(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852537
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】穀物処理設備及び穀物処理方法
(51)【国際特許分類】
F26B 25/00 20060101AFI20210322BHJP
A23B 9/00 20060101ALI20210322BHJP
A01F 25/00 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
F26B25/00 K
A23B9/00
A01F25/00 F
A01F25/00 E
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-81621(P2017-81621)
(22)【出願日】2017年4月17日
(65)【公開番号】特開2018-179436(P2018-179436A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】上瀬 功也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 潤之介
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−300350(JP,A)
【文献】
特開2004−183939(JP,A)
【文献】
特開2009−065912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 25/00
A01F 25/00
A23B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を受け入れて荷受け処理する荷受部と、
複数の循環式乾燥機を有し、前記荷受部で荷受け処理した穀物を前記循環式乾燥機に仕分け投入し所定の水分量まで乾燥処理する乾燥部と、を備える穀物処理設備であって、
前記荷受部へ受け入れる穀物から採取した試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する1次成分測定、前記荷受部へ受け入れる穀物から採取した試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する2次成分測定、を行う化学成分測定部と、
前記化学成分測定部における前記1次成分測定の測定結果に基づいて、前記穀物を高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けするための閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値と、前記化学成分の成分値とを比較して、前記化学成分の成分値が前記上限値よりも高い穀物を高成分値穀物、前記下限値よりも低い穀物を低成分値穀物、前記上限値と前記下限値の間に含まれる穀物を中間成分値穀物に判別する1次品質判別、前記2次成分測定の測定結果に基づいて、前記閾値と前記化学成分の成分値を比較して、前記穀物を前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別、を行う品質判別部と、をさらに備え、
前記品質判別部における前記1次品質判別の判別結果に基づいて、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される穀物を、前記乾燥部における複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入するとともに、前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、前記2次品質判別の結果に基づいて、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することを特徴とする穀物処理設備。
【請求項2】
前記乾燥部は、前記品質判別部における前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物を個別に収容可能なラック式乾燥機をさらに有し、
前記1次品質判別の判別結果に基づいて、前記ラック式乾燥機に収容される前記中間成分値穀物を、前記2次品質判別の判別結果に基づいて、前記ラック式乾燥機から搬出し、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入する請求項1記載の穀物処理設備。
【請求項3】
前記荷受部と前記乾燥部の間には、前記穀物を個別に貯留する貯留タンクを備え、
前記品質判別部における前記1次品質判別の判別結果が得られるまで、前記穀物を前記貯留タンクに個別に貯留する請求項2記載の穀物処理設備。
【請求項4】
前記化学成分はタンパク質であり、前記穀物は前記タンパク質の成分値に基づいて仕分けされる請求項1乃至3のいずれかに記載の穀物処理設備。
【請求項5】
前記化学成分はアミロースであり、前記穀物は前記アミロースの成分値に基づいて仕分けされる請求項1乃至3のいずれかに記載の穀物処理設備。
【請求項6】
穀物を受け入れて荷受け処理する荷受工程と、
前記荷受工程で荷受け処理した穀物を複数の循環式乾燥機に仕分け投入し、所定の水分量まで乾燥処理する乾燥工程と、を含む穀物処理方法であって、
前記荷受工程へ受け入れる穀物から試料を採取し、前記試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する1次成分測定工程と、
