特許第6852893号(P6852893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852893
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】液体圧検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   G01L19/06 102
【請求項の数】5
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-95810(P2017-95810)
(22)【出願日】2017年5月12日
(65)【公開番号】特開2018-194330(P2018-194330A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233790
【氏名又は名称】株式会社ノーケン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北脇 哲雄
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6238824(JP,B2)
【文献】 英国特許出願公開第311967(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の空間に連通することにより、液体が通流可能に構成された液体通流部と、
前記液体通流部に連通し、前記液体通流部を経由することで流入する液体によって充填される受圧室と、
前記受圧室の圧力を検出する検出素子と、
前記液体通流部に設けられ、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力を緩衝する緩衝機構とを備え、
前記緩衝機構は、絞り部と、前記絞り部よりも前記受圧室側に位置する弁部とを含み、
前記弁部は、前記絞り部側に位置する弾性板および前記受圧室側に位置する硬質板からなる積層体にて構成されるとともに、その外周部が前記弾性板および前記硬質板の積層方向において挟み込まれることで保持され、
前記弾性板は、前記弁部の前記外周部に該当する被保持領域と、前記被保持領域の内側に位置し、前記硬質板側に向けて押し付けられることで前記硬質板に密着可能な非保持領域とを有し、
前記絞り部には、外部の空間に連通する第1連通孔と、前記第1連通孔よりも開口面積が大きく、前記非保持領域に対向するとともに前記第1連通孔に連通する第2連通孔とが設けられ、
前記第1連通孔は、前記第2連通孔を介して前記非保持領域に対向し、
前記非保持領域には、前記第2連通孔に連通する第1貫通孔が設けられ、
前記非保持領域に対向する部分の前記硬質板には、前記受圧室に連通する第2貫通孔が設けられ、
前記弾性板および前記硬質板の積層方向に沿って見た場合に、前記第1連通孔と前記第1貫通孔とが重なっておらず、かつ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが重なっておらず、
前記硬質板の前記弾性板側の表面のうちの前記非保持領域に対向する部分に、環状溝が設けられ、
前記弾性板および前記硬質板の積層方向に沿って見た場合に、前記環状溝が、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔のうちのいずれか一方のみを取り囲んでいる、液体圧検出装置。
【請求項2】
前記弾性板が、ゴム製であり、
前記硬質板が、樹脂製である、請求項1に記載の液体圧検出装置。
【請求項3】
前記環状溝が、同心円状に設けられた複数の溝部にて構成されている、請求項1または2に記載の液体圧検出装置。
【請求項4】
前記弾性板および前記硬質板が、同軸上に配置された円盤状の形状を有し、
前記第1連通孔、前記第2連通孔および前記第2貫通孔が、同軸上に配置された前記弾性板および前記硬質板の軸線上に設けられ、
前記第1貫通孔が、前記軸線を中心とする仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って等間隔に複数設けられ、
前記弾性板および前記硬質板の積層方向に沿って見た場合に、前記環状溝が、前記第2貫通孔のみを取り囲んでいる、請求項1から3のいずれかに記載の液体圧検出装置。
【請求項5】
前記緩衝機構から見て前記受圧室側に位置し、前記硬質板に当接するクッションパッドと、
前記弾性板および前記硬質板の積層方向において前記クッションパッドを前記弾性板に向けて押圧することにより、前記クッションパッドを前記弁部に固定する固定部材とをさらに備え、
前記硬質板の前記クッションパッド側の表面の中央部に、前記第2貫通孔に連通する凹部が設けられ、
前記凹部に対向する部分の前記クッションパッドに、前記受圧室と前記凹部とに連通する第3連通孔が設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の液体圧検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の圧力である液体圧を検出する液体圧検出装置に関し、特に、液体に浸漬されることによって外部から流入する液体にて充填される受圧室と、当該受圧室の圧力を検出する検出素子とを備えた液体圧検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の産業分野において、液体の状態や挙動を把握または制御するために液体圧の検出が広く行なわれている。液体圧は、液体圧自体を計測する場合に限られず、液体の液位(液面レベル)や流量、流速等を計測する場合においてもその検出が行なわれる場合がある。たとえば、液体の液位を計測するある種の液位計においては、液体圧検出装置が検出部として当該液位計に組み込まれ、液体圧検出装置から出力される信号に基づいて液体の液位が計測可能に構成されている。
【0003】
従来、液体圧を検出する液体圧検出方法として、各種のものが知られている。その一つに、圧力を検出することができる検出素子(たとえば半導体圧力センサ等)を液体中に浸漬し、これにより液体圧を直接的に検出する検出方法がある。当該検出方法が適用された液体圧検出装置においては、液体に浸漬されることで外部から流入する液体よって充填される受圧室が設けられることが一般的であり、この受圧室の圧力が検出可能となるように上述した検出素子が設置される。
【0004】
しかしながら、この種の液体圧検出装置において、液体圧に想定を超える急激でかつ大きな変動が生じた場合には、これが衝撃圧力となって検出素子に印加されることとなってしまい、場合によっては検出素子が破損してしまうことがある。たとえば、上述した如くの検出方法が適用された液体圧検出装置を検出部として備えてなる液位計を、振動が生じ得る環境下に設置されたタンク(たとえば船舶や工場等に設置されるタンク)等に貯留された液体の液位計測に利用する場合や、河川や池、海、井戸、下水道といった通流環境下にあるポイントにおける液体の液位計測に利用する場合等においては、想定を超えた衝撃圧力が検出素子に印加されることで検出素子が破損するケースがあり、その交換が余儀なくされてしまうことがあった。
【0005】
より具体的には、たとえば船舶に設置されるタンクに貯留された液体の液位計測に利用される液位計においては、船舶が横波や横風を受けることで船舶にローリングと称される揺れが生じたり、船舶が縦波や向かい風あるいは追い風を受けることで船舶にピッチングと称される揺れが生じたりした場合に、船舶の揺れを受けてタンクに貯留された液体にも大きな揺れが発生し、これが原因となってタンク内の液体に衝撃圧力が発生するため、当該衝撃圧力が検出素子に印加されることで検出素子が破損するケースがある。
【0006】
衝撃圧力が液体を通じてそのまま検出素子に印加されることがないように緩衝機構が設けられてなる液位計としては、たとえば特開2015−200597号公報(特許文献1)に開示のものがある。
【0007】
当該特許文献1に開示された緩衝機構は、絞り部と弁部とを含んでおり、絞り部を外部の空間側に設置するとともに弁部を受圧室側に設置し、このうちの弁部を2枚の弾性板の積層体にて構成するとともに、当該2枚の弾性板の外周部を保持することでこれら2枚の弾性板の各々に撓み変形が可能な領域を形成し、これら撓み変形が可能な領域に互いに非対向となるように貫通孔が設けられてなるものである。
【0008】
このように構成された緩衝機構においては、単なるオリフィス等からなる緩衝機構に比べて緩衝機構自体の大きさを大幅に小型化することができるばかりでなく、衝撃圧力が印加された場合において2枚の弾性板が密着することで外部の空間と受圧室とが非連通となるため、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力が検出素子に悪影響を与えてしまうことが確実に防止できることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015−200597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に開示の緩衝機構においては、長期間の使用によって弾性板に経年劣化が生じた場合に、緩衝機能が低下してしまう問題がある。これは、繰り返しの撓み変形等によって徐々に弾性板に永久歪みが発生し、この永久歪みが蓄積することで2枚の弾性板の間に徐々に意図しない大きな隙間が発生してしまうことが原因である。
【0011】
