(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モータ取付板の側面に当接し、前記第1固定部から第2固定部へ連なって立設したビードを第1固定部と第2固定部に備えることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機に於いては、送風ファンにより吸い込んだ室内空気を、熱交換器に通過させることにより冷却または加熱して室内へと返流させるが、空気中に浮遊する塵埃が熱交換器を汚染するのを防止するため、熱交換器の前面側にエアフィルタが設けられている。このフィルタに塵埃が付着して目詰まりが生じ通風抵抗が増大すると、熱交換が妨げられるために空気調和機の空調能力が低下すると共に、消費電力が増大する。このような不都合を解消するため、フィルタの自動清掃機能を供えた空気調和機が種々提案されている。
【0003】
フィルタを自動的に清掃する場合、フィルタの全面を清掃ブラシで掃除するため、フィルタと清掃ブラシとの少なくともいずれか一方を移動させる必要がある。
フィルタを移動させる方式では、外枠の上面や前面に吸込口を備え、この吸込口の内面側に沿って配された板状のフィルターと、このフィルターを移動させる移動経路と、この移動経路の途中に配され前記フィルターを清掃する清掃手段と、前記移動経路内のフィルタを移動させる移送手段とを備え、前記移動経路は吸込口の内面側に沿って形成されると共に、内部に配置される熱交換器との間の前方側空間部でU字状に折り返して形成され、更に、フィルタを通常使用位置に保持する通常ガイド部と、この通常ガイド部の一端部に連なると共に、湾曲部に対向して接触する回転ブラシと、このブラシで掻き取ったゴミを蓄えるダストボックスとを備え、前記フィルタを移動させることによって、通常ガイド部の一端部に位置するフィルタの先端部が、通常ガイド部から湾曲部でU字状に折返されて前記ブラシによって自動清掃を行うものがある。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
また、清掃手段(清掃ブラシやダストボックス等)とフィルタ移送手段(フィルタ巻き取り装置等)を外枠内の上部後方でフィルタの先端部分に設けて、フィルタ先端を巻き取りながらブラシによって自動清掃を行うものがある。(例えば、特許文献2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これら従来例の空気調和機では、ダストボックスの容積が小さいために
フィルタ清掃で掻き取ったゴミを貯留する能力も小さいものであり、ダストボックスの容積を拡大するために、ダストボックスの設置スペースを大きく設ければ、空気調和機の全体寸法が大きくなり製造コストの上昇や、美観も損ねる懸念が有る。
また、
フィルタの清掃手段は構造が複雑であるために部品点数も多く、組み立て費用を含めた製造コストが上昇する問題が有る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、特にその構成を、後板と前面カバーとオープンパネルとを備えた枠体を有し、前記枠体の上面に吸込口と、前記枠体の底面に吹出口と、前記吸込口と吹出口を連通し、前記吸込口から吸い込んだ室内空気を吹出口から送風する送風経路と、前記送風経路の吸込口内面側に沿って設けた
フィルタと、前記
フィルタと吹出口の間の送風経路に備えた熱交換器と、前記後板の背面側に設けた
フィルタ案内板と、前記後板の上部に設けた
フィルタ掃除手段と、前記
フィルタ案内板の後方に背面板と、を備え、前記後板とフィルタ案内板との間に第1空間を有し、前記
フィルタ案内板と背面板の間に第2空間を有し、前記
フィルタ掃除手段は、前記フィルタを第1空間へ送って
フィルタに付着したゴミを除去し、前記第2空間は、前記フィルタ掃除手段にて除去したゴミを下部に落下して集積するダストシュータで構成し、前記
フィルタの左右端部にはラックを有し、前記
フィルタ掃除手段は、前記ラックに係合して
フィルタを空間側へ送る駆動歯車と、前記駆動歯車を回転するための送りモータと、前記送りモータの回転を駆動歯車へ伝達する第1伝達手段と、前記
