(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1絶縁膜の前記第1金属層と接する面の角部、及び前記第2絶縁膜の前記第2金属層と接する面の角部はラウンド状を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品。
前記本体部上に配置され、前記第1及び第2ビアとそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極を含む電極部をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子部品。
前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールを形成する前に、前記絶縁層に前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールを形成するためのパターニングを行う、請求項13に記載の電子部品の製造方法。
前記絶縁層上に、前記第1ビア及び前記第2ビアとそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階をさらに含む、請求項14に記載の電子部品の製造方法。
前記第1エッチング液は、前記第1金属層、第2金属層、及び前記誘電体層のうち前記第1金属層のみを選択的にエッチングする、請求項17に記載の電子部品の製造方法。
前記第1エッチング液は、前記第2金属層及び前記誘電体層をエッチングする速度よりも10倍以上の速度で前記第1金属層をエッチングする、請求項17に記載の電子部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0016】
一方、説明の便宜のために、薄膜キャパシターの構造に基づいて電子部品を説明するが、本発明が必ずしもこれに限定されるものではなく、回路ボードなどに実装または埋め込み可能な他の種類のキャパシター、インダクター、圧電体素子、バリスター、またはサーミスターなどの小型電子部品にも本発明の内容が適用できることは勿論である。
【0017】
図1は一例による電子部品を概略的に示した斜視図である。
【0018】
図2は
図1の電子部品の概略的なI−I'面の切断断面図である。
【0019】
図3は
図2の電子部品のA1領域及びB1領域の概略的な拡大断面図である。
【0020】
図面を参照すると、一例による電子部品10Aは、誘電体層230と、誘電体層230を挟んで配置された第1金属層210及び第2金属層220と、を含む本体部200と、本体部200内に配置され、本体部200を貫通し、且つ第1及び第2金属層210、220とそれぞれ選択的に連結された第1ビア251及び第2ビア252を含むビア部250と、本体部200上に配置され、第1及び第2ビア251、252とそれぞれ連結された第1外部電極301及び第2外部電極302を含む電極部300と、を含む。この際、第1金属層210及び第2金属層220は互いに異なる金属物質を含む。
【0021】
一般に、電子部品、例えば、キャパシター、インダクター、圧電体素子、バリスター、またはサーミスターなどの小型電子部品は、上述のように、誘電体からなる本体と、本体の内部に配置された内部電極と、上記内部電極と接続されるように本体の表面に配置された外部電極と、を備える。この際、内部電極は、通常、誘電体を挟んで本体の任意の互いに異なる二つ以上の面を介して交互に引き出されており、この本体の外面には、交互に引き出された内部電極とそれぞれ連結されるように外部電極がそれぞれ配置される。
【0022】
ところが、このような構造の小型電子部品は、内部電極と誘電体層を一括積層する前に、それぞれの内部電極を誘電体層にパターニングする工程が必要である。この際、それぞれの内部電極は、その度に大気中に取り出してフォトリソグラフィまたはシャドウマスクを用いて形成しなければならない。すなわち、工程が複雑であり、工程コストがやや過度になる恐れがある。
【0023】
また、このような構造の小型電子部品において、内部電極は、通常、誘電体を挟んで本体の任意の互いに異なる二つ以上の面を介して交互に引き出されており、この本体の外面には、交互に引き出された内部電極とそれぞれ連結されるように外部電極がそれぞれ配置されるため、外部電極に印加される応力(Stress)が一方向に集中される恐れがある。これにより、内部電極と外部電極との間で界面剥離が発生し得る。
【0024】
これに対し、一例による電子部品、例えば、薄膜キャパシターは、別のパターニング工程を行うことなく、金属層と誘電体層を一括形成した後、ビアを形成することで、金属層と外部電極とを電気的に連結することができる。また、内部電極を形成するために、その度に大気中に取り出してフォトリソグラフィまたはシャドウマスクを用いてそれぞれの内部電極を形成する必要がない。さらに、別の本体側面加工が不要であるため、チップ(chip)単位でなくウェーハー(wafer)単位の工程が可能である。したがって、工程がより簡単であり、工程コストの低減が可能である。
【0025】
また、一例による電子部品、例えば、薄膜キャパシターは、異種材料の金属層のそれぞれを一つのビアにより連結することができるため、内部電極として用いられる金属層を最小のビアにより外部電極と連結することができる。必要に応じて、後述するようにビアのサイズや数を調節することができ、これにより直流抵抗(ESR)を調節することができるなど、本体内部の設計自由度が非常に高い。
【0026】
また、一例による電子部品、例えば、薄膜キャパシターは、内部電極として用いられる金属層が本体の内部に形成されたビアにより外部電極と連結されるため、外部電極に印加される応力(Stress)が一方向に集中されることなく分散されることができる。したがって、金属層と電極との界面剥離を防止することができる。
【0027】
以下、図面を参照して、一例による電子部品を構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0028】
本体部200は電子部品100の基本形状を提供する。本体部200の形状は特に制限されるものではなく、例えば、図示するように略六面体形状からなることができる。例えば、本体部200は、第1方向に対向する第1面及び第2面、第2方向に対向し、上記第1面と第2面を連結する第3面及び第4面、第3方向に対向し、第1面と第2面を連結する第5面及び第6面を有することができる。焼成過程中における本体部200の物質の焼成収縮により、本体部200が完全な直線からなる六面体形状を有しないこともあり、必要に応じて角部を研磨する工程を行うため、本体部200の角部分が丸みを帯びることもあるが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0029】
