(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲームシステムであって、
患者側携帯端末に備えられ、患者側が今回の服薬のために前記お薬カレンダー中から選択した収容部に表示されている識別データを読み取る識別データ読取部と、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、前記読み取られた識別データと予め記録したお薬カレンダー中の各収容部に関する情報とに基づいて、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるかどうかを判定する服用回適合判定部と、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連する所定の動作を行ったとき、又は各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームが患者側携帯端末で実行されている場合において患者側が前記ゲーム中で今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、患者側携帯端末において各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームを進行又は開始させるゲーム進行部と、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連して所定の動作を行ったとき、又は各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームが患者側携帯端末で実行されている場合において患者側が前記ゲーム中において今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬管理記録部と、
を備えたことを特徴とするお薬カレンダーを利用したゲームシステム。
「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲームシステムであって、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームを患者側携帯端末上で進行させるゲーム進行部であって、患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、前記ゲームをさらに進行させるゲーム進行部と、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、又はそのことを示す情報に基づいて、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬管理記録部と、
を備えたことを特徴とするお薬カレンダーを利用したゲームシステム。
前記服用回適合判定部が前記患者側が今回の服薬のために選択した収容部が今回の服用回に対応する適正なものではないと判定したとき、前記服用回適合判定部からの出力に基づいて、そのことを患者側に知らせる報知部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のお薬カレンダーを利用したゲームシステム。
前記ゲーム進行部は、各患者の各服用回毎の服薬に関連して患者側携帯端末において実行されるゲーム中で患者側が所定の操作又は動作を行ったとき、又は、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したと判定されたとき、前記ゲーム中の仮想キャラクタを成長させるものであることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のお薬カレンダーを利用したゲームシステム。
前記ゲーム進行部は、患者側の現実世界を写し又は撮像した画像中に仮想キャラクタを合成又は表示させるものであることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載のお薬カレンダーを利用したゲームシステム。
「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲーム方法であって、
患者側携帯端末に備えられた識別データ読取部により、患者側が今回の服薬のために前記お薬カレンダー中から選択した収容部に表示されている識別データを読み取る読取ステップと、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられた服用回適合判定部により、前記読み取られた識別データと予め記録したお薬カレンダー中の各収容部に関する情報とに基づいて、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるかどうかを判定する判定ステップと、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられたゲーム進行部により、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連する所定の動作を行ったとき、又は各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームが患者側携帯端末で実行されている場合において患者側が前記ゲーム中において今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、患者側携帯端末において各患者の今回の服用回の服薬に関連するゲームを進行又は開始させるゲーム進行ステップと、
