(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重畳処理部は、前記車両が駐車対象とする駐車区画を基準として格子状に配置した矩形の仮想区画標示を、前記車両が駐車対象とする駐車区画に隣接した駐車区画に対して重畳させた重畳映像を生成する、
請求項2に記載の俯瞰映像生成装置。
前記判断部は、前記車両が駐車対象とする駐車区画と、前記車両が駐車対象とする駐車区画に隣接した駐車区画とが角度付き駐車区画である場合に不連続であると判断する、
請求項2または請求項3に記載の俯瞰映像生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る俯瞰映像生成装置、俯瞰映像表示システム、俯瞰映像生成方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成装置の構成例を示すブロック図である。俯瞰映像表示システム1は、例えば、車両Vを駐車する際に、車両Vの俯瞰映像100(
図6参照)または重畳映像100A(
図3参照)を生成する。
【0014】
図1を参照して、俯瞰映像表示システム1について説明する。俯瞰映像表示システム1は、前方カメラ(撮影部)11と、後方カメラ(撮影部)12と、左側方カメラ(撮影部)13と、右側方カメラ(撮影部)14と、表示パネル(表示部)31と、俯瞰映像生成装置40とを有する。
【0015】
前方カメラ11は、俯瞰映像用カメラである。前方カメラ11は、車両Vの前方に配置され、車両Vの前方を中心とした周辺を撮影する。前方カメラ11は、例えば、180°程度の第一撮影範囲A1(
図2参照)を撮影する。第一撮影範囲A1は、俯瞰映像100の表示範囲A(
図2参照)より車両Vの前方に広い範囲を含む。前方カメラ11は、撮影した周辺映像データを俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0016】
後方カメラ12は、俯瞰映像用カメラである。後方カメラ12は、車両Vの後方に配置され、車両Vの後方を中心とした周辺を撮影する。後方カメラ12は、例えば、180°程度の第二撮影範囲A2(
図2参照)を撮影する。第二撮影範囲A2は、俯瞰映像100の表示範囲Aより車両(自車両)Vの後方に広い範囲を含む。後方カメラ12は、撮影した周辺映像データを俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0017】
左側方カメラ13は、俯瞰映像用カメラである。左側方カメラ13は、車両Vの左側方に配置され、車両Vの左側方を中心とした周辺を撮影する。左側方カメラ13は、例えば、180°程度の第三撮影範囲A3(
図2参照)を撮影する。第三撮影範囲A3は、俯瞰映像100の表示範囲Aより車両Vの左側方に広い範囲を含む。左側方カメラ13は、撮影した周辺映像データを俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0018】
右側方カメラ14は、俯瞰映像用カメラである。右側方カメラ14は、車両Vの右側方に配置され、車両Vの右側方を中心とした周辺を撮影する。右側方カメラ14は、例えば、180°程度の第四撮影範囲A4(
図2参照)を撮影する。第四撮影範囲A4は、俯瞰映像100の表示範囲Aより車両Vの右側方に広い範囲を含む。右側方カメラ14は、撮影した周辺映像データを俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0019】
前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とで、車両Vの全方位を撮影する。
【0020】
表示パネル31は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイを含むディスプレイである。表示パネル31は、俯瞰映像表示システム1の俯瞰映像生成装置40から出力された映像信号に基づいて、俯瞰映像100または重畳映像100A(
図3参照)を表示する。表示パネル31は、俯瞰映像表示システム1に専用のものであっても、例えば、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共同で使用するものであってもよい。表示パネル31は、運転者から視認容易な位置に配置されている。
【0021】
俯瞰映像生成装置40は、制御部41と、記憶部49とを有する。俯瞰映像生成装置40は、車両Vに搭載されている。俯瞰映像生成装置40は、車両Vに載置されているものに加えて、可搬型で車両Vにおいて利用可能な装置であってもよい。
【0022】
制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部41は、記憶部49に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部41は、映像データ取得部42と、車両情報取得部43と、俯瞰映像生成部44と、駐車区画検出部45と、判断部46と、重畳処理部47と、表示制御部48とを有する。制御部41には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部41におけるデータの一時記憶などに用いられる。
【0023】
映像データ取得部42は、車両Vの周辺を撮影した周辺映像データを取得する。より詳しくは、映像データ取得部42は、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とが出力した周辺映像データを取得する。映像データ取得部42は、取得した周辺映像データを俯瞰映像生成部44と駐車区画検出部45とに出力する。各々のカメラから取得する周辺映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。
