特許第6852333号(P6852333)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6852333進行方向推定装置、進行方向推定方法及び進行方向推定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852333
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】進行方向推定装置、進行方向推定方法及び進行方向推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20210322BHJP
   G01C 21/16 20060101ALI20210322BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   G01C21/26 P
   G01C21/16
   G08G1/005
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-189515(P2016-189515)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2018-54414(P2018-54414A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 佳嗣
【審査官】 藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−098137(JP,A)
【文献】 特開2015−190850(JP,A)
【文献】 特開2012−168004(JP,A)
【文献】 特開2014−224715(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0305856(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 〜 21/36
G01C 23/00 〜 25/00
G08G 1/00 〜 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方向推定装置であって、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得し、前記進行方向推定装置の移動量を推定するとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得し、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得した前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得し、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得し、
前記加速度センサの出力結果により前記進行方向推定装置の姿勢の変化を検出した場合、前記基準進行方向情報を取得する際の、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間隔を示す第1の時間間隔を、前記第1の時間間隔より縮めた第2の時間間隔に設定することを特徴とする進行方向推定装置。
【請求項2】
前記制御部は、
所定対象期間内における前記複数の加速度信号による加速度ベクトル群を、前記鉛直方向と直交する水平面に射影し、
前記加速度ベクトル群における、前記鉛直方向に直交する水平面上に射影した場合に、前記基準進行方向情報の方向に対する角度が予め設定された範囲内となる方向にある複数の加速度ベクトルに対して、前記各加速度ベクトルの長さを重み付けとした加重平均化を行い、
前記加重平均化により求められたベクトルの方向を示す情報を前記移動方向情報として取得することを特徴とする請求項1に記載の進行方向推定装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向推定装置の姿勢変化を検出し、
前記進行方向推定装置の前記姿勢変化を検出したときに、前記基準進行方向情報を取得するとともに、前記移動方向情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の進行方向推定装置。
【請求項4】
進行方向推定装置における進行方向推定方法であって、
前記進行方向推定装置は、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、を備え、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得し、前記進行方向推定装置の移動量を推定するとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得し、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得した前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得し、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得し、
前記加速度センサの出力結果により前記進行方向推定装置の姿勢の変化を検出した場合、前記基準進行方向情報を取得する際の、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間隔を示す第1の時間間隔を、前記第1の時間間隔より縮めた第2の時間間隔に設定することを特徴とする進行方向推定方法。
【請求項5】
進行方向推定装置における進行方向推定プログラムであって、
前記進行方向推定装置は、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、を備え、
