(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0016】
(1)本発明の一態様に係る回路装置は、放熱体と、該放熱体の載置面に絶縁部材を介して載置される導電体と、該載置面にて、前記導電体が載置される場所とは異なる場所に載置されている断熱部材と、前記導電体に電気的に接続され、発熱する回路部品と、回路基板と、該回路基板上に配置され、該回路基板を介して前記断熱部材と対向し、前記回路部品の動作を制御する制御信号を出力する制御素子とを備える。
【0017】
上記の一態様にあっては、制御素子は回路基板を介して断熱部材と対向しているので、回路部品から発生した熱は、導電体又は放熱体を介して制御素子に伝導することは殆どない。このため、回路部品の温度が上昇した場合であっても、制御素子の温度が上昇することは殆どない。結果、許容される回路部品の温度の上限値は、正常な動作が確保される制御素子の温度の上限値によって制限されず、高い。
【0018】
(2)本発明の一態様に係る回路装置では、前記断熱部材はシリカエアロゲル粒子を含む不織布によって構成される。
【0019】
上記の一態様にあっては、断熱部材がシリカエアロゲル粒子を含む不織布で構成されているため、導電体又は放熱体から断熱部材を介して制御素子に熱がより伝導しにくい。
【0020】
(3)本発明の一態様に係る回路装置は、前記放熱体の前記載置面の周縁に沿って配置され、前記回路部品、回路基板及び制御素子を囲む枠体と、前記放熱体の前記載置面に対向し、該枠体の内側を覆う蓋体とを備え、前記導電体、回路部品、回路基板及び制御素子は前記載置面及び蓋体間に配置されている。
【0021】
上記の一態様にあっては、回路部品が放熱体、枠体及び蓋体によって覆われているので、回路部品に接触している空気は装置外に放出されにくい。このため、回路部品から発生した熱の大部分が導電体及び放熱体を伝導する。枠体及び蓋体が設けられている構成では、断熱部材がより効果的に作用する。
【0022】
(4)本発明の一態様に係る回路装置では、前記導電体の数は2以上であり、前記回路部品は、2つの前記導電体に電気的に接続される半導体スイッチであり、前記制御信号は、前記回路部品のオン又はオフを指示する信号である。
【0023】
上記の一態様にあっては、2つの導電体と、回路部品として機能する半導体スイッチを介して電流が流れる。半導体スイッチがオンである場合、2つの導電体を介して電流が流れることが可能であり、半導体スイッチがオフである場合、2つの導体を介して電流が流れることはない。
【0024】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る電気接続箱(回路装置)の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0025】
図1は本実施形態における電気接続箱1の回路図である。電気接続箱1は、好適に車両に搭載されており、導電体20,21,22、6つのNチャネル型のFET(Field Effect Transistor)3,4、駆動回路50及びマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)51を備える。導電体20,21,22夫々は、所謂バスバーであり、例えば、銅合金製である。電気接続箱1は回路装置として機能する。
【0026】
FET3はFET本体3a及びダイオード3bを有し、ダイオード3bはFET本体3aのドレイン及びソース間に接続されている。FET4はFET本体4a及びダイオード4bを有し、ダイオード4bはFET本体4aのドレイン及びソース間に接続されている。ダイオード3b,4bは寄生ダイオードである。
【0027】
3つのFET本体3aは導電体20,21間に並列に接続され、3つのFET本体4aは導電体21,22間に並列に接続されている。3つのFET本体3aのドレインは導電体20に接続され、6つのFET本体3a,4aのソースは導電体21に接続され、3つのFET
本体4aのドレインは導電体22に接続されている。6つのFET本体3a,4aのゲートは駆動回路50に接続されている。駆動回路50には、更に、マイコン51が接続されている。