【0024】
車両情報取得部43は、車両Vのギア操作情報など、俯瞰映像の表示開始のトリガとなる車両Vの状況を示す車両情報を、CAN(Controller Area Network)や車両Vの状態をセンシングする各種センサなどから取得する。車両情報取得部43は、例えば、後退トリガを取得する。車両情報取得部43は、例えば、車速情報を取得する。車両情報取得部43は、取得した車両情報を俯瞰映像生成部44に出力する。
【0025】
俯瞰映像生成部44は、映像データ取得部42が取得した周辺映像から車両Vを上方から見下ろすように視点変換処理と車両Vを示す自車両アイコン110を含む合成処理とを行い、車両Vから所定の表示範囲Aを表示する俯瞰映像100を生成する。より詳しくは、俯瞰映像生成部44は、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とが撮影した周辺映像に基づいて、俯瞰映像100を生成する。俯瞰映像100を生成する方法は、公知のいずれの方法でもよく、限定されない。俯瞰映像生成部44は、生成した俯瞰映像100を重畳処理部47と表示制御部48とに出力する。
【0026】
俯瞰映像生成部44は、視点変換処理部441と、切出処理部442と、合成処理部443とを有する。
【0027】
視点変換処理部441は、映像データ取得部42が取得した周辺映像データに対して、車両Vを上方から見下ろすように視点変換処理を行う。より詳しくは、視点変換処理部441は、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とが撮影した周辺映像データに基づいて、視点変換処理を行った映像を生成する。視点変換処理の方法は、公知のいずれの方法でもよく、限定されない。視点変換処理部441は、視点変換処理を行った周辺映像データを切出処理部442に出力する。
【0028】
切出処理部442は、視点変換処理を行った周辺映像データから所定の範囲の映像を切出す切出処理を行う。どの範囲を切出範囲とするかは、あらかじめ登録され記憶されている。切出処理部442は、切出処理を行った映像の映像データを合成処理部443に出力する。
【0029】
合成処理部443は、切出処理を行った映像データを合成する合成処理を行う。合成処理部443は、合成した映像に自車両アイコン110を表示した俯瞰映像100を生成する。
【0030】
駐車区画検出部45は、車両Vの周辺における駐車区画Cを検出する。より詳しくは、駐車区画検出部45は、前方カメラ11の撮影範囲A1、後方カメラ12の撮影範囲A2、左側方カメラ13の撮影範囲A3、右側方カメラ14の撮影範囲A4に含まれる駐車区画Cを検出する。駐車区画検出部45は、映像データ取得部42が取得した周辺映像データに対して視点変換処理部441が視点変換処理した周辺映像データに対して駐車区画Cを検出してもよい。駐車区画Cは、車幅方向に複数並んでいる。駐車区画Cは、駐車枠によって区画されている。駐車区画検出部45は、俯瞰映像100として表示される範囲より広い範囲に対して駐車区画Cを検出する。
【0031】
駐車枠は、所定長さ以上の直線性を備える。駐車枠は、例えば、駐車区画線、車道外側線、路面上に引かれた線などを含む駐車枠線、縁石、車両止めである。本実施形態では、駐車枠線によって駐車区画Cが区画されている。
【0032】
図2を参照して、駐車枠線と駐車区画Cとについて説明する。
図2は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。本実施形態では、駐車枠線は、車両Vの駐車時に車両側面に向かい合う複数の側方枠線B1と、車両後端部に向かい合う後方枠線B2とを含む。複数の側方枠線B1は、平行である。側方枠線B1は、後方枠線B2に対して傾斜している。このような複数の側方枠線B1と後方枠線B2とによって、隣接した複数の駐車区画Cを形成する。駐車区画Cは、後方枠線B2に対して傾斜している。このような駐車区画Cは、「角度付き駐車区画」という。駐車区画Cは、駐車区画CTと、駐車区画CTの右隣に位置する駐車区画CRと、駐車区画CTの左隣に位置する駐車区画CLとを含む。駐車区画CTと駐車区画CRと駐車区画CLとを特に区別する必要がない場合、駐車区画Cとして説明する。
【0033】
駐車区画検出部45は、映像データ取得部42が取得した周辺映像に対して物体認識処理を行い、駐車区画Cの境界を示す駐車枠線を検出する。物体認識処理は、駐車枠線としての条件を備える被撮影物を検出する。駐車区画検出部45は、エッジ検出処理により、周辺映像から所定長さ以上の直線性を備えた被撮影物を駐車枠線として検出してもよい。駐車区画検出部45は、駐車枠線を記憶した認識辞書により、周辺映像から駐車枠線を検出してもよい。物体認識処理は、既存の白線検出処理や、認識辞書を用いた特定の物体検出処理などを用い、または併用してもよい。
【0034】
図1に戻って、判断部46は、駐車区画検出部45が検出した駐車区画Cが所定の条件を満たすか否かを判断する。所定の条件とは、駐車区画検出部45が検出した駐車区画Cのうち、並んで位置する複数の駐車区画Cにおける前後方向の区画位置が不連続であることである。ここでいう前後方向とは、駐車区画Cに車両を駐車する場合の車両の前後方向に対応する方向である。より詳しくは、所定の条件とは、並んで位置する複数の駐車区画Cの前後方向の区画位置が前後方向に異なる位置であることである。区画位置が不連続であるとは、例えば、並んで位置する複数の駐車区画Cに同一車長の車両Vを同様に駐車した際に、隣接した駐車区画Cに停車した車両Vの前後方向の停止位置が車幅方向に沿った同一直線上に位置せず、ずれてしまう配置となっていることである。本実施形態では、所定の条件とは、駐車区画Cが角度付き駐車区画Cであることである。
