(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記抽出部は、前記比較対象の画像データとして、前記時間範囲に含まれる画像データのうち最初の画像データと最後の画像データとを抽出する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の医用情報処理システム。
前記表示制御部は、前記非画像データとして、処方記録、バイタルデータ、検体検査データ、画像の計測データ、検査レポート及び看護記録の少なくとも一つを時系列表示する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医用情報処理システム。
前記取得部は、前記操作として、第1の時間及び第2の時間を決定する決定操作を受け付けて、前記第1の時間から前記第2の時間までの時間を前記時間範囲として取得する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医用情報処理システム。
前記取得部は、前記操作として、第1の時間を決定する決定操作を受け付けて、前記第1の時間から、逐一変更される第2の時間までの時間を、前記時間範囲として逐一取得し、
前記抽出部は、前記取得部が前記時間範囲を新たに取得するごとに、新たな前記時間範囲に応じた画像データを抽出し、
前記表示制御部は、前記抽出部が画像データを抽出するごとに、新たに抽出された画像データを表示する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医用情報処理システム。
前記表示制御部は、更に、前記記憶部に記憶された画像データをサムネイル表示すると共に、当該画像データの各々に対応する時間を示したバーを表示する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の医用情報処理システム。
前記抽出部は、前記時間範囲に応じた画像データとして、医用画像データ及びレポートの少なくとも一方を抽出する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の医用情報処理システム。
前記取得部は、前記操作として、時系列表示された前記画像データの中から第1の画像データ及び第2の画像データを選択する選択操作を受け付けて、前記第1の画像データに対応する時間から前記第2の画像データに対応する時間までの間を前記時間範囲として取得する、請求項14に記載の医用情報処理システム。
前記表示制御部は、前記非画像データとして、処方記録、バイタルデータ、検体検査データ、画像の計測データ、検査レポート及び看護記録の少なくとも一つを時系列表示し、時系列表示した前記非画像データに対応付けて前記時間範囲を表示する、請求項14又は15に記載の医用情報処理システム。
前記表示制御部は、前記処方記録として、選択された患者に対する、選択された薬剤の投与量を時系列表示し、時系列表示した投与量に対応付けて前記時間範囲を表示する、請求項16に記載の医用情報処理システム。
前記表示制御部は、前記画像データとして、医用画像データ及びレポートの少なくとも一方を時系列表示する、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の医用情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理システムの実施形態について詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、医用情報処理システム1は、医用情報処理装置100と、ネットワーク200と、PACS(Picture Archiving and Communication System)サーバ300と、電子カルテ保管装置400と、検体検査サーバ500と、端末装置600とを含む。
【0010】
図1に示すように、医用情報処理装置100は、ネットワーク200を介して、PACSサーバ300、電子カルテ保管装置400、検体検査サーバ500及び端末装置600と通信可能に接続される。例えば、医用情報処理装置100、PACSサーバ300、電子カルテ保管装置400及び検体検査サーバ500は、病院内に設置され、院内LAN等のネットワーク200によって相互に接続される。また、例えば、端末装置600は、パーソナルコンピュータや、医師や看護師等の操作者によって持ち運び可能なタブレット等であり、医用情報処理装置100、PACSサーバ300、電子カルテ保管装置400及び検体検査サーバ500と、ネットワーク200を介して通信可能に接続される。
【0011】
PACSサーバ300は、図示しない医用画像診断装置によって収集された医用画像データ等、種々の画像データを記憶する装置である。例えば、PACSサーバ300は、図示しないX線診断装置によって収集されたX線画像データを受信して、X線画像データが収集された時間及び患者IDと対応付けてX線画像データを記憶する。また、例えば、PACSサーバ300は、図示しない超音波診断装置によって収集された超音波画像データを受信して、超音波画像データが収集された時間及び患者IDと対応付けて超音波画像データを記憶する。
【0012】
例えば、PACSサーバ300は、医用画像データを、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式で記憶する。この場合、PACSサーバ300は、例えば、収集された各医用画像データにおけるDICOMのタグ「(0008,0022) Acquisition Date」に医用画像データが収集された日付を記録し、タグ「(0008,0032) Acquisition Time」に医用画像データが収集された時刻を記録し、タグ「(0010,0020) Patient ID」に患者IDを記録する。
【0013】
なお、PACSサーバ300は、医用画像データを、静止画として記憶することもできるし、動画として記憶することもできる。一例を挙げると、PACSサーバ300は、医用画像データを、JPEG形式、PNG形式、BMP形式などの静止画データとして記憶する。また、一例を挙げると、PACSサーバ300は、医用画像データを、MP4形式、MOV形式、MPEG形式などの動画データとして記憶する。
【0014】
また、PACSサーバ300は、各種のレポートを記憶する。例えば、PACSサーバ300は、医用画像データの読影レポートや看護師が作成する看護レポート、検査レポート等を、レポートの作成時間及び患者IDと対応付けて、画像データとして記憶する。ここで、検査レポートとしては、患者から収集した検体(血液等)に関する検体レポート、患者における細菌に関する細菌レポート、患者の生理的情報に関する生理レポート等が挙げられる。例えば、PACSサーバ300は、レポートを、PDF形式、JPEG形式などにより、画像データとして記憶する。
【0015】
例えば、PACSサーバ300は、病院にPACSが導入されている場合に、PACSにおける画像サーバとして病院内に設置される。例えば、PACSサーバ300は、DB(Database)サーバ等のコンピュータ機器によって実現され、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶回路に画像データを記憶させる。なお、PACSサーバ300は、記憶部の一例である。また、PACSサーバ300が記憶する医用画像データ及びレポートは、医用情報を示す画像データの一例である。
【0016】
電子カルテ保管装置400は、病院内で行われた各種の診療に関する診療データを記憶する装置である。例えば、電子カルテ保管装置400は、患者について計測された脈拍数や心拍数、呼吸数、血圧、体温、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)等のデータ(バイタルデータ)を、計測された時間及び患者IDと対応付けて記憶する。また、例えば、電子カルテ保管装置400は、患者への処方記録を、投薬時間及び患者IDと対応付けて記憶する。
【0017】
例えば、電子カルテ保管装置400は、病院において導入されている電子カルテシステムの一部として設置され、電子カルテシステムによって生成された診療データを記憶する。例えば、電子カルテ保管装置400は、DBサーバ等のコンピュータ機器によって実現され、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶回路に診療データを記憶させる。なお、電子カルテ保管装置400は、記憶部の一例である。また、電子カルテ保管装置400が記憶する診療データは、医用情報を示すデータのうち画像データ以外のデータ(非画像データ)の一例である。
【0018】
