(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る運動支援システム1の構成の概要について説明する。
【0019】
運動支援システム1は、対象者の運動を支援するための分析を行うものである。運動支援システム1は、運動記録データ取得装置10、食事・睡眠記録データ取得装置20、生体データ取得装置30、アドバイス提供装置40、入力装置50及びサーバー100を具備する。
【0020】
運動記録データ取得装置10は、対象者の運動記録に関するデータ(運動記録データ)を取得するものである。「運動記録データ」には、生体データに影響を与える(生体データへの影響因子となる)可能性があると考えられる、運動記録に関する種々の条件(項目)を含めることができる。運動記録データの項目としては、運動メニュー、運動開始時刻、運動時間、運動順序、消費カロリー等を例示することができる。運動記録データ取得装置10としては、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末を使用することができる。運動記録データ取得装置10には、自動又は手動で運動記録データが入力される。或いは、トレーニングマシンを運動記録データ取得装置10としてもよく、当該トレーニングマシンが自動で運動記録データを取得するようにしてもよい。
【0021】
食事・睡眠記録データ取得装置20は、対象者の食事記録に関するデータ(食事記録データ)及び睡眠記録に関するデータ(睡眠記録データ)を取得するものである。なお、以下では、食事記録データ及び睡眠記録データを合わせて食事・睡眠記録データと称して説明する。「食事・睡眠記録データ」には、生体データに影響を与える(生体データへの影響因子となる)可能性があると考えられる、食事・睡眠記録に関する種々の条件(項目)を含めることができる。食事・睡眠記録データの項目としては、食事内容、食事時刻、サプリメント摂取の有無、サプリメントの種類、睡眠時間、就寝時刻、起床時刻、睡眠深さ等を例示することができる。食事・睡眠記録データ取得装置20としては、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末を使用することができる。食事・睡眠記録データ取得装置20には、自動又は手動で運動記録データが入力される。
【0022】
生体データ取得装置30は、対象者の生体に関するデータ(生体データ)を測定するものである。生体データとしては、体重、体脂肪率、筋肉量、腹囲、体温、血圧、血糖値等を例示することができる。生体データ取得装置30としては、例えば、体重計、体脂肪計、体組成計、体温計、血圧計、血糖値測定器を使用することができる。生体データ取得装置30は、測定により生体データを取得する。或いは、生体データ取得装置30として、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末を使用し、対象者が当該生体データ取得装置30に入力することにより、生体データを取得するようにしてもよい。
【0023】
アドバイス提供装置40は、対象者の健康状態を向上させるためのアドバイスを提供するものである。アドバイス提供装置40としては、例えばパーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、テレビ、スピーカーが用いられる。アドバイス提供装置40は、運動記録データ取得装置10で取得された運動記録データ、食事・睡眠記録データ取得装置20で取得された食事・睡眠記録データ及び生体データ取得装置30で取得された生体データに基づいて、対象者へ健康状態を向上させるためのアドバイスを提供する。
【0024】
入力装置50は、対象者が任意の条件を入力するためのものである。入力装置50は、対象者の運動の目的(例えば、ダイエット、メタボリック症候群の改善、筋肉量の増加(筋力トレーニング)等)、又は対象者が改善したい生体データの項目(例えば、体重、筋肉量、血圧等)を選択できるように構成される。また、入力装置50は、対象者が生体データへの影響を知りたい運動記録データ及び食事・睡眠記録データの項目(例えば、運動時刻、運動メニュー、サプリメント摂取の有無、睡眠深さ等)を選択できるように構成される。また、入力装置50は、運動記録データ及び食事・睡眠記録データに関して対象者が絞り込みたい条件(例えば、運動時刻20時以降、睡眠深さ70%以上等)を選択できるように構成される。入力装置50としては、例えば携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末が用いられる。入力装置50は、アドバイス提供装置40と一体的に構成されるものであってもよい。つまり、1つの装置(端末)で、アドバイスの受け取りと、条件の入力とを行うようにすることができる。