【0035】
本実施形態では、判断部46は、側方枠線B1が、後方枠線B2に対して傾斜しているとき、駐車区画Cが角度付き駐車区画Cであると判断する。
【0036】
または、判断部46は、駐車区画Cの側方枠線B1が通路の延びる方向(
図2における矢印方向)に対して傾斜しているとき、駐車区画Cが角度付き駐車区画Cであると判定してもよい。さらに、判断部46は、後方枠線B2または通路等、側方枠線B1をの角度を定義する基準が存在しないまたは検出できない場合は、認識した側方枠線B1の端点位置、隣接した駐車区画に駐車している車両の位置などを基準として、駐車区画Cが角度付き駐車区画Cであると判定してもよい。
【0037】
通路の延びる方向は、映像データ取得部42が取得した周辺映像に対して物体認識処理やエッジ検出処理を行って検出してもよい。または、通路の延びる方向は、車両情報取得部43が取得した車両Vの走行方向を含む車両情報から検出してもよい。
【0038】
例えば、側方枠線B1が、後方枠線B2または通路の延びる方向に対して90度の角度で配置されているときは、判断部46は駐車区画Cが角度付き駐車区画Cであると判断しない。また、側方枠線B1が、後方枠線B2または通路の延びる方向に対して角度が90度±10度の間で配置されているときも、判断部46は駐車区画Cが角度付き駐車区画Cであると判断しないこととしてもよい。
【0039】
重畳処理部47は、判断部46が、並んで位置する複数の駐車区画Cにおける車両Vの前後方向の停止位置が不連続であると判断したとき、複数の駐車区画Cに対して車両Vの前後方向の停止位置を示す仮想区画標示120を俯瞰映像生成部44が生成した俯瞰映像100に重畳させた重畳映像100Aを生成する。
【0040】
仮想区画標示120は、駐車区画Cを標示するものであればよく、表示態様は枠状に限定されない。仮想区画標示120は、例えば、駐車区画Cの外周を囲う矩形の態様、駐車区画Cの角部を示す態様、駐車区画Cの外周を点状に示す態様などであってもよい。本実施形態では、仮想区画標示120は、各駐車区画Cを基準とした矩形状である。仮想区画標示120は、各駐車区画Cに対応して表示される。
【0041】
図3を参照して、仮想区画標示120について説明する。
図3は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の一例を示す図である。仮想区画標示120は、駐車区画CTに重畳して表示された仮想区画標示120Tと、駐車区画CRに重畳して表示された仮想区画標示120Rと、駐車区画CLに重畳して表示された仮想区画標示120Lとを含む。仮想区画標示120Tは、一対の側方枠線B1に重畳した一対の仮想側方枠線121Tと、一方の仮想側方枠線121Tの後端部から他方の仮想側方枠線121Tに向かって垂直に延びる仮想後方枠線122Tと、他方の仮想側方枠線121Tの前端部から一方の仮想側方枠線121Tに向かって垂直に延びる仮想前方枠線123Tとを含む。仮想区画標示120Rは、一方の仮想側方枠線121Tと仮想後方枠線122Rとを含む。仮想区画標示120Lは、他方の仮想側方枠線121Tと仮想前方枠線123Lとを含む。仮想区画標示120Tと仮想区画標示120Rと仮想区画標示120Lとを特に区別する必要がない場合、仮想区画標示120として説明する。重畳処理部47は、仮想区画表示120を、矩形として定義する。
【0042】
表示制御部48は、俯瞰映像100または重畳処理部47が生成した重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。
【0043】
記憶部49は、俯瞰映像生成装置40における各種処理に要するデータおよび各種処理結果を記憶する。記憶部49は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0044】
次に、
図4を参照して、俯瞰映像生成装置40における処理の流れについて説明する。
図4は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
制御部41は、俯瞰映像表示を開始するか否かを判定する(ステップS11)。俯瞰映像表示を開始する判定の例として、制御部41は、後退トリガの有無に基づいて、俯瞰映像表示を開示するか否かを判定する。後退トリガとは、例えば、シフトポジションが「リバース」とされたことをいう。または、後退トリガとは、車両Vの進行方向が車両Vの前後方向の後方となったことをいう。制御部41は、後退トリガがない場合、俯瞰映像表示を開始しないと判定し(ステップS11でNo)、ステップS11の処理を再度実行する。制御部41は、後退トリガがある場合、俯瞰映像表示を開始すると判定し(ステップS11でYes)、ステップS12に進む。
【0046】
制御部41は、俯瞰映像100を生成し表示する(ステップS12)。より詳しくは、制御部41は、俯瞰映像生成部44によって、映像データ取得部42が取得した周辺映像から車両Vを上方から見下ろすように視点変換を行った俯瞰映像100を生成させる。制御部41は、ステップS13に進む。
【0047】
制御部41は、駐車区画Cを検出したか否かを判定する(ステップS13)。より詳しくは、制御部41は、駐車区画検出部45によって、駐車区画Cが検出されたか否かを判定する。制御部41は、駐車区画Cが検出されたと判定した場合(ステップS13でYes)、ステップS14に進む。制御部41は、駐車区画Cが検出されていないと判定した場合(ステップS13でNo)、ステップS17に進む。
【0048】
