回接続部との間に位置する発射ロッド支持体を更に備え、前記発射ロッド支持体は、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに、前記発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する、請求項14に記載のアプリケータ器具。
前記関節運動シャフト内に配置された複数の外科用締結具を更に含み、各前記発射サイクル中に、前記外科用締結具の先頭の1つが分与される、請求項10に記載のアプリケータ器具。
前記発射ロッドと前記関節運動継手の第1枢軸旋回接続部との間に位置する発射ロッド支持体を更に備え、前記発射ロッド支持体は、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに、前記発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する、請求項18に記載のアプリケータ器具。
【背景技術】
【0002】
ヘルニアは、患者の腹部筋肉壁又は鼠径部内の弱い場所又は欠陥を貫通して腸管又は腸の小さいループが突出する状態である。この状態は一般的にヒト、特に男性に生じる。この種類のヘルニアは、先天性の欠陥から生じる場合があり、したがって患者は、腹部手術の前に、生まれつきこの状態になりやすい傾向にあるか、又は酷使若しくは重いものを持ち上げることによって生じ得る。重いものを持ち上げることは、腹壁に多大な圧力を生じさせ、腹筋の弱い部分で破裂又は破断を生じさせ、欠損部又は開口を生じさせる場合があることが知られているだろう。いずれの場合においても、患者はその欠損部を貫通して突出する見た目の悪い腸組織の出っ張りを有する状態となり、これが痛み、持ち上げる力の低下を生じさせる場合があり、場合によっては大腸の圧迫、又は、突出組織への血流が遮断された場合は他の合併症を生じさせ可能性がある。
【0003】
上述した問題に対する一般的な解決法は外科手術であり得る。外科的手術の間、開いた切開部を通じて、又はトロカールなどのアクセスポートを通じて内視鏡的に、欠損部にアクセスし、欠損部を注意深く検査する。いずれにせよ、血管及び神経の網状組織が典型的な欠損領域に存在するため、注意深い検査が必要とされ、これは、外科医が高度な技術及び注意をもってヘルニア治療を行うことを必要とする。この領域には、胃血管、外腸骨血管、及び下腹壁血管、並びに鼠径床を通じて延びる輸精管などの生殖管などの血管構造が見出され得る。
【0004】
一旦、外科医が患者の生体構造に精通すると、外科医は、欠損部を通して内臓を患者の腹部内に慎重に再配置する。欠損部の修復は、縫合糸又は締結具を用いた欠損部の閉鎖を伴う場合があるが、一般的には、従来型の縫合糸又は外科用締結具を用いた、欠損部上へのメッシュパッチなどの外科用プロテーゼの配置、及び腹壁又は鼠径床へのメッシュパッチの取り付けを伴う。メッシュパッチはバリアとして機能し、欠損部を通した腸の排出を防ぐ。鼠径床にメッシュパッチを縫合することには、開放式手術が非常に適している場合があるが、内視鏡手術では、はるかに困難で時間がかかる場合がある。内視鏡手術が適用される場合、外科用締結具を適用する内視鏡外科用器具が使用され得る。しかしながら、クーパー靭帯などの構造を貫通するために針又は締結具が使用される場合に、鼠径床の組織は特殊な困難を外科医に提示し得る。
【0005】
現在、メッシュパッチを鼠径床に取り付けるために、内視鏡又は開放式手術において外科医が使用するために利用できる、様々な外科用器具及び締結具が存在する。使用される最も古いタイプの内視鏡外科用器具の1つは、外科用ステープラである。複数の又は積み重ねた、これらの形成されていないステープルは一般的に、連続的な様式でステープルカートリッジ内に収容されている場合があり、かつ、ばね機構によって器具内で順次前進させられるか又は送達され得る。積み重ね体から最遠位のステープルを分離し、ばねで留めた積み重ね体の残りを保持するために二次弁機構又は送達機構が利用され得、かつ最遠位ステープルをステープル形成機構に送達するためにこの機構を使用することができる。この種類の供給機構は、米国特許第5,470,010号(Rothfussら)、及び同第5,582,616号(同じくRothfussら)に見出される。
【0006】
別のヘルニアメッシュ取り付け器具は、ばねの小部分に似た螺旋状ワイヤ締結具を用いる。多数の螺旋状ワイヤ締結具は、5mmシャフト内に連続的に保存されてもよく、組織内へと螺旋状に進められるか又は回転されてもよい。荷重ばねが、複数の螺旋状締結具をシャフト内の遠位方向に付勢又は供給するために用いられ得る。突出部はシャフト内に延伸して、荷重ばねによる締結具の積み重ね体の排出を防ぎ得、また回転式締結具の通過を可能にし得る。これらの種類の器具及び締結具は、米国特許第5,582,616号(Bolducら)、同第5,810,882号(Bolducら)、及び同第5,830,221号(Steinら)に見出される。
【0007】
一方で、上記の外科用器具はヘルニア締結用途に使用されてもよく、これらは外科用器具を通じて複数の締結具を送達するためにばね機構を使用する。ばね機構は、通常、長く柔らかいコイルばねを使用して、外科用器具のシャフト内のガイド又はトラックを介して締結具の積み重ね体を押す。これらの種類の送達機構は、一般的に単純かつ確実であり得るが、積み重ね体から1つの締結具を分離し送達するために、追加的な二次弁機構又は突出部を必要とし得る。
【0008】
ヘルニアメッシュ取り付けのために、他の外科用締結具が使用され得るが、そうした締結具は、少量の締結具を保持する、再装填可能な単発器具又は回転式マガジンのいずれかを利用する。これらの種類の外科用締結器具は、米国特許第5,203,864号及び同第5,290,297号(いずれもEdward Phillips)に見出され得る。これらの器具は外科のコミュニティでは受け入れられておらず、その理由は恐らくは、これらの単発の能力及び回転式マガジンの大きな寸法により、このような器具が開放式手術に限定されるためである。
【0009】
上記の全ての外科用器具はヘルニア締結用途に使用され得るが、これらは外科用器具を通じて複数の締結具を送達するためのばね機構、又は送達機構の代わりに回転式マガジンのいずれかを使用する。外科用クリップなどの、他の種類の外科用締結具も利用可能であり得、これらはクリップを遠位に送達するために、ばねの使用を必要としない送達機構を利用し得る。往復式給送機構は、米国特許第5,601,573号、同第5,833,700号、及び同第5,921,997号(Fogelbergら)に記載されている。Fogelbergらの参照文献には、往復式フィードバーを利用してクリップの連続積み重ね体を給送する給送機構付きクリップ適用器具が教示されている。フィーダーシューは遠位方向に移動するフィードバーと動作可能に係合してかつ共に移動し、また近位方向に移動するフィードバーと摺動可能に係合し得る。そのため、フィーダーシューは、遠位方向に移動するフィードバーと共にクリップの積み重ね体を遠位方向に割送り又は押すことができ、近位方向に移動するフィードバーに対しては静止状態を維持する。弁機構はまた、積み重ね体から最遠位クリップを分離し、最遠位クリップが血管に適用され得る際に、積み重ね体を静的に維持することを要求されることがある。Fogelbergらの参照文献は、単一の往復部材を有する往復式送達機構を教示するが、これらはヘルニアメッシュの取り付けにおけるクリップ適用器具の使用を教示せず、また移動部材による各クリップの個別の駆動又は送達も教示していない。
【0010】
米国特許第3,740,994号(DeCarlo Jr.)は、複数のステープル又はクリップを割送りし得、かつ一対の対向する板ばねアセンブリのうちの一方を往復運動させることによって複数のステープル又はクリップの発射の準備をさせ得る、新規な往復式供給機構を説明する。ステープルは、ガイドレールの平面内に延在する固定した板ばねアセンブリと共に、ガイドレール内に連続して存在する。往復運動する板ばねアセンブリは、固定された板ばねアセンブリに向かって内側に対向して延びる。往復式板ばねアセンブリが遠位方向に移動すると、アセンブリの独立した板ばねの各々はステープルと係合してこれを遠位方向に移動させ得る。遠位方向に移動するステープルによって、固定した板ばねアセンブリの局所の独立した板ばねが偏向され、偏向した板ばねは、ステープルが通過した後に非偏向位置に戻り得る。移動する板ばねアセンブリが近位方向に移動すると、固定した板ばねアセンブリの板ばねはステープルを静止状態に維持し、その近位方向の移動を防ぐ。二次ガイドレール及び弁機構は、積み重ね体から単一のステープルを分離して形成するために設けられ得、また単一のクリップが形成されると、ステープルの積み重ね体を静止状態に維持し得る。
【0011】
加えて、類似の供給機構は、米国特許第4,478,220号(DiGiovanniら)、及び同第4,471,780号(Mengesら)に開示されている。これらの関連特許の両方には、1つの固定部材及び1つの往復部材を用いて、複数のクリップを供給するか又は遠位方向に割送りする往復式供給機構が教示されている。角度を付けられた可撓性フィンガがヒンジ連結によって往復部材に取り付けられ、遠位方向に移動するときにクリップと動作可能に係合し、近位方向に移動するときにクリップと摺動可能に係合し得る。クリップが遠位方向に移動して跳ね上がると、固定された部材内の角度を付けられた可撓性フィンガが常道を外れて偏向し、クリップが通過した後にクリップの近位方向の移動を阻止する。二次弁機構も更に開示される。
【0012】
その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第7,485,124号は、複数の独立した外科用締結具を送達するための装置を教示している。一実施形態において、送達装置は、遠位端及び近位端を有する駆動機構を含む。駆動機構は、移動部材及び固定された対向部材を有し、それにより、移動部材は送達装置に対して近位方向及び遠位方向に移動可能である。移動部材は、組織を貫通するための尖った遠位端を有する。装置は、第1の部材と第2の部材との間に位置した少なくとも1つの外科用締結具を含む。少なくとも1つの外科用締結具の各々は、近位端及び遠位端を有する。装置はまた、少なくとも2つの連続位置を有するアクチュエータを有する。移動部材を遠位方向に移動させ、組織を貫通するための第1位置、及び、移動部材を近位方向に移動させ、それによって締結具の遠位端を配置するための第2位置である。
【0013】
腹腔鏡的に使用されるメッシュを固定するためのタックは、一般的にステンレス鋼、ニチノール、又はチタンなどの金属から作製されている。金属製タックは、十分な保持強度、様々なプロテーゼメッシュの貫通、及び製造の容易さを提供するために必要であった。最近まで市販の吸収性タックは存在せず、外科医は、身体内に恒久的に残留しない固定手段を提供するには吸収性縫合糸を使用するしかなかった。しかしながら、縫合糸の使用は、腹腔鏡処置では過度に困難であるので、治療が開放式で行われる場合を除いては一般的に使用されない。異質体の蓄積が最小限である、より侵襲性の低い技術に繋がる外科的傾向により、腹腔鏡的に適用され得る外形が最小の吸収性タックが必要とされている。
【0014】
その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,920,439号は、近位シャフト部と遠位シャフト部とを備えた細長いシャフトを有する外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具を開示する。アプリケータ器具は、遠位シャフト部と近位シャフト部との間の角度を選択的に変更するための、遠位シャフト部に連結された関節運動制御装置を有する。この関節運動制御装置は、シャフトを通って延びる少なくとも1つの可撓性リンクを有し、かつ、アクチュエータに接続された近位端と、遠位シャフト部に接続された遠位端とを有する。アクチュエータは、少なくとも1つの可撓性リンクを近位方向及び遠位方向に移動させるために、ハウジングの近位端と遠位端との間を摺動するようにハウジングに取り付けられる。外科用締結具は、細長いシャフトの遠位端から1つずつ分与されるように、細長いシャフト内に配置される。上述の利点にもかかわらず、腹腔鏡手術中の状態は外科医にとって課題を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
