(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のゴム混練装置は、第2室の反応ガスの濃度を把握することができない。このため、第2室の反応ガスの濃度が、結露しない低濃度であったとしても、第2室が換気されてしまうため、排気コストが増大するという問題があった。
【0007】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ゴム材料の濡れを防ぎつつ、換気コストを最小限に抑えうるゴム混練装置及びゴム混練方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ゴム材料を回転するロータで混練りするための第1室と、混練りされた前記ゴム材料が供給される第2室とを具えたゴム混練装置であって、前記第2室内の反応ガスの濃度を測定する測定手段と、前記第2室の前記反応ガスの濃度に基づいて、前記第2室を換気する換気手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る前記ゴム混練装置において、前記換気手段は、前記反応ガスの濃度が予め定められた濃度以上である場合に、前記第2室を換気するのが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記ゴム混練装置において、前記換気手段は、前記反応ガスの濃度が前記予め定められた濃度未満である場合に、前記第2室の換気を停止するのが望ましい。
【0011】
本発明に係る前記ゴム混練装置において、前記換気手段は、前記反応ガスの濃度が高いほど、換気量を大きくするのが望ましい。
【0012】
本発明に係る前記ゴム混練装置において、前記反応ガスは、エタノール又はメタノールであるのが望ましい。
【0013】
本発明に係る前記ゴム混練装置において、前記換気手段は、前記第2室の上部に設けられているのが望ましい。
【0014】
本発明は、原料ゴムと、シリカと、カップリング剤とを含むゴム材料を混練りするための方法であって、前記原料ゴム、前記シリカ及び前記カップリング剤を第1室に投入して混練りする工程と、混練りした前記ゴム材料を、第2室に供給する工程と、前記第2室内の反応ガスの濃度を測定する工程と、前記反応ガスの濃度に基づいて、前記第2室を換気する換気工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る前記ゴム混練方法において、前記換気工程は、前記反応ガスの濃度が予め定められた濃度以上である場合に、前記第2室を換気するのが望ましい。
【0016】
本発明に係る前記ゴム混練方法において、前記換気工程は、前記反応ガスの濃度が前記予め定められた濃度未満である場合に、前記第2室の換気を停止する工程を含むのが望ましい。
【0017】
本発明に係る前記ゴム混練方法において、前記換気工程は、前記反応ガスの濃度が高いほど、換気量を大きくする工程を含むのが望ましい。
【0018】
本発明に係る前記ゴム混練方法において、前記反応ガスは、エタノール又はメタノールであるのが望ましい。
【0019】
本発明に係る前記ゴム混練方法において、前記換気工程は、前記第2室の上部に設けられた換気手段が用いられるのが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本願の第1の発明のゴム混練装置は、混練りされたゴム材料が供給される第2室内の反応ガスの濃度を測定する測定手段と、第2室の反応ガスの濃度に基づいて、第2室を換気する換気手段とを含んでいる。これにより、本願の第1の発明のゴム混練装置は、例えば、第2室の反応ガスの濃度が、結露する濃度になった場合のみ換気することができるため、ゴム材料の濡れを防ぎつつ、換気コストを最小限に抑えうる。
【0021】
