【実施例】
【0024】
以下、実施例によって本発明の詳細を述べるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(分析条件)
各種分析手段および分析装置は、以下の通りである。
(1)
1H及び
13C NMRは、TMSを内部標準物質として、ブルッカー社製アバンス400MHz核磁気共鳴装置で測定を実施した。CDCl
3、DMSO−d
6、重水は市販品をそのまま使用した。
(2)HPLC分析装置には、以下からなるシステムを主に使用した。
ポンプ:島津製作所社製LC−10AT及びLC−10ATvp
オートサンプラー:協和精密社製KMT−100X
カラムオーブン:Shodex社製AO−30C及びGLサイエンス社製C0631、スガイ社製U−620
UV検出器:島津製作所社製SPD−10A及びSPD−10Avp
HPLCコントローラー:島津製作所社製SCL−10A及びSCL−10Avp
(3)HPLCデータ解析処理装置には、GLサイエンス社製EZ ChromElite (Ver.2.8.3、ビルド2249)と島津製作所社製Class−VP (バージョン6.10)及び(株)島津製作所社製のCR−7Aplusとを使用した。
(4)イオンクロマト(Clアニオン)には、米国ダイオネクス社製装置(DIONEX、DX−120)を使用し、データ解析装置は島津製作所社製CR−7Aplusを用いた。
イオンクロマト分析の溶離液には、1M Na
2CO
3/1M NaHCO
3=9/1を使用し、分析サンプルはイオンフリーの水に溶解させて分析した。塩化物イオン(Cl
−)の標準品は塩化カリウムを使用した。
(5)LC/MSスペクトルには、UPLC/SQDシステム、MS検出器:SQDを使用した。
(6)精密質量分析(HRMS)には、日本電子社製MS700V、FABマトリックスはYOKUEDL−FAB−Matrix(m−NBA/DTTの混合物)を使用した。
(7)本実施例において、使用した原料及び試薬類はいずれも市販品を特に精製することなくそのまま使用した。
3−アミノ−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニン tert−ブチルエステル塩酸塩(以下、Boc−DAP−OtBu・HClと表記)(渡辺化学工業(株)社製)
3−アミノ−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニン メチルエステル塩酸塩(以下、Boc−DAP−OMe・HClと表記)(渡辺化学工業(株)社製)
3−アミノ−N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−アラニン メチルエステル塩酸塩 (以下、Cbz−DAP−OMe・HClと記載)(渡辺化学工業(株)社製)
3−アミノ−5−クロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸(以下、ACHBと表記)(東京化成工業(株)社製)
3−アミノベンゼンスルホン酸(以下、ABSと表記)(東京化成工業(株)社製)
3−アミノ−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(以下、ACTSと表記)(東京化成工業(株)社製)
N,N‘−カルボニルジイミダゾール(以下、CDIと表記)(保土谷化学工業(株)社製)
クロロギ酸フェニル(東京化成工業(株)社製)
(8)HPLC分析条件は、以下のとおりである。
溶離液組成:A液−0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液−0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル、流速:1.0mL/min
検出器:UV(254 nm)、
使用カラム:逆相ODSシリカゲルカラム(資生堂社製 CAPCELL PAC typeMGII、カラムサイズ:内径φ4.6mm x 長150mm、5μm、或いは島津製作所社製 XR−ODS カラムサイズ:内径φ3.0mm × 長75mm 2.2μm)
カラム温度:40℃
グラジエント分析条件:
(A液/B液)=初期(99/1)〜25分後(10/90)〜30分後(10/90)、或いは
(A液/B液)=初期(99/1)〜12分後(10/90)
サンプル注入量:10μl
なお、本明細書中に用いられる略号は、以下の意味を表す。
AcOEt:酢酸エチル
AcOH:酢酸
ABS:3−アミノベンゼンスルホン酸
ACHB:3−アミノ−5−クロロ−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸
ACTS:3−アミノ−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸
DAP:2,3−ジアミノプロパン酸
IPA:イソプロピルアルコール
MeCN:アセトニトリル
MsOH:メタンスルホン酸
Py:ピリジン
TEA:トリエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
【0025】
(実施例1)
(2S)−2−アミノ−3−{[(5−クロロ−2−ヒドロキシ−3−スルホフェニル)カルバモイル]アミノ}プロパン酸(化合物
1)の合成
【化14】
CDI 150.2g(926.6mmol、1.1eq. vs Boc−DAP−O
tBu)に対し、アセトン750mL(3.0L/kg)を加えて5℃で撹拌した。Boc−DAP−OtBu 250g(842.6mmol)を2分割で加えてアセトン125mL(0.5L/kg)で洗いこみを行った。30分撹拌を行った後、HPLCでIC(イミダゾイルカルボニル)化反応終了を確認した。ACHB 282.6g(1263.8mmol、1.5eq.)を3分割で加えてアセトン125mL(0.5L/kg)で洗いこみを行った。30℃に昇温後、18時間撹拌を行った後、HPLCでウレア化反応終了を確認した。5℃に冷却後、濃塩酸124.5mL(1432.4mmol、1.7eq.)を加えて1時間撹拌した。析出した不要物をろ過し、アセトン1000mL(4.0L/kg)で洗浄した。ろ液を1018g(4.1kg/kg)まで濃縮し、50℃に昇温後、濃塩酸625.0mL(7187mmol、8.5eq.)を滴下した。30分撹拌し、HPLCで脱保護終了を確認した後、水750mLを加えた(3.0L/kg)。この液を1730g(6.9kg/kg)まで減圧濃縮して固体を析出させた。20℃で14時間撹拌後、減圧ろ過を行った。ろ過した固体をアセトン500mL(2.0L/kg)で洗浄した後、60℃で6時間減圧乾燥して目的物201.4gを得た(64.5%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 8.3 (s, 1H), 8.2 (bs, 3H), 8.1 (d, 1H, J=2.6Hz), 7.3 (t, 1H, J=6.0Hz), 7.0 (d, 1H, J=2.6Hz), 4.0-4.1(m, 1H), 3.6-3.7(m, 1H), 3.4-3.5(m, 1H)
【0026】
(実施例2)
(2S)−2−アミノ−3−{[(3−スルホフェニル)カルバモイル]アミノ}プロパン酸(化合物
2)の合成
【化15】
CDI 120.2g(741.2mmol、1.1eq. vs Boc−DAP−OtBu)に対し、アセトン600mL(3.0L/kg)を加えて5℃で撹拌した。Boc−DAP−OtBu 200g(673.9mmol)を2分割で加えてアセトン100mL(0.5L/kg)で洗いこみを行った。30分撹拌を行った後、HPLCでIC化反応終了を確認した。ABS 175.0g(1010.8mmol、1.5eq.)を3分割で加えてアセトン100mL(0.5L/kg)で洗いこみを行った。30℃に昇温し、18時間撹拌を行った後、HPLCでウレア化反応終了を確認した。5℃に冷却後、濃塩酸99.6mL(1145.4mmol、1.7eq.)を加えて1時間撹拌した。析出した不要物をろ過し、アセトン1400mL(7.0L/kg)で洗浄した。ろ液を800.1g(4.0kg/kg)まで濃縮し、50℃に昇温後、濃塩酸500.0mL(5750.0mmol、8.5eq.)を滴下した。30分撹拌し、HPLCで脱保護終了を確認した後、水600mLを加えた(3.0L/kg)。この液を1653.7gまで減圧濃縮して固体を析出させた。20℃で15時間熟成した後、減圧ろ過を行った。ろ過した固体をアセトン400mL(2.0L/kg)で洗浄した後、室温で6時間減圧乾燥して目的物140.3gを得た(net 132.2g、64.7%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 8.8 (s, 1H), 8.2 (bs, 3H), 7.7 (s, 1H), 7.3-7.4 (m, 1H), 7.1-7.2 (m, 2H), 6.3-6.4(bs, 1H), 4.0-4.1(bs, 1H), 3.6-3.7(bs, 1H), 3.5-3.6(bs, 1H)
【0027】
(実施例3)
(2S)−2−アミノ−3−{[(3−クロロ−2−メチル−5−スルホフェニル)カルバモイル]アミノ}プロパン酸(化合物
3)の合成
【化16】