FET3,4夫々は半導体スイッチとして機能する。駆動回路50は、6つのFET3,4について、固定電位を基準としたゲートの電圧を調整する。これにより、駆動回路50は、6つのFET3,4をオン又はオフに切替える。
【0028】
6つのFET3,4がオンである場合、導電体20,21,22及び6つのFET3,4を介して電流が流れることが可能である。6つのFET3,4がオフである場合、導電体20,21,22及び6つのFET3,4を介して電流が流れることはない。
FET3においてドレイン及びソース間に電流が流れた場合、FET3は発熱する。同様に、FET4においてドレイン及びソース間に電流が流れた場合、FET4は発熱する。FET3,4夫々は回路部品としても機能する。
【0029】
3つのダイオード3bのアノードは、導電体21を介して、3つのダイオード4bのアノードに接続されている。このため、6つのFET3,4がオフである場合、6つのダイオード3b,4bを介して電流が流れることはない。
【0030】
マイコン51には、6つのFET3,4のオンを指示するオン信号と、6つのFET3,4のオフを指示するオフ信号とが入力される。マイコン51は、入力された信号に応じて、駆動回路50に6つのFET3,4のオン又はオフを指示する制御信号を出力する。
【0031】
具体的に、マイコン51は、オン信号が入力された場合、6つのFET3,4のオンを指示する制御信号を駆動回路50に出力し、駆動回路50は、6つのFET3,4をオンに切替える。また、マイコン51は、オフ信号が入力された場合、6つのFET3,4のオフを指示する制御信号を駆動回路50に出力し、駆動回路50は、6つのFET3,4をオフに切替える。
制御信号は、6つのFET3,4夫々の動作を制御するための信号である。
【0032】
図2は電気接続箱1の斜視図である。電気接続箱1は、更に、箱体状をなす収容体6を備え、6つのFET3,4、駆動回路50及びマイコン51は収容体6内に収容されている。収容体6は、矩形状の枠体60と蓋体61とを有する。蓋体61は、電気接続箱1の上側に配置され、枠体60の内側に嵌め込まれ、枠体60の内側を覆っている。
【0033】
導電体20,22は板状をなす。導電体20の板面は、枠体60の一辺部の上側を覆い、導電体22の板面は、枠体60の他辺部の上側を覆っている。導電体20が覆っている枠体60の一辺部と、導電体22が覆っている枠体60の一辺部とは、左右方向に並置され、前後方向に延びている。従って、導電体20が覆っている枠体60の一辺部は、導電体22が覆っている枠体60の一辺部に対向している。以下では、導電体20が覆っている枠体60の一辺部を左辺部と記載し、導電体22が覆っている枠体60の一辺部を右辺部と記載する。
【0034】
枠体60の左辺部の上面から、円柱状のスタッドボルト52が上側に突出している。導電体20には、上下方向に貫通する貫通孔20aが設けられており、スタッドボルト52は、貫通孔20aを挿通している。同様に、枠体60の右辺部の上面から、円柱状のスタッドボルト53が上側に突出している。導電体
22には、上下方向に貫通している貫通孔22aが設けられており、スタッドボルト53は、貫通孔22aを挿通している。2つのスタッドボルト52,53は左右方向に対向しており、スタッドボルト52,53夫々には螺子溝が設けられている。
【0035】
スタッドボルト52には、開口を有する図示しない端子が取付けられる。具体的には、スタッドボルト52を、端子の開口に挿通させた状態でスタッドボルト52に図示しないナットを締める。これにより、導電体20と端子とが接触し、導電体20はこの端子に電気的に接続する。
同様に、スタッドボルト53には、開口を有する図示しない端子が取付けられる。具体的には、スタッドボルト53を、端子の開口に挿通させた状態でスタッドボルト53に図示しないナットを締める。これにより、導電体22と端子とが接触し、導電体22はこの端子に電気的に接続する。
【0036】
スタッドボルト52に取付けられた端子は、例えばバッテリの正極に接続され、スタッドボルト53に取付けられた端子は、例えば、負荷の一端に接続されている。電気接続箱1を介して、バッテリから負荷に電力が供給される。
電気接続箱1はコネクタ54を有し、コネクタ54には、図示しない信号線の端部に設けられた図示しないコネクタが嵌め込まれる。オン信号及びオフ信号は、信号線を介して電気接続箱1のマイコン51に入力される。
