特許第6853375号(P6853375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853375
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】皮膚注入用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/20 20060101AFI20210322BHJP
   A61L 27/52 20060101ALI20210322BHJP
   A61L 27/54 20060101ALI20210322BHJP
   A61L 27/58 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 38/18 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20210322BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/245 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/46 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/4525 20060101ALI20210322BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20210322BHJP
   C08B 37/08 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 211/60 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 451/12 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 405/04 20060101ALN20210322BHJP
   C07D 295/088 20060101ALN20210322BHJP
【FI】
   A61L27/20
   A61L27/52
   A61L27/54
   A61L27/58
   A61K47/36
   A61K31/728
   A61K38/18
   A61K9/06
   A61P17/00
   A61K31/245
   A61K31/445
   A61K31/46
   A61K31/4525
   A61K31/167
   !C08B37/08 Z
   !C07D211/60
   !C07D451/12
   !C07D405/04
   !C07D295/088
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-547637(P2019-547637)
(86)(22)【出願日】2018年2月27日
(65)【公表番号】特表2020-508789(P2020-508789A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】KR2018002401
(87)【国際公開番号】WO2018159984
(87)【国際公開日】20180907
【審査請求日】2019年8月28日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0026489
(32)【優先日】2017年2月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515207651
【氏名又は名称】シージー バイオ カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519313138
【氏名又は名称】ディーエヌカンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】513074792
【氏名又は名称】デーウン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジ・スン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ス・ヒョン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ハク・ス・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ウン・チュ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ヨン・ジュン
【審査官】 藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−525541(JP,A)
【文献】 特表2013−530785(JP,A)
【文献】 特表2015−529268(JP,A)
【文献】 特開2014−237719(JP,A)
【文献】 特表2011−529763(JP,A)
【文献】 特開2018−177818(JP,A)
【文献】 特開2016−000350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・IPC