前記1次成分測定工程における測定結果に基づいて、前記穀物を高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けするための閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値と、前記化学成分の成分値とを比較し、前記化学成分の成分値が前記上限値よりも高い穀物を高成分値穀物、前記下限値よりも低い穀物を低成分値穀物、前記上限値と前記下限値の間に含まれる穀物を中間成分値穀物に判別する1次品質判別工程と、
前記荷受工程へ受け入れる穀物から試料を採取し、前記試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する2次成分測定工程と、
前記2次成分測定工程における測定結果に基づいて、前記閾値と前記化学成分の成分値を比較し、前記穀物を前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別工程と、をさらに含み、
前記1次品質判別工程における判別の結果、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される穀物を、前記乾燥工程において複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入し、前記1次品質判別工程における判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、前記2次品質判別工程における判別結果に基づいて、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することを特徴とする穀物処理方法。
【請求項7】
前記1次品質判別工程における判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物を個別にラック式乾燥機に収容し、
前記2次品質判別工程における判別結果に基づいて、前記中間成分値穀物を前記ラック式乾燥機から搬出し、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入する請求項6記載の穀物処理方法。
【請求項8】
前記1次品質判別工程における判別結果が得られるまで、前記穀物を貯留タンクに個別に貯留する請求項7記載の穀物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カントリーエレベータ等の穀物処理設備、及びカントリーエレベータ等における穀物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カントリーエレベータ等の穀物処理設備において、荷受する穀物のサンプルを採取し、前記サンプルの水分・形質品位・化学成分含有量等を測定し、前記化学成分含有量等の測定結果に基づいて前記荷受穀物を仕分けして、その後の乾燥処理及び貯蔵を行うことが知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0003】
特許文献1には、荷受ホッパーと粗選機と計量機等からなる荷受工程を含む穀類乾燥調製施設において、前記荷受工程で荷受する穀粒から採取したサンプル穀粒の食味や化学成分含有量等を測定し、該測定値に基づいて前記穀物を同一品質ごとに所定の貯留タンクに仕分けすることが記載されている。
【0004】
特許文献1に記載された技術によれば、穀類の食味ランクや化学成分含有量等ごとに乾燥、調製、出荷の管理を行うことができるため、製品の品質を統一することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、穀類の食味や化学成分含有量等を測定するために、荷受ホッパーや計量機等で採取されるサンプル穀粒を所定の含水率まで乾燥させるものであり、測定結果が得られるまでに長時間を要する問題がある。
【0005】
他方、特許文献2には、受入部に穀物を受入れ、その受け入れた穀物を計量する荷受け処理を行う荷受け部を備える穀物処理設備であって、前記受入部への受入れ前の穀物、又は、前記受入部に受け入れた後で前記計量が行われる前の穀物から試料穀物を採取し、該採取した試料穀物に対し、乾燥処理を行わない状態で、食味等を計測し、該計測結果に基づいて前記荷受け処理された穀物を仕分けすることが記載されている。
【0006】
特許文献2に記載された技術によれば、試料穀物に対し、長時間を要する乾燥処理を行わない状態で食味等を計測するので、計測結果の待ち時間が短く、荷受け処理、乾燥処理及び貯蔵にわたる一連の穀物処理を効率よく行うことが可能となる。
しかしながら、特許文献2に記載された技術は、試料穀物に対し乾燥処理を行わず水分量の多い状態で食味等を計測するため、計測値のバラツキが大きく、穀物の仕分け精度に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平3−201941号公報
【特許文献2】特開平10−300350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、荷受けした穀物を効率よく処理することができるとともに、前記穀物の仕分け精度を向上させることができる穀物処理設備及び穀物処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、
穀物を受け入れて荷受け処理する荷受部と、
