【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一般式Iで表される7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
[式中、
R
1は、ハロゲン、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換されたC
1−6アルキル基もしくはC
3−8シクロアルキル基であり、
R
2は、−C(OH)R
5R
6、−COC
1−6アルキル基、−CN、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換されたC
1−6アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2NH−C
1−6アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2N(C
1−6アルキル基)(C
1−6アルキル基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び4〜12個の炭素原子を有する飽和スピロ環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜12個の炭素原子を有する飽和架橋環基)−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜12個の炭素原子を有する飽和架橋環基)、−N(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)、−O−C
1−4アルキル基、−CN、−COOH、−CHO、−NHS(O)
2−C
1−4アルキル基、−N(C
1−4アルキル基)C(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)−CONH
2、=O、−OH、−S(O)
2N(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)、−S−C
1−4アルキル基、−S(O)
2−C
1−4アルキル基、−CO−C
3−6シクロアルキル基、オキセタニル基、モルホリノ基、C
3−6シクロアルキル基、−C
1−4アルキル基−N(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換されたC
1−4アルキル基−O−C
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−CONH
2、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換されたC
1−4アルキル基−CONH
2、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−COO−C
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−NH
2、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−NHCO−C
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基A(ここで、置換基Aが、ヒドロキシル基又はメチル基である。)で置換された−CO−C
1−4アルキル基、又は、非置換もしくは少なくとも1つの置換基B(ここで、置換基Bが、−NH
2、−OCH
3、−CONH
2、−OH、又は−CF
3である。)で置換されたC
1−4アルキル基であり、
前記R
2では、前記ヘテロ原子がN、O及びSから選ばれた少なくとも1つであり、
前記R
5及び前記R
6は、各々独立に水素又はC
1−6アルキル基であり、
前記R
3は、次式:
【化2】
(式中、R
7、R
8、R
9、R
10は、各々独立に水素、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン又はヒドロキシル基である。)で置換されたC
1−6アルキル基である。)
で表され、
前記R
4は、−NH
2、−NHCONHR
11、又は−NHCO
2R
12であり、R
11及びR
12は、各々独立に非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン及び−C(O)OR
13から選ばれた少なくとも1つである。)で置換されたC
1−6アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン及び−C(O)OR
13から選ばれた少なくとも1つである。)で置換されたC
3−8シクロアルキル基、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン及び−C(O)OR
13から選ばれた少なくとも1つである。)で置換されたフェニル基であり、R
13は、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換されたC
1−6アルキル基である。]
請求項1〜12のいずれか1項に記載の一般式Iで表される7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物又はその薬学的に許容される塩の、PI3K活性阻害剤の調製における使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、PI3Kδ阻害剤の骨格は、例えば、US20140121224A1に示すように、主にIdelalisib母核の類似体に集中している。対照的に、トリアジンを母核とする化合物は、既存のデータから見ると、毒性がIdelalisibの毒性よりも著しく低下したことを示している。よく研究された別の構造はチエノピリミジン母核であり、その代表的な化合物がPI3K汎阻害剤GDC−0941である(Folkesら,J Med Chem 51(2008),第5522-5532頁)。このような化合物は、PI3Kδに対して選択的であると報告されている(Murrayら,J Med Chem 55(2012),第7686-7695頁)が、その母核とピロロトリアジンとは性質が大きく異なる。一方、例えば、CN102675323Aのように、ピロロトリアジンを母核とするPI3K阻害剤の報告が今までほんの数例であり、PI3Kδ阻害活性に関する報告が見られない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる点に鑑みて、本発明の目的は、一般式Iで表される7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物又はその薬学的に許容される塩を提供することにある。
【化1】
[式中、
R
1は、ハロゲン、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換されたC
1−6アルキル基もしくはC
3−8シクロアルキル基であり、
R
2は、−C(OH)R
5R
6、−COC
1−6アルキル基、−CN、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換されたC
1−6アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2NH−C
1−6アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2N(C
1−6アルキル基)(C
1−6アルキル基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び4〜12個の炭素原子を有する飽和スピロ環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜12個の炭素原子を有する飽和架橋環基)−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜6個の炭素原子を有する飽和複素環基)、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換された−CH
2−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜12個の炭素原子を有する飽和架橋環基)、−N(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)、−O−C
1−4アルキル基、−CN、−COOH、−CHO、−NHS(O)
2−C
1−4アルキル基、−N(C
1−4アルキル基)C(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)−CONH
2、=O、−OH、−S(O)
2N(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)、−S−C
1−4アルキル基、−S(O)
2−C
1−4アルキル基、−CO−C
3−6シクロアルキル基、オキセタニル基、モルホリノ基、C
3−6シクロアルキル基、−C
1−4アルキル基−N(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換されたC
1−4アルキル基−O−C
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−CONH
2、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換されたC
1−4アルキル基−CONH
2、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−COO−C
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−NH
2、非置換もしくは少なくとも1つのメチル基で置換された−NHCO−C
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基A(ここで、置換基Aが、ヒドロキシル基又はメチル基である。)で置換された−CO−C
1−4アルキル基、又は、非置換もしくは少なくとも1つの置換基B(ここで、置換基Bが、−NH
2、−OCH
3、−CONH
2、−OH、又は−CF
3である。)で置換されたC
1−4アルキル基である。]
【0007】
前記R
2では、前記ヘテロ原子がN、O及びSから選ばれた少なくとも1つであり、
前記R
5及び前記R
6は、各々独立に水素又はC
1−6アルキル基であり、
前記R
3は、次式:
【化2】
[式中、R
7、R
8、R
9、R
10は、各々独立に水素、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン又はヒドロキシル基である。)で置換されたC
1−6アルキル基である。]
で表され、
前記R
4は、−NH
2、−NHCONHR
11、又は−NHCO
2R
12であり、ここで、R
11及びR
12は、各々独立に非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン及び−C(O)OR
13から選ばれた少なくとも1つである。)で置換されたC
1−6アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン及び−C(O)OR
13から選ばれた少なくとも1つである。)で置換されたC
3−8シクロアルキル基、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基が、ハロゲン及び−C(O)OR
13から選ばれた少なくとも1つである。)で置換されたフェニル基であり、ここで、R
13は、非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲンである。)で置換されたC
1−6アルキル基である。
【0008】
一実施形態では、前記R
1は、ハロゲン、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換されたC