本体部200は、基本的に、複数の金属層210、220と、複数の金属層210、220の間に配置される複数の誘電体層230と、を含む。複数の金属層210、220は、互いに異なる金属物質を含む第1金属層210及び第2金属層220を含み、第1金属層210と第2金属層220は誘電体層230を挟んで交互に積層される。複数の誘電体層230は、基本的に第1金属層210と第2金属層220との間に配置されるが、これに限定されるものではなく、第1金属層210の下部または第2金属層220の上部にも配置されることができる。複数の金属層210、220及び複数の誘電体層230の数は特に限定されず、設計事項によって変わることができ、その厚さも設計事項によって変わることができる。
【0030】
本体部200を構成する複数の金属層210、220は、電子部品の内部電極の役割を担う。複数の金属層210、220は、互いに異なる金属物質を含む第1金属層210及び第2金属層220を含む。第1金属層210及び第2金属層220は互いに重なって容量を形成する。第1金属層210及び第2金属層220には、それぞれ第1外部電極301及び第2外部電極302を介して反対極性の電圧が印加される。第1金属層210及び第2金属層220の金属物質が異なる際にのみ、後述する工程で選択的エッチングが可能である。第1金属層210及び第2金属層220の金属物質の組み合わせは、選択的エッチングが可能な組み合わせであれば何れも可能である。
【0031】
第1金属層210及び第2金属層220に用いられることができる金属物質の組み合わせの様々な例を下記表1に示した。このような組み合わせを用いる場合、ビアホールの内部で金属層が選択的に容易にエッチングされる。但し、これは例示に過ぎず、選択的エッチングが可能な組み合わせであれば、この他にも、他の金属層の組み合わせが用いられることができることは勿論である。また、第1金属層210及び第2金属層220が、下記組み合わせで用いられた金属物質以外に、他の金属物質をさらに含んでもよいことは勿論である。
【0033】
本体部200を構成する複数の誘電体層230は、高い誘電率を有するセラミック粉末を含むことができる。この際、セラミック粉末としては、例えば、チタン酸バリウム(BT)系粉末、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)系粉末などを用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の公知のセラミック粉末を用いてもよいことは勿論である。
【0034】
本体部200の最外側、すなわち、最上側には、必要に応じて絶縁層240が配置されることができる。絶縁層240は、金属層210、220を外部から保護する役割を担うとともに、外部電極301、302を形成するためのパターンを提供する役割を担う。絶縁層240としては、絶縁物質を含むものであれば如何なる材料も用いられることができるが、フォトリソグラフィ法を用いるためには、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)物質を含むことが好ましい。
【0035】
本体部200の内部には、本体部200を貫通し、且つ第1金属層210及び第2金属層220とそれぞれ選択的に連結される第1ビア251及び第2ビア252を含むビア部250が配置される。第1ビア251及び第2ビア252はそれぞれ、第1及び第2外部電極301、302と連結される。その結果、第1金属層210、第1ビア251、及び第1外部電極301が電気的に連結される。また、第2金属層220、第2ビア252、及び第2外部電極302が電気的に連結される。第1ビア251は第2金属層220とは電気的に絶縁される。第2ビア252は第1金属層210とは電気的に絶縁される。その結果、第1金属層210、第2ビア252、及び第2外部電極302が電気的に絶縁される。また、第2金属層220、第1ビア251、及び第1外部電極301が電気的に絶縁される。第1ビア251及び第2ビア252の水平断面形状は、特に限定されず、例えば、略互いに同一または異なる直径D
1、D
2を有する円形状であることができるが、これに限定されるものではなく、楕円形状、四角形状などの何れも適用可能である。第1ビア251及び第2ビア252は、導電性物質、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、またはこれらの合金などを含むことができる。
【0036】
本体部200を構成する複数の金属層210、220は、複数の絶縁膜215、225により複数のビア251、252と選択的に絶縁される。例えば、第1金属層210は、第1金属層210と第2ビア252との間に配置された第1絶縁膜215により第2ビア252とは電気的に絶縁される。また、第2金属層220は、第2金属層220と第1ビア251との間に配置された第2絶縁膜225により第1ビア251とは電気的に絶縁される。第1絶縁膜215は、第1金属層210と同一層に配置され、該当層で第2ビア252を囲む。第2絶縁膜225は、第2金属層220と同一層に配置され、該当層で第1ビア251を囲む。第1絶縁膜215の第1金属層210と接する面はラウンド状を有し、例えば、その角部が略半径R
1を有するラウンド状を有することができる。第2絶縁膜225の第2金属層220と接する面もラウンド状を有し、例えば、その角部が略半径R
2を有するラウンド状を有することができる。第1絶縁膜215及び第2絶縁膜225の材質は、特に限定されず、絶縁が可能なものであれば如何なる材質も適用できる。例えば、公知の熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。
【0037】
