【実施例】
【0176】
次の実施例は、本発明の種々の態様を説明しまたは例証する。付随する特許請求の範囲の範囲内にある他の態様は、ここに記載する発明の詳細または実施を考慮して、当業者には明らかである。本明細書は、実施例と共に、例示としてのみ考慮されることが意図され、本発明の範囲および精神は実施例に続く特許請求の範囲に示されている。
【0177】
A. 化合物化学
次の方法および実施例によって、次の化合物を例証の目的で製造した。
【化37】
【0178】
スキーム1に従い、次の化合物を、当分野で一般的に知られ、下に概説する方法を使用して製造した。
【0179】
【化38】
19−[[(1,1−ジメチル)ジメチルシリル]オキシ]−アンドロスタ−4−エン−3,17−ジオン(1)
既知19−ヒドロキシアンドロステンジオン(1g、3.31mmol)、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(602mg、4mmol)、イミダゾール(315mg、4.63mmol)、DMF(5mL)および塩化メチレン(5mL)の混合物を室温で15時間撹拌した。水(100mL)を反応混合物に添加し、塩化メチレン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、白色固体を得た。固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、白色固体(1.3g、94%)を得た。mp 154-156℃; IR 2856, 2930, 1739, 1670, 1472, 1359, 1255, 1228 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 5.85 (s, 1H), 3.87 (dd, J = 12.9, 10.0 Hz, 2H), 2.65-0.95 (m), 0.89 (s, 3H), 0.83 (s, 9H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 220.0, 199.6, 167.2, 126.0, 65.8, 54.0, 51.3, 47.5, 43.5, 35.9, 35.6, 34.6, 33.5, 33.2, 31.7, 30.7, 25.7 (3×C), 21.6, 20.9, 18.0, 13.8, -5.76, -5.83
【0180】
【化39】
(5α)−19−[[(ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−アンドロスタン−3,17−ジオン(2)
短く切断したのリチウムワイヤ(140mg、20mmol)を、撹拌中の新たに凝縮させた液体アンモニア(250mL)(−78℃)に添加し、混合物を15分撹拌した。ステロイド1(1.25g、3mmol)のTHF(75mL)溶液を得られた深青色溶液に添加し、撹拌を−78℃で2時間続けた。固形塩化アンモニウム(5g)を添加し、アンモニアを蒸発させた。水(200mL)を添加し、反応混合物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、油状物を得た。油状物を撹拌しているアセトン(50mL)に溶解し、氷浴で冷却した。ジョーンズ試薬を、橙色が1時間持続するまで、撹拌している冷溶液に添加した。過剰のジョーンズ試薬を数滴のイソプロピルアルコールで還元した。アセトンを減圧下に除去し、得られた溶液を水(200mL)で希釈し、EtOAc(80mL×3)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥し、溶媒を除去して、白色固体を得て、これをクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製して、ステロイド2(830mg、63%)を得た。mp 130-132℃; IR 3339, 2922, 2857, 1445, 1360 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 3.87 (dd, J = 21.2, 10.0 Hz, 2H), 2.60-0.70 (m), 0.87 (s, 9H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 220.6, 211.8, 60.9, 54.3, 51.6, 47.7, 46.1, 44.8, 39.4, 38.5, 35.7, 35.4, 33.9, 31.9, 30.5, 28.3, 25.7 (3×C), 21.7, 18.0, 13.8, -5.7, -5.9
【0181】
【化40】
(5α)−19−[[(ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−アンドロスタン−3,17−ジオン、3−環状1,2−エタンジイルアセタール(3)
エチレングリコール(5mL)およびPPTS(500mg)を含む、ステロイド2(4.6g、11.0mmol)のベンゼン(〜100mL)溶液を還流下、ディーン・スターク装置で4時間加熱した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、3,17−ビスケタール(3.5g)およびステロイド3を固化した泡状物(1.25g)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.85-3.90 (m, 4H), 3.81 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.65 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 2.36-0.76 (m), 0.83 (s, 9H), 0.10 (d, J = 3.9 Hz, 6H);
13C NMR (CDCl
3) δ 221.2, 109.1, 64.1, 60.3, 59.9, 54.5, 51.8, 47.8, 43.6, 39.2, 38.3, 35.7, 35.4, 32.0, 31.3, 30.7, 30.6, 27.8, 25.7, 21.7, 20.9, 17.0, 14.1, -5.7, -5.9;C
27H
46O
4Siの分析計算値: C, 70.08;H, 10.02. 実測値: C, 69.89;H, 10.0
【0182】
【化41】
(5α)−19−ヒドロキシアンドロスタン−3,17−ジオン、3−環状1,2−エタンジイルアセタール(4)
ステロイド3(1.0g、2.4mmol)のTHF(10mL)溶液に、TBAF(6.0mmol、THF中1.0M、6.0mL)を室温で添加した。反応混合物を16時間還流し、溶媒を減圧下に除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(30%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、ステロイド4を油状物(638mg、84%)として得た。IR ν
max 3487, 1738 cm
-1-;
1H NMR (CDCl
3) δ 3.90-3.85 (m, 4H), 3.86 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 2.42-0.76 (m), 0.86 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 221.4, 108.9, 64.1, 64.0, 60.0, 54.4, 51.6, 47.8, 43.7, 39.2, 38.2, 35.7, 35.4, 31.9, 31.4, 30.6, 30.1, 27.7, 21.9, 21.7, 13.9
【0183】
【化42】
(5α,17β)−17,19−ジヒドロキシアンドロスタン−3−オン、環状1,2−エタンジイルアセタール(5)
ステロイド4(635mg、1.8mmol)のエタノール(40mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(152mg、4mmol)を室温で添加した。3時間後、混合物をNH