検体検査サーバ500は、患者から収集した検体の検査データを記憶する装置である。例えば、検体検査サーバ500は、患者から収集した血液についての検査データ(例えば、血球数やイオン濃度など)を、時間に対応付けて記憶する。一例を挙げると、検体検査サーバ500は、検査データを、患者から検体を採取した時間や検査データの測定を行った時間、及び、患者IDと対応付けて記憶する。
【0019】
例えば、検体検査サーバ500は、病院において導入されている検体検査システムの一部として設置され、検体検査システムにおける検査データを記憶する。例えば、検体検査サーバ500は、DBサーバ等のコンピュータ機器によって実現され、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶回路に検査データを記憶させる。なお、検体検査サーバ500は、記憶部の一例である。また、検体検査サーバ500が記憶する検査データは、非画像データの一例である。
【0020】
なお、画像データの一例として、医用画像データ及びレポートについて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、心電図は、心臓の電気的活動の記録であり、数値を非画像データとして記憶する場合のみならず、グラフを画像データとして記憶する場合もある。また、非画像データの一例として、診療データ及び検査データについて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、非画像データには、診療データ及び検査データの他、患者から収集された画像の計測データ(血管径、血流量等)が含まれる。
【0021】
医用情報処理装置100は、ネットワーク200を介して、画像データ及び非画像データを取得し、取得した画像データ及び非画像データを用いて各種情報処理を行う。例えば、医用情報処理装置100は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0022】
なお、以下では、一例として、医用情報処理装置100が、画像データとして医用画像データを取得する場合について説明する。また、以下では、一例として、医用情報処理装置100が、非画像データとして処方記録を取得する場合について説明する。
【0023】
図1に示すように、医用情報処理装置100は、I/F(インターフェース)回路110と、記憶回路120と、処理回路130とを有する。
【0024】
I/F回路110は、処理回路130に接続され、医用情報処理装置100の外部装置(PACSサーバ300や電子カルテ保管装置400、検体検査サーバ500、端末装置600等)との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、I/F回路110は、PACSサーバ300から医用画像データを受信し、受信した医用画像データを処理回路130に出力する。また、例えば、I/F回路110は、電子カルテ保管装置400から処方記録を受信し、受信した処方記録を処理回路130に出力する。I/F回路110は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0025】
記憶回路120は、処理回路130に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路120は、PACSサーバ300から受信した医用画像データや、電子カルテ保管装置400から受信した処方記録を記憶する。記憶回路120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0026】
処理回路130は、制御機能131、表示制御機能132、取得機能133及び抽出機能134を実行することで、医用情報処理装置100による処理の全体を制御する。例えば、処理回路130は、プロセッサによって実現される。
【0027】
例えば、処理回路130は、制御機能131に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより、I/F回路110から出力される医用画像データ及び処方記録を記憶回路120に記憶させる。また、例えば、処理回路130は、表示制御機能132に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することによって表示制御を行なう。例えば、表示制御機能132は、記憶回路120に記憶された処方記録を読み出して、端末装置600のディスプレイ620において時系列表示する。また、例えば、処理回路130は、表示制御機能132、取得機能133及び抽出機能134に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより、時系列表示された処方記録に対する操作に対応する時間範囲を取得し、時間範囲に応じた医用画像データをディスプレイ620において表示する。なお、時間範囲の取得、及び、時間範囲に応じた医用画像データの表示については後述する。
【0028】
なお、表示制御機能132は、表示制御部の一例である。また、取得機能133は、取得部の一例である。また、抽出機能134は、抽出部の一例である。
【0029】
端末装置600は、
図1に示すように、入力回路610及びディスプレイ620を有する。入力回路610は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して医用情報処理装置100に出力する。例えば、入力回路610は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。
【0030】
ディスプレイ620は、医用情報処理装置100から出力される各種のデータを表示する。例えば、ディスプレイ620は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。なお、入力回路610とディスプレイ620とは統合してもよい。例えば、入力回路610及びディスプレイ620は、タッチパネルによって実現される。
【0031】
以上、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の全体構成について説明した。このような構成のもと、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1は、画像データと非画像データとの比較を容易にする。具体的には、医用情報処理システム1は、以下で詳細に説明する処理回路130の処理によって、時系列表示した非画像データに対する操作に対応する時間範囲を取得し、時間範囲に応じた画像データを表示することで、画像データと非画像データとの比較を容易にする。以下、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の処理について詳細に説明する。
【0032】
まず、表示制御機能132は、処方記録を時系列表示する。例えば、まず、I/F回路110は、電子カルテ保管装置400から処方記録を受信し、受信した処方記録を処理回路130に出力する。次に、制御機能131は、I/F回路110から出力された処方記録を記憶回路120に記憶させる。そして、表示制御機能132は、処方記録を記憶回路120から読み出して、ディスプレイ620において時系列表示する。
【0033】
ここで、電子カルテ保管装置400が記憶する処方記録の一例について、
図2Aを用いて説明する。
図2Aは、第1の実施形態に係る処方記録の一例を示す図である。
【0034】
例えば、電子カルテ保管装置400は、
図2Aに示すように、処方記録として、「患者ID」、「薬剤ID」、「投薬開始日」、「投薬終了日」及び「投与量」の各項目を対応付けて記憶する。ここで、「患者ID」は、投薬の対象となった患者を識別するための情報である。また、「薬剤ID」とは、投薬された薬剤の種類を識別するための情報である。また、「投薬開始日」は、投薬を開始した日付である。また、「投薬終了日」は、投薬を終了した日付である。なお、投薬が継続されている場合、「投薬終了日」は、現在の日付を意味することとしてもよい。また、「投与量」は、投薬した薬剤の総量である。
【0035】
例えば、電子カルテ保管装置400は、投薬を行った医師や看護師等から、処方記録として、「患者ID」、「薬剤ID」、「投薬開始日」、「投薬終了日」及び「投与量」の各項目の入力を受け付けて記憶する。また、電子カルテ保管装置400は、入力された処方記録を、入力時間に対応付けて記憶することもできる。
【0036】
具体的には、電子カルテ保管装置400は、
