(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動力が、前記鋸刃に作用する回転力であり、前記枢動軸の周囲で、1°〜10°以内で、振動する前記鋸刃をもたらし、前記駆動力が、前記鋸刃の前記枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の遠位端部(22)の回転に変換される、請求項1に記載の鋸歯車セット。
前記駆動力が、前記鋸刃の近位端部(21)から遠位端部(22)への長手方向軸(200)に対して垂直であり、かつ前記枢動軸(300)に対して垂直である方向において、前記鋸刃に作用する並進力であり、
前記駆動力が、前記鋸刃の前記枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の前記遠位端部(22)の回転に変換される、請求項1又は2に記載の鋸歯車セット。
前記第1の力伝達点において前記駆動力を印加することに応じて、前記第2の駆動ピン(52)が、前記第1のスロット配設の前記第2の部分(42)内で自由に振動し、かつ/又は
前記第2の力伝達点において前記駆動力を印加することに応じて、前記第1の駆動ピン(51)が、前記第2のスロット配設の前記第3の部分(43)内で自由に振動する、請求項1又は4に記載の鋸歯車セット。
前記第1の鋸刃(2’)について、前記第1の部分(51)が、前記第2の部分(52)よりも小さい断面積を有し、前記第1の部分(51)及び前記第2の部分(52)が、矩形であり、
前記第2の鋸刃(2’)について、前記第3の部分(53)が、前記第4の部分(54)よりも大きい断面積を有し、前記第3の部分(53)及び前記第4の部分(54)が、矩形である、請求項7に記載の一組の鋸刃。
前記枢動軸(300)の周囲で、1°〜10°以内で振動する、回転力としての前記駆動力を、前記一組の鋸刃のうちの前記鋸刃に印加するように構成されており、前記駆動力が、前記鋸刃の前記枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の遠位端部(22)の回転に変換される、請求項10に記載の鋸駆動装置(1)。
前記鋸刃の近位端部(21)から遠位端部(22)への長手方向軸に対して垂直であり、かつ前記枢動軸(300)に対して垂直である方向において、前記一組の鋸刃のうちの前記鋸刃に作用する並進力として、前記駆動力を印加するように構成されており、
前記駆動力が、前記鋸刃の前記枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の前記遠位端部(22)の回転に変換される、請求項10に記載の鋸駆動装置(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明によって解決されるべき問題は、最先端技術の不利な点を克服する鋸歯車セット及びその使用、一組の鋸刃、並びに鋸駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、独立請求項の主題によって解決される。
【0007】
故に、本発明の第1の態様は、一組の鋸刃及び鋸駆動装置を備える鋸歯車セットに関し、一組のうちの各鋸刃は、結合機構によって鋸駆動装置に結合させるように構成されている。結合機構は、枢動軸の周囲で鋸刃を振動させるために、力伝達点において、鋸駆動装置の駆動力を鋸刃に伝達するように構成されている。一組のうちの各鋸刃は、枢動軸の周囲で枢動可能に支持されるように構成されている。動作中、枢動軸周辺の振動角度は、一組のうちの鋸刃ごとに変動する、枢動軸と力伝達点との間の枢動距離に依存して、一組のうちの鋸刃ごとに異なる。それによって、振動角度は、鋸刃の遠位端部の振動の角度を指す。
【0008】
好ましくは、鋸歯車セットは、手術のための、特に骨切り術のためのハンドヘルド工具であり、一組の鋸刃のうちの各鋸刃の振動角度は、それぞれの枢動距離に依存し、したがって、適切な一組の鋸刃を選択することによって、振動角度の容易な調整を提供する。
【0009】
好ましくは、一組の鋸刃のうちの各鋸刃の振動角度は、単に枢動距離にだけに依存して、鋸刃ごとに異なる。特に、より短い枢動距離を有する一組のうちの1つの鋸刃の振動角度は、より長い枢動距離を有する一組のうちの1つの鋸刃の振動角度よりも大きい。
【0010】
好ましくは、一組の鋸刃のうちの各鋸刃は、それぞれ、刃の近位端部から遠位端部への長手方向軸を有し、近位端部は、鋸駆動装置に向かって方向付けられており、遠位端部は、鋸駆動装置から離れて方向付けられている。好ましくは、遠位端部は、鋸引きのために鋸歯状である。
【0011】
好ましい実施形態において、一組のうちの全ての鋸刃は、同じ長さ、幅、及び/又は厚さである。長さは、各刃の近位端部から遠位端部までの鋸刃の延在部を指す。鋸刃の幅は、長手方向軸に対して垂直な方向における鋸刃の延在部を指す。
【0012】
一組のうちの全ての鋸刃が同じ長さ及び幅である場合、各鋸刃の遠位端部は、振動角度に依存し、したがって、それぞれの鋸刃の枢動距離に依存して、円弧長にわたって振動する。
【0013】
更に好ましい実施形態において、一組のうちの少なくとも2つの鋸刃は、長さが異なり、好ましくは、より長い鋸刃は、より短い鋸刃よりも少ない振動角度を有する。一組のうちの鋸刃は、異なる幅とすることができる。
【0014】
鋸歯車セットの好ましい結合機構は、鋸駆動装置の鋸刃ガイドに嵌合する鋸刃の外輪郭、特に円形区間を備える。
【0015】
鋸歯車セットの別の好ましい結合機構は、スロットに嵌合する駆動ピンを備える。
【0016】
好ましい実施形態において、鋸駆動装置の駆動ピンは、枢動軸の周囲で鋸刃を振動させるために、鋸駆動装置の駆動力を鋸刃に伝達し、したがって、力伝達点は、駆動ピンとスロットとの間に位置付けられる。
【0017】
別の実施形態では、スロットが、枢動軸の周囲で鋸刃を振動させるために、鋸駆動装置の駆動力を鋸刃のピンに伝達することが更に好ましい。
【0018】
好ましい実施形態において、駆動力は、枢動軸の周囲で、好ましくは1°〜10°以内で振動する、好ましくは鋸刃に作用する振動回転力であり、好ましくは、振動駆動力は、鋸刃の枢動軸の周囲のその鋸刃の遠位端部の好ましくは振動回転に変換される。
【0019】
更に好ましい実施形態において、駆動力は、鋸刃の長手方向軸に対して垂直であり、かつ枢動軸に対して垂直である方向において、鋸刃に作用する好ましくは振動並進力であり、好ましくは、振動駆動力は、鋸刃の枢動軸の周囲のその鋸刃の遠位端部の好ましくは振動回転に変換される。
【0020】
本発明の鋸歯車セットの好ましい実施形態は、第1の振動角度を取得するために、第1の枢動距離を有する第1の位置において第1の枢動軸を有する第1の鋸刃と、第2の振動角度を取得するために、第2の枢動距離を有する第2の位置において第2の枢動軸を有する第2の鋸刃とを備える。
【0021】
