(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属銅粉の外周部には、凹部が形成されており、前記複合粒子は、前記金属銅粉の外周部に形成された前記凹部に前記酸化銅粉が充填された構造とされていることを特徴とする請求項1に記載の金属銅及び酸化銅含有粉。
前記金属銅粉の平均粒径が30μm以上200μm以下の範囲内とされ、前記酸化銅粉の平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の金属銅及び酸化銅含有粉。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2,3においては、金属銅粉と酸化銅粉とを所定の比率となるように秤量して混合し、得られた混合粉末を焼結原料とし、ホットプレスによって加圧加熱することにより、焼結体からなるスパッタリングターゲット材を製造している。
しかしながら、ホットプレスによって焼結体を製造する場合には、加圧方向が限定されるため、得られた焼結体の形状によっては、その後の機械加工における加工量を多くする必要がある。このため、スパッタリングターゲット材を効率良く製造することが困難であった。
【0008】
また、製品の大面積化が増々要求されていることに伴って、ターゲットの大型化、円筒型については長尺化が要求されるようになっている。しかしながらホットプレスでは装置サイズの制限上、大型化や円筒の長尺化が困難であった。また、大型にすればするほど単位面積に加えられる荷重が小さくなり、高品質のターゲットを製造することが困難になってくる。さらに、大型化に対応するため分割数を多くすれば生産性が低下し、コスト面でも不利である。
【0009】
一方、熱間等方加圧法(HIP)によって焼結を実施した場合には、等方的に加圧されることから、焼結体の形状が安定することになり、その後の機械加工における加工量を低減でき、スパッタリングターゲット材を効率良く製造することが可能となる。
また、装置サイズの制限が比較的緩和で大型なチャンバー構造が取れるHIPで製造する方がターゲットの大型化には有利である。
上述の熱間等方加圧法(HIP)によって焼結する場合には、成形容器内に原料粉を充填し、この成形容器を等方加圧することになる。このため、成形容器内への原料粉の充填率が重要となる。なお、成形容器への充填率が60%未満となると、加圧時に容器が大きく変形してしまい、焼結体を得ることが困難となる。
【0010】
ここで、成形容器内に原料粉を高密度に充填するためには、容器内に円滑に原料粉を流し込むことができるように、原料粉の流動性を確保する必要がある。
上述の金属銅粉と酸化銅粉とを混合した混合粉においては、流動性が低く、成形容器内への充填率が不十分であった。このため、成形容器内への原料粉の充填率を60%以上と高くすることが困難であった。
よって、金属銅粉と酸化銅粉の混合粉末を用いて、上述の熱間等方加圧法(HIP)によって焼結を行うことができなかった。
【0011】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、容器内への充填率を十分に向上させることができ、焼結原料として特に適した
金属銅及び酸化銅含有粉、及び、この
金属銅及び酸化銅含有粉の製造方法、及び、安定して酸化銅膜を成膜可能なスパッタリングターゲット材、スパッタリングターゲット材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。
金属銅粉においては、粒子間の摩擦力が低いため、流動性は高くなるが、タッピングしても充填が促進されず、充填率が低くなることが分かった。一方、酸化銅粉においては、粒子同士の摩擦力が高いため、タッピングした際に充填が促進され、充填率が高くなるが、流動性が不十分であることが分かった。このため、単に金属銅粉と酸化銅粉とを混合した混合粉においては、流動性が低くなり、かつ、充填率が不十分となった。
そこで、容器内への充填率を高くするためには、流動性を確保しつつ、タッピングした際に充填が十分に促進されるように構成する必要があるとの知見を得た。
【0013】
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明の
金属銅及び酸化銅含有粉は、金属銅粉と酸化銅粉と不可避不純物からなる
金属銅及び酸化銅含有粉であって、前記金属銅粉は、前記酸化銅粉よりも平均粒径が大きくされており、前記金属銅粉の外周部に前記酸化銅粉が付着した構造の複合粒子を有していることを特徴としている。
【0014】
この構成の
金属銅及び酸化銅含有粉によれば、金属銅粉の外周部に酸化銅粉が付着することにより、粒子間の摩擦力が大きくなり、タッピング時に充填を促進させることができ、充填率を向上させることができる。また、金属銅粉の外周部に酸化銅粉が付着した構造とされているので、流動性の低い酸化銅粉の存在比率が相対的に少なくなり、流動性が確保されることになる。
よって、容器内への充填率を高くすることができ、熱間等方加圧法(HIP)によって焼結を行うことができる。
