特許第6853415号(P6853415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853415
(24)【登録日】2021年3月15日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】プロファイルストリップ構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 10/70 20160101AFI20210322BHJP
   B60J 10/18 20160101ALI20210322BHJP
   B60J 10/27 20160101ALI20210322BHJP
【FI】
   B60J10/70
   B60J10/18
   B60J10/27
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-508565(P2020-508565)
(86)(22)【出願日】2018年8月13日
(65)【公表番号】特表2020-526454(P2020-526454A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(86)【国際出願番号】EP2018071864
(87)【国際公開番号】WO2019034578
(87)【国際公開日】20190221
【審査請求日】2020年4月2日
(31)【優先権主張番号】102017118663.8
(32)【優先日】2017年8月16日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514159380
【氏名又は名称】エルカメット カンストストッフテクニーク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】オルトミュエラー、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ランデック、ダーヴィト
【審査官】 浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第01/085481(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00945296(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/70
B60J 10/18
B60J 10/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のウィンドシールド(12)の端部領域(22)への接続の確立に供する第1の接続領域(20)と、前記ウィンドシールド(12)に隣接するウィンドシールドカウルカバー(14)への接続の確立に供する第2の接続領域(38)とを有するプロファイルストリップ(10)を備えるプロファイルストリップ構造(18)であって、
前記第1の接続領域(20)は、前記ウィンドシールド(12)の内側(36)への接続の確立に供する接続部(24)を有し、
前記第2の接続領域(38)は、溝型をした受け領域(42)を定めるU字型又はV字型の材料部(40)を有し、
前記受け領域(42)は前記ウィンドシールドカウルカバー(14)の掛止部(44)を受けてそれを掛止するように構成され、
前記ウィンドシールドカウルカバー(14)の外側(68)と、前記プロファイルストリップ(10)の外側(66)と、前記ウィンドシールド(12)の外側(64)とは互いに面一であり、
前記プロファイルストリップ(10)が車両に取り付けられた場合の、前記ウィンドシールド(12)の車幅方向に沿う方向を前記プロファイルストリップ(10)の長さ方向とし、前記プロファイルストリップ(10)の外側(66)を上側、前記プロファイルストリップ(10)の内側(66)を下側、前記上側と前記下側を結ぶ方向を前記プロファイルストリップ(10)の高さ方向とすると、
前記プロファイルストリップ(10)の前記長さ方向に直交する断面視で、前記ウィンドシールド(12)に面する前記接続部(24)の頂部(28)に平行に配向する前記接続部(24)の少なくとも部分層と、前記U字型又はV字型の材料部(40)の下端部(46)の少なくとも部分層とが一緒になって、前記プロファイルストリップ(10)の連続するベース部(78)を形成し、前記ベース部(78)は1つの面内(76)に延在しかつ前記ベース部(78)から前記U字型又はV字型の材料部(40)の2つの脚(48、50)が突出し、
前記プロファイルストリップ(10)は、支持要素として機能しかつ前記下端部(46)に対して前記接続部(24)とは反対の側で、前記下端部(46)から前記接続部(24)と反対方向突出して配置された、前記U字型又はV字型の材料部(40)の脚(48)に隣接する材料突起(84)を有し、
前記長さ方向に直交する断面視の前記高さ方向において、前記材料突起(84)は、前記ベース部(78)の高さに配置され、
