特許第6852529号(P6852529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852529
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20210322BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20210322BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210322BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
   G08B27/00 Z
   G06Q50/10
   H04M11/00 301
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-75708(P2017-75708)
(22)【出願日】2017年4月6日
(65)【公開番号】特開2018-180708(P2018-180708A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】山内 政敏
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−182030(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/005861(WO,A1)
【文献】 特開2017−54288(JP,A)
【文献】 特開2010−236866(JP,A)
【文献】 特開2015−187857(JP,A)
【文献】 特開2016−51205(JP,A)
【文献】 米国特許第6453266(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16H 10/00−80/00
G01S 5/02
G06F 11/34
G06K 7/00
G08B 27/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上の情報端末と、
前記情報端末から受信したデータを管理するサーバと、
を備える管理システムであって、
前記情報端末は、
当該情報端末の状態に関する端末データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記端末データを、当該情報端末を特定可能な特定情報に関連付けて前記サーバに対して定期的に送信する送信部と、
を備え、
前記サーバは、
前記情報端末から受信したデータが記憶される端末データ記憶部と、
前記特定情報を伴う要求に応じて、当該特定情報に関連付けて前記端末データ記憶部に記憶される前記端末データに基づいて当該特定情報から特定される前記情報端末の状態を解析する解析部と、
前記解析部の解析結果を要求元に通知する通知部と、
を備え
前記情報端末は、防塵プレートを介して一次元コードからの反射光を受光部にて受光し、受光波形に基づいて当該一次元コードを光学的に読み取る情報コード読取端末であって、
前記防塵プレートの劣化に起因して読取が失敗する際の前記受光波形の高さに相当する値が第1の閾値として記憶される閾値記憶部を備え、
前記反射光の受光時に前記受光波形の高さが前記第1の閾値以下となる状態が継続すると、前記防塵プレートの交換が必要であることを示す第1の通知情報を、前記送信部により送信される前記端末データに含め、
前記通知部は、前記解析部により解析される前記端末データに前記第1の通知情報が含まれていると、前記要求元に対して前記防塵プレートの交換が必要であることを通知することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記端末データには、前記情報端末の温度、電池電圧、消費電流及び動作状態の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記情報端末の加速度を検出する加速度センサを備え、
前記送信部は、前記加速度センサにより検出された前記情報端末の加速度を、当該情報端末を特定可能な特定情報に関連付けて前記サーバに対して送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記情報端末の加速度を、所定の加速度閾値以上となる場合に取得し、
前記送信部は、前記取得部により前記情報端末の加速度が取得されると、当該情報端末の加速度を、前記端末データとは異なる送信タイミングにて前記サーバに対して送信することを特徴とする請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記解析部は、前記端末データ及び前記特定情報を受信するごとに、受信した前記端末データに基づいて前記特定情報から特定される前記情報端末の状態を解析し、
前記解析部による解析結果に基づいて前記情報端末の状態が警告すべき状態であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部により警告すべき状態であると判定された前記解析部による解析結果に関する情報が表示される表示部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記情報端末は、外部の情報を読み取り可能な情報読取端末であって、
前記端末データには、読み取られた読取データの少なくとも一部が前記特定情報に関連付けられて含まれ、
前記サーバは、前記特定情報を伴う要求に応じて、当該特定情報に関して前記端末データ記憶部に記憶される前記読取データを前記要求元に対して出力する出力部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記閾値記憶部には、前記防塵プレートの劣化に起因して読取失敗の頻度が高くなる際の前記受光波形の高さに相当する値であって前記第1の閾値よりも大きくなる値が第2の閾値として記憶され、
前記反射光の受光時に前記受光波形の高さが前記第2の閾値以下となる状態が継続すると、前記防塵プレートが劣化していることを示す第2の通知情報を、前記送信部により送信される前記端末データに含め、
前記通知部は、前記解析部により解析される前記端末データに前記第2の通知情報が含まれていると、前記要求元に対して前記防塵プレートが劣化していることを通知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末を管理する管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、情報コードを光学的に読み取る情報コード読取端末のような情報端末は、様々な環境にて多様な用途で使用されている。ところで、このような情報端末では、使用中に故障するとそれまで読み取った読取データを失うことになり、業務のやり直しなどの損失が発生する可能性が有る。このため、例えば、下記特許文献1に開示される画像管理システムのように、撮像装置により取得された患者番号や画像データを情報処理装置に送信することで、この撮像装置が故障等したときでも今までに取得されたデータを失うことなくそのデータ復旧を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−219699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報端末自体に動作異常や故障等が発生した場合、一般に使用者は対処方法が分からず管理者に問い合わせるなどが必要となり、その復旧に時間がかかることが多い。その一方で、管理者がその故障等の原因を確認するために使用者本人から故障等時の利用状況などを聞き取ったとしても、使用者から聞き取る情報は曖昧な記憶による場合が多く有用な情報が得られない可能性が高い。
【0005】
