特許第6853329号(P6853329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853329
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】ヘッドランプ制御装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   B60Q1/04 E
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-196385(P2019-196385)
(22)【出願日】2019年10月29日
(65)【公開番号】特開2020-70017(P2020-70017A)
(43)【公開日】2020年5月7日
【審査請求日】2019年10月29日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0129888
(32)【優先日】2018年10月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジュン ヨン
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0124465(US,A1)
【文献】 特表2012−531339(JP,A)
【文献】 特開2002−193025(JP,A)
【文献】 特開2018−034665(JP,A)
【文献】 特開2014−017094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前方にハイビームパターンの光を照射するヘッドランプと、
前記車両の周辺映像撮影情報を用いて、前記車両周辺のバリア存在の有無を判断するバリア判断部と、
前記車両周辺に前記バリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記ヘッドランプの光を制御するランプ制御部とを含
前記ヘッドランプは、
走行車線領域の左側ビームパターンの光を照射する第1ヘッドランプと、
前記走行車線領域の右側ビームパターンの光を照射する第2ヘッドランプとを含み、
前記ランプ制御部は、
前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、前記車両周辺にバリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプおよび前記第2ヘッドランプのうち前記バリアに近接したいずれか1つのヘッドランプの光を消灯する、
ヘッドランプ制御装置。
【請求項2】
前記車両のナビゲーション情報を用いて、現在の走行道路の種類が国道および高速道路の1つであるか否かを判断する道路情報判断部をさらに含む、請求項1に記載のヘッドランプ制御装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション情報は、車両の現在走行する道路が左側ハンドルドライブ道路環境であるか、または右側ハンドルドライブ道路環境であるかの情報を含み、
前記ランプ制御部は、前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の左側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプの光を消灯し、前記第2ヘッドランプの光の照射を維持する、請求項に記載のヘッドランプ制御装置。
【請求項4】
前記ランプ制御部は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が右側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の右側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプの光の照射を維持し、前記第2ヘッドランプの光を消灯するように制御する、請求項に記載のヘッドランプ制御装置。
【請求項5】
ヘッドランプによって、車両の前方にハイビームパターンの光を照射するステップと、
バリア判断部によって、前記車両の周辺映像撮影情報を用いて、前記車両周辺のバリア存在の有無を判断するステップと、
ランプ制御部によって、前記車両周辺に前記バリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記ヘッドランプの光を制御するステップとを含
前記照射するステップは、
第1ヘッドランプによって、走行車線領域の左側ビームパターンの光を照射するステップと、
第2ヘッドランプによって、前記走行車線領域の右側ビームパターンの光を照射するステップとを含み、
前記制御するステップは、
前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、前記車両周辺にバリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプおよび前記第2ヘッドランプのうち前記バリアに近接したいずれか1つのヘッドランプの光を消灯するステップを含む、
ヘッドランプ制御方法。
【請求項6】
道路情報判断部によって、前記車両のナビゲーション情報を用いて、現在の走行道路の種類が国道および高速道路の1つであるか否かを判断するステップをさらに含む、請求項に記載のヘッドランプ制御方法。
【請求項7】
前記ナビゲーション情報は、車両の現在走行する道路が左側ハンドルドライブ道路環境であるか、または右側ハンドルドライブ道路環境であるかの情報を含み、
前記制御するステップにおいて、前記ランプ制御部は、前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の左側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプの光を消灯し、前記第2ヘッドランプの光の照射を維持する、請求項に記載のヘッドランプ制御方法。