4Cl水溶液で反応停止させた。混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(35%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、ステロイド5を油状物(638mg、100%)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.92-3.90 (m, 5H), 3.90 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.61 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 2.22-0.73 (m), 0.76 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 109.1, 81.8, 64.2, 64.1, 60.2, 54.4, 51.3, 43.8, 43.1, 39.3, 38.3, 37.2, 36.0, 31.6, 31.3, 30.4, 30.1, 27.9, 23.4, 22.5, 11.4
【0184】
【化43】
(5α,17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタン−3−オン、環状1,2−エタンジイルアセタール(6)
ステロイド5(635mg、1.8mmol)のTHF(30mL)溶液に、水素化ナトリウム(400mg、鉱油中60%、6.0mmol)を添加した。添加後、混合物を1時間還流し、ヨードメタンを添加し、さらに3時間還流した。室温に冷却後、混合物を水で反応停止させ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、ステロイド6(623mg、92%)を得た。mp 102-104℃; IR ν
max 2922, 1448 cm
-1-;
1H NMR (CDCl
3) δ 3.84 (m, 4H), 3.43 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.36 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.24 (s, 3H), 3.21 (s, 3H), 3.12 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.10-0.63 (m), 0.68 (3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 109.1, 90.6, 70.9, 64.0 (2×C), 58.9, 57.6, 54.2, 51.3, 43.7, 42.9, 38.8, 38.3, 38.2, 35.6, 31.4, 31.3, 30.9, 28.0, 27.5, 23.2, 21.9, 11.5
-
【0185】
【化44】
(5α,17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタン−3−オン(7、MQ−88)
ステロイド6(625mg、1.65mmol)、PTSA(100mg)、アセトン(30ml)および水(3mL)の混合物を、16時間室温で撹拌した。溶媒を減圧により除去し、NaHCO
3水溶液を添加し、生成物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、ステロイド7(408mg、74%)を得た。mp 91-93℃; [α]
D20 = 18.4 (c = 0.37, CHCl
3); ν
max 2922, 1714 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 3.60 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.55 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.24 (s, 6H), 3.12 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 2.45-0.64 (m), 0.70 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 212.1, 90.4, 71.8, 59.0, 57.6, 54.0, 51.2, 46.3, 44.8, 42.8, 38.8, 38.7, 38.0, 35.5, 34.3, 31.0, 28.3, 27.5, 23.1, 21.8, 11.5. C
21H
34O
3の分析計算値: C, 75.41;H, 10.25. 実測値: C, 75.37;H, 10.13
【0186】
【化45】
【0187】
【化46】
(5α,17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタン−3−オール(8、MQ−89)
ステロイド7(200mg、0.60mmol)のTHF(10mL)溶液に、K−セレクトリド(登録商標)(1.0mmol、THF中1.0M、1.0mL)を−78℃で添加した。2時間後、3N NaOH(10mL)およびH
2O
2(5mL)を−78℃で添加し、反応物を1時間で室温に温めた。生成物をEtOAc(100mL×2)で抽出し、塩水で洗浄した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、ステロイド8(172mg、86%)を得た。mp 62-64℃; [α]
D20 = 1.1 (c = 0.26, CHCl
3); ν
max 3382, 1447 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 4.10-4.05 (m, 1H), 3.50 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.29 (s, 3H), 3.23 (t, J = 8.2, 1H), 2.01-0.80 (m), 0.76 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 90.9, 71.1, 66.4, 59.1, 57.8, 54.7, 51.6, 43.0, 39.6, 39.3, 38.5, 36.2, 35.8, 31.5, 29.5, 28.1, 27.7, 27.0, 23.3, 21.7, 11.7. C
21H
36O
3の分析計算値: C, 74.95;H, 10.78. 実測値: C, 75.19;H, 10.79
【0188】
【化47】
【0189】
【化48】
(5α)−19−メトキシアンドロスタン−3,17−ジオン、環状ビス−(1,2−エタンジイルアセタール)(9)
既知(5α)−19−ヒドロキシアンドロスタン−3,17−ジオン、環状ビス−(1,2−エタンジイル)アセタール(430mg、1.1mmol)、NaH(200mg、5mmol)およびTHF(10mL)の混合物を、N
2下、2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、ヨウ化メチル(2mL、32mmol)を添加し、混合物を室温で13時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、過剰のNaHをMeOH(2mL)の添加により注意深く消費させた。水(100mL)を添加し、生成物をEtOAc(80mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、無色液体を得た。粗製の生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(15〜20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物を無色液体(440mg、99%)として得た。IR ν
max 2923, 1457, 1378, 1306, 1210 cm
-1;
1H NMR δ 3.89 (s, 4H), 3.87-3.82 (m, 4H), 3.47 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.20-0.85 (m), 0.82 (s, 3H);