本願の第2の発明のゴム混練方法は、混練りしたゴム材料が供給された第2室内の反応ガスの濃度を測定する工程と、反応ガスの濃度に基づいて、第2室を換気する換気工程とを含んでいる。これにより、本願の第2の発明のゴム混練方法は、例えば、第2室の反応ガスが、結露する濃度になった場合のみ換気することができるため、ゴム材料の濡れを防ぎつつ、換気コストを最小限に抑えうる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、ゴム混練装置の一例を模式的に示す図である。ゴム混練装置1は、タイヤ等のゴム製品の製造に用いられるゴム材料を混練りするためのものである。本実施形態のゴム混練装置1は、ゴム材料2に剪断力を付与して混練りするマスター練りを行うためのバンバリーミキサーとして構成されている。ゴム混練装置1は、第1室3、第2室4、測定手段5及び換気手段6を含んで構成されている。
【0024】
ゴム材料2は、原料ゴムと、シリカと、カップリング剤とを含んでいる。原料ゴムとしては、例えば、天然ゴム、並びに、ブタジエンゴム又はスチレンブタジエンゴム等の合成ゴムが挙げられる。シリカは、ゴムの補強やヒステリシスロスを減少させる観点から配合されるものである。カップリング剤は、原料ゴムとシリカとを結合させるために配合されるものである。本実施形態のカップリング剤は、シランカップリング剤である場合が例示される。
【0025】
第1室3は、ゴム材料を混練りするためのものである。第1室3は、第1ケーシング11によって区画されている。本実施形態の第1室3は、2つの円周面を連ねた断面ひょうたん状に形成されている。
【0026】
本実施形態の第1ケーシング11には、縦孔12、投入口13、排出口14、フローティングウェイト15及びロータ16が設けられている。
【0027】
縦孔12は、第1室3の上くびれ部に接続されている。投入口13は、第1室3の上方で開口しており、縦孔12に接続されている。この投入口13には、例えば、搬入コンベヤ7で搬送された原料ゴム、シリカ及びカップリング剤が投入される。
【0028】
排出口14は、第1室3の下くびれ部に形成されている。この排出口14には、開閉可能なドロップドア17が設けられている。このドロップドア17の開放により、混練りされたゴム材料2が、排出口14を介して、第2室4に排出される。
【0029】
フローティングウェイト15は、縦孔12内に配置されている。フローティングウェイト15は、縦孔12に沿って上下方向に昇降可能に支持されている。このフローティングウェイト15の下降により、第1室3内のゴム材料2が加圧される。これにより、第1室3は、ロータ16による撹拌効率、及び、混練効率を向上させうる。
【0030】
ロータ16は、第1室3内で回転可能に設けられている。本実施形態の第1室3には、一対のロータ16、16が設けられている。これにより、第1室3は、第1ケーシング11と、一対のロータ16、16との間の空間で、ゴム材料2を混練する空間が区画される。
【0031】
各ロータ16、16は、図示しないモータ等によって、互いに同方向、又は、逆方向に回転駆動される。各ロータ16、16は、円筒状の基部16aと、基部16aから第1ケーシング11の内周面に向かってのびる少なくとも一つの翼部16bとを含んで構成されている。このような翼部16bにより、ゴム材料2を撹拌しながら混練するのに役立つ。
【0032】
このような第1室3は、フローティングウェイト15で加圧し、かつ、ロータ16、16を回転させることによって、シリカ及びカップリング剤を含むゴム材料2を混練りすることができる。
【0033】
第2室4は、第1室3の下方に設けられた第2ケーシング18によって区画されている。第2室4の上部は、第1室3の排出口14に接続されている。第2室4は、ドロップドア17が開放されることにより、第1室3で混練りされたゴム材料2が供給される。
【0034】
本実施形態の第2室4には、スクリューフィーダ21の投入口21aが設けられている。投入口21aは、第1室3の排出口14の下方に位置している。これにより、第2室4に供給されたゴム材料2は、投入口21aに投入される。スクリューフィーダ21は、投入口21aに投入されたゴム材料2を長尺体に成形するスクリュー21bを有している。このスクリュー21bの回転により、第2室4に供給されたゴム材料2は、尺体に成形され、かつ、次の工程に搬送される。
【0035】
