【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、内腔プロテーゼが提供される。この内腔プロテーゼは、内腔内に保持されるように構成された第1の部分と、第2の部分と、を備える。第2の部分は、第2の部分に加えられる力が少なくとも部分的に第1の部分から切り離されるように第1の部分に接続される。
【0004】
第2の部分は、弁などのデバイスを取り付けるように構成されていてもよい。
【0005】
プロテーゼは、第1の部分と第2の部分との間にコネクタを備えていてもよい。コネクタは、少なくとも1つのテザーを備えていてもよい。コネクタは、少なくとも1つのストラット(支柱)を備えていてもよい。コネクタは、少なくとも1つのワイヤを備えていてもよい。
【0006】
1つの場合では、第1の部分および第2の部分は、単一の先行体(precursor)から形成される。
【0007】
先行体は、折り畳まれて第1の部分および第2の部分を形成する1つの連続的なステントを備えている。
【0008】
1つの場合では、第2の部分は、第1の部分の径方向内向きである。
【0009】
第1の部分は、球状領域を備えていてもよい。
【0010】
第2の部分は、骨格(scaffold)受入領域を備えていてもよい。
【0011】
プロテーゼは、近位フレア部を備えていてもよい。球状領域と近位フレア部との間に移行領域が存在していてもよい。
【0012】
1つの場合では、プロテーゼは、球状領域と、近位フレア部と、骨格受入領域と、を備えている。
【0013】
近位フレア部は、オープンメッシュ構造を有していてもよい。近位フレア部は、プロテーゼの軸線方向の移動に抵抗するように構成されてもよい。近位フレア部は、少なくとも部分的に被覆されていてもよい。1つの場合では、近位フレア部は、被覆された表面領域を有している。
【0014】
一実施形態では、球状領域は、部分的に被覆されている。
【0015】
1つの場合では、骨格受入領域は、球状領域と比べて固い。
【0016】
プロテーゼは、近位フレア部と球状領域との間に移行領域を備えていてもよい。移行領域は、オープンメッシュ柔軟構造を有していてもよい。
【0017】
プロテーゼは、編まれたメッシュ状構成を有していてもよい。
【0018】
一態様では、本発明は、内腔プロテーゼを提供する。この内腔プロテーゼは、外側領域と、外側領域に接続される内側領域とを備える。内側領域は、弁などのデバイスを取り付けるように構成される。内側領域は、ストラットおよび/またはワイヤなどの接続手段によって、外側領域に接続されてもよい。内側領域は、外側領域が延在することによって形成されてもよい。内側領域および外側領域は、折り畳まれて内側領域および外側領域を形成する1つの連続的なステントによって形成される。1つの場合では、内腔プロテーゼは、近位フレア部と、球状領域と、骨格受入領域と、を備えている。
【0019】
一実施形態では、プロテーゼは、装着中に径方向の圧縮を容易にするとともに径方向の拡張を制限する補強部を有している。補強部は、ステントの周囲の少なくとも一部分の周りに延在していてもよい。補強部は、少なくとも1つのループを備えていてもよい。
【0020】
1つの場合では、補強部は、非伸張性である。補強部は、可撓性材料を有していてもよい。1つの場合では、補強部は、ポリマー繊維または金属繊維を有していてもよい。補強部は、単繊維もしくは、編み上げられたポリプロピレン縫合糸およびステンレス鋼ワイヤを含む群の1つ以上から選択される材料を有していてもよい。
【0021】
本発明は、また、自己拡張内腔プロテーゼを提供する。この自己拡張内腔プロテーゼは、装着中に径方向の圧縮を容易にするとともに径方向の拡張を制限する補強部を有している。1つの場合では、補強部は、ステントの周囲の少なくとも一部分のまわりに延在する。補強部は、少なくとも1つのループを備えていてもよい。補強部は、非伸張性であってもよい。補強部は、可撓性材料を有していてもよい。補強部は、ポリマー繊維または金属繊維を有していてもよい。補強部は、単繊維もしくは編み上げられたポリプロピレン縫合糸およびステンレス鋼ワイヤを含む群の1つ以上から選択される材料を有していてもよい。