A61L 27/20
A61K 9/06
A61K 31/167
A61K 31/245
A61K 31/445
A61K 31/4525
A61K 31/46
A61K 31/728
A61K 38/18
A61K 47/36
A61L 27/52
A61L 27/54
A61L 27/58
A61P 17/00
C07D 211/60
C07D 295/088
C07D 405/04
C07D 451/12
C08B 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の架橋ヒアルロン酸粒子、前記第1の架橋ヒアルロン酸粒子と粒径が異なる第2の架橋ヒアルロン酸粒子及び非架橋ヒアルロン酸を含み、
前記第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び第2の架橋ヒアルロン酸粒子の重量比は、1:0.5以上ないし2.5未満であり、
前記第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び非架橋ヒアルロン酸の重量比は、1:0.1以上ないし1.2以下であり、
第1の架橋ヒアルロン酸粒子の平均粒径は、10ないし250μmであり、
第2の架橋ヒアルロン酸粒子の平均粒径は、700ないし1500μmである、皮膚注入用組成物。
【請求項2】
第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び第2の架橋ヒアルロン酸粒子の重量比は、1:0.5以上ないし1.5未満であり、
第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び非架橋ヒアルロン酸の重量比は、1:0.1以上ないし0.5未満である、請求項1に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項3】
第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子又は非架橋ヒアルロン酸の分子量は、100万ないし150万Daである、請求項1に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項4】
第1の架橋ヒアルロン酸粒子または第2の架橋ヒアルロン酸粒子の架橋度は、10ないし20mol%である、請求項1に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項5】
第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子及び非架橋ヒアルロン酸は、全体の組成物100重量部対比1ないし10重量部で含まれるものである、請求項1に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項6】
上皮成長因子(EGF)をさらに含む、請求項1に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項7】
上皮成長因子(EGF)は、全体の組成物100重量部対比0.0001ないし0.002重量部で含まれるものである、請求項に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項8】
麻酔剤の成分をさらに含む、請求項1に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項9】
麻酔剤の成分は、注入用組成物100重量部対比0.1ないし1重量部で含まれるものである、請求項に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項10】
皮膚注入用組成物は、下記の理化学的特徴を有するものである、請求項1に記載の皮膚注入用組成物。
(a)外観に気泡がなく、無色、透明で、
(b)pHが7±1であり、
(c)粘度が40,000ないし90,000cPであり、
(d)浸透圧が平均0.325Osmol/kg±10%であり、
(e)押出力が30N以下であり、
(f)弾性値は、65ないし90であり、
(g)位相角(Phase angle)は、8ないし30である。
【請求項11】
皮膚注入用組成物は、粘度が60,000ないし80,000cPである、請求項10に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項12】
皮膚注入用組成物は、押出力が25N以下である、請求項10に記載の皮膚注入用組成物。
【請求項13】
皮膚注入用組成物は、弾性値が75ないし85であり、位相角が10ないし20である、請求項10に記載の皮膚注入用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚注入用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸は、透明で粘性のあるゲルタイプの製品で、生体分解性があり、親水性の高い物質であり、1分子当たり214個の水分子を引き寄せる特性があり、肌の水分を維持し、皮膚のボリュームと弾力性を維持するのに重要な役割を果たす。したがって、ヒアルロン酸を成分とするフィラーが顔のハリ復元、浅い輪郭の改善、顔のしわの緩和、及び全般的な顔面輪郭手術に用いられる傾向にある。