【請求項8】
前記制御するステップにおいて、前記ランプ制御部は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が右側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の右側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプの光の照射を維持し、前記第2ヘッドランプの光を消灯するように制御する、請求項に記載のヘッドランプ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行する車線のバリア区間でヘッドランプの光を制御して、対向車の眩しさおよび運転者のグレアを防止するヘッドランプ制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
夜間走行の便宜性を目的とするADB(adaptive driving beam)の主要認識装備である前方カメラは、ヘッドおよびリア光源対に基づいて車両の有無を判断するが、カメラによる画像処理に依存する現システムは、いくつかの問題点をもたらしている。
【0003】
一般的な高速化道路は、対向車と先行車とを区分する中央分離帯が設置されており、一部開放された鉄物構造は、実道路走行時、対向車の光源が露出、非露出の周期を速やかに繰り返す。これによって、光源認識をベースとするカメラは、当該区間で誤認識が生じるしかない状況に置かれ、運転者に頻繁な点灯および消灯によるグレアを誘発することがある。また、完全密閉されたセメント構造の中央分離帯は、車高の高いトラック、バスなどに対して認識が不可で直接的な眩しさを引き起こすことがある。
【0004】
実道路走行時、中央分離帯が高速道路にだけ存在するのではなく、国道にも数多く存在するという点から、国道の中央分離帯区間で自車のADBは深刻な安全上の問題を生じかねない。
【0005】
前述した背景技術は、発明者が本発明の導出のために保有し、本発明の導出過程で習得していた技術情報であって、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術であるとは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第10−1675308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点および/または限界を解決するためになされたものであって、一側面による本発明の目的は、走行する車線のバリア区間でヘッドランプの光を制御して、対向車の眩しさおよび運転者のグレアを防止しながらヘッドランプのビームパターン効率を極大化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るヘッドランプ制御装置は、車両の前方にハイビームパターンの光を照射するヘッドランプと、前記車両のナビゲーション情報を用いて、現在の走行道路の種類が国道および高速道路の1つであるか否かを判断する道路情報判断部と、前記車両の周辺映像撮影情報を用いて、前記車両周辺のバリア存在の有無を判断するバリア判断部と、前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、前記車両周辺に前記バリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記ヘッドランプの光を制御するランプ制御部とを含み、前記ヘッドランプは、走行車線領域の左側ビームパターンの光を照射する第1ヘッドランプと、前記走行車線領域の右側ビームパターンの光を照射する第2ヘッドランプとを含み、前記ランプ制御部は、前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、前記車両周辺にバリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプおよび前記第2ヘッドランプのうち前記バリアに近接したいずれか1つのヘッドランプの光を消灯することができる。
【0011】
本発明の一実施形態に係るヘッドランプ制御方法は、ヘッドランプによって、車両の前方にハイビームパターンの光を照射するステップと、道路情報判断部によって、前記車両のナビゲーション情報を用いて、現在の走行道路の種類が国道および高速道路の1つであるか否かを判断するステップと、バリア判断部によって、前記車両の周辺映像撮影情報を用いて、前記車両周辺のバリア存在の有無を判断するステップと、ランプ制御部によって、前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、前記車両周辺に前記バリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記ヘッドランプの光を消灯するステップとを含み、前記照射するステップは、第1ヘッドランプによって、走行車線領域の左側ビームパターンの光を照射するステップと、第2ヘッドランプによって、前記走行車線領域の右側ビームパターンの光を照射するステップとを含み、前記制御するステップは、前記車両が国道および高速道路の1つを走行しており、前記車両周辺にバリアが存在し、前記車両が前記バリアに近接する場合、前記第1ヘッドランプおよび前記第2ヘッドランプのうち前記バリアに近接したいずれか1つのヘッドランプの光を消灯するステップを含むことができる。
【0014】
この他にも、本発明を実現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムがさらに提供できる。
【0015】
前述したもの以外の他の側面、特徴、利点が以下の図面、特許請求の範囲および発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0016】
