特許第6853360号(P6853360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6853360再生製品からポリマーを分離及び精製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853360
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】再生製品からポリマーを分離及び精製する方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/08 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   C08J11/08
【請求項の数】13
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2019-530489(P2019-530489)
(86)(22)【出願日】2017年12月13日
(65)【公表番号】特表2020-511562(P2020-511562A)
(43)【公表日】2020年4月16日
(86)【国際出願番号】US2017066090
(87)【国際公開番号】WO2018118580
(87)【国際公開日】20180628
【審査請求日】2019年6月6日
(31)【優先権主張番号】62/436,510
(32)【優先日】2016年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン モンクリーフ レイマン
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリス イオアニス コリアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンス シェーネマン
(72)【発明者】
【氏名】カーラ ウィリアムズ
【審査官】 齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−263870(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00849312(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J11/00−28
B29B17/00
B09B1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法であって、前記rPがポリマー及び不純物を含み、前記ポリマーが、PE、PP、PET、PS、ADH、TPE、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、PAA、PLA、アイオノマー、PA、及びPBSからなる群から選択され、前記ポリマーが、ベースポリマー、前記ベースポリマーに関連する粒子状添加剤、及び前記ベースポリマーに関連する抽出可能な材料を含み、各ベースポリマーに関連する前記粒子状添加剤が、ある濃度で前記ベースポリマー中に分散しており、前記方法が、
a.前記rPを入手する工程であって、前記rPが、消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、
b.約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において前記rPを抽出溶媒で抽出して抽出されたrP(erP)を生成する工程であって、前記抽出溶媒が約70℃未満の標準沸点を有し、前記erP中の前記抽出可能な材料の濃度が、前記rP中の前記抽出可能な材料の前記濃度よりも低い、工程と、
c.第1の溶解性ベースポリマーが溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、前記erPを前記溶解工程溶媒と接触させることによって、前記rPの前記第1の溶解性ベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、前記初期懸濁液が、第1の溶解性ベースポリマー溶液中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加と残りのポリマー全てのドメインの懸濁液とを含み、前記第1の溶解性ベースポリマーを前記溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な前記温度範囲及び前記圧力範囲が、残りの溶解性ベースポリマーを前記溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲未満である、工程と、
d.沈降した粒子状添加剤の収集物及び前記残りのポリマー全てのドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で前記初期懸濁液を沈降させる工程であって、前記沈降した粒子状添加剤の収集物が、前記第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、前記中間懸濁液が、前記第1の溶解性ベースポリマー溶液中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、
e.最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて前記中間懸濁液を精製する工程であって、前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加剤の部分が前記固体媒体によって保持され、前記最終懸濁液が、前記第1の溶解性ベースポリマー溶液中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、
f.分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で前記溶解工程溶媒を前記最終懸濁液から分離する工程であって、前記分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、前記第1の溶解性ベースポリマーと、前記rP中の前記第1の溶解性ポリマー中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加剤の前記濃度よりも低い濃度で前記分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加剤とを含む、工程と、
g.工程b(抽出工程)、c(溶解工程)、d(沈降工程)、e(精製工程)、及びf(分離工程)を、工程b〜fの前回の繰り返しから得られた沈降した粒子状添加剤の各収集物及び前記残りのポリマー全てのドメインを用いて繰り返して、1回で及び第2の溶解性ポリマーから更なる溶解性ポリマーを通して進行するシーケンスで、前記溶解性ベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、前記シーケンスが、前記rPから得られた各個々の溶解性ポリマーがその分離及び精製された形態で生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物及び全ての非溶解性ベースポリマーの前記ドメインが生成されるまで進行する、工程と、
を含み、
前記ベースポリマーが、溶解性ポリマー、非溶解性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記不純物が、前記不純物に関連する粒子状物質と、前記不純物に関連する抽出可能な材料とを含み、前記rP中の前記抽出可能な材料が、前記ベースポリマーに関連する前記抽出可能な材料及び前記不純物に関連する前記抽出可能な材料を含み、前記rP中の前記抽出可能な材料が、前記rP中にある濃度で存在する、方法。
【請求項2】
前記rPが、再生フィルム(rF)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記rFが、少なくとも2つのポリマーを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記rPが、再生吸収性衛生用製品(rAHP)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、
a.rAHPを入手する工程であって、前記rAHPが、消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される工程と、
b.約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において前記rAHPを抽出溶媒で抽出する工程であって、前記抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することによって、抽出されたrAHP(erAHP)を生成し、前記抽出可能な材料が、前記rAHP中の前記抽出可能な材料の前記濃度よりも低い、前記erAHP中の濃度を有する、工程と、
c.第1の溶解性ベースポリマーが溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、前記erAHPを前記溶解工程溶媒と接触させることによって、前記rAHPの前記第1の溶解性ベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、前記初期懸濁液が、第1の溶解性ベースポリマー溶液中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加と残りのポリマー全てのドメインの懸濁液とを含み、前記第1の溶解性ベースポリマーを前記溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲が、残りの溶解性ベースポリマーを前記溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲未満である、工程と、
d.沈降した粒子状添加剤の収集物及び前記残りのポリマー全てのドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で前記初期懸濁液を沈降させる工程であって、前記沈降した粒子状添加剤の収集物が、前記第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、前記中間懸濁液が、前記第1の溶解性ベースポリマー溶液中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、
e.最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて前記中間懸濁液を精製する工程であって、前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加剤の部分が前記固体媒体によって保持され、前記最終懸濁液が、前記第1の溶解性ベースポリマー溶液中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、
f.分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で前記溶解工程溶媒を前記最終懸濁液から分離する工程であって、前記分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、前記第1の溶解性ベースポリマーと、前記rAHP中の前記第1の溶解性ポリマー中の前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加剤の前記濃度よりも低い濃度で前記分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している前記第1の溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加剤とを含む、工程と、
g.工程b(抽出工程)、c(溶解工程)、d(沈降工程)、e(精製工程)、及びf(分離工程)を、工程b〜fの前回の繰り返しから得られた前記沈降した粒子状添加剤の各収集物及び前記残りのポリマー全てのドメインを用いて繰り返して、1回で及び第2の溶解性ポリマーから更なる溶解性ポリマーを通して進行するシーケンスで、前記溶解性ベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、前記シーケンスが、前記rAHPから得られた各個々の溶解性ポリマーがその分離及び精製された形態で生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物及び全ての非溶解性ベースポリマーの前記ドメインが生成されるまで進行する、工程と、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記rAHPが、乳児用おむつ、女性用保護製品、成人用失禁製品、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記入手工程後に前記rAHPを滅菌する工程を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記入手工程後かつ前記抽出工程前に前記rAHPのサイズを低減する工程を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記低減工程が、粉砕、切断、剪断、又はこれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記erAHPが、前記抽出可能な材料を本質的に含まない、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の溶解性ポリマーがADHであり、前記第2の溶解性ポリマーがTPEであり、第3の溶解性ポリマーがPPであり、第4の溶解性ポリマーがPEであり、第5の溶解性ポリマーがPETである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
各溶解性ポリマーに関連する前記粒子状添加剤が、清澄剤、難燃剤、充填剤、補強剤、制酸剤、安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、粘着防止剤、潤滑剤、離型剤、核形成剤、顔料、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記非溶解性ポリマーが、セルロース及びPAAである、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、加熱及び加圧された溶媒、並びに固体媒体を使用して、再生製品(reclaimed product、rP)からポリマーを分離及び精製する方法に関する。より具体的には、分離及び精製されたポリマーは、無色又は透明、無臭、かつバージン様ポリマーである。再生フィルム(Reclaimed film、rF)及び再生吸収性衛生用製品(reclaimed absorbent hygiene product、rAHP)は、少なくとも2つのポリマーを含有するrPの例であり、消費者使用後及び/又は産業使用後の製品であってよい。当該方法は、rAHPからの接着剤(adhesives、ADH)、熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomers、TPE)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリエステル、セルロース、及びポリ(アクリル酸)(poly(acrylic acid)、PAA)の分離及び精製に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
ポリマー、特に合成プラスチックは、比較的低生産コストと良好な材料特性バランスにより、日常生活に遍在する。合成プラスチックは、包装、自動車部品、医療機器、及び消費財などの幅広い用途に使用されている。これらの用途の高い需要に対応するため、何百億ポンドもの合成プラスチックが毎年世界中で製造されている。合成プラスチックの圧倒的多数は、ますます希少となる化石資源(例えば石油及び天然ガス)から生成されている。加えて、化石資源からの合成プラスチックの製造では、副生成物として強力な温室効果ガスであるCOが生成される。
【0003】
合成プラスチックを至るところで使用している結果、毎年何百万トンものプラスチック廃棄物が生み出されている。プラスチック廃棄物の大半は自治体の固形廃棄物プログラムにより埋め立てられるが、プラスチック廃棄物のうちかなりの部分が環境中にゴミとして見出され、これは美観を損ね、環境系に危害をもたらす可能性がある。プラスチック廃棄物はしばしば、河川系へと流出し、最終的に海に至る。
【0004】
プラスチックの広範な使用に伴う問題を軽減するため、プラスチックリサイクルが、1つの解決策として登場している。プラスチックを回収し再使用することで、廃棄物が埋め立て地へ投入されるのが回避され、化石系資源から製造されるバージンプラスチックの需要が低減し、この結果、温室効果ガス排出が削減される。米国及び欧州連合などの先進国では、消費者、企業、及び製造業の意識の高まりにより、プラスチックリサイクルの割合が上昇している。プラスチックを含むリサイクルされた材料の大半は、混合されて単一の流れにされ、この流れは集められ、材料回収施設(MRF)で処理される。MRFでは、材料が分類され、洗浄され、再販用に包装される。プラスチックは、例えば高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、HDPE)若しくはポリ(エチレンテレフタレート)(poly(ethylene terephthalate)、PET)などの個別の材料、又は他の一般的なプラスチック、例えば、PP、低密度ポリエチレン(low-density polyethylene、LDPE)、ポリ塩化ビニル(poly(vinyl chloride)、PVC)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、及びポリアミド(polyamides、PA)との混合した流れに分類することができる。次いで、単一の流れ又は混合した流れを更に分類し、洗浄し、再加工してペレットにすることができ、これは例えば吹込成形及び射出成形などのプラスチック加工における再使用に好適である。
【0005】
リサイクルされたプラスチックは主に均一な流れに分類され、水溶液及び/又は苛性溶液で洗浄されるが、最終的な再加工ペレットは、例えば腐敗した食品残渣や残留香料成分などの望ましくない廃棄不純物で高度に汚染されたままであることが多い。加えて、リサイクルされたプラスチックペレットは、リサイクルされた飲料容器から得られたものを除いて、プラスチック物品を着色するのに一般に使用される染料及び顔料の混合物に起因して、濃く着色されている。色及び汚染をあまり問わない用途も一部存在するが(例えばペンキ用の黒色プラスチック容器、隠れた部分の自動車部品)、大半の用途は無色ペレットを必要とする。高品質の「バージン様」リサイクル樹脂に対するニーズは、特に、食品の包装などの食品及び医薬品に接触する用途において重要である。不純物及び混合着色剤による汚染に加えて、多くのリサイクル樹脂製品は化学組成が不均一であることが多く、相当量のポリマー不純物を含有することがあり、例えばリサイクルPP中のPE不純物や、逆もまた同様である。
【0006】
機械的リサイクル(二次的リサイクルとも呼ばれる)は、リサイクルプラスチック廃棄物を、後続の製造過程に再使用可能な形態に転換するプロセスである。機械的リサイクル及び他のプラスチック回収プロセスに関するより詳細なレビューは、S.M.Al−Salem,P.Lettieri,and J.Baeyens,「Recycling and recovery routes of plastic solid waste(PSW):A review」,Waste Management,Volume 29,Issue 10,October 2009,pp.2625−2643,ISSN 0956−053Xに提示されている。機械的リサイクル技術の進歩により、リサイクルポリマーの品質はある程度改善されたが、機械的除染アプローチには、例えばポリマーマトリックス内に顔料が物理的に閉じ込められるなどの、根本的な限界が存在する。したがって、機械的リサイクル技術の向上をもってしても、現在利用可能なリサイクルプラスチック廃棄物における濃い着色と高レベルの化学的汚染が、プラスチック産業によるリサイクル樹脂の幅広い使用を阻んでいる。
【0007】
機械的リサイクルの根本的限界を克服するために、汚染されたポリマーを精製する、化学的アプローチ(化学的リサイクル)による数多くの方法が開発されている。これらの方法の多くは、溶媒を使用してポリマーの除染及び精製を行う。溶媒の使用により不純物の抽出とポリマーの溶解が可能になり、これにより更に、別の分離技術が可能になる。
【0008】