【0003】
しかし、天然のヒアルロン酸の構造は、半減期が1ないし2日に過ぎないので、フィラーに使用されるヒアルロン酸は、皮膚で長期間維持させるために、架橋結合(cross−linking)状態で作製される。このような架橋結合は、分解酵素によるヒアルロン酸の破壊を防止し、粘性を高めてボリューム感を形成できるようにする(ソンイソプの他、大韓皮膚科学会誌2014;52(2):100〜105)。
【0004】
現在販売されているヒアルロン酸フィラーは、単相性(monophasic)又は二相性(biphasic)の形態を有している。単相性フィラーは、全体が均質なゲルからなっており、粘性が高く、注入しやすく、繊細な形状を作製するのに有用である。二相性フィラーは、ゲルをふるいにかけて粒子状に作製したものであるため、弾性が高くて形状維持とボリューム増大という長所がある。
【0005】
一方、理想的な生体内の特性と手術の有用性を示すフィラーの開発に対する研究が続いている。しかし、生体内で安定性に優れたヒアルロン酸フィラーは、剛性が大きく、粘性が高いので、微細なゲージの針を介した注射が困難な場合もある。また、微細なゲージの針を介して注入が容易なヒアルロン酸フィラーは、生体内で安定性の低い問題が発生し得る。これに粘性と弾性が全て優れたヒアルロン酸フィラーが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、粒径が互いに異なる2以上の架橋ヒアルロン酸粒子及び非架橋ヒアルロン酸を含む皮膚注入用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、第1の架橋ヒアルロン酸、前記第1の架橋ヒアルロン酸と粒径が異なる第2の架橋ヒアルロン酸及び非架橋ヒアルロン酸を含み、
前記第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び第2の架橋ヒアルロン酸粒子の重量比は、1:0.5以上ないし2.5未満であり、
前記第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び非架橋ヒアルロン酸の重量比は、1:0.1以上ないし1.2以下である皮膚注入用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による皮膚注入用組成物は、皮膚注入のための粘度、押出力、及び粘弾性の条件を満たし、押出力の偏差が少なくて組成物の皮膚注入時にユーザーが疲労度を感じない。
【0009】
また、粘弾性及び組織修復能に優れており、持続期間が長く維持され、初期の腫れの程度が低くて回復速度が速く、体内安全性及び安定性に優れた効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、第1の架橋ヒアルロン酸、前記第1の架橋ヒアルロン酸と粒径が異なる第2の架橋ヒアルロン酸及び非架橋ヒアルロン酸を含む皮膚注入用組成物に関する。
【0011】
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
【0012】
本発明において、皮膚注入用組成物は、フィラー組成物として表現できる。
【0013】
本発明において、数値は、以上、以下又は超過、未満に限定したが、他の記載がない限り、以上または以下を示す。
【0014】
本発明の皮膚注入用組成物において第1の架橋ヒアルロン酸及び第2の架橋ヒアルロン酸の重量比は、1:0.5以上ないし2.5未満であってもよく、具体的に、1:0.5以上ないし1.5未満であってもよい。
【0015】
また、第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び非架橋ヒアルロン酸の重量比は、1:0.1以上ないし1.2以下であってもよく、具体的に、1:0.1以上ないし0.5未満であってもよい。
【0016】
前記範囲で皮膚注入用組成物が要求する粘度、押出力、及び粘弾性などの物性を満たすことができる。
【0017】
ヒアルロン酸は、β−D−N−アセチルグルコサミン(N−Acetylglucosamine)とβ−D−グルクロン酸(Glucuronic Acid)が交互に結合された直鎖状の高分子であり、本発明では、ヒアルロン酸そのもの、これらの塩、又はこれらの組み合わせをすべて含む意味として使用され得る。前記ヒアルロン酸の分子量は、100,000ないし5,000,000Da、又は1,000,000ないし1,500,000Daであってもよいが、これに制限されるものではない。前記ヒアルロン酸の塩には、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸コバルトなどの無機塩と、ヒアルロン酸テトラブチルアンモニウムなどの有機塩がすべて含まれていてもよい。本発明において、ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸そのもの、またはこれらの塩を単独で、又はヒアルロン酸そのもの、またはこれらの塩を2種以上組み合わせて使用し得る。前記ヒアルロン酸又はこれらの塩は、微生物から分離されたり、合成、または購入したものであってもよいが、これに制限されるものではない。一例として、前記ヒアルロン酸は、ストレプトコッカス(Streptococcus)属微生物(Streptocossus equi、Streptococcus zooepidemicus)から分離、精製されたものであってもよい。