制御部41は、駐車区画Cが所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS14)。より詳しくは、制御部41は、判断部46によって、駐車区画検出部45が検出した、並んで位置する複数の駐車区画Cにおける車両Vの前後方向の停止位置が不連続であるか否かを判断する。本実施形態では、制御部41は、判断部46によって、駐車区画検出部45が検出した駐車区画Cが角度付き駐車区画Cであるか否かを判断する。制御部41は、所定の条件を満たすと判断した場合(ステップS14でYes)、ステップS15に進む。制御部41は、所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS14でNo)、ステップS17に進む。
【0049】
制御部41は、重畳映像100Aを生成する(ステップS15)。より詳しくは、制御部41は、重畳処理部47によって、仮想区画標示120を俯瞰映像生成部44が生成した俯瞰映像100に重畳させた重畳映像100Aを生成させる。制御部41は、ステップS16に進む。
【0050】
制御部41は、重畳映像100Aを表示する(ステップS16)。より詳しくは、制御部41は、表示制御部48によって、重畳処理部47が生成した重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。制御部41は、ステップS18に進む。
【0051】
制御部41は、ステップS12で生成表示された俯瞰映像100の表示を継続する(ステップS17)。より詳しくは、制御部41は、表示制御部48によって、俯瞰映像生成部44が生成し、ステップS12で表示が開始された俯瞰映像100に対して、重畳映像を生成することなく表示パネル31への表示を継続させる。制御部41は、ステップS18に進む。
【0052】
制御部41は、俯瞰映像表示を終了するか否かを判定する(ステップS18)。より詳しくは、制御部41は、後退終了トリガの有無に基づいて、俯瞰映像100の表示と重畳映像100Aの表示とを含む俯瞰映像表示を終了するか否かを判定する。後退終了トリガとは、例えば、シフトポジションが「リバース」から他のポジションとなったことをいう。また、後退終了トリガの他の例としては、シフトポジションが「パーキング」となったことや、例えば5秒以上の時間速度がゼロとなったこと、エンジン停止などである。ステップS18においては、表示されている映像は俯瞰映像100または重畳映像100Aである。制御部41は、後退終了トリガがある場合、俯瞰映像100または重畳映像100Aの表示を終了すると判定し(ステップS18でYes)、処理を終了する。制御部41は、後退終了トリガがない場合、俯瞰映像100または重畳映像100Aの表示を終了しないと判定し(ステップS18でNo)、ステップS13の処理を再度実行する。
【0053】
このようにして、俯瞰映像表示システム1は、俯瞰映像100の表示範囲Aに角度付き駐車区画Cが検出されると、仮想区画標示120を重畳した重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる映像信号を出力する。表示パネル31は、俯瞰映像表示システム1から出力された映像信号に基づいて、例えば、ナビゲーション画面とともに重畳映像100Aを表示する。
【0054】
例えば、車両Vを角度付き駐車区画Cに駐車する場合の一例を、
図5ないし
図11、
図2、
図3を参照して説明する。
図5は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。
図6は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した俯瞰映像の一例を示す図である。
図7は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の他の例を示す図である。
図8は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。
図9は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の他の例を示す図である。
図10は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。
図11は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の他の例を示す図である。
【0055】
図5は、車両Vが駐車区画CTに後退で駐車しようとしている状態を示し、車両Vは、中央部より後部が駐車区画CT内に位置している。このときのシフトポジションは「リバース」である。
図5の状態は、ステップS11において、後退トリガにより俯瞰映像表示が開始されている状態であるとともに、ステップS13において、駐車区画Cは検出されているが、ステップS14において、検出されている駐車区画Cが所定の条件を満たす判断がされていない状態である。このような状態においては、制御部41は、俯瞰映像生成部44によって、
図6に示すような俯瞰映像100を生成し表示パネル31に表示する。
【0056】
図6を参照して、俯瞰映像100について説明する。俯瞰映像100は、縦長の矩形状である。俯瞰映像100は、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とが撮影した映像に基づいて、上方から見下ろすように視点変換処理と車両を示す自車両アイコン110を含む合成処理とを行った映像である。俯瞰映像100は、中央部に自車両アイコン110が配置されている。自車両アイコン110は、車両Vの位置と向きとを示す。俯瞰映像100には、被撮影物として側方枠線B1が表示されている。
【0057】
図6においては、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とが撮影した映像の境界を図示していないが、実際に表示パネル31に表示される俯瞰映像100には境界を破線などで表示してもよい。他の図も同様である。
