特許第6853238号(P6853238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853238
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】移植機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   A01C11/02 301A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-509902(P2018-509902)
(86)(22)【出願日】2017年3月13日
(65)【公表番号】特表2020-508036(P2020-508036A)
(43)【公表日】2020年3月19日
(86)【国際出願番号】CN2017000225
(87)【国際公開番号】WO2018152657
(87)【国際公開日】20180830
【審査請求日】2019年12月20日
(31)【優先権主張番号】201710100483.6
(32)【優先日】2017年2月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515001510
【氏名又は名称】慈溪市華之杰塑料製品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【弁理士】
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】華 杰
(72)【発明者】
【氏名】華 世民
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−029123(JP,A)
【文献】 実開平01−175501(JP,U)
【文献】 特開平11−056016(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0173290(US,A1)
【文献】 米国特許第04444131(US,A)
【文献】 特開2015−226480(JP,A)
【文献】 特開2010−154798(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3111272(JP,U)
【文献】 米国特許第02790670(US,A)
【文献】 実開平06−084832(JP,U)
【文献】 実開昭58−189729(JP,U)
【文献】 実開昭53−106443(JP,U)
【文献】 特開2010−115130(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3170748(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/00−11/04
A01B 1/00− 1/24
A01C 5/02
A01C 7/02
A01G 23/04−23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄(1)を含み、前記柄の下部に取苗ユニットが設けられている移植機であって、
前記取苗ユニットは、固定挿入部材(2)と、可動挿入部材(3)と、駆動ユニットと、を含み、
固定挿入部材(2)の上部は、柄(1)の下部に固定されて設けられ、
可動挿入部材(3)は固定挿入部材(2)と間隔を空けて設けられ、可動挿入部材(3)と固定挿入部材(1)との間に植物の苗を収容する空間が形成され、可動挿入部材(3)の上部は柄(1)の下部に回動可能に設けられ、
駆動ユニットは可動挿入部材(3)と接続され、可動挿入部材(3)の上部を柄の下部に沿って揺動させることで、可動挿入部材(3)の下端部と固定挿入部材(2)の下端部との距離が縮められ、
前記駆動ユニットは、駆動本体(4)と、ペダルユニット(5)と、第1回動軸(6)と、第2回動軸(7)と、第3回動軸(8)と、を含み、