【0022】
本発明は、また、本発明のプロテーゼを備える胃腸インプラントデバイスを提供する。
【0023】
提供される胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造であって、弁が取り付けられる骨格と本発明の内腔プロテーゼとを有する支持構造と、を備える。
【0024】
本発明によれば、外側領域と、外側領域に接続される内側領域と、を備えた内腔プロテーゼが提供される。内側領域は、弁などのデバイスを取り付けるように構成される。
【0025】
一実施形態では、内側領域は、ストラットおよび/またはワイヤなどの接続手段によって外側領域に接続される。
【0026】
他の実施形態では、内側領域は、外側領域が延在することによって形成される。内側領域および外側領域は、折り畳まれて内側領域および外側領域を形成する1つの連続的なステントによって形成されてもよい。
【0027】
1つの場合では、内腔プロテーゼは、近位フレア部と、球状領域と、骨格受入領域と、を備えている。
【0028】
本発明は、また、本発明のプロテーゼを備える胃腸インプラントデバイスを提供する。
【0029】
本発明は、胃腸インプラントデバイスを提供する。この胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造であって、弁が取り付けられる骨格と本発明の内腔プロテーゼとを有する支持構造と、を備える。
【0030】
本発明によれば、胃腸インプラントデバイスが提供される。この胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造と、を備える。
【0031】
本発明は、また、胃腸インプラントデバイスを提供する。この胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造であって、弁が取り付けられる骨格と内腔プロテーゼとを有する支持構造と、を備える。内腔プロテーゼは、近位フレア部と、球状領域と、骨格受入領域と、を備える。
【0032】
一実施形態では、骨格受入領域は、内腔プロテーゼの近位端と遠位端との間に配置される。
【0033】
骨格受入領域は、近位フレア部と球状領域との間に配置されてもよい。
【0034】
一実施形態では、弁は、弁において予め設定された背圧を超えた場合のみに開くように構成される。
【0035】
一実施形態では、支持構造は、弁が取り付けられる骨格を備えている。支持構造は、内腔プロテーゼを備えていてもよい。
【0036】
1つの場合では、支持構造は、弁が取り付けられる骨格と、内腔プロテーゼと、を備えている。骨格は、内腔プロテーゼに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0037】
一実施形態では、スリーブが支持構造に取り付けられる。1つの場合では、スリーブは、支持構造に取り外し可能に取り付け可能である。1つの場合では、支持構造は骨格を備え、スリーブは骨格に取り付けられる。
【0038】
一実施形態では、支持構造は、ステント状の構造を備えている。
【0039】
1つの場合では、支持構造は、ステント状の骨格を備えている。
【0040】
一実施形態では、支持構造は、幽門に配置するための内腔プロテーゼと、弁が取り付けられる骨格と、を備えている。骨格は、事前配置内腔プロテーゼに取り外し可能に取り付け可能である。骨格は、内腔プロテーゼと取り外し可能に係合可能あってもよい。骨格は、内腔プロテーゼと取り外し可能に係合可能な複数の係合要素を備えていてもよい。1つの場合では、係合要素は、内腔プロテーゼと取り外し可能に係合可能な複数の突出部を備えている。
【0041】
一実施形態では、内腔プロテーゼは、メッシュを備えている。メッシュは、コーティングによって被覆されていてもよい。突出部は、メッシュと係合してもよい。突出部は、メッシュを貫通してもよい。
【0042】
一実施形態では、デバイスは、事前配置内腔プロテーゼとの係合から骨格を解放するための解放手段を備えている。解放手段は、骨格の少なくとも一部分の直径を低減するための手段を備えていてもよい。解放手段は、骨格の周りに延在する引紐を備えていてもよい。
