特許第6852543号(P6852543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852543
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】オーディオ装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/02 20060101AFI20210322BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20210322BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20210322BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   H04R3/02
   H04M1/00 H
   H04M1/00 U
   G10K15/02
   H04R3/00
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-85015(P2017-85015)
(22)【出願日】2017年4月24日
(65)【公開番号】特開2018-186320(P2018-186320A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003676
【氏名又は名称】ティアック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 拓弥
【審査官】 齊田 寛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−104490(JP,A)
【文献】 特開2004−146894(JP,A)
【文献】 特開2006−217187(JP,A)
【文献】 特開2012−129800(JP,A)
【文献】 特開2005−117630(JP,A)
【文献】 中国実用新案第201315621(CN,Y)
【文献】 中国特許出願公開第1622582(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00− 3/02
G10K 15/02
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータと接続可能で、マイクから入力された音声信号を前記コンピュータに出力することでインターネット配信するオーディオ装置であって、
通話者と通話する場合に、前記マイクから入力された音声信号を第1音声信号と第2音声信号に分岐し、前記第2音声信号を前記通話者に供給する分岐手段と、
前記通話者からの音声信号を入力する入力手段と、
前記第1音声信号と、前記通話者からの音声信号を合成して前記コンピュータに出力する合成手段と、
を備えるオーディオ装置。
【請求項2】
外部音源からの再生オーディオ信号を入力する第2入力手段と、
を備え、
前記合成手段は、前記第1音声信号と、前記通話者からの音声信号と、前記再生オーディオ信号を合成して前記コンピュータに出力する
請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項3】
前記分岐手段は、前記通話者からの着信時に分岐を開始し、前記通話者との通話終了時に分岐を終了する
請求項1,2のいずれかに記載のオーディオ装置。
【請求項4】
前記合成手段は、前記通話者からの音声信号にエフェクト処理を施して合成する
請求項1〜3のいずれかに記載のオーディオ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオーディオ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、通話音声を含む各種信号を合成して出力する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、音声及び映像通信システムにおける音声制御方法について記載されており、映像と映像用音声とをクライアント端末が受信して出力している最中に音声会話のための通話用音声を受信した場合に、映像用音声と通話用音声とを合成して出力することが記載されている。
【0004】
特許文献2には、地上デジタル放送等の放送波を受信可能な携帯端末装置について記載されており、放送波受信部で受信した放送波音声と電話通信部で受信した通話音声を合成して出力することが記載されている。
【0005】
特許文献3には、回線型通話システムについて記載されており、音声データが記録された音声記録媒体を備える通話機器と他の通話装置が通話接続された状態において、音声記録媒体に記録された音声データを他の通話装置から送信される音声に加重して出力することが記載されている。
【0006】