1−4アルキル基もしくはC
3−6シクロアルキル基である。
【0009】
一実施形態では、前記R
1は、−Cl、−F、メタン基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基である。
【0010】
一実施形態では、前記R
2は、−C(OH)R
5R
6、−COC
1−4アルキル基、−CN、非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換されたC
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換された−CH
2NH−C
1−4アルキル基、非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換された−CH
2N(C
1−4アルキル基)(C
1−4アルキル基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換された−X−(1〜2個のヘテロ原子を有する飽和4〜6員複素環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換された−X−(1〜2個のヘテロ原子を有する飽和4〜6員複素環基)−(1〜2個のヘテロ原子を有する飽和4〜6員複素環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換された−X−(1〜2個のヘテロ原子及び4〜8個の炭素原子を有する飽和二環式スピロ環基)、非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換された−X−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜8個の炭素原子を有する飽和二環式架橋環基)−(1〜2個のヘテロ原子を有する飽和4〜6員複素環基)、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換された−X−(1〜2個のヘテロ原子及び3〜8個の炭素原子を有する飽和二環式架橋環基)であり、ここで、XはCH
2であり、前記複素環基、前記スピロ環基及び前記架橋環基は、N原子によってXと結合し、前記R
5及び前記R
6は、各々独立に水素又はC
1−4アルキル基である。
【0011】
一実施形態では、前記R
5及び前記R
6は、各々独立に水素、メチル基又はエチル基である。
【0012】
一実施形態では、前記R
2における前記置換基は、−F、−Cl、−Br、−I、−CH
3、−CH
2CH
3、−CH
2CH(CH
3)
2、−CH
2NH
2、−CH
2N(CH
3)
2、−CH
2CH
2NH
2、−CH
2CH
2N(CH
3)
2、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OH、−C(CH
3)
2OH、−C(CH
3)(CF
3)OH、−C(CF
3)
2OH、−C(CH
3)
2OCH
3、−C(CH
3)
2NH
2、−CH
2C(CH
3)
2OH、−CH(OH)CH(CH
3)
2、−C(CH
3)
2CH
2OH、−C(CH
3)
2CH
2OCH
3、−CN、−CF
3、−CO
2H、−CHO、−COCH
3、−CO
2CH
3、−CO
2C(CH
3)
3、−COCH
2OH、−COC(OH)(CH
3)
2、−COCH(OH)CH
3、−CONH
2、−CONHCH
3、−CON(CH
3)
2、−CH
2CONH
2、−CH
2CON(CH
3)
2、−C(CH
3)
2CONH
2、−NH
2、−NHCH
3、−N(CH
3)
2、−NHCOCH
3、−N(CH
3)COCH
3、−NHS(O)
2CH
3、−N(CH
3)C(CH
3)
2CONH
2、=O、−OH、−OCH
3、−S(O)
2N(CH
3)
2、−SCH
3、−S(O)
2CH
3、−C(O)−シクロプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセタニル基、又はモルホリノ基である。
【0013】
一実施形態では、前記R
2は、次式:
【化3】
[式中、Rx及びRyは、それぞれ、−N(CH
3)
2、−S(O)
2CH
3、又は非置換もしくは少なくとも1つの置換基(ここで、置換基がハロゲン、ヒドロキシル基、−CONH
2、−CF
3、アミノ基、又は−OCH
3である。)で置換されたC
1−4アルキル基である。]
で表される。
【0014】
一実施形態では、前記R
2は、次式:
【化4】
で表される。
【0015】
一実施形態では、前記R
3は、次式:
【化5】
(式中、R
7、R
8、R
9、R
10は、各々独立に水素又はC
1−4アルキル基である。)
で表される。
【0016】
一実施形態では、前記R
7、R
8、R
9、R
10は、各々独立にH又はメチル基である。
【0017】
一実施形態では、前記R
3は、モルホリノ基又は(S)−3−メチルモルホリノ基である。
【0018】
一実施形態では、前記R
4は、−NH
2、−NHCONHR
11又は−NHCO
2R
12であり、ここで、R
11及びR
12は、各々独立に非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換されたC
1−4アルキル基、各々独立に非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換されたC
3−6シクロアルキル基、又は各々独立に非置換もしくは少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基であり、前記置換基は、フッ素、塩素、臭素、及び−C(O)OR
13(ここで、R
13は、C
1−4アルキル基である。)から選ばれた少なくとも1つである。
【0019】
一実施形態では、前記R
11及び前記R
12は、各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、フェニル基、−Ph−CO
2Et−p、又は4−フルオロフェニル基である。
【0020】
前記一般式Iで表される7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物又はその薬学的に許容される塩は、例えば、以下の一般式のいずれかで表される構造を有する。
【0021】
【化6】
【0022】
前記薬学的に許容される塩は、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フ
マル酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、又は硫酸塩を含むがこれらに限定されない有機酸塩及び無機酸塩を含む。
【0023】
本発明の別の目的は、一般式Iで表される7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物を、以下の経路により調製する調製方法を提供することにある。
【化7】
【0024】
さらに、各ステップに必要な試薬と条件は、以下の通りである。
ステップa:化合物Aa1’と、ジメチルホルムアミド(DMF)とを含有する無水アセトニトリル溶液に、クロロスルホニルイソシアネートを滴下して反応させ、化合物Aa2’を得るか、ステップb:化合物Aa1’’をクロロホルムに溶解し、N−クロロスクシンイミドを加えて反応させ、化合物Aa2’’を得る。
【0025】
ステップc:化合物Aa2’と、K
2CO
3と、NH
4Clと、濃アンモニア水と、メチルトリオクチルアンモニウムクロリドとを含有するメチルターシャリーブチルエーテル溶液に、5質量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を滴下し、反応させて化合物Aa3を得るか、ステップd:化合物Aa2’’を無水ジメチルホルムアミドに溶解し、NaHを加えて撹拌した後、O−(2,4−ジニトロフェニル)−ヒドロキシルアミンを加え、反応させて化合物Aa3を得る。
【0026】
ステップe:化合物Aa3を飽和アンモニアメタノール溶液又はアンモニアのメタノール溶液に溶解して反応させ、化合物Aa4を得る。
【0027】
ステップf:化合物Aa4をアルデヒド、無水塩化銅、ジメチルスルホキシドと混合して反応させ、化合物Aa5を得る。
【0028】
ステップg:化合物Aa5とN,N−ジメチルアミノピリジン又はジメチルアミノピリジンとの混合物にオキシ塩化リンを加えて反応させ、化合物Aa6を得る。
【0029】
ステップh:化合物Aa6に無水テトラヒドロフラン及びモルホリンを加えて反応させ、化合物Aa7を得る。
【0030】
ステップi:化合物Aa7と次亜リン酸ナトリウム一水和物とを含有する酢酸/水/ピリジン懸濁液に、ラネーニッケルを加えて反応させ、化合物Aa8を得る。
【0031】
ステップj:化合物Aa8、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びアミンをメタノールに懸濁させ、酢酸を加え反応させ、生成物を得るか、ステップj:化合物Aa8を含有する無水テトラヒドロフラン溶液に臭化メチルマグネシウムを加えて反応させ、生成物を得るか、ステップj:化合物Aa8を含有する無水ジクロロメタン溶液に三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)を加えて反応させ、生成物を得る。
【0032】
一実施形態では、化合物P−28は、以下の経路により調製される。
【化8】
【0033】
具体的には、以下のステップ1〜5を含む。
【0034】
ステップ1:化合物P−28−1をジクロロメタンと水の混合液に溶解した後、トリフルオロメチルスルフィン酸ナトリウムを加え、上記反応系を冷却して70%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を徐々に滴下し、その後、ジメチルスルホキシドを加え、反応系を昇温して反応させ、化合物P−28−2を得る。
【0035】
ステップ2:トルエンに化合物P−28−2及びオキシ塩化リンを加え、その後、N,N−ジメチルアニリンを加えて還流下で反応させ、塩化物の粗生成物を得て、得られた塩化物の粗生成物を無水テトラヒドロフランに溶解し、0oCでモルホリンを加えた後、室温で、原料が完全に反応するまで撹拌して濃縮し、粗生成物を得て、次のステップに進む。
【0036】
ステップ3:ステップ2で得られた粗生成物をメタノールに加えて溶解し、その後、水及び水酸化ナトリウムを加え、還流下で、原料が完全になくなるまで反応させ、濃縮し、水を加え、pHを調整して固体を析出させ、析出した固体を乾燥した後、次のステップに進む。
【0037】
ステップ4:ステップ3で得られた粗生成物、ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)、トリエチルアミン、及び2−(4−ピペリジニル)−2−プロパノールを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に加えて反応させ、化合物P−28−5を得る。
【0038】
ステップ5:P−28−5を無水テトラヒドロフランに溶解し、その後、ボラン/テトラヒドロフラン(BH
3/THF)を徐々に滴下し、滴下終了後、反応系を昇温して反応させ、続いて反応系を冷却して濃塩酸を徐々に滴下した後、反応系を昇温して反応させ、化合物P−28を得る。
【0039】
本発明の別の目的は、PI3K活性阻害剤の調製における、一般式Iで表される7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供することにある。
【0040】
一実施形態では、前記PI3K活性阻害剤は、PI3Kδに対して選択的な阻害作用を有する。
【0041】
一実施形態では、前記PI3K活性阻害剤は、PI3Kチャネルに関連する疾患を治療するための医薬品に使用される。
【0042】
好ましくは、前記PI3Kチャネルに関連する疾患は、腫瘍、白血病及び自己免疫疾患を含む。
【0043】