例えば、米国特許第7,935,736号は、クリーニングの前にポリエステルを溶解するための溶媒を用いた、ポリエステル含有廃棄物からポリエステルをリサイクルする方法について記述している。’736号特許は更に、沈殿を用いて溶媒からポリエステルを回収するニーズについて記述している。
【0009】
別の例では、米国特許第6,555,588号は、他のポリマーを含むプラスチック混合物からポリプロピレンブレンドを生成する方法について記述している。’588号特許は、所定の滞留時間にわたって、選択された溶媒(例えばヘキサン)中において、ポリマーの溶解温度よりも低い温度で、当該ポリマーから不純物を抽出することについて記述している。’588号特許は更に、溶媒(又は第2溶媒)の温度を高めて、濾過前にポリマーを溶解させることについて記述している。’588号特許は、更に、剪断又は流れを使用して、溶液からPPを沈殿させることについて記述している。’588号特許に記述されているPPブレンドは、最高5.6重量%のPEを含んでいた。
【0010】
別の一例において、欧州特許出願第849,312号(ドイツ語から英語に翻訳)は、ポリオレフィン含有プラスチック混合物又はポリオレフィン含有廃棄物から、精製されたポリオレフィンを得るプロセスについて記述している。’312号特許出願は、90℃と炭化水素溶媒の沸点との間の温度で、ポリオレフィン混合物又は廃棄物を、90℃を超える沸点を有するガソリン又はディーゼル燃料の炭化水素留分で抽出することについて記述している。’312号特許出願は更に、高温のポリオレフィン溶液を、漂白粘土及び/又は活性炭に接触させることにより、溶液から異物成分を除去することについて記述している。’312号特許は、更に、この溶液を70℃未満の温度に冷却してポリオレフィンを結晶化させ、次いで、ポリオレフィンの融点を超える温度までポリオレフィンを加熱するか、若しくは付着溶媒を真空中で蒸発させるか、若しくはポリオレフィン沈殿にガス流を通すか、及び/又はポリオレフィンの融点よりも低い温度で沸騰するアルコール若しくはケトンでこの溶媒を抽出することによって、付着溶媒を除去することについて記述している。
【0011】
別の例では、米国特許第5,198,471号は、第1の低温で溶媒を用いて、複数のポリマーを含有する物理的に混ざり合った固体混合物(例えば、廃棄プラスチック)からポリマーを分離して、第1の単相溶液と残りの固体成分とを形成する方法について記述している。’471号特許は更に、この溶媒をより高い温度まで加熱して、第1のより低い温度で可溶化されなかった追加のポリマーを溶解させることについて記述している。’471号特許は、不溶性のポリマー成分を濾過することについて記述している。
【0012】
別の例では、米国特許第5,233,021号は、適切な温度及び圧力で各成分を超臨界流体に溶解させ、次いで、温度及び/又は圧力を変化させて、特定の成分を順番に抽出することによって、多成分構造体(例えばカーペット廃棄物)から純粋なポリマー成分を抽出する方法について記述している。しかしながら、’471号特許と同様、’021号特許は、不溶性成分の濾過についてのみ記述している。
【0013】
別の一例において、米国特許第5,739,270号は、共溶媒及び作動流体を用いて、汚染物質及び他のプラスチック成分から、あるプラスチックのポリマー成分を連続的に分離するための方法及び装置について記述している。この共溶媒は少なくとも部分的にポリマーを溶解させ、第2の流体(これは液体で臨界又は超臨界状態である)がポリマーの成分を可溶化し、溶解しているポリマーの一部を共溶媒から沈殿させる。’270号特許は更に、熱可塑性共溶媒(作動流体あり又はなしで)を濾過することにより、ガラス粒子などの粒子状汚染物質を除去する工程について記述している。
【0014】
上述の、汚染されたポリマーを精製するための既知の溶媒による方法は、「バージン様」ポリマーを生成することはない。当該方法において、共溶解、よってすなわち他のポリマーの交差汚染が、しばしば起こる。吸着剤を使用した場合、使用済み吸着剤を溶液から除去するために、濾過及び/又は遠心分離工程がしばしば使用される。加えて、加熱、減圧蒸発、及び/又は沈殿用化学物質を用いた沈殿などによる溶媒除去のための分離プロセスを使用して、残留溶媒を含まないポリマーが生成される。
【0015】
更に、乳児用おむつ、女性用保護パッド、及び成人用失禁パッドなどの吸収性衛生用製品(absorbent hygiene products、AHP)、並びに製品及び包装フィルム(F)は、典型的には、埋立地に廃棄され、リサイクルされない。しかしながら、これら製品は、個々の流れとしてリサイクルされ得るAHP、ADH、TPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAの場合などの様々なポリマーを含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第7,935,736号
【特許文献2】米国特許第6,555,588号
【特許文献3】欧州特許出願第849,312号
【特許文献4】米国特許第5,198,471号
【特許文献5】米国特許第5,233,021号
【特許文献6】米国特許第5,739,270号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】S.M.Al−Salem,P.Lettieri,and J.Baeyens,「Recycling and recovery routes of plastic solid waste(PSW):A review」,Waste Management,Volume 29,Issue 10,October 2009,pp.2625−2643,ISSN 0956−053X
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、ポリマーから容易かつ経済的に除去される溶媒を使用し、単位操作の数の観点で比較的単純であり、相当量のポリマーの交差汚染を伴わずにポリマーを生成し、本質的に無色のポリマーを生成し、本質的に無臭のポリマーを生成する、不純物を含むポリマーを精製するための改善された溶媒を使用する方法が依然として必要とされている。また、これら分離及び精製されたポリマーをAHP及びFの製造又は他の用途において再び使用することができるように、rAHP及びrFを構成する様々なポリマーを分離及び精製する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法であって、当該rPが当該ポリマー及び不純物を含み、当該ポリマーが、ベースポリマーと、当該ポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該ポリマーに関連する抽出可能な材料とを含み、各ポリマーに関連する当該粒子状添加剤が、ある濃度で当該ベースポリマー中に分散しており、当該ポリマーが、溶解性ポリマー、非溶解性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該不純物が、当該不純物に関連する粒子状物質と、当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含み、当該rP中の当該抽出可能な材料が、当該ポリマーに関連する当該抽出可能な材料と当該不純物に関連する当該抽出可能な材料とを含み、当該rP中の当該抽出可能な材料が、当該rP中にある濃度で存在する、方法が提供される。当該方法は、(a)rPを入手する工程であって、rPが、当該消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、(b)約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該rPを抽出溶媒で抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することによって、抽出されたrP(erP)を生成し、当該抽出可能な材料が、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度よりも低い、当該erP中の濃度を有する、工程と、(c)第1の溶解性ベースポリマーが溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rPの当該第1の溶解性ベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加物と残りのポリマー全てのドメインとの懸濁液を含み、当該第1の溶解性ベースポリマーが、残りの溶解性ベースポリマーの可溶化範囲未満の可溶化範囲を有する、工程と、(d)沈降した粒子状添加剤の収集物及び当該残りのポリマー全てのドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程あって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(e)最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(f)分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該最終懸濁液から当該溶解工程溶媒を分離する工程であって、当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、当該第1の溶解性ベースポリマーと、当該rP中の当該第1の溶解性ポリマー中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程と、(g)工程b(抽出工程)、c(溶解工程)、d(沈降工程)、e(精製工程)、及びf(分離工程)を、工程b〜fの前回の繰り返しから得られた沈降した粒子状添加剤の各収集物及び当該残りのポリマー全てのドメインを用いて繰り返して、1回で及び当該第2の溶解性ポリマーから更なる溶解性ポリマーを通して進行するシーケンスで、当該溶解性ベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、当該シーケンスが、当該rPから得られた各個々の溶解性ポリマーがその分離及び精製された形態で生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物及び全ての非溶解性ベースポリマーの当該ドメインが生成されるまで、最低可溶化範囲を有する溶解性ベースポリマーから最高可溶化範囲まで進行する、工程と、を含む。
【0020】
本発明の別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からADH、TPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーを分離及び精製する方法であって、当該rAHPが当該ポリマー及び不純物を含み、各当該ポリマーが、ベースポリマーと、各当該ポリマーに関連する粒子状添加剤と、各当該ポリマーに関連する抽出可能な材料とを含み、各当該ポリマーに関連する当該粒子状添加剤が、ある濃度で各当該ベースポリマー中に分散しており、各当該ポリマーが、溶解性ポリマー、非溶解性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該不純物が、当該不純物に関連する粒子状物質と、当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含み、当該rAHP中の当該抽出可能な材料が、当該ポリマーに関連する抽出可能な材料と当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含み、当該rAHP中の当該抽出可能な材料が、当該rAHP中にある濃度で存在する、方法が提供される。当該方法は、(a)rAHPを入手する工程であって、当該rAHPが、消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される工程と、(b)約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該rAHPを抽出溶媒で抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することによって、抽出されたrAHP(erAHP)を生成し、当該抽出可能な材料が、当該rAHP中の当該抽出可能な材料の濃度よりも低い、当該erAHP中の濃度を有する、工程と、(c)ADHベースポリマーが溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erAHPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該ADHベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、ADHベースポリマー溶液中の当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加物、並びにTPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーのドメインとの懸濁液を含み、当該ADHベースポリマーが、当該TPE、PP、PE、及びPETベースポリマーの可溶化範囲未満の可溶化範囲を有する、工程と、(d)沈降した粒子状添加剤の収集物、及びTPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーの当該ドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該ADHポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該ADHベースポリマー溶液中の当該ADHポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(e)最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該ADHベースポリマー溶液中の当該ADHポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(f)分離及び精製されたADHポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該最終懸濁液から当該溶解工程溶媒を分離する工程であって、当該分離及び精製されたADHポリマーが、当該ADHベースポリマーと、当該rAHP中の当該ADHポリマー中の当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製されたADHポリマー中に分散している当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程と、(g)工程b(抽出工程)、c(溶解工程)、d(沈降工程)、e(精製工程)、及びf(分離工程)を、工程b〜fの前回の繰り返しから得られた沈降した粒子状添加剤の各収集物並びにTPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーの当該ドメインを用いて繰り返して、1回で及び当該TPEベースポリマーから当該PPベースポリマー、次いで当該PEベースポリマー、最後に当該PETベースポリマーへと進行するシーケンスで、当該TPE、PP、PE、及びPETベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、当該シーケンスが、分離及び精製されたTPEポリマーが生成され、分離及び精製されたPPポリマーが生成され、分離及び精製されたPEポリマーが生成され、分離及び精製されたTPEポリマーが生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物並びにセルロース及びPAAポリマーの当該ドメインが生成されるまで進行する、を1回で及び工程と、を含む。
【0021】
本発明の更に別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPP、セルロース、及びPAAポリマーを分離及び精製する方法であって、当該rAHPが当該ポリマー及び不純物を含み、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含み、当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加剤が、ある濃度で当該PPベースポリマー中に分散しており、当該PPポリマーが溶解性ポリマーであり、当該セルロース及び当該PAAポリマーが、非溶解性ポリマーであり、当該不純物が、当該不純物に関連する粒子状物質と、当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含み、当該rAHP中の当該抽出可能な材料が、当該ポリマーに関連する当該抽出可能な材料と当該不純物に関連する当該抽出可能な材料とを含み、当該rAHP中の当該抽出可能な材料が、当該rAHP中にある濃度で存在する、方法が提供される。当該方法は、(a)当該rAHPを入手する工程であって、当該rAHが、消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、(b)約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該rAHPを抽出溶媒で抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することによって、抽出されたrAHP(erAHP)を生成し、当該抽出可能な材料が、当該rAHP中の当該抽出可能な材料の濃度よりも低い当該erAHP中の濃度を有する、工程と、(c)当該PPベースポリマーが溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erAHPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、PPベースポリマー溶液中の当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加物とセルロース及びPAAポリマーのドメインとの懸濁液を含む、工程と、(d)沈降した粒子状添加剤の収集物、及びセルロース及びPAAポリマーの当該ドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該PPベースポリマー溶液中の当該PPポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(e)最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該PPベースポリマー溶液中の当該PPポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(f)分離及び精製されたPPポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該最終懸濁液から当該溶解工程溶媒を分離する工程であって、当該分離及び精製されたPPポリマーが、当該PPベースポリマーと、当該rAHP中の当該PPポリマー中の当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製されたPPポリマー中に分散している当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程と、を含む。
【0022】
本発明のなお更に別の実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法であって、当該rPが当該ポリマー及び不純物を含み、当該ポリマーが、ベースポリマーと、当該ポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該ポリマーに関連する抽出可能な材料とを含み、各ポリマーに関連する当該粒子状添加剤が、ある濃度で当該ベースポリマー中に分散しており、当該ポリマーが、溶解性ポリマー、非溶解性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該不純物が、当該不純物に関連する粒子状物質と、当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含み、当該rP中の当該抽出可能な材料が、当該ポリマーに関連する当該抽出可能な材料と当該不純物に関連する当該抽出可能な材料とを含み、当該rP中の当該抽出可能な材料が、当該rP中にある濃度で存在する、方法が提供される。当該方法は、(a)消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるrPを入手することと、(b)当該rPのサイズを約10mm未満の最大寸法を有する粒子に低減する工程と、(c)ポリマー流中の当該rPの各ポリマーを固体分離し、以下を含むプロセスにおいて別々に溶解性ポリマーを含む各ポリマー流を加工することとを含む:(1)約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該溶解性ポリマーを含む当該ポリマー流を抽出溶媒で抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することによって、抽出されたポリマーを生成し、当該抽出可能な材料が、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度よりも低い、当該抽出されたポリマーの濃度を有する、工程と、(2)当該溶解性ベースポリマーが当該溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該抽出されたポリマーを溶解工程溶媒と接触させることによって、当該溶解性ポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(3)沈降した粒子状添加剤の収集物及び中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(4)最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(5)分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該最終懸濁液から当該溶解工程溶媒を分離する工程であって、当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、当該第1の溶解性ベースポリマーと、当該rP中の当該第1の溶解性ポリマー中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態の主な工程を示すブロックフロー図である。