13C NMR δ 119.3, 109.2, 71.0, 65.0, 64.5, 64.0, 59.0, 54.0, 50.4, 46.0, 43.8, 38.9, 38.4, 36.2, 34.1, 31.5, 31.1, 31.0 (2×C), 29.6, 28.1, 22.6, 21.7, 14.4. C
24H
38O
5の分析計算値: C, 70.90%;H 9.42%. 実測値: C, 71.17%;H, 9.53%
【0190】
【化49】
(5α)−19−メトキシアンドロスタン−3,17−ジオン(10)
ステロイド9(400mg、0.98mmol)、PTSA(100mg)、アセトン(8mL)および水(0.5mL)の混合物を、室温で14時間撹拌した。NaHCO
3水溶液で反応液を中和し、アセトンを減圧下に除去した。水(80mL)を添加し、生成物をEtOAc(60mL×3)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥し、濃縮して、白色固体を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜30%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物10(230mg、73%)を得た。mp 94-96℃; IR ν
max 2918, 1738, 1712, 1452, 1407, 1373, 1270, 1248, 1220, 1202, cm
-1;
1H NMR δ 3.60 (d, J =11.0 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.26 (s, 3H), 2.50-0.74 (m), 0.82 (s, 3H);
13C NMR δ 220.5, 211.7, 71.7, 59.0, 53.9, 51.3, 47.6, 46.1, 44.7, 38.9, 38.5, 35.6, 35.3, 34.2, 31.5, 30.3, 28.1, 21.5, 21.3, 13.7. C
20H
30O
3のHRMS計算値: 318.2195. 実測値: 318.2180
【0191】
【化50】
(3α,5α)−3−ヒドロキシ−19−メトキシアンドロスタン−17−オン(11、KK−125)
1M K−セレクトリド(登録商標)のTHF溶液(2mL、2mmol、3当量)を、ステロイド10(210mg、0.66mmol)のTHF(5mL)の冷溶液(−78℃)に添加し、反応物を−78℃で1.5時間撹拌した。数滴のアセトンの添加により反応停止させ、室温に温めた。3N NaOH水溶液(10mL)、続いて30%H
2O
2水溶液(10mL)を添加し、反応物を室温で1.5時間撹拌した。生成物をEtOAc(3×60mL)で抽出し、合わせたEtOAc抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、灰白色固体を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜40%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製した。生成物11(142mg、67%)は次の物性であった。mp 172-174℃; IR ν
max 3436, 2921, 1738, 1453, 1406, 1372, 1248, 1203 cm
-1;
1H NMR δ 4.05 (b s, 1H), 3.48 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.38 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.39 (dd, J = 19.3, 8.8 Hz, 1H), 2.2.10-0.70 (m), 0.84 (s, 3H);
13C NMR δ 221.5, 71.1, 66.1, 59.0, 54.6, 51.7, 47.8, 39.6, 39.2, 36.0, 35.7, 35.5, 31.8, 30.7, 29.2, 27.9, 27.1, 21.6, 21.1, 13.8. C
20H
32O
3の分析計算値: C, 74.96%;H, 10.06%. 実測値: C, 74.91%;H, 9.86%
【0192】
【化51】
(3α,5α,17β)−19−メトキシスピロ[アンドロスタン−17,2’−オキシラン]−3−オール(12、MQ−90)
ステロイド11(100mg、0.3mmol)のDMF(10mL)溶液に、ヨウ化トリメチルスルホニウム(306mg、1.5mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(168mg、1.5mmol)を室温で添加した。2時間後、NH
4Cl水溶液で反応停止させた。混合物をジクロロメタン(100mL×2)で抽出し、塩水で洗浄した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(25%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、ステロイド12(76mg、75%)を得た。mp 168-170℃; [α]
D20 = -3.1 (c = 0.16, CHCl
3); ν
max 3420, 1445 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 4.10-4.05 (m, 1H), 3.51 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.29 (s, 3H), 2.90 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 2.60 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.00-0.77 (m), 0.89 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 71.0, 70.6, 66.4, 59.1, 54.6, 53.6, 53.1, 40.2, 39.6, 39.3, 36.2, 36.1, 34.3, 31.4, 29.4, 29.0, 28.1, 27.1, 23.5, 21.4, 14.4. C
21H
34O
3の分析計算値: C, 75.41;H, 10.25. 実測値: C, 75.44;H, 9.98
【0193】
【化52】
【0194】
【化53】
(3α,5α)−19−メトキシ−3−(メトキシメトキシ)−アンドロスタン−17−オン(13)
ステロイド11(800mg、2.5mmol)のDCM(20mL)溶液に、クロロメチルメチルエーテル(302mg、3.75mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(774mg、6mmol)を室温で添加した。16時間後、混合物を水で反応停止させ、EtOAc(100mL×2)で抽出し、塩水で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(25%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物13を油状物(900mg、100%)として得た。IR ν
max 2921, 1740 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 4.65 (q, J = 6.6, 10.9, 1H), 3.86-3.84 (m, 1H), 3.52 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.43 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.35 (s, 3H), 3.28 (s, 3H), 2.44-0.83 (m), 0.86 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 221.4, 94.5, 71.3, 71.2, 59.1, 55.1, 54.6, 51.7, 47.9, 39.9, 39.4, 35.8, 35.5, 34.0, 31.9, 30.8, 28.0, 27.7, 26.5, 21.7, 21.2, 13.9
