【実施例】
【0013】
以下、図面と共に本発明による位置決め機能を有するレゾルバステータ構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1において、符号33で示されるものは、所定角度の間隔で内方へ突出する複数の突出磁極33Aを有するステータコア33であり、前記各突出磁極33Aには、周知の励磁巻線及び出力巻線からなるステータ巻線35が巻回されている。
【0014】
前記ステータコア33は、図示しない射出成形機の金型キャビティ(図示せず)内にセットされ、射出成形機の射出ノズル(図示せず)から樹脂材料が溶融状態で前記キャビティ内に射出される。
尚、この場合、一体モールドも可であるが、ほぼ全部をモールドする周知のオーバーモールドがよい。
次に、金型キャビティが型締されて型閉めし、所定時間後、型開きをすると、
図1のステータコア33がインサート成形された状態で、
図2に示されるレゾルバステータ構造110が得られる。
【0015】
前記ステータ巻線35は、通常は、
図2のように、ステータコア33のインサート成形完了後に、周知の自動捲線機(図示せず)によって、前記各突出磁極33Aに巻回されている。従って、前述の段落[0013]で述べたステータ巻線35の巻回は、ステップとしては、この段階で行われている。
【0016】
前記ステータコア33がインサート成形されたステータカバー部材200の周縁には、3個の筒状カラー201が設けられている。3個の筒状カラー201の内側には、軸心Pと同軸状に前記ステータコア33がインサート成形によってステータカバー部材200内に内設されている。
前記ステータカバー部材200の外周の直線部202の位置には、
図6及び
図7で示されるように、複数の端子ピン203を有する端子ピン保持部37aが半径方向rに沿って一体に延設されている。
【0017】
前記ステータカバー部材200に内設された前記ステータコア33の外側位置には、角状(四角状等も可)の位置決め用貫通孔100が、一例として形成されている。
前記位置決め用貫通孔100は、貫通状であるため、前記ステータカバー部材200の裏側である一面200A側からみると、前記ステータコア33のステータ一面33aを見ることができるように構成されている。
前記位置決め貫通孔100は、
図3に示されるように、その位置決め用貫通孔100の半分迄は、ステータ一面33aが外部に露出し、残りが貫通孔100Aとなっている。また、ステータ一面33aのみ、又は、ステータ一面(33a)とステータ他面(33b)が直接外気に露出するように構成されている。
【0018】
前記ステータカバー部材200の外周部位には、複数の突起300が形成されており、各突起300には、筒状カラー201がインサート成形されている。
前記各位置決め用貫通孔100に対して、モータの前蓋、台座等の他部材5を取り付ける場合は、まず、前記各筒状カラー201にボルト(図示せず)を螺入して、図示しない相手方部材にレゾルバステータ構造110を固定して取り付ける。
【0019】
その後、前記他部材5の
壁100Bを有する前記位置決め突起301(
図4参照)を前記位置決め用貫通孔100内に係合させることにより、前記他部材5は、前記レゾルバステータ構造110に取り付けられる。そして、前記他部材5がステータカバー部材200に装着された状態で、前記他部材5は、例えば、自動車等のエンジン部品等の一部とすることができる。
【0020】
図7は、
図2で示されるレゾルバステータ構造110を、裏表逆とし、
図2の他面200Bを表側として示している。
この場合、
図7からも明らかなように、下部に他部材5が位置し、前記端子ピン保持部37aの内側には、複数の端子ピン203が軸心P方向に沿って、一体成形されている。
尚、前記他部材5に設けられたモータ等(図示せず)は、前記他部材5に接続されることにより、レゾルバステータ(図示せず)として用いることができる。
図7は、レゾルバステータ構造110の表側である他面200B側を示している。
すなわち、実際の組み立てにおいては、
図1に示すステータ巻線35が巻回されてしまいステータコア33を図示しない金型に中子を介して位置させ、オーバーモールド成形によって成形すると、
図2に示すレゾルバステータ構造110が得られる。
前記ステータ巻線35は、その後、自動巻線機(図示せず)によって各突出磁極33Aに巻回されて
図2の状態となり、端子ピン203にからげられる。
次に、
図4の他部材5の各位置決め突起301が
図2で示される各位置決め用貫通孔100に挿入・係合されることにより、
図7のように、レゾルバステータ構造110の裏側である一面200Aに取付けられる。
この時の他部材5とステータコア33との関係は互いにずらして示すと、
図5に示す通りである。