特許第6852921号(P6852921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6852921土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6852921
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/18 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   C08J9/18CFG
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-527498(P2019-527498)
(86)(22)【出願日】2017年12月12日
(65)【公表番号】特表2019-535876(P2019-535876A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(86)【国際出願番号】CN2017115520
(87)【国際公開番号】WO2019085158
(87)【国際公開日】20190509
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】201711053875.8
(32)【優先日】2017年10月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519178777
【氏名又は名称】チャンヂョウ シュンシァン ニュー マテリアルズ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGZHOU SHUNXIANG NEW MATERIALS TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グー ビャオ
(72)【発明者】
【氏名】ドン ウェイロン
(72)【発明者】
【氏名】シャ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ シォンフェイ
【審査官】 加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/052387(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第03202835(EP,A1)
【文献】 中国特許出願公開第107177051(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性剤を充填材及び結合剤と事前混合し、当該事前混合された原料を溶融混練し、水中造粒又は水槽内切断後、コアシェル構造を有するブレンド顆粒Iを作製するステップS1、
ステップS1で作製したブレンド顆粒Iを、ブロック・ポリエーテルアミド原料と事前混合してから、当該事前混合された原料を溶融混練し、水中造粒又は水槽内切断後、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒IIを作製するステップS2、
所定量のブレンド粒子IIを高圧窯内に投入し、前記高圧窯を一定の温度に調節して安定的な温度を保持してから所定量の環境適合型物理発泡剤を導入し、一定の浸透時間を経過して、発泡剤とG2ブレンド顆粒が均一系に達した後、排気弁を通じて前記高圧窯内の圧力を減少させ、発泡剤を含むブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒IIIを取り出すステップS3と、
ステップS3で作製されたブレンド顆粒IIIを当該顆粒の軟化温度に上昇した定温設備に移してから保温時間を経過した後、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤を得るステップS4とを含むことを特徴とする、土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項2】
変性剤が2〜15重量部であり、充填材が1〜5重量部であり、結合結合剤が0.003〜0.1重量部であり、ブロック・ポリエーテルアミドが100重量部であり、且つ、環境適合型物理発泡剤が10〜60重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項3】
前記変性剤が、熱可塑性ポリウレタン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸エチレン共重合体及びEPDMの中の一種又は複数種であり、
前記充填材が、炭酸カルシウム、タルク粉末、高陵土、二酸化ケイ素及び硫酸バリウムの中の一種又は複数種であり、
前記結合剤が、シラン・結合剤及びチタン酸エステル・結合剤の中のいずれか一つ又はこれらの混合物であり、
前記ブロック・ポリエーテルアミド硬さがショア硬さD20−60であり、
前記環境適合型物理発泡剤が、二酸化炭素、窒素ガス、高圧空気及びアルゴンガスの中の一種又は複数種であることを特徴とする、請求項2に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ3において、前記高圧窯の温度が35−60℃であり、圧力が4−24Mpaであり、浸透時間が0.5−8時間であり、減圧排出時間が20−60秒であることを特徴とする、請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項5】
前記ステップS4において、前記定温設備が送風乾燥機、流動床、オイルバス用パン又は蒸気導入型反応窯であり、定温設備の温度が100−200℃であり、定温時間が5−60秒であることを特徴とする、請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項6】
前記ステップS1とS2において、事前混合を分散機の中で実施し、且つ、溶融混練を押出機で実施することを特徴とする、請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項7】
前記ブレンド顆粒Iの中で、充填材がコアであり、変性剤がシェルであることを特徴とする、請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製
造方法。
【請求項8】
前記ステップS2において、得られた土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒の単一重量が4−50mgであり、長軸比が5:1であることを特徴とする、