【0015】
ここで、本発明の
金属銅及び酸化銅含有粉においては、前記金属銅粉の外周部には、凹部が形成されており、前記複合粒子は、前記金属銅粉の外周部に形成された前記凹部に前記酸化銅粉が充填された構造とされていることが好ましい。
この場合、前記複合粒子が、前記金属銅粉の外周部に形成された前記凹部に前記酸化銅粉が充填された構造とされているので、前記金属銅粉の外周部に前記酸化銅粉を確実に付着させることができる。よって、流動性を確保することができ、かつ、充填率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の
金属銅及び酸化銅含有粉においては、前記金属銅粉のモル分率が50%以上75%以下の範囲内とされていてもよい。
この場合、前記金属銅粉のモル分率が50%以上とされているので、流動性の低い酸化銅粉の存在比率が相対的に少なくなり、流動性を確保することができる。一方、前記金属銅粉のモル分率が75%以下とされているので、タッピング時に充填を十分に促進させることができ、充填率を向上させることができる。
【0017】
さらに、本発明の
金属銅及び酸化銅含有粉においては、安息角が40°以上56°以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、
金属銅及び酸化銅含有粉の安息角が40°以上とされているので、流動性が必要以上に高くなく、粒子間の摩擦力が確保されることになり、タッピング時に充填を十分に促進させることができ、充填率を向上させることが可能となる。一方、金属銅/酸化銅含有粉の安息角が56°以下とされているので、十分な流動性を確保することができる。
【0018】
さらに、本発明の
金属銅及び酸化銅含有粉においては、前記金属銅粉の平均粒径が30μm以上200μm以下の範囲内とされ、前記酸化銅粉の平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記金属銅粉の平均粒径および前記酸化銅粉の平均粒径が上述の範囲内とされているので、前記金属銅粉の外周部に前記酸化銅粉を確実に付着させることができ、複合粒子を確実に生成することが可能となる。
【0019】
本発明の
金属銅及び酸化銅含有粉の製造方法は、上述の
金属銅及び酸化銅含有粉を製造する
金属銅及び酸化銅含有粉の製造方法であって、金属銅粉と酸化銅粉とを混合する混合工程と、得られた混合粉を圧縮して圧粉体を形成する圧縮工程と、前記圧粉体を粉砕する粉砕工程と、を備えていることを特徴としている。
【0020】
この構成の
金属銅及び酸化銅含有粉の製造方法によれば、得られた混合粉を圧縮して圧粉体を形成する圧縮工程を備えているので、この圧縮工程において、前記金属銅粉の外周部に前記酸化銅粉を付着させることができる。そして、圧縮工程で得られた圧粉体を粉砕する粉砕工程により、前記金属銅粉の外周部に前記酸化銅粉が付着した構造の複合粒子を得ることができる。
よって、流動性が確保され、タッピング時に充填率を十分に向上させることが可能な金属銅/酸化銅含有粉を製造することができる。
【0021】
本発明のスパッタリングターゲット材は、
金属銅及び酸化銅含有粉の焼結体からなり、断面組織に占めるボイドの面積率が2%未満であることを特徴としている。
この構成のスパッタリングターゲット材によれば、
金属銅及び酸化銅含有粉の焼結体で構成されているので、比抵抗値が低く、DC(直流)スパッタによって酸化銅膜を成膜することが可能となる。そして、断面組織に占めるボイドの面積率が2%未満に制限されているので、スパッタ時における異常放電の発生を抑制でき、安定して、酸化銅膜を成膜することができる。
【0022】
ここで、本発明のスパッタリングターゲット材においては、円筒形状をなし、軸線方向長さが150mm以上とされていてもよい。
あるいは、本発明のスパッタリングターゲット材においては、板形状をなし、スパッタ面の絶対最大長が450mm以上とされていてもよい。ここで、絶対最大長とは、スパッタ面の輪郭上の任意の2点間の距離の内、最大のものを意味する。
これらの場合、スパッタ面の面積が確保され、大面積の基材に対して効率的に酸化銅膜を成膜することができる。
【0023】
本発明のスパッタリングターゲット材の製造方法は、
金属銅及び酸化銅含有粉の焼結体からなるスパッタリングターゲット材の製造方法であって、上述の
金属銅及び酸化銅含有粉を成形容器に充填する粉末充填工程と、前記成形容器内に充填した前記金属銅/酸化銅含有粉を、熱間等方加圧法によって加圧及び加熱して焼結するHIP焼結工程と、を有し、前記粉末充填工程では、前記
金属銅及び酸化銅含有粉の充填率を60%以上とし、前記HIP焼結工程では、加圧圧力を80MPa以上とすることを特徴としている。
【0024】
この構成のスパッタリングターゲット材の製造方法によれば、上述の
金属銅及び酸化銅含有粉を用いているので、粉末充填工程において、成形容器内への充填率を60%以上とすることが可能となる。よって、熱間等方加圧法により、安定して焼結体を得ることが可能となる。