【0195】
【化54】
(3α,5α)−19−メトキシ−3−(メトキシメトキシ)−アンドロスタ−16−エン−17−カルボニトリル(14)
ステロイド13(800mg、2.5mmol)のTHF(20mL)溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(3.0mmol、トルエン中0.5M、6.0mL)を−78℃で添加した。30分後、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(1.07g、3.0mmol)のTHF溶液(5mL)を−78℃で添加した。−78℃で2時間後、混合物を水で反応停止させ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製して、中間体エノールトリフラート(分離不可能な不純物を含み1.21g)。50mL丸底フラスコ中のエノールトリフラート(1.21g)にシアン化ナトリウム(300mg、6.0mmol)、ヨウ化銅(I)(120mg、0.6mmol)およびPd(PPh
3)
4(60mg)を室温で添加した。アセトニトリル(25mL)を添加し、混合物を3時間還流した。混合物をNH
4Cl水溶液で反応停止させ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物14を油状物(分離不可能な不純物を含み886mg)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 6.54-6.53 (m, 1H), 4.62 (q, J = 7.0, 9.8 Hz, 2H), 3.80-3.70 (m, 1H), 3.47 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.30 (s, 3H), 3.23 (s, 3H), 2.29-0.82 (m), 0.85 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 147.7, 127.3, 116.0, 94.4, 71.5, 71.3, 59.1, 56.2, 55.0, 54.8, 48.4, 39.9, 39.5, 34.3, 34.2, 33.8, 32.8, 31.6, 27.9, 27.4, 26.4, 21.5, 16.3。
【0196】
【化55】
(3α,5α)−3−ヒドロキシ−19−メトキシアンドロスタ−16−エン−17−カルボニトリル(15、MQ−91)
分離不可能な不純物を含むステロイド14(886mg)のメタノール(20mL)溶液に、6N HCl(15ml)を室温で添加した。14時間後、混合物をジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物15(480mg、ステロイド13からの収率58%)を得た。mp 167-169℃; [α]
D20 = 11.1 (c = 0.18, CHCl
3); IR ν
max 3337, 2212 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 6.59-6.55 (m, 1H), 4.08-4.05 (m, 1H), 3.53 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 3.43 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 3.28 (s, 3H), 2.37-0.89 (m), 0.91 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 147.2, 127.5, 115.9, 71.1, 66.1, 59.1, 56.2, 54.8, 48.3, 39.7, 39.3, 36.0, 34.4, 34.3, 32.8, 31.6, 29.3, 28.0, 26.9, 21.5, 16.3. C
21H
31NO
2の分析計算値: C, 76.55;H, 9.48, N, 4.25. 実測値: C, 76.59;H, 9.32;N, 4.06
【0197】
【化56】
(3α,5α,17β)−3−ヒドロキシ−19−メトキシアンドロスタン−17−カルボニトリル(16、MQ−92)
ステロイド15(430mg、1.3mmol)のEtOAc(30mL)溶液に、Pd/C(10%、100mg)を添加した。7気圧H
2雰囲気中で水素化を3時間室温で行った。混合物をセライトで濾取し、EtOAc(100mL)で洗浄した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物16(415mg、96%)を得た。mp 146-148℃; [α]
D20 = 42.1 (c = 0.29, CHCl
3); ν
max 3412, 2235 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 4.08-4.05 (m, 1H), 3.49 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.29 (s, 3H), 2.25 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.10-0.79 (m), 0.92 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 121.4, 70.9, 66.3, 59.1, 54.7, 54.3, 44.5, 40.2, 39.5, 39.2, 37.5, 36.4, 36.1, 31.9, 29.4, 28.0, 27.1, 26.5, 24.5, 21.6, 14.4. C
21H
33NO
2の分析計算値: C, 76.09;H, 10.03, N, 4.23. 実測値: C, 76.16;H, 9.90;N, 4.05
【0198】
【化57】
(3α,5α)−3−ヒドロキシ−19−メトキシプレグナン−20−オン(17、MQ−93)
ステロイド16(360mg、1.09mmol)のTHF(20mL)溶液に、臭化メチルマグネシウム(3.0M、2mL、6.0mmol)を室温で添加した。混合物を16時間還流し、室温に冷却し、6N HClの添加により反応停止させた。生成物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物(300mg、79%)の
1H NMRは17β(ステロイド17)および17αジアステレオマーを、各8対1の比で示した。粗製の生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(25%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、精製物17(135mg)を得た。mp 160-162℃; [α]
D20 = 41.7 (c = 0.31, CHCl
3); IR ν
max 3407, 1703 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 4.07-4.05 (m, 1H), 3.47 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.40 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.26 (s, 3H), 2.50 (t, J = 9.4 Hz, 1H), 2.17-0.78 (m), 2.08 (s, 3H), 0.59 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 209.8, 70.9, 66.3, 63.8, 59.0, 56.9, 54.4, 44.3, 39.5, 39.4, 39.2, 36.1, 35.9, 31.8, 31.4, 29.3, 28.1, 26.9, 24.3, 22.6, 22.0, 13.5. C
22H
36O