すなわち、上記隙間に異物(たとえば、微小な水中生物やその死骸、砂礫、その他微小な粒状体等)が侵入することにより、この異物が2枚の弾性板の間に挟まり、結果として衝撃圧力が印加された場合の2枚の弾性板の密着性がこの異物の存在によって大幅に低下してしまうことになり、これによって上述した緩衝機能の低下が発生してしまう。
【0012】
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に基づく液体圧検出装置は、外部の空間に連通することにより、液体が通流可能に構成された液体通流部と、上記液体通流部に連通し、上記液体通流部を経由することで流入する液体によって充填される受圧室と、上記受圧室の圧力を検出する検出素子と、上記液体通流部に設けられ、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力を緩衝する緩衝機構とを備えている。上記緩衝機構は、絞り部と、上記絞り部よりも上記受圧室側に位置する弁部とを含んでいる。上記弁部は、上記絞り部側に位置する弾性板および上記受圧室側に位置する硬質板からなる積層体にて構成されるとともに、その外周部が上記弾性板および上記硬質板の積層方向において挟み込まれることで保持されている。上記弾性板は、上記弁部の上記外周部に該当する被保持領域と、上記被保持領域の内側に位置し、上記硬質板側に向けて押し付けられることで上記硬質板に密着可能な非保持領域とを有している。上記絞り部には、外部の空間に連通する第1連通孔と、上記第1連通孔よりも開口面積が大きく、上記非保持領域に対向するとともに上記第1連通孔に連通する第2連通孔とが設けられている。上記第1連通孔は、上記第2連通孔を介して上記非保持領域に対向している。上記非保持領域には、上記第2連通孔に連通する第1貫通孔が設けられており、上記非保持領域に対向する部分の上記硬質板には、上記受圧室に連通する第2貫通孔が設けられている。上記弾性板および上記硬質板の積層方向に沿って見た場合に、上記第1連通孔と上記第1貫通孔とは、重なっておらず、また、上記第1貫通孔と上記第2貫通孔とは、重なっていない。上記硬質板の上記弾性板側の表面のうちの上記非保持領域に対向する部分には、環状溝が設けられており、上記弾性板および上記硬質板の積層方向に沿って見た場合に、上記環状溝が、上記第1貫通孔および上記第2貫通孔のうちのいずれか一方のみを取り囲んでいる。
【0014】
上記本発明に基づく液体圧検出装置にあっては、上記弾性板が、ゴム製であることが好ましく、また、上記硬質板が、樹脂製であることが好ましい。
【0015】
上記本発明に基づく液体圧検出装置にあっては、上記環状溝が、同心円状に設けられた複数の溝部にて構成されていることが好ましい。
【0016】
上記本発明に基づく液体圧検出装置にあっては、上記弾性板および上記硬質板が、同軸上に配置された円盤状の形状を有していることが好ましい。その場合には、上記第1連通孔、上記第2連通孔および上記第2貫通孔が、同軸上に配置された上記弾性板および上記硬質板の軸線上に設けられていることが好ましく、また、上記第1貫通孔が、上記軸線を中心とする仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って等間隔に複数設けられていることが好ましい。さらに、その場合には、上記弾性板および上記硬質板の積層方向に沿って見た場合に、上記環状溝が、上記第2貫通孔のみを取り囲んでいることが好ましい。
【0017】
上記本発明に基づく液体圧検出装置は、さらに、上記緩衝機構から見て上記受圧室側に位置し、上記硬質板に当接するクッションパッドと、上記弾性板および上記硬質板の積層方向において上記クッションパッドを上記弾性板に向けて押圧することにより、上記クッションパッドを上記弁部に固定する固定部材とを備えていてもよい。その場合には、上記硬質板の上記クッションパッド側の表面の中央部に、上記第2貫通孔に連通する凹部が設けられていることが好ましく、またその場合に、上記凹部に対向する部分の上記クッションパッドに、上記受圧室と上記凹部とに連通する第3連通孔が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1における液体圧検出装置の一部破断側面図である。
図2図1に示す液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。
図3図2に示す緩衝機構を受圧室側から見た平面図である。
図4図2に示す緩衝機構の分解斜視図である。
図5図2に示す緩衝機構の硬質板を絞り部側から見た底面図である。
図6図2に示す緩衝機構の要部の拡大断面図である。
図7図1に示す液体圧検出装置において、検出すべき液体圧が漸増している場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。
図8図1に示す液体圧検出装置において、検出すべき液体圧が漸減している場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。
図9図1に示す液体圧検出装置に衝撃圧力が印加された場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。
図10】第1変形例に係る液体圧検出装置の緩衝機構を受圧室側から見た平面図である。
図11図10に示す緩衝機構の分解斜視図である。
図12】第2変形例に係る液体圧検出装置の緩衝機構を受圧室側から見た平面図である。
図13図12に示す緩衝機構の分解斜視図である。
図14図12に示す緩衝機構の硬質板を絞り部側から見た底面図である。
図15図12に示す緩衝機構の要部の拡大断面図である。
図16】実施の形態2における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。
図17】実施の形態3における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。
図18】実施の形態4における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。
図19】実施の形態5における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。
図20】実施の形態6における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。
図21】実施の形態7における液体圧検出装置の一部破断側面図である。
図22図21に示す液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。
図23図22に示す緩衝機構を受圧室側から見た平面図である。
図24図22に示す緩衝機構の分解斜視図である。
図25図21に示す液体圧検出装置において、検出すべき液体圧が漸増している場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。
図26図21に示す液体圧検出装置において、検出すべき液体圧が漸減している場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。
図27図21に示す液体圧検出装置に衝撃圧力が印加された場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、液体の液位(液面レベル)を計測する液位計に検出部として具備されてなる液体圧検出装置に本発明を適用した場合を例示するものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における液体圧検出装置の一部破断側面図である。また、図2は、図1に示す液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図であり、図1において示す領域IIの拡大図である。まず、これら図1および図2を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Aの概略的な構成について説明する。
【0022】
図1および図2に示すように、液体圧検出装置1Aは、略円筒状のハウジング10と、ハウジング10の中空状の内部空間に収容された各種の構成部品と、ハウジング10の一方の軸方向端部から引き出されたケーブル40とを主として備えている。
【0023】
ハウジング10は、たとえばステンレス合金製の部材からなり、筒状部11および底部12を有している。底部12は、ケーブル40が引き出された上述したハウジング10の一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部に位置している。底部12は、筒状部11の上記他方の軸方向端部から内側に向けて突設された円環板状の部位にて構成されており、これにより底部12の中央部には、平面視円形状の開口部13が位置している。当該開口部13は、ハウジング10の外部の空間とハウジング10の内部空間とを連通させるための部位である。
【0024】
図2に示すように、ハウジング10の内部空間のうちの開口部13寄りに位置する空間は、液体通流部S1と受圧室S2とを含んでいる。これら液体通流部S1および受圧室S2は、底部12が位置する上述したハウジング10の他方の軸方向端部からこの順で位置している。
【0025】
液体通流部S1は、ハウジング10の内部空間のうちの上述したハウジング10の底部12に隣接した部分にて構成されている。液体通流部S1は、上述した開口部13を介してハウジング10の外部の空間に連通している。これにより、液体通流部S1は、その内部を液体が通流可能となるように構成されている。