鋸歯車セットの更に好ましい実施形態において、鋸駆動装置は、第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンを備える。第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンは、好ましくは2つの別個の部品であるが、1つの部品として形成することもできる。第1の鋸刃は、第1の部分及び第2の部分を有する第1のスロット配設を備え、第1のスロット配設は、第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンを収容する。第1のスロット配設の第1の部分及び第2の部分は、別個のスロットとすることができ、又は融合させたスロットとすることができる。第1の駆動ピンは、第1の力伝達点において鋸駆動装置の駆動力を第1の鋸刃に伝達して、第1の振動角度を取得するために、第1のスロット配設の第1の部分とインターロックする。第2の鋸刃は、第3の部分及び第4の部分を有する第2のスロット配設を備え、第2のスロット配設は、第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンを収容する。第2のスロット配設の第3の部分及び第4の部分は、別個のスロットとすることができ、又は融合させたスロットとすることができる。第2の駆動ピンは、第2の力伝達点において鋸駆動装置の駆動力を第2の鋸刃に伝達して、第2の振動角度を取得するために、第2のスロット配設の第4の部分とインターロックする。特に、第1のスロット配設の第1の部分の断面積は、第1のスロット配設の第2の部分の断面積よりも小さい。特に、第2のスロット配設の第3の部分の断面積は、第2のスロット配設の第4の部分の断面積よりも大きい。
【0022】
鋸歯車セットの更に好ましい実施形態において、駆動力を印加することに応じて、第2の駆動ピンは、第1のスロット配設の第2の部分内で自由に振動する。更に、駆動力を印加することに応じて、第1の駆動ピンは、第2のスロット配設の第3の部分内で自由に振動することができる。
【0023】
鋸歯車セットの更に好ましい実施形態において、駆動力は、好ましくは1〜10mmの距離の範囲内で振動し、鋸刃の長手方向軸に平行な方向において鋸刃に作用する好ましくは振動並進力であり、好ましくは、振動駆動力は、鋸刃の枢動軸の周囲の鋸刃の遠位端部の好ましくは振動回転に変換される。
【0024】
鋸歯車セットの更に好ましい実施形態において、一組のうちの各鋸刃は、特に一組のうちの1つの鋸刃の近位端部まで延在する、陥凹の、特に長手方向の陥凹の形態のスロットを備える。第1の陥凹の長手方向軸と第1の鋸刃の長手方向軸との間の第1の角度は、枢動軸の周囲の第1の振動角度を取得するために、第1の力伝達点を画定する。第2の凹部の長手方向軸と第2の鋸刃の長手方向軸との間の第2の角度は、枢動軸の周囲の第2の振動角度を取得するために、第2の力伝達点を画定する。
【0025】
鋸歯車セットの更に好ましい実施形態において、各鋸刃は、好ましくは鋸刃の近位端部まで延在する湾曲凹部であるスロットを有し、湾曲スロットの半径は、枢動軸の周囲の振動角度を取得するために、力伝達点を画定する。
【0026】
鋸歯車セットの更に好ましい実施形態において、鋸駆動装置は、スロットを備え、一組のうちの第1の鋸刃は、第1の振動角度を取得するために、枢動軸から第1の枢動距離に位置付けられた第1の駆動ピンを備える。一組のうちの第2の鋸刃は、第2の振動角度を取得するために、枢動軸から第2の枢動距離に位置付けられた第2の駆動ピンを備える。
【0027】
本発明の第2の態様は、一組の鋸刃に関し、各鋸刃は、力伝達点において駆動力を鋸駆動装置から刃まで伝達するための結合機構によって、鋸駆動装置に結合可能である。それによって、好ましい結合機構は、スロットに嵌合する駆動ピンである。更に好ましい結合機構は、鋸駆動装置の鋸刃ガイドに嵌合する鋸刃の外輪郭、特に円形区間を備える。一組のうちの各鋸刃は、枢動軸の周囲に枢動可能に載置可能である。動作中、枢動軸周辺の振動角度は、一組のうちの鋸刃ごとに変動する、枢動軸と力伝達点との間の枢動距離に依存して、一組のうちの鋸刃ごとに異なる。
【0028】
一組の鋸刃は、1つの鋸刃だけを備えることができる。好ましくは、一組の鋸刃は、異なる枢動距離を有する少なくとも2つの鋸刃を備える。
【0029】
一組の鋸刃の好ましい実施形態は、第1の振動角度を取得するために、第1の枢動距離を取得するための第1の位置において第1の枢動軸を有する第1の鋸刃と、第2の振動角度を取得するために、第2の枢動距離を取得するための第2の位置において第2の枢動軸を有する第2の鋸刃とを備える。
【0030】
一組の鋸刃の更に好ましい実施形態において、一組のうちの第1の鋸刃は、鋸駆動装置の第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンを収容するための第1の部分及び第2の部分を有する第1のスロット配設を備える。第1の部分は、第1の振動角度を取得するための第1の力伝達点において、鋸駆動装置の駆動力を第1の鋸刃に伝達して、鋸駆動装置の第1の駆動ピンとインターロックするように構成される。一組のうちの第2の鋸刃は、鋸駆動装置の第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンを収容するための第3の部分及び第4の部分を有する第2のスロット配設を備える。第4の部分は、第2の振動角度を取得するための第2の力伝達点において、鋸駆動装置の駆動力を第2の鋸刃に伝達して、鋸駆動装置の第2の駆動ピンとインターロックするように構成される。好ましくは、第1の刃に関して、第1の部分は、第2の部分よりも小さい断面積を有し、第1の部分及び第2の部分は、好ましくは矩形である。更に、第2の刃に関して、第3の部分は、第4の部分よりも大きい断面積を有することができ、第3の部分及び第4の部分は、好ましくは矩形である。この実施形態において、鋸歯車セットは、好ましくは1つの枢動軸だけを含み、その枢動軸は、一組のうちの全ての鋸刃について同じ位置にある。
【0031】
一組の鋸刃の更に好ましい実施形態において、各鋸刃は、鋸刃の長手方向軸に平行な好ましくは振動並進駆動力を、好ましくは枢動軸の周囲の振動回転に変換するための駆動ピンに嵌合するためのスロットを備える。
【0032】
好ましくは、スロットは、陥凹の、特に長手方向の陥凹の形態であり、好ましくは、一組の鋸刃のうちの各鋸刃の近位端部まで延在し、非常に好ましくは、鋸刃の近位端部に開口する。第1の陥凹の長手方向軸と第1の鋸刃の長手方向軸との間の好ましくは20°未満の第1の角度は、枢動軸の周囲の第1の振動角度を取得するために、第1の力伝達点を画定する。第2の陥凹の長手方向軸と第2の鋸刃の長手方向軸との間の好ましくは45°未満の第2の角度は、枢動軸の周囲の第2の振動角度を取得するために、第2の力伝達点を画定する。
【0033】
一組の鋸刃の更に好ましい実施形態において、一組のうちの各鋸刃は、好ましくは鋸刃の近位端部まで延在する、湾曲陥凹の形態のスロットを備え、スロットの半径は、枢動軸の周囲の振動角度を取得するために、力伝達点を画定する。一組のうちの各鋸刃は、枢動軸の周囲の異なる振動角度を取得するために、異なる半径を有する湾曲陥凹を有することができる。
【0034】
一組の鋸刃の更に好ましい実施形態において、第1の鋸刃は、鋸駆動装置の嵌合スロットに結合するための第1の駆動ピンを第1の位置に備える。第2の鋸刃は、鋸駆動装置の嵌合スロットに結合するための第2の駆動ピンを第2の位置に備える。第1の鋸刃の枢動距離は、第2の鋸刃の枢動距離よりも長い。鋸駆動装置は、回転駆動力を、スロットに、したがって鋸刃に伝達し、そのため、より長い枢動距離を有する鋸刃の振動角度は、より長い枢動距離を有する鋸刃の振動角度よりも小さい。
【0035】
本発明の第3の態様は、枢動軸の周囲で枢動可能に支持されるように構成され、鋸刃に結合させるための結合機構を備える、一組の鋸刃のうちの1つの鋸刃を振動させるための鋸駆動装置に関する。結合機構は、力伝達点において鋸駆動装置の駆動力を鋸刃に伝達するように構成される。鋸刃の振動角度は、一組のうちの鋸刃ごとに変動する、力伝達点と鋸刃の枢動軸との間の枢動距離に依存して、鋸刃ごとに異なる。それによって、好ましい結合機構は、スロットに嵌合する駆動ピンである。更に好ましい結合機構は、鋸駆動装置の鋸刃ガイドに嵌合する鋸刃の外輪郭、特に円形区間を備える。