前記駆動本体(4)には貫通孔(41)が設けられ、柄(1)の下端部は駆動本体(4)の貫通孔(41)に固定されて設けられ、駆動本体(4)には、第1駆動軸孔(42)と、第2駆動軸孔(43)と、第3駆動軸孔(44)と、が設けられ、
ペダルユニット(5)の第1端には、第1ペダル軸孔(51)と、第2ペダル軸孔(52)とが設けられ、
前記可動挿入部材(3)の上部には、第1可動挿入部材軸孔(31)と第2可動挿入部材軸孔(32)とが設けられ、第1可動挿入部材軸孔(31)及び第2可動挿入部材軸孔(32)の中心の位置は同一鉛直線上になく、
第1回動軸(6)は、ペダルユニット(5)の第1端の第1ペダル軸孔(51)と、駆動本体(4)の第1駆動軸孔(42)と、を貫通して設けられ、
第2回動軸(7)は、ペダルユニット(5)の第1端の第2ペダル軸孔(52)と、駆動本体(4)の第2駆動軸孔(43)と、可動挿入部材(3)の第1可動挿入部材軸孔(31)と、を貫通して設けられ、
第3回動軸(8)は、駆動本体(4)の第3駆動軸孔(44)と、前記可動挿入部材(3)の第2可動挿入部材軸孔(32)と、を貫通して設けられる、ことを特徴とする、
移植機。
【請求項2】
前記第2可動挿入部材軸孔(32)は細長い形状を呈し、且つ傾斜して設けられており、
前記第2駆動軸孔(43)も細長い形状を呈し、且つ傾斜して設けられており、
かつ、第2可動挿入部材軸孔(32)及び第2駆動軸孔(43)の傾斜方向は反対である、ことを特徴とする、
請求項に記載の移植機。
【請求項3】
前記第2駆動軸孔(43)及び第2可動挿入部材軸孔(32)は、いずれも細長いアーチ形状の構造である、ことを特徴とする、
請求項に記載の移植機。
【請求項4】
前記ペダルユニット(5)の第1端は、前記駆動本体(4)に外嵌される、ことを特徴とする、
請求項に記載の移植機。
【請求項5】
前記ペダルユニット(5)は、固定ペダル部材(5a)と、固定ペダル部材(5a)に回動可能且つ折り畳み可能に接続された可動ペダル部材(5b)と、を含み、固定ペダル部材の第1端はペダルユニットの第1端であり、固定ペダル部材の第2端は可動ペダル部材に接続されている、ことを特徴とする、
請求項に記載の移植機。
【請求項6】
土押し装置をさらに含み、前記土押し装置は土押しロッド(9)を含み、土押しロッド(9)の中間部が柄(1)に運動可能に外嵌され、土押しロッド(9)の下部には土押し板(10)が接続され、土押し板(10)には、固定挿入部材孔と可動挿入部材孔とが設けられ、固定挿入部材(2)は固定挿入部材孔に運動可能に設けられ、可動挿入部材(3)は可動挿入部材孔に運動可能に設けられる、ことを特徴とする、
請求項1からのいずれか1項に記載の移植機。
【請求項7】
前記土押しロッド(9)の中間部に、突起する補助用土押しペダルプレス部(91)が設けられる、ことを特徴とする、
請求項に記載の移植機。
【請求項8】
前記土押し装置は、柄(1)に運動可能に外嵌され、且つ土押しロッド(9)の上端部に固定接続された持ち手カバー(11)を含む、ことを特徴とする、
請求項に記載の移植機。
【請求項9】
前記固定挿入部材(2)は間隔を空けて設けられた2本の金属ピンであり、前記可動挿入部材(3)は間隔を空けて設けられた2枚の金属刃であること、を特徴とする、
請求項1からのいずれか1項に記載の移植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物、観賞用植物、果樹などの植物は、苗の時期に、植え付けのために苗の移し替えや植え足しを行う必要が往々にして出てくる。中国実用新案第201420478978.4号に公開されている果樹用移植機は、取苗管と、取苗管の両側に取り付けられた接続ロッドと、接続ロッドに滑合する押土装置とを含む。取苗管全体は、中空の管状の構造であり、その上端付近にペダルリングが固定されて設けられている。押土装置は、接続ロッドに遊合、滑合する押土ペダルを含む。この押土ペダルの底部には、押土リング接続ロッドが溶接されている。この押土リング接続ロッドは、2本の接続ロッドの間に位置し、その下端と押土リングとが溶接により接続されている。