(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の殺生物剤が、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;5−クロロ−2−メチル−2H−イソチアゾリン−3−オン;2−メチル−2H−イソチアゾリン−3−オン;2−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン;ジクロロ−n−オクチル−2H−イソチアゾリン−3−オン;N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;又はそれらの混合物を含む、請求項1〜4のいずれかに定義した組成物。
亜鉛化合物が、酢酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛、乳酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、亜セレン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、吉草酸亜鉛、及びそれらの混合物を含む、請求項3に定義した組成物。
第1の殺生物剤が、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;5−クロロ−2−メチル−2H−イソチアゾリン−3−オン;2−メチル−2H−イソチアゾリン−3−オン;2−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン;ジクロロ−n−オクチル−2H−イソチアゾリン−3−オン;N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;及びそれらの混合物を含む、請求項12〜17のいずれかに定義した製品。
亜鉛化合物が、酢酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛、乳酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、亜セレン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、吉草酸亜鉛、及びそれらの混合物を含む、請求項16に定義した製品。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
[0014] 当業者は、本考察が代表的態様を記載しているに過ぎず、本開示のより広範な観点を限定するものではないことを理解すべきである。
【0015】
[0015]一般に、本開示は、殺生物特性を有する組成物を対象とする。該組成物は、非常に多くの用途及び施用を有する。1つの態様では、該組成物は、パーソナルケア製品などの製品用の防腐剤として用いることができる。
【0016】
[0016]本開示の組成物は、少なくとも1つの殺生物剤、例えば少なくとも2つの殺生物剤を含有する。殺生物剤のうち1つは、イソチアゾリンを含む。以下でより詳細に記載するように、該組成物は殺生物剤増強剤を含有する。殺生物剤増強剤が存在するため、最小量のイソチアゾリン殺生物剤のみが組成物中に存在する必要がある。このように、防腐剤は、極めて低濃度のイソチアゾリン殺生物剤で生産することができるが、依然として十分な強度又は効力を有する状態で配合することができ、組成物は強い防腐特性及び抗微生物特性を提供する。
【0017】
[0017]1つの態様では、本開示の組成物は、イソチアゾリンを含む第1の殺生物剤を、ピリチオンを含むことができる第2又は共存殺生物剤と組み合わせて包含する。第1の殺生物剤及び第2の殺生物剤を、長鎖アミンを含むことができる殺生物剤増強剤と組み合わせる。長鎖アミンは、アミン、アミン塩、又はアミンオキシドを含むことができ、少なくとも6炭素原子、例えば少なくとも8炭素原子の炭素鎖長を有することができる。イソチアゾリンをピリチオン及び本開示に従った殺生物剤増強剤と組み合わせることにより、殺生物剤増強剤及び共存殺生物剤の寄与が、たとえイソチアゾリンのレベルを極めて低レベルに低下させても、強い製品防腐剤を提供するのに十分な、抗微生物性組成物をもたらす。例えば、本開示の抗微生物性組成物を含有する製品は、約100ppm未満の量、例えば約80ppm未満の量、例えば約70ppm未満の量、さらに例えば50ppm未満の量で、イソチアゾリンを含有することができる。知られていないが、殺生物剤増強剤を包含させると、ブレンド中のイソチアゾリン殺生物剤のレベルを、これまでに用いられてきたレベルよりかなり低く低下させることができるほど、組み合わせの効力が予想外に改善されることが見いだされた。
【0018】
[0018]1つの態様では、組成物の抗微生物特性をさらに増強するために、該組成物は、ピリチオンのトランスキレート化を抑制するための亜鉛化合物を含有していてもよい。さらに他の態様では、該組成物は、不溶性ピリチオンを用いる場合などに、さまざまな不溶性成分を可溶化するために、ポリエチレンイミンを含有していてもよい。
【0019】
[0019]上記のように、本開示の組成物は、イソチアゾリンであり得る第1の殺生物剤を含有する。1つの態様では、イソチアゾリンはイソチアゾリン−3−オン化合物を含む。該組成物は、単一のイソチアゾリン−3−オン化合物を含有していてもよく、又はイソチアゾリン−3−オン化合物の組み合わせを含有することもできる。
【0020】
[0020]少なくとも1つの2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、少なくとも1つの置換又は非置換2−(C
4−C
10)アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンであることができる。置換2−(C
4−C
10)アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、イソチアゾリン環の4位及び5位の一方又は両方に(C
1−C
4)アルキル基又はクロロ置換基を含有することができる。
【0021】
[0021]2−アルキルイソチアゾリン−3−オンにおいて、アルキル基は、n−アルキル、i−アルキル、又はc−アルキル基を意味する。アルキル基は、1〜10個、とりわけ1〜8個の炭素原子を含むことができる。特定の態様は、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン及び4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オンである。