【0036】
鋸駆動装置の好ましい実施形態は、枢動軸の周囲で、好ましくは1°〜10°以内で振動する、好ましくは振動回転力として、好ましくは振動駆動力を一組の鋸刃のうちの1つの鋸刃に印加するように構成され、好ましくは、振動駆動力は、鋸刃の枢動軸の周囲のその鋸刃の遠位端部の好ましくは振動回転に変換される。
【0037】
鋸駆動装置の更に好ましい実施形態は、鋸刃の長手方向軸に対して垂直であり、かつ枢動軸に対して垂直である方向において、一組の鋸刃のうちの1つの鋸刃に作用する並進力として、好ましくは振動駆動力を印加するように構成される。駆動力は、鋸刃の枢動軸の周囲のその鋸刃の遠位端部の好ましくは振動回転に変換される。
【0038】
鋸駆動装置の更に好ましい実施形態は、一組のうちの第1の鋸刃の第1の枢動軸を鋸駆動装置に結合させて、第1の枢動距離を取得するための第1の位置を提供する。この実施形態は、一組のうちの第2の鋸刃の第2の枢動軸を鋸駆動装置に結合させて、第2の枢動距離を取得するための第2の位置を更に提供する。
【0039】
鋸駆動装置の更に好ましい実施形態は、第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンを有する結合機構を備える。第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンは、一組のうちの第1の鋸刃の第1のスロット配設の第1の部分及び第2の部分によって収容可能である。第1の駆動ピンは、第1の力伝達点において鋸駆動装置の駆動力を第1の鋸刃に伝達して、第1の振動角度を取得するために、第1の鋸刃の第1のスロット配設の第1の部分とインターロックするように構成される。第1の駆動ピン及び第2の駆動ピンは、一組のうちの第2の鋸刃の第2のスロット配設の第3の部分及び第4の部分によって更に収容可能であり、第2の駆動ピンは、第2の力伝達点において鋸駆動装置の駆動力を第2の鋸刃に伝達して、第2の振動角度を取得するために、第2の鋸刃の第2のスロット配設の第4の部分とインターロックするように構成される。
【0040】
鋸駆動装置の更なる実施形態において、結合機構は、一組のうちの1つの鋸刃のスロットに嵌合するための駆動ピンを備え、好ましくは1〜10mmの距離の範囲内で振動する駆動ピンは、一組のうちの1つの鋸刃の近位端部から遠位端部への長手方向軸に平行な並進駆動力を、枢動軸の周囲の回転に変換するように構成される。
【0041】
好ましくは、この実施形態について、鋸駆動装置の駆動ピンは、好ましくは鋸刃の近位端部まで延在する、陥凹の、特に長手方向の陥凹の形態のスロットに構成される。好ましくは、力伝達点は、陥凹の長手方向軸と鋸刃の長手方向軸との間の角度によって画定される。
【0042】
更に好ましくは、この実施形態について、嵌合スロットは、好ましくは鋸刃の近位端部まで延在する湾曲陥凹であり、湾曲スロットの半径は、力伝達点を画定する。
【0043】
本鋸駆動装置の更に好ましい実施形態は、一組のうちの第1の鋸刃の第1の駆動ピンと嵌合するように構成されたスロットを備え、第1の駆動ピンは、第1の振動角度を取得するために、枢動軸から第1の枢動距離に位置付けられる。スロットは、一組のうちの第2の鋸刃の第2の駆動ピンと嵌合するように更に構成され、第2の駆動ピンは、第2の振動角度を取得するために、枢動軸から第2の枢動距離に位置付けられる。好ましくは、鋸駆動装置は、回転要素のスロットを介して鋸駆動装置からスロットに嵌合する駆動ピンへ回転運動を伝達するための回転要素を備えるスロットを備える。
【0044】
更に好ましい実施形態において、鋸駆動装置は、一組の鋸刃のうちの1つの鋸刃の外輪郭に嵌合するための鋸刃ガイドを備える結合機構によって、一組の鋸刃のうちの各鋸刃に結合可能であり、特に、外輪郭は、鋸刃の円形区間である。
【0045】
本発明の更なる態様は、手術のための、特に骨切り術のための、上で説明した鋸歯車セットの使用に関する。
【0046】
他の有利な実施形態は、従属請求項、並びに下の説明に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0048】
一組の鋸刃の好ましい実施形態は、
図1、
図3、
図6、
図7、及び
図9に示され、各鋸刃は、力伝達点において駆動力を鋸駆動装置1から刃に伝達して、枢動軸300の周囲で鋸刃を振動させるために、結合機構100によって鋸駆動装置1に結合可能である。
【0049】
好ましい結合機構100は、スロット5に嵌合する駆動ピン4を備える。
【0050】
更に好ましい結合機構100は、
図10a)に示されるように、鋸駆動装置1の鋸刃ガイド55に嵌合する鋸刃に、外輪郭44、特に円形区間を備える。
【0051】
本発明の実施形態の一組のうちの鋸刃の各々は、駆動ピン4及び嵌合スロット5を備える結合機構100によって、又は鋸駆動装置の鋸刃ガイド55に嵌合する鋸刃の外輪郭44を備える結合機構によって、鋸駆動装置1に結合可能であるように構成することができる。
【0052】
加えて、一組のうちの各鋸刃は、枢動軸300の周囲に枢動可能に載置可能である。
【0053】
動作中、枢動軸周辺300の振動角度αは、一組のうちの鋸刃ごとに変動する、枢動軸300と力伝達点との間の枢動距離に依存して、一組のうちの鋸刃ごとに異なる。
【0054】
好ましくは、図の好ましい実施形態に示される鋸刃は、それぞれ、刃の近位端部21から遠位端部22への長手方向軸200を有する。各鋸刃の近位端部21は、好ましくは鋸駆動装置1に向かって方向付けられ、遠位端部22は、鋸駆動装置1から離れて方向付けられ、好ましくは鋸引きのための鋸歯状の刃の形態を有する。
【0055】
好ましくは、一組のうちの鋸刃は、鋼、ばね鋼、及び/又はステンレス鋼のリストからの材料で作製される。
【0056】
一組の鋸刃は、1つの鋸刃だけを備えることができる。好ましくは、一組の鋸刃は、異なる枢動距離を有する少なくとも2つの鋸刃を備える。
【0057】
好ましくは、
図1、
図3、
図6、及び
図9は、それぞれ、第1の鋸刃及び第2の鋸刃を備える一組の鋸刃の一実施形態を開示する。好ましくは、
図7は、一組の鋸刃の一実施形態を開示し、一組のうちの第1の鋸刃だけが図に示される。更に、
図1、
図3、
図6、
図7、及び9に示される一組の鋸刃の実施形態の各鋸刃は、特に、それぞれの一組の鋸刃に依存することなく、個々に開示される。
【0058】
鋸駆動装置1の好ましい実施形態は、
図2、
図4、
図5、
図8、
図10、並びに
図11b)及びc)に示され、図中、一組の鋸刃からの第1の鋸刃2’は、鋸駆動装置1の実施形態の各々に結合される。図の各鋸駆動装置1は、枢動軸300の周囲に枢動可能に支持されるように構成される鋸刃を振動させるのに好適である。鋸駆動装置1は、力伝達点において駆動力を鋸駆動装置から刃まで伝達するための結合機構100によって、一組の鋸刃の鋸刃に結合可能であり、鋸刃の振動角度αは、一組のうちの鋸刃ごとに変動する、力伝達点と鋸刃の枢動軸との間の枢動距離に依存して、一組のうちの鋸刃ごとに異なる。
【0059】
好ましくは、鋸駆動装置は、鋸刃を枢動軸の周囲で枢動可能に支持するために、振動中心、例えば枢動軸の位置の懸架又は締付を提供する。
【0060】
好ましくは、鋸刃は、振動中心の位置において、鋸駆動装置に枢動可能に締結することができる。
【0061】
図1は、一組の鋸刃の好ましい実施形態を示す。
図1a)は、一組の鋸刃のうちの第1の鋸刃2’を示し、
図1b)は、第2の鋸刃2’’を示す。第1の鋸刃2’及び第2の鋸刃2’’は、好ましくはどちらも同じ長さL及び同じ幅wである。更なる実施形態において、第1の鋸刃2’及び第2の鋸刃2’’はまた、異なる長さ及び異なる幅とすることもできる。