CDI 14.4g(88.8mmol、1.05eq. vs Boc−DAP−OtBu)に対し、アセトン75mL(3.0L/kg vs DAP−OtBu)を加えて5℃で撹拌した。Boc−DAP−OtBu 25g(84.3mmol)を2分割で加えて30分撹拌を行った後、HPLCでIC化反応終了を確認した。ACTS 26.1g(118.0mmol、1.4eq.)を3分割で加えてアセトン25mL(1.0L/kg)で洗いこみを行った。30℃に昇温後、一晩撹拌を行い、HPLCでウレア化反応終了を確認した。10kPa、40℃で溶媒が飛びきるまで減圧濃縮した後、水37.5mL(1.5L/kg)、濃塩酸22.8mL(257.6mmol)を加えて脱保護を2時間行った。HPLCで反応終了を確認した後、5℃に冷却し、MeCN 60mL(2.4L/kg)を加えて一晩撹拌した。さらにMeCN 120mL(4.8L/kg)加えたところ、分層が生じたので、水10mL(0.4L/kg)とMeCN 2.5mL(0.1L/kg)を添加した。析出した固体を減圧ろ過し、MeCN/水(1/2) 60mLで洗浄した後、60℃で14時間減圧乾燥して目的物を白色固体として20.1g得た(net18.3g、収率61.8%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 14.70-13.30 (bs, 1H), 8.27 (bs, 3H), 8.15 (s, 1H), 7.98 (d, 1H, J=1.6Hz), 7.27 (d, 1H, J=1.6Hz), 6.82 (t, 1H, J=6.0Hz), 4.04 (bs, 1H), 3.70-3.60 (m, 1H), 3.60-3.50 (m, 1H), 2.22 (s, 3H)
【0028】
(実施例4)
クロロギ酸フェニルをカルボニル基導入試薬として用いる化合物
3の合成
(工程1)
【化17】
ACTS 50g(225.6mmol)に対し、MeCN 375mL(7.5L/kg vs ACTS)、Py 38.1mL(473.7mmol、2.1eq.)を加えて25℃で撹拌した。ClCO
2Ph(クロロギ酸フェニル) 29.9mL(236.8mmol、1.05eq.)を滴下し、30分撹拌後にHPLCでCM(カルバメート)反応終了を確認した。Boc−DAP−OtBu 68.9g(232.4mmol)を加えてTEA 97.5mL(699.3mmol、3.1eq.)を滴下し、25℃で3時間撹拌した。HPLCでウレア化反応終了を確認した。ここで、全量517.43gの内、103.5gを用いて次工程に移行した(ACTS 10gスケールにダウン)。
水 30mLを加えて40℃、5kPaで77.0gまで濃縮した。AcOEt 100mL(10L/kg)を添加して分液操作を行った後、有機層に水30mLを加えて再度分液操作を行った。有機層を40℃、10kPaで47.6gまで濃縮した後、AcOEt 15mL(1.5L/kg)、THF 100mL(10L/kg)を添加した。再度、50.7gまで濃縮し、146gまでTHFを加えた。再び35.5gまで濃縮し、AcOEt 30mL(3L/kg)、THF 100mL(10L/kg)まで加えたところ、固体が析出した。5℃に冷却し、一晩熟成させた。析出した固体を減圧ろ過し、THF 20mL(2.0L/kg)で洗浄した後、30℃で一晩、40℃で3時間減圧乾燥して目的物24.9gを白色固体として得た(net 23.0g、83.6%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 8.86 (bs, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.25 (d, 1H, J=1.6Hz), 7.14 (d, 1H, J=7.6Hz), 6.60 (t, 1H, J=5.6Hz), 4.00-3.90 (m, 1H), 3.60-3.50 (m, 1H), 3.30-3.20 (m, 1H), 3.15-3.05 (m, 6H), 2.19 (s, 3H), 1.50-1.30 (m, 18H), 1.20-1.10 (m, 9H)
(工程2)
【化18】
化合物
4 21.64g(net.20.0g、32.8mmol)に対し、水68mL(3.4L/kg vs 化合物
4)を加えて50℃で撹拌し、濃塩酸12mL(135.6mmol、4.1eq.)を滴下した。1時間撹拌後、70℃に昇温して析出した固体を溶解させた。HPLCで反応終了を確認し、50℃に冷却して1時間熟成させた後、4時間かけて5℃まで冷却した。析出した固体を減圧ろ過し、MeCN/水(2/1)40mL(2.0L/kg)で洗浄した後、60℃で3時間減圧乾燥して目的物11.2gを白色固体として得た(net 10.5g、91.1%)。