【0058】
図5の状態において、またはさらに後退した状態において、ステップS13において検出された駐車区画Cとして、第二撮影範囲A2に後方枠線B2を検出し、第二撮影範囲A2と第四撮影範囲A4とに一方の側方枠線B1を検出し、第二撮影範囲A2と第三撮影範囲A3とに他方の側方枠線B1が検出されている。
【0059】
そして、ステップS14において、制御部41は、判断部46によって、駐車区画Cは所定の条件を満たすと判断する。そして、ステップS15において、制御部41は、重畳処理部47によって、
図7に示すような、仮想区画標示120を俯瞰映像100に重畳させた重畳映像100Aを生成する。そして、ステップS16において、制御部41は、表示制御部48によって、生成した重畳映像100Aを表示パネル31に表示する。
【0060】
図7を参照して、重畳映像100Aについて説明する。重畳映像100Aは、俯瞰映像100と同じ縦長の矩形状である。重畳映像100Aは、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とが撮影した映像と、自車両アイコン110と、重畳された仮想区画標示120とを含む。仮想区画標示120は、各駐車区画Cを基準とした矩形状である。仮想区画標示120は、駐車区画CTに重畳して表示された仮想区画標示120Tと、駐車区画CRに重畳して表示された仮想区画標示120Rとを含む。仮想区画標示120Tは、一対の仮想側方枠線121Tと仮想前方枠線123Tとを含む。仮想区画標示120Rは、仮想側方枠線121Tと仮想後方枠線122Rとを含む。自車両アイコン110は、後端部が仮想区画標示120T内に位置している。
【0061】
図5に示す状態から、車両Vが後退して、車両Vと駐車区画Cとが近づいた状態を、
図8に示す。車両Vは、図示しないサイドミラーより後部が駐車区画CT内に位置している。
【0062】
ステップS13おいて、制御部41は、俯瞰映像100の表示範囲Aに駐車区画Cを検出したと判定する。より詳しくは、制御部41は、駐車区画検出部45によって、第二撮影範囲A2と第四撮影範囲A4とに後方枠線B2を検出したと判定する。制御部41は、駐車区画検出部45によって、第二撮影範囲A2と第四撮影範囲A4とに一方の側方枠線B1を検出し、第二撮影範囲A2と第三撮影範囲A3とに他方の側方枠線B1を検出したと判定する。
【0063】
そして、ステップS14において、制御部41は、判断部46によって、駐車区画Cは所定の条件を満たすと判断する。そして、ステップS15において、制御部41は、重畳処理部47によって、
図9に示すような、仮想区画標示120を俯瞰映像100に重畳させた重畳映像100Aを生成する。そして、ステップS16において、制御部41は、表示制御部48によって、生成した重畳映像100Aを表示パネル31に表示する。
【0064】
図9を参照して、重畳映像100Aについて説明する。重畳映像100Aには、仮想区画標示120Tと仮想区画標示120Rとに加えて、駐車区画Cに重畳して表示された仮想区画標示120Lが表示されている。自車両アイコン110は、中央部より後側が仮想区画標示120T内に位置している。
【0065】
図8に示す状態から、車両Vが後退して、車両Vの前端部が駐車区画C内に位置する状態を、
図10に示す。制御部41は、ステップS13〜ステップS16の処理を実行して、
図11に示すような、仮想区画標示120を俯瞰映像100に重畳させた重畳映像100Aを生成して表示パネル31に表示する。
【0066】
図11を参照して、重畳映像100Aについて説明する。重畳映像100Aには、仮想区画標示120Tと仮想区画標示120Rと仮想区画標示120Lとが表示されている。自車両アイコン110は、前端部の一部が仮想区画標示120T外に位置している。
【0067】
図10に示す状態から、車両Vが後退して、車両Vが駐車区画C内の停止位置に位置する状態を、
図2に示す。制御部41は、ステップS13〜ステップS16の処理を実行して、
図11に示すような、仮想区画標示120を俯瞰映像100に重畳させた重畳映像100Aを生成して表示パネル31に表示する。
【0068】
図3を参照して、重畳映像100Aについて説明する。重畳映像100Aには、仮想区画標示120Tと仮想区画標示120Rと仮想区画標示120Lとが表示されている。自車両アイコン110は、全体が仮想区画標示120T内に位置している。自車両アイコン110の前後方向は、仮想側方枠線121Tと平行な方向に沿っている。
【0069】
上述したように、俯瞰映像100の表示範囲Aに角度付き駐車区画Cが検出されると、矩形状の仮想区画標示120を重畳した重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。このように、本実施形態は、角度付き駐車区画Cに対して矩形状の仮想区画標示120を表示した重畳映像100Aを生成することができる。これにより、本実施形態は、角度付き駐車区画Cにおいて、隣接する駐車区画Cとの停止位置のずれを認識しやすくすることができる。
【0070】
図2に示す角度付き駐車区画Cは、前後方向の停止位置が示されていない。車両Vを駐車区画CTに駐車する際に、隣接する駐車区画CR内に駐車されている車両V1を基準にしようとしても、駐車区画CTと駐車区画CRとは前後方向の停止位置がずれている。このように、角度付き駐車区画Cにおいては、車両Vを駐車区画CTの正しい停止位置に合わせることが難しいことがある。
【0071】
