特許第6852457号(P6852457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852457
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】電源一体型真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 19/04 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   F04D19/04 G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-34824(P2017-34824)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-141375(P2018-141375A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 耕太
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/053270(WO,A1)
【文献】 特開2014−105695(JP,A)
【文献】 特開2010−236468(JP,A)
【文献】 特開2010−236469(JP,A)
【文献】 特開2014−043827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプロータを備えるポンプ本体とポンプ本体に電力を供給するポンプ電源とが一体となっており、液冷媒ではなく大気への放熱によりポンプ冷却を行う電源一体型真空ポンプであって、
前記ポンプロータが収納されるポンプ筐体と、
前記ポンプ筐体に固定される前記ポンプ電源の電源筐体と、
前記ポンプ筐体と前記電源筐体との固定部に設けられ、前記ポンプ筐体と前記電源筐体とにより挟持されてそれらに接触する金属板である伝熱部材と、
前記ポンプ筐体と前記電源筐体との固定部に設けられ、前記ポンプ筐体と前記電源筐体とにより挟持されてそれらの間を封止するOリングシールと、を備え、
前記ポンプ電源の熱を、前記伝熱部材を介して前記ポンプ筐体へと伝達させ、前記ポンプ筐体から外気へ放熱させる電源一体型真空ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の電源一体型真空ポンプにおいて、
前記ポンプ筐体に冷却風を送風する冷却ファンを備える、電源一体型真空ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載の電源一体型真空ポンプにおいて、
前記ポンプ筐体の前記冷却風が送風される領域にヒートシンクが設けられている、電源一体型真空ポンプ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電源一体型真空ポンプにおいて、
前記電源筐体は、前記ポンプ電源に設けられる複数の電気部品の少なくとも一部が固定され、かつ、前記伝熱部材に接触する筐体壁部を有する、電源一体型真空ポンプ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電源一体型真空ポンプにおいて、
前記伝熱部材の熱伝導率は、前記ポンプ筐体の熱伝導率以上および前記電源筐体の熱伝導率以上である、電源一体型真空ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源一体型真空ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置などに用いられる真空ポンプとしては、回転翼が形成されたロータをモータで回転駆動し、回転翼を固定翼に対して高速回転させることにより気体を排気するターボ分子ポンプが知られている。そのようなターボ分子ポンプにおいて、ポンプ本体と制御装置とを一体とし、冷却ファンによりポンプ本体および制御装置を冷却するターボ分子ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のターボ分子ポンプでは、ポンプ本体のベースと制御装置の筐体との間に隙間を形成し、その隙間に冷却風を送風することで、制御装置を冷却するような構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2013−100760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポンプ本体と制御装置との間には電源ケーブルだけではなく、ポンプ本体側に設けられた温度センサやブレーキ抵抗のケーブルが制御装置に接続されている。そのため、ポンプ本体と制御装置との間に複数のケーブルが介在することになり、制御装置の筐体には複数のケーブルを通すための開口が必要となる。その結果、外界の湿潤空気が制御装置の筐体内に侵入するのを防止する構成とするのが難く、湿潤空気侵入に起因する制御装置の故障が発生するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による電源一体型真空ポンプは、ポンプロータを備えるポンプ本体とポンプ本体に電力を供給するポンプ電源とが一体となっており、液冷媒ではなく大気への放熱によりポンプ冷却を行う電源一体型真空ポンプであって、前記ポンプロータが収納されるポンプ筐体と、前記ポンプ筐体に固定される前記ポンプ電源の電源筐体と、
