(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
低温同時焼成セラミック用のボロアルミノシリケート鉱物材料であって、前記ボロアルミノシリケート鉱物材料が、以下の酸化物基準の質量百分率含有量表示で、以下の組成成分を含むことを特徴とする、ボロアルミノシリケート鉱物材料。
Na2O 0.41%〜1.15%
K2O 14.15%〜23.67%
CaO 1.17%〜4.10%
Al2O3 0.23%〜2.56%
B2O3 13.19%〜20.00%
SiO2 53.47%〜67.17%
前記研磨処理が、ボールミリングであり、前記ボールミリングの媒体が、無水エタノールであることを特徴とする、請求項5に記載のボロアルミノシリケート鉱物材料の製造方法。
前記バインダーが、ポリビニルアルコール及びポリビニルブチラールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項5に記載のボロアルミノシリケート鉱物材料の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施例及び添付の図面を参照しながら、ボロアルミノシリケート鉱物材料、低温同時焼成セラミック複合材料、低温同時焼成セラミック、複合基板及びその製造方法を、さらに詳細に説明する。
【0022】
一実施形態に係るボロアルミノシリケート鉱物材料は、以下の酸化物基準の質量百分率含有量表示で、以下の組成成分を含む。
Na
2O 0.41%〜1.15%
K
2O 14.15%〜23.67%
CaO 1.17%〜4.10%
Al
2O
3 0〜2.56%
B
2O
3 13.19%〜20.00%
SiO
2 53.47%〜67.17%
【0023】
上記のボロアルミノシリケート鉱物材料は、低温同時焼成セラミックの添加剤として使用できる。
【0024】
その中、Na
2Oは、主にフラックスとして機能すると共に、セラミックの光透過率を向上させることもできる。しかしながら、Na
2Oの含有量が高すぎると、セラミックの焼成温度と熱安定性が急激に低下する。好ましくは、Na
2Oの質量百分率含有量は、0.62%〜0.98%である。
【0025】
K
2Oは、主にフラックスとして機能すると共に、セラミックの光透過率を向上させることもできる。しかしながら、K
2Oの含有量が高すぎると、セラミックの焼成温度と熱安定性が急激に低下する。好ましくは、K
2Oの質量百分率含有量は、14.96%〜22.80%である。
【0026】
CaOは、主にフラックスとして機能すると共に、セラミックの熱安定性、機械的強度、白色度及び透明度を相応的に向上させることができる。好ましくは、CaOの質量百分率含有量は、1.82%〜4.10%である。
【0027】
Al
2O
3は、セラミックの物理化学的特性、機械的強度、白色度及び焼成温度を改善できる。しかしながら、Al
2O
3の量が多すぎると、セラミックが十分に焼成されにくくなり、Al
2O
3の含有量が少ないと、セラミック製品が変形または崩壊する傾向がある。好ましくは、Al
2O
3の質量百分率含有量は、0%〜2.22%である。
【0028】
B
2O
3は、主にフラックスとして機能し、高温焼結の際の液相粘度を低下させることができ、焼結中の液相流動を促進し、均一で緻密な微細構造を形成する。これは、ボロアルミノシリケート鉱物材料の誘電損失の低減に有利である。好ましくは、B
2O
3の質量百分率含有量は、14.87%〜18.33%である。
【0029】
SiO
2は、セラミックスの主組成成分であり、セラミックスの強度やその他の特性に直接影響する。しかしながら、SiO
2の含有量が高すぎると、セラミック製品の熱安定性が低下し、割れ現象が発生しやすくなる。
【0030】
上記のボロアルミノシリケート鉱物材料は、各組成成分の配合が合理的であるため、化学的特性が安定であり、誘電特性に優れる低温同時焼成セラミックを生産するための原料として使用できる。
【0031】
上記ボロアルミノシリケート鉱物材料の製造方法は、以下のステップS110〜S170を含む。
【0032】
ステップS110において、ボロアルミノシリケート鉱物材料における各元素の比率に応じて、ナトリウム源、カリウム源、カルシウム源、アルミニウム源、ホウ素源、及びケイ素源を秤量して混合した後、研磨処理によってボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得る。
【0033】
秤量されたナトリウム源、カリウム源、カルシウム源、アルミニウム源、ホウ素源、及びケイ素源は、ボロアルミノシリケート鉱物材料を製造するための原料として使用される。
【0034】
本発明の一実施形態において、ナトリウム源は、炭酸ナトリウム及び酸化ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。もちろん、ナトリウム源は、炭酸ナトリウム及び酸化ナトリウムに限定されるものではなく、焼成後に他の不純物を導入せず、酸化ナトリウムを形成するものであればよい。
【0035】
本発明の一実施形態において、カリウム源は、炭酸カリウム及び酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。もちろん、カリウム源は、炭酸カリウム及び酸化カリウムに限定されるものではなく、焼成後に他の不純物を導入せず、酸化カリウムを形成するものであればよい。
【0036】
本発明の一実施形態において、カルシウム源は、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。もちろん、カルシウム源は、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムに限定されるものではなく、焼成後に他の不純物を導入せず、酸化カルシウムを形成するものであればよい。
