(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853237
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】アンテナパターンの製造方法、RFIDインレットの製造方法、RFIDラベルの製造方法及びRFID媒体の製造方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20210322BHJP
G06K 19/02 20060101ALI20210322BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
G06K19/077 136
G06K19/02 020
G06K19/077 280
G06K19/077 144
H01Q1/38
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-505377(P2018-505377)
(86)(22)【出願日】2017年2月20日
(86)【国際出願番号】JP2017006128
(87)【国際公開番号】WO2017159222
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2020年1月9日
(31)【優先権主張番号】特願2016-56201(P2016-56201)
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 禎光
【審査官】
境 周一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−157428(JP,A)
【文献】
特開2006−146786(JP,A)
【文献】
特開2005−340773(JP,A)
【文献】
特表2007−536606(JP,A)
【文献】
特表2005−503033(JP,A)
【文献】
特開昭58−154291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
H01Q 1/00−1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターンと、前記アンテナパターンに接続されたICチップとを備えたRFIDインレットにおけるアンテナパターンの製造方法であって、
前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側に粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、
前記基材の連続体において前記粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、
前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、
前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、
を備え、
前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするアンテナパターンの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナパターンの製造方法であって、
前記粘着剤配置工程では、前記基材の連続体に配置される粘着剤の形状に対応するパターンが凸状に形成された凸版により前記粘着剤を前記基材の連続体に印刷するアンテナパターンの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアンテナパターンの製造方法であって、
前記除去工程では、前記不要部分を吸引によって除去するアンテナパターンの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナパターンの製造方法であって、
前記加圧工程では、前記アンテナパターンが形成された前記基材の連続体を押圧ローラと支持ローラとの間に挟んで搬送しながら加圧し、前記粘着剤を搬送方向上流側に引き延ばすアンテナパターンの製造方法。
【請求項5】
基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有するRFIDインレットの製造方法であって、
前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側に粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、
前記基材の連続体において前記粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、
前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、
前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、
前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、
を有し、
前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDインレットの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のRFIDインレットの製造方法であって、
前記加圧工程では、前記アンテナパターンが形成された前記基材の連続体を押圧ローラと支持ローラとの間に挟んで搬送しながら加圧し、前記粘着剤を搬送方向上流側に引き延ばすRFIDインレットの製造方法。
【請求項7】
印字面を有する基材、前記基材の印字面とは反対面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有しており、被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法であって、
前記基材の印字面とは反対面に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、
前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、
前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、