本体部200の外部には、第1ビア251及び第2ビア252により第1金属層210及び第2金属層220とそれぞれ連結される第1外部電極301及び第2外部電極302を含む電極部300が配置される。第1外部電極301及び第2外部電極302は、本体部200の最上側に配置された絶縁層240上に互いに離隔して配置されることができるが、これに限定されるものではない。第1外部電極301及び第2外部電極302は、導電性物質、例えば、第1ビア251及び第2ビア252と同様に、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、またはこれらの合金などを含むことができ、形成方法によっては、全部または一部が第1ビア251及び第2ビア252と一体化されることもできる。第1外部電極301及び第2外部電極302は、多重層で構成されることもでき、例えば、銅(Cu)層及びニッケル(Ni)/スズ(Sn)層で構成されてもよく、銅(Cu)層、導電性エポキシ(epoxy)樹脂層、及びニッケル(Ni)/スズ(Sn)層で構成されてもよいが、これに限定されるものではない。一方、電子部品10Aの電子機器への適用形態によっては、電極部300が省略された形態や、また他の形態、例えば、本体部200の側面を覆う形態で配置されてもよい。
【0038】
本体部200の外部には、必要に応じて、本体部200を支持する支持部100が配置されることができる。支持部100としては通常の基板100が用いられることができ、基板100は本体部200の最下側に配置されることができる。通常、本体部200は薄膜に形成されるため、電子部品10Aの剛性を維持するために、このような基板100が用いられることができる。基板100の材質は特に制限されず、金属材質であってもよく、セラミック材質であってもよく、ガラス材質であってもよい。大量生産するための目的で、基板100はシリコン(Si)ウェーハー(wafer)であってもよい。
【0039】
図4から
図7は
図1の電子部品の概略的な一製造例を示す。
【0040】
図面を参照すると、一例による電子部品10Aの製造方法は、基板100上に第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220を順に形成する段階と、第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220を貫通する第2ビアホール252Hを形成する段階と、第2ビアホール252Hの内壁のうち、第1金属層210の一部のみを第1エッチング液で選択的にエッチングして第1溝部215Hを形成する段階と、第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220を貫通する第1ビアホール251Hを形成する段階と、第1ビアホール251Hの内壁のうち、上記第1金属層210の一部のみを第2エッチング液で選択的にエッチングして第2溝部225Hを形成する段階と、第1溝部215H及び第2溝部225Hにそれぞれ絶縁物質を満たして第1絶縁膜215及び第2絶縁膜225を形成する段階と、第1ビアホール251H及び上記第2ビアホール252Hを導電性物質で満たして第1ビア251及び第2ビア252を形成する段階と、第1ビア251及び第2ビア252とそれぞれ連結される第1外部電極301及び第2外部電極302を形成する段階と、を含む。
【0041】
以下、図面を参照して一例による電子部品の製造方法を構成する工程についてより詳細に説明するが、上述の内容と重複される内容は省略する。
【0042】
工程1001を参照すると、先ず、基板100を準備する。基板100は大容量サイズのものであることができ、これを用いて、複数の本体部200を同時に形成し、これを個別チップに切断することで、一回の工程により複数の電子部品10Aを製造することもできる。
【0043】
工程1002を参照すると、基板100上に第1金属層210を形成する。第1金属層210は公知の蒸着工程により形成することができる。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)などにより形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0044】
工程1003を参照すると、第1金属層210上に誘電体層230を形成する。誘電体層230は、セラミック粉末を含むスラリーを第1金属層210上に塗布及び乾燥することで形成することができる。または、第1金属層210の形成と同様に、公知の蒸着工程により形成することができる。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)などにより形成することができるが、これに限定されるものではない。必要に応じて、セラミック粉末を含むスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥することで複数個の別のセラミックグリーンシートを製造した後、これらをそれぞれ必要に応じて積層する方法により形成することもできる。
【0045】
工程1004を参照すると、誘電体層230上に第2金属層220を形成する。第2金属層220も公知の蒸着工程により形成することができる。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)などにより形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0046】
工程1005を参照すると、設計事項に応じて、工程1002〜1004を適宜繰り返して、第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220をさらに形成する。図面に図示したものよりも多く形成してもよく、場合によっては、工程1005なしに工程1002〜1004のみにより本体を形成してもよい。
【0047】
工程1006を参照すると、形成された第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220のうち最上側に配置された層上に絶縁層240を形成する。絶縁層240はフォトレジスト層であることができ、必要に応じて、公知のフォトリソグラフィ法により、絶縁層240に第2ビア252を形成するための第2予備ホールパターン242Hを形成することができる。
【0048】
工程1007を参照すると、絶縁層240に形成した第2予備ホールパターン242Hを用いて、第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220を貫通する第2ビアホール252Hを形成する。第2ビアホール252Hは、レーザー及び/または機械的ドリル加工などにより形成することができる。または、第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220を全てエッチングすることができる公知のエッチング液を用いて形成してもよい。その他にも、他の公知の方法により形成することができる。