押土リングは、取苗管に遊合、滑合されている。接続ロッドの上端には、持ち手が溶接されている。操作の際、まず取苗管を苗木の周囲に垂直に挿入してペダルリングを踏み、取苗管全体が苗木の周囲の土壌に垂直に挿入されるようにする。挿入過程において、接続ロッドに外嵌接続された押土ペダルが押土リングに押されて次第に上に移動する。取苗管全体は、完全に土壌に入り込むまで挿入されればよい。その後、持ち手を揺らして、取苗管の底層の土壌に割れ目を生じさせる。そして、取苗管全体を垂直に取り出す。最後に足で押土ペダルを踏むと、押土リング接続ロッドと押土リングとに押されて、苗木と苗木に付随する土が取苗管から出てくる。こうして、苗木の根元周囲の土壌を荒らさずに移植を実現することができ、苗木の生育率を高めることができる。この構造の欠点は、以下にある。取苗管全体の構造が中空の管状であるため、その上下の直径は同じである。取苗管を土に挿入した後、持ち手を揺らして取苗管の底層の土壌に割れ目を生じさせ、取苗管を垂直に取り出す。このようにしても、土壌の密度が粗い場合や、土壌ブロック全体の重量が比較的重い場合、苗木を含む土壌ブロック全体を取り出す時に、苗木を含む土壌が取苗管から落下しやすく、取り出し操作が容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上述の既存技術に対し、苗木と土壌を取り出す過程で、それらが落下しない移植機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が上述の技術的課題を解決するために採用した技術的手段は以下のとおりである。
【0005】
移植機は、柄を含み、柄の下部に取苗ユニットが設けられており、以下を特徴とする。
【0006】
取苗ユニットは、固定挿入部材と、可動挿入部材と、駆動ユニットと、を含む。
【0007】
固定挿入部材の上部は、柄の下部に固定されて設けられている。
【0008】
可動挿入部材は、固定挿入部材と間隔を空けて設けられている。可動挿入部材と固定挿入部材との間に植物の苗を収容する空間が形成される。可動挿入部材の上部は、揺動可能に柄の下部に設けられている。
【0009】
駆動ユニットは可動挿入部材と接続され、可動挿入部材の上部を柄の下部に沿って揺動させることで、可動挿入部材の下端部と固定挿入部材の下端部との距離が縮められる。
【0010】
好ましくは、駆動ユニットは、駆動本体と、ペダルユニットと、第1回動軸と、第2回動軸と、第3回動軸と、を含む。
【0011】
駆動本体には貫通孔が設けられる。柄の下端部は駆動本体の貫通孔に固定されて設けられている。駆動本体には、第1駆動軸孔と、第2駆動軸孔と、第3駆動軸孔と、が設けられる。
【0012】
ペダルユニットの第1端には、第1ペダル軸孔と、第2ペダル軸孔とが設けられている。
【0013】
可動挿入部材の上部には、第1可動挿入部材軸孔と、第2可動挿入部材軸孔とが設けられている。第1可動挿入部材軸孔及び第2可動挿入部材軸孔の中心の位置は、同一鉛直線上にない。
【0014】
第1回動軸は、ペダルユニットの第1端の第1ペダル軸孔と、駆動本体の第1駆動軸孔と、を貫通して設けられている。
【0015】
第2回動軸は、ペダルユニットの第1端の第2ペダル軸孔と、駆動本体の第2駆動軸孔と、可動挿入部材の第1可動挿入部材軸孔と、を貫通して設けられている。
【0016】
第3回動軸は、駆動本体の第3駆動軸孔と、可動挿入部材の第2可動挿入部材軸孔と、を貫通して設けられている。
【0017】
好ましくは、第2可動挿入部材軸孔は細長い形状を呈し、且つ傾斜して設けられる。第2駆動軸孔も細長い形状を呈し、且つ傾斜して設けられる。また、第2可動挿入部材軸孔及び第2駆動軸孔の傾斜方向は反対である。
【0018】
第2駆動軸孔及び第2可動挿入部材軸孔は、いずれも細長いアーチ形状の構造である。
【0019】
ペダルユニットの第1端は、駆動本体に外嵌される。
【0020】