図2】本発明の別の実施形態の主な工程を示すブロックフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
I 定義
本明細書で使用するとき、用語「再生製品」(rP)は、以前にある目的のために使用され、次いで、更なる加工のために回収された製品を指す。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「再生フィルム」(rF)は、以前にある目的のために使用され、次いで、更なる加工のために回収されたフィルムを指す。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「再生吸収性衛生用製品」(rAHP)は、以前にある目的のために使用され、次いで、更なる加工のために回収された吸収性衛生用製品(AHP、例えば、乳児用おむつ、女性用保護製品、及び成人用失禁製品)を指す。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「消費者使用後の製品」は、最終消費者によって使用され、廃棄物の流れに廃棄された製品を指す。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「産業使用後の製品」は、製造されたが未だ消費者には使用されていない製品を指し、典型的には、製造プロセスから出た廃棄物である。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「消費者後のリサイクル材料」(PCR)は、最終消費者が当該材料を使用し、廃棄物の流れに廃棄した後に生成された材料を指す。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、ベースポリマー、当該ポリマーに関連する粒子状添加剤、及び当該ポリマーに関連する抽出可能な材料を含む材料を指す。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「ベースポリマー」は、任意の添加剤パッケージ(粒子状又は抽出可能のいずれか)が添加される前のポリマーを指す(すなわち、ベースポリマーは未修飾である)。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「粒子状添加剤」は、ポリマー又は物品が商業的に販売される前にベースポリマーに添加される粒子を指す。溶解性及び非溶解性ベースポリマーの両方の場合に使用することができるこのような粒子状添加剤の非限定的な例は、清澄剤、難燃剤、充填剤、補強剤、制酸剤、安定剤、酸化防止剤、スリッド剤(slid agents)、粘着防止剤、潤滑剤、離型剤、核形成剤、及び顔料である。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「抽出可能な材料」は、抽出溶媒で抽出することができる材料を指す。
【0034】
本明細書で使用するとき、用語「溶解性ポリマー」は、分子レベルで溶媒に溶解することができるポリマーを指す。更に、ポリマー/溶媒溶液の熱力学的安定性は、以下の式1によって記載することができる:
ΔGmix=ΔHmix−TΔSmix 式1
(式中、ΔGmixは、溶解性ポリマーと溶媒との混合のギブズ自由エネルギー変化であり、ΔHmixは混合のエンタルピー変化であり、Tは絶対温度であり、ΔSmixは混合のエントロピーである)。溶媒中溶解性ポリマーの安定した溶液を維持するには、ギブズ自由エネルギーが負でかつ最小でなければならない。したがって、適切な温度及び圧力で負のギブズ自由エネルギーを最小化する溶解性ポリマーと溶媒との任意の組み合わせを、本発明に使用することができる。
【0035】
本明細書で使用するとき、用語「非溶解性ポリマー」は、分子レベルで溶媒に溶解することができないポリマーを指す。
【0036】
本明細書で使用するとき、用語「不純物」は、rP中に存在し、かつ製品を作製するために使用されたポリマーの一部ではなかった不必要な又は望ましくない材料を指す(例えば、不純物は、その使用、廃棄プロセス、又はrPの再生プロセス中に製品に付着した材料である)。これら不純物は、当該不純物に関連する粒子状物質と、当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含む。
【0037】
本明細書で使用するとき、用語「抽出溶媒」及び「溶解工程溶媒」は、指定の温度及び圧力条件下において液体状態で存在し得る物質を指す。いくつかの実施形態では、抽出溶媒及び溶解工程溶媒は、1つの分子又は異性体のほぼ均質な化学組成を有していてよいが、他の実施形態では、当該抽出溶媒及び溶解工程溶媒は、いくつかの異なる分子組成又は異性体の混合物であってよい。更に、本発明のいくつかの実施形態では、用語「抽出溶媒」及び「溶解工程溶媒」は、その物質の臨界温度及び臨界圧力(臨界点)、その近く、又はそれを超える物質にも適用され得る。ある物質がその物質の臨界点を超えたものは、「超臨界流体」として知られ、これは液体の典型的な物理的特性(すなわち密度)を有さないことが、当業者にはよく知られている。
【0038】
本明細書で使用される用語「標準沸点」は、国際純正応用化学連合(IUPAC)により確立されている、厳密に100kPa(1bar、14.5psia、0.9869atm)の絶対圧力での沸点を指す。
【0039】
本明細書で使用される用語「標準蒸発エンタルピー変化」は、その物質の標準沸点で、所定量の物質が液体から蒸気に変化するのに必要なエンタルピー変化を指す。
【0040】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー溶液」は、溶媒に溶解しているベースポリマーの溶液を指す。
【0041】
本明細書で使用するとき、用語「沈降」は、粒子に作用する力(典型的には重力)に応答して懸濁粒子を沈殿させるプロセスを指す。本発明の目的のために、用語「沈降」及び「遠沈」は、互換的に使用される。
【0042】
本明細書で使用するとき、用語「固体媒体」は、使用条件下において固体状態で存在する物質を指す。固体媒体は、結晶質、半結晶質、又は非晶質であり得る。固体媒体は、顆粒状であってよく、異なる形状(すなわち、球形、円筒形、ペレットなど)で供給され得る。固体媒体が顆粒状である場合、その粒径及び粒径分布は、顆粒状媒体を分類するために使用されるメッシュサイズによって定義され得る。標準メッシュサイズ表記の例は、米国材料試験協会(ASTM)標準ASTM E11「Standard Specification for Woven Wire Test Sieve Cloth and Test Sieves」に見出すことができる。また、固体媒体は、不織繊維マット又は織布であってもよい。
【0043】
本明細書で使用するとき、用語「精製ポリマー」は、粒子状添加剤及び抽出可能な材料が、抽出、溶解、沈降、及び精製工程前の同じポリマー中の濃度よりも低い濃度を有するポリマーを指す。本発明の目的のために、用語「精製ポリマー」及び「より純粋なポリマー」は、同じ意味を有し、互換的に使用される。
【0044】
本明細書で使用するとき、用語「分離及び精製されたポリマー」は、他のポリマーから分離された精製ポリマーを指す。
【0045】
本明細書で使用するとき、用語「抽出」は、相境界を越えて液相(又は固体マトリックス)から別の不混和性液相に溶質種を移動させるプロセスを指す。抽出のための駆動力は、分配理論によって説明される。
【0046】
本明細書で使用するとき、用語「抽出された」は、抽出工程前の同じ材料に比べてより少ない溶質種(すなわち、抽出可能な材料)を有する材料を指す。
【0047】
本明細書で使用するとき、用語「抽出されたrAHP」は、抽出工程前の同じrAHPに比べてより少ない溶質種(すなわち、抽出可能な材料)を有するrAHPを指す。
【0048】
本明細書で使用するとき、用語「バージン様ポリマー」は、粒子状添加剤、抽出可能な材料、及び不純物を本質的に含まず、均質であり、そのベースポリマーと同様の特性を有するポリマーを指す。本発明の目的のために、用語「バージン様ポリマー」及び「ベースポリマー」は互換的に使用される。
【0049】
本明細書で使用するとき、用語「オリゴマーアクリル酸」(oligomeric acrylic acid、OAA)は、1,000AA単位を超える分子複合体を指すAAポリマー(PAA)とは対照的に、1,000AA単位未満の分子複合体を指す。
【0050】
本明細書で使用するとき、用語「ポリ(アクリル酸)」及び「PAA」は、超吸収性ポリマー(superabsorbent polymers、SAP)、接着剤、コーティング、凝集剤などの様々な用途で使用されるアクリル酸のポリマーを指す。
【0051】
本明細書で使用するとき、圧力の国際単位(例えば、MPa)に対する任意の言及は、ゲージ圧を指す。
【0052】
II ポリマーの分離及び精製方法
驚くべきことに、好ましい実施形態において温度及び圧力依存性のポリマー溶解度を呈する特定の溶媒は、比較的単純なプロセスにおいて使用したときに、ポリマー、特に再生又はリサイクルされた製品中のポリマーをほぼバージン様の品質にまで分離及び精製できることが見出された。これらポリマーのそれぞれは、ベースポリマー、粒子状添加剤、及び抽出可能な材料を含む。図1に例示されるプロセスは、再生製品を入手し(図1の工程a)、続いて、抽出温度(T)及び抽出圧力(P)において抽出溶媒を用いて再生製品から抽出可能な材料を抽出し(図1の工程b)、続いて、溶解温度(T)及び溶解圧力(P)においてベースポリマーを溶解工程溶媒に溶解させ(図1の工程c)、ベースポリマー溶液中の粒子状添加剤の懸濁液を形成し、続いて、溶解温度(T)及び溶解圧力(P)においてポリマー懸濁液を沈降させ(図1の工程d)、ベースポリマー溶液中の前工程で沈降しなかった粒子状添加剤の懸濁液を形成し、続いて、溶解温度(T)及び溶解圧力(P)においてそれを固体媒体と接触させることによって当該懸濁液を精製して(図1の工程e)、ベースポリマー溶液中の粒子状添加剤の濃度を低下させ、続いて、ポリマーを溶解工程溶媒から分離し(図1の工程f)、分離及び精製されたポリマーを生成する工程を含む。次いで、再生製品中の溶解性ポリマーのそれぞれ1つに対して、溶解、沈殿、精製、及び分離のプロセス工程を繰り返す。
【0053】
本発明の一実施形態では、消費者使用後の廃棄物の流れを資源とすることができる分離及び精製されたポリマーは、本質的に粒子状添加剤を含まず(例えば、顔料を含まず)、不純物を含まず、抽出可能な材料を含まず(例えば、無臭であり)、均質であり、特性がバージンポリマーと同様である。更に、本発明の好ましい実施形態では、本発明の溶解工程溶媒の物性は、精製ポリマーから溶媒を分離するためのよりエネルギー効率の良い方法を可能にし得る。
【0054】
再生製品
本発明の目的のために、再生製品(rP)は、製品又は包装のいずれかを指す。消費者使用後の製品又は包装の非限定的な例は、最終消費者が、使用された製品又は包装をごみ運搬業者又はリサイクル業者による回収のために指定された容器に入れる道路脇リサイクル流から得られる製品又は包装、及び消費者が廃棄物又は包装を店舗に運び、当該廃棄物又は包装を指定された回収容器内に入れる店内「引取」プログラムから得られる製品又は包装である。産業使用後廃棄物の非限定的な例は、製造業者により使用不能な材料として収集された商品又は製品の製造又は輸送中に生じた廃棄ポリマーであり得る(すなわち、裁ちくず、仕様外の材料、始動くず)。特殊な廃棄物の流れから得られる廃棄物の非限定的な例は、e廃棄物としても知られている電子廃棄物、自動車、並びに使用済みカーペット及び織物のリサイクルから得られる廃棄物である。
【0055】
本発明の一実施形態では、当該rPは、消費者使用後の製品、産業使用後の製品、商業使用後の製品、特殊な廃棄物の流れ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該rPは、消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、当該rPを入手することを含む。
【0056】
本発明のなお更に別の実施形態では、当該rPは、再生フィルムである。本発明の一実施形態では、当該rFは、少なくとも2つのポリマーを含む。本発明の別の実施形態では、当該rFは、少なくとも4つのポリマーを含む。本発明の更に別の実施形態では、当該rFは、多層フィルムを含む。本発明のなお更に別の実施形態では、当該rFは、少なくとも2つの層を有するフィルムを含む。rFにおけるこれら層は、当業者に既知の結合層を含んでいてよい。多層フィルムの層に使用されるポリマーの非限定的な例は、PE、PP、PET、ポリスチレン(PS)、ポリ(乳酸)(poly(lactic acid)、PLA)、アイオノマー、ポリアミド(PA)、及びポリブチレンスクシネート(polybutylene succinate、PBS)である。
【0057】
本発明の一実施形態では、当該rPは、再生吸収性衛生用製品(rAHP)である。本発明の別の実施形態では、当該rAHPは、乳児用おむつ、女性用保護製品、及び成人用失禁製品からなる群から選択される。
【0058】
本発明の一実施形態では、当該rPは、当該ポリマー及び不純物を含む。本発明の目的のために、再生製品中のポリマーは、均質なポリマー又はいくつかの異なるポリマー組成物の混合物である。ポリマーの非限定的な例は、PE、PP、PET、ADH、TPE、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、PAA、PLA、アイオノマー、PA、及びPBSである。PP組成物の非限定的な例は、プロピレンのホモポリマー、プロピレンとエチレンとのコポリマー(「耐衝撃性(impact)」及び「ランダムクラリファイド」コポリマーを含む)、プロピレンとアルファ−オレフィンとのコポリマー、ポリプロピレンゴム、並びに当業者に明らかであり得る他の溶解性ポリプロピレン組成物である。本発明の一実施形態では、当該ポリマーは、溶解性である。本発明の別の実施形態では、当該ポリマーは、非溶解性である。本発明の更に別の実施形態では、当該ポリマーは、溶解性ポリマー、非溶解性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、当該溶解性ポリマーは、PP、PE、PET、ADH、TPE、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該第1の溶解性ポリマーはADHであり、当該第2の溶解性ポリマーはTPEであり、当該第3の溶解性ポリマーはPPであり、当該第4の溶解性ポリマーはPEであり、当該第5の溶解性ポリマーはPETである。本発明の更に別の実施形態では、当該非溶解性ポリマーは、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、及びPAA、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該非溶解性ポリマーは、セルロース及びPAAである。
【0059】
不純物の非限定的な例は、粉塵粒子、製品の使用、廃棄、及び再生プロセスからの汚れ、臭い、並びに他の製品からの小片である。本発明の別の実施形態では、当該不純物は、当該不純物に関連する粒子状物質と、当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含む。
【0060】
再生製品中のポリマーは、ベースポリマー、当該ポリマーに関連する粒子状添加剤、及び当該ポリマーに関連する抽出可能な材料を含む。粒子状添加剤は、ベースポリマーの重合又は製品への変換中にベースポリマーに添加される。粒子状添加剤の非限定的な例は、清澄剤、難燃剤、充填剤、補強剤、制酸剤、安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、粘着防止剤、潤滑剤、離型剤、核形成剤、顔料、及び可塑剤である。顔料の非限定的な例は、有機顔料(例えば銅フタロシアニン)、無機顔料(例えば二酸化チタン)、及び、当業者に明らかであり得るようなその他の顔料である。有機顔料の非限定的な一例は、ベーシックイエロー51である。帯電防止剤の非限定的な例は、グリセロールモノステアレートであり、スリップ剤は、エルカミドである。安定剤の非限定的な例は、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert.ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートである。充填剤の非限定的な例は、炭酸カルシウム、タルク、及びガラス繊維である。
【0061】
本発明の一実施形態では、当該粒子状添加剤は、清澄剤、難燃剤、充填剤、補強剤、制酸剤、安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、粘着防止剤、潤滑剤、離型剤、核形成剤、顔料、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、ポリマーに関連する粒子状添加剤は、ある濃度で当該ベースポリマー中に分散している。
【0062】
本発明の一実施形態では、当該rP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約5%未満である。本発明の別の実施形態では、当該rP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%である。本発明の更に別の実施形態では、当該rP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該rP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約1%未満である。本発明の一実施形態では、当該rP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約0.1%未満である。
【0063】
本発明の一実施形態では、当該rAHP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約5%未満である。本発明の別の実施形態では、当該rAHP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%である。本発明の更に別の実施形態では、当該rAHP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該rAHP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約1%未満である。本発明の一実施形態では、当該rAHP中の当該各溶解性ベースポリマーに分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約0.1%未満である。
【0064】
本発明の一実施形態では、当該rP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約5%未満である。本発明の別の実施形態では、当該rP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%である。本発明の更に別の実施形態では、当該rP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該rP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約1%未満である。本発明の一実施形態では、当該rP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約0.1%未満である。