【0018】
本発明において、架橋ヒアルロン酸粒子は、架橋ヒアルロン酸水和粒子と同一の意味として使用され得る。例えば、ヒアルロン酸がヒドロキシル基を介して共有結合架橋反応を実現したことを意味しうる。ヒアルロン酸の含水率又は架橋率は、当業界で用いられる一般的な方法で調節されることができ、例えば、10ないし20mol%、又は10ないし15mol%であってもよい。
【0019】
前記ヒアルロン酸粒子は、結合剤によって架橋されたものであってもよい。前記結合剤は、これに制限されるものではないが、エチレングリコールジグリシジルエーテル(ethylene glycol diglycidyl ether:EGDGE)、ブタンジオールジグリシジルエーテル(1,4-butandiol diglycidyl ether:BDDE)、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(1,6-hexanediol diglycidyl ether)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(propylene glycol diglycidyl ether)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(polypropylene glycol diglycidyl ether)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(diglycerol polyglycidyl ether)、EDC(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide)、DVS(divinyl sulfone)、BCDI(biscarbodiimidie)、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0020】
本発明の皮膚注入用組成物(以下、ヒアルロン酸組成物ということがある。)は、粒径が互いに異なる2以上の架橋ヒアルロン酸粒子を含む。
【0021】
本発明において、第1の架橋ヒアルロン酸粒子は、第2の架橋ヒアルロン酸粒子に比べて弾性が低く凝集性が高い。例えば、第1の架橋ヒアルロン酸粒子は、0.01Hzないし1Hz(振動数、frequency)で300Pa未満のG’値を示し、0.3以上のtanδ値を持つものであってもよい。
【0022】
前記tanδ値は、G”/G’値(damping factor)で、物質が固体、液体の内どちらに近いかを示す数値である。このとき、G’は、貯蔵弾性係数を示し、G”は、損失弾性係数を示す。周波数0.01ないし1Hzの範囲でtanδの値が1に近いほど溶液状態(弾性が低い)であり、0に近いほど弾性が高い弾性体として定義できる。また、tanδ値が低く、弾性値の割合(percentage elasticity、100×G’/(G’+G”))が高いほどフィラーの持続期間が長いものと予想されると報告されている。
【0023】
前記第1の架橋ヒアルロン酸粒子の平均粒径は、10ないし250μmであってもよく、具体的に、20ないし200μm、50ないし150μm、80ないし130μm、20ないし100μm、100ないし200μm、200ないし250μm、50ないし100μm、又は150ないし200μmであってもよい。
【0024】
本発明において、平均粒径は、D50(50%Diameter of Particle)として百分位数で表現された粒度分布曲線に粒子の体積が50%に存在する時点で測定された粒子のサイズを意味する。このような平均粒径は、粒度分析器(Malvern、MS3000)を使用して測定し、このとき、分散溶媒として水を使用する。すなわち、平均粒径は、水和された架橋ヒアルロン酸粒子の粒径を示す。
【0025】
本発明において、第2の架橋ヒアルロン酸粒子は、前記粒子のサイズに応じて物性が調節される。前記第2の架橋ヒアルロン酸粒子は、第1の架橋ヒアルロン酸に比べて粘性が低く、弾性に優れる。例えば、第2の架橋ヒアルロン酸粒子は、0.01Hzないし1Hzで300Pa以上のG’値を示し、0.3未満のtanδ値を持つものであってもよい。
【0026】
前記第2の架橋ヒアルロン酸の平均粒径は、700ないし1500μm、又は800ないし1400μmであってもよく、具体的に、800ないし1300μm、1000ないし1200μm、700ないし1200μm、1200ないし1500μm、700ないし1000μm、又は1000ないし1500μmであってもよい。
【0027】
本発明による皮膚注入用組成物は、非架橋ヒアルロン酸を含む。前記非架橋ヒアルロン酸は、ソリューションの剤形として皮膚注入用組成物に流動性を付与することができる。
【0028】
本発明で水和された第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸は、全体の組成物100重量部対比1ないし10重量部で含まれていてもよい。
【0029】