【0049】
工程1008を参照すると、第1金属層210のみを選択的にエッチングする第1エッチング液を用いて、第2ビアホール252Hの内壁のうち第1金属層210の一部をエッチングして第1溝部215Hを形成する。第1溝部215Hは、第1金属層210が除去されて形成されたものであり、第1金属層210と接する面は、上述のようにラウンド状であることができる。第1金属層210と異なる金属物質を含む第2金属層220及び誘電体層230は実質的にエッチングされない。すなわち、第1エッチング液としては、第1金属層210のみを選択的にエッチングすることができるエッチング液を用いる。選択的エッチングは、金属の性質に応じて決まる。したがって、第1エッチング液としては、上述の第1金属層210と第2金属層220の組み合わせに応じて、市販されている適切なエッチング液を用いることができる。上記第1エッチング液は、上記第2金属層及び上記誘電体層をエッチングする速度よりも遥かに速い速度、例えば、10倍以上の速度で上記第1金属層をエッチングするものであってもよい。
【0050】
工程1009を参照すると、第2予備ホールパターン242H、第2ビアホール252H、及び第1溝部215Hを絶縁層240材料で満たす。第2絶縁層240には、必要に応じて、公知のフォトリソグラフィ法により、第1ビア251を形成するための第1予備ホールパターン241Hを形成することができる。
【0051】
工程1010を参照すると、絶縁層240に形成した第1予備ホールパターン241Hを用いて、第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220を貫通する第1ビアホール251Hを形成する。第1ビアホール251Hは、レーザー及び/または機械的ドリル加工などにより形成することができる。または、第1金属層210、誘電体層230、及び第2金属層220を全てエッチングすることができる公知のエッチング液を用いて形成してもよい。その他にも、他の公知の方法により形成することができる。
【0052】
工程1011を参照すると、第2金属層220のみを選択的にエッチングする第2エッチング液を用いて、第1ビアホール251Hの内壁のうち第2金属層220の一部をエッチングして第2溝部225Hを形成する。第2溝部225Hは、第2金属層220が除去されて形成されたものであり、第2金属層220と接する面は、上述のようにラウンド状であることができる。第2金属層220と異なる金属物質を含む第1金属層210及び誘電体層230は実質的にエッチングされない。すなわち、第2エッチング液としては、第2金属層220のみを選択的にエッチングすることができるエッチング液を用いる。選択的エッチングは、金属の性質に応じて決まる。したがって、第2エッチング液としては、上述の第1金属層210と第2金属層220の組み合わせに応じて、市販されている適切なエッチング液を用いることができる。上記第2エッチング液は、上記第1金属層及び上記誘電体層をエッチングする速度よりも遥かに速い速度、例えば、10倍以上の速度で上記第2金属層をエッチングするものであってもよい。
【0053】
工程1012を参照すると、第1予備ホールパターン241H、第1ビアホール251H、及び第2溝部225Hを絶縁層240材料で満たす。但し、これは選択的な工程であり、必要に応じて省略することができる。
【0054】
工程1013を参照すると、第1予備ホールパターン241H、第2予備ホールパターン242H、第1ビアホール251H、第2ビアホール252H、第1溝部215H、及び第2溝部225Hに満たされた絶縁層240材料を除去する。これは、絶縁層240のみを除去することができる公知のエッチング液を用いて行うことができる。
【0055】
工程1014を参照すると、第1予備ホールパターン241H、第2予備ホールパターン242H、第1ビアホール251H、第2ビアホール252H、第1溝部215H、及び第2溝部225Hを絶縁物質でコーティングした後、第1予備ホールパターン241H、第2予備ホールパターン242H、第1ビアホール251H、及び第2ビアホール252Hに満たされた絶縁物質を除去してから、硬化する方法により、第1溝部215H及び第2溝部225Hを満たす第1絶縁膜215及び第2絶縁膜225を形成する。但し、その他の方法により第1溝部215H及び第2溝部225Hを満たして第1絶縁膜215及び第2絶縁膜225を形成してもよい。
【0056】
工程1015を参照すると、第1予備ホールパターン241H、第2予備ホールパターン242H、第1ビアホール251H、及び第2ビアホール252Hを導電性物質で満たして第1ビア251及び第2ビア252を形成する。第1予備ホールパターン241H、第2予備ホールパターン242H、第1ビアホール251H、及び第2ビアホール252Hを導電性物質で満たす方法としては、特に限定されず、公知の金属ペースト印刷を用いてもよく、公知の金属メッキ工程を用いてもよい。
【0057】
工程1016を参照すると、第1ビア251及び第2ビア252とそれぞれ連結される第1外部電極301及び第2外部電極302を形成する。第1外部電極301及び第2外部電極302も、公知の金属ペースト印刷、または公知の金属メッキ工程により形成することができる。場合によっては、第1ビア251及び第2ビア252と同時に形成してもよいが、これに限定されるものではない。
【0058】
図8は他の一例による電子部品を概略的に示した斜視図である。
【0059】
図9は
図8の電子部品の概略的なII−II'面の切断断面図である。
【0060】
図10は
図9の電子部品のA2領域及びB2領域の概略的な拡大断面図である。
【0061】
図面を参照すると、他の一例による電子部品10Bも、誘電体層230と、誘電体層230を挟んで配置された第1金属層210及び第2金属層220と、を含む本体部200と、本体部200内に配置され、本体部200を貫通し、且つ第1及び第2金属層210、220とそれぞれ選択的に連結された第1ビア251及び第2ビア252を含むビア部250と、本体部200上に配置され、第1及び第2ビア251、252とそれぞれ連結された第1外部電極301及び第2外部電極302を含む電極部300と、を含む。この際、第1金属層210及び第2金属層220は互いに異なる金属物質を含む。
【0062】
以下、図面を参照して他の一例による電子部品を構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、重複される内容は省略する。
【0063】