フィルタの表面に付着したゴミを取り除くブラシと、前記ブラシを回転するためのブラシモータと、前記ブラシモータの回転をブラシへ伝達する第2伝達手段と、前記ブラシに付着したゴミをダストシュータ側へ掻き落とすクシ歯部と、で構成し、モータ取付板に前記送りモータと第1伝達手段、ブラシモータ、第2伝達手段を取り付けてモータユニットを形成し、前記モータユニットは背面板と後板と前面カバーによって挟持して固定するようにした。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、駆動歯車と送りモータ、第1伝達手段、ブラシモータ、第2伝達手段とでモータユニットを形成し、このモータユニットは背面板と後板と前面カバーによって挟持して固定することで、室内機へのモータユニットの組付け作業を容易にすることで、製造コストの上昇を少なくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この発明の空気調和機の実施の形態について、図面を基に説明する。1はセパレート式空気調和機の室内機で、背面板2と後板3と前面カバー4とオープンパネル5で外枠6を形成し、前記前面カバー4の前面に位置する前記オープンパネル5上部左右に設けた支軸(図示せず)を支点として前面カバー4の前方へ開閉自在に取付られる。
【0011】
前記前面カバー4の上面には横長格子状の吸込口7を備え、前面カバー4の下方から底面には斜め前方に温度調節された空気を吹き出す横長の吹出口8を設け、吸込口7から吹出口8の間に送風経路9を形成している。この送風経路9の前記吸込口7内側には、吸込空気内に混在するゴミを取り除く左右一対のエアーフィルタ10を有し、このエアーフィルタ10の更に内側(下流側)には、横長のフィンチューブ式の熱交換器11を有し、その前後方向の中間部を頂部として側面視で逆V字状に配置されている。また前記熱交換器11の下方には横長のクロスフローファンから成る送風ファン12を、前記吹出口8には運転時に上下方向の吹出風の風向を調整すると共に、停止時には自動的に吹出口8を閉じる上下風向板13と左右方向の吹出風の風向を調整する左右風向板14を有している。
【0012】
15はブラシユニットで、横長格子状の縦枠16と横枠17で前記吸込口7を形成するユニット枠18の先端にエアーフィルタ10の掃除を自動で実施するためのブラシ19と、エアーフィルタ10を背面側に移動させるフィルタ駆動部20を有している。また、前記ユニット枠18は後ろ側の両端に突出する左右端部21を有し、この左右端部21にそれぞれブラシ取付孔22を形成し、このブラシ取付孔22にブラシ19の回転軸23を挿入することでブラシ19はブラシ取付孔22を中心に回転する。また、前記左右端部21のブラシ取付孔22よりも前方で左右外側には一対のスライド突起24を有し、ブラシユニット15着脱時のガイドとして使用する。また、縦枠16の前端外側には左右一対の係止突起25を有し、ブラシユニット15装着時のストッパとして使用する。また前記縦枠16のスライド突起24よりも更に前方にはフィルタ駆動部取付孔26を備えている。また、左右の縦枠16の内側面にはエアーフィルタ10が移動する際にガイドの役目をするスライド溝27を備えている。また、前記ブラシ19の両端にはブラシ19の回転力を伝えるブラシ歯車28を有している。
【0013】
前記フィルタ駆動部20はアルミニューム製の棒から成る駆動軸29と、この駆動軸29の両端に貫通固定した一対の駆動歯車30を有する。また駆動歯車30よりも外側に駆動軸29が突出してフィルタ駆動部取付孔26に挿入することでフィルタ駆動部20はフィルタ駆動部取付孔26を中心に回転する。
【0014】
40はモータユニットで前記ブラシ19の駆動源となるブラシモータ41と、フィルタ駆動部20の駆動源となる送りモータ42を有している。このブラシモータ41と送りモータ42は正逆回転可能なステップモータを使用し、制御部43からの信号に応じてブラシ19とフィルタ駆動部20を作動して
フィルタの自動掃除を行う。
【0015】
44はモータ取付板で、前記エアーフィルタ10に接しない面にブラシモータ41と送りモータ42をネジ止めする。前記ブラシモータ41にはブラシモータ軸45を、