3の分析計算値: C, 75.82;H, 10.41; 実測値: C, 75.71;H, 10.29。
【0199】
【0200】
【化58】
(3α,5α)−3−(アセチルオキシ)−19−メトキシプレグナン−20−オン(18)
ステロイド17(100mg、0.29mmol)のピリジン(5mL)溶液に、酢酸無水物(51mg、0.5mmol)およびDMAP(5mg)を室温で添加した。2時間後、反応混合物を水で反応停止させ、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物18を油状物(112mg、100%)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 5.01-4.98 (m, 1H), 3.46 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.37 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.23 (s, 3H), 2.47 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 2.22-0.79 (m), 2.06 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 0.57 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 209.4, 170.5, 70.9, 69.9, 63.7, 59.0, 56.8, 54.2, 44.2, 40.1, 39.3, 39.1, 35.8, 33.1, 31.7, 31.4, 27.8, 27.7, 26.3, 24.2, 22.6, 21.9, 21.4, 13.4
【0201】
【化59】
(3α,5α)−3,21−ビス(アセチルオキシ)−19−メトキシlプレグナン−20−オン(19)
ベンゼン(10mL)およびメタノール(0.5mL)中のステロイド18(112mg、0.29mmol)の溶液に、四酢酸鉛(513mg、1.15mmol)および三フッ化ホウ素エーテル錯体(1mL)を室温で添加した。3時間後、水を添加し、生成物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(25%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物19を泡状物(82mg、63%)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 5.03-5.01 (m, 1H), 4.70 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.47 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.34 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.47 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 2.20-0.80 (m), 2.14 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 0.65 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 203.8, 170.6, 170.2, 70.9, 69.9, 69.1, 59.4, 59.0, 57.1, 54.2, 45.0, 40.1, 39.2, 39.1, 35.9, 33.2, 31.8, 27.9, 27.8, 26.4, 24.4, 22.7, 22.0, 21.5, 20.4, 13.3
【0202】
【化60】
(3α,5α)−3,21−ジヒドロキシ−19−メトキシプレグナン−20−オン(20、MQ−98)
ステロイド19(82mg、0.18mmol)のメタノール溶液に、重炭酸カリウム(280mg、2.0mmol)を室温で添加した。混合物を5時間還流した。水を添加し、生成物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(25%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物20(22mg、37%)を得た。mp 88-90℃; [α]
D20 = 50.0 (c = 0.13, CHCl
3); IR ν
max 3415, 1708 cm
-1-;
1H NMR (CDCl
3) δ 4.20-4.10 (m, 3H), 3.49 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.28 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 2.47 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 2.22-0.80 (m), 0.65 (J = 1.2 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 210.4, 70.9, 69.4, 66.4, 59.4, 59.1, 57.1, 54.3, 45.1, 39.5, 39.2, 39.1, 36.1, 36.0, 31.9, 29.4, 28.1, 27.0, 24.5, 22.9, 22.0, 13.6. C
22H
36O
4の分析計算値: C, 72.49;H, 9.95; 実測値: C, 72.77;H, 10.10
【0203】
【化61】
【0204】
【化62】
19−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−3,17−ジオン、3−環状1,2−エタンジイルアセタール(21)
既知19−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3,17−ジオン(1.0g、3.3mmol)のベンゼン(100mL)溶液に、エチレングリコール(267mg、4.3mmol)およびPPTS(100mg)を添加した。混合物をディーン・スターク・トラップを備えたフラスコ中で還流した。4時間後、混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧により除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(15%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、既知19−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−3,17−ジオン、3,17−ビス(環状1,2−エタンジイルアセタール)(260mg、20%)および生成物21(450mg、39%)を得た。mp 190-192℃; IR ν
max 3468, 1735 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 5.67-5.65 (m, 1H), 3.93-3.3.77 (m, 5H), 3.58-3.55 (m, 1H), 2.48-0.96 (m), 0.87 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 221.2, 135.4, 126.4, 109.0, 64.4, 64.2, 62.5, 52.4, 50.0, 47.8, 41.8, 41.6, 35.7, 32.8, 32.4, 31.6, 31.3, 30.0, 21.7, 20.9, 13.9
【0205】
【化63】
(17β)−17,19−ジヒドロキシアンドロスタ−5−エン−3−オン、3−環状1,2−エタンジイルアセタール(22)
ステロイド21(450mg、1.29mmol)のエタノール(50mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(152mg、4mmol)を室温で添加した。3時間後、NH
