(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0050】
[化粧料の実施形態]
以下、本発明に係る化粧料の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、各成分の含有量、添加量に関する“〜”は、原則的に、左側の数値以上右側の数値未満を意味するものとする。本発明に係る化粧料は、プロポリス、アミノ酸を含有することを特徴とするものである。また、本発明(化粧料、毛髪修復剤、スキンケア用ローション、育毛剤、パーマ液、頭髪用調整剤として利用可能な化学組成物)でいうプロポリス(Propolis)とは、植物が分泌した種々の物質をミツバチが採集して営巣に用いる粘着性の物質のことであり、所謂、蜂ヤニのことである。本発明に係る化粧料には、このプロポリスの固形分濃度が10%〜30%の抽出溶液(エタノール溶液等)を、0.01〜15質量%含有させるのが好ましく、3.0〜10質量%含有させるのがより好ましい(したがって、固形分濃度としては、0.001質量%〜4.5質量%含有させるのが好ましく、0.3質量%〜3.0質量%含有させるのがより好ましい)。また、プロポリスの抽出溶液としては、固形分濃度が約20%の抽出溶液を用いるのが最も好ましい。プロポリスの添加量が、上記した範囲を下回ると(固形分濃度が0.001質量%を下回ると)、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られないので好ましくなく、プロポリスの添加量が、上記した範囲を上回ると(固形分濃度が4.5質量%を上回ると)、不経済である上、皮膚に塗布した際のべとつき感が高くなったり、化粧料の臭いが不良となったりするので好ましくない。
【0051】
また、本発明に係る化粧料には、アミノ酸を含有させることが必要である。かかるアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン(あるいはシスチン)、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン(リジンとも称される)、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ギャバ(γ−アミノ酪酸)の21種類のアミノ酸の内のLタイプのもの、あるいはそれらの塩酸塩、硫酸塩等の誘導体等を用いることができるが、アルギニン、システイン(あるいはシスチン)、リシン、トレオニン、アスパラギン酸、ギャバ、あるいはそれらの誘導体の内の1種、または2種以上を混合してなるものであると、少ない分量で、頭髪に効率的に艶、ハリや潤いを付与することが可能となるので好ましい。加えて、システイン、アルギニン、リシンを混合して用いると、非常に高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られるので好ましい。また、本発明に係る化粧料においてプロポリスとともに用いるアミノ酸として、システイン(L−システイン)、アルギニン(L−アルギニン)、リシン(L−リシン)あるいはそれらの塩酸塩(もしくはそれらの内の1種または2種以上の組み合わせ)を用いると、きわめて高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られるので好ましい。
【0052】
さらに、アミノ酸としてシスチンを用いる場合には、そのシスチンの内の少なくとも一部(あるいは全部)を、白金によって加水分解ケラチンと結合したものとすると、化粧料におけるシスチンの分散性が良くなり(沈殿しにくくなり)、肌への“のり”が良好なものとなるので好ましい。本発明でいう白金とは、白金(プラチナ)をナノレベル(10億分の1m〜10億分の3m)にまで超微粒子化した、所謂、白金(プラチナ)ナノコロイドのことであり、本発明の化粧料の製造においては、そのような白金によって(白金を介して)加水分解ケラチンと結合させたシスチン(以下、改良型シスチンという)を用いるのが好ましい。かかる改良型シスチンにおける白金は、高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスおよびシスチン(あるいはその他のアミノ酸)との相互作用によって、シワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果に寄与する。
【0053】
また、上記した改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量は、特に限定されないが、固形分換算で0.005〜5質量%含有させるのが好ましく、0.01〜2質量%含有させるのがより好ましい。改良型シスチンの含有量が、0.005質量%を下回ると、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られないので好ましくなく、改良型シスチンの含有量が、5質量%を上回ると、不経済である上、肌への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0054】
また、上記した改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量を、プロポリスの添加量に対して10%〜200%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、より高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスとの相互作用によって、きわめて良好なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果を発現させることが可能となるので好ましく、20%〜100%の範囲内に調整するとより好ましく、30%〜70%の範囲内に調整すると特に好ましい。
【0055】
さらに、上記した改良型シスチンを用いる場合には、シスチンに対する白金(白金ナノコロイド)の添加量を0.01%〜1.0%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、化粧料中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、0.1%〜0.5%の範囲内に調整するとより好ましく、0.2%〜0.3%の範囲内に調整すると特に好ましい。加えて、改良型シスチンを用いる場合には、加水分解ケラチンに対するシスチンの含有量を1%〜50%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、化粧料中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、3%〜25%の範囲内に調整するとより好ましく、5%〜10%の範囲内に調整すると特に好ましい。さらに、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンを、固形分濃度が1〜5質量%の水溶液として用いるのが好ましく、固形分濃度が2質量%の水溶液として用いるのが最も好ましい。
【0056】
また、化粧料に含有させるアミノ酸としては、アセチルシステイン(N−アセチルシステイン(N-acetyl-L-cystein))、N,N’−ビスアセチルシスチン(N,N’−ジアセチルシスチン(N,N'-diacetyl-L-cystine))、N−アセチルシスチン(N-acetyl-L-cystine)、システイン酸(cysteic-acid)を用いることもでき、その中でも、アセチルシステインを用いると、シワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が非常に良好なものとなるので好ましい。
【0057】
本発明に係る化粧料には、上記したアミノ酸(あるいはその誘導体)を、全体として、0.05〜10質量%含有させるのが好ましく、0.1〜5質量%含有させるのがより好ましい。アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られないので好ましくなく、アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、肌への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0058】
さらに、本発明に係る化粧料には、抗菌成分として重金属イオンを含有させることも可能である。かかる重金属イオンとしては、各種のものを用いることができるが、銀イオン、亜鉛イオン、チタンイオン、あるいはそれらの内の1種、または2種以上を混合してなるものであると、高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られるので好ましい。加えて、銀イオン、亜鉛イオン、チタンイオンの複合金属イオンを用いると、シワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が一層良好なものとなるのでより好ましい。重金属イオンの含有量は、特に限定されないが、0.1〜10質量%含有させるのが好ましく、0.5〜5質量%含有させるのがより好ましい。重金属イオンの含有量が、上記した範囲を下回ると、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られないので好ましくなく、重金属イオンの含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、肌への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0059】
一方、本発明に係る化粧料におけるアミノ酸に対するプロポリス(純成分)の添加比率は、特に限定されないが、当該添加比率が0.1%以上100%未満であると、プロポリスとアミノ酸との相乗作用によって、より高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果が得られるので好ましく、5%〜50%であると一層好ましく、10%〜30%であると特に好ましい。
【0060】
さらに、本発明に係る化粧料には、必須成分であるプロポリス、アミノ酸の他に、通常化粧料に用いられる成分、たとえば、油性成分、合成系あるいは天然物の系界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を、必要に応じて適宜配合することができる。加えて、本発明に係る化粧料には、必要に応じて、各種のアルコールや発酵アルコール、グリコール類(ブチルグリコール等)、植物から抽出したエキス、防腐剤、香料、粘度調整剤、PH調整剤等を添加することも可能である。
【0061】
油性成分としては、たとえば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等を好適に用いることができる。
【0062】
界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
【0063】
また、乳化剤や乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等を配合することもできる。
【0064】
保湿剤としては、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(たとえば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、ビャッキュウ抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0065】
増粘剤としては、たとえば、アルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ビャッキュウ抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等を好適に用いることができる。
【0066】
防腐・殺菌剤としては、たとえば、尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等を好適に用いることができる。
【0067】
粉体成分としては、たとえば、セリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等を好適に用いることができる。
【0068】
紫外線吸収剤としては、たとえば、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等を好適に用いることができる。
【0069】
抗酸化剤としては、たとえば、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ビャッキュウ抽出物、イネ抽出物等を好適に用いることができる。
【0070】
さらに、本発明に係る化粧料には、必要に応じて、ヒアルロン酸(特に吸収型ヒアルロン酸、たとえば、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム)等の保湿剤(水分調整剤)等を添加することも可能である。なお、本発明に係る化粧料にヒアルロン酸を添加する場合には、その添加量は特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、皮膚の保湿性および経済性の観点から好ましく、0.05〜2質量%であるとより好ましい。
【0071】
加えて、本発明に係る化粧料に、フコイダン(硫酸多糖の一種であり、昆布、ワカメ等の褐藻類の粘質物に多く含まれる食物繊維)を添加すると、抗菌作用によってシワ・シミ取り作用、美肌化・美白化作用が一段と良好なものとなるので好ましい。フコイダンの添加量は、特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、シワ・シミ取り作用、美肌化・美白化作用および経済性の観点から好ましく、0.05〜2質量%であるとより好ましい。
【0072】
なお、本発明に係る化粧料の製造に当たっては、製造方法は特に限定されるものではないが、必要に応じて、原料あるいは原料の混合液を、30℃〜100℃の温度範囲内で加熱するのが好ましい。
【0073】
[実施例A:化粧料の実施例]
以下、実施例によって本発明に係る化粧料についてより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例における物性、特性の評価方法は以下の通りである。なお、下記の各官能評価においては、被験者3名分の各評価結果の平均的な段階(◎,○,△,×)を最終的な評価結果とした。
【0074】