【0029】
(実施例5)
【化19】
ACTS 1.00g(4.51mmol)に対し、MeCN 10.0mL(10.0 L/kg vs ACTS)、Py 0.75mL(9.25mmol、2.05eq.)、を加えて8℃で撹拌した。ClCO
2Ph 0.59mL(4.74mmol、1.05eq.)を滴下し、室温に昇温して1時間撹拌した後、HPLCでCM化反応終了を確認した。Boc−DAP−OtBu 1.33g(4.51mmol、1.0eq.)を加えてTEA 1.92mL(13.76mmol、3.05eq.)を滴下し、40℃で1時間撹拌した。HPLCでウレア化反応終了を確認した後、溶媒が飛びきるまで濃縮した。水1.0mL、濃塩酸2.0mL(22.6mmol、5.0eq.)を添加して50℃で4時間撹拌した。HPLCで脱保護終了確認後、MeCN 7.5mL(7.5L/kg)、1M HCl aq.4.5mLを加えた後、5℃で一晩撹拌した。析出した固体を減圧ろ過し、MeCN 3.0mL(3.0L/kg)で洗浄した後、60℃で一晩乾燥して目的物1.28gを白色固体として得た(net 1.18g、77.0%)。
【0030】
(実施例6)
(工程1)
3−({[(2S)−2−アミノ−3−メトキシ−3−オキソプロピル]カルバモイル}アミノ)−5−クロロ−4−メチルベンゼン−1−スルホン酸(化合物
5)の合成
【化20】
ACTS 5g(22.56mmol)に対し、MeCN 37.5mL(7.5L/kg vs ACTS)、Py 3.81mL(47.38mmol、2.1eq.)を加えて25℃で撹拌した。ClCO
2Ph 2.99mL(23.68mmol、1.05eq.)を滴下し、30分撹拌後にHPLCでCM反応終了を確認した。Boc−DAP−OMe 5.92g(23.23mmol、1.03eq.)を加えてTEA 9.75mL(69.93mmol、3.1eq.)を滴下し、25℃で3時間撹拌した。Boc−DAP−OMe 0.4g(1.58mmol、0.07eq.)、TEA 0.22mL(1.58mmol、0.07eq.)を追加し、HPLCでウレア化反応終了を確認した。MsOH 7.32mL(112.8mmol、5.0eq.)を加えて50℃に昇温し、4時間撹拌した。HPLCで脱保護終了を確認した後、25℃に冷却してMeCN 37.5mL(7.5L/kg)、水7.5mL(1.5L/kg)を加えて固体を析出させた。5℃に冷却して16時間熟成させた。析出した固体を減圧ろ過し、水/MeCN(1/2) 20mL(4.0L/kg)で洗浄した後、40℃で5時間減圧乾燥して目的物7.72gを白色固体として得た(net 7.20g、87.3%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 8.39 (bs, 3H), 8.16 (d, 1H, J=1.2Hz), 7.90 (d, 1H, J=1.6Hz), 7.28 (d, 1H, J=1.6Hz), 6.78 (t, 1H, J=5.6Hz), 4.20-4.10 (m, 1H), 3.77(s, 3H), 3.70-3.60 (m, 1H), 3.55-3.45 (m, 1H), 2.21 (s, 3H)
HRMS (FAB
-):calcd for m/z 364.0369(M-H), found m/z 364.0395(M-H)
(工程2)
【化21】
化合物
5 10.64g(net 10.0g、27.34mmol)に対し、水18mL(1.8L/kg vs 化合物
5)を添加して8℃で撹拌した。48%水酸化ナトリウム水溶液3.42mL(57.41mmol、2.1eq.)を滴下し、水1.0mL(1.0L/kg)で洗いこみを行った後、8℃で15分間撹拌した。HPLCで加水分解終了を確認した後、25℃に昇温して48% HBr aq.約3.55mLを加えてpHを5.8に調整した。IPA 65mL(6.5L/kg)を滴下して目的物の析出を確認後、1時間熟成させた。IPA 81mL(8.1L/kg)を滴下して8℃で一晩熟成させた。析出した固体を減圧ろ過し、IPA 20mL(2.0L/kg)で洗浄した後、40℃で4時間減圧乾燥して目的物を白色固体として10.7g得た(net 9.46g、92.6%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ8.76 (s, 1H), 7.91 (d, 1H, J=1.6Hz), 8.00-7.50 (bs, 2H), 7.24 (d, 1H, J=1.6Hz), 7.20(t, 1H, J=5.6Hz), 3.58-3.54(m, 1H), 3.47-3.43(m, 1H), 3.42-3.37(m, 1H), 2.23(s, 3H)