前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、
前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、
前記基材のアンテナパターンが形成された面に被着体用粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、
を有し、
前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDラベルの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のRFIDラベルの製造方法であって、
前記加圧工程では、前記アンテナパターンが形成された前記基材の連続体を押圧ローラと支持ローラとの間に挟んで搬送しながら加圧し、前記粘着剤を搬送方向上流側に引き延ばすRFIDラベルの製造方法。
【請求項9】
基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有しており被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法であって、
前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、
前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、
前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、
前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、
前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、
前記基材のアンテナパターンが形成された面に被着体用粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、
前記基材の前記セパレータが配置された面とは反対面に、印字面を有する外側基材を、前記印字面を外側に向けた状態で外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して配置する工程と、
を有し、
前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDラベルの製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のRFIDラベルの製造方法であって、
前記加圧工程では、前記アンテナパターンが形成された前記基材の連続体を押圧ローラと支持ローラとの間に挟んで搬送しながら加圧し、前記粘着剤を搬送方向上流側に引き延ばすRFIDラベルの製造方法。
【請求項11】
基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有しており被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法であって、
前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、
前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、
前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、
前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、
前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、
前記基材の前記アンテナパターンが形成された面に被着体用粘着剤又は被着体用接着剤を介して外側基材を配置する工程と、
前記基材の前記アンテナパターンが形成された面とは反対面に粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、
を有し、
前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDラベルの製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載のRFIDラベルの製造方法であって、
前記加圧工程では、前記アンテナパターンが形成された前記基材の連続体を押圧ローラと支持ローラとの間に挟んで搬送しながら加圧し、前記粘着剤を搬送方向上流側に引き延ばすRFIDラベルの製造方法。
【請求項13】
基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有するRFID媒体の製造方法であって、
前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、
前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、
前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、
前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、
前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、
前記基材のアンテナパターンが形成された面に外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して第1の外側基材を配置する工程と、前記基材の第1の外側基材が配置された面とは反対面に外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して第2の外側基材を配置する工程と、
を有し、
前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFID媒体の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載のRFID媒体の製造方法であって、