このような問題に関して、情報端末にて動作ログ等の情報を逐次フラッシュROM等に保存する構成では、故障時にその保存されている動作ログ等をメーカが解析してその原因追究を図ることはできても、使用者がその動作ログ等を確認することはできず、仮に確認できたとしてもその原因追究を図ることができない。特に、動作ログ等の情報をフラッシュROM等に保存する構成では、保存できるデータ量に限界があり、そもそもフラッシュROM等から情報を取り出すことができないような故障等では、動作ログ等の解析すらできないという事態もあり得る。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、管理対象となる情報端末の状態を容易に確認可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
1又は2以上の情報端末(10)と、
前記情報端末から受信したデータを管理するサーバ(70)と、
を備える管理システム(1)であって、
前記情報端末は、
当該情報端末の状態に関する端末データを取得する取得部(50)と、
前記取得部により取得された前記端末データを、当該情報端末を特定可能な特定情報に関連付けて前記サーバに対して定期的に送信する送信部(52)と、
を備え、
前記サーバは、
前記情報端末から受信したデータが記憶される端末データ記憶部(72)と、
前記特定情報を伴う要求に応じて、当該特定情報に関連付けて前記端末データ記憶部に記憶される前記端末データに基づいて当該特定情報から特定される前記情報端末の状態を解析する解析部(71)と、
前記解析部の解析結果を要求元(60)に通知する通知部(71,75)と、
を備え
前記情報端末は、防塵プレートを介して一次元コードからの反射光を受光部にて受光し、受光波形に基づいて当該一次元コードを光学的に読み取る情報コード読取端末であって、
前記防塵プレートの劣化に起因して読取が失敗する際の前記受光波形の高さに相当する値が第1の閾値として記憶される閾値記憶部を備え、
前記反射光の受光時に前記受光波形の高さが前記第1の閾値以下となる状態が継続すると、前記防塵プレートの交換が必要であることを示す第1の通知情報を、前記送信部により送信される前記端末データに含め、
前記通知部は、前記解析部により解析される前記端末データに前記第1の通知情報が含まれていると、前記要求元に対して前記防塵プレートの交換が必要であることを通知することを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、情報端末において、当該情報端末の状態に関する端末データが取得部により取得され、この取得された端末データが特定情報に関連付けられて送信部によりサーバに対して定期的に送信される。また、サーバでは、情報端末から受信したデータが端末データ記憶部に記憶される。そして、サーバでは、特定情報を伴う要求に応じて、当該特定情報に関連付けて端末データ記憶部に記憶される端末データに基づいて当該特定情報から特定される情報端末の状態が解析部により解析されると、この解析結果が通知部により要求元に通知される。
【0009】
これにより、情報端末が故障等した場合には、この故障等した情報端末を特定する特定情報を伴うようにサーバに要求することで、その情報端末の状態を解析した解析結果が通知されるので、その解析結果に基づいて管理対象となる情報端末の状態を容易に確認することができる。特に、サーバでは、取得部により取得された端末データが定期的に受信されるため、例えば、情報端末が動作しないような故障であってもその故障直前までに定期的に受信していた端末データを解析できるので、故障の原因の追究を容易に行うことができる。
特に、情報端末は、防塵プレートを介して一次元コードからの反射光を受光部にて受光し、その受光波形に基づいて当該一次元コードを光学的に読み取る情報コード読取端末であって、防塵プレートの劣化に起因して読取が失敗する際の受光波形の高さに相当する値が第1の閾値として閾値記憶部に記憶されている。そして、情報端末では、反射光の受光時に受光波形の高さが上記第1の閾値以下となる状態が継続すると、防塵プレートの交換が必要であることを示す第1の通知情報が、送信部により送信される端末データに含められる。そして、サーバでは、解析部により解析される端末データに上記第1の通知情報が含まれていると、要求元に対して防塵プレートの交換が必要であることが通知部により通知される。
これにより、情報端末による読み取りが成功しないことから、その情報端末の特定情報を伴うようにサーバに要求すると、当該情報端末が防塵プレートの劣化に起因して読取が失敗している場合には、サーバの解析部により解析される端末データに上記第1の通知情報が含まれているため、要求元に対して防塵プレートの交換が必要であることが通知される。このため、上記要求を行った情報端末の使用者等は、読み取りが失敗している原因とその対処方法とについて容易に知得することができる。
【0010】
請求項2の発明では、端末データには、情報端末の温度、電池電圧、消費電流及び動作状態の少なくとも1つが含まれるため、解析部では、情報端末の状態をより詳細に解析することができる。このため、要求元に対して、情報端末の温度が異常に高い場合や電池電圧が異常な値である場合、消費電流が異常な値である場合、情報端末の動作状態が異常である場合には、その異常の原因やその対処方法等について具体的に通知することができる。
【0011】
請求項3の発明では、加速度センサにより検出された情報端末の加速度が特定情報に関連付けられて送信部によりサーバに対して送信される。これにより、サーバでは、情報端末が落下等した場合に急変するような情報端末の加速度を取得できるので、情報端末の加速度の変化に応じて検出される情報端末の落下等の有無を考慮した上で当該情報端末の状態を解析することができ、解析精度を向上させることができる。
【0012】
請求項4の発明では、情報端末の加速度は、所定の加速度閾値以上となる場合に取得部により取得され、このように取得された情報端末の加速度は、端末データとは異なる送信タイミングにて送信部によりサーバに対して送信される。これにより、落下等が想定されず故障の原因と無関係となるような情報端末の加速度がサーバに送信されることもないので、サーバへの不要なデータの送信を抑制することができる。
【0013】
請求項5の発明では、解析部により、端末データ及び特定情報を受信するごとに、受信した端末データに基づいて特定情報から特定される情報端末の状態が解析される。そして、解析部による解析結果に基づいて情報端末の状態が警告すべき状態であると判定部により判定されると、この解析結果に関する情報が表示部に表示される。
【0014】
これにより、表示部に表示される解析結果に関する情報を見ている管理者等は、管理対象の情報端末の状態が警告すべき状態であることをリアルタイムに把握できるので、その警告すべき状態の解消を迅速に図ることができる。
【0015】
請求項6の発明では、情報端末は、外部の情報を読み取り可能な情報読取端末であって、端末データには、読み取られた読取データの少なくとも一部が特定情報に関連付けられて含まれる。そして、サーバでは、特定情報を伴う要求に応じて、当該特定情報に関して端末データ記憶部に記憶される読取データが要求元に対して出力部により出力される。
【0016】
これにより、故障等した情報端末から今までに読み取った読取データを取り出せなくなっても、サーバに要求することで、そのサーバに対して定期的に送信していた読取データを取得できるので、読取データに関して復旧を容易に行うことができる。
【0019】
請求項の発明では、情報端末の閾値記憶部には、防塵プレートの劣化に起因して読取失敗の頻度が高くなる際の受光波形の高さに相当する値であって上記第1の閾値よりも大きくなる値が第2の閾値として記憶され、反射光の受光時に受光波形の高さが上記第2の閾値以下となる状態が継続すると、防塵プレートが劣化していることを示す第2の通知情報が、送信部により送信される端末データに含められる。そして、サーバでは、解析部により解析される端末データに上記第2の通知情報が含まれていると、要求元に対して防塵プレートが劣化していることが通知部により通知される。
【0020】
