特許第6852669号(P6852669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852669
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】膝保護用エアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/206 20110101AFI20210322BHJP
   B60R 21/217 20110101ALI20210322BHJP
【FI】
   B60R21/206
   B60R21/217
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-253786(P2017-253786)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-119265(P2019-119265A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2020年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】大野 稔
(72)【発明者】
【氏名】尾方 哲也
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−104207(JP,A)
【文献】 特開2004−098894(JP,A)
【文献】 特開2016−007946(JP,A)
【文献】 特開2005−306162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれて収納されるエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、前記エアバッグと前記インフレーターとを収納するケースと、を備える構成とされて、
前記ケースが、略四角形状の底壁部と、該底壁部の周縁から延びる略四角筒形状の周壁部と、を有して、前記エアバッグを突出可能な突出用開口を有した略箱形状として構成され、
前記インフレーターが、略円柱状のインフレーター本体と、該インフレーター本体を前記ケース側に取り付けるリテーナと、を備える構成とされ、
前記インフレーター本体が、軸方向に沿った一端側に、膨張用ガスを吐出させるガス吐出口を配置させ、他端側に、エアバッグ作動回路から延びるワイヤハーネスを接続させるための接続口部を、備える構成とされるとともに、前記リテーナに外周面を挟持された状態で、前記リテーナから軸直交方向側に突出するように配置される取付手段を前記底壁部に固定させることにより、前記ケースに取り付けられる構成の膝保護用エアバッグ装置であって、
前記ワイヤハーネスが、ハーネス本体と、該ハーネス本体の先端側に設けられるコネクタと、を備える構成とされ、
前記インフレーター本体が、前記接続口部に前記コネクタを接続させ、前記ハーネス本体を軸直交方向側に突出させるようにして、前記ワイヤハーネスを結線させた状態で、前記ケース内に収納される構成とされ、
前記周壁部において、前記ワイヤハーネス側に配置される側壁部に、前記コネクタを収納させるために部分的に突出させて構成される突出部が、形成され、
該突出部が、
前記インフレーター本体の軸方向に沿った方向側において前記コネクタと対向するように配置されて、前記インフレーター本体の前記ケースからの抜けを規制するストッパ壁部と、
該ストッパ壁部から延びて前記インフレーターの軸直交方向側における前記コネクタの両側に配置されるとともに、前記底壁部から延びた端縁側によって前記ワイヤハーネスを当接させることにより、前記インフレーター本体から軸直交方向に向かって突出する前記ハーネス本体における前記インフレーター本体を中心とした角度を、規制可能に構成される規制壁部と、
を備える構成とされていることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置。
【請求項2】
前記各規制壁部が、前記突出用開口側から見た状態において、前記ストッパ壁部側に向かって相互の離隔距離を狭幅とされるように、テーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
【請求項3】
前記ケースにおける一方の前記規制壁部の端縁側に、前記ハーネス本体を挿通させて係止可能な凹溝が、前記端縁を凹ませるようにして、形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の膝保護用エアバッグ装置。
【請求項4】
一方の前記規制壁部側において、車両搭載時に、前記凹溝から離れた位置に、前記ハーネス本体を挿通させて係止可能な第2の凹溝が、形成されていることを特徴とする請求項3に記載の膝保護用エアバッグ装置。
【請求項5】
前記ケースが、車両搭載時に、下端側に前記突出用開口を配設させる構成とされ、