電子部品10A、10Bは、第1ビア251及び第2ビア252のサイズによって、その直流抵抗(ESR)特性が変わることができる。例えば、他の一例による電子部品10Bは、第1ビア251及び第2ビア252がそれぞれ、一例による電子部品10Aの第1ビア251及び第2ビア252の直径D
1、D
2より大きい直径D
3、D
4を有し、これにより、一例による電子部品10Aの場合に比べて直流抵抗(ESR)が小さくなることができる。これは、直流抵抗(ESR)が内部電極と外部電極との接触面の面積に反比例する傾向を有するためである。すなわち、接触面の面積が増加すると、直流抵抗(ESR)は減少する傾向を有する。本発明では、金属層210、220とビア251、252との接触面の面積が、結局は内部電極と外部電極との接触面であるとみなすことができるため、ビア251、252のサイズに応じて直流抵抗(ESR)を調節することができる。
【0064】
一方、ビア251、252が占める面積が大きくなるほど、第1金属層210及び第2金属層220が重なる面積が小さくなり得る。この点を考慮して、ビアのサイズを適切に制御して本体部200の内部を設計することができる。すなわち、本発明による電子部品は、内部電極の役割を担う金属層210、220と外部電極301、302とをビア251、252により選択的に連結するため、金属層210、220の層数に応じてビア251、252を独立して設計することができる。したがって、所望の設計数値に応じて、直流抵抗(ESR)を容易に調節することができる。
【0065】
その他の構成についての説明は上述のとおりである。例えば、他の一例による電子部品10Bの場合も、第1絶縁膜215及び第2絶縁膜225の第1金属層210及び第2金属層220と接する面がラウンド状を有し、例えば、そのそれぞれの角部が略半径R
3、R
4を有するラウンド状を有することができる。
【0066】
他の一例による電子部品10Bの製造方法は、上述の一例による電子部品10Aの製造方法において、ビア251、252のサイズを調節すること以外は同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0067】
図11は他の一例による電子部品を概略的に示した斜視図である。
【0068】
図12は
図11の電子部品の概略的なIII−III'面の切断断面図である。
【0069】
図13は
図11の電子部品の概略的なIV−IV'面の切断断面図である。
【0070】
図面を参照すると、他の一例による電子部品10Cも、誘電体層230と、誘電体層230を挟んで配置された第1金属層210及び第2金属層220と、を含む本体部200と、本体部200内に配置され、本体部200を貫通し、且つ第1及び第2金属層210、220とそれぞれ選択的に連結された第1ビア251及び第2ビア252を含むビア部250と、本体部200上に配置され、第1及び第2ビア251、252とそれぞれ連結された第1外部電極301及び第2外部電極302を含む電極部300と、を含む。この際、第1金属層210及び第2金属層220は互いに異なる金属物質を含む。
【0071】
以下、図面を参照して他の一例による電子部品を構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、重複される内容は省略する。
【0072】
電子部品10A、10Cは、第1ビア251及び第2ビア252の数によっても直流抵抗(ESR)特性が変わることができる。例えば、他の一例による電子部品10Cは、第1ビア251及び第2ビア252がそれぞれ、一例による電子部品10Aの第1ビア251及び第2ビア252より多数で構成されることができ、これにより、一例による電子部品10Aの場合に比べて直流抵抗(ESR)が小さくなることができる。これは、上述のように、直流抵抗(ESR)が内部電極と外部電極との接触面の面積に反比例する傾向を有するためである。すなわち、接触面の面積が増加すると、直流抵抗(ESR)は減少する傾向を有する。本発明では、金属層210、220とビア251、252との接触面の面積が、結局は内部電極と外部電極との接触面であるとみなすことができるため、ビア251、252の数に応じて直流抵抗(ESR)を調節することができる。
【0073】
一方、ビア251、252の数が多くなるほど、第1金属層210及び第2金属層220が重なる面積が小さくなり得る。この点を考慮して、ビアの数を適切に制御して本体部200の内部を設計することができる。すなわち、上述のように、本発明による電子部品は、内部電極の役割を担う金属層210、220と外部電極301、302とをビア251、252により選択的に連結するため、金属層210、220の層数に応じてビア251、252を独立して設計することができる。したがって、所望の設計数値に応じて、直流抵抗(ESR)を容易に調節することができる。
【0074】
一方、第1ビア251を構成する複数のビアの全てが第1金属層210と選択的に連結される。すなわち、第1ビア251を構成する複数のビアの全てが、それらと第2金属層220との間に第2絶縁膜225が配置されることにより、第2金属層220とは電気的に絶縁される。第2ビア252を構成する複数のビアの全てが第2金属層220と選択的に連結される。すなわち、第2ビア252を構成する複数のビアの全てが、それらと第1金属層210との間に第1絶縁膜215が配置されることにより、第1金属層210とは電気的に絶縁される。第1ビア251を構成する複数のビアの全てが第1外部電極301と連結される。その結果、第1金属層210が様々なルートを介して第1外部電極301と電気的に連結される。第2ビア252を構成する複数のビアの全てが第2外部電極302と連結される。その結果、第2金属層220が様々なルートを介して第2外部電極302と電気的に連結される。
【0075】
その他の構成についての説明は上述のとおりである。例えば、他の一例による電子部品10Cの場合も、第1絶縁膜215及び第2絶縁膜225の第1金属層210及び第2金属層220と接する面がラウンド状を有することができる。
【0076】
他の一例による電子部品10Cの製造方法は、上述の一例による電子部品10Aの製造方法において、ビア251、252の数を調節すること以外は同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0077】
図14は他の一例による電子部品を概略的に示した斜視図である。
【0078】
図15は
図14の電子部品の概略的なV−V'面の切断断面図である。
【0079】