前記送りモータ42には送りモータ軸46を有している。また、前記モータ取付板44のエアーフィルタ10に対向する面に、ブラシモータ41の回転をブラシ19へ伝達する連動ギア47(第2伝達手段)と、送りモータ42の回転を駆動歯車30へ伝達する連動ギア48(第1伝達手段)を備え、モータ取付板44に形成した貫通孔49・50で貫通して接続する。前記連動ギア47・48はそれぞれ多数の歯車や軸が組み合わされることで、各モータ41・42の回転速度やトルクを適宜に調整して、ブラシ19や駆動歯車30へ回転を伝達する。51はギアカバーで、前記連動ギア47・48を覆うと共に軸孔52・53を備え、前記貫通孔49・50と軸孔52・53の間に連動ギア47・48を回動自在に保持する。また、ギアカバー51はモータ取付板44の端部に設けた爪部54と係止部55で係止してモータ取付板44に取り付ける。
【0016】
また、前記モータ取付板44は背面板2や後板3に接する底部56と、この底部56から上方に直立する壁部57を有し、この壁部57の上端やギアカバー51には、前記前面カバー4と接する上当接部58を備えている。また、前記底部56に連なる背面には背面板2と接する背面当接部59を、前記底部56に連なる前方には後板3と傾斜して接する前部当接部60を有している。また、モータユニット40は1つのエアーフィルタ10に対して1セット備えられ、先に説明した室内機1の左側に配置されたエアーフィルタ10に対応するモータユニット40を左モータユニット40Lとし、この左モータユニット40Lと左右対称形の構成を備え、室内機1の右側に配置されたエアーフィルタ10に対応する右モータユニット40Rを有している。
【0017】
前記背面板2は室内機1の最後部を構成し、背面上部には室内の壁面に取り付けるための据付板(図示せず)に係止する係止凹部61と、背面下部には据付板に爪引っ掛けで固定するための係止部62を有している。また、背面板2の前面側には前記ブラシユニット15とモータユニット40側から落下してくるゴミを下方に送るダストシュータ63(第2空間)の後面64を備え、この後面64から前方側に垂直に立設する複数の側壁65を有している。
【0018】
前記背面板2の左側外枠66と前記側壁65の間の上方部分に水平に台座67(第1固定部)を形成し、この台座67に2本の平行な第1ビード68と、前記後面64側には第1ビード68から連続する第2ビード69を有している。また、前記側壁65の左側上部と背面板2の左側外枠66と後面64と台座67との間に、前記左モータユニット40Lが取り付けられる空間としての左モータユニット取付部70を有している。また、右端の側壁65の右側上部で右側中枠71との間には、前記左モータユニット取付部70と同様に台座67が備えられ、第1ビード68、第2ビード69が形成された右モータユニット取付部72を有している。73は前記外枠6の右側外枠。また、前記後面64の中央稍上部には4つの円柱が立設されたフィルタ案内板74を固定する固定用円柱75を有している。
【0019】
前記フィルタ案内板74の中央稍上部には前記固定用円柱75に対向して固定孔76が左右一対備えられ、フィルタ案内板74を背面板2にネジ止め固定する。また、フィルタ案内板74の背面は前記ダストシュータ63(第2空間)の前面77を形成し、この前面77と後面64の間をゴミが落下する。
【0020】
83は前記フィルタ案内板74の上端に平行に備えたクシ歯部で、クシ歯部83の先端がブラシ19に食い込んで、ブラシ19で掻き取ったエアーフィルタ10のゴミをブラシ19から分離してダストシュータ63側へ落とすようにはたらく。クシ歯部83は先端をブラシ19の回転軸23の方向に向かって突出し、ブラシ19の毛量や剛性に応じてブラシ19の食い込み量を、ブラシ19とクシ歯部83の距離を可変して調整できる。84は前記フィルタ案内板74の左右端に後板3方向に突出して備えた側板で、
フィルタ清掃の際にエアーフィルタ10の左右端がスライドする案内溝85を有している。また、
フィルタ清掃の際には後板3とフィルタ案内板74の間の空間であるフィルタ経路86(第1空間)内をフィルタ10が上下方向に摺動する。87は後板3上面の左右に備えた一対の前面カバー取付片で、先端部には上方向に係止用の突起88を有してる。
【0021】
