【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、あるシーンを眺める近赤外感受性ビデオカメラによって取得された画像における画像品質を改善する方法が提供される。方法は、近赤外感受性ビデオカメラの設定を動的に検出することであって、設定は近赤外感受性ビデオカメラのズームレベル、近赤外感受性ビデオカメラの焦点設定、および近赤外感受性ビデオカメラの赤外照明器(IR照明器)の設定の1つまたは複数であり、IR照明器はシーンを照明する、動的に検出すること、近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを動的に取得することであって、取得されたゲイン設定マップは近赤外感受性ビデオカメラの動的に検出された設定に関連付けられおよび近赤外感受性ビデオカメラの画素または画素のグループのための個々のゲイン設定を備え、ゲイン設定マップを動的に取得することは、近赤外感受性ビデオカメラの特定の設定に関連付けられたゲイン設定マップを備えたデータベースにアクセスすること、および近赤外感受性ビデオカメラの動的に検出された設定に基づく、動的に取得すること、および取得されたゲイン設定マップに基づいて近赤外感受性ビデオカメラのゲイン設定を動的に調整することを含む。
【0008】
この方法によってシーンの非一様なIR照明は補償されることができ、および特に夜間モードで近赤外感受性ビデオカメラを用いたときに、より均一な配光を有するように経験される画像が取得され得る。さらに本方法は動的であり、近赤外感受性ビデオカメラの設定に依存する。シーンのIR照明の非一様性は、例えば近赤外感受性ビデオカメラのズームレベルに依存し得る。例えば最大広角ズームレベルにおいてIR照明の非一様性は通常、最大テレズームレベルでのものとは非常に異なる。従って近赤外感受性ビデオカメラの1つまたは複数の設定を動的に考慮することによって、非一様性の異なる性質が効率的なやり方で補償され得る。
【0009】
さらに本方法は、IR照明器のためのコストのかかる設計検討の必要性を緩和することになる。本方法はさらに、新たなカメラを開発するときのIR照明器の広範なテストの必要性を緩和することになる。例えばIR照明器のIR光源の正しい配置の達成、およびIR光源の品質の重要性は低くなり得る。
【0010】
近赤外感受性ビデオカメラの設定を動的に検出する動作は、近赤外感受性ビデオカメラのIR照明器の設定を検出することを含むことができる。
【0011】
近赤外感受性ビデオカメラの設定を動的に検出する動作は、近赤外感受性ビデオカメラのIR照明器の設定と、近赤外感受性ビデオカメラのズームレベルおよび近赤外感受性ビデオカメラの焦点設定の一方または両方とを検出することを含むことができる。
【0012】
IR照明器の設定は、IR照明器の明るさ、IR照明器のズームレベル、およびIR照明器の配光の形状の1つまたは複数を含むことができる。IR照明器の明るさは、IR照明器によって放射される総エネルギー量を指す。これはIR照明器の1つまたは複数の光源に供給される効果の結果である。IR照明器のズームレベルは、IR照明器から放射される光の広がりを指す。各特定のズームレベルにおいてIR照明器から放射される光は、それが特定の広がりを有するように制御される。IR照明器の配光の形状は、IR照明器によって放射される光ビームの形状を指す。IR照明器によって放射される光ビームの形状は、多くの異なる方法で制御されることができ、例えば光のある部分が遮断されることができ、光を整形するためにレンズが用いられることができ、および/またはIR照明器によって放射される光ビームの形状に影響を与えるように複数の個々の光源が個々に制御され得る。
【0013】
IR照明器は複数のIR光源を備えることができ、シーンを照明するIR照明器の設定は、IR照明器の
構成、複数のIR光源のそれぞれの明るさ、複数のIR光源のそれぞれのズームレベル、および複数のIR光源のそれぞれの配光の形状の1つまたは複数を含むことができる。IR照明器の
構成は、IR照明器の今の設定を達成するために用いられる複数のIR光源のうちのどれかを指す。
【0014】
ゲイン設定マップを動的に取得することは、近赤外感受性ビデオカメラの動的に検出された設定に基づいて、データベースのゲイン設定マップの1つまたは複数から、ゲイン設定マップに対するデータを取得することを含むことができる。従って静的ゲイン設定マップ、またはデータベースのゲイン設定マップの異なるものから値を取り出すゲイン設定マップが用いられ得る。
【0015】
ゲイン設定マップを動的に取得することは、近赤外感受性ビデオカメラの動的に検出された設定に基づいて、データベースのゲイン設定マップの1つまたは複数から、ゲイン設定マップに対するデータを計算することを含むことができる。これはすでに存在する静的ゲイン設定マップを用いて新たなゲイン設定マップをオンザフライで計算することを可能にすることになる。
【0016】
第2の態様によれば、非一過性コンピュータ可読記録媒体が提供される。非一過性コンピュータ可読記録媒体は、処理能力を有するデバイス上で実行されたときに、第1の態様による方法を実装するためのプログラムが記録される。
【0017】
デバイスは画像センサと、ズームレンズ、焦点合わせユニット、およびIR照明器の少なくとも1つとを備えた近赤外感受性ビデオカメラとすることができる。
【0018】
第3の態様によれば、近赤外感受性ビデオカメラが提供される。近赤外感受性ビデオカメラは制御ユニットを備え、制御ユニットは、近赤外感受性ビデオカメラの設定を動的に検出することであって、設定は近赤外感受性ビデオカメラのズームレンズのズームレベル、近赤外感受性ビデオカメラの焦点合わせユニットの焦点設定、および近赤外感受性ビデオカメラのIR照明器の設定の1つまたは複数である、動的に検出すること、近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを動的に取得することであって、取得されたゲイン設定マップは近赤外感受性ビデオカメラの動的に検出された設定に関連付けられ、および近赤外感受性ビデオカメラの画素または画素のグループのための個々のゲイン設定を備え、ゲイン設定マップを動的に取得することは、近赤外感受性ビデオカメラの特定の設定に関連付けられたゲイン設定マップを備えたデータベースにアクセスすること、および近赤外感受性ビデオカメラの動的に検出された設定に基づく、動的に取得すること、および取得されたゲイン設定マップに基づいて、近赤外感受性ビデオカメラの画素または画素のグループのゲイン設定を動的に調整することを行うように構成される。