【0022】
[0022]イソチアゾリン−3−オン化合物は:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(「BIT」)、N−(n−ブチル)−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(「BBIT」)、n−オクチル−イソチアゾリン−オン(「OIT」)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(「DCOIT」)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(「MIT」)、5−クロロ−2−メチル−2H−イソチアゾリン−3−オン(「CMIT」)、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(「nMBIT」)、2,2−ジチオビス(N−メチルベンズアミド)(「DTMB」)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(「C1MIT」)とMITとの混合物(ペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社からKathon(登録商標)の商標で入手可能)、及びそれらの組み合わせから選択されるイソチアゾリン−3−オンであることができる。特に好ましいイソチアゾリン−3−オンは、BIT、BBIT、及びそれらの組み合わせである。1つの態様では、好ましいイソチアゾリン−3−オンはBITである。
【0023】
[0023]イソチアゾリンを含む第1の殺生物剤を、本開示に従った第2の殺生物剤と組み合わせることができる。第1の殺生物剤を第2の殺生物剤と組み合わせることにより、さまざまなタイプの微生物及び細菌に対してより広範囲の活性を有する組成物が生じる。1つの態様では、第1の殺生物剤と組み合わされる第2の殺生物剤は、ピリチオンを含むことができる。
【0024】
[0024]ピリチオンは、2メルカプトピリジン−N−オキシド;2−ピリジンチオール−1−オキシド(CAS登録番号1121−31−9);1−ヒドロキシピリジン−2−チオン及び1ヒドロキシ−2(1H)−ピリジンチオン(CAS登録番号1121−30−8)を含めた、いくつかの名称で知られる。ピリチオン塩は、アーチ・ケミカルズ社から、例えばナトリウムオマジン又は亜鉛オマジンとして市販されている。
【0025】
[0025]抗微生物性組成物中に存在するピリチオンは、水不溶性形態又は水溶性形態で存在することができる。ピリチオンは、亜鉛ピリチオン、バリウムピリチオン、ストロンチウムピリチオン、銅ピリチオン、カドミウムピリチオン、及び/又はジルコニウムピリチオンを含むことができる。組成物中に存在することができる他のピリチオンとしては、ナトリウムピリチオン、ビスマスピリチオン、カリウムピリチオン、リチウムピリチオン、アンモニウムピリチオン、カルシウムピリチオン、マグネシウムピリチオン、銀ピリチオン、金ピリチオン、マンガンピリチオン、及び/又は有機アミンピリチオンが挙げられる。単一のピリチオンが組成物中に存在していても、上記いずれかの組み合わせが包含されていてもよい。
【0026】
[0026]ピリチオン粒子は、粒子の100%の粒子サイズが約10μ未満であり、そして粒子の少なくとも70%の粒子サイズが5μ未満であり、例えば粒子の少なくとも約50%の粒子サイズが1μ以下であり得るような、粒子サイズを有することができる。粒子サイズは、HORIBA LA910粒子サイズ分析器のようなレーザー散乱粒子サイズ分析器を用いて測定することができる。
【0027】
[0027]ピリチオン粒子は、ピリチオン又はピリチオンの水溶性塩と、水溶性多価金属塩とを、微粉砕力を作り出す加圧乱流反応器中で反応させることにより、作製することができる。加圧乱流反応器によりもたらされる微粉砕力は、μサイズのピリチオン塩粒子を効率的に作り出す。該方法により作製されるμサイズのピリチオン塩粒子は、狭くて均一なサイズ分布を有し、μ粒子の母集団によりもたらされる大きな表面積に起因する優れた表面沈着特性を有する。
【0028】
[0028]組成物は、第1の殺生物剤及び第2の殺生物剤に加えて、殺生物剤増強剤をさらに含むことができる。殺生物剤増強剤は、第1の殺生物剤及び/又は第2の殺生物剤の強化剤として作用する。より具体的には、殺生物剤増強剤は、少なくとも第1の殺生物剤の効力を、ブレンド中の第1の殺生物剤のレベルを従来のレベルよりも低下させつつ依然として強い抗微生物特性を提供できるような形で改善する。1つの態様では、殺生物剤増強剤は、アミン、アミン塩、アミンオキシド(まとめて「アミン化合物」と称する)、又はそれらの混合物を含むことができる。本開示に従って、アミン化合物は、その化学構造内に、少なくとも6炭素原子、例えば少なくとも8炭素原子、例えば少なくとも10炭素原子を含有する炭素鎖を有する。炭素鎖は、一般に40炭素原子未満、例えば30炭素原子未満、例えば20炭素原子未満である。1つの態様では、例えば、炭素鎖長は、約8炭素原子〜約28炭素原子、例えば約10炭素原子〜約24炭素原子、例えば約12炭素原子〜約18炭素原子である。
【0029】
[0029]1つの態様では、アミンは以下の式:
【0031】
を有することができる。
[0030]1つの態様では、R1は、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
1−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−20飽和又は不飽和基或いはC
6−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−10飽和又は不飽和基或いはC
6−22飽和又は不飽和基、例えばC
1−5飽和又は不飽和基或いはC
8−18飽和又は不飽和基であることができる。R1は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、又はアミノアルキル基であることができる。
【0032】