【0025】
サーバー100は、データの蓄積や分析等を行うものである。サーバー100は、運動記録データ取得装置10、食事・睡眠記録データ取得装置20、生体データ取得装置30、アドバイス提供装置40及び入力装置50に接続される。サーバー100は、運動記録データ蓄積部110、食事・睡眠記録データ蓄積部120、生体データ蓄積部130、分析部140及びアドバイス生成部150を具備する。
【0026】
運動記録データ蓄積部110は、運動記録データ取得装置10で取得された運動記録データの履歴を蓄積するものである。
【0027】
食事・睡眠記録データ蓄積部120は、食事・睡眠記録データ取得装置20で取得された食事・睡眠記録データの履歴を蓄積するものである。
【0028】
生体データ蓄積部130は、生体データ取得装置30で取得された生体データの履歴を蓄積するものである。
【0029】
分析部140は、データの分析を行うものである。具体的には、分析部140は、運動記録データ取得装置10で取得された運動記録データ、及び食事・睡眠記録データ取得装置20で取得された食事・睡眠記録データと、生体データ取得装置30で取得された生体データとに基づいて、影響因子データ(運動記録データ及び食事・睡眠記録データ)と生体データとの関連性を分析する。なお、以下では、運動記録データ及び食事・睡眠記録データを合わせて影響因子データと称して説明する。
【0030】
より具体的には、分析部140は、影響因子データの変動(違い)によって生体データがどのように変動するかを分析する。そして、分析部140は、影響因子データの項目の変動(違い)が生体データの項目の変動に与える影響の度合い(生体データの各項目に対する影響因子データの各項目の寄与率)を算出する。分析部140は、算出された寄与率に基づいて、前記寄与率の大きい順に順位付けされたランキングを生成する。
【0031】
アドバイス生成部150は、対象者の健康状態を向上させるためのアドバイスを生成するものである。アドバイス生成部150は、分析部140によって算出されたランキングに基づいてアドバイスを生成する。アドバイス生成部150は、影響因子データのどの項目が、生体データ又は当該生体データと関連する運動の目的(例えば、ダイエット、メタボリック症候群の改善、筋肉量の増加)へ大きな影響を与えているかについてアドバイスを生成する。
【0032】
以下、
図2を参照して、運動支援システム1における影響因子データ(運動記録データ及び食事・睡眠記録データ)及び生体データの蓄積に関する具体的な流れを説明する。以下の説明においては、ステップS11及びステップS12は睡眠中及び起床後、ステップS13及びステップS14は運動前、ステップS15及びステップS16は運動中又は運動後、ステップS17及びステップS18は運動後になされることを前提としているが、実際にデータが蓄積されるタイミングは適宜変更できる。
【0033】
ステップS11において、食事・睡眠記録データ取得装置20は、対象者の睡眠記録データを取得する。本実施形態においては、食事・睡眠記録データ取得装置20は、対象者の睡眠時間及び睡眠深さを取得する。
【0034】
ステップS12において、食事・睡眠記録データ取得装置20によって取得された睡眠記録データ(睡眠時間及び睡眠深さ)は、サーバー100に送信され、サーバー100の食事・睡眠記録データ蓄積部120に格納される。
【0035】
ステップS13において、生体データ取得装置30は、対象者の生体データを取得する。本実施形態においては、生体データ取得装置30は、対象者の体重、体脂肪率及び筋肉量(腕、脚及び体幹)を取得する。
【0036】
ステップS14において、生体データ取得装置30によって取得された生体データ(体重、体脂肪率及び筋肉量)は、サーバー100に送信され、サーバー100の生体データ蓄積部130に格納される。
【0037】
ステップS15において、運動記録データ取得装置10は、対象者の運動記録データを取得する。本実施形態においては、運動記録データ取得装置10は、対象者の運動開始時刻、運動時間、運動メニュー及び運動順序を取得する。
【0038】