<シワ取り・シミ取り効果>
各実施例および比較例で調製された化粧料を、以下の(1)〜(4)の方法で3名の被験者(いずれも50代)に使用し、当該使用を一定期間(1週間)に亘って繰り返した。
(1)所定の量(約5.0g)の化粧料の顔面への塗布(手による塗布)
(2)皮膚への十分な擦り込み
(3)約10時間に亘る保持
(4)市販の石鹸を用いた先願による除去
そして、上記の如く化粧料の使用を繰り返した後の各被験者の顔面の皮膚の状態を、下記の4段階で官能評価した。
○:目尻や額のシワや皮膚のシミに十分な軽減効果が見られる。
△:目尻や額のシワや皮膚のシミに僅かな軽減効果が見られる。
×:目尻や額のシワや皮膚のシミにほとんど軽減効果が見られない。
【0075】
<美白効果>
上記の如き化粧料の使用を一定期間に亘って繰り返した後の各被験者の顔面の皮膚の色の変化を、下記の4段階で官能評価した。
○:顔全体の皮膚に十分な白色化が認められる。
△:顔全体の皮膚に僅かな白色化が認められる。
×:顔全体の皮膚に白色化が認められない。
【0076】
<皮膚への刺激>
上記の如き化粧料の使用を一定期間に亘って繰り返した際における各被験者の皮膚への刺激を、下記の4段階で官能評価した。
○:皮膚に刺激を感じない。
△:わずかに刺激を感じる。
×:強い刺激を感じる。
【0077】
<化粧料の臭い>
上記の如き化粧料の使用を一定期間に亘って繰り返した際に被験者が感じた臭いを下記の3段階で官能評価した。
○:特に悪臭を感じない。
△:若干の悪臭を感じる。
×:悪臭を感じる。
【0078】
<溶液の均一性>
実施例、比較例で得られた化粧料の溶液の均一性を、目視によって下記の3段階で官能評価した。
◎:沈殿物がまったくない。
○:若干の沈殿物が認められる。
△:多くの沈殿物が認められる。
【0079】
[実施例A−1]
<化粧料の調製>
下記の各成分を混合することによって、実施例A−1の化粧料を得た。なお、化粧料を製造する際には、プロポリス溶液とグリセリンとを混合して攪拌する一方、約70℃に加熱した精製水中に、アミノ酸を配合して攪拌し、混合液を常温まで冷却した後、吸収型ヒアルロン酸を配合して攪拌した。しかる後、得られたアミノ酸および吸収型ヒアルロン酸の混合水溶液に重金属イオンを添加した後、その重金属イオン含有溶液と、プロポリス溶液およびグリセリンの混合溶液とを混ぜ合わせて攪拌する方法を採用した。
【0080】
<化粧料の成分>
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):1.0質量%(プロポリスの純成分の濃度=0.2質量%)
・グリセリン:70質量%
・香料:0.2質量%
・重金属イオン
・銀イオン、亜鉛イオン、チタンイオンの複合イオン:10,000ppm
・アミノ酸
・L−システイン:0.2質量%
・L−アルギニン: 0.2質量%
・L−トレオニン:0.1質量%
・L−リシン(塩酸塩):0.1質量%
・L−アスパラギン酸:0.1質量%
・吸収型ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム):5.0質量%
・フコイダン:5.0質量%
・精製水:残余量
【0081】
しかる後、上記した方法で3名の被験者に一定期間(1週間)に亘って化粧料を使用し、上記した「シワ取り・シミ取り効果」、「美白効果」、「皮膚への刺激」および「化粧料の臭い」の4項目について評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0082】
[実施例A−2,A−3]
化粧料を調製する際に、重金属イオンの混合割合を、それぞれ、5,000ppm、20,000ppmに変更した以外は、実施例A−1の化粧料の調製と同様にして、実施例A−2,A−3の化粧料を調製した(なお、精製水の重量割合(残余量)は、重金属イオンの混合割合に併せて変更した)。そして、それらの実施例A−2,A−3の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0083】
[実施例A−4,A−5]
化粧料を調製する際に、重金属イオンを、それぞれ、銀イオン、亜鉛イオンに変更した以外は、実施例A−1の化粧料の調製と同様にして、実施例A−4,A−5の化粧料を調製した。そして、それらの実施例A−4,A−5の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0084】
[実施例A−6〜A−8]
化粧料を調製する際に、添加するアミノ酸を、それぞれ、L−システインのみ、L−アルギニンのみ、L−リシン(塩酸塩)のみとするとともに、それらの混合割合を0.7質量%に変更した以外は、実施例A−1の化粧料の調製と同様にして、実施例A−6〜A−8の化粧料を調製した。そして、それらの実施例A−6〜A−8の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0085】
[実施例A−9〜A−12]
化粧料を調製する際に、プロポリスの混合割合(プロポリスの純成分の濃度)を、それぞれ、0.025質量%、0.25質量%、0.5質量%、2.5質量%に変更した(すなわち、プロポリスの純成分の濃度を、それぞれ、0.005質量%、0.05質量%、0.1質量%、0.5質量%に変更した)以外は、実施例A−1の化粧料の調製と同様にして、実施例A−9〜A−12の化粧料を調製した。そして、それらの実施例A−9〜A−12の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0086】
[実施例A−13]
<化粧料の調製>
下記の各成分を混合することによって、実施例A−13の化粧料を得た。
【0087】
<化粧料の成分>
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):1.0質量%(プロポリスの純成分の濃度=0.2質量%)
・香料:0.2質量%
・分散剤:3.0質量%
・改良型シスチン(すなわち、白金によって加水分解ケラチンと結合したシスチン)の水溶液(シスチンの固形分濃度2.0%の水溶液):5.0質量%
・その他のアミノ酸
・L−アルギニン: 0.3質量%
・L−リシン(塩酸塩):0.1質量%
・ヒアルロン酸ナトリウム:30.0質量%
・吸収型ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム):3.0質量%
・フコイダン:3.0質量%
・防腐剤(エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベンの混合溶液):0.1質量%
・グリセリン:30.0質量%
・精製水:残余量
【0088】
そして、得られた実施例A−13の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0089】
[実施例A−14〜A−16]
化粧料を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の混合割合を、それぞれ、3.0質量%、7.0質量%、10.0質量%に変更した(すなわち、改良型シスチンの純成分の濃度を、それぞれ、0.06質量%、0.14質量%、0.2質量%に変更した)以外は、実施例A−13の化粧料の調製と同様にして、実施例A−14〜A−16の化粧料を調製した。そして、それらの実施例A−14〜A−16の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0090】
[実施例A−17]
化粧料を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにアセチルシステイン 0.3質量%を混合した以外は、実施例A−13の化粧料の調製と同様にして、実施例A−17の化粧料を調製した。そして、その実施例A−17の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0091】
<比較例A−1>
化粧料を調製する際に、プロポリスを添加しなかった以外は、実施例A−1の化粧料の調製と同様にして、比較例A−1の化粧料を調製した。そして、その比較例A−1の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0092】
<比較例A−2>
化粧料を調製する際に、重金属イオンを添加しなかった以外は、実施例A−1の化粧料の調製と同様にして、比較例A−2の化粧料を調製した。そして、その比較例A−2の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0093】
<比較例A−3>
化粧料を調製する際に、アミノ酸を添加しなかった以外は、実施例A−1の化粧料の調製と同様にして、比較例A−3の化粧料を調製した。そして、その比較例A−3の化粧料を、実施例A−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例A−1と同様に評価した。評価結果を化粧料の組成とともに表1に示す。
【0095】
表1から、プロポリス、アミノ酸および重金属イオンを含有する実施例A−1〜A−12の化粧料を一定期間に亘って被験者に使用した場合には、シワ取り・シミ取り効果、美白効果ともに良好で、皮膚への刺激が少なく、使用時に化粧料の臭いが気にならないことが分かる。また、プロポリスおよび改良型シスチン(あるいはアセチルシステイン)を含有する実施例A−13〜A−17の化粧料を一定期間に亘って被験者に使用した場合も、シワ取り・シミ取り効果、美白効果ともに良好で、皮膚への刺激が少なく、使用時に化粧料の臭いが気にならないことが分かる。これに対して、プロポリス、アミノ酸および重金属イオンの内のいずれかを含有していない比較例A−1〜A−3の化粧料を一定期間に亘って使用した場合には、良好なシワ取り・シミ取り効果、美白効果が得られなかったり、皮膚への刺激があったり、使用時に悪臭を感じたりすることが分かる。
【0096】
[毛髪修復剤の実施形態]
本発明に係る毛髪修復剤は、プロポリスを含有することを特徴とするものである。本発明に係る毛髪修復剤には、このプロポリスの固形分濃度が10%〜30%の抽出溶液(エタノール溶液等)を、0.5〜15.0質量%含有させるのが好ましく、1.0〜5.0質量%含有させるのがより好ましく、2.0〜4.0質量%含有させるのが特に好ましい(したがって、固形分濃度としては、0.05質量%〜4.5質量%含有させるのが好ましく、0.1質量%〜1.5質量%含有させるのがより好ましく、0.2質量%〜1.2質量%含有させるのが特に好ましい)。また、プロポリスの抽出溶液としては、固形分濃度が約20%の抽出溶液を用いるのが最も好ましい。プロポリスの添加量が、上記した範囲を下回ると(固形分濃度が0.05質量%を下回ると)、十分な毛髪の損傷の修復効果が得られないので好ましくなく、プロポリスの添加量が、上記した範囲を上回ると(固形分濃度が4.5質量%を上回ると)、不経済である上、毛髪のべとつき感が高くなり、毛髪の洗浄が困難となったり、毛髪修復剤の臭いが不良となったりするので好ましくない。
【0097】
また、本発明に係る毛髪修復剤には、必要に応じてアミノ酸もしくはその誘導体を含有させることができる。アミノ酸もしくはその誘導体としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン(あるいはシスチン)、リシン(あるいはリジン)、グルタミン、グルタミン酸、あるいはそれらの塩酸塩、硫酸塩等の誘導体等を用いることができるが、システイン、リシン、アルギニンの内の1種、または2種以上を混合してなるものであると、少ない分量で、毛髪に効率的に艶、ハリや潤いを付与することが可能となるので好ましい。加えて、システイン(L−システイン)、リシン(L−リシン)、アルギニン(L−アルギニン)、あるいはそれらの塩酸塩の内の2種以上の組み合わせを用いると、毛髪にきわめて効率的に艶、ハリや潤いを付与することができるのでより好ましい。
【0098】
さらに、アミノ酸としてシスチンを用いる場合には、そのシスチンの内の少なくとも一部(あるいは全部)を、上記した改良型シスチンとすると、毛髪修復剤におけるシスチンの分散性が良くなり、頭皮への“のり”が良好なものとなるので好ましい。かかる改良型シスチンにおける白金(白金ナノコロイド))は、高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスおよびシスチン(あるいはその他のアミノ酸)との相互作用によって、毛髪へ艶、ハリや潤いを与える効果に寄与する。
【0099】
また、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量は、特に限定されないが、固形分換算で0.005〜5質量%含有させるのが好ましく、0.01〜2質量%含有させるのがより好ましい。改良型シスチンの含有量が、0.005質量%を下回ると、毛髪への艶、ハリや潤いの付与効果が不十分なものとなるので好ましくなく、改良型シスチンの含有量が、5質量%を上回ると、不経済である上、頭皮への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0100】
また、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量を、プロポリスの添加量に対して3%〜100%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、より高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスとの相互作用によって、毛髪への艶、ハリや潤いの付与効果がきわめて良好なものとなるので好ましく、5%〜40%の範囲内に調整するとより好ましく、10%〜30%の範囲内に調整すると特に好ましい。
【0101】
さらに、改良型シスチンを用いる場合には、シスチンに対する白金(白金ナノコロイド)の添加量を0.01%〜1.0%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、毛髪修復剤中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、0.1%〜0.5%の範囲内に調整するとより好ましく、0.2%〜0.3%の範囲内に調整すると特に好ましい。加えて、改良型シスチンを用いる場合には、加水分解ケラチンに対するシスチンの含有量を1%〜50%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、毛髪修復剤中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、3%〜25%の範囲内に調整するとより好ましく、5%〜10%の範囲内に調整すると特に好ましい。さらに、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンを、固形分濃度が1〜5質量%の水溶液として用いるのが好ましく、固形分濃度が2質量%の水溶液として用いるのが最も好ましい。