[0031]R2及びR3は、互いにそれぞれ独立して、Hであるか、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
1−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−20飽和又は不飽和基、例えばC
1−10飽和又は不飽和基、例えばC
1−5飽和又は不飽和基であることができる。R2及びR3は、それぞれ独立して、Hであるか、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、又はアミノアルキル基であることができる。
【0033】
[0032]1つの態様では、R2及びR3は異なっていてもよい。例えば、1つの態様では、R2及びR3は、上記基のいずれかであることができる。例えば、1つの態様では、R2及びR3は、互いにそれぞれ独立して、Hであるか、アミノプロピル基などのアミノアルキル基であるか、又はメチル基などのアルキル基であることができる。他の態様では、R2及びR3は同一でもよい。例えば、1つの態様では、R2及びR3は、上記基のいずれかの同じ基であることができる。例えば、1つの態様では、R2及びR3は、アルキル基、例えばメチル基などのC
1−5アルキル基であることができる。例えば、他の態様では、R2及びR3は、アミノアルキル基、例えばアミノプロピル基などのC
1−5アミノアルキル基であることができる。例えば、他の態様では、R2及びR3は、Hであることができる。
【0034】
[0033]R2及びR3は、それが結合しているNと一緒に組み合わさって、環状又は複素環式基、例えば、モルホリン、イソオキサゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピロール、ピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラゾリジン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサゾリジン、トリアゾールなどを形成することもできる。例えば、N−含有化合物は、R2及びR3が結合しているNからR1が分岐しているような、モルホリン誘導体、イソオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピロール誘導体、ピロリジン誘導体、ピペラジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピリダジン誘導体、ピラゾリジン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾリジン誘導体、トリアゾール誘導体などであることができる。
【0035】
[0034]環状又は複素環式基は、置換でも非置換でもよい。例えば、環状又は複素環式基は、先に特定したR1基に加えて、環状又は複素環式基から分岐している第2の基を有することができる。第2の基は、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
1−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−20飽和又は不飽和基或いはC
6−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−10飽和又は不飽和基或いはC
6−22飽和又は不飽和基、例えばC
1−5飽和又は不飽和基或いはC
10−20飽和又は不飽和基、例えばC
15−C
20飽和又は不飽和基であることができる。この第2の基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、又はアミノアルキル基であることができる。
【0036】
[0035]アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、及びアミノアルキル基は、当該分野で公知の任意の基であることができる。例えば、アルキル基としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、及びイコシルなどを挙げることができる。ヒドロキシアルキル基としては、限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどを挙げることができる。アルコキシ基としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどを挙げることができる。アミノアルキル基としては、限定されるものではないが、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなどを挙げることができる。しかしながら、基は、挙げたものに限定されるわけではないことを理解すべきである。これらの基は、R1に関して定義したC
1−40飽和又は不飽和基内、R2及びR3に関して定義したC
1−40飽和又は不飽和基内、及び環状又は複素環式化合物上の置換基に関して定義したC
1−40飽和又は不飽和基内に、任意の数の炭素を含むことができる。
【0037】
[0036]本開示のアミン化合物としては、ジアルキルメチルアミン、アルキルジメチルアミン、ジアルキルアミン、ジアミン、トリアミン、又はそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。1つの態様では、本開示のアミンは、C
6−22アルキルジメチルアミン、例えばC
8−18アルキルジメチルアミン、例えばC
12−16アルキルジメチルアミン、例えばC
12−14アルキルジメチルアミン、例えばC
16−18アルキルジメチルアミン、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。
【0038】
[0037]本開示のアミン化合物は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、又はそれらの組み合わせを採用することができる。1つの態様では、組成物は少なくとも1つの第三級アミンを含む。
【0039】
[0038]1つの態様では、R2及びR3は、それらが結合しているNとの組み合わせで、モルホリンのような複素環を形成することができる。モルホリンは、以下の一般式:
【0041】
を有することができる。R4基は、上記R1基と同様に定義される。例えば、R4は、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