コンピュータに、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得させ、前記進行方向推定装置の移動量を推定させるとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得させ、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による前記測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得させた前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得させ、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得させ、
前記加速度センサの出力結果により前記進行方向推定装置の姿勢の変化を検出した場合、前記基準進行方向情報を取得する際の、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間隔を示す第1の時間間隔を、前記第1の時間間隔より縮めた第2の時間間隔に設定させることを特徴とする進行方向推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進行方向推定装置、進行方向推定方法及び進行方向推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行を行っている人の位置及び移動軌跡を推定する手法として、デッドレコニング(PDR)が知られている。これは既知の初期値に対する変動(移動量)を推定する手法である。このデッドレコニングを行う場合には、加速度センサを有する装置を人に装着して、その加速度センサから得られる加速度信号に基づいて変動を推定することになるが、この場合に、移動距離だけでなく、進行方向も推定する必要がある。
人の歩行は1歩1歩で加速と減速を繰り返す運動となっているため、その加減速の変化を捉えて進行方向を推定することができ、例えば特許文献1には水平成分(人の前後左右)の加速度信号のピークを検出し、ピーク時の水平方向の加速度成分を用いることで、進行方向を推定する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−302419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている手法では、歩行動作中においても装置が、人が静止していた時の姿勢を保持していることが前提となっているため、歩行動作中に装置の装着方法や装着向き等が変わってしまった場合、どの方向のベクトルが前方(順方向)なのか判定し難いという問題があった。
そこで、本発明の課題は、前方を推定可能とし、結果として、進行方向の推定精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、
進行方向推定装置であって、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得し、前記進行方向推定装置の移動量を推定するとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得し、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得した前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得し、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得し、
前記加速度センサの出力結果により前記進行方向推定装置の姿勢の変化を検出した場合、前記基準進行方向情報を取得する際の、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間隔を示す第1の時間間隔を、前記第1の時間間隔より縮めた第2の時間間隔に設定することを特徴とする。
また、本発明に係る進行方向推定方法は、
進行方向推定装置における進行方向推定方法であって、
前記進行方向推定装置は、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、を備え、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得し、前記進行方向推定装置の移動量を推定するとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得し、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得した前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得し、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得し、
前記加速度センサの出力結果により前記進行方向推定装置の姿勢の変化を検出した場合、前記基準進行方向情報を取得する際の、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間隔を示す第1の時間間隔を、前記第1の時間間隔より縮めた第2の時間間隔に設定することを特徴とする。
また、本発明に係る進行方向推定プログラムは、
進行方向推定装置における進行方向推定プログラムであって、
前記進行方向推定装置は、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、を備え、
コンピュータに、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得させ、前記進行方向推定装置の移動量を推定させるとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得させ、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による前記測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得させた前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得させ、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得させ、