前記プロファイルストリップ(10)が前記ウィンドシールド(12)に配置されて、前記ウィンドシールド(12)が直立し、前記ウィンドシールド(12)の重量によって導入される接触力が前記材料突起(84)内に導入され、前記材料突起から横へ反れることなしに前記ベース部(78)に直接導入されることを特徴とする、プロファイルストリップ構造(18)。
【請求項2】
前記ベース部(78)は直線的な面(76)内に延在することを特徴とする、請求項1に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項3】
前記接続部(24)と前記下端部(46)は、それぞれの底部(26、72)とそれぞれの頂部(28、74)の少なくとも一方において、互いに段差のない遷移をすることを特徴とする、請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項4】
前記ベース部(78)は平坦要素部(82)であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項5】
前記プロファイルストリップ(10)は、少なくとも1つの補強インサート(88、90)によってその伸長方向に補強されることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの補強インサート(90)の少なくとも1つの部分区域は、前記プロファイルストリップ(10)の前記長さ方向に直交する断面視で、好ましくは直線的な面(92)内に延在し、前記部分区域の第1の領域は少なくとも部分的に前記接続部(24)内に配置され、前記部分区域の第2の領域は前記下端部(46)に配置されることを特徴とする、請求項5に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項7】
前記補強インサート(90)は、前記U字型又はV字型の材料部(40)の脚(48、50)を補強するための少なくとも1つの部分区域(94)を有することを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項8】
前記材料突起(84)は前記長さ方向に直交する断面視でこぶ状の断面を有することを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項9】
前記材料突起(84)及び前記ベース部(78)は同一材料でできていることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項10】
前記材料突起(84)は、前記プロファイルストリップ(10)の少なくとも1つの補強インサートによって補強されることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項11】
前記プロファイルストリップ(10)は、前記U字型又はV字型の材料部(40)の脚(50)に隣接するか又は脚を構成する中央部(56)を有し、前記中央部(56)は、組付け後には前記U字型又はV字型の材料部(40)のもう一方の外側の脚(48)よりも近くで前記ウィンドシールド(12)の縁(60)に隣接し、前記中央部(56)が前記ベース部(78)から突出することを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項12】
前記長さ方向に直交する断面視で、前記高さ方向に直交する幅方向において、前記中央部(56)の断面は、前記U字型又はV字型の材料部(40)の前記外側の脚(48)よりも厚いことを特徴とする、請求項11に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項13】
前記中央部(56)は、前記ウィンドシールド(12)及び前記ウィンドシールドカウルカバー(14)の隣接する縁(60、62)との間に外部シールを形成するためのシール要素(58)を有することを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項14】
前記中央部(56)と、前記U字型又はV字型の材料部(40)の前記外側の脚(48)との少なくとも一方は、前記受け領域(42)内へ突出して、前記ウィンドシールドカウルカバー(14)の掛止部(44)に掛止されるための掛止要素(96)を有することを特徴とする、請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【請求項15】