前記ハーネス本体が、前記コネクタから一旦下方に延びつつ、上方に反転されるようにして、前記凹溝と、前記凹溝から上方に離れた前記第2の凹溝と、に挿通された状態で、車両に搭載されることを特徴とする請求項4に記載の膝保護用エアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれて収納されるエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、エアバッグとインフレーターとを収納するケースと、を備える構成の膝保護用エアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、膝保護用エアバッグ装置としては、エアバッグ作動回路から延びるワイヤハーネスのコネクタを、折り畳まれたエアバッグとともにケース内に収納させた状態のインフレーターの接続口部に、ケースに設けられるコネクタ用開口を介して接続させる構成として、コネクタ用開口の周縁に、インフレーターの抜け止めを図るための突出片を、配設させた構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−178320公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来の膝保護用エアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグとインフレーターとをケースに収納させて、ケースにエアバッグカバーを組み付けた状態のエアバッグ組立体を、車両のボディ側に固定させた後に、ワイヤハーネスをインフレーターの接続口部に接続させる構成であった。しかしながら、搭載する車両の周辺部材の形状によっては、インフレーターを、ワイヤハーネスを接続させた状態でケースに収納させる必要が生ずる場合がある。そして、インフレーターを、予めワイヤハーネスを接続させた状態でケースに収納させる場合にも、インフレーターのケースからの抜け止めを図り、また、ワイヤハーネスのケースに対する位置を規制する必要があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ワイヤハーネスを接続させた状態でインフレーターをケースに収納させる構成であっても、作動時にインフレーターのワイヤハーネス側の端面を的確に押さえることができ、また、ワイヤハーネスの取扱性が良好で、ケースに対するワイヤハーネスの配置位置も容易に設定可能な膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置は、折り畳まれて収納されるエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、エアバッグとインフレーターとを収納するケースと、を備える構成とされて、
ケースが、略四角形状の底壁部と、底壁部の周縁から延びる略四角筒形状の周壁部と、を有して、エアバッグを突出可能な突出用開口を有した略箱形状として構成され、
インフレーターが、略円柱状のインフレーター本体と、インフレーター本体をケース側に取り付けるリテーナと、を備える構成とされ、
インフレーター本体が、軸方向に沿った一端側に、膨張用ガスを吐出させるガス吐出口を配置させ、他端側に、エアバッグ作動回路から延びるワイヤハーネスを接続させるための接続口部を、備える構成とされるとともに、リテーナに外周面を挟持された状態で、リテーナから軸直交方向側に突出するように配置される取付手段を底壁部に固定させることにより、ケースに取り付けられる構成の膝保護用エアバッグ装置であって、
ワイヤハーネスが、ハーネス本体と、ハーネス本体の先端側に設けられるコネクタと、を備える構成とされ、
インフレーター本体が、接続口部にコネクタを接続させ、ハーネス本体を軸直交方向側に突出させるようにして、ワイヤハーネスを結線させた状態で、ケース内に収納される構成とされ、
周壁部において、ワイヤハーネス側に配置される側壁部に、コネクタを収納させるために部分的に突出させて構成される突出部が、形成され、
突出部が、
インフレーター本体の軸方向に沿った方向側においてコネクタと対向するように配置されて、インフレーター本体のケースからの抜けを規制するストッパ壁部と、
ストッパ壁部から延びてインフレーターの軸直交方向側におけるコネクタの両側に配置されるとともに、底壁部から延びた端縁側によってワイヤハーネスを当接させることにより、インフレーター本体から軸直交方向に向かって突出するハーネス本体におけるインフレーター本体を中心とした角度を、規制可能に構成される規制壁部と、
を備える構成とされていることを特徴とする。
【0007】
本発明の膝保護用エアバッグ装置では、インフレーターを、インフレーター本体にワイヤハーネスを結線させた状態で、ケース内に収納させる構成であるが、ケースの周壁部において、ワイヤハーネス側に配置される側壁部に、ワイヤハーネスの先端側に形成されるコネクタを収納させる突出部が、部分的に突出して形成される構成であり、この突出部が、インフレーターの軸方向に沿った方向側においてコネクタと対向するように配置されるストッパ壁部を、備える構成とされていることから、作動時に、インフレーター本体が、軸方向に沿って、リテーナ(エアバッグ)から抜けるように移動しようとしても、このストッパ壁部に当接して、さらなる移動を規制されることとなり、インフレーター本体におけるコネクタ側の端面を、的確に押えることができる。また、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、ストッパ壁部から延びてインフレーターの軸直交方向側におけるコネクタの両側に配置される規制壁部が、底壁部から延びた端縁側によってワイヤハーネスを当接させることにより、インフレーター本体から軸直交方向に向かって突出するハーネス本体におけるインフレーター本体を中心とした角度を規制可能に、構成されていることから、取付手段を底壁部から突出させるようにして、ワイヤハーネスを接続させた状態のインフレーター本体を、ケース内に収納させるだけで、ワイヤハーネスが、この規制壁部によって、角度を規制されることとなり、ワイヤハーネスとインフレーター本体とがリテーナに対して自由に回転することを規制できて、ケースへの収納作業時のワイヤハーネスの取扱作業性が良好となる。