複数の循環式乾燥機を有し、前記荷受部で荷受け処理した穀物を前記循環式乾燥機に仕分け投入し所定の水分量まで乾燥処理する乾燥部と、を備える穀物処理設備であって、
前記荷受部へ受け入れる穀物から採取した試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する1次成分測定、前記荷受部へ受け入れる穀物から採取した試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する2次成分測定、を行う化学成分測定部と、
前記化学成分測定部における前記1次成分測定の測定結果に基づいて、前記穀物を高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けするための閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値と、前記化学成分の成分値とを比較して、前記化学成分の成分値が前記上限値よりも高い穀物を高成分値穀物、前記下限値よりも低い穀物を低成分値穀物、前記上限値と前記下限値の間に含まれる穀物を中間成分値穀物に判別する1次品質判別、前記2次成分測定の測定結果に基づいて、前記閾値と前記化学成分の成分値を比較して、前記穀物を前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別、を行う品質判別部と、をさらに備え、
前記品質判別部における前記1次品質判別の判別結果に基づいて、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される穀物を、前記乾燥部における複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入するとともに、前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、前記2次品質判別の結果に基づいて、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することを特徴とする。
【0010】
本発明は、
前記乾燥部が、前記品質判別部における前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物を個別に収容可能なラック式乾燥機をさらに有し、
前記1次品質判別の判別結果に基づいて、前記ラック式乾燥機に収容される前記中間成分値穀物を、前記2次品質判別の判別結果に基づいて、前記ラック式乾燥機から搬出し、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することが好ましい。
【0011】
本発明は、
前記荷受部と前記乾燥部の間に、前記穀物を個別に貯留する貯留タンクを備え、
前記品質判別部における前記1次品質判別の判別結果が得られるまで、前記穀物を前記貯留タンクに個別に貯留することが好ましい。
【0012】
本発明は、
前記化学成分がタンパク質であり、前記穀物が前記タンパク質の成分値に基づいて仕分けされることが好ましい。
【0013】
本発明は、
前記化学成分がアミロースであり、前記穀物が前記アミロースの成分値に基づいて仕分けされることが好ましい。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明は、
穀物を受け入れて荷受け処理する荷受工程と、
前記荷受工程で荷受け処理した穀物を複数の循環式乾燥機に仕分け投入し、所定の水分量まで乾燥処理する乾燥工程と、を含む穀物処理方法であって、
前記荷受工程へ受け入れる穀物から試料を採取し、前記試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する1次成分測定工程と、
前記1次成分測定工程における測定結果に基づいて、前記穀物を高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けするための閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値と、前記化学成分の成分値とを比較し、前記化学成分の成分値が前記上限値よりも高い穀物を高成分値穀物、前記下限値よりも低い穀物を低成分値穀物、前記上限値と前記下限値の間に含まれる穀物を中間成分値穀物に判別する1次品質判別工程と、
前記荷受工程へ受け入れる穀物から試料を採取し、前記試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する2次成分測定工程と、
前記2次成分測定工程における測定結果に基づいて、前記閾値と前記化学成分の成分値を比較し、前記穀物を前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別工程と、をさらに含み、
前記1次品質判別工程における判別の結果、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される穀物を、前記乾燥工程において複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入し、前記1次品質判別工程における判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、前記2次品質判別工程における判別結果に基づいて、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することを特徴とする。
【0015】
本発明は、