前記ゲーム進行ステップと同時に又はこれと相前後して、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられた服薬管理記録部により、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連して所定の動作を行ったとき、又は患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬記録ステップと、
を含むことを特徴とするお薬カレンダーを利用したゲーム方法。
「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲーム方法であって、
患者側携帯端末又はサーバー側に備えられたゲーム進行部により、各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームが患者側携帯端末で実行されている場合において、前記ゲーム中において患者側が今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、前記ゲームをさらに進行させるゲーム進行ステップと、
前記ゲーム進行ステップと同時に又はこれと相前後して、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられた服薬管理記録部により、前記ゲーム中において患者側が今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、又はそのことを示す情報に基づいて、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬記録ステップと、
を含むことを特徴とするお薬カレンダーを利用したゲーム方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような高齢患者等による服薬の間違い又は懈怠を防止するため、従来より、例えばSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やメール等を利用してシステム的(自動的)に患者に服薬を促す通知をすることなどが提案又は実施等されている。しかしながら、このようなSNSやメール等を利用する場合は、運営コストの問題だけでなく、前記通知等を受け取る患者側にとって刺激が乏しく服薬の遵守を動機付ける効果が乏しいという問題があった。
【0005】
また従来より、高齢患者等の服薬懈怠を無くすため、各服用回毎の薬剤を収容した各収容部が例えば縦又は横方向に1週間分の各曜日又は日付毎に並べられ且つ横又は縦方向に朝、昼、夕、就寝前などの各時間帯毎に並べられ配置されて成る「お薬カレンダー」を、調剤薬局等が各患者に交付して各患者の自宅の壁等に配置してもらい、各患者が各服用回毎に対応する収容部をお薬カレンダー中から選択、分離させて中身の薬剤を取り出して服用することを可能にし、以って患者自らの服薬管理を容易にすることが実施等されている。しかしながら、このようなお薬カレンダーを利用する場合、確かに患者自身の服薬管理は容易になるが、患者がお薬カレンダー中から誤って正しくない服用回の収容部中の薬剤を取り出して服用してしまったり、患者に服薬遵守を十分に動機付けることができず患者が服用そのものを忘れてしまうこともあるという問題があった。
【0006】
本発明は前述のような従来技術の問題点に着目して為されたものであって、高齢の患者などが各服用回に対応していない不適正な収容部を誤って選択したまま間違った薬剤を服用してしまうことを有効に防止することができるお薬カレンダーを利用したゲームシステム及び方法を提供することを目的とする。また、本発明は前述のような従来技術の問題点に着目して為されたものであって、患者側が各服用回毎の服薬を行う際に各患者に対し強い興趣を与えて各患者に対し毎日の服薬遵守を強く動機付け又は誘導し、習慣付けることができるお薬カレンダーを利用したゲームシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような課題を解決するための本発明によるお薬カレンダーを利用したゲームシステムは、「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲームシステムであって、患者側携帯端末に備えられ、患者側が今回の服薬のために前記お薬カレンダー中から選択した収容部に表示されている識別データを読み取る識別データ読取部と、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、前記読み取られた識別データと予め記録したお薬カレンダー中の各収容部に関する情報とに基づいて、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるかどうかを判定する服用回適合判定部と、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連する所定の動作を行ったとき(例えば、患者側携帯端末のセンサ部(カメラ等)が患者側の実際の服薬に関する動作を自動的に捕捉してゲームアプリ部が前記捕捉した患者側の実際の服薬動作を示す画像等の情報から患者側が実際に正しい服薬をしたと判定したとき)、又は各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームが患者側携帯端末で実行されている場合において患者側が前記ゲーム中において今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、患者側携帯端末において各服用回毎の服薬に関連するゲームを進行又は開始させるゲーム進行部と、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