【0037】
本発明の一実施形態において、アルミニウム源は、酸化アルミニウムである。もちろん、アルミニウム源は、酸化アルミニウムに限定されるものではなく、焼成後に他の不純物を導入せず、酸化アルミニウムを形成するものであればよい。
【0038】
本発明の一実施形態において、ホウ素源は、ホウ酸及び酸化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種である。もちろん、カルシウム源は、ホウ酸及び酸化ホウ素に限定されるものではなく、焼成後に他の不純物を導入せず、酸化ホウ素を形成するものであればよい。
【0039】
本発明の一実施形態において、ケイ素源は、二酸化ケイ素である。もちろん、アルミニウム源は、二酸化ケイ素に限定されるものではなく、焼成後に他の不純物を導入せず、二酸化ケイ素を形成するものであればよい。
【0040】
本発明の一実施形態において、原料として、ボロアルミノシリケート鉱物材料における各元素の比率に応じて、ナトリウム源、カリウム源、カルシウム源、アルミニウム源、ホウ素源、及びケイ素源を秤量して、質量百分率表示で、原料は以下の組成成分を含む。
Na
2CO
3 0.58%〜1.58%
K
2CO
3 17.60%〜27.89%
CaCO
3 1.60%〜4.38%
Al
2O
3 0〜2.06%
H
3BO
3 18.82%〜31.16%
SiO
2 42.00%〜55.78%
【0041】
好ましくは、Na
2CO
3の質量百分率含有量は、0.88%〜1.38%である。
【0042】
好ましくは、K
2CO
3の質量百分率含有量は、18.24%〜26.28%である。
【0043】
好ましくは、CaCO
3の質量百分率含有量は、2.70%〜4.13%である。
【0044】
好ましくは、Al
2O
3の質量百分率含有量は、0〜1.74%である。
【0045】
好ましくは、H
3BO
3の質量百分率含有量は、21.94%〜25.58%である。
【0046】
一実施形態で、混合装置を使用して、ナトリウム源、カリウム源、カルシウム源、アルミニウム源、ホウ素源、及びケイ素源などの原料を混合する。本発明の一実施形態において、混合装置は、ミキサーである。
【0047】
本発明の一実施形態において、混合時間は、4時間〜8時間である。
【0048】
本発明の一実施形態において、研磨処理は、ボールミリングであり、ボールミリングの媒体は、無水エタノールである。本発明の一実施形態において、無水エタノールの添加量と原料の質量との比は、1:1〜1.2:1である。
【0049】
本発明の一実施形態において、研磨処理の時間は、2時間〜8時間である。
【0050】
本発明の一実施形態において、ボールミリングプロセスは、プラネタリーによるプロセスである。
【0051】
本発明の一実施形態において、ボールミリング装置は、ボールミルであり、ボールミルの媒体ボールは、ジルコニアボールである。好ましくは、ジルコニアボールと原料との質量比は、3:1〜4:1であり、ジルコニアボールの直径は、0.3cm〜0.5cmである。
【0052】
本発明の一実施形態において、ボールミリングの回転数は、160r/分〜200r/分である。
【0053】
ステップS120において、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーに対して乾燥処理を行い乾燥粉末を得る。
【0054】
本発明の一実施形態において、乾燥処理は、加熱乾燥である。
【0055】
本発明の一実施形態において、乾燥処理の温度は、70℃〜100℃である。
【0056】
本発明の一実施形態において、乾燥処理の時間は、10時間〜16時間である。
【0057】
もちろん、乾燥処理は、加熱乾燥に限定されるものではなく、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを乾燥できれば、自然乾燥であってもよい。
【0058】
ステップS130において、乾燥粉末にバインダーを加え、均一に混合して混合粉末を得る。
【0059】
本発明の一実施形態において、バインダーは、ポリビニルアルコール及びポリビニルブチラールからなる群より選ばれる少なくとも1種である。ポリビニルアルコールは、一般に水溶液として使用され、ポリビニルブチラールは、一般に無水エタノール溶液として使用される。好ましくは、ポリビニルアルコールの水溶液の質量濃度は、1.5%〜8.0%であり、ポリビニルブチラールの無水エタノール溶液の質量濃度は、1.5%〜8.0%である。
【0060】
本発明の一実施形態において、ポリビニルアルコールと乾燥粉末との質量比は、0.012:1〜0.03:1である。
【0061】
本発明の一実施形態において、ポリビニルブチラールと乾燥粉末との質量比は、0.012:1〜0.03:1である。
【0062】
本発明の一実施形態において、混合装置を使用して、乾燥粉末とバインダーを混合する。好ましくは、混合装置は、ミキサーである。
【0063】
ステップS140において、混合粉末を粒状化してボロアルミノシリケート鉱物粒子を得る。
【0064】
本発明の一実施形態において、ボロアルミノシリケート鉱物粒子は、5μm〜20μmの粒子径を有する。
【0065】
本発明の一実施形態において、造粒装置を使用して、混合粉末を粒子化する。好ましくは、造粒装置は、スプレー造粒機である。さらに、スプレー造粒機の液相材料処理能力は、10kg/hである。さらに、スプレー造粒機の液相材料供給温度は、300℃〜350℃である。さらに、スプレー造粒機の出口温度は、80℃〜120℃である。さらに、スプレー造粒機の入口熱風温度は、250℃〜300℃である。さらに、スプレー造粒機の乾燥室出口熱風温度は、100℃〜120℃である。さらに、スプレー造粒機の気液接触方式は、並流である。さらに、スプレー造粒機は、スプレーディスクにより噴霧する。さらに、スプレー造粒機の製品回収は、メインボトム、セパレーター及び集塵機の3箇所での捕捉である。