【0062】
一組のうちの鋸刃2’、2’’は、一組のうちの各鋸刃2’、2’’を鋸駆動装置1に結合させるための、鋸駆動装置1のピン4に嵌合するスロット5を備える。駆動ピン4が
図1に示されている場合であっても、ピンは、鋸刃2’、2’’の一部ではなく、単に結合機構を説明するために表されている。加えて、例示の目的で、
図1a)及び1b)内の矢印は、鋸刃2’、2’’の長手方向軸に対して垂直な並進方向において鋸刃2’、2’’のスロット5に結合された場合の駆動ピン1の運動を示す。
【0063】
第1の鋸刃2’は、第1の振動角度α’を取得するために、第1の枢動距離d1を有する第1の位置において第1の枢動軸301を有する。好ましくは、第1の鋸刃2’が鋸駆動装置1に載置された場合、第1の枢動軸301の第1の位置は、鋸駆動装置1の第1の振動中心71と整列されて、鋸駆動装置1に関して第1の鋸刃2’を枢動可能に支持する。
【0064】
第2の鋸刃2’’は、第2の振動角度α’’を取得するために、第2の枢動距離d3を有する第2の位置において第2の枢動軸302を有する。好ましくは、第2の鋸刃2’’が鋸駆動装置1に載置された場合、第2の枢動軸302の第2の位置は、鋸駆動装置の第2の振動中心72と整列されて、鋸駆動装置1に関して第2の鋸刃2’を枢動可能に支持する。
【0065】
第1の鋸刃2’及び第2の鋸刃2’’は、異なる長さである枢動距離d1及びd3が変動する。好ましくは、第1の枢動距離d1は、第2の枢動距離d3よりも長さが長い。したがって、第1の振動角度α’は、第2の振動角度α’’よりも小さく、したがって、第1の鋸刃2’の遠位端部22は、第2の鋸刃2’’の遠位端部22よりも小さい円弧長にわたって振動する。
【0066】
好ましい鋸駆動装置1は、第1の枢動軸301の周囲で第1の鋸刃2’を枢動可能に支持するための第1の位置における第1の振動中心71と、第2の枢動軸302の周囲で第2の鋸刃2’’を枢動可能に支持するための第2の位置における第2の振動中心72とを提供する。
【0067】
したがって、第1の鋸刃2’は、好ましくは、鋸歯車1の第2の振動中心72から除外するための第1の陥凹61を第2の位置に備える。第2の振動中心72が存在するため、第1の鋸刃2’は、第2の枢動軸302の第2の位置において第1の陥凹61を備え、陥凹は、第2の振動中心72を収容するのに十分な大きさであり、よって、第1の鋸刃2’は、第1の振動中心71における第1の枢動軸301の周囲で振動する際に、第2の振動中心72によって遮断されない。
【0068】
第2の鋸刃2’’は、好ましくは、鋸歯車1の第1の振動中心71から除外するための第2の陥凹62を第2の位置に備える。
【0069】
第1の振動中心71が存在するため、第2の鋸刃2’’は、第1の枢動軸301の第1の位置において第2の陥凹62を備え、陥凹は、第1の振動中心71を収容するのに十分な大きさであり、よって、第2の鋸刃2’’は、第2の振動中心72における第2の枢動軸302の周囲で振動する際に、第1の振動中心71によって遮断されない。
【0070】
図2a)は、第1の枢動軸301の周囲で、又は第2の枢動軸302の周囲で、
図1の一組のうちの1つの鋸刃を枢動可能に支持するために、第1の振動中心71及び第2の振動中心72を提供する、鋸駆動装置を示す。
【0071】
図2a)において、一例として、
図1の一組のうちの第1の鋸刃2’は、結合機構100によって鋸駆動装置1に結合されるように示される。第1の鋸刃のこの実施形態について、スロット5は、鋸刃の近位端部21に開口する。
【0072】
第1の鋸刃2’は、鋸駆動装置の第1の振動中心71において第1の枢動軸301の周囲で枢動可能に支持されるように構成される。
【0073】
第2の振動中心72が存在するため、第1の鋸刃2’は、第2の枢動軸302の第2の位置において第1の陥凹61を備え、陥凹は、第2の振動中心72を収容するのに十分な大きさであり、よって、第1の鋸刃2’は、第1の振動中心71における第1の枢動軸301の周囲で振動する際に、第2の振動中心72によって遮断されない。
【0074】
図2b)は、
図2a)の第1の鋸刃2’を有する鋸駆動装置1の断面を示す。鋸駆動装置1の駆動力は、結合機構100によって鋸刃に伝達される。好ましくは、
図2b)に示されるように、結合機構100は、スロット5に嵌合する駆動ピン4を備える。力伝達点は、ピン4が、並進力をスロット5に、したがって鋸刃に伝達する点である。
図2b)に示される実施形態において、駆動ピン5は、鋸刃2’の近位端部21から第1の遠位端部22への長手方向軸200に対して垂直であり、かつ第1の枢動軸301に対して垂直である方向において、鋸駆動装置1から並進運動を受け、したがって、並進駆動力を刃2’伝達する。それによって、並進駆動力は、鋸刃の第1の枢動軸301の周囲でその鋸刃の遠位端部22の回転に変換される。
【0075】
図3は、一組の鋸刃の更に好ましい実施形態を示す。
図3a)は、一組の鋸刃のうちの第1の鋸刃2’を示し、
図3b)は、第2の鋸刃2’’を示す。第1の鋸刃2’及び第2の鋸刃2’’は、好ましくは同じ全長L及び同じ幅wである。更なる実施形態において、第2の鋸刃2’’は、第1の鋸刃2’よりも短くすることができ、またそれと異なる幅とすることができる。
【0076】
図3a)に示されるように、第1の鋸刃2’は、第1の部分51及び第2の部分52有する第1のスロット配設を備え、第1のスロット配設は、鋸駆動装置1の第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42を収容するように構成される。第1の駆動ピン41は、第1の力伝達点において鋸駆動装置1の駆動力を第1の鋸刃2’に伝達して、第1の振動角度α’を取得するために、第1のスロット配設の第1の部分51とインターロックする。
【0077】
第1の部分51及び第2の部分52は、それぞれ、互いに接続している正方形部分の形態を有する。好ましくは、第2の部分52の断面積は、第1の部分51の断面積の2倍であり、非常に好ましくは第1の部分51の断面積の3倍である。
【0078】
図3b)に示されるように、第2の鋸刃2’’は、第3の部分53及び第4の部分54を有する第2のスロット配設を備え、第2のスロット配設は、第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42を収容する。第2の駆動ピン42は、第2の力伝達点において鋸駆動装置1の駆動力を第2の鋸刃2’’に伝達して、第2の振動角度α’’を取得するために、第2のスロット配設の第4の部分54とインターロックする。
【0079】
第3の部分53及び第4の部分54は、それぞれ、互いに接続している正方形部分の形態を有する。好ましくは、第3の部分53の断面積は、第4の部分54の断面積の2倍であり、非常に好ましくは第4の部分54の断面積の3倍である。
【0080】
第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42が
図3に示されている場合であっても、ピンは、鋸刃2’、2’’の一部ではなく、単に結合機構を説明するために表されている。加えて、例示の目的で、第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42に関する
図3a)及びb)内の矢印は、回転方向におけるピンの移動方向を示す。第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42に関する
図3a)及びb)内の破線矢印は、並進方向におけるピンの移動方向を示す。