【0008】
したがって、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、ワイヤハーネスを接続させた状態でインフレーターをケースに収納させる構成であっても、作動時にインフレーターのワイヤハーネス側の端面を的確に押さえることができ、また、ワイヤハーネスの取扱性が良好で、ケースに対するワイヤハーネスの配置位置も容易に設定することができる。
【0009】
また、本発明の膝保護用エアバッグ装置において、各規制壁部を、突出用開口側から見た状態において、ストッパ壁部側に向かって相互の離隔距離を狭幅とされるように、テーパ状に形成する構成とすれば、突出部を備える構成であっても、ケースが嵩張ることを極力抑制できて、好ましい。
【0010】
さらに、本発明の膝保護用エアバッグ装置において、ケースにおける一方の規制壁部の端縁側に、ハーネス本体を挿通させて係止可能な凹溝を、端縁を凹ませるようにして、形成する構成とすれば、凹溝にハーネス本体を挿通させて係止させることにより、ハーネス本体が、突出用開口を覆うように配設されるエアバッグカバーと干渉することを抑制でき、また、運搬時や、ボディ側への取付作業時等において、ハーネス本体がケースに対して動くことを抑制でき、車両への取付作業時等において、ワイヤハーネスの取扱作業性が、一層良好となって、好ましい。
【0011】
さらに、上記構成の膝保護用エアバッグ装置において、一方の規制壁部側において、車両搭載時に、凹溝から離れた位置に、ハーネス本体を挿通させて係止可能な第2の凹溝を、形成する構成とすれば、凹溝と第2の凹溝とによって係止することにより、ハーネス本体がケースに対して動くことを一層規制でき、また、車両搭載時において、ハーネス本体が、ケースの周囲に配置される周辺部材と干渉することも、抑制できて、好ましい。
【0012】
さらにまた、上記構成の膝保護用エアバッグ装置において、ケースを、車両搭載時に、下端側に前記突出用開口を配設させる構成とし、
ハーネス本体を、コネクタから一旦下方に延びつつ、上方に反転されるようにして、凹溝と、凹溝から上方に離れた第2の凹溝と、に挿通された状態で、車両に搭載させる構成とすることが、好ましい。
【0013】
膝保護用エアバッグ装置をこのような構成とすれば、仮に、雨水等が、ハーネス本体に付着して、ハーネス本体を伝うこととなっても、雨水等を、反転している部位から落下させることができて、ハーネス本体を伝ってケース内に進入することを的確に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態である膝保護用エアバッグ装置の車両搭載状態を示す車両前後方向に沿った概略縦断面図である。
図2図1の膝保護用エアバッグ装置の車両左右方向に沿った概略拡大横断面図である。
図3図1の膝保護用エアバッグ装置の概略拡大縦断面図であり、リテーナのボルトの部位を示す。
図4図1の膝保護用エアバッグ装置の概略拡大縦断面図であり、ケースの底壁部に形成される支持突起の部位を示す。
図5】実施形態の膝保護用エアバッグ装置において使用されるエアバッグカバーの平面図である。
図6】実施形態の膝保護用エアバッグ装置において使用されるケースの底面図である。
図7図6のケースの正面図である。
図8図6のケースにおける突出部の部位を示す部分拡大斜視図である。
図9】実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、ワイヤハーネスを接続させた状態のインフレーター本体をケース内に収納させる状態を示す概略図である。
図10】実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、ケースの突出部の部位を示す概略部分拡大縦断面図である。
図11】実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、ワイヤハーネスを凹溝と第2凹溝とに挿入させて係止させた状態を示すケースとインフレーターとの概略部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態では、図1に示すように、助手席の前方に配置される膝保護用エアバッグ装置Sを例に採り、説明をする。
【0016】
実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sは、助手席前方に配置されるグラブボックス1の下方に、配置されている。なお、本明細書における上下、左右、及び、前後の方向は、特に断らない限り、膝保護用エアバッグ装置Sを搭載させた車両の上下・前後・左右の方向に一致するものである。
【0017】
膝保護用エアバッグ装置Sは、図1〜4に示すように、折り畳まれたエアバッグ20と、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター25と、折り畳まれたエアバッグ20とインフレーター25とを収納するケース45と、ケース45の突出用開口46aを覆うエアバッグカバー6と、を備えて構成されている。
【0018】