【0065】
本発明の一実施形態では、当該rAHP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約5%未満である。本発明の別の実施形態では、当該rAHP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%である。本発明の更に別の実施形態では、当該rAHP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約3%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該rAHP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約1%未満である。本発明の一実施形態では、当該rAHP中の当該PPベースポリマーに分散しているPPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度は、約0.1%未満である。
【0066】
本発明の一実施形態では、当該rP中の当該抽出可能な材料は、当該ポリマーに関連する当該抽出可能な材料及び当該不純物に関連する当該抽出可能な材料を含む。本発明の別の実施形態では、当該rP中の当該抽出可能な材料は、当該rP中にある濃度で存在する。ポリマー又は不純物のいずれかに関連する抽出可能な材料の非限定的な例は、染料、香料、着香料、及びこれらの混合物である。ポリマー又は不純物のいずれかに関連する抽出可能な材料は、ポリマーに添加された残留加工助剤、製品の使用中にポリマーに接触した残留製品製剤、並びに例えば廃棄物の収集中及びその後に他の廃棄物と共に集積されている間にポリマーに意図的に添加されたか又は非意図的に組み込まれた可能性のある任意の他の抽出可能な材料であり得る。
【0067】
本発明の一実施形態では、当該方法は、当該入手工程後に当該rPを滅菌する工程を更に含む。本発明の別の実施形態では、当該方法は、当該入手工程後に当該rAHPを滅菌する工程を更に含む。AHPは使用後に生体有害製品とみなされるので、rP、より具体的にはrAHPに対する微生物負荷を排除するために滅菌が必要とされる。滅菌プロセス及び条件は当業者に周知であり、オートクレーブ、Parr反応器、及び同様の装置で行うことができる。
【0068】
本発明の一実施形態では、当該方法は、当該入手工程後かつ当該抽出工程前に当該rAHPのサイズを低減する工程を更に含む。本発明の別の実施形態では、当該低減工程は、粉砕、切断、剪断、又はこれらの組み合わせを含む。
【0069】
本発明の一実施形態では、当該方法は、当該rPを入手する工程と、当該rPを抽出溶媒で抽出する工程と、当該第1の溶解性ベースポリマーを溶解工程溶媒で溶解させて初期懸濁液を生成する工程と、当該初期懸濁液を沈降させて中間懸濁液を生成する工程と、当該中間懸濁液を固体媒体で精製して最終懸濁液を生成する工程と、当該溶解工程溶媒を当該最終懸濁液から分離して、分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成する工程と、残り全ての溶解性ポリマーを用いて当該溶解工程、当該沈降工程、当該精製工程、及び当該分離工程を繰り返す工程と、を含む。
【0070】
抽出工程
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該rPを抽出溶媒で抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することよって、抽出されたrP(erP)を生成し、当該抽出可能な材料が、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度よりも低い、erPの濃度を有する、工程を含む。本発明の別の実施形態では、当該抽出工程は、約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該rAHPを抽出溶媒で抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することによって、抽出されたrAHP(erAHP)を生成し、当該抽出可能な材料が、当該rAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度よりも低い、当該erAHP中の濃度を有する、工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、当該抽出工程は、約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該rFを抽出溶媒で抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することよって、抽出されたrF(erF)を生成し、当該抽出可能な材料が、当該rF中の当該抽出可能な材料の当該濃度よりも低い、当該erF中の濃度を有する、工程を含む。
【0071】
本発明の抽出溶媒は、約70℃未満の標準沸点を有する。加圧により、本発明の実用温度範囲未満の標準沸点を有する抽出溶媒が、溶媒蒸気をほとんど又は全く存在しない状態に維持される。本発明の一実施形態では、約70℃未満の標準沸点を有する抽出溶媒は、二酸化炭素、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、アルケン、アルカン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該抽出溶媒は、オレフィン性炭化水素、脂肪族炭化水素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。約70℃未満の標準沸点を有する抽出溶媒の非限定的な例は、二酸化炭素、アセトン、メタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、ペンテンの分枝状異性体、1−ヘキセン、2−ヘキセン、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサンの異性体、及び当業者に明らかであり得るような他の物質である。本発明の一実施形態では、n−ブタン中の当該抽出溶媒。本発明の別の実施形態では、プロパン中の当該抽出溶媒。本発明の更に別の実施形態では、ペンタン中の当該抽出溶媒。本発明のなお更に別の実施形態では、ヘキサン中の当該抽出溶媒。
【0072】
使用される抽出溶媒及び溶解工程溶媒の選択は、本発明の工程を実施するのに使用される温度及び圧力範囲を決定する。本発明に記載される種類の溶媒におけるポリマー相の挙動についてのレビューは、以下の参照文献に提供されている:Kirby and McHugh.(1999)Chem.Rev.99:565−602。
【0073】
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、当該ポリマーが抽出溶媒に本質的に不溶性である温度及び圧力において、当該rPを当該抽出溶媒と接触させることを含む。理論に束縛されるものではないが、出願人らは、抽出溶媒がポリマーを完全に可溶化するのを防ぐように温度及び圧力依存性の溶解度を制御することができるが、抽出溶媒は、ポリマー内に拡散し、任意の抽出可能な材料を抽出できると考える。
【0074】
本発明の一実施形態では、抽出は、ポリマー/抽出溶媒系の温度を固定し、次いで、ポリマーが抽出溶媒に溶解する圧力又は圧力範囲よりも低く圧力を制御することによって達成され得る。本発明の別の実施形態では、抽出は、ポリマー/抽出溶媒系の圧力を固定し、次いで、ポリマーが抽出溶媒に溶解する温度又は温度範囲よりも低く温度を制御することによって達成され得る。抽出溶媒によるポリマーの温度及び圧力制御された抽出は、好適な圧力容器を使用し、抽出溶媒によるポリマーの連続抽出が可能になるように構成してよい。本発明の一実施形態では、圧力容器は、連続液−液抽出カラムであって、溶融したポリマーが当該抽出カラムの一方の端部にポンプで送り込まれ、抽出溶媒が当該抽出カラムの同じ又は反対側の端部にポンプで送り込まれる、カラムであってよい。本発明の別の実施形態では、抽出された不純物を含む流体をプロセスから除去する。本発明の別の実施形態では、プロセスの抽出工程又は異なる工程で使用するために、抽出された材料を含む流体を精製し、回収し、リサイクルする。
【0075】
本発明の一実施形態では、抽出工程は、再生製品を圧力容器内に固定し、固定された製品相を通して抽出溶媒を連続的にポンプで送り込むバッチ法で実施してよい。使用される抽出時間又は抽出溶媒の量は、分離及び精製されたポリマーの所望の純度及び出発再生製品中の抽出可能な材料の量に依存する。
【0076】
本発明の一実施形態では、当該抽出工程は、バッチモードである。本発明の別の実施形態では、当該抽出工程は、連続モードである。
【0077】
本発明の別の実施形態では、以下の「精製工程」の章に記載されるとおり、分離工程においてerPを固体媒体と接触させる。本発明の更に別の実施形態では、当該抽出工程は、当該抽出可能な材料の部分を抽出するために吸着材を使用することを含む。吸着材の非限定的な例は、酸化ケイ素(シリカ)、シリカゲル、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、非晶質火山ガラス、再生ガラス、砂、石英、珪藻土、ゼオライト、パーライト、粘土、フラー土、ベントナイト粘土、金属有機構造体(metal organic framework、MOF)、共有結合性有機構造体(covalent organic framework、COF)、ゼオライトイミダゾレート構造体(zeolitic imidazolate framework、ZIF)、無煙炭、カーボンブラック、コークス、及び活性炭である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該吸着材は、活性炭、ゼオライト、MOF、COF、(ZIF)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0078】
本発明の一実施形態では、当該方法は、当該ポリマーが溶融し、液体状態にある温度及び圧力において当該rPを抽出溶媒と接触させることを含む。本発明の別の実施形態では、当該ポリマーが固体状態にある温度及び圧力において当該rPを当該抽出溶媒と接触させる。
【0079】
本発明の一実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、PPが本質的に溶解しないままである温度及び圧力においてPPを抽出溶媒と接触させることを含む。本発明の別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約80℃〜約220℃の温度で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。本発明の更に別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約100℃〜約200℃の温度で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約130℃〜約180℃の温度で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。本発明の一実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約110℃〜約170℃の温度で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。
【0080】
本発明の一実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約150psig(1MPa)〜約3,000psig(20.7MPa)の圧力で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。本発明の別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約1,000psig(6.9MPa)〜約2,750psig(19MPa)の圧力で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。本発明の更に別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約1,500psig(10.3MPa)〜約2,500psig(17.2MPa)の圧力で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。本発明の一実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約1,100psig(7.6MPa)〜約2,100psig(14.5MPa)の圧力で当該PPをn−ブタンと接触させることを含む。
【0081】
本発明の一実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約80℃〜約220℃の温度で当該PPをプロパンと接触させることを含む。本発明の別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約100℃〜約200℃の温度で当該PPをプロパンと接触させることを含む。本発明の更に別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約130℃〜約180℃の温度で当該PPをプロパンと接触させることを含む。
【0082】
本発明の一実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約200psig(1.4MPa)〜約8,000psig(55.2MPa)の圧力で当該PPをプロパンと接触させることを含む。本発明の別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約1,000psig(6.9MPa)〜約6,000psig(41.4MPa)の圧力で当該PPをプロパンと接触させることを含む。本発明の更に別の実施形態では、rPからPPを分離及び精製する方法は、約2,000psig(13.8MPa)〜約4,000psig(27.6MPa)の圧力で当該PPをプロパンと接触させることを含む。
【0083】
本発明の一実施形態では、当該erP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約90%未満である。本発明の別の実施形態では、当該erP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約75%未満である。本発明の更に別の実施形態では、当該erP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約50%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該erP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約半分である。
【0084】
本発明の一実施形態では、当該erAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約90%未満である。本発明の別の実施形態では、当該erAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約75%未満である。本発明の更に別の実施形態では、当該erAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約50%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該erAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該rAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度の約半分である。
【0085】
本発明の一実施形態では、当該erPは、当該抽出可能な材料を本質的に含まない。本発明の別の実施形態では、当該erAHPは、当該抽出可能な材料を本質的に含まない。本発明の更に別の実施形態では、当該erP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該精製工程中に更に低下する。本発明のなお更に別の実施形態では、当該erAHP中の当該抽出可能な材料の当該濃度は、当該精製工程中に更に低下する。
【0086】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該抽出工程における当該温度範囲が約110℃〜約170℃であり、当該抽出工程における当該圧力範囲が約1,100psig(7.6MPa)〜約2,100psig(14.5MPa)である、方法が提供される。
【0087】
本発明の一実施形態では、rPからポリマーを分離及び精製する方法であって、当該抽出溶媒がプロパンであり、当該抽出工程における当該温度が約100℃超であり、当該抽出工程における当該圧力が約150psig(1MPa)超、約1,500psig(10.3MPa)未満である、方法が提供される。本発明の別の実施形態では、rPからポリマーを分離及び精製する方法であって、当該抽出溶媒がn−ブタンであり、当該抽出工程における当該温度が約100℃超であり、当該抽出工程における当該圧力が約150psig(1MPa)超、約900psig(6.2MPa)未満である、方法が提供される。本発明の更に別の実施形態では、rPからポリマーを分離及び精製する方法であって、当該抽出溶媒がペンタンであり、当該抽出工程における当該温度が約100℃超であり、当該抽出工程における当該圧力が、約150psig(1MPa)超、約500psig(3.4MPa)未満である、方法が提供される。本発明のなお更に別の実施形態では、rPからポリマーを分離及び精製する方法であって、当該抽出溶媒がヘキサンであり、当該抽出工程における当該温度が約100℃超であり、当該抽出工程における当該圧力が約150psig(1MPa)である、方法が提供される。
【0088】
溶解工程
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、第1の溶解性ベースポリマーを溶解工程溶媒に可溶化させるのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rPの当該第1の溶解性ベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加物と残りのポリマー全てのドメインとの懸濁液を含み、当該第1の溶解性ベースポリマーが、残りの溶解性ベースポリマーの可溶化範囲未満の可溶化範囲を有する、工程を含む。本発明の別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からポリマーを分離及び精製する方法は、第1の溶解性ベースポリマーを溶解工程溶媒に可溶化させるのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erAHPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該第1の溶解性ベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加物と残りのポリマー全てのドメインとの懸濁液を含み、当該第1の溶解性ベースポリマーが、残りの溶解性ベースポリマーの可溶化範囲未満の可溶化範囲を有する、工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、再生フィルム(rF)からポリマーを分離及び精製する方法は、第1の溶解性ベースポリマーを溶解工程溶媒に可溶化させるのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erFを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rFの当該第1の溶解性ベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加物と残りのポリマー全てのドメインとの懸濁液を含み、当該第1の溶解性ベースポリマーが、残りの溶解性ベースポリマーの可溶化範囲未満の可溶化範囲を有する、工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からADHポリマーを分離及び精製する方法は、ADHベースポリマーを溶解工程溶媒に可溶化させるのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erAHPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該ADHベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、ADHベースポリマー溶液中の当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加物と、TPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーのドメインとの懸濁液を含み、当該ADHベースポリマーが、当該TPE、PP、PE、及びPETベースポリマーの可溶化範囲未満の可溶化範囲を有し、当該溶解工程ドメインが、当該TPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーを含む、工程を含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法は、当該PPベースポリマーを溶解工程溶媒に可溶化させるのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該erAHPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、PPベースポリマー溶液中の当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加物とセルロース及びPAAポリマーのドメインとの懸濁液を含む、工程を含む。