前記加圧工程では、前記アンテナパターンが形成された前記基材の連続体を押圧ローラと支持ローラとの間に挟んで搬送しながら加圧し、前記粘着剤を搬送方向上流側に引き延ばすRFID媒体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDインレットにおけるアンテナパターンの製造方法、RFIDインレットの製造方法、RFIDラベルの製造方法及びRFID媒体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の製造、管理、流通等の分野では、製品に関する情報が視認可能に印字されて製品に取り付けられるタグや、製品に関する情報が視認可能に印字されて製品等に貼付されるラベルが用いられている。近年では、識別情報が書き込まれたICチップから非接触通信によって情報を送受するRFID(Radio Frequency Identification)技術が種々の分野に適用されるようになっており、当該分野においても浸透しつつある。
【0003】
このようなRFID仕様のICチップ及びアンテナパターンが組み込まれたタグ、ラベル、リストバンド等(以下、RFID媒体という)には、取り付けられる対象物、貼付される対象物、又は装着者(以下、これらを含めて被着体という)に関する情報が視認可能に印字されるとともに、組み込まれたICチップに、被着体に関する様々な情報を記憶することができる。
【0004】
従来、RFIDインレットの製造工程において、アンテナパターンを形成する方法の一例として、基材に積層した金属箔に、アンテナパターンのレジスト層を印刷し、化学的エッチングによってアンテナパターン以外を溶融除去する方法が用いられる(JP2012−194743A参照)。
【発明の概要】
【0005】
JP2012−194743Aに記載されたエッチングによりアンテナパターンを形成する方法では、レジスト層をプリントする設備及び化学的エッチングのための設備が必要であった。さらにはレジスト層を除去する工程が必要であった。
【0006】
このように、エッチング法のための製造設備及び製造工程は、製造コストの増加を招く。また、エッチング法では、製造効率を向上させることが難しいため、アンテナパターンの製造工程においては、更なる改善が求められていた。
【0007】
そこで、本発明は、エッチング法を必要とせず、生産性よくアンテナパターンを製造できるようにすることを目的とする。
【0008】
本発明のある態様によれば、基材と、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターンと、前記アンテナパターンに接続されたICチップとを備えたRFIDインレットにおけるアンテナパターンの製造方法であって
、前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側に粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、前記基材の連続体において前記粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、を備え
、前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするアンテナパターンの製造方法が提供される。
【0009】
また、本発明の別の態様によれば、基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有するRFIDインレットの製造方法であって
、前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側に粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、前記基材の連続体において前記粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、を有
し、前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDインレットの製造方法が提供される。
【0010】
また、本発明の別の態様によれば、印字面を有する基材、前記基材の印字面とは反対面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有しており、被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法であって
、前記基材の印字面とは反対面に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、前記基材のアンテナパターンが形成された面に被着体用粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、を有
し、前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDラベルの製造方法が提供される。
【0011】
さらに、本発明の別の態様によれば、基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有しており被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法であって
、前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、前記基材のアンテナパターンが形成された面に被着体用粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、前記基材の前記セパレータが配置された面とは反対面に、印字面を有する外側基材を、前記印字面を外側に向けた状態で外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して配置する工程と、を有
し、前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDラベルの製造方法が提供される。
【0012】
さらに、本発明の別の態様によれば、基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有しており被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法であって
、前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、
前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、前記基材の前記アンテナパターンが形成された面に被着体用粘着剤又は被着体用接着剤を介して外側基材を配置する工程と、前記基材の前記アンテナパターンが形成された面とは反対面に粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、を有