【0026】
液体通流部S1には、緩衝機構20Aが配置されている。緩衝機構20Aは、絞り部21と弁部22とを含んでおり、より具体的には、絞り部形成部材23と、弾性板24と、硬質板25とによって構成されている。これら絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25は、ハウジング10の筒状部11に内挿されており、底部12が位置する上述したハウジング10の他方の軸方向端部からこの順で積層されている。
【0027】
絞り部形成部材23は、たとえばフッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴム製の部材、あるいは、たとえばフッ素樹脂等の樹脂製の部材にて構成されている。弾性板24は、たとえばフッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴム製の部材にて構成されている。硬質板25は、たとえばフッ素樹脂等の樹脂製の部材にて構成されている。
【0028】
ここで、緩衝機構20Aは、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力を緩衝するためのものであるが、その詳細な構成や機能については、後述することとする。
【0029】
受圧室S2は、ハウジング10の内部空間のうちの液体通流部S1に隣接した部分に位置している。当該受圧室S2は、上述した緩衝機構20Aと、後述する受圧室形成部材31および素子マウント32によって主として規定されている。
【0030】
ハウジング10の内部空間のうちの、緩衝機構20Aから見て受圧室S2が位置する側の空間には、受圧室形成部材31、素子マウント32、検出素子33および固定部材34が主として配置されている。
【0031】
受圧室形成部材31は、たとえばフッ素樹脂等の樹脂製の部材からなり、ハウジング10の筒状部11に内挿されている。受圧室形成部材31は、その相対して位置する一対の主表面のそれぞれに平面視円形状の凹部が形成されてなる略円盤状の部材からなる。
【0032】
上述した一対の凹部のそれぞれの底面を規定する部分である受圧室形成部材31の隔壁部には、これら凹部によって規定される空間を連通させるための平面視円形状の通路孔31aが設けられている。これにより、受圧室S2は、上述した一対の凹部によって規定される空間と、当該通路孔31aによって規定される空間とによって主として構成されることになる。
【0033】
素子マウント32は、たとえばステンレス合金製の略円盤状の部材からなり、上述したハウジング10の筒状部11に内挿されている。素子マウント32の上述した受圧室S2に面する側の主表面上には、検出素子33が実装されており、素子マウント32の周面には、Oリング等からなるパッキン32aが収容された環状凹部が設けられている。
【0034】
検出素子33は、ピエゾ抵抗式の半導体圧力センサからなり、感圧部としてのダイヤフラムを備えてなるものである。検出素子33の感圧部としてのダイヤフラムは、その感圧面が受圧室S2に面するように配置されている。
【0035】
固定部材34は、たとえばステンレス合金製の環状の部材からなり、圧入やビス止め、螺合、溶接、係止またはそれらの組み合わせ等によってハウジング10の筒状部11に固定されている。固定部材34は、緩衝機構20A、受圧室形成部材31および素子マウント32をハウジング10の軸方向に沿って底部12側に向けて押圧することにより、これら緩衝機構20A、受圧室形成部材31および素子マウント32をハウジング10の内部において固定するための部材である。
【0036】
これにより、緩衝機構20Aを構成する上述した絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25は、その外周部がハウジング10の軸方向(すなわち、弾性板24および硬質板25の積層方向)において挟み込まれることで保持されることになる。
【0037】
より詳細には、絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25は、互いに接触するように積層して配置されており、絞り部形成部材23の外周部がハウジング10の底部12に当て留めされるとともに、硬質板25の外周部が受圧室形成部材31および素子マウント32を介して固定部材34によってハウジング10の底部12側に向けて押圧されることにより、緩衝機構20Aがハウジング10の内部において固定されている。
【0038】
図1に示すように、ケーブル40の内部には、信号線としての導線41が挿通されている。導線41は、たとえば導電性の芯線をポリエチレン樹脂製の被覆材にて覆った被覆付き電線にて構成される。当該導線41は、検出素子33から出力される電気信号あるいは当該電気信号を処理した後の電気信号を伝送するためのものである。なお、導線41に代えて光ファイバ等を信号線として利用することとしてもよい。
【0039】
本実施の形態における液体圧検出装置1Aは、上述したように液位計に検出部として具備されてなるものである。そのため、当該液体圧検出装置1Aは、液体に浸漬された状態で使用されることになる。その際、受圧室S2は、液体通流部S1を経由することで流入する液体によって充填されることになり、検出素子33は、当該受圧室S2の圧力を検出することで液体圧を検出する。
【0040】
なお、ハウジング10から引き出されたケーブル40の他端は、液体の外部に設置された液位計の本体部(不図示)に接続されており、液体圧検出装置1Aにて検出された液体圧に応じた所定の電気信号が、当該ケーブル40に挿通された導線41を介して液位計の本体部に伝送されることになる。液位計の本体部においては、当該伝送された所定の電気信号に基づいて液位(液面レベル)が計測される。
【0041】
図3は、図2に示す緩衝機構を受圧室側から見た平面図であり、図4は、当該緩衝機構の分解斜視図である。また、図5は、図2に示す緩衝機構の硬質板を絞り部側から見た底面図であり、図6は、当該緩衝機構の要部の拡大断面図である。次に、これら図3ないし図6および前述の図2を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Aの緩衝機構20Aの構成についてより詳細に説明する。
【0042】
図2を参照して、液体通流部S1に配置された緩衝機構20Aは、上述したように絞り部21と弁部22とを含んでいる。絞り部21は、ハウジング10の底部12に設けられた開口部13側に位置しており、弁部22は、絞り部21よりも受圧室S2側に位置している。
【0043】
絞り部21は、単一のゴム製または樹脂製の部材からなる略円盤状の絞り部形成部材23によって構成されており、弁部22は、ゴム製の部材からなる略円盤状の弾性板24と、樹脂製の部材からなる略円盤状の硬質板25の積層体にて構成されている。これら絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25は、同軸上に配置されている。ここで、弾性板24は、絞り部形成部材23側に位置しており、硬質板25は、弾性板24よりも受圧室S2側に位置している。
【0044】
上述したように、これら絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25は、受圧室形成部材31および素子マウント32を介して固定部材34によってハウジング10の底部12側に向けてその周縁が押圧された状態で保持されている。
【0045】
そのため、図2および図4に示すように、弾性板24は、弁部22の外周部に該当する被保持領域24aと、この被保持領域24aの内側に位置し、硬質板25側に向けて押し付けられることで硬質板25に密着可能な非保持領域24bとを有している。ここで、被保持領域24aは、上述した受圧室形成部材31および素子マウント32を介して固定部材34および底部12によって挟み込まれて保持された部位であり、非保持領域24bは、硬質板25に実質的に宛がわれているものの、固定部材34および底部12によって挟み込まれていないことにより、弾性的に変形可能に構成された部位である。
【0046】
図2ないし図4に示すように、絞り部形成部材23の中央部には、開口部13を介してハウジング10の外部の空間に連通する平面視円形状の1つの第1連通孔23aと、当該第1連通孔23aよりも開口面積が大きく、弾性板24の非保持領域24bに対向するとともに第1連通孔23aに連通する平面視円形状の1つの第2連通孔23bとが設けられている。
【0047】
ここで、第1連通孔23aは、絞り部形成部材23の開口部13側に位置する主表面から厚み方向に沿って延在しており、第2連通孔23bは、絞り部形成部材23の受圧室S2側に位置する主表面から厚み方向に沿って延在している。これにより、第1連通孔23aおよび第2連通孔23bは、これらが互いに絞り部形成部材23の内部において繋がっており、第1連通孔23aは、第2連通孔23bを介して弾性板24の非保持領域24bに対向している。なお、第1連通孔23aおよび第2連通孔23bは、これらの軸線が絞り部形成部材23の軸線上に重なるように同軸上に設けられている。
【0048】
弾性板24の非保持領域24bには、平面視円形状の2つの第1貫通孔24cが設けられている。これら2つの第1貫通孔24cは、弾性板24の軸線を中心とする仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って180°間隔で設けられており、その各々の開口径は、いずれも同一とされている。