連する所定の動作を行ったとき(例えば、患者側携帯端末のセンサ部(カメラ等)が患者側の実際の服薬に関する動作を自動的に捕捉してゲームアプリ部が前記捕捉した患者側の実際の服薬動作を示す画像等の情報から患者側が実際に正しい服薬をしたと判定したとき)、又は患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬管理記録部とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明によるお薬カレンダーを利用したゲームシステムは、「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲームシステムであって、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームを患者側携帯端末上で進行させるゲーム進行部であって、患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、前記ゲームを進行させるゲーム進行部と、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられ、患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、又はそのことを示す情報に基づいて、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬管理記録部とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明によるお薬カレンダーを利用したゲームシステムにおいて、前記服用回適合判定部が前記患者側が今回の服薬のために選択した収容部が今回の服用回に対応する適正なものではないと判定したとき、前記服用回適合判定部からの出力に基づいて、そのことを患者側に(画面表示、音声又は音響などの方法で)知らせる報知部をさらに備えていてもよい。
【0010】
また、本発明によるお薬カレンダーを利用したゲームシステムにおいて、前記ゲーム進行部は、患者の各服用回毎の服薬に関連して患者側携帯端末において実行されるゲーム中で患者側が所定の操作又は動作を行ったとき、又は、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したと判定されたとき、前記ゲーム中の仮想キャラクタを成長させるものであってもよい。
【0011】
また、本発明によるお薬カレンダーを利用したゲームシステムにおいて、前記ゲーム進行部は、患者側の現実世界を写し又は撮像した画像中に仮想キャラクタを合成又は表示させるものであってもよい。
【0012】
また、本発明によるお薬カレンダーを利用したゲーム方法は、「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲーム方法であって、患者側携帯端末に備えられた識別データ読取部により、患者側が今回の服薬のために前記お薬カレンダー中から選択した収容部に表示されている識別データを読み取る読取ステップと、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられた服用回適合判定部により、前記読み取られた識別データと予め記録したお薬カレンダー中の各収容部に関する情報とに基づいて、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるかどうかを判定する判定ステップと、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられたゲーム進行部により、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであることを示す情報に基づいて、患者側携帯端末において各患者の今回の服用回の服薬に関連するゲームを進行又は開始させるゲーム進行ステップと、前記ゲーム進行ステップと同時に又はこれらと相前後して、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられた服薬管理記録部により、前記識別データが表示された収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連する所定の動作を行ったとき(例えば、患者側携帯端末のセンサ部(カメラ等)が患者側の実際の服薬に関する動作を自動的に捕捉してゲームアプリ部が前記捕捉した患者側の実際の服薬動作を示す画像等の情報から患者側が実際に正しい服薬をしたと判定したとき)、又は各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームが患者側携帯端末で実行されている場合において患者側が前記ゲーム中において今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬記録ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明によるお薬カレンダーを利用したゲーム方法は、「患者別に且つ日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が1日当たり3回又は4回などの複数回分として全体で例えば1週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応しながら縦及び横方向に並ぶ状態となるように、前記各収容部を互いに所定の間隔を介して連結又は配置して成り、前記各服用回毎の各収容部には各服用回を互いに識別する識別データが表示されている、お薬カレンダー」を利用したゲーム方法であって