図2Aに示すように、「2017/06/10」から「2017/06/11」までの間に、患者P1に対して薬剤M11を「100mL」投与したことを処方記録として記憶する。また、電子カルテ保管装置400は、「2017/06/10」に、患者P1に対して薬剤M13を「50mL」投与したことを処方記録として記憶する。また、電子カルテ保管装置400は、「2017/06/10」から「2017/06/21」までの間に、患者P1に対して薬剤M14を「500mL」投与したことを処方記録として記憶する。また、電子カルテ保管装置400は、「2017/06/10」から「2017/06/21」までの間に、患者P1に対して薬剤M15を「500mL」投与したことを処方記録として記憶する。また、電子カルテ保管装置400は、「2017/06/10」に、患者P1に対して薬剤M17を「50mL」投与したことを処方記録として記憶する。
【0037】
また、電子カルテ保管装置400は、「2017/04/13」から「2017/04/16」までの間に、患者P2に対して薬剤M11を「500mL」投与したことを処方記録として記憶する。また、電子カルテ保管装置400は、「2017/04/14」から「2017/04/17」までの間に、患者P2に対して薬剤M13を「200mL」投与したことを処方記録として記憶する。また、電子カルテ保管装置400は、「2017/05/12」から「2017/05/19」までの間に、患者P3に対して薬剤M12を「500mL」投与したことを処方記録として記憶する。
【0038】
なお、
図2Aにおいては、「投薬開始日」及び「投薬終了日」のみを示すが、電子カルテ保管装置400は、より詳細な時間に対応付けて処方記録を記憶してもよい。例えば、電子カルテ保管装置400は、一回の投薬を単位として、投薬の対象となった患者の患者IDと、投薬された薬剤の薬剤IDと、投薬が行われた日付及び時刻と、投与量とを、対応付けて記憶することとしてもよい。
【0039】
I/F回路110は、電子カルテ保管装置400から処方記録を受信し、受信した処方記録を処理回路130に出力する。次に、制御機能131は、I/F回路110から出力された処方記録を記憶回路120に記憶させる。ここで、記憶回路120は、電子カルテ保管装置400と同様に、処方記録を時間に対応付けて記憶する。そして、表示制御機能132は、処方記録を記憶回路120から読み出して、ディスプレイ620において時系列表示する。
【0040】
例えば、表示制御機能132は、まず、入力回路610を介して、操作者から、患者及び薬剤を選択する選択操作を受け付ける。以下では、患者として患者P1が選択され、薬剤として薬剤M14が選択された場合を例として説明する。次に、表示制御機能132は、患者P1に対する薬剤M14の投与量を時系列表示する。一例を挙げると、表示制御機能132は、横軸を時間とし、縦軸を投与量とするグラフ上に、患者P1に対する薬剤M14の投与量をプロットしたグラフの表示を行なう。
【0041】
具体的には、表示制御機能132は、まず、患者P1に対する薬剤M14の投薬開始日及び投薬終了日に応じて、時間軸(X軸)を設定する。例えば、表示制御機能132は、
図2Bの座標―時間変換テーブルに示すように、表示画面における座標(X座標)の各々と、時間との対応関係を設定する。また、表示制御機能132は、表示する薬剤の種類等に応じて、投与量を示す軸(Y軸)を設定する。例えば、表示制御機能132は、
図2Cの座標―投与量変換テーブルに示すように、表示する薬剤の種類(薬剤ID)と、表示画面における座標(Y座標)の各々と、投与量との対応関係を設定する。なお、
図2B及び
図2Cは、第1の実施形態に係る処方記録の時系列表示について説明するための図である。
【0042】
そして、表示制御機能132は、患者P1に対して薬剤M14が投薬された時間及びその投与量を、
図2Bに示したX座標及び
図2Cに示したY座標に従ってプロットすることで、
図2Dに示すように、患者P1に対する薬剤M14の投与量を時系列表示する。なお、
図2Dは、第1の実施形態に係る処方記録の時系列表示の一例を示す図である。
【0043】
図2Dに示す棒グラフは、患者P1に対する薬剤M14の投薬開始日である「2017/06/10」から、投薬終了日である「2017/06/21」までの間の薬剤M14の投与量を時系列表示するものである。
図2Dの棒グラフに示すように、患者P1に対する薬剤M14の投与量は、「2017/06/10」においては少量であり、その後次第に増加して「2017/06/14」に最大量となっている。更に、「2017/06/15」から「2017/06/17」までの間は投与量が最大量で維持され、その後次第に減少している。なお、
図2Dの棒グラフが示す面積は、「2017/06/10」から「2017/06/21」までの間の投与量の総量「500mL」を示す。
【0044】
なお、表示制御機能132は、
図2Dに示すように、薬剤M11、薬剤M12、薬剤M13、薬剤M15、薬剤M16、薬剤M17、薬剤M18及び薬剤M19の投与量についても時系列表示を行なうこととしてもよい。ここで、
図2Dに示す点(丸の図形)は、患者P1に対して薬剤M11を、「2017/06/10」に1回投与し、「2017/06/11」に3回投与したことを示す。また、
図2Dに示す点は、患者P1に対して薬剤M13及び薬剤M17を、「2017/06/10」にそれぞれ1回ずつ投与したことを示す。また、
図2Dに示す点は、患者P1に対して薬剤M15を、「2017/06/10」に1回投与し、「2017/06/11」に2回投与し、「2017/06/12」に2回投与し、「2017/06/13」に2回投与し、「2017/06/14」に2回投与し、「2017/06/17」に2回投与し、「2017/06/18」に2回投与し、「2017/06/19」に2回投与し、「2017/06/20」に2回投与したことを示す。ここで、
図2Dに示す点を結ぶ線は、投薬開始時から投薬終了時までの期間を示す。なお、表示制御機能132は、
図2Dにおいて、薬剤M11、薬剤M12、薬剤M13、薬剤M15、薬剤M16、薬剤M17、薬剤M18及び薬剤M19の投与量についての表示を行わないこととしてもよい。また、表示制御機能132は、薬剤M11、薬剤M12、薬剤M13、薬剤M15、薬剤M16、薬剤M17、薬剤M18及び薬剤M19のいずれかが選択された場合、新たに選択された薬剤の投与量を棒グラフにより時系列表示してもよい。
【0045】
図2Dに示したように、表示制御機能132が処方記録を時系列表示した後、取得機能133は、時系列表示された処方記録に対する操作を受け付けて、時間範囲を取得する。
例えば、取得機能133は、
図3に示すように、開始時間T11及び終了時間T21を決定する決定操作を操作者から受け付けて、開始時間T11及び終了時間T21までの時間を時間範囲として取得する。なお、
図3は、第1の実施形態に係る時間範囲の一例を示す図である。また、開始時間T11は第1の時間とも記載する。また、終了時間T21は第2の時間とも記載する。
【0047】
まず、操作者は、入力回路610におけるマウスを操作して、座標(1.874,3.001)においてドラッグを開始する。ここで、
図4Aは、
図2D及び
図3に示した棒グラフ上に、操作者がマウスを介して操作可能なアイコン(矢印)を示したものである。この場合、取得機能133は、ドラッグ開始位置の座標(1.874,3.001)から抽出したX座標(1.874)と、操作内容「ドラッグ開始」とを取得する。次に、操作者は、入力回路610におけるマウスを操作して、座標(5.222,2.998)においてドロップ(ドラッグを終了)する。この場合、取得機能133は、ドロップ位置の座標(5.222,2.998)から抽出したX座標(5.222)と、操作内容「ドロップ」とを取得する。即ち、取得機能133は、
図4Bに示すように、X座標と操作内容との対応関係を取得する。
【0048】
次に、取得機能133は、
図2Bの座標―時間変換テーブルに基づいて、取得したX座標を時間に変換する。例えば、取得機能133は、ドラッグが開始されたX座標(1.874)を、時間「2017/06/12 22:15:33」に変換する。また、例えば、取得機能133は、ドロップされたX座標(5.222)を、時間「2017/06/16 06:24:15」に変換する。
【0049】
次に、取得機能133は、
図4Cに示す対応関係に基づいて、操作内容を表示意味に変換する。ここで、
図4Cは、操作内容と表示意味との対応関係を定めた操作内容―表示意味変換テーブルである。具体的には、
図4Cに示す操作内容―表示意味変換テーブルは、操作内容「ドラッグ開始」は表示意味「開始時間」に対応し、操作内容「ドロップ」は表示意味「終了時間」に対応することを定めるものである。例えば、取得機能133は、
図4Cに示す操作内容―表示意味変換テーブルを記憶回路120から読み出して、操作内容「ドラッグ開始」を表示意味「開始時間」に変換し、操作内容「ドロップ」を表示意味「終了時間」に変換する。そして、取得機能133は、
図4Dに示すように、時間範囲として、開始時間T11である時間「2017/06/12 22:15:33」と、終了時間T21である時間「2017/06/16 06:24:15」とを取得する。