これに対して、本実施形態によれば、駐車区画CTに仮想区画標示120を重畳した重畳映像100Aを生成し表示する。これにより、本実施形態は、仮想区画標示120によって車両Vの正しい停止位置を把握することができる。本実施形態によれば、重畳映像100Aの仮想区画標示120を基準とすることで、角度付き駐車区画Cであっても、車両Vを正しい停止位置に合わせることができる。本実施形態は、車両Vと周辺との相対的な位置関係を適切に確認可能にすることができる。
【0072】
[第二実施形態]
図12ないし
図15を参照しながら、本実施形態に係る俯瞰映像表示システム1について説明する。
図12は、第二実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の一例を示す図である。
図13は、第二実施形態に係る俯瞰映像生成装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図14は、第二実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の他の例を示す図である。
図15は、第二実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の他の例を示す図である。俯瞰映像表示システム1は、基本的な構成は第一実施形態の俯瞰映像表示システム1と同様である。以下の説明においては、俯瞰映像表示システム1と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
駐車区画検出部45は、検出した駐車区画Cのうち、車両Vが駐車対象とする駐車区画CTを特定する。より詳しくは、駐車区画検出部45は、検出した駐車区画Cのうち、車両Vの少なくとも一部が内側に位置するものを駐車区画CTとして特定してもよい。または、駐車区画検出部45は、検出した駐車区画Cのうち、車両Vからの距離が小さいものを駐車区画CTとして特定してもよい。または、駐車区画検出部45は、検出した駐車区画Cのうち、俯瞰映像100の表示範囲Aに含まれる面積が大きいものを駐車区画CTとして特定してもよい。または、駐車区画検出部45は、検出した駐車区画Cのうち、車両Vの進行方向に存在するものを駐車区画CTとして特定してもよい。この場合、駐車区画検出部45は、車両Vの進行方向における周辺映像から駐車区画CTを検出すればよい。または、駐車区画検出部45は、例えば、表示パネル31に表示された駐車区画Cのうち、ユーザが選択操作したものを駐車区画CTとして特定してもよい。
【0074】
車両Vの進行方向における周辺映像とは、車両Vの進行方向を向いた、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14との少なくとも一つが出力した映像データである。例えば、車両Vの進行方向が後方のとき、後方カメラ12が撮影した映像データと、左側方カメラ13と右側方カメラ14とが撮影した映像データの中で車両Vの側後方の範囲の映像データである。
【0075】
重畳処理部47は、判断部46が、並んで位置する複数の駐車区画Cにおける車両Vの前後方向の停止位置が不連続であると判断したとき、駐車区画CTを基準として格子状に配置した矩形の仮想区画標示120を、駐車区画CTに隣接した駐車区画CR及び駐車区画CLに対して重畳させた重畳映像100Aを生成する。
【0076】
図12を参照して、仮想区画標示120について説明する。仮想区画標示120は、側方枠線B1に重畳した仮想側方枠線121と、駐車区画CTの仮想側方枠線121の後端部から隣接する仮想側方枠線121に向かって垂直に延びる仮想後方枠線122と、駐車区画CTの仮想側方枠線121の前端部から隣接する仮想側方枠線121に向かって垂直に延びる仮想前方枠線123とによって格子状に形成されている。仮想側方枠線121は、一方の端部が仮想後方枠線122に接続し、他方の端部が仮想前方枠線123に接続している。
【0077】
次に、
図13を参照して、俯瞰映像生成装置40における処理の流れについて説明する。ステップS21〜ステップS24、ステップS26〜ステップS29は、ステップS11〜ステップS14、ステップS15〜ステップS18と同様の処理を行う。
【0078】
制御部41は、駐車対象区画を特定する(ステップS25)。より詳しくは、制御部41は、駐車区画検出部45によって、車両Vの駐車対象の駐車対象区画CTを特定する。本実施形態では、制御部41は、駐車区画検出部45によって、検出した駐車区画Cのうち、車両Vからの距離が小さいものを駐車区画CTとして特定する。制御部41は、ステップS26に進む。
【0079】
例えば、車両Vを角度付き駐車区画Cに駐車する場合の一例を、
図14、
図15、
図12を参照して説明する。
【0080】
図5に示す状態のとき、例えば、制御部41は、
図14に示すような重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。重畳映像100Aには、格子状の仮想区画標示120が駐車区画CTと、駐車区画CR及び駐車区画CLとに重畳して表示されている。自車両アイコン110は、中央部より後部が駐車区画CT内に位置している。仮想区画標示120の前方枠線123は、他車両V1の後部を通過している。言い換えると、他車両V1は駐車区画CRに重畳した仮想区画標示120からはみ出している。
【0081】
図10に示す状態のとき、例えば、制御部41は、
図15に示すような重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。自車両アイコン110は、前端部の一部が仮想区画標示120T外に位置している。
【0082】
図2に示す状態のとき、例えば、制御部41は、
図12に示すような重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。自車両アイコン110は、全体が仮想区画標示120内に位置している。自車両アイコン110の前後方向は、仮想側方枠線121と平行な方向に沿っている。