【0089】
理論に束縛されるものではないが、出願人らは、ポリマーの溶解工程溶媒への熱力学的に好ましい溶解を実現するように温度及び圧力を制御することができると考える。更に、温度及び圧力は、特定のポリマー又はポリマー混合物を溶解することができ、同時に他のポリマー又はポリマー混合物を溶解しないような方法で、温度及び圧力を制御することができる。この制御可能な溶解により、ポリマー混合物又は再生製品からポリマーを分離することが可能になる。
【0090】
本発明の一実施形態では、ポリマーを分離及び精製する方法は、これらポリマーを含有する再生製品を、同じ温度及び圧力条件下でポリマーのうちの1つは溶解し、他のポリマーは溶解せずに懸濁液中にドメインとして残る溶解工程溶媒に溶解させる工程を含む。次いで、上記のプロセスを他のポリマーについて繰り返す。
【0091】
本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む方法は、当該PPベースポリマーが溶解工程溶媒に溶解する温度及び条件において、当該rAHPを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約90℃〜約220℃の温度で当該PPベースポリマーをn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約100℃〜約200℃の温度で当該PPベースポリマーをn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約130℃〜約180℃の温度で当該PPベースポリマーをn−ブタンに溶解させる工程を含む。
【0092】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約350psig(2.4MPa)〜約20,000psig(137.9MPa)の圧力で当該PPベースポリマーをn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約350psig(2.4MPa)〜約4,000psig(27.6MPa)の圧力で当該PPベースポリマーをn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約1,000psig(6.9MPa)〜約3,500psig(24.1MPa)の圧力で当該PPベースポリマーをn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約2,000psig(13.8MPa)〜約3,000psig(20.7MPa)の圧力で当該PPベースポリマーをn−ブタンに溶解させる工程を含む。
【0093】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程における当該温度範囲が約90℃〜約220℃であり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約350psig(2.4MPa)〜約20,000psig(137.9MPa)である、方法が提供される。
【0094】
本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを少なくとも約0.5%の重量濃度でn−ブタンと接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約1%の重量濃度でn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約2%の重量濃度でn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約3%の重量濃度でn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを少なくとも約4%の重量濃度でn−ブタンと接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約5%の重量濃度でn−ブタンに溶解させる工程を含む。
【0095】
本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを約20%以下の重量濃度で溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを約18%以下の重量濃度でn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを約16%以下の重量濃度でn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを約14%以下の重量濃度でn−ブタンに溶解させる工程を含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを約12%以下の重量濃度で溶解工程溶媒と接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。
【0096】
本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーが溶解工程溶媒に溶解する温度及び条件において、当該rAHPをプロパンと接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約90℃〜約220℃の温度で当該PPベースポリマーをプロパンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約100℃〜約200℃の温度で当該PPベースポリマーをプロパンに溶解させる工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約130℃〜約180℃の温度で当該PPベースポリマーをプロパンに溶解させる工程を含む。
【0097】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約2,000psig(13.8MPa)〜約8,000psig(55.2MPa)の圧力で当該PPベースポリマーをプロパンに溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約3,000psig(20.7MPa)〜約6,000psig(41.4MPa)の圧力で当該PPベースポリマーをプロパンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、約3,500psig(24.1MPa)〜約5,000psig(34.5MPa)の圧力で当該PPベースポリマーをプロパンに溶解させる工程を含む。
【0098】
本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを少なくとも約0.5%の重量濃度でプロパンと接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約1%の重量濃度でプロパンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約2%の重量濃度でプロパンに溶解させる工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約3%の重量濃度でプロパンに溶解させる工程を含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを少なくとも約4%の重量濃度でプロパンと接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを少なくとも約5%の重量濃度でプロパンに溶解させる工程を含む。
【0099】
本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを約20%以下の重量濃度でプロパンと接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを約18%以下の重量濃度でプロパンに溶解させる工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを約16%以下の重量濃度でプロパンに溶解させる工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該PPベースポリマーを約14%以下の重量濃度でプロパンに溶解させる工程を含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該PPポリマーが、PPベースポリマーと、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該PPポリマーに関連する抽出可能な材料とを含む、方法は、当該rAHPを約12%以下の重量濃度でプロパンと接触させることによって、当該rAHPの当該PPベースポリマーを溶解させる工程を含む。
【0100】
本発明の一実施形態では、当該溶解工程溶媒は、オレフィン性炭化水素、脂肪族炭化水素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該抽出溶媒は、当該溶解工程溶媒と同じである。
【0101】
本発明の一実施形態では、当該溶解工程は、バッチモードである。本発明の別の実施形態では、当該溶解工程は、連続モードである。
【0102】
溶解工程において、初期懸濁液が生成される。初期懸濁液は、溶解性ベースポリマー溶液中の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤と残りのポリマー全てのドメインとの懸濁液を含む。
【0103】
本発明の一実施形態では、当該残りのポリマー全てのドメインは、セルロース及びPAAポリマーを含む。本発明の別の実施形態では、当該残りのポリマー全てのドメインは、当該PAAポリマー及び当該セルロースポリマーに分離される。PAAポリマーとセルロースポリマーとを分離する目的の1つは、将来的にAHPでこれらを再使用することである。本発明の一実施形態では、当該溶解工程ドメインから分離された当該PAAポリマーは、30g水/gPAAポリマーを超える濃度の水を含む。本発明の別の実施形態では、当該PAAポリマーは、更に、脱水プロセスを介して1g水/gPAAポリマー未満に脱水される。脱水プロセスの非限定的な例は、PAAポリマーを塩溶液、酸性溶液、塩基性溶液、及び水と共沸混合物を形成する溶媒と接触させること、加圧すること、並びに遠心分離することである。本発明の更に別の実施形態では、当該脱水プロセスは、当該PAAポリマーを塩溶液、酸性溶液、塩基性溶液、及び水と共沸混合物を形成する溶媒と接触させること、加圧すること、遠心分離すること、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。水と共沸混合物を形成する溶媒の非限定的な例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、及び2−ブタノールである。本発明のなお更に別の実施形態では、当該溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルコールである。
【0104】
本発明の一実施形態では、当該脱水されたPAAポリマーは、新たなAHPを生産するために使用される。本発明の別の実施形態では、当該PAAポリマーを解重合に供して、モノマーアクリル酸(acrylic acid、AA)又はオリゴマーアクリル酸(OAA)を生成する。本発明の更に別の実施形態では、当該AA又はOAAは、更にバージンPAAポリマーに重合され、新たなAHPを生産するために使用される。PAAポリマーの解重合の非限定的な例は、溶解したCOの存在下における解重合、超音波及び太陽光放射を使用する解重合、熱分解、並びに機械化学(例えば、解重合を達成するための機械的力を印加する)である。
【0105】
本発明の一実施形態では、rPからADHポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がプロパンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約1,500psig(10.3MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の別の実施形態では、rPからADHポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がn−ブタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約900psig(6.2MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の更に別の実施形態では、rPからADHポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がペンタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約500psig(3.4MPa)で始まる、方法が提供される。本発明のなお更に別の実施形態では、rPからADHポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がヘキサンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約150psig(1MPa)で始まる、方法が提供される。
【0106】
本発明の一実施形態では、rPからTPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がプロパンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約3,000psig(20.7MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の別の実施形態では、rPからTPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がn−ブタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約1,200psig(8.3MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の更に別の実施形態では、rPからTPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がペンタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約700psig(4.8MPa)で始まる、方法が提供される。本発明のなお更に別の実施形態では、rPからTPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がヘキサンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約200psig(1.4MPa)で始まる、方法が提供される。
【0107】
本発明の一実施形態では、rPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がプロパンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約7,000psig(48.3MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の別の実施形態では、rPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がn−ブタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約1,800psig(12.4MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の更に別の実施形態では、rPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がペンタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約1,400psig(9.7MPa)で始まる、方法が提供される。本発明のなお更に別の実施形態では、rPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がヘキサンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約350psig(2.4MPa)で始まる、方法が提供される。
【0108】
本発明の一実施形態では、rPからPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がプロパンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約10,000psig(68.9MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の別の実施形態では、rPからPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がn−ブタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約4,500psig(31MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の更に別の実施形態では、rPからPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がペンタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約2,900psig(20MPa)で始まる、方法が提供される。本発明のなお更に別の実施形態では、rPからTPEポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がヘキサンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約1,000psig(6.9MPa)で始まる、方法が提供される。
【0109】
本発明の一実施形態では、rPからPETポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がプロパンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約34,000psig(234.4MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の別の実施形態では、rPからPETポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がn−ブタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約15,000psig(103.4MPa)で始まる、方法が提供される。本発明の更に別の実施形態では、rPからPETポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がペンタンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約10,000psig(68.9MPa)で始まる、方法が提供される。本発明のなお更に別の実施形態では、rPからPETポリマーを分離及び精製する方法であって、当該溶解工程溶媒がヘキサンであり、当該溶解工程における当該温度範囲が約100℃で始まり、当該溶解工程における当該圧力範囲が約3,500psig(24.1MPa)で始まる、方法が提供される。