し、前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFIDラベルの製造方法が提供される。
【0013】
さらに、本発明の別の態様によれば、基材、前記基材の一方の面に設けられたアンテナパターン、及び前記アンテナパターンに接続されたICチップを有するRFID媒体の製造方法であって
、前記基材の連続体に配置される前記アンテナパターンの外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤を配置する粘着剤配置工程と、前記基材の連続体において前記アンテナパターン用粘着剤が配置された面に前記アンテナパターンを構成する金属シートの連続体を配置する金属シート配置工程と、前記金属シートの連続体に前記アンテナパターンの切り込みを形成する切込工程と、前記金属シートの連続体のうち前記アンテナパターンを構成しない不要部分を除去する除去工程と、前記基材の連続体を搬送しながら、前記基材の連続体に配置された前記アンテナパターンに加圧する加圧工程と、前記アンテナパターンの特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップを固定するICチップ取付工程と、前記基材のアンテナパターンが形成された面に外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して第1の外側基材を配置する工程と、前記基材の第1の外側基材が配置された面とは反対面に外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して第2の外側基材を配置する工程と、を有
し、前記粘着剤配置工程において、前記外周線と、前記外周線の内側に配置される前記粘着剤との間の余白が搬送方向上流側において広くなるように、前記粘着剤の配置位置を位置決めするRFID媒体の製造方法が提供される。
【0014】
これらの態様によれば、エッチング法以外の方法で、生産性よくアンテナパターンを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナパターンの製造方法を用いて製造されるRFIDインレット1を説明する外観図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るアンテナパターンの製造方法を実行する製造装置100の概略図である。
【
図3】
図3は、RFIDインレット1の要部を拡大し、一部を切り欠いて示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[RFIDインレット]
本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法の説明に先立って、当該アンテナパターンの製造方法を用いて製造されるRFIDインレット1について説明する。
図1は、本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法を用いて製造されるRFIDインレット1を説明する外観図である。
図1に記載された矢印Fは、後述する製造装置100における搬送方向に一致する。
【0017】
図1に示すように、RFIDインレット1は、基材2と、基材2の一方の面に設けられたアンテナパターン3と、アンテナパターン3に接続されたRFID(Radio Frequency Identification)仕様のICチップ4とを備える。また、RFIDインレット1に、所定の加工を施すことにより、タグ、ラベル、リストバンド等のRFID媒体を形成することができる。
【0018】
アンテナパターン3は、RFIDの仕様に応じて、UHF帯(300MHz〜3GHz、特に860MHz〜960MHz)、マイクロ波(1〜30GHz、特に2.4GHz近傍)、及びHF帯(3MHz〜30MHz、特に13.56MHz近傍)等の特定の周波数帯に対応したパターンに設計される。本実施形態では、アンテナパターン3がUHF帯に適応したパターンの場合について説明する。
【0019】
[アンテナパターンの製造方法]
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るアンテナパターンの製造方法について説明する。
図2は、本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法を実行する製造装置100の概略図である。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法は、基材2の連続体Cを搬送しながら、連続体Cに粘着剤Aを配置する粘着剤配置工程P1と、連続体Cにおいて粘着剤Aが配置された面に金属シートの連続体Mを配置する金属シート配置工程P2と、金属シートの連続体Mにアンテナパターン3の切り込みを形成する切込工程P3と、金属シートの連続体Mのうちアンテナパターン3を構成しない不要部分Mbを除去する除去工程P4と、連続体Cに残されたアンテナパターン3に加圧する加圧工程P5とを有する。
図2における矢印Fは、搬送方向を示す。
【0021】
粘着剤配置工程P1は、粘着剤配置ユニット110によって実行される。粘着剤配置ユニット110は、粘着剤を貯留する粘着剤タンク111と、粘着剤タンク111から粘着剤を汲み上げる汲上ローラ112と、汲上ローラ112から粘着剤Aを受け取って連続体Cに印刷する版ローラ113と、圧胴114とを有する。また、粘着剤配置ユニット110は、粘着剤Aに紫外光を照射するUVランプ115を有する。
【0022】
版ローラ113は、基材2の連続体Cに配置される粘着剤Aの形状に対応する凸状パターン113aが形成された版が版胴に巻き付けられたものである。版ローラ113には、複数の凸状パターン113aが形成されている。複数の凸状パターン113aは、版ローラ113の送り方向と幅方向とに並んで面付けされている。これにより、複数個のアンテナパターン用の粘着剤を同時に連続体Cに印刷できる。各々の凸状パターン113aは、基材2に配置されるアンテナパターン3の外周線よりも内側に収まる形状とされている。
【0023】