特許文献4には、通話中にBGMを聴くことが出来る端末装置について記載されており、通話中にBGMと自機の通話音声を混合して相手先に送信するとともに、BGMと相手の通話音とを混合して自機のスピーカに出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−023504号公報
【特許文献2】特開2004−146894号公報
【特許文献3】特開2005−223403号公報
【特許文献4】特開2006−081051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、例えばオーディオインターフェース装置とコンピュータを接続し、オーディオインターフェースから各種のオーディオ信号を取り込んでコンピュータに供給し、コンピュータで適宜編集等して録音する、あるいはインターネットを介して外部に出力する(インターネット生放送)技術が提案されている。例えば、楽器演奏や自分の歌をマイクから入力してインターネット生放送することができ、必要に応じてリバーブをかける、あるいはイコライザやコンプレッサを用いて処理することで効果的な放送が可能である。さらに、外部入力端子に音源を接続する等して既存の音源に合わせて歌い、これをインターネット生放送することも可能である。
【0009】
このようなインターネット生放送において、より視聴者の関心を集めるべく、配信者と視聴者との電話対談や、ゲストを呼んで配信者とゲストとの対談を生放送することも提案されている。通常、配信者と視聴者との電話対談をインターネット生放送する場合、配信者の音声と視聴者の音声とを合成し、合成音声をインターネット配信する際に、その一部を分岐させて視聴者に提供するが、かかる構成では視聴者の音声がループしてしまうことになるため配信を担うコンピュータ側で特別の処理を行う必要があった。
【0010】
本発明の目的は、簡易な構成で配信者と視聴者との電話対談をインターネット配信することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、コンピュータと接続可能で、マイクから入力された音声信号を前記コンピュータに出力することでインターネット配信するオーディオ装置であって、通話者と通話する場合に、前記マイクから入力された音声信号を第1音声信号と第2音声信号に分岐し、前記第2音声信号を前記通話者に供給する分岐手段と、前記通話者からの音声信号を入力する入力手段と、前記第1音声信号と、前記通話者からの音声信号を合成して前記コンピュータに出力する合成手段とを備えるオーディオ装置である。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、外部音源からの再生オーディオ信号を入力する第2入力手段を備え、前記合成手段は、前記第1音声信号と、前記通話者からの音声信号と、前記再生オーディオ信号を合成して前記コンピュータに出力する。
【0013】
本発明の他の実施形態では、前記分岐手段は、前記通話者からの着信時に分岐を開始し、前記通話者との通話終了時に分岐を終了する。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態では、前記合成手段は、前記通話者からの音声信号にエフェクト処理を施して合成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通話者と通話する場合に、マイクから入力された音声信号を第1音声信号と第2音声信号に分岐して第2音声信号を通話者に提供し、他方で、第1音声信号と通話者の音声信号を合成してコンピュータに出力するので、通話者の音声信号がループすることなく、通話者との対談の様子をインターネット配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態のシステム構成図である。
図2】実施形態の構成ブロック図である。
図3】実施形態の信号処理を示す模式図である。
図4】実施形態の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<構成>
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態のシステム構成図である。本実施形態のオーディオ装置を含むオーディオシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)10とオーディオインターフェース装置14を備え、PC10とオーディオインターフェース装置14は、例えばUSBケーブル12で相互にデータ送受可能に接続される。
【0019】
PC10には、オーディオデータを入力、編集、出力するためのソフトウェアがインストールされており、当該ソフトウェアを用いてオーディオデータの入出力及び編集を行う。
【0020】