また、HIP焼結工程で、加圧圧力を80MPa以上としているので、十分な加圧圧力を負荷して焼結することにより、ボイドを減少させることができ、断面組織に占めるボイドの面積率を2%未満とすることができる。
さらに、熱間等方加圧法によって焼結しているので、大型のスパッタリングターゲット材を効率的に製造することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、容器内への充填率を十分に向上させることができ、焼結原料として特に適した
金属銅及び酸化銅含有粉、及び、この
金属銅及び酸化銅含有粉の製造方法、及び、安定して酸化銅膜を成膜可能なスパッタリングターゲット材、スパッタリングターゲット材の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施形態である金属銅/酸化銅含有粉、金属銅/酸化銅含有粉の製造方法、及び、スパッタリングターゲット材、スパッタリングターゲット材の製造方法について添付した図面を参照して説明する。
【0028】
<金属銅/酸化銅含有粉>
本実施形態に係る金属銅/酸化銅含有粉は、例えば、酸化銅膜を成膜する際に使用されるスパッタリングターゲット材を構成する焼結体を製造する際に、焼結原料として好適に用いられるものである。
本実施形態の金属銅/酸化銅含有粉の観察写真を
図1に示す。また、金属銅粉と酸化銅粉を混合した混合粉の観察写真を
図2に示す。
【0029】
本実施形態に係る金属銅/酸化銅含有粉10は、
図1に示すように、金属銅粉11と酸化銅粉12とを含有している。ここで、金属銅粉11は、酸化銅粉12よりも平均粒径が大きくされている。
そして、本実施形態に係る金属銅/酸化銅含有粉10においては、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12が付着した構造の複合粒子15を有している。
【0030】
ここで、本実施形態の金属銅粉11においては、
図1及び
図2に示すように、その外周部に凹部が形成されている。
そして、上述の複合粒子15は、金属銅粉11の外周部に形成された前記凹部に酸化銅粉12が充填された構造とされている。
【0031】
金属銅粉11としては、例えば電解銅粉を用いることができる。なお、電解銅粉は、デンドライト組織が残存することによって、
図1及び
図2に示すように、その外周部に凹部が形成されることになる。また、本実施形態では、金属銅粉11は、純度が99.99mass%以上のものを使用することが好ましい。
また、本実施形態では、金属銅粉11の平均粒径は、30μm以上200μm以下の範囲内とされている。
【0032】
酸化銅粉12としては、CuO粉、Cu
2O粉、及び、CuO粉とCu
2O粉の混合粉を用いることができる。また、本実施形態では、酸化銅粉12は、純度が99mass%以上のものを使用することが好ましい。
また、本実施形態では、酸化銅粉12の平均粒径は、1μm以上10μm以下の範囲内とされている。
【0033】
また、本実施形態に係る金属銅/酸化銅含有粉10においては、前記金属銅粉のモル分率が50%以上75%以下の範囲内とされていることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る金属銅/酸化銅含有粉10においては、安息角が40°以上56°以下の範囲内とされていることが好ましい。
【0034】
以下に、本実施形態の金属銅/酸化銅含有粉10において、複合粒子15の構造、金属銅粉11の含有量、安息角、金属銅粉11及び酸化銅粉12の平均粒径を、上述のように規定した理由を説明する。
【0035】
(複合粒子15)
金属銅粉11は、流動性が高いが、タッピングを実施しても充填率が向上しない。これは、タッピングを実施しても、粒子間の摩擦力が低いため、タッピング時に粒子が滑るように移動するためと推測される。そこで、本実施形態では、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12を付着させることにより、粒子間の摩擦力を確保し、タッピング時に充填を十分に促進させ、充填率の向上を図っている。
また、複合粒子15が存在することにより、流動性の低い酸化銅粉12の存在比率が相対的に少なくなり、流動性が確保されることになる。
ここで、複合粒子15を、金属銅粉11の外周部に形成された前記凹部に酸化銅粉12が充填された構造とすることにより、金属銅粉11と酸化銅粉12とが強固に固着されることになる。
【0036】
(金属銅粉11のモル分率)
本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10において、金属銅粉11のモル分率を50%以上とした場合には、流動性の低い酸化銅粉12の含有量が相対的に少なくなり、流動性を確保することができる。一方、金属銅粉11のモル分率を75%以下とした場合には、複合粒子15を形成しない酸化銅粉12が存在することを抑制でき、タッピング時に充填を十分に促進させることができ、充填率を向上させることが可能となる。