連続体Cに配置される粘着剤Aの厚さは、3μm以上25μm以下であることが好ましい。3μm以上であれば、アンテナパターン3を粘着する十分な粘着力が得られ、25μm以下であれば、加圧によりアンテナパターン3の外周線よりも外側にはみ出ることがない。この観点から、粘着剤Aの厚さは、より好ましくは、3μm以上10μm以下である。
【0024】
図3は、RFIDインレット1の要部を拡大し、一部を切り欠いて示す部分拡大図である。
図3に示すRFIDインレット1の拡大部分において、粘着剤Aのアンテナパターン3の下に位置する部分は、破線で示されている。また、
図3において、アンテナパターン3の外周線と、アンテナパターン3の外周線の内側に配置される粘着剤Aとの間の余白は、mu、md、w1、w2で示されている。
【0025】
搬送方向上流側の余白muは、搬送方向下流側の余白mdよりも広くなるように粘着剤Aの配置位置が位置決めされる。すなわち、
図3に示される余白muは、余白mdよりも大きい。
【0026】
余白が広すぎると、アンテナパターン3の縁部分が浮き上がったり、剥がれたりする場合がある。また、余白が狭すぎると、アンテナパターン3の外周部から粘着剤Aがはみ出る場合がある。この観点から、余白muは、50μm以上300μm以下であることが好ましく、余白mdは、30μm以上100μm以下であることが好ましい(ただし、mu>mdを満たす)。
【0027】
なお、
図1には図示されていないが、粘着剤配置工程P1の前には、粘着剤を連続体Cに印刷する際における位置決め、及びアンテナパターンの切込を形成する際における切込位置の位置決めに基準にすることのできる基準マークを印刷する工程が実行される。
【0028】
本実施形態において、基材2(後述する連続体Cも同じ)として適用可能な材料としては、上質紙、コート紙等の紙類、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルム単体又はこれら樹脂フィルムを複数積層してなる多層フィルムが挙げられる。
【0029】
基材2の厚さは、25μm以上300μm以下であることが好ましい。基材として紙類を用いる場合には、上記範囲のなかでも、50μm以上260μm以下とすることができ、通常、80μmとすることが好ましい。また、基材として樹脂フィルムを用いる場合には、上記範囲のなかでも、25μm以上200μm以下とすることができる。これらのなかから、用途に応じて、適宜選択可能である。
【0030】
粘着剤配置工程P1において適用可能な粘着剤Aとしては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。本実施形態では、搬送される連続体Cに、フレキソ印刷や凸版印刷によって配置する観点から、紫外線硬化型のアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。このほか、スクリーン印刷も適用可能である。
【0031】
粘着剤Aの粘着力は、180°剥離試験(JIS Z 0237)において、500gf/25mm以上であることが好ましく、より好ましくは、800gf/25mm以上であり、さらに好ましくは、1000gf/25mm以上である。粘着力の上限値は、好ましくは、2000gf/25mmである。
【0032】
金属シート配置工程P2は、金属シート配置ユニット120によって実行される。金属シート配置ユニット120は、押圧ローラ121と支持ローラ122とを有する。金属シート配置工程P2では、連続体Cの粘着剤Aが配置された面に連続体Cの搬送路とは別の搬送路によって搬送された金属シートの連続体Mが重ね合わせられ、押圧ローラ121と支持ローラ122との間に挿通されて貼り合わされる。アンテナパターン3の外周線よりも外側には粘着剤が存在しないため、金属シートの連続体Mは、アンテナパターン3を形成する領域以外は、連続体Cに貼着していない。
【0033】
金属シートを構成する金属としては、通常、アンテナパターンの形成に用いられる導電性金属であれば適用可能である。一例として、銅、アルミニウムが挙げられる。製造コストを抑える観点から、アルミニウムを用いることが好ましい。また、RFIDインレット1全体の厚さ或いはRFID媒体に形成された際の全体の厚さ、及び製造コストの観点から、金属シートの厚さは、3μm以上25μm以下であることが好ましい。本実施形態では、厚さ20μmのアルミニウムシートが用いられる。
【0034】
切込工程P3は、切込ユニット130によって実行される。切込ユニット130は、連続体Cに配置された金属シートの連続体Mにアンテナパターン3の切込を形成するダイロール131と、ダイロール131をバックアップするアンビルローラ132とを有する。ダイロール131の表面には、アンテナパターン3の外周線の形状の凸状刃部131aが形成されている。凸状刃部131aは、フレキシブルダイとすることができる。また、このほかに、彫刻刃、植込刃等で構成することができる。
【0035】
切込ユニット130は、連続体C及び連続体Mからなるワークを挟み込んで連続的に搬送しながら、金属シートの連続体Mに凸状刃部131aを食い込ませてアンテナパターン3を区画する。これにより、金属シートの連続体Mに切込を形成することができる。
【0036】
除去工程P4は、除去ユニット140によって実行される。除去ユニット140は、ピールローラ141、142を備える。ピールローラ141の一部に金属シートの不要部分Mbを沿わせて搬送方向を変更させるとともに、ピールローラ142の一部にワークを沿わせて、不要部分Mbの搬送方向とは異なる方向に搬送させることにより、連続体C及び連続体Mからなるワークから金属シートの不要部分Mbを引き離す。不要部分Mbは、回収の後、再生加工処理が施され、再び、金属シートの連続体Mとして利用される。
【0037】
加圧工程P5は、加圧ユニット150によって実行される。加圧ユニット150は、押圧ローラ151と支持ローラ152とを備える。加圧ユニット150では、押圧ローラ151と支持ローラ152との間にワークを挟み込んで加圧することにより、粘着剤Aが連続体Cに配置されたアンテナパターン3の全面に亘って押し広げられる。圧力は、2kg/cm以上6kg/cm以下が好ましい。
【0038】
加圧工程P5の後、基材2の連続体Cにアンテナパターン3が配置されたワークは、巻き取りローラ102に巻き取られる。
【0039】
次に、上述したアンテナパターンの製造方法を実行する製造装置100における動作及びそれによる作用効果について説明する。
【0040】