【0066】
ステップS150において、ボロアルミノシリケート鉱物粒子を乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得る。
【0067】
本発明の一実施形態において、乾式プレス成形は、一軸乾式プレス成形である。
【0068】
本発明の一実施形態において、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体の形状は、円盤状である。もちろん、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体の形状は、円盤状に限らず、焼成可能なものであれば、正方形、球形などであってもよい。
【0069】
ステップS160において、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を700℃〜850℃で焼成し、冷却した後にボロアルミノシリケート鉱物ケーキを得る。
【0070】
本発明の一実施形態において、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体は、マッフル炉に入れ、焼成を行う。
【0071】
本発明の一実施形態において、空気条件下で焼成を行う。
【0072】
本発明の一実施形態において、焼成時間は、1時間〜5時間である。
【0073】
本発明の一実施形態において、炉中冷却方式を使用して冷却を行う。もちろん、焼成したボロアルミノシリケート鉱物材料の温度を下げることができれば、冷却装置を使用して冷却を行うことも可能である。
【0074】
ステップS170において、ボロアルミノシリケート鉱物ケーキを粉砕した後に、篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得る。
【0075】
本発明の一実施形態において、ボロアルミノシリケート鉱物ケーキは、粉砕装置により粉砕を行う。好ましくは、粉砕装置は、粉砕機である。
【0076】
本発明の一実施形態において、粉砕したボロアルミノシリケート鉱物ケーキは、篩い分け装置により篩い分けを行う。好ましくは、篩い分け装置は、篩い分け機である。
【0077】
本発明の一実施形態において、ボロアルミノシリケート鉱物材料は、0.5μm〜5μmの粒子径を有する。
【0078】
なお、本実施形態で、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を粉砕して、粉末状のホウアルミノシリケート鉱物材料を得る。もちろん、他の実施例では、混合粉末を700℃〜850℃でそのまま焼成して、冷却後にボロアルミノシリケート鉱物材料を得ることができる。そのため、ステップS140及びステップS150は省略可能であることと理解でき、このとき、混合粉末を700℃〜850℃でそのまま焼成してボロアルミノシリケート鉱物材料が得らればよい。焼成したボロアルミノシリケート鉱物粉末の粒子径が要件を満たせば、篩い分けを行う必要がない。ステップS170も省略できることが理解できる。
【0079】
上記のボロアルミノシリケート鉱物材料の製造方法は、設計上合理的であり、乾式プレス後にケーキを焼成するステップを設置することにより、焼成中のボロアルミノシリケート鉱物材料におけるホウ素及びカリウム元素の揮発を抑制し、その結果、ホウ素及びカリウムの揮発率を低下させる。
【0080】
一実施形態に係る低温同時焼成セラミック複合材料は、質量百分率含有量で、35%〜65%のAl
2O
3と、35%〜65%の上記ボロアルミノシリケート鉱物材料とを含む。
【0081】
好ましくは、Al
2O
3の質量百分率含有量は、41.69%〜62.53%である。
【0082】
好ましくは、ボロアルミノシリケート鉱物材料の質量百分率含有量は、37.47%〜58.31%である。
【0083】
本発明の一実施形態において、セラミック複合材料は、0.5μm〜5μmの粒子径を有する。
【0084】
上記の低温同時焼成セラミック複合材料は、上記のボロアルミノシリケート鉱物材料と、Al
2O
3とを混合して製造されたものであり、組成が安定で、プロセスが簡単で、大規模の生産に適する。
【0085】
上記の低温同時焼成セラミック複合材料の製造方法は、以下のステップS210〜S220を含む。
【0086】
質量百分率含有量で、35%〜65%のAl
2O
3と、35%〜65%の上記ボロアルミノシリケート鉱物材料を混合した後、研磨処理によって混合研磨スラリーを得る。
【0087】
Al
2O
3及びボロアルミノシリケート鉱物材料は、低温同時焼成セラミック複合材料を製造するための原料である。
【0088】
好ましくは、Al
2O
3の質量百分率含有量は、41.69%〜62.53%である。
【0089】
好ましくは、ボロアルミノシリケート鉱物材料の質量百分率含有量は、37.47%〜58.31%である。
【0090】
本発明の一実施形態において、研磨処理は、ボールミリングであり、ボールミリングの媒体は、無水エタノールである。
【0091】
本発明の一実施形態において、無水エタノールの添加量と低温同時焼成セラミック複合材料を製造するための原料の質量との比は、1:1〜1.2:1である。
【0092】
本発明の一実施形態において、研磨処理の時間は、2時間〜8時間である。
【0093】
本発明の一実施形態において、ボールミリングプロセスは、プラネタリーによるプロセスである。
【0094】
一実施形態で、混合装置を使用して、Al
2O
3とボロアルミノシリケート鉱物材料とを混合する。本発明の一実施形態において、混合時間は、4時間〜8時間である。好ましくは、混合装置は、ミキサーである。
【0095】