【0050】
なお、取得機能133は、上述したマウス操作以外にも、時系列表示された処方記録における2点を指定する種々の操作に基づいて、時間範囲を取得することができる。即ち、取得機能133は、第1の時間及び第2の時間を決定する決定操作として、時系列表示された処方記録における2点を指定する操作を操作者から受け付けて、指定された2点のX座標をそれぞれ時間に変換することにより、時間範囲を取得することができる。ここで、時系列表示された処方記録における2点を指定する操作としては、マウスにおけるドラッグ&ドロップ操作や2回のクリック操作、タッチパネルにおけるスワイプ操作や2回のタップ操作などが挙げられる。
【0051】
取得機能133が時間範囲を取得した後、抽出機能134は、時間範囲に応じた医用画像データをPACSサーバ300から抽出する。例えば、抽出機能134は、まず、PACSサーバ300が記憶する患者P1の医用画像データを抽出する。一例を挙げると、抽出機能134は、PACSサーバ300が記憶する各医用画像データにおけるDICOMのタグ「(0010,0020) Patient ID」を参照することで、患者P1の医用画像データを抽出する。
【0052】
以下では、図示しないCT(Computed Tomography)画像データI31及びCT画像データI32と、
図5に示す超音波画像データI11、超音波画像データI12、X線画像データI21、超音波画像データI13、X線画像データI22及び超音波画像データI14とが、患者P1の医用画像データとして抽出された場合について説明する。なお、
図5は、第1の実施形態に係る医用画像データの抽出について説明するための図である。
【0053】
次に、抽出機能134は、患者P1の医用画像データの中から、時間範囲に応じた医用画像データを抽出する。例えば、抽出機能134は、時間範囲に応じた医用画像データとして、時間範囲に応じた2つ以上の比較対象の医用画像データを抽出する。一例を挙げると、抽出機能134は、時間範囲に応じた2つ以上の比較対象の医用画像データとして、時間範囲に含まれる医用画像データのうち最初の医用画像データと最後の医用画像データとを抽出する。別の一例を挙げると、抽出機能134は、時間範囲に応じた2つ以上の比較対象の医用画像データとして、開始時間に最も近い時間に収集された医用画像データと、終了時間に最も近い時間に収集された医用画像データとを抽出する。
【0054】
以下では一例として、抽出機能134が、時間範囲に応じた2つ以上の比較対象の医用画像データとして、時間範囲に含まれる医用画像データのうち最初の医用画像データと最後の医用画像データとを抽出する場合について説明する。例えば、まず、抽出機能134は、DICOMのタグ「(0008,0022) Acquisition Date」及び「(0008,0032) Acquisition Time」を参照することで各医用画像データの収集時間を取得し、収集時間と時間範囲とを比較して、時間範囲に含まれる医用画像データを抽出する。
【0055】
一例を挙げると、超音波画像データI11の収集時間が「2017/06/12 22:16:34」であり、超音波画像データI12の収集時間が「2017/06/13 09:05:34」であり、X線画像データI21の収集時間が「2017/06/14 15:32:12」であり、超音波画像データI13の収集時間が「2017/06/15 13:07:08」であり、X線画像データI22の収集時間が「2017/06/15 15:27:43」であり、超音波画像データI14の収集時間が「2017/06/17 09:27:43」であり、時間範囲が「2017/6/12 22:15:33」から「2017/6/16 06:24:15」までの間である場合、時間範囲に含まれる医用画像データは、
図5に示すように、超音波画像データI11、超音波画像データI12、X線画像データI21、超音波画像データI13及びX線画像データI22となる。ここで、抽出機能134は、時間範囲に応じた2つ以上の比較対象の医用画像データとして、時間範囲に含まれる医用画像データのうち最初の医用画像データである超音波画像データI11と、最後の医用画像データであるX線画像データI22とを抽出する。
【0056】
そして、表示制御機能132は、
図6の領域R10に示すように、抽出機能134が抽出した超音波画像データI11及びX線画像データI22を表示する。なお、
図6は、第1の実施形態に係る医用画像データの表示について説明するための図である。表示制御機能132は、ディスプレイ620において、処方記録の時系列表示と併せて
図6の表示を行なってもよいし、処方記録の時系列表示に代えて
図6の表示を行なってもよい。また、医用情報処理システム1が複数のディスプレイを含む場合、表示制御機能132は、処方記録の時系列表示と
図6の表示とを別のディスプレイにおいて行なってもよい。
【0057】
ここで、表示制御機能132は、
図6の領域R20に示すように、患者P1の医用画像データをサムネイル表示してもよい。例えば、表示制御機能132は、患者P1の医用画像データとして抽出された8枚の医用画像データ(CT画像データI31、CT画像データI32、超音波画像データI11、超音波画像データI12、X線画像データI21、超音波画像データI13、X線画像データI22及び超音波画像データI14)をサムネイル表示する。
【0058】
この場合、表示制御機能132は、8枚の医用画像データを領域R20に同時に表示するのでなく、スクロールで表示するようにしてもよい。例えば、表示制御機能132は、
図6に示すように、8枚の医用画像データのうち、CT画像データI32、超音波画像データI11、超音波画像データI12、X線画像データI21、超音波画像データI13及びX線画像データI22の6枚の医用画像データを領域R20においてサムネイル表示する。そして、表示制御機能132は、操作者が入力回路610を介して行うマウスのホイール操作やタッチパネルのスワイプ操作等に応じて、サムネイル表示する画像をスクロールさせる。
【0059】
更に、表示制御機能132は、
図6の領域R30に示すように、サムネイル表示した医用画像データの各々に対応する時間を示したバーを表示することとしてもよい。
図6の領域R30に示すバーは、下方向を正方向とする時間軸T上に、各医用画像データの収集時間を表示したものである。
【0060】
具体的には、表示制御機能132は、まず、サムネイル表示した医用画像データの収集時間のうち最も過去の収集時間及び最近の収集時間に基づいてタイムスケールを調整する。そして、表示制御機能132は、
図6の領域R30に示すように、タイムスケールを調整した時間軸Tの上に、CT画像データI31の収集時間U11、CT画像データI32の収集時間U12、超音波画像データI11の収集時間U13、超音波画像データI12の収集時間U14、X線画像データI21の収集時間U15、超音波画像データI13の収集時間U16、X線画像データI22の収集時間U17及び超音波画像データI14の収集時間U18を対応付けて表示する。
【0061】
ここで、表示制御機能132は、
図6に示すように、領域R30のバーにおいて、時間範囲を表示することとしてもよい。時間範囲を表示することにより、操作者は、領域R10において表示されている医用画像データが、どの時期に収集されたものであるのかを容易に判断することができる。例えば、
図6の場合、操作者は、領域R10の超音波画像データI11が、患者P1の治療が開始されて間もない収集時間U13に収集されたものであり、X線画像データI22が、患者P1の治療後期の収集時間U17に収集されたものであることを直感的に理解することができる。
【0062】
なお、
図6においては、領域R30のバーにおいて時間範囲を表示する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能132は、時間範囲を、数値や文字によって表示してもよい。一例を挙げると、表示制御機能132は、
図4Dに示したように、時間範囲を、開始時間及び終了時間を示した表により表示してもよい。
【0063】
図5及び
図6においては、時間範囲に応じた医用画像データとして、時間範囲に含まれる医用画像データのうち最初の医用画像データと最後の医用画像データを抽出する場合について説明した。ここで、抽出機能134は、医用画像データの種類を考慮して、時間範囲に応じた医用画像データを抽出することとしてもよい。
【0064】
例えば、抽出機能134は、まず、抽出する医用画像データの種類を選択する選択操作を操作者から受け付ける。ここで、医用画像データの種類とは、例えば、モダリティの種類(超音波診断装置、X線診断装置、X線CT装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置など)である。なお、選択操作によって選択される医用画像データの種類は複数であってもよい。