上述したアンテナパターンの製造方法を実行する製造装置100によれば、繰り出しローラ101から繰り出された基材2の連続体Cは、粘着剤配置工程P1において、版ローラ113と圧胴114との間を通過することにより、アンテナパターン3が配置される予定領域であってアンテナパターン3の外周線よりも内側の領域に粘着剤Aが配置される。
【0041】
次に、金属シート配置工程P2において、粘着剤Aが配置された連続体Cに、金属シートの連続体Mが重ね合わされる。
【0042】
続いて、切込工程P3において、連続体C及び金属シートの連続体Mからなるワークに、アンテナパターン3の外周線の形状の凸状刃部131aが形成されたダイロール131によって、アンテナパターン3の切込が形成される。
【0043】
次に、除去工程P4において、金属シートの連続体Mのうちアンテナパターン3を構成しない不要部分Mbが除去される。
【0044】
続いて、加圧工程P5において、連続体Cに配置されたアンテナパターン3に加圧する。
【0045】
以上の工程により、基材2の連続体Cにアンテナパターン3を形成することができる。
【0046】
本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法では、加圧工程P5において、加圧ユニット150が押圧ローラ151と支持ローラ152との間にワークを挟み込んでワークを加圧することにより、粘着剤Aが連続体Cに配置されたアンテナパターン3の全面に亘って押し広げられる。また、加圧により、粘着剤Aの凝着が得られ、アンテナパターン3を連続体Cに密着させることができる。
【0047】
また、加圧工程P5では、連続体Cにアンテナパターン3が配置されたワークが搬送されながら押圧ローラ151と支持ローラ152とで加圧されると、連続体Cとアンテナパターン3との間に配置された粘着剤Aは、搬送方向上流側に引き延ばされる。これに対して、本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法では、アンテナパターン3の外周線と、アンテナパターン3の外周線の内側に配置される粘着剤Aとの間の余白は、搬送方向上流側の余白が搬送方向下流側の余白よりも広くなるように粘着剤Aの位置が配置されるため、搬送方向上流側に引き延ばされた粘着剤Aが搬送方向上流側に広く設定された余白mfに収められる。
【0048】
本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法によれば、金属シートの不要部分Mbには、粘着剤Aが付着していないため、不要部分Mbを巻き取る際に、不要部分Mbの巻き取りローラ(
図2には図示しない)に不要部分Mbをワークから引き剥がす引剥力を付加する必要がない。したがって、金属シートの不要部分Mbの引剥力や該引剥力による破断等を考慮することなく、ワークの搬送速度を設定できる。また、金属シートの不要部分Mbには、粘着剤Aが付着していない、また粘着剤Aが付着することにより他の異物の付着もないため、回収後の取り扱い性が良好であるとともに、金属シートの再利用性に優れるという利点を有する。
【0049】
[変形例]
次に、本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法の変形例について説明する。
【0050】
本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法において、基材2は、感熱紙であってもよい。また、本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法において、粘着剤配置工程P1の前に、基材2の連続体Cへの粘着剤の密着性を高めるために、基材2の連続体Cにアンダーコート層を配置してもよい。
【0051】
本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法において、除去工程P4では、ピールローラ141,142によってワークと金属シートの不要部分Mbとを引き離すほか、不要部分Mbを吸引によって除去する吸引機構が設けられていてもよい。これにより、ピールローラ141,142による引き離しだけではワークに残り易い金属シート片を確実に除去できる。
【0052】
本実施形態に係るアンテナパターンの製造方法において、アンテナパターン3はUHF帯に適用されるアンテナパターンであると説明した。しかし、アンテナパターンは、UHF帯に適用されるものに限定されない。コイル状のHF帯アンテナや他の周波数帯域に対応したアンテナも製造可能である。
【0053】
[RFIDインレットの製造方法]
次に、本発明の実施形態に係るRFIDインレットの製造方法について説明する。本実施形態に係るRFIDインレットの製造方法は、上述したアンテナパターンの製造方法によって製造されたワークに、ICチップ4を取り付ける取付工程を有する。
【0054】
取付工程では、アンテナパターン3の特定位置に導電性材料を用いてICチップ4を固定する。ICチップ4の接合方法としては、一例として、異方導電性ペースト又は導電性フィルムを用いた焼付け接合を用いることができる。
【0055】
[RFIDラベルの製造方法(その1)]
次に、本発明の実施形態に係るRFIDラベルの製造方法について説明する。本実施形態に係るRFIDラベルの製造方法は、印字面を有する基材2、基材2の印字面とは反対面に設けられたアンテナパターン3、及びアンテナパターン3に接続されたICチップ4を有しており被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法である。
【0056】
本実施形態に係るRFIDラベルの製造方法では、上述したRFIDインレットの基材2として、一面に印字面が形成された基材2を用いる。
【0057】
本実施形態に係るRFIDラベルの製造方法では、この基材の連続体Cを搬送しながら、前記基材2の印字面とは反対面に配置される前記アンテナパターン3の外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤Aを配置する粘着剤配置工程P1と、前記基材の連続体Cにおいて前記アンテナパターン用粘着剤Aが配置された面に前記アンテナパターン3を構成する金属シートの連続体Mを配置する金属シート配置工程P2と、前記金属シートの連続体Mに前記アンテナパターン3の切り込みを形成する切込工程P3と、前記金属シートの連続体Mのうち前記アンテナパターン3を構成しない不要部分Mbを除去する除去工程P4と、前記基材の連続体Cに配置された前記アンテナパターン3に加圧する加圧工程P5と、前記アンテナパターン3の特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップ4を固定するICチップ取付工程と、前記基材のアンテナパターン3が形成された面に被着体用粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、を有する。