ステップS220において、混合研磨スラリーに対して乾燥処理を行い、低温同時焼成セラミック複合材料を得る。
【0096】
本発明の一実施形態において、乾燥処理は、加熱乾燥であり、乾燥処理の温度は、70℃〜100℃である。
【0097】
本発明の一実施形態において、乾燥処理の時間は、10時間〜16時間である。
【0098】
もちろん、乾燥処理は、加熱乾燥に限定されるものではなく、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを乾燥できれば、自然乾燥であってもよい。
【0099】
一実施例に係る低温同時焼成セラミックは、上記の低温同時焼成セラミック複合材料で作製されたものである。
【0100】
上記の低温同時焼成セラミックは、優れた誘電特性を持つだけでなく、低い焼結温度、低い熱膨張係数、及び高い絶縁抵抗率も備える。同時に、銀電極とマッチングした同時焼成を実現することができ、各種電気特性が良好に保たれる。また、ボロアルミノシリケート鉱物材料における各組成成分の相対含有量を調整するか、または、ボロアルミノシリケート鉱物材料とAl
2O
3との配合比を調整することにより、低温同時焼成セラミックの誘電特性、焼結温度、及び熱膨張係数などの特性に対する系列化の制御を実現でき、生産の要求に適する低温同時焼成セラミックを製造できる。
【0101】
上記の低温同時焼成セラミックの製造方法は、以下のステップS310〜S350を含む。
【0102】
ステップS310において、上記低温同時焼成セラミック複合材料にバインダーを加えて、混合して、セラミック粉末を得る。
【0103】
本発明の一実施形態において、バインダーは、ポリビニルアルコール及びポリビニルブチラールからなる群より選ばれる少なくとも1種である。ポリビニルアルコールは、一般に水溶液として使用され、ポリビニルブチラールは、一般に無水エタノール溶液として使用される。好ましくは、ポリビニルアルコールの水溶液の質量濃度は、1.5%〜8.0%であり、ポリビニルブチラールの無水エタノール溶液の質量濃度は、1.5%〜8.0%である。
【0104】
本発明の一実施形態において、ポリビニルアルコールと低温同時焼成セラミック複合材料との質量比は、0.012:1〜0.03:1である。
【0105】
本発明の一実施形態において、ポリビニルブチラールと低温同時焼成セラミック複合材料との質量比は、0.012:1〜0.03:1である。
【0106】
本発明の一実施形態において、混合装置を使用して、乾燥粉末とバインダーとを混合する。好ましくは、混合装置は、ミキサーである。
【0107】
ステップS320において、セラミック粉末を粒状化してセラミック粒子を得る。
【0108】
本発明の一実施形態において、セラミック粒子は、5μm〜20μmの粒子径を有する。
【0109】
本発明の一実施形態において、造粒装置を使用して、セラミック粉末を粒子化する。好ましくは、造粒装置は、スプレー造粒機である。さらに、スプレー造粒機の液相材料処理能力は、10kg/hである。さらに、スプレー造粒機の液相材料供給温度は、300℃〜350℃である。さらに、スプレー造粒機の出口温度は、80℃〜120℃である。さらに、スプレー造粒機の入口熱風温度は、250℃〜300℃である。さらに、スプレー造粒機の乾燥室出口熱風温度は、100℃〜120℃である。さらに、スプレー造粒機の気液接触方式は、並流である。さらに、スプレー造粒機は、スプレーディスクにより噴霧する。さらに、スプレー造粒機の製品回収は、メインボトム、セパレーター及び集塵機の3箇所での捕捉である。
【0110】
ステップS330において、セラミック粒子を乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得る。
【0111】
本発明の一実施形態において、乾式プレス成形は、一軸乾式プレス成形である。
【0112】
本発明の一実施形態において、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体の形状は、円盤状である。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を円盤状にすることは、低温同時焼成セラミックの誘電特性の検出に有利である。
【0113】
ステップS340において、セラミックスケーキを、500℃〜600℃で保温して、脱バインダー処理を行う。
【0114】
本発明の一実施形態において、脱バインダー処理の時間は、2時間〜3時間である。
【0115】
本発明の一実施形態において、マッフル炉を使用して、脱バインダー処理を行う。
【0116】
ステップS350において、脱バインダー処理後のセラミックスケーキを、850℃〜950℃で焼結した後、冷却して、低温同時焼成セラミックを得る。
【0117】
本発明の一実施形態において、焼結時間は、1時間〜2時間である。
【0118】
本発明の一実施形態において、セラミックスケーキをマッフル炉に入れ、焼結を行う。
【0119】
本発明の一実施形態において、冷却は、室温まで炉中冷却する。
【0120】
なお、本実施例で、セラミック粉末を粒子化し、乾式プレス成形によりセラミックスケーキが得られ、セラミックスケーキに脱バインダー処理を行った後、焼結することにより、低温同時焼成セラミックを得る。もちろん、他の実施例で、ステップS310で得られたセラミック粉末は、脱バインダー処理にそのまま供し、焼結した後、低温同時焼成セラミックを得ることができる。このように、ステップS320及びステップS330は、省略可能であることが理解でき、このとき、セラミック粉末をそのまま脱バインダー処理し、焼結後、粉末状の低温同時焼成セラミックを得る。
【0121】
一実施例の複合基板は、上記の低温同時焼成セラミックからなるものである。
【0122】
上記の複合基板は、焼結後に平坦となり、明らかな反りや変形がなく、曲げ強度が159MPa以上であり、優れた機械的特性と良好なLTCCプロセス適性を備える。