【0081】
図3a)及び3b)に示される実施形態の鋸駆動装置1は、第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42を備えるが、好ましくは、第1の刃2’及び第2の刃2’’について同じ位置である枢動軸300の位置において鋸刃を枢動可能に支持するために、1つの振動中心だけを含む。
【0082】
図4a)は、一例として、
図3の一組のうちの第1の鋸刃2’のスロットに嵌合するための第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42を提供する鋸駆動装置を示す。
【0083】
図4a)に示されるように、スロット5、特にスロット5の第1の部分51は、鋸刃2’の遠位端部21に開口することができる。
【0084】
第1の鋸刃2’は、鋸駆動装置1の振動中心7において枢動軸300の周囲で枢動可能に支持されるように構成される。好ましくは、鋸駆動装置の振動中心7は、一組のうちの全ての鋸刃について同じ位置にある。したがって、一組のうちの各鋸刃の振動角度は、好ましくは、単にそれぞれのスロットの第1の部分51、第2の部分52、第3の部分53、及び第4の部分54だけを調整することによって変動する。
【0085】
図4b)は、
図4a)の断面を示す。鋸駆動装置1の駆動力は、結合機構100によって第1の鋸刃2’に伝達される。好ましくは、
図4b)に示されるように、結合機構100は、鋸駆動装置の第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42を収容する第1のスロット配設を備える。第1の駆動ピン41は、第1の伝達点において鋸駆動装置1の駆動力を第1の鋸刃2’に伝達して、第1の振動角度α’を取得するために、第1のスロット配設の第1の部分51とインターロックする。
【0086】
第1の駆動ピン41と第1の部分51との間の力伝達点は、ピン41がスロット5の第1の部分51において駆動力をスロットに、したがって第1の鋸刃2’に伝達する点である。駆動力は、第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42の回転力として作用し、よって、スロットの第1の部分51とインターロックされる第1の駆動ピン41は、回転力を第1の鋸刃2’に伝達し、回転力は、第1の鋸刃2’の枢動軸300の周囲のその鋸刃の遠位端部21の回転に変換される。その結果、第1の鋸刃2’は、枢動軸300の周囲で、好ましくは1〜10°の角度の範囲内で振動する。第2の駆動ピン42は、第1の駆動ピン41と共に回転するが、スロットの第2の部分52のより大きい断面積のため、第2の駆動ピン42は、第1の鋸刃2’とインターロックせず、したがって、いかなる力も鋸刃2’に伝達しないが、第2の部分52内で自由に振動する。
【0087】
図5a)では、一例として、
図3の一組のうちの第1の鋸刃2’のスロットに嵌合するための第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42を提供する鋸駆動装置1の更なる実施形態を示す。
【0088】
図5a)に示されるように、スロット5、特にスロット5の第1の部分51は、鋸刃2’の遠位端部21に開口することができる。
【0089】
第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42は、1つの物品から形成することができる。
【0090】
第1の鋸刃2’は、鋸駆動装置1の振動中心7において枢動軸300の周囲で枢動可能に支持されるように構成される。好ましくは、鋸駆動装置の振動中心7は、一組のうちの全ての鋸刃について同じ位置にある。したがって、一組のうちの各鋸刃の振動角度は、好ましくは、単にそれぞれのスロットの第1の部分51、第2の部分52、第3の部分53、及び第4の部分54だけを調整することによって変動する。
【0091】
図5b)は、
図5a)の第1の鋸刃2’を有する鋸駆動装置1の断面を示す。鋸駆動装置1の駆動力は、結合機構100によって第1の鋸刃2’に伝達される。好ましくは、
図5b)に示されるように、結合機構100は、鋸駆動装置の第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42を収容する第1のスロット配設を備える。第1の駆動ピン41は、第1の伝達点において鋸駆動装置1の駆動力を第1の鋸刃2’に伝達して、第1の振動角度α’を取得するために、第1のスロット配設の第1の部分51とインターロックする。
【0092】
第1の駆動ピン41と第1の部分51との間の力伝達点は、ピン41がスロット5の第1の部分51において駆動力をスロットに、したがって第1の鋸刃2’に伝達する点である。駆動力は、第1の駆動ピン41及び第2の駆動ピン42の並進力として作用し、よって、スロットの第1の部分51とインターロックされる第1の駆動ピン41は、第1の鋸刃2’の長手方向軸200に対して垂直である方向において、並進力を第1の鋸刃2’に伝達する。並進駆動力は、第1の鋸刃2’の枢動軸300の周囲のその鋸刃の遠位端部21の回転に変換される。その結果、第1の鋸刃2’は、枢動軸300の周囲で振動する。第2の駆動ピン42は、並進されるが、第2の部分52のより大きい断面積のため、第1の鋸刃2’とインターロックせず、したがって、いかなる力も鋸刃2’に伝達しないが、第2の部分52内で自由に振動する。
【0093】
図6は、本発明による一組の鋸刃の更に好ましい実施形態を示す。
図6a)は、一組のうちの第1の鋸刃2’を示し、
図6b)は、第2の鋸刃2’’を示す。鋸刃2’、2’’は、それぞれ、長手方向の陥凹の形態でスロット5を備え、スロットは、鋸駆動装置1の駆動ピン4を収容するように構成される。スロット5は、好ましくは、各鋸刃2’、2’’の近位端部21まで延在し、非常に好ましくは、各鋸刃2’、2’’の近位端部21に開口する。
図6a)に示されるように、一組のうちの第1の鋸刃2’の第1の陥凹の長手方向軸と第1の鋸刃2’の長手方向軸200との間の第1の角度β’は、駆動ピン4が、長手方向軸200に平行な方向において駆動力を第1の鋸刃2’に伝達して、枢動軸300の周囲の第1の振動角度α’を取得するための第1の力伝達点を画定する。
図6b)に示されるように、第2の陥凹の長手方向軸と第2の鋸刃2’’の長手方向軸200と間の第2の角度β’’は、駆動ピン4が、長手方向軸200に平行な方向において駆動力を第2の鋸刃2’’に伝達して、枢動軸300の周囲の第2の振動角度α’’を取得するための第2の力伝達点を画定する。
【0094】
図7は、本発明による一組の鋸刃のうちの第1の鋸刃2’の更に好ましい実施形態を示す。スロット5は、湾曲陥凹であり、好ましくは、鋸刃2’の近位端部21に開口し、湾曲スロット5の半径Rは、駆動ピン4が、長手方向軸200に平行な方向において駆動力を第1の鋸刃2’に伝達して、枢動軸300の周囲の振動角度α’を取得するための力伝達点を画定する。好ましくは、図示されないが一組のうちの第2の鋸刃は、第2の湾曲陥凹を備えることができ、湾曲陥凹の半径は、第2の鋸刃の第2の力伝達点を画定する。
【0095】
図8a)は、
図6又は
図7の一組のうちの1つの鋸刃、例えば
図6a)の第1の鋸刃2’を枢動可能に支持するために振動中心7を有する鋸駆動装置1の更なる実施形態を示し、振動中心は、駆動ピン4及び第1の陥凹を備える結合機構によって、鋸駆動装置1に結合される。
【0096】
好ましくは、振動中心7は、一組のうちの全ての鋸刃について同じ位置にある。
【0097】
図8b)は、