【0065】
一例を挙げると、抽出機能134は、医用画像データの種類として、「超音波診断装置」及び「X線診断装置」を選択する選択操作を受け付ける。また、抽出機能134は、
図7に示すように、患者P1の医用画像データの中から、選択された種類の医用画像データであって、時間範囲に含まれる医用画像データを抽出する。即ち、抽出機能134は、「超音波診断装置」及び「X線診断装置」に対応する医用画像データであって、時間範囲に含まれる超音波画像データI11、超音波画像データI12、X線画像データI21、超音波画像データI13及びX線画像データI22を抽出する。なお、
図7は、第1の実施形態に係る医用画像データの抽出について説明するための図である。
【0066】
ここで、抽出機能134は、例えば、時間範囲に応じた医用画像データとして、選択された種類の医用画像データであって時間範囲に含まれる医用画像データのうち、最初の医用画像データと最後の医用画像データとを抽出する。即ち、抽出機能134は、「超音波診断装置」及び「X線診断装置」に対応する医用画像データであって、時間範囲に含まれる医用画像データのうち最初の医用画像データである超音波画像データI11と、最後の医用画像データであるX線画像データI22とを抽出する。
【0067】
また、例えば、抽出機能134は、時間範囲に応じた医用画像データとして、選択された種類の医用画像データであって時間範囲に含まれる医用画像データの中から、医用画像データの種類ごとに、最初の医用画像データと最後の医用画像データとを抽出する。即ち、抽出機能134は、「超音波診断装置」に対応する医用画像データであって時間範囲に含まれる医用画像データの中から、最初の医用画像データである超音波画像データI11と、最後の医用画像データである超音波画像データI13とを抽出する。更に、抽出機能134は、「X線診断装置」に対応する医用画像データであって時間範囲に含まれる医用画像データのうち最初の医用画像データであるX線画像データI21と、最後の医用画像データであるX線画像データI22とを抽出する。
【0068】
この場合、表示制御機能132は、
図8の領域R11に示すように、抽出機能134が抽出した超音波画像データI11及び超音波画像データI13を表示する。更に、表示制御機能132は、
図8の領域R12に示すように、抽出機能134が抽出したX線画像データI21及びX線画像データI22を表示する。なお、
図8は、第1の実施形態に係る医用画像データの表示について説明するための図である。
【0069】
ここで、表示制御機能132は、
図8の領域R20に示すように、患者P1の医用画像データをサムネイル表示してもよい。また、表示制御機能132は、
図8の領域R30に示すように、サムネイル表示した医用画像データの各々に対応する時間を示したバーを表示してもよい。また、表示制御機能132は、
図8に示すように、領域R30のバーにおいて、時間範囲を表示することとしてもよい。
【0070】
なお、医用画像データの種類を、モダリティにより分類されるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、同種のモダリティにより収集された医用画像データであっても、収集のモードが異なる場合には、別の種類の医用画像データであることとしてもよい。一例を挙げると、いずれも超音波診断装置によって収集されるBモード画像データとドプラ画像データとは、別の種類の医用画像データであることとしてもよい。
【0071】
次に、医用情報処理システム1による処理の手順の一例を、
図9を用いて説明する。
図9は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS101、ステップS103及びステップS105は、表示制御機能132に対応するステップである。また、ステップS102及びステップS106は、取得機能133に対応するステップである。また、ステップS104は、抽出機能134に対応するステップである。
【0072】
まず、処理回路130は、電子カルテ保管装置400において時間と対応付けて記憶された処方記録を読み出し、処方記録をディスプレイ620において時系列表示する(ステップS101)。次に、処理回路130は、時系列表示された処方記録に対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得し(ステップS102)、取得した時間範囲を表示する(ステップS103)。
【0073】
次に、処理回路130は、取得した時間範囲に応じた医用画像データをPACSサーバ300から抽出し(ステップS104)、抽出した医用画像データをディスプレイ620において表示する(ステップS105)。ここで、処理回路130は、時間範囲の変更操作を検知したか否かを判定する(ステップS106)。時間範囲の変更操作を検知した場合、処理回路130は、再度ステップS103に移行する(ステップS106肯定)。一方で、時間範囲の変更操作を検知しなかった場合(ステップS106否定)、処理回路130は、処理を終了する。
【0074】
なお、ステップS103と、ステップS104及びステップS105との順番は任意である。例えば、処理回路130は、時間範囲に応じた医用画像データを抽出し、抽出した医用画像データを表示した後に、時間範囲を表示してもよい。また、例えば、処理回路130は、時間範囲に応じた医用画像データを抽出し、時間範囲を表示した後に、抽出した医用画像データを表示してもよい。なお、処理回路130は、ステップS103を行わないこととしてもよい。
【0075】
上述したように、第1の実施形態によれば、PACSサーバ300、電子カルテ保管装置400及び検体検査サーバ500は、医用画像データと、処方記録とを時間に対応付けて記憶する。取得機能133は、時系列表示された処方記録に対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得する。抽出機能134は、時間範囲に応じた医用画像データをPACSサーバ300から抽出する。表示制御機能132は、抽出機能134が抽出した医用画像データを表示する。
【0076】
これにより、例えば、時系列表示された処方記録を参照した操作者は、投薬期間の指定をするだけで、投薬開始時の医用画像データと、投薬終了時又は現在の医用画像データとを参照することができる。即ち、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1は、処方記録を医用画像データと比較することを容易にし、更には薬の種類や投与量の調整を容易にすることができる。
【0077】
なお、これまで、処方記録の時系列表示として、
図2Dの一例のみを示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。ここで、処方記録の時系列表示の別の例について、
図10を用いて説明する。
図10は、第1の実施形態に係る処方記録の時系列表示の一例を示す図である。
【0078】
例えば、表示制御機能132は、まず、入力回路610を介して、操作者から、患者を選択する選択操作を受け付ける。以下では、患者として患者P4が選択された場合を例として説明する。次に、表示制御機能132は、患者P4に対して投薬された各薬剤の投与量を時系列表示する。具体的には、表示制御機能132は、
図10に示すように、強心剤である薬剤M11及び薬剤M12と、利尿剤である薬剤M21、薬剤M22、薬剤M23、薬剤M24及び薬剤M25と、β遮断薬である薬剤M31と、PDE5阻害薬である薬剤M41と、抗凝血剤である薬剤M51及び薬剤M52とについて、患者P4への投与量を時系列表示する。
【0079】
より具体的には、表示制御機能132は、
図10において、丸の図形及び図形間を繋ぐ直線により、薬剤の投与開始日及び投与終了日を示す。例えば、表示制御機能132は、
図10において、患者P4に対して、「2017/04/19」から「2017/05/10」までの各日において薬剤M11を投与し、「2017/04/27」から「2017/05/14」までの各日において薬剤M12を投与したことを示す。
【0080】
更に、表示制御機能132は、
図10において、三角形の図形及び逆三角形の図形により、薬剤の投与量の変遷を示す。例えば、表示制御機能132は、
図10において、「2017/04/19」に薬剤M11を基本の投与量「15mg」投与した後、「2017/04/20」に単位量「5mg」だけ投与量を増加させて、「2017/04/20」から「2017/05/02」まで「20mg」投与したことを示す。また、表示制御機能132は、
図10において、「2017/05/03」に単位量「5mg」だけ投与量を減少させて、「2017/05/03」に「15mg」投与したことを示す。また、表示制御機能132は、