ペダルユニットは、固定ペダル部材と、固定ペダル部材に回動可能且つ折り畳み可能に接続された可動ペダル部材と、を含む。固定ペダル部材の第1端はペダルユニットの第1端であり、固定ペダル部材の第2端は可動ペダル部材に接続されている。
【0021】
本発明は、土押し装置をさらに含む。土押し装置は土押しロッドを含む。土押しロッドの中間部は、柄に運動可能に外嵌される。土押しロッドの下部には、土押し板が接続される。土押し板には、固定挿入部材孔と可動挿入部材孔とが設けられる。固定挿入部材は、固定挿入部材孔に運動可能に設けられる。可動挿入部材は、可動挿入部材孔に運動可能に設けられる。
【0022】
土押しロッドの中間部に、突起する補助用土押しペダルプレス部が設けられる。
【0023】
土押し装置は、柄に運動可能に外嵌され、且つ土押しロッドの上端部に固定接続された持ち手カバーを更に含む。
【0024】
固定挿入部材は、間隔を空けて設けられた2本の金属ピンである。可動挿入部材は、間隔を空けて設けられた2枚の金属刃である。
【0025】
金属刃は下部に尖端を有し、外縁は円弧面であり、円弧面には波状歯が設けられる。
【発明の効果】
【0026】
既存の技術と比べ、本発明は以下の特長を有する。固定挿入部材と可動挿入部材とが設けられることと、駆動ユニットによって可動挿入部材の上部を柄の下部に沿って揺動させることで、可動挿入部材の下端部と固定挿入部材の下端部との距離を縮めることができる。固定挿入部材及び可動挿入部材が土壌に挿入された後、駆動ユニットにより可動挿入部材の下端部と固定挿入部材の下端部との距離を縮められるので、苗を取った後に、苗木を含む土壌が固定挿入部材及び可動挿入部材の下端部から落下することがない。操作も簡便であり、高効率で、良い効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例に係る移植機の構造を示す斜視図である(普段の状態)。
図2】本発明の実施例に係る移植機の斜視分解図である。
図3】本発明の実施例に係る駆動ユニットの斜視分解図である。
図4】取苗ユニットの断面図である(普段の状態)。
図5】本発明の実施例の移植機の構造を示す斜視図である(苗を取っている状態)。
図6】取苗ユニットの断面図である(苗を取っている状態)。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面と実施例とを合わせて、本発明に対して更に詳しく説明をする。
【0029】
図1〜6に示すように、移植機は、柄1を含む。柄の下部には、取苗ユニットが設けられる。この取苗ユニットは、以下を含む。
【0030】
固定挿入部材2。固定挿入部材2の上部は、柄1の下部に固定されて設けられている。
【0031】
可動挿入部材3。可動挿入部材3は、固定挿入部材2と間隔を空けて設けられ、可動挿入部材3と固定挿入部材2との間に植物の苗を収容する空間が形成される。可動挿入部材3の上部は、柄1の下部に回動可能に設けられている。
【0032】
駆動ユニット。駆動ユニットは、可動挿入部材3と接続されており、可動挿入部材3の上部を柄の下部に沿って揺動させることにより、可動挿入部材3の下端部と固定挿入部材2の下端部との距離が縮められる。
【0033】
本実施例では、固定挿入部材2は、間隔を空けて設けられた2本の金属ピンであり、可動挿入部材3は、間隔を空けて設けられた2枚の金属刃である。金属刃は、下部に尖端を有し、外縁は円弧面であり、円弧面は波状歯を有している。このようにすると土壌の中に挿入しやすい。
【0034】
駆動ユニットは、以下を含む。
【0035】
駆動本体4。駆動本体4には貫通孔41が設けられる。柄1の下端部は、駆動本体4の貫通孔41に固定されて設けられる。駆動本体4には、第1駆動軸孔42と、第2駆動軸孔43と、第3駆動軸孔44と、が設けられる。ここで、第1駆動軸孔42と第3駆動軸孔44とはいずれも円形の孔であり、第2駆動軸孔43は、細長いアーチ形状の孔であり、且つ長手方向に傾斜して設けられている。
【0036】
ペダルユニット5。ペダルユニット5の第1端には、第1ペダル軸孔51と第2ペダル軸孔52とが設けられる。第1ペダル軸孔51及び第2ペダル軸孔52は、いずれも円形の孔である。