【0102】
また、毛髪修復剤に含有させるアミノ酸として、アセチルシステイン(N−アセチルシステイン(N-acetyl-L-cystein))、N,N’−ビスアセチルシスチン(N,N’−ジアセチルシスチン(N,N'-diacetyl-L-cystine))、N−アセチルシスチン(N-acetyl-L-cystine)、システイン酸(cysteic-acid)を用いることもでき、その中でも、アセチルシステインを用いると、少ない分量で非常に効率的に毛髪へ艶、ハリや潤いを付与することが可能となるので好ましい。
【0103】
本発明に係る毛髪修復剤には、上記したアミノ酸またはその誘導体を、全体として、0.05〜10質量%含有させるのが好ましく、0.1〜5質量%含有させるのがより好ましい。アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分な毛髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、毛髪の損傷を助長してしまう虞れがあるので好ましくない。
【0104】
一方、本発明に係る毛髪修復剤におけるアミノ酸に対するプロポリスの添加比率は、特に限定されないが、当該添加比率が0.5〜2,000%であると、プロポリスとアミノ酸との相乗作用によって、非常に良好な毛髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られるので好ましく、20〜500%であるとより好ましく、30〜90%であると一段と好ましい。
【0105】
さらに、本発明に係る毛髪修復剤には、必要に応じて、各種のアルコールや発酵アルコール、グリコール類(ブチルグリコール等)、植物から抽出したエキス、防腐剤、香料、粘度調整剤、PH調整剤等を添加することも可能である。
【0106】
さらに、本発明に係る毛髪修復剤に、フコイダン(硫酸多糖の一種であり、昆布、ワカメ等の褐藻類の粘質物に多く含まれる食物繊維)を添加すると、毛髪の損傷を効果的に修復できる上、毛髪に効率的に艶、ハリや潤いを付与することができるのでより好ましい。フコイダンの添加量は、特に限定されないが、本発明に係る毛髪修復剤には、0.1〜15質量%含有させるのが好ましく、1〜6質量%含有させるのがより好ましい。フコイダンの含有量が、0.1質量%を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分な毛髪の修復効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、フコイダンの含有量が、15質量%を上回ると、不経済である上、処理後の毛髪の仕上がりがべとついた感じになるので好ましくない。
【0107】
また、本発明に係る毛髪修復剤には、必要に応じて、ヒアルロン酸(特に高分子ヒアルロン酸)等の保湿剤(水分調整剤)等を添加することも可能である。なお、本発明に係る毛髪修復剤にヒアルロン酸を添加する場合には、その添加量は特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、毛髪の保湿性および経済性の観点から好ましく、0.05〜3質量%であるとより好ましい。加えて、本発明に係る毛髪修復剤にヒアルロン酸を添加する場合には、高分子ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムとを混合して用いるのが好ましく、その混合比が、30重量部:70重量部〜70重量部:30重量部の範囲内にあると、より好ましい。
【0108】
なお、本発明に係る毛髪修復剤の製造に当たっては、製造方法は特に限定されるものではないが、必要に応じて、原料あるいは原料の混合液を、30℃〜100℃の温度範囲内で加熱するのが好ましい。
【0109】
[実施例B:毛髪修復剤の実施例]
以下、実施例によって本発明に係る毛髪修復剤についてより詳細に説明するが、本発明の毛髪修復剤は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例における物性、特性の評価方法は以下の通りである。なお、下記の各官能評価においては、被験者3名分の各評価結果の平均的な段階(◎,○,△,×)を最終的な評価結果とした。
【0110】
<毛髪の損傷の修復度>
枝毛等、毛髪の損傷(ダメージ)が大きな被験者3名を選択し、それらの被験者の毛髪に、実施例および比較例で得られた毛髪修復剤を、所定の分量(約20g)だけ入念に(毛髪全体に行き渡るように)塗布し、約10分間放置してから、約50℃で15分間に亘って加熱し、2分間放置して自然冷却させた。しかる後、洗髪して毛髪修復剤を十分に除去し、ドライヤーで乾燥させた。そして、乾燥させた後の毛髪の修復度合いを、美容師によって下記の4段階で官能評価した。(なお、最終的な評価結果は、3名の被験者の各評価結果の中間のものとした。)
◎:毛髪の損傷(キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等)が修復されており、毛髪に十分な艶、ハリや潤いがある。
○:毛髪の損傷が概ね修復されており、毛髪に艶、ハリや潤いがある。
△:毛髪の損傷があまり修復されておらず、毛髪に艶、ハリや潤いがほとんど見られない。
×:毛髪の損傷がほとんど修復されておらず、毛髪に艶、ハリや潤いが全く見られない。
【0111】
<溶液の均一性>
実施例、比較例で得られた毛髪修復剤の溶液の均一性を、目視によって下記の3段階で官能評価した。
◎:沈殿物がまったくない。
○:若干の沈殿物が認められる。
△:多くの沈殿物が認められる。
【0112】
[実施例B−1]
<毛髪修復剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、実施例B−1の毛髪修復剤を得た。すなわち、約80℃に加熱した精製水中に、L−システイン、L−リジン塩酸塩、L−アルギニンを混合して攪拌する一方(溶液A)、プロポリス、グリセリン、ブチルグリコールを混合して攪拌した(溶液B)。しかる後、溶液A,Bとフコイダンとを混合して攪拌し、混合液を約70℃まで再加熱した後、常温まで冷却し、ヒアルロン酸、香料を混合して攪拌することによって、実施例B−1の毛髪修復剤を得た。
【0113】
<毛髪修復剤の成分>
・アミノ酸類
・L−システイン:0.7質量%
・L−リジン塩酸塩:0.7質量%
・L−アルギニン:0.7質量%
・プロポリス(固形分濃度20%のエタノール抽出液): 3.0質量%(固形分0.6質量%)
・グリセリン:50質量%
・ブチルグリコール:20.0質量%
・フコイダン:10.0質量%
・ヒアルロン酸(高分子ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムとを重量比1:1で混合したもの):2.0質量%
・香料:0.5質量%
・精製水:残余量
【0114】
そして、得られた実施例B−1の毛髪修復剤を用いて、上記した方法で、毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0115】
[実施例B−2,B−3]
添加するアミノ酸類を、それぞれL−システイン 0.1質量%、0.7質量%に変更した以外は、実施例B−1と同様な方法で実施例B−2,B−3の毛髪修復剤を得た。そして、得られた各毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0116】
[実施例B−4,B−5]
添加するアミノ酸類を、それぞれL−リジン塩酸塩 0.1質量%、0.7質量%に変更した以外は、実施例B−1と同様な方法で実施例B−4,B−5の毛髪修復剤を得た。そして、得られた各毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0117】
[実施例B−6]
添加するアミノ酸類をトリプトファン 2.1質量%に変更した以外は、実施例B−1と同様な方法で実施例B−6の毛髪修復剤を得た。そして、得られた毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0118】
[実施例B−7,B−8]
プロポリスの添加量を、それぞれ0.5質量%(固形分0.1質量%)、5.0質量%(固形分1.0質量%)に変更した以外は、実施例B−1と同様な方法で実施例B−7,B−8の毛髪修復剤を得た。そして、得られた各毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0119】
[実施例B−9,B−10]
フコイダンの添加量を、それぞれ2.0質量%、20.0質量%に変更した以外は、実施例B−1と同様な方法で実施例B−9,B−10の毛髪修復剤を得た。そして、得られた各毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0120】
[実施例B−11,B−12]
ヒアルロン酸の添加量を、それぞれ0.1質量%、5.0質量%に変更した以外は、実施例B−1と同様な方法で実施例B−11,B−12の毛髪修復剤を得た。そして、得られた各毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0121】
[実施例B−13]
<毛髪修復剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、実施例B−13の毛髪修復剤を得た。すなわち、約80℃に加熱した精製水中に、プロポリス、グリセリン、ブチルグリコールを混合して攪拌した。しかる後、その混合溶液を約70℃まで再加熱した後、常温まで冷却し、香料を混合して攪拌することによって、実施例B−13の毛髪修復剤を得た。
【0122】
<毛髪修復剤の成分>
・プロポリス(固形分濃度20%のエタノール抽出液): 3.0質量%(固形分0.6質量%)
・グリセリン:50質量%
・ブチルグリコール:20.0質量%
・香料:0.5質量%
・精製水:残余量
【0123】
そして、得られた実施例B−13の毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で、毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0124】
[実施例B−14]
<毛髪修復剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、実施例B−14の毛髪修復剤を得た。すなわち、約80℃に加熱した精製水中に、プロポリス、グリセリン、ブチルグリコールを混合して攪拌した。しかる後、その混合溶液にフコイダンを混合して攪拌し、約70℃まで再加熱した後、常温まで冷却し、香料を混合して攪拌することによって、実施例B−14の毛髪修復剤を得た。
【0125】
<毛髪修復剤の成分>
・プロポリス(固形分濃度20%のエタノール抽出液): 3.0質量%(固形分0.6質量%)
・グリセリン:50質量%
・ブチルグリコール:20.0質量%
・フコイダン:10.0質量%
・香料:0.5質量%
・精製水:残余量
【0126】
そして、得られた実施例B−14の毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で、毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0127】
[実施例B−15]
<毛髪修復剤の調製>
下記の各成分を混合することによって、実施例B−15の毛髪修復剤を得た。
【0128】
<毛髪修復剤の成分>
・改良型シスチン(すなわち、白金によって加水分解ケラチンと結合したシスチン)の水溶液(シスチンの固形分濃度2.0%の水溶液):3.0質量%
・アミノ酸
・L−リシン(塩酸塩):0.1質量%
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):2.0質量%(プロポリスの純成分の濃度=0.4質量%)
・分散剤:3.0質量%
・香料:0.2質量%
・グリセリン:30.0質量%
・フコイダン:3.0質量%
・精製水:残余量
【0129】
そして、得られた実施例B−15の毛髪修復剤を、実施例B−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例B−1と同様に評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0130】
[実施例B−16〜B−18]
毛髪修復剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の混合割合を、それぞれ、1.5質量%、6.0質量%、9.0質量%に変更した(すなわち、改良型シスチンの純成分の濃度を、それぞれ、0.03質量%、0.12質量%、0.18質量%に変更した)以外は、実施例B−15の毛髪修復剤の調製と同様にして、実施例B−16〜B−18の毛髪修復剤を調製した。そして、それらの実施例B−16〜B−18の毛髪修復剤を、実施例B−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例B−1と同様に評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0131】
[実施例B−19]
毛髪修復剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにアセチルシステイン 0.3質量%を混合した以外は、実施例B−15の毛髪修復剤の調製と同様にして、実施例B−19の毛髪修復剤を調製した。そして、その実施例B−19の毛髪修復剤を、実施例B−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例B−1と同様に評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0132】
[比較例B−1]
<毛髪修復剤の調製>
下記の各成分を常温下で混合・攪拌することによって、比較例B−1の毛髪修復剤を得た。
【0133】
<毛髪修復剤の成分>
・加水分解ケラチン: 20.0質量%
・イノシットヘキサリン酸:0.2質量%
・ジプロピレングリコール:5.0質量%
・ポオキシエチレン硬化ヒマシ油:1.0質量%
・香料:0.2質量%
・精製水:残余量
【0134】