4Cl水溶液を添加し、生成物をEtOAc(50mL×3)で溶出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(35%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物22(374mg、83%)を得た。mp 208-210℃; IR ν
max 3440 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 5.74-5.70 (m, 1H), 4.00-3.92 (m, 4H), 3.85 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.70-3.62 (m, 2H), 2.22-0.84 (m), 0.82 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 135.1, 127.3, 109.1, 81.8, 64.5, 64.3, 62.6, 52.1, 50.0, 42.9, 41.9, 41.8, 36.8, 33.4, 32.4, 31.4, 30.6, 30.5, 23.3, 21.3, 11.3
【0206】
【化64】
(17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタ−5−エン−3−オン、3−環状1,2−エタンジイルアセタール(23)
ステロイド22(374mg、0.72mmol)のTHF(30mL)溶液に、水素化ナトリウム(400mg、鉱油中60%、6.0mmol)を添加した。添加後、混合物を1時間還流し、ヨードメタン(2.13g、15mmol)を添加し、還流を3時間続けた。室温に冷却後、水を添加し、生成物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物22(402mg、100%)を得た。mp 97-99℃; IR ν
max 2918, 1450, 1105 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 5.52-5.50 (m, 1H), 3.95-3.83 (m, 4H), 3.51 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.27 (s, 3H), 3.27 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.24 (s, 3H), 3.15 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.56-0.78 (m), 0.73 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 136.1, 124.8, 109.1, 90.6, 73.6, 64.2, 64.0, 58.8, 57.6, 51.9, 49.9, 42.6, 42.0, 40.6, 38.0, 32.6, 32.5, 31.3, 30.8, 27.5, 23.1, 21.2, 11.3
【0207】
【化65】
(17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタ−4−エン−3−オン(24、MQ−99)
ステロイド23(402mg、1.07mmol)のTHF(20mL)溶液に、3N HCl(10mL)を室温で添加した。混合物を2時間撹拌し、生成物をジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(25%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物24(355mg、100%)を得た。IR ν
max 1671 cm
-1;mp 93-95℃; [α]
D20 = 124.7 (c = 0.32, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3) δ 5.80 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 3.68 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.51 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.28 (s, 3H), 3.25 (s, 3H), 3.18 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 2.27-0.90 (m), 0.74 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 199.9, 167.5, 125.5, 90.2, 76.0, 59.2, 57.7, 54.1, 50.9, 42.8, 42.7, 37.8, 35.9, 34.8, 33.6, 33.4, 31.6, 27.4, 23.0, 21.2, 11.5. C
21H
32NO
3の分析計算値: C, 75.86, H, 9.70. 実測値: C, 76.00, H, 9.98
【0208】
【化66】
【0209】
【化67】
(3α,17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタ−5−エン−3−オール(25、MQ−101)および(3β,17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタ−5−エン−3−オール(26、MQ−100)
ステロイド24(355mg、1.07mmol)の酢酸無水物(10mL)溶液に、ヨウ化ナトリウム(600mg、4mmol)およびTMSCl(435mg、4mmol)を0℃で添加した。添加後、混合物を1時間室温に温めた。薄層クロマトグラフィーで残存出発物質は示されなかった。NaHCO
3水溶液を添加し、生成物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をエタノール(20mL)に溶解し、NaBH
4(200mg)を添加した。16時間後、NH
4Cl水溶液を添加し、生成物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物25(30mg、8%)および生成物26(248mg、69%)を得た。
【0210】
生成物25の物性。mp 132--134℃; [α]
D20 = -64.0 (c = 0.10, CHCl
3); IR ν
max 3337, 1446 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 5.67-5.65 (m, 1H), 4.05-4.00 (m, 1H), 3.60 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.35 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 3.28 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.25 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 2.64-2.60 (m, 1H), 2.17-0.85 (m), 0.80 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 134.8, 126.9, 90.8, 73.7, 66.9, 59.1, 57.9, 52.1, 50.8, 42.8, 41.5, 40.0, 38.2, 32.9, 31.1, 30.2, 29.3, 27.7, 23.3, 21.1, 11.5. C
21H
34O
3の分析計算値: C, 75.41, H, 10.25. 実測値: C, 75.31, H, 10.41
【0211】
生成物26の物性。mp 160-162℃; [α]
D20 = -76.7 (c = 0.45, CHCl
3); IR ν