【0031】
(実施例7)
(工程1)
【化22】
ACTS 10.0g(45.1mmol)に対し、MeCN 50mL(5.0L/kg vs ACTS)、Py 7.46mL(92.5mmol、2.05eq.)を加えて8℃で撹拌した。ClCO
2Ph 5.98mL(47.4mmol、1.05eq.)を滴下し、25℃に昇温して1時間撹拌した後にHPLCでCM反応終了を確認した。アセトン100ml(10.0L/kg vs ACTS)を加えて8℃に冷却し、1時間熟成させた。析出した固体を減圧ろ過し、アセトン30mL(3.0L/kg vs ACTS)で洗浄した後、60℃で2時間減圧乾燥して目的物17.8gを得た(フリー体としてnet 14.4g、quant)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 9.76 (bs, 1H), 8.93-8.90 (m, 2H), 8.60-8.50 (m, 1H), 8.10-8.00 (m, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.50-7.40 (m, 3H), 7.30-7.20(m, 3H), 2.30 (s, 3H)
(工程2)
【化23】
化合物
6 5.0g(11.9mmol)に対し、アセトニトリル50ml、Boc−DAP−OtBu3.53g(11.9mmol)を加えて8℃で撹拌した。トリエチルアミン3.5ml(25mmol)を滴下し、室温で終夜撹拌した。減圧下、溶媒を留去し、酢酸エチル25mlと水5mlを加えて抽出を行った。有機層を水5mlで洗浄し、溶媒を留去し、テトラヒドロフラン50mlを加え、8℃まで冷却し、1時間熟成させた。析出した固体を減圧ろ過し、テトラヒドロフラン10mlで洗浄した後、60℃で終夜減圧乾燥して目的物を白色固体として6.3g得た。
【0032】
(実施例8)
【化24】
ACTS 1.08g(4.89mmol)に対し、MeCN 8.1mL(7.5 L/kg vs ACTS)、Py 827μL(10.27mmol、2.1eq.)、を加えて室温で撹拌した。ClCO
2Ph 649μL(5.14mmol、1.05eq.)を滴下し、30分撹拌した後、HPLCでCM化反応終了を確認した。Cbz−DAP−OMe・HCl 1.48g(5.04mmol、1.03eq.)を加えてTEA 2.1mL(15.17mmol、3.1eq.)を滴下し、室温で約5時間撹拌した。HPLCでウレア化反応終了を確認した後、溶媒が飛びきるまで濃縮した。30% HBr/AcOH 15.0mLを加えて室温で70分撹拌し、HPLCで脱保護終了を確認した。濃縮乾固後、水 10mL、AcOEt 4mLを加えて抽出操作を行った後、水層を室温で一晩撹拌した。析出した固体を減圧ろ過し、水 15mL、AcOEt 10mLで洗浄した後、40℃で3時間乾燥して目的物を白色固体として1.45g得た(58.8%)。
【0033】
(実施例9)
クロロギ酸フェニルをカルボニル基導入試薬として用いる化合物
7(化合物
1のメチルエステル体)の合成
【化25】
ACHB 5.00g(22.4mmol)に対し、MeCN 73mL(14.6 L/kg vs ACHB)、Py 3.8mL(47mmol、2.1eq.)、を加えて40℃で撹拌した。ClCO
2Ph 3.0mL(24mmol、1.05eq.)を滴下し、30分撹拌した後、HPLCでCM化反応終了を確認した。Boc−DAP−OMe 5.87g(23mmol、1.0eq.)を加えて少量のMeCNで洗い込み、TEA 9.7mL(70mmol、3.1eq.)を滴下し、40℃で3時間撹拌した。HPLCでウレア化反応終了を確認した後、室温まで冷却した。MsOH 7.3mL(112mmol、5.0eq.)を加えて50℃に昇温し、7時間撹拌した。更にMsOH 1.5mL(23mmol、1.0eq.)を添加し、50℃で終夜反応させた。HPLCで脱保護終了を確認した後、反応液へアセトン 90mLを添加し、室温まで冷却した。析出した固体を取得し、60℃で減圧乾燥し、目的物を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 7.22 (m, 1H), 7.14 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.20-3.40 (m, 2H).