【実施例】
【0123】
以下の実施例を参照しながら、さらに説明する。
【0124】
実施例1
0.52gのNa
2CO
3、10.92gのK
2CO
3、1.51gのCaCO
3、12.43gのH
3BO
3及び24.63gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。
【0125】
ボロアルミノシリケート鉱物材料をX線回折分析により得られた典型的なXRDパターンは、
図1に示す。
図1からわかるように、ボロアルミノシリケート鉱物材料は、均一な化学組成を持ち、組成成分の偏析がない結晶相の鉱物粉末である。
【0126】
ボロアルミノシリケート鉱物材料を誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES)により、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成を測定した。ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、質量百分率含有量で、表1に示す。
【0127】
【表1】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。
【0128】
低温同時焼成セラミック複合材料をX線回折分析により得られた典型的なXRDパターンは、
図2に示す。
図2からわかるように、低温同時焼成セラミック材料は、アルミナとボロアルミノシリケートで形成された多相セラミック構造である。低温同時焼成セラミック複合材料を走査電子顕微鏡分析により得られた5000倍に拡大したSEM画像は、
図3に示す。
図3からわかるように、低温同時焼成セラミック複合材料の形態は、規則正しいであり、均一な小粒子径粒子と大粒子径粒子から構成される。これらのうち、小粒子径粒子は主にアルミナであり、平均粒子径は約0.5μmであり、大粒子径粒子は主に解砕されたボロアルミノシリケート鉱物材料であり、平均粒子径は約2μmである。
【0129】
低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。低温同時焼成セラミックを走査電子顕微鏡分析により、断面を3000倍に拡大したSEM画像は、
図4に示す。
図4からわかるように、低温同時焼成セラミックは、緻密な断面構造を有し、結晶化したアルミナ粒子は、ボロアルミノシリケート鉱物により形成された連続相材料に均一に被覆し、アルミナの平均粒子径は、約1μmである。
【0130】
実施例2
0.50gのNa
2CO
3、10.71gのK
2CO
3、2.93gのCaCO
3、0.34gのAl
2O
3、11.42gのH
3BO
3及び24.09gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表2に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0131】
【表2】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0132】
実施例3
0.52gのNa
2CO
3、10.96gのK
2CO
3、2.94gのCaCO
3、0.76gのAl
2O
3、11.05gのH
3BO
3及び23.77gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表3に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0133】
【表3】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0134】
実施例4
0.62gのNa
2CO
3、13.17gのK
2CO
3、2.34gのCaCO
3、0.17gのAl
2O
3、11.00gのH
3BO
3及び22.69gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを70℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で5時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表4に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0135】
【表4】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して2時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを70℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを500℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキ850℃で1時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0136】
実施例5
0.79gのNa
2CO
3、13.95gのK
2CO
3、2.19gのCaCO
3、1.03gのAl
2O
3、9.41gのH
3BO
3及び22.64gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して8時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを75℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で850℃で1時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表5に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0137】