図面を参照すると、他の一例による電子部品10Dも、誘電体層230と、誘電体層230を挟んで配置された第1金属層210及び第2金属層220と、を含む本体部200と、本体部200内に配置され、本体部200を貫通し、且つ第1及び第2金属層210、220とそれぞれ選択的に連結された第1ビア251及び第2ビア252を含むビア部250と、本体部200上に配置され、第1及び第2ビア251、252とそれぞれ連結された第1外部電極301及び第2外部電極302を含む電極部300と、を含む。この際、第1金属層210及び第2金属層220は互いに異なる金属物質を含む。
【0080】
以下、図面を参照して他の一例による電子部品を構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、重複される内容は省略する。
【0081】
電子部品10A〜10Dは、第1外部電極301及び第2外部電極302の配置形態が特に制限されない。例えば、電子部品10A〜10Cのように、第1外部電極301及び第2外部電極302が第1方向を基準として互いに離隔するように配置されてもよく、また、電子部品10Dのように、第1外部電極301及び第2外部電極302が第2方向を基準として互いに離隔するように配置されてもよい。内部設計に応じて、または適用される電子機器の種類に応じて、または電子機器に適用される形態に応じて、このように外部電極301、302の配置形態を変えることができるという利点がある。
【0082】
その他の構成についての説明は上述のとおりである。例えば、他の一例による電子部品10Dの場合も、第1絶縁膜215及び第2絶縁膜225の第1金属層210及び第2金属層220と接する面がラウンド状を有することができる。また、ビア251、252のサイズや数を調節することもできる。
【0083】
他の一例による電子部品10Dの製造方法は上述の一例による電子部品10Aの製造方法において、外部電極301、302の配置形態を調節すること以外は同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0084】
図16は電子部品が実装された回路ボードの一例を概略的に示した断面図である。
【0085】
一例による電子部品が実装された回路ボードは、回路ボード30と、回路ボード30上に実装された集積回路素子(IC)20と、回路ボード30上に実装された電子部品10と、を含む。回路ボード30には、回路パターン31、32が形成されており、これらにより集積回路素子20と電子部品10とが電気的に連結される。
【0086】
以下、図面を参照して一例による電子部品が実装された回路ボードを構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、重複される内容は省略する。
【0087】
回路ボード30は公知のプリント回路ボード(PCB:Printed Circuit Board)であることができる。例えば、電子機器のメインボード、パッケージのインターポーザー基板などであることができるが、これに限定されるものではない。第1回路パターン31はグランドパターン(GND)であり、第2回路パターン32はパワー(Power)パターンであることができる。電子部品10は、例えば、キャパシターであって、集積回路素子20のグランド及びパワーネットワークのノイズ(Noise)を除去することができるが、これに限定されるものではない。上述の電子部品が実装された回路ボードは様々な例示の一例に過ぎず、本発明の電子部品10が、これと類似した他の形態で回路ボード30上に実装されて多様に用いられることができることは勿論である。
【0088】
図17は電子部品が埋め込まれた回路ボードの一例を概略的に示した断面図である。
【0089】
一例による電子部品が埋め込まれた回路ボードは、回路ボード30と、回路ボード30上に実装された集積回路素子(IC)20と、回路ボード30内に埋め込まれた電子部品10と、を含む。回路ボード30には回路パターン31、32が形成されており、これらにより集積回路素子20と電子部品10とが電気的に連結される。
【0090】
以下、図面を参照して一例による電子部品が埋め込まれた回路ボードを構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、重複される内容は省略する。
【0091】
回路ボード30は同様に公知のプリント回路ボード(PCB:Printed Circuit Board)であることができる。例えば、電子機器のメインボード、パッケージのインターポーザー基板などであることができるが、これに限定されるものではない。第1回路パターン31はグランドパターン(GND)であり、第2回路パターン32はパワー(Power)パターンであることができる。電子部品10は、上記のように回路ボード30内に埋め込まれており、例えば、キャパシターであって、集積回路素子20のグランド及びパワーネットワークのノイズ(Noise)を除去することができるが、これに限定されるものではない。上述の電子部品が埋め込まれた回路ボードは様々な例示の一例に過ぎず、本発明の電子部品10が、これと類似した他の形態で回路ボード30に埋め込まれて多様に用いられることができることは勿論である。
【0092】
図18は電子部品が実装された半導体パッケージの一例を概略的に示した断面図である。
【0093】
一例による電子部品が実装された半導体パッケージは、半導体パッケージ50と、半導体パッケージ上に表面実装(SMT:Surface Mount Technology)された電子部品10と、を含む。半導体パッケージ50は基本的に半導体チップ51を含み、電子部品10は半導体パッケージ50上に実装されてその半導体チップ51と電気的に連結される。電子部品10は、公知のモールディング材料、例えば、エポキシモールディング物質(EMC:Epoxy Molding Compound)などにより封止されて保護されることができる。
【0094】
以下、図面を参照して一例による電子部品が実装された半導体パッケージを構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、重複される内容は省略する。
【0095】