エアバッグカバー6は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等からなる合成樹脂製とされるもので、ケース45の突出用開口46aを覆うように、構成されている。具体的には、エアバッグカバー6は、図2〜5に示すように、突出用開口46aを覆うように配設される扉配設部7と、扉配設部7の周縁から上方に延びてケース45の周壁部48の外周側を覆う側壁部13と、を備える構成とされている。扉配設部7は、エアバッグ20の展開膨張時に前後両側に向かって開き可能とされる2枚の扉部8,8と、車両搭載時における右端側に配設されてケース45における後述する突出部55の領域を覆う突出カバー部9と、を備える構成とされている。扉部8,8と突出カバー部9との間には、上方に延びる区画壁部10が、前後方向に略沿って形成されている(図2,10参照)。側壁部13は、ケース45の周壁部48の前後方向側と左右方向側とを覆うような略四角筒形状とされるもので、前後方向側で対向する前壁部14と後壁部15とには、ケース45の周壁部48における後述する前壁部49,後壁部50に形成される係止爪49a,50aを挿入させて係止させるための係止穴14a,15aが、係止爪49a,50aに対応して、それぞれ、左右方向に沿って4箇所ずつに、形成されている。突出カバー部9は、側壁部13における右壁部16を部分的に突出させるようにして、突出部55の外周側を覆うように構成されるもので、実施形態の場合、突出部55の前側に配置される前壁部9aをエアバッグカバー6の前壁部14よりもわずかに前側に位置させるように前側にも部分的に突出して形成されて(図5参照)、突出部55の前側規制壁部57との間に隙間を有する構成とされている。突出カバー部9は、この前壁部9aと前側規制壁部57との間の隙間に、インフレーター本体26から延びるワイヤハーネス30のハーネス本体31を挿通させて、ハーネス本体31の外周側を覆うように、構成されている(図5,10参照)。
【0019】
エアバッグ20は、実施形態の場合、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等からなる織布から形成されるもので、ケース45に折り畳まれて収納されて、内部に膨張用ガスを流入させて、ケース45から上方に向かって突出するように展開しつつ、乗員の膝を保護可能に膨張する構成とされている。具体的には、エアバッグ20は、膨張完了時に、図1の二点鎖線に示すように、グラブボックス1の後面1a側を覆うように、ケース45から後上方に延びるように配置されるもので、乗員の膝から脛にかけてを保護する構成である。このエアバッグ20において、膨張完了時にケース45(ケース本体46)内に配設される部位には、詳細な図示と説明は省略するが、リテーナ36の各ボルト41を挿通させるための挿通孔と、ケース45の底壁部47に形成される支持突起47bを挿通させるための貫通穴と、インフレーター本体26を挿入させるための開口と、が、形成されている。
【0020】
インフレーター25は、図2〜4に示すように、略円柱状のインフレーター本体26と、インフレーター本体26をケース45側に取り付けるリテーナ36と、を備える構成とされている。
【0021】
インフレーター本体26は、軸方向を左右方向に略沿わせて配置される略円柱状とされるもので、軸方向に沿った一端側(実施形態の場合、左端26a側)に、膨張用ガスを吐出させるガス吐出口27aを配置させ、他端側(右端26b側)に、エアバッグ作動回路から延びる図示しないリード線に結線されるワイヤハーネス30を接続させるための接続口部28を、備える構成とされている。ガス吐出口27aは、インフレーター本体26の左端26a側から突設される小径のガス吐出部27に、多数、形成されている。インフレーター本体26は、ワイヤハーネス30を結線させた状態で、リテーナ36を用いてケース45に取り付けられて、ケース45内に収納される構成である。
【0022】
インフレーター本体26の接続口部28に接続されるワイヤハーネス30は、ハーネス本体31と、ハーネス本体31の先端(端部31a)側に設けられて接続口部28に接続されるコネクタ32と、を備えるもので、コネクタ32には、図2,10に示すように、接続口部28に挿入される2本の差し込みピンからなるプラグ32aが、形成されている。このプラグ32a(差し込みピン)を接続口部28に挿入させることにより、コネクタ32は、インフレーター本体26に対して回転しないように、接続されることとなる。コネクタ32は、外形形状を、略長方形板状として構成されるもので、プラグ32aを接続口部28に挿入させた状態で、長手方向を上下方向(ケース45における周壁部48の軸方向)に略沿わせるように配置させ、車両搭載時における下端32b側から、ハーネス本体31を延ばすように、構成されている(図10参照)。ハーネス本体31は、コネクタ32から下方に延びるように配置されて、ケース45の後述するケース本体46に形成される凹溝60を挿通させるようにして、反転されつつ、ケース本体46外に突出されるもので、車両搭載状態においてこの凹溝60の略直上となる位置に配設される第2凹溝70に挿通されることにより、ケース本体46の後述する後側規制壁部58の外周面に沿って、略上下方向に沿うように配置される構成である(図10,11参照)。このハーネス本体31は、車両搭載時に、後側規制壁部58とエアバッグカバー6の側壁部13における右壁部16との間の隙間を挿通されるようにして、配設される。また、このハーネス本体31の他端(端部31b)側には、車両のボディ側から延びる図示しないリード線を結線させるためのコネクタ33が、配設される構成であり、実施形態の場合、コネクタ33は、図11に示すように、車両搭載時に、ケース45における右側ブラケット67の上面側に、テープ材等の図示しない仮止め手段を用いて、固定される構成である。