また、本発明は、一般式Iで表される7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物又はその薬学的に許容される塩を治療有効量で含む、PI3Kチャネルに関連する疾患を治療するための医薬組成物を提供する。
【発明の効果】
【0044】
本発明の発明人は、合理的な設計により化合物の薬物動態要素を包括的に考察して、新規な7−置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン系化合物を得た。このような化合物は、良好なPI3K阻害活性を示し、PI3Kキナーゼ活性を効果的に阻害でき、かつ、7位へのグループの導入により、バイオアベイラビリティなどの薬物動態特性が大幅に向上して改善された。また、本発明における化合物は、PI3Kδに対して予想外に高い選択性および強力な阻害活性を示すため、PI3Kチャネルに関連する疾患、特に、癌や腫瘍、白血病及び自己免疫疾患の治療に使用できる。さらなる最適化及びスクリーニングを経た後、新規な抗腫瘍薬へと発展することが期待されている。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書に記載される「アルキル」とは、直鎖アルキル又は分岐アルキルを指す。
【0046】
本明細書に記載される「置換」とは、1つ又は複数の水素原子を置換することを指す。本明細書におけるハロゲンは、F、Cl、Br及びIから選ばれた少なくとも1つであってもよく、F及びClのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【0047】
以下、実施例を参照しながら本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。すべての実施例では、
1H NMRがBrucherAM−400型及びGEMINI−300型の核磁気共鳴分光計によって記録され、化学シフトがδ(ppm)で示され、質量スペクトルがMAT−95型質量分析計によって記録され、分離用のシリカゲルが200〜300メッシュのものである。
【0048】
ステップa:4−シアノ−5−メチル−1H−ピロール−2−ギ酸エチル(Aa2’)の調製
【化9】
【0049】
氷浴下で、化合物Aa1’(1.0g,6.5mmol)と、DMF(1.3mL)とを含有する無水アセトニトリル(20mL)溶液にクロロスルホニルイソシアネート(0.7mL,8.0mmol)を滴下し、得られた混合物を室温に移し、一晩反応させた。反応液を飽和炭酸ナトリウム溶液(20mL)でクエンチし、水で希釈し、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラムにより精製(石油エーテル/酢酸エチル:3/1)し、白色化合物(980mg,84%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ10.07(br s 1H),7.03(d,J=2.53Hz,1H),4.34(q,J=7.13Hz,2H),2.47(s,3H),1.37(t,J=7.13Hz,3H)。
【0050】
ステップc:1−アミノ−4−シアノ−5−メチル−1H−ピロール−2−ギ酸エチル(Aa3’)の調製
【化10】
【0051】
氷塩浴(ice-saltbath)で、化合物Aa2’(200mg,1.1mmol)と、K
2CO
3(840mg,6.0mmol)と、NH
4Cl(385mg,7.2mmol)と、濃アンモニア水(1.2mL)と、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド(0.010mL)とを含有するメチルターシャリーブチルエーテル(50mL)溶液に、5%(質量%)の次亜塩素酸ナトリウム溶液(12mL)を定圧滴下漏斗から滴下し、室温に移して4時間反応させた。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウムでクエンチし、メチルターシャリーブチルエーテル層を取り出し、水層を酢酸エチル(50mL)で1回抽出した。有機層を合わせ、水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラムにより精製(石油エーテル/酢酸エチル:4/1)し、無色液体(183mg,86%)を得て、放置後に固化させた。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ7.01(s,1H),5.46(s,2H),4.30(q,J=7.13Hz,2H),2.42(s,3H),1.35(t,J=7.13Hz,3H)。
【0052】
ステップe:1−アミノ−4−シアノ−5−メチル−1H−ピロール−2−ホルムアミド(Aa4’)の調製
【化11】
【0053】
化合物Aa3’(800mg,4.1mmol)を100mLの飽和アンモニアメタノール溶液又はアンモニアのメタノール溶液に溶解し、80℃、封管中で2日間反応させ、室温まで冷却して濃縮した後、黄色固体(680mg,100%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ8.01(br s,1H),7.39 br(s,1H),7.02(s,1H),6.70(br s,2H),2.27(s,3H)。
【0054】
ステップb:4−シアノ−5−クロロ−1H−ピロール−2−ギ酸エチル(Aa2’’)の調製
【化12】
【0055】
化合物Aa1’’(2.0g,12.2mmol)をクロロホルムに溶解し、N−クロロスクシンイミド(2.0g,15.0mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。得られた混合液を水(100mL)で希釈し、有機層を取り出し、水層をクロロホルム(100mL)で2回抽出し、その後、有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラムにより精製(石油エーテル/酢酸エチル:20/1)し、白色固体(510mg,22%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ10.68(s,1H),7.09(d,J=2.8Hz,1H),4.39(q,J=7.1Hz,2H),1.39(t,J=7.2Hz,3H)。
【0056】
ステップd:1−アミノ−4−シアノ−5−クロロ−1H−ピロール−2−ギ酸エチル(Aa3’’)の調製
【化13】
【0057】
化合物Aa2’’(300mg,1.5mmol)を無水DMF(10mL)に溶解し、氷浴下で、NaH(60%、鉱油に分散、75mg,1.9mmol)を加え、続いて30分間撹拌し、O−(2,4−ジニトロフェニル)−ヒドロキシルアミン(360mg,1.8mmol)を加え、室温で6時間撹拌した後、反応液を水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:10/1)を行って白色固体(305mg,95%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ7.09(s,1H),5.80(s,2H),4.34(q,J=7.1Hz,2H),1.37(t,J=7.1Hz,3H)。
【0058】
ステップe:1−アミノ−4−シアノ−5−クロロ−1H−ピロール−2−ホルムアミド(Aa4’’)の調製
【化14】
【0059】
化合物Aa3’’(350mg,1.6mmol)を原料として、化合物Aa4’の調製を参照して黄色固体(290mg,100%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ8.12(br s,1H),7.63(br s,1H),7.19(s,1H),6.86(br s,2H)。
【0060】
ステップf:化合物Aa5の合成
【化15】
【0061】
化合物Aa4(1.0当量)と、N−(5−ホルミル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)プロピオンアミド(1.2当量,研究グループにより調製)と、無水塩化銅(1.0当量)とを含有するジメチルスルホキシド溶液を、100℃まで昇温して反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:50/1)により精製して黄色固体を得た。
【0063】
化合物Aa4’(600mg,3.7mmol)、対応するアルデヒド(1.2g,4.4mmol)、無水塩化銅(490mg,3.7mmol)、ジメチルスルホキシド(25mL)により、黄色固体(1.3g,85%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.82(s,1H),8.62(s,1H),8.43(br s,1H),7.27(s,1H),2.60(s,3H),1.38(s,9H)。
【0065】
化合物Aa4’’(200mg,1.1mmol)、対応するアルデヒド(362mg,1.3mmol)、無水塩化銅(150mg,1.1mmol)、ジメチルスルホキシド(15mL)により、黄色固体(408mg,85%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.80(s,1H),8.62(s,1H),8.41(s,1H),7.36(s,1H),1.38(s,9H)。
【0066】
ステップg及びステップh:化合物Aa7の合成
【化18】
【0067】
化合物Aa5(1.0当量)と、4−ジメチルアミノピリジン(2.0当量)との混合物にオキシ塩化リンを加え、10時間還流した。冷却後、減圧下でオキシ塩化リンを除去し、無水テトラヒドロフラン、モルホリンを順次加え、2時間還流した。減圧下でテトラヒドロフランを留去し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を順次に、飽和食塩水、水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:4/1)により精製して白色固体を得た。
【0069】
化合物Aa5’(1.0g,2.4mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(583mg,4.8mmol)、オキシ塩化リン(20mL)、テトラヒドロフラン(100mL)、モルホリン(5mL)により、白色固体(980mg,84%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.76(s,1H),8.72(s,1H),8.24(br s,1H),6.99(s,1H),4.06(t,J=4.77Hz,4H),3.84(t,J=4.73Hz,4H),2.65(s,3H),1.36(s,9H)。
【0071】
化合物Aa5’’(360mg,0.8mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(200mg,1.6mmol)、オキシ塩化リン(5mL)、テトラヒドロフラン(50mL)、モルホリン(2mL)により、白色固体(370mg,88%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.75(s,1H),8.72(s,1H),8.24(s,1H),7.09(s,1H),4.07(t,J=4.8Hz,4H),3.86(t,J=4.8Hz,4H),1.36(s,9H)。
【0073】
化合物Aa5’(800mg,1.9mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(466mg,3.8mmol)、オキシ塩化リン(15mL)、テトラヒドロフラン(100mL)、(S)−3−メチル基モルホリン(5mL)により、黄色固体(720mg,76%)を得た。
【0074】
ステップi:化合物Aa8の合成
【化22】
【0075】
化合物Aa7(1.0当量)と、次亜リン酸ナトリウム一水和物(6.7当量)とを含有する酢酸/水/ピリジン(v/v/v:1/1/2)懸濁液に、ラネーニッケルを加え、60℃まで昇温して反応させた。室温まで冷却し、ろ過し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を3N塩酸で3回洗浄し、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:50/1)により精製して黄色固体を得た。