前記ポンプ筐体と前記電源筐体との固定部に設けられ、前記ポンプ筐体と前記電源筐体とにより挟持されてそれらに接触する金属板である伝熱部材と、前記ポンプ筐体と前記電源筐体との固定部に設けられ、前記ポンプ筐体と前記電源筐体とにより挟持されてそれらの間を封止するOリングシールと、を備え、前記ポンプ電源の熱を、前記伝熱部材を介して前記ポンプ筐体へと伝達させ、前記ポンプ筐体から外気へ放熱させる。
さらに好ましい実施形態では、前記ポンプ筐体に冷却風を送風する冷却ファンを備える。
さらに好ましい実施形態では、前記ポンプ筐体の前記冷却風が送風される領域にヒートシンクが設けられている。
さらに好ましい実施形態では、前記電源筐体は、前記ポンプ電源に設けられる複数の電気部品の少なくとも一部が固定され、かつ、前記伝熱部材に接触する筐体壁部を有する。
さらに好ましい実施形態では、前記伝熱部材の熱伝導率は、前記ポンプ筐体の熱伝導率以上および前記電源筐体の熱伝導率以上である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電源の放熱性能を確保しつつ、電源への外部空気の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本実施の形態の電源一体型真空ポンプの概略構成を示す図である。
図2図2は、電源をポンプユニット側から見た平面図である。
図3図3は、電源とポンプユニットとの固定部分の構造を説明する図である。
図4図4は、第1変形例を示す図である。
図5図5は、第2変形例を示す図である。
図6図6は、第3変形例を示す図である。
図7図7は、第4変形例を示す図である。
図8図8は、第5変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は本実施の形態の電源一体型真空ポンプの概略構成を示す図である。真空ポンプ1は磁気軸受式のターボ分子ポンプであって、図1に示すようにポンプユニット20と電源30とがボルト40によって固定されている。
【0010】
ポンプユニット20において、ロータ2が取り付けられたシャフト3は、ポンプベース4に設けられた電磁石51,52によって非接触支持されている。シャフト3の浮上位置は、ポンプベース4に設けられたラジアル変位センサ71およびアキシャル変位センサ72によって検出される。ラジアル磁気軸受を構成する電磁石51と、アキシャル磁気軸受を構成する電磁石52と、変位センサ71,72とで5軸制御型磁気軸受が構成される。なお、磁気軸受が作動していない状態では、シャフト3はメカニカルベアリング27,28によって支持される。
【0011】
シャフト3の下端には円形のロータディスク41が設けられており、このロータディスク41を上下に挟むように隙間を介して電磁石52が設けられている。電磁石52によりロータディスク41を吸引することで、シャフト3がアキシャル方向に浮上する。ロータディスク41はナット部材42によりシャフト3の下端部に固定されている。
【0012】
ロータ2には、回転軸方向に複数段の回転翼8が形成されている。上下に並んだ回転翼8の間には固定翼9がそれぞれ配設されている。これらの回転翼8と固定翼9とにより、ポンプユニット20のタービン翼段が構成される。各固定翼9は、スペーサ10によって上下に挟持されるように保持されている。スペーサ10は、固定翼9を保持する機能とともに、固定翼9間のギャップを所定間隔に維持する機能を有している。
【0013】
固定翼9の後段(図示下方)にはドラッグポンプ段を構成するネジステータ11が設けられており、ネジステータ11の内周面とロータ2の円筒部12との間にはギャップが形成されている。ロータ2と、スペーサ10によって保持された固定翼9とは、吸気口13aが形成されたポンプケーシング13内に納められている。ロータ2が取り付けられたシャフト3を電磁石51,52により非接触支持しつつモータ6により回転駆動すると、吸気口13a側のガスは背圧側に排気され、背圧側に排気されたガスは排気口26に接続された補助ポンプ(不図示)により排出される。
【0014】
電源30は、ポンプユニット20に設けられたポンプベース4の底面側にボルト固定されている。ポンプユニット20を駆動制御する電源30には、主制御部、磁気軸受駆動制御部、モータ駆動制御部等を構成する電気部品が設けられており、それらの電気部品は電源30の筐体内に収納されている。電源30の電源筐体の一部を構成する天板302には、開口302aが形成されている。電源側に設けられた電源ケーブル323のプラグ324を、開口302aを通してポンプベース4の底面に設けられたレセプタクル411に接続することにより、電源ケーブル323がポンプユニット20に接続される。
【0015】
ポンプユニット20の側方には、冷却ファン34が設けられている。図1に示す例では、冷却ファン34は天板302の側面に固定されている。破線で示すように、冷却ファン34によって形成された図示左方向への冷却風はポンプベース4に吹き付けられ、ポンプユニット20が冷却される。