なお、金属銅粉11のモル分率の下限は、55%以上とすることが好ましく、60%以上とすることがさらに好ましい。一方、金属銅粉11のモル分率の上限は、70%以下とすることが好ましく、65%以下とすることがさらに好ましい。
【0037】
(安息角)
粉体を自由落下させた際に形成される粉体層の安息角が小さいほど、粉体の流動性が高いことになる。なお、粉体の安息角は、例えばJIS R9301−2−2「アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角」に規定された方法で測定することができる。
ここで、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10において、安息角を40°以上とした場合には、流動性が必要以上に高くならず、粒子同士の摩擦力が確保され、タッピング時に充填を十分に促進させることができ、充填率を向上させることが可能となる。一方、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10において、安息角を56°以下とした場合には、流動性を確保することが可能となる。
なお、金属銅/酸化銅含有粉10の安息角の下限は、45°以上とすることが好ましく、48°以上とすることがさらに好ましい。一方、金属銅/酸化銅含有粉10の安息角の上限は、54°以下とすることが好ましく、52°以下とすることがさらに好ましい。
【0038】
(金属銅粉11及び酸化銅粉12の平均粒径)
本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10においては、上述のように、金属銅粉11は、酸化銅粉12よりも平均粒径が大きくされている。そして、金属銅粉の平均粒径を30μm以上200μm以下の範囲内とし、酸化銅粉12の平均粒径を1μm以上10μm以下の範囲内とした場合には、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12を確実に付着させることができ、上述の複合粒子15を確実に生成することが可能となる。
なお、金属銅粉11の平均粒径の下限は、40μm以上とすることが好ましく、50μm以上とすることがさらに好ましい。一方、金属銅粉11の平均粒径の上限は、150μm以下とすることが好ましく、100μm以下とすることがさらに好ましい。
また、酸化銅粉12の平均粒径の下限は、2μm以上とすることが好ましく、3μm以上とすることがさらに好ましい。一方、酸化銅粉12の平均粒径の上限は、8μm以下とすることが好ましく、7μm以下とすることがさらに好ましい。
【0039】
なお、金属銅/酸化銅含有粉、金属銅粉、酸化銅粉の平均粒径は、レーザー回折散乱式法粒度分布測定法で測定することができる。ヘキサメタリン酸Na水溶液に、金属銅/酸化銅含有粉、金属銅粉、酸化銅粉を、超音波分散させ、マイクロトラックベル株式会社製 マイクロトラックMT3000IIにて分析した。平均粒径は得られた粒度分布のMV値とした。
【0040】
次に、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10の製造方法について、
図3のフロー図を用いて説明する。
【0041】
(混合工程S01)
まず、上述した金属銅粉11と酸化銅粉12を準備する。そして、金属銅粉11と酸化銅粉12をそれぞれ所定の比率となるように秤量し、ヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて混合する。このとき、金属銅粉の酸化を防ぐために、混合装置内の雰囲気をAr等の不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
【0042】
(圧縮工程S02)
次に、上述のようにして得られた混合粉を加圧して圧粉体を成形する。ここで、圧粉体を成形する際には、一軸加圧プレス機を用いてもよい。なお、加圧圧力は、100MPa以上200MPa以下の範囲内とすることが好ましい。
この圧縮工程S02において、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12が圧着されるとともに、金属銅粉11の外周部に形成された凹部に酸化銅粉12が充填される。
【0043】
(粉砕工程S03)
上述のようにして得られた圧粉体を粉砕して粉砕粉を得る。ここで、粉砕方法については、特に制限はなく、手動で粉砕してもよいし、粉砕装置を用いて粉砕してもよい。
【0044】
(分級工程S04)
次に、得られた粉砕粉を篩等によって分級して、所定の粒度分布の金属銅/酸化銅含有粉10を得る。この金属銅/酸化銅含有粉10には、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12が付着した構造の複合粒子15が含まれることになる。
【0045】
上述の工程により、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10が製造されることになる。