【0019】
近赤外感受性ビデオカメラは、近赤外感受性ビデオカメラの特定の設定に関連付けられたゲイン設定マップを備えたデータベースを記憶するように構成されたメモリをさらに備えることができる。
【0020】
IR照明器の設定は、IR照明器の明るさ、IR照明器のズームレベル、およびIR照明器の配光の形状の1つまたは複数を含むことができる。
【0021】
IR照明器は複数のIR光源を備えることができ、IR照明器の設定は、IR照明器の
構成、複数のIR光源のそれぞれの明るさ、複数のIR光源のそれぞれのズームレベル、および複数のIR光源のそれぞれの配光の形状の1つまたは複数を含む。
【0022】
第1の態様の方法の上述の特徴は、適用可能なときこの第3の態様にも適用される。必要以上の繰り返しを避けるために上記への参照がなされる。
【0023】
第4の態様によれば、近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを決定する方法が提供される。近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを決定する方法は、近赤外感受性ビデオカメラを第1の設定に設定することであって、第1の設定は固有であり、近赤外感受性ビデオカメラのズームレベル、近赤外感受性ビデオカメラの焦点設定、および近赤外感受性ビデオカメラのIR照明器の設定の1つまたは複数に関し、IR照明器は較正シーンを照明する、設定すること、近赤外感受性ビデオカメラによって見られる較正シーンの1つまたは複数の第1の画像を取得することであって、近赤外感受性ビデオカメラは第1の設定に設定される、取得すること、1つまたは複数の取得された第1の画像の分析に基づいて第1のゲイン設定マップを決定すること、および第1のゲイン設定マップを近赤外感受性ビデオカメラの第1の設定に関連付けることを含む。
【0024】
近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを決定するためのこの方法によって、近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを決定するための簡単で直接的な方法が提供される。方法はあらゆる単一の近赤外感受性ビデオカメラに対して用いられ得る。あるいは方法は、同じタイプまたはモデルの多数の近赤外感受性ビデオカメラの1つまたはいくつかに対して行われ得る。これは結果として近赤外感受性ビデオカメラのタイプまたはモデルのためのゲイン設定マップの共通セットを作成するためである。
【0025】
近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを決定する方法は、第1のゲイン設定マップを、近赤外感受性ビデオカメラの第1の設定に関連付けられたゲイン設定マップとして、ゲイン設定マップのデータベースに記憶することをさらに含むことができる。
【0026】
近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを決定する方法は、近赤外感受性ビデオカメラを第2の設定に設定することであって、第2の設定は第1の設定とは異なり、近赤外感受性ビデオカメラのズームレベル、近赤外感受性ビデオカメラの焦点設定、および近赤外感受性ビデオカメラのIR照明器の設定の1つまたは複数に関する、設定すること、較正シーンの1つまたは複数の第2の画像を取得することであって、近赤外感受性ビデオカメラは第2の設定に設定される、取得すること、1つまたは複数の取得された第2の画像の分析に基づいて第2のゲイン設定マップを決定すること、および第2のゲイン設定マップを近赤外感受性ビデオカメラの第2の設定に関連付けることをさらに含むことができる。
【0027】
近赤外感受性ビデオカメラのためのゲイン設定マップを決定する方法は、第2のゲイン設定マップを、近赤外感受性ビデオカメラの第2の設定に関連付けられたゲイン設定マップとして、ゲイン設定マップのデータベースに記憶することをさらに含むことができる。
【0028】
本発明の適用可能性のさらなる範囲は、以下に示される詳細な説明から明らかになるであろう。しかし詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、当業者にはこの詳細な説明から本発明の範囲内での様々な変更および修正が明らかになるので、例示のためのみに示されることが理解されるべきである。
【0029】
従って本発明は、述べられるデバイスの特定の構成要素部分、または述べられる方法のステップに限定されず、従ってデバイスおよび方法は変わり得ることを理解されたい。また本明細書で用いられる専門用語は特定の実施形態を述べる目的のためのみであり、限定するためのものではないことも理解されたい。本明細書および添付の「特許請求の範囲」で用いられる場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、文脈が異なる解釈を明らかに示す場合を除き、要素の1つまたは複数が存在することを示すことを意味するためのものであることが留意されなければならない。従って例えば「a unit」または「the unit」に対する言及は、いくつかのデバイスなどを含むことができる。さらに単語「comprising」、「including」、「containing」、および同様な言い回しは、他の要素またはステップを除外しない。
【0030】
次に本発明の上記その他の態様が、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照してより詳しく述べられる。図は本発明を特定の実施形態に限定するものと考えられるべきではなく、代わりにそれらは本発明を説明しおよび理解するために用いられる。
【0031】
図に示されるようにレイヤおよび領域のサイズは説明の目的のために誇張されており、従って本発明の実施形態の一般の構造を示すためにもたらされる。全体を通して類似の参照番号は類似の要素を指す。