(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上部レールに沿って移動する上部ランナと、下部レールに沿って移動する下部ランナとでパネルを移動可能に案内し、前記パネルの重量を前記下部ランナで支持し、前記上部ランナと前記下部ランナとが前記各パネルを折り畳む方向に回動可能に支持する折引戸において、
前記下部ランナは、
前記下部レール上を転動する車輪と、
前記パネルを回動支持する支軸に連結されるとともに、前記車輪が回転可能に取り付けられる支持部材と、
前記下部レールに対してスライドし、前記支持部材を回動可能に支持する下部スライダと
を備える折引戸。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1〜
図11を参照して、本発明に係る折引戸の一実施形態について説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、間仕切りとして使用される折引戸1は、パネル2a〜2fが天井面に設けられる互いに平行な上部レール3a,3bと、床面に設けられる互いに平行な下部レール4a,4bに沿って引き違い操作可能に支持される。
図1の例では、パネル2a,2bが対をとなり、パネル2c,2dが対となり、パネル2e,2fが対となる。そして、パネル2a〜2dは、上部レール3aと下部レール4aとが使用され、パネル2e,2fは、上部レール3bと下部レール4bとが使用される。
【0014】
各パネル2a〜2fは、下縁部の幅方向中央部が下部ランナ11a,11bを介して下部レール4a,4bに支持され、上縁部の幅方向中央部が上部ランナ21a,21bを介して上部レール3a,3bに支持されている。各パネル2a〜2fでは、上部ランナ21a,21bより下部ランナ11a,11bでより大きな荷重を支持するように設定されている。パネル2a,2bは、蝶番部を介して回動可能に連結され、パネル2c,2dおよびパネル2e,2fも、蝶番部を介して回動可能に連結されている。したがって、パネル2a,2b、パネル2c,2d、および、パネル2e,2fは、互いに蝶番部で回動されると、対となる2枚のパネルが折り畳まれた状態(パネル面がパネルの移動方向(矢印D1方向)に対してほぼ直交した状態)で、上部レール3a,3bおよび下部レール4a,4bの一側に畳み込み可能となっている。
【0015】
各パネル2a〜2fは、矩形形状を有しており、各面は、種々の装飾が施されている。一例として、パネル2a〜2fは、遮光性を有していてもよいし、透光性を有していてもよい。また、一部が透光性を有し、残りが遮光性であってもよい。このような各パネル2a〜2fは、上框5aと下框5bとを備えている。また、対となるパネル2a,2bにおいて、パネル2aの図中右側の縦枠は、先頭框5cであり、パネル2bの図中左側の縦枠は、メス框5dである。さらに、パネル2a,2bにおいて、互いに向き合い召し合わされる縦枠は、召し合わせ框5e,5fである。なお、対となるパネル2c,2dおよびパネル2e,2fも同様の構成を有している。
【0016】
図2に示すように、下部レール4a,4bは、レール部材4により構成されている。レール部材4は、パネル2a〜2dとパネル2e,2fの移動方向である矢印D1方向に沿った長尺な板状部材であり、長手方向に対して直交する前後方向において、前側に変位した位置に下部レール4aが構成され、後側に変位した位置に下部レール4bが構成されている。下部レール4aは、パネル2a〜2dの下部ランナ11a,11bに使用され、下部レール4bは、パネル2e,2fの下部ランナ11a,11bに使用される。下部レール4a,4bにおいて、パネル2a〜2dとパネル2e,2fを支持する支持面には、1つの下部スライダ14に対し2つの係止溝6a,6bを備えている。互いに平行な係止溝6a,6bは、その底面が平坦面で構成され、両側面は斜め下方に向かう斜面7で構成されている。したがって、係止溝6a,6bはその開口部の幅が底部の幅より狭く形成されている。係止溝6a,6bの間には、下部スライダ14の下部車輪12の環状突部12dが係合する凹部形状を有したレール部6cを備えている。レール部6cは、下部車輪12の環状突部12dが係合しやすくなるように、先端部が拡幅するように構成されている。