ステップS16において、運動記録データ取得装置10によって取得された運動記録データ(運動開始時刻、運動時間、運動メニュー及び運動順序)は、サーバー100に送信され、サーバー100の運動記録データ蓄積部110に格納される。
【0039】
ステップS17において、食事・睡眠記録データ取得装置20は、対象者の食事記録データを取得する。本実施形態においては、食事・睡眠記録データ取得装置20は、対象者のサプリメント摂取の有無を取得する。
【0040】
ステップS18において、食事・睡眠記録データ取得装置20によって取得された食事記録データ(サプリメント摂取の有無)は、サーバー100に送信され、サーバー100の食事・睡眠記録データ蓄積部120に格納される。
【0041】
ステップS11からステップS18までを1日ごとに繰り返すことにより、運動記録データ蓄積部110には運動記録データの履歴が蓄積され、食事・睡眠記録データ蓄積部120には食事・睡眠記録データの履歴が蓄積され、生体データ蓄積部130には生体データの履歴が蓄積される。
【0042】
次に、
図3から
図5を参照して、本実施形態に係る運動支援システム1の制御について説明する。なお、以下の説明においては、ステップS11からステップS18までの処理が既に繰り返しなされ、運動記録データ蓄積部110には運動記録データの履歴が蓄積され、食事・睡眠記録データ蓄積部120には食事・睡眠記録データの履歴が蓄積され、生体データ蓄積部130には生体データの履歴が蓄積された状態とする。
【0043】
図3に示すステップS110において、分析部140は、運動記録データ蓄積部110に蓄積された運動記録データの履歴、食事・睡眠記録データ蓄積部120に蓄積された食事・睡眠記録データの履歴及び生体データ蓄積部130に蓄積された生体データの履歴を用いて、
図4に示すデータテーブルを作成する。データテーブルには、運動を行った日の各種データが入力される。具体的には、データテーブルには、運動記録データとして、運動開始時刻、運動時間、運動メニュー及び運動順序が入力される。また、データテーブルには、食事・睡眠記録データとして、サプリメント摂取の有無、睡眠時間及び睡眠深さが入力される。また、データテーブルには、生体データとして、体重、体脂肪率、腕の筋肉量、脚の筋肉量及び体幹の筋肉量が入力される。なお、睡眠の深さは、主観的なデータ(対象者の感覚)又は客観的なデータ(脳波等)に基づいて、所定の指標によって点数化されて入力される。
【0044】
図3に示すステップS120において、分析部140は、影響因子データの変動(違い)によって生体データがどのように変動するかを分析する。具体的には、分析部140は、運動を行ったある1日の影響因子データの数値(内容)と、その日の生体データの数値と次に運動を行った日の生体データの数値との差(次に運動を行った日における生体データの数値の増減)とを対応付けて分析を行う。例えば、
図4に示すデータテーブルから、ダンベル運動を行った日(12月9日、12月15日)を抽出する。ここでは、12月9日に着目する。12月9日の体重は65.3kgであって、次の測定日である12月11日の体重は65.1kgであるので、体重の増減は−0.2kgである。よって、分析部140は、影響因子データの内容(ダンベル運動)と生体データの変動(体重−0.2kg)を対応付ける。これをデータテーブルに入力された全てのデータについて行う。
そして、分析部140は、この対応関係を用いて、
図5に示す寄与率算出フローにより、生体データに対する影響因子データの寄与率(影響因子データの各項目が生体データの各項目に与える影響の度合い)を算出する。
【0045】
以下では、
図5を用いて、寄与率の算出方法について説明する。
【0046】
ステップS121において、分析部140は、データテーブルの影響因子データを正規化する。具体的には、平均が0、分散が1となるよう影響因子データ(運動時間、睡眠時間等)を正規化する。影響因子データが数値で示されるものでない場合には、適宜のルールに基づいて正規化する。
【0047】
ステップS122において、分析部140は、正規化された影響因子データの値を用いて生体データを重回帰分析する。具体的には、正規化された影響因子データの値を説明変数、当該影響因子データと対応する生体データの増減を目的変数として重回帰分析を行う。
【0048】
ステップS123において、分析部140は、正規化された影響因子データ(説明変数)の係数の絶対値から、生体データ(の各項目)に対する影響因子データ(の各項目)の寄与率を算出する。