【0023】
リテーナ36は、図2〜4に示すように、インフレーター本体26を保持する保持部37と、保持部37の軸方向と略直交するように突設される取付手段としての2つのボルト41,41と、を備えて構成されている。
【0024】
保持部37は、板金製として、インフレーター本体26を内部に挿通可能な略筒状として構成される。保持部37において、車両搭載時のインフレーター本体26の上側となる位置であって、ボルト41,41間の部位には、ケース45の底壁部47に形成される支持突起47bを挿通させるための貫通穴37aが、形成されている。また、保持部37において、ボルト41と対向するインフレーター本体26の下側となる位置には、車両搭載時に、インフレーター本体26の外周面26cと当接する当接部38が、形成されている。この当接部38は、図2に示すように、各ボルト41に対応するように、2箇所に形成されるもので、それぞれ、図3に示すように、前後方向に沿った断面において、下側半分程度の領域で、前後方向に略沿って併設される2つの突起38aを備える構成とされている。各突起38aは、保持部37を部分的にインフレーター本体26側に向かって凹ませるようにして形成されるもので、外形形状を略半円弧状として、先端面を、インフレーター本体26の外周面26cと当接可能に、構成されている。
【0025】
そして、実施形態のエアバッグ装置Sでは、ワイヤハーネス30を結線させた状態のインフレーター本体26を、エアバッグ20内に配置されるリテーナ36の保持部37に挿入させて、エアバッグ20をケース45内に収納させる際に、リテーナ36のボルト41を、ケース45の底壁部47から突出させて、ボルト41にナット42を締結させることにより、インフレーター25とエアバッグ20とをケース45に取り付ける構成である。詳細には、インフレーター本体26は、このナット42の締結時に、ケース45の底壁部47に形成される支持突起47bと、リテーナ36の保持部37に形成される当接部38と、により、挟持されて、リテーナ36に保持されることとなる。
【0026】
エアバッグ20とインフレーター25とを収納するケース45は、実施形態の場合、図6,7に示すように、ケース本体46と、ケース本体46を車両のボディ側であるグラブボックス1の下面側に取り付けるブラケット部65と、を備える構成とされている。
【0027】
ケース本体46は、略四角形状の底壁部47と、底壁部47の周縁から延びる略四角筒形状の周壁部48と、を有して、エアバッグ20を突出可能な突出用開口46aを有した略箱形状として構成されるもので、実施形態の場合、図3,4に示すように、車両搭載時に、下端側に突出用開口46aを配設させる構成とされている。すなわち、実施形態のケース本体46では、周壁部48は、底壁部47の周縁から下方に延びるように、構成されている。実施形態のケース本体46では、図1,3,4に示すように、インフレーター25は、前後の中央よりも前側の領域に、収納されるもので、底壁部47における前側の領域には、リテーナ36に配設されるボルト41を挿通させるための挿通孔47a,47aと、ボルト41の突出方向に略沿ってケース本体46の内側(インフレーター本体26側)に突出するように形成される支持突起47bと、が、形成されている。支持突起47bは、図2,4に示すように、断面略半円弧状とされるもので、車両搭載時において、先端部を、インフレーター本体26の外周面26cに当接させることにより、インフレーター本体26を支持可能な構成とされている。この支持突起47bは、挿通孔47a,47a間の略中央となる位置に、形成されている。
【0028】
周壁部48は、前後方向で対向する前壁部49,後壁部50と、左右方向で対向する左壁部51,右壁部52と、を備えている。前壁部49,後壁部50における下端近傍には、エアバッグカバー6の前壁部14,後壁部15に形成される係止穴14a,15a周縁を係止するための係止爪49a,50aが、前後の外方へ突出し、先端を上方に向けるように断面略L字形状に屈曲して、形成されている。係止爪49a,50aは、前壁部49,後壁部50に、それぞれ、左右方向に沿って4個ずつ、形成されている。
【0029】
また、周壁部48において、ワイヤハーネス30側に配置される右壁部52には、図6に示すように、インフレーター本体26に接続されるワイヤハーネス30のコネクタ32を収納させるために部分的に突出させて構成される突出部55が、形成されている。突出部55は、右壁部52における前側の領域を、部分的に右方に突出させるようにして、形成されるもので、インフレーター本体26の軸方向に沿った方向側(実施形態の場合、左右方向側)においてコネクタ32と対向するように配置されるストッパ壁部56と、ストッパ壁部56から延びてインフレーター25の軸直交方向側におけるコネクタ32の両側(実施形態の場合、コネクタ32の前後両側)に配置される前側規制壁部57,後側規制壁部58と、を備える構成とされている。ストッパ壁部56は、実施形態の場合、コネクタ43と対向するように、コネクタ43の右方において、前後方向に略沿うように、配設されるもので、前後方向側の幅寸法を、コネクタ43よりも大きく設定されている。
【0030】