測定手段5は、第2室4内の反応ガス(図示省略)を測定するためのものである。本実施形態の測定手段5は、例えば、反応ガスの濃度を検出可能な半導体式ガスセンサとして構成されている。本実施形態の測定手段5は、第2室4内の上部側に設けられているが、このような態様に限定されない。測定手段5は、第2室4内において、反応ガスが滞留しやすい場所に配置されるのが望ましい。
【0036】
反応ガスは、第1室3で混練りされたゴム材料2の反応によって発生するものである。本実施形態の反応ガスとしては、シリカとカップリング剤との反応によって発生するエタノール又はメタノールである場合が例示される。
【0037】
ゴム材料2の反応(シリカとカップリング剤との反応)は、ゴム材料2が第2室4に供給された後も継続する。このため、第2室4の反応ガスの濃度は、ゴム材料2が供給されてから次の工程に搬送されるまでの間、漸増する傾向にある。また、第2室4内の反応ガスの濃度が一定の濃度以上になると、反応ガスが第2室4内で結露する。このような結露により、第2室4のゴム材料2が濡れるため、スクリューフィーダ21のスクリュー21b等に滑りを生じさせ、次の工程へと搬送できないという問題がある。本実施形態の測定手段5は、時々刻々と変化する反応ガスの濃度を把握するのに役立つ。
【0038】
本実施形態の換気手段6は、第2室4を換気するためのものである。換気手段6は、ダクト6aと、ファン6bとを含んで構成されている。ダクト6aは、筒状に形成されている。ダクト6aの一端は、第2ケーシング18の上部に設けられた孔部19に接続されている。ダクト6aの他端は、第1室3及び第2室4の外側の空間に接続されている。ファン6bは、第2室4を負圧にするためのものである。
【0039】
このような換気手段6は、第2室4を負圧にすることにより、反応ガスを含む第2室4内の空気を排出することができる。負圧となった第2室4には、例えば、第2室4に設けられた開口(図示省略)等から空気が供給される。これにより、換気手段6は、第2室4を換気することができるため、第2室4内の反応ガスの濃度を低下させることができる。従って、換気手段6は、第2室4内で反応ガスが結露するのを防ぐことができるため、ゴム材料2の濡れを防ぎうる。
【0040】
図2は、制御手段22の一例を示す概念図である。制御手段22は、CPU(中央演算装置)からなる演算部23と、制御手順が予め記憶されている記憶部24と、記憶部24から制御手順を読み込む作業用メモリ25とを含んで構成されている。
【0041】
本実施形態の演算部23には、測定手段5が接続される。これにより、制御手段22は、第2室4の反応ガスの濃度が伝達されうる。また、演算部23には、換気手段6のファン6bが接続されている。これにより、制御手段22は、ファン6bに信号を伝達することにより、換気の開始及び停止のタイミング、並びに、第2室4の換気量を制御することができる。このような制御手段22により、換気手段6は、反応ガスの濃度に基づいて、第2室4を換気することができる。
【0042】
次に、ゴム材料(原料ゴムと、シリカと、カップリング剤とを含む)を混練するためのゴム混練方法について説明する。本実施形態のゴム混練方法では、
図1及び
図2に示したゴム混練装置1が用いられる。
図3は、ゴム混練方法の一例を示すフローチャートである。
【0043】
本実施形態のゴム混練方法は、先ず、原料ゴム、シリカ及びカップリング剤を、第1室3(
図1に示す)に投入して混練りする(工程S1)。工程S1では、
図1に示されるように、従来のゴム混練方法と同様の手順で行われる。本実施形態の工程S1では、先ず、フローティングウェイト15を上昇させた状態(2点鎖線で示す)で、搬入コンベヤ7等で搬送された原料ゴム、シリカ及びカップリング剤を、ゴム混練装置1の投入口13に投入する。これにより、原料ゴム、シリカ及びカップリング剤が、第1室3に供給される。なお、原料ゴム、シリカ及びカップリング剤の投入量については、第1室3の大きさや、求められるゴム材料2の物性値等に基づいて、適宜設定される。
【0044】