前記1次品質判別工程における判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物を個別にラック式乾燥機に収容し、
前記2次品質判別工程における判別結果に基づいて、前記中間成分値穀物を前記ラック式乾燥機から搬出し、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することが好ましい。
【0016】
本発明は、
前記1次品質判別工程における判別結果が得られるまで、前記穀物を貯留タンクに個別に貯留することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の穀物処理設備は、試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する1次成分測定を行う化学成分測定部と、前記1次成分測定の測定結果に基づいて、前記穀物を高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けするための閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値と、前記化学成分の成分値とを比較して、前記化学成分の成分値が前記上限値よりも高い穀物を高成分値穀物、前記下限値よりも低い穀物を低成分値穀物、前記上限値と前記下限値の間に含まれる穀物を中間成分値穀物に判別する1次品質判別を行う品質判別部と、を備えるので、試料に乾燥処理を施さない分、品質判別を短時間で行うことが可能となり、また、前記1次成分測定の結果、前記試料に含まれる化学成分の成分値が、前記閾値を含む前記所定範囲に含まれない場合については、試料に乾燥処理を施さないことによる測定値のバラツキを問題とする必要がないため、前記1次品質判別の判別結果に基づいて、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される穀物を、速やかに、乾燥部における複数の循環式乾燥機に精度良く仕分けして投入することが可能となる。
【0018】
また、本発明の穀物処理設備は、試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する2次成分測定を行う化学成分測定部と、前記2次成分測定の測定結果に基づいて、前記閾値と前記化学成分の成分値を比較して、前記穀物を前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別を行う品質判別部と、を備えるので、
前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、試料に乾燥処理を施すことにより測定値のバラツキを抑えた状態で成分測定を行う前記2次成分測定の測定結果に基づいて、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別を行うので、前記穀物を、前記乾燥部における前記複数の前記循環式乾燥機に精度良く仕分けして投入することができる。
【0019】
したがって、本発明の穀物処理設備によれば、荷受けした穀物を効率よく処理することができるとともに、前記穀物の仕分け精度を向上させることができる。
【0020】
本発明の穀物処理設備は、乾燥部が、前記品質判別部における前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物を個別に収容可能なラック式乾燥機をさらに有し、前記1次品質判別の判別結果に基づいて、前記ラック式乾燥機に収容される前記中間成分値穀物を、前記2次品質判別の判別結果に基づいて、前記ラック式乾燥機から搬出し、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することとすれば、前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、前記2次品質判別の判別結果が得られるまで、前記ラック式乾燥機に収容して乾燥処理することができる。
したがって、本発明の穀物処理設備によれば、循環式乾燥機とラック式乾燥機を組み合わせることによって、荷受けした穀物を一層効率よく処理することができる。
【0021】
本発明の穀物処理設備は、荷受部と乾燥部の間に、前記穀物を個別に貯留する貯留タンクを備え、前記品質判別部における前記1次品質判別の判別結果が得られるまで、前記穀物を前記貯留タンクに個別に貯留することとすれば、前記荷受部において穀物を連続的に受け入れて荷受け処理することが可能となる。
【0022】
本発明の穀物処理設備は、前記化学成分がタンパク質であり、前記穀物が前記タンパク質の成分値に基づいて仕分けされることとすれば、高品質の低タンパク穀物を得ることができる。
【0023】
本発明の穀物処理設備は、前記化学成分がアミロースであり、前記穀物が前記アミロースの成分値に基づいて仕分けされることとすれば、高品質の高アミロース穀物を得ることができる。
【0024】