【0110】
沈降工程
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、沈降した粒子状添加剤の収集物及び当該残りのポリマー全てのドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程、を含む。本発明の別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からポリマーを分離及び精製する方法は、沈降した粒子状添加剤の収集物及び当該残りのポリマー全てのドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程、を含む。本発明の更に別の実施形態では、再生フィルム(rF)からポリマーを分離及び精製する方法は、沈降した粒子状添加剤の収集物及び当該残りのポリマー全てのドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程、を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からADHポリマーを分離及び精製する方法は、沈降した粒子状添加剤の収集物及びTPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーの当該ドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該ADHポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該ADHベースポリマー溶液中の当該ADHポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程、を含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法は、沈降した粒子状添加剤の収集物並びにセルロース及びPAAポリマーの当該ドメイン、並びに中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該PPポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該PPベースポリマー溶液中の当該PPポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程、を含む。
【0111】
沈降工程は、ポリマーに関連する溶解していない粒子状添加剤及び不純物に関連する粒子状物質を、当該添加剤及び当該物質を力の方向に均一に移動させる力に供する。典型的には、印加される沈降力は重力であるが、遠心力、求心力、又は何らかの他の力であってもよい。印加される力の量及び沈降時間の持続時間は、粒子状添加剤及び粒子状物質の粒径及び粒子密度、並びにベースポリマー溶液の密度及び粘度(すなわち、溶解工程溶媒に溶解したベースポリマーの溶液)が挙げられるが、これらに限定されない、いくつかのパラメータに依存する。以下の式2は、上記パラメータと沈降速度との関係であり、沈降速度の尺度である:
V=(ρ−ρ)gd/18η 式2
(式中、Vは沈降速度であり、ρは粒子状添加剤及び物質の密度であり、ρはベースポリマー溶液の密度であり、gは印加された力(典型的には重力)による加速であり、dは粒子状添加剤及び物質中の粒子の直径であり、ηはベースポリマー溶液の動的粘度である)。溶液粘度を決定する重要なパラメータのいくつかは、ベースポリマー溶液の化学組成、ベースポリマー溶液に溶解したベースポリマーの分子量及び濃度、並びにベースポリマー溶液の温度及び圧力である。
【0112】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、沈降工程における温度範囲は約90℃〜約220℃である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、沈降工程における温度範囲は約100℃〜約200℃である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、沈降工程における温度範囲は約130℃〜約180℃である。
【0113】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、沈降工程における圧力範囲は約350psig(2.4MPa)〜約4,000psig(27.6MPa)である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、沈降工程における圧力範囲は約1,000psig(6.9MPa)〜約3,500psig(24.1MPa)である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、沈降工程における圧力範囲は約2,000psig(13.8MPa)〜約3,000psig(20.7MPa)である。
【0114】
本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該沈降工程における当該温度範囲が約90℃〜約220℃であり、当該沈降工程における当該圧力範囲が約350psig(2.4MPa)〜約20,000psig(137.9MPa)である方法が提供される。
【0115】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約0.5%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約1%である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約2%である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約3%である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約4%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約5%である。
【0116】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約20%以下である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約18%以下である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約16%以下である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約14%以下である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約12%以下である。
【0117】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、沈降工程における温度範囲は約90℃〜約220℃である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、沈降工程における温度範囲は約100℃〜約200℃である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、沈降工程における温度範囲は約130℃〜約180℃である。
【0118】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、沈降工程における圧力範囲は約2,000psig(13.8MPa)〜約8,000psig(55.2MPa)である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、沈降工程における圧力範囲は約3,000psig(20.7MPa)〜約6,000psig(41.4MPa)である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、沈降工程における圧力範囲は約3,500psig(24.1MPa)〜約5,000psig(34.5MPa)である。
【0119】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約0.5%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約1%である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約2%である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約3%である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約4%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約5%である。
【0120】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約20%以下である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約18%以下である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約16%以下である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約14%以下である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶工程溶媒としてプロパンを含み、当該沈降工程における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約12%以下である。
【0121】
本発明の一実施形態では、当該沈降工程は、バッチモードである。
【0122】
沈降工程は、沈降した粒子状添加剤の収集物及び残りのポリマー全てのドメイン、並びに中間懸濁液を生成し、それは沈殿時間の間続く。沈降した粒子状添加剤の収集物は、溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、中間懸濁液は、溶解性ベースポリマー溶液中の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む。本発明の一実施形態では、当該沈降した粒子状添加剤の収集物は、溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤及び当該不純物に関連する粒子状物質を含む。本発明の別の実施形態では、当該中間懸濁液は、溶解性ベースポリマー溶液中の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液と、当該不純物に関連する沈降していない粒子状物質とを含む。
【0123】
本発明の一実施形態では、当該沈降した粒子状添加剤の収集物は、約1mmよりも大きい直径を有する粒子を含む。本発明の別の実施形態では、当該沈降した粒子状添加剤の収集物は、約0.75mmよりも大きい直径を有する粒子を含む。本発明の更に別の実施形態では、当該沈降した粒子状添加剤の収集物は、約0.5mmよりも大きい直径を有する粒子を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、当該沈降粒子状添加物の当該収集物は、約300μmよりも大きい直径を有する粒子を含む。本発明の一実施形態では、当該沈降した粒子状添加剤の収集物は、約100μmよりも大きい直径を有する粒子を含む。本発明の別の実施形態では、当該沈降粒子状添加剤の当該収集物は、約50μmよりも大きい直径を有する粒子を含む。本発明の更に別の実施形態では、当該沈降した粒子状添加剤の収集物は、約20μmよりも大きい直径を有する粒子を含む。
【0124】
本発明の一実施形態では、当該沈降時間は、約24時間よりも長い。本発明の別の実施形態では、当該沈殿時間は、約12時間よりも長い。本発明の更に別の実施形態では、当該沈殿時間は、約6時間よりも長い。本発明のなお更に別の実施形態では、当該沈殿時間は、約3時間よりも長い。本発明の一実施形態では、当該沈降時間は、約1時間よりも長い。本発明の更に別の実施形態では、当該沈降時間は、約0.5時間よりも長い。
【0125】
本発明の一実施形態では、当該沈殿時間は、約24時間〜0.1時間である。本発明の別の実施形態では、当該沈殿時間は、約18時間〜約0.25時間である。本発明の更に別の実施形態では、当該沈殿時間は、約12時間〜約0.5時間である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該沈降時間は、約12時間〜約1時間である。本発明の一実施形態では、当該沈殿時間は、約6時間〜約2時間である。本発明の更に別の実施形態では、当該沈殿時間は約4時間である。
【0126】
本発明の一実施形態では、粒子状添加剤及び粒子状物質の当該密度は、約9g/mL超である。本発明の別の実施形態では、粒子添加物及び粒子状物質の当該密度は、約1g/mL〜約9g/mLである。本発明の更に別の実施形態では、粒子添加物及び粒子状物質の当該密度は、約1g/mL〜約4g/mLである。本発明のなお更に別の実施形態では、粒子状添加剤及び粒子状物質の当該密度は、約2g/mL〜約3.5g/mLである。
【0127】
本発明の一実施形態では、ベースポリマー溶液の当該密度は約0.8g/mLよりも高い。本発明の別の実施形態では、ベースポリマー溶液の当該密度は、約0.8g/mL〜約3g/mLである。本発明の更に別の実施形態では、ベースポリマー溶液の当該密度は、約0.9g/mL〜約2g/mLである。本発明のなお更に別の実施形態では、ベースポリマー溶液の当該密度は、約1g/mL〜約1.5g/mLである。
【0128】
本発明の一実施形態では、ベースポリマー溶液の当該動的粘度は、約0.5mPa・sよりも高い。本発明の別の実施形態では、ベースポリマー溶液の当該動的粘度は、約0.6mPa・s〜約100mPa・sである。本発明の更に別の実施形態では、ベースポリマー溶液の当該動的粘度は、約1mPa・s〜約20mPa・sである。本発明のなお更に別の実施形態では、ベースポリマー溶液の当該動的粘度は、約2mPa・s〜約10mPa・sである。
【0129】
精製工程
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程を含む。本発明の別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からポリマーを分離及び精製する方法は、最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、再生フィルム(rF)からポリマーを分離及び精製する方法は、最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からADHポリマーを分離及び精製する方法は、最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該ADHベースポリマー溶液中の当該ADHポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法は、最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該PPベースポリマー溶液中の当該PPポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程を含む。
【0130】
本発明の固体媒体は、最終懸濁液から当該粒子状添加剤の部分を保持する任意の固体材料である。当該固体媒体はまた、当該不純物に関連する当該粒子状物質の部分、及び当該抽出工程において除去されなかった当該rP中の当該抽出可能な材料の部分も保持することができる。
【0131】
理論に束縛されるものではないが、出願人らは、固体媒体が、様々な機序によって当該粒子状添加剤及び粒子状物質を除去すると考える。可能な機序の非限定的な例としては、吸着、吸収、サイズ排除、イオン排除、イオン交換、及び、当業者に明らかであり得るその他の機序が挙げられる。更に、顔料及び再生製品中に一般的にみられる他の材料は極性化合物であり得、同様に少なくともわずかに極性であり得る固体媒体と優先的に相互作用し得る。極性−極性相互作用は、例えばアルカンなどの非極性溶媒が溶解工程溶媒として使用される場合、特に好ましい。
【0132】
本発明の一実施形態では、固体媒体は、無機物質、炭素系物質、及びこれらの混合物からなる群から選択される。無機物質の非限定的な例は、酸化ケイ素(シリカ)、シリカゲル、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、非晶質火山ガラス、再生ガラス、砂、石英、珪藻土、ゼオライト、パーライト、粘土、フラー土、ベントナイト粘土、金属有機構造体(MOF)、共有結合性有機構造体(COF)、及びゼオライトイミダゾレート構造体(ZIF)である。炭素系物質の非限定的な例は、無煙炭、カーボンブラック、コークス、及び活性炭である。本発明の一実施形態では、当該無機物質は、酸化ケイ素(シリカ)、シリカゲル、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、非晶質火山ガラス、再生ガラス、砂、石英、珪藻土、ゼオライト、パーライト、粘土、フラー土、ベントナイト粘土、金属有機構造体(MOF)、共有結合性有機構造体(COF)、ゼオライトイミダゾレート構造体(ZIF)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該無機物質は、酸化ケイ素(シリカ)、シリカゲル、酸化アルミニウム(アルミナ)、非晶質火山ガラス、再生ガラス、砂、石英、珪藻土、ゼオライト、粘土、フラー土、ベントナイト粘土、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該炭素系物質は、無煙炭、カーボンブラック、コークス、活性炭、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該固体媒体はリサイクルガラスである。
【0133】
本発明の一実施形態では、当該固体媒体を攪拌しながら指定の時間にわたって容器内で当該固体媒体を当該中間懸濁液と接触させる。本発明の別の実施形態では、当該固体媒体は、固−液分離工程を介して当該最終懸濁液から除去される。固体−液体分離工程の非限定的な例としては、濾過、デカンテーション、遠心分離、及び沈降が挙げられる。本発明の更に別の実施形態では、当該中間懸濁液を、固体媒体の静止床に通す。本発明のなお更に別の実施形態では、当該固体媒体を、固定床構成で配置する。この固定床構成は、軸方向フィルタ、径方向フィルタ、又は両方の組み合わせを含む。本発明の一実施形態では、当該固定床構成は、直列に接続された少なくとも2つの固定床を備える。本発明の別の実施形態では、当該固体媒体の固定床の高さ又は長さは、約5cm超である。本発明の更に別の実施形態では、当該固体媒体の固定床の高さ又は長さは、約10cm超である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該固体媒体の固定床の高さ又は長さは、約20cm超である。本発明の一実施形態では、当該固体媒体の固定床の直径は、約1cm超である。本発明の別の実施形態では、当該固体媒体の固定床の直径は、約2cm超である。本発明の更に別の実施形態では、当該固体媒体の固定床の直径は、約5cm超である。本発明の一実施形態では、当該固体媒体の当該固定床の長さの直径に対する比は、約1を超える。本発明の別の実施形態では、当該固体媒体の当該固定床の長さの直径に対する比は、約5を超える。本発明の更に別の実施形態では、当該固体媒体の当該固定床の長さの直径に対する比は、約10を超える。本発明の更に別の実施形態では、当該固体媒体の当該固定床の長さの直径に対する比は、約20を超える。
【0134】
本明細書で使用するとき、用語「固体媒体中央粒径」とは、これよりも下又は上に粒子の合計体積の50%が存在する固体媒体の直径を指し、Dv,0.50と表記される。更に、用語「固体媒体粒子スパン」は、所与の固体媒体粒子サンプルの統計的表現であり、以下のように計算することができる。まず、中央粒径を上記のとおり計算する。次いで、同様の方法によって、粒子サンプルを体積分率10%で分離する固体媒体粒径Dv,0.10を求め、次いで、粒子サンプルを体積分率90%で分離する粒径Dv,0.90を求める。次いで、固体媒体粒子スパンは、(Dv,0.90−Dv,0.10)/Dv,0.50に等しい。本発明の一実施形態では、当該固体媒体粒子スパンは、約2未満である。本発明の別の実施形態では、当該固体媒体粒子スパンは、約1.5未満である。本発明の更に別の実施形態では、当該固体媒体粒子スパンは、約1.5未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該固体媒体粒子スパンは、約1.3未満である。本発明の一実施形態では、当該固体媒体粒子スパンは、約1.1〜約2である。本発明の別の実施形態では、当該固体媒体粒子スパンは、約1.3〜約1.5である。