次に、工程S1では、フローティングウェイト15を下降させ、第1室3内に投入されたゴム材料2(原料ゴム、シリカ及びカップリング剤)を加圧する。次に、工程S1では、一対のロータ16、16を回転させる。これにより、工程S1では、第1室3において、ゴム材料2を混練りすることができる。なお、一対のロータ16、16の回転スピード、及び、回転時間(即ち、混練時間)等については、適宜設定される。
【0045】
次に、本実施形態のゴム混練方法は、混練りしたゴム材料2を、第2室4に供給する(工程S2)。工程S2では、先ず、第1室3のドロップドア17を開放する(2点鎖線で示す)。これにより、工程S2は、混練りしたゴム材料2を、第1室3の排出口14を介して、第2室4に供給することができる。第2室4に供給されたゴム材料2は、スクリューフィーダ21の投入口21aに投入される。
【0046】
次に、本実施形態の工程S2では、スクリューフィーダ21のスクリュー21bを回転させる。これにより、工程S2では、ゴム材料2の搬送が開始される。
【0047】
次に、本実施形態のゴム混練方法は、第2室4内の反応ガスの濃度を測定する(工程S3)。工程S3では、先ず、測定手段5によって、第2室4内の反応ガスの濃度が測定される。測定手段5で測定された反応ガスの濃度は、制御手段22の演算部23に伝達され、作業用メモリ25に記憶される。
【0048】
次に、本実施形態のゴム混練方法は、反応ガスの濃度に基づいて、第2室4を換気する(換気工程S4)。
図4は、換気工程S4の一例を示すフローチャートである。
【0049】
本実施形態の換気工程S4では、先ず、反応ガスの濃度が予め定められた濃度(以下、単に「第1濃度」ということがある。)以上であるか否かが判断される(工程S41)。工程S41では、工程S3で測定された(作業用メモリ25に記憶された)反応ガスの濃度、及び、記憶部24に予め記憶されている第1濃度に基づいて、制御手段22が判断している。第1濃度については、適宜設定することができる。本実施形態の第1濃度は、第2室4内において、反応ガスが結露し始める濃度に設定される。
【0050】
工程S41において、反応ガスの濃度が第1濃度以上であると判断された場合(工程S41で、「Y」)、第2室4において、反応ガスが結露する可能性がある。このため、第2室4を換気する工程S42が行われる。
【0051】
工程S42では、先ず、制御手段22が、換気手段6のファン6bを回転させる。これにより、換気工程S4では、第2室4を換気することができるため、第2室4内の反応ガスの濃度を低下させることができる。従って、第2室4において、反応ガスが結露するのを防ぐことができるため、ゴム材料2の濡れを防ぐことができる。これにより、ゴム材料2の濡れに起因するスクリュー21b及びカレンダーロール(図示省略)の滑りを防ぐことができる。
【0052】
本実施形態の換気手段6は、第2室4の上部に設けられている。これにより、第2室4の上部側に反応ガスが集められるため、ゴム材料2が配置される第2室4の下方側において、反応ガスが結露するのを効果的に防ぐことができる。従って、ゴム材料2の濡れをより確実に防ぐことができる。
【0053】
工程S42では、反応ガスの濃度が高いほど、換気手段6の換気量を大きくしてもよい。これにより、工程S42では、高濃度の反応ガスを迅速に低下させることができる。なお、本実施形態の換気量の調節は、制御手段22によって行われている。
【0054】
工程S41において、反応ガスの濃度が第1濃度未満であると判断された場合(工程S41で、「N」)、第2室4において、反応ガスが結露しないと推定できる。このため、第2室4が換気されている場合、第2室4の換気を停止する工程S43が行われる。工程S43では、制御手段22が、換気手段6のファン6bを停止させて、第2室4の換気を停止している。
【0055】
このように、本実施形態の換気工程S4では、第2室4の反応ガス濃度が、第1濃度(即ち、反応ガスが結露し始める濃度)以上である場合のみ、第2室4が換気されるため、ゴム材料2の濡れを防ぎつつ、換気コストを最小限に抑えることができる。
【0056】