また、本発明の穀物処理方法は、試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する1次成分測定工程と、前記1次成分測定工程における測定結果に基づいて、前記穀物を高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けするための閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値と、前記化学成分の成分値とを比較し、前記化学成分の成分値が前記上限値よりも高い穀物を高成分値穀物、前記下限値よりも低い穀物を低成分値穀物、前記上限値と前記下限値の間に含まれる穀物を中間成分値穀物に判別する1次品質判別工程と、を含むので、試料に乾燥処理を施さない分、品質判別を短時間で行うことが可能となり、また、前記1次成分測定工程における測定の結果、前記試料に含まれる化学成分の成分値が、前記閾値を含む前記所定範囲に含まれない場合については、試料に乾燥処理を施さないことによる測定値のバラツキを問題とする必要がないため、前記1次品質判別工程における判別結果に基づいて、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される前記穀物を、速やかに、乾燥工程において複数の循環式乾燥機に精度良く仕分け投入することが可能となる。
【0025】
また、本発明の穀物処理方法は、試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する2次成分測定工程と、前記2次成分測定工程における測定結果に基づいて、前記閾値と前記化学成分の成分値を比較し、前記穀物を前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別工程と、を含むので、前記1次品質判別工程における判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、試料に乾燥処理を施すことにより測定値のバラツキを抑えた状態で行う前記2次成分測定工程における測定結果に基づいて、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別することができるので、前記穀物を、乾燥工程において前記複数の前記循環式乾燥機に精度良く仕分けして投入することができる。
【0026】
したがって、本発明の穀物処理方法によれば、荷受けした穀物を効率よく処理することができるとともに、前記穀物の仕分け精度を向上させることができる。
【0027】
本発明の穀物処理方法は、前記1次品質判別工程における判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される前記穀物を個別にラック式乾燥機に収容し、前記2次品質判別工程における判別結果に基づいて、前記中間成分値穀物を前記ラック式乾燥機から搬出し、前記複数の前記循環式乾燥機に仕分け投入することとすれば、前記1次品質判別工程における判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については、前記2次品質判別工程における判別結果が得られるまで、前記ラック式乾燥機に収容して乾燥処理することができる。
したがって、本発明の穀物処理方法によれば、循環式乾燥機とラック式乾燥機を組み合わせることによって、荷受けした穀物を一層効率よく処理することができる。
【0028】
本発明の穀物処理方法は、前記1次品質判別工程における判別結果が得られるまで、前記穀物を貯留タンクに個別に貯留することとすれば、前記荷受工程において穀物を連続的に受け入れて荷受け処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施の形態における穀物処理設備の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態における穀物処理設備の概略構成図を示す。
本発明の実施の形態における穀物処理設備は、穀物を受け入れて荷受け処理する荷受部2、前記荷受部2で荷受け処理した穀物を所定の水分量まで乾燥処理する乾燥部3、前記乾燥部3で乾燥処理した穀物を貯蔵する貯蔵部4を備える。
【0031】
前記荷受部2は、収穫された穀物、例えば生籾を受け入れる荷受ホッパー21と、前記穀物から夾雑物等を除去する粗選機22と、前記粗選した後の穀物を計量する計量機23を備える。
【0032】
前記乾燥部3は、前記荷受部2において荷受け処理した穀物を品質等に基づいて仕分け投入する複数の循環式乾燥機31と、前記荷受部2において荷受け処理した穀物を荷受単位で個別に投入するコンテナ33を複数収容可能なラック式乾燥機32を備える。
【0033】
前記貯蔵部4は、前記乾燥部3において前記循環式乾燥機31で品質等に基づいて仕分けした状態で乾燥処理した穀物を、前記仕分けした状態のまま貯蔵する複数の貯蔵サイロ41を備える。
【0034】
本発明の実施の形態における穀物処理設備は、前記荷受部2と前記乾燥部3の間に、前記荷受部2において荷受け処理された穀物を荷受単位で貯留する複数の貯留タンク5を備える。
【0035】
また、本発明の実施の形態における穀物処理設備は、荷受けされる穀物、ここでは荷受ホッパー21又は計量機23から採取される試料穀物に含まれる化学成分の成分値を測定する化学成分測定部6、前記化学成分測定部6における測定結果に基づいて穀物の品質を判別する品質判別部7を備える。
【0036】
前記化学成分測定部6は、前記穀物に含まれるタンパク質やアミロース等の化学成分の成分値を測定する成分測定装置、この例では食味計61を備える。
【0037】
前記品質判別部7は、マイクロコンピュータにより構成され、前記化学成分測定部6における前記化学成分の成分値の測定結果に基づいて、前記穀物を品質毎に仕分けするための閾値と、前記化学成分の成分値とを比較して、前記穀物の品質を判別する。
【0038】
図2は穀物処理のフローチャートを示す。
前記穀物処理設備において、前記荷受部2で受付を済ませた穀物は、前記荷受ホッパー21に投入された後、前記粗選機22で夾雑物等が除去され、前記計量機23で計量されて荷受け処理が行われる。