【0046】
<スパッタリングターゲット材>
次に、本実施形態に係るスパッタリングターゲット材について説明する。本実施形態に係るスパッタリングターゲット材は、DC(直流)スパッタにより、酸化銅膜を成膜する際に使用されるものである。
【0047】
図4に、本実施形態に係るスパッタリングターゲット材21を用いたスパッタリングターゲット20を示す。
このスパッタリングターゲット20は、
図4に示すように、軸線Oに沿って延在する円筒形状をなすスパッタリングターゲット材21と、このスパッタリングターゲット材21の内周側に挿入された円筒形状のバッキングチューブ22とを備えている。
そして、円筒形状のスパッタリングターゲット材21とバッキングチューブ22は、In又はIn合金からなる接合層23を介して接合されている。
【0048】
また、本実施形態であるスパッタリングターゲット材21においては、上述した本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10の焼結体からなり、金属銅相と酸化銅相とを有するものとされており、酸化銅相の体積率が80vol%を超えて97.5vol%以下の範囲内とされている。このように、金属銅相と酸化銅相とを有する組織とすることにより、スパッタリングターゲット材21の導電性が確保されることになり、DC(直流)スパッタによって酸化銅膜を成膜することが可能となる。
【0049】
そして、本実施形態であるスパッタリングターゲット材21においては、断面組織に占めるボイドの面積率が2%未満に制限されている。すなわち、ボイドの個数が十分に低減されている。
なお、ボイドの面積率は、断面観察写真を、市販の画像ソフト等によって画像処理して二値化し、二値化した画像でボイドと認識された領域の面積を測定することで算出することができる。
【0050】
ここで、本実施形態である円筒形状のスパッタリングターゲット材21のサイズは、例えば外径D
Tが145mm≦D
T≦170mmの範囲内、内径d
Tが120mm≦d
T≦140mmの範囲内、軸線O方向長さL
Tが150mm≦L
T≦300mmの範囲内とされている。
【0051】
バッキングチューブ22は、円筒形状のスパッタリングターゲット材21を保持して機械的強度を確保するために設けられたものであり、さらには円筒形状のスパッタリングターゲット材21への電力供給、及び、円筒形状のスパッタリングターゲット材21の冷却といった機能を有するものである。
このため、バッキングチューブ22としては、機械的強度、電気伝導性及び熱伝導性に優れていることが求められており、例えばSUS304等のステンレス鋼、チタン等で構成されている。
ここで、このバッキングチューブ22のサイズは、例えば外径D
Bが119.5mm≦D
B≦139.5mmの範囲内、内径d
Bが110mm≦d
B≦130mmの範囲内、軸線O方向長さL
Bが170mm≦L
B≦2000mmの範囲内とされている。
【0052】
次に、本実施形態であるスパッタリングターゲット材21の製造方法について、
図5のフロー図を用いて説明する。
【0053】
(粉末充填工程S11)
まず、上述した本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10を準備する。この金属銅/酸化銅含有粉10を成形容器内に充填する。充填時には、治具を用いて金属銅/酸化銅含有粉10を押し固めた。これにより、充填率を60%以上とした。なお、成形容器への充填率は、以下のようにして算出することができる。
【0054】
まず、成形容器内に充填された金属銅/酸化銅含有粉10の重量を測定し、この重量を成形容器の内容積で割ることにより、嵩密度を算出する。
つぎに、金属銅粉の重量W
Cu(g)、酸化銅粉(CuO)の重量W
CuO(g)、酸化銅粉(Cu
2O)の重量W
Cu2O(g)、金属銅の理論密度D
Cu=8.9g/cm
3、酸化銅(CuO)の理論密度D
CuO=6.3g/cm
3、酸化銅(Cu
2O)の理論密度D
Cu2O=6.0g/cm
3を用いて、以下の式によって、金属銅/酸化銅含有粉10の理論密度を算出する。
(理論密度)=(W
Cu+W
CuO+W
Cu2O)/(W
Cu/D
Cu+W
CuO/D
CuO+W
Cu2O/D
Cu2O)
そして、上述の嵩密度と理論密度から、以下の式により、「充填率(%)」が算出される。
(充填率)=(嵩密度)/(理論密度)×100
【0055】
(真空脱気工程S12)
次に、金属銅/酸化銅含有粉10を充填した成形容器の蓋を溶接で封止し、事前に蓋に接続した脱気管を真空ポンプへ接続し、成形容器内部を真空引きしながら加熱し、内部のガスを脱気し、脱気が終了したら脱気管を封止する。
【0056】
(HIP焼結工程S13)
次に、成形容器内に充填された金属銅/酸化銅含有粉10を、熱間等方加圧法によって、加圧及び加熱して焼結し、焼結体を得る。
ここで、加圧圧力を80MPa以上150MPa以下の範囲内、加熱温度を700℃以上850℃以下の範囲内とする。