【0016】
図2は、電源30をポンプユニット20側から見た平面図である。電源30の平面視形状は正八角形であり、正八角形の天板302がボルト327により電源ケーシング301に固定される。図2に示す例では、天板302に形成されている開口302aの形状は、略矩形である。天板302には、電源30をボルト40(図1参照)によりポンプベース4に固定するためのネジ穴328が形成されている。
【0017】
電源ケーブル323のプラグ324はこの開口302aから引き出されて、ポンプベース4の底面に設けられているレセプタクル411に接続される(図1参照)。同様に、温度センサ用ケーブル325およびブレーキヒータ用ケーブル326は開口302aから引き出されて、ポンプユニット側に設けられた温度センサ(不図示)およびブレーキヒータ(不図示)にそれぞれ接続される。そのため、開口302aは各ケーブルの引き出しに支障のない程度に大きく形成されている。また、ポンプベース4におけるレセプタクル411、温度センサ、ブレーキヒータの取り付け位置が大きく異なる場合には、それぞれの位置に合わせて、電源ケーブル323,温度センサ用ケーブル325およびブレーキヒータ用ケーブル326を引き出すための開口をそれぞれ形成する必要がある。
【0018】
図3は、図1に示す真空ポンプ1の電源30とポンプユニット20との固定部分の構造を説明する図である。電源30は、電源筐体として電源ケーシング301および天板302を備えている。電源ケーシング301および天板302の材料には、比較的熱伝導率の高い部材(例えば、アルミ合金)が用いられる。電源30の電気部品はこの電源筐体内に収納されている。図3に示す例では、比較的発熱量の大きな電気部品321は、天板302に固定された回路基板311に搭載されている。一方、比較的発熱量の小さい電気部品322は、電源ケーシング301に固定された回路基板313に搭載されている。回路基板313は、支柱312により電源ケーシング301に固定されている。
【0019】
互いに固定された電源ケーシング301と天板302との間には、封止部材としてOリングシール304が設けられている。天板302はボルト40によって、ポンプベース4に設けられたベースフランジ400に固定される。天板302とベースフランジ400との間には、伝熱部材402と、封止部材としてのOリングシール401とが設けられている。Oリングシール401を設けることで、ポンプベース4と天板302との固定部から外部の空気が電源筐体内部に侵入するのを防止することができる。その結果、湿潤空気の外界から電源筐体内への侵入に起因する電源30の故障を防止することができる。
【0020】
伝熱部材402には、比較的熱伝導率の高い部材(例えば、金属)が用いられ、好ましくは電源筐体(電源ケーシングと天板302)およびポンプベース4に用いられている部材と同等またはそれ以上の熱伝導率を有する部材を用いるのが良い。例えば、アルミ系や銅系の金属が用いられる。なお、図3に示す例では、リング状の金属板を伝熱部材402として用いているが、リング状でなくても構わない。このような伝熱部材402をポンプベース4および天板302に接触するように固定部に配置することで、電源30側の熱をポンプベース4へと効果的に伝達させることができる。
【0021】
電気部品で発生した熱は、主に天板302および電源ケーシング301に伝達され、破線矢印Hで示すように、伝熱部材402を介してポンプユニット20のポンプベース4へ伝達され、最終的には外気へと放熱される。伝熱部材402に接触している天板302に電気部品321が実装された回路基板311を固定することで、回路基板311に実装された電気部品の冷却効率を向上させることができる。そのため、発熱量の大きな電気部品については、天板302に配置するのが好ましい。なお、ポンプベース4から外気への放熱は自然放熱でも良いが、図1に示す例では冷却ファン34からの冷却風により強制空冷される。
【0022】
(C1)上述した実施の形態では、真空ポンプ1は、ポンプユニット20と電源30とが一体とされた真空ポンプである。ポンプ筐体であるポンプベース4と電源筐体である天板302との間に介在する複数のケーブル323,325,326は、天板302に形成された開口302aを通って、ポンプユニット20と電源30とを接続する。さらに、ポンプベース4と天板302との固定部には、それらに接触するように伝熱部材402が設けられると共に、ポンプベース4と天板302との隙間を封止する封止部材であるOリングシール401が設けられる。
【0023】
よって、本実施の形態によれば、電源30の放熱性能を確保しつつ、電源30の内部に外界から湿潤空気が侵入するのを防止することができる。その結果、湿潤空気侵入に起因する電源30の故障を防止することができる。
【0024】
(C2)さらに、図1に示すように冷却ファン34を設けて、ポンプベース4を冷却風により強制冷却することで、ポンプユニット20の冷却効率の向上を図ることができる。なお、図1に示す構成では、冷却ファン34の冷却風をポンプ筐体であるポンプベース4に送風するような構成としたが、冷却ファン34をベース側にずらして配置し、ポンプベース4および電源筐体(電源ケーシング301および天板302)の両方に冷却風を送風するようにしても良い。