max 3408 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 5.53-5.50 (m, 1H), 3.54 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.51-3.44 (m, 1H), 3.28 (s, 3H), 3.24 (s, 3H), 3.22 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.18 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 2.65 (s, br, 1H), 2.32-0.76 (m), 0.73 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 136.9, 124.4, 90.7, 73.8, 71.1, 58.8, 57.7, 51.9, 50.4, 42.6, 42.2, 40.5, 38.0, 33.6, 32.6, 31.6, 30.7, 27.5, 23.1, 21.2, 11.3. C
21H
34O
3の分析計算値: C, 75.41, H, 10.25. 実測値: C, 75.51, H, 10.30
【0212】
【化68】
【0213】
【化69】
(3α,5α)−3−[[(ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−19−メトキシアンドロスタン−17−オン(27)
ステロイド11(150mg、0.47mmol)のDMF(5ml)溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(150mg、1.0mmol)およびイミダゾール(132mg、2.0mmol)を室温で添加した。16時間後、水を添加し、生成物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物27を油状物(198mg、99%)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 4.00-3.95 (m, 1H), 3.51 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.40 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.27 (s, 3H), 2.44-0.80 (m), 0.89 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.00 (d, J = 1.6 Hz, 6H);
13C NMR (CDCl
3) δ 221.6, 71.3, 66.6, 59.1, 54.7, 51.7, 47.9, 39.6, 39.2, 37.0, 35.8, 35.5, 31.8, 30.9, 29.9. 28.1, 27.2, 25.8 (3×C), 25.6, 21.7, 21.2, 13.9, -4.90, -4.92
【0214】
【化70】
(3α,5α)−3−[[(ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−19−メトキシアンドロスタン−17−オン、オキシム(28)
ステロイド27(195mg、0.45mmol)のピリジン(10mL)溶液に、ヒドロキシアミン塩酸塩(140mg、2.0mmol)を室温で添加した。14時間後、水を添加し、生成物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物28を油状物(202mg、100%)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 9.05 (s, br, 1H), 4.00-3.95 (m, 1H), 3.50 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.41 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.27 (s, 3H), 2.50-0.82 (m), 0.91 (s, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.11 (d, J = 1.9 Hz, 6H);
13C NMR (CDCl
3) δ 171.1, 71.4, 66.7, 59.1, 54.7, 54.1, 44.2, 39.6, 39.2, 37.1, 35.2, 34.3, 31.5, 30.0, 28.2, 27.1, 25.8 (3×C), 25.0, 23.1, 21.5, 18.1, 17.2, -4.85, -4.89
【0215】
【化71】
(3α,5α,17β)−19−メトキシ−17−ニトロアンドロスタン−3−オール(29、MQ−97)
NBS(231mg、1.3mmol)のジオキサン(4mL)溶液に、KHCO
3水溶液(260mg、2.6mmol、4mL)を室温で添加し。混合物を30分、室温で撹拌し、オキシム(202mg、0.45mmol)のジオキサン(10ml)溶液を添加した。反応物を、開放フラスコ中、14時間、室温で撹拌した。NaBH
4(200mg)を5回で添加し、反応物を3時間、室温で撹拌した。6N HCl(10ml)をゆっくり添加し、室温での撹拌を1時間続けた。生成物をジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物29(79mg、50%)を得た。mp 52-54℃; [α]
D20 = 25.8 (c = 0.21, CHCl
3); IR ν
max 3307, 1541, 1370 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3) δ 4.38 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 4.10-4.05 (m, 1H), 3.49 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.41 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.27 (s, 3H), 2.55-0.79 (m), 0.74 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 94.5, 71.0, 66.3, 59.1, 54.2, 53.4, 46.0, 39.5, 39.1, 37.6, 36.0, 31.5, 29.3, 28.0, 27.1, 24.7, 23.6, 21.7, 12.2. C
20H
33NO
4の分析計算値: C, 68.34, H, 9.46. 実測値: C, 68.40, H, 9.45
【0216】
【化72】
【0217】
【化73】
(3α,5β)−3−ヒドロキシ−19−メトキシアンドロスタン−17−オン(30、MQ−94)
ステロイド10(295mg、0.93mmol)のTHF(20mL)溶液に、水素化リチウムアルミニウムトリ−tert−ブトキシド(2.0mmol、THF中1.0M、2.0mL)を−40℃で添加した。2時間後、混合物を3N HClにより−40℃で反応停止させ、反応物を1時間で室温に温めた。生成物をジクロロメタン(100mL×2)で抽出し、塩水で洗浄した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物30(239mg、81%)を得た。mp 208-210℃; IR ν
max 3428, 1737, 1642 cm
-1; [α]
D20 = 81.3 (c = 0.31, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3) δ 3.65-3.58 (m, 1H), 3.52 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.43 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.27 (s, 3H), 2.44-0.65 (m), 0.85 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 221.4, 71.5, 70.8, 59.1, 54.6, 51.6, 47.9, 44.9, 39.0, 38.3, 35.8, 35.5, 32.0, 31.8, 31.6, 30.8, 28.0, 21.7, 21.6, 13.8. C