【0057】
なお、加圧圧力の下限は90MPa以上とすることが好ましく、95MPa以上とすることがさらに好ましい。一方、加圧圧力の上限は130MPa以下とすることが好ましく、110MPa以下とすることがさらに好ましい。
また、加熱温度の下限は720℃以上とすることが好ましく、740℃以上とすることがさらに好ましい。一方、加熱温度の上限は850℃以下とすることが好ましく、800℃以下とすることがさらに好ましい。
【0058】
(機械加工工程S14)
HIP焼結工程S13で得られた焼結体に対して、機械加工を行うことにより、所定の形状及び寸法のスパッタリングターゲットを得る。
【0059】
上述の工程によって、本実施形態であるスパッタリングターゲットが製造される。
【0060】
以上のような構成とされた本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10によれば、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12が付着した複合粒子15を有しているので、粒子間の摩擦力が大きくなり、タッピング時に充填を十分に促進させることができ、充填率を向上させることが可能となる。また、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12が付着することにより、流動性の低い酸化銅粉12の存在比率が相対的に少なくなり、金属銅/酸化銅含有粉10の流動性が向上することになる。
【0061】
よって、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10においては、流動性が確保されるとともに、粒子同士の摩擦力が確保されているので、成形容器内に充填した際の充填率を例えば60%以上、好ましくは65%以上とすることができ、熱間等方加圧法(HIP)によって安定して焼結を行うことができる。
【0062】
また、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10において、上述の複合粒子15が、金属銅粉11の外周部に形成された凹部に酸化銅粉12が充填された構造とされている場合には、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12を確実に付着させることができ、金属銅/酸化銅含有粉10の流動性を確保できるとともに、タッピング時に充填を十分に促進させることができ、充填率を向上させることが可能となる。
【0063】
また、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10において、金属銅粉11のモル分率を50%以上75%以下の範囲内とした場合には、酸化銅粉12の存在比率を相対的に少なくすることで流動性を確保することができるとともに、タッピング時に充填を十分に促進させることができ、充填率を向上させることが可能となる。
【0064】
さらに、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10において、安息角を40°以上56°以下の範囲内とした場合には、十分な流動性を確保することができるとともに、粒子同士の摩擦力を確保することで充填率を十分に向上させることが可能となる。
【0065】
また、本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10において、金属銅粉11の平均粒径が30μm以上200μm以下の範囲内とされ、酸化銅粉12の平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内とされている場合には、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12を確実に付着させることができ、上述の複合粒子15を確実に生成することが可能となる。
また、金属銅粉11の外周部に凹部が形成されている場合には、この凹部に酸化銅粉12を十分に充填させることが可能となる。
【0066】
本実施形態である金属銅/酸化銅含有粉10の製造方法によれば、混合工程S01で得られた混合粉を圧縮して圧粉体を形成する圧縮工程S02を備えているので、この圧縮工程S02において、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12を圧着させることができる。そして、圧縮工程S02で得られた圧粉体を粉砕する粉砕工程S03により、金属銅粉11の外周部に酸化銅粉12が付着した構造の複合粒子15を得ることができる。
よって、流動性が確保され、かつ、充填率に優れた金属銅/酸化銅含有粉10を製造することができる。
【0067】
本実施形態であるスパッタリングターゲット材21によれば、金属銅/酸化銅含有粉10の焼結体で構成されているので、比抵抗値が低く、DC(直流)スパッタによって酸化銅膜を成膜することが可能となる。