これにより、情報端末による読取失敗の頻度が高いことから、その情報端末の特定情報を伴うようにサーバに要求すると、当該情報端末が防塵プレートの劣化に起因して読取失敗の頻度が高くなっている場合には、サーバの解析部により解析される端末データに上記第2の通知情報が含まれているため、要求元に対して防塵プレートが劣化していることが通知される。このため、上記要求を行った情報端末の使用者等は、読取失敗の頻度が高くなっている原因とその対処方法とについて容易に知得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る管理システムを概念的に例示する説明図である。
図2図1の情報端末の電気的構成を例示するブロック図である。
図3図2の端末データ取得部の電気的構成を例示するブロック図である。
図4】情報端末の端末データ取得部においてなされる端末データ送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図5】情報端末の端末データ取得部においてなされる2つの割込み処理の流れをそれぞれ例示するフローチャートである。
図6図1の端末装置の電気的構成を例示するブロック図である。
図7図1のサーバの電気的構成を例示するブロック図である。
図8】第2実施形態においてサーバにて行われる解析処理の流れを例示するフローチャートである。
図9】第2実施形態の変形例において各情報端末のそれぞれの最新の状態等に関して一括表示した状態を示す説明図である。
図10図10(A)は、防塵プレートが曇った状態で撮像された一次元コードを示す説明図であり、図10(B)は、図10(A)の明暗差から求められる受光波形を示す説明図である。
図11図11(A)は、近くの一次元コードからの反射光を受光した状態での受光波形を示す説明図であり、図11(B)は、遠くの一次元コードからの反射光を受光した状態での受光波形を示す説明図である。
図12】第3実施形態において情報端末の制御部においてなされる劣化度合検出処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る管理システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す管理システム1は、1又は2以上の情報端末10と、サーバ70と、情報端末10から受信したデータをサーバ70に送信する端末装置60とを備え、情報端末10の状態をサーバ70にて管理し、サーバ70に対して所定の要求を行う要求元に対して情報端末10の状態を通知するシステムとして構成されている。なお、図1では、便宜上、管理対象となる複数の情報端末10のうち1つのみを図示している。
【0023】
まず、管理システム1の管理対象となる情報端末10の構成について、図1図3を参照して説明する。
図1及び図2に示す情報端末10は、外部の情報であるバーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る携帯型の光学的情報読取端末として構成されるものである。情報端末10は、ABS樹脂等の合成樹脂材料により形成される上側ケース及び下側ケースが組み付けられて構成される長手状の筐体11によって外郭が形成されている。また、上側ケースには、所定の情報を入力する際に操作されるファンクションキーおよびテンキー等の操作部42や、所定の情報を表示するための表示部43等が配置されている。また、下側ケースには、下方に向けて開口する読取口12が形成され、この読取口12内を保護するように当該読取口12を覆う保護部材として防塵プレート13が設けられている。この防塵プレート13は、内部から出射される照明光や情報コードからの反射光を透過可能な透明のアクリル樹脂やガラス等から形成されている。
【0024】
図2に示すように、情報端末10は、主に、照明光源21、受光センサ23、結像レンズ25等の光学系と、メモリ35、制御部40、操作部42、表示部43等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系とを備えている。
【0025】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図2では、防塵プレート13及び読取口12を介して情報コードCが付された読取対象Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0026】
受光光学系は、受光センサ23、結像レンズ25、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ23は、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサとして構成されるものであり、受光した受光素子ごとに反射光Lrの強度に応じた電気信号を出力するように構成されている。この受光センサ23は、結像レンズ25を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ23は、「受光部」の一例に相当し得る。
【0027】
結像レンズ25は、外部から読取口12及び防塵プレート13を介して入射する入射光を集光して受光センサ23の受光面23aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが情報コードにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ25で集光し、受光センサ23の受光面23aにコード像を結像させている。
【0028】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御部40等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御部40及びメモリ35を中心として構成され、上述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的及びソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0029】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅され、その後、A/D変換回路33に入力されてアナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、ROM、RAMなどの公知の記憶媒体によって構成されたメモリ35に入力され、所定の格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0030】
メモリ35は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶媒体によって構成され、例えばRAM、ROM、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、撮像した情報コードをデコードするための読取処理を実行可能なプログラムや通話処理を実行可能なプログラム等、その他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が制御部40により制御可能に予め格納されている。また、メモリ35には、当該情報端末10を他の複数の情報端末と区別して特定可能な端末番号等の特定情報が記憶されている。
【0031】
制御部40は、情報端末10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。制御部40は、メモリ35に記憶される情報コードの画像データを解析して当該情報コードに記録されたデータを公知の解読方法で解読する読取処理を行い、この解読で得た読取データをその解読ごとに後述する端末データ取得部50に出力するように構成されている。
【0032】
また、制御部40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、操作部42、表示部43、ブザー44、バイブレータ45、発光部46、通信部48等が接続されている。
【0033】