人間工学的に改善され、同側性(同じ側)のメッシュの緊張を可能にし、体腔内及び体腔外の両方での操作性を提供するような、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具の必要性が依然として存在する。また、シャフトが関節運動したときに最適化された遠位シャフト強度を有し、かつ、装置の複雑さ及びユーザ体験を単純化するための所定の関節角度を提供するような、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具の必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施形態において、外科用締結具を分与するアプリケータ器具は、遠位端を有するハンドルと、ハンドルの遠位端から延びる関節運動シャフトであって、この関節運動シャフトは、長手方向軸を有する近位シャフト部と、遠位シャフト部と、近位シャフト部と遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手とを含む関節運動シャフトとを備える。一実施形態において、近位シャフト部は、近位外側チューブと、この近位外側チューブの内側に配置された近位内側部材とを有する。一実施形態において、近位内側部材はハンドルの遠位端に堅固に固定されており、近位外側チューブは、近位内側部材に対して遠位方向及び近位方向に長手方向軸に沿って摺動するように適合されている。
【0017】
一実施形態において、遠位シャフト部は、遠位外側チューブと、この遠位外側チューブの内側に配置された遠位内側部材とを含む。一実施形態において、遠位外側チューブは遠位内側部材に対して遠位及び近位に摺動するように適合されている。一実施形態において、遠位内側部材は、外科用締結具分与窓を有する遠位端面を有する。
【0018】
一実施形態において、関節運動継手は、近位外側チューブの遠位端と遠位外側チューブの近位端との間の第1枢軸旋回接続部、及び、近位内側部材との第2枢軸旋回接続部と、遠位外側チューブとの第3枢軸旋回接続部とを含む接合部材を含む。
【0019】
一実施形態において、関節運動制御要素は、近位外側チューブを長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向に移動させるように、近位外側チューブに連結され、この近位外側チューブの遠位移動は、関節運動継手を介した遠位シャフト部の近位シャフト部に対する関節運動をもたらす。
【0020】
一実施形態において、アプリケータ器具は、遠位内側部材の遠位端面とハンドルの遠位端との間の一定の距離を維持するよう、近位内側部材と遠位内側部材とを相互接続する非圧縮性部材を含む。一実施形態において、関節運動する遠位シャフト部が直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、遠位外側チューブの最遠位端とハンドルの遠位端との間の距離が変化するが、非圧縮性部材が、遠位内側部材の遠位端面とハンドルの遠位端との間の一定の距離を維持する。
【0021】
一実施形態において、アプリケータ器具は、ハンドル内に配置された発射システムを有し、この発射システムは発射ロッドを含み、この発射ロッドは、関節運動シャフトを通って延在し、かつ発射サイクル中に遠位方向及び近位方向に移動する。一実施形態において、アクチュエータ(例えばトリガ)が、発射システムを作動させるためにハンドルに連結される。一実施形態において、発射システムの位置は、装置のハンドル端部内の機構又は構成要素によって制御される。
【0022】
一実施形態において、非圧縮性部材及び発射ロッドは、遠位シャフト部が近位シャフト部に対して関節運動したときに屈曲するよう、可撓性である。一実施形態において、非圧縮性部材及び発射ロッドは、関節運動シャフトが直線形状であるときに直線状であり、関節運動シャフトが関節運動した形状であるときに湾曲している。
【0023】
一実施形態において、アプリケータ器具は、発射ロッドと第1枢軸旋回接続部との間に位置する発射ロッド支持体を含む。発射ロッド支持体は、遠位シャフト部が近位シャフト部に対して関節運動したときに、発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する。一実施形態において、非圧縮性部材は、発射ロッドと発射ロッド支持体の支持表面との間に位置している。別の実施形態において、この非圧縮性部材は、発射ロッド支持体である。
【0024】
一実施形態において、関節運動シャフト内に複数の外科用締結具が配置され、それによって、各発射サイクル中に、外科用締結具の先頭の1つが分与される。一実施形態において、関節運動シャフト内の外科用締結具のうちの1つのみが、いつの時点でも、遠位シャフト部内に配置され、残りの外科用締結具は近位シャフト部内に配置される。
【0025】
一実施形態において、関節運動制御要素は、遠位シャフト部と近位シャフト部との間の関節角度を増大させる第1の方向に移動可能であり、かつ、遠位シャフト部と近位シャフト部との間の関節角度を減少させる第2の反対方向に移動可能である。
【0026】
一実施形態において、外科用締結具を分与するアプリケータ器具は、ハンドルと、ハンドルの遠位端から延びる関節運動シャフトであって、この関節運動シャフトは、長手方向軸に沿って延びる近位シャフト部と、遠位シャフト部と、近位シャフト部と遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手とを含む関節運動シャフトとを備える。近位シャフト部は、長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向に摺動するように適合された近位外側チューブと、ハンドルの遠位端に堅固に固定された近位外側チューブの内側に配置された近位内側部材とを含む。一実施形態において、遠位シャフト部は、遠位外側チューブと、遠位外側チューブの内側に配置された遠位内側部材とを含み、遠位外側チューブは遠位内側部材に対して遠位及び近位に摺動するように適合されており、更に、遠位内側部材は、外科用締結具分与窓を有する遠位端面を有する。一実施形態において、関節運動継手は、近位外側チューブの遠位端と遠位外側チューブの近位端との間の第1枢軸旋回接続部を有し、及び、接合部材は、近位内側部材との第2枢軸旋回接続部と、遠位外側チューブとの第3枢軸旋回接続部とを含む。一実施形態において、関節運動制御要素は、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を変えるように、関節運動シャフトに連結される。一実施形態において、非圧縮性部材が近位内側部材と遠位内側部材とを相互接続し、関節運動シャフトが直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、遠位内側部材の遠位端面とハンドルの遠位端との間の一定の距離を維持する。
【0027】
一実施形態において、関節運動シャフトが直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、遠位外側チューブの最遠位端とハンドルの遠位端との間の距離が変化するが、非圧縮性部材は、関節運動シャフトが直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、遠位内側部材の遠位端面とハンドルの遠位端との間の一定の距離を維持する。
【0028】
一実施形態において、外科用締結具を分与するアプリケータ器具は、ハンドルと、ハンドルの遠位端から延びる関節運動シャフトであって、この関節運動シャフトは、長手方向軸に沿って延びる近位シャフト部と、遠位シャフト部と、近位シャフト部と遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手とを含む関節運動シャフトと、ハンドル内に配置され、関節運動シャフトを通って延びる発射ロッドを含む発射システムと、を含む。
【0029】
一実施形態において、アクチュエータが、発射システムを作動させるためにハンドルに連結される。
【0030】
一実施形態において、近位シャフト部は、長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向に摺動するように適合された近位外側チューブと、ハンドルの遠位端に堅固に固定された近位外側チューブの内側に配置された近位内側部材とを含む。
【0031】
一実施形態において、遠位シャフト部は、遠位外側チューブと、遠位外側チューブの内側に配置された遠位内側部材とを含み、遠位外側チューブは遠位内側部材に対して遠位及び近位に摺動するように適合されており、更に、遠位内側部材は、外科用締結具分与窓を有する遠位端面を有する。
【0032】
一実施形態において、関節運動制御要素は、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を変えるように、関節運動シャフトに連結される。
【0033】
一実施形態において、非圧縮性部材は、遠位内側部材の遠位端面とハンドルの遠位端との間の一定の距離を維持するよう、近位内側部材と遠位内側部材とを相互接続する。一実施形態において、関節運動シャフトが直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、遠位外側チューブの最遠位端とハンドルの遠位端との間の距離が変化するが、非圧縮性部材は、遠位内側部材の遠位端面とハンドルの遠位端との間の一定の距離を維持する。
【0034】
一実施形態において、発射ロッド支持体は、発射ロッドと、関節運動継手の第1枢軸旋回接続部との間に位置する。一実施形態において、発射ロッド支持体は、遠位シャフト部が近位シャフト部に対して関節運動したときに、発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する。一実施形態において、非圧縮性部材は、発射ロッドと発射ロッド支持体の支持表面との間に位置している。別の実施形態において、この非圧縮性部材は、発射ロッド支持体である。
【0035】
一実施形態において、関節運動する腹腔鏡装置は、近位端、遠位端及び長手方向軸を有する近位側の細長いハウジングと、近位ハウジングの近位端に取り付けられたハンドルと、近位ハウジングに枢動的に接続された遠位ハウジングとを含む。
【0036】
一実施形態において、この装置は、近位ハウジングの遠位端又は遠位ハウジングの近位端のいずれか一方に枢動的に接続された近位端を有する接合部材を含み、遠位端は、接合部材の近位端に接続されていないハウジングに摺動可能かつ枢動的に接続される。
【0037】
一実施形態において、外科用締結具は、近位ハウジング及び/又は遠位ハウジング内に配置される。
【0038】
一実施形態において、近位ハウジングの内部の視覚インジケータは、近位ハウジング上のマーキングの直線的目盛と整列し、現在の関節角度を表示する。
【0039】
一実施形態において、接合部材は、近位ハウジング又は遠位ハウジングの横断面を反映するように輪郭付けされる。
【0040】
一実施形態において、遠位ハウジングは、近位ハウジングに対して直線形状と一定角度との間で切り替わり、好ましくは30〜60度の間で切り替わる。
【0041】
一実施形態において、遠位ハウジングは、直線形状と、近位ハウジングに対する任意の角度との間で調節可能であり、好ましくは30〜60度の間で調節可能である。
【0042】
一実施形態において、締結具の供給及びステージングは、遠位ハウジングの近位で起こる。
【0043】
一実施形態において、デバイスの遠位端を表す遠位端面を有する遠位内側部材は、遠位ハウジングに摺動可能に係合し、かつ、関節運動中にハンドルから遠位面まで一定の距離を確保する非圧縮性の可撓性接続部を介してハンドルに接続される。これは、一定の発射ストロークを維持するのに重要である。
【0044】
近位シャフト部と、遠位シャフト部と、関節運動のための枢軸旋回接続部を形成する関節運動継手とを備えるアプリケータ器具を提供することによって、複数の利点が得られる。第1に、関節の強度は、最大直径を有する近位シャフト部及び遠位シャフト部によって支持され、最大の柱強度を確保することができる。第2に、近位シャフト部分及び遠位シャフト部分を関節運動部材として使用することによって、他の全ての機構コンポーネントを収容するための最大の内部通路が得られる。第3に、輪郭形成された接合部材がシールドとして機能し、関節運動継手の内側角部をカバーする可撓性の駆動機構を収容する。第4に、この追加の目的でシャフト部を利用することにより、関節運動を実現するために必要な部品点数が削減される。第5に、予め定義された関節角度の間で切り換え可能なアプリケータ器具を提供することによって、装置の複雑さ及びユーザ体験が大幅に単純化される。