【0037】
可動挿入部材3の上部には、第1可動挿入部材軸孔31と第2可動挿入部材軸孔32とが設けられる。第1可動挿入部材軸孔31及び第2可動挿入部材軸孔32の中心の位置は、同一鉛直線上にはない。第1可動挿入部材軸孔31は円形の孔であり、第2可動挿入部材軸孔32は、細長いアーチ形状の孔であり、且つ長手方向に傾斜して設けられている。第2可動挿入部材軸孔32及び第2駆動軸孔43の傾斜方向は反対である。
【0038】
第1回動軸6。第1回動軸6は、ペダルユニット5の第1端の第1ペダル軸孔51と、駆動本体4の第1駆動軸孔42と、を貫通して設けられている。
【0039】
第2回動軸7。第2回動軸7は、ペダルユニット5の第1端の第2ペダル軸孔52と、駆動本体4の第2駆動軸孔43と、可動挿入部材3の第1可動挿入部材軸孔31と、を貫通して設けられている。
【0040】
第3回動軸8。第3回動軸8は、駆動本体4の第3駆動軸孔44と、可動挿入部材3の第2可動挿入部材軸孔32と、を貫通して設けられている。
【0041】
ペダルユニット5は、固定ペダル部材5aと、固定ペダル部材5aに回動可能且つ折り畳み可能に接続された可動ペダル部材5bと、を含む。固定ペダル部材の第1端はペダルユニットの第1端であり、固定ペダル部材の第2端は可動ペダル部材と接続されている。ペダルユニット5の第1端は、駆動本体4に外嵌されている。
【0042】
また、本実施例の移植機は、土押し装置をさらに含む。この土押し装置は、土押しロッド9を含む。土押しロッド9の中間部は、柄1に運動可能に外嵌される。土押しロッド9の下部には、土押し板10が接続される。土押し板10には、固定挿入部材孔と可動挿入部材孔とが設けられる。固定挿入部材2は固定挿入部材孔に運動可能に設けられ、可動挿入部材3は可動挿入部材孔に運動可能に設けられる。土押しロッド9の中間部には、突起する土押し用補助ペダルプレス部91が設けられる。柄1の外には、土押しロッド9の上端部に固定接続された持ち手カバー11が、運動可能に設けられている。
【0043】
使用時には、手で柄1を握り、固定挿入部材2と可動挿入部材3とを共に垂直に苗木の根毛の中心に近接する周辺に挿入する(5aの位置を足で踏んで力を入れてもよい)。その後、柄1を揺らして片側(好ましいのは、使用者の体寄りの側)に傾斜させ、ペダルユニット5の第2端(自由端)を地面に接触させる。引き続き、柄1に同方向に傾斜した揺動力を与え、ペダルユニット5の第2端に上向きの圧力がかかるようにする。このとき、ペダルユニット5が押されて第1回動軸6回りに回動する。駆動本体4が柄1の下端に固定されているので、駆動本体4は移動も回動もしない。ペダルユニット5が押されることにより、第2回動軸7が駆動本体4の第2駆動軸孔43内を移動し、可動挿入部材3が第2回動軸7回りに回動する。第2回動軸7が下へ移動し突き当たりまで到達すると、それに同期して、第3回動軸8が可動挿入部材3の上端の第2可動挿入部材軸孔32に沿って移動し、突き当たりまで到達する。且つ、第2回動軸7が回動することにより、可動挿入部材3の下端が固定挿入部材2の下端寄りの方向へ移動する。図4、5を参照されたい。このようにして、可動挿入部材3の下端部と固定挿入部材2の下端部との距離が縮まるので、「つかみ取り」機能を実現することができ、簡単に取苗ユニットの底層の土壌に割れ目を生じさせることができる。その後、移植機を取り出して、持ち手11(又は土押し補助ペダル91)を用いて、苗木を押し出して目的の位置に置き、可動挿入部材3の下端部と固定挿入部材2の下端部との距離を元の状態に戻して、苗木を含む土壌ブロック全体を簡単に下ろすことができる。また、土押し板により、固定挿入部材と可動挿入部材とに付着した泥を簡単に落とすことができる。その後、持ち手11を上方向に引っ張って、元の位置に戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】中国実用新案第201420478978.4号明細書
図1
図2
図3
図4
図5
図6