1−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−20飽和又は不飽和基或いはC
6−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−10飽和又は不飽和基或いはC
6−22飽和又は不飽和基、例えばC
1−5飽和又は不飽和基或いはC
8−18飽和又は不飽和基であることができる。R1は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、又はアミノアルキル基であることができる。
【0042】
[0039]1つの態様では、モルホリンは、C
6−24アルキルモルホリン、例えばC
8−20アルキルモルホリン、例えばC
10−16アルキルモルホリン、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。1つの態様では、R4は、C
12アルキルなどのアルキル基であることができる。
【0043】
[0040]モルホリンは、モルホリン複素環の炭素上のH原子が置き換わっているか置換されている置換モルホリンでもよいことを理解すべきである。例えば、置換は、モルホリン複素環の2位、3位、5位、及び/又は6位に生じることができる。例えば、モルホリンは、先に特定したR4基に加えて、モルホリン複素環から分岐している第2の基を有することができる。第2の基は、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
1−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−20飽和又は不飽和基或いはC
6−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−10飽和又は不飽和基或いはC
6−22飽和又は不飽和基、例えばC
1−5飽和又は不飽和基或いはC
10−20飽和又は不飽和基、例えばC
15−C
20飽和又は不飽和基であることができる。この第2の基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、又はアミノアルキル基でもよい。
【0044】
[0041]モルホリンは、モルホリン複素環中のNにR4基が結合しているようなモルホリン誘導体であることができる。したがって、R4基は、複素環の4位に結合していることができる。
【0045】
[0042]1つの態様では、R2及びR3は、それらが結合しているNと組み合わさって、イミダゾリンのような複素環を形成することができる。イミダゾリンは、以下の一般式:
【0047】
を有することができる。
[0043]R5基は、上記R2又はR3基と同様に定義される。例えば、R5は、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
1−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−20飽和又は不飽和基、例えばC
1−10飽和又は不飽和基、例えばC
1−5飽和又は不飽和基であることができる。R5は、Hであるか、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、又はアミノアルキル基であることができる。1つの態様では、R5は、ヒドロキシアルキル基、例えばC
1−10ヒドロキシアルキル基、例えばC
1−5ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシエチル基であることができる。
【0048】
[0044]イミダゾリンは、イミダゾリン複素環の炭素上のH原子が置き換わっているか置換されている置換イミダゾリンでもよいことを理解すべきである。例えば、置換は、イミダゾリン複素環の2位、4位、及び/又は5位に生じることができる。上記のように、イミダゾリンは、2位においてR6基で置換されていてもよい。しかしながら、イミダゾリンは、R6がHであるような非置換でもよいことを理解すべきである。
【0049】
[0045]置換されている場合、R6は、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
6−40飽和又は不飽和基、例えばC
6−22飽和又は不飽和基、例えばC
10−20飽和又は不飽和基、例えばC
15−20飽和又は不飽和基であることができる。R6は、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であることができる。1つの態様では、R6は、アルケニル基、例えばC
10−20アルケニル基、例えばC
15−20アルケニル基、例えばC
17アルケニル基である。
【0050】
[0046]本開示のアミン化合物は、塩の形態で用いることもできる。塩は、上記アミン化合物のいずれかから形成することができる。塩は酸付加塩であることができる。塩を形成する酸は、無機酸でも有機酸でもよい。酸は、例えば、塩酸、カルボン酸などであることができる。
【0051】
[0047]本開示に従って用いることができる特定のアミン化合物としては、1−ドデシルアミン、ラウリルジメチルアミン、ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン、4−ドデシルモルホリン、及びそれらの塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0052】
[0048]1つの態様では、アミン化合物はアミンオキシドを含むことができる。
[0049]アミンオキシドは、以下の一般式:
【0054】
を有することができる。
[0050]R7は、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
6−40飽和又は不飽和基、例えばC
6−22飽和又は不飽和基、例えばC
6−18飽和又は不飽和基、例えばC
10−C
16飽和又は不飽和基であることができる。R7は、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であることができる。
【0055】
[0051]R8及びR9は、互いにそれぞれ独立して、Hであるか、直鎖、分岐鎖、環状、若しくはそれらの任意の組み合わせのC
1−40飽和又は不飽和基、例えばC
1−20飽和又は不飽和基、例えばC