【0049】
当該2つの第1貫通孔24cの弾性板24の軸線側に位置する部分の各々は、当該軸線方向に沿って見た場合に、上述した絞り部形成部材23に設けられた第2連通孔23bに面するように位置している。一方、当該2つの第1貫通孔24cの弾性板24の軸線側とは反対側に位置する部分の各々は、当該軸線方向に沿って見た場合に、絞り部形成部材23によって覆われるように位置している。
【0050】
硬質板25には、平面視円形状の1つの第2貫通孔25aが設けられている。当該第2貫通孔25aは、硬質板25のうちの弾性板24の非保持領域24bに対向する部分に位置しており、より詳細には、硬質板25の軸線上に重なるように設けられている。これにより、第2貫通孔25aは、当該軸線方向に沿って見た場合に、上述した弾性板24によって覆われることになる。
【0051】
すなわち、第1連通孔23a、第2連通孔23bおよび第2貫通孔25aは、同軸上に配置された絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25の軸線上に設けられており、第1貫通孔24cは、この軸線を中心とする仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って等間隔に複数設けられている。
【0052】
以上により、弾性板24および硬質板25の積層方向(すなわち、これら弾性板24および硬質板25の軸線方向)に沿って緩衝機構20Aを見た場合に、絞り部形成部材23に設けられた第1連通孔23aおよび弾性板24に設けられた第1貫通孔24cは、これらが互いに重ならない位置に配置されることになり、また、弾性板24に設けられた第1貫通孔24cおよび硬質板25に設けられた第2貫通孔25aは、これらが互いに重ならない位置に配置されることになる。
【0053】
ここで、図2ないし図6に示すように、硬質板25の弾性板24側の表面のうちの非保持領域24bに対向する部分には、環状溝25bが設けられている。この環状溝25bは、硬質板25の軸線を中心として同心円状に設けられた複数の溝部にて構成されており、弾性板24および硬質板25の積層方向に沿って見た場合に、第2貫通孔25aを取り囲むように形成されている。
【0054】
これにより、図2図3および図6に示すように、弾性板24と硬質板25との界面において、2つの第1貫通孔24cと1つの第2貫通孔25aとの間を横断するように環状溝25bが位置することになる。この環状溝25bは、弁部22が設けられた部分の液体通流部S1を通流する液体に含まれる異物(たとえば、微小な水中生物やその死骸、砂礫、その他微小な粒状体等)をトラップ(捕捉)するためのものであるが、その詳細については後述することとする。
【0055】
図7ないし図9は、図1に示す液体圧検出装置の緩衝機構の機能を説明するための図である。ここで、図7は、検出すべき液体圧が漸増している場合の緩衝機構の状態を示す模式図であり、図8は、検出すべき液体圧が漸減している場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。また、図9は、衝撃圧力が印加された場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。次に、これら図7ないし図9を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Aの緩衝機構20Aの機能について詳細に説明する。
【0056】
なお、検出すべき液体圧が漸増および漸減している場合とは、液体圧の変動が想定範囲内に収まっている場合を意味し、換言すれば、想定を超える急激でかつ大きな液体圧の変動が生じていない定常条件下にある場合のことを意味している。一方、衝撃圧力が印加された場合とは、想定を超える急激でかつ大きな液体圧の変動が生じた場合を意味し、仮に緩衝機構20Aを具備していない場合に検出素子33に破損が生じ得る状況にある場合を意味している。
【0057】
図7に示すように、検出すべき液体圧が漸増している場合においては、弁部22を構成する弾性板24に特段の大きな負荷がかかっていない状況にあるため、弾性板24に大きな変形は生じておらず、弾性板24と硬質板25とは密着した状態にはない。この状態においては、液体圧の増加に伴い、ハウジング10の外部に位置する液体の一部が、第1連通孔23a、第2連通孔23b、第1貫通孔24cおよび第2貫通孔25aをこの順で経由して受圧室S2へと流入することになる。
【0058】
このとき、上述したように、弾性板24と硬質板25とは密着した状態にないため、弾性板24と硬質板25との間には、液体が通流するために十分な隙間が形成されることになり、第1貫通孔24cに達した液体は、当該隙間を介して第2貫通孔25aへと流入する。これにより、受圧室S2は、当該液体を通じて圧力が適切に伝播された状態となり、受圧室S2の圧力は、ハウジング10の外部に位置する液体の圧力に等しくなる。
【0059】
図8に示すように、検出すべき液体圧が漸減している場合においては、弁部22を構成する弾性板24に特段の大きな負荷がかかっていない状況にあるため、弾性板24に大きな変形は生じておらず、弾性板24と硬質板25とは密着した状態にはない。この状態においては、液体圧の減少に伴い、受圧室S2の内部に位置する液体の一部が、第2貫通孔25a、第1貫通孔24c、第2連通孔23bおよび第1連通孔23aをこの順で経由してハウジング10の外部へと流出することになる。
【0060】
このとき、上述したように、弾性板24と硬質板25とは密着した状態にないため、弾性板24と硬質板25との間には、液体が通流するために十分な隙間が形成されることになり、第2貫通孔25aに達した液体は、当該隙間を介して第1貫通孔24cへと流入する。これにより、受圧室S2は、当該液体を通じて圧力が適切に伝播された状態となり、受圧室S2の圧力は、ハウジング10の外部に位置する液体の圧力に等しくなる。
【0061】
一方、図9に示すように、衝撃圧力が印加された場合においては、弁部22に大きな負荷がかかる。これは、ハウジング10の外部に位置する液体から伝播した衝撃圧力が、絞り部形成部材23に設けられた第1連通孔23aによって絞られた状態で第2連通孔23b内に進入し、そのまま弾性板24の非保持領域24bの第1貫通孔24cが設けられていない中央部に大きな負荷をかけるためである。
【0062】
このとき、弾性板24は、大きな負荷を受けることでその非保持領域24bが硬質板25側に向けて変位することになるが、硬質板25は、十分に剛性の高い部材にて構成されているため、硬質板25に大きな変形は生じない。そのため、弾性板24が硬質板25に向けて押し付けられることになり、結果として弾性板24と硬質板25とが密着した状態となる。
【0063】
ここで、本実施の形態においては、絞り部形成部材23に設けられた第1連通孔23aが弾性板24の中央部に対向した位置に設けられているため、効率的に弾性板24の非保持領域24bを変位させることが可能になり、弾性板24と硬質板25とを確実に密着させることができる。
【0064】
これにより、第1貫通孔24cと第2貫通孔25aとの間に位置する部分の弾性板24と硬質板25との間の隙間が閉塞されることになり、第1貫通孔24cに達した液体は、硬質板25によって堰き止められることになり、その衝撃圧力がそのまま受圧室S2に伝播されてしまうことが防止できる。すなわち、当該衝撃圧力は、その大部分が弾性板24と硬質板25とによって吸収されることになり、当該衝撃圧力が受圧室S2に伝達されることが効果的に抑制できることになる。
【0065】
なお、当該衝撃圧力が消失した後においては、弾性板24に生じていた変位が解消されることになり、上述した図7の状態あるいは図8の状態等(すなわち、弾性板24と硬質板25との間に、液体が通流するために十分な隙間が形成された状態)に復帰することになる。
【0066】
このように、本実施の形態における液体圧検出装置1Aにあっては、上述した如くの緩衝機構20Aを設けることにより、衝撃圧力が印加された場合においても当該衝撃圧力が緩衝機構20Aによって適切に緩衝されることになるため、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生が効果的に抑制できることになる。
【0067】
ここで、上述したように、本実施の形態における液体圧検出装置1Aにおいては、弁部22を構成する2枚の板状部材が、弾性板24と硬質板25とによって構成されており、特に受圧室S2側に配置された板状部材が、硬質板25によって構成されている。このように構成することにより、これら2枚の板状部材をいずれも弾性板にて構成した場合に比べ、経年劣化による緩衝機能の低下を防止することができる。
【0068】
すなわち、硬質板25は、衝撃圧力が印加された場合にも実質的に変形が生じない剛性が高い部材であるため、これを弾性板にて構成した場合と異なり、永久歪みが発生することが大幅に抑制できる。また、弾性板24についても、硬質板25に宛がわれることによってその変形が大幅に抑制されることになるため、永久歪みの蓄積が効果的に抑制できることになる。
【0069】
そのため、長期間の使用によっても(すなわち繰り返しの衝撃圧力の印加によっても)、弾性板24と硬質板25との間に意図しない大きな隙間が発生してしまうことが防止できる。したがって、衝撃圧力が印加された場合の弾性板24と硬質板25との密着性が持続的に維持できることになり、長期間にわたって所望の緩衝機能が確保できることになる。
【0070】