前記後板3の上部にはブラシユニット15やモータユニット40を取り付ける開口部89を有している。90は後部ドレンパンで、上方に前記熱交換器11の後部が配置され、冷房運転時には熱交換器11後部から発生する結露水を集積排水する。91はケーシングで、前方には所定の空間を隔てて前記送風ファン12を備えている。送風ファン12は横長円柱状で多数の羽根を有するクロスフロー型のファンで、ケーシング91の左側面92に取り付ける軸受け(図示せず)と、ケーシング91の右側面93の右側に取り付けられる送風モータ94の回動軸95との間で垂直方向に回転する。96は左右端部と中央の上下等に備える取付孔で、背面板2に立設した取付リブ97等に取付孔96を貫通してネジ止め固定する。98は前記背面板2の台座67から水平に連続する前台座(第2固定部)で、上面には背面板2の第1ビード68から連なる第3ビード99を備え、更に前台座98の前方部分を傾斜部100にて上方に約45度傾斜する。これによって、モータ取付板44の底部56、背面当接部59、前部当接部60を、前記後板3の傾斜部100と前台座98、および背面板2の台座67とそれぞれに備える第1ビード68、第2ビード69、第3ビード99で囲まれる空間にモータユニット40を極めて簡単にスライドしてセットすることができる様に形成される。
【0022】
101は前部ドレンパンで、上方に前記熱交換器11の前部が配置され、冷房運転時には熱交換器11前部から発生する結露水を集積排水する。また、前部ドレンパン101の左右端には取付脚(図示せず)を備え、この取付脚を後板3に嵌め込んで取り付けられる。102はダストボックスで、後板3の底面で前記ダストシュータ63の下部に備えるゴミ排出口103に下方から着脱自在に取り付ける。エアーフィルタ10の自動掃除で発生したゴミを数ヶ月から1年の間蓄えることのできる充分な容積を備えている。104は後板3下部の左右端に一対設けた前面カバー取付孔で、前面カバー4の下部をネジ止め固定する。105は後板3の左側外枠で、前記背面板2の左側外枠66に連なって略同一な面を形成する。106は後板3の右側外枠で、前記背面板2の右側外枠73に連なって略同一な面を形成する。
【0023】
前記前面カバー4は左側板110と右側板111の間の上面を繋ぐ上フレーム112と、底面を繋ぐ下フレーム113と、前面中央より稍下方を繋ぐ前フレーム114と、左右方向の略中央で上フレーム112と前フレーム114を垂直に接続する中央フレーム115とを備えている。左側板110と中央フレーム115の上部内側には、
前記ブラシユニット15のスライド突起24を案内する溝116と、この溝116の前方に係止部117とを有し、この溝116によってブラシユニット15のスライド突起24を案内し、ブラシユニット15が最後部に突き当たった状態で、ブラシユニット15の係止突起25が係止部117に嵌り込み、ブラシユニット15をセットすることができる。
【0024】
118は前記溝116の下方に備えたフィルタ溝で、ブラシユニット15のスライド溝27に連続して接続され、前記エアーフィルタ10の左右端部を保持する。フィルタ溝118の下端にはフィルタ挿入部119を備え、方形状で柔軟性を有するエアーフィルタ10をフィルタ挿入部119からフィルタ10の先端がブラシ19とフィルタ駆動部20まで差し込むとフィルタ10の通常状態(空気調和機運転時の位置)にセットされる。120は上フレーム112の左右と中央の上面に貫通して設けた取付孔で、前記背面板2の前面カバー取付片87先端の突起88が係止して前面カバー4上部を固定する。また、前面カバー4上部を係止後に前面カバー4下部を下部取付孔(図示せず)で後板3にネジ止め固定する。前フレーム114と下フレーム113の間には前記吹出口8が形成され吹出口8の左右方向の略中央には前フレーム114と下フレーム113を垂直に補強する補強フレーム121を備え、吹出口8下部の下フレーム113には回動自在に取り付けられた前記左右風向板14を有している。また、吹出口8の側壁には回動自在に前記上下風向板13を有している。
【0025】
前記上フレーム112の底面で、前記モータユニット40の当接部58に対向する部分には上押さえ部122(第3固定部)を形成し、モータユニット40の当接部58を押圧することで、モータユニット40は背面板2と後板3と前面カバー4によって挟持して固定し、室内機1へのモータユニット40の組付け作業を簡単にすることができる。これによって、製造コストを少なくすることができる。