オーディオインターフェース装置14は、実施形態におけるオーディオ装置として機能する。オーディオインターフェース装置14は、アンプ、複数チャンネルのアナログ入力端子及びアナログ出力端子を備え、PC10との間でオーディオ信号及び各種制御信号を送受する。オーディオインターフェース装置14は、マイク入力端子16、内蔵マイク18、レベルメータ20、ヘッドホン出力調整ボタン28を備え、さらに、複数のボタンからなるポン(PON)出しスイッチ22、各種の効果音を生成するエフェクトスイッチ24、オンエアースイッチ26を備える。
【0021】
ポン出しスイッチ22は、「ポン出し1」、「ポン出し2」、及び「ポン出し3」の3つのポン出しスイッチから構成される。ユーザがポン出しスイッチ22を押下操作すると、オーディオインターフェース装置14は再生出力指示信号をPC10に供給し、PC10は、当該再生出力指示信号に応じてオーディオ信号を再生して出力する。PC10がインターネットに接続されており、PC10で再生したオーディオ信号をインターネットを介して外部に出力し得る場合(インターネット生放送)、オンエアースイッチ26がオンの状態で、配信者としてのユーザがポン出しスイッチ22を操作することでオーディオ信号が再生されてインターネットに出力される。ポン出しスイッチ22を構成する3つのスイッチ、すなわち「ポン出し1」、「ポン出し2」、「ポン出し3」には、予め所望のオーディオファイルを割り当てることができ、ユーザはこれら3つのポン出しスイッチ「ポン出し1」、「ポン出し2」、「ポン出し3」のいずれかを押下操作することで、予め割り当てたオーディオファイルを再生して出力すべくPC10を制御することができる。
【0022】
エフェクトスイッチ24は、オーディオ信号に対して所定の効果音を付加するためのスイッチである。所定の効果音は任意であるが、例えばリバーブ(残響音)を付加する処理である。
【0023】
オンエアースイッチ26は、PC10に対してインターネットを介しリアルタイムで出力することを指示するスイッチである。ユーザがオンエアースイッチ26をオン操作することで、例えばマイク入力端子16から入力されたオーディオ信号や内蔵マイク18から入力された音声信号をPC10からインターネットに出力し、あるいは「ポン出し1」を操作することで「ポン出し1」に予め割り当てられたオーディオファイルを再生してインターネットに出力することができる。また、ポン出しスイッチ22のいずれかに拍手や歓声のオーディオファイルを割り当てることで、配信者であるユーザは、ポン出しスイッチ22を操作してテレビ番組のような拍手や歓声を適宜流すこともできる。
【0024】
図2は、本実施形態におけるオーディオシステムの構成ブロック図を示す。
【0025】
PC10は、CPU50、ROM52、RAM54、メモリ56、ディスプレイ58、通信インターフェースI/F60、及びUSBコネクタ62を備える。なお、これ以外にも、マウスやキーボード等の公知の入出力インターフェースを備える。
【0026】
CPU50は、ROM52あるいはハードディスク等に記憶された処理プログラムを読み出し、RAM54をワーキングメモリとして用いて処理プログラムを実行することで本実施形態の各種機能を実現する。
【0027】
メモリ56は、オーディオファイルやその他のファイルを記憶する。オーディオファイルのフォーマットは任意であるが、例えばWAVやMP3である。その他のファイルも任意であり、文書データや画像データ、あるいは動画データであってもよい。
【0028】
ディスプレイ58は、CPU50からの制御指令に基づいて各種の情報を表示する。本実施形態では、オーディオインターフェース装置14と連動させるべく、オーディオインターフェース装置14の各スイッチ、具体的にはポン出しスイッチ22、エフェクトスイッチ24、及びオンエアースイッチ26に対応する仮想スイッチを表示する。
【0029】
通信インターフェースI/F60は、通信回線としてのインターネットと接続するためのインターフェースである。インターネットとの接続は、有線無線を問わない。
【0030】
USBコネクタ62は、オーディオインターフェース装置14とUSB接続するためのコネクタである。図では、オーディオインターフェース装置14側のUSBコネクタ49とUSBケーブル12を介して接続される様子を模式的に示す。
【0031】
CPU50は、ユーザ操作に応じ、ユーザ所望のオーディオファイルを予めポン出しスイッチ22の3つのスイッチにそれぞれ割り当てる。すなわち、CPU50は、ユーザ操作に応じ、メモリ56に記憶されているファイルのいずれかとポン出しスイッチ22のいずれかのスイッチとを関連付ける。例えば、メモリ56に記憶されている「AAA.WAV」なるオーディオファイルを「ポン出し1」に関連付け、「BBB.WAV」なるオーディオファイルを「ポン出し2」に関連付ける。なお、「関連付ける」とは、具体的には当該オーディオファイルのパスを「ポン出し1」に登録することを意味する。ユーザは、例えば、メモリ56に記憶されているファイル一覧をディスプレイ58に表示させ、ドラッグアンドドロップ操作等により所望のオーディオファイルアイコンをポン出しスイッチ22に対応する仮想スイッチにドロップすることで割り当てる(関連付ける)ことができる。