その反面、弁部22を構成する2枚の板状部材を弾性板と硬質板とによって構成した場合において、何ら対策を施さなかった場合には、これら2枚の板状部材をいずれも弾性板にて構成した場合に比べ、衝撃圧力が印加された際に2枚の板状部材の間に異物が挟まった状態においてこれら2枚の板状部材の密着性が大幅に低下してしまう問題が発生し得る。
【0071】
これは、2枚の板状部材をいずれも弾性板にて構成した場合には、異物を取り囲むように2枚の弾性板の双方が変形することでこれらの密着性が確保できるのに対し、2枚の板状部材を弾性板と硬質板とによって構成した場合には、硬質板が実質的に変形せずに弾性板のみに変形が生じることになるため、異物を取り囲むように弾性板と硬質板とが十分に密着しないおそれが高まるためである。
【0072】
そのため、本実施の形態における液体圧検出装置1Aにおいては、上述したように、弾性板24と硬質板25との界面において、2つの第1貫通孔24cと1つの第2貫通孔25aとの間を横断するように環状溝25bが設けられている。このように構成することにより、異物が当該環状溝25bによってトラップされることになるため、弾性板24と硬質板25との密着性を確保することができる。
【0073】
すなわち、異物が環状溝25bによってトラップされることにより、弾性板24の非保持領域24bとこれに対向する部分の硬質板25との界面において、環状溝25bが設けられ部分を除く部分において弾性板24と硬質板25とが密着し易くなるため、これによって弾性板24と硬質板25との間に仮に異物が挟まった状態においても、これら弾性板24と硬質板25との密着性を確保することが可能になる。
【0074】
したがって、本実施の形態における液体圧検出装置1Aとすることにより、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができる。
【0075】
また、本実施の形態における液体圧検出装置1Aにあっては、上述した如くの緩衝機構20Aを設けることにより、オリフィスのみにて緩衝機構を構成した場合に比べ、開口部13から検出素子33に至るまでの部分の液体通流部S1および受圧室S2の容積を大幅に小さくする(特に当該経路の長さを大幅に短くする)ことができるため、液体圧検出装置を小型に構成することもできる。
【0076】
さらには、本実施の形態の如くの構成を採用することにより、ハウジング10に設けられる開口部13や、緩衝機構20Aに設けられる第1連通孔23a、第2連通孔23b、第1貫通孔24cおよび第2貫通孔25aの大きさを、オリフィスのみにて緩衝機構を構成する場合の当該オリフィスの大きさよりも十分に大きくすることができるため、異物がこれら孔に詰まることが抑制でき、そのメンテナンスがより容易化するメリットも得られる。
【0077】
また、本実施の形態の如くの構成を採用することにより、比較的簡素な形状のゴム製または樹脂製の部材を積層することによって簡便に緩衝機構20Aを構成することができるため、製造コストが圧迫されるおそれもない。
【0078】
加えて、本実施の形態の如くの構成を採用しつつ、絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25の厚みや大きさ、材質、これら絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25に設けられる第1連通孔23a、第2連通孔23b、第1貫通孔24cおよび第2貫通孔25aの大きさや形状、形成位置、個数等を適宜変更することにより、得られる緩衝効果の程度を容易に調節することができる。したがって、これらを仕様に応じて適切に設定することにより、弾性板24の弾性係数以下の液体圧の変動に対しては、当該液体圧の受圧室S2への伝播を確実ならしめることができ、定常時における液体圧の検出が阻害されることもない。
【0079】
(第1変形例)
図10は、上述した本実施の形態に基づいた第1変形例に係る液体圧検出装置の緩衝機構を受圧室側から見た平面図であり、図11は、当該緩衝機構の分解斜視図である。以下、これら図10および図11を参照して、第1変形例に係る液体圧検出装置1A1の緩衝機構20A1について説明する。
【0080】
図10および図11に示すように、液体圧検出装置1A1の緩衝機構20A1においては、弾性板24の非保持領域24bに平面視円形状の3つの第1貫通孔24cが設けられており、硬質板25に平面視円形状の1つの第2貫通孔25aが設けられている。
【0081】
このうち、3つの第1貫通孔24cは、弾性板24の軸線を中心とする仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って120°間隔で設けられており、その各々の開口径は、いずれも同一とされている。一方、第2貫通孔25aは、硬質板25のうちの弾性板24の非保持領域24bに対向する部分に位置しており、より詳細には、硬質板25の軸線上に重なるように設けられている。
【0082】
また、硬質板25の弾性板24側の表面のうちの非保持領域24bに対向する部分には、環状溝25bが設けられている。この環状溝25bは、硬質板25の軸線を中心として同心円状に設けられた複数の溝部にて構成されており、弾性板24および硬質板25の積層方向に沿って見た場合に、第2貫通孔25aを取り囲むように形成されている。
【0083】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と概ね同様の効果が得られる。その一方で、当該構成の緩衝機構20A1は、上述した緩衝機構20Aとは第1貫通孔24cの形成位置および個数が異なることにより、得られる緩衝効果の程度が異なったものとなる。
【0084】
(第2変形例)
図12は、上述した本実施の形態に基づいた第2変形例に係る液体圧検出装置の緩衝機構を受圧室側から見た平面図であり、図13は、当該緩衝機構の分解斜視図である。また、図14は、図12に示す緩衝機構の硬質板を絞り部側から見た底面図であり、図15は、当該緩衝機構の要部の拡大断面図である。以下、これら図12ないし図15を参照して、第2変形例に係る液体圧検出装置1A2の緩衝機構20A2について説明する。
【0085】
図12ないし図15に示すように、液体圧検出装置1A2の緩衝機構20A2においては、弾性板24の非保持領域24bに平面視円形状の2つの第1貫通孔24cが設けられており、硬質板25に平面視円形状の1つの第2貫通孔25aが設けられている。
【0086】
このうち、2つの第1貫通孔24cは、弾性板24の軸線を中心とする仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って180°間隔で設けられており、その各々の開口径は、いずれも同一とされている。一方、第2貫通孔25aは、硬質板25のうちの弾性板24の非保持領域24bに対向する部分に位置しており、より詳細には、硬質板25の軸線上に重なるように設けられている。
【0087】
また、硬質板25の弾性板24側の表面のうちの非保持領域24bに対向する部分には、2つの環状溝25bが設けられている。これら2つの環状溝25bの各々は、同心円状に設けられた複数の溝部にて構成されており、弾性板24および硬質板25の積層方向に沿って見た場合に、それぞれ1つの第1貫通孔24cのみを取り囲むように形成されている。
【0088】
これにより、図12および図15に示すように、弾性板24と硬質板25との界面において、2つの第1貫通孔24cと1つの第2貫通孔25aとの間を横断するようにそれぞれ1つの環状溝25bが位置することになる。これら環状溝25bは、弁部22が設けられた部分の液体通流部S1を通流する液体に含まれる異物をトラップすることができる。
【0089】
したがって、このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と概ね同様の効果が得られることになる。
(実施の形態2)
図16は、実施の形態2における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。以下、この図16を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Bについて説明する。
【0090】
図16に示すように、本実施の形態における液体圧検出装置1Bは、上述した実施の形態1における液体圧検出装置1Aの緩衝機構20Aと異なる構成の緩衝機構20Bを具備している点においてのみ、上述した実施の形態1における液体圧検出装置1Aとその構成が相違している。具体的には、緩衝機構20Bは、絞り部21の構成において上述した緩衝機構20Aと相違しており、当該絞り部21が、第1絞り部形成部材23Aと第2絞り部形成部材23Bとの積層体によって構成されている。
【0091】
第1絞り部形成部材23Aは、その中央部に第1連通孔23aが設けられた略円盤状のゴム製または樹脂製の部材からなり、ハウジング10の底部12に設けられた開口部13側に位置している。第2絞り部形成部材23Bは、その中央部に第2連通孔23bが設けられた略円盤状のゴム製または樹脂製の部材からなり、第1絞り部形成部材23Aよりも受圧室S2側に位置している。なお、これら第1絞り部形成部材23Aおよび第2絞り部形成部材23Bに設けられた第1連通孔23aおよび第2連通孔23bの構成は、上述した緩衝機構20Aのそれらと同様である。
【0092】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができる。
【0093】
(実施の形態3)