そして、得られた比較例B−1の毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で、毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0135】
[比較例B−2]
<毛髪修復剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、比較例B−2の毛髪修復剤を得た。すなわち、約80℃に加熱した精製水中に、グリセリン、ブチルグリコールを混合して攪拌した。しかる後、その混合溶液にフコイダンを混合して攪拌し、約70℃まで再加熱した後、常温まで冷却し、香料を混合して攪拌することによって、比較例B−2の毛髪修復剤を得た。
【0136】
<毛髪修復剤の成分>
・グリセリン:50質量%
・ブチルグリコール:20.0質量%
・フコイダン:10.0質量%
・香料:0.5質量%
・精製水:残余量
【0137】
そして、得られた比較例B−2の毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で、毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0138】
[比較例B−3]
<毛髪修復剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、比較例B−3の毛髪修復剤を得た。すなわち、約80℃に加熱した精製水中に、L−システイン、L−リジン塩酸塩、L−アルギニンを混合して攪拌する一方(溶液A)、グリセリン、ブチルグリコールを混合して攪拌した(溶液B)。しかる後、溶液A,Bとフコイダンとを混合して攪拌し、混合液を約70℃まで再加熱した後、常温まで冷却し、香料を混合して攪拌することによって、比較例B−3の毛髪修復剤を得た。
【0139】
<毛髪修復剤の成分>
・アミノ酸類
・L−システイン:0.7質量%
・L−リジン塩酸塩:0.7質量%
・L−アルギニン:0.7質量%
・グリセリン:50質量%
・ブチルグリコール:20.0質量%
・フコイダン:10.0質量%
・香料:0.5質量%
・精製水:残余量
【0140】
そして、得られた比較例B−3の毛髪修復剤を用いて、実施例B−1と同様な方法で、毛髪の損傷の修復度を評価した。評価結果を毛髪修復剤の組成とともに表2に示す。
【0142】
表2から、本発明に係る毛髪修復剤(実施例B−1〜B−19)は、枝毛等のダメージの大きな毛髪の修復機能に優れている上、毛髪に艶、ハリや潤いを付与できることが分かる。これに対して、プロポリスやを使用していない比較例1〜3の毛髪修復剤は、ダメージの大きな毛髪の修復機能をほとんど発揮し得ないことが分かる。
【0143】
[スキンケア用ローションの実施形態]
本発明に係るスキンケア用ローションは、プロポリスおよびアミノ酸を含有することを特徴とするものである。本発明に係るスキンケア用ローションには、このプロポリスの固形分濃度が10%〜30%の抽出溶液(エタノール溶液等)を、0.01〜15質量%含有させるのが好ましく、3.0〜10質量%含有させるのがより好ましい(したがって、固形分濃度としては、0.001質量%〜4.5質量%含有させるのが好ましく、0.3質量%〜3.0質量%含有させるのがより好ましい)。また、プロポリスの抽出溶液としては、固形分濃度が約20%の抽出溶液を用いるのが最も好ましい。プロポリスの添加量が、上記した範囲を下回ると(固形分濃度が0.001質量%を下回ると)、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られないので好ましくなく、プロポリスの添加量が、上記した範囲を上回ると(固形分濃度が4.5質量%を上回ると)、不経済である上、皮膚に塗布した際のべとつき感が高くなったり、スキンケア用ローションの臭いが不良となったりするので好ましくない。
【0144】
また、本発明に係るスキンケア用ローションには、アミノ酸を含有させることが必要である。かかるアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン(あるいはシスチン)、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン(リジンとも称される)、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ギャバ(γ−アミノ酪酸)の21種類のアミノ酸の内のLタイプのもの、あるいはそれらの塩酸塩、硫酸塩等の誘導体等を用いることができるが、システイン、アルギニン、リシン、トレオニン、アスパラギン酸、ギャバ、あるいはそれらの誘導体の内の1種、または2種以上を混合してなるものであると、少ない分量で、効率的にシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果を発揮することが可能となるので好ましい。加えて、システイン、アルギニン、リシンを混合して用いると、非常に高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られるので好ましい。また、本発明に係るスキンケア用ローションにおいてプロポリスとともに用いるアミノ酸として、システイン(L−システイン)、アルギニン(L−アルギニン)、リシン(L−リシン)あるいはそれらの塩酸塩(もしくはそれらの内の1種または2種以上の組み合わせ)を用いると、きわめて高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られるので好ましい。
【0145】
さらに、アミノ酸としてシスチンを用いる場合には、そのシスチンの内の少なくとも一部(あるいは全部)を、上記した改良型シスチンとすると、スキンケア用ローションにおけるシスチンの分散性が良くなり、肌への“のり”が良好なものとなるので好ましい。かかる改良型シスチンにおける白金(白金ナノコロイド))は、高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスおよびシスチン(あるいはその他のアミノ酸)との相互作用によって、シワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果に寄与する。
【0146】
また、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量は、特に限定されないが、固形分換算で0.005〜5質量%含有させるのが好ましく、0.01〜2質量%含有させるのがより好ましい。改良型シスチンの含有量が、0.005質量%を下回ると、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られないので好ましくなく、改良型シスチンの含有量が、5質量%を上回ると、不経済である上、肌への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0147】
また、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量を、プロポリスの添加量に対して10%〜200%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、より高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスとの相互作用によって、きわめて良好なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果を発現させることが可能となるので好ましく、20%〜100%の範囲内に調整するとより好ましく、30%〜70%の範囲内に調整すると特に好ましい。
【0148】
さらに、改良型シスチンを用いる場合には、シスチンに対する白金(白金ナノコロイド)の添加量を0.01%〜1.0%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、スキンケア用ローション中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、0.1%〜0.5%の範囲内に調整するとより好ましく、0.2%〜0.3%の範囲内に調整すると特に好ましい。加えて、改良型シスチンを用いる場合には、加水分解ケラチンに対するシスチンの含有量を1%〜50%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、スキンケア用ローション中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、3%〜25%の範囲内に調整するとより好ましく、5%〜10%の範囲内に調整すると特に好ましい。さらに、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンを、固形分濃度が1〜5質量%の水溶液として用いるのが好ましく、固形分濃度が2質量%の水溶液として用いるのが最も好ましい。
【0149】
また、スキンケア用ローションに含有させるアミノ酸としては、アセチルシステイン(N−アセチルシステイン(N-acetyl-L-cystein))、N,N’−ビスアセチルシスチン(N,N’−ジアセチルシスチン(N,N'-diacetyl-L-cystine))、N−アセチルシスチン(N-acetyl-L-cystine)、システイン酸(cysteic-acid)を用いることもでき、その中でも、アセチルシステインを用いると、シワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が非常に良好なものとなるので好ましい。
【0150】
本発明に係るスキンケア用ローションには、上記したアミノ酸(あるいはその誘導体)を、全体として、0.05〜10質量%含有させるのが好ましく、0.1〜5質量%含有させるのがより好ましい。アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られないので好ましくなく、アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、却って皮膚の炎症を誘発してしまう虞れがあるので好ましくない。
【0151】
一方、本発明に係るスキンケア用ローションにおけるアミノ酸に対するプロポリス(純成分)の添加比率は、特に限定されないが、当該添加比率が0.1%以上100%未満であると、プロポリスとアミノ酸との相乗作用によって、より高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られるので好ましく、3%〜30%であると一層好ましく、5%〜20%であると特に好ましい。
【0152】
さらに、本発明に係るスキンケア用ローションには、保湿、抗菌、血行促進、腐敗防止の目的で、植物エキスを添加するのが好ましい。当該植物エキスとしては、各種のものを用いることができるが、クララ葉エキス、ショウガ根エキス(ショウキョウエキス)、センキュウエキス、トウキエキス(トウキ根エキス)、オタネニンジン根エキスを用いるのが好ましい。特に、クララ葉エキスを添加すると、保湿、血行促進、抗菌、抗酸化、皮膚の収斂、止痒等の作用効果の他に、美白、日焼け防止、日焼け後の皮膚の修復等の効果も得られるので好ましく、ショウガ根エキスを添加すると、血行促進、抗菌、抗酸化、止痒等の作用効果が得られるので好ましく、センキュウエキスを添加すると、消炎、鎮静、血行促進等の作用効果が得られるので好ましく、トウキエキスを添加すると、保湿、抹消血管拡張、血行促進、抗炎症、抗アレルギー、強壮、鎮痛等の作用効果の他に、美白効果も得られる上、抗腫瘍効果も期待できるので好ましく、モモ葉エキスを添加すると、保湿、抗菌、抗酸化、消炎、皮膚の収斂、刺激緩和等の作用効果が得られるので好ましく、オタネニンジン根エキスを添加すると、代謝促進、血行促進等の作用効果の他に、シワ防止、肌荒れ防止等の効果も得られるので好ましい。
【0153】
また、上記した植物エキスは、単独で用いることもできるが、2種類以上混合して用いると、それらの植物エキスの相乗的な作用によって、少量の添加により効率的に保湿、抗菌、血行促進、腐敗防止等の効果を発現させることが可能となるので好ましい。加えて、植物エキスの添加量は、特に限定されないが、固形分の合計で0.1〜5質量%添加するのが好ましく、0.5〜3質量%添加するのがより好ましい。植物エキスの添加量が0.1質量%を下回ると、十分な保湿、抗菌、血行促進、腐敗防止効果等が得られないので好ましくなく、反対に、植物エキスの添加量が5質量%を上回ると、不経済である上、スキンケア用ローションの外観や臭いが不良となる虞れがあるので好ましくない。
【0154】
さらに、本発明に係るスキンケア用ローションには、必須成分であるプロポリス、アミノ酸の他に、通常スキンケア用ローションに用いられる成分、たとえば、油性成分、合成系あるいは天然物系の界面活性剤、保湿剤、防腐剤(抗菌・殺菌剤)、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を、必要に応じて適宜配合することができる。加えて、本発明に係るスキンケア用ローションには、必要に応じて、各種のアルコールや発酵アルコール、グリコール類(ブチルグリコール等)、増粘剤(粘度調整剤)、PH調整剤等を添加することも可能である。
【0155】
なお、油性成分、界面活性剤、乳化剤や乳化助剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤としては、上記した本発明に係る化粧料に利用可能なものと同様のものを用いることができる。
【0156】
さらに、本発明に係るスキンケア用ローションには、必要に応じて、ヒアルロン酸(特に高分子ヒアルロン酸)等の保湿剤(水分調整剤)等を添加することも可能である。なお、ヒアルロン酸を添加する場合には、その添加量は特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、皮膚の保湿性および経済性の観点から好ましく、0.05〜3質量%であるとより好ましい。加えて、ヒアルロン酸を添加する場合には、高分子ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムとを混合して用いるのが好ましく、その混合比が、30重量部:70重量部〜70重量部:30重量部の範囲内にあると、より好ましい。
【0157】