【表5】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して8時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを75℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを600℃で3時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを950℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0138】
実施例6
0.38gのNa
2CO
3、9.79gのK
2CO
3、1.30gのCaCO
3、0.09gのAl
2O
3、12.35gのH
3BO
3及び26.08gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して3時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを80℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で730℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表6に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0139】
【表6】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して3時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを80℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを520℃で2.5時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを870℃で1.5時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0140】
実施例7
0.69gのNa
2CO
3、12.55gのK
2CO
3、1.73gのCaCO
3、0.80gのAl
2O
3、11.65gのH
3BO
3及び22.58gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して5時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを85℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で3時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表7に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0141】
【表7】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して5時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを85℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを540℃で3時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを890℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0142】
実施例8
0.66gのNa
2CO
3、13.14gのK
2CO
3、1.54gのCaCO
3、0.87gのAl
2O
3、12.79gのH
3BO
3及び21.00gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して6時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを90℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で780℃で4時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表8に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0143】
【表8】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して6時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを90℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で3時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0144】
実施例9
0.44gのNa
2CO
3、9.12gのK
2CO
3、1.35gのCaCO
3、0.23gのAl
2O
3、10.97gのH
3BO
3及び27.89gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して7時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを950℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で800℃で3時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表9に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0145】
【表9】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して7時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを95℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを560℃で3時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを920℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0146】
実施例10
0.52gのNa
2CO
3、10.92gのK
2CO
3、1.51gのCaCO
3、12.43gのH
3BO
3及び24.63gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表10に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0147】
【表10】
62.53gのAl
2O
3と37.47gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0148】
実施例11
0.52gのNa
2CO
3、10.92gのK
2CO
3、1.51gのCaCO
3、12.43gのH
3BO
3及び24.63gのSiO
2原料を秤量し混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表11に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0149】
【表11】
52.66gのAl
2O
3と47.34gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0150】
実施例12
0.52gのNa
2CO
3、10.92gのK
2CO
3、1.51gのCaCO
3、12.43gのH
3BO
3及び24.63gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表12に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0151】
【表12】
44.67gのAl
2O
3と55.33gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0152】
実施例13
0.52gのNa
2CO
3、10.92gのK
2CO
3、1.51gのCaCO
3、12.43gのH
3BO
3及び24.63gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表13に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0153】
【表13】
41.69gのAl
2O
3と58.31gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0154】
実施例14
0.52gのNa
2CO
3、10.92gのK
2CO
3、1.51gのCaCO
3、12.43gのH
3BO
3及び24.63gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表14に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0155】
【表14】
35.00gのAl
2O
3と65.00gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0156】
実施例15
0.52gのNa
2CO
3、10.92gのK
2CO
3、1.51gのCaCO
3、12.43gのH
3BO
3及び24.63gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを乾燥粉末に加えて混合粉末を得た。混合粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体を得た。ボロアルミノシリケート鉱物グリーン体をマッフル炉に入れ、空気条件下で750℃で2時間焼成し、炉中冷却し、粉砕し篩い分けて、ボロアルミノシリケート鉱物材料を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表15に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0157】
【表15】
65.00gのAl
2O
3と35.00gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0158】
実施例16
11.38gのK
2CO
3、12.95gのH
3BO
3、及び25.67gのSiO
2原料を秤量し、混合した後、60mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを得た。ボロアルミノシリケート鉱物研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥させて乾燥粉末を得た。乾燥粉末をそのままるつぼに入れ、マッフル炉に入れて、高温溶融プロセスにより1500℃で30分間錬成した。その後、高温で取り出して脱イオン水中に水急冷した。細かく研磨及篩い分けにより、ボロアルミノシリケートガラス粉末を得た。質量百分率含有量でのボロアルミノシリケート鉱物材料の組成は、表16に示し、ボロアルミノシリケート鉱物材料の組成の測定方法は、実施例1と同じである。