【0032】
CPU50は、さらに、割り当て状態を示すデータをUSB接続されたオーディオインターフェース装置14にも供給する。これにより、PC10とオーディオインターフェース装置14とで割り当て状態が共有される。
【0033】
オーディオインターフェース装置14は、上記のマイク入力端子16、内蔵マイク18、ポン出しスイッチ22、エフェクトスイッチ24、オンエアースイッチ26に加え、外部入力端子30、出力端子32、切替スイッチ19,47、アンプ34,40,46、アナログデジタル変換器(ADC)36,42、デジタルアナログ変換器(DAC)44、リバーブ付加器(REVERB)38、及びプロセッサ48を備える。
【0034】
マイク入力端子16から入力されたオーディオ信号あるいは内蔵マイク18から入力された音声信号は、切替スイッチ19で選択的に切り替えられ、アンプ34を介してADC36でデジタルオーディオ信号に変換される。デジタルオーディオ信号は、ユーザによるエフェクトスイッチ24の操作に応じてリバーブ付加器38で適宜リバーブが付加され、ステレオバスに出力される。また、外部入力端子(AUX IN)30から入力されたオーディオ信号は、アンプ40を介してADC42でデジタルオーディオ信号に変換され、ステレオバスに出力される。
【0035】
また、マイク入力端子16、内蔵マイク18、外部入力端子30から入力されたオーディオ信号、あるいはPC10から供給されたオーディオ信号は、ステレオバスを介してDAC44でアナログオーディオ信号に変換され、アンプ46からヘッドホン端子等の出力端子32から出力される。アンプ46のゲインはヘッドホン出力調整ボタン28で調整される。
【0036】
PC10と接続するためのUSBコネクタ49は、切替スイッチ47を介してステレオバスに接続される。切替スイッチ47は、オンエアースイッチ26と連動し、オンエアースイッチ26がオン操作されると接点がオンとなり、オーディオインターフェース装置14からPC10へのオーディオ信号の出力が開始される。他方、オンエアースイッチ26の操作とは無関係に、PC10からオーディオインターフェース装置14への制御信号はプロセッサ48に供給される。
【0037】
プロセッサ48は、オーディオインターフェース装置14の各部の動作を制御する。プロセッサ48は、ポン出しスイッチ22、エフェクトスイッチ24、オンエアースイッチ26からの操作信号に応じて動作を制御する。すなわち、ポン出しスイッチ22からの操作信号に応じてPC10に対して再生指示信号を出力する。ポン出しスイッチ22の「ポン出し1」が押下操作された場合には「ポン出し1」用の再生指示信号を出力し、「ポン出し2」が押下操作された場合には「ポン出し2」用の再生指示信号を出力し、「ポン出し3」が押下操作された場合には「ポン出し3」用の再生指示信号を出力する。再生指示信号には、ポン出しスイッチ22を押下操作したときの押圧力に応じたレベル信号も含まれる。このレベル信号は、再生出力する際の音量を制御する信号である。例えば、押圧力を2段階に分け、弱い押圧力では小さい音量で、強い押圧力では大きい音量で出力する等である。
【0038】
PC10のCPU50は、これらの再生指示信号を受信すると、予め「ポン出し1」、「ポン出し2」、「ポン出し3」に割り当てられたオーディオファイルを再生し、押圧力に応じた音量レベルで出力する。また、エフェクトスイッチ24からの操作信号に応じてリバーブ付加器38を動作させてリバーブを付加する。また、オンエアースイッチ26からの操作信号に応じてPC10に対して信号出力開始(放送開始)指示信号あるいは信号出力停止(放送停止)指示信号を出力するとともに、切替スイッチ47をオンオフ制御する。
【0039】
配信者であるユーザが、PC10からの再生オーディオ信号をBGMとして自己の音声をインターネット配信する場合、プロセッサ48は、PC10からの再生オーディオ信号と内蔵マイク18から入力された配信者の音声信号とを合成してPC10に供給し、PC10からインターネット配信する。
【0040】
他方、インターネット配信の視聴者から携帯電話回線あるいはインターネット回線から着信があり、配信者と視聴者との間で電話による対談を行う場合、この対談の様子もインターネット配信したいと欲する場合もある。
【0041】