加えて、本発明に係るスキンケア用ローションに、フコイダン(硫酸多糖の一種であり、昆布、ワカメ等の褐藻類の粘質物に多く含まれる食物繊維、海藻エキス)を添加すると、抗菌作用によってシワ・シミ取り作用、美肌化・美白化作用、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が一段と良好なものとなるので好ましい。フコイダンの添加量は、特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、シワ・シミ取り作用、美肌化・美白化作用、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果および経済性の観点から好ましく、0.05〜2質量%であるとより好ましい。
【0158】
さらに、本発明に係るスキンケア用ローションには、抗菌成分として重金属イオンを含有させるのが好ましい。かかる重金属イオンとしては、各種のものを用いることができるが、銀イオン、亜鉛イオン、チタンイオン、あるいはそれらの内の1種、または2種以上を混合してなるものであると、高いシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られるので好ましい。加えて、銀イオン、亜鉛イオン、チタンイオンの複合金属イオンを用いると、シワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が一層良好なものとなるのでより好ましい。重金属イオンの含有量は、特に限定されないが、0.1〜10質量%含有させるのが好ましく、0.5〜5質量%含有させるのがより好ましい。重金属イオンの含有量が、上記した範囲を下回ると、十分なシワ・シミ取り効果、美肌化・美白化効果、日焼け防止効果、皮膚炎改善効果が得られないので好ましくなく、重金属イオンの含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、却って皮膚の炎症を誘発してしまう虞れがあるので好ましくない。
【0159】
なお、本発明に係るスキンケア用ローションの製造に当たっては、製造方法は特に限定されるものではないが、必要に応じて、原料あるいは原料の混合液を、30℃〜100℃の温度範囲内で加熱するのが好ましい。
【0160】
[実施例C:スキンケア用ローションの実施例]
以下、実施例によって本発明に係るスキンケア用ローションについてより詳細に説明するが、本発明のスキンケア用ローションは、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例における物性、特性の評価方法は以下の通りである。なお、下記の各官能評価においては、被験者3名分の各評価結果の平均的な段階(○,△,×)を最終的な評価結果とした。
【0161】
<シワ取り・シミ取り効果>
各実施例および比較例で調製されたスキンケア用ローションを、以下の(1)〜(4)の方法で3名の被験者(いずれも50代)に使用し、当該使用を一定期間(1週間)に亘って繰り返した。
(1)所定量(約5.0g)のスキンケア用ローションの顔面への塗布(手による塗布)
(2)皮膚への十分な擦り込み
(3)約10時間に亘る保持
(4)市販の石鹸を用いた先願による除去
そして、上記の如くスキンケア用ローションの使用を繰り返した後の各被験者の顔面の皮膚の状態を、下記の4段階で官能評価した。
○:目尻や額のシワや皮膚のシミに十分な軽減効果が見られる。
△:目尻や額のシワや皮膚のシミに僅かな軽減効果が見られる。
×:目尻や額のシワや皮膚のシミにほとんど軽減効果が見られない。
【0162】
<美白効果>
各実施例および比較例で調製されたスキンケア用ローションの使用(上記(1)〜(4)の方法による使用)を一定期間に亘って繰り返した後の各被験者の顔面の皮膚の色の変化を、下記の4段階で官能評価した。
○:顔全体の皮膚に十分な白色化が認められる。
△:顔全体の皮膚に僅かな白色化が認められる。
×:顔全体の皮膚に白色化が認められない。
【0163】
<日焼け防止効果>
各実施例および比較例で調製されたスキンケア用ローションを、所定量(約0.04g/cm
2)だけ顔面の一部(片側の頬)に塗布した後、所定時間(約5時間)に亘って顔面を太陽光に曝し、しかる後、スキンケア用ローションを塗布した部分と塗布しなかった部分とを目視して、日焼け状態を下記の3段階で官能評価した。
○:スキンケア用ローションの塗布部分の日焼け状態と非塗布部分の日焼け状態とに明確な差(色の違い)が見られた。
△:スキンケア用ローションの塗布部分の日焼け状態と非塗布部分の日焼け状態とに若干の差が見られた。
×:スキンケア用ローションの塗布部分の日焼け状態と非塗布部分の日焼け状態とに差が見られなかった。
【0164】
<皮膚炎の改善効果>
各実施例および比較例で調製されたスキンケア用ローションを、アトピー性皮膚炎の疾患を有する治験者に対して、一定期間に亘って繰り返し使用した(約一週間に亘って1日2回、炎症の激しい部分に十分に塗布した)。しかる後、アトピー性皮膚炎の改善状態を、目視によって下記の4段階で官能評価した。
○:患部の症状に著しい改善効果が見られた。
△:患部の症状に若干の改善効果が見られた。
×:患部の症状に改善効果が見られなかった。
【0165】
<スキンケア用ローションの臭い>
上記の如きスキンケア用ローションの使用を一定期間に亘って繰り返した際に被験者が感じた臭いを下記の3段階で官能評価した。
○:特に悪臭を感じない。
△:若干の悪臭を感じる。
×:悪臭を感じる。
【0166】
<溶液の均一性>
実施例、比較例で得られたスキンケア用ローションの組成物の均一性を、目視によって下記の3段階で官能評価した。
◎:均一性が高い。
○:わずかに分離した物質が認められる。
△:分離した物質が多く認められる。
【0167】
[実施例C−1]
<スキンケア用ローションの調製>
下記の各成分を混合することによって、実施例C−1のスキンケア用ローションを得た。すなわち、約80℃に加熱した精製水中に、アミノ酸(L−システイン(塩酸塩)、L−アルギニン、L−リジン(塩酸塩))を混合して攪拌する一方(溶液A)、プロポリス、ブチルグリコール、グリセリンを混合して攪拌した(溶液B)。しかる後、溶液A,Bと植物エキスとフコイダンとを混合して攪拌し、混合液を約70℃まで再加熱した後、常温まで冷却し、ヒアルロン酸、香料、防腐剤を混合して攪拌することによって、実施例C−1のスキンケア用ローションを得た。
<スキンケア用ローションの成分>
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):1.0質量%(プロポリスの純成分の濃度=0.2質量%)
・ブチルグリコール:5.0質量%
・グリセリン:79.8質量%
・香料:0.2質量%
・フコイダン(海藻エキス):3.0質量%
・植物エキス(1.0質量%)
・クララ葉エキス:0.2質量%
・ショウガ根エキス:0.2質量%
・センキュウエキス:0.2質量%
・トウキエキス:0.2質量%
・オタネニンジン根エキス:0.2質量%
・アミノ酸(2.1質量%)
・L−システイン(塩酸塩):0.7質量%
・L−アルギニン: 0.7質量%
・L−リシン(塩酸塩):0.7質量%
・ヒアルロン酸(高分子ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムとを重量比1:1で混合したもの):3.0質量%
・防腐剤(0.1質量%)
・メチルパラベン:0.025質量%
・エチルパラベン: 0.025質量%
・プロピルパラベン:0.025質量%
・ブチルパラベン:0.025質量%
・精製水:残余量
【0168】
しかる後、上記した方法で3名の被験者に対してスキンケア用ローションを使用し、上記した「シワ取り・シミ取り効果」、「美白効果」、「日焼け防止効果」、「皮膚炎の改善効果」および「スキンケア用ローションの臭い」の4項目について評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0169】
[実施例C−2〜C−4]
スキンケア用ローションを調製する際に、添加するアミノ酸を、それぞれ、L−システインのみ、L−アルギニンのみ、L−リシン(塩酸塩)のみとするとともに、それらの混合割合を3.0質量%に変更した(その変更に合わせて残余の精製水の量も変更した)以外は、実施例C−1のスキンケア用ローションの調製と同様にして、実施例C−2〜C−4のスキンケア用ローションを調製した。そして、それらの実施例C−2〜C−4のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0170】
[実施例C−5〜C−8]
スキンケア用ローションを調製する際に、プロポリスの混合割合(プロポリスの純成分の濃度)を、それぞれ、0.025質量%、0.25質量%、0.5質量%、2.5質量%に変更した(すなわち、プロポリスの純成分の濃度を、それぞれ、0.005質量%、0.05質量%、0.1質量%、0.5質量%に変更し、その変更に合わせて残余の精製水の量も変更した)以外は、実施例C−1のスキンケア用ローションの調製と同様にして、実施例C−5〜C−8のスキンケア用ローションを調製した。そして、それらの実施例C−5〜C−8のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0171】
[実施例C−9〜C−11]
スキンケア用ローションを調製する際に、それぞれ、植物エキス、ヒアルロン酸、フコイダンを添加しなかった(それらの分だけ残余の精製水の量を増加させた)以外は、実施例1のスキンケア用ローションの調製と同様にして、実施例C−9〜C−11のスキンケア用ローションを調製した。そして、それらの実施例C−9〜C−11のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0172】
[実施例C−12]
<スキンケア用ローションの調製>
下記の各成分を混合することによって、実施例C−12のスキンケア用ローションを得た。
【0173】
<スキンケア用ローションの成分>
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):1.0質量%(プロポリスの純成分の濃度=0.2質量%)
・香料:0.1質量%
・分散剤:1.5質量%
・アミノ酸
・L−アルギニン: 0.1質量%
・L−リシン(塩酸塩):0.1質量%
・改良型シスチン(すなわち、白金によって加水分解ケラチンと結合したシスチン)の水溶液(シスチンの固形分濃度2.0%の水溶液):5.0質量%
・ヒアルロン酸ナトリウム:10.0質量%
・吸収型ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム):3.0質量%
・フコイダン:20.0質量%
・グリセリン:30.0質量%
・防腐剤(エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベンの混合溶液):0.1質量%
・キタサンガム:0.1質量%
・精製水:残余量
【0174】
そして、得られた実施例C−12のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0175】
[実施C−13〜C−15]
スキンケア用ローションを調製する際に、改良型シスチンの水溶液の混合割合を、それぞれ、3.0質量%、7.0質量%、10.0質量%に変更した(すなわち、改良型シスチンの純成分の濃度を、それぞれ、0.06質量%、0.14質量%、0.2質量%に変更した)以外は、実施例C−12のスキンケア用ローションの調製と同様にして、実施例C−13〜C−15のスキンケア用ローションを調製した。そして、それらの実施例C−13〜C−15のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0176】
[実施例C−16]
スキンケア用ローションを調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにアセチルシステイン 0.3質量%を混合した以外は、実施例C−12のスキンケア用ローションの調製と同様にして、実施例C−16のスキンケア用ローションを調製した。そして、その実施例C−16のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0177】
<比較例C−1>
スキンケア用ローションを調製する際に、プロポリスを添加しなかった(その分だけ残余の精製水の量を増加させた)以外は、実施例C−1のスキンケア用ローションの調製と同様にして、比較例C−1のスキンケア用ローションを調製した。そして、その比較例C−1のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0178】
<比較例C−2>
スキンケア用ローションを調製する際に、アミノ酸を添加しなかった(その分だけ残余の精製水の量を増加させた)以外は、実施例C−1のスキンケア用ローションの調製と同様にして、比較例C−2のスキンケア用ローションを調製した。そして、その比較例C−2のスキンケア用ローションを、実施例C−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例C−1と同様に評価した。評価結果をスキンケア用ローションの組成とともに表3に示す。
【0180】
表3から、プロポリスおよびアミノ酸を含有する実施例C−1〜C−11のスキンケア用ローションを被験者に使用した場合には、シワ取り・シミ取り効果、美白効果ともに良好で、日焼け防止効果および皮膚炎の改善効果があり、その上、使用時にスキンケア用ローションの臭いが気にならないことが分かる。また、プロポリスおよび改良型シスチン(あるいはアセチルシステイン)を含有する実施例C−12〜C−16のスキンケア用ローションを被験者に使用した場合にも、シワ取り・シミ取り効果、美白効果ともにきわめて良好で、日焼け防止効果および皮膚炎の改善効果があり、その上、使用時にスキンケア用ローションの臭いが気にならないことが分かる。これに対して、プロポリスあるいはアミノ酸を含有していない比較例C−1,C−2のスキンケア用ローションを使用した場合には、良好なシワ取り・シミ取り効果、美白効果が得られなかったり、日焼け防止効果や皮膚炎の改善効果が得られたかったりすることが分かる。
【0181】
[育毛剤の実施形態]
本発明に係る育毛剤は、プロポリス、アミノ酸を含有することを特徴とするものである。本発明に係る育毛剤には、プロポリスの固形分濃度が10%〜30%の抽出溶液(エタノール溶液等)を、0.01〜15質量%含有させるのが好ましく、3.0〜10質量%含有させるのがより好ましい(したがって、固形分濃度としては、0.001質量%〜4.5質量%含有させるのが好ましく、0.3質量%〜3.0質量%含有させるのがより好ましい)。また、プロポリスの抽出溶液としては、固形分濃度が約20%の抽出溶液を用いるのが最も好ましい。プロポリスの添加量が、上記した範囲を下回ると(固形分濃度が0.001質量%を下回ると)、十分な育毛効果(発毛効果、養毛効果)が得られないので好ましくなく、プロポリスの添加量が、上記した範囲を上回ると(固形分濃度が4.5質量%を上回ると)、不経済である上、皮膚に塗布した際のべとつき感が高くなったり、育毛剤の臭いが不良となったりするので好ましくない。