図8a)の鋸駆動装置1及び第1の鋸刃2’の断面を示す。駆動力は、鋸刃2’の長手方向200に平行な方向において鋸刃に作用しており、好ましくは、1〜10mmの距離の範囲内で、前後に振動する。駆動力は、鋸刃2’の枢動軸300の周囲のその鋸刃の遠位端部22の回転に変換される。
【0098】
図9は、一組の鋸刃の更に好ましい実施形態を示す。
図9a)は、一組の鋸刃のうちの第1の鋸刃2’を示し、
図9b)は、第2の鋸刃2’’を示す。第1の鋸刃2’及び第2の鋸刃2’’は、好ましくはどちらも同じ長さL及び幅wである。更に好ましい実施形態において、第1の鋸刃2’及び第2の鋸刃2’’は、異なる長さ及び幅とすることができる。
【0099】
一組のうちの鋸刃2’、2’’は、一組のうちの各鋸刃2’、2’’を鋸駆動装置1に結合させるための、鋸駆動装置1のスロット5に嵌合するピン4を備える。スロット5が
図1に示されている場合であっても、ピンは、鋸刃2’、2’’の一部ではなく、単に結合機構を説明するために表されている。
【0100】
結合機構100は、スロット5に嵌合する駆動ピン4を備え、鋸駆動装置1は、スロット5を備え、一組のうちの第1の鋸刃2’は、第1の振動角度α’を取得するために、枢動軸300から第1の枢動距離d1に位置付けられた第1の駆動ピン4’を備える。一組のうちの第2の鋸刃2’’は、第2の振動角度α’’を取得するために、枢動軸300から第2の枢動距離d3に位置付けられた第2の駆動ピン4’’を備える。
【0101】
好ましくは、第1の枢動距離d1は、第2の枢動距離d2よりも長く、したがって、第1の振動角度α’は、第2の振動角度α’’よりも小さい。
【0102】
加えて、例示の目的で、
図9a)及びb)内の半円矢印は、回転方向におけるスロット5の移動方向を示す。
【0103】
第1の鋸刃2’及び第2の鋸刃2’’は、それぞれ、それぞれの振動角度α’、α’’を取得するために、それぞれの枢動距離d1の位置に枢動軸300を有する。好ましくは、第1の鋸刃2’又は第2の鋸刃2’’が鋸駆動装置1に載置された場合、枢動軸300の位置は、鋸駆動装置1の振動中心と整列されて、第1の鋸刃2’又は第2の鋸刃2’’を鋸駆動装置1に関して枢動可能に支持する。
【0104】
図10a)は、鋸駆動装置1に結合された
図9a)の第1の鋸刃2’の一実施例を示す。
図10b)は、
図10a)の鋸駆動装置1の断面及び第1の鋸刃2’を示す。力伝達点は、第1の駆動ピン4’とスロット5との間にあり、そこで、スロット5が駆動力をピン4’に伝達する。駆動力は、スロット5の回転力として作用し、よって、第1の駆動ピン4’に嵌合するスロットが回転力を第1の鋸刃2’に伝達し、回転力は、第1の鋸刃2’の枢動軸300の周囲のその鋸刃の遠位端部21の回転に変換される。好ましくは、鋸駆動装置1は、回転要素のスロット5を介して鋸駆動装置1からスロット5に嵌合する鋸刃2’の駆動ピン4’へ回転運動を伝達するための回転要素を備える、スロット5を備える。
【0105】
鋸駆動装置1は、好ましくは、
図9の一組のうちの1つの鋸刃、例えば
図9a)の第1の鋸刃2’を枢動可能に支持するために、振動中心7を備え、振動中心は、駆動ピン4及びスロット5を備える結合機構によって、鋸駆動装置1に結合される。
【0106】
好ましくは、振動中心7は、一組のうちの全ての鋸刃について同じ位置にある。
【0107】
図11は、一組の鋸刃のうちの鋸刃の更に好ましい結合機構100を示す。
【0108】
図11a)は、鋸駆動装置1に結合された一組のうちの1つの鋸刃2を示し、鋸刃2は、本発明の以前の図又は実施形態で示される、又は説明される一組のうちの鋸刃のいずれか1つを表すことができるが、以前の実施形態のスロット5に嵌合する駆動ピン4を備える結合機構を、鋸駆動装置1の刃ガイド55に嵌合する鋸刃の外輪郭44と置き換えている。特に、
図1及び
図9の一組の鋸刃は、刃ガイド55に嵌合する鋸刃の外輪郭44を備える結合機構100を備えることができる。
図11a)に示される鋸刃は、鋸刃ガイド55に嵌合するように構成された外輪郭44を備える。特に、外輪郭は、円形区間の形態を有し、鋸刃が枢動軸300の周囲で振動することができるように外輪郭が枢動軸300の方向に固定されている場合であっても、鋸刃ガイド55内で回転することができる。
【0109】
図11の実施形態の振動中心7は、鋸刃を固定する締付具によって画定され、よって、鋸刃は、締付具が刃と係合する位置によって画定された枢動軸300の周囲でだけ回転することができる。
【0110】
図11b)は、好ましくは振動中心の位置において鋸刃に固定された、鋸刃を枢動可能に支持するための振動中心を提供する鋸駆動装置を示す。
【0111】
図11c)は、
図11b)の鋸刃を有する鋸駆動装置1の断面を示す。鋸駆動装置1の駆動力は、結合機構100によって鋸刃に伝達される。力伝達点は、刃ガイド55が、回転力を刃の外輪郭44に、したがって鋸刃2に伝達する点である。
図11c)の実施形態において、刃ガイド55は、鋸駆動装置1から回転運動を受け、したがって、回転駆動力を刃2に伝達する。それによって、回転力は、鋸刃2の枢動軸300の周囲のその鋸刃の遠位端部22の回転に変換される。
【0112】
力伝達点の位置は、鋸刃の外輪郭44の形状に依存する。振動角度αは、枢動軸300と力伝達点との間の距離に依存する。したがって、この結合機構の振動角度αは、鋸刃の外輪郭44の形状を調整することによって、又は枢動軸300の位置を調整することによって調整することができる。
【0113】
全ての図面において、同一の要素は、同じ参照番号によって参照される。
【0114】
〔実施の態様〕
(1) 鋸歯車セットであって、
−一組の鋸刃と、
−鋸駆動装置(1)と、を備え、
前記一組のうちの各鋸刃が、結合機構(100)によって前記鋸駆動装置(1)に結合されるように構成されており、結合機構(100)が、枢動軸(300)の周囲で前記鋸刃を振動させるために、力伝達点において前記鋸駆動装置(1)の駆動力を前記鋸刃に伝達するように構成されており、
前記一組のうちの各鋸刃が、前記枢動軸(300)の周囲で枢動可能に支持されるように構成されており、
動作中、前記一組のうちの鋸刃ごとに変動する前記枢動軸(300)と前記力伝達点との間の枢動距離(d1)に依存して、前記枢動軸(300)の周囲の振動角度(α)が、前記一組のうちの鋸刃ごとに異なる、鋸歯車セット。
(2) 前記結合機構(100)が、前記鋸駆動装置(1)の鋸刃ガイド(55)に嵌合する前記鋸刃の外輪郭(44)、特に円形区間を備える、実施態様1に記載の鋸歯車セット。
(3) 前記結合機構(100)が、スロット(5)に嵌合する駆動ピン(4)を備える、実施態様1に記載の鋸歯車セット。
(4) 前記駆動力が、前記鋸刃に作用する回転力であり、前記枢動軸の周囲で、好ましくは1°〜10°以内で、振動する前記鋸刃をもたらし、駆動力が、前記鋸刃の枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の遠位端部(22)の回転に変換される、実施態様1〜3のいずれかに記載の鋸歯車セット。
(5) 前記駆動力が、前記鋸刃の近位端部(21)から遠位端部(22)への長手方向軸(200)に対して垂直であり、かつ前記枢動軸(300)に対して垂直である方向において、前記鋸刃に作用する並進力であり、
駆動力が、前記鋸刃の枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の前記遠位端部(22)の回転に変換される、実施態様1〜4のいずれかに記載の鋸歯車セット。
【0115】
(6) 第1の振動角度(α’)を取得するために、第1の枢動距離(d1)を有する第1の位置において第1の枢動軸(301)を有する、前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)と、