図17は、実施の形態3における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。以下、この図17を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Cについて説明する。
【0094】
図17に示すように、本実施の形態における液体圧検出装置1Cは、上述した実施の形態2における液体圧検出装置1Bの緩衝機構20Bと異なる構成の緩衝機構20Cを具備している点においてのみ、上述した実施の形態2における液体圧検出装置1Bとその構成が相違している。具体的には、緩衝機構20Cは、絞り部21の構成において上述した緩衝機構20Bと相違しており、当該絞り部21が、ハウジング10の底部12Aと、上述した第2絞り部形成部材23Bとの積層体によって構成されている。
【0095】
ハウジング10の底部12Aは、筒状部11の軸方向端部から内側に向けて突設された円環板状の部位にて構成されており、これにより、底部12Aの中央部には、平面視円形状の第1連通孔23aが位置している。ここで、当該第1連通孔23aは、上述した実施の形態2においてハウジング10の底部12に形成されていた開口部13よりも十分に小さく形成されたものであり、当該ハウジング10の底部12Aに設けられた第1連通孔23aが、上述した緩衝機構20Bにおいて第1絞り部形成部材23Aに設けられていた第1連通孔23aと同等の機能を発揮することになる。
【0096】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができるとともに、さらには、部品点数の削減と装置の小型化とが図られることになる。
【0097】
(実施の形態4)
図18は、実施の形態4における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。以下、この図18を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Dについて説明する。
【0098】
図18に示すように、本実施の形態における液体圧検出装置1Dは、上述した実施の形態1における液体圧検出装置1Aの緩衝機構20Aと異なる構成の緩衝機構20Dを具備している点においてのみ、上述した実施の形態1における液体圧検出装置1Aとその構成が相違している。具体的には、緩衝機構20Dは、絞り部21の構成において上述した緩衝機構20Aと相違しており、当該絞り部21が、ハウジング10の底部12Bによって構成されている。
【0099】
ハウジング10の底部12Bは、筒状部11の軸方向端部から内側に向けて突設された円環板状の部位にて構成されており、これにより、底部12Bの中央部には、ハウジング10の外部の空間側に位置する平面視円形状の第1連通孔23aと、受圧室S2側に位置する平面視円形状の第2連通孔23bとが位置している。ここで、ハウジング10の底部12Bに設けられた第1連通孔23aおよび第2連通孔23bの構成は、上述した緩衝機構20Aにおいて絞り部形成部材23に設けられていた第1連通孔23aおよび第2連通孔23bの構成と同様である。この場合には、当該絞り部21を構成するハウジング10の底部12Bに隣接して、弁部22を構成する弾性板24および硬質板25からなる積層体が配置されることになる。
【0100】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができるとともに、さらには、部品点数の削減と装置の小型化とが図られることになる。
【0101】
(実施の形態5)
図19は、実施の形態5における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。以下、この図19を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Eについて説明する。
【0102】
図19に示すように、本実施の形態における液体圧検出装置1Eは、上述した実施の形態1における液体圧検出装置1Aと比較した場合に、受圧室S2近傍に配置される構成部品の組付構造が異なっている点において主としてその構成が相違している。
【0103】
より詳細には、液体圧検出装置1Eにおいては、ハウジング10の内部の空間のうち、弁部22よりも受圧室S2側の空間に、受圧室形成部材31、素子マウント32、検出素子33および固定部材34等に加え、さらにクッションパッド35を有している。
【0104】
クッションパッド35は、緩衝機構20Eの弁部22と受圧室形成部材31との間に配置されており、たとえばフッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム等に代表されるゴム製の略円盤状の部材にて構成されている。クッションパッド35は、検出素子33を保護するために設けられるものである。当該クッションパッド35には、液体通流部S1と受圧室S2とを連通されるための平面視円形状の第3連通孔35aが設けられている。
【0105】
クッションパッド35は、固定部材34によって受圧室形成部材31および素子マウント32を介して当該硬質板25側に向けて押圧されることにより、緩衝機構20Eの弁部に固定されている。これにより、クッションパッド35は、緩衝機構20Eのうちの硬質板25に当接している。
【0106】
ここで、硬質板25のクッションパッド35側の表面の中央部には、第2貫通孔25aに連通する凹部25cが設けられている。当該凹部25cは、クッションパッド35の組付けに際して当該クッションパッド35の組付位置のずれを吸収するために設けられるものである。なお、上述した第3連通孔35aは、当該凹部25cに対向する部分のクッションパッド35に設けられており、これにより受圧室S2と凹部25cとが連通している。
【0107】
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができる。
【0108】
(実施の形態6)
図20は、実施の形態6における液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図である。以下、この図20を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Fについて説明する。
【0109】
図20に示すように、本実施の形態における液体圧検出装置1Fは、上述した実施の形態1における液体圧検出装置1Aと比較した場合に、受圧室S2近傍に配置される構成部品の組付構造が異なっている点において主としてその構成が相違している。
【0110】
より詳細には、液体圧検出装置1Fは、略円筒状のハウジング10に加え、有底略円筒状のカバー部材14を備えており、当該カバー部材14がハウジング10の軸方向端部を覆うようにビス15を用いてハウジング10に固定されることにより、その外殻が構成されている。ここで、カバー部材14の所定位置には、ハウジング10の内部空間を外部の空間に連通させるための開口部13が設けられており、当該開口部13の内側縁部が底部12を構成している。
【0111】
一方、ハウジング10の筒状部11の内周面の所定位置には、段差部11aが設けられている。当該段差部11a上には、たとえばフッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム等に代表されるゴム製の略円盤状の部材からなるクッションパッド35が配置されている。クッションパッド35は、検出素子33を保護するために設けられるものである。当該クッションパッド35には、液体通流部S1と受圧室S2とを連通させるための平面視円形状の第3連通孔35aが設けられている。
【0112】
本実施の形態における液体圧検出装置1Fにおいては、当該クッションパッド35を境として、これよりも受圧室S2側に位置するハウジング10の内部の空間に、受圧室形成部材31、素子マウント32、検出素子33および固定部材34等が配置されており、これよりも開口部13側の空間が液体通流部S1として構成され、当該液体通流部S1内に緩衝機構20Fが配置されている。なお、緩衝機構20Fは、基本的に上述した実施の形態1において示した緩衝機構20Aと同様の構成を有しており、絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25の積層体にて構成されている。
【0113】
当該構成においては、緩衝機構20Fは、クッションパッド35と上述したカバー部材14とによって挟み込まれることで固定されている。すなわち、緩衝機構20Fを構成する絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25は、それらが互いに接触するように積層して配置されており、硬質板25がクッションパッド35に当て留めされるとともに、絞り部形成部材23がカバー部材14によってクッションパッド35側に向けて押圧されることにより、これら絞り部形成部材23、弾性板24および硬質板25がハウジング10の内部において挟み込まれて保持された状態とされている。
【0114】
ここで、硬質板25のクッションパッド35側の表面の中央部には、第2貫通孔25aに連通する凹部25cが設けられている。当該凹部25cは、硬質板25の組付けに際して、硬質板25がクッションパッド35に押し付けられることで発生し得るクッションパッド35の組付位置のずれを吸収するために設けられるものである。なお、上述した第3連通孔35aは、当該凹部25cに対向する部分のクッションパッド35に設けられており、これにより受圧室S2と凹部25cとが連通している。