【0034】
(実施例10)
クロロギ酸4−クロロフェニルをカルボニル基導入試薬として用いる化合物
5の合成
【化26】
ACTS 5.00g(22.6mmol)に対し、MeCN 73mL(14.6 L/kg vs ACTS)、Py 3.8mL(47mmol、2.1eq.)、を加えて40℃で撹拌した。クロロギ酸4−クロロフェニル 3.25mL(23.7mmol、1.05eq.)を滴下し、40℃で1.5時間撹拌した後、HPLCでCM化反応終了を確認した。Boc−DAP−OMe 5.92g(23.2mol、1.0eq.)を加えて少量のMeCNで洗い込み、TEA 9.7mL(70mmol、3.1eq.)を滴下し、40℃で2時間撹拌した。HPLCでウレア化反応終了を確認した後、室温まで冷却した。MsOH 7.3mL(113mmol、5.0eq.)を加えて50℃に昇温し、3.5時間撹拌した。HPLCで脱保護終了を確認した後、反応液を室温まで冷却し、水 7.5mLを添加、8℃まで冷却して終夜撹拌した。析出した固体をろ過し、少量のMeCN水で洗浄し、60℃で一晩乾燥して目的物を白色固体として6.94g得た(84.1%)。
【0035】
(実施例11)
クロロギ酸4−ニトロフェニルをカルボニル基導入試薬として用いる化合物
5の合成
【化27】
ACTS 5.00g(22.6mmol)に対し、MeCN 73mL(14.6 L/kg vs ACTS)、Py 3.8mL(47mmol、2.1eq.)、を加えて40℃で撹拌した。クロロギ酸4−ニトロフェニル 4.77mL(23.7mmol、1.05eq.)を滴下し、40℃で3.5時間撹拌した後、HPLCでCM化反応終了を確認した。Boc−DAP−OMe 5.92g(23.2mmol、1.0eq.)を加えて少量のMeCNで洗い込み、TEA 9.7mL(70mmol、3.1eq.)を滴下し、40℃で2時間撹拌した。HPLCでウレア化反応終了を確認した後、室温まで冷却した。MsOH 7.3mL(113mmol、5.0eq.)を加えて50℃に昇温し、3.5時間撹拌した。HPLCで脱保護終了を確認した後、反応液を室温まで冷却し、水 7.5mLを添加、8℃まで冷却して終夜撹拌した。析出した固体をろ過し、少量のMeCN水で洗浄し、60℃で一晩乾燥して目的物を白色固体として5.96g得た(72.2%)。
【0036】
(実施例12)
Boc−DAP−OHを用いた化合物
3の合成
【化28】
ACTS 5.00g(22.6mmol)に対し、MeCN 73mL(14.6 L/kg vs ACTS)、Py 3.8mL(47mmol、2.1eq.)、を加えて40℃で撹拌した。クロロギ酸フェニル 3.00mL(23.8mmol、1.05eq.)を滴下し、40℃で0.5時間撹拌した後、HPLCでCM化反応終了を確認した(CM化反応物:4.37分、ACTS:N.D.)。Boc−DAP−OH 4.75g(23.2mmol、1.0eq.)を加えて少量のMeCNで洗い込み、TEA 9.7mL(70mmol、3.1eq.)を滴下し、40℃で2時間撹拌した。HPLCでウレア化反応終了を確認した後(ウレア化反応物:3.81分、CM化反応物:0.02area% vs ウレア化反応物)、室温まで冷却した。MsOH 7.3mL(113mmol、5.0eq.)を加えて50℃に昇温し、4.5時間撹拌、更にMsOH 1.5mL(23mmol、1.0eq.)を添加し1時間撹拌することで、HPLCで目的物の生成を確認した(化合物3:2.49分、ウレア化反応物:0.50area% vs 化合物3、化合物3のピリジンを除く総面積に対する面積:71.0area%)。