【0045】
一実施形態において、関節運動機構は、ハンドルの遠位端からハウジングの遠位端まで延びる中心軸の延長をもたらす。摺動可能な遠位部材を組み込むと、その部材の遠位端までの距離が固定され、それによって、関節角度に関係なく、一定のストロークの駆動部材が、摺動可能部材の遠位端から一定の距離だけ延在することが保証される。
【0046】
一実施形態において、本発明は、外科用締結具を一貫して配置するためのアプリケータ器具及び方法を開示する。一実施形態において、アプリケータ器具は、外科用メッシュなどのプロテーゼ装置を組織上の所定の位置に保持するために用いられる。一実施形態において、アプリケータ器具は、発射ロッドと一致するように外科用締結具を位置付けるための機構を含む。アプリケータ器具は、最初に発射ロッドを外科用締結具の方に第1速度で前進させる発射システムを含む。一実施形態において、エネルギーは、発射ロッドが外科用締結具の方に前進させられるか又は導かれる際に、発射システム内に蓄積され得る。発射システムは望ましくは、外科用締結具を発射ロッドと係合させる一方で、外科用締結具を静的な位置に維持する。発射システムは好ましくは、蓄積されたエネルギーを解放して、発射ロッドを第1速度よりも速い第2速度で前進させて、外科用締結具を組織内に配置する。一実施形態において、1つの外科用締結具が発射システムの1サイクル中に分与される。外科用メッシュなどのプロテーゼを組織に固定するために、複数の外科用締結具が分与され得る。
【0047】
一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具は、好ましくはハウジングと、ハウジングから延びる細長い関節運動シャフトであって、ハウジングと連結された近位端及びこの近位端から離れた遠位端を有する、細長い関節運動シャフトと、を含む。アプリケータ器具は望ましくは、外科用締結具を関節運動シャフトの遠位端から分与するための発射システムを含む。発射システムは好ましくは細長いシャフト内に配置される発射ロッドを含み、望ましくは、発射ロッドを細長いシャフトの遠位端の方へと第1速度で前進させる第1段階、及び発射ロッドを細長いシャフトの遠位端の方に第1速度よりも速い第2速度で前進させる第2段階を有する発射サイクルを有する。
【0048】
一実施形態において、発射ロッドの遠位端は挿入フォークを含む。アプリケータ器具は、挿入フォークを先頭外科用締結具内にゆっくりと導いた後、プロテーゼ装置を通して組織内へと外科用締結具を迅速に発射するように適合される。先行技術の装置は、締結具を組織内に駆動し続けながら、ハンマー様の方式で締結具を通じて1回の動きで押し要素を迅速に前進させるか、又は締結具を組織内にゆっくりと打ち込むために同じ速度で締結具にゆっくりと係合する。第1の種類の先行技術装置は、締結具の組織内への適切な挿入を確実にするために、確実な方法で締結具に係合するその能力が限定されている。第1の「ハンマー様」先行技術装置はまた、衝突力のために外科用締結具を損傷することがあり、又は衝突力に耐えるように適合された大きな締結具の使用を必要とし得る。第2の種類の先行技術装置は、組織の広がりを避け、適切な組織の貫通を可能にするのに十分な速さで、締結具を前進させない。これらの先行技術手法は両方とも、組織への一貫しかつ反復可能な締結具の貫通に適していない。一実施形態において、本発明は、挿入フォークを先頭外科用締結具内へとゆっくりと導き、これが挿入フォークと外科用締結具の適切な係合を確実にすることよって、これらの制限を解決する。適切な係合の後、本発明はまた、プロテーゼ装置を通して組織内へと、外科用締結具の迅速な発射を提供する。結果として、各外科用締結具は、ユーザのトリガの圧迫の速度とは無関係に、同様に挿入される。
【0049】
一実施形態において、発射ロッドの遠位端は、発射サイクルの第1段階中に外科用締結具の少なくとも1つと連結され、発射ロッドの遠位端が外科用締結具の少なくとも1つを、発射サイクルの第2段階中にシャフトの遠位端から分与する。発射システムは、発射ロッドと連結された発射ばねなどのエネルギー蓄積要素を含んでもよく、それによって発射システムが、発射サイクルの第2段階の前に発射ばね中にエネルギーを蓄積し、発射サイクルの第2段階中に発射ばねから発射ロッドへと蓄積されたエネルギーを移送するように適合される。一実施形態において、エネルギー蓄積要素としてはまた、空気式装置、水力式装置及び/又は圧縮気体装置が挙げられる。
【0050】
一実施形態において、アプリケータ器具は、発射システムを起動するために第1位置と第2位置との間で可動のアクチュエータを含む。アクチュエータは、発射システムを起動する圧迫可能なトリガであり得る。一実施形態において、発射ばねは、発射サイクルの第1段階の前に少なくとも部分的に圧縮され、発射ロッドは発射サイクルの第1段階中にアクチュエータの移動と比例する速度で遠位方向に前進する。発射ばねは好ましくは、アクチュエータが第1位置から第2位置へと動く際に、内部にエネルギーを蓄積するために圧縮可能である。発射ばね内に蓄積されるエネルギーは、発射ロッドを細長いシャフトの遠位端の方に迅速に駆動するために、発射サイクルの第2段階中に解放される。本明細書において開示される実施形態の多くは「発射ばね」に言及するが、上記に開示されるものなどの、他のエネルギー蓄積装置が使用され得、依然として本発明の範囲内にあることが想到される。
【0051】
一実施形態において、発射システムは、発射サイクルの第1段階の後かつ発射サイクルの第2段階の前に、発射ロッドを、細長いシャフトの遠位端の方に移動しないように拘束する、解放ラッチを含む。発射サイクルの好ましい段階において、かつ好ましくは発射システム内にエネルギーが蓄積された後に、解放ラッチは望ましくは、遠位方向に移動するように発射ロッドを解放する。
【0052】
一実施形態において、アプリケータ器具は、アクチュエータと連結され、かつ外科用締結具をシャフトの遠位端の方に前進させるためにシャフトを通って延びる、アドバンサを含む。アドバンサは、アクチュエータが第1位置から第2位置へと移動する際に細長いシャフトの遠位端の方に移動するように適合されている。一実施形態において、アドバンサは、アクチュエータが第2位置から第1位置へと移動する際にシャフトの近位端の方に移動するように適合されている。一実施形態において、アドバンサは、アドバンサの遠位端の方に突出している複数のアドバンサタブを含み、各アドバンサタブは、外科用締結具をシャフトの遠位端の方に付勢するために外科用締結具の1つと係合するように適合されている。
【0053】
一実施形態において、外科用締結具は、アドバンサによってシャフトの遠位端の方に付勢されるよう、シャフト内に配置される。一実施形態において、外科用締結具の最遠位の1つは、外科用締結具の最遠位の1つと発射ロッドの遠位端とを揃えるよう、ステージングアセンブリによって係合可能である。一実施形態において、発射ロッドの遠位端は、外科用締結具の最遠位の1つと係合するように適合された、離間した歯を有する挿入フォークを含む。
【0054】
一実施形態において、外科用締結具は、第1脚部であって、第1挿入先端部を有する遠位端、近位端、及び第1挿入先端部に隣接するように位置する第1挿入ツール座部表面を有する、第1脚部を備える。一実施形態において、外科用締結具は、第2脚部であって、第2挿入先端部を有する遠位端、近位端、及び第2挿入先端部に隣接するように位置する第2挿入ツール座部表面を有する、第2脚部を備える。外科用締結具はまた、外科用締結具の閉鎖近位端を形成するために、第1脚部及び第2脚部の近位端を接続する、ブリッジを含む。一実施形態において、挿入フォークの歯は、外科用締結具の近位端よりも外科用締結具の遠位端に近い位置で外科用締結具上に挿入力を適用するため、外科用締結具の第1及び第2挿入ツール座部表面に対して配置される。
【0055】
一実施形態において、アプリケータ器具は、外科用締結具が全て分与された後、発射システムの動作を防ぐために、発射システムと連結されるロックアウトシステムを含み得る。一実施形態において、ロックアウトシステムは、全ての外科用締結具が分与された後、アクチュエータ又はトリガを閉鎖位置に固定する。
【0056】
一実施形態において、ヘルニア欠陥を修復する方法は、患者を検査してヘルニア欠陥位置を特定することと、第1トロカールを患者に挿入して、ヘルニア欠陥に隣接する患者の腹腔にアクセスすることと、第1トロカールを通して腹腔鏡カメラを挿入することにより、患者のヘルニア欠陥及び腹壁を評価することと、第1トロカールを通してロールメッシュを患者の腹腔内に挿入することと、このメッシュを広げて、この広げたメッシュをヘルニア欠陥上に配置することと、を含む。
【0057】
一実施形態において、本方法は、第1トロカールの尾側である第2トロカールを患者に挿入して、患者の腹腔にアクセスすることと、外科用締結具を分与するアプリケータ器具を用意することと、を含み、このアプリケータ器具は、ハンドルと、ハンドルの遠位端から延びる関節運動シャフトとを含み、この関節運動シャフトは、長手方向軸に沿って延びる近位シャフト部と、遠位シャフト部と、近位シャフト部と遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手と、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を変えるように関節運動シャフトに連結されている関節運動制御要素と、を含む。一実施形態において、少なくとも1つの外科用締結具が関節運動シャフト内に配置される。
【0058】
一実施形態において、関節運動シャフトが直線形状であり、これによって近位シャフト部と遠位シャフト部とが長手方向軸に沿って延在した状態であるとき、関節運動シャフトの最遠位端は、第2トロカールを通して患者の腹腔内に挿入される。関節運動制御要素は、遠位シャフト部が近位シャフト部に対して関節運動するよう係合され、これにより、遠位シャフト部は、長手方向軸との角度を画定する第2の軸に沿って延びる。関節運動シャフトの最遠位端はメッシュに接しており、トリガを締め付けると、メッシュを介して患者の腹壁内に少なくとも1つの外科用締結具が分与される。
【0059】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記でより詳しく記述される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】本発明の一実施形態による、ハンドルと、近位シャフト部及び遠位シャフト部を有する関節運動シャフトと、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を制御するための関節運動制御ノブとを含む外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1に示したアプリケータ器具から分与された外科用締結具の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、
図1に示すハンドルと、ハンドルの内部に配置された発射システムの断面図である。
【
図4】
図1に示す関節運動制御ノブの斜視図である。
【
図5】関節運動シャフトが直線状である第1位置における、
図1の関節運動制御ノブの断面図である。
【
図6A】関節運動シャフトの遠位シャフト部が関節運動シャフトの近位シャフト部に対して関節運動している第2位置における、
図1の関節運動制御ノブの断面図である。
【
図7A】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度をなして関節運動した、
図1のアプリケータ器具を示す図である。
【
図7B】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度をなして関節運動した、
図1のアプリケータ器具を示す図である。
【
図8A】本発明の一実施形態による、近位及び遠位の外側チューブと、接合部材と、非圧縮性接続部によって相互接続された近位及び遠位の内側部材と、発射ロッドと、挿入フォークと、発射ロッド支持体と、発射支持部材とを含む、
図1の関節運動シャフトの分解図である。
【
図8B】本発明の一実施形態による、アプリケータ器具の関節運動シャフトを形成するよう一緒に組み立てられた
図8Aの要素の断面図である。
【
図9A】直線形状の、
図8Aの非圧縮性部材に接続された近位及び遠位の内側部材を示す図である。
【
図9B】関節運動した形状の、
図8Aの近位及び遠位の内側部材及び非圧縮性部材を示す図である。
【
図10A】直線形状の、