【0049】
次に、
図6を用いて、アドバイス生成フローについて説明する。
【0050】
ステップS210において、対象者は、運動の目的(例えば、ダイエット、メタボリック症候群の改善、筋肉量の増加等)を選択し、入力装置50に入力する。ここで、分析部140は、運動の目的と生体データとが紐付けされた紐付け情報を具備しており、当該紐付け情報においては、運動の目的と、当該運動の目的と関連が強い生体データの項目とが紐付けられている。分析部140は、入力装置50に運動の目的が入力されると、当該紐付け情報に基づいて運動の目的と紐付けされた生体データを抽出する。例えば、対象者の運動の目的がダイエットである場合には、ダイエットと紐付けられた体重及び体脂肪率が抽出される。このように、対象者が運動の目的を選択すると、自動的にその目的に適した生体データの項目が選択される。以下では、対象者の運動の目的がダイエットであるとして説明を行う。
【0051】
なお、ステップS210においては、運動の目的から生体データの項目が自動的に選択されるのではなく、対象者が任意に生体データの項目を選択することもできる。例えば、対象者は、アドバイスを受けたい(寄与率を知りたい)生体データの項目(例えば、体重及び体脂肪率)を直接選択することができる。
【0052】
ステップS220において、分析部140は、ステップS120で算出された寄与率に基づいて、影響因子データが寄与率の大きい順に順位付けされたランキングを生成する。ここでは、分析部140は、体重及び体脂肪率への寄与率が大きい(効果が高い)影響因子データをそれぞれ順位付けし、ランキングを生成する。そして、分析部140は、体重のランキング及び体脂肪率のランキングに基づいて(体重のランキング及び体脂肪率のランキングを総合的に判断する等して)、ダイエットへの寄与率が大きい(効果が高い)影響因子データを順位付けし、ランキングを生成する。
【0053】
ステップS230において、アドバイス生成部150は、分析部140で作成されたダイエットのランキングに基づいてアドバイスを生成する。アドバイス生成部150は、例えば、「あなたにとって、ダイエットに効果的なのは、1位:運動時間、2位:睡眠時間です。」等のアドバイスを生成する。なお、ステップS210で生体データの項目が選択された場合は、アドバイス生成部150は、当該生体データの項目のランキングに基づいてアドバイスを生成する。
【0054】
ステップS240において、アドバイス生成部150で生成されたアドバイスは、対象者等の要求に応じて又は自動で、アドバイス提供装置40によって対象者に提供される。
【0055】
これにより、対象者は、ダイエットには運動時間を増やすことが自身にとって効果的であることを知ることができる。このように、対象者は、ダイエットに効果的な影響因子データの項目を知ることができる。そして、対象者は、ダイエットのために今後やるべきことを把握することができる。また、一般的にダイエットに効果的であるとされている影響因子データの項目であっても、ランキングが低い場合には、対象者にとってはダイエットへの効果が小さいことがわかる。よって、対象者は、ダイエットにとって効果的であるかどうかによって、影響因子データの項目を取捨選択して実践することができる。
【0056】
このように、本実施形態に係る運動支援システム1においては、対象者ごとに影響因子データ(の各項目)が生体データ(の各項目)に実際にどのような影響を与えるかを分析し、その分析結果に基づいて対象者へアドバイスを提供する。影響因子データが生体データに与える影響は対象者それぞれで異なるが、本実施形態に係る運動支援システム1においては、対象者に適した効果的な分析を行うことができる。これにより、対象者は、アドバイスに基づいて運動、食事、睡眠等を改善することで、健康状態の向上を図ることができる。
【0057】
以上の如く、本実施形態に係る運動支援システム1は、対象者の生体データを取得する生体データ取得装置30(生体データ取得部)と、前記対象者の運動記録データを含む、前記対象者の生体データへの影響因子データを取得する運動記録データ取得装置10及び食事・睡眠記録データ取得装置20(影響因子データ取得部)と、前記生体データ取得装置30で取得された前記生体データ及び前記運動記録データ取得装置10及び食事・睡眠記録データ取得装置20で取得された前記影響因子データを分析することにより、前記生体データに対する前記影響因子データの寄与率を算出する分析部140と、を具備するものである。