【0037】
図3は、
図2におけるA−A線の断面図である。枠体60内には、板状の放熱体23が収容されている。放熱体23は、例えばアルミニウム製である。枠体60は放熱体23の上面23aにおける左縁部及び右縁部を覆っている。導電体20は複数回屈曲されており、導電体20の板面は、枠体60の左辺部の上面だけではなく、枠体60内における放熱体23の上面23aの左側部分と、枠体60の左辺部の内面とを覆っている。同様に、導電体22は複数回屈曲されており、導電体22の板面は、枠体60の右辺部の上面だけではなく、枠体60内における放熱体23の上面23aの右側部分と、枠体60の右辺部の内面とを覆っている。
【0038】
導電体21も板状をなす。放熱体23の上面23aにおいて、導電体20,22の間に導電体21が載置されている。放熱体23の上面23aは、導電体20,21,22の下面に対向しており、接着剤として機能する絶縁部材24(
図7参照)によって、放熱体23の上面23aは導電体20,21,22の下面に接着している。
以上のように、放熱体23の上面23aに絶縁部材24を介して導電体20,21,22が載置されている。放熱体23の上面23aは載置面として機能する。
【0039】
枠体60内において、導電体20,21,22の上側には、チップ状のFET3,4が配置されている。前述したように、FET3のドレインは導電体20に電気的に接続され、FET3,4のソースは導電体21に電気的に接続され、FET4のドレインは導電体22に電気的に接続されている。枠体60内において、導電体20,21,22の上面には、回路基板25が配置されている。回路基板25の下面は導電体20,21,22の上面と対向しており、回路基板25には、6つの開口25a(
図4参照)が設けられている。6つのFET3,4夫々は、6つの開口25aを挿通している。
【0040】
FET3から発生した熱は、導電体20、絶縁部材24及び放熱体23の順に伝導すると共に、導電体21、絶縁部材24及び放熱体23の順に伝導する。FET4から発生した熱は、導電体21、絶縁部材24及び放熱体23の順に伝導すると共に、導電体22、絶縁部材24及び放熱体23の順に伝導する。放熱体23に伝導した熱は、放熱体23から電気接続箱1の外側に放出される。
【0041】
図4は、蓋体61が外された電気接続箱1の斜視図であり、
図5は、蓋体61が外された電気接続箱1の平面図である。回路基板25は、矩形状をなし、前後方向に延びている。回路基板25において、6つの開口25aは格子状に設けられている。3つの開口25aが前後方向に並設されており、2つの開口25aが左右方向に並設されている。
【0042】
3つのFET3夫々は、回路基板25の左側に設けられた3つの開口25a内に配置されている。3つのFET4夫々は、回路基板25の右側に設けられた3つの開口25a内に配置されている。FET3,4のゲートは、回路基板25の上面に設けられた図示しない導電パターンに電気的に接続している。
【0043】
マイコン51は、チップ状をなし、回路基板25の上面の前側に配置されている。また、回路基板25の上面の前側にコネクタ54が設けられている。駆動回路50は回路基板25の上面に形成されている。なお、
図4及び
図5において、駆動回路50の図示を省略している。
【0044】
マイコン51は、回路基板25の上面に設けられた導電パターンによって、駆動回路50と、コネクタ54とに各別に電気的に接続されている。駆動回路50は、回路基板25の上面に設けられた導電パターンによって、6つのFET3,4のゲートに電気的に接続されている
。
【0045】
前述したように、コネクタ54には信号線のコネクタが嵌め込まれる。マイコン51には、信号線及び導電パターンを介して、オン信号及びオフ信号が入力される。また、導電パターンを介して、マイコン51から駆動回路50に制御信号が入力される。更に、駆動回路50は、導電パターンを介して、6つのFET3,4のゲートに電圧を印加し、固定電位を基準としたこれらのゲートの電圧を調整する。
【0046】
前述したように、マイコン51は、オン信号が入力された場合、6つのFET3,4のオンを指示する制御信号を駆動回路50に出力し、駆動回路50は6つのFET3,4をオンに切替える。マイコン51は、オフ信号が入力された場合、6つのFET3,4のオフを指示する制御信号を駆動回路50に出力し、駆動回路50は6つのFET3,4をオフに切替える。