、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられたゲーム進行部により、各患者の各服用回毎の服薬に関連するゲームが患者側携帯端末で実行されている場合において、前記ゲーム中において患者側が今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、前記ゲームを進行させるゲーム進行ステップと、前記ゲーム進行ステップと同時に又はこれと相前後して、患者側携帯端末又はサーバー側に備えられた服薬管理記録部により、前記ゲーム中において患者側が今回の服用回における服薬に関連して所定の操作又は動作を行ったとき、又はそのことを示す情報に基づいて、患者側が今回の服用回に対応する収容部内の薬剤を服用したと判定し当該服用したことを当該患者と対応付けて記録する服薬記録ステップとを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、患者側が今回の服用回のためにお薬カレンダー中から選択等した収容部に表示されている識別データを読み取り、その読み取った識別データと予め記録したお薬カレンダー中の各収容部に関する情報とに基づいて、当該識別データが表示されている収容部が今回の服用回に対応した適正なものであるかどうかを服用回適合判定部が判定するようにしたので、従来しばしば生じていた、高齢の患者などが今回の服用回に対応していない不適正な収容部を誤って選択して不適正な薬剤を服用してしまうことを、有効に防止できるようになる。
【0015】
また、本発明においては、前記患者側が今回の服用回のためにお薬カレンダー中から選択等した収容部(前記識別データが表示された収容部)が今回の服用回に対応した適正なものであるかどうかを前記服用回適合判定部において判定する際に、もし適正なものではない場合にはそのことを患者側に知らせるようにしたときは、高齢の患者などが今回の服用回に対応していない不適正な収容部を誤って選択して不適正な薬剤を服用してしまうことを、より一層、有効に防止できるようになる。
【0016】
また、本発明においては、前記患者側が今回の服用回のためにお薬カレンダー中から選択等した収容部(すなわち前記識別データが表示された収容部)が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連する所定の動作を行ったとき(例えば、患者側携帯端末のセンサ部(カメラ等)が患者側の実際の服薬に関する動作を自動的に捕捉してゲームアプリ部が前記捕捉した患者側の実際の服薬動作を示す画像等の情報から患者側が実際に正しい服薬をしたと判定したとき)、又は患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、前記ゲーム進行部により、患者側携帯端末において各服用回毎の服薬に関連するゲームを進行又は開始させるようにしたので、各患者は、そのような所定のゲームの進行又は開始に接することにより、毎日の各服用回毎の服薬に対し強い興趣を与えられ、毎日の服薬遵守を強く動機付け又は誘導して習慣付けられるようになる。
【0017】
また、本発明においては、前記患者側が今回の服用回のためにお薬カレンダー中から選択等した収容部(前記識別データが表示された収容部)が今回の服用回に対応した適正なものであることを示す情報(又は前記服用回適合判定部からの出力)、及び/又は、患者側が前記ゲーム中で今回の服用回での服薬に関して所定の操作又は動作を行ったことを示す情報(又は前記ゲーム操作判定部からの出力)に基づいて、前記ゲームをさらに進行等させるようにしたので、各患者は、毎日の各服用回毎の服薬に関しさらに強い興趣を与えられ、毎日の服薬遵守をさらに強く動機付け又は誘導して習慣付けられるようになる。
【0018】
また、本発明においては、前記患者側が今回の服用回のためにお薬カレンダー中から選択等した収容部(前記識別データが表示された収容部)が今回の服用回に対応する適正なものであるとき、患者側が今回の服用回における服薬に関連する所定の動作を行ったとき、又は患者側が今回の服用回における服薬に関連して前記ゲーム中において所定の操作又は動作を行ったとき、前記ゲーム進行部により、前記ゲーム中において仮想キャラクタが育成されるようにしたので、各患者は、そのように仮想キャラクタが成長していくゲーム進行を接することにより、毎日の各服用回毎の正しい服薬に強い興趣を与えられ、毎日の服薬遵守を強く動機付け又は誘導して習慣付けられるようになる。
【0019】
さらにまた、本発明においては、前記のゲーム進行部により仮想キャラクタが育成されるとき、そのような仮想キャラクタが、患者の眼前等にある現実世界の景色等を写し又は撮像した画像中に合成又は表示されるようにしたので、各患者に対して、各服用回毎の服薬に関してより一層強い興趣を与え、服薬遵守への動機付け等をより一層強く与えられるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るお薬カレンダーを利用したゲームシステムの構成の一例を示す概念ブロック図である。
【
図2】本実施形態において利用されるお薬カレンダーの一例を示す図で、(a)はお薬カレンダーの全体を示す平面図、(b)はお薬カレンダーから一個の収容部が分離された状態を示す斜視図、(c)は前記分離された収容部の構造を説明するための斜視図である。
【
図3】本実施形態において各服用回の日時及び時間帯等を設定するときの画面の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態において、患者が今回の服用回のためにお薬カレンダーから選択等した収容部のQRコード(登録商標。以下同じ)を読み取るときの画面の一例を示す図である。