【0017】
図3に示すように、下部ランナ11a,11bは、下部レール4a,4b上を転動する下部車輪12と、下部車輪12が回転可能に取り付けられる支持部材13と、下部レール4a,4bに対して移動する下部スライダ14とを備えている。下部車輪12は、1つの下部ランナ11a,11bに対して1つ備えている。下部車輪12は、外周部に環状突部12dを備えており、環状突部12dは、レール部6cに係合可能な幅を有している。下部車輪は、軸12aが挿通される中心孔12eを備えている。
【0018】
支持部材13は、一対の支持片13a.13bと、一対の支持片13a,13bとを連結する連結片13cとを備えている。下部車輪12は、一対の支持片13a,13bの間において、中心孔12eに挿通された軸12aの両端部が支持片13a,13bに形成された挿通孔12bに挿通される。連結片13cには、金属製の支軸15が取り付けられる。支軸15の下端部が連結片13cの支持孔15aに取り付けられる。具体的には、支軸15の下端部は、カシメ軸15bを備えている。カシメ軸15bは、支持孔15aに挿通された後、カシメられることによって、下フランジ15cが設けられ、下フランジ15cが連結片13cの下面であって支持孔15aの周囲に一体化される。上方向に延びる支軸15の上端部は、軸保持部材など介してパネル2a〜2fの下框5bに固定される。パネル2a〜2fは、支持部材13に対して支軸15を中心に回転可能に支持される。
【0019】
また、支軸15は、仕切り壁15eを貫通し、下フランジ15cの上側の中間部に、中間フランジ15dが設けられている。
図4に示すように、中間フランジ15dは、下框5bの仕切り壁15eの下側の空間部に位置している。下部ランナ11a,11bは、仕切り壁15eの下側において、ベース9を介して仕切り壁15eに取り付けられる。ベース9は、上半体9bと下半体9cとを備え、上半体9bと下半体9cとが突き合わされた状態で、ビスなどの固定部材9aによって、仕切り壁15eに固定される。ベース9は、上下に貫通する軸挿通部9dと、上下の軸挿通部9dの間に位置し連通する支持空間部9eとを備えている。上下の軸挿通部9dには、支軸15が挿通され、支持空間部9eには、中間フランジ15dが位置される。支持空間部9eの上面は、中間フランジ15dの上面が当接して、パネル2a〜2fの荷重を受ける。仕切り壁15eに対してベース9が固定されているので、下框5bを備えたパネル2a〜2fは、下部ランナ11a,11bの支持部材13が備えた支軸15を中心に回転可能な状態となる。
【0020】
支持片13a,13bの下側の先端部は、2つの斜辺で構成された鈍角形状の角部を備え、この角部の先端面は、軸12aを中心に矢印D2方向に回動する際の回動案内部13dとなる。なお、角部は、鈍角形状ではなく、鋭角形状や直角形状であってもよい。角部の形状は、矢印D2方向に回動する範囲に応じて適宜設定される。
【0021】
下部スライダ14は、矩形形状を有するスライダ本体16を備えている。スライダ本体16は、一例として矩形形状を有しており、前壁16aと後壁16bと側壁16c,16dと、上壁16eとを備えている。前壁16aおよび後壁16bは、下部スライダ14の移動方向となる矢印D1方向に沿った壁部であり、一対の側壁16c,16dは、下部スライダ14の矢印D1方向と交差する方向の壁部であり、下部車輪12の矢印D1方向を覆う。すなわち、側壁16c,16dにおいて、前壁16aおよび後壁16bに設けられた案内部17(第1係合部17a)の間の領域が下部車輪12の矢印D1方向を覆う。上壁16eは、上下に貫通した貫通孔16fを備えている。前壁16aおよび後壁16bは、一対の側壁16c,16dに対して高い部分を有しており、高い部分には、軸12aの両端部を支持する軸孔12cを備えている。上壁16eには、前壁16aおよび後壁16bと連続し、かつ、前壁16aおよび後壁16bと共に貫通孔16fを囲むリブ16gを備えている。貫通孔16fの周囲は、前壁16aおよび後壁16bならびにリブ16gによって構成された枠部によって囲まれている。