【0026】
前記エアーフィルタ10は方形状で多数の縦桟124と横桟125に、樹脂製の網126を溶着して設けられ、両端の縦桟124にはフィルタ駆動部20の駆動歯車30と噛み合うラック127を有している。フィルタ清掃時には駆動歯車30の回転によりフィルタ10が駆動歯車30とブラシ19の間を通過してフィルタ案内板74の方向に送られる。また、駆動歯車30とブラシ19の間を通過する際にはエアーフィルタ10の表面に付着したゴミをブラシ19で除去する。フィルタ掃除手段は前記ラック127に係合して
フィルタ10をフィルタ案内板74側へ送る駆動歯車30と、駆動歯車30を回転する送りモータ42と
フィルタ10の表面に付着したゴミを取り除くブラシ19と、ブラシ19を回転するブラシモータ41と、ブラシ19に付着したゴミをダストシュータ63側へ掻き落とすクシ歯部83で構成される。
【0027】
前記オープンパネル5は、前面カバ−4の上部左右両端に備えた一対の係止軸(図示せず)に対向して係止部(図示せず)を中心に回動自在に設け、オープンパネル5の下部両端は前面カバ−4の前フレーム114に係止して固定される。
【0028】
前記制御部43は入力側には運転スイッチ(図示せず)やタイマースイッチ(図示せず)等のスイッチ類を備えた操作部128と、室温センサ129と、湿度センサ130と、熱交センサ131や、前記フィルタ案内板74のフィルタ経路86(第1空間)に装着され、フィルタ10の位置を検知する
フィルタセンサ132等が接続されている。また、制御部43の出力側には前記送風モータ93や、熱源機である室外機(図示せず)と接続する室外信号線133や、左右に2セット備えたブラシモータ41、送りモータ42等が接続されている。
フィルタセンサ132は押圧式のマイクロスイッチでフィルタ10の先端の到達を検知する。
【0029】
室内機1の組立手順について説明する。まず、背面板2の固定用円柱75にフィルタ案内板79の固定孔81で4か所ネジ止めして、背面板2の前方にフィルタ案内板74を固定する。次に、フィルタ案内板74の更に前方に後板3を取り付ける。背面板2に立設した取付リブ97に後板3の取付孔96を貫通して6か所ネジ止め固定することで後板3が背面板2に固定される。次に、左モータユニット取付部70に於いて、左モータユニット40Lのモータ取付板44を背面板2と後板3に形成した台座67、前台座98の第1ビード68、第2ビード69、第3ビード99をガイドにて台座67、前台座98の上に載せる。同様にして右モータユニット40Rを右モータユニット取付部72に載せる。
【0030】
次に、ケーシング91の前方で左側面92と右側面93の間に送風ファン12が位置するように軸受けや送風モータ94と共に固定する。次に、前部ドレンパン101を送風ファン12の前方に取り付けた後に、熱交換器11を前部ドレンパン101と後部ドレンパン90を跨いで取り付ける。また、後板3底面のゴミ排出口103に下方からダストボックス102を取り付ける。
【0031】
次に、前面カバー4の背面板2、後板3への組み立て方について説明する。まず、背面板2の左右と中央に備えた前面カバー取付片87の突起88を、前面カバ−4の上フレーム112に備えた取付孔120に係止する。次に、取付孔120の係止状態で前面カバー4の全体を回動して前面カバー4を後板3に密着させ、前面カバー4の下部両端に一対備えた取付孔(図示せず)を貫通して後板3の前面カバー取付孔104にネジ止め固定する。このとき、上押さえ部122(第3固定部)がモータユニット40の当接部58を上方からしっかり押圧することで、背面板2の台座67(第1固定部)や後板3の前台座98(第2固定部)との間に確実に固定される。また、モータユニット40は背面板2の第1ビード68と第2ビード69や、後板3の第3ビード99によってモータ取付板44の左右方向の位置ずれを防止する。
【0032】
次に、ブラシユニット15を前面カバー4の前方から左右に備えたスライド突起24を前面カバー4の溝116に沿って後方へスライドさせ案内し、ブラシユニット15が最後部に突き当たった状態で、ブラシユニット15の係止突起25が前面カバー4の係止部117に嵌り込み、ブラシユニット15がセットされる。
【0033】
次に、エアーフィルタ10をフィルタ挿入部119から挿入する。フィルタ10の先端は