前側規制壁部57と後側規制壁部58とは、底壁部47から延びた端縁57a,58a側(車両搭載時における下縁側)によってワイヤハーネス30を当接させることにより、インフレーター本体26から軸直交方向に向かって突出するハーネス本体31におけるインフレーター本体26を中心とした角度を、規制可能に、構成されている。具体的には、前側規制壁部57と後側規制壁部58とは、突出用開口46a側から見た状態(上下方向側から見た状態)において、ストッパ壁部56側に向かって相互の離隔距離を狭幅とされるように、テーパ状に形成されている(図6参照)。実施形態の場合、前側規制壁部57と後側規制壁部58とは、前後で略対称形として構成されるもので、それぞれ、ストッパ壁部56に対する傾斜角度を、60°程度に設定されている。さらに詳細には、前側規制壁部57と後側規制壁部58とは、インフレーター25をケース45に取り付けた状態では、ケース45を突出用開口46a側から見た状態(上下方向側から見た状態)において、元部側(ストッパ壁部56から離れた端部側)を、インフレーター本体26における接続口部28側の端部(右端26b)よりも左右方向の中央側に位置させるようにして、コネクタ32の前後両側を略全面にわたって覆うように構成され(図6参照)、また、ケース45を左右の側方側から見た状態においては、コネクタ32の一部(下端32b)を端縁57a,58aから突出させるように、構成されている(図10参照)。
【0031】
実施形態では、ワイヤハーネス30を接続させた状態のインフレーター本体26を、リテーナ36内に挿入させるようにして、折り畳まれたエアバッグ20とともに、突出用開口46a側からケース45内に収納させる際には、インフレーター本体26が、リテーナ36に保持されておらず、リテーナ36内を自在に回転可能とされることとなる。すなわち、単にインフレーター本体26をリテーナ36内に挿入させた状態では、インフレーター本体26に接続されているワイヤハーネス30も、インフレーター本体26の軸心C(図9参照)を中心として自在に回転可能とされる構成である。しかしながら、実施形態では、前側規制壁部57若しくは後側規制壁部58の端縁57a,58aが、コネクタ32、若しくは、コネクタ32から延びるハーネス本体31と当接(干渉)して、ハーネス本体31におけるインフレーター本体26を中心とした角度を、規制可能な構成とされていることから(図9の二点鎖線参照)、単に、ワイヤハーネス30を接続させた状態のインフレーター本体26を、リテーナ36内に挿入させるようにして、折り畳まれたエアバッグ20とともに、突出用開口46a側からケース45内に収納させるだけで、ハーネス本体31におけるインフレーター本体26を中心とした角度を、規制させることができる。具体的には、ハーネス本体31は、前側規制壁部57若しくは後側規制壁部58の端縁57a,58aに当接させることより、ケース45内への収納時におけるインフレーター本体26を中心とした角度θ(図9参照)を、100°程度に規制されることとなる。
【0032】
そして、実施形態の突出部55では、図7,8に示すように、前側に配設される前側規制壁部57の端縁57a側に、ハーネス本体31を挿通させて係止可能な凹溝60が、端縁58aを、底壁部47側(車両搭載時における上方側)に向かって凹ませるようにして、形成されている。凹溝60は、詳細には、前側規制壁部57の幅方向の略中央となる位置において、ハーネス本体31を上下方向側に沿って移動させつつ挿入可能に、上下方向に略沿って配設されるとともに、凹みの先端を、ハーネス本体31の断面形状に合わせて、略半円弧状とするように、形成されている。
【0033】
ブラケット部65は、実施形態の場合、ケース本体46の左端側において底壁部47から上方に延びる左側ブラケット66と、ケース本体46の右端側において底壁部から右方に延びる右側ブラケット67と、を備える構成とされ、左側ブラケット66と右側ブラケット67との先端66a,67a側を、詳細な図示は省略するが、それぞれ、グラブボックス1の下面側の所定箇所に取り付けられる構成とされている。右側ブラケット67は、前縁側に、強度確保のために上側に立ち上がるように形成されるフランジ部68を、配設させる構成とされ、実施形態では、このフランジ部68における元部側の領域を、前側規制壁部57の略直上となる位置に配置させるように、構成されている(図8参照)。そして、このフランジ部68の元部側の領域には、ハーネス本体31を挿通させて係止可能な第2凹溝70が、形成されている。すなわち、第2凹溝70は、前側規制壁部57側において、車両搭載時に、凹溝60から離れた位置であって、凹溝60よりも上側となる位置に、形成されるもので、詳細には、実施形態の場合、凹溝60の略直上となる位置において、左側を開口させつつ、ハーネス本体31の断面形状に合わせて、略円弧状に凹むように、構成されている。すなわち、第2凹溝70は、開口の方向(ハーネス本体31の挿入方向)を、凹溝60の開口方向と交差させて左右方向に略沿わせるように、形成されている。そして、実施形態では、インフレーター本体26に結線されるワイヤハーネス30のハーネス本体31は、コネクタ32から一旦下方に延びつつ、上方に反転されるようにして、凹溝60に挿通され、凹溝60からさらに上方に延びるように配置されて、第2凹溝70に挿通されて、底壁部47の上面側にコネクタ33を配置させるようにして、車両に搭載されることとなる(図10,11参照)。実施形態の場合、車両搭載時におけるハーネス本体31の下端(反転部位31c)は、図10に示すように、ケース45の突出用開口46aよりも下方に位置して、下面側を、エアバッグカバー6により覆われている。