操作部42は、トリガーキーやファンクションキー及びテンキー等の複数のキーによって構成され、使用者のキー操作に応じて制御部40に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部40は、操作部42から操作信号を受けたとき、その操作信号に応じた動作を行うように構成されている。表示部43は、公知の液晶表示パネルによって構成されており、制御部40によって表示内容が制御されるようになっている。ブザー44は、公知のブザーによって構成されており、制御部40からの動作信号に応じて所定の音を発生させるように構成されている。バイブレータ45は、携帯端末に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御部40からの駆動信号に応じて振動を発生させるように機能する。発光部46は、例えばLEDであって、制御部40からの信号に応じて点灯・点滅するように機能する。通信部48は、外部(例えばホスト装置)との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部40と協働して通信処理を行うように機能する。また、筐体11内には、電源部49が設けられており、この電源部49やバッテリ49aによって制御部41や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0034】
そして、制御部40は、上述した操作部42、表示部43、ブザー44、バイブレータ45、発光部46、通信部48の動作状態を含め、情報端末10の現在の動作状態(ステータス)を取得するように構成されている。上記情報端末10の現在の動作状態には、さらに、制御部40にて把握しているバッテリ49aの充電状態(例えば、充電中、充電完了、充電エラー等)や通信部48による通信状態(例えば、USB通信中、Wifi通信中等)等を含めることができる。なお、上記情報端末10の現在の動作状態には、例えば、制御部40のスリープ状況(頻度)や電源ON・OFF状況(頻度)等が含まれてもよい。
【0035】
また、筐体11内には、端末データ取得部50が設けられている。この端末データ取得部50は、情報端末10の状態に関するデータや上記読取処理により得られた読取データ等を含めた端末データを取得して、特定情報とともに端末装置60に送信するように機能するもので、図3に示すように、マイコン51及びBLEモジュール52と、温度センサ53aと、電圧/電流センサ53bと、加速度センサ53c及びコンパレータ54とを備えるように構成されている。
【0036】
温度センサ53aは、筐体11内に配置されて、筐体11内の温度に応じた信号をマイコン51に出力するように構成されている。電圧/電流センサ53bは、バッテリ49aの電圧(電池電圧)及び電流(消費電流)を検出(計測)するセンサであって、電圧値及び電流値に応じたそれぞれの信号をマイコン51に出力するように構成されている。
【0037】
加速度センサ53cは、情報端末10の3軸方向の加速度に応じた信号をマイコン51及びコンパレータ54に出力するように構成されている。コンパレータ54は、加速度センサ53cにより検出(計測)される加速度が予め設定される所定の加速度閾値を超える場合にマイコン51に出力されるコンパレータ出力がHighからLowに変化するように構成されている。
【0038】
マイコン51は、CPUコアやタイマ等を備え、上述した各種センサ53a〜53bからの検出結果をADコンバータによりタイマを利用して同じタイミングで取得するとともに、I2C通信を利用して制御部40から情報端末10の現在の動作状態や読取データ等を取得するように構成されている。このように取得した情報端末10の状態に関するデータや読取データ等は、マイコン51により端末データとして特定情報に関連付けられた状態で、SPI通信を利用してBLEモジュール52に出力される。
【0039】
特に、マイコン51は、落下衝撃等の検出を容易にするため、割込検出ポートを介したコンパレータ54からのコンパレータ出力がHighからLowに変化すると割込処理を実施することで、上記所定の加速度閾値を超える情報端末10の加速度をADコンバータを介して加速度センサ53cから取得するように構成されている。このように取得した情報端末10の加速度は、マイコン51により特定情報に関連付けられた状態で、上記端末データとは異なるタイミングにてSPI通信を利用してBLEモジュール52に出力される。
【0040】
BLEモジュール52は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)による低消費電力近距離無線通信を行うモジュールであり、マイコン51が取得した端末データ等をBLE通信を利用して端末装置60に送信するように構成されている。このBLEモジュール52は、コントローラ52a及び回路部52bを備え、コントローラ52aは、マイコン51から端末データ等を取得するごとに、回路部52bを利用してBLE通信にて端末データ等を端末装置60に送信するように機能する。なお、BLEモジュール52は、「送信部」の一例に相当し得る。
【0041】
マイコン51及びBLEモジュール52は、図3に示すように、電源部49とは異なる専用の電源部として、充電回路55a、電源55b及び電源レギュレータ55cを備えている。電源55bは、例えば、電気二重層コンデンサであって、充電回路55aを利用してバッテリ49aにより常時充電状態となっており、この電源55bに充電されている電荷が電源レギュレータ55cにより調整されて、マイコン51及びBLEモジュール52に供給されている。このように、マイコン51及びBLEモジュール52は、電源に関して、制御部40等に対して独立しており、バッテリ49aが充電不足状態になった場合でも、それまでに電源55bに充電された電荷により、少なくとも数ヶ月程度、以下の端末データ送信処理等を継続して実行可能となっている。
【0042】
次に、上述のように構成される端末データ取得部50のマイコン51にてなされる端末データ送信処理について、図4に示すフローチャートを参照して詳述する。
マイコン51では、電源55bから電力供給を受け始めることで、端末データ送信処理が開始されると、所定の初期設定がなされ、各種センサからの検出結果や制御部40からのデータを取得可能な状態になる(図4のS101)。続いて、ステップ103の処理にてタイマによる計時が開始され、所定時間(例えば、60秒)が経過するまでステップS105の判定処理にてNoとの判定が繰り返される。
【0043】
そして、上記所定時間が経過すると(S105でYes)、タイマがクリアされる(S107)。次に、ステップS109のデータ取得処理がなされ、温度センサ53a、電圧/電流センサ53bの検出結果が取得されるとともに、制御部40から情報端末10の現在の動作状態や読取データ等が取得される。続いて、ステップS111の出力処理にて、上述のように取得した情報端末10の状態に関するデータや読取データ等が端末データとして特定情報に関連付けられてBLEモジュール52に出力された後、再び上記ステップ103からの処理がなされる。
【0044】
このように、上記端末データ送信処理により、上記所定時間が経過するごとに(例えば、60秒経過ごとに)、上記端末データが取得されてBLEモジュール52に出力され、BLEモジュール52では、マイコン51から上記端末データ等が入力されるごとに、その端末データ等が特定情報に関連付けられて端末装置60に対して定期的に送信される。
【0045】
次に、上述のように構成される端末データ取得部50のマイコン51にてなされる2つの割込み処理について、図5(A)(B)に示すフローチャートを参照して詳述する。
マイコン51は、上述のようにコンパレータ54からのコンパレータ出力がHighからLowに変化することで、図5(A)に示す割込み処理を開始する。この割込み処理では、まず、加速度センサ53cから上記所定の加速度閾値を超える情報端末10の加速度が取得される(S201)。そして、上述のように取得した情報端末10の加速度が特定情報に関連付けられてBLEモジュール52に出力されて(S203)、本割込み処理が終了する。BLEモジュール52では、このようにマイコン51から上記情報端末10の加速度が入力されるごとに、その情報端末10の加速度が特定情報に関連付けられて端末装置60に対して即座に送信される。
【0046】