図1の関節運動シャフトの断面図である。
【
図10B】遠位シャフト部が近位シャフト部に対して関節運動している状態の、
図10Aの関節運動シャフトの断面図である。
【
図11A】
図1に示す関節運動シャフトの上面図及び側立面図である。
【
図11B】
図1に示す関節運動シャフトの上面図及び側立面図である。
【
図12A】本発明の一実施形態による、関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図11A及び
図11Bの関節運動シャフトを示す図である。
【
図12B】本発明の一実施形態による、関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図11A及び
図11Bの関節運動シャフトを示す図である。
【
図12C】本発明の一実施形態による、関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図11A及び
図11Bの関節運動シャフトを示す図である。
【
図12D】本発明の一実施形態による、関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図11A及び
図11Bの関節運動シャフトを示す図である。
【
図13A】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度で関節運動している、
図1のアプリケータ器具の関節運動シャフトの遠位端を示す図である。
【
図13B】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度で関節運動している、
図1のアプリケータ器具の関節運動シャフトの遠位端を示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態による、関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図13A〜
図13Bの断面図である。
【
図15A】関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図13A〜
図13Bの関節運動シャフトを示す図である。
【
図15B】関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図13A〜
図13Bの関節運動シャフトを示す図である。
【
図15C】関節運動シャフトの遠位端から外科用締結具を分与する際の、
図13A〜
図13Bの関節運動シャフトを示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態による、長さが変化する遠位シャフト部を備えた関節運動シャフトを有するアプリケータ器具を示す図である。
【
図17A】外科的処置中に患者に使用されているときの、
図1のアプリケータ器具を示す図である。
【
図17B】外科的処置中に患者に使用されているときの、
図1のアプリケータ器具を示す図である。
【
図18A】本発明の一実施形態による、ハンドルと、近位シャフト部及び遠位シャフト部を有する関節運動シャフトと、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を制御するための関節運動制御レバーとを含む外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具を示す図である。
【
図18B】本発明の一実施形態による、ハンドルと、近位シャフト部及び遠位シャフト部を有する関節運動シャフトと、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を制御するための関節運動制御レバーとを含む外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具を示す図である。
【
図19A】
図18A及び
図18Bの関節運動制御レバーが第1位置にある状態であって、これにより、
図18A及び
図18Bに示すように、遠位シャフト部と近位シャフト部が直線状の非関節運動形状になっている図である。
【
図19B】
図18A及び
図18Bの関節運動制御レバーが第1位置にある状態であって、これにより、
図18A及び
図18Bに示すように、遠位シャフト部と近位シャフト部が直線状の非関節運動形状になっている図である。
【
図19C】
図18A及び
図18Bの関節運動制御レバーが第1位置にある状態であって、これにより、
図18A及び
図18Bに示すように、遠位シャフト部と近位シャフト部が直線状の非関節運動形状になっている図である。
【
図20】近位シャフト部に対する遠位シャフト部の角度を変更するための、第2位置と第3位置との間のレバーを備えた、
図19A〜
図19Cの関節運動制御レバーの側面図である。
【
図21A】近位シャフト部に対する遠位シャフト部の角度を変えるための、第3位置にある
図19A〜
図19Cの関節運動制御レバーを示す図である。
【
図21B】近位シャフト部に対する遠位シャフト部の角度を変えるための、第3位置にある
図19A〜
図19Cの関節運動制御レバーを示す図である。
【
図21C】近位シャフト部に対する遠位シャフト部の角度を変えるための、第3位置にある
図19A〜
図19Cの関節運動制御レバーを示す図である。
【
図22A】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度をなして関節運動した、
図18A及び
図18Bのアプリケータ器具を示す図である。
【
図22B】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度をなして関節運動した、
図18A及び
図18Bのアプリケータ器具を示す図である。
【
図22C】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度をなして関節運動した、
図18A及び
図18Bのアプリケータ器具を示す図である。
【
図24A】外科用締結具を分与するための、発射サイクル中の、
図23のハンドル及び発射システムを示す図である。
【
図24B】外科用締結具を分与するための、発射サイクル中の、
図23のハンドル及び発射システムを示す図である。
【
図26A】本発明の一実施形態による、ハンドルと、近位シャフト部及び遠位シャフト部を有する関節運動シャフトと、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を制御するための関節運動制御ノブとを含む外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具を示す図である。
【
図26B】本発明の一実施形態による、ハンドルと、近位シャフト部及び遠位シャフト部を有する関節運動シャフトと、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の関節角度を制御するための関節運動制御ノブとを含む外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具を示す図である。
【
図27A】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度をなして関節運動した、
図26A及び
図26Bのアプリケータ器具を示す図である。
【
図27B】遠位シャフト部が近位シャフト部に対してある角度をなして関節運動した、
図26A及び
図26Bのアプリケータ器具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1を参照して、一実施形態において、外科用締結具を分与するアプリケータ器具40は、トリガ44を有するハンドル42と、関節運動シャフト46とを含み、この関節運動シャフトは、近位シャフト部48と、近位シャフト部に対して関節運動する遠位シャフト部50とを備える。遠位シャフト部50は、近位シャフト部48の長手方向軸A
1に沿って延在する第1位置と、近位シャフト部48の長手方向軸A
1に対して異なる角度で位置する関節運動した形状との間を動くことが可能である。一実施形態において、近位シャフト部48の遠位端は、関節運動継手52を介して遠位シャフト部50の近位端に枢動的に連結され、これにより遠位シャフト部50は、近位シャフト部48の長手方向軸A
1に対して異なる角度に関節運動可能である。アプリケータ器具は、遠位シャフト部50と近位シャフト部48との間の関節運動角度を変更するために回転する、関節運動制御ノブ53を有する。一実施形態において、関節運動制御ノブを第1の方向に回転させることによって関節角度を増大させ、また、関節運動制御ノブを反対の第2の方向に回転させることによって、関節角度を減少させる。一実施形態において、関節運動制御ノブ53を使用して、遠位シャフト部50を約0〜60度の無限数の角度に設定することができる。一実施形態において、関節角度は、80度ほどの大きさであってもよい。
図1において、関節運動シャフト46は直線状であり、これによって、近位シャフト部48及び遠位シャフト部50が共に長手方向軸A
1に沿って延びる。
【0062】
一実施形態において、アプリケータ器具40は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されている、その中に複数の外科用締結具が収容されている多発射装置であり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態において、アプリケータ器具は、関節運動シャフト46の長さ方向に沿って連続的に格納された複数の外科用締結具を含む。一実施形態において、関節運動シャフト46は、内部に組み込まれた、タブ付き特徴部を有する、一対の扁平なスタンピング部を含む。扁平なスタンピング部のうちの一方は、関節運動シャフト46内で外科用締結具が近位方向に移動することを防ぐために静止している。他方の扁平なスタンピング部は、トリガ44が締め付けられ、その後解放されるたびに、遠位方向及び近位方向にサイクル運動を行い、関節運動シャフト46の長さに沿った外科用締結具のインクリメンタルな前進を円滑にする。一実施形態において、先頭の締結具は、関節運動継手52の近位を発射するためにステージングされる。発射ロッドは、先頭の締結具内に導かれ、関節を通って外科用締結具分与窓の外に送出される。代替的に、スタンピング部は可撓性であり、これによって、スタンピング部は、関節運動シャフト46によって画定される経路に沿って外科用締結具を案内しながら、関節運動シャフトの角度に適合するように湾曲し得る。一実施形態において、トリガが引かれるたびに、先頭の1つの外科用締結具が分与される。トリガが引かれる際に毎回、後に続く各外科用固定具が、関節運動シャフトの遠位端に向かって遠位方向に前進する。
【0063】
一実施形態において、アプリケータ器具40の関節運動シャフト46に、一連の外科用締結具が予め装填される。
図2を参照して、一実施形態において、1つの外科用締結具54は、近位端56と、挿入先端60、62を有する遠位端58とを含み、これらの先端は、テーパー状端部の間にメッシュ繊維を捉えるために、互いに離間している。一実施形態において、外科用締結具54は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されている1つ又は2つ以上の機能を有し、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
図3を参照して、一実施形態において、アプリケータ器具40は、発射システムを収容するハンドル42と、ハンドルの下端から上方に突出するハンドグリップ64とを含む。ハンドル42は、アプリケータ器具40の近位端に向かう直線経路A
2−A
2に沿って引かれるように適合されたトリガ44を含む。一実施形態において、トリガ44は、関節運動シャフト46の近位シャフト部48の長手方向軸A
1−A
1に対して約10〜20°、及びより好ましくは約15°の角α
1を画定する、直線経路A
2−A
2に沿って移動するように適合されている(
図1)。
【0065】
一実施形態において、アプリケータ器具40は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されているものと同様の1つ又は2つ以上の特徴を有する発射システム70を含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態において、この発射システムは、ばねブロック72と、発射ロッド74と、トリガ44が締め付けられる際のエネルギーを蓄積する発射ばね75とを含む。一実施形態において、発射システム70は、軸A