本発明による皮膚注入用組成物は、前述した成分の他に上皮成長因子(EGF)をさらに含むことができる。前記EGFは、皮膚に注入されてコラーゲン、繊維芽細胞、及びエラスチンの生成を増加させて、例えば、組織修復の効果を増大させることができる。
【0030】
前記上皮成長因子(EGF)は、全体の組成物100重量部対比0.0001ないし0.002重量部で含まれていてもよい。
【0031】
また、本発明による皮膚注入用組成物は、麻酔剤の成分をさらに含むことができる。前記麻酔剤は、組成物の注入時に経験することになる痛みを緩和させることができる。
【0032】
このような麻酔剤の成分は、これに制限されるものではないが、アムブカイン(ambucaine)、アモラノン(amolanone)、アミロカイン(amylocaine)、ベノキシネート(benoxinate)、ベンゾカイン(benzocaine)、ベトキシカイン(betoxycaine)、ビフェナミン(biphenamine)、ブピバカイン(bupivacaine)、ブタカイン(butacaine)、ブタンベン(butamben)、ブタニリカイン(butanilicaine)、ブテタミン(butethamine)、ブトキシカイン(butoxycaine)、カルチカイン(carticaine)、クロロプロカイン(chloroprocaine)、コカエチレン(cocaethylene)、コカイン(cocaine)、シクロメチカイン(cyclomethycaine)、ジブカイン(dibucaine)、ジメチソキン(dimethysoquin)、ジメトカイン(dimethocaine)、ジペロドン(diperodon)、ジシクロニン(dycyclonine)、エクゴニジン(ecgonidine)、エクゴニン(ecgonine)、エチルクロライド(ethyl chloride)、エチドカイン(etidocaine)、ベータ−オイカイン(beta−eucaine)、ユープロシン(euprocin)、フェナルコミン(fenalcomine)、フォルモカイン(formocaine)、ヘキシルカイン(hexylcaine)、ヒドロキシテトラカイン(hydroxytetracaine)、イソブチルp−アミノ安息香酸塩(isobutyl p−aminobenzoate)、ロイシノカインメシレート(leucinocaine mesylate)、レボキサドロール(levoxadrol)、リドカイン(lidocaine)、メピバカイン(mepivacaine)、メプリルカイン(meprylcaine)、メタブトキシカイン(metabutoxycaine)、メチルクロライド(methyl chloride)、ミールテカイン(myrtecaine)、ネーパイン(naepaine)、オクタカイン(octacaine)、オルトカイン(orthocaine)、オキセサゼイン(oxethazaine)、パレトキシカイン(parethoxycaine)、フェナカイン(phenacaine)、フェノール(phenol)、ピペロカイン(piperocaine)、ピリドカイン(piridocaine)、ポリドカノール(polidocanol)、プラモキシン(pramoxine)、プリロカイン(prilocaine)、プロカイン(procaine)、プロパノカイン(propanocaine)、プロパラカイン(proparacaine)、プロピポカイン(propipocaine)、プロポキシカイン(propoxycaine)、スードコカイン(psuedococaine)、ピロカイン(pyrrocaine)、ロピバカイン(ropivacaine)、サリチルアルコール(salicyl alcohol)、テトラカイン(tetracaine)、トリカイン(tolycaine)、トリメカイン(trimecaine)、ゾラミン(zolamine)、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0033】
前記麻酔剤の成分は、注入用組成物100重量部対比0.1ないし1重量部で含むことができる。
【0034】
本発明による組成物は、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液及び/又は静菌剤などの他の通常の添加剤、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、潤滑剤などを付加的に添加して使用することができる。
【0035】
本発明による皮膚注入用組成物は、下記の理化学的特徴を持つことができる。
【0036】
(a)外観に気泡がなく、無色、透明で、
(b)pHが7±1であり、
(c)粘度が40,000ないし90,000cPであり、
(d)浸透圧が平均0.325Osmol/kg±10%であり、
(e)押出力が30N以下であり、
(f)弾性値は、75ないし85であり、
(g)位相角(Phase angle)は、8ないし30である。
【0037】
粘度(viscosity)とは、流体の流れに対する抵抗を意味する粘性の大きさを表す量である。粘度が大きいほど手術の容易性が大きく、繊細な形状を作製するのに有用である。例えば、単相性ヒアルロン酸フィラーは、粘度が大きいため、注入しやすく、繊細な形状を作製するのに有用である。本発明において、粘度は、Brookfield社のDV3Tを使用して後述する実験例の条件によって測定することができる。
【0038】