【0135】
本発明の一実施形態では、固体媒体は、当該最終懸濁液の所望の組成を維持するために、必要に応じて交換される。本発明の別の実施形態では、固体媒体は、精製工程で再生され、再使用される。本発明の更に別の実施形態では、固体媒体は、再洗工程中に固体媒体を流動化することによって再生される。
【0136】
本発明の一実施形態では、当該精製工程は、連続モードである。本発明の別の実施形態では、当該精製工程は、バッチモードである。
【0137】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、精製工程における温度範囲は約90℃〜約220℃である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、精製工程における温度範囲は約100℃〜約200℃である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、精製工程における温度範囲は約130℃〜約180℃である。
【0138】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、精製工程における圧力範囲は約350psig(2.4MPa)〜約4,000(27.6MPa)である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、精製工程における圧力範囲は約1,000psig(6.9MPa)〜約3,500(24.1MPa)である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、精製工程における圧力範囲は約2,000psig(13.8MPa)〜約3,000(20.7MPa)である。
【0139】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法が提供され、当該精製工程における当該温度範囲は約90℃〜約220℃であり、当該精製工程における当該圧力範囲は約350psig(2.4MPa)〜約20,000psig(137.9MPa)である。
【0140】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約0.5%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約1%である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約2%である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約3%である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約4%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約5%である。
【0141】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約20%以下である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約18%以下である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約16%以下である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約14%以下である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約12%以下である。
【0142】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、精製工程における温度範囲は約90℃〜約220℃である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、精製工程における温度範囲は約100℃〜約200℃である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、精製工程における温度範囲は約130℃〜約180℃である。
【0143】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、精製工程における圧力範囲は約2,000psig(13.8MPa)〜約8,000(55.2MPa)である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、精製工程における圧力範囲は約3,000psig(20.7MPa)〜約6,000(41.4MPa)である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、精製工程における圧力範囲は約3,500psig(24.1MPa)〜約5,000(34.5MPa)である。
【0144】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約0.5%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約1%である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約2%である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約3%である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約4%である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は少なくとも約5%である。
【0145】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約20%以下である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約18%以下である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約16%以下である。本発明のなお更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約14%以下である。本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、当該中間懸濁液における当該PPベースポリマー溶液中の当該PPベースポリマーの重量濃度は約12%以下である。
【0146】
分離工程
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該溶解工程溶媒を当該最終懸濁液から分離する工程であって、当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、当該第1の溶解性ベースポリマーと、当該rP中の当該第1の溶解性ポリマー中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程を含む。本発明の別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からポリマーを分離及び精製する方法は、分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該溶解工程溶媒を当該最終懸濁液から分離する工程であって、当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、当該第1の溶解性ベースポリマーと、当該rAHP中の当該第1の溶解性ポリマー中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程を含む。本発明の更に別の実施形態では、再生フィルム(rF)からポリマーを分離及び精製する方法は、分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該溶解工程溶媒を当該最終懸濁液から分離する工程であって、当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、当該第1の溶解性ベースポリマーと、当該rF中の当該第1の溶解性ポリマー中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からADHポリマーを分離及び精製する方法は、分離及び精製されたADHポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該溶解工程溶媒を当該最終懸濁液から分離する工程であって、当該分離及び精製されたADHポリマーが、当該ADHベースポリマーと、当該rAHP中の当該ADHポリマー中の当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製されたADHポリマー中に分散している当該ADHポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程を含む。本発明の一実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からPPポリマーを分離及び精製する方法は、分離及び精製されたPPポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該溶解工程溶媒を当該最終懸濁液から分離する工程であって、当該分離及び精製されたPPポリマーが、当該第1のPPベースポリマーと、当該rAHP中の当該PPポリマー中の当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製されたPPポリマー中に分散している当該PPポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程を含む。
【0147】
本発明の一実施形態では、分離工程は、ポリマーが溶液から沈殿し、溶解工程溶媒中にはもはや溶解しない温度及び圧力で行われる。本発明の別の実施形態では、分離工程は、固定温度で圧力を低下させることによって達成される。本発明の更に別の実施形態では、分離工程は、固定圧力で温度を低下させることによって達成される。本発明のなお更に別の実施形態では、分離工程は、固定圧力で温度を上昇させることによって達成される。本発明の一実施形態では、分離工程は、温度及び圧力の両方を低下させることによって達成される。溶解工程溶媒は、温度及び圧力を制御することによって、液体から蒸気相へと部分的又は完全に変換され得る。
【0148】
本発明の別の実施形態では、分離工程中に溶解工程溶媒の温度及び圧力を制御することによって、溶解工程溶媒を100%蒸気相に完全に変換することなく、沈殿したポリマーが溶解工程溶媒から分離される。沈殿したポリマーの分離は、液体−液体又は液体−固体分離の任意の方法によって達成される。液体−液体分離又は液体−固体分離の非限定的な例としては、濾過、デカンテーション、遠心分離、及び沈降が挙げられる。
【0149】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、分離工程における温度範囲は約0℃〜約220℃である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、分離工程における温度範囲は約100℃〜約220℃である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、分離工程における温度範囲は約130℃〜約180℃である。
【0150】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、分離工程における圧力範囲は約0psig(0MPa)〜約2,000psig(13.8MPa)である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、分離工程における圧力範囲は約50(0.34MPa)〜約1,500psig(10.3MPa)である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてn−ブタンを含み、分離工程における圧力範囲は約75psig(0.52MPa)〜約1,000psig(6.9MPa)である。
【0151】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、分離工程における温度範囲は約−42℃〜約220℃である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、分離工程における温度範囲は約0℃〜約150℃である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、分離工程における温度範囲は約50℃〜約130℃である。
【0152】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、分離工程における圧力範囲は約0psig(0MPa)〜約6,000psig(41.4MPa)である。本発明の別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、分離工程における圧力範囲は約50(0.34MPa)〜約3,000psig(20.7MPa)である。本発明の更に別の実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法は、溶解工程溶媒としてプロパンを含み、分離工程における圧力範囲は約75psig(0.52MPa)〜約1,000psig(6.9MPa)である。
【0153】
本発明の一実施形態では、rAHPからPPポリマーを分離及び精製する方法であって、当該分離工程における当該温度範囲が約0℃〜約220℃であり、当該圧力範囲が約0psig(0MPa)〜約2,000psig(13.8MPa)である、方法が提供される。
【0154】
本発明の一実施形態では、分離工程から生成される分離及び精製されたポリマーは、ベースポリマーと、rP中のベースポリマー中に分散しているポリマーに関連する粒子状添加剤の濃度よりも低い濃度で分離及び精製されたポリマー中に分散しているポリマーに関連する粒子状添加剤とを含む。本発明の別の実施形態では、分離工程から生成される分離及び精製されたポリマーは、ベースポリマーと、rAHP中のベースポリマー中に分散しているポリマーに関連する粒子状添加剤の濃度よりも低い濃度で分離及び精製されたポリマー中に分散しているポリマーに関連する粒子状添加剤とを含む。本発明の更に別の実施形態では、分離工程から生成される分離及び精製されたポリマーは、ベースポリマーと、rF中のベースポリマー中に分散しているポリマーに関連する粒子状添加剤の濃度よりも低い濃度で分離及び精製されたポリマー中に分散しているポリマーに関連する粒子状添加剤とを含む。
【0155】
本発明の一実施形態では、分離及び精製された溶解性ポリマー中の溶解性ベースポリマー中に分散している各溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤の濃度は、rAHP中のベースポリマー中に分散しているポリマーに関連する粒子状添加剤の濃度よりも低い。本発明の別の実施形態では、当該分離及び精製された溶解性ポリマー中の当該各溶解性ベースポリマー中に分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の濃度は、約3重量%未満である。本発明の更に別の実施形態では、当該分離及び精製された溶解性ポリマー中の当該各溶解性ベースポリマー中に分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の濃度は、約1重量%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該分離及び精製された溶解性ポリマー中の当該各溶解性ベースポリマー中に分散している各溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の濃度は、約0.1重量%未満である。本発明の一実施形態では、当該各溶解性ポリマーは、当該分離及び精製された溶解性ポリマー中の各溶解性ベースポリマーに関連する当該粒子状添加剤を本質的に含まない。
【0156】
本発明の一実施形態では、当該分離工程は、バッチモードである。本発明の別の実施形態では、当該分離工程は、連続モードである。
【0157】
分離工程で分離された溶解工程溶媒は、当業者に周知の方法を使用して、そのまま又は精製後のいずれかに溶解工程に戻してリサイクルすることができる。
【0158】
繰り返し工程
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法は、抽出工程、溶解工程、沈降工程、精製工程、及び分離工程を、工程b〜fの前回の繰り返しから得られた沈降した粒子状添加剤の各収集物及び当該残りのポリマー全てのドメインを用いて繰り返して、1回で及び第2の溶解性ポリマーから更なる溶解性ポリマーを通して進行するシーケンスで、当該溶解性ベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、当該シーケンスが、当該rPから得られた各個々の溶解性ポリマーがその分離及び精製された形態で生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物及び全ての非溶解性ベースポリマーの当該ドメインが生成されるまで、最低可溶化範囲を有する溶解性ベースポリマーから最高可溶化範囲まで進行する、工程を含む。本発明の別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からポリマーを分離及び精製する方法は、出工程、溶解工程、沈降工程、精製工程、及び分離工程を、工程b〜fの前回の繰り返しから得られた沈降した粒子状添加剤の各収集物及び当該残りのポリマー全てのドメインを用いて繰り返して、1回で及び当該第2の溶解性ポリマーから更なる溶解性ポリマーを通して進行するシーケンスで、当該溶解性ベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、当該シーケンスが、当該rAHPから得られた各個々の溶解性ポリマーがその分離及び精製された形態で生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物及び全ての非溶解性ベースポリマーの当該ドメインが生成されるまで、最低可溶化範囲を有する溶解性ベースポリマーから最高可溶化範囲まで進行する、工程を含む。本発明の別の実施形態では、再生フィルム(rF)からポリマーを分離及び精製する方法は、抽出工程、溶解工程、沈降工程、精製工程、及び分離工程を、これら工程の前回の繰り返しから得られた沈降した粒子状添加剤の各溶解工程収集物及び当該残りのポリマー全てのドメインを用いて繰り返して、1回で及び第2の溶解性ポリマーから更なる溶解性ポリマーを通して進行するシーケンスで、溶解性ベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、当該シーケンスが、当該rFから得られた各個々の溶解性ポリマーがその分離及び精製された形態で生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物及び全ての非溶解性ベースポリマーの当該ドメインが生成されるまで、最低可溶化範囲を有する溶解性ベースポリマーから最高可溶化範囲まで進行する、工程を含む。
【0159】
本発明の別の実施形態では、再生吸収性衛生用製品(rAHP)からADH、TPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーを分離及び精製する方法は、抽出工程、溶解工程、沈降工程、精製工程、及び分離工程を、これら工程の前回の繰り返しから得られた沈降した粒子状添加剤の各溶解工程収集物及びTPE、PP、PE、PET、セルロース、及びPAAポリマーのドメインを用いて繰り返して、1回で及び当該TPEベースポリマーから当該PPベースポリマー、次いで当該PEベースポリマー、最後に当該PETベースポリマーへと進行するシーケンスで、当該TPE、PP、PE、及びPETベースポリマーを抽出、溶解、沈降、精製、及び分離することを介して、分離及び精製された溶解性ポリマーを生成する工程であって、当該シーケンスが、分離及び精製されたTEPポリマーが生成され、分離及び精製されたPPポリマーが生成され、分離及び精製されたPEポリマーが生成され、分離及び精製されたPETポリマーが生成されかつ沈降した粒子状添加剤の最終収集物及びセルロース及びPAAポリマーの当該ドメインが生成されるまで進行する、工程を含む。
【0160】