【0058】
[RFIDラベルの製造方法(その2)]
次に、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベルの製造方法について説明する。
【0059】
本発明の別の実施形態に係るRFIDラベルの製造方法は、基材2、前記基材2の一方の面に設けられたアンテナパターン3、及び前記アンテナパターン3に接続されたICチップ4を有しており被着体に貼着されるRFIDラベルの製造方法であって、前記基材の連続体Cを搬送しながら、前記基材の連続体Cに配置される前記アンテナパターン3の外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤Aを配置する粘着剤配置工程P1と、前記基材の連続体Cにおいて前記アンテナパターン用粘着剤Aが配置された面に前記アンテナパターン3を構成する金属シートの連続体Mを配置する金属シート配置工程P2と、前記金属シートの連続体Mに前記アンテナパターン3の切り込みを形成する切込工程P3と、前記金属シートの連続体Mのうち前記アンテナパターン3を構成しない不要部分Mbを除去する除去工程P4と、前記基材2の連続体Cに配置された前記アンテナパターン3に加圧する加圧工程P5と、前記アンテナパターン3の特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップ4を固定するICチップ取付工程と、前記基材2のアンテナパターン3が形成された面に被着体用粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、前記基材の前記セパレータが配置された面とは反対面に、印字面を有する外側基材を、前記印字面を外側に向けた状態で外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して配置する工程と、を有する。
【0060】
本実施形態において、印字面を有する外側基材とは、基材2に配置されたアンテナパターン3及びICチップ4を保護するとともに、ラベルの形態を決定するものである。所望の用途に応じた厚み及び材質を選択することができる。
【0061】
また、別の方法として、ICチップ取付工程の後に、基材2のアンテナパターン3が形成された面に被着体用粘着剤又は被着体用接着剤を介して外側基材を配置する工程と、基材2のアンテナパターン3が形成された面とは反対面に粘着剤を介してセパレータを配置する工程と、を有していてもよい。
【0062】
この場合、基材2のアンテナパターン3が形成された面を被着体側にして、被着体に貼付することができる。なお、基材2のアンテナパターン3が形成された面とは反対面に粘着剤を介してセパレータを配置する工程は無くてもよい。
【0063】
本実施形態に係るRFIDラベルの製造方法において、RFIDインレット1に外側基材を貼り合わせるための接着剤として、エマルジョン系接着剤、ソルベント系接着剤及びホットメルト系接着剤を使用することができる。また、粘着剤を使用することもできる。接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤等が適用できる。また、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の粘着剤が適用できる。
【0064】
[RFID媒体の製造方法]
次に、本発明の別の実施形態に係るRFID媒体の製造方法について説明する。
【0065】
本発明の別の実施形態に係るRFID媒体の製造方法は、基材2、基材2の一方の面に設けられたアンテナパターン3、及び前記アンテナパターン3に接続されたICチップ4を有するRFID媒体の製造方法であって、前記基材の連続体Cを搬送しながら、前記基材の連続体Cに配置される前記アンテナパターン3の外周線よりも内側にアンテナパターン用粘着剤Aを配置する粘着剤配置工程P1と、前記基材の連続体Cにおいて前記アンテナパターン用粘着剤Aが配置された面に前記アンテナパターン3を構成する金属シートの連続体Mを配置する金属シート配置工程P2と、前記金属シートの連続体Mに前記アンテナパターン3の切り込みを形成する切込工程P3と、前記金属シートの連続体Mのうち前記アンテナパターン3を構成しない不要部分Mbを除去する除去工程P4と、前記基材の連続体Cに配置された前記アンテナパターン3に加圧する加圧工程P5と、前記アンテナパターン3の特定位置に導電性材料を用いて前記ICチップ4を固定するICチップ取付工程と、前記基材のアンテナパターンが形成された面に外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して第1の外側基材を配置する工程と、前記基材の第1の外側基材が配置された面とは反対面に外側基材用粘着剤又は外側基材用接着剤を介して第2の外側基材を配置する工程と、を有する。
【0066】
本実施形態において、第1の外側基材及び第2の外側基材とは、基材2に配置されたアンテナパターン3及びICチップ4を保護するとともに、タグ(特にアパレル用タグ)、ラベル、リストバンド、チケット等の形態を決定するものである。所望の用途に応じた厚み及び材質を選択することができる。
【0067】
本実施形態に係るRFID媒体の製造方法において、RFIDインレット1に第1及び第2の外側基材を貼り合わせるための接着剤として、エマルジョン系接着剤、ソルベント系接着剤及びホットメルト系接着剤を使用することができる。また、粘着剤を使用することもできる。接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤等が適用できる。また、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の粘着剤が適用できる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0069】
本願は、2016年3月18日に日本国特許庁に出願された特願2016−056201に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。