(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852189
(24)【登録日】2021年3月12日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】外科用ステントデリバリーシステム及び外科用ステントシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/954 20130101AFI20210322BHJP
A61F 2/852 20130101ALI20210322BHJP
A61F 2/90 20130101ALI20210322BHJP
【FI】
A61F2/954
A61F2/852
A61F2/90
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-555532(P2019-555532)
(86)(22)【出願日】2017年10月23日
(65)【公表番号】特表2020-503160(P2020-503160A)
(43)【公表日】2020年1月30日
(86)【国際出願番号】CN2017107327
(87)【国際公開番号】WO2018121016
(87)【国際公開日】20180705
【審査請求日】2019年8月20日
(31)【優先権主張番号】201611218484.2
(32)【優先日】2016年12月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519228359
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロポート エンドバスキュラー メドテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ユエン,ジェンユー
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,チン
(72)【発明者】
【氏名】ペン,ダードン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョンホワ
(72)【発明者】
【氏名】ミアオ,ジョンホワ
【審査官】
川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−503456(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0099648(US,A1)
【文献】
特表2005−533572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/954
A61F 2/852
A61F 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステントを装填及び送達するための外科用ステントデリバリーシステムであって、
メインライナーと、
前記メインライナーに配置される分岐ライナーと、
前記メインライナーと連通する操作ハンドルと、
旋回調整部材と、
を備え、
前記分岐ライナーは、前記メインライナーに回転可能に配置され、
前記旋回調整部材は、前記操作ハンドルに設けられるとともに、前記分岐ライナーを前記メインライナーに対して回転するように駆動するために、前記分岐ライナーに連結される外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項2】
前記メインライナーは、互いに連通する第1部分と第2部分とを有し、
前記分岐ライナーは前記第1部分に回転可能に配置され、
前記操作ハンドルは、前記第1部分と連通する請求項1に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項3】
前記旋回調整部材は、スライダアッセンブリとリンクアッセンブリとを有し、
前記スライダアッセンブリは、前記操作ハンドルに摺動可能に配置されるスライダと前記スライダに接続されるベースとを有し、前記スライダと前記ベースは、それぞれ前記操作ハンドルの外部と内部に配置され、
前記リンクアッセンブリの第1の部分は、前記操作ハンドル内に収容されるとともに、前記ベースに連結され、
前記リンクアッセンブリの第2の部分は、前記メインライナーの前記第1部分内に収容されるとともに、前記分岐ライナーに連結される請求項2に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項4】
前記リンクアッセンブリの前記第1の部分は、回転可能に前記ベースに連結され又は前記ベースに固定連結され、
前記リンクアッセンブリの前記第2の部分は、回転可能に前記分岐ライナーに連結される請求項3に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項5】
開口部が前記メインライナーの前記第1部分の壁に配置され、回転軸が前記開口部において前記第1部分の前記壁に固定されて取り付けられ、
前記分岐ライナーの端部が前記回転軸に回転可能に連結され、
前記分岐ライナーが前記リンクアッセンブリの駆動で前記回転軸の周りに回転できるように、前記リンクアッセンブリの前記第2の部分が、前記回転軸の片側で前記分岐ライナーの前記端部に回転可能に連結される請求項3に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項6】