また、マイコン51は、制御部40による情報コード等の読み取り処理が成功することで、図5(B)に示す割込み処理を開始する。この割込み処理では、まず、制御部40から読み取り成功した読取データが取得される(S301)。そして、上述のように取得した読取データが特定情報に関連付けられてBLEモジュール52に出力されて(S303)、本割込み処理が終了する。BLEモジュール52では、このようにマイコン51から上記読取データが入力されるごとに、その読取データが特定情報に関連付けられて端末装置60に対して送信される。
【0047】
次に、端末装置60の構成について、図1及び図6を参照して説明する。
図1に示す端末装置60は、各情報端末10からBLE通信を利用して受信した端末データ等をサーバ70に送信するゲートウェイとして機能し、当該サーバ70に端末データ等を送信したいずれかの情報端末10の状態を確認する際にアクセス用端末(要求元)として機能するコンピュータとして構成されている。この端末装置60は、図6に示すように、端末装置60全体を統括的に制御する制御部61、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部62、マウスやキーボード等として構成される操作部63、液晶モニタ等として構成される表示部64、LANインタフェース等として構成される通信部65やBLEモジュール66等を備えている。
【0048】
BLEモジュール66は、情報端末10のBLEモジュール52と同等の機能を有しており、BLEモジュール52によるBLE通信を利用して情報端末10から送信された端末データ等を受信するように機能する。また、通信部65は、インターネット等の所定のネットワークNを介して有線通信または無線通信を行う公知の通信インタフェースとして構成されており、制御部61と協働してサーバ70等の外部機器と通信を行うように機能する。
【0049】
制御部61は、BLEモジュール66を介して情報端末10から端末データ等を受信すると、記憶部62に記憶するとともに、このように受信した端末データ等を通信部65を介してサーバ70に送信するように機能する。なお、制御部61は、情報端末10から受信した端末データ等を記憶することなくサーバ70に送信してもよい。また、制御部61は、サーバ70と一時的に通信できないような通信障害が発生した場合には、端末データ等をサーバ送信用として記憶部62に一時的に記憶し、復旧後にサーバ70に送信するようにしてもよい。
【0050】
また、制御部61は、操作部63による所定の操作に応じて要求処理が開始されると、指定された特定情報を伴うようにサーバ70に所定の要求を行い、その要求に応じてサーバ70にて後述するように解析された解析結果を通信部65を介して受信すると、その解析結果に関する情報が表示部64に表示されて通知される。
【0051】
具体的には、端末装置60を介して端末データ等をサーバ70に送信している情報端末10が故障等して動作不安定になるか動作しなくなると、利用者等は、その情報端末10の状態等を確認するため、端末装置60の操作部63に対して所定の操作を行う。この操作に応じて制御部61により上記要求処理が開始されると、解析対象となる情報端末10の特定情報の入力を促す情報が表示部64に表示され、入力された特定情報がサーバ70に送信される。そして、この送信に応じてサーバ70から受信した解析結果等が表示部64に表示されることで、利用者等は、その情報端末10の状態等を確認することができる。
【0052】
次に、サーバ70の構成について、図1及び図7を参照して説明する。
図1に示すサーバ70は、1又は2以上の端末装置60からそれぞれ受信した端末データ等を管理し、端末装置60等の要求元からの特定情報を伴う要求に応じて、端末データ等を解析した解析結果を要求元に通知するクラウドサーバとして構成されている。このサーバ70は、図7に示すように、サーバ70全体を統括的に制御する制御部71、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部72、マウスやキーボード等として構成される操作部73、液晶モニタ等として構成される表示部74、LANインタフェース等として構成される通信部75等を備えている。
【0053】
通信部75は、インターネット等の所定のネットワークNを介して通信を行う公知の通信インタフェースとして構成されており、制御部71と協働して端末装置60等の外部機器と通信を行うように機能する。
【0054】
制御部71は、常時なされる端末データ登録処理により、通信部75を介して端末装置60から受信した端末データ等を、その受信ごとに、記憶部72に設けられる所定のデータベースに特定情報を基準として順次蓄積するように登録する。このデータベースは、制御部71にてなされる解析処理により、指定された特定情報に関連して記憶される端末データ等が解析可能となるように構築されている。なお、解析処理を行う制御部71は、「解析部」の一例に相当し、記憶部72は、「端末データ記憶部」の一例に相当し得る。
【0055】
また、制御部71は、要求元からの要求に応じて上記解析処理を行うことで、その解析結果を要求元に通知する。具体的には、端末装置60の制御部61によりなされる上記要求処理により、その端末装置60から特定情報を伴う解析結果の通知要求を受信することで、制御部71により上記解析処理が開始され、その解析結果が通信部75を介して要求元である端末装置60に送信されて通知される。なお、制御部71及び通信部75は、「通知部」の一例に相当し得る。
【0056】
この解析処理では、例えば、バッテリ49aの劣化に起因してその電圧値が異常に低下していることから電源キーを操作しても情報端末10が起動しないため、端末装置60を介して上記所定の操作がなされた場合、記憶部72のデータベースには、その情報端末10の特定情報に関連して異常に低い電圧値が記録されており、解析結果として、バッテリ49aの劣化が把握される。このため、端末装置60に対して、バッテリ49aの劣化に関する情報やバッテリ49aの交換を促す情報等を送信することができる。このような解析結果等が端末装置60の表示部64に表示されることで、利用者等は、バッテリ49aの劣化状態やその対処方法を確認することができる。また、このような場合には、「電池は正しく挿入されていますか」等の情報を表示部64に表示させてもよい。また、上記対処方法でも異常状態が解消しない場合には、バッテリ49aを取り外して使用の中止を促す情報を表示部64に表示させてもよい。
【0057】
また、上記解析処理では、例えば、情報端末10の温度が所定温度(例えば、50℃)を超える状態が継続していることから情報端末10の動作が不安定であるため、端末装置60を介して上記所定の操作がなされた場合、記憶部72のデータベースには、その情報端末10の特定情報に関連して異常に高い温度が記録されており、解析結果として、情報端末10の温度異常が把握される。このため、端末装置60に対して、情報端末10の温度異常に関する情報やバッテリ49aの取り外しを促す情報等を送信することができる。このような解析結果等が端末装置60の表示部64に表示されることで、利用者等は、情報端末10の温度異常やその対処方法を確認することができる。また、このような場合には、「管理者へ連絡して下さい」等の情報を表示部64に表示させてもよい。
【0058】
また、上記解析処理では、例えば、情報端末10が落下して故障したため、端末装置60を介して上記所定の操作がなされた場合、記憶部72のデータベースには、その情報端末10の特定情報に関連して異常に大きな加速度が記録されており、解析結果として、情報端末10の落下が把握される。このため、端末装置60に対して、情報端末10の落下に関する情報等を送信することができる。このような解析結果等が端末装置60の表示部64に表示されることで、利用者等は、故障の原因が情報端末10の落下にあることを把握できる。
【0059】
また、「情報コードが読み取れない」「充電ができない」「データ通信ができない」等、受信した端末データだけでは判断できないような情報端末10の状態を想定し、制御部71による解析処理では、端末装置60の表示部64に表示される質問事項に対して利用者等の操作に応じて入力される回答をも端末装置60から取得して解析等するようにしてもよい。これにより、端末装置60は、上述のように解析等された情報端末10の状態やその対処方法をサーバ70から受信することで、その解析結果等を表示部64の表示により通知することができる。