【0182】
また、本発明に係る育毛剤には、アミノ酸を含有させることが必要である。かかるアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン(あるいはシスチン)、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン(リジンとも称される)、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ギャバ(γ−アミノ酪酸)の21種類のアミノ酸の内のLタイプのもの、あるいはそれらの塩酸塩、硫酸塩等の誘導体等を用いることができるが、アルギニン、システイン(あるいはシスチン)、リシン、トレオニン、アスパラギン酸、ギャバ、あるいはそれらの誘導体の内の1種、または2種以上を混合してなるものであると、少ない分量で、良好な育毛効果(発毛効果、養毛効果)が得られるので好ましい。加えて、システイン、アルギニン、リシンを混合して用いると、非常に高い育毛効果(発毛効果、養毛効果)が得られるので好ましい。また、本発明に係る育毛剤においてプロポリスとともに用いるアミノ酸として、システイン(L−システイン)、アルギニン(L−アルギニン)、リシン(L−リシン)あるいはそれらの塩酸塩(もしくはそれらの内の1種または2種以上の組み合わせ)を用いると、きわめて高い育毛効果(発毛効果、養毛効果)が得られるので好ましい。
【0183】
さらに、アミノ酸としてシスチンを用いる場合には、そのシスチンの内の少なくとも一部(あるいは全部)を、上記した改良型シスチンとすると、育毛剤におけるシスチンの分散性が良くなり、頭皮への“のり”が良好なものとなるので好ましい。かかる改良型シスチンにおける白金(白金ナノコロイド))は、高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスおよびシスチン(あるいはその他のアミノ酸)との相互作用によって、育毛効果に寄与する。
【0184】
また、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量は、特に限定されないが、固形分換算で0.005〜5質量%含有させるのが好ましく、0.01〜2質量%含有させるのがより好ましい。改良型シスチンの含有量が、0.005質量%を下回ると、十分な育毛効果が得られないので好ましくなく、改良型シスチンの含有量が、5質量%を上回ると、不経済である上、頭皮への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0185】
また、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンの含有量を、プロポリスの添加量に対して10%〜200%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、より高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスとの相互作用によって、頭髪の損傷防止効果がきわめて良好なものとなるので好ましく、30%〜170%の範囲内に調整するとより好ましく、50%〜140%の範囲内に調整すると特に好ましい。
【0186】
さらに、改良型シスチンを用いる場合には、シスチンに対する白金(白金ナノコロイド)の添加量を0.01%〜1.0%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、育毛剤中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、0.1%〜0.5%の範囲内に調整するとより好ましく、0.2%〜0.3%の範囲内に調整すると特に好ましい。加えて、改良型シスチンを用いる場合には、加水分解ケラチンに対するシスチンの含有量を1%〜50%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、育毛剤中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、3%〜25%の範囲内に調整するとより好ましく、5%〜10%の範囲内に調整すると特に好ましい。さらに、改良型シスチンを用いる場合には、当該シスチンを、固形分濃度が1〜5質量%の水溶液として用いるのが好ましく、固形分濃度が2質量%の水溶液として用いるのが最も好ましい。
【0187】
また、育毛剤に含有させるアミノ酸として、アセチルシステイン(N−アセチルシステイン(N-acetyl-L-cystein))、N,N’−ビスアセチルシスチン(N,N’−ジアセチルシスチン(N,N'-diacetyl-L-cystine))、N−アセチルシスチン(N-acetyl-L-cystine)、システイン酸(cysteic-acid)を用いることもでき、その中でも、アセチルシステインを用いると、少ない分量で非常に効率的に育毛効果を発現させることが可能となるので好ましい。
【0188】
本発明に係る育毛剤には、上記したアミノ酸(あるいはその誘導体)を、全体として、0.05〜10質量%含有させるのが好ましく、0.1〜5質量%含有させるのがより好ましい。アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分な育毛効果(発毛効果、養毛効果)が得られないので好ましくなく、アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、肌への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0189】
一方、本発明に係る育毛剤におけるアミノ酸に対するプロポリス(純成分)の添加比率は、特に限定されないが、当該添加比率が0.1%以上100%未満であると、プロポリスとアミノ酸との相乗作用によって、より高い育毛効果(発毛効果、養毛効果)が得られるので好ましく、5%〜50%であると一層好ましく、10%〜30%であると特に好ましい。
【0190】
さらに、本発明に係る育毛剤には、必須成分であるプロポリス、アミノ酸の他に、通常育毛剤に用いられる成分、たとえば、油性成分、合成系あるいは天然物の系界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を、必要に応じて適宜配合することができる。加えて、本発明に係る育毛剤には、必要に応じて、各種のアルコールや発酵アルコール、グリコール類(ブチルグリコール等)、植物から抽出したエキス、防腐剤、香料、粘度調整剤、PH調整剤等を添加することも可能である。
【0191】
なお、油性成分、界面活性剤、乳化剤や乳化助剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤としては、上記した本発明に係る化粧料、スキンケア用ローションに利用可能なものと同様のものを用いることができる。
【0192】
さらに、本発明に係る育毛剤には、必要に応じて、ヒアルロン酸(特に吸収型ヒアルロン酸、たとえば、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム)等の保湿剤(水分調整剤)等を添加することも可能である。なお、本発明に係る育毛剤にヒアルロン酸を添加する場合には、その添加量は特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、皮膚の保湿性および経済性の観点から好ましく、0.05〜2質量%であるとより好ましい。
【0193】
加えて、本発明に係る育毛剤に、フコイダンを添加すると、抗菌作用によって育毛効果(発毛効果、養毛効果)が一段と良好なものとなるので好ましい。フコイダンの添加量は、特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、育毛作用(発毛作用、養毛作用)および経済性の観点から好ましく、0.05〜2質量%であるとより好ましい。
【0194】
なお、本発明に係る育毛剤の製造に当たっては、製造方法は特に限定されるものではないが、必要に応じて、原料あるいは原料の混合液を、30℃〜100℃の温度範囲内で加熱するのが好ましい。
【0195】
[実施例D:育毛剤の実施例]
以下、実施例によって本発明に係る育毛剤についてより詳細に説明するが、本発明の育毛剤は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例における物性、特性の評価方法は以下の通りである。なお、下記の各官能評価においては、被験者3名分の各評価結果の平均的な段階(◎,○,△,×)を最終的な評価結果とした。
【0196】
<育毛効果>
各実施例および比較例で調製された育毛剤を、以下の(1)〜(4)の方法で3名の被験者(いずれも50代男性)に使用し、当該使用を一定期間(1週間)に亘って繰り返した。
(1)毛髪を洗髪して乾燥後に、所定の量(約5.0g)の育毛剤を頭皮へ塗布(手による塗布)
(2)毛髪剤の頭皮への十分な擦り込み
(3)約24時間に亘る保持
そして、上記の如く育毛剤の使用を繰り返した後の各被験者の毛髪の状態を、下記の3段階で官能評価した。
○:抜け毛が減少し、毛髪が増加した。
△:抜け毛が若干減少し、毛髪が若干増加した。
×:抜け毛の減少、毛髪の増加を認識できない。
【0197】
<皮膚への刺激>
上記の如き育毛剤の使用を一定期間に亘って繰り返した際における各被験者の皮膚への刺激を、下記の4段階で官能評価した。
○:頭皮に刺激を感じない。
△:わずかに刺激を感じる。
×:強い刺激を感じる。
【0198】
<育毛剤の臭い>
上記の如き育毛剤の使用を一定期間に亘って繰り返した際に被験者が感じた臭いを下記の3段階で官能評価した。
○:特に悪臭を感じない。
△:若干の悪臭を感じる。
×:悪臭を感じる。
【0199】
<溶液の均一性>
実施例、比較例で得られた育毛剤の溶液の均一性を、目視によって下記の3段階で官能評価した。
◎:沈殿物がまったくない。
○:若干の沈殿物が認められる。
△:多くの沈殿物が認められる。
【0200】
[実施例D−1]
<育毛剤の調製>
下記の各成分を混合することによって、実施例D−1の育毛剤を得た。
【0201】
<育毛剤の成分>
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):0.25質量%(プロポリスの純成分の濃度=0.05質量%)
・香料:0.05質量%
・分散剤:0.5質量%
・改良型シスチン(すなわち、白金によって加水分解ケラチンと結合したシスチン)の水溶液(シスチンの固形分濃度2.0%の水溶液):3.0質量%
・アミノ酸
・L−アルギニン: 0.1質量%
・L−リシン(塩酸塩):0.1質量%
・ヒアルロン酸ナトリウム:5.0質量%
・吸収型ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム):1.5質量%
・フコイダン:2.5質量%
・グリセリン:2.5質量%
・防腐剤(エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベンの混合溶液):0.3質量%
・精製水:残余量
【0202】
しかる後、上記した方法で3名の被験者に一定期間(1週間)に亘って育毛剤を使用し、上記した「育毛効果」、「皮膚への刺激」および「育毛剤の臭い」の3項目について評価した。評価結果を育毛剤の組成とともに表4に示す。
【0203】
[実施例D−2〜D−4]
育毛剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の混合割合を、それぞれ、1.0質量%、2.0質量%、4.0質量%に変更した(すなわち、改良型シスチンの純成分の濃度を、それぞれ、0.02質量%、0.04質量%、0.08質量%に変更した)以外は、実施例D−1の育毛剤の調製と同様にして、実施例D−2〜D−4の育毛剤を調製した。そして、それらの実施例D−2〜D−4の育毛剤を、実施例D−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例D−1と同様に評価した。評価結果を育毛剤の組成とともに表4に示す。
【0204】
[実施例D−5]
育毛剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにシステイン 0.05質量%を混合した以外は、実施例D−1の育毛剤の調製と同様にして、実施例D−5の育毛剤を調製した。そして、その実施例D−5の育毛剤を、実施例D−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例D−1と同様に評価した。評価結果を育毛剤の組成とともに表4に示す。
【0205】
[実施例D−6]
育毛剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにアセチルシステイン 0.1質量%を混合した以外は、実施例D−1の育毛剤の調製と同様にして、実施例D−6の育毛剤を調製した。そして、その実施例D−6の育毛剤を、実施例D−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例D−1と同様に評価した。評価結果を育毛剤の組成とともに表4に示す。
【0206】
<比較例D−1>
育毛剤を調製する際に、プロポリスを添加しなかった以外は、実施例D−1の育毛剤の調製と同様にして、比較例D−1の育毛剤を調製した。そして、その比較例D−1の育毛剤を、実施例D−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例D−1と同様に評価した。評価結果を育毛剤の組成とともに表4に示す。
【0207】
<比較例D−2>
育毛剤を調製する際に、アミノ酸を添加しなかった以外は、実施例D−1の育毛剤の調製と同様にして、比較例D−3の育毛剤を調製した。そして、その比較例D−3の育毛剤を、実施例D−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例D−1と同様に評価した。評価結果を育毛剤の組成とともに表4に示す。
【0209】
表4から、プロポリスおよびアミノ酸(改良型シスチン、システイン、アセチルシステイン)を含有する実施例D−1〜D−6の育毛剤を一定期間に亘って被験者に使用した場合には、育毛効果が良好で、皮膚への刺激が少なく、使用時に育毛剤の臭いが気にならないことが分かる。これに対して、プロポリス、アミノ酸の内のいずれかを含有していない比較例1,2の育毛剤を一定期間に亘って使用した場合には、良好な育毛効果が得られなかったり、皮膚への刺激があったり、使用時に悪臭を感じたりすることが分かる。