そして、前記荷受け処理された穀物は、前記貯留タンク5に荷受単位毎に個別に一時貯留される。
【0039】
その間、前記化学成分測定部6では、前記荷受ホッパー21から採取される試料に乾燥処理を施すことなく、前記食味計61により前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する1次成分測定が行われる。
【0040】
そして、前記品質判別部7では、前記1次成分測定の結果に基づいて、前記穀物の品質を判別する1次品質判別が行われる。
【0041】
前記品質判別部7において、前記マイクロコンピュータには、前記穀物を品質毎に仕分けするための閾値、及び前記試料に乾燥処理を施さないことによる前記食味計6の測定値のバラツキを考慮した前記閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値が、事前に入力設定されている。
【0042】
そして、前記品質判別部7では、前記食味計6による前記1次成分測定の結果に基づいて、前記閾値を含む所定範囲の上限値及び下限値と、前記化学成分の成分値(測定値)とを比較し、前記化学成分の成分値が前記上限値よりも高い穀物を高成分値穀物、前記下限値よりも低い穀物を低成分値穀物、又は前記上限値と前記下限値の間に含まれる穀物を中間成分値穀物に判別する。
【0043】
前記1次品質判別の結果、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される穀物は前記貯留タンク5から搬出し、前記乾燥部3における前記複数の循環式乾燥機31に品質毎に仕分けして投入される。
【0044】
また、前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物については前記貯留タンク5から搬出し、前記乾燥部3において前記コンテナ33に個別に投入され前記ラック式乾燥機32に収容される。
【0045】
前記化学成分測定部6では、前記1次成分測定を行う一方で、前記計量機23から採取される試料に乾燥処理を施して、前記食味計61で前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定する2次成分測定を行う。
【0046】
そして、前記品質判別部7では、前記食味計61による前記2次成分測定の結果に基づいて、前記閾値と前記化学成分の成分値(測定値)を比較して、前記穀物を前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別する2次品質判別を行う。
【0047】
前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別される穀物であって、前記ラック式乾燥機32に収容される穀物については、前記2次品質判別の結果に基づいて、前記ラック式乾燥機32に収容された前記コンテナ33から搬出し、前記複数の前記循環式乾燥機31に品質毎に仕分けして投入される。
【0048】
前記乾燥部3において、前記乾燥処理が終了した後の前記穀物は、前記循環式乾燥機31から搬出され、品質毎に仕分けされた状態のまま前記貯蔵サイロ41に貯蔵される。
【0049】
図3は穀物処理のタイムチャートを示す。
本発明の実施の形態において、前記1次成分測定、前記1次品質判別、前記2次成分測定、前記2次品質判別の各工程は、前記荷受けした穀物の処理と平行して行われる。
【0050】
前記1次成分測定工程では、前記荷受ホッパー21から試料を採取し、前記試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を前記化学成分測定部6において前記食味計61で測定する。
そして、前記1次品質判別工程では、前記1次成分測定の結果に基づいて、前記穀物を、前記高成分値穀物、前記低成分値穀物、又は前記中間成分値穀物に判別する。
【0051】
その間、前記荷受部2において受付を済ませた穀物は、前記荷受ホッパー21に投入され、前記粗選機22で夾雑物等が除去され、前記計量機23で計量されて荷受け処理が平行して行われる。
【0052】
ここで、前記1次成分測定工程において、前記試料は前記荷受ホッパー21から採取することとしたが、前記荷受ホッパー21に投入される前、又は前記荷受ホッパー21へ投入された後であって前記計量機23で計量される前であれば、いずれの段階において採取することとしてもよい。
前記1次成分測定工程に際し、前記試料を、穀物が前記荷受ホッパー21に投入される前、又は前記荷受ホッパー21へ投入された直後に採取することとすれば、1次品質判別の結果を早期に得ることができるため、乾燥工程までの待ち時間を短縮する上で好ましい。
【0053】
前記荷受け処理が完了するまでに、前記1次品質判別の結果が得られない場合には、前記穀物は、前記判別結果が得られるまで前記貯留タンク5に一時貯留され、前記1次品質判別の結果が得られた時点で、前記循環式乾燥機31に高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けして投入され、又は前記ラック式乾燥機32に中間成分値穀物として収容される。
【0054】
また、前記荷受け処理が完了するまでに、前記1次品質判別工程の判別結果が得られる場合には、前記穀物は、前記貯留タンク5に一時貯留されることなく、前記荷受部2から直ちに前記乾燥部3における前記複数の前記循環式乾燥機31に高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けして投入され、又は前記ラック式乾燥機32に中間成分値穀物として収容される。