【0034】
次に、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sの車両への搭載について、説明をする。まず、挿通孔21aからボルト41を突出させるようにして、エアバッグ20の内部にリテーナ36を収納させる。その後、エアバッグ20を、平らに展開した状態から、ケース45(ケース本体46)内に収納可能な大きさに折り畳み、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないラッピング材により、折り畳まれたエアバッグ20の周囲をくるんでおく。このとき、インフレーター本体26を挿入させるための挿入用スリット(図示せず)は、ラッピング材から露出させておく。
【0035】
次いで、ワイヤハーネス30を接続させた状態のインフレーター本体26を、ガス吐出部27側から、エアバッグ20内(リテーナ36の保持部37内)に挿入させる。その後、底壁部47からボルト41を突出させるようにして、折り畳まれたエアバッグ20とインフレーター25とを、ケース45内に収納させる。このとき、突出部55の前側規制壁部57と後側規制壁部58との端縁57a,58aにより、ワイヤハーネス30のハーネス本体31は、突出用開口46aから突出するように、向きをある程度規制されることとなる。次いで、ハーネス本体31を凹溝60に挿入させるように、ワイヤハーネス30ごとインフレーター本体26を回転させ、凹溝60へのハーネス本体31の挿入を維持した状態で、底壁部47から突出しているボルト41にナット42を締結させて、エアバッグ20とインフレーター25とをケース45に取り付ける。また、ハーネス本体31は、第2凹溝70に挿通させた状態で、コネクタ33を、右側ブラケット67の上面側に、図示しない仮止め手段等を用いて固定させる。その後、エアバッグカバー6をケース45に組み付ければ、エアバッグ組付体を組み立てることができる。そして、エアバッグ組付体を、ブラケット部65を利用して、グラブボックス1の下面側に取付固定し、同時に、ケース本体46の底壁部47の上面側に配置されるコネクタ33に、エアバッグ作動回路から延びる図示しないリード線を結線させる。その後、アンダーカバー3を取り付ければ、膝保護用エアバッグ装置Sを車両に搭載することができる。
【0036】
膝保護用エアバッグ装置Sの車両への搭載後、インフレーター本体26に作動信号が入力されれば、インフレーター本体26のガス吐出口27aから膨張用ガスが吐出され、膨張用ガスが、エアバッグ20内に流入することとなる。そして、エアバッグ20は、膨張して図示しないラッピング材を破断させ、エアバッグカバー6の扉部8,8を押し開きつつ、ケース45の突出用開口46aから突出して、後上方に向かって展開しつつ、図1の二点鎖線に示すように、グラブボックス1の後面1a側を覆うように、膨張を完了させることとなる。
【0037】
そして、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、インフレーター25を、インフレーター本体26にワイヤハーネス30を結線させた状態で、ケース45内に収納させる構成であるが、ケース45の周壁部48において、ワイヤハーネス30側に配置される側壁部(右壁部52)に、ワイヤハーネス30の先端(ハーネス本体31における端部31a)側に形成されるコネクタ32を収納させる突出部55が、部分的に突出して形成される構成であり、この突出部55が、インフレーター25の軸方向に沿った方向側(実施形態の場合、右方側)においてコネクタ32と対向するように配置されるストッパ壁部56を、備える構成とされていることから、作動時に、インフレーター本体26が、軸方向に沿って、リテーナ36(エアバッグ20)から抜けるように移動しようとしても、このストッパ壁部56に当接して、さらなる移動を規制されることとなり、インフレーター本体26におけるコネクタ32側の端面(右端26b側の面)を、的確に押えることができる。また、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、ストッパ壁部56から延びてインフレーター25の軸直交方向側におけるコネクタ32の両側(前後両側)に配置される前側規制壁部57,後側規制壁部58が、底壁部47から延びた端縁57a,58a(車両搭載時における下縁)側によってワイヤハーネス30を当接させることにより、インフレーター本体26から軸直交方向に向かって突出するハーネス本体31におけるインフレーター本体26を中心とした角度を規制可能に、構成されていることから、取付手段としてのボルト41を底壁部47から突出させるようにして、ワイヤハーネス30を接続させた状態のインフレーター本体26を、ケース45内に収納させるだけで、ワイヤハーネス30が、この前側規制壁部57,後側規制壁部58の端縁57a,58aに当接されることによって、さらなる回転を規制されることにより、角度を規制されることとなり、ワイヤハーネス30とインフレーター本体26とがリテーナ36に対して自由に回転することを規制できて、ケース45への収納作業時のワイヤハーネス30の取扱作業性が良好となる。
【0038】