【0022】
貫通孔16fおよびリブ16gの内側は、支持部材13の支持片13a,13bおよび下部車輪12が挿入される部品配置空間部を構成する。下部車輪12の回転中心となる軸12aは、支持片13a,13bの挿通孔12bに対して挿通され、その両端部は、軸孔12cに軸支される。これにより、支持部材13は、部品配置空間部において、スライダ本体16に対して、下部車輪12の回転中心となる軸12aを中心に、回動可能に支持される。前壁16aおよび後壁16bは、軸孔12cを備えた部分がリブ16gよりも高く形成されており、軸孔12cを有する部分の強度が他の領域の強度よりも高められている。また、前壁16aおよび後壁16bの内面は、一対の支持片13a,13bの外面が摺接する面であり、回動案内部13dが係合する係合段部16hを備えている。係合段部16hは、回動案内部13dが係合し、下部スライダ14に対して一対の支持片13a,13bが回動する範囲を規定する。すなわち、回動案内部13dは、矢印D1方向の両側に傾斜部を備えている。一対の支持片13a,13bは、当該傾斜部と回動案内部13dの斜辺とが突き当たるまでの範囲で下部スライダ14に対して回動することができる。
【0023】
支持片13a,13bの外面と前壁16aおよび後壁16bとの間のA部(
図4参照)には、微小間隙が形成され、下部車輪12を軸12aで支持している支持部材13は、下部スライダ14に対して若干のがたつきを有する。下部車輪12は、レール部6cに係合しており、矢印D1方向を向いたままとなるが、下部スライダ14は、A部の微小間隙分だけ下部車輪12に対して矢印D1方向に交差する方向に変位することができる。したがって、パネル2a〜2fの矢印D1方向の移動操作に余裕を設けることができる。
【0024】
図4(a)および(b)に示すように、前壁16aおよび後壁16bは、下部レール4a,4bに係合する案内部17を備えている。案内部17は、各係止溝6a,6b内を移動する第1係合部17aと第2係合部17bとを備えている。
【0025】
第1係合部17aは、係止溝6a,6bに対応するように、下方に向かって幅広となるように、側面が斜め上方に向かう斜面として形成され、その斜面の下端部に、係止溝6a,6bに係合する係合突起を構成している。また、第1係合部17aの下面は、平坦面となっており、係止溝6a,6bの底面上を摺動できるように構成されている。第1係合部17aの下面は、その幅が係止溝6a,6bの開口幅より僅かに狭くなるように形成されて、下部レール4a,4bの上方から係止溝6a,6b内に挿入されている。
【0026】
第2係合部17bは、第1係合部17aより下方に向かって若干短く形成され、第1係合部17aの係合突起よりさらに側方へ突出して抜け止め突起を構成している。第2係合部17bは、抜け止め突起の上方及び下方にそれぞれ斜面17c,17d(
図3参照)を備えている。第2係合部17bは、その上部に形成されたスリット17eにより、下端部が下部レール4a,4bの前後方向に弾性変位可能である。このような下部スライダ14は、第2係合部17bを係止溝6a,6bの開口縁に当接させ変位させることにより、第1係合部17aと第2係合部17bを係止溝6a,6b内に挿入され係合される。
【0027】
図5に示すように、上部ランナ21a,21bは、ランナ本体22を備えている。ランナ本体22に、4個の上部車輪23が回転可能に支持されている。上部車輪23は、上部レール3a,3b内をほぼ上下動不能な状態で転動する。ランナ本体22とパネル2a〜2fの上框5aとは支軸24によって接続されている。具体的に、ランナ本体22には、支軸24の上端が固定され、その支軸24は軸保持部材25に挿通され、下端のフランジ26が軸保持部材25に係止されている。軸保持部材25は、パネル2a〜2fの上框5aにねじなどの固定部材29で固定される。
【0028】
次に、以上のように構成された折引戸の作用について説明する。