前記加速度センサの出力結果により前記進行方向推定装置の姿勢の変化を検出した場合、前記基準進行方向情報を取得する際の、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間隔を示す第1の時間間隔を、前記第1の時間間隔より縮めた第2の時間間隔に設定させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、前方を推定可能とし、結果として、進行方向の推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明を適用した一実施形態の進行方向推定装置100の概略構成を示すブロック図である。
図2】進行方向推定処理を示すフローチャートである。
図3】移動方向とデバイス座標系の関係を示す図である。
図4】(a)はワールド座標系における基準進行方向を示す図であり、(b)はデバイス座標系における真北方向を示す図である。
図5】デバイス座標系における基準進行方向(前方)と、デバイス座標系における真北方向との関係を表した図である。
図6】デバイス座標系における進行方向の取得方法を説明する図である。
図7】本実施形態の進行方向推定装置による進行方向推定処理を採用した測位により描かれた軌跡と、従来の歩行者自律航法を採用した測位により描かれた軌跡と、GPS単独の測位により描かれた軌跡とを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
本実施形態の進行方向推定装置100は、例えば、登山等の屋外での行動軌跡を記録したり、ルート案内をしたりするアウトドア機器(いわゆるGPSロガーやナビゲーション装置)である。
【0009】
図1は、本発明を適用した一実施形態の進行方向推定装置100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、進行方向推定装置100は、CPU11と、操作部12と、RAM13と、測位部14と、加速度センサ15と、地磁気センサ16と、記憶部17と、表示部18と、通信部19とを備える。進行方向推定装置100の各部は、バス20を介して接続されている。
【0010】
CPU11は、進行方向推定装置100の各部を制御する制御部である。CPU11は、記憶部17に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、当該プログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0011】
操作部12は、電源のON/OFFを切り替える電源ボタン(図示省略)、データ取得の開始/停止を指示する開始/停止ボタン(図示省略)等を備えており、この操作部12からの指示に基づいてCPU11は各部を制御するようになっている。
【0012】
RAM13は、揮発性のメモリであり、各種のデータやプログラムを一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0013】
測位部14は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信された信号を受信して、進行方向推定装置100が存在する現在位置を測位する(GPS測位)。すなわち、測位部14は、例えば、地球低軌道に打ち上げられている複数のGPS衛星から送信される信号(例えば、C/A(Coarse and Acquisitions)コードやP(Precise)コード等の測位符号、アルマナック情報(概略軌道情報)やエフェメリス情報(詳細軌道情報)等の航法メッセージなど)を所定のタイミングで受信アンテナ(図示省略)により受信する。そして、測位部14は、受信アンテナにより受信された信号に基づいて、例えば、3次元測位モードで進行方向推定装置100の3次元の現在位置(緯度、経度、高さ)を測定する測位処理を行う。
【0014】
加速度センサ15は、互いに直交する3軸方向の加速度をそれぞれ検出する。そして、加速度センサ15は、検出された各軸の加速度の検出データをCPU11に出力する。
【0015】
地磁気センサ16は、互いに直交する3軸方向の地磁気を検出して、3軸方向の地磁気の大きさを地磁気情報として取得する。そして、地磁気センサ16は、取得した地磁気情報を検出データとしてCPU11に出力する。なお、加速度センサ15の3軸方向と地磁気センサ16の3軸方向とは互いに同じ方向に設定されており、この3軸は進行方向推定装置100に予め設定されたデバイス座標系を構成している。
【0016】
記憶部17は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。特に、記憶部17には、進行方向推定プログラム171が記憶されている。
【0017】
表示部18は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、CPU11から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0018】
通信部19は、例えば、USB端子などの有線式の通信部や、WiFiなどの無線LAN規格を採用した通信部である。
【0019】
次に、図2を参照して、進行方向推定装置100で実行される進行方向推定処理を説明する。進行方向推定装置100において、操作部12を介して、ユーザから進行方向推定処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11が、記憶部17から読み出して適宜RAM13に展開した進行方向推定プログラム171との協働で、進行方向推定処理を実行する。
なお、進行方向推定処理が実行される際、進行方向推定装置100は、図3に示すように、ユーザUの所定の位置(例えば、右胸の位置)に装着あるいは携帯されていて、ユーザUが歩行又は走行により移動を行っているときに、ユーザUとともに移動するように設けられている。
【0020】