1−10飽和又は不飽和基、例えばC
1−5飽和又は不飽和であることができる。R8及びR9は、互いにそれぞれ独立して、Hであるか、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、又はアミノアルキル基であることができる。1つの態様では、R8及びR9は異なっていることができる。他の態様では、R8及びR9は、同一であることができる。例えば、1つの態様では、R8及びR9は、メチル基などのC
1−5アルキル基であることができる。
【0056】
[0052]アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、及びアミノアルキル基は、当該分野で公知の任意の基であることができる。例えば、アルキル基としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、及びイコシルなどを挙げることができる。ヒドロキシアルキル基としては、限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどを挙げることができる。アルコキシ基としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどを挙げることができる。アミノアルキル基としては、限定されるものではないが、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなどを挙げることができる。しかしながら、基は、挙げたものに限定されるわけではないことを理解すべきである。これらの基は、R1に関して定義したC
6−40飽和又は不飽和基内、及びR8及びR9に関して定義したC
1−40飽和又は不飽和基内に、任意の数の炭素を含むことができる。
【0057】
[0053]本開示のアミンオキシドは、C
6−22アルキルジメチルアミンオキシド、例えばC
6−18アルキルジメチルアミンオキシド、例えばC
16−18アルキルジメチルアミンオキシド、例えばC
10−14アルキルジメチルアミンオキシド、例えばC
12−14アルキルジメチルアミンオキシド、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。
【0058】
[0054]例えば、本開示に従って用いることができるアミドオキシドの具体例としては、限定されるものではないが、ヘキシルジメチルアミンオキシド、ヘプチルジメチルアミンオキシド、オクチルジメチルアミンオキシド、ノニルジメチルアミンオキシド、n−デシルジメチルアミンオキシド、ウンデシルジメチルアミンオキシド、イソドデシルジメチルアミンオキシド、n−ドデシルジメチルアミンオキシド、ココジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、イソトリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0059】
[0055]1つの態様では、本開示のアミンオキシドは第三級アミンから得ることができ、例えばアミンオキシドはトリアルキルアミンオキシドである。1つの態様では、飽和又は不飽和基は、ココナツ、水素化獣脂、又はダイズで構成されることができる。1つの態様では、アミンオキシドはヤシ脂肪酸の混合物に由来し、例えばココジメチルアミンオキシドなどのココアルキルアミンオキシドである。
【0060】
[0056]1つの態様では、組成物は、1より多くのアミンオキシドを含むことができる。例えば、組成物は、上記アミンオキシドのいずれかを組み合わせて含むことができる。
[0057]1つの態様では、組成物は、少なくともドデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、及びヘキサデシルジメチルアミンオキシドの組み合わせを含むことができる。他の態様では、R1基が以下の鎖の分布を有するアミンオキシドの組み合わせを利用することができ、ここで、%はR1の全炭素鎖数に基づく:C
10(0〜10%、例えば0〜5%)、C
12(60〜80%、例えば65〜75%)、C
14(20〜40%、例えば25〜35%)、C
16(5〜15%、例えば5〜10%)、C
18(0〜10%、例えば0〜5%)。アミンオキシドの全R1基の平均鎖長は、約10〜約20炭素、例えば約11〜約17炭素、例えば約12〜約14炭素であることができる。したがって、該アミンオキシドは、主としてC
12アミンオキシド、例えばC
12ジメチルアミンオキシドで構成されることができ、C
12アミンオキシドは他のアミンオキシドより多量に存在する。
【0061】
[0058]本開示の組成物は、最初に配合して濃縮物にすることができ、その後、これを希釈して最終製品に加えることができる。さまざまな成分の相対量は、多くの要因に基づいて顕著に変動する。要因としては、用いる殺生物剤のタイプ、用いるアミン化合物のタイプ、最終用途、及び望ましい結果が挙げられる。1つの態様では、イソチアゾリンを含む第1の殺生物剤は、ピリチオンを含むことができる第2の殺生物剤に対して、約1:200〜約10:1、例えば約1:100〜約1:1の重量比で存在することができる。多くの用途の場合、第2の殺生物剤は、第1の殺生物剤より多量に存在する。例えば、第1の殺生物剤と第2の殺生物剤の重量比は、約1:10〜約1:1、例えば約1:8〜約1:2、例えば約1:6〜約1:4であることができる。
【0062】
[0059]アミン化合物に関する第1の殺生物剤の量は、約1:600〜約2:1、例えば約1:400〜約1:2であることができる。多くの用途に関し、アミン化合物は、第1の殺生物剤より多量に存在する。例えば、第1の殺生物剤とアミン化合物の重量比は、約1:100〜約1:2、例えば約1:40〜約1:3、例えば約1:10〜約1:3であることができる。
【0063】