上部レール3bと下部レール4bの間に位置する開いた状態のパネル2e,2fを移動方向である矢印D1方向の一端部側に位置させ、上部レール3aと下部レール4aの間に位置する開いた状態のパネル2a〜2dを他端部とパネル2eとの間に位置させることで、全閉状態とすることができる(
図1参照)。また、この状態から、パネル2a〜2dやパネル2e,2fを矢印D1方向に移動させることができる。
【0029】
図6に示すように、このようなパネル2a〜2fを畳み込むとき、先ずパネル2a,2bを蝶番部で折り畳む。これにより、折り畳まれたパネル2a,2bは、パネル面が矢印D1方向に対して交差した、例えば直交した折り畳み状態となる。次いで、パネル2c,2dを折り畳み、次いで、パネル2e,2fを折り畳む。この後、折り畳まれた対となる2枚のパネル(2aと2b、2cと2d、2eと2f)は、矢印D1方向に移動される。この際、
図7に示すように、折り畳まれた対となる2枚のパネル2a,2bは、上部ランナ21a,21bと下部ランナ11a,11bの間で、移動のため押された方向に互いに平行な状態で傾くことがある。このような状態は、対となるパネル2c,2dとの間およびパネル2e,2fとの間でも同様な状態が生じることがある。
【0030】
図8(a)および(b)に示すように、下部レール4a,4bに係合された下部スライダ14に対してほぼ垂直な支持部材13(
図8(a)参照)は、下部スライダ14に対して軸12aを中心に支持部材13が矢印D2方向に回動する(
図8(b)参照)。これにより、対となる2枚のパネル(2aと2b、2cと2d、2eと2f)は、案内部17が下部レール4a,4bから外れにくくされる。ここで、支持部材13が下部スライダ14に対して回動できる範囲は、回動案内部13dが係合している係合段部16hの範囲である。したがって、一対の支持片13a,13bが回動し過ぎて、リブ16gなどを破損させてしまうおそれを抑制できる。また、折り畳まれた対となる2枚のパネル(2aと2b、2cと2d、2eと2f)は、互いに平行に傾いた際、下側(内側)に位置するパネルに対して上側(外側)に位置するパネルが図示しない蝶番部の回動軸に沿って上下方向にずれる。
【0031】
上記実施の形態によれば、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1)パネル2a〜2fを折り畳んだ状態から上部レール3a,3bおよび下部レール4a,4bに沿って移動させる際に、パネル2a〜2fが上部レール3a,3bおよび下部レール4a,4bの間で傾いても、下部スライダ14に対して支持部材13が矢印D2方向に回動する。したがって、下部スライダ14が下部レール4a,4bから外れにくくすることができる。
【0032】
(2)支持部材13の下部スライダ14に対する回動支点と下部車輪12の回転支点とが軸12aにおいて一致しているので、下部ランナ11a,11bを容易に組み立てることができる。
(3)下部車輪12の下部レール4a,4bに対する移動方向には、一対の側壁16c,16dが存在し、下部車輪12の矢印D1方向を覆っている。したがって、一対の側壁16c,16dは、下部スライダ14の強度を高める他に、下部車輪12が下部レール4a,4b上に存在する異物を巻き込むことを抑制することができる。
【0033】
(4)また、パネル2a〜2fが折り畳まれた状態では、折り畳まれた対となる2枚のパネル(2aと2b、2cと2d、2eと2f)に対して、下部ランナ11a,11bの一対の側壁16c,16dが突出する。一対の側壁16c,16dは、下部レール4a,4bの長手方向の端部に位置する壁部や隣接する下部ランナ11a,11bの一対の側壁16c,16dに対して、下部車輪12が直接的に衝突することを防ぐことができる。
【0034】
(5)下部スライダ14の前壁16aと後壁16bにおける幅は、下部レール4a,4bの前後方向の幅に従って設定されている。そして、下部スライダ14における貫通孔16fおよびリブ16gの内側に、支持部材13の支持片13a,13bおよび下部車輪12が配置される。これにより、下部レール4a,4bの前後方向の幅に従って設定された下部スライダ14の大きさの範囲内に、パネル2a〜2fの荷重を支持する下部車輪12や支持部材13などの部品を配設することができる。