実施形態によれば、自車のグレアおよび相手車の眩しさの防止に寄与する高速道路モードを国道まで拡張して、バリアによって発生するすべての問題を取り除くことができる。
【0017】
また、走行する車線のバリア区間でヘッドランプの光を制御して、運転者の視認性の向上およびグレアの減少に直接的に寄与することができる。
【0018】
本発明の効果は以上に言及されたものに限らず、言及されていない他の効果は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るヘッドランプ制御装置を概略的に説明するために示す図である。
図2図1のヘッドランプ制御装置のうち制御部の詳細構成を概略的に説明するために示す図である。
図3】ヘッドランプ制御状況を概略的に説明するために示す図である。
図4】ヘッドランプ制御状況を概略的に説明するために示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るヘッドランプ制御方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面とともに詳細に説明される実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下に提示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現可能であり、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。以下に提示される実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するにあたり、かかる公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにしうると判断された場合、その詳細な説明を省略する。
【0021】
本出願で使った用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
【0022】
以下、本発明に係る実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに関する重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッドランプ制御装置を概略的に説明するために示す図である。図1を参照すれば、ヘッドランプ制御装置100は、ナビゲーション提供部110と、映像撮影部120と、ヘッドランプ130と、制御部140とを含むことができる。
【0024】
ナビゲーション提供部110は、複数のGPS(図示せず)と連動して、現在の車両の位置を把握し、車両の出発地から目的地までの経路についてグラフィック情報および音声案内を含むナビゲーション情報を提供することができる。ここで、ナビゲーション情報は、車両の現在位置している道路に関する情報と、走行している車両の現在位置、走行している車両が位置している道路の名称または走行している車両が現在位置している道路の種類、高速道路トールゲート通過の有無、高速道路サービスエリアの位置に関する情報などを含むことができる。また、道路の種類は、道路法第2条、道路法第8条など各種法律により定められたところに従えば良いし、予め設定されたところにより道路の種類を分類することもできる。予め設定されたところによる道路の種類の例を挙げると、道路の種類は、高速道路、一般国道および都心道路に分類することができる。さらに、ナビゲーション情報は、車両の現在走行する道路が左側ハンドルドライブ道路環境であるか、右側ハンドルドライブ道路環境であるかの情報を含むことができる。
【0025】
映像撮影部120は、走行している車両の周辺映像を撮影して映像フレームを生成し、生成した映像フレームとナビゲーション情報とを用いて、車両の現在走行している車線が1車線であるか、2車線であるかを把握する車線情報と、車線の実線、点線、複線情報および色情報と、表示板情報と、車両周辺に位置したバリア(例えば、中央分離帯など)の有無および位置情報などを把握することができる。
【0026】
このような映像撮影部210は、車両に備えられ、車両周辺の映像フレームを撮影可能なカメラを含むことができる。ここで、カメラは、例えば、COMS(complementary metal−oxide semiconductor)モジュール(図示せず)またはCCD(charge coupled device)モジュール(図示せず)などを用いて撮影領域内の被写体を撮影するカメラを意味するもので、入力される映像フレームは、レンズ(図示せず)を通してCOMSモジュールまたはCCDモジュールに提供され、COMSモジュールまたはCCDモジュールは、レンズを通過した被写体の光信号を電気的信号に変換して出力することができる。このようなカメラの内部には映像信号処理部(図示せず)が備えられていて、撮影した映像フレームに対してノイズを低減し、ガンマ補正(gamma correction)、カラーフィルタ配列補間(color filter array interpolation)、カラーマトリクス(color matrix)、色補正(color correction)、色向上(color enhancement)などの画質改善のための映像信号処理を行うことができる。
【0027】
ヘッドランプ130は、車両に設けられ、所定のビームパターンを有する光を照射することができ、ヘッドランプ130は、車両の前方に設けられ、夜間に走行をする時やトンネルなどと暗い場所を走行する時、前方視野が確保されるようにできる。また、本発明の実施形態において、ヘッドランプ130は、ハイビームパターンの光を照射して遠距離視野を確保することができ、ハイビームパターンとともに、近距離視野確保のためのロービームパターンが併せて形成されてもよい。