【0077】
化合物Aa7’(1.0g,1.0mmol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物(710mg,6.7mmol)、酢酸/水/ピリジン(v/v/v:1/1/2)(50mL)、ラネーニッケル(750mg)により、黄色固体(232mg,47%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ10.15(s,1H),8.78(br s,1H),8.72(s,1H),8.25(s,1H),7.17(s,1H),4.10(t,J=4.8Hz,8H),3.84(t,J=4.8Hz,8H),2.79(s,3H),1.36(s,9H)。
【0079】
化合物Aa7’’(300mg,0.6mmol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物(426mg,4.0mmol)、酢酸/水/ピリジン(v/v/v:1/1/2)(25mL)、ラネーニッケル(450mg)により、黄色固体(130mg,42%)を得た。
【0081】
化合物Aa7’’’(600mg,1.2mmol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物(852mg,8.0mmol)、酢酸/水/ピリジン(v/v/v:1/1/2)(50mL)、ラネーニッケル(900mg)により、黄色色固体(420mg,83%)を得た。
【0082】
ステップj:化合物P−(1−9)、12、(29−32)、(34−35)、(38−43)、(45−46)の合成
【化26】
【0083】
化合物Aa8(0.2mmol)と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.4mmol)と、対応するアミン(0.24mmol)とをメタノール(20mL)に懸濁させ、酢酸(0.05mL)を加え、室温で撹拌した。反応終了後、反応液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)を行って生成物を得た。
【0084】
得られた生成物をメタノール(15mL)に溶解し、10当量の1M水酸化カリウム溶液を加え、還流下で反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)により精製した。
【0086】
黄色固体(38mg,2ステップの総収率:44%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.62(s,1H),6.80(s,1H),6.73(s,1H),4.90(br s,2H),4.03(t,J=4.5Hz,4H),3.81(t,J=4.5Hz,4H),3.50(s,2H),2.48(s,3H),2.28(s,6H)。
【0088】
黄色固体(44mg,2ステップの総収率:45%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.63(s,1H),6.80(s,1H),6.77(s,1H),4.89(br s,2H),4.04(br s,4H),3.87(s,2H),3.82(br s,4H),2.77(t,J=3.3Hz,2H),2.49(s,3H),2.35(t,J=6.3Hz,2H),2.23(s,6H),1.80〜1.64(m,2H)。
【0090】
黄色固体(49mg,2ステップの総収率:52%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.62(s,1H),6.79(s,1H),6.72(s,1H),4.88(br s,2H),4.04(t,J=3.9Hz,4H),3.91〜3.73(m,6H),3.46(t,J=6.7Hz,2H),3.32(s,3H),2.77(t,J=6.8Hz,2H),2.49(s,3H),1.89〜1.72(m,2H)。
13CNMR(126MHz,CDCl
3)δ158.83,153.94,151.95,151.83,138.11(q,J=32.4Hz),126.24,122.95(q,J=274.3Hz),122.44,121.65,111.79,105.21(q,J=5.5Hz),103.35,71.40,66.81,58.71,47.06,45.94,45.66,29.90,9.24。
【0092】
黄色固体(38mg,2ステップの総収率:38%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.63(s,1H),6.80(s,1H),6.76(s,1H),4.84(br s,2H),4.03(t,J=4.9Hz,4H),3.82(t,J=4.8Hz,4H),3.63(s,2H),3.53(t,J=5.6Hz,2H),3.35(s,3H),2.63(t,J=5.6Hz,2H),2.48(s,3H),2.33(s,3H)。
13C NMR(101MHz,CDCl
3)δ158.77,153.94,151.95,151.77,138.13(q,J=32.8Hz),127.07,122.28(q,J=275.7Hz),121.72,120.25,111.93,105.22(q,J=5.6Hz),104.45,70.60,66.81,58.92,56.06,54.13,45.91,42.68,9.36。
【0094】
黄色固体(68mg,2ステップの総収率:64%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.65(s,1H),6.82(s,1H),6.74(s,1H),4.94〜4.88(m,2H),4.06(t,J=4.6Hz,4H),3.84(t,J=4.8Hz,4H),3.59(s,2H),3.06(d,J=10.7Hz,2H),2.51(s,3H),1.97(t,J=11.3Hz,2H),1.81〜1.67(m,2H),1.35〜1.25(m,3H),1.19(s,6H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ158.79,153.93,151.95,151.77,138.12(q,J=32.3Hz),127.33,122.95(q,J=274.5Hz),121.68,120.06,111.82,105.23(q,J=6.2Hz),104.54,72.47,66.81,54.58,54.06,47.40,45.93,27.00,26.84,9.48。
【0096】
黄色固体(58mg,2ステップの総収率:58%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.62(s,1H),6.80(s,1H),6.69(s,1H),4.84(br s,2H),4.03(t,J=4.8Hz,4H),3.82(t,J=4.8Hz,4H),3.57(s,2H),2.68〜2.45(m,8H),2.41(q,J=7.2Hz,2H),1.07(t,J=7.2Hz,3H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ158.78,153.94,151.93,151.79,138.15(q,J=32.5Hz,CF
3C),127.42,122.94(q,J=274.4Hz,CF
3),121.71,119.89,111.77,105.23(q,J=5.5Hz,CF
3CCH),104.57,66.81,54.42,52.97,52.83,52.28,45.94,12.01,9.45。
【0098】
黄色固体(55mg,2ステップの総収率:53%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.64(s,1H),6.80(s,1H),6.71(s,1H),4.99(br s,2H),4.04(t,J=4.8Hz,4H),3.83(t,J=4.8Hz,4H),3.56(s,2H),3.09〜2.86(m,2H),2.50(s,3H),2.29(s,6H),2.21〜2.07(m,1H),2.05〜1.93(m,2H),1.87〜1.75(m,2H),1.65〜1.44(m,2H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ158.88,153.92,151.93,151.77,138.07(q,J=32.5Hz),127.26,122.95(q,J=274.6Hz),121.58,120.29,111.78,105.21(q,J=5.7Hz),104.45,66.80,62.32,54.34,52.93,45.92,41.72,28.29,9.45。
【0100】
黄色固体(46mg,2ステップの総収率:47%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.62(s,1H),6.81(s,2H),4.87(br s,2H),4.05(t,J=4.8Hz,4H),3.83(t,J=4.8Hz,4H),3.70(s,2H),2.85(s,4H),2.78(s,4H),2.49(s,3H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ158.82,153.96,152.08,151.89,138.16(q,J=32.3Hz),127.58,122.93(q,J=274.6Hz),121.55,112.14,105.29(q,J=5.4Hz),105.03,66.80,54.99,54.49,45.96,27.36,9.47。
【0102】
黄色固体(79mg,2ステップの総収率:72%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.62(s,1H),6.81(s,1H),6.64(s,1H),4.84(br s,2H),4.03(t,J=4.5Hz,4H),3.82(t,J=4.9Hz,4H),3.60(s,2H),3.24(t,J=5.0Hz,4H),2.77(s,3H),2.58(t,J=4.9Hz,4H),2.49(s,3H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ158.83,153.95,151.99,151.95,138.12(q,J=32.4Hz,CF
3C),127.42,122.95(q,J=274.4Hz,CF
3),121.57,119.23,111.90,105.25(q,J=5.5Hz,CF
3CCH),104.48,66.79,54.26,52.19,45.95,45.84,34.28,9.44。
【0104】
化合物P−9(160mg,0.3mmol)を含有するクロロホルム(10mL)溶液に、メタンスルホン酸(370μL,0.3mmol)を加え、室温で2時間反応した後、無水ジエチルエーテル(50mL)で希釈し、ろ過、乾燥させた後、黄色化合物であるP−9メタンスルホン酸塩(145mg,77%)を得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ9.89(br s,1H),8.51(s,1H),7.25(s,1H),7.23(s,1H),4.47(br s,2H),4.02(t,J=5.0Hz,4H),3.76(t,J=4.9Hz,4H),3.73(s,2H),3.57〜3.47(m,2H),3.30〜3.09(m,4H),3.01(s,3H),2.52(br s,2H),2.43(br s,6H)。
13C NMR(126MHz,DMSO−d
6)δ157.47,153.93,151.45,145.46,138.57(q,J=33.3Hz),129.45,122.77(q,J=275.06Hz),118.65,112.36,111.92,110.13,107.64,66.42,51.32,50.27,46.01,42.96,40.23,35.51,9.65。