請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項9】
前記ステップ4において、得た土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒について、密度が0.01−0.5g/cm3であり、単一顆粒の重量が4−50mgであり、長軸比が5:1であることを特徴とする、請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【請求項10】
前記ブレンド顆粒Iにおいて、発泡剤の含有量が0.5%−20%であることを特徴とする、請求項1に記載の土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡材料分野に関し、土のう構造(sandbag structure)を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤(block polyether amide foam particles)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存技術では、一般に有機化学発泡技術によってブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤を製造する。この製造方法には、二つの欠点がある。一つ目は、架橋剤を使用することによって、製品の物理的性能を部分的に改善できるが、架橋剤により、製造される製品を、再び回収及び利用できなくなるので、資源の無駄になることである。二つ目は、有機化学発泡剤の混入においては、混練機を利用してブロック・ポリエーテルアミドとブレンドするので、固体と固体との混合が、均一系(homogeneous system)を達成することができない為、各箇所の発泡均一性を保証できなくすることであり、さらには、発泡後残留する有機発泡剤の存在により、製品の性能に対して大きな影響を与えることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記の欠陥に鑑みて、本設計者は、積極的に研究革新を行うことによって、土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の新規製造方法を創設し、これで産業上の利用価値を向上することを図る。
【0004】
前記技術的課題を解決する為に、本発明は、変性剤及び環境適合型物理発泡剤を通じて、土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤を作製する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の技術案を採用する。
【0006】
土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法であり、下記のステップを含む。
【0007】
S1:変性剤、充填材、結合剤を事前混合(premixing)してから、事前混合された原料を、溶融混練し、水中造粒又は水槽ダイシング後、コアシェル(core−shell)構造を有するブレンド顆粒Iを作製する。
【0008】
S2:ステップS1で作製したブレンド顆粒Iを、ブロック・ポリエーテルアミド原料と事前混合してから、事前混合された原料を、溶融混練し、水中造粒又は水槽ダイシング後、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒IIを作製する。
【0009】
S3:所定量のブレンド粒子IIを高圧窯内に投入し、高圧窯を一定の温度に調節して安定的な温度を保持してから、所定量の環境適合型物理発泡剤を導入し、一定の浸透時間を経過して、発泡剤とG2ブレンド顆粒が均一系に達した後、排気弁を通じて高圧窯内の圧力を減少させ、発泡剤を含むブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒IIIを取り出す。
【0010】
S4:ステップS3で作製されたブレンド顆粒IIIを、当該顆粒の軟化温度に上昇した定温設備に移してから、保温時間を経過した後、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤を得ることができる。
【0011】
さらに、変性剤が2〜15重量部であり、充填材が1〜5重量部であり、結合剤が0.003〜0.1重量部であり、ブロック・ポリエーテルアミドが100重量部であり、且つ、環境適合型物理発泡剤が10〜60重量部である。
【0012】
さらに、前記変性剤が、熱可塑性ポリウレタン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸エチレン共重合体及びEPDMの中の一種又は複数種である。
【0013】
前記充填材が、炭酸カルシウム、タルク(talcum)粉末、高陵土(kaolin)、二酸化ケイ素及び硫酸バリウムの中の一種又は複数種である。
【0014】
前記結合剤が、シラン・結合剤及びチタン酸エステル・結合剤の中のいずれか一つ又はこれらの混合物である。
【0015】
前記ブロック・ポリエーテルアミド硬さがショア硬さD20−60である。
【0016】
前記環境適合型物理発泡剤が、二酸化炭素、窒素ガス、高圧空気及びアルゴンガスの中の一種又は複数種である。
【0017】
さらに、前記ステップ3において、前記高圧窯の温度が35−60℃であり、圧力が4−24Mpaであり、浸透時間が0.5−8時間であり、減圧排出時間が20−60秒である。
【0018】
さらに、前記ステップS4において、定温設備が送風乾燥機、流動床、オイルバス用パン(pan)又は蒸気導入型反応窯(reaction kettle capable of introducing steam)であり、定温設備の温度が100−200℃であり、定温時間が5−60秒である。
【0019】
さらに、前記ステップS1とS2において、事前混合を分散機(disperser)の中で実施し、且つ、溶融混練を押出機で実施する。
【0020】
さらに、前記ブレンド顆粒Iの中で、充填材がコアであり、変性剤がシェルである
【0021】
さらに、前記ステップ2において、得られた土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒の単一重量が4−50mgであり、長軸比が5:1である。