2−A
2に沿って、トリガと共に近位方向及び遠位方向に摺動するトリガラック76を介して、トリガ44に連結されている。トリガラック76は、駆動ギア78と連結され、この駆動ギアは、トリガ44がアプリケータ器具40の近位端に向かって締め付けられたときに、反時計回り方向に回転し、トリガ44が解放され、アプリケータ器具の遠位端に向かって遠位方向に移動するときに、時計回り方向に回転する。駆動ギア78は、摺動式ヨーク82の上端に設けられた歯と噛み合う外側ギア歯80を有する。駆動ギア78が、反時計回り方向に回転すると、ヨーク82は、軸A
1−A
1に沿って遠位方向に摺動する。駆動ギア78が、時計回り方向に回転すると、ヨーク82は、軸A
1−A
1に沿って近位方向に摺動する。一実施形態において、駆動ギア78とヨーク82との間のギア比は、約0.9〜1.5である。
【0066】
一実施形態において、アプリケータ器具40は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されている、ラチェットばねを有するラチェット爪84を含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。ラチェット爪84により、摺動式ヨーク82が、その方向を変化させ、
図3に示した元の位置に戻るように近位方向に移動できるようになる前に、最も遠位の位置に移動することが確保される。トリガの解除中、ラチェット爪84はまた、摺動ヨーク82が最も近位の位置に移動することを確実にしてから、方向転換が可能となる。
【0067】
一実施形態において、アプリケータ器具40は、通常はトリガ44を遠位方向に移動するように付勢する、トリガ戻しばね86を含む。トリガ戻しばね86は、ハンドグリップ64の成形部内に固定された第1のアーム部88と、トリガ44と係合する、第2のアーム部90とを含む。一実施形態において、トリガ44の近位端は、タブ92を有し、トリガ戻しばねの第2のアーム部90が、通常はトリガ44を遠位方向に付勢するように、トリガの背面92と係合する。トリガ44が締め付けられると、トリガ戻しばね86がエネルギーを蓄積する。トリガが解除されると、トリガ戻しばねは、トリガを遠位に移動させるために、蓄積されたエネルギーをトリガに伝達する。
【0068】
一実施形態において、アプリケータ器具40は、トリガ44に連結された第1の回転リンク94及び第2の回転リンク96を含む。一実施形態において、第1の回転式リンク94は、トリガ44の内部に配設され、第1の枢軸98を介してトリガ44に枢動的に固定されている。第1の回転式リンク94は、ハンドグリップ64の上端の内部に位置するラック102と噛み合うギア歯100を有する。第2の回転式リンク96は、第2の枢軸104を介して、トリガ44に枢動的に固定されている。第2の回転式リンク96は、第1の回転式リンク94の下側ギア歯と噛み合う上側ギア歯を備えた、上端を有する。第1の回転式リンク94及び第2の回転式リンク96は、対向するギア歯(図示せず)を介して互いに連結され、これにより、第1の回転式リンク及び第2の回転式リンクが同じ速度で回転することが確保される。第2の回転リンク96は、ハンドル42の下端に配置された第2ラック(図示せず)内に成形された対向歯と噛み合う底歯106を有する下端部を有する。
【0069】
ハンドル42内部の、第1の回転式リンク94及び第2の回転式リンク96の構成、及びトリガ44による第1及び第2の回転式リンクの枢軸旋回接続により、トリガ44が単一の直線経路(即ち、軸A
2−A
2)に沿って移動することが可能になる。トリガ44の直線運動により、締め付ける力が集中しているところが、トリガの長さに沿ってどこにあるかに関係なく、トリガを締め付けるために必要な力と距離が一貫したままとなり、これにより、トリガがバインディングされる危険性を最小限にする。
【0070】
第1の回転式リンク94及び第2の回転式リンク96に対するギア機構の係合及びタイミングにより、トリガ44が、軸A
2−A
2に沿って直線的に動くことが可能となり、また、手で締め付けるトリガの領域に沿って、偏った締め付け力がかけられたときに、トリガが中央の点の周りで回転することも防がれる。トリガ機構が、駆動ギア78を通じて、トリガの直線運動を回転運動へと変更することができることにより、摩擦及びバインディングの危険性が最小化される。一実施形態において、第1の回転式リンク94及び第2の回転式リンク96は、ガラス強化ポリカーボネートなどのポリマーから製造される。
【0071】
一実施形態において、ハンドル42は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されている、発射ばねと、ばねブロックと、発射ロッドとを有する発射システムを含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。発射サイクル中に、ばねブロック72及び発射ロッド74は、長手方向軸A
1−A
1に沿って遠位方向及び近位方向に移動するように適合されている。
【0072】
図1及び
図4を参照して、一実施形態において、アプリケータ器具40は、近位シャフト部48に対する遠位シャフト部50の角度を変更するための、ハンドル42の遠位端近くに固定されかつ関節運動シャフト46の近位シャフト部48の長手方向軸A
1を中心に回転する関節運動制御ノブ53を含む。
【0073】
図5を参照して、一実施形態において、アプリケータ器具は、ハンドル42に堅固に接続されたフランジ112を含む。関節運動制御ノブ53は、フランジ112を中心に回転する。関節運動制御ノブ53は、近位シャフト部48の近位端の雄ねじ116と係合する雌ねじ114を有する。関節運動制御ノブ53の第1の方向への回転は、雄ねじ116及び近位シャフト部48を、軸A
1−A
1に沿って遠位方向D
1に移動させる。関節運動制御ノブ53の反対の第2の方向への回転は、雄ねじ116及び近位シャフト部48を、軸A
1−A
1に沿って近位方向D
2に移動させる。雌ねじ114と雄ねじ116とのピッチを十分に浅くして、遠位シャフト部50の外部負荷が関節運動制御ノブ53を回転させないようにする。一実施形態において、ピッチは1回転当たり4.24ミリメートル(1回転当たり0.167インチ)である。
【0074】
図6A及び
図6Bを参照して、一実施形態において、関節運動制御ノブ53が回転して、雄ねじ116を移動させ、近位シャフト部48を遠位方向D
1に移動させ、これによって、関節運動継手52で遠位シャフト部50を枢軸旋回させ、これによって、遠位シャフト部50が軸A
3に沿って延び、この軸は、近位シャフト部48の長手方向軸A
1に対してある角α
2を画定する。
【0075】
一実施形態において、関節運動制御ノブ53は、遠位シャフト部50が近位シャフト部48に対して無限数の角度に配置され得るように回転可能である。
図1において、関節運動シャフト46は直線状であり、これによって遠位シャフト部50が近位シャフト部48の軸A
1に沿って延びる。
図6Bにおいて、遠位シャフト部は軸A
3に沿って延在し、この軸は、近位シャフト部48の長手方向軸A
1に対して約45度の角α
2を画定する。
図7A及び
図7Bにおいて、関節運動シャフト46の遠位シャフト部50は、軸A
4に沿って延在し、近位シャフト部48は、約60度の角α
3を画定する軸A
1に沿って延在する。一実施形態において、遠位シャフト部50は、近位シャフト部48の長手方向軸A
1に対して0〜60度の間を動く。一実施形態において、関節運動制御ノブ53を使用して、遠位シャフト部50の関節運動角度を0〜80度の間の任意の角度に変更することができる。
【0076】
図8Aを参照して、一実施形態において、関節運動シャフト46(
図1)は、長手方向軸A
1に沿って近位方向及び遠位方向に選択的に摺動するよう適合された近位外側チューブ120を有する近位シャフト部48と、同じく長手方向軸A
1に沿って延在し、近位外側チューブ120の内側に配置され、かつ関節運動シャフト46の関節運動中に軸A
1に沿って移動しないように静止している近位内側部材122と、を含む。近位外側チューブ120の近位端は、雄ねじ116(
図5及び
図6A〜
図6B)を有し、これは、関節運動制御ノブ53の回転に応じて長手方向軸A
1に沿って近位方向及び遠位方向に近位外側チューブ120を移動させるよう、関節運動制御ノブ53の雌ねじ114に係合する。
【0077】
一実施形態において、近位外側チューブ120は、雄ねじ116(
図6B)を有する近位端と、近位シャフト部48に対する遠位シャフト部50の角度を示す角度インジケータ126を有する遠位端124とを含む。一実施形態において、角度インジケータ126は、0〜60度の角度を示すマーキングを有する。一実施形態において、関節運動継手52(
図1)は、近位外側チューブ120の遠位端124に位置する枢軸旋回フランジ128を含む。枢軸旋回フランジ128は、第1の枢軸旋回ピン132Aを受容するための開口部130を有する。一実施形態において、枢軸旋回フランジ128は、近位外側チューブ120の遠位端124の下端近傍に位置している。
【0078】
一実施形態において、関節運動シャフト46は、近位外側チューブ120の遠位端124に枢動的に接続された遠位外側チューブ134を有する遠位シャフト部50と、遠位端面137を有する遠位内側部材136とを含み、この遠位端面で、遠位内側部材136が非圧縮性接続部138を介して近位内側部材122に接続される。一実施形態において、遠位外側チューブ134の近位端140は、第1の枢軸旋回ピン132Aを受容するように適合された開口部144を備える枢軸旋回フランジ142を有する。枢軸旋回フランジ142は、遠位外側チューブ134の近位端140の下端近傍に位置している。一実施形態において、枢軸旋回フランジ128、142の各開口部130、144を互いに整列させ、第1枢軸旋回ピン132Aを、この整列した開口部130、144に通して、近位外側チューブ120の遠位端124と遠位外側チューブ134の近位端140とを枢動的に接続する。枢軸旋回ピン132Aは、溶接、圧着等の様々な締結技術を用いて接続することができる。
【0079】
一実施形態において、近位内側部材122の遠位端は、第2枢軸旋回ピン132Bを受容するように適合された開口部148を有する枢軸旋回フランジ146を有する。一実施形態において、関節運動シャフト46は、ピン開口部156を備える近位端154と、ピン開口部160を備える遠位端158とを有する、接合部材152を有する。一実施形態において、接合部材152の近位端のピン開口部156は、近位内側部材122の枢軸旋回フランジ146上の開口部148と整列され、第2枢軸旋回ピン132Bが、この整列された開口部148、156内に挿入される。一実施形態において、接合部材152の遠位端158のピン開口部160が遠位外側チューブ134のピン開口部150と整列され、第3枢軸旋回ピン132Cが、この整列された開口部150、160内に挿入される。枢軸旋回ピン132B及び132Cは、溶接、圧着等の様々な締結技術を用いて接続することができる。
【0080】
一実施形態において、アプリケータ器具は、発射システム支持構造162と、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されている発射システムの1つ又は2つ以上の要素を有する発射システムとを含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態において、アプリケータ器具は、関節運動シャフト46に予め装填された複数の外科用締結具を有する。一実施形態において、トリガ44(
図1)を締め付けるたびに、遠位内側部材136の遠位端から先頭の外科用締結具54が分与され、発射システムの要素によって後続の締結具が遠位に前進し、このいくつかが発射システム支持構造162内に配置され得る。
【0081】
一実施形態において、アプリケータ器具は、関節運動継手52(