【0043】
支持構造の近位端の周りに延在する第1の引紐があってもよい。支持構造の遠位端の周りに延在する第2の引紐があってもよい。
【0044】
一実施形態では、弁が支持構造に取り付けられる。弁は、支持構造に縫合されてもよい。弁は、支持構造に接合されてもよい。弁は、支持構造に接着剤で接合されてもよい。
【0045】
1つの場合では、スリーブの近位端は、支持構造に取り付けられる。スリーブは、支持構造に縫合されてもよい。スリーブは、支持構造に接合されてもよい。弁は、支持構造に接着剤で接合されてもよい。
【0046】
一実施形態では、支持構造は、実質的に均一な直径を有する骨格を備えている。
【0047】
1つの場合では、支持構造は、内腔プロテーゼを備えている。
【0048】
内腔プロテーゼは、近位フレア部を備えていてもよい。内腔プロテーゼは、遠位球状領域を備えていてもよい。内腔プロテーゼは、骨格受入領域を備えていてもよい。骨格受入領域は、内腔プロテーゼの近位端と遠位端との間にあってもよい。
【0049】
一実施形態では、スリーブは、その全長に沿って実質的に均一な直径を有している。
【0050】
他の実施形態では、スリーブは、近位端における第1の直径と、遠位端における第2の直径と、を有している。第2の直径は、第1の直径よりも大きい。スリーブは、テーパ状であってもよい。
【0051】
一実施形態では、スリーブは、スリーブを所望の位置に保持することを補助する保持手段を備えている。保持手段は、保持リングを備えていてもよい。保持リングは、スリーブの遠位端のところに、または、スリーブの遠位端に隣接して位置していてもよい。
【0052】
スリーブに沿って軸線方向に間隔が隔てられた複数の保持リングがあってもよい。
【0053】
1つの場合では、保持リングは、付勢手段を備えている。付勢手段は、拡張形態に付勢される可撓性材料を備えていてもよい。
【0054】
一実施形態では、保持リングは、スリーブよりも大きく形成されている。
【0055】
デバイスは、保持リングを係合から解放するための解放手段を備えていてもよい。解放手段は、引紐を備えていてもよい。
【0056】
一実施形態では、スリーブは、後退移送形態と拡張展開形態とを有している。スリーブは、後退移送形態で折り畳まれてもよい。
【0057】
一実施形態において、弁は、通常時の閉形態と、胃の内容物排出のために弁が開かれる開形態と、を有している。
【0058】
1つの場合では、弁は、胃の内容物排出のために自動的に開くとともに、閉形態に自動的に戻るように構成される。
【0059】
弁は、生体模倣であってもよい粘弾性ポリマー発泡体を有していてもよい。
【0060】
一実施形態では、弁は、外側支持領域と、少なくとも3つの弁尖と、支持領域と弁尖との間を延在する主本体領域と、を備えている。弁は、閉形態における弁尖の接合領域を有していてもよい。接合領域は、軸線方向に少なくとも1mm延在していてもよい。
【0061】
一実施形態において、デバイスは、幽門括約筋または弁に配置するように構成される。
【0062】
他の実施形態において、デバイスは、幽門括約筋の遠位に配置するように構成される。
【0063】
一実施形態において、支持部は、十二指腸に延在する事前配置スリーブに取り付けるように構成される。
【0064】
本発明は、また、胃腸インプラントデバイスのための移送システムを提供する。インプラントデバイスは、人工弁と、十二指腸スリーブと、弁およびスリーブのための支持構造と、を備えている。デバイスは、後退移送形態と拡張展開形態とを有している。移送システムは、後退形態におけるインプラントデバイスのための遠位ポッドを有する移送カテーテルと、スリーブ配置システムと、を備えている。
【0065】
1つの場合において、スリーブ配置システムは、遠位キャップと、スリーブを通って延在するための流体移送内腔と、遠位キャップと内腔との間の遠位シール部と、近位シール部と、を備えている。内腔を通ってスリーブに入る流体の移送によって、スリーブは、軸線方向に後退された移送形態から軸線方向に拡張された展開形態まで拡張する。
【0066】
近位シール部は、スリーブの展開のためにポッドと密封係合可能であってもよい。
【0067】
近位シール部は、スリーブの展開のために弁と密封係合可能であってもよい。
【0068】
1つの場合では、ポッドは、移送カテーテルから取り外し可能である。
【0069】
近位シール部は、空気注入式バルーンを備えていてもよい。
【0070】
遠位シール部は、空気注入式バルーンを備えていてもよい。移送システムは、遠位バルーンを膨らませるための可撓性チューブを備えていてもよい。
【0071】
一実施形態における移送システムは、支持構造を配置するための配置器と、支持構造が取り付けられる弁と、を備えている。1つの場合では、配置器は、支台(abutment)を備えている。支台は、バルーンによって提供されてもよい。配置器バルーンは、近位バルーンを備えていてもよい。
【0072】
一実施形態において、遠位キャップまたはオリーブは、流体移送内腔に取り外し可能に取り付けられる。
【0073】
本発明は、また、十二指腸に延在するためのスリーブを備える胃腸インプラントを提供する。スリーブは、X線不透過性マーカーを収容するポケットを有している。ポケットは、少なくとも部分的にスリーブの全長に沿って延在していてもよい。
【0074】
一実施形態において、スリーブは、X線不透過性マーカーを受け入れるための複数のポケットを有している。
【0075】
X線不透過性マーカーは、流体またはゲルを備えていてもよい。流体は、硫酸バリウムなどのX線不透過性物質で充填されたシリコン樹脂を備えていてもよい。
【0076】
本発明は、また、肥満および/または糖尿病を治療するための方法を提供する。この方法は、内腔プロテーゼを用意する工程と、支持骨格に取り付けられた弁であって、後退移送形態と拡張展開形態とを有する弁を用意する工程と、十二指腸をライニングするためのライナスリーブを用意する工程と、内腔プロテーゼを幽門のところまたは幽門の遠位の位置に移送する工程と、幽門内の位置に内腔プロテーゼを配置する工程と、弁および支持骨格を当該位置に移送する工程と、スリーブが弁から十二指腸に延在するようにスリーブを配置する工程と、を備えている。
【0077】
一実施形態において、この方法は、支持構造が事前配置内腔プロテーゼと係合するように弁および支持構造を配置する工程を備えている。
【0078】
一実施形態において、内腔プロテーゼは、幽門括約筋内に配置される。
【0079】
他の実施形態において、内腔プロテーゼは、幽門括約筋の遠位に配置される。
【0080】
この方法は、内腔プロテーゼとの係合から弁支持構造を解放する工程と、弁支持構造と弁とスリーブとを当該位置から引き出す工程と、を備えていてもよい。この方法は、弁と、弁のための支持構造と、スリーブとを所望の位置に配置するために適切な工程を繰り返す工程を備えていてもよい。
【0081】
本発明は、さらに、肥満および/または糖尿病を治療するための方法を提供する。この方法は、支持構造に取り付けられる弁を用意する工程と、支持構造に取り付けられた弁を十二指腸に延在する事前配置スリーブまで移送する工程と、弁がスリーブに取り付けられるように弁を配置する工程と、を備えている。
【0082】
弁を配置する工程は、弁支持体を事前配置内腔プロテーゼと係合させる工程を備えていてもよい。
【0083】
1つの場合では、弁支持体は、拡張可能な支持体であり、この方法は、支持体を後退した態様で移送カテーテルに装着する工程を備え、弁支持体は、配置された際に拡張可能である。支持体は、自己拡張可能であってもよい。支持体は、バルーンなどの拡張手段によって拡張されてもよい。
【0084】
1つの場合では、この方法は、内腔プロテーゼとの係合から弁支持体を解放する工程を備えている。この方法は、弁支持体をスリーブ内に再位置決めする工程を備えていてもよい。弁は、スリーブから取り外されてもよい。
【0085】
本発明は、また、胃から十二指腸までの流れを制御するために幽門に配置するための幽門弁を備える胃腸インプラントデバイスを提供する。弁は、粘弾性発泡体を有しており、また、少なくとも3つの弁尖を備えている。弁は、通常時の閉形態と、開形態と、を有している。弁尖は、胃から流れるために、閉形態から開形態に可動である。
【0086】
一実施形態では、弁は、胃の内容物を排出するために自動的に開くように構成されるとともに、閉形態に自動的に戻るように構成される。弁は、外側支持領域と、支持領域と弁尖との間を延在する主本体領域と、を備えていてもよい。弁は、閉形態における弁尖の接合領域を有していてもよい。
【0087】
1つの場合では、デバイスは、弁を幽門に固定するためのアンカーを備えていてもよい。
【0088】
1つの場合では、アンカーは、弁のための支持構造を備えている。アンカーは、弁のための支持骨格と、骨格を取り付けることができる内腔プロテーゼと、を備えていてもよい。
【0089】
1つの場合では、デバイスは、十二指腸まで延在するためのスリーブを備えている。スリーブは、弁、または、弁のためのアンカーに取り付けられてもよい。デバイスは、幽門括約筋に配置するように構成されていてもよく、あるいは、幽門括約筋の遠位に配置するように構成されていてもよい。
【0090】
本発明によれば、胃の内容物の排出速度を制御するために幽門に配置するための弁を備える胃腸インプラントデバイスが提供される。
【0091】
一実施形態では、弁は、通常時の閉形態と、胃の内容物の排出のために弁が開かれる開形態と、を有している。
【0092】
弁のための支持体があってもよい。支持体は、十二指腸まで延在する事前配置スリーブに取り付けるように構成されていてもよい。
【0093】
一実施形態では、インプラントデバイスは、幽門弁に配置するように構成される。
【0094】
さらなる実施形態では、インプラントデバイスは、幽門弁の遠位に配置するように構成される。
【0095】
弁支持体は、支持構造を備えていてもよい。支持構造は、外側に向けてテーパ状であってもよい。支持構造は、内側に向けてテーパ状であってもよい。
【0096】
他の場合では、支持構造は、その全長に沿って略均一の直径を有している。
【0097】
支持構造は、骨格(scaffold)を備えていてもよい。
【0098】
支持構造は、ステント状の構造を備えていてもよい。
【0099】
1つの場合には、デバイスは、弁支持体を事前配置内腔プロテーゼに取り付けるための取付手段を備えていてもよい。
【0100】
取付手段は、事前配置ホスト支持体(host support)と取り外し可能に係合可能であってもよい。
【0101】
デバイスは、事前配置ホスト支持体との係合から弁を解放するための解放手段を備えていてもよい。解放手段は、弁支持構造の少なくとも一部分の直径を低減するための手段を備えていてもよい。解放手段は、弁支持構造の周りを延在する引紐を備えていてもよい。支持構造の近位端の周りに延在する第1の引紐があってもよい。支持構造の遠位端の周りに延在する第2の引紐があってもよい。
【0102】
1つの場合では、弁は、支持構造に取り付けられる。弁は、支持構造に縫合されてもよい。
【0103】
弁は、支持構造に接合されてもよい。弁は、支持構造に接着剤によって接合されてもよい。
【0104】
一実施形態では、弁は、1つの方向に自動的に開くように構成される。
【0105】
本発明は、また、肥満および/または糖尿病の治療のための方法を提供する。この方法は、支持構造に取り付けられる弁を用意する工程と、支持構造に取り付けられた弁を十二指腸内に延在する事前配置スリーブまで移送する工程と、弁がスリーブに取り付けられるように弁を配置する工程と、を備えている。
【0106】
弁を配置する工程は、弁支持体を事前配置内腔プロテーゼと係合させる工程を備えていてもよい。
【0107】
1つの場合では、弁支持体は、拡張可能な支持体であり、上記方法は、移送カテーテルに支持体を後退した形態で装着する工程を備え、弁支持体は、配置時に拡張可能である。
【0108】
支持体は、自己拡張可能であってもよい。代替的に、支持体は、拡張手段によって拡張されてもよい。拡張手段は、バルーンを備えていてもよい。
【0109】
一実施形態では、この方法は、弁支持体を内腔プロテーゼとの係合から解放する工程を備えている。この方法は、弁支持体をスリーブ内に再位置決めする工程を備えていてもよい。
【0110】
1つの場合では、この方法は、弁をスリーブから取り外す工程を備えている。
【0111】
一実施形態では、弁は、外側支持リムと、少なくとも3つの弁尖と、支持リムと弁尖との間を延在する主本体領域と、を有する幽門弁本体を備えている。
【0112】
本発明は、また、弁を提供する。この弁は、少なくとも4つの弁尖を備えている。弁は、弁尖が係合された通常時の閉形態と、弁尖が開いた開形態と、を有している。少なくとも5つの弁尖があってもよい。6つの弁尖があってもよい。
【0113】
弁は、ポリマー材料の弁本体を備えていてもよい。弁は、外側支持領域を備えていてもよい。弁は、また、支持領域と弁尖との間を延在する主本体領域を備えていてもよい。
【0114】
1つの場合では、主本体領域は、外側支持リムと、弁尖の接合領域と、の間において、略凹形である。
【0115】
1つの場合では、弁尖は、接合領域を有しており、弁本体は、接合領域において補強される。弁本体は、接合領域のところで、厚く形成されていてもよい。
【0116】
接合領域は、軸線方向に少なくとも1mmの長さで延在してもよい。接合領域は、1mm以上5mm以下の深さで延在してもよい。
【0117】
一実施形態では、弁本体の支持リムは補強されている。弁の支持リムは厚く形成されていてもよい。
【0118】
一実施形態では、弁は、3つの弁尖を備えている。
【0119】
他の実施形態では、弁は、6つの弁尖を備えている。
【0120】
弁は、支持構造に取り付けられてもよい。
【0121】
1つの場合では、弁リムは、支持構造に縫合される。代替的に、あるいは、追加的に、弁リムは、支持構造に接合される。
【0122】
一実施形態では、支持構造は、内腔プロテーゼを備えている。
【0123】
1つの場合では、内腔プロテーゼは、弁の近位に延在する。他の場合では、内腔プロテーゼは、弁の遠位に延在する。
【0124】
一実施形態では、内腔プロテーゼは、弁の近位および遠位に延在する。
【0125】
内腔プロテーゼは、被覆部および/またはスリーブを有していてもよい。被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの外側にあってもよい。代替的に、被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの内側にあってもよい。
【0126】
一実施形態では、少なくとも3ヶ月の間、少なくとも4ヶ月の間、少なくとも5ヶ月の間、少なくとも6ヶ月の間、少なくとも7ヶ月の間、少なくとも8ヶ月の間、少なくとも9ヶ月の間、少なくとも10ヶ月の間、少なくとも11ヶ月の間、または、少なくとも1年間、ポリマー材料が胃液に安定である。
【0127】
1つの場合では、ポリマー材料は、平衡状態の水の重量で約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、または、約30%未満を占める。
【0128】
1つの場合では、弁本体のポリマー材料は、50%以上、3000%以下、または、200%以上、1200%以下の%伸張を有している。
【0129】
1つの場合では、弁本体のポリマー材料は、0.01MPa以上、5MPa以下、およそ0.1MPa以上、1.0MPa以下、または、およそ約0.25MPa以上、0.5MPa以下の引張強度を有している。
【0130】
一実施形態では、ポリマー材料は、およそ0.01MPa以上、0.6MPa以下、または、約0.1MPa以上、約0.5MPa以下のヤング率を有している。
【0131】
一実施形態では、弁本体のポリマー材料は、0.1g/cm
3以上、1.5g/cm
3以下、0.3g/cm
3以上、1.2g/cm
3以下、0.8g/cm
3以上、0.9g/cm
3以下、または、0.5g/cm
3以上、0.6g/cm
3以下の密度を有している。
【0132】
一実施形態では、弁本体の支持領域の近位端と、弁尖の遠位端と、の距離は、50mm未満、40mm未満、30mm未満、25mm未満、20mm未満、または、15mmである。
【0133】
1つの場合では、弁本体のポリマー材料は、弾性材料からなる。
【0134】
他の場合では、弁本体のポリマー材料は、粘弾性材料からなる。
【0135】
一実施形態では、弁本体のポリマー材料は、発砲体を含む。弁本体のポリマー材料は、連続気泡発砲体を含んでいてもよい。
【0136】
一実施形態では、弁本体のポリマー材料は、ポリウレタン発砲体を含む。
【0137】
一実施形態では、弁は、事前配置支持構造、例えば、ステントなどの食道内腔プロテーゼに取り付けるように構成されている。
【0138】
本発明は、また、弁を提供する。この弁は、弁が閉じられる通常の閉形態と、弁を通って流れるために弁が開かれた開形態と、弁のための支持体と、を有している。支持体は、事前配置内腔プロテーゼを、事前配置内腔プロテーゼの近位端と遠位端との中間に取り付けるように構成される。
【0139】
1つの場合では、内腔プロテーゼは、被覆部および/またはスリーブを有している。被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの外部にあってもよい。代替的に、または、追加的に、被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの内部にあってもよい。
【0140】
取付手段が支持構造によって設けられてもよい。1つの場合では、取付手段は、支持構造から延在する突出部を備えている。突出部は、事前配置ホスト食道内腔プロテーゼと係合するように構成されていてもよい。
【0141】
一実施形態では、突出部は、ループを備えている。
【0142】
1つの場合では、突出部の頂端(apicial tip)は丸く形成されている。
【0143】
事前配置ホスト内腔プロテーゼとの係合から弁を解放するための解放手段があってもよい。解放手段は、弁支持構造の少なくとも一部分の直径を低減するための手段を備えていてもよい。
【0144】
1つの場合では、解放手段は、弁支持構造の周りに延在する引紐を備えている。第1の引紐が、支持構造の近位端の周りに延在していてもよい。第2の引紐が、支持構造の遠位端の周りに延在していてもよい。
【0145】
一実施形態では、弁は支持構造に取り付けられる。弁は、支持構造に縫合されてもよい。弁は、支持構造に接合されてもよい。弁は、接着剤によって支持構造に接合されてもよい。
【0146】
他の場合では、取り付け手段には、外科用接着剤が含まれる。
【0147】
本発明は、また、身体通路内に弁を設けるための方法を提供する。この方法は、支持構造に取り付けられる弁を用意する工程と、支持構造に取り付けられる弁を、身体通路内の事前配置内腔プロテーゼに移送する工程と、弁が内腔プロテーゼに取り付けられるように弁を配置する工程と、を備えている。
【0148】
一実施形態では、弁を配置する工程は、弁支持体を、事前配置内腔プロテーゼと係合させる工程を備えている。
【0149】
弁支持体は、事前配置内腔プロテーゼと機械的に係合されてもよい。
【0150】
1つの場合では、弁支持体は、突出部を備えており、上記の方法は、突出部を、腔内プロテーゼの孔部と位置合わせする工程と、孔部内で突出部を係合させる工程と、を備えている。
【0151】
一実施形態では、弁支持体は、拡張可能な支持体であり、上記の方法は、移送カテーテルに支持体を後退した形態で装着する工程を備え、弁支持体は、配置時に拡張可能である。
【0152】
支持体は、自己拡張可能であってもよいし、あるいは、支持体は、バルーンなどの拡張手段によって拡張されてもよい。
【0153】
一実施形態では、上記の方法は、弁支持体を内腔プロテーゼとの係合から解放する工程を備えている。
【0154】
この方法は、弁支持体をプロテーゼ内に再位置決めする工程を備えていてもよい。この方法は、弁をプロテーゼから取り外す工程を備えている。
【0155】
一実施形態では、内腔プロテーゼは、弁の近位に延在する。プロテーゼは、自己拡張プラスチックメッシュを備えていてもよい。プロテーゼは、1.9kPa未満の径方向の力を加えてもよい。
【0156】
一実施形態では、プロテーゼをそのまま取り付けるためのアンカーがある。アンカーは、プロテーゼのメッシュを通って延在するように構成されてもよい。
【0157】
一実施形態では、支持領域の近位端から弁尖の遠位端までの弁の長さは、50mm未満、40mm未満、または、30mm未満である。弁の長さは、弁の支持領域の外径と略同一であってもよい。弁の長さは、約23mmであってもよい。
【0158】
本発明は、単に例示として提供される次の説明からより明確に理解されるであろう。