【0106】
黄色固体(63mg,2ステップの総収率:53%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.63(s,1H),6.83(s,1H),6.70(s,1H),4.99(br s,2H),4.24〜3.98(m,4H),3.96〜3.78(m,4H),3.60(s,2H),3.46(br s,4H),2.51(s,3H),2.44(br s,4H),1.47(s,9H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ158.91,154.77,153.94,151.85,151.72,138.18(q,J=32.6Hz),127.40,122.93(q,J=274.1Hz),121.50,119.51,111.85,105.39(q,J=5.6Hz),104.52,79.65,66.79,54.45,52.74,45.93,28.43,9.45。
【0108】
黄色固体(45mg,2ステップの総収率:43%)。
1H NMR(500MHz,Chloroform−d)δ8.62(s,1H),6.80(s,1H),6.70(s,1H),4.84(d,J=7.5Hz,2H),4.06〜4.00(m,4H),3.95(d,J=11.4Hz,2H),3.83〜3.80(m,4H),3.65(s,2H),3.47(t,J=7.5Hz,2H),3.36(t,J=11.7Hz,2H),2.88(t,J=7.3Hz,2H),2.32〜2.16(m,2H),1.71〜1.57(m,2H),1.52(ddd,J=13.2,3.8,1.9Hz,2H)。
【0110】
黄色固体(40mg,2ステップの総収率:41%)。
1H NMR(500MHz,Chloroform−d)δ8.62(s,1H),6.81(s,1H),6.65(s,1H),4.85(d,J=5.3Hz,2H),4.75(s,4H),4.05〜4.00(m,4H),3.82(t,J=4.9Hz,4H),3.61(s,2H),3.42(s,3H),2.48(s,4H)。
【0112】
黄色固体(36mg,2ステップの総収率:32%)。
1H NMR(300MHz,Chloroform−d)δ8.61(s,1H),6.79(s,1H),6.72(s,1H),4.90(d,J=5.8Hz,2H),4.02(t,J=4.7Hz,4H),3.81(t,J=4.8Hz,5H),3.73〜3.68(m,4H),3.57(s,2H),3.00(d,J=11.1Hz,2H),2.58〜2.46(m,8H),2.18(dq,J=11.2,5.9,4.2Hz,1H),2.01(t,J=11.1Hz,2H),1.82(d,J=13.4Hz,2H),1.58(td,J=12.1,3.6Hz,2H)。
【0114】
WO2010138589(A1)を参考して対応するアミンの合成を行った。黄色固体(20mg,2ステップの総収率:18%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.61(s,1H),7.74〜7.50(m,1H),6.81(s,1H),4.84(s,2H),4.67〜4.60(m,2H),4.59〜4.51(m,2H),4.32〜4.13(m,2H),4.10〜3.98(m,4H),3.83(t,J=4.9Hz,4H),2.92〜2.74(m,1H),2.50(s,3H),2.21(d,J=7.7Hz,2H),2.06〜1.97(m,4H),1.00〜0.84(m,6H)。
【0116】
黄色固体(52mg,2ステップの総収率:52%)。
1H NMR(300MHz,Chloroform−d)δ8.62(s,1H),6.80(s,1H),6.67(d,J=1.3Hz,1H),4.84(d,J=4.0Hz,2H),4.08〜3.98(m,4H),3.81(t,J=4.8Hz,4H),3.62(s,2H),3.37(dd,J=4.3,1.5Hz,8H),2.47(d,J=1.5Hz,3H),2.32(d,J=1.5Hz,3H)。
【0118】
WO2010138589(A1)を参考して、対応するアミンの合成を行った。黄色固体(75mg,2ステップの総収率:67%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.61(s,1H),7.14(d,J=5.3Hz,1H),6.80(s,1H),6.68(s,1H),5.54(d,J=5.3Hz,1H),4.93(s,2H),4.03(dd,J=5.7,4.0Hz,4H),3.82(dd,J=5.7,4.0Hz,4H),3.58(s,2H),2.59〜2.52(m,6H),2.49(s,3H),1.20(s,8H)。
【0120】
黄色固体(49mg,2ステップの総収率:47%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.61(s,1H),6.85(s,1H),6.81(s,1H),4.86(s,2H),4.04(t,J=4.9Hz,4H),3.82(q,J=4.8,3.6Hz,8H),3.58(t,J=5.3Hz,4H),3.28〜3.25(m,2H),2.51(s,3H),1.81(t,J=5.6Hz,4H)。
【0122】
WO2010138589(A1)を参考して対応するアミンの合成を行った。黄色固体(47mg,2ステップの総収率:44%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.61(s,1H),6.80(s,1H),6.77(s,1H),4.88(s,2H),4.03(dd,J=5.7,4.1Hz,4H),3.82(dd,J=5.6,4.0Hz,4H),3.75(d,J=1.5Hz,2H),3.47(s,2H),3.42(d,J=12.1Hz,2H),3.32(d,J=10.1Hz,1H),3.20(d,J=10.2Hz,1H),3.01(s,1H),2.78(dd,J=9.2,2.4Hz,1H),2.66(d,J=2.4Hz,2H),2.50(s,3H),2.24〜2.14(m,1H),1.75(d,J=9.7Hz,1H),1.51(d,J=9.7Hz,1H)。
【0124】
黄色固体(56mg,2ステップの総収率:51%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.59(s,1H),7.62(s,1H),6.82(s,1H),4.97(s,2H),4.74(t,J=6.3Hz,1H),4.67(d,J=6.4Hz,1H),4.55〜4.44(m,2H),4.26〜4.14(m,2H),4.07(dd,J=5.7,4.0Hz,4H),4.03〜3.87(m,2H),3.86〜3.80(m,4H),3.49(s,1H),3.35(d,J=11.7Hz,1H),2.82〜2.62(m,1H),2.51(s,3H),2.21(t,J=7.6Hz,1H),2.04〜1.97(m,2H),0.90〜0.82(m,1H)。
【0126】
WO2010138589(A1)を参考して、対応するアミンの合成を行った。黄色固体(53mg,2ステップの総収率:47%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.62(s,1H),6.81(s,1H),6.77(s,1H),4.81(s,2H),4.03(dd,J=5.7,4.1Hz,4H),3.83〜3.81(m,4H),3.72(d,J=4.7Hz,4H),3.60(s,2H),3.04(s,3H),2.50(s,3H),2.32(d,J=5.3Hz,4H),1.70(s,6H)。
【0128】
WO2010138589(A1)を参考して、対応するアミンの合成を行った。黄色固体(52mg,2ステップの総収率:48%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.61(d,J=3.7Hz,1H),6.81(s,1H),6.71(s,1H),4.88(s,2H),4.03(dq,J=6.3,2.8,2.3Hz,4H),3.85〜3.79(m,4H),3.59(s,2H),3.34(s,2H),2.67〜2.42(m,15H),1.04(s,6H)。
【0130】
WO2010138589(A1)を参考して、対応するアミンの合成を行った。黄色固体(52mg,2ステップの総収率:48%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.62(s,1H),6.80(s,1H),4.86(s,2H),4.04(dd,J=5.7,4.1Hz,4H),3.84〜3.79(m,4H),3.62(s,2H),3.16(d,J=1.4Hz,2H),3.09〜3.04(m,2H),2.48(d,J=1.5Hz,3H),2.02(d,J=13.2Hz,2H),1.67(d,J=8.8Hz,2H),1.45(s,2H),1.08(s,6H)。
【0132】
WO2013134226を参考して、対応するアミンの合成を行った。黄色固体(50mg,2ステップの総収率:43%)。LC−MSM/z:[M+H]
+=588.0。
【0134】
WO2013134226を参考して、対応するアミンの合成を行った。黄色固体(61mg,2ステップの総収率:48%)。LC−MSM/z:[M+H]
+=641.9。
【0135】
ステップj:化合物P−33、36、37の合成
【化52】
【0136】
化合物Aa8(0.2mmol)と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.4mmol)と、対応するBoc基で保護されたアミン(0.24mmol)とをメタノール(20mL)に懸濁させ、酢酸(0.05mL)を加え、室温で撹拌した。反応終了後、反応液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)を行って生成物を得た。
【0137】
生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、10倍当量のトリフルオロ酢酸を加え、室温で2日間撹拌した。反応終了後、反応液をスピン乾燥させた。
【0138】
得られた生成物をメタノール(15mL)に溶解し、10当量の1M水酸化カリウム溶液を加え、還流下で反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)により精製した。
【0140】
黄色固体(52mg,2ステップの総収率:50%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.62(s,1H),6.81(s,1H),6.68(d,J=3.4Hz,1H),4.83(s,2H),4.03(t,J=4.8Hz,4H),3.82(t,J=5.0Hz,4H),3.49(d,J=3.3Hz,2H),3.36(s,2H),2.47(d,J=3.4Hz,3H),2.34(s,2H),1.93(s,4H),1.79(t,J=5.3Hz,4H)。
【0142】
黄色固体(50mg,2ステップの総収率:48%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.60(s,1H),6.79(s,1H),6.67(s,1H),4.90(s,2H),4.02(dd,J=5.7,4.1Hz,4H),3.84〜3.77(m,4H),3.67(s,2H),3.05(s,4H),2.77(dd,J=6.6,4.0Hz,4H),2.49(s,3H),1.76〜1.69(m,4H)。
【0144】
黄色固体(45mg,2ステップの総収率:46%)。
1H NMR(400MHz,Chloroform−d)δ8.62(d,J=2.0Hz,1H),6.81(s,1H),6.65(d,J=3.8Hz,1H),4.80(s,2H),4.03(q,J=4.1,3.2Hz,4H),3.82(t,J=4.8Hz,4H),3.74(s,2H),3.60(d,J=2.5Hz,2H),3.35(s,3H),3.30(d,J=8.3Hz,2H),2.51〜2.46(m,4H)。