本発明の一実施形態では、ドメインの当該最終収集物は、セルロース及びPAAポリマーを含む。本発明の別の実施形態では、ドメインの当該最終収集物は、当該PAAポリマー及び当該セルロースポリマーに分離される。PAAポリマーとセルロースポリマーとを分離する目的の1つは、将来的にAHPでこれらを再使用することである。本発明の一実施形態では、ドメインの当該最終収集物から分離された当該PAAポリマーは、30g水/gPAAポリマーを超える濃度の水を含む。本発明の別の実施形態では、当該PAAポリマーは、更に、脱水プロセスを介して1g水/gPAAポリマー未満に脱水される。脱水プロセスの非限定的な例は、PAAポリマーを塩溶液、酸性溶液、塩基性溶液、及び水と共沸混合物を形成する溶媒と接触させること、加圧すること、並びに遠心分離することである。本発明の更に別の実施形態では、当該脱水プロセスは、当該PAAポリマーを塩溶液、酸性溶液、塩基性溶液、及び水と共沸混合物を形成する溶媒と接触させること、加圧すること、遠心分離すること、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。水と共沸混合物を形成する溶媒の非限定的な例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、及び2−ブタノールである。本発明のなお更に別の実施形態では、当該溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルコールである。
【0161】
本発明の一実施形態では、当該脱水されたPAAポリマーは、新たなAHPを生産するために使用される。本発明の別の実施形態では、当該PAAポリマーを解重合に供して、モノマーアクリル酸(AA)又はオリゴマーアクリル酸(OAA)を生成する。本発明の更に別の実施形態では、当該AA又はOAAは、更にバージンPAAポリマーに重合され、新たなAHPを生産するために使用される。PAAポリマーの解重合の非限定的な例は、溶解したCOの存在下における解重合、超音波及び太陽光放射を使用する解重合、熱分解、並びに機械化学(例えば、解重合を達成するための機械的力を印加する)である。
【0162】
図1は、(a)入手工程、(b)抽出工程、(c)溶解工程、(d)沈降工程、(e)精製工程、(f)分離工程、及び工程(b)〜(f)の繰り返しに従うプロセスの略図である。
【0163】
サイズ低減工程
本発明の一実施形態では、再生製品(rP)からポリマーを分離及び精製する方法であって、当該rPが当該ポリマー及び不純物を含み、当該ポリマーが、ベースポリマーと、当該ポリマーに関連する粒子状添加剤と、当該ポリマーに関連する抽出可能な材料とを含み、各ポリマーに関連する当該粒子状添加剤が、ある濃度で当該ベースポリマー中に分散しており、当該ポリマーが、溶解性ポリマー、非溶解性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該不純物が、当該不純物に関連する粒子状物質と、当該不純物に関連する抽出可能な材料とを含み、当該rP中の当該抽出可能な材料が、当該ポリマーに関連する当該抽出可能な材料と当該不純物に関連する当該抽出可能な材料とを含み、当該rP中の当該抽出可能な材料が、当該rP中にある濃度で存在する方法が提供される。当該方法は、(a)rPを入手する工程であって、当該rPが、消費者使用後の製品、産業使用後の製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される工程と、(b)当該rPのサイズを約10mm未満の最大寸法を有する粒子に低減する工程と、(c)ポリマー流中の当該rPの各ポリマーを固体分離し、以下を含むプロセスにおいて別々に溶解性ポリマーを含む各ポリマー流を加工する工程と、を含む:(1)約100℃を超える温度及び約150psig(1MPa)を超える圧力において当該溶解性ポリマーを含む当該ポリマー流を抽出する工程であって、当該抽出溶媒が、約70℃未満の標準沸点を有することによって、抽出されたポリマーを生成し、当該抽出可能な材料が、当該rP中の当該抽出可能な材料の当該濃度よりも低い、当該抽出されたポリマーの濃度を有する、工程と、(2)溶解性ベースポリマーが溶解工程溶媒に可溶化するのに十分な温度範囲及び圧力範囲において、当該抽出されたポリマーを当該溶解工程溶媒と接触させることによって、当該溶解性ポリマーを溶解させる工程により、初期懸濁液を生成する工程であって、当該初期懸濁液が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(3)沈降した粒子状添加剤の収集物及び中間懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該初期懸濁液を沈降させる工程であって、当該沈降した粒子状添加剤の収集物が、当該第1の溶解性ポリマーに関連する粒子状添加剤を含み、当該中間懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する沈降していない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(4)最終懸濁液を生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で固体媒体を用いて当該中間懸濁液を精製する工程であって、当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の部分が当該固体媒体によって保持され、当該最終懸濁液が、当該第1の溶解性ベースポリマー溶液中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する保持されていない粒子状添加剤の懸濁液を含む、工程と、(5)分離及び精製された第1の溶解性ポリマーを生成するのに十分な温度範囲及び圧力範囲で当該溶解工程溶媒を当該最終懸濁液から分離する工程であって、当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマーが、当該第1の溶解性ベースポリマーと、当該rP中の当該第1の溶解性ポリマー中の当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤の当該濃度よりも低い濃度で当該分離及び精製された第1の溶解性ポリマー中に分散している当該第1の溶解性ポリマーに関連する当該粒子状添加剤とを含む、工程と、
を含む。
【0164】
サイズ低減工程は、当業者に周知であるように、様々な装置の部品において実施することができる。この工程の装置の部品の非限定的な例は、シュレッダー、クラッシャー、グラインダー、パルべライザー、チョッパー、剪断スリットなどである。
【0165】
本発明の一実施形態では、当該粒子は、約50mm未満の最大寸法を有する。本発明の別の実施形態では、当該粒子は、約25mm未満の最大寸法を有する。本発明の更に別の実施形態では、当該粒子は、約10mm未満の最大寸法を有する。本発明のなお更に別の実施形態では、当該粒子は、約5mm未満の最大寸法を有する。本発明の一実施形態では、当該粒子は、約1mm未満の最大寸法を有する。
【0166】
固体分離工程
本発明の一実施形態では、当該固体分離工程は、重量測定技術を用いて当該rP粒子を当該ポリマーに分離することを含む。本発明の別の実施形態では、当該重力測定技術は、タンク内に供給されたポリマーの密度とタンクの出口で分離されたポリマーの密度との間の密度を有する液体がそれぞれ充填された一連のフロート/シンクタンクを含む。例えば、PETからPPを分離するには、PP及びPET粒子を含有する流れを水(密度1g/mL)を収容するタンクに供給し、この場合、密度約0.905g/mLのPPは浮遊し、密度約1.38g/mLのPETは沈下する。同様に、PEからPPを分離するには、PP及びPE粒子を含有する流れを水中40重量%のイソプロピルアルコール(密度0.926g/mL)を収容するタンクに供給し、この場合、密度約0.905g/mLのPPは浮遊し、密度約0.95g/mLのPEは沈下する。
【0167】
本発明の別の実施形態では、当該固体分離工程は、光学技術を用いて当該rP粒子を当該ポリマーに分離することを含む。
【0168】
図2は、(a)入手工程、(b)サイズ低減工程、(c)固体分離工程、(1)抽出工程、(2)溶解工程、(3)沈降工程、(4)精製工程、及び(5)溶解性ポリマーを含む各ポリマー流の分離工程、に従うプロセスの概略図である。
【0169】
III.試験方法
本明細書に記述される試験方法は、ポリマーを精製するための様々な方法の有効性を測定するのに使用される。具体的には、記載される方法は、色と透光性/明澄度の改善(すなわち、再生ポリマーの色及び不透明度を、着色されていないバージンポリマーに近づける)、元素汚染の低減又は除去(すなわち、重金属の除去)、非可燃性不純物(すなわち、無機充填剤)の低減又は除去、揮発性化合物(特に、再生製品の悪臭の原因となる揮発性化合物)の低減又は除去、並びに、ポリマー不純物(例えば、ポリプロピレン中のポリエチレン不純物)の低減又は除去についての所与の精製方法の有効性を示す。
【0170】
色と不透明度の測定:
ポリマーの色と不透明度/透光性は、ポリマーが、そのポリマーから製造される物品の望ましい視覚的美観を達成できるかどうかを判定する、重要なパラメータである。例えば、再生ポリプロピレン、特に消費者使用後に得られる再生ポリプロピレンは、残留する顔料、充填剤、及び他の不純物に起因して、典型的に色が濃く不透明である。よって、色と不透明度の測定は、ポリマーの精製方法の有効性を判定する重要なパラメータである。
【0171】
色を測定する前に、ポリマー粉末又はペレットのいずれかの試料を、幅30mm×長さ30mm×厚さ1mmの正方形試験標本(角は丸みをおびている)に圧縮成形する。粉末試料は、まず、清潔な未使用のアルミホイル箔を接触剥離層として用いて、ステンレス鋼製プラテンの間で粉末を冷間圧縮してシート状にすることによって、室温(約20〜23℃)で密度を高める。次いで、アルミニウム製プラテン、未使用のアルミホイル箔剥離層、及び上述の寸法の正方形の試験標本に対応する空洞を備えたステンレス鋼製シムを用いて、約0.85gの冷間圧縮した粉末又はペレットのいずれかを、200℃に予熱したCarver Press Model C(Carver,Inc.、Wabash,IN 46992−0554 USA)で試験標本に圧縮する。圧力を印加する前に5分間、試料を加熱する。次いで、5分後、プレス機で、少なくとも2トン(1.81メートリックトン)の水圧で少なくとも5秒間圧縮して、解放する。次いで、成形積層体を取り出し、冷却するために2枚の厚く平らな金属製ヒートシンクの間に置く。次いで、アルミホイル箔接触剥離層を試料から剥がし、廃棄する。少なくとも片側の試料周囲の鋳ばりを型の縁部まで剥がし、次いで、試料を型から押し出す。各試験標本を、空隙/気泡の欠陥について目視評価し、色測定領域(最小直径0.7”(17.78mm))に欠陥のない試料のみを色測定に使用する。
【0172】
各試料の色は、国際照明委員会(International Commission on Illumination、CIE)L、a、bの3次元色空間を用いて特徴付ける。L次元は、試料の明度の尺度であり、L=0は最も暗い黒色試料に対応し、L=100は最も明るい白色試料に対応する。a次元は試料の赤色又は緑色の測定値で、正の値のaは赤色に対応し、負の値のaは緑色に対応する。b次元は、試料の青色又は黄色の尺度であり、正の値のbは青色に対応し、負の値のbは黄色に対応する。各幅30mm×長さ30mm×厚さ1mmの正方形の試験標本試料のL値を、HunterLabモデルLabScan XE分光光度計(Hunter Associates Laboratory,Inc.、Reston,VA 20190−5280,USA)で測定する。この分光光度計は、標準光源としてD65を備え、観測角度10°、視野面積直径1.75”(44.45mm)、及びポート直径0.7”(17.78mm)で構成されている。
【0173】
各試料の不透明度は、試料をどれだけの光が通過するかの尺度(すなわち、試料の透光性の尺度)であり、これは上述のHunterLab分光光度計で、コントラスト比不透明度モードを用いて決定される。各試料の不透明度を決定するために、2つの測定を行う。1つは、白色背景での試料の明度値Y白色背景を測定し、もう1つは、黒色背景での試料の明度値Y黒色背景を測定するものである。次いで、以下の式3を使用して、明度値から不透明度を計算する。
【0174】
【数1】
【0175】
元素分析:
再生ポリマーの資源の多くが、許容できないほど高濃度の重金属汚染を有している。重金属、例えば、鉛、水銀、カドミウム、及びクロムの存在は、例えば食品若しくは薬剤接触用途又は医療機器用途などの特定の用途において再生ポリマーを使用することを妨げる場合がある。よって、重金属の濃度の測定は、ポリマーの精製方法の有効性を判定する際に重要である。
【0176】
元素分析は、誘導結合プラズマ質量分析(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry、ICP−MS)を使用して実施する。試料の入手可能性に応じてn=2〜n=6で、約0.25gの試料を、4mLの濃硝酸及び1mLの濃フッ化水素酸(hydrofluoric acid、HF)と合わせることによって試験溶液を調製した。20分間で125℃まで上昇、10分間で250℃まで上昇、20分間250℃で維持からなるUltrawave Microwave Digestionプロトコルを用いて試料を分解する。分解された試料を室温まで冷却する。内部標準として100ppmのGe及びRhを0.25mL添加した後、分解された試料を50mLに希釈する。測定の精度を評価するため、バージンポリマーにスパイクを行うことにより、分解前スパイクを調製する。バージンポリマースパイク試料を、上述と同じ手順を用いて量り取り、適切な量の以下:Na、Al、Ca、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Cd、及びPbを含む対象の各単一元素標準でスパイクを行う。スパイクは、「低濃度スパイク」及び「高濃度スパイク」の2つの異なるレベルで調製する。各スパイクは、トリプリケートで調製する。バージンポリマーのスパイクに加えて、ピペッティング中にエラーが生じていないことを確認し、プロセス全体を通して回収を追跡するために、ブランクにもスパイクを行う。ブランクにスパイクを行った試料も、2つの異なる濃度でトリプリケートで調製し、スパイクされたバージンポリマー及び試験試料と同じ方法で処理する。Na、Al、Ca、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Cd、及びPbを含有する0.05、0.1、0.5、1、5、10、50、100、及び500ppb溶液を作製することによって、9点較正曲線を作成する。較正標準は全て、未希釈の標準参照溶液と、内部標準としての100ppmのGe及びRh 0.25mLとを4mLの濃硝酸及び1mLの濃HFで希釈することによって調製する。調製した標準、試験試料、及びスパイクを行なった試験試料を、製造業者の推奨に従って最適化したAgilentの8800 ICP−QQQMSを使用して分析する。各標本についてモニタリングされたm/z、及び分析に使用した衝突セルガスは、以下のとおりである:23m/z、H;Al、27m/z、H;Ca、40m/z、H;Ti、48m/z、H;Cr、52m/z、He;Fe、56m/z、H;Ni、60m/z;ガスなし;Cu、65m/z、ガスなし;Zn、64m/z、He;Cd、112m/z;H;Pb、206≧206、207≧207、208≧208m/zの合計、ガスなし;Ge、72m/z、全モード;Rh、103m/z、全モード。Geを<103m/zの全元素に対する内部標準として使用し、Rhを>103m/zの全元素に対する内部標準として使用する。
【0177】
残留灰分:
再生ポリマーの資源の多くが、様々な充填剤、例えば炭酸カルシウム、タルカム、及びガラス繊維などを含んでいる。これら充填剤は、再生ポリマーの元の用途では有用であるが、再生ポリマーの次の用途にとっては望ましくない可能性があるようにポリマーの物性を変化させる。よって、充填剤の量の測定は、ポリマーの精製方法の有効性を判定する際に重要である。
【0178】
試料中の非可燃性材料(時に、灰分とも呼ばれる)の量を定量するために、熱重量分析(Thermogravimetric analysis、TGA)を実施する。約5〜15mgの試料をプラチナ製試料皿に載せ、TA InstrumentsモデルQ500 TGA機器において、空気雰囲気下で20℃/分の速度で700℃まで加熱する。試料を、700℃で10分間等温で保持する。等温保持後、残留質量率を700℃で測定する。
【0179】
臭い分析:
20mLのガラスバイアル瓶に約3gの各試料を入れ、室温で少なくとも30分間平衡化することによって、臭気感覚分析を行う。平衡化後、各バイアルを開け、訓練された採点者がヘッドスペースを嗅ぎ(ウサギのように嗅ぎ)、臭い強度及び記述子プロファイルを決定する。臭い強度を以下の尺度に従って評価する:5=非常に強い、4=強い、3=中程度、2=弱い〜中程度、1=弱い、0=臭いなし。
【0180】
ポリマー混入分析:
再生ポリマーの資源の多く、特に混合物流の資源に由来する再生ポリマーは、望ましくないポリマー不純物を含んでいる場合がある。理論に束縛されるものではないが、ポリマー不純物(例えば、ポリプロピレン中のポリエチレン混入)は、異種相の存在とそれによる弱い相互作用によって、ポリマーの物理的特性に影響を与える可能性がある。更に、ポリマー不純物はポリマーの不透明度を高めることもあり、色に影響することがある。よって、ポリマー不純物の量の測定は、ポリマーの精製方法の有効性を判定する際に重要である。
【0181】
示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimetry、DSC)を用いて、準結晶質ポリマー不純物を評価する。PP中のPE不純物の量を測定するために、Pro−fax 6331ポリプロピレン(LyondellBasell Industries Holdings,B.V.)中に2、4、6、8、及び10重量%のFormolene(登録商標)HB5502F HDPE(Formosa Plastics Corporation,USA)を含む5つのPP/PEブレンドのセットを調製する。約5〜15mgの各試料をアルミニウム製DSC皿に密封し、以下の方法を用いてTA InstrumentsモデルQ2000 DSCで分析する:30.00℃で平衡化する、20.00℃/分で200.00℃にする、サイクル0の終わりの印を付ける、20.00℃/分で30.00℃にする、サイクル1の終わりの印を付ける、20.00℃/分で200.00℃にする、サイクル2の終わりの印を付ける、20.00℃/分で30.00℃にする、サイクル3の終わりの印を付ける、5.00℃/分で200.00℃にする、及びサイクル4の終わりの印を付ける。
【0182】
5.00℃/分DSCサーモグラムを使用して、既知のHDPE含量の各試料について、128℃前後のHDPEピークの融解エンタルピーを計算する。融解エンタルピーを既知のHDPE濃度(重量%)に対してプロットすることにより、線形の較正曲線が確立される。
【0183】
未知のPE含量を有する試料を、同じ上述のDSC装置及び方法を使用して分析する。上述の較正曲線を使って、PE含量を計算する。較正曲線を生成するのに使用した具体的なHDPEは、回収されたポリプロピレン試料中に存在し得るポリエチレン(又はポリエチレンブレンド)混入に比べて、異なる度合の結晶化度を有する可能性が非常に高い。結晶化度は、測定されたポリエチレンの融解エンタルピーに独立に影響を及ぼす可能性があり、よって、結果として得られるポリエチレン含有量の計算にも影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、本明細書に記述されるDSC試験は、ポリマーを精製する様々な方法の有効性を比較するための相対的な指標として用いるためのものであり、ポリマーブレンド中のポリエチレン含有量の厳密な定量を意図するものではない。上述の方法は、PP中のPE混入の測定について説明したが、この方法は、DSCサーモグラムにおいて異なる温度範囲及びピークを使用した他の準結晶質ポリマーの測定にも適用することができる。更に、核磁気共鳴(NMR)分光法などの別の方法を使用して、試料中の準結晶質ポリマーと非晶質ポリマー両方の不純物の量を測定することもできる。
【0184】
相互参照されるか若しくは関連する任意の特許又は特許出願を含めた、本明細書で引用される全ての文書は、明示的に除外又は別途限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独でも若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示、示唆、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0185】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本特許の範囲内にある、そのような変更及び修正の全てを添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2