第2の振動角度(α’’)を取得するために、第2の枢動距離(d3)を有する第2の位置において第2の枢動軸(302)を有する、前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)と、を備える、実施態様1〜5のいずれかに記載の鋸歯車セット。
(7) 前記鋸駆動装置(1)が、第1の駆動ピン(41)及び第2の駆動ピン(42)を備え、
前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)が、第1の部分(51)及び第2の部分(52)を有する第1のスロット配設を備え、第1のスロット配設が、前記第1の駆動ピン(41)及び前記第2の駆動ピン(42)を収容し、
前記第1の駆動ピン(41)が、第1の力伝達点において前記鋸駆動装置(1)の前記駆動力を前記第1の鋸刃(2’)に伝達して、第1の振動角度(α’)を得るために、前記第1のスロット配設の前記第1の部分(51)とインターロックし、
前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)が、第3の部分(53)及び第4の部分(54)を有する第2のスロット配設を備え、第2のスロット配設が、前記第1の駆動ピン(41)及び前記第2の駆動ピン(42)を収容し、
前記第2の駆動ピン(42)が、第2の力伝達点において前記鋸駆動装置(1)の前記駆動力を前記第2の鋸刃(2’’)に伝達して、第2の振動角度(α’’)を得るために、前記第2のスロット配設の前記第4の部分(54)とインターロックする、実施態様3〜5のいずれかに記載の鋸歯車セット。
(8) 前記第1のスロット配設の前記第1の部分(51)の断面積が、前記第1のスロット配設の前記第2の部分(52)の断面積よりも小さく、かつ/又は
前記第2のスロット配設の前記第3の部分(53)の断面積が、前記第2のスロット配設の前記第4の部分(54)の断面積よりも大きい、実施態様7に記載の鋸歯車セット。
(9) 第1の力伝達点において前記駆動力を印加することに応じて、前記第2の駆動ピン(52)が、前記第1のスロット配設の前記第2の部分(42)内で自由に振動し、かつ/又は
第2の力伝達点において前記駆動力を印加することに応じて、前記第1の駆動ピン(51)が、前記第2のスロット配設の前記第3の部分(43)内で自由に振動する、実施態様7又は8に記載の鋸歯車セット。
(10) 前記駆動力が、好ましくは1〜10mmの距離の範囲内で振動し、前記鋸刃の近位端部(21)から遠位端部(22)への長手方向軸(200)に平行な方向において前記鋸刃に作用する並進力であり、駆動力が、前記鋸刃の枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の前記遠位端部(22)の回転に変換される、実施態様3に記載の鋸歯車セット。
【0116】
(11) 前記一組のうちの各鋸刃が、陥凹の、特に長手方向の陥凹の形態のスロット(5)を備え、
第1の陥凹の長手方向軸と前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)の前記長手方向軸(200)との間の第1の角度(β’)が、前記枢動軸(300)の周囲の第1の振動角度(α’)を取得するために、第1の力伝達点を画定し、
第2の陥凹の長手方向軸と前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)の前記長手方向軸(200)との間の第2の角度(β’’)が、前記枢動軸(300)の周囲の第2の振動角度(α’’)を取得するために、第2の力伝達点を画定する、実施態様10に記載の鋸歯車セット。
(12) 前記スロット(5)が、湾曲陥凹であり、前記湾曲スロット(5)の半径(R)が、前記枢動軸(300)の周囲の前記振動角度(α)を取得するために、前記力伝達点を画定する、実施態様10に記載の鋸歯車セット。
(13) 前記鋸駆動装置(1)が、前記スロット(5)を備え、
前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)が、第1の振動角度(α’)を取得するために、前記枢動軸(300)からの第1の枢動距離(d1)に位置付けられた第1の駆動ピン(4’)備え、
前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)が、第2の振動角度(α’’)を取得するために、前記枢動軸(300)からの第2の枢動距離(d3)に位置付けられた第2の駆動ピン(4’’)を備える、実施態様3又は4に記載の鋸歯車セット。
(14) 一組の鋸刃であって、
各鋸刃が、力伝達点において駆動力を鋸駆動装置(1)から前記刃に伝達するための、結合機構(100)によって、特にスロット(5)に嵌合する駆動ピン(4)によって、前記鋸駆動装置(1)に結合可能であり、
各鋸刃が、枢動軸(300)の周囲に枢動可能に載置可能であり、
動作中、前記一組のうちの鋸刃ごとに変動する前記枢動軸(300)と前記力伝達点との間の枢動距離(d1)に依存して、前記枢動軸(300)の周囲の振動角度(α)が、前記一組のうちの鋸刃ごとに異なる、一組の鋸刃。
(15) 第1の振動角度(α’)を取得するために、第1の枢動距離(d1)を取得するための第1の位置において第1の枢動軸(301)を有する、前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)と、
第2の振動角度(α’’)を取得するために、第2の枢動距離(d3)を取得するための第2の位置において第2の枢動軸(302)を有する、前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)と、を備える、実施態様14に記載の一組の鋸刃。
【0117】
(16) 前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)が、鋸駆動装置(1)の第1の駆動ピン(41)及び第2の駆動ピン(42)を収容するための、第1の部分(51)及び第2の部分(52)を有する第1のスロット配設を備え、
前記第1の部分(51)が、第1の振動角度(α’)を取得するための第1の力伝達点において、前記鋸駆動装置(1)の前記駆動力を前記第1の鋸刃(2’)に伝達するために、前記鋸駆動装置(1)の前記第1の駆動ピン(41)とインターロックするように構成されており、
前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)が、前記鋸駆動装置(1)の前記第1の駆動ピン(41)及び前記第2の駆動ピン(42)を収容するための、第3の部分(53)及び第4の部分(54)を有する第2のスロット配設を備え、
前記第4の部分(54)が、第2の振動角度(α’’)を取得するために、第2の力伝達点において前記鋸駆動装置(1)の前記駆動力を前記第2の鋸刃(2’’)に伝達するために、前記鋸駆動装置(1)の前記第2の駆動ピン(42)とインターロックするように構成されている、実施態様14に記載の一組の鋸刃。
(17) 前記第1の鋸刃(2’)について、前記第1の部分(51)が、前記第2の部分(52)よりも小さい断面積を有し、第1の部分(51)及び第2の部分(52)が、好ましくは矩形であり、
前記第2の鋸刃(2’)について、前記第3の部分(53)が、前記第4の部分(54)よりも大きい断面積を有し、第3の部分(53)及び第4の部分(54)が、好ましくは矩形である、実施態様16に記載の一組の鋸刃。