したがって、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、ワイヤハーネス30を接続させた状態でインフレーター25をケース45に収納させる構成であっても、作動時にインフレーター25のワイヤハーネス30側の端面を的確に押さえることができ、また、ワイヤハーネス30の取扱性が良好で、ケース45に対するワイヤハーネス30の配置位置も容易に設定することができる。
【0039】
また、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、各前側規制壁部57,後側規制壁部58が、突出用開口46a側(上下方向側)から見た状態において、ストッパ壁部56側に向かって相互の離隔距離を狭幅とされるように、テーパ状に形成されていることから、突出部55を備える構成であっても、ケース45が嵩張ることを極力抑制できる。ちなみに、前側規制壁部と後側規制壁部とを、それぞれ、ストッパ壁部に対して略直交させて、突出部を上下方向側から見て略コ字形状とする場合、ケースの形成材料が増加して重量の増大を招くこととなり、好ましくない。なお、このような点を考慮しなければ、前側規制壁部と後側規制壁部とを、略平行に配置させ(ストッパ壁部に対して略直交させ)るようにして、突出部を構成してもよい。
【0040】
さらに、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、ケース45において、前側規制壁部57の端縁57a側に、ハーネス本体31を挿通させて係止可能な凹溝60が、端縁58aを凹ませるようにして、形成される構成である。そのため、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、凹溝60にハーネス本体31を挿通させて係止させることにより、ハーネス本体31が、突出用開口46aを覆うように配設されるエアバッグカバー6と干渉することを抑制でき、また、運搬時や、ボディ側への取付作業時等において、ハーネス本体31がケース45に対して動くことを抑制でき、車両への取付作業時等において、ワイヤハーネス30の取扱作業性が、一層良好となる。
【0041】
さらに、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、前側規制壁部57側において、車両搭載時に、凹溝60から離れた位置に、ハーネス本体31を挿通させて係止可能な第2凹溝70を、配設させていることから、凹溝60と第2凹溝70とによって係止することにより、ハーネス本体31がケース45に対して動くことを一層規制でき、また、車両搭載時において、ハーネス本体31が、ケース45の周囲に配置される周辺部材と干渉することも、抑制できて、好ましい。なお、このような点を考慮しなければ、ケースに、凹溝や第2の凹溝を配設させない構成としてもよく、また、凹溝や第2の凹溝を配設させない構成とする場合、ケース外に突出させたハーネス本体を、テープ材等の仮止め手段によって、ケースの周壁部の外周側に固定させる構成としてもよい。
【0042】
特に、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、凹溝60と第2凹溝70とが、ハーネス本体31を挿入させる挿入方向を異ならせて、相互に略直交させるように構成されていることから、仮に、凹溝60若しくは第2凹溝70の一方から、ハーネス本体31が外れることとなっても、他方から即座には外れがたく、ハーネス本体31を安定して係止させておくことができる。
【0043】
さらにまた、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、ケース45が、車両搭載時に、下端側に突出用開口46aを配設させる構成とされ、ハーネス本体31が、コネクタ32から一旦下方に延びつつ、上方に反転されるようにして、凹溝60と、凹溝60から上方に離れた第2凹溝70と、に挿通された状態で、車両に搭載される構成であることから、仮に、雨水W等が、ハーネス本体31を伝ってきた場合にも、この雨水Wを、ハーネス本体31における下端(反転部位31c)から滴下させることができ(図10の二点鎖線参照)、雨水等が、ハーネス本体31を伝ってケース45内に進入することを、的確に防止することができる。なお、このような点を考慮しなければ、ハーネス本体を、反転させるように配置させない構成としてもよい。
【0044】
また、実施形態では、車両搭載時の下端側に、突出用開口を配設させる構成のケースを使用した膝保護用エアバッグ装置を例に採り、説明しているが、本発明を適用可能な膝保護用エアバッグ装置は、実施形態に限られるものではない。突出用開口を車両搭載時の後端側に配設させる構成のケースを使用した膝保護用エアバッグ装置にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
6…エアバッグカバー、20…エアバッグ、25…インフレーター、26…インフレーター本体、27a…ガス吐出口、28…接続口部、30…ワイヤハーネス、31…ハーネス本体、31a…端部、32…コネクタ、36…リテーナ、37…保持部、41…ボルト(取付手段)、42…ナット、45…ケース、46…ケース本体、46a…突出用開口、47…底壁部、48…周壁部、55…突出部、56…ストッパ壁部、57…前側規制壁部、57a…端縁、58…後側規制壁部、58a…端縁、60…凹溝、65…ブラケット部、70…第2凹溝、MP…乗員、S…膝保護用エアバッグ装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11