【0083】
上述したように、俯瞰映像100の表示範囲Aに角度付き駐車区画Cが検出されると、格子状の仮想区画標示120を重畳した重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。このように、本実施形態は、角度付き駐車区画Cに対して格子状の仮想区画標示120を表示した重畳映像100Aを生成することができる。
【0084】
本実施形態によれば、仮想区画標示120が駐車区画CTと基準とした格子状であるので、駐車区画CTをより確認しやすい表示にすることができる。
【0085】
[第三実施形態]
図16ないし
図23を参照しながら、本実施形態に係る俯瞰映像表示システム1について説明する。
図16は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。
図17は、第三実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の一例を示す図である。
図18は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。
図19は、第三実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した俯瞰映像の一例を示す図である。
図20は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。
図21は、第三実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の他の例を示す図である。
図22は、駐車区画に車両を駐車している状態を示す図である。
図23は、第三実施形態に係る俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像の他の例を示す図である。俯瞰映像表示システム1は、判断部46と重畳処理部47とにおける処理が第二実施形態と異なる。
【0086】
判断部46は、駐車区画CTと、駐車区画CTに隣接した駐車区画CR及び駐車区画CLの少なくとも一方の向きが異なることを判断する。言い換えると、所定の条件とは、駐車区画CTが隣接する駐車区画Cと向きが異なることである。判断部46は、駐車区画CTの側方枠線B1と、隣接した駐車区画CR及び駐車区画CLの少なくとも一方の側方枠線B3が平行ではない場合、駐車区画Cの向きが異なると判断する。
【0087】
図16を参照して、駐車枠線と駐車区画Cとについて説明する。本実施形態では、駐車枠線は、車両Vの駐車時に車両側面に向かい合う側方枠線B1と、車両V及び車両V1の駐車時に車両後端部に向かい合う後方枠線B2と、車両V1の駐車時に車両側面に向かい合う側方枠線B3とを含む。側方枠線B1は、後方枠線B2に対して傾斜している。側方枠線B3は、後方枠線B2に直交している。側方枠線B1と後方枠線B2とによって、駐車区画CTが形成されている。側方枠線B3と後方枠線B2とによって、駐車区画CRが形成されている。駐車区画CTと駐車区画CRとは、向きが異なる。
【0088】
重畳処理部47は、判断部46が、駐車区画CTと、駐車区画CTに隣接した駐車区画CR及び駐車区画CLの少なくとも一方の向きが異なると判断したとき、駐車区画CTを基準として格子状に配置した矩形の仮想区画標示120を、駐車区画CTに隣接した駐車区画CR及び駐車区画CLに対して重畳させた重畳映像100Aを生成する。
【0089】
図17を参照して、仮想区画標示120について説明する。仮想区画標示120は、側方枠線B1に重畳した仮想側方枠線121と、駐車区画CTの仮想側方枠線121の後端部から隣接する仮想側方枠線121に向かって垂直に延びる仮想後方枠線122と、駐車区画CTの仮想側方枠線121の前端部から隣接する仮想側方枠線121に向かって垂直に延びる仮想前方枠線123とによって格子状に形成されている。仮想側方枠線121は、仮想後方枠線122及び仮想前方枠線123と交差している。
【0090】
例えば、車両Vを隣接する駐車区画CRと向きの異なる駐車区画CTに駐車する場合の一例を、
図18ないし
図23、
図16、
図17を参照して説明する。
【0091】
図18は、車両Vが駐車区画CTに後退で駐車しようとしている状態を示し、、車両Vは、駐車区画CTの近傍に位置している。このときのシフトポジションは「リバース」である。
図5の状態は、ステップS21において、後退トリガにより、俯瞰映像表示が開始されている状態であるとともに、ステップS13において、駐車区画Cは検出されているが、ステップS14において、検出されている駐車区画Cが所定の条件を満たす判断がされていない状態である。このような状態においては、制御部41は、俯瞰映像生成部44によって、
図19に示すような俯瞰映像100を生成し表示パネル31に表示する。
【0092】
図19を参照して、俯瞰映像100について説明する。自車両アイコン110は、駐車区画CTの近傍に位置している。
【0093】
図18に示す状態から、車両Vが後退した状態を、
図20に示す。車両Vは、図示しないサイドミラーより後部が駐車区画CT内に位置している。
【0094】
ステップS23おいて検出された駐車区画Cに基づき、制御部41は、判断部46によって、駐車区画Cは所定の条件を満たすと判断する。より詳しくは、制御部41は、判断部46によって、駐車区画CTと、駐車区画CTに隣接した駐車区画CRの向きが異なることを判断する。そして、ステップS25において、制御部41は、駐車区画検出部45によって、駐車対象区画CTを特定する。そして、ステップS26において、制御部41は、重畳処理部47によって、