次に、本実施形態のゴム混練方法は、第2室4にゴム材料2が存在するか否かが判断される(工程S5)。ゴム材料2が存在するか否かの判断は、例えば、第2室4に設けられたセンサー(図示省略)を用いて行われうる。工程S5において、第2室4にゴム材料2が存在すると判断された場合(工程S5において、「Y」)、工程S3、換気工程S4及び工程S5が再度実施される。他方、第2室4にゴム材料2が存在しない(即ち、全てのゴム材料2が搬送された)と判断された場合(工程S5において、「N」)、本実施形態のゴム混練方法の一連の処理が終了する。
【0057】
このように、本実施形態のゴム混練方法は、ゴム材料2が第2室4内に存在している間、時々刻々と変化する反応ガスの濃度に基づいて、第2室4の換気又は換気の停止を切り替えながら行われる。従って、ゴム混練方法は、ゴム材料2の濡れを確実に防ぎつつ、換気コストを効果的に抑えることができる。
【0058】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。これまでの実施形態では、制御手段22によって、第2室4が換気される態様が例示されたが、オペレータによって実施されてもよい。
【実施例】
【0059】
図1に示されるように、ゴム材料を回転するロータで混練りするための第1室と、混練りされたゴム材料が供給される第2室とを有するゴム混練装置が用いられ、原料ゴムと、シリカと、カップリング剤とを含むゴム材料を混練りされた(実施例、比較例1及び比較例2)。
【0060】
実施例のゴム混練装置は、第2室内の反応ガスの濃度を測定する測定手段と、第2室を換気する換気手段とが設けられた。そして、実施例では、混練りしたゴム材料を第2室に供給した後、反応ガスの濃度に基づいて、第2室を換気する換気工程が行われた。
【0061】
比較例1のゴム混練装置は、測定手段及び換気手段が設けられていなかった。そして、比較例1では、第2室を換気することなく、混練りしたゴム材料が第2室に供給された。比較例2のゴム混練装置は、換気手段が設けられたが、測定手段が設けられなかった。そして、比較例2では、第2室を常時換気させた状態で、混練りしたゴム材料が供給された。
【0062】
実施例及び比較例1において、20個分のゴム材料が混練され、ゴム材料の品質のバラツキ(σ/Xber)が評価された。さらに、実施例及び比較例2において、20個分のゴム材料が混練され、換気コストが評価された。共通仕様は、次のとおりである。
ゴム材料:
原料ゴム(SBR):旭化成ケミカルズ(株)製のE15
シリカ:デグサジャパン(株)製のVN3
シランカップリング剤:デグサジャパン(株)製のSi266
第2室の容積:4.0m
3
換気手段のファンの風量:2m
3/min
テストの結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
テストの結果、実施例は、比較例1に比べて、ML、MH、T10、VIS、及び、STについて、ゴム材料の品質のバラツキを小さくすることができた。これは、実施例が、ゴム材料の濡れによるエタノール等の混入を防げたことによる。また、比較例1では、ゴム材料の濡れを除去するために、ゴム材料の1回の搬送に2分の時間ロスが生じた。従って、実施例は、比較例1に比べて、ゴム材料の濡れを防ぎつつ、生産性を向上させることができた。
【0065】
なお、ML、MH及びT10は、JIS K6300−2に準拠し、JSR社製のキュラストメーターを用いて、測定温度160℃にて、ゴム材料の加硫試験を行ない、時間とトルクとを測定した加硫速度曲線(例えば
図4参照。)に基づいて求められる。MLは、加硫速度曲線のトルクの最小値である。MHは、硫速度曲線のトルクの最大値である。T10は、最大値MHと最小値MLとの差(MH−ML)をMEとしたとき、トルクがML+0.1MEに到達するまでの時間である。
【0066】
VISは、(株)島津製作所製のムーニー試験機を用いて、1分間予熱した後、回転開始4分経過後のトルクである。STは、ムーニー粘度が最小値から10Mまで上昇したときの時間(スコーチタイム)である。
【0067】
また、実施例は、比較例2に比べて、換気コストを大幅に低減することができた。従って、実施例は、ゴム材料の濡れを防ぎつつ、換気コストを最小限に抑えることができた。