20H
32O
3の分析計算値: C, 74.96;H, 10.06. 実測値: C, 75.10;H, 9.95
【0218】
【化74】
【0219】
【化75】
(3β,5α,17β)−17,19−ジメトキシアンドロスタン−3−オール(31、MQ−96)
ステロイド7(65mg、0.20mmol)のTHF(10mL)溶液に、水素化リチウムアルミニウムトリ−tert−ブトキシド(1.0mmol、THF中1.0M、1.0mL)を−40℃で添加した。2時間後、混合物を3N HClにより−40℃で反応停止させ、反応物を1時間で室温に温めた。生成物をジクロロメタン(50mL×2)で抽出し、塩水で洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(25%EtOAcのヘキサン溶液で溶出するシリカゲル)で精製して、生成物31(55mg、85%)を得た。mp 164-166℃; IR ν
max 3370 cm
-1-; [α]
D20 = 1.0 (c = 0.10, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3) δ 3.65-3.57 (m, 1H), 3.51 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.43 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.29 (s, 3H), 3.22 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 2.24-0.60 (m), 0.76 (s, 3H);
13C NMR (CDCl
3) δ 90.8, 71.5, 71.0, 59.1, 57.8, 54.7, 51.5, 45.0, 43.0, 38.9, 38.5, 38.4, 35.8, 32.0, 31.8, 31.6, 28.2, 27.7, 23.2, 22.2, 11.7. C
21H
36O
3の分析計算値: C, 74.95;H, 10.78. 実測値: C, 74.91;H, 10.82
【0220】
¥
B. [35S]−TBPS置換
GABA
A受容体上のピクロトキシン結合部位からの[
35S]−TBPSの非競合的置換剤のIC
50値を表1に示す。
【表1】
【0221】
aここに示す結果は、3回行った実験のうち2回からのものである。誤差限界は平均の標準誤差として計算する。使用する方法は文献で知られる(Jiang, X., et al., Neurosteroid analogues. 9. Conformationally constrained pregnanes: structure-activity studies of 13,24-cyclo-18,21-dinorcholane analogues of the GABA modulatory and anesthetic steroids (3α,5α)- and (3α,5α)-3-hydroxypregnan-20-one. J. Med. Chem., 46: 5334-48 (2003)参照 − この内容をその全体を引用により本明細書に包含させる)。
【0222】
C. 電気生理学結果
本発明の化合物を、ツメガエル卵母細胞で発現させたラットα
1β
2γ
2LタイプGABA
A受容体で、2μM GABAが介在する塩素電流を増強する能力について評価し、結果を表2に示す。
【表2】
【0223】
a応答の制御のために使用したGABA濃度は2mMであった。各化合物を少なくとも4個の異なる卵母細胞で、記載した濃度で試験し、示す結果は添加化合物存在下/非存在下で測定した電流の比である。ゲート開閉は、GABAの非存在下で10mM 化合物によりゲート開閉される直流を表し、この電流を化合物のみの電流/2mM GABA電流の比として示す。誤差限界は平均の標準誤差として計算する(N≧4)。使用する方法は文献で知られる(Jiang, X., et al.参照)。
【0224】
D. オタマジャクシの正向および泳ぎの喪失
表3は本発明の化合物の麻酔作用を開示する。特に、本発明の化合物の正向反射喪失(LRR)および泳ぎ反射喪失(LSR)に関する麻酔作用。
【表3】
【0225】
使用する方法は文献で知られる(Jiang, X., et al.参照)。誤差限界は平均の標準誤差として計算する(5個以上の濃度の各々でN=10以上の動物)。
【0226】
E. ラット正向反射喪失
血漿薬物動態および鎮静の定性的評価を、次の方法に従い雄Sprague Dawleyラットで行った。ラットに、適当な媒体中5〜15mg/kgの範囲の投与量で足背静脈から静脈内ボーラス投与(60秒)した。鎮静を評価するために、ラットを、投与のために手で穏やかに側臥位に拘束した。投与中に筋緊張の低下が観察されたら、拘束を徐々に緩めた。動物が正立位に戻れないならば、正向反射喪失(LRR)の発生として時間を記録した。最終的に投与中にLRRが生じなかったならば、動物を仰臥位で置くことにより、その後5分間隔で評価した。30秒インターバル内で2回連続遅鈍なまたは不完全な正向を正向反射喪失と認定した。LRR発生後、動物を5分毎に同じ方法で評価した。正向反射の回復を、仰臥位に置かれたラットが20秒以内に完全に正しい姿勢になる能力として定義する。LRRの持続時間を、LRRと正向反射回復の間の時間間隔として定義する。
【表4】
A <10分;B 10〜20分;C >20分
【0227】
F. イヌ側横臥位喪失
血漿薬物動態および鎮静の定性的評価を、次の方法に従い雄ビーグル犬で得た。イヌに、橈側皮静脈を介して、適当な媒体中5mg/kg投与量で静脈内ボーラス投与(60秒)した。鎮静を評価するために、イヌを、投与のために穏やかに拘束した。投与中に筋緊張低下、肢衰弱または頭部墜落が観察されたならば、側横臥位の発生を記録した。最終的に投与中に側横臥位が生じなかったならば、動物を、その後側横臥位に置くことにより5分間隔で評価した。腹ばい姿勢への遅鈍なまたは不完全な正向を側横臥位と認定した。側横臥位の発生後、動物を5分毎に同じ方法で評価した。側横臥位の持続時間を、側横臥位と腹ばい姿勢回復の間の時間間隔として記録した。
【表5】
A <10分;B 10〜20分;C >20分
【0228】
一般法
本発明で記載した化合物を、本明細書の何処かに記載した方法および次の方法により製造した。
【0229】
溶媒は、購入したものをそのまま、または標準法で乾燥し、精製して使用した。抽出溶媒を無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過後、ロータリーエバポレーターで除去した。フラッシュクロマトグラフィーを、Scientific Adsorbents(Atlanta, GA)から購入したシリカゲル(32〜63μm)を使用して行った。融点をKofler micro hot stageで測定し、未補正である。FT−IRスペクトルを、NaClプレート上のフィルムとして記録した。NMRスペクトルを、環境温度で300MHz(
1H)または74MHz(
13C)でCDCl
3中で記録した。純度を、Analtech(Newark, DE)の250μM厚Uniplates
TM上のTLCにより測定した。全ての純粋な化合物(純度>95%)は、TLCで単一スポットとなった。元素分析は、M-H-W Laboratories(Phoenix, AZ)により行った。
【0230】
同等物および範囲
上記の観点から、本発明のいくつかの利点が達成され、他の有利な結果に到達したことを見ることができる。本開示の範囲から逸脱することなく上記の方法および組成を種々変えることができるため、上の記載に含まれ、添付する図面に示す全ての事項は説明的であると解釈され、限定的意図はないことが意図される。
【0231】
本発明またはその多様な型、態様または面の要素を導入するとき、単数形は、該要素の1個またはそれ以上であることを意味することが意図される。用語“含む”、“包含する”、“有する”または“含有する”は、開放性であり、付加的要素または工程の包含が可能であることが意図される。