この場合、配信者であるユーザからの操作に応じ、プロセッサ48は、切替スイッチ39をオンして内蔵マイク18から入力された配信者の音声信号を第1音声信号と第2音声信号に分岐させ、視聴者である通話者に第2音声信号を供給する。分岐させた配信者の第2音声信号は、アナログ信号に変換して携帯電話回線を介して通話者に供給するか、あるいはデジタル音声信号としてインターネット回線を介して通話者に供給する。インターネット回線を介した音声通話は、スカイプ等で公知である。また、通話者からの音声信号は、デジタル信号に変換されてオーディオインターフェース装置14に入力される。プロセッサ48は、内蔵マイク18から入力された配信者の音声信号のうちの第1音声信号と、PC10からの再生オーディオ信号と、通話者からの音声信号とを合成してPC10に供給し、PC10からインターネット配信する。プロセッサ48は、オンエアースイッチ26からの操作信号に応じて切替スイッチ39をオンしてもよく、あるいは他のスイッチからの操作信号に応じて切替スイッチ39をオンしてもよい。プロセッサ48は、通話者からの着信を検知し、着信をトリガとして切替スイッチ39をオンし、通話者との通話中はオンし続け、通話の終了とともにオフにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、配信者であるユーザは、内蔵マイク18から自分の音声を入力する構成としているが、外部マイクからマイク入力端子16や外部入力端子30を介して自分の音声を入力する構成としてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、PC10からの再生オーディオ信号をBGMとして配信者であるユーザの音声信号と通話者の音声信号を合成しているが、スマートフォンや携帯音楽プレーヤ等で再生されたオーディオ信号を外部入力端子から入力し、この再生オーディオ信号をBGMとして配信者であるユーザの音声信号と通話者の音声信号を合成してもよい。
【0044】
<信号の流れ>
図3は、本実施形態における信号処理の流れを模式的に示す。オーディオインターフェース装置14のプロセッサ48の機能をミキシングモジュール100、電話回線あるいはインターネット回線を用いた音声通話を実現する機能を通話モジュール102、PC10のCPU50の機能を配信モジュール104とする。
【0045】
ここで、「モジュール」とは、論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を意味する。従って、本実施形態におけるモジュールはコンピュータプログラムにおけるモジュールのみならず、ハードウェア構成におけるモジュールも意味する。モジュールは機能に対して1:1に対応してもよいが、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1つのプロセッサによって実行されてもよいし、分散又は並列環境における複数のプロセッサによって実行されてもよい。
【0046】
配信者であるユーザは、例えば内蔵マイク18から自分の音声信号を入力する。このマイク入力信号をMicと称する。マイク入力信号Micは、ミキシングモジュール100に供給される。
【0047】
また、PC10やスマートフォンあるいは携帯音楽プレーヤ等からの再生オーディオ信号がBGMとしてミキシングモジュール100に供給される。
【0048】
ミキシングモジュール100は、通話者から着信がある場合に、マイク入力信号Micの一部を分岐して通話モジュール102に供給する。通話者からの着信の有無は、例えば通話モジュール102からの着信信号を用いて判定する。
【0049】
通話モジュール102は、ミキシングモジュール100から分岐されたマイク入力信号Mic(第2音声信号)を通話者に提供する。また、通話者の音声信号は通話モジュール102に供給される。この通話者からの音声信号をTelと称する。通話モジュール102は、通話者からの音声信号Telをミキシングモジュール100に電話回線あるいはインターネット回線を介して供給する。
【0050】
ミキシングモジュール100は、配信者からのマイク入力信号Micのうち通話モジュール102に分岐していない信号(第1音声信号)と、通話モジュール102からの音声信号Telと、PC10等からのBGMとを合成し、(Mic+Tel+BGM)としてマスターバス120及びUSBケーブル12を介してPC10の配信モジュール104に送信する。
【0051】
図3から明らかなように、本実施形態では、ミキシングモジュール100は、合成前のマイク入力信号Micのみを通話モジュール102を介して通話者に供給しており、合成信号を分岐させて通話者に供給する構成ではないので、通話者からの音声信号Telがループすることはない。従って、配信者は、例えばPC10等で特定の処理を実行する必要はなく、オーディオインターフェース装置14を用いて自分と通話者との通話内容をBGMとともにインターネット配信することができる。
【0052】
<処理フローチャート>
図4は、本実施形態の処理フローチャートを示す。
【0053】
まず、オーディオインターフェース装置14のミキシングモジュール100、及びPC10の配信モジュール104は、配信者であるユーザのオンエアースイッチ26の操作に応じてインターネット生放送を実行する(S101)。すなわち、配信者であるユーザは、外部入力端子30から楽器等のオーディオ信号を入力し、あるいは内蔵マイク18等から音声信号を入力し、ミキシングモジュール100は、これらのオーディオ信号/音声信号をPC10等で再生した再生オーディオ信号BGMに合成して配信モジュール104に供給し、配信モジュール104は合成信号をインターネット配信する。