【
図5】(a)はゲームアプリ部が患者が今回の服用回のためにお薬カレンダーから選択等した収容部のQRコードが適正なものではないと判定したときの画面の一例、(b)は患者が今回の服用回のために改めてお薬カレンダーから選択等した収容部のQRコードを読み取るときの画面の一例、(c)はゲームアプリ部が患者が今回の服用回のために改めてお薬カレンダーから選択等した収容部のQRコードが適正なものであると判定したときの画面の一例をそれぞれ示す図である。
【
図6A】ゲーム中において仮想キャラクタが患者の眼前の現実の景色の画像中に合成表示されたときの画面の一例を示す図である。
【
図6B】ゲーム中において仮想キャラクタが患者の眼前の現実の景色の画像中に合成表示されたときの画面の一例を示す図である。
【
図7A】ゲーム中において患者の眼前の現実の景色の画像中に合成表示された仮想キャラクタが、画面中で姿を変えながら成長する様子を示す画面例を示す図である。
【
図7B】ゲーム中において患者の眼前の現実の景色の画像中に合成表示された仮想キャラクタが、画面中で姿を変えながら成長する様子を示す画面例を示す図である。
【
図7C】ゲーム中において患者の眼前の現実の景色の画像中に合成表示された仮想キャラクタが、画面中で姿を変えながら成長する様子を示す画面例を示す図である。
【
図7D】ゲーム中において患者の眼前の現実の景色の画像中に合成表示された仮想キャラクタが、画面中で姿を変えながら成長する様子を示す画面例を示す図である。
【
図7E】ゲーム中において患者の眼前の現実の景色の画像中に合成表示された仮想キャラクタが、画面中で姿を変えながら成長する様子を示す画面例を示す図である。
【
図8】ゲーム中においてステージが進行していく毎に仮想キャラクタが成長、変化していくときのキャラクタの姿を複数例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るお薬カレンダーを利用したゲームシステムの構成の一例を示す概念ブロック図である。
【0022】
図1において、1は各患者が保有するスマートフォン等の携帯端末、2〜11は前記携帯端末1に備えられた各要素であって、2はカメラ(画像センサを含む)等のセンサ部、3はタッチパネル等の操作部、4は出力部としての表示部(なお以下では、音声又は音響等を出力するスピーカ等も便宜上この出力部としての表示部4中に含むものとして説明する)、5は所定のゲーム情報、例えばゲームの進行、ゲームキャラクタ及びその成長後の形態等の様々なゲームに関する情報を記録したゲーム情報記録部である。また
図1において、6は、各患者及びその服薬に関する情報、例えば、各患者の氏名、病名等、各患者が服用する薬剤に関する情報(当該服用すべき薬剤の銘柄、用法、用量、毎日、毎週又は毎月の服用回とその時間帯などの情報)、各患者が服用すべき各服用回毎の薬剤が収容されたお薬カレンダー中の各収容部の服用回情報と前記各収容部に表示されている各識別データ(QRコード等)に関する情報などをも含む様々な各患者及びその服薬に関する情報を記録したユーザー情報記録部である。また、7は、各患者が薬剤を服用すべき日時、曜日及び時間帯等を特定するために必要なカレンダー情報(電波等を介して受信する時計・時刻情報を含む)を記録したカレンダー記録部である。
【0023】
また、
図1において、8は、前記センサ部2からの情報(お薬カレンダー中の各収容部に表示されたQRコードを読み取ることにより得られる各収容部の識別データなど)と前記カレンダー記録部7からの情報と前記ユーザー情報記録部6からの情報(お薬カレンダー中の各収容部の服用回情報と前記各収容部に表示されている各識別データなどの情報。前記ユーザー情報記録部6から後記ゲームアプリ部10を経由して送信された情報を含む。)とに基づいて、患者がこれから服用しようとする薬剤(患者がお薬カレンダー中から選択し分離等した各収容部内の薬剤)が今回の服用回に対応する適正な薬剤かどうかを判定する服用回適合判定部である。また、9は、前記服用回適合判定部8からの情報(前記服用回適合判定部8から後記ゲームアプリ部10を経由して送信された情報を含む。)、前記操作部3からの情報、後記ゲームアプリ部10からの情報、又は前記センサ部2からの情報に基づいて、患者が今回の服用回に対応する適正な服薬をしたかどうかを判定する(さらに服薬したと判定したときはそのことを記録する)服薬判定部である。
【0024】
また、
図1において、10は前記携帯端末1にインストールされたゲームアプリを保存しこれを実行するゲームアプリ部(ゲームアプリを実行する制御部。ゲーム進行部を含む。)である。このゲームアプリ部10は、前記服用回適合判定部8及び/又は前記服薬判定部9からの情報と、前記ゲーム情報記録部5、ユーザー情報記録部6、及び前記カレンダー記録部7からの情報と、後述するサーバー15側からの情報とに基づいて、前記携帯端末1の表示部4において所定のゲームを開始又は進行させる。また
図1において、11は前記ゲームアプリ部10からの情報を後述するサーバー15側に送信したりサーバー15側からの情報を前記ゲームアプリ部10に送信するための通信部である。
【0025】
次に、
図1において、15は前記携帯端末1側とインターネット等のネットワーク12を介して接続されたサーバー、16〜19は前記サーバー15側に備えられた各要素であって、16はゲームの進行及びキャラクタ等の詳細なゲーム関連情報を記録するゲーム関連データベース、17は各ユーザー及びその服薬情報などのユーザー関連情報を記録するユーザー関連データベースである。また、