また、断面組織に占めるボイドの面積率が2%未満に制限されているので、スパッタ時における異常放電の発生を抑制でき、安定して、酸化銅膜を成膜することができる。
さらに、本実施形態においては、スパッタリングターゲット材21は、円筒形状をなしており、軸線O方向長さL
Tが150mm≦L
T≦300mmの範囲内とされているので、スパッタ面(円筒面)の面積が確保され、大面積の基材に対して効率的に酸化銅膜を成膜することができる。
【0068】
本実施形態であるスパッタリングターゲット材21の製造方法によれば、金属銅/酸化銅含有粉10を用いているので、粉末充填工程S11において、成形容器内への充填率を60%以上とすることが可能となる。よって、熱間等方加圧法により、安定して焼結体を得ることが可能となる。
また、HIP焼結工程S13で、加圧圧力を80MPa以上150MPa以下の範囲内としているので、十分な加圧圧力を負荷して焼結することにより、ボイドを減少させることができ、断面組織に占めるボイドの面積率を2%未満とすることができる。
さらに、熱間等方加圧法によって焼結しているので、大型のスパッタリングターゲット材21を効率的に製造することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、金属銅粉として電解銅粉を用いるものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の金属銅粉を用いてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、
図4に示すように、円筒形状をなすスパッタリングターゲット材21として説明したが、これに限定されることはなく、例えば、スパッタ面が円形をなす円板型のスパッタリングターゲットであってもよいし、スパッタ面が矩形形をなす矩形平板型のスパッタリングターゲットであってもよい。なお、これらのスパッタリングターゲットにおいては、スパッタ面の絶対最大長(スパッタ面の輪郭上の任意の2点間の距離の内、最大のもの)が450mm以上であることが好ましい。
【実施例】
【0071】
以下に、前述した本発明の金属銅/酸化銅含有粉、及び、金属銅/酸化銅含有粉の製造方法について評価した評価試験の結果について説明する。
【0072】
(実施例1)
金属銅粉として、電解銅粉(純度:99.99mass%以上、平均粒径:75μm)を準備した。また、酸化銅粉として、CuO粉(純度:99.99mass%以上、平均粒径:5μm)を準備した。
これら金属銅粉及び酸化銅粉を、表1に記載のモル比になるように秤量し、ヘンシェルミキサーを用いてAr雰囲気下で混合し、金属銅粉及び酸化銅粉の混合粉を得た。
【0073】
そして、本発明例においては、得られた混合粉を、一軸加圧法によって圧力167MPaで加圧し、圧粉体を成形した。次に、得られた成形体を、乳鉢を用いて粉砕した。その後、目開き710μmの篩を用いて分級し、金属銅/酸化銅含有粉を得た。
なお、比較例においては、ヘンシェルミキサーを用いて混合した金属銅粉及び酸化銅粉の混合粉とした。
【0074】
得られた本発明例の金属銅/酸化銅含有粉、及び、比較例の金属銅粉及び酸化銅粉の混合粉について、以下の項目について評価した。
【0075】
(複合粒子の有無)
得られた金属銅/酸化銅含有粉をエポキシ樹脂内に分散させ、これを硬化させた後、研磨、イオンミリング加工を実施して観察試料を作成した。この観察試料を倍率50倍から500倍でSEM観察した。BSE−COMPO像における元素コントラストから、金属銅粉の外周部に酸化銅粉が付着した構造の複合粒子の有無を確認した。評価結果を表1に示す。
【0076】
(安息角)
ホソカワミクロン株式会社製パウダーテスターPT−Xを用いて、注入法によって測定した。
まず、200cm
3の粉体を、装置内に設置した篩付き供給容器に充填した。篩は、目開きが710μmのものを使用した。
供給容器を上下方向に20秒間振動させ、粉体を自由落下でふるい落とし、装置に設置した安息角テーブル上に堆積させた。
安息角テーブルから粉体が溢れた時点で粉体の供給を停止し、形成された粉体層の安息角を測定した。評価結果を表1に示す。
【0077】
(充填率)
SPCC(普通鋼)からなる成形容器に、粉体を充填した。充填時は、治具を押すことによって粉体を押し固めた。この時の充填率を表1に示す。なお、充填率は、上述の実施形態の欄に記載した式によって算出した。
【0078】
(HIP焼結)
成形容器の蓋を溶接で封止し、事前に蓋に接続した脱気管を真空ポンプへ接続し、成形容器内部を真空引きしながら380℃まで加熱し、内部のガスを脱気した。脱気後は、脱気管を封止した。脱気後の成形容器を、800℃、98MPaでHIP処理を行った。
そして、HIP処理を実施した際の成形容器の変形状態、成形容器の割れの有無、ボイドの面積率について評価した。
なお、参考例1として、ヘンシェルミキサーを用いて混合した金属銅粉及び酸化銅粉の混合粉を用いて、ホットプレス法(加圧圧力30MPa)によって焼結体を製造し、焼結体のボイドの面積率を評価した。