【0060】
また、上記解析処理では、例えば、要求された特定情報に関連して記憶される端末データ等を解析した結果、正常な状態であると判断される場合には、端末装置60に対して、その情報端末10が正常な状態であることを示す情報を送信することができる。このような解析結果等が端末装置60の表示部64に表示されることで、利用者等は、その情報端末10が正常な状態であることを把握でき、安心してその情報端末10を継続して利用することができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、情報端末10において、当該情報端末10の状態に関する端末データ等が端末データ取得部50により取得され、この取得された端末データ等が特定情報に関連付けられて送信部によりサーバ70に対して定期的に送信される。また、サーバ70では、情報端末10から受信したデータが記憶部72のデータベースに記憶される。そして、サーバ70では、特定情報を伴う要求に応じて、当該特定情報に関連付けてデータベースに記憶される端末データ等に基づいて当該特定情報から特定される情報端末10の状態が制御部71での解析処理により解析されると、この解析結果が要求元である端末装置60に送信されて通知される。
【0062】
これにより、情報端末10が故障等した場合には、この故障等した情報端末10を特定する特定情報を伴うようにサーバ70に要求することで、その情報端末10の状態を解析した解析結果が通知されるので、その解析結果に基づいて管理対象となる情報端末10の状態を容易に確認することができる。特に、サーバ70では、端末データ取得部50により取得された端末データが定期的に受信されるため、例えば、情報端末10が動作しないような故障であってもその故障直前までに定期的に受信していた端末データを解析できるので、故障の原因の追究を容易に行うことができる。
【0063】
特に、端末データには、情報端末10の温度、電池電圧(バッテリ49aの電圧)、消費電流(バッテリ49aの電流)及び動作状態の少なくとも1つが含まれるため、制御部71による解析処理では、情報端末10の状態をより詳細に解析することができる。このため、要求元に対して、情報端末10の温度が異常に高い場合や電池電圧が異常な値である場合、消費電流が異常な値である場合、情報端末10の動作状態が異常である場合には、その異常の原因やその対処方法等について具体的に通知することができる。
【0064】
また、加速度センサ53aにより検出された情報端末10の加速度が、特定情報に関連付けられて端末データ取得部50のBLEモジュール52により端末装置60を介してサーバ70に対して送信される。これにより、サーバ70では、情報端末10が落下等した場合に急変するような情報端末10の加速度を取得できるので、情報端末10の加速度の変化に応じて検出される情報端末10の落下等の有無を考慮した上で当該情報端末10の状態を解析することができ、解析精度を向上させることができる。
【0065】
特に、情報端末10の加速度は、コンパレータ54を利用することで所定の加速度閾値以上となる場合に端末データ取得部50により取得され、このように取得された情報端末10の加速度は、端末データとは異なる送信タイミングにてBLEモジュール52により端末装置60を介してサーバ70に対して送信される。これにより、落下等が想定されず故障の原因と無関係となるような情報端末10の加速度がサーバ70に送信されることもないので、サーバ70及び端末装置60への不要なデータの送信を抑制することができる。
【0066】
なお、サーバ70の記憶部72には、各情報端末10にて読み取った読取データが特定情報に関連付けられて記憶されているため、サーバ70に対して、故障判定された情報端末10の特定情報を伴うように読取データの出力を要求することで、制御部71による出力処理に応じて、その情報端末10が今までに読み取った読取データ等を要求元に対して出力させることができる。この場合、例えば、故障判定された情報端末10の代替品を用意して、この代替品を端末装置60に対してUSB接続されるクレードルに載置し、端末装置60からの上記出力要求に応じてサーバ70から受信した読取データをクレードルを介して代替品に取り込むことができる。なお、制御部71は、「出力部」の一例に相当し得る。
【0067】
これにより、故障等した情報端末10から今までに読み取った読取データを取り出せなくなっても、サーバ70に要求することで、そのサーバ70に対して定期的に送信していた読取データを取得できるので、読取データに関して復旧を容易に行うことができる。
【0068】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る管理システムについて、図8を参照して説明する。
本第2実施形態では、端末データ等が受信されるごとに対応する情報端末の状態がサーバにて解析される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
本実施形態におけるサーバ70では、端末装置60から要求がない場合でも、端末データ及び特定情報等を端末装置60を介して受信するごとに、当該端末データに基づいて当該特定情報から特定される情報端末10の状態を解析する。そして、解析結果に基づいて情報端末10の状態が警告すべき状態であると判定されると、この解析結果等に関する情報が端末装置60に送信されて表示部64に表示される。これにより、表示部64に表示される解析結果等を見た利用者等は、異常が生じている情報端末10の状態を容易に把握することができる。
【0070】
ここで、警告すべき状態とは、例えば、情報端末10の温度Tが所定温度To(例えば、50℃)以上となる状態や、電池電圧(バッテリ49aの電圧)Vが0V以下となる状態、電池電圧Vが所定の電圧閾値(例えば、3V)Vo以下となる状態、消費電流Iが所定の電流閾値Io(例えば、1A)以上となる状態等である。
【0071】
以下、本実施形態において、サーバ70の制御部71にてなされる解析処理について、図8に示すフローチャートを参照して詳述する。
制御部71では、端末装置60から端末データ等を受信することで解析処理が開始されると、ステップS401の判定処理にて、受信した端末データ等に含まれる情報端末10の温度Tが所定温度To以上であるか否かについて判定される。ここで、情報端末10の温度Tが所定温度To未満であると、ステップS401にてNoと判定されて、ステップS403の判定処理にて、受信した端末データ等に含まれる電池電圧Vが0V以下であるか否かについて判定される。ここで、電池電圧Vが0Vを超えていると、ステップS403にてNoと判定されて、ステップS405の判定処理にて、電池電圧Vが電圧閾値Vo以下であるか否かについて判定される。ここで、電池電圧Vが電圧閾値Voを超えていると、ステップS405にてNoと判定されて、ステップS407の判定処理にて、受信した端末データ等に含まれる消費電流Iが電流閾値Io以上であるか否かについて判定される。ここで、消費電流Iが電流閾値Io未満であると、ステップS407にてNoと判定されて、受信した端末データ等が記憶部72のデータベースに特定情報を基準として登録(記憶)され(S409)、本解析処理が終了する。なお、上記ステップS401、S403、S405、S407の判定処理を行う制御部71は、「判定部」の一例に相当し得る。
【0072】
一方、受信した端末データ等に含まれる情報端末10の温度Tが所定温度To以上であると、ステップS401にてYesと判定されて、ステップS411に示す通知処理がなされる。この処理では、例えば、「温度が異常です。すぐに電池を外し、管理者へ連絡してください。」等の、情報端末10の温度異常状態とその対処方法とを含めた警告情報が特定情報に関連付けられて対応する端末装置60に送信される。端末装置60では、上述のような警告情報が表示部64に表示されて通知されることで、利用者等は、対応する情報端末10が温度異常とその対処方法を確認することができる。
【0073】