先ず、CPU11は、ユーザUが移動中に、所定時間(例えば、4秒間)の間、加速度センサ15から所定のサンプリングタイミング毎に検出データを取得し、取得した複数の検出データに基づき鉛直方向ベクトルを示す情報を取得する(ステップS1)。なお、加速度センサ15による検出データに基づいて鉛直方向ベクトルを示す情報を取得する処理は、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0021】
次いで、CPU11は、ステップS1で取得した加速度センサ15からの複数の検出データに基づき、ユーザの歩幅と歩数を取得し、この歩幅と歩数を掛け合わせることによって、ユーザの移動量を推定する(ステップS2)。
【0022】
次いで、CPU11は、地磁気センサ16からの検出データに基づき、デバイス座標系における基準軸(例えば、図3に示すy軸)に対する真北方向NLを示す情報を取得する(ステップS3)。具体的には、CPU11は、地磁気センサ16からの検出データに基づき地磁気ベクトルの情報を取得する。そして、CPU11は、取得された地磁気ベクトルを、ステップS1で取得した鉛直ベクトルを示す情報に基づく鉛直方向に直交する水平面に射影した際の射影ベクトルを示す情報を取得する。地磁気ベクトルは、水平面に対して俯角を有するためである。そして、CPU11は、取得された射影ベクトルの、デバイス座標系における基準軸に対する方向(磁北方向)と、その場所の偏角に基づいて、デバイス座標系における真北方向を示す情報を取得する。なお、進行方向推定装置100がジャイロセンサを更に備えている場合には、CPU11は、当該ジャイロセンサから取得した検出データを更に組み合わせて、デバイス座標系における真北方向を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0023】
次いで、CPU11は、ユーザUの大局的進行方向を基準進行方向(前方)SLとし、この基準進行方向SLのデバイス座標系の基準軸に対する角度φbaseを示す情報を取得する(ステップS4)。具体的には、CPU11は、ユーザUが移動中に、第1の時刻に測位部14により測位された測位データと、第1の時刻より後の第2の時刻に測位部14により測位された測位データと、に基づき、第1の時刻に進行方向推定装置100がある位置から第2の時刻に進行方向推定装置100がある位置に向かう方向であって、ユーザUの大局的進行方向である、基準進行方向SLの、ワールド座標系における大局的真北方向に対する角度θbase(後述)を示す情報を取得する。また、CPU11は、地磁気センサ16からの検出データと、ステップS2で推定された移動量とに基づき、第1の時刻と第2の時刻の間の、大局的真北方向NLの、デバイス座標系の基準軸に対する角度Ψbase(後述)を示す情報を取得する。そして、CPU11は、取得されたθbaseとΨbaseを、φbase=θbase+Ψbaseの式に当てはめることにより、基準進行方向SLのデバイス座標系の基準軸に対する角度φbaseを示す情報を取得する。
【0024】
ここで、ワールド座標系の大局的真北方向に対する基準進行方向SLの角度θbase(以下、単にθbaseと称す)について説明する。
ユーザUが移動中に、第1の時刻に測位部14により測位される第1の位置30をGPS基準位置として取得し、ユーザが第1の位置30から移動した後、第2の時刻に測位部14により測位された第2の位置31を取得する。そして、θbaseは、図4(a)に示すように、第1の位置30から第2の位置31に向かう方向がワールド座標系の大局的真北方向となす角度である。ここで、第1の位置30と第2の位置31との間の直線距離は一定距離以上離れていることが好ましい。第1の位置30と第2の位置31との間の距離を一定距離以上離すことで、測位部14による測位の誤差の影響を少なくすることができるためである。なお、一定距離の基準は、採用する測位部14の位置誤差レベルや、当該進行方向推定処理の結果を用いるアプリケーションに応じて適宜設定変更可能である。
なお、CPU11は、θbaseを示す情報を、互いに一定距離以上離れた位置において測位部14により測位が行われて位置データが取得される度に取得して、その情報を随時更新していく。
【0025】
次に、デバイス座標系の基準軸に対する大局的真北方向の角度Ψbase(以下、単にΨbaseと称す)について説明する。
Ψbaseは、θbaseの取得に用いられた第1の時刻と第2の時刻での「真北方向軌跡」における2点間の方向である。ここで「真北方向軌跡」とは、図4(b)に示すように、上述したGPS基準位置(第1の位置30)から、ステップS3で取得されたデバイス座標系における真北の方向と、ステップS2で推定された移動量とに基づいて描いた軌跡のことを言う。すなわち、Ψbaseは、第1の位置から、第2の時刻で、ステップS2で推定された第1の位置30からの移動量だけ第1の位置30から進んで、ステップS3で取得された真北方向にある第3の位置32に向かう方向がデバイス座標系における基準軸(y軸)となす角度である。
【0026】
図5は、φbase、θbase、Ψbaseの関係を表した図である。
ここで、φbaseとΨbaseはデバイス座標系であり、θbaseはワールド座標系であるが、ワールド座標系の真北方向がデバイス座標系における真北方向NLに一致するとして、相互の関係を示している。
【0027】
次いで、CPU11は、デバイス座標系における基準進行方向(前方)SLが確定済であるか否か、すなわちステップS4において、デバイス座標系における基準進行方向(前方)SLの取得が終了しているか否かを判定する(ステップS5)。
【0028】