[0060] アミン化合物単独又は第2の殺生物剤との組み合わせにより、組成物が、最小量の第1の殺生物剤を有しつつ依然として効果的であり続けることを可能にする。この点で、最終製品は、第1の殺生物剤を、約200ppm未満の量、例えば約150ppm未満の量、例えば約100ppm未満の量、例えば約75ppm未満の量、例えばさらに50ppm未満の量で含有することができる。一般に、第1の殺生物剤は、少なくとも5ppm、例えば少なくとも10ppm、例えば少なくとも20ppmの量で存在する。第2の殺生物剤は、約20ppm〜約1,000ppm、例えば約20ppm〜約500ppm、例えば約25ppm〜180ppmの量で存在することができる。他方、アミン化合物は、組成物中に、約100ppm〜約3,000ppmの量で存在することができる。例えば、アミン化合物は、約200ppmを超える量、例えば250ppmを超える量、例えば約300ppmを超える量、例えば400ppmを超える量で存在することができる。アミン化合物は、一般に、約3,000ppm未満、例えば約2,500ppm未満、例えば約2,000ppm未満、例えば約1,500ppm未満、例えば約1,200ppm未満の量で存在する。上記重量比及び濃度は、例えばアミン化合物の混合物を用いた場合は、各成分の全量に基づいている。
【0064】
[0061]第1の殺生物剤、所望により第2の殺生物剤、及びアミン化合物に加えて、該組成物は、さまざまな他の成分及び構成要素を含有することができる。1つの態様では、例えば、不要なトランスキレート化反応、例えば不要なピリチオンのトランスキレート化反応を抑制する亜鉛化合物が存在していてもよい。
【0065】
[0062]適した亜鉛化合物は、有機酸の亜鉛塩、無機酸の亜鉛塩、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される。実例となる亜鉛塩としては、塩化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛(「ヒドロキシ含有炭酸亜鉛」又は「ヒドロキシ炭酸亜鉛」としても知られ、さらに実験式Zn
5(OH)
6(CO
3)
2により確認される)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。亜鉛化合物は、抗微生物性組成物に金属イオン源を提供する。1つの態様では、本発明の組成物における使用に適した亜鉛化合物は酸化亜鉛である。
【0066】
[0063]亜鉛化合物は、最終製品中に、約45ppmの酸化亜鉛〜約600ppmの酸化亜鉛(約55ppmの酸化亜鉛〜約750ppmの酸化亜鉛)の量で存在することができる。
【0067】
[0064]他の態様では、該組成物は、任意の不溶性成分、とりわけ不溶性ピリチオンのための可溶化剤を含有することができる。可溶化剤はポリエチレンイミンを含むことができる。ポリエチレンイミンは、オリゴマー又はポリマーを含むことができる。ポリエチレンイミンは分岐構造を有することができ、約400ダルトン〜約100万ダルトンの分子量を有することができる。1つの態様では、より低分子量のポリエチレンイミンを用いる。例えば、分子量は、約200,000未満、例えば約100,000未満、例えば約50,000未満、例えば約20,000未満、例えば約10,000未満、例えば約5,000未満、例えば約2,000未満、例えば約1,000未満であることができる。
【0068】
[0065]組成物中に包含される場合、ポリエチレンイミンは、最終製品中に、約50ppm〜約1,000ppmの濃度で存在することができる。
[0066]1つの態様では、該組成物はさらに、1種以上の界面活性剤を含有することができる。スルフェート部分を有する好適なアニオン性界面活性剤としては、式RSO
4M[式中、Rは、鎖の主鎖に約10〜約18原子を含有する鎖であり、Mは、アンモニウムなどのカチオン;トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;ナトリウム及びカリウムなどの一価金属;並びにマグネシウム及びカルシウムなどの多価金属である]により表されるスルフェートが挙げられる。1つの態様では、スルフェート部分を有するアニオン性界面活性剤は、Rが10〜18炭素原子、好ましくは10〜16炭素原子、より好ましくは10〜14炭素原子を有するアルキルである、アルキル硫酸塩である。Rは直鎖又は分岐鎖であることができる。Rが直鎖であると有利である。1つの態様では、Rはオクチル基である。
【0069】
[0067]代表的なアルキル硫酸塩としては、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシル硫酸トリエチルアミン、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシル硫酸モノエタノールアミン、ドデシル硫酸ジエタノールアミン、及びドデシル硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0070】
[0068]スルホネート部分を有する好適なアニオン性界面活性剤としては、式RSO
3M[式中、Rは、鎖の主鎖に10〜18原子を含有する直鎖又は分岐鎖であり、Mは、アンモニウムなどのカチオン;トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;ナトリウム及びカリウムなどの一価金属;並びにマグネシウム及びカルシウムなどの多価金属である]を有するスルホネートが挙げられる。1つの態様では、Rは、主鎖にスクシネート基を含有する。他の態様では、Rは、約10〜約18炭素原子、好ましくは約10〜約16炭素原子、より好ましくは約10〜約14炭素原子を含有するアルキル基である。
【0071】
[0069]本発明の組成物に好適な代表的スルホネートとしては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、並びに第一級及び第二級アルキルスルホン酸塩が挙げられる。
[0070]好適なアニオン性界面活性剤(ii)は、アルキルアリールスルホン酸又はその塩であり、ここで、アルキル部分は約10〜約18炭素原子を含有し、アリール部分はベンジル又は置換ベンジル基を含有する。1つの態様では、アルキルアリールスルホン酸は、式
【0073】
[式中、Rは、約10〜約18、好ましくは10〜16、より好ましくは10〜14炭素原子を有するアルキルである]により表される。1つの態様では、RはC12アルキル基である。
【0074】
[0071]界面活性剤が存在するか否かは、該組成物の最終用途に依存し得る。この関連で、該組成物(濃縮物又は最終製品)は、乳化剤、稠度因子(consistency factor)、緩和剤(emollient)、増粘剤、充填剤、潤滑剤、香料などを含有することができる。
【0075】