半導体パッケージ50は、半導体チップ51の電極パッドを再分配して電子機器の回路ボードに実装または埋め込むためのものであって、半導体チップ51は、図面のようにフェイスダウン(face−down)の形態でパッケージされてもよく、図面と異なってフェイスアップ(face−up)の形態でパッケージされてもよい。電子部品10は、半導体パッケージ50の再配線層と連結されて半導体チップ51と電気的に連結されており、例えば、キャパシターであって、半導体チップ51のグランド及びパワーネットワークのノイズ(Noise)を除去することができるが、これに限定されるものではない。上述の電子部品が実装された半導体パッケージは様々な例示の一例に過ぎず、本発明の電子部品10が、これと類似した他の形態で半導体パッケージ50に実装されて多様に用いられることができることは勿論である。
【0096】
図19は電子部品が実装された半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0097】
他の電子部品が実装された半導体パッケージは、第1半導体パッケージ50と、第1半導体パッケージ50上に積層された第2半導体パッケージ60と、第1半導体パッケージ50の下面に表面実装(SMT:Surface Mount Technology)された電子部品10と、を含む。第1半導体パッケージ50及び第2半導体パッケージ60は基本的に第1半導体チップ51及び第2半導体チップ61を含み、電子部品10は、第1半導体パッケージ50の下面に実装され、その第1半導体チップ51及び/または第2半導体チップ61と電気的に連結される。
【0098】
以下、図面を参照して他の一例による電子部品が実装された半導体パッケージを構成するそれぞれの構成についてより詳細に説明するが、重複される内容は省略する。
【0099】
第1半導体パッケージ50及び第2半導体パッケージ60はそれぞれ、第1半導体チップ51及び第2半導体チップ61の電極パッドを再分配して電子機器の回路ボードに実装または埋め込むためのものであって、第1半導体チップ51及び第2半導体チップ61は、フェイスダウン(face−down)の形態でパッケージされてもよく、フェイスアップ(face−up)の形態でパッケージされてもよい。電子部品10は、第1半導体パッケージ50の再配線層と連結されて第1半導体チップ51及び/または第2半導体チップ61と電気的に連結されており、例えば、キャパシターで、半導体チップ51のグランド及びパワーネットワークのノイズ(Noise)を除去することができるが、これに限定されるものではない。
【0100】
第1半導体チップ51は、セントラルプロセッサー(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサー(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサー、暗号化プロセッサー、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサーチップなどであることができ、第2半導体チップ61は、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップであることができるが、これに限定されるものではない。
【0101】
上述の電子部品が実装された半導体パッケージは様々な例示の一例に過ぎず、本発明の電子部品10が、これと類似した他の形態で半導体パッケージ50に実装されて多様に用いられることができることは勿論である。
【0102】
本発明で用いられた上部、上面、上側などは、便宜のために、第3方向において支持部の基板から離れる方向を基準として用い、下部、下面、下側などは、便宜のために、第3方向において支持部の基板に向く方向を基準として用いた。また、側部、側面などは、便宜のために、第1方向または第2方向の任意の方向を基準として用いた。但し、これは説明の便宜のために方向を定義したものであって、特許請求の範囲がこの方向についての記載により特に限定されるものではないことは勿論である。
【0103】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
本願によれば、以下の各項目もまた開示される。
[項目1]
誘電体層と、上記誘電体層を挟んで配置された第1金属層及び第2金属層と、を含む本体部と、
上記本体部内に配置され、上記本体部を貫通し、且つ上記第1及び第2金属層とそれぞれ選択的に連結された第1ビア及び第2ビアを含むビア部と、を含み、
上記第1及び第2金属層は互いに異なる金属物質を含む、電子部品。
[項目2]
上記本体部は、
上記第1金属層と上記第2ビアとの間に配置された第1絶縁膜と、
上記第2金属層と上記第1ビアとの間に配置された第2絶縁膜と、をさらに含む、項目1に記載の電子部品。
[項目3]
上記第1ビアは、上記第2絶縁膜により上記第2金属層と電気的に絶縁され、
上記第2ビアは、上記第1絶縁膜により上記第1金属層と電気的に絶縁される、項目2に記載の電子部品。
[項目4]
上記第1絶縁膜は、上記第1金属層と同一層に配置され、上記第2ビアを囲み、
上記第2絶縁膜は、上記第2金属層と同一層に配置され、上記第1ビアを囲む、項目2または3に記載の電子部品。
[項目5]
上記第1絶縁膜の上記第1金属層と接する面の角部、及び上記第2絶縁膜の上記第2金属層と接する面の角部はラウンド状を有する、項目2〜4のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目6]
上記第1及び第2金属層はそれぞれ、
アルミニウム(Al)及び銅(Cu)、クロム(Cr)及び銅(Cu)、クロム(Cr)及び金(Au)、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)、銅(Cu)及びクロム(Cr)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)、銅(Cu)及びチタン(Ti)、銅(Cu)及びタングステン(W)、金(Au)及びクロム(Cr)、金(Au)及びチタン(Ti)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)、ニッケル(Ni)及びチタン(Ti)、チタン(Ti)及び銅(Cu)、チタン(Ti)及び金(Au)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)、チタン(Ti)及びタングステン(W)、タングステン(W)及び銅(Cu)、タングステン(W)及びチタン(Ti)、またはチタン(Ti)及びニッケル(Ni)を含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目7]
上記誘電体層は、