前記掛止要素(96)は、前記中央部(56)を底部に面する材料部(100)とシール要素に面する材料部(102)とに分割する軟質材料層(98)の突起によって形成されることを特徴とする、請求項14に記載のプロファイルストリップ構造(18)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のウィンドシールド(ウィンドシールド)の端部領域に接続するための第1接続領域を有し、かつウィンドシールドに隣接するウィンドシールドカウルカバーに接続するための第2接続領域を有するプロファイルストリップを備える、プロファイルストリップ構造に関する。これにより、第1の接続領域はウィンドシールドの内側への接続を確立するための接続部を有し、第2の接続領域は溝状の受け領域を定めるためのU字型又はV字型の材料部を有し、その受け領域は、ウィンドシールドカウルカバーを掛止するための掛止部を受容するように構成され、ウィンドシールドカウルカバーの外側と、プロファイルストリップの外側と、ウィンドシールドの外側とは互いに面一である。
【背景技術】
【0002】
独国実用新案第20008555(U1)号明細書及び国際公開第2006/002891(A2)号パンフレットなどの関連技術から知られるプロファイルストリップ構造は、自動車のウィンドシールドの下端領域をいわゆるウィンドシールドカウルカバーに接続する役目をする。このウィンドシールドカウルカバーは通常、ウィンドシールドカウルカバーの固定タブの形をした掛止部がプロファイルストリップの接続領域の受け部に挿入されて掛止されるという形で、プロファイルストリップの接続領域に掛止される。
【0003】
ウィンドシールドカウルカバーは、自動車のウィンドシールドから流れる水を集めて、エンジン室の中へ、また自動車の下に、制御して排出するウィンドシールドカウルを覆う役目をする。ウィンドシールドカウルは車体の一部をなす。独国実用新案第20008555(U1)号明細書及び国際公開第2006/002891(A2)号パンフレットから知られるプロファイルストリップ構造は、ウィンドシールドの下側の縁領域において隣接するウィンドシールドカウルカバーへの滑らかで空力的に有利な遷移を可能とする。
【0004】
プロファイルストリップは製造後に、ウィンドシールドの端部領域に通常は接着によって接続される。この組立工程は通常、供給業者によって実施される。したがって供給業者は、ウィンドシールドと、ウィンドシールドに接続されたプロファイルストリップとからなるモジュールを、自動車製造業者に供給することができる。このモジュールが次に、自動車の最終組立ての一部として、車体のウィンドシールドの受け部に接続(通常は接着)され、さらに、隣接するウィンドシールドカウルカバーがプロファイルストリップに接合される。
【0005】
上記のモジュールが供給業者から自動車製造業者へ輸送される間、ウィンドシールドカウルカバーへの接続の確立をするためのプロファイルストリップの(第2の)接続領域はウィンドシールドから突出しており、機械的影響にさらされる。ただし同時に、モジュールは省スペースの「立った」位置での輸送、すなわちウィンドシールドを直立して輸送することが望ましい。さらに、輸送中はウィンドシールドが、その下端領域への損傷から保護されることが望ましい。そのような保護は、輸送中はウィンドシールドがプロファイルストリップの第2の接続領域で支持されることで確保される。ただしこのことは、モジュールの輸送中にウィンドシールドの重量がプロファイルストリップの第2の接続領域にかかることを意味する。この荷重は、受け領域を定めるプロファイルストリップの第2の接続領域に望ましくない変形をもたらす。ここで、その外部側面が外端で平坦/面一であるプロファイルストリップ構造は、ウィンドシールドの縁の頂部を囲む部分がないために、特に損傷を受けやすいことがわかっている(独国特許出願第3702555(A1)号明細書参照)。
【0006】
ウィンドシールドに接続されたプロファイルストリップの変形を防止するために、関連技術(例えば、国際公開第2006/002891(A2)号パンフレット、欧州特許出願公開第2253556(A1)号明細書、及び国際公開第2014/041279(A1)号パンフレット)からは、プロファイルストリップの第2の接続領域を輸送保護ストリップ(「ケダーレール(keder rail)」とも呼ばれる)で補強することが知られており、これによりその断面の少なくとも一部が第2の接続領域の受け領域に配置される。
【0007】
「ウィンドシールドとプロファイルストリップ」から成るモジュールが自動車製造業者に送達された後、輸送保護ストリップはプロファイルストリップの受け領域から取り除かれて、第2の接続領域がウィンドシールドカウルカバーに接続可能となる。その後、輸送保護ストリップは廃棄される。
【0008】
輸送保護ストリップを第2の接続領域の受け領域から取り除くために、欧州特許出願公開第2253556(A1)号明細書は、グリップタブの形をとる追加のハンドリング部分を輸送保護ストリップに設けて、グリップタブを手動で引っ張ることにより、輸送保護ストリップをプロファイルストリップの受け領域から引き抜くことができることを提案している。引抜きリングの形をした同様のハンドリング部分が、国際公開第2014/041279(A1)号パンフレットに開示されている。
【0009】