ステップS5において、デバイス座標系における基準進行方向(前方)SLが確定済であると判定された場合(ステップS5;YES)、CPU11は、確定済である基準進行方向SLを示す情報に基づいて、図3に示す、デバイス座標系における方向Sを示す情報を取得する(ステップS6)。具体的には、CPU11は、ステップS1で取得した鉛直ベクトルを示す情報に基づいて取得した水平面に、第1の時刻と第2の時刻との間の、所定の対象期間内(例えば、1秒以内)にサンプリングタイミング毎に取得された複数の加速度データによる加速度ベクトル群のデータを射影する。そして、当該加速度ベクトル群の各々のデバイス座標系における基準軸(y軸)に対する角度を示す情報を取得する。そして、CPU11は、取得された各々の角度のうち、当該角度が基準進行方向SLの方向に近い複数の加速度ベクトル(例えば、水平面に射影された加速度ベクトルの向きの基準進行方向SLの方向に対する角度が所定の角度範囲(例えば、±90°)内となる複数の加速度ベクトル;図6(a)参照)の各々について、加速度ベクトルの長さを重み付けとした加重平均化を行い、その加重平均化により求められたベクトルの、デバイス座標系の基準軸に対する角度φを示す情報を取得する。そして、取得した角度φを移動方向Sのデバイス座標系の基準軸に対する角度とする(図3参照)。この角度φを示す情報の取得を対象期間毎に行う。これにより、直進だけでなく、例えば、前方への斜め歩き等のイレギュラーな進行方向も広く捉えることができる。また、取得した基準進行方向SLの精度が多少悪くても、正しい進行方向を得られやすい。
そして、CPU11は、ステップS8へ移行する。
【0029】
また、ステップS5において、デバイス座標系における基準進行方向(前方)SLが確定済でないと判定された場合(ステップS5;NO)、CPU11は、従来法によりデバイス座標系における移動方向を示す情報を取得する(ステップS7)。例えば、CPU11は、従来の歩行者自律航法によりデバイス座標系における移動方向を示す情報を取得する。そして、CPU11は、ステップS8へ移行する。なお、従来の歩行者自律航法は、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0030】
次いで、CPU11は、ワールド座標系の真北方向に対する移動方向Sの角度θ(図3参照)を示す情報を取得する(ステップS8)。具体的には、CPU11は、ステップS6又はステップS7で取得されたデバイス座標系における移動方向Sを示す情報と、ステップS3で取得されたデバイス座標系における真北方向を示す情報と、に基づいて、Ψをワールド座標系の真北方向とデバイス座標系の基準軸との間の角度として、θ=φ−Ψの式に当てはめることにより、ワールド座標系の真北方向に対する移動方向Sの角度θを示す情報を取得する。
そして、CPU11は、ステップS1へ戻り、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0031】
次に、本実施形態の進行方向推定処理の精度を検証するため、当該進行方向推定処理を採用した歩行者自律航法による測位と、当該進行方向推定処理を採用していない従来の歩行者自律航法による測位と、GPS単独での測位とを比較した結果を、図7を用いて説明する。
【0032】
図7は、本実施形態の進行方向推定処理を採用した歩行者自律航法(以下、実施例と称す)による測位で描かれた軌跡と、従来の歩行者自律航法(以下、比較例と称す)による測位で描かれた軌跡と、GPS単独の測位で描かれた軌跡とを示している。
図7に示すように、比較例による測位で描かれた軌跡に比べて、実施例による測位で描かれた軌跡の方がGPS単独の測位で描かれた軌跡に近いことが認められた。
つまり、実施例による測位と比較例による測位とでは、本実施形態の進行方向推定処理を行っているか否かという点だけが異なっていることから、従来の進行方向推定処理に比べて、本実施形態の進行方向推定処理の精度が向上しているといえる。
【0033】
以上のように、本実施形態の進行方向推定装置100にあっては、進行方向推定装置100の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサ15と、進行方向推定装置100の位置を測位する測位部14と、地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサ16と、制御部(CPU11)と、を備える。そして、進行方向推定装置100は、進行方向推定装置100が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得し、進行方向推定装置100の移動量を推定するとともに、地磁気情報及び鉛直方向情報に基づいて、進行方向推定装置100に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得し、進行方向推定装置100が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、第1の時刻及び第2の時刻での測位部14による測位の結果と、第1の時刻及び第2の時刻で取得した真北方向情報と、に基づいて、第1の時刻での進行方向推定装置100の位置から第2の時刻での進行方向推定装置100の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得し、第1の時刻と第2の時刻との間の対象期間内における進行方向推定装置100のデバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の加速度信号と、基準進行方向情報と、に基づいて取得する。
【0034】
このため、本実施形態の進行方向推定装置100によれば、基準進行方向情報を取得する際に、加速度センサ15から取得した加速度信号に加え、地磁気センサ16からの地磁気情報と、測位部14による測位データとを利用して基準進行方向情報を取得するので、道の状況や、歩き方、自装置の装着場所等の影響を受け難くすることができる。
従って、本実施形態の進行方向推定装置100によれば、安定した基準進行方向情報の取得を行うことができる。
【0035】
また、本実施形態の進行方向推定装置100にあっては、所定対象期間内における複数の加速度信号による加速度ベクトル群を、鉛直方向と直交する水平面に射影し、加速度ベクトル群における、鉛直方向に直交する水平面上に射影した場合に、基準進行方向の方向に対する角度が予め設定された範囲内となる方向にある複数の加速度ベクトルに対して、各加速度ベクトルの長さを重み付けとした加重平均化を行い、加重平均化により求められたベクトルの方向を示す情報を移動方向情報として取得する。
このため、本実施形態の進行方向推定装置100によれば、ユーザが単に直進する場合だけでなく、前方へ斜め歩きを行う等のイレギュラーな進行方向も精度良く取得することができる。また、取得した基準進行方向情報の精度が多少悪い場合であっても、移動方向情報を精度良く取得することができる。