本発明において、皮膚注入用組成物の粘度は、40,000ないし90,000cP、又は60,000ないし80,000cPであってもよい。
【0039】
押出力は、患者に快適な注射速度における押出力を意味する。「患者に快適な」とは、皮膚に注射時、患者に傷害や過度の痛みを引き起こさない注射速度を定義するのに使用される。本発明で使用される「快適さ」は、患者の快適さだけでなく、医師や医療専門家が組成物を注射するにあたっての快適さ、又は能力を含む。本発明において押出力は、TestOne社のTO−101−161を使用して、後述する実験例の条件によって測定することができる。一般的に、低い押出力を持つことが組成物の注入時に圧痛がなく、コントロールが容易である。
【0040】
本発明において、皮膚注入用組成物の押出力は、30N以下または25N以下であってもよい。
【0041】
粘弾性(viscoelasticity)は、物体に力を加えたとき、液体としての性質と固体としての性質が同時に現れる現象を意味する。本発明において、粘弾性は、レオメーターを用いて後述する実験例の条件によって測定できるが、具体的に、レオメーターを用いて組成物が加わる力に対して抵抗する力と消失する力を測定して、損失弾性係数、貯蔵弾性係数、及び位相角を示すことができる。
【0042】
貯蔵弾性係数(elastic modulus、G’)とは、弾性体が弾性限界内で持つ応力と変形の比を意味する。前記貯蔵弾性係数が大きいほど組成物が硬く、変形に対して抵抗する能力が高まる。
【0043】
本発明において、皮膚注入用組成物の貯蔵弾性係数は、250ないし900、又は500ないし800であってもよい。
【0044】
損失弾性係数(viscous modulus、G”)とは、失われたエネルギーの尺度として物質の粘性成分を意味する。
【0045】
本発明において、皮膚注入用組成物の損失弾性係数は、120ないし200、又は130ないし160であってもよい。
【0046】
また、弾性値は、損失弾性係数及び損失弾性係数値を介して下記式により計算できる。前記弾性値が高いほど組織修復力に優れており、フィラーの持続期間が長くなる。
【0047】
弾性値=(100×G’/(G’+G”))
【0048】
本発明において、皮膚注入用組成物の弾性値は、65ないし90、又は75ないし85であってもよい。
【0049】
また、位相角(Phase angle)は、組成物が液体に近いか、固体に近いかを示す尺度である。前記位相角の値が小さいほど固体の性質を有し、大きいほど液体の性質を有する。位相角が高いと、外部から力が加わったり、表情による変形が発生したとき、元の状態への回復が遅くなり、元の形態を維持できず、位相角が小さいほど外部の変形要素から直ちに反応してG”値が小さくなるので、流体の性質よりもさらに弾性体に近くなって周辺に流れず、元の形態を持続的に維持できる。したがって、弾性値と位相角値を適切に維持することは、皮膚注入用組成物において非常に重要である。
【0050】
本発明において、皮膚注入用組成物の位相角は、8ないし30、又は10ないし20であってもよい。
【0051】
本発明による皮膚注入用組成物は、当業界の一般的な方法を通じて製造されてもよい。
【0052】
また、本発明は、前述した皮膚注入用組成物を哺乳類に投与する段階を含む組織修復方法を提供する。
【0053】
前記哺乳類は、人間であってもよい。
【0054】
組織修復とは、組成物の注入によって、一時的または半永久的に身体の皮膚のしわを改善又は修復したり、輪郭の改善、組織の体積感を形成、又は傷跡の治癒などの組織を再生することを意味しうる。前記皮膚及び組織は、顔面、胸、お尻、性器、及び他の身体部位を示す。
【0055】
特に、本発明の皮膚注入用組成物は、WSRS基準によるユーザーのしわの度合いによって選択的に使用することができる。前記WSRSは、Wrinkle Severity Rating Scaleの略字であり、人のしわの度合いを5段階(Grade1ないし5)に分けて区分する。前記Grade1ないし5は、それぞれabsent(なし)、mild(浅い)、moderate(中間)、severe(深い)、及びextreme(非常に深い)を示す。WSRS及び各等級に対する具体的な内容は、Am J Clin Dermatol 2004;5(1):49−52 1175−0561に記載されており、本発明は、前記文献に提示された方法を用いてWSRSを評価することができる。
【0056】
一方、食品医薬品安全処でも2017年12月に発行した成形用フィラーの許可・審査ガイドライン−ヒアルロン酸原材料を中心に−を介してしわの度合いをWSRSによって浅い(mild)、中間(moderate)、深い(severe)、及び非常に深い(extreme)シワに区分しており、成形用フィラーの使用目的にしわの度合いを記載することを提案している。
【0057】
本発明による組成物は、WSRSでGrade3の中間(moderate)しわ、又はGrade4の深い(severe)シワに使用することができる。
【0058】
また、前記皮膚注入用組成物は、シリンジに充填されて、皮膚層に注入されてもよい。
【0059】
皮膚層は、表皮(epidermis)、真皮(dermis)、皮下(hypodermis)に区分される。本発明の皮膚注入用組成物は、真皮層(mid dermal)又は深い真皮層(deep dermal)に注入され得る。