上記の追加のハンドリング部分は、プロファイルストリップの接続領域からの輸送保護ストリップの除去を簡単にする。ただし、輸送保護ストリップ及びハンドリング部分は、まず個別の部品として製造されなければならず、次いで供給業者は、それらをプロファイルストリップに取り付けなければならない。モジュールが自動車製造業者に輸送された後、自動車製造業者は、輸送保護ストリップとハンドリング部分を分解しなければならない。最後に、輸送保護ストリップ及びハンドリング部分は、回収されて廃棄されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような背景のもとに、本発明は、プロファイルストリップ構造の製造、輸送及び組立てに含まれる労力を軽減可能とする、プロファイルストリップ構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、上述のタイプのプロファイルストリップ構造により達成される。これは、プロファイルストリップの断面からわかるように、ウィンドシールドに面する接続部の頂部に平行に配向した少なくとも部分的な接続部の層と、U字型又はV字型の材料部の少なくとも部分的な下端部の層とが、一体的にプロファイルストリップの連続的なベース部を形成する。それが1つの平面内に延在し、かつそこからU字型又はV字型の材料部の2つの脚が突出する。
【0012】
本発明によるプロファイルストリップ構造は、ベース部のあるプロファイルストリップを有する。このベース部は、第1の接続領域の接続部の少なくとも1つの部分層と、U字型又はV字型の材料部の下端部の少なくとも1つの部分層とによって形成される。このベース部は連続しており、力をベース部の断面に沿って伝達可能である。特に、ウィンドシールドとそれに取り付けられたプロファイルストリップから成るモジュールの輸送中に、これらの力が、プロファイルストリップの下端部と第1の接続領域の接続部に導入され得る。U字型又はV字型の材料部の2つの脚がベース部から突出するので、上記のモジュールが直立の位置で輸送されるとすると、ウィンドシールドの重量に基づく圧縮力はU字型又はV字型の材料部の外側の脚には導入されない。したがって、この露出された外側の脚は輸送時には力の流れからは切り離すことができる。ベース部の連続性により、U字型又はV字型の材料部の下端部に導入された力は、ベース部の長さに沿って接続部に伝達され、接続部に対する下端部の座屈のリスクはない。
【0013】
本発明によるプロファイルストリップ構造は、モジュール(ウィンドシールドとプロファイルストリップ)の輸送時に、第2の接続領域の受け領域へのケダーレールの配置を省くことを可能とする。このことは、ケダーレールを設ける必要がないこと、それを受け領域に接合する必要のないこと、また再び受け領域から除去する必要のないこと、及びその後廃棄する必要のないことを意味する。
【0014】
これにより、プロファイルストリップ構造の製造、輸送及び組立てが簡単になる。
【0015】
ベース部は少し湾曲した面内に延在してもよいが、好ましくは直線的な面内に延在し、ベース部の面に導入される圧縮力が、ベース部の長さ方向に沿って実質的に横方向の力なしで伝達可能となる。
【0016】
ベース部の安定性を向上させる別の方法は、下端部と接続部を、それぞれの底部及び/又はそれぞれの頂部において互いに段差なしで遷移させることである。これにより、ベース部に必要とされる材料体積を最大限に使用可能とする。さらに、これによりウィンドシールドカウルカバーとウィンドシールドの下の縁との間の遷移領域における、通常は限られた据え付けスペースを最適に利用可能となる。最後に、ただしこれも重要なことであるが、下端部と接続部の間の底部及び/又は頂部における連続的な遷移は、下端部の接続部に関する座屈に対して最適な保護を提供する。
【0017】
下端部と接続部がそれぞれの底部及びそれぞれの頂部において相互に段差のない遷移をする、特に好適な場合において、ベース部の全体的な材料体積を使用して力を伝達することが可能である。この場合、ベース部は、接続部の全体の厚さ、及び下端部の全体の厚さで構成される(すなわち存在し得る部分的な層だけで構成されるわけではない)。
【0018】
ベース部は特に平坦な要素部である。そのような平坦な要素部の厚さは、好ましくは少なくとも1ミリメートルである。好ましくはこの厚さは最大で5ミリメートルである。また平坦な要素部の長さに沿った厚さは、(断面で分かるように)一定に保持されることが特に好ましい。
【0019】
また、プロファイルストリップを、少なくとも1つの補強インサートによってその長さに沿って補強することも特に有利である。これは特に、アルミニウム又はスチール製の金属補強インサートであってよい。
【0020】
少なくとも1つの補強インサートの少なくとも1つの部分区域が、プロファイルストリップの断面に見られるような、好ましくは直線的な面内に延在することが特に好ましい。これにより、この部分区域の第1の領域が接続部に少なくとも部分的に配置され、同じ部分区域の第2の領域が下端部に少なくとも部分的に配置されることが特に好ましい。こうして、下端部と接続部の間の遷移領域が補強可能である。