このように構成することにより、対象者の健康状態を向上するのに有用な運動支援を行うことができる。
【0058】
また、前記分析部140は、前記運動記録データ取得装置10及び食事・睡眠記録データ取得装置20で取得された前記影響因子データを正規化し、正規化された前記影響因子データの値を用いて前記生体データを重回帰分析することにより、前記寄与率を算出するものである。
このように構成することにより、より的確な分析を行うことができる。
【0059】
また、前記分析部140は、前記影響因子データについて前記寄与率の大きい順に順位付けされたランキングを生成するものである。
このように構成することにより、どの影響因子データが生体データに大きな影響を与えているかを算出することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る運動支援システム1は、前記ランキングに基づいて前記対象者の健康状態を向上させるためのアドバイスを生成するアドバイス生成部150と、前記アドバイス生成部150で生成された前記アドバイスを提供するアドバイス提供装置40と、を具備するものである。
このように構成することにより、対象者に適した効果的なアドバイスを提供することができる。
【0061】
また、前記分析部140は、前記対象者の目的と関連する前記生体データを抽出し、抽出された前記生体データに基づいて前記寄与率を算出するものである。
このように構成することにより、対象者の目的に応じた分析を行うことができる。
【0062】
また、前記分析部140は、前記対象者の目的と前記生体データとが紐付けされた紐付け情報を具備し、前記紐付け情報に基づいて、前記対象者の目的と関連する前記生体データを抽出するものである。
このように構成することにより、対象者の目的に応じた分析を行うことができる。
【0063】
なお、本実施形態に係る運動記録データ取得装置10及び食事・睡眠記録データ取得装置20は、影響因子データ取得部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る生体データ取得装置30は、生体データ取得部の実施の一形態である。
【0064】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0065】
例えば、本実施形態においては、影響因子データとして運動記録データと食事・睡眠記録データの両方を用いるものとしたが、影響因子データはこれに限定されるものではなく、運動記録データだけであってもよく、或いは生体データへ影響があると思われる他のデータを含んでいてもよい。
【0066】
また、
図4に示すデータテーブルにおいて、運動記録データ、食事・睡眠記録データ及び生体データの項目は一例であって、これらに限定されるものではない。
【0067】
また、運動記録データ、食事・睡眠記録データ及び生体データの取得手段は、限定されるものではなく、あらゆる手段を採用することができる。
【0068】
また、本実施形態においては、分析部140は、運動を行ったある1日の生体データの数値と次に運動を行った日の生体データの数値との差を用いて分析を行うものとしたが、ある一定期間(例えば1週間)における最初のデータと最後のデータを比較したときの生体データの数値の増減を用いて分析を行ってもよい。この場合、当該生体データの数値の増減に対応する影響因子データとしては、当該一定期間における平均値や回数を用いることができる。
【0069】
また、本実施形態においては、アドバイス生成部150は、生体データの項目に対する影響因子データの項目の寄与率についてアドバイスを生成するものとしたが、分析部140による分析結果を用いて、影響因子データの項目の具体的な内容(例えば、どの運動メニューがダイエットに最も効果があるか)についてアドバイスを生成してもよい。
【0070】
次に、
図7を用いて、本発明の第二実施形態に係るアドバイス生成フローについて説明する。
【0071】
ステップS310において、第一実施形態に係るステップS210と同様に、対象者は、運動の目的(ここでは、筋肉量の増加とする)を選択する。
【0072】
ステップS320において、対象者はさらに、任意の影響因子データの項目(ここでは、運動時刻、運動メニュー、サプリメント摂取の有無及び睡眠深さとする)を選択し、入力装置50に入力する。対象者は、選択した運動の目的への影響の度合い(寄与率)について知りたい項目を選択することができる。