【0060】
発明の実施のための形態
以下、本発明を実施例を通じて詳細に説明する。下記の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。本実施例は、本発明の開示が完全なようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【実施例】
【0061】
参考例.物性測定
(1)粘度測定
大韓薬典一般試験法のうち、粘度測定法によって粘度を測定した。
具体的に、試料組成物500ulを粘度測定器(DV3T、Brookfield)のサンプルカップにロードし、CP−52のサンプルカップに装着した後、スピンドルの回転速度を2rpmに設定して粘度を測定した。
【0062】
(2)押出力測定
万能材料試験機(T0−101−161、TestOne)を用いて圧縮試験を行った。
具体的に、試料組成物を注射器に充填し、前記注射器に27G1/2インチの注射針を装着した後、治具にセットした。その後、速度50mm/min、変位25mmを設定した後、圧縮試験を行った。
【0063】
(3)粘弾性測定
レオメーター(rheometer)を使用して流動学的特性を測定した。
具体的に、平行板の間に試料を置いて平行板を振動回転させながら加わる力に対して、抵抗する力と消失する力を測定して、試料の貯蔵弾性係数(G’)、損失弾性係数(G”)、phase angle(位相角)を測定した。
【0064】
レオメーターの分析条件は、下記の通りである。
Frequency:1Hz
Temperature:25℃
Strain:5%
Measuring geometry:20mm plate
Measuring gap:0.5mm
Measuring mode:Oscillation mode
【0065】
また、測定されたG’及びG”値を参照して、下記式で弾性値を計算した。
【0066】
弾性値=(100×G’/(G’+G”))
【0067】
製造例.皮膚注入用組成物の製造
(1)第1の架橋ヒアルロン酸粒子の製造
ヒアルロン酸ナトリウム(sodium hyaluronic acid)10g、精製水81g、1M NaOH(1M水酸化ナトリウム)9gを真空状態で400rpmで粒がなく透明な状態のゲルになるまで攪拌した。その後、架橋剤(BDDE、ブタンジオールジグリシジルエーテル)0.5gを追加して攪拌した。攪拌が完了した後、容器を密封して、80rpm、50℃の条件で1時間架橋反応させた。以後、27℃の条件で16時間放置してゲルを製造した。
【0068】
以後、残留試薬の除去のために、前記得られたゲルを0.9X濃度のPBS(Phosphate BufferedSaline)溶液30Lに入れた後、3時間ごとに新しい溶液に替えた(3回/1日、5日間)。以後、これをmortar grinder(RS200、Retsch)に40分間通過させて第1の架橋ヒアルロン酸粒子を製造した。
【0069】
前記製造された第1の架橋ヒアルロン酸粒子は、約200μmの平均粒径を有した。
【0070】
(2)第2の架橋ヒアルロン酸粒子の製造
ヒアルロン酸ナトリウム(sodium hyaluronic acid)20g、精製水117g、1M NaOH(1M水酸化ナトリウム)13gを、真空状態で400rpmで粒がなく透明な状態のゲルになるまで攪拌した。その後、架橋剤(BDDE、ブタンジオールジグリシジルエーテル)1gを追加して攪拌した。攪拌が完了した後、容器を密封して80rpm、50℃の条件で1時間架橋反応させた。以後、27℃の条件で16時間放置してゲルを製造した。
【0071】
以後、残留試薬の除去のために、前記得られたゲルを0.9X濃度のPBS(Phosphate BufferedSaline)溶液30Lに入れた後、3時間ごとに新しい溶液に替えた(3回/1日、5日間)。以後、これを500μmのStandard test sieveに通過させて第2の架橋ヒアルロン酸粒子を製造した。
【0072】
前記製造された第2の架橋ヒアルロン酸粒子は、約800ないし1500μmの平均粒径を有した。
【0073】
(3)非架橋ヒアルロン酸の製造
ヒアルロン酸ナトリウム(sodium hyaluronic acid)2gを精製水100gに添加し、攪拌して2%の非架橋ヒアルロン酸を製造した。
【0074】
(4)ヒアルロン酸組成物の製造
前記(1)で製造した第1の架橋ヒアルロン酸粒子、(2)で製造した第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸を下記表1の含量(g)及び含量比で混合してヒアルロン酸組成物を製造した。
【0075】
実施例1.第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸のうち、1つ又は2つの成分のみを含むヒアルロン酸組成物に対する物性評価
(1)ヒアルロン酸組成物の製造_比較製造例2−1ないし2−10
第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸をすべて含む組成物の比較例として、第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸の含量(g)及び含量比を下記表1のようにしてヒアルロン酸組成物を製造し、その他の条件は、製造例と同様にした。