【0021】
補強インサートが接続部全体か下端部全体に延びている場合、そして特には接続部全体と共に下端部全体に延びている場合に、別の最適化された構造が実現される。このことは、上記の部分(接続部又は下端部)の少なくとも90%が補強インサートによって補強されると考えられることを意味する。したがって、プロファイルストリップの材料(通常は弾塑性材料)が補強インサートの面を(その特定の部分の長さの最大で10%だけ)囲んで、天候の影響及び機械的影響から補強インサートを保護できる。
【0022】
さらに、U字型又はV字型の材料部の脚を補強する、少なくとも1つの部分区域を有する補強インサートが設けられることが好ましい。そのような補強インサートは、U字型又はV字型の材料部の1つの脚、又は両方の脚を補強する補強インサートであってもよい。ただし、少なくとも部分的にベース部も補強する補強インサートの部分であることが好ましい。
【0023】
プロファイルストリップが、支持要素として機能し、かつ下端部に対して接続部とは反対側に配置された、U字型又はV字型の材料部の脚に隣接して配置される材料突起を有する場合、ケダーレールの使用なしでの保護の提供に特に適した構造が実現される。
【0024】
そのような支持要素は、ウィンドシールドの輸送中にプロファイルストリップを配置可能な材料領域を形成する。この支持要素は、プロファイルストリップのその他の領域に対する機械的保護を提供し、またそうしてこの支持機能を果たすときにその形状に関する最適化が可能である。
【0025】
材料突起の特に好適な断面形状は、こぶ状の形状すなわち部分的に円形断面を有することであり、それにより、たとえ不均一な接触面であったとしても、荷重により誘起される接触力を材料突起内に導入し、そこから、プロファイルストリップに導入可能とする。
【0026】
材料突起がベース部の高さに配置されることが特に望ましい。こうして、輸送中にウィンドシールドによりもたらされる重量起因の接触力は材料突起内へ導入され、そこから、横へ反れることなしに直接的にベース部へ導入することが可能である。
【0027】
材料突起がベース部の一体部分であり、材料突起に導入される力が損失なしでベース部の他の領域へ伝達可能であることが特に望ましい。
【0028】
材料突起とベース部が同一材料で作製され、その結果ベース部と材料突起の(好ましくは押出加工による)一体製造が簡易化されることもまた望ましい。
【0029】
別の有利な実施形態においては、プロファイルストリップの少なくとも1つの補強インサートによる材料突起の補強が提供される。これは特に、ベース部を少なくとも特定の領域で補強する補強インサートであってよい。特に、一体的に形成された材料突起と共に、ベース部と補強インサートは同一面内に延在し、それは好ましくは直線的である。
【0030】
本発明の別の実施形態において、プロファイルストリップは中央部を有する。これはU字型又はV字型の材料部の脚に隣接するか又はそれを形成し、組付け後には、U字型又はV字型の材料部のもう1つの外側の脚よりもウィンドシールドの縁により近く隣接し、それによって中央部はベース部から突出する。そのような中央部は、例えばウィンドシールドの縁に直接隣接するプロファイルストリップの材料部の提供を可能とする。そのような部分によって、ベース部に導入された力は、中央部を介してウィンドシールドの側縁部の中への導入も可能とする。
【0031】
特に、中央部がU字型又はV字型の材料部の内側の脚を形成する場合と、中央部が上記の力の散逸に役立つ場合の少なくともいずれかである場合には、中央部の断面がU字型又はV字型の材料部の外側の脚よりも厚ければ好ましい。このように、より大きな安定性が、通常必要又は望ましいとされる特性であるU字型又はV字型の材料部の外側の脚の変形可能性を犠牲とするわけではない。したがって、ウィンドシールドカウルカバーの掛止部を、外側の脚の変形のもとで第2の接続領域の受け領域内へ挿入可能である。
【0032】
中央部の別の利用方法は、ウィンドシールドとウィンドシールドカウルカバーの隣接する縁の間の外部シールを生成するためのシール要素を有することである。このシール要素は、ウィンドシールドの外側とウィンドシールドカウルカバーの外側への完全に面一の表面の遷移を生成するために、上側が平坦であることが好ましい。本発明の内容においては、これは数学的に完全に同一面にある状態ではなく、むしろ量産における既存の製造技術の可能な範囲内で実装可能な同一面の状態にあることである。
【0033】
本発明による非常に頑丈な構成のプロファイルストリップにより、中央部及び/又はU字型又はV字型の材料部の外側の脚が、受け領域内部へ突出し、ウィンドシールドカウルカバーの掛止部に掛止される役目をする、掛止要素を備えることが可能となる。掛止要素は相対的に小さいラッチリップであって、プロファイルストリップの他の材料よりも軟らかい材料で作製可能であってよい。この構造により、例えば、同一出願人による独国実用新案第202008006986(U1)号明細書に記載のような、ウィンドシールドカウルカバーの掛止部への、特に使いやすく信頼性の高い掛止が可能となる。