【0210】
[パーマ液及び頭髪用調整剤の実施形態]
以下、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤の実施形態について詳細に説明する。本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤は、プロポリス、及び、改良型シスチンあるいはアセチルシステインを含有することを特徴とするものである。本発明に係るパーマ液には、このプロポリスの固形分濃度が10%〜30%の抽出溶液(エタノール溶液等)を、0.01〜15質量%含有させるのが好ましく、3.0〜10質量%含有させるのがより好ましい(したがって、固形分濃度としては、0.001質量%〜4.5質量%含有させるのが好ましく、0.3質量%〜3.0質量%含有させるのがより好ましい)。また、プロポリスの抽出溶液としては、固形分濃度が約20%の抽出溶液を用いるのが最も好ましい。プロポリスの添加量が、上記した範囲を下回ると(固形分濃度が0.001質量%を下回ると)、十分な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、プロポリスの添加量が、上記した範囲を上回ると(固形分濃度が4.5質量%を上回ると)、不経済である上、頭髪のべとつき感が高くなり、頭髪の洗浄が困難となったり、パーマ液の臭いが不良となったりするので好ましくない。
【0211】
また、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤には、プロポリスの固形分濃度が10%〜30%の抽出溶液を、0.01〜10質量%含有させるのが好ましく、1.0〜5質量%含有させるのがより好ましい(したがって、固形分濃度としては、0.001質量%〜3.0質量%含有させるのが好ましく、0.1質量%〜1.5質量%含有させるのがより好ましい)。また、プロポリスの抽出溶液としては、固形分濃度が約20%の抽出溶液(エタノール溶液等)を用いるのが最も好ましい。プロポリスの添加量が、上記した範囲を下回ると(固形分濃度が0.001質量%を下回ると)、十分な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、プロポリスの添加量が、上記した範囲を上回ると(固形分濃度が3.0質量%を上回ると)、不経済である上、頭髪のべとつき感が高くなり、頭髪の洗浄が困難となるので好ましくない。
【0212】
また、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤には、必要に応じて改良型シスチン以外のアミノ酸もしくはその誘導体を含有させることができる。アミノ酸もしくはその誘導体としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン(あるいはシスチン)、グルタミン、グルタミン酸、あるいはそれらの塩酸塩、硫酸塩等の誘導体等を用いることができるが、アルギニン、システイン、リシン(あるいはリジン)、トレオニン、トリプトファンの内の1種、または2種以上を混合してなるものであると、少ない分量で、頭髪に効率的に艶、ハリや潤いを付与することが可能となるので好ましい。加えて、スレオニン、システイン、アルギニンを混合して用いると、頭髪に非常に効率的に艶、ハリや潤いを付与することができるのでより好ましい。また、本発明に係るパーマ液においてプロポリスとともに用いるアミノ酸として、システイン(L−システイン)、アルギニン(L−アルギニン)、あるいはそれらの塩酸塩(もしくはそれらの内の1種または2種以上の組み合わせ)を用いると、頭髪にきわめて効率的に艶、ハリや潤いを付与することができるのでより好ましい。
【0213】
さらに、プロポリスとともに改良型シスチンを用いると、パーマ液あるいは頭髪用調整剤におけるシスチンの分散性が良くなり、頭皮への“のり”が良好なものとなるので好ましい。改良型シスチンにおける白金(白金ナノコロイド))は、高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスおよびシスチン(あるいはその他のアミノ酸)との相互作用によって、頭髪の損傷防止効果に寄与する。
【0214】
また、改良型シスチンの含有量は、特に限定されないが、固形分換算で0.005〜5質量%含有させるのが好ましく、0.01〜2質量%含有させるのがより好ましい。改良型シスチンの含有量が、0.005質量%を下回ると、十分な頭髪の損傷防止効果が得られないので好ましくなく、改良型シスチンの含有量が、5質量%を上回ると、不経済である上、頭皮への刺激を強くしてしまう虞れがあるので好ましくない。
【0215】
また、改良型シスチンの含有量を、プロポリスの添加量に対して0.5%〜50%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、より高い抗酸化作用を発揮し、プロポリスとの相互作用によって、頭髪の損傷防止効果がきわめて良好なものとなるので好ましく、1%〜30%の範囲内に調整するとより好ましく、3%〜10%の範囲内に調整すると特に好ましい。
【0216】
さらに、改良型シスチンに対する白金(白金ナノコロイド)の添加量を0.01%〜1.0%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、パーマ液あるいは頭髪用調整剤中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、0.1%〜0.5%の範囲内に調整するとより好ましく、0.2%〜0.3%の範囲内に調整すると特に好ましい。加えて、加水分解ケラチンに対する改良型シスチンの含有量を1%〜50%(固形分換算重量比)の範囲内に調整すると、パーマ液あるいは頭髪用調整剤中でのシスチンの分散性が良好なものとなるので好ましく、3%〜25%の範囲内に調整するとより好ましく、5%〜10%の範囲内に調整すると特に好ましい。さらに、改良型シスチンを、固形分濃度が1〜5質量%の水溶液として用いるのが好ましく、固形分濃度が2質量%の水溶液として用いるのが最も好ましい。
【0217】
また、改良型シスチンとともに(あるいは改良型シスチンの代わりに)パーマ液あるいは頭髪用調整剤に含有させるアミノ酸として、アセチルシステイン(N−アセチルシステイン(N-acetyl-L-cystein))、N,N’−ビスアセチルシスチン(N,N’−ジアセチルシスチン(N,N'-diacetyl-L-cystine))、N−アセチルシスチン(N-acetyl-L-cystine)、システイン酸(cysteic-acid)を用いることもでき、その中でも、アセチルシステインを用いると、少ない分量で非常に効率的に毛髪へ艶、ハリや潤いを付与することが可能となるので好ましい。
【0218】
本発明に係るパーマ液には、上記したアミノ酸またはその誘導体を、全体として、0.05〜10質量%含有させるのが好ましく、0.1〜5質量%含有させるのがより好ましい。アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、頭髪の損傷を助長してしまう虞れがあるので好ましくない。
【0219】
また、本発明に係る頭髪用調整剤には、上記したアミノ酸またはその誘導体を、0.3〜15質量%含有させるのが好ましく、0.5〜7質量%含有させるのがより好ましい。アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、アミノ酸またはその誘導体の含有量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、頭髪の損傷を助長してしまう虞れがあるので好ましくない。
【0220】
一方、本発明に係るパーマ液におけるアミノ酸に対するプロポリスの添加比率は、特に限定されないが、当該添加比率が0.5〜2,000%であると、プロポリスとアミノ酸との相乗作用によって、非常に良好な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られるので好ましく、20〜500%であるとより好ましい。
【0221】
また、本発明に係る頭髪用調整剤におけるアミノ酸に対するプロポリスの添加比率は、特に限定されないが、当該添加比率が0.5〜2,000%であると、プロポリスとアミノ酸との相乗作用によって、パーマネントのかかりが良好となる上、良好な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られるので好ましく、100〜500%であるとより好ましい。
【0222】
また、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤には、尿素を含有させる必要がある。すなわち、本発明に係るパーマ液には、尿素を、0.5〜20質量%含有させることが必要であり、1〜10質量%含有させるのがより好ましく、3〜7質量%含有させるのが特に好ましい。尿素の含有量が、0.5質量%を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、尿素の含有量が、20質量%を上回ると、不経済である上、頭髪の損傷を助長してしまう虞れがあるので好ましくない。
【0223】
さらに、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤に、フコイダン(硫酸多糖の一種であり、昆布、ワカメ等の褐藻類の粘質物に多く含まれる食物繊維)を添加すると、頭髪に非常に効率的に艶、ハリや潤いを付与することができるのでより好ましい。フコイダンの添加量は、特に限定されないが、本発明に係るパーマ液には、0.1〜15質量%含有させるのが好ましく、1〜6質量%含有させるのがより好ましい。フコイダンの含有量が、0.1質量%を下回ると、プロポリスとの相乗作用が得られず、十分な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、フコイダンの含有量が、15質量%を上回ると、不経済である上、処理後の頭髪の仕上がりがべとついた感じになるので好ましくない。
【0224】
さらに、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤には、必要に応じて、各種のアルコールや発酵アルコール、グリコール類(ブチルグリコール等)、植物から抽出したエキス、防腐剤、香料、粘度調整剤、PH調整剤等を添加することも可能である。さらに、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤には、必要に応じて、ヒアルロン酸(特に高分子ヒアルロン酸)等の保湿剤(水分調整剤)等を添加することも可能である。なお、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤にヒアルロン酸を添加する場合には、その添加量は特に限定されないが、0.005〜5質量%であると、頭髪の保湿性および経済性の観点から好ましく、0.05〜2質量%であるとより好ましい。
【0225】
さらに、本発明に係るパーマ液には、パーマネントのかかり度合いをより良好なものとするために、必要に応じて、イソプロパノールアミンやトリエタノールアミン等のアミン類を添加することも可能であるが、トリエタノールアミンを用いると、皮膚への刺激が少ない状態を保持できるのでより好ましい。また、トリエタノールアミンの代わりに、AMPD(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール)を用いることも可能である。アミン類やAMPDの添加量は、特に限定されるものではないが、1〜10質量%であると、皮膚への刺激が少ないものとなるので好ましい。加えて、本発明に係るパーマ液には、各種のシャンプー(所謂、プロテクトシャンプー等)を添加することも可能である。
【0226】
さらに、本発明に係る頭髪用調整剤は、パーマ液、ヘアカラーリング剤、ブリーチ剤、シャンプー、トリートメント、コンディショナー等の各種の頭髪処理剤に添加することが可能である。なお、本発明に係る頭髪用調整剤の頭髪処理剤への添加量は、特に限定されないが、当該添加量が1〜40質量%であると好ましく、5〜20質量%であるとより好ましい。頭髪用調整剤の頭髪処理剤への添加量が、上記した範囲を下回ると、十分な頭髪の損傷防止効果、艶、ハリや潤いの付与効果が得られないので好ましくなく、頭髪用調整剤の頭髪処理剤への添加量が、上記した範囲を上回ると、不経済である上、頭髪のべとつき感が高くなり、頭髪の洗浄が困難となるので好ましくない。
【0227】
また、本発明に係るパーマ液を用いて、頭髪にパーマネント処理を施す方法は、特に限定されず、100℃前後の加熱を伴うデジタルパーマや、180℃前後に加熱させたアイロンを用いるストレートパーマの他に、エアーウェーブ、クリープパーマ、アクアパーマ、水パーマ(モイストパーマ)、システムキュール等の各種の方法を用いることが可能である。
【0228】
なお、本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤の製造に当たっては、製造方法は特に限定されるものではないが、必要に応じて、原料あるいは原料の混合液を、30℃〜100℃の温度範囲内で加熱するのが好ましい。
【0229】
[実施例E,F:パーマ液及び頭髪用調整剤の実施例]
以下、実施例によって本発明に係るパーマ液及び頭髪用調整剤についてより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例における物性、特性の評価方法は以下の通りである。なお、下記の各官能評価においては、被験者3名分の各評価結果の平均的な段階(◎,○,△,×)を最終的な評価結果とした。
【0230】
<頭髪の損傷度合い>
被験者3名の頭髪に後述する方法でパーマをかけ、パーマ後の頭髪の損傷状態を、美容師によって下記の4段階で官能評価した。
◎:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が一切見られず、頭髪に十分な艶、ハリや潤いがある。
○:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷がほとんど見られず、頭髪に艶、ハリや潤いがある。
△:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が散見され、頭髪に艶、ハリや潤いがあまりない。
×:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が多数見られ、頭髪に艶、ハリや潤いがほとんどない。