【0079】
(ボイドの面積率)
得られた焼結体から観察試料を採取し、切断面を研磨してSEM観察した。倍率は500倍、視野は245μm×170μmとした。得られたSEM画像に対して、Windows用のフリーウエアであるFiji(https://imagej.net/Fiji)を用いてボイド部分と非ボイド部の分離を実施した。フリーハンドラインで断面組織中のボイド部、及び非ボイド部をそれぞれ10か所指定し、得られた分離後の画像を白黒画像に変換して二値化処理を実施した。得られた二値化像から、ボイド部の面積を算出し、全てのボイド部の面積の合計値を、SEM画像中の二値化処理を行った全領域の面積で割ってボイド面積率を算出した。
ここで、
図6に、焼結体の断面観察結果の二値化処理像を示す。(a)がHIP焼結した本発明例1、(b)がホットプレス焼結した参考例1である。
【0080】
【表1】
【0081】
ヘンシェルミキサーを用いて混合した金属銅粉及び酸化銅粉の混合粉を用いた比較例1−3においては、流動性が不十分であった。また、充填率が不十分であった。このため、HIP時における成形容器の変形が大きくなり、割れが生じた。
また、ホットプレス焼結した参考例1においては、
図6(b)に示すように、ボイドが多く存在し、ボイドの面積率が2%を超えた。
【0082】
一方、本発明例においては、安息角が一定の範囲にあり、流動性に優れていた。また、充填率が高くなった。このため、HIP時における成形容器の変形が小さく抑えられており、割れの発生が抑制された。また、
図6(a)に示すように、ボイドの数が少なく、ボイドの面積率が2%未満に抑えられていた。
よって、本発明例であれば、HIPによって焼結体を安定して製造することが可能であった。
【0083】
(実施例2)
表2に示す形状及び寸法のSPCC(普通鋼)からなる成形容器を準備し、実施例1における本発明例1の金属銅/酸化銅含有粉を充填して、実施例1と同様の条件において、HIP焼結を実施した。その後、機械加工により成型容器を除去して焼結体を取り出し、寸法の測定を実施した。
本発明例1の金属銅/酸化銅含有粉を用いることにより、一般的な規模の真空ホットプレス装置では焼結することが困難である、スパッタ面の絶対最大長が450mm以上の平板、及び、軸方向の長さ150mm以上の円筒の、割れの無い焼結体を得ることができた。
【0084】
【表2】
【0085】
(実施例3)
本発明例21,22として、上述の実施例1における本発明例1の金属銅/酸化銅含有粉、本発明例5の金属銅/酸化銅含有粉を準備した。これらを、実施例2の本発明例16に示す形状及び寸法の円筒型の焼結体を各3本ずつ作製し、これを機械加工することにより、外径155mm、内径135mm、長さ198mmの寸法の3本のスパッタリングターゲット材を得た。
これをTi製の長さ640mmのバッキングチューブに3本並べて接合し、円筒型のスパッタリングターゲットを得た。
【0086】
また、参考例21として、実施例1における比較例1の混合粉を準備し、この混合粉を、中心部に黒鉛の芯棒を配置した黒鉛モールドに充填し、参考例1と同様の条件にて真空ホットプレス法による焼結を行った。得られた焼結体を機械加工することにより、外径内径は上記本発明例21,22と同じで、長さが148mmの円筒型ターゲット材を4本作製した。
これを上記と同じバッキングチューブに接合し、参考例のスパッタリングターゲットとした。
【0087】
(異常放電回数)
上述のスパッタリングターゲットを、昭和真空株式会社製の円筒型スパッタ装置SPH−2324−MFに装着し、スパッタ試験を行った。スパッタ条件は、電力:直流1500W、ガス圧:Arガス、0.4Paとした。
この条件で1時間の放電を行い、発生した異常放電の回数を直流電源付属のアークカウント機能により計数し記録した。その結果を表3に示す
【0088】
(ボイドの面積率)
スパッタ試験後のスパッタリングターゲット材をバッキングチューブから取り外し、所定のサイズに切断して、樹脂埋めして断面観察し、実施例1と同様に、ボイドの面積率を測定した。その結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】
ホットプレス焼結した参考例21においては、ボイドの面積率が2%を超えており、異常放電回数が18回と多くなった。
これに対して、本発明の金属銅/酸化銅含有粉を用いてHIP焼結した本発明例21,22においては、ボイドの面積率が2%未満に抑えられており、異常放電回数も9回以下となった。よって、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、安定して酸化銅膜が成膜可能であった。
【0091】
以上のことから、本発明によれば、容器内に充填した際の充填率を十分に向上させることができ、焼結原料として特に適した金属銅/酸化銅含有粉、この金属銅/酸化銅含有粉の製造方法、及び、安定して酸化銅膜を成膜可能なスパッタリングターゲット、スパッタリングターゲットの製造方法を提供可能であることが確認された。