[0072]上記のような本開示の組成物は、濃縮物として配合して、非常に多くの異なる製品に組み込むことができる。1つの態様では、例えば、該組成物は、コーティング組成物に包含されることができる。コーティング組成物は、塗料、ラテックスエマルション、ポリマーエマルション、接着剤、シーラント、コーキング材、鉱石また顔料スラリー、印刷インク、殺虫剤配合物、家庭用製品、パーソナルケア製品、金属加工用流体などを含むことができる。これに加えて、該組成物は、任意の適した建築用材料に包含されることができる。
【0076】
[0073]一般に、本開示の組成物は、任意の適したパーソナルケア製品に組み込むことができる。例えば、パーソナルケア製品は、化粧品配合物、例えば、美顔用クリーム、化粧落とし、又はマスカラを含むことができる。パーソナルケア製品は、シャンプー、コンディショナー、又は化粧水を含むこともできる。パーソナルケア製品は、使用者の皮膚又は髪への局所施用のための任意の製品を含むことができる。
【0077】
[0074]パーソナルケア製品に組み込まれる場合、該製品は、乳化剤、稠度因子、緩和剤、及び/又は活性構成要素を含有することができる。
[0075]好適な乳化剤は、例えば、脂肪酸の塩、例えばステアリン酸ナトリウム若しくはパルミチン酸ナトリウム、有機セッケン、例えばモノ−、ジ−、若しくはトリエタノールアミノエート(triethanolaminoeate)、硫酸化若しくはスルホン化化合物、例えばラウリル硫酸ナトリウム若しくはセチルスルホン酸ナトリウム、サポニン、ラメポン(lamepons)のような、アニオン性物質;第四級アンモニウム塩のようなカチオン性物質;脂肪族アルコール、飽和若しくは不飽和脂肪酸を伴う脂肪酸エステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル若しくはポリオキシエチレンエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド若しくはプロピレングリコール由来のポリマーのような、非イオン性物質;ホスファチドのような両性物質;ゼラチン、カゼインアルキルアミドベタイン、アルキルベタイン、及びアンホグリシネート(amphoglycinate)のようなタンパク質;アルキルホスフェート、アルキルポリオキシエチレンホスフェート、若しくは対応する酸、シリコーン誘導体、例えばアルキルジメチコンコポリオールである。
【0078】
[0076]好適な稠度因子は、例えば、脂肪族アルコール又はそれと脂肪酸エステルとの混合物、例えば、アセチル化ラノリンアルコール、ステアリン酸アルミニウム、カルボマー、セチルアルコール、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル(及び)PEG100ステアレート、ステアリン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、蜜蝋及びその合成同等物、カルボマーなどである。好適なコンディショナーは、例えば、アルキルアミドアンモニウムラクテート、塩化セトリモニウム及びジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート及びセテアリルアルコール、セチルジメチコン、リシノール酸セチル、ジメチコン、ラウレス−23、ラウレス−4、ポリデセン、パルミチン酸レチニル、四級化タンパク質加水分解物、四級化セルロース及びデンプン誘導体、アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくは塩の四級化コポリマー、四級化シリコーン誘導体である。
【0079】
[0077]好適な緩和剤は、例えば、イソノナン酸セテアリル、オクタン酸セテアリル、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソオクチル、ココカプリレート/カプレート、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、イソノナン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチル酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸ヘキシル、流動パラフィン(paraffinum liquidum)、PEG−75ラノリン、PEG−7グリセリルココエート(glyceryl cocoate)、ペトロラタム、オゾケライトシクロメチコン(ozokerite cyclomethicone)、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジカプリリルエーテル、ブチロスペルマムパルキイ(butyrospermum parkii)、ブクサスキネンシス(buxus chinensis)、カノーラ、カルナウバセラ(carnauba cera)、コペルニシアセリフェラ(copernicia cerifera)、オエノセラビエニス(oenothera biennis)、ギニアアブラヤシ(elaeis guineensis)、プルナスダルシス(prunus dulcis)、スクアラン、ジーメイス(zea mays)、グリシンソヤ(glycine soja)、ヘリアンサスアナス(helianthus annuus)、ラノリン、水素化ヒマシ油、水素化ヤシ油、水素化ポリイソブテン、スクロースココエート、ステアロキシジメチコン、ラノリンアルコール、イソヘキサデカンである。
【0080】
[0078]該組成物は、活性構成要素、例えば、抗微生物剤、抗炎症剤、植物抽出物、ビサボロール、パンテノール、トコフェロール、抗刺痛(anti-stinging)、抗刺激、若しくはフケ予防用の活性物質、又はレチノール、メリビオースなどのような老化防止剤をさらに含有することができる。