【0159】
【表16】
50.03gのAl
2O
3と49.97gのボロアルミノシリケート鉱物材料を秤量し、混合後、120mLの無水エタノールと共に、プラネタリーに添加して4時間ボールミリングし、混合研磨スラリーを得た。混合研磨スラリーを100℃で12時間加熱乾燥して、低温同時焼成セラミック複合材料を得た。低温同時焼成セラミック複合材料に、質量濃度8.0%のポリビニルアルコール水溶液2mLを加え、均一に混合してセラミック粉末を得た。セラミック粉末を粒子化した後、一軸乾式プレス成形により、セラミックスケーキを得た。セラミックスケーキを550℃で2時間保温して、脱バインダー処理をした。脱バインダー処理後のセラミックスケーキを900℃で2時間焼結し、室温まで炉中冷却して、低温同時焼成セラミックを得た。
【0160】
実施例1〜16で得られた低温同時焼成セラミックスを両面研磨して、直径10mm、厚さ5mmの円柱状試料にした。円筒形試料を超音波洗浄及び乾燥した後、室温でHakki−Coleman分離誘電体共振器を使用して、15GMzで円筒形試料の誘電率と誘電損失を測定した。
【0161】
実施例1〜16で得られた低温同時焼成セラミックスを両面研磨して、直径10mm、厚さ2mmの円柱状試料にした。銀電極スラリーを両面に塗布した後、750℃で15分間保温して焼結し、室温まで炉中冷却して、銀電極の厚さ0.08mmの被験試料を得た。銀電極ペーストの組成は、銀粉、樹脂、及び希釈剤を含んだ。被験試料の誘電率と誘電損失は、室温でLCRブリッジを使用して1MHzで測定した。LCRブリッジの型番はAgilent HP4278Aであった。
【0162】
実施例1〜16で得られた低温同時焼成セラミックの絶縁抵抗率は、DC絶縁抵抗試験器を使用して室温で測定した。試験電圧はDC100Vであり、DC絶縁抵抗試験器の型番はTonghui TH2681Aであった。
【0163】
実施例1〜16で得られた低温同時焼成セラミックの熱膨張係数は、GJB332A−2004規格に規定される固体材料線膨張係数試験法に準拠し、室温と300℃の間で熱膨張計を使用して測定した。
【0164】
実施例1〜16で得られた低温同時焼成セラミックに、チップ化、スクリーン印刷、積層、等方圧、切断、及び同時焼成工程を施し、LTCC基板を作製した。LTCC基板の曲げ強度は、JC/T676−1997規格に規定されるガラス材料曲げ強度試験法準拠し、3点曲げ試験法により測定した。
【0165】
実施例1〜16の低温同時焼成セラミック及び複合基板の性能パラメータを表17に示す。
【0166】
【表17】
【0167】
表17からわかるように、実施例1〜15で製造された低温同時焼成セラミックは、1MHzの低周波数で6.8〜9.5の連続的に調整可能な誘電率を持ち、誘電損失は≦0.0096であった。15GHzというマイクロ波の高周波で、6.0〜9.2の連続的に調整可能な誘電率を持ち、誘電損失は≦0.01であった。これでわかるように、実施例1〜15で製造された低温同時焼成セラミックは、低周波数及び高周波数の両方で、低誘電率及び低誘電損失を有し、誘電特性に優れた。同時に、低温同時焼成セラミックは、銀電極とマッチングした同時焼成を達成でき、電気特性は良好に保たれた。
【0168】
また、実施例1〜15で得られた低温同時焼成セラミックスは、焼結温度が900℃、熱膨張係数が9.89×10
−6/℃以下、絶縁抵抗率が10
10Ω・cm以上であった。これでわかるように、実施例1〜15で製造された低温同時焼成セラミック材料は、低い焼結温度、低い熱膨張係数及び高い絶縁抵抗率を有し、低誘電率LTCC材料の性能要件を満たした。
【0169】
実施例1〜9からわかるように、ボロアルミノシリケート鉱物材料中の各組成成分の相対含有量を調整することにより、低温同時焼成セラミックの誘電特性、焼結温度、熱膨張係数などの特性に対する系列化の制御が実現できた。実施例10〜15からわかるように、ボロアルミノシリケート鉱物材料とAl
2O
3比との配合比を調整することによりも、低温同時焼成セラミックの誘電特性、焼結温度、熱膨張係数などの特性に対する系列化の制御が実現できた。最後に、生産要求に適した低温同時焼成セラミックを製造した。
【0170】
実施例1〜15からわかるように、低温同時焼成セラミックで作製された複合基板は、曲げ強度が159MPa以上であり、優れた機械的特性及び良好なLTCCプロセス適性を持ち、LTCC低誘電率基板の分野でより実用的であった。
【0171】
実施例1〜16からわかるように、実施例1〜15で作製された低温同時焼成セラミックは、実施例16よりも良好な誘電特性、低い熱膨張係数、高い絶縁抵抗率、及び小さな熱膨張係数を有した。同時に、実施例1〜15の低温同時焼成セラミックスからなる複合基板は、実施例16よりも高い曲げ強度を有した。
【0172】
以上をまとめると、ボロアルミノシリケート鉱物材料は、優れた特性を持ち、LTCCパッケージ基板の分野で低誘電率基板材料として好適に使用される。
【0173】
説明の簡略化のために、上記実施例の技術的特徴の可能な組み合わせはすべて記載されていないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書記載の範囲内と見なされる。
【0174】
上記の実施例は、単に本発明のいくつかの実施例の例示であり、その説明はより具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変形及び改良ができ、これらも全て本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により決定される。