【0034】
上記の掛止要素は特に、中央部を底部に面する材料部と掛止要素に面する材料部とに分割する軟質材料層の突起によって形成可能である。
【0035】
本発明の更なる特徴と利点は、以下の説明および好適な実施形態の例示的記述の主題である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】プロファイルストリップの一実施形態の断面図である。
図2図1に示すプロファイルストリップとウィンドシールドから成るモジュールの一実施形態の断面図である。
図3図2に示すモジュールとウィンドシールドカウルカバーから成るプロファイルストリップ構造の一実施形態の断面図である。
図4】プロファイルストリップの別の実施形態の断面図である。
図5図4に示すプロファイルストリップとウィンドシールドから成るモジュールの一実施形態の断面図である。
図6図5に示すモジュールとウィンドシールドカウルカバーから成るプロファイルストリップ構造の一実施形態の断面図である。
図7】プロファイルストリップの更なる実施形態の断面図である。
図8】プロファイルストリップの更なる実施形態の断面図である。
図9】プロファイルストリップの更なる実施形態の断面図である。
図10】プロファイルストリップの更なる実施形態の断面図である。
図11】プロファイルストリップの更なる実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1図3を参照すると、プロファイルストリップはその全体を参照番号10で表され、ウィンドシールドは参照番号12で表され、ウィンドシールドカウルカバーは参照番号14で表される。プロファイルストリップ10とウィンドシールド12は一体となってモジュール16を構成する。モジュール16とウィンドシールドカウルカバー14が一体となってプロファイルストリップ構造18を構成する(図3参照)。
【0038】
プロファイルストリップ10は、ウィンドシールド12の端部領域22との接続を確立するための第1の接続領域を有する。第1の接続領域20は、底部26と頂部28とを有する接続部24を備える。接続部の頂部28は接着層30を有し、その底部32が接続部24の頂部28に接着され、その頂部34がフロンガスの内側36に接着される。
【0039】
プロファイルストリップ10は、ウィンドシールドカウルカバー14との接続を確立するための第2の接続領域38を有する。第2の接続領域38は、ウィンドシールドカウルカバー14の掛止部44を受けてそれを掛止するための、溝型の受け領域42を定めるU字型の材料部40を有する。
【0040】
U字型の材料部40は、下端部46と共に、外側の脚48及び内側の脚50を有する。脚48、50のうちの少なくとも1つには、ウィンドシールドカウルカバー14の掛止部44の掛止突起54に掛止されるようになった掛止要素52がある。
【0041】
内側の脚50は中央部56で形成され、その断面は外側の脚48よりも太い。
【0042】
中央部56はシール要素58を有する。これは、ウィンドシールド12又はウィンドシールドカウルカバー14の隣接する縁60と縁62の間に外部シールを形成するためのものである。
【0043】
ウィンドシールド12の外側64と、シール要素58の外側66と、ウィンドシールドカウルカバー14の外側68とは相互に面一となっており、一体となって自動車の連続した外皮70を形成する。
【0044】
下端部46には底部72があり、また溝型の受け領域42の境界の一部である頂部74もある。
【0045】
第1の接続領域20の接続部24とU字型材料部40の下端部46とが一体となって直線的な平面76内に延在する連続的なベース部78を形成する(図2参照)。
【0046】
ベース部78と中央部56の間の遷移を図2に破線80で示す。中央部56又は内側の脚50と外側の脚48は、ベース部78から外皮70の方向に突出する(図3参照)。
【0047】
ベース部78は平坦要素部82の形となっている。面76に沿って(つまりプロファイルストリップ10の断面内で)見ると、外皮70に垂直に測った平坦要素部の厚さは一定であり、例えば約1ミリメートルと約5ミリメートルの間の大きさである。
【0048】
図1に示すように、プロファイルストリップ10は作製された後、接着層30によってウィンドシールド12に結合される。これが図2に示すモジュールとなる。このモジュール16の輸送時には、スペースを考慮してウィンドシールド12を直立、すなわち立てた位置、言い換えれば図2の表示に対して約90°時計方向に回転した配向とすることが好ましい。
【0049】
プロファイルストリップ10は輸送時にウィンドシールド12の端部領域22を保護する役目をする。この過程において、ウィンドシールド12の重量がベース部78のフェース部83にかかる。接触面がフェース部分83に導入する力は、ベース部78に伝達され、そこから中央部56を介してウィンドシールド12の縁60へ、そして接着層30及び同じように内側36を介してウィンドシールド12の中へ伝達される。