図10において、「2017/05/04」に単位量「5mg」だけ投与量を減少させて、「2017/05/04」から「2017/05/06」まで「10mg」投与したことを示す。また、表示制御機能132は、
図10において、「2017/05/07」に単位量「5mg」だけ投与量を減少させて、「2017/05/07」から「2017/05/10」まで「5mg」投与し、「2017/05/10」において薬剤M11の投与を終了したことを示す。
【0081】
図10に示したように表示制御機能132が処方記録を時系列表示した後、取得機能133は、時系列表示された処方記録に対する操作を受け付けて、時間範囲を取得する。例えば、取得機能133は、
図10における2点を指定する操作を操作者から受け付けることにより、時間範囲として、開始時間T12及び終了時間T22を取得する。そして、抽出機能134は、時間範囲に応じた医用画像データをPACSサーバ300から抽出し、表示制御機能132は、抽出された医用画像データを表示する。
【0082】
また、これまで、第1の時間及び第2の時間を決定する決定操作により、時間範囲を取得する場合について説明したが実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、取得機能133は、第1の時間を決定する決定操作を受け付けて、第1の時間から、逐一変更される第2の時間までの時間を、時間範囲として逐一取得する場合であってもよい。以下この点について
図11を用いて説明する。
図11は、第1の実施形態に係る時間範囲の取得について説明するための図である。
【0083】
まず、操作者は、入力回路610におけるマウスを操作して、時系列表示された処方記録における任意の位置においてドラッグを開始し、アイコンを移動させる。ここで、取得機能133は、ドラッグ開始位置のX座標と、操作内容「ドラッグ開始」とを取得する。また、取得機能133は、マウス移動位置(アイコンの現在位置)のX座標を逐一取得する。
【0084】
次に、取得機能133は、
図2Bの座標―時間変換テーブルに基づいて、取得したX座標を時間に変換する。また、取得機能133は、
図11に示す対応関係に基づいて、操作内容を表示意味に変換する。ここで、
図11は、操作内容と表示意味との対応関係を定めた操作内容―表示意味変換テーブルである。具体的には、
図11に示す操作内容―表示意味変換テーブルは、ドラッグ開始位置<マウス移動位置の場合(ドラッグ開始位置のX座標が、アイコンの現在位置のX座標よりも小さい場合)、操作内容「ドラッグ開始」は表示意味「開始時間」に対応し、操作内容「マウス移動」は表示意味「終了時間」に対応することを定めるものである。また、
図11に示す操作内容―表示意味変換テーブルは、ドラッグ開始位置>マウス移動位置の場合(ドラッグ開始位置のX座標が、アイコンの現在位置のX座標よりも大きい場合)、操作内容「ドラッグ開始」は表示意味「終了時間」に対応し、操作内容「マウス移動」は表示意味「開始時間」に対応することを定めるものである。そして、取得機能133は、操作内容―表示意味変換テーブルに従って、操作内容を表示意味に変換することにより、開始時間と終了時間とをそれぞれ取得して、時間範囲を取得する。
【0085】
なお、この場合、ドラッグ開始位置のX座標を変換した時間を第1の時間と記載し、マウス移動位置のX座標を変換した時間を第2の時間と記載する。即ち、ドラッグ開始位置<マウス移動位置の場合、開始時間を第1の時間と記載し、終了時間を第2の時間と記載する。また、ドラッグ開始位置>マウス移動位置の場合、終了時間を第1の時間と記載し、開始時間を第2の時間と記載する。
【0086】
上述したように、取得機能133は、ドラッグが開始されることにより、第1の時間を決定する決定操作を受け付ける。また、取得機能133は、第1の時間から、マウス操作に応じて逐一変更される第2の時間までの時間を、時間範囲として逐一取得する。ここで、抽出機能134は、取得機能133が時間範囲を新たに取得するごとに、新たな時間範囲に応じた医用画像データを抽出する。そして、表示制御機能132は、抽出機能134が医用画像データを抽出するごとに、新たに抽出された医用画像データをディスプレイ620において表示する。これにより、時系列表示された処方記録を参照した操作者による操作と連動した医用画像データが、ディスプレイ620に動的に表示される。
【0087】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、時系列表示された非画像データに対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得する場合について説明した。これに対して、第2の実施形態では、時系列表示された画像データに対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得する場合について説明する。
【0088】
第2の実施形態に係る医用情報処理システム1は、
図1に示した医用情報処理システム1と同様の構成を有し、表示制御機能132及び取得機能133による処理の一部が相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、
図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0089】
まず、表示制御機能132は、医用画像データを時系列表示する。例えば、表示制御機能132は、まず、入力回路610を介して、操作者から、患者を選択する選択操作を受け付ける。次に、表示制御機能132は、選択された患者(以下、患者P1とする)の医用画像データを抽出する。例えば、表示制御機能132は、PACSサーバ300が記憶する各医用画像データにおけるDICOMのタグ「(0010,0020) Patient ID」を参照することで、患者P1の医用画像データとして、CT画像データI31、CT画像データI32、超音波画像データI11、超音波画像データI12、X線画像データI21、超音波画像データI13、X線画像データI22及び超音波画像データI14を抽出する。
【0090】
そして、表示制御機能132は、患者P1の医用画像データを時系列表示する。例えば、表示制御機能132は、
図12の領域R20に示すように、患者P1の医用画像データを時系列表示する。なお、
図12は、第2の実施形態に係る医用画像データの時系列表示について説明するための図である。
【0091】
具体的には、表示制御機能132は、
図12の領域R20において、患者P1の医用画像データとして抽出した8枚の医用画像データ(CT画像データI31、CT画像データI32、超音波画像データI11、超音波画像データI12、X線画像データI21、超音波画像データI13、X線画像データI22及び超音波画像データI14)をサムネイル表示する。ここで、表示制御機能132は、8枚の医用画像データを領域R20に同時に表示するのでなく、スクロールで表示するようにしてもよい。
【0092】
また、表示制御機能132は、
図12の領域R30に示すように、サムネイル表示した医用画像データの各々に対応する時間を示したバーを表示する。
図12の領域R30に示すバーは、下方向を正方向とする時間軸Tの上に、各医用画像データの収集時間を表示したものである。具体的には、
図12の領域R30に示すバーは、時間軸Tの上に、CT画像データI31の収集時間U11、CT画像データI32の収集時間U12、超音波画像データI11の収集時間U13、超音波画像データI12の収集時間U14、X線画像データI21の収集時間U15、超音波画像データI13の収集時間U16、X線画像データI22の収集時間U17及び超音波画像データI14の収集時間U18を対応付けて表示したものである。
【0093】
ここで、取得機能133は、例えば、領域R20において、第1の画像データ及び第2の画像データを選択する選択操作を受け付ける。一例を挙げると、取得機能133は、入力回路610におけるマウス操作により、操作者から、超音波画像データI11及び超音波画像データI13を選択する選択操作を受け付ける。また、取得機能133は、選択された超音波画像データI11及び超音波画像データI13に対応する時間を取得する。例えば、抽出機能134は、DICOMのタグ「(0008,0022) Acquisition Date」及び「(0008,0032) Acquisition Time」を参照することで、超音波画像データI11に対応する時間として収集時間「2017/06/12 22:16:34」を取得し、超音波画像データI13に対応する時間として収集時間「2017/06/15 13:07:08」を取得する。
【0094】
なお、表示制御機能132は、領域R20のサムネイル表示の中から選択された第1の画像データ及び第2の画像データを、拡大表示することとしてもよい。例えば、表示制御機能132は、