【0036】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0037】
例えば、上記実施形態では、進行方向推定処理のステップS6において、移動方向Sを取得する際、加重平均化する加速度ベクトルのデバイス座標系における基準軸に対する角度の範囲を、基準進行方向SLに対する角度が±90°となる範囲としたが、これに限定されるものではない。例えば、この角度の範囲を、基準進行方向SLに対する角度が±135°程度となる範囲にしてもよい。
【0038】
また、CPU11が、例えば加速度センサ15から取得した加速度信号に基づいて、自装置の姿勢変化を検出する姿勢変化検出機能を有するようにしてもよい。そして、進行方向推定装置100のCPU11は、上記姿勢変化検出機能によって、自装置の姿勢変化を検出したときに、上述した基準進行方向情報を取得するとともに、移動方向情報を取得するようにしてもよい。かかる場合、上述した基準進行方向情報を取得する際の第1の時刻と第2の時刻との間の時間を縮めることによって、自装置の姿勢変化後の状態における基準進行方向情報を早期に取得することができるので、当該基準進行方向情報の取得の性能を向上させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0040】
〔付記〕
<請求項1>
進行方向推定装置であって、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得し、前記進行方向推定装置の移動量を推定するとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得し、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得した前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得し、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得することを特徴とする進行方向推定装置。
<請求項2>
前記制御部は、
所定対象期間内における前記複数の加速度信号による加速度ベクトル群を、前記鉛直方向と直交する水平面に射影し、
前記加速度ベクトル群における、前記鉛直方向に直交する水平面上に射影した場合に、前記基準進行方向の方向に対する角度が予め設定された範囲内となる方向にある複数の加速度ベクトルに対して、前記各加速度ベクトルの長さを重み付けとした加重平均化を行い、
前記加重平均化により求められたベクトルの方向を示す情報を前記移動方向情報として取得することを特徴とする請求項1に記載の進行方向推定装置。
<請求項3>
前記制御部は、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向推定装置の姿勢変化を検出し、
前記進行方向推定装置の前記姿勢変化を検出したときに、前記基準進行方向情報を取得するとともに、前記移動方向情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の進行方向推定装置。
<請求項4>
進行方向推定装置における進行方向推定方法であって、
前記進行方向推定装置は、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、を備え、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得し、前記進行方向推定装置の移動量を推定するとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得し、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得した前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得し、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得することを特徴とする進行方向推定方法。
<請求項5>
進行方向推定装置における進行方向推定プログラムであって、
前記進行方向推定装置は、
前記進行方向推定装置の動きに対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記進行方向推定装置の位置を測位する測位部と、
地磁気に対応する地磁気情報を取得する地磁気センサと、を備え、
コンピュータに、
前記進行方向推定装置が移動しているときに、互いに異なる時刻毎の複数の加速度信号に基づいて、鉛直方向を示す鉛直方向情報を取得させ、前記進行方向推定装置の移動量を推定させるとともに、前記地磁気情報及び前記鉛直方向情報に基づいて、前記進行方向推定装置に対して予め設定されているデバイス座標系おける真北方向を示す真北方向情報を取得させ、
前記進行方向推定装置が第1の時刻から第2の時刻の間に移動したときに、前記第1の時刻及び前記第2の時刻での前記測位部による前記測位の結果と、前記第1の時刻及び前記第2の時刻で取得させた前記真北方向情報と、に基づいて、前記第1の時刻での前記進行方向推定装置の位置から前記第2の時刻での前記進行方向推定装置の位置に向かう方向を示す基準進行方向情報を取得させ、
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の対象期間内における前記進行方向推定装置の前記デバイス座標系における移動方向を示す移動方向情報を、前記対象期間内における互いに異なる時刻毎の複数の前記加速度信号と、前記基準進行方向情報と、に基づいて取得させることを特徴とする進行方向推定プログラム。
【符号の説明】
【0041】
100 進行方向推定装置
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 測位部
15 加速度センサ
16 地磁気センサ
17 記憶部
18 表示部
19 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7