【0076】
【表1】
【0077】
(2)物性測定
比較製造例2−1ないし2−10のヒアルロン酸組成物の粘度、押出力、及び粘弾性の測定結果を下記表2及び3に示した。
【0078】
【表2】
【0079】
前記表2に示すように、第1の架橋ヒアルロン酸粒子又は第2の架橋ヒアルロン酸粒子を1つのみ含む組成物は、低すぎる粘度を有したり、高すぎる粘度を有するので、フィラー組成物として適していない。
【0080】
また、第1または第2の架橋ヒアルロン酸粒子を含み、非架橋ヒアルロン酸を含まない場合、粘度及び/又は押出力が高くてフィラーの組成物としての使用に適していない。特に、非架橋ヒアルロン酸は、潤滑役割を果たすので、前記非架橋ヒアルロン酸を使用しない比較製造例は、施術の際、押出力値の変動幅が大きくなり、皮膚注入に困難性があり、圧痛を感じることになるおそれがある。
【0081】
【表3】
【0082】
また、前記表3に示すように、第1及び第2の架橋ヒアルロン酸粒子を含み、非架橋ヒアルロン酸を含まない場合、6以下の低い位相角を持って皮膚注入用組成物として適しておらず、第2の架橋ヒアルロン酸及び非架橋ヒアルロン酸を含む場合(比較製造例2−9及び2−10)、高い位相角を持って皮膚注入用組成物として適していない。
【0083】
すなわち、第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸をすべて含む場合、物性に優れているので、皮膚注入用に適したヒアルロン酸組成物を製造しうる。
【0084】
実施例2.第1の架橋ヒアルロン酸粒子及び第2の架橋ヒアルロン酸粒子の割合によるヒアルロン酸組成物に対する物性評価
(1)ヒアルロン酸組成物の製造_製造例1−1ないし1−4および比較製造例1−5ないし1−10
第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸の含量(g)及び含量比を下記表4のようにしてヒアルロン酸組成物を製造した。
【0085】
【表4】
【0086】
(2)物性測定
製造例1−1ないし1−4及び比較製造例1−5ないし1−10のヒアルロン酸組成物の粘度、押出力及び粘弾性の測定結果を下記の表5及び6に示した。
【0087】
【表5】
【0088】
前記表5に示すように、第2の架橋ヒアルロン酸の重量比が、第1の架橋ヒアルロン酸1対比3ないし5である比較製造例1−5ないし1−10の場合、粘度は、10,000cP以上で高く測定されてフィラー組成物としての使用に適していない。
【0089】
【表6】
【0090】
また、前記表6に示すように、第2の架橋ヒアルロン酸の重量比が、第1の架橋ヒアルロン酸1対比3ないし5である比較製造例の場合、7未満の低位相角を持つものと示された。
【0091】
ただし、比較製造例1−6及び1−8並びに1−10は、7以上の位相角を持つが、表5に示すように、高粘度値を持つので、フィラー組成物としての使用に適していない。
【0092】
すなわち、第1の架橋ヒアルロン酸及び第2の架橋ヒアルロン酸の重量比が1:0.5以上ないし2.5以下である場合、物性(粘度、押出力、及び粘弾性)に優れたヒアルロン酸組成物を製造することができる。
【0093】
実施例3.非架橋ヒアルロン酸の含量によるヒアルロン酸組成物に対する物性評価
(1)ヒアルロン酸組成物の製造_製造例1−1ないし1−2及び製造例1−11ないし1−13
第1の架橋ヒアルロン酸粒子、第2の架橋ヒアルロン酸粒子、及び非架橋ヒアルロン酸の含量(g)及び含量比を下記表7のようにしてヒアルロン酸組成物を製造した。
【0094】
【表7】
【0095】
(2)物性測定
製造例1−1ないし1−2及び1−11ないし1−13のヒアルロン酸組成物の粘度、押出力、及び粘弾性の測定結果を下記表8及び9に示した。
【0096】
【表8】
【0097】
前記表8に示すように、製造例のヒアルロン酸組成物の粘度は、45000ないし90000cPで本発明の粘度の範囲を満たしているものと示された。特に、非架橋ヒアルロン酸の重量比が0.2及び0.4である場合、粘度は、60000ないし80000cPで皮膚注入用フィラーとして非常に適した粘度を示した。
【0098】
【表9】
【0099】
また、表9に示すように、製造例のヒアルロン酸組成物の弾性値は、65ないし90であり、位相角は8ないし30で本発明の範囲を満たしているものと示された。特に、非架橋ヒアルロン酸の重量比が0.2及び0.4である場合、弾性値は、75ないし85であり、位相角は、10ないし20で皮膚注入用フィラーとして非常に適した粘弾性を示した。
【0100】
すなわち、第1の架橋ヒアルロン酸及び第2の架橋ヒアルロン酸の重量比が1:0.5以上ないし1.5未満であり、第1の架橋ヒアルロン酸及び非架橋ヒアルロン酸の重量比が1:0.1以上ないし0.5未満であるとき、皮膚注入のための用途に適している。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明による皮膚注入用組成物は、皮膚注入のための粘度、押出力、及び粘弾性の条件を満たし、押出力の偏差が少なくて組成物の皮膚注入時にユーザーが疲労度を感じない。
【0102】
また、粘弾性及び組織修復能に優れており、持続期間が長く維持され、初期の腫れの程度が低くて回復速度が速く、体内安全性及び安定性に優れた効果がある。