図1において、18は、前記各患者が保有する携帯端末1側との間で(通信部19及び通信回線12を介して)データを送受信しながら、各患者が保有する携帯端末1側でのゲーム進行を支援したり、前記携帯端末1側から例えば所定時間毎に又はゲーム中の各ステージ毎に送信されてくる各ユーザーの服薬等に関する情報又は各携帯端末1側におけるゲーム進行に関する情報などを受信して、前記各データベース16,17に記録等するゲーム管理進行支援部である。
【0026】
次に本実施形態の動作を
図2〜
図8を参照して説明する。まず
図2は、本実施形態に係るゲームシステムが利用する各患者が保有する、お薬カレンダー21を説明するための平面図である。お薬カレンダー21は、例えば
図2(a)に示すように、図示縦方向に1週間(7日間)の日付と曜日が表示され、図示横方向に朝食後、昼食後、夕食後、寝る前などの1日の中で計4回の各服用回が表示されることにより合計28回の各収容部22が縦横に並べられ配置されて一枚のシート状に形成されている(一枚のシート状なので室内の壁などに掛けることが可能である)。前記各収容部22中には、前記日付、曜日、及び服用回だけでなく、当該各服用回を特定できる識別データを示すQRコード23も、表示されている。また、前記お薬カレンダー21中の各収容部22の間の隙間には、互いの境界線に沿う切り取り線等が形成されているので、各収容部22は、
図2(b)に示すように、互いに容易に分離できるように連結、配置されている。また前記各収容部22は、
図2(c)に示すように、前記収容部22の本体22aから表面側のシール22bを剥ぐことにより、中身の薬剤22cを容易に取り出せるようになっている。
【0027】
図3は、本実施形態において患者がゲームアプリを携帯端末1にインストール又は更新したときなどに行うゲームの設定画面を示す図である。このときは、患者は、携帯端末1の画面上で、まずカレンダーを表示させながら今回の調剤薬局から交付されたお薬カレンダーの対象期間の日付と曜日などを設定する(
図3(a)参照)。次に、患者は、携帯端末1の画面上で、当該対象期間の各日における各服用回の時間帯、例えば、朝なら午前7時から9時、昼なら11時から13時、夕方なら17時から19時、寝る前なら22時から23時などと設定し(
図3(b)参照)、又はいったん設定した日時等を変更する(
図3(c)参照)。なお、上記各服用回の時間帯等は、当初から設定されたものをそのまま利用してもよい。
【0028】
本実施形態では、患者は、各服用回の時間帯になったら、まず、
図2(b)に示すように、今回の服用回に対応する収容部(例えば
図2(b)の左下の収容部22)だけを前記お薬カレンダー21中から選択し切り離し分離させる。そして、患者は、この分離等した収容部22に表示されているQRコード23(
図2(a)参照)を携帯端末1のセンサ部2(カメラ等)を使用して読み取る。
【0029】
図4は、このようにして患者が今回の服用回のためにお薬カレンダー21中から選択、分離した収容部22に表示されたQRコード23(
図2(a)参照)を携帯端末1のセンサ部2で読み取るときの動作を示す図である。すなわち、本実施形態では、患者が携帯端末1中のゲームアプリを起動させると(なお本実施形態では、患者が携帯端末1により前記QRコードの読み取り動作を開始することにより自動的にゲームアプリが起動するようにしてもよい)、ゲームアプリ部10は、画面上で、「お薬のQRコードを読み込んでください」(
図4(a)の符号31参照)というメッセージを表示して、患者に対し、患者が今回の服用のためにお薬カレンダー21中から選択、分離した収容部22に表示されたQRコードをセンサ部2(カメラ等)で読み取るように誘導する(
図4(a)及び(b)参照)。
【0030】
患者が前記ゲームアプリ部10からの前記メッセージ31に応えて、前記センサ部2から、前記分離させた収容部22のQRコードを読み取らせると(
図4(b)の符号32、
図5(a)の符号32参照)、この読み取られたQRコード情報(各収容部毎の識別データ)は、前記センサ部2から(場合により前記ゲームアプリ部10を経由して)前記服用回適正判定部8に送信される。前記服用回適正判定部8は、前記ゲームアプリ部10からの指令等に基づいて、前記受信したQRコード情報(識別データ)を前記ユーザー情報記録部6に記録されている当該患者が服用すべき各服用回毎の収容部に対応する各識別データと照合するなどして、前記の患者が今回の服用のためにお薬カレンダー21中から選択、分離した収容部22が本当に今回の服用回に対応する適正な収容部であるか否かを判定し、その判定結果を前記ゲームアプリ部10に出力する。
【0031】
前記ゲームアプリ部10は、前記の判定において適正な収容部ではないという結果になったときは、例えば、当該QRコードにより特定される日付と時間帯である「2020/10/13 夕」(
図5(a)の符号33参照)を表示すると共に、この日付と時間帯が適正でないことを示す「日にちが違います」などの警告メッセージ(
図5(a)の符号34参照)を画面に表示させ、これにより、患者に対し、今回の服用回に対応する適正な収容部を改めて取り出し(お薬カレンダー21中から選択、分離し)、改めてそのQRコードを読み取るように、促す(誘導する)。
【0032】
図5(b)は、前記ゲームアプリ部10からの前述の警告メッセージ(
図5(a)の符号34参照)等による促し(誘導)に応じて、患者が改めて適正な収容部をお薬カレンダー21中から選択し取り出してそのQRコードを読み取ったときの画面の一例を示すものである。この画面では、患者が改めて読み込んだQRコードに示されている日付と時間帯である「2020/10/07 朝」(
図5(b)の符号33参照)を表示する。そして、前記ゲームアプリ部10は、改めて、この日付と時間帯が適正なものかどうかを判定し、適正な収容部であると判定したときは、
図5(c)に示すように、「服用を記録しました」(
図5(c)の符号35参照)、「残りの薬も忘れずに飲みましょう」(