【0028】
本実施形態において、ヘッドランプ130は、第1ヘッドランプ131および第2ヘッドランプ132を含むことができ、第1ヘッドランプ131は、左側ヘッドランプであって走行車線領域に左側ビームパターンの光を照射し、第2ヘッドランプ132は、右側ヘッドランプであって走行車線領域に右側ビームパターンの光を照射することができる。ここで、第1ヘッドランプ131および第2ヘッドランプ132のいずれか1つは、ハイビームパターンの光照射時に、対向車線領域まで光を照射して、対向車線を走行中の運転者に眩しさが発生して安全上の問題を生じることもある。
【0029】
制御部140は、ナビゲーション提供部110が提供するナビゲーション情報および映像撮影部120が撮影した映像フレーム情報を用いて、ヘッドランプ130の発光および消灯を制御することができる。図2は、図1のヘッドランプ制御装置のうち制御部140の詳細構成を概略的に説明するために示す図であり、制御部140は、道路情報判断部141と、バリア判断部142と、ランプ制御部143とを含むことができる。
【0030】
道路情報判断部141は、ナビゲーション提供部110が提供する車両のナビゲーション情報を用いて、車両の現在走行している道路が国道および高速道路の1つであるか否かを判断することができる。また、道路情報判断部141は、ナビゲーション提供部110が提供する車両のナビゲーション情報を用いて、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であるか、右側ハンドルドライブ道路環境であるかを判断することができる。例えば、韓国や米国などの場合、左側ハンドルドライブ道路環境を含むことができ、オーストラリアや日本などの場合、右側ハンドルドライブ道路環境を含むことができる。
【0031】
バリア判断部142は、映像撮影部120が撮影した車両周辺の映像フレーム情報を用いて、走行する車両周辺に位置したバリアの存在の有無を判断することができる。本実施形態において、バリア判断部142は、映像撮影部120が撮影した車両周辺の映像フレーム情報を用いて、バリア存在の有無を判断すると開示しているが、これに限定されず、レーダセンサ(図示せず)またはライダセンサ(図示せず)のレーダまたはライダ発進および受信信号を用いて、バリア存在の有無を判断することもできる。
【0032】
ランプ制御部143は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両周辺にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、ヘッドランプ130の光を制御することができる。ここで、車両がバリアに近接する場合の判断は、ナビゲーション情報による車両の現在位置の車線数情報と、車両周辺の映像フレーム情報による隣接車線情報により、車両の現在走行中の車線がバリアと隣接した車線であるか否かと、車線の形態(点線/実線/複線)に関する情報に基づいて判断することができる。また、ヘッドランプ130の光を制御するといのは、第1ヘッドランプ131および第2ヘッドランプ132のうちバリアに近接したいずれか1つのヘッドランプを消灯し、残りのヘッドランプは光の照射(点灯)を維持することを含むことができる。
【0033】
選択的実施形態として、ランプ制御部143は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であるか、または右側ハンドルドライブ道路環境であるかによってバリアの位置が決定され、車両がバリアに近接する場合、ヘッドランプ130の光を制御することができる。ランプ制御部143は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の左側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、第1ヘッドランプ131の光を消灯し、第2ヘッドランプ132の光の照射を維持するように制御することができる。ランプ制御部143は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が右側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の右側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、第1ヘッドランプ131の光の照射を維持し、第2ヘッドランプ132の光を消灯するように制御することができる。
【0034】
選択的実施形態として、ランプ制御部143は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両周辺にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、ハイビームを照射中の第1ヘッドランプ131および第2ヘッドランプ132のうちバリアに近接したいずれか1つのヘッドランプに対してロービームを照射するように制御し、残りのヘッドランプに対してハイビームの照射状態を維持するように制御することができる。
【0035】
選択的実施形態として、ランプ制御部143は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の左側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、第1ヘッドランプ131がロービームを照射するように制御し、第2ヘッドランプ132がハイビーム状態を維持するように制御することができる。ランプ制御部143は、車両が国道および高速道路の1つを走行しており、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の右側にバリアが存在し、車両がバリアに近接する場合、第1ヘッドランプ131がハイビーム状態を維持するように制御し、第2ヘッドランプ132がロービームを照射するように制御することができる。