図12の領域R10において、選択された超音波画像データI11及び超音波画像データI13を表示する。更に、表示制御機能132は、
図12の領域R10に示すように、第1の画像データ及び第2の画像データの収集時間や種類を表示することとしてもよい。また、取得機能133は、領域R10における第1の画像データ及び第2の画像データを参照した操作者から、第1の画像データ及び第2の画像データの変更を受け付ける場合であってもよい。
【0095】
次に、取得機能133は、第1の画像データ及び第2の画像データに基づいて、時間範囲を取得する。例えば、取得機能133は、まず、第1の画像データに対応する時間及び第2の画像データに対応する時間について、それぞれの表示意味を取得する。一例を挙げると、超音波画像データI11の収集時間が「2017/06/12 22:16:34」であり、超音波画像データI13の収集時間が「2017/06/15 13:07:08」である場合、取得機能133は、
図13Aに示すように、過去の時間である「2017/06/12 22:16:34」の表示意味として「開始時間」を取得し、後の時間である「2017/06/15 13:07:08」の表示意味として「終了時間」を取得する。なお、この場合、過去に収集された超音波画像データI11を第1の画像データと記載し、後に収集された超音波画像データI13を第2の画像データと記載する。また、
図13Aは、第2の実施形態に係る時間範囲の取得について説明するための図である。
【0096】
また、取得機能133は、第1の画像データに対応する時間及び第2の画像データに対応する時間を、それぞれ、X座標に変換する。例えば、取得機能133は、
図2Bの座標―時間変換テーブルに基づいて、超音波画像データI11の収集時間「2017/06/12 22:16:34」をX座標(1.878)に変換し、超音波画像データI13の収集時間「2017/06/15 13:07:08」をX座標(4.683)に変換する。これにより、取得機能133は、
図13Bに示すように、X座標と表示意味との対応関係を取得する。なお、
図13Bは、第2の実施形態に係る時間範囲の表示について説明するための図である。
【0097】
そして、表示制御機能132は、処方記録と時間範囲とを対応付けて時系列表示する。
例えば、表示制御機能132は、まず、選択された患者P1に対する、選択された薬剤M14の投与量を時系列表示する。一例を挙げると、表示制御機能132は、患者P1に対して薬剤M14が投薬された時間及びその投与量を、
図2Bに示したX座標及び
図2Cに示したY座標に従ってプロットすることで、
図14に示すように、棒グラフによる投与量の時系列表示を行なう。また、例えば、表示制御機能132は、薬剤M11、薬剤M12、薬剤M13、薬剤M15、薬剤M16、薬剤M17、薬剤M18及び薬剤M19の患者P1への投与について、投与した時点をプロットすることにより、投与量の時系列表示を行なう。そして、表示制御機能132は、
図14に示すように、投与量の時系列表示と重ねて時間範囲を表示することにより、時系列表示された投与量に対応付けて時間範囲を表示する。なお、
図14は、第2の実施形態に係る時間範囲の表示について説明するための図である。
【0098】
次に、医用情報処理システム1による処理の手順の一例を、
図15を用いて説明する。
図15は、第2の実施形態に係る医用情報処理システム1の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS201及びステップS204は、表示制御機能132に対応するステップである。また、ステップS202、ステップS203及びステップS205は、取得機能133に対応するステップである。
【0099】
まず、処理回路130は、PACSサーバ300において時間と対応付けて記憶された医用画像データを読み出し、医用画像データをディスプレイ620において時系列表示する(ステップS201)。次に、処理回路130は、時系列表示された医用画像データの中から第1の画像データ及び第2の画像データを選択する選択操作を受け付けて(ステップS202)、受け付けた選択操作に対応する時間範囲を取得する(ステップS203)。
【0100】
次に、処理回路130は、取得した時間範囲を、処方記録と対応付けて時系列表示する(ステップS204)。ここで、処理回路130は、第1の画像データ及び第2の画像データを選択する選択操作を再度検知したか否かを判定する(ステップS205)。再度の選択操作を検知した場合、処理回路130は、再度ステップS203に移行する(ステップS205肯定)。一方で、再度の選択操作を検知しなかった場合(ステップS205否定)、処理回路130は、処理を終了する。
【0101】
上述したように、第1の実施形態によれば、PACSサーバ300、電子カルテ保管装置400及び検体検査サーバ500は、医用画像データと、処方記録とを時間に対応付けて記憶する。取得機能133は、時系列表示された医用画像データに対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得する。表示制御機能132は、処方記録と時間範囲とを対応付けて時系列表示する。
【0102】
これにより、例えば、操作者は、医用画像データを選択するだけで、その医用画像データの収集時間の前後においてどのような投薬が行われたのかを確認することができる。即ち、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1は、医用画像データを処方記録と比較することを容易にし、更には薬の種類や投薬量の調整を容易にすることができる。
【0103】
(第3の実施形態)
上述した第1〜第2の実施形態では、画像データの例として、医用画像データについて説明した。これに対して、第3の実施形態では、画像データのバリエーションについて説明する。第3の実施形態に係る医用情報処理システム1は、
図1に示した医用情報処理システム1と同様の構成を有し、表示制御機能132及び抽出機能134による処理の一部が相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、
図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0104】
まず、抽出機能134が、時間範囲に応じた画像データとしてレポートを抽出する場合について、
図16を用いて、説明する。
図16は、第3の実施形態に係るレポートの表示について説明するための図である。
【0105】
例えば、まず、表示制御機能132は、選択された患者(以下、患者P1とする)の処方記録を時系列表示する。次に、取得機能133は、時系列表示された処方記録に対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得する。次に、抽出機能134は、作成時間及び患者IDと対応付けてPACSサーバ300において記憶されているレポートの中から、患者P1のレポートを抽出する。以下では、患者P1のレポートとして、レポートI41、レポートI42、レポートI43、レポートI44、レポートI45、レポートI46、レポートI47及びレポートI48が抽出された場合について説明する。
【0106】
次に、抽出機能134は、患者P1のレポートの中から、時間範囲に応じたレポートを抽出する。例えば、抽出機能134は、角レポートの作成時間と時間範囲とを比較することにより、時間範囲に応じたレポートとして、時間範囲に含まれる最初のレポートと、最後のレポートとを抽出する。以下では、時間範囲に含まれる最初のレポートがレポートI43であり、時間範囲に含まれる最後のレポートがレポートI47である場合について説明する。この場合、表示制御機能132は、
図16の領域R10に示すように、抽出機能134が抽出したレポートI43及びレポートI47を表示する。
【0107】
ここで、表示制御機能132は、
図6の領域R20に示すように、患者P1のレポートをサムネイル表示することとしてもよい。例えば、表示制御機能132は、患者P1のレポートとして抽出された8枚のレポート(レポートI41、レポートI42、レポートI43、レポートI44、レポートI45、レポートI46、レポートI47及びレポートI48)をサムネイル表示する。この場合、表示制御機能132は、8枚のレポートを領域R20に同時に表示するのでなく、スクロールで表示するようにしてもよい。
【0108】
更に、表示制御機能132は、
図16の領域R30に示すように、サムネイル表示したレポートの各々に対応する時間を示したバーを表示することとしてもよい。
図16の領域R30に示すバーは、下方向を正方向とする時間軸Tの上に、各レポートの作成時間を表示したものである。具体的には、