また、受信した端末データ等に含まれる電池電圧Vが0V以下であると、ステップS403にてYesと判定されて、ステップS413に示す通知処理がなされる。この処理では、例えば、「電池電圧が異常です。電池が正しく装着されているか確認してください。」等の、情報端末10の電池電圧異常状態とその対処方法とを含めた警告情報が特定情報に関連付けられて対応する端末装置60に送信される。端末装置60では、上述のような警告情報が表示部64に表示されて通知されることで、利用者等は、対応する情報端末10が電池異常状態とその対処方法を確認することができる。
【0074】
また、受信した端末データ等に含まれる電池電圧Vが0Vを超えていても電圧閾値Vo以下であると、ステップS405にてYesと判定されて、ステップS415に示す通知処理がなされる。この処理では、例えば、「電池電圧が低下しています。速やかに充電するか電池を外してください。」等の、情報端末10の電池電圧低下状態とその対処方法とを含めた警告情報が特定情報に関連付けられて対応する端末装置60に送信される。端末装置60では、上述のような警告情報が表示部64に表示されて通知されることで、利用者等は、対応する情報端末10の電池電圧低下状態とその対処方法を確認することができる。
【0075】
また、受信した端末データ等に含まれる消費電流Iが電流閾値Io以上であると、ステップS407にてYesと判定されて、ステップS417に示す通知処理がなされる。この処理では、例えば、「電流値が異常です。すぐに電池を外し、管理者へ連絡してください。」等の、情報端末10の消費電流異常状態とその対処方法とを含めた警告情報が特定情報に関連付けられて対応する端末装置60に送信される。端末装置60では、上述のような警告情報が表示部64に表示されて通知されることで、利用者等は、対応する情報端末10の消費電流異常状態とその対処方法を確認することができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、サーバ70の制御部71での解析処理により、端末データ及び特定情報を受信するごとに、受信した端末データに基づいて特定情報から特定される情報端末10の状態が解析される。そして、解析処理による解析結果に基づいて情報端末10の状態が警告すべき状態であると判定されると、この解析結果に関する情報が端末装置60に送信されてその表示部64に表示される。
【0077】
これにより、表示部64に表示される解析結果に関する情報を見ている管理者等は、管理対象の情報端末10の状態が警告すべき状態であることをリアルタイムに把握できるので、その警告すべき状態の解消を迅速に図ることができる。
【0078】
なお、本実施形態に係る解析処理では、受信した端末データだけでなく、今まで受信して蓄積されているデータベースの端末データの少なくとも一部を利用して、情報端末10の状態を解析してもよい。
【0079】
また、サーバ70は、複数の情報端末10を一括して管理可能であるため、複数の情報端末10のそれぞれの最新の状態に関する情報を所定のタイミングにてまとめて対応する端末装置60に送信してもよい。この場合には、端末装置60は、図9に例示するように、各情報端末10のそれぞれの最新の状態を、警告状態の有無も含め、表示部64の表示により通知することができる。なお、このような表示状態では、利用者等による情報端末10の選択操作に応じて、選択された情報端末10に関する警告の詳細やその対処方法を表示部64にさらに表示してもよい。
【0080】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る管理システムについて、図10図12を参照して説明する。
本第3実施形態では、情報端末10の防塵プレート13の劣化状態を通知可能に構成される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
上述のように構成される情報端末10では、防塵プレート13が経年劣化することで曇ってくると、一次元コードを受光センサ23にて撮像した場合、図10(A)に例示するバーコードBのように明色モジュール(白スペース)と暗色モジュール(黒バー)との明暗差が不明瞭になる。このため、防塵プレート13が曇る前においてその明暗差から求められる受光波形Sbの高さをhbとするとき、図10(B)に例示するように、防塵プレート13の曇りの度合いが増したときの受光波形Sの高さhが低くなり、その一次元コードのデコード(解読)が失敗する可能性が高くなる。このため、防塵プレート13の劣化に起因して読取が失敗するような場合には、防塵プレート13の交換を通知することが望ましい。なお、受光波形の高さは、その受光波形において最も高い明度と最も低い明度との差から求めることができる。
【0082】
一方、同じ一次元コードを撮像しても、その一次元コードまでの距離に応じて受光波形Sの高さhが変化する。具体的には、図11(A)に示すように近くの一次元コードからの反射光を受光した場合と、図11(B)に示すように遠くの一次元コードからの反射光を受光した場合とでは、遠くの一次元コードの受光波形Sの高さhの方が、近くの一次元コードの受光波形Sの高さhよりも低くなる。そうすると、単に受光波形Sの高さhだけでは、防塵プレート13が劣化しているかわからない。
【0083】
そこで、本実施形態では、情報端末10にて一次元コードを読み取る際に制御部40にてなされる劣化度合検出処理において、受光波形Sの高さhがほぼ同じ値であって継続して所定の閾値ho以下となる場合に、防塵プレート13の交換が必要であることを示す劣化情報を生成する。そして、制御部40は、このように生成される劣化情報を情報端末10の現在の動作状態に含めて端末データ取得部50に出力する。なお、上記所定の閾値hoは、「第1の閾値」の一例に相当し、防塵プレート13の劣化に起因して読取が失敗する際の受光波形の高さに相当する値に設定されてメモリ35に予め記憶されている。また、メモリ35は、「閾値記憶部」の一例に相当し、劣化情報は、「第1の通知情報」の一例に相当し得る。
【0084】
以下、本実施形態において情報端末10の制御部40にてなされる劣化度合検出処理について、図12に示すフローチャートを参照して詳述する。
操作部42に対して所定の操作がなされることで制御部40により劣化度合検出処理が開始されると、ステップS501に示す初期設定処理がなされる。この処理では、受光波形Sの高さhがほぼ同じ値であって所定の閾値Δho以下となる状態が継続している場合に防塵プレート13が劣化していると判断する際のその継続回数n等が予め決められた値に設定される。なお、本実施形態では、継続回数nの初期値は、例えば、数回程度に設定されている。
【0085】
次に、ステップS503に示す判定処理にて、制御部40により別途なされる読取処理が成功したか否かについて判定され、読取処理が成功していると(S503でYes)、本劣化度合検出処理は終了する。一方、読取処理が失敗すると(S503でNo)、ステップS505に示す処理にて、受光波形Sの高さhがメモリ35に記憶される。続いて、ステップS507に示す判定処理にて、現在の受光波形Sの高さhとメモリ35に記憶される前回の受光波形Sの高さhとの差Δhが所定の閾値Δho以下であるか否かについて判定される。ここで、現在の受光波形Sの高さhとメモリ35に記憶される前回の受光波形Sの高さhとが異なり、差Δhが所定の閾値Δhoを超える場合には、読取処理が失敗しているために情報端末10と一次元コードとの距離を変えているとして、ステップS507にてNoと判定されて、上記ステップS501からの処理がなされる。
【0086】
一方、現在の受光波形Sの高さhとメモリ35に記憶される前回の受光波形Sの高さhとがほぼ同じであり、差Δhが所定の閾値Δho以下である場合には(S507でYes)、ステップS509に示す判定処理にて、受光波形Sの高さhが所定の閾値ho以下であるか否かについて判定される。
【0087】
ここで、受光波形Sの高さhが上記所定の閾値hoを超える場合には(S509でNo)、防塵プレート13は劣化していないとして、上記ステップS501からの処理がなされる。
【0088】