チタン酸バリウム(BT)系セラミック粉末及びチタン酸バリウムストロンチウム(BST)系セラミック粉末の少なくとも一つを含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目8]
上記本体部上に配置され、上記第1及び第2ビアとそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極を含む電極部をさらに含む、項目1〜7のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目9]
上記本体部は、
上記本体部の最外側に配置された絶縁層をさらに含み、
上記第1及び第2外部電極は上記絶縁層上に互いに離隔して配置される、項目8に記載の電子部品。
[項目10]
上記本体部の一側に配置され、上記本体部を支持する基板を含む支持部をさらに含む、項目1〜9のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目11]
上記電子部品は薄膜キャパシターであり、
上記第1及び第2金属層はそれぞれ第1内部電極及び第2内部電極である、項目1〜10のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目12]
上記本体部を貫通する第1及び第2ビアは互いに異なるサイズを有する、項目1〜11のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目13]
上記第1ビアは、上記第1及び第2金属層と上記誘電体層とを貫通し、且つ上記第1金属層と電気的に連結された複数のビアを含み、
上記第2ビアは上記第1及び第2金属層と上記誘電体層とを貫通し、且つ上記第2金属層と電気的に連結された複数のビアを含む、項目1〜12のいずれか一項に記載の電子部品。
[項目14]
基板上に、第1金属層、誘電体層、及び第2金属層を順に形成する段階と、
上記第1金属層、上記誘電体層、及び上記第2金属層を貫通する第2ビアホールを形成する段階と、
上記第2ビアホールの内壁のうち、上記第1金属層の一部のみを第1エッチング液で選択的にエッチングして第1溝部を形成する段階と、
上記第1金属層、上記誘電体層、及び上記第2金属層を貫通する第1ビアホールを形成する段階と、
上記第1ビアホールの内壁のうち、上記第2金属層の一部のみを第2エッチング液で選択的にエッチングして第2溝部を形成する段階と、
上記第1溝部及び上記第2溝部にそれぞれ絶縁物質を満たして第1絶縁膜及び第2絶縁膜を形成する段階と、
上記第1ビアホール及び上記第2ビアホールを導電性物質で満たして第1ビア及び第2ビアを形成する段階と、を含む、電子部品の製造方法。
[項目15]
上記第1金属層、上記誘電体層、及び上記第2金属層のうち最外側に形成された層上に絶縁層を形成する段階をさらに含み、
上記第1ビアホール及び上記第2ビアホールを形成する前に、上記絶縁層に上記第1ビアホール及び上記第2ビアホールを形成するためのパターニングを行う、項目14に記載の電子部品の製造方法。
[項目16]
上記絶縁層上に、上記第1ビア及び上記第2ビアとそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極を形成する段階をさらに含む、項目15に記載の電子部品の製造方法。
[項目17]
上記第1及び第2金属層はそれぞれ、
アルミニウム(Al)及び銅(Cu)、クロム(Cr)及び銅(Cu)、クロム(Cr)及び金(Au)、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)、銅(Cu)及びクロム(Cr)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)、銅(Cu)及びチタン(Ti)、銅(Cu)及びタングステン(W)、金(Au)及びクロム(Cr)、金(Au)及びチタン(Ti)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)、ニッケル(Ni)及びチタン(Ti)、チタン(Ti)及び銅(Cu)、チタン(Ti)及び金(Au)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)、チタン(Ti)及びタングステン(W)、タングステン(W)及び銅(Cu)、タングステン(W)及びチタン(Ti)、またはチタン(Ti)及びニッケル(Ni)を含む、項目14〜16のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
[項目18]
基板上に、互いに異なる物質を含む第1金属層及び第2金属層をその間に配置される誘電体層とともに順に形成する段階と、
上記第1金属層、第2金属層、及び誘電体層を貫通する第1ビアホールを形成する段階と、
上記第1金属層と上記第1ビアホールとの間に第1絶縁膜を形成する段階と、
上記第1ビアホールを導電性物質で満たして上記第1金属層、第2金属層、及び誘電体層を貫通し、且つ上記第2金属層と電気的に連結され、上記第1絶縁膜によって上記第1金属層と絶縁される第1ビアを形成する段階と、を含む、電子部品の製造方法。
[項目19]
上記第1金属層と上記第1ビアホールとの間に第1絶縁膜を形成する段階は、
第1エッチング液を用いて、上記第1ビアホールの内壁のうち上記第1金属層の一部をエッチングして第1溝部を形成する段階と、
上記第1溝部を絶縁物質で満たして上記第1絶縁膜を形成する段階と、を含む、項目18に記載の電子部品の製造方法。
[項目20]
上記第1エッチング液は、上記第1金属層、第2金属層、及び上記誘電体層のうち上記第1金属層のみを選択的にエッチングする、項目19に記載の電子部品の製造方法。
[項目21]
上記第1エッチング液は、上記第2金属層及び上記誘電体層をエッチングする速度よりも10倍以上の速度で上記第1金属層をエッチングする、項目19に記載の電子部品の製造方法。
[項目22]
上記第1金属層、第2金属層、及び誘電体層を貫通する第2ビアホールを形成する段階と、
第2エッチング液を用いて、上記第2ビアホールの内壁のうち上記第2金属層の一部をエッチングして第2溝部を形成する段階と、
上記第2溝部を絶縁物質で満たして第2絶縁膜を形成する段階と、
上記第2ビアホールを導電性物質で満たして上記第1金属層、第2金属層、及び誘電体層を貫通し、且つ上記第1金属層と電気的に連結され、上記第2絶縁膜によって上記第2金属層と絶縁される第2ビアを形成する段階と、をさらに含む、項目19〜21のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。