図16の領域R30に示すバーは、時間軸Tの上に、レポートI41の収集時間U21、レポートI42の収集時間U22、レポートI43の収集時間U23、レポートI44の収集時間U24、レポートI45の収集時間U25、レポートI46の収集時間U26、レポートI47の収集時間U27及びレポートI48の収集時間U28を対応付けて表示したものである。ここで、表示制御機能132は、
図16に示すように、領域R30のバーにおいて、時間範囲を表示することとしてもよい。
【0109】
なお、表示制御機能132は、ディスプレイ620において、処方記録の時系列表示と併せて
図16の表示を行なってもよいし、処方記録の時系列表示に代えて
図16の表示を行なってもよい。また、医用情報処理システム1が複数のディスプレイを含む場合、処方記録の時系列表示と
図16の表示とを別のディスプレイにおいて行なってもよい。
【0110】
これまで、時間範囲に応じたレポートとして、時間範囲に含まれるレポートのうち最初のレポートと最後のレポートとを抽出する場合について説明したが、抽出機能134は、レポートの種類を考慮して、時間範囲に応じたレポートを抽出することとしてもよい。
【0111】
例えば、抽出機能134は、まず、抽出するレポートの種類を選択する選択操作を操作者から受け付ける。ここで、レポートの種類とは、例えば、読影レポート、看護レポート、検体レポート、細菌レポート、生理レポート等である。なお、ここで選択されるレポートの種類は複数であってもよい。そして、抽出機能134は、時間範囲に応じた医用画像データとして、選択された種類のレポートであって、時間範囲に含まれるレポートのうち、最初のレポートと最後のレポートとを抽出する。また、例えば、抽出機能134は、時間範囲に応じた医用画像データとして、選択された種類のレポートであって時間範囲に含まれる医用画像データの中から、レポートの種類ごとに、最初のレポートと最後のレポートとを抽出する。そして、表示制御機能132は、抽出機能134が抽出したレポートをディスプレイ620において表示する。
【0112】
また、これまで、時間範囲に応じた画像データとして、レポート及び医用画像データの一方を抽出する場合について説明したが、抽出機能134は、レポート及び医用画像データの双方を抽出する場合であってもよい。例えば、抽出機能134は、まず、抽出する画像データの種類を選択する選択操作を操作者から受け付ける。ここで、画像データの種類は、「レポート」や「医用画像データ」のような総括的な分類であっても良いし、レポートの種類(例えば、読影レポート、看護レポート、検体レポート、細菌レポート、生理レポートなど)及び医用画像データの種類(例えば、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、SPECT装置、PET装置など)であってもよい。また、ここで選択される画像データの種類は複数であってもよい。
【0113】
そして、抽出機能134は、時間範囲に応じた画像データとして、選択された種類の画像データであって、時間範囲に含まれる画像データのうち、最初の画像データと最後の画像データとを抽出する。また、例えば、抽出機能134は、時間範囲に応じた画像データとして、選択された種類の画像データであって時間範囲に含まれる画像データの中から、画像データの種類ごとに、最初の画像データと最後の画像データとを抽出する。一例を挙げると、抽出機能134は、時間範囲に含まれる医用画像データの中から最初の医用画像データと最後の医用画像データとを抽出し、時間範囲に含まれるレポートの中から最初のレポートと最後のレポートとを抽出する。そして、表示制御機能132は、抽出機能134が抽出した医用画像データ及びレポートをディスプレイ620において表示する。
【0114】
なお、表示制御機能132は、ディスプレイ620において、処方記録の時系列表示、抽出機能134が抽出した医用画像データの表示及び抽出機能134が抽出したレポートの表示を同時に行なってもよいし、切り替え表示を行なってもよい。また、医用情報処理システム1が複数のディスプレイを含む場合、表示制御機能132は、処方記録の時系列表示、抽出機能134が抽出した医用画像データの表示及び抽出機能134が抽出したレポートの表示を、それぞれ別のディスプレイにおいて行なってもよい。
【0115】
(第4の実施形態)
さて、これまで第1〜第3の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0116】
上述した実施形態では、非画像データの例として、処方記録について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能132は、非画像データとして、バイタルデータや検体検査データ、画像の計測データ等の数値データを、処方記録の時系列表示(例えば、
図2Dの棒グラフや、
図10の図形など)と同様に、時系列表示することができる。また、例えば、表示制御機能132は、非画像データとして、検査レポートや看護記録等のテキストデータを、時間軸上に並べて表示することにより、時系列表示することができる。
【0117】
また、上述した実施形態では、記憶部の一例として、PACSサーバ300、電子カルテ保管装置400、検体検査サーバ500について説明したが、記憶回路120が記憶部として機能する場合であってもよい。即ち、記憶回路120が、医用情報を示す画像データと医用情報を示す非画像データとを、時間に対応付けて記憶する場合であってもよい。
【0118】
また、これまで、医用情報処理システム1の構成として
図1の一例を示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理システム1における医用情報処理装置100は、更に、図示しない入力回路及びディスプレイを備える場合であってもよい。この場合、医用情報処理システム1における入力回路及びディスプレイが、入力回路610及びディスプレイ620と同様の機能を有し、医用情報処理システム1に端末装置600を含まないこととしてもよい。
【0119】
また、上述した実施形態では、いずれかの患者が選択される場合ついて説明したが、複数の患者が選択される場合であってもよい。例えば、抽出機能134は、まず、複数の患者として、患者P1及び患者P2の選択を受け付ける。次に、表示制御機能132は、患者P1及び患者P2の少なくとも一方の非画像データを時系列表示する。次に、取得機能133は、時系列表示された非画像データに対する操作を受け付けて時間範囲を取得し、抽出機能134は、時間範囲に応じた患者P1の画像データと、時間範囲に応じた患者P2の画像データとをそれぞれ抽出する。そして、表示制御機能132は、抽出された患者P1の画像データと、患者P2の画像データとを、ディスプレイ620等において表示する。
【0120】
また、上述した実施形態では、時系列表示された医用画像データに対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得し、非画像データと時間範囲とを対応付けて時系列表示する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能132は、まず、PACSサーバ300に記憶されたレポートを読み出して時系列表示する。次に、取得機能133は、時系列表示されたレポートに対する操作を受け付けて、受け付けた操作に対応する時間範囲を取得する。そして、表示制御機能132は、非画像データと時間範囲とを対応付けて時系列表示する。
【0121】
上述した実施形態では、上述した各処理機能が単一の処理回路130によって実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路130は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路130が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0122】
また、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路120に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0123】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0124】
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0125】
また、上述した実施形態で説明した処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0126】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、画像データと非画像データとの比較を容易にするができる。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。