図1)の近傍に配置された発射ロッド支持体164を含む。一実施形態において、発射支持ロッド164は、近位内側部材122又は遠位内側部材136のいずれかに枢動的に取り付けられる。取り付けられていない端部は、他方の内側部材内で自在に摺動することができる。発射ロッド支持体164は、発射ロッド74の床として機能する頂面166を有し、これにより、遠位シャフト部50が近位シャフト部48に対して関節運動したときに発射ロッドがよじれたり折れ曲がったりすることがないようにする。一実施形態において、発射ロッド支持体164は、非圧縮性部材138及び発射ロッド74の両方の床支持体として機能してもよく、これにより、関節運動中の発射ロッドのよじれ又は折れ曲がりを防ぎ、かつ、十分な発射力が、発射ロッドを介して先頭の外科用締結具へと伝達され得るようにする。発射ロッド74の遠位端は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されている挿入フォーク75を含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。挿入フォークは、先頭の外科用締結具54に係合するように適合され、これにより、遠位内側部材136の遠位面137を越えて組織内へと外科用締結具を前進させ、これにより補綴装置(例えば、外科用メッシュ)を組織に固定する。
【0082】
図8A及び
図8Bを参照して、一実施形態において、関節運動シャフト46は、発射ロッド74及び挿入フォーク75を発射システム支持構造162の内部に配置することにより組み立てられ、これによって、発射ロッド74が発射ロッド支持体164の頂面166に重なるようにする。一方、発射システム支持構造162、発射ロッド支持体164、発射ロッド74、及び挿入フォーク75は、非圧縮性部材138によって連結された近位内側部材122及び遠位内側部材136の内側に配置される。本明細書で詳しく説明されるように、非圧縮性部材138は、遠位内側部材136の遠位端面137と、ハンドルに固定された近位内側部材122の近位端との間に延在する、外科用締結具54のための一定の移動経路距離を維持する。発射ロッド74及び挿入フォーク75は、近位内側部材122及び遠位内側部材136内に形成された長手方向に延びる開口部を通って遠位及び近位に移動するように適合される。
【0083】
一実施形態において、近位外側チューブ120及び遠位外側チューブ134の内側に、近位内側部材122及び遠位内側部材136を含むサブアセンブリが配置される。近位内側部材122は、近位外側チューブ120の内側に配置され、遠位内側部材136は、遠位外側チューブ134の内側に配置される。一実施形態において、近位内側部材122が静止し、近位外側チューブ120は、近位内側部材122に対して遠位方向及び近位方向に摺動するように適合される。一実施形態において、シャフト46が関節運動されると、非圧縮性部材138によって遠位内側部材136が遠位又は近位方向に移動することが防止され、遠位外側チューブ134は遠位内側部材136上を摺動するよう適合される。関節運動継手52は、第1の枢軸旋回接続部168を含み、これは、整列された開口部130、144に第1の枢軸旋回ピン132Aを通すことによって、近位外側チューブ120の遠位端124と遠位外側チューブ134の近位端140との間に形成される。第2及び第3の枢軸旋回接続部は、接合部材152並びに第2の枢軸旋回ピン132B及び第3の枢軸旋回ピン132Cを用いて、近位内側部材122及び遠位外側チューブ134の遠位端で形成される。
【0084】
一実施形態において、関節運動シャフト46が、
図8Bに示す直線形状と、
図6B及び
図7A〜
図7Bに示す関節運動した形状との間で移動する際に、近位内側部材122は静止しており、ハンドル42に対して遠位又は近位に移動しない(
図1)。近位内側部材122の近位端は、ハンドル42に堅固に固定され、これによって、静止しており、ハンドルに対して遠位及び近位に移動しない。非圧縮性部材138は、関節運動シャフト46の関節運動中に屈曲するように可撓性を有する。ただし非圧縮性部材138は、関節運動シャフトが真っ直ぐか角度がついているかに関わらず、遠位内側部材136の遠位端面137と近位内側部材122の近位端との間の距離を一定に維持する。また、遠位内側部材136は、関節運動シャフト46が直線形状と関節運動した形状の間を動く際に、遠位外側チューブ134内で近位方向及び遠位方向に摺動する。
【0085】
図9A及び
図9Bを参照して、一実施形態において、近位内側部材136は、関節運動シャフト46(
図1)の遠位端から外科用締結具を分与するための窓139を備えた遠位端面137を有する。関節運動シャフト46の近位内側部材122と遠位内側部材136(
図8A及び
図8B)とは、非圧縮性部材138によって互いに連結されている。近位内側部材122の近位端はハンドル42(
図1)に固定され、これによって、関節運動シャフトが直線形状と角度のある形状との間で関節運動する際に、静止しており、遠位又は近位方向に移動しない。非圧縮性部材138は、遠位内側部材136が
図9Aに示す直線形状から
図9Bに示す関節運動した形状へと動く際に、遠位内側部材136の遠位端面137と近位内側部材122の近位端との間の距離が変化しないようにする。
【0086】
図10Aを参照して、一実施形態において、関節運動シャフト46が直線状であり、かつ発射システムが関節運動シャフト46の遠位端から先頭の外科用締結具54を発射する準備ができているとき、発射ロッド74及び挿入フォーク75は、外科用締結具54の先頭端58が、遠位内側部材136の遠位端面137からの距離H
1を画定し、かつ、遠位外側チューブ134の遠位端135と、遠位内側部材136の遠位端面137とが、正である第2の距離H
2を画定するような点に配置される。その結果、遠位内側部材136の遠位端137は、遠位外側チューブ134の遠位端135より遠位である。
【0087】
図10Aを参照して、一実施形態において、関節運動シャフト46は直線形状であり、これによって、近位シャフト部48及び遠位シャフト部50が軸A
1に沿って延び、遠位シャフト部と近位シャフト部との間の角度が0度である。遠位内側部材136の遠位端面137は、遠位外側チューブ134の最遠位縁135を越えて遠位方向に所定の距離H
1だけ延びている。アプリケータ器具の発射システムは、外科用締結具54の遠位端58を遠位内側部材136の遠位端面137から距離H
2に位置付ける。一実施形態において、関節運動制御ノブ53(
図1)は、近位シャフト部48に対して遠位シャフト部50を関節運動させるよう、近位外側チューブ120を中心として回転可能である。一実施形態において、関節運動制御ノブを回転させると、近位内側部材122が静止したまま、近位外側チューブ120を遠位方向D
1に摺動させる。近位外側チューブ120と遠位外側チューブ134との間の関節運動継手52、及び、近位内側部材122の遠位端と遠位外側チューブ134の近位端とを接続する接合部材152があるため、近位外側チューブ120の遠位方向D
1への摺動移動によって、近位外側チューブ122に対する遠位外側チューブ134の角度が変化する。
【0088】
図10Bに示す関節運動位置では、遠位外側チューブの摺動運動により、遠位端面137と遠位外側チューブ134の最遠位縁135との間の距離H
1が減少している。しかし、外科用締結具54の遠位端58と遠位内側部材136の遠位端面137との間の距離H
2は、
図10Aに示す直線形状から変わらない。これは部分的に、関節運動シャフトが直線形状から関節運動した形状に動く際の、遠位端面137とハンドルとの間の距離を一定に維持する非圧縮性部材138に起因する。一実施形態において、非圧縮性部材138及び発射ロッド74は互いに隣り合い、確実に関節運動した継手を介して同様に挙動するようになる。
【0089】
これにより、遠位端面137と最遠位縁135との間の距離H
1は関節運動中に変化するが、遠位面137と外科用締結具54の先頭端58との間の距離H
2は不変のままである。発射サイクル中に、トリガが締め付けられることにより、第1のシステムが挿入フォーク75を、遠位内側部材136の遠位端面137を越えて設定距離だけ前進させ、関節運動シャフト46の遠位端から先頭の外科用締結具54を分与する。図示されていないが、関節運動シャフト46が、
図10Aに示す直線形状から
図10Cに示す完全に関節運動した位置へ動く際、挿入フォーク75と遠位内側部材136の遠位端面137との間の距離も一定のままである。このことにより、関節運動シャフトが直線状であるか、完全に関節運動しているか、直線状と完全な関節運動との間の何らかの角度であるかを問わず、遠位内側部材136の遠位端からの、外科用締結具の一定した発射が確保される。
【0090】
図10Bを参照して、一実施形態において、近位外側チューブ120の遠位方向D
1への移動は、近位外側チューブ120と、近位外側チューブ120と遠位外側チューブ134とを接続する関節運動継手52との並進による、遠位シャフト部50の関節運動をもたらす。遠位外側チューブ134は、近位内側部材122と結合している接合部材152を有しているため、第1枢軸旋回ピン132Aの変位は、遠位シャフト部50にモーメントを与える。このモーメントにより、遠位シャフト部50の角度が変更される。一実施形態において、遠位内側部材136の遠位端面137と、外科用締結具を配置するために使用される発射システムを収容するハンドル42(
図1)との間の距離を一定に維持することが重要である。遠位内側部材136と静止した近位内側部材122との間の、可撓性であるが非圧縮性の部材138を使用することによって、関節運動シャフトが
図10Aに示す直線形状から
図10Bに示す完全に関節運動した位置に動く際にも、不変の距離が確保される。
【0091】
図11A及び
図11Bを参照して、一実施形態において、近位外側チューブ120及び遠位外側チューブ134の上側は、接合部材152を収容する整列されたスロット170、172を有する。一実施形態において、接合部材152の本体は、遠位シャフト部50が近位シャフト部48に対して関節運動しているときに、スロット170、172を通過する。近位外側チューブ120の頂面には、近位シャフト部48に対する遠位シャフト部50の角度を示すしるし174が設けられている。一実施形態において、しるし174は、角度0、15、30、45、60度を示す番号である。近位内側部材122の遠位端には、スロット170を通して視認可能なマーカー176が上面に設けられている。遠位シャフト部50が近位シャフト部48に対して関節運動しているとき、近位外側チューブ120は長手方向軸A
1に沿って遠位方向D
1に遠位方向に摺動し、一方、近位内側部材122及びマーカー176は静止したままである。その結果、近位外側チューブ120は、近位内側部材122上のマーカー176に対して移動し、これが、近位シャフト部48に対する遠位シャフト部50の角度を示す。関節運動継手近傍にしるしを有することによって、腹腔鏡手術中にしるしの良好な視認性が得られる。器具の遠位シャフト部50は短いため、関節運動継手52は典型的に、腹腔鏡カメラの視野内にほぼ留まる。
【0092】
図12A〜
図12Dは、遠位内側部材136の遠位端面137から先頭の外科用締結具54を分与するための発射サイクル中の、関節運動シャフト46を示している。挿入フォーク75は、外科用締結具を組織に挿入するために、遠位内側部材136の遠位端面137を越えて延びている。近位内側部材122上の角度マーカー176(
図12B)は、近位外側チューブ120上の0度のしるし174に揃っており、近位シャフト部48及び遠位シャフト部50が直線形状であり軸A
1に沿って延びていることを示している。
【0093】
一実施形態において、外科用締結具は、アプリケータ器具40の近位シャフト部48に予め装填され、トリガ44が締め付けられるたびに遠位シャフト部50の遠位端に向かって遠位に前進する。一実施形態において、1回の発射サイクルの間、関節運動シャフト46内の先頭の外科用締結具のみが遠位シャフト部50内に前進し、遠位シャフト部48の遠位端から分与される。後続の外科用締結具は、近位シャフト部48内に残る。
【0094】
図13A及び
図13Bを参照して、一実施形態において、関節運動シャフト46が完全に関節運動した状態のとき、内側部材122の上の角度マーカー176(
図13B)は、角度しるし174の60度位置に揃っており、遠位シャフト部50が、軸A
1に沿って延在する近位シャフト部48に対して約60度のα
3角度を画定する軸A
4に沿って延在することを示す。
【0095】
図14は、近位シャフト部48と遠位シャフト部50との間の60度の角度に対応するための、発射ロッド74及び非圧縮性部材138の湾曲を示す。支持部材164の頂面166が、非圧縮性部材138及び発射ロッド74の床支持表面として機能し、これによって、湾曲形状にあるときに、屈曲した要素がよじれたり折れ曲がったりすることがないようにする。支持部材164はまた、発射サイクル中に発射ロッド174を支持し、これにより、外科用締結具54を分与するために挿入フォーク75に効果的に力を伝達することができる。
【0096】
図15A〜