【0115】
以上において説明した如くの構成を採用した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができる。
【0116】
(実施の形態7)
図21は、実施の形態7における液体圧検出装置の一部破断側面図である。また、図22は、図21に示す液体圧検出装置の受圧室近傍の模式断面図であり、図21において示す領域XXIIの拡大図である。さらに、図23は、図22に示す緩衝機構を受圧室側から見た平面図であり、図24は、当該緩衝機構の分解斜視図である。まず、これら図21ないし図24を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Gならびにこれに具備された緩衝機構20Gの構成について説明する。
【0117】
図21および図22に示すように、本実施の形態における液体圧検出装置1Gは、略円筒状のハウジング10と、ハウジング10の中空状の内部空間に収容された各種の構成部品と、ハウジング10の一方の軸方向端部から引き出されたケーブル40とを主として備えており、上述した各種の構成部品のうちの緩衝機構20Gが、上述した実施の形態1における液体圧検出装置1Aの緩衝機構20Aと相違している。
【0118】
図22に示すように、緩衝機構20Gは、絞り部21と弁部22とを含んでおり、より具体的には、絞り部形成部材23と、第1弾性板26と、第2弾性板27とによって構成されている。これら絞り部形成部材23、第1弾性板26および第2弾性板27は、底部12が位置するハウジング10の軸方向端部からこの順で積層されており、たとえばフッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴム製の部材にて構成されている。当該緩衝機構20Gは、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力を緩衝するためのものである。
【0119】
絞り部21は、単一のゴム製の部材からなる略円盤状の絞り部形成部材23によって構成されており、弁部22は、ゴム製の部材からなる略円盤状の第1弾性板26と、ゴム製の部材からなるカップ状の第2弾性板27の積層体にて構成されている。ここで、第1弾性板26は、絞り部形成部材23側に位置しており、第2弾性板27は、その大部分が第1弾性板26よりも受圧室S2側に位置している。
【0120】
緩衝機構20Gを構成する絞り部21および弁部22は、その外周部がハウジング10の軸方向(すなわち、第1弾性板26および第2弾性板27の積層方向)において挟み込まれることで保持されている。
【0121】
より詳細には、絞り部形成部材23、第1弾性板26および第2弾性板27は、互いに接触するように積層して配置されており、絞り部形成部材23の外周部がハウジング10の底部12に当て留めされるとともに、第2弾性板27の外周部が受圧室形成部材31および素子マウント32を介して固定部材34によってハウジング10の底部12側に向けて押圧されることにより、緩衝機構20Gがハウジング10の内部において固定されている。
【0122】
ここで、第1弾性板26の外径は、絞り部形成部材23および第2弾性板27の外径よりも小さく構成されており、円盤状の第1弾性板26は、カップ状の第2弾性板27の内部に収容されている。より具体的には、絞り部形成部材23の外周部には、段差部23cが設けられており、当該段差部23cに第2弾性板27の外周部に設けられた環状壁部27bが嵌め込まれることにより、第1弾性板26が、緩衝機構20Gの内部において絞り部形成部材23と第2弾性板27とによって保持されている。
【0123】
そのため、図22および図24に示すように、第1弾性板26は、その全体が弾性的に撓み変形が可能に構成された第1変形領域26aとして構成されている。
【0124】
一方、第2弾性板27は、その中央に弾性的に撓み変形が可能に構成された第2変形領域27aを有しており、当該第2変形領域27aの周囲に円筒状の形状からなる上述した環状壁部27bを有している。ここで、環状壁部27bは、上述した固定部材34および底部12によって挟み込まれて保持された部分であるとともに、第1弾性板26を取り囲む部分である。
【0125】
絞り部形成部材23の中央部には、開口部13を介してハウジング10の外部の空間に連通する平面視円形状の1つの第1連通孔23aと、当該第1連通孔23aに連通するとともに当該第1連通孔23aよりも開口面積が大きい平面視円形状の1つの第2連通孔23bとが設けられている。ここで、第1連通孔23aは、絞り部形成部材23の開口部13側に位置する主表面から厚み方向に沿って延在しており、第2連通孔23bは、絞り部形成部材23の受圧室S2側に位置する主表面から厚み方向に沿って延在している。これにより、第1連通孔23aおよび第2連通孔23bは、これらが互いに絞り部形成部材23の内部において繋がっている。なお、第1連通孔23aおよび第2連通孔23bは、これらの軸線が絞り部形成部材23の軸線上に重なるように同軸上に設けられている。
【0126】
第1弾性板26の第1変形領域26aには、平面視円形状の2つの第1貫通孔26bが設けられている。これら2つの第1貫通孔26bは、第1弾性板26の軸線を中心とした仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って180°間隔で設けられており、その各々の開口径は、いずれも同一とされている。当該2つの第1貫通孔26bの第1弾性板26の軸線側に位置する部分の各々は、当該軸線方向に沿って見た場合に、上述した絞り部形成部材23に設けられた第2連通孔23bに面するように位置している。一方、当該2つの第1貫通孔26bの第1弾性板26の軸線側とは反対側に位置する部分の各々は、当該軸線方向に沿って見た場合に、絞り部形成部材23によって覆われるように位置している。
【0127】
第2弾性板27の第2変形領域27aには、平面視円形状の2つの第2貫通孔27cが設けられている。これら2つの第2貫通孔27cは、第2弾性板27の軸線を中心とした仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って180°間隔で設けられており、その各々の開口径は、いずれも同一とされている。当該2つの第2貫通孔27cは、当該軸線方向に沿って見た場合に、上述した第1弾性板26によって覆われるように位置している。
【0128】
ここで、2つの第1貫通孔26bが配置された第1弾性板26における上記仮想円と、2つの第2貫通孔27cが配置された第2弾性板27における上記仮想円とは、第1弾性板26および第2弾性板27の積層方向に沿ってこれらを見た場合に、互いに重なるように配置されている。これにより、これら2つの第1貫通孔26bおよび2つの第2貫通孔27cは、第1弾性板26および第2弾性板27の積層方向に沿って見た場合に、第1弾性板26および第2弾性板27の軸線を中心とした仮想円上の位置に当該仮想円の周方向に沿って互い違いに90°間隔で配置されることになる。なお、第1弾性板26に設けられた第1貫通孔26bの開口径と、第2弾性板27に設けられた第2貫通孔27cの開口径とは、同一とされることが好ましい。
【0129】
図25ないし図27は、本実施の形態における液体圧検出装置の緩衝機構の機能を説明するための図である。ここで、図25は、検出すべき液体圧が漸増している場合の緩衝機構の状態を示す模式図であり、図26は、検出すべき液体圧が漸減している場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。また、図27は、衝撃圧力が印加された場合の緩衝機構の状態を示す模式図である。次に、これら図25ないし図27を参照して、本実施の形態における液体圧検出装置1Gの緩衝機構20Gの機能について詳細に説明する。
【0130】
図25に示すように、検出すべき液体圧が漸増している場合においては、弁部22を構成する第1弾性板26および第2弾性板27のいずれにも特段の大きな負荷がかかっていない状況にあるため、これら第1弾性板26および第2弾性板27には、いずれも大きな変形は生じない。この状態においては、液体圧の増加に伴い、ハウジング10の外部に位置する液体の一部が、第1連通孔23a、第2連通孔23b、第1貫通孔26bおよび第2貫通孔27cをこの順で経由して受圧室S2へと流入することになる。
【0131】
このとき、上述したように、第1弾性板26および第2弾性板27のいずれにも大きな変形は生じていないため、第1弾性板26と第2弾性板27との間には、液体が通流するために十分な隙間が形成されることになり、第1貫通孔26bに達した液体は、当該隙間を介して第2貫通孔27cへと流入する。これにより、受圧室S2は、当該液体を通じて圧力が適切に伝播された状態となり、受圧室S2の圧力は、ハウジング10の外部に位置する液体の圧力に等しくなる。
【0132】
図26に示すように、検出すべき液体圧が漸減している場合においては、弁部22を構成する第1弾性板26および第2弾性板27のいずれにも特段の大きな負荷がかかっていない状況にあるため、これら第1弾性板26および第2弾性板27には、いずれも大きな変形は生じない。この状態においては、液体圧の減少に伴い、受圧室S2の内部に位置する液体の一部が、第2貫通孔27c、第1貫通孔26b、第2連通孔23bおよび第1連通孔23aをこの順で経由してハウジング10の外部へと流出することになる。
【0133】