【0073】
ステップS330において、分析部140は、ステップS120で算出された寄与率に基づいて、ステップS320で選択された影響因子データを寄与率の大きい順に順位付けする。ここで、筋肉量の増加という運動の目的は、生体データの項目のうち腕の筋肉量、脚の筋肉量及び体幹の筋肉量と紐付けられているとする。分析部140は、腕の筋肉量、脚の筋肉量及び体幹の筋肉量への寄与率が大きい(効果が高い)影響因子データをそれぞれ順位付けし、ランキングを生成する。そして、分析部140は、当該ランキングに基づいて、筋肉量の増加への寄与率が大きい(効果が高い)影響因子データを順位付けし、ランキングを生成する。
【0074】
ステップS340において、アドバイス生成部150は、分析部140で作成された筋肉量の増加のランキングに基づいてアドバイスを生成する。アドバイス生成部150は、例えば、「あなたにとって、筋肉量の増加に効果的なのは、1位:運動メニュー、2位:睡眠深さです。運動時刻とサプリメントの摂取はあまり効果的ではありません。」等のアドバイスを生成する。
【0075】
ステップS350において、アドバイス生成部150で生成されたアドバイスは、対象者等の要求に応じて又は自動で、アドバイス提供装置40によって対象者に提供される。
【0076】
このように、分析部140は、対象者の所望の影響因子データの項目のみに着目して寄与率を算出する。したがって、対象者は、所望の項目に関する寄与率のランキングを知ることができる。
【0077】
以上の如く、第二実施形態においては、前記分析部140は、対象者によって選択された影響因子データを抽出し、抽出された前記影響因子データに基づいて寄与率を算出するものである。
このように構成することにより、対象者が寄与率を知りたい影響因子データについて分析を行うことができる。
【0078】
次に、
図8を用いて、本発明の第三実施形態に係るアドバイス生成フローについて説明する。
【0079】
ステップS410において、第一実施形態に係るステップS210と同様に、対象者は、運動の目的(ここでは、筋肉量の増加とする)を選択する。
【0080】
ステップS420において、対象者はさらに、影響因子データに関する所望の条件(例えば、運動時刻20時以降、睡眠深さ70%以上等)を指定し、入力装置50に入力する。対象者は、今後に実践することが可能な条件や、今後に実践したいと思っている条件等を指定することができる。
【0081】
ステップS430において、分析部140は、指定された条件に合致する影響因子データと、当該影響因子データに対応する生体データとを抽出する。
【0082】
ステップS440において、分析部140は、ステップS430で抽出したデータを用いて、生体データ(の各項目)に対する影響因子データ(の各項目)の寄与率を算出する。寄与率の算出方法は第一実施形態と同様である(
図5参照)。
【0083】
ステップS450において、分析部140は、ステップS440で算出された寄与率に基づいて、影響因子データが寄与率の大きい順に順位付けされたランキングを生成する。ここでは、分析部140は、筋肉量の増加への寄与率が大きい(効果が高い)影響因子データをランキングする。
【0084】
ステップS460において、アドバイス生成部150は、分析部140で作成されたランキングに基づいてアドバイスを生成する。アドバイス生成部150は、例えば、「あなたの筋肉量の増加への効果について、運動時刻20時以降、睡眠深さ70%以上の場合に限ると、筋肉量の増加に効果的なのは、1位:運動メニュー、2位:サプリメントです。」等のアドバイスを生成する。
【0085】
ステップS470において、アドバイス生成部150で生成されたアドバイスは、対象者等の要求に応じて又は自動で、アドバイス提供装置40によって対象者に提供される。
【0086】
このように、対象者は、特定の条件におけるアドバイスを受けることができる。したがって、対象者にとってはより細かな分析結果が反映されたアドバイスを受けることができる。
【0087】
以上の如く、第三実施形態においては、前記分析部140は、条件に合致する影響因子データ及び当該影響因子データに対応する生体データを抽出し、抽出された前記影響因子データ及び前記生体データに基づいて前記寄与率を算出するものである。
このように構成することにより、影響因子データが条件に合致するときに特化した分析を行うことができる。