【0231】
<頭髪の脱色状態>
被験者3名の頭髪に後述する方法でパーマをかけ、パーマ後の頭髪の脱色状態を、美容師によって下記の3段階で官能評価した。
○:頭髪に脱色部分が見られない。
△:頭髪に脱色部分が散見される。
×:頭髪に脱色部分が多数見られる。
【0232】
<パーマのかかり度合い>
被験者3名のパーマ後の頭髪のリッジ(ウェーブ)の状態を、美容師によって下記の3段階で官能評価した。
◎:パーマのかかり具合がきわめて良好である。
○:十分にパーマがかかっている。
△:パーマのかかり度合いが弱い。
×:パーマのかかり度合いが非常に弱い。
【0233】
<皮膚への刺激>
被験者3名の頭髪にパーマネントを施した際に、被験者が感じた皮膚への刺激を下記の3段階で官能評価した。
○:刺激をほとんど感じない。
△:わずかに刺激を感じる。
×:痛みを感じる。
【0234】
<パーマ液の臭い>
被験者へパーマネントを施したパーマ液の臭いを下記の3段階で官能評価した。
◎:全く悪臭を感じない。
○:特に悪臭と感じない。
△:若干の悪臭を感じる。
×:悪臭を感じる。
【0235】
<染毛後の状態>
被験者3名の頭髪を後述する方法によって染毛剤で染毛した後に、染毛後の頭髪の状態を、美容師によって下記の3段階で官能評価した。
○:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が見られず、頭髪に艶、ハリや潤いがある。
△:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が散見され、頭髪に艶、ハリや潤いがあまり見られない。
×:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が多数見られ、頭髪に艶、ハリや潤いがほとんどない。
【0236】
<染毛斑>
被験者3名の頭髪を染毛剤で染毛した後に、染毛後の頭髪の毛染め状態を、美容師によって下記の3段階で官能評価した。
○:染め斑がなく、きれいに均一に染められている。
△:わずかに染め斑が認められる。
×:染め斑が多数見られる。
【0237】
<溶液の均一性>
実施例、比較例で得られたパーマ液、頭髪用調整剤の溶液の均一性を、目視によって下記の3段階で官能評価した。
◎:沈殿物がまったくない。
○:若干の沈殿物が認められる。
△:多くの沈殿物が認められる。
【0238】
[実施例E−1]
<パーマ液の調製>
下記の各成分を混合することによって、実施例E−1のパーマ液を得た。
【0239】
<パーマ液の成分>
・改良型シスチン(すなわち、白金によって加水分解ケラチンと結合したシスチン)の水溶液(シスチンの固形分濃度2.0%の水溶液):3.0質量%
・アミノ酸
・L−アルギニン: 0.1質量%
・L−リシン(塩酸塩):0.1質量%
・アミゾール:2.0質量%
・ヒアルロン酸ナトリウム:3.0質量%
・グルタミン酸系アミノ酸: 4.0質量%
・グリセリン:5.0質量%
・分散剤:6.0質量%
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):5.0質量%(プロポリスの純成分の濃度=1.0質量%)
・香料:0.2質量%
・防腐剤(エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベンの混合溶液):0.2質量%
・アカデミアン油:3.0質量%
・精製水:残余量
【0240】
しかる後、調製された実施例E−1のパーマ液を、頭髪に付着させた後、洗髪することなくそのままドライヤーによるブロー、及びアイロンや加熱ロッドで約80℃の熱を加えながら髪型を整えることによって、頭髪に恒常的な形状を付与した。しかる後、頭髪を市販のシャンプーにて洗浄し、ドライヤーで約80℃の熱を加えて頭髪を乾燥させた後に、上記した評価基準で、パーマネント後の状態、パーマのかかり度合い、頭髪への刺激、頭髪の脱色状態等を評価した。評価結果をパーマ液の組成とともに表5に示す。
【0241】
[実施例E−2〜E−4]
パーマ液を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の混合割合を、それぞれ、1.0質量%、5.0質量%、7.0質量%に変更した(すなわち、改良型シスチンの純成分の濃度を、それぞれ、0.02質量%、0.1質量%、0.14質量%に変更した)以外は、実施例E−1のパーマ液の調製と同様にして、実施例E−2〜E−4のパーマ液を調製した。そして、それらの実施例E−2〜E−4のパーマ液を、実施例E−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例E−1と同様に評価した。評価結果をパーマ液の組成とともに表5に示す。
【0242】
[実施例E−5]
パーマ液を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにアセチルシステイン 0.3質量%を混合した以外は、実施例E−1のパーマ液の調製と同様にして、実施例E−5のパーマ液を調製した。そして、その実施例E−5のパーマ液を、実施例E−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例E−1と同様に評価した。評価結果をパーマ液の組成とともに表5に示す。
【0243】
[比較例E−1]
<パーマ液の調製>
第一剤として、以下の組成の液を調製した。
・L−システイン塩酸塩: 4.85質量%
・N−アセチル−L−システイン: 2.35質量%
・イソプロパノールアミン:2.50質量%
・炭酸ナトリウム:2.50質量%
・L−アルギニン:0.10質量%
・エデト酸三ナトリウム:0.10質量%
・モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.):1.20質量%
・香料:0.80質量%
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン:2.02質量%
・精製水:残余量
【0244】
また、第二剤として、以下の組成の液を調製した。
・臭素酸ナトリウム:4.00質量%
・リン酸一水素ナトリウム:0.10質量%
・リン酸二水素ナトリウム:0.10質量%
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン:0.50質量%
・安息香酸ナトリウム:0.30質量%
・モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.):0.30質量%
・香料:0.20質量%
・アミノエチルプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン :0.10質量%
・.ポリオキシエチレンラウリルエーテル:0.01質量%
・精製水:残余量
【0245】
そして、調製された第一剤を、実施例1と同様な方法で、被験者の頭髪に付着させて頭髪を加熱した後、調製された第二剤を、被験者の頭髪に付着させた後に頭髪を洗浄して乾燥させた。そして、実施例E−1と同様な評価基準で、パーマネント後の状態を評価した。評価結果をパーマ液の組成とともに表5に示す。
【0246】
<比較例E−2>
パーマ液を調製する際に、プロポリスを混合しなかった(当該変更に合わせて精製水の混合割合も変更した)。そして、それ以外は、実施例E−1と同様にして、比較例E−2のパーマ液を得た。しかる後、調製された比較例E−2のパーマ液を用いて、実施例E−1と同様な方法で頭髪にパーマネントを施し、頭髪を洗浄した後に乾燥させた。そして、上記した評価基準で、パーマネント後の状態、パーマのかかり度合い、頭髪への刺激、頭髪の脱色状態等を評価した。評価結果をパーマ液の組成とともに表5に示す。
【0247】
<比較例E−3>
パーマ液を調製する際に、改良型シスチンの代わりにシステイン 0.3質量%を混合した以外は、実施例E−1と同様にして、比較例E−3のパーマ液を得た。しかる後、調製された比較例E−3のパーマ液を用いて、実施例E−1と同様な方法で頭髪にパーマネントを施し、頭髪を洗浄した後に乾燥させた。そして、上記した評価基準で、パーマネント後の状態、パーマのかかり度合い、頭髪への刺激、頭髪の脱色状態等を評価した。評価結果をパーマ液の組成とともに表5に示す。
【0249】
表5から、本発明に係るパーマ液(実施例E−1〜E−5)は、プロポリスあるいは改良型シスチン(あるいはアセチルシステイン)を含有しない通常のパーマ液(比較例E−1,E−2)に比べて、パーマネント中に皮膚に刺激を与えず、パーマネント後の頭髪の損傷を抑え、頭髪に、艶、ハリや潤いを付与できることが分かる。また、本発明に係るパーマ液(実施例E−1〜E−5)は、溶液の均一性が良好であることが分かる。
【0250】
[実施例F−1]
<頭髪用調整剤の調製>
下記の各成分を、常温下にて混合することによって、頭髪用調整剤Aを得た。
・改良型シスチン(すなわち、白金によって加水分解ケラチンと結合したシスチン)の水溶液(シスチンの固形分濃度2.0%の水溶液):3.0質量%
・アミノ酸
・L−アルギニン: 0.1質量%
・L−リシン(塩酸塩):0.1質量%
・アミゾール:1.0質量%
・プロポリス溶液(20質量%抽出液(エタノール溶液)):5.0質量%(プロポリスの純成分の濃度=0.05質量%)
・香料:0.2質量%
・防腐剤(エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベンの混合溶液):0.3質量%
・アカデミアン油:3.0質量%
・アミノ酸系アニオン界面活性剤(25質量%水溶液):4.0質量%
・分散剤:6.0質量%
・グリセリン:2.5質量%
・ヒアルロン酸ナトリウム:5.0質量%
・精製水:残余量
【0251】
<染毛剤の調製>
第一染毛剤として、以下の組成の液を調製した。
・28質量%アンモニア水:3.0質量%
・エタノールアミン:1.5質量%
・炭酸水素アンモニウム:0.3質量%
・パラフェニレンジアミン:0.1質量%
・パラアミノフェノール:0.2質量%
・パラアミノオルトクレゾール:0.4質量%
・デシルグルコシド:4.0質量%
・ラウレス−11酢酸Na:4.0質量%
・ラウレス−20:2.0質量%
・ミリスチルアルコール:0.2質量%
・プロピレングリコール:4.0質量%
・エタノール:9.5質量%
・香料:0.5質量%
・精製水:残余量
【0252】
また、第二染毛剤として、以下の組成の液を調製した。
・35質量%過酸化水素水:16.3質量%
・ココイルグルタミン酸Na:0.5質量%
・セタノール:0.5質量%
・エチドロン酸:0.1質量%
・48質量%水酸化ナトリウム水溶液:PH=3.5に調整可能な量
・精製水:残余量
【0253】
そして、常温の室内で、上記の如く得られた第一染毛剤40質量%と第二染毛剤60質量%とをスクイズフォーマー容器(大和製罐社 内容積150mlのナイロン製容器)中で混合して混合染毛剤とした。しかる後、上記した頭髪用調整剤Aを、その混合染毛剤に対して10重量%の混合割合となるように添加することによって、実施例F−1の改質染毛剤を調製した。
【0254】
<染毛剤の塗布>
そして、その改質染毛剤を、泡状に吐出して頭髪に付着させ、その付着部分で再度2秒間に亘って泡立てるという作業を繰り返しながら、頭髪全体に80gを付着させた。しかる後、再度頭髪全体での泡立て作業を15秒間行い、一定時間(20分間)放置した後、頭髪をすすぎ、シャンプー、リンスした後に頭髪を乾燥させた。そして、上記した評価基準で、染毛後の状態、染毛斑、皮膚への刺激について評価した。評価結果を表6に示す。
【0255】
[実施例F−2〜F−4]
頭髪用調整剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の混合割合を、それぞれ、1.0質量%、5.0質量%、7.0質量%に変更した(すなわち、改良型シスチンの純成分の濃度を、それぞれ、0.02質量%、0.1質量%、0.14質量%に変更した)以外は、実施例F−1の染毛剤の調製と同様にして、実施例F−2〜F−4の染毛剤を調製した。そして、それらの実施例F−2〜F−4の染毛剤を、実施例F−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例F−1と同様に評価した。評価結果を頭髪用調整剤の組成とともに表6に示す。
【0256】
[実施例F−5]
頭髪用調整剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにアセチルシステイン 0.3質量%を混合した以外は、実施例F−1の染毛剤の調製と同様にして、実施例F−5の染毛剤を調製した。そして、その実施例F−5の染毛剤を、実施例F−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例F−1と同様に評価した。評価結果を頭髪用調整剤の組成とともに表6に示す。
【0257】
<比較例F−1>
頭髪用調整剤を調製する際に、プロポリスを添加しなかった以外は、実施例F−1の染毛剤の調製と同様にして、比較例F−1の染毛剤を調製した。そして、その比較例F−1の染毛剤を、実施例F−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例F−1と同様に評価した。評価結果を頭髪用調整剤の組成とともに表6に示す。
【0258】
<比較例F−2>
頭髪用調整剤を調製する際に、改良型シスチンを添加しなかった以外は、実施例F−1の染毛剤の調製と同様にして、比較例F−2の染毛剤を調製した。そして、その比較例F−2の染毛剤を、実施例F−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例F−1と同様に評価した。評価結果を頭髪用調整剤の組成とともに表6に示す。
【0259】
<比較例F−3>
頭髪用調整剤を調製する際に、改良型シスチンの水溶液の代わりにシステイン 0.3質量%を混合した以外は、実施例F−1の染毛剤の調製と同様にして、比較例F−3の染毛剤を調製した。そして、その比較例F−3の染毛剤を、実施例F−1と同様な方法で、被験者に使用した後に、実施例F−1と同様に評価した。評価結果を頭髪用調整剤の組成とともに表6に示す。
【0261】
表6から、プロポリスおよび改良型シスチン(あるいはアセチルシステイン)を含有した頭髪用調整剤を染毛剤に添加した場合(実施例F−1〜F−5)には、プロポリスあるいは改良型シスチン(あるいはアセチルシステイン)を含有しない頭髪用調整剤を染毛剤に添加した場合(比較例F−1,F−2)に比べて、頭髪の染毛斑が少なく、均一に染毛できることが分かる。また、本発明に係る頭髪用調整剤(実施例E−1〜E−5)は、溶液の均一性が良好であることが分かる。