一方、受光波形Sの高さhが所定の閾値ho以下である場合には(S509でYes)、継続回数nがデクリメントされ(S511)、ステップS513に示す判定処理にて、デクリメントされた継続回数nが0であるか否かについて判定される。ここで、継続回数nが0でない場合には、ステップS513にてNoと判定されて、受光波形Sの高さhが所定の閾値ho未満である状態が継続していないとして、上記ステップS503からの処理がなされる。
【0089】
一方、受光波形Sの高さhが所定の閾値ho未満である状態が継続していることから、デクリメントされた継続回数nが0になると(S513でYes)、受光波形Sの高さhが所定の閾値ho未満である状態が継続しているとして、上記劣化情報が生成される(S515)。
【0090】
そして、このように生成された劣化情報は、情報端末10の現在の動作状態に含められて端末データ取得部50に出力され、さらに端末装置60を介してサーバ70に送信される。サーバ70では、このように防塵プレート13が劣化している情報端末10に対応する特定情報を伴う要求がなされた場合、端末装置60等の要求元に対して防塵プレート13の劣化を通知することができる。
【0091】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、情報端末10は、防塵プレート13を介して一次元コードからの反射光を受光センサ23にて受光し、その受光波形Sに基づいて当該一次元コードを光学的に読み取る情報コード読取端末であって、防塵プレート13の劣化に起因して読取が失敗する際の受光波形Sの高さhに相当する値が所定の閾値hoとしてメモリ35に記憶されている。そして、情報端末10では、反射光の受光時に受光波形Sの高さhが所定の閾値ho以下となる状態が継続すると、防塵プレート13の交換が必要であることを示す劣化情報(第1の通知情報)が、BLEモジュール52により送信される端末データに含められる。そして、サーバ70では、制御部71によりなされる解析処理にて解析される端末データに上記劣化情報が含まれていると、要求元である端末装置60に対して防塵プレート13の交換が必要であることが通知される。
【0092】
これにより、情報端末10による読み取りが成功しないことから、その情報端末10の特定情報を伴うようにサーバ70に要求すると、当該情報端末10が防塵プレート13の劣化に起因して読取が失敗している場合には、サーバ70により解析される端末データに上記劣化情報が含まれているため、要求元に対して防塵プレート13の交換が必要であることが通知される。このため、上記要求を行った情報端末10の使用者等は、読み取りが失敗している原因とその対処方法とについて容易に知得することができる。
【0093】
なお、防塵プレート13の劣化に起因して読取失敗の頻度が高くなる際の受光波形Sの高さhに相当する値であって上記所定の閾値hoよりも大きくなる値が第2の閾値としてメモリ35に記憶された状態で、反射光の受光時に受光波形Sの高さhが上記第2の閾値以下となる状態が継続すると、防塵プレート13が劣化していることを示す第2の通知情報を生成して、BLEモジュール52により送信される端末データに含めてもよい。
【0094】
これにより、情報端末10による読取失敗の頻度が高いことから、その情報端末10の特定情報を伴うようにサーバ70に要求すると、当該情報端末10が防塵プレート13の劣化に起因して読取失敗の頻度が高くなっている場合には、サーバ70により解析される端末データに上記第2の通知情報が含まれているため、要求元に対して防塵プレート13が劣化していることが通知される。このため、上記要求を行った情報端末10の使用者等は、読取失敗の頻度が高くなっている原因とその対処方法とについて容易に知得することができる。さらに、使用者等は、防塵プレート13の交換時期が近いことをも知得することができる。
【0095】
また、制御部40にてなされる劣化度合検出処理では、受光波形Sの高さhと上記所定の閾値ho及び上記第2の閾値の双方を考慮して、受光波形Sの高さhが上記第2の閾値以下となる状態が継続すると、第2の通知情報を端末データに含め、その後防塵プレート13が交換されることなく、受光波形Sの高さhが上記所定の閾値ho以下となる状態が継続すると、上記劣化情報(第1の通知情報)を端末データに含めるようにしてもよい。
【0096】
また、上述のように劣化情報(第1の通知情報が)又は第2の通知情報が生成されると、表示部43による表示等を利用することで、情報端末10そのものが防塵プレート13の交換が必要であることや防塵プレート13が劣化していることを利用者等に対して通知してもよい。このような構成では、過剰な通知を抑制するため、例えば、所定のテストモードに切り替えられる場合にのみ上記劣化度合検出処理を行うようにしてもよい。
【0097】
また、防塵プレート13に塵等が付着すると、その箇所に相当する受光波形の部分が常に暗色相当になるため、このような受光波形の部分を除くようにして上記劣化度合検出処理を行ってもよい。さらに、上述のように受光波形の一部が常に暗色相当になる場合に、防塵プレート13に塵等が付着していることを示す情報を、BLEモジュール52により送信される端末データに含めてもよく、この場合には、要求元に対して防塵プレート13に塵等が付着していることを通知することができる。また、情報端末10そのものが防塵プレート13に塵等が付着していることを利用者等に対して通知してもよい。
【0098】
なお、情報端末10の防塵プレート13の劣化状態等を通知する本実施形態及び変形例の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
【0099】
なお、本発明は上記各実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)端末装置60は、サーバ70と同様に、制御部61にてなされる端末データ登録処理により各情報端末10からそれぞれ受信した端末データ等を、その受信ごとに、記憶部62に設けられる所定のデータベースに特定情報を基準として順次蓄積するように登録してもよい。この場合、端末装置60は、サーバ70と同様に、制御部61にてなされる解析処理により、指定された特定情報に関連して記憶される端末データ等を解析し、その解析結果や対処方法等を表示部64に表示して通知することができる。すなわち、端末装置60を「サーバ」として機能させることで、サーバ70にアクセスすることなく、各情報端末10の状態や故障の原因及びその対処方法等を確認することができる。
【0100】
(2)サーバ70と端末装置60とを通信可能とする所定のネットワークNは、インターネットに限らず、例えば、社内のイントラネット等であってもよい。
【0101】
(3)情報端末10と端末装置60との間でのデータ通信は、上述したようにBLE通信を採用することなく、例えば、bluetooth(登録商標)通信等の無線通信を採用してもよい。
【0102】
(4)情報端末10は、端末データ等を端末装置60を介すことなく上記所定のネットワークNを介してサーバ70に直接送信してもよい。また、サーバ70に対して上述のような要求を行う要求元は、端末装置60と異なる機器、例えば、情報端末10そのものであってもよい。
【0103】
(5)情報端末10は、バーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る携帯型の光学的情報読取端末として構成されることに限らず、文字情報等を含めた光学的情報を読み取る情報読取端末として構成されてもよいし、無線通信媒体と無線通信する無線通信機能等の他の機能を兼備する情報読取端末として構成されてもよい。また、情報端末10は、携帯型として構成されることに限らず、据え置き型として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…管理システム
10…情報端末
13…防塵プレート
23…受光センサ(受光部)
35…メモリ(閾値記憶部)
40…制御部
50…端末データ取得部
52…BLEモジュール
60…端末装置(要求元)
70…サーバ
71…制御部(解析部,通知部)
72…記憶部(端末データ記憶部)
75…通信部(通知部)
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