【0022】
さらに、前記ステップ4において、得られた土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒について、密度が0.01−0.5g/cm3であり、単一顆粒の重量が4−50mgであり、長軸比が5:1である。
【0023】
さらに、前記ブレンド顆粒Iにおいて、発泡剤の含有量が0.5%−20%である。
【発明の効果】
【0024】
前記技術案を経由して、本発明は、下記の利点を有する。
【0025】
(1)本発明に使用されているすべての発泡剤が、環境適合型発泡剤であり、環境に対して汚染がないこと。
【0026】
(2)本発明に記載されている方法で得られた土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒は、土のう構造を有するので、その他の発泡材料より一層高い衝撃強度及び靱性を有し、且つ、永久変形も縮小すること。
【0027】
(3)本発明に記載されている方法で得たブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒は、反発弾性性能が、市販の如何なるモデルの発泡顆粒製品より優れており、最高で85%に達することができること。
【0028】
(4)本発明に記載されている方法で得たブロック・ポリエーテルアミド発泡材料は充填材を追加したものであるため、発泡材料の力学性能が向上すると同時に、材料コストを削減できること。
【0029】
(5)本発明で作製されるすべての発泡材料には架橋が発生しないので、改めて溶融及び回収を実施可能であり、環境廃棄物の発生を低減することができること。
【0030】
(6)本発明に記載されている方法で得たブロック・ポリエーテルアミド発泡材料は、密度を0.01−0.5g/cm3の範囲で任意に調節でき、密度を制御する可能性があること。
【0031】
前記説明は、本発明に関する技術案の概説だけであり、本発明の技術手段を一層明らかに理解し、且つ、取扱説明書の内容に基いて実施する為に、次に本発明の優れた実施形態に基づき、且つ添付図と結び付いて下記のように説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明における土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の走査電子顕微鏡図(SEM)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、添付図及び実施形態に結びつき、本発明の具体的な実施方式を一層詳細に説明する。下記の実施形態は、本発明を説明するが、本発明の範囲を制限することではない。
【0034】
本発明は、下記の技術案を採用する。
【0035】
土のう構造を含むブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤の製造方法であり、下記のステップを含む。
【0036】
S1:変性剤、充填材、結合剤を事前混合してから、事前混合された原料を、溶融混練し、水中造粒又は水槽ダイシング後、コアシェル構造を有するブレンド顆粒Iを作製する。
【0037】
S2:ステップS1で作製したブレンド顆粒Iを、ブロック・ポリエーテルアミド原料と事前混合してから、当該事前混合された原料を溶融混練し、水中造粒又は水槽ダイシング後、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒IIを作製する。
【0038】
S3:所定量のブレンド粒子IIを高圧窯内に投入し、高圧窯を一定の温度に調節して安定的な温度を保持してから、所定量の環境適合型物理発泡剤を導入し、一定の浸透時間を経過して、発泡剤とG2ブレンド顆粒が均一系に達した後、排気弁を通じて高圧窯内の圧力を減少させ、発泡剤を含むブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒IIIを取り出す。
【0039】
S4:ステップS3で作製されたブレンド顆粒IIIを当該顆粒の軟化温度に上昇した定温設備に移してから、保温時間を経過した後、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒剤を得ることができる。
【0040】
さらに、変性剤が2〜15重量部であり、充填材が1〜5重量部であり、結合剤が0.003〜0.1重量部であり、ブロック・ポリエーテルアミドが100重量部であり、且つ、環境適合型物理発泡剤が10〜60重量部である。
【0041】
さらに、前記変性剤が、熱可塑性ポリウレタン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸エチレン共重合体及びEPDMの中の一種又は複数種である。
【0042】
前記充填材が、炭酸カルシウム、タルク粉末、高陵土、二酸化ケイ素及び硫酸バリウムの中の一種又は複数種である。
【0043】
前記結合剤が、シラン・結合剤及びチタン酸エステル・結合剤の中のいずれか一つ又はこれらの混合物である。
【0044】
前記ブロック・ポリエーテルアミド硬さがショア硬さD20−60である、
【0045】
前記環境適合型物理発泡剤が、二酸化炭素、窒素ガス、高圧空気及びアルゴンガスの中の一種又は複数種である。
【0046】
さらに、前記ステップ3において、前記高圧窯の温度が35−60℃であり、圧力が4−24Mpaであり、浸透時間が0.5−8時間であり、減圧排出時間が20−60秒である。
【0047】
さらに、前記ステップS4において、定温設備が送風乾燥機、流動床、オイルバス用パン又は蒸気導入型反応窯であり、定温設備の温度が100−200℃であり、定温時間が5−60秒である。
【0048】
さらに、前記ステップS1とS2において、事前混合を皆分散機の中で実施し、且つ、溶融混練を皆押出機で実施する。
【0049】
さらに、前記ブレンド顆粒Iの中で充填材がシェルであり、変性剤がシェルである。
【0050】
さらに、前記ステップ2において、得られた土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒の単一重量が4−50mgであり、長軸比が5:1である。
【0051】
さらに、前記ステップ4において、得られた土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミドブレンド顆粒について、密度が0.01−0.5g/cm3であり、単一顆粒の重量が4−50mgであり、長軸比が5:1である。