(18) 各鋸刃が、前記鋸刃の近位端部(21)から遠位端部(22)への長手方向軸に平行な並進駆動力を前記枢動軸(300)の周囲の回転に変換するためのスロット(5)を備える、実施態様14に記載の一組の鋸刃。
(19) 陥凹の、特に長手方向の陥凹の形態の前記スロット(5)を有し、
第1の陥凹の長手方向軸と前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)の前記長手方向軸との間の、好ましくは20°未満の第1の角度(β’)が、前記枢動軸(300)の周囲の第1の振動角度(α’)を取得するために、第1の力伝達点を画定し、
第2の陥凹の長手方向軸と前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)の前記長手方向軸との間の、好ましくは45°未満の第2の角度(β’’)が、前記枢動軸(300)の周囲の第2の振動角度(α)を取得するために、第2の力伝達点を画定する、実施態様18に記載の一組の鋸刃。
(20) 前記スロット(5)が、湾曲陥凹であり、前記スロット(5)の半径(R)が、前記枢動軸(300)の周囲の前記振動角度(α)を取得するために、前記力伝達点を画定する、実施態様18に記載の一組の鋸刃。
【0118】
(21) 前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)が、前記鋸駆動装置(1)の嵌合スロット(5)に結合するための第1の駆動ピン(4’)を第1の位置に備え、
前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)が、前記鋸駆動装置(1)の前記嵌合スロット(5)に結合するための第2の駆動ピン(4’)を第2の位置に備え、
前記第1の鋸刃(2’)の前記枢動距離(d1)が、前記第2の鋸刃(2’’)の枢動距離(d3)よりも長い、実施態様14に記載の一組の鋸刃。
(22) 前記一組のうちの各鋸刃が、前記鋸駆動装置(1)の鋸刃ガイド(55)に嵌合するための外輪郭(44)、特に円形区間を備える結合機構(100)によって、前記鋸駆動装置(1)に結合可能である、実施態様14又は15に記載の一組の鋸刃。
(23) 一組の鋸刃の鋸刃を振動させるための鋸駆動装置(1)であって、鋸刃が、枢動軸(300)の周囲で枢動可能に支持されるように構成されており、
前記鋸駆動装置が、結合機構(100)、特にスロット(5)に嵌合する駆動ピン(4)を備える結合機構によって前記鋸刃に結合可能であり、結合機構(100)が、力伝達点において前記鋸駆動装置(1)の駆動力を前記鋸刃に伝達するように構成されており、
前記一組のうちの鋸刃ごとに変動する前記力伝達点と前記それぞれの鋸刃の前記枢動軸(300)との間の枢動距離(d1)に依存して、前記一組のうちの前記鋸刃の振動角度(α)が、鋸刃ごとに異なる、鋸駆動装置(1)。
(24) 枢動軸(300)の周囲で、好ましくは1°〜10°以内で振動する、回転力としての前記駆動力を、前記一組の鋸刃のうちの1つの鋸刃に印加するように構成されており、駆動力が、前記鋸刃の枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の遠位端部(22)の回転に変換される、実施態様23に記載の鋸駆動装置(1)。
(25) 前記鋸刃の近位端部(21)から遠位端部(22)への長手方向軸に対して垂直であり、かつ前記枢動軸(300)に対して垂直である方向において、前記一組の鋸刃のうちの1つの鋸刃に作用する並進力として、駆動力を印加するように構成されており、
駆動力が、前記鋸刃の枢動軸(300)の周囲の該鋸刃の前記遠位端部(22)の回転に変換される、実施態様23に記載の鋸駆動装置(1)。
【0119】
(26) −第1の枢動距離(d1)を取得するために、前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)の第1の枢動軸(301)を前記鋸駆動装置(1)に結合させるための第1の位置と、
−第2の枢動距離(d3)を取得するために、前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)の第2の枢動軸(302)を前記鋸駆動装置(1)に結合させるための第2の位置と、を提供する、実施態様23〜25のいずれかに記載の鋸駆動装置(1)。
(27) 第1の駆動ピン(41)及び第2の駆動ピン(42)を備え、
前記第1の駆動ピン(41)及び前記第2の駆動ピン(42)が、前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)の第1のスロット配設の第1の部分(51)及び第2の部分(52)によって収容可能であり、
前記第1の駆動ピン(41)が、第1の力伝達点において前記鋸駆動装置の前記駆動力を前記第1の鋸刃(2’)に伝達して、第1の振動角度(α’)を取得するために、前記第1の鋸刃(2’)の前記第1のスロット配設の前記第1の部分(51)とインターロックするように構成されており、
前記第1の駆動ピン(41)及び前記第2の駆動ピン(42)が、前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)の第2のスロット配設の第3の部分(53)及び第4の部分(54)によって更に収容可能であり、
前記第2の駆動ピン(42)が、第2の力伝達点において前記鋸駆動装置の前記駆動力を前記第2の鋸刃(2’’)に伝達して、第2の振動角度(α’’)を取得するために、前記第2の鋸刃(2’’)の前記第2のスロット配設の前記第4の部分(54)とインターロックするように構成されている、実施態様23〜25のいずれかに記載の鋸駆動装置(1)。
(28) 前記一組のうちの1つの鋸刃のスロット(5)に嵌合するための駆動ピン(4)を備え、好ましくは1〜10mmの距離の範囲内で振動する前記駆動ピン(4)が、前記一組のうちの前記1つの鋸刃の近位端部(21)から遠位端部(22)への長手方向軸(200)に平行な並進駆動力を、前記枢動軸(300)の周囲の回転に変換するように構成されている、実施態様23に記載の鋸駆動装置(1)。
(29) 前記鋸駆動装置(1)の前記駆動ピン(4)が、陥凹の、特に長手方向の陥凹の形態のスロット(5)に結合するように構成されており、
前記力伝達点が、前記陥凹の長手方向軸と前記鋸刃の前記長手方向軸(200)との間の角度(β)によって画定される、実施態様28に記載の鋸駆動装置(1)。
(30) 前記嵌合スロット(5)が、湾曲陥凹であり、前記湾曲スロット(5)の半径(R)が、前記力伝達点を画定する、実施態様28に記載の鋸駆動装置(1)。
【0120】
(31) 前記一組のうちの第1の鋸刃(2’)の第1の駆動ピン(4’)と嵌合するように構成されたスロット(5)を備え、前記第1の駆動ピン(4’)が、第1の振動角度(α’)を取得するために、前記枢動軸(300)から第1の枢動距離(d1)に位置付けられており、
前記スロット(5)が、前記一組のうちの第2の鋸刃(2’’)の第2の駆動ピン(4’’)と嵌合するように更に構成されており、前記第2の駆動ピン(4’’)が、第2の振動角度(α’’)を取得するために、前記枢動軸(300)から第2の枢動距離(d3)に位置付けられている、実施態様23に記載の鋸駆動装置(1)。
(32) 前記一組の鋸刃のうちの1つの鋸刃の外輪郭に嵌合するための鋸刃ガイド(55)を備える結合機構によって、前記一組の鋸刃のうちの各鋸刃に結合可能であり、特に、前記外輪郭(44)が、前記鋸刃の円形区間である、実施態様23〜31のいずれかに記載の鋸駆動装置(1)。
(33) 手術のための、特に骨切り術のための実施態様1に記載の鋸歯車セットの使用。