図3及び
図4に示すように、蓋体61は放熱体23の上面23aに対向し、6つのFET3,4、回路基板25及びマイコン51を覆っている。6つのFET3,4、3つの導電体20,21,22、回路基板25及びマイコン51は、放熱体23の上面23a及び蓋体61間に配置されている。
【0047】
図6は、
図5におけるB−B線の断面図である。
図4、
図5及び
図6に示すように、枠体60内において、放熱体23の上面23aの前側に、矩形シート状の断熱部材26が配置されている。断熱部材26は、放熱体23の上面23aにおいて、3つの導電体20,21,22が載置されている場所とは異なる場所に載置されている。断熱部材26は、シリカエアロゲル粒子を含む不織布によって構成されている。回路基板25は、3つの導電体20,21,22よりも前側に延びており、回路基板25の延設部分は断熱部材26の上側に配置されている。回路基板25の延設部分の上面にはマイコン51が配置され、マイコン51は、回路基板25を介して断熱部材26と対向している。マイコン51は制御素子として機能する。
【0048】
また、
図3及び
図6に示すように、枠体60は放熱体23の上面23aの周縁に沿って配置され、6つのFET3,4、回路基板25及びマイコン51を囲んでいる。
【0049】
図7は、
図6におけるC部分の拡大図である。前述したように、導電体20,21,22の下面は、接着剤として機能する絶縁部材24によって、放熱体23の上面23aと接着しており、絶縁部材24は層の形状をなしている。具体的には、放熱体23の上面23aに絶縁部材24が塗布され、絶縁部材24の上側に導電体20,21,22が配置される。この状態で、絶縁部材24を加熱する。これにより、絶縁部材24は硬化し、導電体20,21,22夫々は絶縁部材24によって放熱体23の上面23aに接着する。
【0050】
絶縁部材24に電流が流れることはないため、導電体20,21,22から放熱体23に電流が流れることはない。絶縁部材24は、放熱性を有する。このため、導電体20,21,22夫々から絶縁部材24を介して放熱体23に熱が伝導する。絶縁部材24は、例えば、熱伝導性フィラを含むエポキシ樹脂製である。熱伝導性フィラとして、例えば、酸化アルミニウムが用いられる。
【0051】
以上のように構成された電気接続箱1では、マイコン51が回路基板25を介して断熱部材26と対向しているので、6つのFET3,4から発生した熱は、導電体20,21,22中の1つ又は放熱体23を介して、マイコン51に伝導することは殆どない。このため、6つのFET3,4の温度が上昇した場合であっても、マイコン51の温度が上昇することは殆どない。
【0052】
マイコン51の耐熱性は弱いため、正常な動作が確保されるFET3,4の温度の上限値は、正常な動作が確保されるマイコン51の温度の上限値よりも高い。しかしながら、6つのFET3,4の温度が上昇した場合であっても、マイコン51の温度が上昇することは殆どないので、許容されるFET3,4の温度の上限値は、正常な動作が確保されるマイコン51の温度の上限値によって制限されず、高い。
【0053】
導電体20,21,22及び放熱体23は金属によって構成されているため、これらの熱伝導率は高い。一方で、回路基板25では、絶縁板上に導電パターンを形成されており、絶縁板の熱伝導率は、導電体20,21,22及び放熱体23の熱伝導率よりも十分に低い。このため、6つのFET3,4から回路基板25を介してマイコン51に伝導する熱の量は殆どない。
【0054】
電気接続箱1では、正常な動作が確保される温度、即ち、適正温度の上限値が、FET3,4の適正温度の上限値よりも低い低温素子が、マイコン51だけではない可能性がある。低温素子として、制御IC(Integrated Circuit)又はアルミニウム電解コンデンサ等が挙げられる。低温素子がマイコン51だけではない場合、例えば、駆動回路50に低温素子が含まれる場合、マイコン51を除く他の低温素子も、回路基板25を介して断熱部材26と対向するように、回路基板25の上面に配置されることが好ましい。
【0055】