【0035】
(6)下部スライダ14において、下部車輪12が配置される部分は、前壁16aおよび後壁16bならびにリブ16gによって構成された枠部によって、下部車輪12の側面をできるだけ多く覆うようにしている。これにより、このように下部車輪12の周囲を覆う枠部を設けることによって、下部車輪12が異物を巻き込むことを抑制することができる。また、下部車輪12に直接異物が当たることを防ぐことができる。
【0036】
(7)前壁16aおよび後壁16bをリブ16gによって繋げられることで、支持部材13を回動支持する前壁16aおよび後壁16bの強度を高めることができる。さらに、前壁16aおよび後壁16bは、軸孔12cを備えた部分をリブ16gよりも高くすることで、軸孔12cの周辺部の強度を高めることができる。
(8)係合段部16hと回動案内部13dが係合することで、下部スライダ14に対して一対の支持片13a,13bが回動する範囲を規定することができる。これにより、支持部材13が下部スライダ14に対して矢印D2方向に回動し過ぎて破損することを防ぐことができる。
【0037】
(9)下部ランナ11a,11bは、下部スライダ14の第1係合部17aおよび第2係合部17bが係止溝6a,6bに係合することで、下部レール4a,4bに対する進行方向の移動が確実に案内され、さらに、下部ランナ11a,11bの下部レール4a,4bからの脱落が抑制される。また、レール部6cに下部車輪12が係合することで、下部ランナ11a,11bの進行方向における移動が確実に案内される。
【0038】
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・一例として、
図9および
図10(a)〜
図10(d)に示すように、先頭框5c、メス框5d、召し合わせ框5e,5fといった縦框31は、上下方向に延びる直線状の長尺部材で構成されている。縦框31は、前面および後面に臨む前面壁32および後面壁33と、外側壁35とを備えている。外側壁は35は、前面壁32と後面壁33の間の中央部の上下方向に延びる凹部形状を有する溝34が形成されている。溝34は、壁部との当たりを和らげる緩衝部材などの閉塞部材34aが取り付けられる溝である。
図9に示す閉塞部材34aは、溝34を閉塞する閉塞部と閉塞部に一体に形成される一対の係合片とを備え、全体がコ字形状を有している。溝34は、溝内部の空間に対して開口端が狭く形成され、開口端に閉塞部材34aの係合片が係合される。閉塞部材34aとしては、
図9に示す以外のものもある。閉塞部材34aとしては、例えば、オス框を構成する場合、台形形状に突出したクッション部を備えたものとなり、メス框を構成する場合、オス框の台形形状が嵌合する凹部を備えたものとなる。このように、閉塞部材34aは、パネルの種類に応じて様々な形状のものがあり、溝34に交換可能に取り付けられる。
【0039】
縦框31の内側は、前面壁32および後面壁33の幅を狭めるように、凹部36を備えている。凹部36は、前面壁32および後面壁33に対してほぼ垂直な第1面36aと、前面壁32および後面壁33に対してほぼ平行な第2面36bとを備え、第1面36aと第2面36bのなす角部は、ほぼ直角とされ、その角部は、手触りをよくするため、なだらかな円弧面で構成されている。また、縦框31の内側は、凹部36の間に、パネル部41を係合保持する保持溝37が形成されている。保持溝37を構成する端部は、第2面36bから内側にほぼ直角に折曲された片38によって構成されている。片38と第2面36bとがなす角部も、円弧面で構成されている。保持溝37は、パネル部41の端部が挿入されたとき、グレチャン39を介してパネル部41を支持する。凹部36は、縦框31の特徴的部分であり、パネルの前面側および後面側のそれぞれにおいて、パネル部41の端部に隣接して上下に延び、パネルを開閉する際、操作者が指を掛ける指掛け部として利用することができる。
【0040】