図5(c)の符号36参照)などの承認メッセージを画面に表示すると共に、ゲームを仮想キャラクタが表示される次のステージへと進行させる。なお、このとき、前記ゲームアプリ部10は、患者が今回の服用回に対応する服薬を済ませたことを前記ユーザー情報記録部6などに記録する(
図5(c)の符号35の「服用を記録しました」というメッセージを参照)と共に、それらの情報をサーバー15側にも送信する。サーバー15側では、前記携帯端末1側から定期的に送信されてくる情報を、前記ユーザー関連データベース17、前記ゲーム関連データベース16などにそれぞれ記録する。
【0033】
前述のように、前記ゲームアプリ部10は、患者がお薬カレンダー21中か選択し分離した収容部22が今回の服用回に対応する適正な収容部であると判定したとき、ゲームを仮想キャラクタが表示される次のステージへと進行させる。具体的には、前記ゲームアプリ部10は、例えば、患者の眼前の現実の景色(患者の携帯端末1のカメラ等で撮像された眼前の現実の景色。例えば患者の眼前に在る床、テーブルなど)の画像(
図6A(a)の符号41参照)上に、「タップして動物を呼んでください」(
図6A(a)の符号42参照)というメッセージを表示する。
【0034】
なお
図6A(a)及び(b)は、仮想キャラクタ45が卵の状態の画面の一例を示している。この卵の状態では「呼ぶ」や「SPハート」のボタン(
図6Aの符号43,44)は使用できない。一定時間後、キャラクタ45は卵から新しい姿へと変化する。さらに患者(ユーザー)が卵のキャラクタに関して「声をかける」ボタンを押すと、仮想キャラクタの姿が変化する(
図6B参照)。
【0035】
仮想キャラクタ45が卵の状態から新しい姿に変化した後、患者が適正に薬を飲んでから画面下方の「SPハート」ボタン(
図7Aの符号44参照)を押すと、仮想キャラクタ45にハート46が与えられる(
図7A参照)。一定時間後、キャラクタ45は別のキャラクタに成長する(
図7B参照)。さらに、患者が
図7Bの画面で「声をかける」ボタンを押すなどすると、キャラクタ45の姿がさらに変化していく(
図7C、
図7D、
図7E参照)。
【0036】
なお、前述のように、前記ゲームアプリ部10は、患者がお薬カレンダー21中から選択、分離した収容部22が今回の服用回に対応する適正なものであると判定したタイミング(
図5(c)の符号35の「服用を記録しました」というメッセージを参照)で患者が今回の服用回における服薬を行ったことを記録するようにしている。しかし、本実施形態では、これとは別の複数のタイミングのいずれかで患者が今回の服用回における服薬を行ったと記録するようにしてもよい。例えば、前記ゲームアプリ部10は、患者の操作部4での操作により、画面41上で、仮想キャラクタ45が「ハート」ボタン(
図7の符合44参照)により「ハート」(
図7Aの符合46参照)を与えられたり、「声をかける」ボタンを押されたり(
図6B、
図7B、
図7C、
図7D、
図7Eなど参照)などしたタイミングで、患者が今回の服用回における服薬を行ったことを記録すると共にそれらの情報をサーバー15側に送信する(サーバー15側ではそれらの情報をユーザー関連データベース17などに記録する)ようにしてもよい。
【0037】
前記ゲームアプリ部10は、上述のように、患者が毎日の各服用回において適正に服薬することを、前記患者がお薬カレンダー21中から選択、分離した収容部22が今回の服用回に対応する適正なものであると判定したタイミング(
図5(c)の符号35の「服用を記録しました」というメッセージを参照)、仮想キャラクタ45がハートを与えられたり(
図7A参照)、「声をかける」ボタンを押されたり(
図6B、
図7B、
図7C、
図7D、
図7Eなど参照)などしたタイミングで、その服用回において正しい服薬が行われたことを記録すると共にそれらの情報をサーバー15側に送信するが、その各タイミング毎に、画面41上の仮想キャラクタ45を徐々に多段階的に(又は連続的に)成育、成長させるようにしている。
図8は、このように徐々に成育されていく仮想キャラクタの複数種類の画像例を示すものである。
【0038】
なお、本実施形態では、患者は服薬の時間にかかわらず、ゲームアプリを起動させてゲーム画面上で仮想キャラクタに水をやったり、掃除したりして管理、育成することができる。他方、本実施形態では、服薬は予め決められた時間帯にしかできないので、患者が服薬を忘れるとゲーム上の仮想キャラクタが徐々に弱ってくるようにしている。患者は、お薬カレンダーの薬剤がほとんど無くなったら、調剤薬局に行って新たなお薬カレンダーの交付を受けるが、その際、ゲームアプリの更新も行い、服薬状況はスマホ内に記録されているため、患者のスマホの服薬状況をスマホ画面上でQRコードにより表示する。このQR情報を薬局のスマホで読み取ることにより、患者の服薬状況を記録することができ、薬局側による適切な服薬指導の支援も可能になる。
【0039】
以上のように、本実施形態においては、前記ゲームアプリ部10が、患者側がお薬カレンダー21中から選択、分離等した収容部22に表示されているQRコード23の情報(各収容部22の識別データ)と前記ユーザー情報記録部6からの情報(各服用回に対応する収容部等の情報)に基づいて、当該分離等された収容部22が今回の服用回に対応した適正なものであるかどうかを判定し、もし適正なものでないときは、そのことを患者側に知らせるようにしたので、従来しばしば生じていた、高齢の患者などが誤って今回の服用回に正しく対応していない不適正な薬剤を服用してしまうことを、有効に防止することができる。また、本実施形態では、前記者側がお薬カレンダー21中から選択、分離等した収容部22が「適正なものではない」場合にはそのことを患者側に知らせるようにした(前述した