【0054】
次に、ミキシングモジュール100は、視聴者等から着信があったか否かを判定する(S102)。例えば、スカイプ等のインターネット電話でPC10に着信があった場合、PC10はこの着信を検知してUSBケーブル12を介してミキシングモジュール100に通知する。ミキシングモジュール100のプロセッサ48は、PC10からの通知を受信して着信があったと判定すると(S102)、切替スイッチ39をオフからオンに切り替えて配信者からのマイク入力信号Micを分岐させて第2音声信号を通話モジュール102に出力する(S103)。通話モジュール102がPC10で実現される場合、ミキシングモジュール100は分岐したマイク入力信号Mic(第2音声信号)をPC10に供給する。通話モジュール102は、マイク入力信号Mic(第2音声信号)を通話者に提供する。また、通話モジュール102は、通話者からの音声信号Telをミキシングモジュール100に供給する。通話モジュール102がPC10で実現される場合、PC10はUSBケーブル12を介して通話者の音声信号Telをミキシングモジュール100に供給する。ミキシングモジュール100は、マイク入力信号Micのうち、通話モジュール102に分岐していない信号成分(第1音声信号)と、通話者の音声信号Telと、BGMとを合成して配信モジュール104に出力する(S104)。配信者と通話者が通話している間は、ミキシングモジュール100は切替スイッチ39をオンし続け、通話モジュール102に分岐していない信号成分と、通話者の音声信号Telと、BGMとを合成して配信モジュール104に出力する(S105でNO)。
【0055】
配信者と通話者との通話が終了すると(S105でYES)、ミキシングモジュール100はこれを検知して切替スイッチ39をオンからオフとし、マイク入力信号Micの分岐を終了する(S106)。その後は、インターネット生放送が終了するまでS102〜S106の処理を繰り返す(S107)。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形例が可能である。以下に、変形例について説明する。
【0057】
<変形例1>
実施形態では、通話者が単独の場合について説明したが、複数の通話者が存在してもよく、ミキシングモジュール100は、複数の通話先からの音声信号Telをマイク入力信号Mic及びBGMに合成してPC10に送信してもよい。また、音声信号Telは、通話者が演奏した楽器の音声信号であってもよく、配信者を含む複数の通話者の演奏音を合成してインターネット配信してもよい。
【0058】
<変形例2>
実施形態では、PC10とオーディオインターフェース装置14はUSBケーブル12でUSB接続されているが、接続形態はこれに限定されず、有線無線を問わない。Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等で接続されていてもよい。
【0059】
<変形例3>
実施形態では、プロセッサ48がプログラムを実行することによりソフトウェア処理でマイク入力信号Micと音声信号TelとBGMとを合成して出力しているが、ミキシング回路を用いたハードウェア処理でこれらの信号を合成して出力してもよく、ASICやFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等の回路を用いて行ってもよい。
【0060】
<変形例4>
実施形態では、ミキシングモジュール100は、マイク入力信号Micと通話先からの音声信号TelとBGMとを合成してPC10に送信しているが、BGMがなく、マイク入力信号Micと通話先からの音声信号Telを合成してPC10に送信してもよいのは言うまでもない。
【0061】
<変形例5>
実施形態では、ミキシングモジュール100は、通話者からの音声信号Telを基本的にはそのままマイク入力信号Mic及びBGMと合成してPC10に出力しているが、通話者からの音声信号Telにエフェクト処理を施し、通話者の音声を加工(ボイスチェンジ)した上で合成してもよい。また、マイク入力信号Micと通話者の音声信号TelとBGMを合成する際に、それぞれの信号の合成レベルを増減調整した上で合成してもよい。なお、合成する際には、マイク入力信号Micと通話者の音声信号Telは、ともにモノラル信号として処理するのが好適であり、これにより自然な感じで電話対談を行い、インターネット配信することができる。
【符号の説明】
【0062】
10 PC、14 オーディオインターフェース装置、22 ポン出しスイッチ、24 エフェクトスイッチ、26 オンエアースイッチ、48 プロセッサ、50 CPU、56 メモリ、58 ディスプレイ、100 ミキシングモジュール、102 通話モジュール、104 配信モジュール。
図1
図2
図3
図4