【0036】
図3および図4は、ヘッドランプ制御状況を概略的に説明するために示す図である。図3を参照すれば、図3(a)は、車両310が国道および高速道路の1つを走行しており、車両310の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両310の左側にバリアが存在し、車両310がバリアに近接する場合、車両310の第1ヘッドランプ131および第2ヘッドランプ132がすべて光を照射(点灯)して対向車両320の運転者に眩しさを発生させる状態を示している。図3(b)は、図3(a)からランプ制御部143の制御により、車両310の第1ヘッドランプ131が消灯(OFF)し、第2ヘッドランプ132が光を照射(ON)して、対向車両320の運転者に眩しさの影響を及ぼさない状態を示している。
【0037】
図4を参照すれば、図4(a)は、車両410が国道および高速道路の1つを走行しており、車両410の走行する道路環境が右側ハンドルドライブ道路環境であり、車両410の左側にバリアが存在し、車両410がバリアに近接する場合、車両410の第1ヘッドランプ131および第2ヘッドランプ132がすべて光を照射(点灯)して対向車(420)の運転者に眩しさを発生させる状態を示している。図4(b)は、図4(a)からランプ制御部143の制御により、車両410の第1ヘッドランプ131が光を照射(ON)し、第2ヘッドランプ132が消灯(OFF)して、対向車両420の運転者に眩しさの影響を及ぼさない状態を示している。
【0038】
図5は、本発明の一実施形態に係るヘッドランプ制御方法を説明するためのフロー図である。以下の説明において、図1図4に関する説明と重複する部分はその説明を省略する。
【0039】
図5を参照すれば、S501ステップにおいて、制御部140は、ナビゲーション提供部110から車両に関連するナビゲーション情報を受信する。
【0040】
S503ステップにおいて、制御部140は、映像撮影部120から映像フレーム情報を受信する。
【0041】
S505ステップにおいて、制御部140は、ナビゲーション情報から、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路であるかを判断する。
【0042】
S507ステップにおいて、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路である場合、制御部140は、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であるかを判断する。
【0043】
S509ステップにおいて、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路であり、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境である場合、制御部140は、車両の左側にバリアが存在するかを判断する。
【0044】
S511ステップにおいて、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路であり、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の左側にバリアが存在する場合、制御部140は、車両が左側バリア近接車線に位置するかを判断する。
【0045】
S513ステップにおいて、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路であり、車両の走行する道路環境が左側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の左側にバリアが存在し、車両が左側バリア近接車線に位置する場合、制御部140は、第1ヘッドランプ131を消灯させ、第2ヘッドランプ132の点灯を維持させる。左側ハンドルドライブ道路環境で国道または高速道路のバリア近接車線(例えば、1車線)を走行中の車両の第1ヘッドランプ131の消灯により、対向車両の運転者に眩しさの影響を及ぼさなくなる。
【0046】
S515ステップにおいて、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路であり、車両の走行する道路環境が右側ハンドルドライブ道路環境である場合、制御部140は、車両の右側にバリアが存在するかを判断する。
【0047】
S517ステップにおいて、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路であり、車両の走行する道路環境が右側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の右側にバリアが存在する場合、制御部140は、車両が右側バリア近接車線に位置するかを判断する。
【0048】
S519ステップにおいて、車両の現在走行中の道路が国道または高速道路であり、車両の走行する道路環境が右側ハンドルドライブ道路環境であり、車両の右側にバリアが存在し、車両が右側バリア近接車線に位置する場合、制御部140は、第1ヘッドランプ131の点灯を維持させ、第2ヘッドランプ132を消灯させる。右側ハンドルドライブ道路環境で国道または高速道路のバリア近接車線(例えば、1車線)を走行中の車両の第2ヘッドランプ132の消灯により、対向車両の運転者に眩しさの影響を及ぼさなくなる。
【0049】
本発明の思想は、上記の説明された実施例に限って定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求範囲と均等であるかまたはこれより等価的に変更されたあらゆる範囲は本発明の思想の範疇に属するというべきであろう。

図1
図2
図3
図4
図5