フィルタ溝118からユニット枠18のスライド溝27を経由してブラシ19とフィルタ駆動部20の位置に突き当たってフィルタ10のセットが完了する。この位置が室内機の通常運転時のフィルタ位置になる。次に、オープンパネル5を前面カバ−4の上フレーム112と前フレーム114に係止して取り付ければ室内機1の組立が完了する。
【0034】
フィルタ10の自動掃除運転の作動について説明する。室内機1が空調運転を行うと
フィルタ10には室内に漂う空気中のゴミが吸込空気に混じって集積する、運転時間が長くなれば集積するゴミが多くなり熱交換器11の熱交換効率が低下する前にフィルタ10の掃除が必要になる。制御部43で運転積算時間やその他掃除のタイミングを決定してフィルタ10の自動掃除運転を開始する。ブラシモータ41と送りモータ42が回転を開始し、各モータの回転力がブラシ歯車28と駆動歯車30に伝わり、ブラシ19とフィルタ駆動部20か回転を開始する。フィルタ駆動部20の回転によってフィルタ10のラック127が噛み合い、フィルタ10が後方のフィルタ経路86(第1空間)側に徐々に引き込まれる。これと一緒にブラシ19が回転してフィルタ10の上面側に集積したゴミを取り除く。ブラシ19に付着したゴミはフィルタ案内板74のクシ歯部83でダストシュータ63側に掻き落とされて、ダストシュータ63内を落下しダストボックス100に集積する。
【0035】
フィルタ10の先端がフィルタ経路86の下端に備えたフィルタセンサ132の位置に到達することで、送りモータ42が逆回転に反転し、フィルタ10は前面カバー4のフィルタ挿入部119側に戻っていく、この時ブラシモータ41は正回転のまま回転を続けることでブラシ19やクシ歯部83のゴミが逆戻りすることはない。このようなフィルタ10の往復動作(掃除動作)を数回繰り返せば、フィルタ10の掃除を確実にきれいにできる。そして、次回の自動掃除のタイミングが訪れるまで通常の空調運転を行うことを繰り返す。自動掃除運転の間隔は積算時間だけでなく、単純に時刻や曜日など色々に設定できる。また、操作部128やリモコン(図示せず)に手動掃除ボタンを設ければ、使用者だ手動で掃除運転を行うことができる。ダストボックス102に溜まったゴミは後板3のゴミ排出口103からダストボックス102を下方に取り外して行う。
【0036】
このようにすることで、ゴミ捨て作業は数ヶ月または1年に1回等必要に応じて行われるが、ダストシュータ63下部に取り除いたゴミを集積し、大きなゴミ溜め空間を確保でき、空気調和機の全体寸法も比較的小さくでき、美観も向上できる。また、大きなゴミ溜め空間を確保することで、ゴミ捨て作業の回数も少なくすることができ、ゴミが充満するすることが原因で発生するゴミの漏出や故障を防止できる。また、フィルタ10がブラシ19と
フィルタ駆動部20の間を通過する前後の変形角度も比較的小さいのでフィルタ10を痛めることも少なくなり、これによってフィルタ10が切れたり破れたりする故障も少なくすることができる。また、フィルタ案内板74を背面板2と後板3の間に設けることで、
フィルタ経路86を確実に確保することで自動掃除運転時のフィルタ10の移動を極めてスムーズに行うことができる。また、モータユニット40が所定の位置に適確に固定されているので、ブラシモータ41や送りモータ42の回転を、ブラシ19や
フィルタ駆動部20にスムーズに伝達することができる。また、モータユニット40が所定の位置に適確に固定することで、フィルタ10の自動掃除運転における故障も少なくすることができる。
【0037】
このように、モータユニット40は背面板2と後板3と前面カバー4によって挟持して固定することで、室内機1へのモータユニット40の組付け作業を容易にすることで、製造コストの上昇を少なくすることができる。また、モータユニット40を台座67(第1固定部)と前台座98(第2固定部)と上押さえ部122(第3固定部)で挟持して固定し、前台座98(第2固定部)の一部を上方に傾斜して設けることで、組み付け作業を更に容易にすることができる。また、モータユニット40の着脱は傾斜部100に備えた第3ビード99に沿って斜め方向に挿入することで、簡単に作業をすることができ、組立作業だけでなくメンテナンス作業で取り外す際にもスムーズに行うことができる。