他の好適な活性物質は、例えば、Medicago officinalis、Actinidia chinensis、アラントイン、Aloe barbadensis、Anona cherimolia、Anthemis nobilis、Arachis hypogaea、Arnica Montana、Avena sativa、β−カロテン、ビサボロール、Borago officinalis、ブチレングリコール、Calendula officinalis、チャノキ、ショウノウ、カンジダ・ボンビコラ、カプリロイルグリシン、Carica papaya、Centaurea cyanus、塩化セチルピリジニウム、Chamomilla recutita、Chenopodium quinoa、Chinchona succirubra、Chondrus crispus、オレンジ、ブンタン、シトラスレモン、Cocos nucifera、アラビカコーヒーノキ、サンザシ、メロン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、Enteromorpha compressa、Equisetum arvense、エトキシジグリコール、エチルパンテノール、ファルネソール、フェルラ酸、Fragaria chiloensis、Gentiana lutea、Ginkgo biloba、グリセリン、ラウリン酸グリセリル、Glycyrrhiza glabra、Hamamelis virginiana、ヘリオトロピン、水素化パームグリセリド、シトレート、加水分解ヒマシ油、加水分解コムギタンパク質、Hypericum perforatum、Iris florentina、Juniperus communis、Lactis proteinum、ラクトース、Lawsonia inermis、リナロオール、Linum usitatissimum、リシン、アスパラギン酸マグネシウム、Magnifera indica、Malva sylvestris、マンニトール、mel Melaleuca alternifolia、Mentha piperita、メントール、乳酸メンチル、Mimosa tenuiflora、Nymphaea alba、オラフルル、Oryza sativa、パンテノール、流動パラフィン、PEG−20M、PEG−26ホホバ酸、PEG−26ホホバアルコール、PEG−35ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−8カプリル酸/カプリン酸、Persea gratissima、ペトロラタム、アスパラギン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、Prunus amygdalus dulcis、Prunus armeniaca、Prunus persica、パルミチン酸レチニル、Ricinus communis、Rosa canina、Rosmarinus officinalis、Rubus idaeus、サリチル酸、Sambucus nigra、サルコシン、Serenoa serrulata、Simmondsia chinensis、カルボキシメチルベータグルカンナトリウム、ナトリウムココイルアミノ酸、ヒアルロン酸ナトリウム、パルミトイルプロリンナトリウム、ステアロキシトリメチルシラン、ステアリルアルコール、硫化TEA−リシノールエート、タルク、コモンタイム、フユボタイジュ、トコフェロール、酢酸トコフェリル、トリデセス−9、トリチクムブルガレ(triticum vulgare)、チロシン、ウンデシレノイルグリシン、尿素、セイヨウスノキ、バリン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛である。
【0081】
[0079]本開示は、以下の実施例を参照して、よりよく理解することができる。
実施例
[0080]以下の実施例で用いる略語:
BIT=1,2ベンズイソチアゾリン−3−オン
ZnPT=亜鉛ピリチオン
BBIT=n−ブチルベンズイソチアゾリン
DDA=1−ドデシルアミン
【0083】
DMODA=N,N−ジメチルオクタデシルアミン
【0085】
CDMAオキシド=ココジメチルアミンオキシド
【0087】
DMOAオキシド=N,N−ジメチルオクチルアミン−n−オキシド
【実施例1】
【0093】
[0081]以下の最小発育阻止濃度試験(「MIC」)を実施して、アミン化合物がピリチオン及びイソチアゾリンに対して殺生物剤増強効果を有するか否かどうか決定した。
微生物:緑膿菌 ATCC 15442
MIC設定:96ウェルのマイクロタイタープレート最小発育阻止濃度(MIC)試験を、試験生体に好適なブロス中で実施した。滅菌水で段階希釈した活性物質を調製し、効力範囲に応じて開始濃度を変動させた。2倍濃度の好適なブロス中に調製した接種材料を各ウェルに加え、細菌の最終濃度を約5×10
5に調整した。
【0094】
【表1】
【0095】
上記のように、DMODA及びDDAはともに、亜鉛ピリチオンの有効性を増強する。
【0096】
【表2】
【0097】
上記のように、DDAは、イソチアゾリンに対し増強効果を有していた。
【実施例2】
【0098】
[0082]さらに、さまざまなアミン化合物を、ピリチオン及び2つの異なるイソチアゾリンと組み合わせて用いて、MIC試験を実施した。実施例1に記載の手順を用いた。以下の結果を得た:
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【実施例3】
【0102】
[0083]以下の実験において、本開示に従ったピリチオン、イソチアゾリン、及び殺生物剤増強剤を、標準的なアクリル塗料と組み合わせた。ピリチオン、イソチアゾリン、及び殺生物剤増強剤の濃度を変動させた。ピリチオン、イソチアゾリン、及び殺生物剤増強剤を、単独で又はさまざまな混合物で、標準的なアクリル塗料に加えた。
【0103】
[0084]その後、該アクリル塗料に、混合細菌接種材料を3回接種した。水中の細菌懸濁液を含む細菌接種材料は、以下の4種の細菌を等しい割合で含有していた。
【0104】
【表6】
【0105】
接種後24、48、及び72時間目に、試料を画線プレーティングした。画線プレートを以下のように評価した。
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】
【表11】
【0111】
【表12】
【0112】
[0085]上記のように、アミン化合物は、ピリチオン及び特にイソチアゾリンの殺生物特性を増強することが示された。
[0086]当業者であれば、添付の特許請求の範囲においてより詳細に記載する本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明へのこれら及び他の修正及び変動を実施することができる。加えて、さまざまな態様の観点は、全体的にも部分的にも交換できることを理解すべきである。さらに、当業者であれば、上記記載は一例に過ぎず、添付の特許請求の範囲においてさらに記載される本発明を限定するものではないことを理解するであろう。