【0055】
次に、前記2次成分測定工程では、前記計量機23から試料を採取し、前記試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を前記食味計61で測定する。
そして、前記2次品質判別工程では、前記2次成分測定の結果に基づいて、前記穀物を、前記高成分値穀物、又は前記低成分値穀物に判別する。
【0056】
前記1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別されて、前記ラック式乾燥機32に収容された穀物は、前記2次品質判別の結果が得られた時点で、前記ラック式乾燥機32から搬出され、前記循環式乾燥機31に高成分値穀物と低成分値穀物に仕分けして投入される。
【0057】
そして、前記乾燥部3において、前記乾燥処理が終了した後の前記穀物は、前記循環式乾燥機31から搬出され、仕分けされた状態のまま前記貯蔵サイロ41に貯蔵される。
【0058】
ここで、前記2次成分測定工程において、前記試料は前記計量機23から採取することとしたが、前記荷受ホッパー21に投入される前、又は前記荷受ホッパー21へ投入された後で前記計量機23で計量される前であれば、いずれの段階において採取することとしてもよく、例えば前記1次成分測定と同時に採取することとしてもよい。
また、試料の整粒割合等を検定する自主検定装置により、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定することとしてもよい。
【0059】
本発明の実施の形態において、1次成分測定は、試料に乾燥処理を施すことなく、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定するので、試料に乾燥処理を施さない分、品質判別を短時間で行うことが可能となり、また、前記1次成分測定の結果、前記試料に含まれる化学成分の成分値が、前記閾値を含む前記所定範囲に含まれない場合については、試料に乾燥処理を施さないことによる測定値のバラツキを問題とする必要がないため、1次品質判別の判別結果に基づいて、前記高成分値穀物又は前記低成分値穀物に判別される前記穀物を、速やかに、前記乾燥部3における複数の前記循環式乾燥機31に精度良く仕分けして投入することが可能となる。
【0060】
また、本発明の実施の形態において、2次成分測定は、試料に乾燥処理を施して、前記試料に含まれる化学成分の成分値を測定するので、測定値のバラツキを抑えた状態で成分測定を行うことが可能となり、1次品質判別の結果、中間成分値穀物に判別される穀物であって、前記ラック式乾燥機32に収容される穀物については、2次品質判別の結果に基づいて、高成分値穀物又は低成分値穀物に判別することができるので、前記ラック式乾燥機32に収容された前記コンテナ33から搬出し、乾燥部における複数の循環式乾燥機31に精度良く仕分けして投入することができる。
【0061】
さらに、本発明の実施の形態において、1次品質判別の結果、前記中間成分値穀物に判別された穀物は、前記2次品質判別の結果が得られるまでの間、前記ラック式乾燥機32で乾燥処理を行うので、例えば貯留タンク5に貯留する場合に比べ、効率よく乾燥処理を行うことができる。
【0062】
したがって、本発明の実施の形態によれば、試料に乾燥処理を施さない1次成分測定・1次品質判別と、試料に乾燥処理を施す2次成分測定・2次品質判別を組み合わせることによって、荷受けした穀物を効率よく処理することができるとともに、前記穀物の仕分け精度を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態によれば、前記循環式乾燥機31と前記ラック式乾燥機32を組み合わせることによって、荷受けした穀物を一層効率よく処理することができる。
【0063】
本発明の実施の形態によれば、前記品質判別部7における1次品質判別の判別結果が得られるまで、前記穀物を前記貯留タンク5に個別に貯留することができるので、前記荷受部2において穀物を連続的に受け入れて荷受け処理することが可能となる。
【0064】
本発明の実施の形態において、前記化学成分がタンパク質であり、前記穀物が前記タンパク質の成分値に基づいて仕分けされることとすれば、高品質の低タンパク穀物を得ることができる。
【0065】
また、本発明の実施の形態において、前記化学成分がアミロースであり、前記穀物が前記アミロースの成分値に基づいて仕分けされることとすれば、高品質の高アミロース穀物を得ることができる。
【0066】
上記本発明の実施の形態では、1次品質判別の結果、中間成分値穀物に判別される穀物を、前記ラック式乾燥機32に収容することとしたが、前記貯留タンク5に貯留した状態を維持し、2次品質判別の結果に基づいて、複数の前記循環式乾燥機31に仕分け投入することもできる。
【0067】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の穀物処理設備は、荷受けした穀物を効率よく処理することができるとともに、前記穀物の仕分け精度を向上させることができるので、極めて実用的価値が高い。
【符号の説明】
【0069】
2 荷受部
21 荷受けホッパー
22 粗選機
23 計量機
3 乾燥部
31 循環式乾燥機
32 ラック式乾燥機
33 コンテナ
4 貯蔵部
41 貯蔵サイロ
5 貯留タンク
6 化学成分測定部
61 食味計
7 品質判別部