このとき、上述したように、第1弾性板26および第2弾性板27のいずれにも大きな変形は生じていないため、第1弾性板26と第2弾性板27との間には、液体が通流するために十分な隙間が形成されることになり、第2貫通孔27cに達した液体は、当該隙間を介して第1貫通孔26bへと流入する。これにより、受圧室S2は、当該液体を通じて圧力が適切に伝播された状態となり、受圧室S2の圧力は、ハウジング10の外部に位置する液体の圧力に等しくなる。
【0134】
一方、図27に示すように、衝撃圧力が印加された場合においては、弁部22を構成する第1弾性板26および第2弾性板27のいずれにも大きな変形が生じる。これは、ハウジング10の外部に位置する液体から伝播した衝撃圧力が、絞り部形成部材23に設けられた第1連通孔23aによって絞られた状態で第2連通孔23b内に進入し、そのまま第1弾性板26の第1変形領域26aの第1貫通孔26bが設けられていない中央部に大きな負荷をかけるためであり、これによって第1弾性板26が第2弾性板27に向けて押し付けられることで第2弾性板27にも大きな負荷がかかるためである。
【0135】
そのため、第1弾性板26の第1変形領域26aおよび第2弾性板27の第2変形領域27aは、当該衝撃圧力が印加されることによって受圧室S2側に向けて大きく撓み変形することになり、これら撓み変形した部分において第1弾性板26と第2弾性板27とが密着した状態となる。
【0136】
ここで、本実施の形態においては、絞り部形成部材23に設けられた第1連通孔23aが第1弾性板26の中央部に対向した位置に設けられているため、効率的に第1弾性板26の第1変形領域26aを撓ませることができる。
【0137】
これにより、第1貫通孔26bと第2貫通孔27cとの間に位置する部分の第1弾性板26と第2弾性板27との間の隙間が閉塞されることになり、第1貫通孔26bに達した液体は、第2弾性板27によって堰き止められることとなり、その衝撃圧力がそのまま受圧室S2に伝播されてしまうことが防止できる。すなわち、当該衝撃圧力は、その大部分が第1弾性板26および第2弾性板27の撓み変形によって吸収されることになり、当該衝撃圧力が受圧室S2に伝達されることが効果的に抑制できることになる。
【0138】
なお、当該衝撃圧力が消失した後においては、第1弾性板26および第2弾性板27に生じていた撓み変形も解消されることになり、上述した図25の状態あるいは図26の状態等(すなわち、第1弾性板26と第2弾性板27との間に、液体が通流するために十分な隙間が形成された状態)に復帰することになる。
【0139】
このように、本実施の形態における液体圧検出装置1Gにあっては、上述した如くの緩衝機構20Gを設けることにより、衝撃圧力が印加された場合においても当該衝撃圧力が緩衝機構20Gによって適切に緩衝されることになるため、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生が効果的に抑制できることになる。
【0140】
ここで、上述したように、弁部を構成する2枚の板状部材をいずれも弾性板にて構成した場合において、何ら対策を施さなかった場合には、経年劣化による緩衝機能の低下が発生してしまうことになる。
【0141】
この点、本実施の形態における液体圧検出装置1Gにおいては、第2弾性板27に環状壁部27bを設けた構成であるため、第2弾性板27の外周部に肉厚の部位が位置することになり、これに伴って第2弾性板27の第2変形領域27aに生じる永久歪みを大幅に軽減することができる。
【0142】
そのため、長期間の使用によっても(すなわち繰り返しの衝撃圧力の印加によっても)、第1弾性板26と第2弾性板27との間に意図しない大きな隙間が発生してしまうことが防止できる。したがって、衝撃圧力が印加された場合の第1弾性板26と第2弾性板27との密着性が持続的に維持できることになり、長期間にわたって所望の緩衝機能が確保できることになる。
【0143】
したがって、本実施の形態における液体圧検出装置1Gとすることにより、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することができる液体圧検出装置とすることができる。
【0144】
また、本実施の形態における液体圧検出装置1Gにあっては、上述した如くの緩衝機構20Aを設けることにより、オリフィスのみにて緩衝機構を構成した場合に比べ、開口部13から検出素子33に至るまでの部分の液体通流部S1および受圧室S2の容積を大幅に小さくする(特に当該経路の長さを大幅に短くする)ことができるため、液体圧検出装置を小型に構成することもできる。
【0145】
さらには、本実施の形態の如くの構成を採用することにより、ハウジング10に設けられる開口部13や、緩衝機構20Gに設けられる第1連通孔23a、第2連通孔23b、第1貫通孔26bおよび第2貫通孔27cの大きさを、オリフィスのみにて緩衝機構を構成する場合の当該オリフィスの大きさよりも十分に大きくすることができるため、異物がこれら孔に詰まることが抑制でき、そのメンテナンスがより容易化するメリットも得られる。
【0146】
また、本実施の形態の如くの構成を採用することにより、比較的簡素な形状のゴム製の部材を積層することによって簡便に緩衝機構20Gを構成することができるため、製造コストが圧迫されるおそれもない。
【0147】
加えて、本実施の形態の如くの構成を採用しつつ、絞り部形成部材23、第1弾性板26および第2弾性板27の厚みや大きさ、材質、これら絞り部形成部材23、第1弾性板26および第2弾性板27に設けられる第1連通孔23a、第2連通孔23b、第1貫通孔26bおよび第2貫通孔27cの大きさや形状、形成位置、個数等を適宜変更することにより、得られる緩衝効果の程度を容易に調節することができる。したがって、これらを仕様に応じて適切に設定することにより、第1弾性板26および第2弾性板27の弾性係数以下の液体圧の変動に対しては、当該液体圧の受圧室S2への伝播を確実ならしめることができ、定常時における液体圧の検出が阻害されることもない。
【0148】
なお、本実施の形態においては、絞り部形成部材23の外周部に段差部23cを設けるとともに、当該段差部23cに嵌合するように第2弾性板27の外周部に環状壁部27bを設けた場合を例示して説明を行なったが、必ずしもこのように構成する必要はなく、第2弾性板27の外周部に環状壁部27bを設け、当該環状壁部27bによって取り囲まれるように第1弾性板26の一部を配置することとすれば、上述した第2弾性板27の第2変形領域27aに生じる永久歪みの軽減の効果が少なからず得られることになり、液体を通じて伝播され得る衝撃圧力に起因した検出素子33の破損の発生を長期間にわたって抑制することが可能になる。
【0149】
(他の実施形態等)
上述した本発明の実施の形態1ないし7およびその変形例においては、本発明が適用された液体圧検出装置として、液位計に検出部として具備されてなる液体圧検出装置を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限定さえるものではなく、本発明は、液体圧自体を計測する液体圧検出装置や、液体の流量や流速を計測する計測装置の検出部として具備される液体圧検出装置等、各種の液体圧検出装置にその適用が可能である。
【0150】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし7およびその変形例において示した緩衝機構を構成する各種の部材の厚みや大きさ、材質等、および、当該緩衝機構に設けられる第1連通孔、第2連通孔、第1貫通孔および第2貫通孔の大きさや形状、形成位置、個数等は、いずれも例示に過ぎず、各種の変更を加えることが可能である。
【0151】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし7およびその変形例においては、検出素子としてピエゾ抵抗式の半導体圧力センサを用いた場合を例示したが、静電容量式の半導体圧力センサや機械式の歪みゲージおよびベローズ式圧力計等を検出素子として用いる場合においても、本発明が効果的に適用できる。
【0152】
さらには、上述した本発明の実施の形態1ないし7およびその変形例において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨に照らして逸脱しない範囲において相互にその組み合わせが可能である。
【0153】
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0154】
1A〜1G,1A1,1A2 液体圧検出装置、10 ハウジング、11 筒状部、11a 段差部、12,12A,12B 底部、13 開口部、14 カバー部材、15 ビス、20A〜20G,20A1,20A2 緩衝機構、21 絞り部、22 弁部、23 絞り部形成部材、23A 第1絞り部形成部材、23B 第2絞り部形成部材、23a 第1連通孔、23b 第2連通孔、23c 段差部、24 弾性板、24a 被保持領域、24b 非保持領域、24c 第1貫通孔、25 硬質板、25a 第2貫通孔、25b 環状溝、25c 凹部、26 第1弾性板、26a 第1変形領域、26b 第1貫通孔、27 第2弾性板、27a 第2変形領域、27b 環状壁部、27c 第2貫通孔、31 受圧室形成部材、31a 通路孔、32 素子マウント、32a パッキン、33 検出素子、34 固定部材、35 クッションパッド、35a 第3連通孔、40 ケーブル、41 導線、S1 液体通流部、S2 受圧室。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
図25
図26
図27