また、前述したように、断熱部材26はシリカエアロゲル粒子を含む不織布で構成されるので、断熱部材26の熱伝導率は、空気の熱伝導率よりも低い。結果、導電体20,21,22及び放熱体23中の少なくとも1つを介して、マイコン51に熱が伝導しにくい。
【0056】
更に、6つのFET3,4、回路基板25、駆動回路50及びマイコン51は、放熱体23、枠体60及び蓋体61によって覆われている。このため、6つのFET3,4に接触している空気は電気接続箱1の外側に放出されにくい。従って、6つのFET3,4から発生した熱の大部分が導電体20,21,22中の1つと、放熱体23とを伝導する。このため、枠体60及び蓋体61が設けられている構成では、断熱部材26がより効果的に作用する。
なお、6つのFET3,4、回路基板25、駆動回路50及びマイコン51は、放熱体23、枠体60及び蓋体61等によって液密に封止されている。
【0057】
次に、電気接続箱1の製造方法を説明する。
図8は電気接続箱1の製造の説明図である。まず、銅合金製の金属板に対して、切断及び折り曲げを行うことによって、導電体20,21,22を製造する。次に、導電体20,21,22に回路基板25を貼り付け、6つのFET3,4夫々を、回路基板25に設けられた6つの開口25a内に取付ける。その後、マイコン51を含む複数の素子を回路基板25の上面に取付ける。次に、放熱体23の上面23aに、接着剤として機能する絶縁部材24を塗布し、放熱体23を、2つのスタッドボルト52,53が設けられている枠体60内に取付ける。
【0058】
次に、放熱体23の上面23aの前側に断熱部材26を配置し、マイコン51が回路基板25を介して断熱部材26と対向するように、3つの導電体20,21,22及び回路基板25を放熱体23の上側に配置する。その後、絶縁部材24を加熱することによって、絶縁部材24を硬化させる。これにより、導電体20,21,22の下面が放熱体23の上面23aに接着する。その後、蓋体61を上側から枠体60内に嵌め込む。
【0059】
なお、3つのFET3のソースが導電体20に接続され、6つのFET3,4のドレインが導電体21に接続され、3つのFET4のソースが導電体22に接続されてもよい。この場合であっても、6のFET3,4がオフである限り、6つのダイオード3b,4bを介して電流が流れることはない。
【0060】
また、FET3,4夫々の数は、3に限定されず、1、2又は4以上であってもよい。また、FET3の数はFET4の数と一致していなくてもよい。更に、FET3,4夫々のタイプはNチャネル型に限定されない。FET3,4夫々のタイプはPチャネル型であってもよい。ただし、FET3,4のタイプは一致している。
【0061】
また、FET3,4は半導体スイッチとして機能すればよいため、FET3,4の代わりに、バイポーラトランジスタ又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等を用いてもよい。半導体スイッチ内において、寄生ダイオードが形成されていない場合においては、半導体スイッチがオフであるとき、半導体スイッチを介して電流が流れることはない。このため、半導体スイッチ内において、寄生ダイオードが形成されていない場合、導電体21,22間に電気的に接続される半導体スイッチを設けなくてもよい。この場合、導電体21,22は、一体化され、1つの導電体として扱われる。更に、電流が導電体22,21,20の順に流れる可能性がない場合、電気接続箱1内にFET4を設ける必要はない。この場合も、導電体21,22は、一体化され、1つの導電体として扱われる。導電体21,22が1つの導電体として扱われた場合、導電体の数は2つである。
【0062】
断熱部材26は、熱伝導率が十分に低い部材であればよいので、シリカエアロゲル粒子を含む不織布で構成されていなくてもよい。また、導電体20,21,22に接続される回路部品は、半導体スイッチに限定されず、発熱する部品であればよい。更に、マイコン51は、制御信号を出力する制御素子として機能すればよい。このため、マイコン51の代わりに、制御信号を出力する素子を用いてもよい。また、導電体の数は、2又は3に限定されず、1又は4以上であってもよい。
【0063】
開示された本実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。