【0052】
さらに、前記ブレンド顆粒Iにおいて、発泡剤の含有量が0.5%−20%である。
【0053】
<実施例>
実施例1
20kgのTPU、50kgのタルク粉末及び0.15kgのKH550シラン結合剤を、分散機において事前混合してから、二重スクリュー造粒機による溶融混練により、コアシェル構造のブレンド顆粒Iを60kg作製した。
【0054】
これから、作製された60kgのブレンド顆粒Iと1000kgのブロック・ポリエーテルアミドとを事前混合した後、事前混合された原料に対して、押出機による溶融混練を行い、さらに水中での切断を実施した結果、単一顆粒重量が18mgであり、長軸比が2であり、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド紡錘体形ブレンド顆粒剤IIを1030kg得た。
【0055】
500kgのブレンド顆粒IIを秤取して高圧窯内に投入した。高圧窯の温度定常値が35℃で圧力が24MPaにおいて、250kgの二酸化炭素及び50kgのアルゴンガスを導入した。そして、高圧窯内において0.5時間、定温を保持して、浸透が平衡に達した後、排気弁を使用して、20秒間の規定時間で釜内の全部の圧力を排出して、発泡剤含有量が10%であるブレンド顆粒IIIを500kg取り出した。
【0056】
前記500kgのブレンド粒子IIIをすでに174℃にした振動流動床に移してから、60秒間定温に保った結果、密度が0.14g/cm3であり、長軸比(length−diameter ratio)が2であり、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド紡錘体形発泡顆粒剤を得た。
【0057】
実施例2
150kgのEPDM、10kgの炭酸カルシウム及び0.2kgのLK−132チタン酸エステル結合剤を、分散機において事前混合してから、二重スクリュー造粒機による溶融混練により、コアシェル構造のブレンド顆粒Iを154kg作製した。
【0058】
これから、作製された154kgのブレンド顆粒Iと1000kgのブロック・ポリエーテルアミドとを事前混合した後、事前混合された原料に対して、押出機による溶融混練を行い、さらに水中切料を実施した結果、単一顆粒重量が4mgであり、長軸比が1であり、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド球形ブレンド顆粒剤IIを1150kg得た。
【0059】
500kgブレンド顆粒IIを秤取して高圧窯内に投入した。高圧窯の温度定常値が60℃で圧力が24MPaにおいて、250kgの二酸化炭素及び50kgの窒素ガスを導入した。そして、高圧窯内において8時間、定温を保持して、浸透が平衡に達した後、排気弁を使用して、60秒間の規定時間で釜内の全部の圧力を排出して、発泡剤含有量が20%であるブレンド顆粒IIIを500kg取り出した。
【0060】
前記500kgのブレンド粒子IIIをすでに200℃にした振動流動床に移してから、60秒間定温に保った結果、密度が0.01g/cm3であり、長軸比が1であり、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド球形発泡顆粒剤を得た。
【0061】
実施例3
0.01kgのLDPE、20kgの二酸化ケイ素及び0.2kgのKH570シラン結合剤を、分散機において事前混合してから、二重スクリュー造粒機による溶融混練により、コアシェル構造のブレンド顆粒Iを118kg作製した。
【0062】
これから、作製された118kgのブレンド顆粒Iと1000kgのブロック・ポリエーテルアミドとを事前混合した後、事前混合された原料に対して、押出機による溶融混練を行い、さらに水中切料を実施した結果、単一顆粒重量が50mgであり、長軸比が5であり、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド紡錘体形ブレンド顆粒剤IIを1110kg得た。
【0063】
500kgブレンド顆粒IIを秤取して高圧窯内に投入した。高圧窯の温度定常値が50℃で圧力が4MPaにおいて、50kgの二酸化炭素を導入した。そして、高圧窯内において0.5時間、定温を保持して、浸透が平衡に達した後、排気弁を使用して、30秒間の規定時間で釜内の全部の圧力を排出して、発泡剤含有量が0.5%であるブレンド顆粒IIIを500kg取り出した。
【0064】
前記500kgのブレンド粒子IIIをすでに100℃にした送風型乾燥炉(blast drying oven)に移してから、30秒間定温に保った結果、密度が0.5g/cm3であり、長軸比が5であり、土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド紡錘体形発泡顆粒剤を得た。
【0065】
本発明は、少なくとも下記の利点を有する。
【0066】
(1)本発明に使用されているすべての発泡剤が、環境適合型発泡剤であり、環境に対して汚染がないこと。
【0067】
(2)本発明に記載されている方法で得られた土のう構造を有するブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒は、土のう構造を有するので、その他の発泡材料より一層高い衝撃強度及び靱性を有し、且つ、永久変形も縮小すること。
【0068】
(3)本発明に記載されている方法で得たブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒は、反発弾性性能が、市販の如何なるモデルの発泡顆粒製品より優れており、最高で85%に達することができること。
【0069】
(4)本発明に記載されている方法で得たブロック・ポリエーテルアミド発泡顆粒材料は充填材を追加したものであるため、発泡材料の力学性能が向上すると同時に、材料コストを削減できること。
【0070】
(5)本発明で作製されるすべての発泡材料には、架橋が発生しないので、改めて溶融及び回収を実施可能であり、環境廃棄物の発生を低減することができること。
【0071】
(6)本発明に記載されている方法で得たブロック・ポリエーテルアミド発泡材料は、密度を0.01−0.5g/cm3の範囲で任意に調節でき、密度を制御する可能性があること。
【0072】
前記述べたものは、本発明の好ましい実施方式だけであり、本発明を制限することではない。当業者が理解できるように、本発明の技術原理に背かない前提の下で、若干の改善と変形を行うことができる。これらの改善と変形も、本発明の保護範囲と見なされるものである。
図1