【0050】
連続したベース部78は、座屈耐力のある構造を形成し、それによってモジュール16の輸送中に溝型の受け領域42内側に配置されるケダーレールなしとすることができる。
【0051】
モジュール16が自動車製造業者に納入された後、モジュール16は、ウィンドシールド12を自動車のウィンドシールドフレームに接着することにより、製造中の自動車の車体に接続可能である。したがって、そうでない場合には通常の組み立てステップである受け領域42からケダーレールを取り外すという工程が排除され、むしろ、掛止部44を受け領域42に挿入してそこに掛止することにより、ウィンドシールドカウルカバー14の組み立てを直ちに開始可能である。これにより、図3に示すように面一の面を有する構造が実現される。
【0052】
図4図7に示す実施形態は上で説明した図1図3に示す実施形態に比べて、追加的な利点を有する。ここでは上記の説明を参照する。以下においては、図1図3に示す実施形態に対比しての図4図7に示す実施形態の追加的な特徴及び差について説明する。本発明の範囲内では、以下で記述する追加的な特徴(1)〜(4)は、図1図3に示す実施形態に組み合わせることが可能である。
追加的特徴(1)
【0053】
図4図6に示すプロファイルストリップ10のベース部78は、外側の脚48に隣接して配置された材料突起84を有する。材料突起84はこぶ状の断面を有し、破線86で境界を示す外側の脚48の縁から外方向に延在する。材料突起84はベース部78の高さに配置され、ベース部78の一体部分である。
【0054】
図1図3に示す実施形態に比べて、ここでの材料突起84は、モジュール16が直立配置されているとき、モジュール16の更に改良された支持を可能とする。
追加的特徴(2)
【0055】
図4図7に示す実施形態はまた、プロファイルストリップ10の長さ方向に延在し、かつ特に金属材料で作られた補強インサート88、90も備えている。例えば、補強インサート88は、据え付け状態にある中央部56の上部領域を補強するために設けられる。
【0056】
特に、ベース部78を補強する補強インサート90が設けられる。補強インサート90の第1の部分区域は直線的な面92に沿って延在して、第1の領域が接続部24を補強し、第2の領域が下端部46を補強するようになっている。
【0057】
補強インサート90が、材料突起84まで面92全体に延びることも可能である。
【0058】
図面には、補強インサート90が材料部40の外側の脚48を補強する部分区域94を有する構成が示されている。
追加的特徴(3)
【0059】
図4図6に示す実施形態の別の特定の態様は、溝型の受け領域42に面する外側の脚48の側面にはアンダーカットがないということに基づいている。
追加的特徴(4)
【0060】
内側の脚50は、溝型の受け領域42に向かってかえしの形で突出する掛止要素96を配置する役目をする。そうしてそこで、ウィンドシールドカウルカバー14の掛止部44に掛止されることが可能となっている(図6参照)。
【0061】
掛止要素96は、好ましくはプロファイルストリップ10の材料、すなわちベース部78、中央部56、脚48、50及び材料突起84の材料よりも柔らかく、弾性的により変形しやすい材料でできている。
【0062】
図4図6に示すプロファイルストリップ10の変更形態において、中央部56を、底部に面する材料部100と、シール要素に面する材料部102とに分割する軟質材料層98の突起によって、掛止要素96を形成することも可能である(図7参照)。
【0063】
図1図3又は図4図7に示す実施形態を基に、他の変更もまた可能である。例えば、材料部40の下端部46が、接続部24よりも薄いことも可能である。これは、例えば、接続部24又は下端部46の、底部26及び底部72が、共通の直線的平面内に配置されて、相互に段差のない遷移をする一方で、接続部24の頂部28と下端部46の頂部74が互いにずれて、例えば下端部46が接続部24よりも薄いということで、達成可能である(図8参照)。
【0064】
図9及び図10が示すように、例えば、接続部24及び下端部46の頂部28及び頂部74が同じ高さに配置されて、底部26と底部72が相互に傾斜するか(図9参照)、又は相互に段差を持つこともまた可能である(図10参照)。
【0065】
図8図10を参照して上に述べた変更形態によれば、ベース部78が延在する面76が、材料の接続部24と中央層に対して、更に底部26の方向にずれて(図8参照)、又は更に頂部28の方向にずれて配置される(図9及び図10参照)。
【0066】
図11は、プロファイルストリップ10の別の変更形態を示す。平坦要素部82として構成されるベース部78を起点として、接続部24の底部26が、少なくとも1つの材料の拡幅104a、104b、104cを有する。後者は自動車の車体の横梁上に載るようにすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11