図5(a)の「日にちが違います」などの警告メッセージ34を参照)ので、高齢の患者などが今回の服用回に対応していない不適正な収容部を誤って選択して不適正な薬剤を服用してしまうことを、より一層、有効に防止できるようになる。
【0040】
また、本実施形態においては、前記患者側がお薬カレンダー21中から選択、分離等した収容部22が今回の服用回に対応した適正なものであるかどうかを前記ゲームアプリ部10が判定し、もし適正なものであるときは、所定のゲームを進行させるようにしたので、各患者は、そのようにゲームを進行できることにより、毎日の各服用回毎の適正な服薬に関し強い興趣を与えられて、その結果、毎日の服薬遵守を強く動機付けられ又は誘導されるようになる。
【0041】
また、本実施形態においては、前記QRコード23が読み取られた収容部22が適正なものであることを示す情報(又は、前記進行中のゲームに関連して患者が所定の操作等を行った情報、若しくは前述のように患者が所定の操作等を行って仮想キャラクタが成長したことを示す情報など)に基づいて、前記ゲームをさらに進行等させるようにしたので、各患者は、毎日の各服用回毎に必要な服薬の際に、毎日の各服用回毎の適正な服薬に関し強い興趣を与えられるようになり、毎日の服薬遵守を強く動機付けられ又は誘導されるようになる。
【0042】
また、本実施形態においては、前記QRコード23が読み取られた収容部22が適正なものであることが判定され、その後、前記患者の服薬に関連するゲーム中において患者側が所定の操作又は動作を行ったとき、前記ゲームアプリ部10により、前記ゲーム中において仮想キャラクタ45が成長するようにしたので、各患者は、そのような仮想キャラクタが成長するゲーム進行を見て、毎日の各服用回毎の正しい服薬へのより強い興趣を与えられ、毎日の服薬遵守をより強く動機付けられ又は誘導されるようになる。
【0043】
さらに、また、本実施形態においては、前記ゲームアプリ部10により仮想キャラクタ45が育成されるとき、前記仮想キャラクタ45が、患者の眼前の現実世界の景色、例えば床、テーブル等(
図6Aなど参照)を写し又は撮像した画像中において合成され表示されるようにしたので、各患者に対し、正しい服薬へのより強い興趣を与えることができ、服薬遵守への動機付け等をより一層強く与えられるようになる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、前記ゲームアプリ部10は、患者が選択、分離等した収容部22のQRコード23が読み取られてその収容部が適正なものであると判定されたこと、又は患者がゲーム中において例えば画面中の「ハート」のボタン(
図7Aの符号44など参照)を押す操作をしたことなどのような、患者側の様々な動作又は操作に基づいて、患者が今回の服用回に対応する正しい服薬を行ったと判定して記録する(さらに、それらの情報をサーバー15側に送信する)ようにしているが、本発明においては、例えば、携帯端末1のセンサ部(カメラ等)2が患者側の実際の服薬に関する動作を自動的に(又は患者の手動により)捕捉し、前記ゲームアプリ部10が、前記捕捉した患者側の実際の服薬動作を示す画像等の情報に基づいて、患者側が実際に正しい服薬をしたかどうかを認識、判定するようにし、例えば「患者側が今回の服用回における服薬に関連して所定の動作を行った」と画像認識されたとき「患者側が実際に正しい服薬をした」と判定し、適正に服薬したと記録する(さらにサーバー15側にそのことを送信する)と共に、患者側携帯端末において各服用回毎の服薬に関連するゲームを進行又は開始させる(前述のように仮想キャラクタを成長等させる)ようにしてもよい。
また、前記実施形態では、
図1の符合5〜10に示すように、服薬遵守を動機付けるためのゲームを実行するためのアプリケーションソフト(プログラム)、同ゲームの進行のために必要なゲーム関連情報、及びユーザー関連情報の多くを患者側携帯端末1に搭載又は保存し且つ実行するようにしたが、本発明においては、これらのプログラム及びデータの大部分をサーバー(例えばクラウド上のサーバー)に保存し且つゲームアプリの制御、実行もほとんどをサーバー上で行い、患者側の携帯端末1は主として入力及び出力機能だけを行うようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、前記センサ部2(識別データ読取部)が読み取る収容部22に表示された識別データの形態をQRコードとしたが、本発明においては、上記識別コードの形態は、バーコード、文字(数字を含む)列など様々な形態が可能である。
さらに、前記実施形態においては、「前記患者側が今回の服薬のため選択した服用回に対応する収容部が適正なものではないと判定したときそのことを患者側に知らせる報知部」の動作として、前記ゲームアプリ部10が前記「日にちが違います」などの警告メッセージ(
図5(a)の符号34参照)を前記表示部4の画面に表示させることを例示したが、本発明では、このような画面表示だけでなく例えばスピーカからの所定の音声又は音響等を出力して患者側に知らせるようにしてもよい。
【解決手段】お薬カレンダー中から選択された収容部に表示された識別データに基づいて収容部が今回の服用回に対応する適正なものであるか否かを判定等する服用回適合判定部8、又は患者側が服薬に関連するゲーム中で所定の操作等を行ったことを判定するゲーム操作判定部とを備え、さらに、服用回適合判定部又はゲーム操作判定部からの出力に基づいて患者側携帯端末1においてゲームを進行又は開始させるゲーム進行部10と、患者が今回の服用回に対応する正しい服薬を行ったと判定されたときそのことを記録する服薬管理記録部とを備えたシステム、及びこれにより実行される方法である。