【0145】
ステップj:化合物P−44の合成
【化56】
【0146】
化合物Aa8(0.2mmol)と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.4mmol)と、N−アセチル−2−(4−ピペリジニル)−2−プロピルアミン(0.24mmol)とをメタノール(20mL)に懸濁させ、酢酸(0.05mL)を加え、室温で撹拌した。反応終了後、反応液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)を行って生成物を得た。
【0147】
得られた生成物を濃塩酸(10mL)に溶解し、還流下で7日間反応させた。反応終了後、反応液を中和し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:10/1)により精製した。
【0149】
WO2014043068を参考して、N−アセチル−2−(4−ピペリジニル)−2−プロピルアミンの合成を行った。黄色固体(12mg,2ステップの総収率:11%)。LC−MSM/z:[M+H]
+=533.0。
【0150】
ステップj:化合物P−10の合成
【化58】
【0151】
化合物Aa8’’(0.2mmol)と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.4mmol)と、対応するアミン(0.24mmol)とをメタノール(20mL)に懸濁させ、酢酸(0.05mL)を加え、室温で撹拌した。反応終了後、反応液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)を行って生成物を得た。
【0152】
得られた生成物をメタノール(15mL)に溶解し、10当量の1M水酸化カリウム溶液を加え、還流下で反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)により精製した。
【0154】
黄色固体(55mg,2ステップの総収率:48%)。
1H NMR(300MHz,Chloroform−d)δ8.63(d,J=3.1Hz,1H),6.82(d,J=3.1Hz,1H),6.65(s,1H),4.93(br s,1H),4.83(s,2H),4.56(d,J=11.3Hz,1H),4.09〜3.97(m,1H),3.89〜3.74(m,2H),3.72〜3.53(m,4H),3.26(s,4H),2.78(s,3H),2.60(s,4H),2.49(s,3H),1.45(d,J=6.8Hz,3H)。
13C NMR(126MHz,Chloroform−d)δ158.81,153.66,152.06,151.91,138.12(q,J=32.3Hz),127.41,122.94(d,J=274.5Hz).,121.65,111.92,105.26(d,J=6.7Hz),104.58,71.03,66.98,54.26,52.16,45.83,34.28,15.27,9.49。
【0155】
ステップj:化合物P−11、(25−27)の合成
【化60】
【0156】
化合物Aa8’’’(0.2mmol)と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.4mmol)と、対応するアミン(0.24mmol)とをメタノール(20mL)に懸濁させ、酢酸(0.05mL)を加え、室温で撹拌した。反応終了後、反応液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)を行って生成物を得た。
【0157】
得られた生成物をメタノール(15mL)に溶解し、10当量の1M水酸化カリウム溶液を加え、還流下で反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)により精製した。
【0159】
黄色固体(34mg,2ステップの総収率:30%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.59(s,1H),6.80(s,1H),6.74(s,1H),4.87(br s,2H),4.04(t,J=4.6Hz,4H),3.83(t,J=4.7Hz,4H),3.67(s,2H),3.27(t,J=4.9Hz,4H),2.78(s,2H),2.64(t,J=5.1Hz,4H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ159.02,153.50,153.30,151.82,138.25(q,J=32.8Hz),122.85(q,J=274.3Hz),120.96,118.53,115.86,112.74,105.24(q,J=6.1Hz),104.61,66.69,53.04,52.06,46.00,45.79,34.38。
【0161】
白色固体(35mg,收率:45%)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ8.31(s,1H),7.00(s,1H),6.82(s,1H),3.97(m,4H),3.72(m,4H),3.68(s,2H),3.23(s,2H),3.06(d,2H),2.16(t,2H),1.72(d,2H),1.33(m,4H),1.05(s,6H)。
【0163】
白色固体(30mg,收率:40%)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ8.32(s,1H),6.94(s,1H),6.83(s,1H),3.97(m,4H),3.72(m,4H),3.55(br,s,1H),3.22(d,2H),2.92(d,2H),2.23(s,6H),2.03(d,2H),1.78(d,2H),1.47(d,2H),1.18(d,2H)。
【0165】
白色固体(38mg,收率:42%)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ8.30(s,1H),6.97(s,1H),6.83(s,1H),4.00(m,4H),3.73(m,4H),3.65(s,2H),3.23(d,2H),2.66(m,4H),1.16(t,3H)。
【0166】
化合物P−13、14の合成
【化65】
【0167】
化合物P−12(500mg,)を40mLジクロロメタンに溶解し、2.5mLトリフルオロ酢酸を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を除去し、油状物を得た。油状物を10mLメタノールで溶解し、ジエチルエーテル(80mL)を加えて固体を析出させ、ろ過した後、Boc基が脱去された生成物であるトリフルオロ酢酸塩420mgを得た。
【0168】
上記のように得られた塩(1分子のトリフルオロ酢酸で計算、114mg,0.2mmol)と、対応する酸(1.5当量)と、1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(1.5当量)と、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(1.5当量)と、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3当量)とをDMFに懸濁させ、室温で反応させた。反応終了後、反応液を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:20/1)により精製して生成物を得た。
【0170】
黄色固体(67mg,60%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.65(s,1H),6.84(s,1H),6.68(s,1H),4.91(s,2H),4.53(br s,1H),4.06(t,J=4.8Hz,4H),3.85(t,J=4.8Hz,4H),3.79〜3.65(m,4H),3.60(s,2H),2.51(s,7H),1.50(s,6H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ174.93,158.85,153.94,151.94,151.92,138.12(q,J=32.6Hz),127.36,122.90(q,J=274.06Hz),121.55,119.38,111.87,105.27(q,J=6.3Hz),104.42,71.53,66.79,54.40,52.96,45.94,27.83,9.44。
【0172】
黄色固体(55mg,50%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ8.66(s,1H),6.84(s,1H),6.68(s,1H),4.87(s,2H),4.47(t,J=6.7Hz,1H),4.07(t,J=4.8Hz,4H),3.90(d,J=7.3Hz,1H),3.86(t,J=4.8Hz,4H),3.82〜3.71(m,1H),3.69〜3.62(m,1H),3.61(s,1H),3.43(d,J=5.2Hz,2H),2.58〜2.35(m,7H),1.34(d,J=6.6Hz,3H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ173.50,158.83,153.95,151.97,138.26,138.13(d,J=32.8Hz),127.37,122.95(q,J=274.6Hz),121.59,119.28,111.89,105.27,104.41,66.79,64.02,54.42,52.70,52.56,45.94,44.87,42.53,21.50,9.44。
【0174】
窒素の保護、氷浴下で、化合物Aa8’(600mg,1.2mmol)を含有する無水テトラヒドロフラン(40mL)溶液に、1M臭化メチルマグネシウム(4.8mL,4.8mmol)を加え、室温に移して反応させた。反応終了後、反応物を水50mLで希釈し、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40/1)を行って黄色化合物(520mg,86%)を得た。
【0175】
上記のように得られた生成物(400mg,0.8mmol)を15mLメタノールに溶解し、10当量の1M水酸化カリウム溶液(8mL)を加え、還流下で反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40/1)により精製して黄色化合物(270mg,80%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)。δ8.59(s,1H),6.80(s,1H),6.75(s,1H),5.14(q,J=4.8Hz,1H),4.82(s,2H),4.04(t,J=4.8Hz,4H),3.82(t,J=4.8Hz,4H),2.53(s,3H),1.99(br s,1H),1.58(d,J=6.4Hz,3H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ158.78,154.14,152.05,151.93,128.13,125.24,111.85,105.25(q,J=5.5Hz),100.27,66.80,63.82,45.97,24.52,9.38。
【0177】
窒素の保護、氷浴下で、化合物Aa8’(100mg,0.2mmol)を含有する無水ジクロロメタン(20mL)溶液に、1mL三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)を加え、室温に移して反応させた。反応終了後、氷水10mLを徐々に加えてクエンチし、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(50mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、次の反応に直接使用した。
【0178】
