(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852312
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1347 20060101AFI20210322BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20210322BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
G02F1/1347
G09F9/00 336F
G09F9/00 324
G02F1/1335 510
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-167576(P2016-167576)
(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公開番号】特開2018-36350(P2018-36350A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅基
(72)【発明者】
【氏名】縄田 優
【審査官】
横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−158174(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0739868(KR,B1)
【文献】
米国特許第05537236(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1347
G02F 1/1335
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両速度を表示する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの後方に配設されたLCDパネル及びバックライトを有する表示器と、前記液晶表示パネルの後方に配設され、前記液晶表示パネルを照明する発光素子と、前記表示器及び前記発光素子を駆動するマイコンと前記発光素子とが搭載された回路基板と、を備えた車両用液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セルと、前記液晶セルの前面に貼着された前側偏光部材と、前記液晶セルの後面に貼着された後側偏光部材と、を有すると共に、
前記後側偏光部材は、前記表示器に対応した切欠き部を有することを特徴とする車両用液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示パネルを備えた液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる液晶表示装置は、複数の表示パネルを並設したものであり、各々の表示パネルには各種情報が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−52732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した液晶表示装置は、複数の表示パネルが離間して配置されており、並設された複数の表示パネルと表示パネルとの間には何も表示されないため、一体感に乏しいという問題を有していた。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、複数の表示パネルを備え、且つ、一体感がある液晶表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
車両速度を表示する液晶表示パネル30と、前記液晶表示パネル30の後方に配設されたLCDパネル及びバックライトを有する表示器10と、前記液晶表示パネル30の後方に配設され、前記液晶表示パネル30を照明する発光素子22と、
前記表示器10及び前記発光素子22を駆動するマイコン80と前記発光素子22とが搭載された回路基板20と、を備えた
車両用液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネル30は、一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セル31と、前記液晶セル31の前面に貼着された前側偏光部材32と、前記液晶セル31の後面に貼着された後側偏光部材33と、を有すると共に、
前記後側偏光部材33は、前記表示器10に対応した切欠き部33bを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第一の表示パネルと第二の表示パネルが、正面視で重なるように配設されるため、液晶表示装置に一体感がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】同上実施形態を示す液晶表示パネルの分解斜視図。
【
図6】同上他の実施形態を示す液晶表示パネルの分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面に基づいて、本発明を車両用表示装置に適用した一実施形態を説明する。車両用表示装置は、表示器(第二の表示パネル)10,回路基板20,液晶表示パネル(第一の表示パネル)30,保護パネル部材40,インナーケース50,ハウジング60を備えている。
【0010】
表示器10は、TFT型LCDパネル及びバックライトを有するLCDモジュールからなるものである。表示器10は、ハウジング60に収容されており、回路基板20の前面に固定されている。表示器10には、ナビゲーション情報等の車両情報が表示される。表示器10の画面は、保護パネル部材40及び液晶表示パネル30を透して視認される。
【0011】
回路基板20は、ガラスエポキシ樹脂からなる基材に銅箔からなる配線パターンを形成したものであり、発光素子22及びマイコン80が搭載されている。回路基板20はインナーケース50の後面に保持されると共に、ハウジング60に収納されている。
【0012】
液晶表示パネル30は、車両速度を表示する車速表示部30aと、エンジン回転数を表示する回転数表示部30bと、を有している。車速表示部30aは、車両速度をデジタル表示する。回転数表示部30bは、エンジン回転数に応じて伸長するバーグラフになっている。液晶表示パネル30は、可撓性配線部材(図示しない)にて回路基板20に電気的に接続される。液晶表示パネル30の車速表示部30a及び回転数表示部30bは、回路基板20に搭載された発光素子22によって透過照明される。
【0013】
保護パネル部材40は、平板形状の透光性樹脂からなるものである。保護パネル部材40は、上ケース61に固定されている。インナーケース50は、液晶表示パネル30を支持する周壁部51と、発光素子22が発した照明光を反射させる照明室52とを有している。インナーケース50は、白色の樹脂からなるものであり、ハウジング60に収容されている。インナーケース50の後面には、回路基板20が保持される。ハウジング60は、黒色の樹脂からなるものであり、上ケース61と下ケース62とを備えている。ハウジング60の上ケース61には、液晶表示パネル30を視認するための開口部61aが形成されている。上ケース61は、図示しない弾性係止片によって、下ケース62に係止されている。
【0014】
図4は、車両用表示装置の電気的構成を示すブロック図である。マイコン80は、CPU81,不揮発性メモリ82,揮発性メモリ83を有している。不揮発性メモリ82は、例えばフラッシュメモリからなるものであり、揮発性メモリ83は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)からなるものである。
【0015】
速度センサ91は、車両速度を検出し、マイコン80に速度データを出力する。回転センサ92は、エンジンの回転数を検出し、マイコン80に回転数データを出力する。マイコン80は、不揮発性メモリ82に格納されている所定のプログラムに基づいて、表示器10,液晶表示パネル30,発光素子22を駆動する。
【0016】
次に、液晶表示パネル30について更に詳述する。液晶表示パネル30は、液晶セル31に前側偏光部材32及び後側偏光部材33を貼着したセグメント型LCDパネルからなるものである。液晶セル31は、一対の透光性基板に液晶を封入したものである。前側偏光部材32は、液晶セル31の前面に貼着されている。後側偏光部材33は、液晶セル31の後面に貼着されている。後側偏光部材33は、表示器10に対応する矩形の切欠き部33bを有しており、略L字形状になっている。
【0017】
本実施形態は、表示パネル30と、液晶表示パネル30の後方に配設された表示器10と、を備えた液晶表示装置であって、液晶表示パネル30は、一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セル31と、液晶セル31の前面に貼着された前側偏光部材32と、液晶セル31の後面に貼着された後側偏光部材33と、を有すると共に、後側偏光部材33は、表示器10に対応した切欠き部33bを有するものであり、液晶表示パネルと表示器が、正面視で重なるように配設されるため、液晶表示装置に一体感がある。
【0018】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、
図5及び
図6に示す他の実施形態のように、液晶表示パネル30の中央下側に表示器10を配置しても良い。また、表示器(第二の表示パネル)10は、例えば、有機EL表示パネルや、蛍光表示管であっても良い。
【符号の説明】
【0019】
10 表示器(第二の表示パネル)
22 発光素子
30 液晶表示パネル(第一の表示パネル)
31 液晶セル
32 前側偏光部材
33 後側偏光部材
33b 切欠き部