【0025】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(第1変形例)
図4は、上述した実施形態の第1変形例を示す図である。図3に示した実施形態では、ポンプベース4と天板302との間に封止部材としてのOリングシール401と伝熱部材402とを設けたが、第1変形例では、シール性を有する伝熱部材403のみを配置する構成とした。そのような伝熱部材403としては、塑性変形し易い金属箔(例えば、銅箔)や、金属板に放熱グリス(例えば、シリコーン等の基材に金属成分を含有させたもの)を薄く塗布したものや、放熱シリコーン等が用いられる。例えば、銅箔を用いる場合には、伝熱部材403の熱伝導率を、ポンプベース4や電源筐体に用いられる部材の熱伝導率以上とすることができる。
【0026】
このように伝熱部材403に封止部材としての機能を兼用させたものであっても、常圧の電源筐体内に常圧の外気が侵入するのを十分に防止することができ、湿潤空気の電源筐体内への侵入に起因する電源30の故障を防止することができる。
【0027】
(第2変形例)
図5は、上述した実施形態の第2変形例を示す図である。第2変形例では、上述した実施の形態(例えば、図1,3参照)の構成に加えて、ポンプベース4の外周面に放熱フィン201を設けた。放熱フィン201には冷却ファン34から冷却風が送風される。その結果、ポンプベース4からの放熱性能がより向上し、上述した実施形態に比べてポンプユニット20および電源30の温度をより低く保つことができる。
【0028】
図5では、放熱フィン201をポンプベース4の外周面に直接形成したが、放熱フィンを有する別体のヒートシンクを、ポンプベース4の外周面に取り付ける構成であっても良い。なお、ポンプベース4の外周面に放熱フィン201を設ける構成は、図4に示した第1変形例にも適用することができ、同様の効果を奏することができる。
【0029】
(第3変形例)
図6は、上述した実施形態の第3変形例を示す図である。第3変形例では、電源ケーシング301の上端をボルト40によりポンプベース4に固定し、電源30側の熱を電源ケーシング301から伝熱部材402を介してポンプユニット20のポンプベース4へと伝達する構成とした。開口302aが形成された天板302は電源ケーシング301へ取り付けられる。天板302の熱は、電源ケーシング301および伝熱部材402を介してポンプベース4へと伝達される。
【0030】
(第4変形例)
図7は、上述した実施形態の第4変形例を示す図である。図7は天板303の平面図である。この天板303は、図2の天板302に代えて使用される。天板303は、冷却水等の液冷媒を流通させるための冷媒通路330を備えており、その他の構成は図2に示す天板302と同様である。符号329で示す貫通穴は、図2のボルト327が挿通されるボルト穴である。図7に示す例では、銅パイプのような金属パイプを天板302に鋳込むことにより、冷媒通路330が形成されている。天板303の図示左側の側面には金属パイプの入口部分330aおよび出口部分330bが突出している。
【0031】
なお、第4変形例の場合、天板303が液冷媒により冷却されるので、ポンプベース4側の熱が伝熱部材402を介して天板303へと伝達されることになる。ポンプベース4および電源ケーシング301から天板303へ伝達された熱は、冷媒通路330を流れる液冷媒へと放熱される。
【0032】
(第5変形例)
図8は、上述した実施形態の第5変形例を示す図である。上述した実施の形態では、伝熱部材をポンプベース4のベースフランジ400と電源筐体(天板302または電源ケーシング301との間に介在させた。図8に示す第5変形例では、伝熱部材404を、ポンプ筐体と電源筐体との固定部であるベースフランジ400および天板303の側面に接触するように、ボルト405により固定するようにした。このように、ベースフランジ400および天板303の側面に伝熱部材405を設けることで、伝熱部材405の取り付け取り外しや交換を容易に行うことができる。また、伝熱部材405はベースフランジ400および天板303の側方に露出するように設けられているので、伝熱部材405自体に放熱フィンを形成することで、伝熱部材405から外気への放熱を積極的に行わせるようにしても良い。
【0033】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。例えば、ターボ分子ポンプ以外の電源一体型真空ポンプに対しても、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
1…真空ポンプ、2…ロータ、4…ポンプベース、20…ポンプユニット、30…電源、34…冷却ファン、201…放熱フィン、301…電源ケーシング、302,303…天板、302a…開口、304,401…Oリングシール、323…電源ケーブル、325…温度センサ用ケーブル、326…ブレーキヒータ用ケーブル、330…冷媒通路、402,403,404…伝熱部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8