図15Cを参照して、発射サイクル中、関節運動シャフト46が完全に関節運動した状態で、トリガ44(
図1)を締め付けて、発射システムが挿入フォーク75を、遠位内側部材136の遠位端面137を越えて設定距離だけ前進させ、関節運動シャフト46の遠位端から先頭の外科用締結具54を分与することができる。
【0097】
図16を参照して、一実施形態において、アプリケータ器具は、長さの異なる遠位シャフト部を有する関節運動シャフトを含み得る。一実施形態において、第1アプリケータ器具40Aは、第1の長さL
1を有する遠位シャフト部50Aを備える関節運動シャフト46Aを有する。第2アプリケータ器具40Bは、L
1よりも長い第2の長さL
2を有する遠位シャフト部50Bを備えた関節運動シャフト46Bを有する。第3アプリケータ器具40Cは、L
2よりも長い第3の長さL
3を有する遠位シャフト部50Cを備えた関節運動シャフト46Cを有する。一実施形態において、外科医は、外科的処置中に生じる外科的状態に応じてアプリケータ器具40A、40B、40Cのうちの1つを選択することができる。遠位シャフト長さLは、約0.64〜13センチメートル(0.25〜5.0インチ)の範囲であり得る。
【0098】
図17A及び
図17Bを参照して、外科的処置中に、アプリケータ器具40の関節運動シャフト46は、カニューレを通して手術部位に前進される。遠位シャフト部50は、近位シャフト部48に対してある角度に関節運動することができ、これにより、下にある組織Tに外科用メッシュMを固定するために、遠位シャフト部の遠位端面が、外科用メッシュMの主表面と面一になる。
【0099】
一実施形態において、腹壁ヘルニア又は切開ヘルニアを有する患者には、下記に述べる腹腔鏡ヘルニア修復手技のための準備が行われる。患者を検査し、触診又は他の方法を用いてヘルニア位置を特定する。患者には、導入及び吸入による従来の方式で、従来の全身麻酔が投与される。皮膚を通してヴェレス針を腹腔内に挿入する。気腹(1.1〜2.0kPa(8〜15mmHg)を形成する。腹部の左上部象限に1本の10mmトロカールをできるだけ横方向に挿入する。30度腹腔鏡カメラをトロカールに挿入し、腹腔の内容を評価する。2本の追加の5mmトロカールが、10mmポートの尾側に配置される。腹腔鏡器具を使用してヘルニアの内容を縮小する。欠損の周りの正常な筋膜の縁部を調べ、腹壁への臓器の癒着を全て分離して、メッシュ定着のために空間を作り出す。欠陥の大きさを評価する。一実施形態において、この欠陥は、所望の場合に、主として縫合糸によって閉じられ得る。
【0100】
処置のこの時点で、外科医は、メッシュヘルニアパッチを準備する。メッシュは、全ての辺において欠陥の縁を越えて適切に覆うように寸法決めされる。メッシュは巻かれ、10mmトロカールを通して腹腔内に挿入される。メッシュを広げ、欠陥の上に配置する。所望により、ステイスーチャーをメッシュを通して腹部組織内に配置してもよく、即ちメッシュの4つの羅針盤の方位(北、南、東、西)に配置してもよい。
【0101】
一実施形態において、本明細書に開示されるアプリケータ器具が、
図1に示す関節運動していない形状で、5mmトロカールの1つに挿入される。所望により、外科医はアプリケータ器具(
図7A〜
図7B)の遠位端を関節運動させ、腹壁に隣接して配置されたメッシュに対するアプリケータ器具のアクセスを改善することができる。アプリケータ器具の遠位端は、メッシュを操作するために使用され、メッシュを所望の位置に配置してから定着させることができる。一実施形態において、アプリケータ器具は、トロカール部位に最も近いメッシュの同側縁部を操作する、関節運動した形状に配置される。アプリケータ器具が関節運動しているか否かにかかわらず、アプリケータ器具のトリガが配備されて(例えば締め付けられて)、外科用締結具が、メッシュを介して腹壁内へと送達される。複数の外科用締結具をクラウン構成にて使用して、メッシュの外周部を定着させる。アプリケータ器具の発射のたびに、締結具の標的位置に対して適切なように、アプリケータ器具を、関節運動した状態又は関節運動していない状態にすることができる。一実施形態において、所望の場合には、外科用締結具の内側クラウンもまた適用することができる。一実施形態において、外科医は、所望の場合にアプリケータ器具を非関節運動状態にして、他のトロカールの1つに移すことができる。
【0102】
メッシュ修復は、腹壁に十分に定着されるように検査される。アプリケータ器具は非関節運動状態にされ、トロカールから除去される。カメラ、腹腔鏡器具、及びトロカールが腹腔から除去される。トロカール切開は、適切な縫合あるいは閉鎖手技を用いて閉じることができる。患者は回復室に移される。
【0103】
図18A及び
図18Bを参照して、一実施形態において、外科用締結具のためのアプリケータ器具240は、好ましくは、トリガ244を有するハンドル242と、関節運動シャフト246とを含み、この関節運動シャフトは、近位シャフト部248と、遠位シャフト部250と、近位シャフト部と遠位シャフト部との間に位置する関節運動継手252とを備える。ハンドル242には、トリガ244に対向するハンドグリップ264が含まれている。ハンドグリップ264は、近位シャフト部248の長手方向軸A
1に対して約20度の鋭角α
4を画定する軸A
5に沿って延在する。アプリケータ器具240は、ハンドル242の遠位端に配置された関節運動制御レバー253を含み、これは、近位シャフト部248に対する遠位シャフト部250の角度を変更するために、異なる位置間で切り換えることができる。一実施形態において、関節運動制御レバー253は、近位外側チューブを軸A
1に沿って遠位方向及び近位方向に摺動させるように、近位外側チューブ320の近位端に連結される。
【0104】
図19A〜
図19Cを参照して、一実施形態において、関節運動制御レバー253は摺動部材255に連結され、これは更に、近位シャフト部248の近位外側チューブ320の近位端に連結されている。一実施形態において、レバー253が遠位方向に移動すると、近位外側チューブ320はハンドル242から離れて遠位方向に摺動し、レバー253が近位方向に移動すると、近位外側チューブ320はハンドル242に向かって近位方向に摺動する。
【0105】
一実施形態において、関節運動制御レバー253は、異なる関節角度(例えば0度、30度、60度)に関連付けられた離間した係止部259A〜259Cを有するカム面257に係合する。関節運動制御レバーは、異なる関節角度に無限に調節可能な関節運動制御要素を提供するのではなく、外科医により典型的に使用されるか又は好まれる所定の角度への関節運動を提供する。
【0106】
一実施形態において、関節運動制御レバー253は、好ましくは、ロック解除ノブ263に連結されたばね装填ロック261を含む。一実施形態において、ロック解除ノブ263は、ばね装填ロック261を引き戻すために係合されており、これによってレバー253は、近接シャフト部248に対する遠位シャフト部250の関節角度を設定するための、離間した係止部259A〜259Cの間で移動することができる(
図18A)。
【0107】
図20は、30度の角度に関連付けられた第2の離間した係止部259Bと、60度の角度に関連付けられた第3の離間した係止部259Cとの間に配置された、関節運動制御レバー253を示す。ロック解除ノブ263及びばね装填ロック261が引き戻されており、これによって、ばね装填ロック261は、第2の離間した係止部259Bと第3の離間した係止部259Cとの間でカム面257の上を摺動することができる。
図21A〜
図21Cを参照して、レバー253が最遠位位置まで完全に前進しているとき、ロック解除ノブ263及びばね装填ロック261が延伸して、第3の離間した係止部259Cに揃う位置(例えば45度の位置)にレバー253をロックする。摺動部材255と近位外側チューブ320は、レバー253がばね装填ロック261によって離間した係止部259A〜259Cのうち1つに係止されている限り、軸A
1に沿った摺動移動が阻止される。
【0108】
図22A〜
図22Cを参照して、一実施形態において、関節運動制御レバー253が最遠位の切り換え位置まで前進すると、遠位シャフト部250は、関節運動継手252を中心に枢軸旋回し、これによって、遠位シャフト部250が、近位シャフト部248の長手方向軸A1に対して約60度の角α5を画定する軸A6に沿って延在する。
【0109】
図23を参照して、一実施形態において、アプリケータ器具240は、ハンドル242の内部に配置された蓄積エネルギー発射システム270を含む。発射システム270は、本明細書に開示されている、又は本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第8,579,920号、同第8,728,098号、同第8,728,099号、同第8,894,669号、及び同第8,920,439号に開示されている、1つ又は2つ以上の要素を含み、更にこれらに開示されるように動作し、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
図23及び
図24A〜
図24Bを参照して、発射システム270は、トリガ244がハンドル242のハンドグリップ264に向かって締め付けられるたびに、シャフトの遠位端から単一の外科用締結具を分与する。
【0110】
図25を参照して、外科的処置中、アプリケータ器具240の関節運動シャフト246は、カニューレ275を通して手術部位まで前進され、この手術部位で外科用締結具を分与することができる。関節運動制御レバー253は、近位シャフト部に対する遠位シャフト部の角度を変更するために外科医によって係合され得る。
【0111】
図26A及び
図26Bを参照して、一実施形態において、外科用締結具を分与するアプリケータ器具340は、トリガ344を有するハンドル342と、関節運動シャフト346とを含み、この関節運動シャフトは、近位シャフト部348と、近位シャフト部に対して関節運動する遠位シャフト部350とを備える。遠位シャフト部350は、近位シャフト部348の長手方向軸A
1に沿って延在する第1位置と、近位シャフト部348の長手方向軸A
1に対して異なる角度で位置する関節運動した形状との間を動くことができる。一実施形態において、近位シャフト部348の遠位端は、関節運動継手352を介して遠位シャフト部350の近位端に枢動的に連結され、これにより遠位シャフト部350は、近位シャフト部348の長手方向軸A
1に対して異なる角度に関節運動可能である。アプリケータ器具は、遠位シャフト部350と近位シャフト部348との間で関節運動角度を変更するために回転する、関節運動制御ノブ353を有する。一実施形態において、関節運動制御ノブを第1の方向に回転させることによって関節角度を増大させ、また、関節運動制御ノブを反対の第2の方向に回転させることによって、関節角度を減少させる。一実施形態において、関節運動制御ノブ353を使用して、遠位シャフト部350を約0〜60度の無限数の角度に設定することができる。一実施形態において、関節角度は、80度ほどの大きさであってもよい。
図26A及び
図26Bにおいて、関節運動シャフト346は直線状であり、これによって、近位シャフト部348及び遠位シャフト部350が共に長手方向軸A
1に沿って延びる。
【0112】
一実施形態において、アプリケータ器具340の関節運動制御ノブ353は、遠位シャフト部350を近位シャフト部348に対して関節運動させるよう係合される。
図27A及び
図27Bを参照して、一実施形態において、関節運動制御ノブ353は、遠位シャフト部350が軸A
7に沿って延在し、近位シャフト部348が、約60度の角α
6を画定する軸A
1に沿って延在するように、係合している。一実施形態において、遠位シャフト部50は、近位シャフト部48の長手方向軸A
1に対して0〜60度の間で移動する。一実施形態において、関節運動制御ノブ53を使用して、遠位シャフト部50の関節運動角度を0〜80度の間の任意の角度に変更することができる。
【0113】
上記の説明は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態を本発明の基本的な範囲から逸脱することなく行うことが可能であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明では、本明細書で説明するか又は本明細書に参照により組み込まれる実施形態のいずれかに示す特徴のいずれかを、本明細書で説明するか又は本明細書に参照により組み込まれるがやはり本発明の範囲内に含まれる残りの実施形態のいずれかに示す特徴のいずれかと、組み合わせてもよいことが意図されている。