図21に示すような、仮想区画標示120を俯瞰映像100に重畳させた重畳映像100Aを生成する。そして、ステップS27において、制御部41は、表示制御部48によって、生成した重畳映像100Aを表示パネル31に表示する。
【0095】
図21を参照して、重畳映像100Aについて説明する。重畳映像100Aには、格子状の仮想区画標示120が駐車区画CTと駐車区画CRとに重畳して表示されている。自車両アイコン110は、中央部より後部が駐車区画CT内に位置している。
【0096】
図20に示す状態から、車両Vが後退した状態を、
図22に示す。制御部41は、ステップS23〜ステップS27の処理を実行して、
図23に示すような重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。
【0097】
図23を参照して、重畳映像100Aについて説明する。自車両アイコン110は、前端部の一部が駐車区画CT外に位置している。
【0098】
図22に示す状態から、車両Vが後退した状態を、
図16に示す。制御部41は、ステップS23〜ステップS27の処理を実行して、
図17に示すような重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。
【0099】
図17を参照して、重畳映像100Aについて説明する。自車両アイコン110は、全体が駐車区画CT内に位置している。
【0100】
上述したように、俯瞰映像100の表示範囲Aに向きの異なる駐車区画Cが検出されると、格子状の仮想区画標示120を重畳した重畳映像100Aを表示パネル31に表示させる。このように、本実施形態は、向きの異なる駐車区画Cに対して格子状の仮想区画標示120を表示した重畳映像100Aを生成することができる。
【0101】
図16に示す向きの異なる駐車区画CTは、前後方向の停止位置が示されていない。また、駐車区画CTは、隣接する駐車区画CRと向きが異なる。車両Vを駐車区画CTに駐車する際に、隣接する駐車区画CR内に駐車されている車両V1を基準にしようとしても、駐車区画CTと駐車区画CRとは前後方向の停止位置がずれている。また、駐車区画CTと駐車区画CRとは向きが異なっている。このように、向きが異なる駐車区画CTにおいては、車両Vを駐車区画CTの正しい停止位置に合わせることが難しいことがある。
【0102】
これに対して、本実施形態によれば、駐車区画CTに仮想区画標示120を重畳した重畳映像100Aを生成し表示する。これにより、本実施形態によれば、重畳映像100Aの仮想区画標示120を基準とすることで、向きの異なる駐車区画Cであっても、車両Vを正しい停止位置に合わせることができる。本実施形態は、車両Vと周辺との相対的な位置関係を適切に確認可能にすることができる。
【0103】
しかも、本実施形態によれば、仮想側方枠線121が仮想後方枠線122及び仮想前方枠線123と交差しているので、駐車区画CTの向きをより確認しやすい表示にすることができる。
【0104】
さて、これまで本発明に係る俯瞰映像表示システム1について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0105】
図示した俯瞰映像表示システム1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0106】
俯瞰映像表示システム1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0107】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0108】
図24を参照して、駐車区画Cの他の例を説明する。
図24は、駐車区画の他の例を示す図である。
図24において、普通乗用車用の駐車区画CTと、軽自動車用の駐車区画CRが隣接している。この場合、判断部46は、駐車区画CTと、駐車区画CTに隣接した駐車区画CR及び駐車区画CLの少なくとも一方が車両長方向の長さが異なる駐車区画Cであることを判断する。
図24に示す駐車区画では、駐車区画CTと駐車区画CRとが車両長方向の長さが異なっている。駐車区画Cの車両長方向の長さの違いは、例えば、側方枠線B1の長さと側方枠線B4の長さが異なること、後方枠線B2と後方枠線B5との位置がずれていることで判断してもよい。判断部46は、駐車区画Cの側方枠線B1の長さが異なるとき、並んで位置する複数の駐車区画Cにおける車両Vの前後方向の停止位置が不連続であると判定する。
【0109】
図25ないし
図27を参照して、仮想区画標示120の他の形態について説明する。
図25は、俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像に表示される仮想区画標示の他の例を示す図である。
図26は、俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像に表示される仮想区画標示の他の例を示す図である。
図27は、俯瞰映像生成装置が生成した重畳映像に表示される仮想区画標示の他の例を示す図である。仮想区画標示120は、駐車区画Cを着色してもよい。
図25に示すように、仮想区画標示120は、駐車区画CTを着色してもよい。
図26に示すように、仮想区画標示120は、すべての駐車区画Cを着色してもよい。
図27に示すように、仮想区画標示120は、駐車区画CTと隣接する駐車区画Cとを色を変えて着色してもよい。このようにすることで、より駐車区画Cを認識しやすくすることができる。
【0110】
仮想区画標示120は、破線で表示するものとして説明したが、これに限定されない。仮想区画標示120は、例えば、帯状の図形でもよい。仮想区画標示120は、駐車区画Cの全周を囲うものに限定されず、例えば、角部を示すものであってもよい。