上記のように得られた生成物を15mLメタノールに溶解し、10当量の1M水酸化カリウム溶液(2mL)を加えて、還流下で反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40/1)により精製して黄色化合物(38mg,2ステップの総収率::44%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)。δ8.63(s,1H),6.86(t,J=56.4Hz,1H),6.85(s,1H),6.82(s,1H),4.85(br s,2H),4.06(t,J=4.9Hz,4H),3.84(t,J=4.8Hz,4H),2.58(s,3H)。
13C NMR(101MHz,CDCl
3)δ158.98,154.52,152.94,151.96,138.17(q,J=32.6Hz),127.09(t,J=6.3Hz),122.88(q,J=274.3Hz),121.13,117.39(t,J=25.8Hz),112.40(t,J=233.7Hz),112.24,105.29(q,J=6.1Hz),101.21(t,J=5.0Hz),66.71,45.96,9.46。
【0179】
化合物P−17、18の合成
【化70】
【0180】
−30℃で、化合物P−9(110mg,0.2mmol)を含有する無水クロロホルム(10mL)溶液に、無水トリエチルアミン(30μL,0.25mmol)を加え、対応するクロロホルメート(0.6mmol)を含有するクロロホルム(5mL)溶液を滴下し、この温度で反応を維持した。反応終了後、反応液に氷水10mLを徐々に加えてクエンチし、ジクロロメタン(40mL)で希釈し、有機層を取り出し,飽和食塩水(50mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:50/1)により精製して黄色固体を得た。
【0182】
黄色固体(55mg,45%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ9.18(br s,1H),8.84(s,1H),8.45(s,1H),6.68(s,1H),4.05(t,J=4.5Hz,4H),3.86(s,3H),3.84〜3.78(m,4H),3.62(s,2H),3.25(s,4H),2.78(s,3H),2.59(s,4H),2.50(s,3H)。
13C NMR(101MHz,CDCl
3)δ153.87,153.54,152.67,151.39,150.80,138.69(q,J=32.9Hz,CF
3C),127.50,126.60,122.72(q,J=275.83Hz,CF
3),119.55,111.79,109.21(q,J=5.2Hz,CF
3CCH),104.69,66.70,54.19,52.72,52.18,45.89,45.84,34.22,9.40。
【0184】
化合物P−9のメタンスルホン酸塩の調製方法を参照して、化合物P−17(200mg,0.3mmol)を原料として、黄色化合物P−17メタンスルホン酸塩(190mg,81%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.91(s,1H),9.83(br s,1H),8.79(s,1H),8.31(s,1H),7.23(s,1H),4.46(s,2H),4.01(t,J=4.8Hz,4H),3.82〜3.68(m,7H),3.62〜3.41(m,4H),3.28〜3.04(m,4H),3.00(s,3H),2.50(s,3H),2.38(s,3H)。
13C NMR(126MHz,DMSO−d
6)δ154.58,154.11,153.99,152.04,151.38,136.87(q,J=31.6Hz,CF
3C),129.53,125.47,123.08(q,J=274.9Hz,CF
3),112.40,112.00,108.63(q,J=6.9Hz,CF
3CCH),107.63,66.41,52.76,51.36,50.31,46.02,42.98,40.23,35.54,9.69。
【0186】
黄色固体(55mg,74%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ9.69(s,1H),8.96(s,1H),8.51(s,1H),7.41(t,J=7.2Hz,2H),7.36〜7.19(m,3H),6.67(s,1H),4.13〜3.91(m,4H),3.79(s,4H),3.61(s,2H),3.25(s,4H),2.78(s,3H),2.58(s,4H),2.41(s,3H)。
【0188】
10mLマイクロ波反応管に、化合物P−17(122mg,0.2mmol)と、無水塩化カルシウム(10mg,
0.09mmol)と、メチルアミンアルコール溶液(2mL)とを加え、マイクロ波、100℃で30分間反応させ、濃縮した後、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:20/1)により精製して白色固体(30mg,33%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)。δ9.37(s,1H),9.06(br s,1H),8.74(s,1H),7.28(s,1H),6.68(s,1H),4.05(t,J=4.6Hz,4H),3.84(t,J=4.9Hz,4H),3.61(s,2H),3.25(br s,4H),3.01(d,J=4.6Hz,3H),2.78(s,3H),2.59(br s,4H),2.50(s,3H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ156.42,153.99(q,J=13.5Hz),151.34,149.71,138.66,138.39,127.59,124.36,122.56(q,J=274.93Hz),119.56,111.84,109.33(q,J=5.4Hz),104.70,66.78,54.26,52.23,45.95,45.90,34.27,26.54,9.45。
【0190】
化合物P−18(75mg,0.1mmol)を含有するDMF(3mL)溶液に、シクロプロピルアミン(1mL)を加え、60℃まで昇温して反応させた。反応終了後、反応液を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:40/1)を行って黄色化合物(26mg,40%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)。δ9.47(br s,1H),9.09(br s,1H),8.73(s,1H),7.40(s,1H),6.67(s,1H),4.05(t,J=4.7Hz,4H),3.84(t,J=4.8Hz,4H),3.61(s,2H),3.25(t,J=4.7Hz,4H),2.78(br s,4H),2.59(s,4H),2.49(s,3H),0.95〜0.78(m,2H),0.71〜0.61(m,2H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ156.70,153.93,153.85,151.32,149.81,138.53(q,J=33.2Hz),127.59,124.65,122.57(q,J=274.7Hz),119.57,111.83,109.48(q,J=6.6Hz),104.69,66.77,54.26,52.23,45.95,45.90,34.27,22.58,9.45,6.80。
【0191】
化合物P−(21−24)の合成
【化76】
【0192】
化合物P−9(1当量)と1,8−ジアザシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU,6当量)とを含有するジクロロメタン溶液に、対応するイソシアネート(6当量)を加え、室温で反応させた。反応終了後、反応液を水で希釈し、ジクロロメタンで1回抽出し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:50/1)により精製して黄色固体を得た。
【0194】
化合物P−9(160mg,0.3mmol)を出発原料として、黄色固体(54mg,29%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ9.62(s,1H),8.71(s,1H),8.08(s,1H),7.45(d,J=5.7Hz,1H),6.92(s,1H),3.96(t,J=4.8Hz,4H),3.73(t,J=4.8Hz,4H),3.56(s,2H),3.18(t,J=6.8Hz,2H),3.08(s,4H),2.85(s,3H),2.48(s,4H),2.42(s,3H),1.09(t,J=7.1Hz,3H)。
13C NMR(126MHz,DMSO−d
6)δ154.81,154.58,153.78,151.31,150.88,136.71(q,J=31.8Hz),127.20,124.08,123.23(q,J=274.81Hz),120.27,111.34,108.29(q,J=6.2Hz),106.21,66.46,53.80,52.14,45.94,34.44,34.06,15.69,9.67。
【0196】
化合物P−9のメタンスルホン酸塩の調製方法を参照して、化合物P−21(75mg,0.31mmol)を原料として、黄色化合物であるP−21メタンスルホン酸塩(70mg,81%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ9.80(br s,1H),9.65(s,1H),8.72(s,1H),8.11(s,1H),7.44(br s,1H),7.20(s,1H),4.45(s,2H),4.13(s,2H),4.01(t,J=4.9Hz,4H),3.75(s,6H),3.49(s,2H),3.27〜3.03(m,7H),3.00(s,3H),2.37(s,3H),1.09(t,J=7.0Hz,3H)。
13C NMR(126MHz,DMSO−d
6)δ155.00,154.56,153.98,152.13,150.91,136.74(q,J=31.4Hz),129.46,123.69,123.29(q,J=274.3Hz),112.39,111.93,108.36(q,J=6.4Hz),107.53,66.41,51.36,40.24,50.30,46.00,42.99,35.51,34.45,15.68,9.69。
【0198】
以化合物P−9(160mg,0.3mmol)を出発原料として、黄色固体(128mg,67%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ9.45(s,1H),8.93(br s,1H),8.74(s,1H),7.30(s,1H),6.67(s,1H),4.10−4.16(m,1H),4.05(t,J=4.4Hz,4H),3.84(t,J=4.3Hz,4H),3.61(s,2H),3.25(t,J=4.5Hz,4H),2.78(s,3H),2.59(t,J=4.7Hz,4H),2.50(s,3H),1.30(d,J=6.4Hz,6H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ155.16,154.33,153.93,151.41,149.67,138.39(q,J=32.9Hz),127.55,124.19,122.61(q,J=274.4Hz),119.53,111.83,109.53(q,J=5.6Hz),104.66,66.78,54.26,52.23,45.95,45.91,42.21,34.25,23.08,9.45。
【0200】
化合物P−9(110mg,0.2mmol)を出発原料として、黄色固体(40mg,29%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ11.45(s,1H),9.44(s,1H),8.85(s,1H),7.60(dd,J=8.9,4.7Hz,2H),7.35(s,1H),7.07(t,J=8.2Hz,2H),6.69(s,1H),4.07(br s,4H),3.86(t,J=5.1Hz,4H),3.63(s,2H),3.26(s,4H),2.79(s,3H),2.60(s,4H),2.52(s,3H)。