前記回転軸は、前記メインライナーの前記第1部分と一体である請求項5に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項7】
前記分岐ライナーの前記端部は、第1孔部と第2孔部が離間されて配置される接続軸に連結され、
前記リンクアッセンブリは、そこから突出する突出部を有し、
前記回転軸は、前記第1孔部に移動可能に収容され、前記突出部は前記第2孔部に移動可能に収容される請求項5に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項8】
前記メインライナーの前記第1部分は、軸方向に湾曲しており、
前記第1部分内に収容される前記リンクアッセンブリの前記第2の部分は、軸方向に湾曲している請求項3に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項9】
前記第2部分の曲率を変えるように、前記メインライナーの前記第2部分に挿入されるように構成される予め曲げられたチューブをさらに備える請求項2に記載の外科用ステントデリバリーシステム。
【請求項10】
外科用ステントシステムであって、
外科用ステントと、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の前記外科用ステントデリバリーシステムと、を備え、
前記外科用ステントは、
前記メインライナーに外嵌するように構成されるメインステントと、
前記メインステントに配置されるとともに、前記メインステントの外周から突出し、前記分岐ライナーに外嵌するように構成される分岐ステントと、
を有する外科用ステントシステム。
【請求項11】
前記外科用ステントは、前記メインステント及び/又は前記分岐ステントを覆うソフトカバーをさらに有する請求項10に記載の外科用ステントシステム。
【請求項12】
前記外科用ステントは、前記メインステントの近位端に連結し且つ連通する血管移植片をさらに有し、前記血管移植片は前記メインライナーに外嵌するように構成される請求項10に記載の外科用ステントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特に外科用ステントデリバリーシステム及び外科用ステントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、上行大動脈、大動脈弓及び下行大動脈の一部に悪影響を及ぼす大動脈疾患は、通例では、ステントの外科的移植により治療される。外科用ステントは、その近位端に、4分岐の又は真っすぐな血管移植片が取り付けられる。
図1に示されるように、大動脈疾患は、通例では、罹患した上行大動脈と大動脈弓3を取り換えるために、胸部を開いて大動脈弓の切開が行われ、続いて下行大動脈4にステント5が移植され、ステント5の近位端に血管移植片2が取り付けられるいわゆる「象の鼻」法により治療される。最後に、血管移植片2は、本来の血管に吻合される。
【0003】
しかしながら、この従来の「象の鼻」法は、大動脈弓3の3分岐の血管6(すなわち、腕頭動脈61、左総頸動脈62及び左鎖骨下動脈63)、特に胸腔の深い位置にあり、従ってアクセス又は可視化することさえも困難な左鎖骨下動脈63を動かし、吻合することに困難性を有している。この理由のため、血管移植片2を左鎖骨下動脈63に吻合することは、再発性喉頭神経及び橈骨神経に障害を引き起こす高い危険性がある困難で時間がかかる手術となっている。
【0004】
「象の鼻」法に対する代替手段として、三叉ステントを使用可能であり、それによると大動脈弓3の3分岐6を吻合することを必要とせず、従って手術を簡略化でき、心肺バイパス法(CPB)や超低体温循環停止(DHCA)により引き起こされる合併症を低減することができる。しかしながら、血管の解剖学的構造には個人差があることを考慮すると、3分岐は異なる患者間で異なる場所に位置し、そのような既存のあらゆる三叉ステントを患者の血管形状に正確に合わせることはほとんど不可能である。その結果、1以上の分岐の狭窄又は閉塞さえもあるいはステント全体の脱落が時間の経過とともに発生する恐れがある。さらに、そのような三叉ステントのいかなる特定の構造も様々な患者に適用できるわけではないので、普遍性に欠けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来の外科用ステントが、大動脈弓の枝に、特に左鎖骨下動脈に吻合することが困難であるという問題を解決し、より容易な開胸手術、全体の手術時間の短縮、術後合併症の低減及び開胸のより高い成功率とより良い術後結果、並びに適切な患者の範囲の拡大を実現するために、外科用ステントデリバリーシステム及び外科用ステントシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記及びその他の関連する目的は、メインライナーと、前記メインライナーに配置される分岐ライナーと、前記メインライナーと連通する操作ハンドルと、を備え、前記分岐ライナーは、前記メインライナーに回転可能に配置される、外科用ステントを装填及び送達する外科用ステントデリバリーシステムにより達成される。
【0007】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムにおいて、前記メインライナーは、互いに連通する第1部分と第2部分とを有してもよい。前記分岐ライナーは前記第1部分に回転可能に配置される。前記操作ハンドルは前記第1部分と連通する。
【0008】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムは、旋回調整部材をさらに備えてもよい。前記旋回調整部材は、前記操作ハンドルに設けられるとともに、前記分岐ライナーを前記メインライナーに対して回転するように駆動するために、前記分岐ライナーに連結される。
【0009】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムにおいて、前記旋回調整部材は、スライダアッセンブリとリンクアッセンブリとを有してもよい。前記スライダアッセンブリは、前記操作ハンドルに摺動可能に配置されるスライダと前記スライダに接続されるベースとを有し、前記スライダと前記ベースは、それぞれ前記操作ハンドルの外部と内部に配置される。前記リンクアッセンブリの第1の部分は、前記操作ハンドル内に収容されるとともに、前記ベースに連結され、前記リンクアッセンブリの第2の部分は、前記メインライナーの前記第1部分内に収容されるとともに、前記分岐ライナーに連結される。
【0010】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムにおいて、前記リンクアッセンブリの前記第1の部分は、回転可能に前記ベースに連結され又は前記ベースに固定連結されてもよく、前記リンクアッセンブリの前記第2の部分は、回転可能に前記分岐ライナーに連結される。
【0011】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムにおいて、開口部が前記メインライナーの前記第1部分の壁に配置され、回転軸が前記開口部において前記第1部分の前記壁に固定されて取り付けられ、前記分岐ライナーの端部が前記回転軸に回転可能に連結され、前記分岐ライナーが前記リンクアッセンブリの駆動で前記回転軸の周りに回転できるように、前記リンクアッセンブリの前記第2の部分が、前記回転軸の片側で前記分岐ライナーの前記端部に回転可能に連結される。
【0012】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムにおいて、前記回転軸は、前記メインライナーの前記第1部分と一体であってもよい。
【0013】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムにおいて、前記分岐ライナーの前記端部は、第1孔部と第2孔部が離間されて配置される接続軸に連結されてもよく、前記リンクアッセンブリは、そこから突出する突出部を有し、前記回転軸は、前記第1孔部に移動可能に収容され、前記突出部は前記第2孔部に移動可能に収容される。
【0014】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムにおいて、前記メインライナーの前記第1部分は、軸方向に湾曲してもよく、前記第1部分内に収容される前記リンクアッセンブリの前記第2の部分は、軸方向に湾曲してもよい。
【0015】
好適には、前記外科用ステントデリバリーシステムは、前記第2部分の曲率を変えるように、前記メインライナーの前記第2部分に挿入されるように構成される予め曲げられたチューブをさらに備えてもよい。
【0016】
上記及びその他の関連する目的は、外科用ステント及び上記の段落のいずれかに記載される前記外科用ステントデリバリーシステムを備える外科用ステントシステムによっても達成される。前記外科用ステントは、前記メインライナーに外嵌するように構成されるメインステントと、前記メインステントに配置されるとともに、前記メインステントの外周から突出し、前記分岐ライナーに外嵌するように構成される分岐ステントと、を有する。
【0017】
好適には、前記外科用ステントシステムにおいて、前記外科用ステントは、前記メインステント及び/又は前記分岐ステントを覆うソフトカバーをさらに有してもよい。
【0018】
好適には、前記外科用ステントシステムにおいて、前記外科用ステントは、前記メインステントの近位端に連結し且つ連通する血管移植片をさらに有してもよい。前記血管移植片は前記メインライナーに外嵌するように構成される。
【発明の効果】
【0019】
要約すると、本発明の前記外科用ステントシステム及び前記外科用ステントデリバリーシステムは、以下の利点を提供する。
【0020】
1.前記メインライナーに対して回転可能な前記分岐ライナーを配置することにより、前記分岐ライナーに対応する前記分岐ステントは、前記メインライナーに対応する前記メインステントに対して同期して回転することができる。従って、前記分岐ステントと前記メインステントとの間の角度は、左鎖骨下動脈と大動脈弓(又は下行大動脈)との間の実際の角度に迅速かつ正確に一致させるために、手術中に調整することが可能である。これにより、前記分岐ステントと左鎖骨下動脈との間の術中のアライメントの容易化が可能となり、前記外科用ステントの移植を容易にし、開胸手術中に左鎖骨下動脈を移動、吻合する際に多くの時間をかけ過ぎることを防止し、手術の難しさを低減し、心肺バイパス法(CPB)及び超低体温循環停止(DHCA)に対して必要な時間を短縮し、全体の手術サイクル時間を大幅に短縮することができる。
【0021】
2.前記分岐ステントと前記メインステントとの間の角度を調整することが可能であるため、1種類の外科用ステントで様々な患者集団の様々な身体構造に対処することができ、それにより、外科用ステントの製造コストを下げ、適用する患者の範囲を拡大し、治療効果を向上させ、術後合併症を低下させ、大動脈疾患に関する開胸治療の成功率を上昇させる。
【0022】
3.前記メインライナーに前記予め曲げられたチューブを挿入することによって、前記メインステントの曲率を変えることができ、その結果、前記外科用ステントは実際の3次元血管構造により良く適合することができ、それにより外科手術を容易にし、前記外科用ステントの移植を向上することができる。
【0023】
4.前記メインステント及び/又は前記分岐ステントは、前記メインステント及び/又は前記分岐ステントを拘束しながら滑らかな表面を有する前記ソフトカバーにより覆われ、それによって、前記外科用ステントの送達中の血管の損傷を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】外科用ステントを使用する従来の「象の鼻」法の原理を説明する概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る外科用ステントデリバリーシステムの構造の概略図であり、操作ハンドルに連結された外部ワイヤープラーを示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る外科用ステントの構造の概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に従って第1の角度だけ反時計方向に旋回した外科用ステントデリバリーシステムの分岐ライナーを概略的に示す。
【
図5】本発明の実施形態に従って第2の角度だけ時計方向に旋回した外科用ステントデリバリーシステムの分岐ライナーを概略的に示す。
【
図6】本発明の実施形態に従って特定の角度だけ反時計方向に旋回した外科用ステントデリバリーシステムの分岐ライナーの部分断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に従って特定の角度だけ時計方向に旋回した外科用ステントデリバリーシステムの分岐ライナーの部分断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る外科用ステントデリバリーシステムの構造の概略図であり、操作ハンドルから取り外された外部ワイヤープラーを示す。
【
図9】本発明の実施形態に係る外科用ステントデリバリーシステムの概略図であり、当該システムに装填された外科用ステントを示す。
【
図10】外科用ステントの配置に適した構成の、本発明の実施形態に係る外科用ステントデリバリーシステムの概略図である。
【
図11】大動脈及び左鎖骨下動脈に配置、固定された本発明の実施形態に係る外科用ステントを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の中心概念は、外科用ステント及び外科用ステントデリバリーシステムを有する外科用ステントシステムを提供することである。前記外科用ステントは、メインステントと分岐ステントとを有する。前記分岐ステントは前記メインステントに配置され、前記メインステントの外周から突出する。前記外科用ステントデリバリーシステムは前記外科用ステントを装填及び送達するために使用され、メインライナー、前記メインライナーに配置される分岐ライナー及び前記メインライナーと連通する操作ハンドルを有する。具体的には、前記分岐ライナーは前記メインライナーに回転可能に配置され、前記分岐ステントは前記分岐ライナーに外嵌するように構成され、前記メインステントは前記メインライナーに外嵌するように構成される。このようにして、前記分岐ライナーが前記メインライナーに対して回転した場合、前記分岐ステントは前記メインステントに対して同期して回転するように駆動される。従って、前記分岐ステントの角度配向は必要に応じて調整することができ、それにより前記分岐ステントと左鎖骨下動脈との間の術中のアライメントを容易にし、移植を容易にし、手術の困難性を低減し、長期合併症を低減し、左鎖骨下動脈を移動、吻合する際に多くの時間をかけ過ぎることによる術後合併症の増大を防止し、さらに大動脈疾患の開胸治療の有効性を高める。
【0026】
本発明の対象、利点及び特徴は、
図2乃至
図11と合わせて、提案した外科用ステントシステム及び外科用ステントデリバリーシステムに関する以下の詳細な説明を読むことによってより明確になるであろう。本図はずっと簡略化され、原寸に比例して描かれていない場合があり、そしてその唯一の目的は本発明のいくつかの実施形態の簡易的で明確な説明を容易にすることであることに留意されたい。
【0027】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「一つ」、「一個」及び「該」は、明確に指示しない限り、複数のことを含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「または」は、明確に指示しない限り、「及び/又は」を指す。さらに、用語「近位端」は、通常、心臓に近い端部を指し、「遠位端」は心臓から遠い端部を指す。本図全体を通して、同一の参照符号は同一の又は類似の構成部品又は要素を示す。
【0028】
図2を参照し、本発明の実施形態に係る外科用ステントデリバリーシステム100の構造の概略図を示す。図示されるように、外科用ステントデリバリーシステム100は、メインライナー111、分岐ライナー112及び操作ハンドル113を有し、外科用ステント200を装填し、送達するように構成される。分岐ライナー112はメインライナー111に配置され、メインライナー111の外周から横方向外側に突出してもよい。操作ハンドル113は、メインライナー111の近位端に配置され、メインライナー111と連通してもよい。本発明の一実施形態において、操作ハンドル113は、筐体として構造化されてもよく、操作者によって操作されて、外科用ステント200の送達、装填、位置決め及び配置、並びに外科用ステント200の移植に関連するその他のあらゆる操作を制御することができる。
【0029】
移植として、外科用ステント200は、罹患した本来の血管における血流の方向を変える血流経路を生成することにより、上行大動脈、大動脈弓及び下行大動脈に悪影響を及ぼす大動脈疾患を治療するために使用される。
図3に示されるように、本発明の外科用ステント200は、メインステント210と分岐ステント220とを有する。分岐ステント220は、メインステント210に配置され、メインステント210の外周から横方向外側に突出する。好適な実施形態において、外科用ステント200は、さらに、ソフトカバー230と血管移植片240とを有する。好適な構造として、ソフトカバー230は、メインステント210及び/又は分岐ステント220を覆ってもよい。オプションの構造として、血管移植片240は、メインライナー111に外嵌するように構成されるとともに、メインステント210に連結されてその近位端と連通してもよい。血管移植片240は被覆された血管移植片であることが好ましい。
【0030】
組み立てる際に、メインライナー111はメインステント210に挿入され、分岐ライナー112は分岐ステント220に挿入されてもよい。その後、外科用ステントデリバリーシステム100は、患者の身体の中に外科用ステント200を送達するために操作される。外科用ステント200は、身体の中に送達されるために、外部構成部品を用いることによって外科用ステントデリバリーシステム100のライナーに圧着する必要があることに留意されたい。こうして、外科用ステント200が標的病変部位に送達された後、外部構成部品による圧着を外すことによって配置することが可能である。一実施形態において、外部構成部品は、対応するステントを締め付けるために、好適には上述のソフトカバー230であってもよい。
【0031】
特に、分岐ライナー112は、分岐ライナー112に配置される分岐ステント220が、分岐ライナー112の旋回と同期して、メインライナー111のメインステント210に対して旋回できるようにメインライナー111に旋回可能に配置される。
【0032】
好適な実施形態において、メインライナー111は、第1部分111aと第2部分111bとを有してもよい。第1部分111aと第2部分111bの両方は中空で、互いに連通している。第1部分111aは、大動脈弓の構造により良く適合するように軸方向に湾曲してもよい。
【0033】
さらに、第2部分111bは、メインライナー111の遠位端に配置されてもよい。第1部分111aは、メインライナー111の近位端に配置され、操作ハンドル113と連通してもよい。この場合、分岐ライナー112は、第1部分111aに旋回可能に配置されてもよい。第1部分111aは、外科用ステント200の分岐ステント220が左鎖骨下動脈にぴったり合うように、大動脈弓にぴったり合って構成されており、第2部分111bは下行大動脈にぴったり合うことに留意されたい。このようにして、大動脈内における外科用ステント200の位置決めをより良く達成することができる。任意に、第1部分111a及び第2部分111bは、リベット留めによって一緒に接合されるか又は互いに一体に形成されるかのいずれでもよく、本発明はこの点に関して特に限定されない。
【0034】
外科用ステントデリバリーシステム100は、旋回調整部材114をさらに有してもよい。旋回調整部材114は、操作ハンドル113に設けられており、分岐ライナー112をメインライナー111に対して旋回するように駆動するために、分岐ライナー112に連結される。
【0035】
図4及び
図5に示されるように、旋回調整部材114の駆動によって、分岐ライナー112はピボット軸の周りに左右に旋回可能になり、その結果、分岐ライナー112とメインライナー111との間の角度が変化する。
図2に示される構成と比較して、
図4の分岐ライナー112は第1角度θ1だけ反時計回りに(すなわち、近位に)旋回している。具体的には、分岐ライナー112は位置Xから位置Yまで左に(近位に)移動している。
図4において、旋回前の分岐ライナー112は破線のボックスとして示されている。
図2に示される構成と比較して、
図5の分岐ライナー112は第2角度θ2だけ時計回りに(すなわち、遠位に)旋回している。具体的には、分岐ライナー112は位置Xから位置Zまで右に(遠位に)移動している。
図5において、旋回前の分岐ライナー112は破線のボックスとして示されている。本発明は、分岐ライナー112が時計回り又は反時計回りに(近位に又は遠位に)旋回する角度のいかなる特定の値に限定されず、その角度は実際の用途に従って決定されてもよい。
【0036】
本発明の一実施形態において、ピボット軸は、回転軸の中心軸によって画定されてもよい。
図6及び
図7に示されるように、第1部分111aの壁に開口部が配置される。回転軸は、開口部近くの第1部分111aの壁に固定して配置されてもよい。分岐ライナー112の一端(すなわち、後端)が開口部を通して第1部分111aの中に挿入されると、その一端は回転軸と係合し、分岐ライナー112は回転軸の周りに旋回できる。
【0037】
本発明の実施形態において、旋回調整部材114は、スライダアッセンブリ1141とリンクアッセンブリ1142とを有してもよい。スライダアッセンブリ1141は、スライダ1141aとベース1141bとを有してもよい。スライダ1141aとベース1141bとは互いに接続され、それぞれ操作ハンドル113の外部と内部に配置される。リンクアッセンブリ1142は、操作ハンドル113内に収容されるとともにベース1141bに旋回可能に連結され又は固定連結される第1の部分と、第1部分111a内に収容されるとともに分岐ライナー112に旋回可能に連結される第2の部分とから構成されてもよい。任意に、操作ハンドル113には摺動用長孔が設けられており、スライダ1141aは該摺動用長孔に摺動可能に配置されてもよい。
【0038】
本発明の一実施形態において、分岐ライナー112は回転軸に旋回可能に連結され、リンクアッセンブリ1142は、回転軸の片側で(例えば、
図6に示されるように右側で)、分岐ライナー112に旋回可能に連結されている。これによって、リンクアッセンブリ1142がスライダアッセンブリ1141の駆動で移動すると、リンクアッセンブリ1142は分岐ライナー112を回転軸周りに同期して旋回させる。
【0039】
好適な実施形態において、第1孔部112aと第2孔部112bは、それらの間に間隔を空けて分岐ライナー112に配置されてもよい。この場合、分岐ライナー112は、回転軸の周りに旋回可能となるように第1孔部112aを利用して回転軸に挿入され、リンクアッセンブリ1142に対して旋回可能となるように第2孔部112bを利用してリンクアッセンブリ1142に連結される。
【0040】
本発明の一実施形態において、回転軸は第1部分111aと一体であってもよい。すなわち、円形の突出部が第1部分111aの壁から突出して回転軸として作用してもよい。好適には、第1部分111a内に収容されるリンクアッセンブリ1142の第2の部分は、リンクアッセンブリが第1部分111aの中で円滑に移動することができるように、湾曲した第1部分111aに適合するために軸に沿って湾曲した形状を有してもよい。
【0041】
別の好適な実施形態において、分岐ライナー112は、接続軸に固定して連結されてもよい。互いに離間している第1孔部112aと第2孔部112bは、接続軸に配置されている。リンクアッセンブリ1142のその他の部分は、そこから突出している突出部を画定してもよい。この場合、第1部分111aと一体の回転軸とリンクアッセンブリ1142の突出部とは、それぞれ第1孔部112aと第2孔部112bに挿入されてもよく、その結果、分岐ライナー112はリンクアッセンブリ1142の駆動で旋回することができる。
【0042】
本発明の一実施形態において、第3孔部がベース1141bに配置されてもよい。第4孔部が、第1部分111a内に収容されるリンクアッセンブリ1142の第2の部分に配置されてもよい。ピンが第3孔部と第4孔部の両方を通して挿入され、リンクアッセンブリ1142の第1の部分がベース1141bに旋回可能に連結されてもよい。
【0043】
図6と
図7を一緒に参照すると、外科用ステントデリバリーシステム100を実際に使用する際に、リンクアッセンブリ1142を駆動して同一方向に移動させることによって分岐ライナー112の後端を同一方向に移動させるために、スライダ1141aは、外科用ステントデリバリーシステム100の近位端又は遠位端に押されてもよい。分岐ライナー112の後端がメインライナー111内に収容され、分岐ライナー112の他端(すなわち、先端)がメインライナー111から突出しているので、分岐ライナー112の後端は外科用ステントデリバリーシステム100の固定先端部115の方に(すなわち、遠位に)移動すると、分岐ライナー112の先端は操作ハンドル113の方(すなわち、近位に)に旋回する。例えば、スライダ1141aが
図6の右側(すなわち、デリバリーシステムの固定先端部115の方に)押された場合、分岐ライナー112は左側の方に(すなわち、システムの操作ハンドル113の方に)旋回し、スライダ1141aが
図7の左側(すなわち、操作ハンドル113の方に)押された場合、分岐ライナー112は固定先端部115の方に(すなわち、右側に)旋回する。
【0044】
好適な実施形態において、旋回調整部材114は、さらに制限構造(図示せず)を有してもよい。分岐ライナー112が制限構造に突き当たるまで左又は右に旋回すると、分岐ライナー112は旋回を停止し、又はリンクアッセンブリ1142が制限構造に突き当たるまで固定先端部115又は操作ハンドル113の方に移動すると、リンクアッセンブリ1142は移動を停止する。
【0045】
図8を参照すると、操作ハンドル113に加えて、ステントデリバリーシステム100は、操作ハンドル113の近位端に配置される外部ワイヤープラー116と内部ワイヤープラー117をさらに有してもよい。外部ワイヤープラー116と内部ワイヤープラー117のそれぞれは、操作ハンドル113に対して着脱可能である。外部ワイヤープラー116が操作ハンドル113に連結される場合、内部ワイヤープラー117の一部は外部ワイヤープラー116に収容され、その他の部分は操作ハンドル113に収容されてもよい。任意に、外部ワイヤープラー116は、スナップ方式接続又はねじ接続によって操作ハンドル113に着脱可能に連結されてもよい。
【0046】
外部ワイヤープラー116は、メインステント210の配置を制御するように構成される。具体的には、外部ワイヤープラー116が例えば、外科用ステントデリバリーシステム100の左側に引かれた場合、メインステント210に配置された拘束用糸が外部ワイヤープラー116により緩められ、それによって、メインステント210を標的部位に配置してもよい。同様に、内部ワイヤープラー117は、分岐ステント220の配置を制御するように構成される。同様にして、例えば、内部ワイヤープラー117が外科用ステントデリバリーシステム100の左側に引かれた場合、分岐ステント220に配置された別の拘束用糸が内部ワイヤープラー117により緩められ、それによって、分岐ステント220を標的部位に配置してもよい。
【0047】
図8を続けて参照すると、固定先端部115は第2部分111bの遠位端に配置されてもよい。固定先端部115は、いかなる血管組織にも損傷を引き起こすことを防止するだけでなく、テーパーの流線型表面によって送達を促進するためにテーパー型構造として選択されることが好ましい。さらに、固定先端部115はガイド穴118を画定してもよい。ガイドワイヤは、一端が罹患大動脈の真腔の中に導入され、他端がガイド穴118に挿入されてもよい。次に、デリバリーシステム全体は、ガイドワイヤに沿って罹患大動脈の真腔の中に前進し、その後、外科用ステント200がその中に配置されてもよい。
【0048】
上述の実施形態において、好適には、操作ハンドル113、外部ワイヤープラー116、内部ワイヤープラー117、固定先端部115、スライダ1141a、分岐ライナー112及びメインライナー111は、高分子材料等の生体適合性材料から作られてもよい。具体的には、操作ハンドル113、外部ワイヤープラー116、内部ワイヤープラー117及び固定先端部115は、PC(ポリカーボネイト)及びABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)のうち1以上から作られてもよい。スライダ1141a、分岐ライナー112及びメインライナー111のそれぞれは、シリコーン又はラバー等の材料から作られてもよい。
【0049】
好適な実施形態において、外科用ステントデリバリーシステム100は、さらに、メインライナー111に挿入される予め曲げられたチューブを有してもよい。予め曲げられたチューブは、メインライナー111より良い変形性能を有してもよく、外科用ステント200の送達と移植に先立ち、メインライナー111を標的の大動脈に必要な曲率に曲げるのに役立つことができる。具体的には、予め曲げられたチューブは、前もって標的の下行大動脈に対して必要な曲率に第2部分111bを曲げ、それによりメインライナー111の全体の曲率を変えるように、メインライナー111の第2部分111bに挿入されるように構成されてもよい。このことは、外科用ステント200を実際の3次元血管構造に適合させ、それの配置効果を高めることに役立つ。
【0050】
一実施形態において、予め曲げられたチューブは、1.0mmから1.8mmまでの範囲、より好適には、1.0mm、1.2mm、1.5mm又は1.8mmの外径を有してもよい。ここで、予め曲げられたチューブの直径は、直径が大きいと予め曲げられたチューブの曲率を生成するために必要な労力が増大し、一方直径が小さいと予め曲げられたチューブの剛性が低下し、変形が大きく、送達に対して不利であるという本発明の考慮に基づいて上記のように選択される。予め曲げられたチューブは、ステンレススチールから作ることが好ましい。
【0051】
本発明の一実施形態において、
図9に示されるように、ソフトカバー230は、外科用ステント200が外科用ステントデリバリーシステム100に装填され、患者の身体に送達することができるように拘束用糸と協働して外科用ステント200を拘束するように構成されてもよい。ソフトカバー230に関して、それは別の機能を有してもよい。例えば、ソフトカバー230によって包まれた外科用ステント200の移植中に、外科用ステント200の表面の滑らかさを増し、その結果血管の損傷が防止され、外科用ステント200の前進と送達が促進されてもよい。
【0052】
図9乃至
図11を一緒に参照して、外科用ステント200を送達するプロセスを下記で説明する。
【0053】
始めに、大動脈弓と下行大動脈の曲率を判定するために術前評価が行われてもよい。次に、第2部分111bは、適切な整合した曲率を達成できるように、下行大動脈の曲率に基づいて予め曲げられてもよい。
【0054】
続いて、大動脈弓になされる切開を通して左鎖骨下動脈の位置を観測し(必ずしも大動脈弓において切開されるのではなく、切開は、患者に対して個別化することができ、通例では、大動脈に対して縦方向になされる)、操作ハンドル113のスライダ1141aは、分岐ステント220とメインステント210の間の角度を調整するために前後に動かされてもよい。
【0055】
その後、ガイドワイヤが、一端が罹患した大動脈の真腔に、他端が固定先端部115のガイド穴118に挿入されてもよい。次に、外科用ステント200を装填した外科用ステントデリバリーシステム100は、ガイドワイヤに沿って病変部位に送達されてもよい。
【0056】
病変部位に到達した後、分岐ステント220は左鎖骨下動脈に位置合わせされ、メインステント210と分岐ステント220は、それぞれ、
図10に示されるように、外部ワイヤープラー116と内部ワイヤープラー117を操作することによって、順次配置されてもよい。
【0057】
最終的に、外科用ステントデリバリーシステム100は、外科用ステント200の配置後取り出されてもよい。
【0058】
血管移植片240が取り付けられた外科用ステント200の場合、外科用ステントデリバリーシステム100の取り出しの後、血管移植片240を3分岐血管移植片250に縫合し、次に3分岐血管移植片を本来の血管に縫合する必要がある。その結果、
図11に示されるように、新しい血管循環経路が生成され、罹患動脈瘤内腔は血液循環系から分離され、罹患動脈瘤壁はもはや血圧の脈動の影響を受けず、それによって動脈瘤の破裂を防止し治療目的を達成する。
【0059】
一実施形態において、メインステント210は、メインステントの本体とメインステントの本体を覆うメイン移植片とを有してもよい。分岐ステント220は、分岐ステントの本体と分岐ステントの本体を覆う側部移植片とを有してもよい。この場合、ソフトカバー230は、メイン移植片又は側部移植片を覆ってもよい。
【0060】
本明細書で上記に開示された好適な実施形態にもかかわらず、本発明はこれらの開示された実施形態の範囲に限定されない。例えば、旋回調整部材は、分岐ライナーを駆動してスライダアッセンブリとリンクアッセンブリの組み合わせによって旋回するとして上記で説明されたが、外科用ステントの適切な装填と送達が可能である限り、分岐ライナーの旋回を引き起こすことが可能な他の任意の手段も可能であるので、本発明はそのように限定されない。
【0061】
従来技術と比べて、本発明は以下の利点を有する。
1.メインライナーに対して回転可能な分岐ライナーを配置することにより、分岐ライナーに対応する分岐ステントは、メインライナーに対応するメインステントに対して同期して回転することができる。従って、分岐ステントとメインステントとの間の角度は、左鎖骨下動脈と大動脈弓(又は下行大動脈)との間の実際の角度に迅速かつ正確に一致させるために、手術中に調整することができる。これにより、分岐ステントと左鎖骨下動脈との間の術中のアライメントを容易にし、外科用ステントの移植を容易にし、開胸手術中に左鎖骨下動脈を移動、吻合する際に多くの時間をかけ過ぎることを防止し、手術の難しさを低減し、心肺バイパス法(CPB)及び超低体温循環停止(DHCA)に対して必要な時間を短縮し、全体の手術サイクル時間を大幅に短縮することができる。
【0062】
2.分岐ステントとメインステントとの間の調整可能な角度のため、1種類の外科用ステントで様々な患者集団の様々な身体構造に対処することができ、それにより、外科用ステントの製造コストを下げ、適切な患者の範囲を拡大し、治療効果を向上させ、術後合併症を低下させ、大動脈疾患に関する開胸治療の成功率を上昇させる。
【0063】
3.メインライナーに予め曲げられたチューブを挿入することによって、メインステントの曲率を変えることができ、その結果、外科用ステントは実際の3次元血管構造により良く適合することができ、それにより外科手術を容易にし、外科用ステントの移植を向上することができる。
【0064】
4.メインステント及び/又は分岐ステントは、メインステント及び/又は分岐ステントを拘束するソフトカバーによって覆われる。ソフトカバーはかなり滑らかな表面を有するので、ステントの表面の滑らかさを向上し、外科用ステントの送達中の血管の損傷を防止する。
【0065】
上記の説明は、本発明のいくつかの好適な実施形態の説明に過ぎず、いかなる意味においても本発明の範囲を限定しない。上記の開示に基づく当業者によりなされるあらゆる変更及び修正は、添付の特許請求の範囲において規定される範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
100 外科用ステントデリバリーシステム
111 メインライナー
111a 第1部分
111b 第2部分
112 分岐ライナー
112a 第1孔部
112b 第2孔部
113 操作ハンドル
114 旋回調整部材
1141 スライダアッセンブリ
1141a スライダ
1141b ベース
1142 リンクアッセンブリ
115 固定先端部
116 外部ワイヤープラー
117 内部ワイヤープラー
118 ガイド穴
200 外科用ステント
210 メインステント
220 分岐ステント
230 ソフトカバー
240 血管移植片
250 三分岐血管移植片
θ1 第1角度
θ2 第2角度
X、Y、Z 分岐ライナーの位置