【0114】
〔実施の態様〕
(1) 外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具であって、
遠位端を有するハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端から延びる関節運動シャフトであって、前記関節運動シャフトは、長手方向軸を有する近位シャフト部と、遠位シャフト部と、前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手とを含む、関節運動シャフトと、を備え、
前記近位シャフト部は、近位外側チューブと、前記近位外側チューブの内側に配置された近位内側部材とを含み、前記近位内側部材は、前記ハンドルの前記遠位端に堅固に固定されており、前記近位外側チューブは、前記近位内側部材に対して遠位方向及び近位方向に前記長手方向軸に沿って摺動するよう適合されており、
前記遠位シャフト部は、遠位外側チューブと、前記遠位外側チューブの内側に配置された遠位内側部材とを含み、前記遠位外側チューブは前記遠位内側部材に対して遠位及び近位に摺動するように適合されており、前記遠位内側部材は、外科用締結具分与窓を有する遠位端面を有し、
前記関節運動継手は、前記近位外側チューブの遠位端と前記遠位外側チューブの近位端との間の第1枢軸旋回接続部、及び、前記近位内側部材との第2枢軸旋回接続部と、前記遠位外側チューブとの第3枢軸旋回接続部とを含む接合部材を含み、
前記近位外側チューブを前記長手方向軸に沿って前記遠位方向及び近位方向に移動させるように、前記近位外側チューブに連結された関節運動制御要素であって、前記近位外側チューブの遠位移動は、前記関節運動継手を介した前記遠位シャフト部の前記近位シャフト部に対する関節運動をもたらす、関節運動制御要素と、
前記遠位内側部材の前記遠位端面と前記ハンドルの前記遠位端との間の一定の距離を維持するよう、前記近位内側部材と前記遠位内側部材とを相互接続する非圧縮性部材であって、前記関節運動シャフトが直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、前記遠位外側チューブの最遠位端と前記ハンドルの前記遠位端との間の距離が変化するが、前記非圧縮性部材が、前記遠位内側部材の前記遠位端面と前記ハンドルの前記遠位端との間の前記一定の距離を維持する、非圧縮性部材と、
を備える、アプリケータ器具。
(2) 前記ハンドル内に配置された発射システムであって、前記発射システムは発射ロッドを含み、前記発射ロッドは、前記関節運動シャフトを通って延在し、かつ発射サイクル中に遠位方向及び近位方向に移動する、発射システムと、
前記発射システムを作動させるために前記ハンドルに連結されたアクチュエータと、
を更に備える、実施態様1に記載のアプリケータ器具。
(3) 前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに屈曲するよう、可撓性である、実施態様2に記載のアプリケータ器具。
(4) 前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記関節運動シャフトが直線形状であるときに実質的に直線状であり、前記関節運動シャフトが前記関節運動した形状であるときに湾曲している、実施態様3に記載のアプリケータ器具。
(5) 前記発射ロッドと前記第1枢軸旋回接続部との間に位置する発射ロッド支持体を更に備え、前記発射ロッド支持体は、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに、前記発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する、実施態様4に記載のアプリケータ器具。
【0115】
(6) 前記非圧縮性部材は、前記発射ロッドと前記発射ロッド支持体の前記支持表面との間に位置している、実施態様5に記載のアプリケータ器具。
(7) 前記関節運動シャフト内に配置された複数の外科用締結具を更に含み、各前記発射サイクル中に、前記外科用締結具の先頭の1つが分与される、実施態様1に記載のアプリケータ器具。
(8) 前記外科用締結具のうちの1つのみが、いつの時点でも、前記遠位シャフト部内に配置されている、実施態様7に記載のアプリケータ器具。
(9) 前記関節運動制御要素が、前記遠位シャフト部と前記近位シャフト部との間の前記関節角度を増大させる第1の方向に移動可能であり、かつ、前記遠位シャフト部と前記近位シャフト部との間の前記関節角度を減少させる第2の反対方向に移動可能である、実施態様1に記載のアプリケータ器具。
(10) 外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルの遠位端から延びる関節運動シャフトであって、前記関節運動シャフトは、長手方向軸に沿って延びる近位シャフト部と、遠位シャフト部と、前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手とを含む、関節運動シャフトと、を備え、
前記近位シャフト部は、前記長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向に摺動するように適合された近位外側チューブと、前記ハンドルの前記遠位端に堅固に固定された前記近位外側チューブの内側に配置された近位内側部材とを含み、
前記遠位シャフト部は、遠位外側チューブと、前記遠位外側チューブの内側に配置された遠位内側部材とを含み、前記遠位外側チューブは前記遠位内側部材に対して遠位及び近位に摺動するように適合されており、前記遠位内側部材は、外科用締結具分与窓を有する遠位端面を有し、
前記関節運動継手は、前記近位外側チューブの遠位端と前記遠位外側チューブの近位端との間の第1枢軸旋回接続部、及び、前記近位内側部材との第2枢軸旋回接続部と、前記遠位外側チューブとの第3枢軸旋回接続部とを含む接合部材を含み、
前記近位シャフト部に対する前記遠位シャフト部の前記関節角度を変えるように、前記関節運動シャフトに連結された関節運動制御要素と、
前記関節運動シャフトが直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、前記遠位内側部材の前記遠位端面と前記ハンドルの前記遠位端との間の一定の距離を維持するように、前記近位内側部材と前記遠位内側部材とを相互接続する、非圧縮性部材と、
を備える、アプリケータ器具。
【0116】
(11) 前記関節運動シャフトが前記直線形状と前記関節運動した形状との間を動く際に、前記遠位外側チューブの最遠位端と前記ハンドルの前記遠位端との間の距離が変化するが、前記非圧縮性部材は前記遠位内側部材の前記遠位端面と前記ハンドルの前記遠位端との間の前記一定の距離を維持する、実施態様10に記載のアプリケータ器具。
(12) 前記ハンドル内に配置された発射システムであって、前記発射システムは発射ロッドを含み、前記発射ロッドは、前記関節運動シャフトを通って延在し、かつ発射サイクル中に遠位方向及び近位方向に移動する、発射システムと、
前記発射システムを作動させるために前記ハンドルに連結されたアクチュエータと、
を更に備える、実施態様11に記載のアプリケータ器具。
(13) 前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに屈曲するよう、可撓性である、実施態様12に記載のアプリケータ器具。
(14) 前記非圧縮性部材及び前記発射ロッドは、前記関節運動シャフトが直線形状であるときに実質的に直線状であり、前記関節運動シャフトが前記関節運動した形状であるときに湾曲している、実施態様13に記載のアプリケータ器具。
(15) 前記発射ロッドと前記第1枢軸旋回接続部との間に位置する発射ロッド支持体を更に備え、前記発射ロッド支持体は、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに、前記発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する、実施態様14に記載のアプリケータ器具。
【0117】
(16) 前記非圧縮性部材は、前記発射ロッドと前記発射ロッド支持体の前記支持表面との間に位置している、実施態様15に記載のアプリケータ器具。
(17) 前記関節運動シャフト内に配置された複数の外科用締結具を更に含み、各前記発射サイクル中に、前記外科用締結具の先頭の1つが分与される、実施態様10に記載のアプリケータ器具。
(18) 外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルの遠位端から延びる関節運動シャフトであって、前記関節運動シャフトは、長手方向軸に沿って延びる近位シャフト部と、遠位シャフト部と、前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手とを含む、関節運動シャフトと、
前記ハンドル内に配置され、前記関節運動シャフトを通って延びる発射ロッドを含む、発射システムと、
前記発射システムを作動させるために前記ハンドルに連結されたアクチュエータと、を備え、
前記近位シャフト部は、前記長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向に摺動するように適合された近位外側チューブと、前記ハンドルの前記遠位端に堅固に固定された前記近位外側チューブの内側に配置された近位内側部材とを含み、
前記遠位シャフト部は、遠位外側チューブと、前記遠位外側チューブの内側に配置された遠位内側部材とを含み、前記遠位外側チューブは前記遠位内側部材に対して遠位及び近位に摺動するように適合されており、前記遠位内側部材は、外科用締結具分与窓を有する遠位端面を有し、
前記近位シャフト部に対する前記遠位シャフト部の前記関節角度を変えるように、前記関節運動シャフトに連結された関節運動制御要素と、
前記遠位内側部材の前記遠位端面と前記ハンドルの前記遠位端との間の一定の距離を維持するよう、前記近位内側部材と前記遠位内側部材とを相互接続する非圧縮性部材であって、前記関節運動シャフトが直線形状と関節運動した形状との間を動く際に、前記遠位外側チューブの最遠位端と前記ハンドルの前記遠位端との間の距離が変化するが、前記非圧縮性部材は前記遠位内側部材の前記遠位端面と前記ハンドルの前記遠位端との間の前記一定の距離を維持する、非圧縮性部材と、
を備える、アプリケータ器具。
(19) 前記発射ロッドと前記関節運動継手の第1枢軸旋回接続部との間に位置する発射ロッド支持体を更に備え、前記発射ロッド支持体は、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動したときに、前記発射ロッドの外側湾曲面を支持する表面を有する、実施態様18に記載のアプリケータ器具。
(20) 前記非圧縮性部材は、前記発射ロッドと前記発射ロッド支持体の前記支持表面との間に位置している、実施態様19に記載のアプリケータ器具。
【0118】
(21) ヘルニア欠陥を修復する方法であって、
患者の腹腔内にメッシュを挿入することと、
前記メッシュをヘルニア欠陥の上に配置することと、
外科用締結具を分与するアプリケータ器具を用意することであって、前記アプリケータ器具は、ハンドルと、前記ハンドルの遠位端から延びる関節運動シャフトとを備え、前記関節運動シャフトは、長手方向軸に沿って延びる近位シャフト部と、遠位シャフト部と、前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部とを相互接続する関節運動継手と、前記近位シャフト部に対する前記遠位シャフト部の関節角度を変えるように前記関節運動シャフトに連結されている関節運動制御要素と、を含み、少なくとも1つの外科用締結具が前記関節運動シャフト内に配置されている、ことと、
前記関節運動シャフトが直線形状であり、これによって前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部とが前記長手方向軸に沿って延在した状態で、前記関節運動シャフトの最遠位端を、前記患者の腹腔内に挿入することと、
前記関節運動制御要素を、前記遠位シャフト部が前記近位シャフト部に対して関節運動するように係合させ、これにより、前記遠位シャフト部が、前記長手方向軸との角度を画定する第2の軸に沿って延びる、ことと、
前記関節運動シャフトの最遠位端を前記メッシュに接させることと、前記トリガを締め付けて前記少なくとも1つの外科用締結具を前記メッシュを通して前記患者の腹壁内に分与することと、を含む、方法。