・下部スライダ14には、係合段部16hを設けず、他の手段で一対の支持片13a,13bの回動範囲を規定するようにしてもよい。例えば、リブ16gは、一対の支持片13a,13bがリブ16gに当接するようにすることで、一対の支持片13a,13bの回動範囲を規制することができる。
【0041】
・前壁16aおよび後壁16bならびにリブ16gによって構成された枠部は同じ高さであっても同様な効果を得ることができる。
・リブ16gを省略する構成としても、同様な効果を得ることができる。
【0042】
・支持部材13における一対の支持片13a,13bは、下部スライダ14の外側に位置してもよい。これにより、下部車輪12を大きなものにすることができる。
・矢印D1方向に位置する一対の側壁16c,16dは、パネル2a〜2fが折り畳まれた状態では下部レール4a,4bの長手方向の端部に位置する壁部や隣接する下部ランナ11a,11bの一対の側壁16c,16dに対して、直接的に衝突する部分となる。そこで、側壁16c,16dは、衝撃を緩和するバンパを設けるようにしてもよい。
【0043】
・矢印D1方向に位置する一対の側壁16c,16dを備えていなくてもよい。例えば、下部スライダ14は、使用に耐え得る強度を下部スライダ14が維持できるのであれば、矢印D1方向に位置する一対の側壁16c,16dを備えていなくてもよい。一対の側壁16c,16dを備えない場合、前壁16aおよび後壁16bを矢印D1方向に長く形成し延長部を設ける。これにより、前壁16aおよび後壁16bの端部がパネル2a〜2fが折り畳まれた状態において、下部レール4a,4bの長手方向の端部に位置する壁部に対して、下部車輪12が直接的に衝突することを防ぐことができる。また、隣接する下部ランナ11a,11bに対して、下部車輪12が直接的に衝突することを防ぐことができる。
・案内部17の構成は、第1係合部17aや第2係合部17bの構成に限定されるものではない。また、第1係合部17a、第2係合部17bの何れか一方を備えるだけであってもよい。
【0044】
・支持部材13の下部スライダ14に対する回動支点と下部車輪12の回転支点とは一致していなくてもよい。一例として
図11のように構成することができる。
図11の例では、
図3の例より前壁16aおよび後壁16bが更に背高に形成されており、軸孔12cより先端側に支持孔13xを備えている。すなわち、軸孔12cと支持孔13xとは、下部車輪12と支持部材13、特に連結片13cとが干渉しない程度に離して、上下に並んで設けられている。支持孔13xには、支持片13a,13bの挿通孔12bが一致され、軸部材13yが挿入される。これにより、支持部材13の下部スライダ14に対する回動支点は、下部車輪12の回転支点に対してずらされることになる。
【0045】
また、支持片13a,13bの下側の先端部は、2つの斜辺で構成された鈍角形状の角部を備え、この角部の先端面は、軸12aを中心に矢印D2方向に回動する際の回動案内部13dとなっている。また、前壁16aおよび後壁16bの内面は、回動案内部13dが係合して、下部スライダ14に対して一対の支持片13a,13bが回動する範囲を規定する係合段部16hを備えている。
【0046】
なお、軸孔12cと支持孔13xとは、移動方向(矢印D1)に並んで設けられていてもよい。また、軸部材13yに代えて、前壁16aおよび後壁16bの内面に突設された回動支持突起によって支持部材13を回動支持してもよい。
【0047】
・下部車輪12は、軸12aで軸支するのではなく、ボールベアリングを組み込んだ車輪であっても同様な効果を得ることができる。この場合、軸12aは、下部車輪の回転中心に一致させて一対の支持片13a,13bに設け、前壁16aおよび後壁16bの軸孔12cに係合させるように構成すればよい。これにより、支持部材13は、下部スライダ14に対して回動可能とすることができる。
・下部車輪12は、支持部材13の支持片13a,13bのうち、何れか一方の支持片にだけに回転可能に支持されていてもよい。
【0048】
・互いに平行に延びる上部レールと下部レールの本数は、2本ずつに限定されるものではなく、3本ずつ以上であってもよいし、1本ずつでもよい。