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ159.29(d,J=242.9Hz),153.74(d,J=54.9Hz),153.50,151.09,149.67,138.93(q,J=32.9Hz),133.94(q,J=2.9Hz),127.67,125.13,122.05(q,J=7.8Hz),119.69,115.66(q,J=22.6Hz),111.82,109.78,104.83,66.78,54.27,52.25,45.96,45.91,34.28,9.47。
【0202】
化合物P−9(110mg,0.2mmol)を出発原料として、黄色固体(46mg,31%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ10.04(s,1H),9.92(s,1H),8.82(s,1H),8.22(s,1H),7.91(d,J=8.7Hz,2H),7.65(d,J=8.8Hz,2H),6.94(s,1H),4.27(q,J=6.9Hz,2H),3.97(t,J=4.9Hz,4H),3.82〜3.66(m,4H),3.57(s,2H),3.08(s,4H),2.85(s,3H),2.48−2.43(m,7H),1.30(t,J=7.0Hz,3H)。
13C NMR(126MHz,DMSO−d
6)δ165.79,153.90,153.79,152.07,151.17,143.65,136.95(q,J=32.2Hz),130.89,127.27,125.30,123.23(q,J=274.93Hz),124.16,120.35,118.45,111.35,108.74,106.31,66.47,60.89,53.80,52.14,45.94,34.07,14.71,9.68。
【0204】
ステップ1:P−28−1(437.0mg,1.0mmol,その調製方法がCN201210177980.3を参照)をジクロロメタン:水(10:1,20mL)の混合液に溶解した後、トリフルオロメチルスルフィン酸ナトリウム(936.0mg,6mmol)を加え、反応系を0
oCに冷却して70%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液(1.4mL,10.0mmol)を徐々に滴下した後、続いて30分間撹拌した。その後、ジメチルスルホキシド(4.0mL)を加えて、40
oCまで昇温して一晩反応させた後、反応が終了するか否かをLC−MSで分析する。反応終了後、反応液にジクロロメタン及び水を加えて撹拌し、静置した後、有機相を分離して、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を石油エーテル:酢酸エチル(10:1〜4:1)でカラムを通過させた後、P−28−2(300mg)を得た。
LC−MS:506.2(M+1)。
【0205】
ステップ2:P−28−2(300mg,0.6mmol)及びオキシ塩化リン(1.85g,11.9mmol)をトルエン(20mL)に加えた後、N,N−ジメチルアニリン(215.6mg,18.0mmol)を加え、還流下で一晩反応させた。完全に反応するか否かをTCLで分析する。完全に反応した後、反応系を濃縮し、酢酸エチル及び氷水を加えて撹拌し、酢酸エチル相を分離して乾燥させ、濃縮した後、塩化物粗生成物を得た。塩化物粗生成物を無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、0
oCでモルホリン(155.0mg,1.8mmol)を加え、原料が完全に反応するまで室温で撹拌した後、反応液を濃縮して粗生成物を得て、次のステップに進む。
【0206】
ステップ3:ステップ2で得られた粗生成物をメタノール(20mL)に溶解した後、水(1mL)及び水酸化ナトリウム(237.6mg)を加え、原料が完全になくなるまで還流下で反応させ、濃縮し、水を加え、pH5〜6に調整して固体を析出させ、乾燥させた後、次のステップに進む。
LC−MS:477.2(M+H)
+。
【0207】
ステップ4:ステップ3で得られた粗生成物と、HBTU(455.0mg,1.2mmol)と、トリエチルアミン(121mg,1,2mmol)と、2−(4−ピペリジニル)−2−プロパノール(Aa9’,93.2mg,0.65mmol)とをDMF(10mL)に加え、室温で一晩反応させた。反応が終了するか否かをLC−MSで分析する。反応終了後、反応系を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮した後、カラム(DCM:MeOH=100:1〜40:1)を通過させて淡色固体P−28−5(140mg)を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 8.48(s,1H),7.79(d,1H),7.65(d,1H),7.34〜7.42(brs,2H),6.81(s,1H),6.70(s,1H),5.26(s,1H),4.76(d,1H),4.02(s,4H),3.80(s,4H),1.82〜1.95(m,2H),1.47〜1.69(m,2H),1.24(s,6H)。LC−MS:602.3(M+1)。
【0208】
ステップ5:N
2保護下でP−28−5(100mg,0.17mmol)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、−20
oCまで冷却し、その後、BH
3/THF(1N,1.7mL,1.7mmol)を徐々に滴下した後、反応系を60
oCに昇温して1時間反応させた。その後、反応系を−20
oCまで冷却し、濃塩酸(0.8mL)徐々に滴下した後、60
oCまで昇温して反応させた。すべての中間体が目的化合物に変換するか否かをLC−MSで検出する。すべての中間体が目的化合物に変換した後、反応系を冷却し、酢酸エチル及び水を加え、分液した。水相を水酸化ナトリウムで約pH10に調整し、DCMで抽出して乾燥させ、濃縮した後、フラッシュカラム(DCM:MeOH=100:1〜40:1)を通過させてP−28(20mg)を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ:8.36(s,1H),7.09(s,1H),6.84(s,1H),5.42(s,1H),4.05(t,4H),3.99(s,2H),3.77(t,4H),3.50(brs,1H),2.39(t,2H),1.80(t,2H),1.36〜1.52(m,4H),1.08(s,6H),LC−MS:588.2(M+1)。
【0209】
<
PI3Kキナーゼ活性に対する化合物の効果>
初期スクリーニング濃度の設定:被測定化合物をDMSO(ジメチルスルホキシド)に100μM又は10μMになるように溶解して保存液とし、各保存液をそれぞれ2μLで、8μL×1倍の反応バッファー(1×Reaction Buffer)に加え、
4μM又は
400nMの4%DMSO含有の化合物溶液を得た。得られた化合物溶液を均一に混合した後、1倍の反応バッファー(in 1×Reaction Buffer)において4%DMSOで希釈して
4μM又は
400nMの化合物溶液を得た。希釈された各溶液をそれぞれ5μLで、384ウェルプレートに入れた。このように、最終の20μLキナーゼ反応系における化合物は、最終濃度がそれぞれ1μMと100nM、又は100nMと20nMになり、かつ1%DMSOを含有する。
【0210】
IC
50測定濃度の設定:異なる酵素について、出発濃度として10μMと100μMを選択した。被測定化合物をDMSOで1MM又は10MMになるように溶解して作業溶液とし、作業溶液をそれぞれ1μLで24μl×1倍のキナーゼバッファーA(1×Kinase Buffer A)に加え、40μM又は400μMの4%DMSO含有の化合物溶液を得た。得られた化合物溶液を順次に4倍の勾配、10つの希釈濃度で希釈し、希釈された各溶液をそれぞれ2.5μLで、384ウェルプレートに入れた。このように、最後の10μLキナーゼ反応系における化合物は、最終濃度がそれぞれ10μM、2.5μM、0.625μMになり、かつ1%DMSOを含有する。
【0211】
実験ステップ:室温でPI3Kキナーゼ反応を30分間行った後に終了させ、検出液を各ウェルに加え、十分に混合し、室温で2時間インキュベートした後、多機能マイクロプレートリーダ(2104 EnVision(登録商標)Multilabel Reader(Cat:2104−0010,PerkinElmer))で検出し、測定結果を記録した。
【0212】
実験結果:
各ウェルの励起光発光比率(Emission Ratio)の計算
Emission Ratio(ER)=665nM Emission signal/620nm Emission signal
100%阻害対照の平均Emission Ratio:ER
100%
0%阻害対照の平均Emission Ratio:ER
0%
阻害率の計算
阻害率の計算式:
阻害率=(ER
sample−ER
0%)/(ER
100%−ER
0%)×100%
【0213】
表1及び表2に示すように、表における化合物はいずれも、PI3Kキナーゼに対する良好な阻害作用を示し、特に、化合物P−5/6/7はPI3Kδに対する選択的な阻害作用を示す。
【0216】
上記の表から、化合物P−5、P−6、P−7などが、PI3Kδに対して良好な選択性を有することが分かった。GDC0941は陽性化合物であり、化学名が2−(1H−インダゾール−4−イル)−6−[[4−(メチルスルホニル)−1−ピペラジニル]メチル]−4−(4−モルホリノ)チエノ[3,2−D]ピリミジン(4−[2−(1H−indazol−4−yl)−6−[(4−methylsulfonylpiperazin−1−yl)methyl]thieno[3,2−d]pyrimidin−4−yl]morpholine)である。
【0217】
<初歩的な薬物動態測定実験>
1.健康なSDラット14匹(雄、体重200〜220g)を、4つの群(3〜4匹/群)にランダムに分け、被験化合物P−17及び化合物CYH33(化合物P−17と比較して、7−位メチルが欠失される。)を、それぞれ胃内投与(10mg/kg)、静脈内投与(5mg/kg)した。具体的には、以下の表3に示す。
【0219】
2.採血時点及びサンプル処理
胃内投与:投与後0.25時間、0.5時間、1.0時間、2.0時間、3.0時間、4.0時間、6.0時間、8.0時間、及び24時間。
静脈内投与:投与後5分間、0.25時間、0.5時間、1.0時間、2.0時間、4.0時間、6.0時間、8.0時間、及び24時間。
【0220】
上記の設定時点で、ラットの眼球後静脈叢より静脈血0.3mlを採取し、ヘパリン処理したチューブに入れ、11,000rpmで5分間遠心分離し、分離された血漿を−20°Cの冷蔵庫で凍結した。
【0221】
3.サンプルの測定及びデータ分析
LC/MS/MS法を用いてラット血漿における化合物の濃度を測定した。
【0222】
Phoenix 1.3ソフトウェア(米国Pharsight社)の非コンパートメントモデルを用いて投与後の薬物動態パラメーターを計算した。
【0225】
上記の表から分かるように、P−17はCYH33と1つのメチル基で異なるが、その定常状態分布容積Vss、平均滞留時間MRT、半減期T1/2、絶対的バイオアベイラビリティFがいずれも改善され、特に絶対的バイオアベイラビリティが大幅に向上した(測定化合物がCYH33及びP17のモノメタンスルホン酸塩であり、化合物構造が以下の通りである。)。
【0227】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示すものであり、その説明が詳細で具体的であるが、本発明の特許請求の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。本発明の思想を逸脱しない範囲において、当業者が、複数の変形及び改良をしても、本発明の保護範囲に属するものであると理解されるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくものである。