特許第6853312号(P6853312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コロプラスト アクティーゼルスカブの特許一覧

特許6853312内腔プロテーゼおよび胃腸インプラントデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853312
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】内腔プロテーゼおよび胃腸インプラントデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20210322BHJP
   A61F 2/04 20130101ALI20210322BHJP
【FI】
   A61B17/12
   A61F2/04
【請求項の数】22
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2019-142355(P2019-142355)
(22)【出願日】2019年8月1日
(62)【分割の表示】特願2017-132775(P2017-132775)の分割
【原出願日】2012年12月19日
(65)【公開番号】特開2019-202184(P2019-202184A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2019年8月19日
(31)【優先権主張番号】61/577,302
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/577,308
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/641,804
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】2012/0508
(32)【優先日】2012年11月26日
(33)【優先権主張国】IE
(73)【特許権者】
【識別番号】500085884
【氏名又は名称】コロプラスト アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】ベハン,ニオール
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−524776(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0190905(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
A61F 2/07
A61F 2/82 − A61F 2/945
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内腔プロテーゼであって、
体の内腔内で保持されるように構成された第一部分であって、前記内腔プロテーゼの出口開口を形成する遠位端を有する遠位部分及び前記内腔プロテーゼの入口開口を形成する近位端を備える近位部分と、前記遠位部分及び前記近位部分との間に接続された球状領域とを備え、前記球状領域が前記遠位部分の幅よりも大きく且つ前記近位部分の幅よりも大きい横方向の幅を有し、前記遠位部分が前記球状領域の遠位側に第一筒状領域として形成され、前記近位部分が前記球状領域の近位側に第二筒状領域として形成される、第一部分と、
前記第一部分の近位部分の近位端にコネクタによって接続される第二部分と、
前記第一部分を通って且つ前記第二部分を通って前記内腔プロテーゼ内に形成される貫通内腔と、
前記内腔プロテーゼの前記貫通内腔内に配置された弁と、を備え、
前記第二部分は前記第一部分から径方向に前記第二部分の外周部まで延在し、前記第二部分の外周部の幅が前記内腔プロテーゼの最大幅を形成する、内腔プロテーゼ。
【請求項2】
前記第二部分は、前記第一部分の近位部分に接続される内周部を有し、前記第二部分は前記第一部分から前記外周部まで径方向に離れる方向に延在し、前記第二部分の前記外周部は前記第二部分の前記内周部よりも前記第一部分の前記遠位端まで近い、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項3】
前記コネクタはテザーを備える、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項4】
前記コネクタはストラットを備える、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項5】
前記コネクタはワイヤを備える、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項6】
前記第一部分及び前記第二部分は単一の先行体から形成される、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項7】
前記先行体は、折り畳まれて前記第一部分及び前記第二部分を形成する一つの連続的なステントを備える、請求項6に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項8】
前記第二部分はオープンメッシュ構造である、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項9】
前記第二部分は、前記内腔プロテーゼが体の内腔内に配置されるときに前記内腔プロテーゼの軸線方向の移動に抵抗するように構成される、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項10】
前記第二部分は少なくとも部分的に材料で被覆される、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項11】
前記第二部分は材料で被覆される表面領域を備える、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項12】
前記球状領域は少なくとも部分的に材料で被覆される、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項13】
装着中の径方向の圧縮を容易にし且つインプラント後の径方向の拡張を制限する補強部を有する、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項14】
前記補強部は前記第一部分及び前記第二部分の周囲の少なくとも一部の周りに延在する、請求項13に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項15】
前記補強部はループである、請求項14に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項16】
前記補強部は、非伸張性である、請求項13に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項17】
前記補強部は、単繊維、編み上げられたポリプロピレン縫合糸、及びステンレス鋼ワイヤのうちの一つを備える、請求項13に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項18】
前記コネクタはテザー、ストラット及びワイヤのうちの一つであり、前記内腔プロテーゼの前記第一部分及び前記第二部分から分かれて提供される、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項19】
前記第一部分及び前記第二部分は組み合わされて自己拡張性の内腔プロテーゼを提供する、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項20】
前記内腔プロテーゼは体の内腔に接触するように構成された外側領域と、前記弁を受容するように構成された内側領域と、前記内側領域を前記外側領域に接続するコネクタとを有する、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項21】
前記遠位部分及び前記近位部分のそれぞれは編み込まれたメッシュであり、前記遠位部分の編み込まれたメッシュの織り模様は前記近位部分の編み込まれたメッシュの織り模様よりも高密度である、請求項1に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項22】
内腔プロテーゼであって、
前記内腔プロテーゼの遠位部分と近位部分との間に接続された球状領域であって、前記遠位部分の幅よりも大きく且つ前記近位部分の幅よりも大きい横方向の幅を有する、球状領域と、
前記球状領域の遠位側に形成された第一筒状領域及び前記球状領域の近位側に形成された第二筒状領域と、
コネクタによって前記第二筒状領域の近位端に接続されたフレア部であって、前記第二筒状領域の前記近位端から径方向に延在して前記内腔プロテーゼの最大幅を画定する外周部を形成する、フレア部と、
前記第二筒状領域、前記球状領域及び前記第一筒状領域を通って前記内腔プロテーゼ内に形成された貫通内腔と、
前記内腔プロテーゼの貫通内腔内に配置された弁と、
前記第一筒状領域の周囲の少なくとも一部の周りに延在する補強ループと、を備える内腔プロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデバイスに関する。一態様では、本発明は、胃腸インプラントデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
肥満治療のためのいくつかの処置およびデバイスが存在する。これらのデバイスの多くは短期的には成功しているが、様々な問題が生じ得る。それは、患者が食後の満腹感(充足感)を得られないからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、内腔プロテーゼが提供される。この内腔プロテーゼは、内腔内に保持されるように構成された第1の部分と、第2の部分と、を備える。第2の部分は、第2の部分に加えられる力が少なくとも部分的に第1の部分から切り離されるように第1の部分に接続される。
【0004】
第2の部分は、弁などのデバイスを取り付けるように構成されていてもよい。
【0005】
プロテーゼは、第1の部分と第2の部分との間にコネクタを備えていてもよい。コネクタは、少なくとも1つのテザーを備えていてもよい。コネクタは、少なくとも1つのストラット(支柱)を備えていてもよい。コネクタは、少なくとも1つのワイヤを備えていてもよい。
【0006】
1つの場合では、第1の部分および第2の部分は、単一の先行体(precursor)から形成される。
【0007】
先行体は、折り畳まれて第1の部分および第2の部分を形成する1つの連続的なステントを備えている。
【0008】
1つの場合では、第2の部分は、第1の部分の径方向内向きである。
【0009】
第1の部分は、球状領域を備えていてもよい。
【0010】
第2の部分は、骨格(scaffold)受入領域を備えていてもよい。
【0011】
プロテーゼは、近位フレア部を備えていてもよい。球状領域と近位フレア部との間に移行領域が存在していてもよい。
【0012】
1つの場合では、プロテーゼは、球状領域と、近位フレア部と、骨格受入領域と、を備えている。
【0013】
近位フレア部は、オープンメッシュ構造を有していてもよい。近位フレア部は、プロテーゼの軸線方向の移動に抵抗するように構成されてもよい。近位フレア部は、少なくとも部分的に被覆されていてもよい。1つの場合では、近位フレア部は、被覆された表面領域を有している。
【0014】
一実施形態では、球状領域は、部分的に被覆されている。
【0015】
1つの場合では、骨格受入領域は、球状領域と比べて固い。
【0016】
プロテーゼは、近位フレア部と球状領域との間に移行領域を備えていてもよい。移行領域は、オープンメッシュ柔軟構造を有していてもよい。
【0017】
プロテーゼは、編まれたメッシュ状構成を有していてもよい。
【0018】
一態様では、本発明は、内腔プロテーゼを提供する。この内腔プロテーゼは、外側領域と、外側領域に接続される内側領域とを備える。内側領域は、弁などのデバイスを取り付けるように構成される。内側領域は、ストラットおよび/またはワイヤなどの接続手段によって、外側領域に接続されてもよい。内側領域は、外側領域が延在することによって形成されてもよい。内側領域および外側領域は、折り畳まれて内側領域および外側領域を形成する1つの連続的なステントによって形成される。1つの場合では、内腔プロテーゼは、近位フレア部と、球状領域と、骨格受入領域と、を備えている。
【0019】
一実施形態では、プロテーゼは、装着中に径方向の圧縮を容易にするとともに径方向の拡張を制限する補強部を有している。補強部は、ステントの周囲の少なくとも一部分の周りに延在していてもよい。補強部は、少なくとも1つのループを備えていてもよい。
【0020】
1つの場合では、補強部は、非伸張性である。補強部は、可撓性材料を有していてもよい。1つの場合では、補強部は、ポリマー繊維または金属繊維を有していてもよい。補強部は、単繊維もしくは、編み上げられたポリプロピレン縫合糸およびステンレス鋼ワイヤを含む群の1つ以上から選択される材料を有していてもよい。
【0021】
本発明は、また、自己拡張内腔プロテーゼを提供する。この自己拡張内腔プロテーゼは、装着中に径方向の圧縮を容易にするとともに径方向の拡張を制限する補強部を有している。1つの場合では、補強部は、ステントの周囲の少なくとも一部分のまわりに延在する。補強部は、少なくとも1つのループを備えていてもよい。補強部は、非伸張性であってもよい。補強部は、可撓性材料を有していてもよい。補強部は、ポリマー繊維または金属繊維を有していてもよい。補強部は、単繊維もしくは編み上げられたポリプロピレン縫合糸およびステンレス鋼ワイヤを含む群の1つ以上から選択される材料を有していてもよい。
【0022】
本発明は、また、本発明のプロテーゼを備える胃腸インプラントデバイスを提供する。
【0023】
提供される胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造であって、弁が取り付けられる骨格と本発明の内腔プロテーゼとを有する支持構造と、を備える。
【0024】
本発明によれば、外側領域と、外側領域に接続される内側領域と、を備えた内腔プロテーゼが提供される。内側領域は、弁などのデバイスを取り付けるように構成される。
【0025】
一実施形態では、内側領域は、ストラットおよび/またはワイヤなどの接続手段によって外側領域に接続される。
【0026】
他の実施形態では、内側領域は、外側領域が延在することによって形成される。内側領域および外側領域は、折り畳まれて内側領域および外側領域を形成する1つの連続的なステントによって形成されてもよい。
【0027】
1つの場合では、内腔プロテーゼは、近位フレア部と、球状領域と、骨格受入領域と、を備えている。
【0028】
本発明は、また、本発明のプロテーゼを備える胃腸インプラントデバイスを提供する。
【0029】
本発明は、胃腸インプラントデバイスを提供する。この胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造であって、弁が取り付けられる骨格と本発明の内腔プロテーゼとを有する支持構造と、を備える。
【0030】
本発明によれば、胃腸インプラントデバイスが提供される。この胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造と、を備える。
【0031】
本発明は、また、胃腸インプラントデバイスを提供する。この胃腸インプラントデバイスは、十二指腸に延在するためのスリーブと、幽門に配置して胃から十二指腸のスリーブまでの流れを制御するための人工弁と、弁のための支持構造であって、弁が取り付けられる骨格と内腔プロテーゼとを有する支持構造と、を備える。内腔プロテーゼは、近位フレア部と、球状領域と、骨格受入領域と、を備える。
【0032】
一実施形態では、骨格受入領域は、内腔プロテーゼの近位端と遠位端との間に配置される。
【0033】
骨格受入領域は、近位フレア部と球状領域との間に配置されてもよい。
【0034】
一実施形態では、弁は、弁において予め設定された背圧を超えた場合のみに開くように構成される。
【0035】
一実施形態では、支持構造は、弁が取り付けられる骨格を備えている。支持構造は、内腔プロテーゼを備えていてもよい。
【0036】
1つの場合では、支持構造は、弁が取り付けられる骨格と、内腔プロテーゼと、を備えている。骨格は、内腔プロテーゼに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0037】
一実施形態では、スリーブが支持構造に取り付けられる。1つの場合では、スリーブは、支持構造に取り外し可能に取り付け可能である。1つの場合では、支持構造は骨格を備え、スリーブは骨格に取り付けられる。
【0038】
一実施形態では、支持構造は、ステント状の構造を備えている。
【0039】
1つの場合では、支持構造は、ステント状の骨格を備えている。
【0040】
一実施形態では、支持構造は、幽門に配置するための内腔プロテーゼと、弁が取り付けられる骨格と、を備えている。骨格は、事前配置内腔プロテーゼに取り外し可能に取り付け可能である。骨格は、内腔プロテーゼと取り外し可能に係合可能あってもよい。骨格は、内腔プロテーゼと取り外し可能に係合可能な複数の係合要素を備えていてもよい。1つの場合では、係合要素は、内腔プロテーゼと取り外し可能に係合可能な複数の突出部を備えている。
【0041】
一実施形態では、内腔プロテーゼは、メッシュを備えている。メッシュは、コーティングによって被覆されていてもよい。突出部は、メッシュと係合してもよい。突出部は、メッシュを貫通してもよい。
【0042】
一実施形態では、デバイスは、事前配置内腔プロテーゼとの係合から骨格を解放するための解放手段を備えている。解放手段は、骨格の少なくとも一部分の直径を低減するための手段を備えていてもよい。解放手段は、骨格の周りに延在する引紐を備えていてもよい。
【0043】
支持構造の近位端の周りに延在する第1の引紐があってもよい。支持構造の遠位端の周りに延在する第2の引紐があってもよい。
【0044】
一実施形態では、弁が支持構造に取り付けられる。弁は、支持構造に縫合されてもよい。弁は、支持構造に接合されてもよい。弁は、支持構造に接着剤で接合されてもよい。
【0045】
1つの場合では、スリーブの近位端は、支持構造に取り付けられる。スリーブは、支持構造に縫合されてもよい。スリーブは、支持構造に接合されてもよい。弁は、支持構造に接着剤で接合されてもよい。
【0046】
一実施形態では、支持構造は、実質的に均一な直径を有する骨格を備えている。
【0047】
1つの場合では、支持構造は、内腔プロテーゼを備えている。
【0048】
内腔プロテーゼは、近位フレア部を備えていてもよい。内腔プロテーゼは、遠位球状領域を備えていてもよい。内腔プロテーゼは、骨格受入領域を備えていてもよい。骨格受入領域は、内腔プロテーゼの近位端と遠位端との間にあってもよい。
【0049】
一実施形態では、スリーブは、その全長に沿って実質的に均一な直径を有している。
【0050】
他の実施形態では、スリーブは、近位端における第1の直径と、遠位端における第2の直径と、を有している。第2の直径は、第1の直径よりも大きい。スリーブは、テーパ状であってもよい。
【0051】
一実施形態では、スリーブは、スリーブを所望の位置に保持することを補助する保持手段を備えている。保持手段は、保持リングを備えていてもよい。保持リングは、スリーブの遠位端のところに、または、スリーブの遠位端に隣接して位置していてもよい。
【0052】
スリーブに沿って軸線方向に間隔が隔てられた複数の保持リングがあってもよい。
【0053】
1つの場合では、保持リングは、付勢手段を備えている。付勢手段は、拡張形態に付勢される可撓性材料を備えていてもよい。
【0054】
一実施形態では、保持リングは、スリーブよりも大きく形成されている。
【0055】
デバイスは、保持リングを係合から解放するための解放手段を備えていてもよい。解放手段は、引紐を備えていてもよい。
【0056】
一実施形態では、スリーブは、後退移送形態と拡張展開形態とを有している。スリーブは、後退移送形態で折り畳まれてもよい。
【0057】
一実施形態において、弁は、通常時の閉形態と、胃の内容物排出のために弁が開かれる開形態と、を有している。
【0058】
1つの場合では、弁は、胃の内容物排出のために自動的に開くとともに、閉形態に自動的に戻るように構成される。
【0059】
弁は、生体模倣であってもよい粘弾性ポリマー発泡体を有していてもよい。
【0060】
一実施形態では、弁は、外側支持領域と、少なくとも3つの弁尖と、支持領域と弁尖との間を延在する主本体領域と、を備えている。弁は、閉形態における弁尖の接合領域を有していてもよい。接合領域は、軸線方向に少なくとも1mm延在していてもよい。
【0061】
一実施形態において、デバイスは、幽門括約筋または弁に配置するように構成される。
【0062】
他の実施形態において、デバイスは、幽門括約筋の遠位に配置するように構成される。
【0063】
一実施形態において、支持部は、十二指腸に延在する事前配置スリーブに取り付けるように構成される。
【0064】
本発明は、また、胃腸インプラントデバイスのための移送システムを提供する。インプラントデバイスは、人工弁と、十二指腸スリーブと、弁およびスリーブのための支持構造と、を備えている。デバイスは、後退移送形態と拡張展開形態とを有している。移送システムは、後退形態におけるインプラントデバイスのための遠位ポッドを有する移送カテーテルと、スリーブ配置システムと、を備えている。
【0065】
1つの場合において、スリーブ配置システムは、遠位キャップと、スリーブを通って延在するための流体移送内腔と、遠位キャップと内腔との間の遠位シール部と、近位シール部と、を備えている。内腔を通ってスリーブに入る流体の移送によって、スリーブは、軸線方向に後退された移送形態から軸線方向に拡張された展開形態まで拡張する。
【0066】
近位シール部は、スリーブの展開のためにポッドと密封係合可能であってもよい。
【0067】
近位シール部は、スリーブの展開のために弁と密封係合可能であってもよい。
【0068】
1つの場合では、ポッドは、移送カテーテルから取り外し可能である。
【0069】
近位シール部は、空気注入式バルーンを備えていてもよい。
【0070】
遠位シール部は、空気注入式バルーンを備えていてもよい。移送システムは、遠位バルーンを膨らませるための可撓性チューブを備えていてもよい。
【0071】
一実施形態における移送システムは、支持構造を配置するための配置器と、支持構造が取り付けられる弁と、を備えている。1つの場合では、配置器は、支台(abutment)を備えている。支台は、バルーンによって提供されてもよい。配置器バルーンは、近位バルーンを備えていてもよい。
【0072】
一実施形態において、遠位キャップまたはオリーブは、流体移送内腔に取り外し可能に取り付けられる。
【0073】
本発明は、また、十二指腸に延在するためのスリーブを備える胃腸インプラントを提供する。スリーブは、X線不透過性マーカーを収容するポケットを有している。ポケットは、少なくとも部分的にスリーブの全長に沿って延在していてもよい。
【0074】
一実施形態において、スリーブは、X線不透過性マーカーを受け入れるための複数のポケットを有している。
【0075】
X線不透過性マーカーは、流体またはゲルを備えていてもよい。流体は、硫酸バリウムなどのX線不透過性物質で充填されたシリコン樹脂を備えていてもよい。
【0076】
本発明は、また、肥満および/または糖尿病を治療するための方法を提供する。この方法は、内腔プロテーゼを用意する工程と、支持骨格に取り付けられた弁であって、後退移送形態と拡張展開形態とを有する弁を用意する工程と、十二指腸をライニングするためのライナスリーブを用意する工程と、内腔プロテーゼを幽門のところまたは幽門の遠位の位置に移送する工程と、幽門内の位置に内腔プロテーゼを配置する工程と、弁および支持骨格を当該位置に移送する工程と、スリーブが弁から十二指腸に延在するようにスリーブを配置する工程と、を備えている。
【0077】
一実施形態において、この方法は、支持構造が事前配置内腔プロテーゼと係合するように弁および支持構造を配置する工程を備えている。
【0078】
一実施形態において、内腔プロテーゼは、幽門括約筋内に配置される。
【0079】
他の実施形態において、内腔プロテーゼは、幽門括約筋の遠位に配置される。
【0080】
この方法は、内腔プロテーゼとの係合から弁支持構造を解放する工程と、弁支持構造と弁とスリーブとを当該位置から引き出す工程と、を備えていてもよい。この方法は、弁と、弁のための支持構造と、スリーブとを所望の位置に配置するために適切な工程を繰り返す工程を備えていてもよい。
【0081】
本発明は、さらに、肥満および/または糖尿病を治療するための方法を提供する。この方法は、支持構造に取り付けられる弁を用意する工程と、支持構造に取り付けられた弁を十二指腸に延在する事前配置スリーブまで移送する工程と、弁がスリーブに取り付けられるように弁を配置する工程と、を備えている。
【0082】
弁を配置する工程は、弁支持体を事前配置内腔プロテーゼと係合させる工程を備えていてもよい。
【0083】
1つの場合では、弁支持体は、拡張可能な支持体であり、この方法は、支持体を後退した態様で移送カテーテルに装着する工程を備え、弁支持体は、配置された際に拡張可能である。支持体は、自己拡張可能であってもよい。支持体は、バルーンなどの拡張手段によって拡張されてもよい。
【0084】
1つの場合では、この方法は、内腔プロテーゼとの係合から弁支持体を解放する工程を備えている。この方法は、弁支持体をスリーブ内に再位置決めする工程を備えていてもよい。弁は、スリーブから取り外されてもよい。
【0085】
本発明は、また、胃から十二指腸までの流れを制御するために幽門に配置するための幽門弁を備える胃腸インプラントデバイスを提供する。弁は、粘弾性発泡体を有しており、また、少なくとも3つの弁尖を備えている。弁は、通常時の閉形態と、開形態と、を有している。弁尖は、胃から流れるために、閉形態から開形態に可動である。
【0086】
一実施形態では、弁は、胃の内容物を排出するために自動的に開くように構成されるとともに、閉形態に自動的に戻るように構成される。弁は、外側支持領域と、支持領域と弁尖との間を延在する主本体領域と、を備えていてもよい。弁は、閉形態における弁尖の接合領域を有していてもよい。
【0087】
1つの場合では、デバイスは、弁を幽門に固定するためのアンカーを備えていてもよい。
【0088】
1つの場合では、アンカーは、弁のための支持構造を備えている。アンカーは、弁のための支持骨格と、骨格を取り付けることができる内腔プロテーゼと、を備えていてもよい。
【0089】
1つの場合では、デバイスは、十二指腸まで延在するためのスリーブを備えている。スリーブは、弁、または、弁のためのアンカーに取り付けられてもよい。デバイスは、幽門括約筋に配置するように構成されていてもよく、あるいは、幽門括約筋の遠位に配置するように構成されていてもよい。
【0090】
本発明によれば、胃の内容物の排出速度を制御するために幽門に配置するための弁を備える胃腸インプラントデバイスが提供される。
【0091】
一実施形態では、弁は、通常時の閉形態と、胃の内容物の排出のために弁が開かれる開形態と、を有している。
【0092】
弁のための支持体があってもよい。支持体は、十二指腸まで延在する事前配置スリーブに取り付けるように構成されていてもよい。
【0093】
一実施形態では、インプラントデバイスは、幽門弁に配置するように構成される。
【0094】
さらなる実施形態では、インプラントデバイスは、幽門弁の遠位に配置するように構成される。
【0095】
弁支持体は、支持構造を備えていてもよい。支持構造は、外側に向けてテーパ状であってもよい。支持構造は、内側に向けてテーパ状であってもよい。
【0096】
他の場合では、支持構造は、その全長に沿って略均一の直径を有している。
【0097】
支持構造は、骨格(scaffold)を備えていてもよい。
【0098】
支持構造は、ステント状の構造を備えていてもよい。
【0099】
1つの場合には、デバイスは、弁支持体を事前配置内腔プロテーゼに取り付けるための取付手段を備えていてもよい。
【0100】
取付手段は、事前配置ホスト支持体(host support)と取り外し可能に係合可能であってもよい。
【0101】
デバイスは、事前配置ホスト支持体との係合から弁を解放するための解放手段を備えていてもよい。解放手段は、弁支持構造の少なくとも一部分の直径を低減するための手段を備えていてもよい。解放手段は、弁支持構造の周りを延在する引紐を備えていてもよい。支持構造の近位端の周りに延在する第1の引紐があってもよい。支持構造の遠位端の周りに延在する第2の引紐があってもよい。
【0102】
1つの場合では、弁は、支持構造に取り付けられる。弁は、支持構造に縫合されてもよい。
【0103】
弁は、支持構造に接合されてもよい。弁は、支持構造に接着剤によって接合されてもよい。
【0104】
一実施形態では、弁は、1つの方向に自動的に開くように構成される。
【0105】
本発明は、また、肥満および/または糖尿病の治療のための方法を提供する。この方法は、支持構造に取り付けられる弁を用意する工程と、支持構造に取り付けられた弁を十二指腸内に延在する事前配置スリーブまで移送する工程と、弁がスリーブに取り付けられるように弁を配置する工程と、を備えている。
【0106】
弁を配置する工程は、弁支持体を事前配置内腔プロテーゼと係合させる工程を備えていてもよい。
【0107】
1つの場合では、弁支持体は、拡張可能な支持体であり、上記方法は、移送カテーテルに支持体を後退した形態で装着する工程を備え、弁支持体は、配置時に拡張可能である。
【0108】
支持体は、自己拡張可能であってもよい。代替的に、支持体は、拡張手段によって拡張されてもよい。拡張手段は、バルーンを備えていてもよい。
【0109】
一実施形態では、この方法は、弁支持体を内腔プロテーゼとの係合から解放する工程を備えている。この方法は、弁支持体をスリーブ内に再位置決めする工程を備えていてもよい。
【0110】
1つの場合では、この方法は、弁をスリーブから取り外す工程を備えている。
【0111】
一実施形態では、弁は、外側支持リムと、少なくとも3つの弁尖と、支持リムと弁尖との間を延在する主本体領域と、を有する幽門弁本体を備えている。
【0112】
本発明は、また、弁を提供する。この弁は、少なくとも4つの弁尖を備えている。弁は、弁尖が係合された通常時の閉形態と、弁尖が開いた開形態と、を有している。少なくとも5つの弁尖があってもよい。6つの弁尖があってもよい。
【0113】
弁は、ポリマー材料の弁本体を備えていてもよい。弁は、外側支持領域を備えていてもよい。弁は、また、支持領域と弁尖との間を延在する主本体領域を備えていてもよい。
【0114】
1つの場合では、主本体領域は、外側支持リムと、弁尖の接合領域と、の間において、略凹形である。
【0115】
1つの場合では、弁尖は、接合領域を有しており、弁本体は、接合領域において補強される。弁本体は、接合領域のところで、厚く形成されていてもよい。
【0116】
接合領域は、軸線方向に少なくとも1mmの長さで延在してもよい。接合領域は、1mm以上5mm以下の深さで延在してもよい。
【0117】
一実施形態では、弁本体の支持リムは補強されている。弁の支持リムは厚く形成されていてもよい。
【0118】
一実施形態では、弁は、3つの弁尖を備えている。
【0119】
他の実施形態では、弁は、6つの弁尖を備えている。
【0120】
弁は、支持構造に取り付けられてもよい。
【0121】
1つの場合では、弁リムは、支持構造に縫合される。代替的に、あるいは、追加的に、弁リムは、支持構造に接合される。
【0122】
一実施形態では、支持構造は、内腔プロテーゼを備えている。
【0123】
1つの場合では、内腔プロテーゼは、弁の近位に延在する。他の場合では、内腔プロテーゼは、弁の遠位に延在する。
【0124】
一実施形態では、内腔プロテーゼは、弁の近位および遠位に延在する。
【0125】
内腔プロテーゼは、被覆部および/またはスリーブを有していてもよい。被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの外側にあってもよい。代替的に、被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの内側にあってもよい。
【0126】
一実施形態では、少なくとも3ヶ月の間、少なくとも4ヶ月の間、少なくとも5ヶ月の間、少なくとも6ヶ月の間、少なくとも7ヶ月の間、少なくとも8ヶ月の間、少なくとも9ヶ月の間、少なくとも10ヶ月の間、少なくとも11ヶ月の間、または、少なくとも1年間、ポリマー材料が胃液に安定である。
【0127】
1つの場合では、ポリマー材料は、平衡状態の水の重量で約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、または、約30%未満を占める。
【0128】
1つの場合では、弁本体のポリマー材料は、50%以上、3000%以下、または、200%以上、1200%以下の%伸張を有している。
【0129】
1つの場合では、弁本体のポリマー材料は、0.01MPa以上、5MPa以下、およそ0.1MPa以上、1.0MPa以下、または、およそ約0.25MPa以上、0.5MPa以下の引張強度を有している。
【0130】
一実施形態では、ポリマー材料は、およそ0.01MPa以上、0.6MPa以下、または、約0.1MPa以上、約0.5MPa以下のヤング率を有している。
【0131】
一実施形態では、弁本体のポリマー材料は、0.1g/cm3以上、1.5g/cm3以下、0.3g/cm3以上、1.2g/cm3以下、0.8g/cm3以上、0.9g/cm3以下、または、0.5g/cm3以上、0.6g/cm3以下の密度を有している。
【0132】
一実施形態では、弁本体の支持領域の近位端と、弁尖の遠位端と、の距離は、50mm未満、40mm未満、30mm未満、25mm未満、20mm未満、または、15mmである。
【0133】
1つの場合では、弁本体のポリマー材料は、弾性材料からなる。
【0134】
他の場合では、弁本体のポリマー材料は、粘弾性材料からなる。
【0135】
一実施形態では、弁本体のポリマー材料は、発砲体を含む。弁本体のポリマー材料は、連続気泡発砲体を含んでいてもよい。
【0136】
一実施形態では、弁本体のポリマー材料は、ポリウレタン発砲体を含む。
【0137】
一実施形態では、弁は、事前配置支持構造、例えば、ステントなどの食道内腔プロテーゼに取り付けるように構成されている。
【0138】
本発明は、また、弁を提供する。この弁は、弁が閉じられる通常の閉形態と、弁を通って流れるために弁が開かれた開形態と、弁のための支持体と、を有している。支持体は、事前配置内腔プロテーゼを、事前配置内腔プロテーゼの近位端と遠位端との中間に取り付けるように構成される。
【0139】
1つの場合では、内腔プロテーゼは、被覆部および/またはスリーブを有している。被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの外部にあってもよい。代替的に、または、追加的に、被覆部またはスリーブは、内腔プロテーゼの内部にあってもよい。
【0140】
取付手段が支持構造によって設けられてもよい。1つの場合では、取付手段は、支持構造から延在する突出部を備えている。突出部は、事前配置ホスト食道内腔プロテーゼと係合するように構成されていてもよい。
【0141】
一実施形態では、突出部は、ループを備えている。
【0142】
1つの場合では、突出部の頂端(apicial tip)は丸く形成されている。
【0143】
事前配置ホスト内腔プロテーゼとの係合から弁を解放するための解放手段があってもよい。解放手段は、弁支持構造の少なくとも一部分の直径を低減するための手段を備えていてもよい。
【0144】
1つの場合では、解放手段は、弁支持構造の周りに延在する引紐を備えている。第1の引紐が、支持構造の近位端の周りに延在していてもよい。第2の引紐が、支持構造の遠位端の周りに延在していてもよい。
【0145】
一実施形態では、弁は支持構造に取り付けられる。弁は、支持構造に縫合されてもよい。弁は、支持構造に接合されてもよい。弁は、接着剤によって支持構造に接合されてもよい。
【0146】
他の場合では、取り付け手段には、外科用接着剤が含まれる。
【0147】
本発明は、また、身体通路内に弁を設けるための方法を提供する。この方法は、支持構造に取り付けられる弁を用意する工程と、支持構造に取り付けられる弁を、身体通路内の事前配置内腔プロテーゼに移送する工程と、弁が内腔プロテーゼに取り付けられるように弁を配置する工程と、を備えている。
【0148】
一実施形態では、弁を配置する工程は、弁支持体を、事前配置内腔プロテーゼと係合させる工程を備えている。
【0149】
弁支持体は、事前配置内腔プロテーゼと機械的に係合されてもよい。
【0150】
1つの場合では、弁支持体は、突出部を備えており、上記の方法は、突出部を、腔内プロテーゼの孔部と位置合わせする工程と、孔部内で突出部を係合させる工程と、を備えている。
【0151】
一実施形態では、弁支持体は、拡張可能な支持体であり、上記の方法は、移送カテーテルに支持体を後退した形態で装着する工程を備え、弁支持体は、配置時に拡張可能である。
【0152】
支持体は、自己拡張可能であってもよいし、あるいは、支持体は、バルーンなどの拡張手段によって拡張されてもよい。
【0153】
一実施形態では、上記の方法は、弁支持体を内腔プロテーゼとの係合から解放する工程を備えている。
【0154】
この方法は、弁支持体をプロテーゼ内に再位置決めする工程を備えていてもよい。この方法は、弁をプロテーゼから取り外す工程を備えている。
【0155】
一実施形態では、内腔プロテーゼは、弁の近位に延在する。プロテーゼは、自己拡張プラスチックメッシュを備えていてもよい。プロテーゼは、1.9kPa未満の径方向の力を加えてもよい。
【0156】
一実施形態では、プロテーゼをそのまま取り付けるためのアンカーがある。アンカーは、プロテーゼのメッシュを通って延在するように構成されてもよい。
【0157】
一実施形態では、支持領域の近位端から弁尖の遠位端までの弁の長さは、50mm未満、40mm未満、または、30mm未満である。弁の長さは、弁の支持領域の外径と略同一であってもよい。弁の長さは、約23mmであってもよい。
【0158】
本発明は、単に例示として提供される次の説明からより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0159】
図1】本発明による弁の(上方からの)等角図である。
図2】弁の(下方からの)等角図である。
図3】弁の上面図である。
図4】弁の底面図である。
図5】弁の立面図である。
図6】弁の立面図である。
図7】弁の等角部分断面図である。
図8】弁の等角部分断面図である。
図9】弁の断面図である。
図10】弁の断面図である。
図11】通常時の閉形態の弁の断面図である。
図12】力に応じて開形態にある弁の断面図である。
図13】流通のために開いた後に閉形態に戻された弁の断面図である。
図14】通常時の閉形態の弁の(上方からの)等角図である。
図15】力に応じて部分的に開形態にある弁の等角図である。
図16】力に応じて完全に開形態にある弁の等角図である。
図17】プロテーゼの等角図である。
図18図1〜16の弁の立面図であり、弁は、図17のプロテーゼに取り付けられ、所定位置にある。
図19】プロテーゼに取り付けられた弁の他の図である。
図20】スリーブまたは被覆プロテーゼの等角図である。
図21】スリーブまたは被覆プロテーゼの等角図である。
図22図1〜16の弁を所定位置に有する図20,21のプロテーゼの等角図である。
図23】所定位置にある図22のプロテーゼの一部分の立面図である。
図24】本発明の他の実施形態による弁の等角図である。
図25図24の弁の立面図である。
図26】本発明による他の弁の等角図であり、弁は、遠位に外側に向けてテーパする支持構造を有する。
図27図26の弁の立面図である。
図28】本発明による他の弁の等角図であり、弁は、遠位に内側に向けてテーパする支持構造を有する。
図29】弁と、関連する支持構造と、が適所に配置された内腔プロテーゼの立面図である。
図30図29の内腔プロテーゼおよび弁支持構造の拡大図である。
図31】弁支持構造の内腔プロテーゼへの取り付け詳細の1つの拡大図である。
図32】弁支持構造の内腔プロテーゼへの取り付け詳細の1つの拡大図である。
図33】移送カテーテルから配置される弁の図である。
図34】移送カテーテルから配置される弁の図である。
図35】移送カテーテルから配置される弁の図である。
図36】移送カテーテルから配置される弁の図である。
図37】移送カテーテルから配置される弁の図である。
図38】弁が内腔プロテーゼの内腔に配置された、内腔プロテーゼのそのままの図である。
図39】弁が内腔プロテーゼの内腔に配置された、内腔プロテーゼのそのままの図である。
図40】弁が内腔プロテーゼの内腔に配置された、内腔プロテーゼのそのままの図である。
図41】本発明の他の実施形態による弁の立面図である。
図42図41の弁の支持構造の詳細の拡大図である。
図43】移送カテーテルから配置される図41および図42の弁の等角図である。
図44】移送カテーテルから配置される図41および図42の弁の等角図である。
図45図43および図44の弁を有するそのままのプロテーゼの立面図である。
図46】メッシュのプロテーゼと係合された図41〜45の弁支持構造の係合の詳細の拡大図である。
図47図46の内腔プロテーゼおよび弁支持構造の一部分の拡大図である。
図48】内腔プロテーゼの立面図である。
図49】本発明の食道弁の立面図である。
図50図48の事前配置内腔プロテーゼに図49の弁を配置することに含まれる各工程の立面図である。
図51図48の事前配置内腔プロテーゼに図49の弁を配置することに含まれる各工程の立面図である。
図52図48の事前配置内腔プロテーゼに図49の弁を配置することに含まれる各工程の立面図である。
図53図48の事前配置内腔プロテーゼに図49の弁を配置することに含まれる各工程の立面図である。
図54図48の事前配置内腔プロテーゼに図49の弁を配置することに含まれる各工程の立面図である。
図55図48の事前配置内腔プロテーゼに図49の弁を配置することに含まれる各工程の立面図である。
図56図55の内腔プロテーゼに配置された図49の弁の立面図である。
図57】配置されたプロテーゼから弁が取り外された、図56に類似の立面図である。
図58】本発明による弁の等角図である。
図59図56の弁の立面図である。
図60】弁が閉形態にある図58および図59の弁の平面図である。
図61】弁が開形態にある弁を有する図60に類似の平面図である。
図62】弁が閉形態にある図60のデバイスの側面図である。
図63】弁が閉形態にある図60のデバイスの側面図である。
図64】弁が開形態にある図60のデバイスの側面図である。
図65】弁が開形態にある図60のデバイスの側面図である。
図66】本発明の一実施形態による胃腸インプラントデバイスの図である。
図67図66の詳細の拡大図である。
図68】幽門括約筋に配置される他の胃腸インプラントデバイスの図である。
図69】幽門括約筋に配置される他の胃腸インプラントデバイスの図である。
図70】デバイスが幽門括約筋の遠位に配置された図66および図67に類似の図である。
図71】デバイスが幽門括約筋の遠位に配置された図66および図67に類似の図である。
図72】本発明のインプラントデバイスの内腔プロテーゼの等角図である。
図73】インプラントデバイスの弁、スリーブおよび骨格部分の立面図である。
図74】インプラントデバイスの立面部分断面図であり、幽門などの内腔に配置されたプロテーゼと、プロテーゼに取り付けるための弁、スリーブおよび骨格と、を有している。
図75】組み立てられた図72のデバイスの立面図である。
図76】スリーブが延長された図75のデバイスの立面図である。
図77】デバイスをそのまま示す立面部分断面図である。
図78】スリーブが1つの折り畳み移送形態にあるインプラントデバイスの図77に類似の図である。
図79】スリーブが他の折り畳み移送形態にある図78に類似の図である。
図80】スリーブが他の折り畳み移送形態にある図79に類似の図である。
図81】スリーブのための保持リングを備えるインプラントデバイスの立面部分断面図である。
図82】他のスリーブの図81に類似の図である。
図83】複数の保持リングを有するスリーブを備える図81に類似の図である。
図84】インプラントデバイスを幽門に移送する第1の段階を示す断面図である。
図85】スリーブが後退形態にある位置のインプラントデバイスの断面図である。
図86】スリーブが部分的に延長された、そのままのインプラントデバイスの断面図である。
図87】スリーブがさらに延長された図86に類似の断面図である。
図88】移送システムの遠位端の拡大断面図である。
図89】スリーブが延長され、移送システムが取り外されている、そのままのインプラントデバイスの断面図である。
図90】インプラントデバイスの移送カテーテルの立面図である。
図91】インプラントデバイスを収容するカプセルを有する図90の移送カテーテルの断面図である。
図92】様々な段階での移送システムを示す図である。
図93】様々な段階での移送システムを示す図である。
図94】様々な段階での移送システムを示す図である。
図95】移送システムカプセルの近位端の断面図である。
図96-97】図96は、移送システムの一部分の立面図である。図97は、図96の移送システムの一部分の分解図である。
図98】様々な固定オリフィスリストリクターの経時圧力分析結果のグラフであ。
図99】固定オリフィスリストリクターおよび本発明の弁を備えるインプラントデバイスの経時圧力分析結果のグラフである。
図100】固定オリフィスリストリクターおよび本発明の弁を備えるインプラントデバイスの経時圧力分析結果のグラフである。
図101】本発明によるスリーブの一部分の等角図である。
図102図93のスリーブの断面図である。
図103】本発明による他のスリーブの一部分の等角図である。
図104】本発明による内腔プロテーゼの等角図である。
図105】本発明による他の内腔プロテーゼの等角図である。
図106】内側領域と外側領域とがストラットまたはバイン(つる)によって連結された内腔プロテーゼの図である。
図107】内側領域と外側領域とがストラットまたはバイン(つる)によって連結された内腔プロテーゼの図である。
図108】折り畳まれているか、部分的に反転されて、2つの同軸領域を生成する連続したステントの図である。
図109】折り畳まれているか、部分的に反転されて、2つの同軸領域を生成する連続したステントの図である。
図110】弁デバイスを移動させるステントの長手方向短縮の図である。
図111】自己拡張ステントの一部位の拡張を制限するための制限ループを有するステントの図である。
図112】制限ループを有するステントの図である。
図113】制限ループを有するステントの図である。
図114】本発明による他の内腔プロテーゼの等角図である。
図115】弁および骨格が所定位置にある図114のプロテーゼの図である。
図116】閉形態にある弁を示す平面図である。
図117図114〜116のデバイスが組み込まれたそのままの肥満治療デバイスの等角図である。
図118】本発明による他の内腔プロテーゼの先行体の等角図である。
図119】折り畳まれている図118の先行体の図である。
図120図118の先行体から形成された内腔プロテーゼの図である。
図121】そのままの弁および骨格を有する図120の内腔プロテーゼの図である。
図122図120および図121のデバイスが組み込まれたそのままの肥満治療デバイスの等角図である。
図123】本発明による他の内腔プロテーゼの等角図である。
図124図123のプロテーゼの別の構成を示す図である。
図125図123のプロテーゼの別の構成を示す図である。
図126】本発明によるさらに別の内腔プロテーゼの等角図である。
図127図126の内腔プロテーゼの別の構成を示す図である。
図128図126の内腔プロテーゼの別の構成を示す図である。
図129図126の内腔プロテーゼの別の構成を示す図である。
図130】本発明による他の内腔プロテーゼの等角図である。
図131】本発明による他の内腔プロテーゼの等角図である。
図132】本発明によるさらに別の内腔プロテーゼの等角図である。
図133】本発明による肥満治療デバイスの側面部分断面図である。
図134図33のデバイスの弁、内部支持体およびスリーブの等角図である。
図135図133のデバイスの外部支持体の等角図である。
図136図134の弁、内部支持体およびスリーブを図135の外部支持体に取り付ける様子を示す分解図である。
図137】本発明の使用中の肥満治療デバイスの断面図である。
図138】一構成におけるそのままの肥満治療デバイス拡大断面図である。
図139】他の使用構成のデバイスを有する図140に類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0160】
図、まず、それらのうちの図1〜16を参照すると、1つの方向に自動的に開くことができる弁1が示されている。
【0161】
弁1は、ポリマー弁本体を備えている。ポリマー弁本体は、リム2と、少なくとも3つの弁尖3,4,5と、支持リム2と弁尖3,4,5との間を延在する主本体領域6と、を有する近位外側支持領域を備えている。弁尖3,4,5は、内側に向けて、また、遠位に向けて延在し、それぞれ、遠位端面7,8,9のところで終端している。弁尖3,4,5の各々は、脚部a,bを有している。脚部a,bは、相互に120度の頂部角度(included angle)で延在している。脚部3a,4a,4b,5b,5a,3bの隣接する対は、接合して、弁が通常時の閉形態にある場合に、弁尖同士の間の隙間を閉じる。
【0162】
弁1は、2つの形態を有している。第1の形態は、通常時の閉形態であり、この閉形態では、弁尖3,4,5は、接合して、弁を閉じる。第2の形態は、開形態であり、この開形態では、弁尖3,4,5は、弁尖脚部対3a,4a,4b,5b,5a,3bが開くとともに、力F1に応じて離間するように開かれ、弁を通る流れを許容する。
【0163】
弁1の様々な構成が図11〜16に示されている。第1、すなわち、通常時の閉形態(図11,14)において、弁尖3,4,5は、接合する。力F1が弁尖3,4,5に加えられると、弁尖脚部対3a,4a,4b,5b,5a,3bが開いて、順行性流れが通ることを許容する(図12,16)。図15は、流れに応じた部分的開形態を示している。力F1が取り除かれると、弁尖3,4,5は、弁本体のポリマー材料本来の付勢力によって閉位置に戻る。
【0164】
弁尖3,4,5は、接合領域において補強されている。この場合、これは、この領域のポリマー材料を局所的に厚くすることによって達成される。同様に、支持リム2が、ポリマー材料を局所的に厚くすることによって補強されている。
【0165】
弁尖3,4,5の接合領域は、軸方向の範囲を有している。この範囲は、典型的には、1〜5mmである。これによって、弁が通常時の閉形態にある場合に、弁尖の大きな界面領域に亘る積極的な接合が保証される。接合領域での弁尖の厚みは、典型的には、0.1mm以上10mm以下である。
【0166】
弁本体は、略凹状の外面と、略凸状の内面と、を有している。
【0167】
本発明の弁1は、完全に開かれた後に、その元々の動作位置に戻る。これは、動作弁にダメージを与えることなく達成される。
【0168】
胃内容物の排出によって弁が開かれると、弁尖が開く。
【0169】
弁の機能に影響を与える1つの重要な特徴は、相互に作用する弁尖脚部である。弁尖3,4,5の形状および長さを変化させることによって、弁1は、様々な圧力で開くように製造されることができる。また、開動作は、デバイスが製造される材料の弾性および密度に依存する。さらに、外径および弁尖が開く直径は、開動作力に影響を与える。
【0170】
弁は、任意の適切な生体適合性のポリマー材料から形成され得る。それは、弁が、説明されるように機能することができる特性を有する生体適合性のポリマー材料から形成されてもよい。
【0171】
この弁の製造に使用される材料は、50%以上3000%以下の伸張を有している。この材料は、また、0.01MPa以上5MPa以下の引張強度を有している。さらに、この材料は、生体内にある場合に定着を防止するための抗菌作用を有することができる。さらに、この材料は、弾性または粘弾性を有していてもよく、また、オプションとして、オープンセル発泡体を有していてもよい。材料の密度は、0.1g/cm3以上、1.5g/cm3以下であるべきである。
【0172】
本発明の弁は、任意の適切な内腔プロテーゼ、特に、プロテーゼすなわちステントに取り付けられることができる。弁のリム2は、ステント20内に取り付けるための取付リングを提供し、例えば、弁1は、図18,19に図示されるような縫合糸21を使用してリム2をステントメッシュに縫合することによって、ステントに取り付けられてもよい。
【0173】
ステントは、任意の適切な種類であってもよい。被覆されていない、または、スリーブを有していないステント20が図17〜19に示されている。代替的に、組織成長を防止することが望まれる場合には、スリーブ31を有するステント30が使用されてもよい(図20〜23)。この場合、スリーブ31は、ステントの外部にある。他の場合では、代替的に、または、追加的に、内部スリーブがあってもよい。さらに、ステントは、被覆を有していてもよい。
【0174】
上述したような弁は、また、事前配置内腔プロテーゼ内に配置されてもよい。
【0175】
1つの場合では、弁100は、図24,25に示されている同軸の支持構造すなわち骨格102を有していてもよい。骨格102は、図29に示されるような任意の適切な食道ステント140と係合するように構成されている。係合のメカニズムは、突出部によってもよい。突出部は、例えば、骨格102の近位および/または遠位先端部103であってもよい。先端部103は、既存事前配置ステント140のメッシュに係合する。代替的に、または、追加的に、骨格102は、図31,32に示されるような食道ステントのストラットの内側に引っ掛けるように構成された特徴150を有していてもよい。
【0176】
図26,27を参照すると、本発明の他の実施形態による弁110が図示されており、支持構造すなわち骨格102が、骨格の遠位先端部111が既存事前配置ホストステント140のメッシュと係合するように、遠位方向に、外側に向けてテーパ状に形成されている。
【0177】
図28を参照すると、本発明による他の弁120が示されており、支持構造すなわち骨格102が、骨格102の近位先端部121が既存事前配置ステント140のメッシュと係合するように、遠位方向に、内側に向けてテーパしている。
【0178】
骨格102の径方向の力が、十分な摩擦を提供して、突出を必要とすることなく弁を適所に保持してもよい。他の実施形態では、外科用接着剤が使用されて、改造された弁を適所に固定してもよい。
【0179】
図33〜37を参照すると、弁100が配置のための移送システム130内に装着されている。移送システム130の外径は、事前配置食道ステント140の内径よりも小さい。この場合の移送システム130は、遠位ポッド(鞘)131を有する移送カテーテルを備えている。弁は、後退形態において遠位ポッド131内に収容される。カテーテルは、事前配置ステント140上で邪魔になることをさけるために、テーパ状の遠位先端132を有している。ポッド131は、弁をポッド131から解放するために、遠位先端132に対して軸線方向に移動可能である。
【0180】
移送システム130は、図38に示されるような事前配置ステント140に弁を移送するために使用される。ステント140は、メッシュを有しており、弁の骨格は、特に図39,40に示されるような移送カテーテルから弁を解放する際に、事前配置ステント140のメッシュと係合するように構成されている。
【0181】
図29〜32を参照すると、弁支持骨格102を原位置に有する理想化されたステント140が示されている。弁の詳細は、明確化のためのこれらの図面からは省略されている。この場合、骨格102は、ステントの上方近位端に配置されている。この場合、骨格102は、図31,32に示すようにステント140のメッシュと係合するためにフック状部材150を有している。ステント140と骨格102との相互係合によって、骨格102、ひいては、それに固定される弁が、所定位置に保持され、近位方向移動防止機構が提供される。
【0182】
この場合、図示される弁支持骨格102は、形状記憶材料、例えば、ニチノールといった自己拡張材料から形成される。弁および骨格は、圧縮/直径低減形態で移送カテーテルのポッド131に装着される。展開場所において、ポッド131の制約が取り除かれると、骨格および弁は、自己拡張して通常時の形態になる。通常時の形態では、骨格は、事前配置ホストステント140と係合される。いくつかの構成では、骨格は、バルーンなどの拡張器によって拡張される拡張性材料から形成されてもよい。
【0183】
図41〜44を参照すると、本発明による他の弁デバイス151が示されている。弁デバイス151は、上述したものと類似しており、同様の部分には、同一の参照符号を付している。この場合、弁1は、支持構造すなわち骨格102内に収容され、図45〜47に示されるように、ステント140の内腔に配置されている。支持構造は、ニチノールなどの形状記憶材料から製造された比較的短い長さ(典型的には40mm)のメッシュを備えていてもよい。メッシュは、レーザ切断によって形成されてもよく、および/または、織物構造を有していてもよい。ホストステント140の内腔への展開は、図43,44に示すように移送カテーテル130内で径方向につぶれた状態から、自己拡張を介して行われる。デバイス151は、支持構造102の軸線方向の摩擦を増大させる所定の相互作用機構によって、ステント140内の所定位置に保持される。図45〜47は、ホストステント140との相互作用を示している。この実施形態では、支持構造102は、一連のループすなわち突出部155を有している。突出部155は、その表面から垂直に延在している。これらの突出部155は、図52,53に示すような既存メッシュと相互係止することによって、任意のホストステント140の構造と係合する。各突出部155の先端は、この場合、丸く形成されており、あるいは、突出部155と接触して任意の組織に外傷を与えないように構成されている。支持構造102の内因性の径方向の力、および、突出部155の曲げ強度が相互作用して、支持構造102の保持性能をもたらす。このようにして、突出部155の剛性または曲げ強度、および、支持構造102の径方向の力は、デバイスの相互係止能力および保持性能を変えるために修正されてもよい。
【0184】
弁デバイス151は、また、遠位および近位の引紐170,171によって径方向に容易につぶれることができる。遠位引紐170は、弁デバイス151の遠位端において支持構造102に取り付けられた小穴172を通る。遠位引紐170は、利用しやすい引張紐173を有している。引張紐173は、引っ張る際に、引紐171を内側に向けて引っ張り、それによって、支持構造102の遠位端の直径を低減する。同様に、近位引紐171は、弁デバイス151の近位端において支持構造102に取り付けられた小穴175を通る。近位引紐171は、利用しやすい引張紐177を有している。引張紐177は、引っ張る際に、引紐171を内側に向けて引っ張り、それによって、支持構造102の近位端の直径を低減する。引張紐173,177は、弁デバイス151の取り外しを容易にするために、支持構造102の近位端および遠位端を内側に向けて引き出すための把持装置などの適切な器具を使用して容易に把持されることができる。
【0185】
図48〜57を参照すると、本発明による他の弁デバイス200が示されている。弁デバイス200は、上述のものと類似しており、同様の部分には、同一の参照符号が割り当てられている。この場合、弁1は、支持構造すなわち骨格102に収容されており、図53〜56に示されているように、ステント140の内腔に配置されている。支持構造102は、ニチノールなどの形状記憶材料から製造された比較的短い長さ(典型的には40mm)のメッシュを備えていてもよい。メッシュは、レーザ切断によって形成されてもよく、および/または、織物構成を有していてもよい。ホストステント140の内腔への展開は、図50〜55に示すように移送カテーテル130内で径方向につぶれた状態から、自己拡張を介して行われる。デバイス200は、支持構造102の軸線方向の摩擦を増大させる所定の相互作用機構によって、ステント140内の所定位置に保持される。図56は、ホストステント140との相互作用を示している。この実施形態では、支持構造102は、一連のループすなわち突出部155を有している。突出部155は、その表面から垂直に延在している。これらの突出部155は、図56に示すような既存メッシュと相互係止することによって、任意のホストステント140の構造と係合する。各突出部155の先端は、この場合、丸く形成されており、あるいは、突出部155と接触して任意の組織に外傷を与えないように構成されている。支持構造102の内因性の径方向の力、および、突出部155の曲げ強度が相互作用して、支持構造102の保持性能をもたらす。このようにして、突出部155の剛性または曲げ強度、および、支持構造102の径方向の力は、デバイスの相互係止能力および保持性能を変えるために修正されてもよい。
【0186】
弁デバイス200は、また、遠位および近位の引紐170,171によって径方向に容易につぶれることができる。遠位引紐170は、弁デバイス200の遠位端において支持構造102に取り付けられた小穴172を通る。遠位引紐170は、利用しやすい引張紐173を有している。引張紐173は、引っ張る際に、引紐171を内側に向けて引っ張り、それによって、支持構造102の遠位端の直径を低減する。同様に、近位引紐171は、弁デバイス200の近位端において支持構造102に取り付けられた小穴175を通る。近位引紐171は、利用しやすい引張紐177を有している。引張紐177は、引っ張る際に、引紐171を内側に向けて引っ張り、それによって、支持構造102の近位端の直径を低減する。引張紐173,177は、弁デバイス200の取り外しを容易にするために、支持構造102の近位端および遠位端を内側に向けて引き出すための把持装置などの適切な器具を使用して容易に把持されることができる。
【0187】
このデバイス200の場合、支持骨格の直径は、比較的均一であり、デバイス200の近位端201および遠位端202は、テーパ状ではないことに留意されたい。ステント140のメッシュ構造に形成された隙間での丸く形成された突出部155は、デバイス200をステント140の所定位置に保持するのに十分であることが見出された。典型的には、拡張された支持構造102の直径は、骨格102を原位置に維持することを補助するために、所望の展開場所においてホストステント140の直径よりも僅かに、例えば1〜5%大きくなる。
【0188】
いくつかの場合では、図57に示されるように、本発明のデバイス、例えば、デバイス200は、弁デバイス200をステント140とともに再位置決めすることが望まれる場合、または、デバイス200を例えば、交換および/またはホストステント140の交換のために引き出すことが求められる場合に、径方向につぶれた状態にあってもよい。
【0189】
このように、弁がつぶれることによって、突出部155をホストステント140から係合解除することによってそれをオプション的に取り外すことができ、したがって、ホストステント140に関連する軸線方向の摩擦が取り除かれる。
【0190】
図1〜57の弁は、比較的短くてもよく、通常、30mm未満、25mm未満、20mm未満、15mm未満であり、典型的には、18mmのリム外径の際に約10.6mmの長さであり、20mmのリム外径の際に約11mmの長さである。
【0191】
弁は、所望の数の弁尖を有していてもよく、例えば、図58〜65に示される弁300は、6つの弁尖333を有している。弁尖333は、食物の流れの方向に対して垂直に向いており、追加的に、弁の孔の伸張性をより大きくすることができる。
【0192】
図58〜65を参照すると、本発明による他の弁デバイスが示されている。デバイス300は、1つの方向に自動的に開くことができる弁301を備えている。
【0193】
弁300は、リム302と6つの弁尖303とを有する近位外側支持領域と、支持リム302と弁尖303との間を延在する主本体領域306と、を有するポリマー弁本体を備えている。弁尖303は、内側に向けて遠位方向に延在し、遠位端面303のところでそれぞれ終端する。各弁尖303は、相互に60度の頂部角度で延在する複数の脚部を有している。隣接する対の脚部は、接合し、弁が通常時の閉形態にある場合に、弁尖303同士の間の隙間を閉じる。
【0194】
弁300は、2つの構成を有している。第1の構成は、通常時の閉形態であり、この閉形態では、弁尖303は接合して弁を閉じる。第2の構成は、開形態であり、この開形態では、弁尖303は、弁尖脚部対が開くとともに、力F1に応じて離間するように開かれ、弁300を通る流れを許容する。
【0195】
弁1の様々な構成が図58〜65に示されている。第1、すなわち、通常時の閉形態において、弁尖303は、接合する。力F1が弁尖303に加えられると、弁尖脚部対が開いて、流れが通ることを許容する。力F1が取り除かれると、弁尖303は、弁本体のポリマー材料本来の付勢力によって閉位置に戻る。
【0196】
弁尖303は、接合領域において補強されている。この場合、これは、この領域のポリマー材料を局所的に厚くすることによって達成される。同様に、支持リム302が、ポリマー材料を局所的に厚くすることによって補強されている。
【0197】
弁尖303の接合領域は、軸方向の範囲を有している。この範囲は、典型的には、1〜5mmである。これによって、弁が通常時の閉形態にある場合に、大きな界面領域に亘る弁尖の積極的な接合が保証される。接合領域での弁尖の厚みは、典型的には、0.1mm以上10mm以下である。
【0198】
弁本体306は、略凹状の外面と、略凸状の内面と、を有している。
【0199】
本発明の弁300は、完全に開かれた後に、その元々の動作位置に戻る。これは、動作弁にダメージを与えることなく達成される。
【0200】
弁300の機能に影響を与える1つの重要な特徴は、相互に作用する弁尖脚部である。弁尖303の形状および長さを変化させることによって、弁300は、様々な圧力で開くように製造されることができる。また、開動作は、デバイスが製造される材料の弾性および密度に依存する。さらに、外径および弁尖が開く直径は、開動作力に影響を与える。
【0201】
弁は、任意の適切な生体適合性のポリマー材料から形成され得る。それは、弁が、説明されるように機能することができる特性を有する生体適合性のポリマー材料から形成されてもよい。
【0202】
この弁の製造に使用される材料は、50%以上3000%以下の伸張を有している。この材料は、また、0.01MPa以上5MPa以下の引張強度を有している。さらに、この材料は、生体内にある場合に定着を防止するための抗菌作用を有することができる。さらに、この材料は、弾性または粘弾性を有していてもよく、また、オプションとして、オープンセル発泡体であってもよい。材料の密度は、0.1g/cm3以上、1.5g/cm3以下であるべきである。
【0203】
本発明の弁300は、任意の適切な内腔プロテーゼに取り付けられることができる。弁のリム302は、内腔プロテーゼ内に取り付けるための取付リングを提供し、例えば、弁300は、縫合糸を使用してリム2をステントメッシュに縫合することによって、ステントに取り付けられてもよい。
【0204】
多くの新興の肥満治療には、チューブを十二指腸に配置することが含まれる。これにより、体内のこの位置において所定の栄養物の吸収が制限される。こうして、結果として生じるカロリー不足は、体重の減少をもたらす。これらのデバイスのいくつかは、長期間、幽門弁を開かせることができ、それによって、胃の内容物排出を迅速に生じさせる。迅速な胃内容物排出の発現の間、充足感は短くなり、したがって、患者は、よけいに食べることになる。
【0205】
胃の内容物排出の速度を制御可能に制限することができる弁デバイスを幽門に、または、その近くに配置することによって、充足感または満腹感が得られることが見出された。
【0206】
図66,67を参照すると、既存の肥満治療デバイス、例えば、胃502から十二指腸503まで延在するスリーブ501に遡及的に配置されることができる弁デバイス500が示されている。そのようなスリーブデバイスの1つは、米国出願公開2005/0125075に記載されており、その内容の全体は、参照によって本明細書に組み入れられる。弁500は、胃の内容物排出の速度を制限するように機能する。事前に位置決めされたスリーブ501内における弁500の位置は、図66,67に示されている。弁500は、上述した種類のものであってもよいし、上述したように骨格505に取り付けられてもよい。
【0207】
図68,69を参照すると、本発明の弁550が示されている。この場合、弁550は、胃の内容物排出の速度を制御し、それによって、向上された満腹感を提供するために、幽門括約筋551に配置されている。この方法は、例えば、胃バンドまたは他の肥満治療システムと関連させて使用されてもよい。弁550は、アンカー552などの任意の適切な手段によって原位置に保持されてもよい。
【0208】
代替的に、図70,71に示されているように、弁550は、幽門括約筋551の遠位に配置され、幽門弁または幽門括約筋と直列にさらなる弁作用を提供してもよい。
【0209】
図72〜77を参照すると、胃腸インプラントデバイス600が示されている。この胃腸インプラントデバイス600は、十二指腸に延在するためのスリーブ601と、幽門603に配置されて胃604から十二指腸スリーブ601に覆われている十二指腸までの流れを制御するための人工弁602と、を備えている。デバイス601は、また、弁のための支持構造を備えている。この場合、支持構造は、弁602が取り付けられる骨格605を備えている。支持構造は、また、骨格が取り付けられる内腔プロテーゼ606を備えている。この場合、骨格605は、内腔プロテーゼ606に取り外し可能に取り付けられることができる。スリーブ601は、支持構造に取り付けられ、この場合、弁および/または骨格605に取り付けられる。
【0210】
この場合、支持構造は、ステント状の骨格605と、内腔プロテーゼ606と、を備えている。内腔プロテーゼ606は、幽門に配置するためのものであり、弁602が取り付けられる骨格605は、事前配置内腔プロテーゼ606に取り外し可能に取り付けられることができる。骨格は、内腔プロテーゼ606と取り外し可能に係合することができる係合要素を備えている。係合要素は、内腔プロテーゼと取り外し可能に係合することができる突出部607を備えていてもよいこの場合の内腔プロテーゼ606は、被覆を有していてもよいメッシュを備えている。突出部609は、メッシュと係合することができ、いくつかの場合では、メッシュを貫通する。メッシュが被覆を有する場合、突出部607は、被覆を貫通してもよい。
【0211】
本実施形態では、インプラントデバイスの少なくとも一部分は、完全に取り外すため、再位置決めするため、または、取り替えるために、取り外し可能である。骨格605を内腔プロテーゼ606との係合から解放するための解放手段があってもよい。この場合の解放手段は、骨格の少なくとも一部分の直径を低減するための手段を備えていてもよい。解放手段は、骨格605の周りに延在する引紐611を備えていてもよい。この場合、支持構造の近位端の周りに延在する第1の引紐611aと、支持構造の遠位端の周りに延在する第2の引紐611bと、がある。取り外すために、これらの引紐は、把持装置などの適切な器具を使用して、ループ612をたぐり寄せることによって、締められてもよい。
【0212】
プロテーゼ606および骨格605の両方は、ニチノールなどの形状記憶材料から形成されてもよく、低減直径移送形態と拡張配置形態とを有していてもよい。
【0213】
この場合のプロテーゼ606は、幽門洞のところで拡張形態において配置するために近位フレア部620を備えている。フレア部620は、プロテーゼを所定位置に固定することを補助する。この場合のプロテーゼ606は、また、プロテーゼを所定位置に固定することを補助する遠位球状領域621を有している。プロテーゼ606は、骨格受入領域622を有しており、この場合の骨格受入領域622は、プロテーゼ606の近位端と遠位端との間にある。
【0214】
骨格605は、弁602を収容するための近位領域630と、後退移送形態においてスリーブ601を収容するための遠位領域631と、を有している。弁602は、縫合糸632によって骨格605に取り付けられてもよく、および/または、例えば接着剤によって骨格605に接合されてもよい。
【0215】
この場合のスリーブ601は、また、例えば、接合および/または縫合によって、骨格605および/または弁602に取り付けられる。
【0216】
弁602は、通常時の閉形態と、胃の内容物排出のために弁が開かれる開形態と、を有している。弁602は、胃の内容物排出のために自動的に開くように構成されるとともに、閉形態に自動的に戻るように構成されている。弁は、粘弾性の発泡材料、例えば、本明細書で詳述される発泡材料から形成されてもよい。弁602は、この場合、前述の弁と類似しており、外側支持領域640と、少なくとも3つの弁尖641と、支持領域と弁尖641との間に延在する主本体領域643と、を備えている。弁602は、弁を通常時の閉形態に維持するために、開形態において弁の接合の領域643を有している。接合の領域643は、少なくとも1mmの軸線方向の長さで延在してもよい。
【0217】
図72は、ゆるんだ事前装着形態における内腔プロテーゼ606を示している。図73は、骨格605、弁602およびスリーブ601を示している。スリーブ601は、後退形態にある。図74は、幽門に配置されたプロテーゼ606を示しており、骨格605、弁602およびスリーブ601は、プロテーゼ606に挿入されている。図75は、プロテーゼ606内に配置された骨格605、弁602およびスリーブ601を示している。図76は、図75に類似の図であり、スリーブ601が、十二指腸を通って延在する展開形態に拡張されている。図77は、弁62、支持構造および完全に展開されたスリーブ601を示す断面図である。
【0218】
スリーブは、後退移送形態において様々な態様で構成されてもよいことに留意されたい。いくつかの例が図78〜80に示されている。図78において、スリーブ601は、いくらかアコーディオンのように折り畳まれている。図79において、スリーブ601は、長手方向に折り畳まれることができ、また、その後、螺旋状に巻き取られることができる。図80において、スリーブ601は、長手方向のひだ、すなわち、しわを有しており、交差方向(長手方向と交差する方向)に亘っても折り畳まれる。
【0219】
スリーブ601は、その全長に沿って一定の直径を有していてもよく、あるいは、テーパ状であってもよく(図81,83)、あるいは、狭い近位部位と、一定の直径の遠位部位と、を有していてもよい(図82)。
【0220】
スリーブ601は、スリーブを所望の位置に保持することを補助するための保持手段を有していてもよい。例えば、図81に示されるように、スリーブ601は、スリーブの遠位端またはその近くに保持リング650を有していてもよい。複数のそのような保持リング650があってもよく、複数の保持リング650は、図83に示されるように、スリーブ601に沿って離間していてもよい。リング650は、目標人体組織に適合するために、異なる大きさおよび/または形状を有していてもよい。保持リング650は、それらを拡大形態に付勢するための付勢手段を有していてもよい。例えば、保持リング650は、スリーブ601の直径に対して大きなサイズであってもよい。保持リング650を拡張展開形態から解放するために、引紐などのような解放手段があってもよい。
【0221】
図84〜89を参照すると、本発明によるインプラントデバイスと、関連する移送システムと、が示されている。移送システムは、骨格605、弁602およびスリーブ601を収容する遠位カプセル669を有する移送カテーテル660を備えている。移送システムは、空気注入式近位バルーン662によって提供される近位拡張可能要素と、遠位バルーン663によって提供される遠位拡張可能要素と、を備えている。近位バルーン662によって、弁602の近位側におけるスリーブ601の近位端664との一時的なシールが提供される。遠位バルーン665によって、遠位オリーブ666と、スリーブ601の遠位端667と、の間の一時的な遠位シールが提供される。膨張流体が近位バルーン662と遠位バルーン665との間でスリーブ601に導入され、この流体によって、スリーブ601が軸線方向に拡張して、拡張展開形態になる。スリーブ601が拡張展開形態にある場合に、遠位バルーン665は、収縮しており、オリーブ666が取り外されて遠位方向に移動することが許容される。次に、移送システムの残りが、近位方向に引かれ、インプラントデバイスがそのまま残される。図84は、内腔プロテーゼすなわちステント605を示している。ステント605は、幽門を横切って配置された30mmの幅の近位フレア部を有しており、近位フレア部は、幽門洞に置かれている。移送システムを有する内視鏡が胃内に前進される。移送デバイスは、内視鏡のシャフトを通じて制御され、内視鏡の近位に位置決めされたカプセルを備えている。カプセルは、事前配置ステントまで前進される。図85は、スリーブが後退形態にある、ステント、骨格および弁を示している。移送システムの遠位オリーブ666もまた示されている。
【0222】
図86を参照すると、移送システムを通って細長いプラスチックのスリーブまで水がフラッシュされる。スリーブは、十二指腸を通ってトライツ靱帯を過ぎて通る。
【0223】
図87を参照すると、インプラントデバイスが展開されたとき、移送システムが取り出されて、遠位オリーブ666が腸を通る。
【0224】
図84〜89の移送システムの場合、スリーブが展開される前に弁および骨格が展開される。この構成では、図87に示されるように弁に対してシールする近位バルーンによって近位シールが提供される。
【0225】
図90〜97を参照すると、他の移送システムが示されている。この場合、スリーブの展開の後に、弁および骨格が配置される。この構成では、この場合、遠位カプセル669の内壁に対してシールする近位バルーン662によって近位シールが提供される。近位バルーン662は、図91,92,94において完全には膨張していない。移送カテーテルは、後退ハブ681を有する外側シャフト680と、内側シャフト682と、を備えている。シャフトは、様々な内腔を有しており、近位端には、内腔と接続される様々なポートがある。近位スリーブ膨張ポート683と、遠位先端バルーン膨張ポート684と、近位シール、すなわち、プランジャーバルーン膨張ポート685と、がある。また、ガイドワイヤ687のためのガイドワイヤポート686(これは、図96に示されている)がある。図97は、様々な内腔、すなわち、スリーブの展開のための水注入内腔690、近位バルーン膨張内腔691、遠位先端バルーン膨張内腔692およびガイドワイヤ内腔693を示している。可撓性チューブ688が内側シャフト682内の内腔689を通って延在している。可撓性チューブ688は、また、この場合、ドーナツ状の近位バルーン662を通って延在している。チューブ688は、バルーン665の膨張のための出口を有している。
【0226】
図90を参照すると、カプセル669は、外側シースから機械的に、例えば、ねじ接続695によって、取り外し可能である。使用時において、移送システムのシャフトは、内視鏡の移送チャネルの近位端を通って挿入される。移送シャフトのシャフトの遠位端が内視鏡移送チャネルの遠位端を出るとき、カプセルは、この場合、ねじ込み取付具である機械式取付具を使用して、移送シャフトの遠位端に取り付けられる。
【0227】
図90において、スリーブ/弁/骨格インプラントデバイスは、後退移送形態にある。可撓性チューブ688は、先端バルーン665まで延在しており、バルーン665を膨張させるために空気が移送される穴を有している。チューブ688は、プラスチック、例えば、ナイロンなどの適切な可撓性材料から形成される。
【0228】
図92を参照すると、近位バルーン662が膨張されて、近位端のところでスリーブ601をシールし、遠位バルーン665が膨張されて、遠位端のところでスリーブ601をシールする。次に、後退されたスリーブ601に水がフラッシュされ、遠位端および近位端のところでのシール部662,665のおかげで水がスリーブ601を満たし、それが拡張される。スリーブ601は、図92において、部分的拡張形態で示されている。
【0229】
スリーブ601が完全に拡張されたとき(図93)、遠位バルーン665は、収縮され、それによって、先端666が排出のために腸内に浮遊できる。近位バルーン662は、膨張状態に留まり、プランジャーとして作用して、骨格をカプセル669から配置させる。骨格605は、上述したようにステント606と係合し、移送システムは、図94に示されるように引き出される。
【0230】
図95は、近位移送構成部品を示している。後退ハブ681は、外側シャフト680を、内側シャフト682を越えて引き出すことを可能にするために、外側シャフトに接続されている。
【0231】
図98は、様々なサイズのオリフィスを有する固定オリフィスリストリクターの圧力分析結果のグラフである。リストリクターは、1mmの厚みのポリエチレン膜を使用して製造された。各オリフィスは、所望の穴サイズを穿設することによって作り出され、その後、バーニアキャリパーを使用して検査された。試験装置を介した流速は、39,000Cpsの粘度を有する流体で、7.86g/秒に制御された。流体の流れを妨げるために、一連の固定直径オリフィスリストリクターが使用される場合、結果として生じる背圧は、独特のパターンを有する。背圧は、初期的には、急激に上昇し、次いで、流れが停止されるまで、持続的に徐々に上昇する。この挙動は、4mm、5mmおよび6mmの直径のリストリクターに関して、図98によって示されている。これは、胃内での流れリストリクターとしての使用に望ましくない。それは、流れの関数としての圧力の一定の上昇が胃の損傷および筋けいれんを引き起こすからである。
【0232】
図99は、様々な異なるリストリクターの圧力分析結果である。6mmのオリフィスが、図98に関して、上述したように製造される。波線で表される圧力分析結果は、図58〜65を参照して上述されたような弁尖を使用して生成された。弁は、粘弾性発泡材料から形成される。発泡材料は、この場合、以下で説明するグループ1の材料の例5に記載された材料である。この材料の密度は、0.9g/mlである。図99から、上述の接合弁によって、流体流れ期間に亘って一定の背圧を生成できることが分かるであろう。このように、弁は、流体流れと独立した一定の制限力を維持するために、流体流れに適合している。
【0233】
弁の性能は、材料の密度を調節することによって、適合させることができ、これは、例えば、より多い、または、より少ない材料を弁成形金型に導入する(これは、続いて、広がってキャビティ内に充填される)ことによって達成され得る。図100を参照すると、弁は、図99と同一の材料を使用して製造されたが、この場合、密度は、約0.76g/mlに変更された。この変形によって、初期的には高い背圧を生成し、次いで、流体流れに適合され、したがって、背圧を低下させる弁を製造することが可能になった。このような弁は、初期的なバリア機能を有しており、その後、安定した状態の制限をもたらす。弁は、予め定められた設定圧力まで流れを妨げ、その後、背圧は、実質的に一定に維持され、したがって、予測通りの胃の内容物排出の速度を提供する。
【0234】
デバイスのスリーブ部分の製造に様々な材料を使用することができる。これらの材料は、低摩擦、したがって、流体の流れを妨げないので、例えば、ポリエチレン、PTFE、FEPまたはFEPとすることができる。
【0235】
図101,102を参照すると、本発明によるスリーブ750が、X線不透過性のマーカーを使用して、スリーブの配置を可視化する手段を有している。X線不透過性のインクまたは塗料が使用される。スリーブ材料の化学的性質によって、被覆の付着は非常に困難である。長手方向ポケット751が設けられ、これは、スリーブ材料の一部分を覆うことによって生成される。BaSO4で満たされた液体シリコン樹脂などのX線不透過性材料752がこのポケット751内に配置され、それは、その後、保存される。これによって、薄型の形状、および、体内において可視化のためにX線透過によって識別可能なマーカーを容易にする。図103を参照すると、この場合では、スリーブは、複数のポケット760を有している。ポケット760は、可視化を容易にするために、任意の所望の態様で、例えば、特定の位置に配置されることができる。
【0236】
十二指腸が、幽門のところで始まり、十二指腸球部のすぐ遠位の湾曲領域を形成する。この領域は、下行十二指腸として知られており、そこでは、キームスが、ファーター膨大部からの消化分泌液と混合され始める。キームスが消化され始めると、それは、十二指腸の内腔表面によって吸収される。スリーブは、この消化メカニズムをバイパスするように機能する。スリーブライナは、トライツ靱帯と同時に遠位十二指腸に到達するのに十分な長さとすることができ、そこで、十二指腸は、空腸に合流する。代替的に、スリーブは、より短くすることができ、十二指腸内腔を通じた吸収の抑制は、スリーブの長さに比例する。十二指腸内の吸収のほとんどが、ファーター膨大部と空腸との間で生じるならば、スリーブは、少なくとも、膨大部を越えるのに十分な長さであるべきである。さらに、スリーブがトライツ靱帯まで延在しない場合には、スリーブは、トライツ靱帯のねじれを通って行き来する必要がないので、より容易に移送される。スリーブの典型的な長さは、40cm〜45cmであってもよい。
【0237】
図104は、本発明によるホスト内腔プロテーゼすなわちステント800の図である。ステント800は、胃洞に配置される漏斗状領域801(第二筒状領域)を備えている。図84に示されるホストステントは、また、胃洞に配置される漏斗状領域801を有している。そのような漏斗状領域、すなわち、広がった領域によって、キームスが、ステントの外表面の周りではなく、ステントの内腔を流れる。このことは、ステントの外側の周りに押し出されるキームスがステントの圧縮および移動を引き起こし得るので、重要である。
【0238】
漏斗状領域801は、より柔軟な狭い領域802に接続される。領域802は、幽門を横切るように構成される。この領域802は、生理学的血圧値に応じて幽門が閉じることができるのに十分な追従性を有している。
【0239】
このより柔軟な領域802は、また、図77に示される弁などの肥満デバイスの同軸接続を可能にする手段を有している。ステントの近位部分での肥満デバイスの接続は、重要である。この方法によって、食物が内腔を通過することに起因して肥満デバイスによって受けるけん引力は、ステントの遠位球状領域(単数または複数)803などの、ステントの他の領域(単数または複数)に伝達され得る。その結果として生じる圧縮力は、ステント構造の球状領域(単数または複数)803を拡張させることができ、したがって、ステントの保持力が補強される。
【0240】
球状領域803をトランス幽門漏斗801(第二筒状領域)に接続することによって、ステントを靱帯組織内に配置する助けとなり、十二指腸内腔の軸線に垂直に球部803が回転することが防止される。
【0241】
ステントは、また、十二指腸のチューブ状内腔と接触するために、球状領域803の遠位端に接続する筒状領域804(第一筒状領域)を有していてもよい。
【0242】
ステントは、自己拡張ステントである。自己拡張ステントは、編み(knitting braiding or weaving)によって製造されてもよい。1つの場合では、ステントは、編み上げ構造を有している。
【0243】
自己拡張編み上げステントは、金属または合成ポリマーで形成されてもよい。金属で形成される場合、求められる機械特性のために、超弾性合金が通常、選択される。これらのステントは、大きな径方向の力を与えるように構成されることができるが、同時に、追従性を有することができ、消化の自然機械的プロセスを可能にする。
【0244】
この技術は、上述したような消化管に最も適切に使用されることができる。
【0245】
編み上げられたステントの利点の1つは、その径方向の直径を容易に低減して、鞘に納めること、および、移送を可能にすることである。この特性は、ステントが狭い人体内腔に、または、内視鏡の副チャネルを通って、導入されるべき場合に重要である。
【0246】
しかしながら、編み上げられた構造のために、直径が低減されたステントは、その直径がその通常状態に戻ることが許容される時よりも実質的に長いことが多い。このことは、展開の間に問題を引き起こし、それによって、ステントは、径方向に拡張した際に短縮する。これによって、正確な配置が試みられる。そのようなステントのユーザは、通常、これらの治療の利益の利点と、移送の困難さと、をバランスさせなければならない。
【0247】
これらのステントの長さと直径との相互関係によって、それらを伸張させる体内の力が、それらの直径を収縮させる。この機械的な挙動は、最終的には、移動を生じさせる人体の内腔と接触するロスを生じさせる。逆に、ステントを長手方向に短縮させる体内の力は、軸線方向の拡張を生じさせ、したがって、人体の内腔内のステント位置を補強する。
【0248】
このようなステントは、相対的な張力がいずれかの端部に加えられる場合に伸張してもよく、圧縮力がいずれかの端部に加えられる場合に短縮してもよい。
【0249】
自己拡張ステントにおいて弁を使用することが望ましい場合や、解剖学的考慮が、弁がステントの近位端または遠位端のいずれに配置されるかを決定付ける場合がある。弁は、その内腔を通る食物の流れからけん引力を受け得る。弁がステントの遠位端に配置される場合、ステントを通る食物の流れによって張力が生成されることができ、一方、弁がステントの近位端に配置される場合、圧縮力が生成され得る。
【0250】
後者は、保持力の観点から望ましいものの、弁を近位ステントに位置決めすることは常に可能ではない。ステントの遠位端に配置される弁が移動のリスクを高めることになる。
【0251】
本発明は、遠位に配置された弁によって受ける力をステントの近位領域に伝えるための方法を提供する。したがって、近位に配置された弁は、ステントに圧縮力を作用させるように作られ得る。
【0252】
本発明は、次のように、すなわち、人体の内腔と接触するための外側領域851と、弁(または、そのようなプロテーゼ)と接触するための内側領域852と、内側領域を外側領域の近位部分に接続するための接続部品と、を有するステントとして広く説明され得る。一実施形態が図105によって示される。外側領域は、曲線状に形成されて、適当な人体の内腔に適合することができる。図105に示される寸法は、胃洞に配置されて幽門を通って延在すべきプロテーゼに関して、特に適当である。
【0253】
接続領域は、離散的なストラット、ワイヤ、または、図106,107に示されるような他の構造853によって形成されてもよい。代替的に、内側領域および外側領域は、図108,109に示される同軸の内側領域852および外側領域851を形成するように折り畳まれた1つの連続的なステントによって形成されてもよい。
【0254】
事前に展開された自己拡張ステント(ホストステント)内に弁および支持構造を配置することが望ましい場合がある。そのような弁構成部品は、径方向の力、摩擦によって、または、何らかの機械的相互係止機構によって、それ自身をホストステントに固定してもよい。
【0255】
ステントを短縮させ、圧縮させる、ステントおよび弁システムに加わる力によって、その直径の拡張が生じる。この挙動は、同軸に配置された任意の弁構成部品のステントの内側内腔との係合を緩めさせる可能性があり、したがって、図110に示されるように移動が生じる。図110は、ステント825(例えば、編み上げられたステント)の長手方向の短縮によって弁デバイス826の移動が生じている状態を示している。
【0256】
本発明の一態様には、非伸張性のループ、または、一連のループ820を自己拡張ステントの周りに追加して、図111,112,113によって示される自己拡張ステントの一部位の拡張を制限することが含まれる。ポリマー繊維または金属繊維などの可撓性材料から形成されてもよいループ820によって、装着の間に、ステントが径方向に圧縮されることが許容されるが、ループの所定の直径まで径方向に拡張することが制限される。典型的な材料は、単繊維もしくは編み上げられたポリプロピレン縫合糸、または、ステンレス鋼ワイヤである。
【0257】
この方法によって、弁構成部品(これは、追加されたループを有する領域内に配置されてもよい)は、ステントに作用するいかなる長手方向の力によっても移動されない。
【0258】
図114を参照すると、本発明による他の内腔プロテーゼ900が示されている。このプロテーゼは、図113のプロテーゼに類似しており、同様の部分には、同一の参照符号が割り当てられている。プロテーゼは、編み上げられたメッシュ構造を有しており、近位フレア部すなわち傘領域801(第二筒状領域)と、球状領域803と、十二指腸領域804(第一筒状領域)と、を備えている。幽門通過領域901が球状領域803の周りで近位フレア部801(第二筒状領域)と相互接続している。
【0259】
近位傘領域801は、オープンメッシュを有しており、比較的柔軟であり組織炎症を回避する。近位フレア部の表面は、この場合、少なくとも部分的に、適切な被覆材料によって被覆されている。この領域での被覆は、ステントがつぶれた移送形態にある場合に、隣接する領域同士間での付着を防止するので、展開補助として機能する。フレア部を遠位方向に旋回させることによって、いくらかの軸線方向の引っ張りが提供され、この引っ張りは、使用時、例えば、幽門に配置されるときの耐損傷を提供する。
【0260】
幽門通過領域901は、近位フレア部801から球状領域803までの力の伝達を抑えるために、非常に柔らかく、曲がりやすい。幽門通過領域は、組織内部成長を許容するために被覆されていなくてもよい。
【0261】
球状領域803は、十二指腸球部において係合することによって、デバイスの保持を補助するように作用する。メッシュは、それが展開される人体組織に適合するために、この領域において可撓性を有している。球状領域803の下方部分は、組織内部成長を防止するために被覆されていてもよい。
【0262】
十二指腸領域804は、その直径が予め設定された限度を超えて拡張しないように構成されている。その紐/メッシュは、この場合の十二指腸領域は図115〜117に示されるように弁602および関連する骨格605が配置される領域であるから、他の領域よりも高密度な織り模様を有している。弁および骨格は、例えば、上述のよう、すなわち、図73〜79を参照して説明されたようであってもよい。
【0263】
図120は、本発明による他の内腔プロテーゼ925を示しており、この内腔プロテーゼ925は、同軸の内側領域852および外側領域851を有する図109のプロテーゼに類似の特徴を有している。この場合、内側領域852および外側領域851は、1つの連続する先行ステント935(図118)によって形成され、これは、図119に示されるように折り畳まれる。内側領域852は、この場合、プロテーゼに近位端に隣接し、前述した種類の骨格および弁は、容易に配置される。図121は、弁および骨格を原位置にある図120の内腔プロテーゼを示している。図122は、図120,121のデバイスを組み込んだ、原位置にある本発明による肥満治療デバイスを示している。この構成によって、弁の任意の移動が任意の短縮から、あるいは、ステントの外側領域の短縮から効果的に切り離される。
【0264】
本発明による他の内腔プロテーゼ928が図123〜125に示されている。このプロテーゼ928は、図107のプロテーゼと類似しており、図124,125は、プロテーゼの内側部分が、接続853のために少なくとも部分的に外側部分からどのように切り離されるかを示している。接続853は、例えば、少なくとも部分的な関節接続、ヒンジ接続または旋回接続の領域を形成する。
【0265】
図126は、本発明による他の内腔プロテーゼ925を示しており、これは、図109のプロテーゼといくらか類似している。プロテーゼ925の機能は、図127〜129に図示されている。
【0266】
類似のプロテーゼが図126に示されており、このデバイスの機能が図127〜129に図示されている。
【0267】
この場合、図130,131に示されるように、追加的な、軸線方向の可撓性を有するコネクタ、例えば、内側部分と外側部分との間の少なくとも1つのテザー930があってもよい。
【0268】
図132を参照すると、この場合、プロテーゼ950が、近位フレア部分952から離間した球状部分951を備えている。この部分951,952は、任意の適切なコネクタ(単数または複数)953、例えば、少なくとも1つのテザーによって相互接続されていてもよい。近位フレア部は、部分的な幽門通過領域を有していてもよく、この領域に弁/骨格が取り付けられてもよい。
【0269】
図133〜139を参照すると、本発明による他の肥満治療デバイス960が示されている。デバイス960は、外部支持体961と、内部支持体963に取り付けられる弁962と、上述したように、使用時に十二指腸まで延在するスリーブ964と、を備えている。
【0270】
外部支持体961は、近位フレア部分970と、遠位球状領域971と、を有している。遠位球状領域と近位フレア領域とは、接続された幽門通過筒状領域である。筒状領域の径方向の力は、小さく、幽門括約筋の通常の機能を許容する。近位フレア部分970は、オープンメッシュ構造を有しており、被覆を必要としない。それは、それを所定位置に保持する胃洞と係合する。少なくとも、外部支持体961の球状領域971の遠位部分は、被覆される。
【0271】
弁962は、内部支持体963に取り付けられ、内部支持体963は、外部支持体961の球状領域971の被覆された遠位部分と係合される。内部支持体963は、骨格963を原位置に保持するのを補助するために、外部支持体961のメッシュに係合する一体フープ972を有している。内部支持体963は、外部支持体961に対して自由に移動することができるが、十二指腸の球状部の組織上を移動しない。
【0272】
使用時において、食物が胃から弁962を通って通過する場合に、内部骨格963の近位部分は、外部支持体961に対して移動し、それによって、遠位方向および径方向の両方に変換される軸線方向の力を生じさせる。結果として生じる力のベクトルは、外部支持体961に作用する径方向の力を増大させ、軸線方向の力を吸収する。内部支持体963の近位部分は、それが外部支持体961に連結されていないので、軸線方向に遠位方向に移動することができる。内部支持体963の遠位部分は、外部支持体961と相互作用するだけであって、外部支持体961を通って延在しない。内部支持体961は、十二指腸の球状部の壁部と係合しない。
【0273】
肥満治療デバイスは、幽門括約筋の機能を妨げない。一方、幽門の機能は、通常、デバイスが所定位置に固定されることを保証する。食物が弁を通過しているとき、作用される力は、この力を拡張し吸収するのに十分に柔軟である十二指腸の球状部に作用する径方向の力に変換される。デバイスは、ユーザに長期間の満腹感を与えるために、胃の内容物排出を遅らせるように機能する。
【0274】
近年、肥満を治療するための埋め込み可能なデバイスに関する商業活動が非常に高まっている。これらのデバイスのいくつかは、幽門および十二指腸で使用するように意図されており、したがって、何らかの保持形態を必要とする。現状の保持手順には、組織貫通返しの使用が含まれ、これは、潰瘍および痛みを生み出す。本胃腸インプラントデバイスは、このような返しの使用を回避する。
【0275】
本技術は、消化管を通る食物の流れに関連する大きな力に曝されるデバイスの保持を改善するために、肥満治療の新興領域における商業的用途を見出すであろう。
【0276】
本発明のデバイスにおいて、あるいは、当該デバイスと関連して使用するのに適しているであろう様々な技術が、次の米国特許出願に記載されている。
米国特許出願12/488,037(米国2010−0121462として公開)
米国特許出願12/488,016(現在、米国特許8029557)
米国特許出願12/487,991(米国2010−0121461として公開)
米国特許出願12/971,458(米国2011−0190905として公開)
米国特許出願13/493,904(米国2012−0310138として公開)
米国特許出願13/329,728(米国2012−0158026として公開)
これらの全ての内容全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0277】
本発明の弁を製造するのに適した生体材料の第1のグループが、本願出願人の米国特許出願12/488,047(現在、米国特許7932343)およびWO2009/153769に記載されており、それらの内容全体が参照によって本明細書に組み入れられる。本発明の弁を製造するのに適した生体材料の第2のグループが、本願出願人の米国特許出願12/971,384(米国2011−0152395として公開)およびWO2011/073967に記載されており、それらの内容全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0278】
本発明の様々な特徴が本明細書で詳細に説明され、図示されている。一実施形態を参照して説明された適切な特徴は、他の実施形態で説明された特徴に追加的に、および/または。代替として利用され得る。
【0279】
本発明は、添付図面を参照して本明細書で上述された実施形態に限定されるものではなく、構造および詳細を変更することができる。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
<態様1>
ステントを備える自己拡張内腔プロテーゼであって、
前記ステントは、
遠位球状領域を備え、内腔内で保持されるように構成された第1の部分と、
柔軟な領域を備え、弁を取り付けるように構成された第2の部分と、
近位フレア部と、を備え、
前記ステントは、さらに、前記第2の部分に加えられる力が少なくとも部分的に前記第1の部分から切り離されるように、前記第1の部分と第2の部分との間のコネクタを備え、前記柔軟な領域は、弁の同軸接続を可能にする手段を有し、前記遠位球状領域は拡張され、それにより前記ステントの保持を強化することが可能である、自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様2>
前記コネクタは、少なくとも一つのテザ−、および/または、少なくとも一つのストラット、および/または、少なくとも一つのワイヤを備える、請求項1に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様3>
前記ステントは、人体の内腔と接触するための外側領域と、弁と接触するための内側領域と、前記内側領域を前記外側領域の近位部分に接続するための接続部品とを有する、請求項1に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様4>
前記内側領域および前記外側領域は、同軸の内側領域および外側領域を形成するように折り畳まれた一つの連続的なステントによって形成される、請求項3に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様5>
前記内側領域は、間接接続の領域を形成する前記コネクタによって前記外側領域から少なくとも部分的に切り離される、請求項3に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様6>
前記近位フレア部は、オープンメッシュ構造を有し、前記近位フレア部は、前記自己拡張内腔プロテーゼの軸線方向の移動に抵抗するように構成される、請求項1から5の何れか一項に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様7>
前記近位フレア部は、少なくとも部分的に被覆され、前記近位フレア部は、被覆された表面領域を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様8>
前記遠位球状領域は、部分的に被覆されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様9>
前記近位フレア部と前記遠位球状領域との間の前記柔軟な領域は、オープンメッシュ柔軟構造を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
<態様10>
編み上げられたメッシュ構造を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の自己拡張内腔プロテーゼ。
【符号の説明】
【0280】
1…弁
2…リム
3…弁尖
3a…脚部
6…主本体領域
7…遠位端面
20…ステント
21…縫合糸
30…ステント
31…スリーブ
62…弁
100…弁
102…支持構造
103…遠位先端部
110…弁
111…遠位先端部
120…弁
121…近位先端部
130…移送カテーテル
131…遠位ポッド
132…遠位先端
140…ステント
150…フック状部材
151…弁デバイス
155…突出部
170…遠位引紐
171…近位引紐
172…小穴
173…引張紐
175…小穴
177…引張紐
200…弁デバイス
201…近位端
202…遠位端
300…弁
301…弁
302…支持リム
303…弁尖
306…主本体領域
333…弁尖
500…弁デバイス
501…スリーブ
502…胃
503…十二指腸
505…骨格
550…弁
551…幽門括約筋
552…アンカー
600…胃腸インプラントデバイス
601…スリーブ
601…デバイス
602…弁
603…幽門
604…胃
605…ステント
606…内腔プロテーゼ
606…ステント
607…突出部
609…突出部
611…引紐
611a…第1の引紐
611b…第2の引紐
612…ループ
620…近位フレア部
621…遠位球状領域
622…骨格受入領域
630…近位領域
631…領域
632…縫合糸
640…外側支持領域
641…弁尖
643…主本体領域
650…保持リング
660…移送カテーテル
662…近位バルーン
662…シール部
663…遠位バルーン
664…近位端
665…遠位バルーン
666…遠位オリーブ
667…遠位端
669…遠位カプセル
680…外側シャフト
681…後退ハブ
682…内側シャフト
683…近位スリーブ膨張ポート
684…遠位先端バルーン膨張ポート
685…プランジャーバルーン膨張ポート
686…ガイドワイヤポート
687…ガイドワイヤ
688…可撓性チューブ
689…内腔
690…水注入内腔
691…近位バルーン膨張内腔
692…遠位先端バルーン膨張内腔
693…ガイドワイヤ内腔
695…接続
750…スリーブ
751…長手方向ポケット
760…ポケット
800…ステント
801…漏斗状領域
801…近位フレア部
802…領域
803…球状領域
804…筒状領域
820…ループ
825…ステント
826…弁デバイス
851…外側領域
852…内側領域
853…構造
900…内腔プロテーゼ
901…幽門通過領域
925…内腔プロテーゼ
928…内腔プロテーゼ
930…テザー
935…先行ステント
950…プロテーゼ
951…球状部分
952…近位フレア部分
960…肥満治療デバイス
961…外部支持体
962…弁
963…内部支持体
964…スリーブ
970…近位フレア部分
971…球状領域
972…一体フープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76
図77
図78
図79
図80
図81
図82
図83
図84
図85
図86
図87
図88
図89
図90
図91
図92
図93
図94
図95
図96-97】
図98
図99
図100
図101
図102
図103
図104
図105
図106
図107
図108
図109
図110
図111
図112
図113
図114
図115
図116
図117
図118
図119
図120
図121
図122
図123
図124
図125
図126
図127
図128
図129
図130
図131
図132
図133
図134
図135
図136
図137
図138
図139